JP2003264086A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

Info

Publication number
JP2003264086A
JP2003264086A JP2002063794A JP2002063794A JP2003264086A JP 2003264086 A JP2003264086 A JP 2003264086A JP 2002063794 A JP2002063794 A JP 2002063794A JP 2002063794 A JP2002063794 A JP 2002063794A JP 2003264086 A JP2003264086 A JP 2003264086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
organic
light emitting
emitting layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002063794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3965063B2 (ja
Inventor
Masaji Kajitani
正次 梶谷
Hiromitsu Ogawa
浩充 小川
Tetsuji Inoue
鉄司 井上
Takahiro Kamiya
高寛 上谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2002063794A priority Critical patent/JP3965063B2/ja
Publication of JP2003264086A publication Critical patent/JP2003264086A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3965063B2 publication Critical patent/JP3965063B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 励起一重項から励起三重項への系間交差が効
率よく行われ、極めて安定性が良好な発光材料を用い、
発光効率が高く、長寿命化が可能である有機エレクトロ
ルミネッセンス素子を提供する。 【解決手段】 ジチオカルボン酸ないしその誘導体を配
位子とし、かつオルトメタル化配位子を有する下記式
(1a)または式(1b)の構造の金属錯体(好ましく
は白金族金属錯体)を発光材料に用いた有機エレクトロ
ルミネッセンス素子。 具体例としては、

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極からの電荷の
注入により発光するエレクトロルミネッセンス(EL)を
利用する発光装置であって、有機薄膜を発光層として用
いる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、有機EL素子の高効率化の方策とし
て、ほとんど利用することができなかった励起三重項状
態を、室温付近でもりん光発光を示す有機金属錯体を発
光材料として使用することが試みられている。例えば、
Appl. Phys. Lett.,75,4(1999)、米国特許6,310,360
号、および特開2001−313178号において、トリス(2−フ
ェニルピリジン)イリジウム(III)錯体が開示され、これ
を発光層のドーパントに用いた有機EL素子が外部量子収
率8%を示すことが報告されている。また、J. Am.Chem.
Soc.,123,4304(2001)、および特開2001−247859号で
は、オルトメタル化配位子のほかに、ジケトン配位子
や、含窒素ヘテロ環配位子を含むイリジウム(III)錯体
が開示され、これらを発光層のドーパントに用いた有機
EL素子が高い外部量子収率を示すことが報告されてい
る。
【0003】しかしながら、Appl. Phys. Lett.,75,4(1
999)、米国特許6,310,360号、および特開2001−313178
号において開示されたトリス(2−フェニルピリジン)イ
リジウム(III)錯体は、発光色が緑色のみに制限されて
いる。また、J. Am. Chem. Soc.,123,4304(2001)、およ
び特開2001−247859号で開示されている、オルトメタル
化配位子のほかにジケトン配位子や含窒素ヘテロ環配位
子を含むイリジウム(III)錯体は、青緑〜橙色までの発
光を示すものの、りん光発光の量子収率が十分ではな
く、錯体の安定性が低い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、好ま
しくは白金族金属を中心金属とし、かつ硫黄−金属結合
を有するため、励起一重項から励起三重項への系間交差
が効率よく行われ、極めて安定性が良好な金属錯体を発
光材料として用い、高温時の保存・駆動安定性に優れ、
発光効率が高く、かつ発光効率の電流密度依存性が小さ
く、長寿命化が可能である有機エレクトロルミネッセン
ス素子を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の本発
明によって達成される。 (1) 陽極と陰極とを有し、この陽極と陰極との間
に、少なくとも発光層を含む有機層を有する有機エレク
トロルミネッセンス素子において、式(1a)または式
(1b)で表される化合物を含有する有機層を有する有
機エレクトロルミネッセンス素子。
【0006】
【化6】
【0007】[式(1a)において、Mは二価以上の価
数を取りうる金属または希土類元素を表す。Z1は、五
員または六員の含窒素複素環を完成するための原子群を
表し、Z2は、五員もしくは六員の炭素環または複素環
を完成するための原子群を表し、これらの環は置換基を
有してもよく、また、縮合環を有していてもよい。
1、R2およびR3は、それぞれ、水素原子、ハロゲン
原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキ
ル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、アミ
ノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、ア
シルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基または複素環基を表す。mおよびnは、
それぞれ1以上の整数であり、m+nはMの価数と一致
する。]
【0008】
【化7】
【0009】[式(1b)において、Mは二価以上の価
数を取りうる金属または希土類元素を表す。Z1は、五
員または六員の含窒素複素環を完成するための原子群を
表し、Z2およびZ3は、それぞれ、五員もしくは六員の
炭素環または複素環を完成するための原子群を表し、こ
れらの環は互いに縮合環を形成しており、さらに、置換
基を有してもよく、また、縮合環を有していてもよい。
1、R2およびR3は、それぞれ、水素原子、ハロゲン
原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキ
ル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、アミ
ノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、ア
シルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基または複素環基を表す。mおよびnは、
それぞれ1以上の整数であり、m+nはMの価数と一致
する。] (2) 式(1a)または式(1b)で表される化合物
が、式(1a)または式(1b)において、Mがルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム
または白金である白金族金属錯体である上記(1)の有
機エレクトロルミネッセンス素子。 (3) 前記白金族金属錯体が、式(1c)、式(1
d)または式(1e)で表される上記(2)の有機エレ
クトロルミネッセンス素子。
【0010】
【化8】
【0011】[式(1c)において、Mはルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムまたは
白金を表す。R1〜R3およびR12〜R17は、それぞれ、
水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ
基、シアノ基、アルキル基、アラルキル基、アルケニル
基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基または複素環基を
表し、R1およびR12〜R14の隣接する2個同士、また
はR2およびR15〜R17の隣接する2個同士が互いに結
合して環を形成してもよい。mおよびnは、それぞれ1
以上の整数であり、m+nはMの価数と一致する。]
【0012】
【化9】
【0013】[式(1d)において、Mはルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムまたは
白金を表す。R1〜R3、R12、R13およびR16〜R
19は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ
基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基ま
たは複素環基を表し、R1、R2、R12、R13およびR 16
〜R19の隣接する2個同士は互いに結合して環を形成し
てもよい。mおよびnは、それぞれ1以上の整数であ
り、m+nはMの価数と一致する。]
【0014】
【化10】
【0015】[式(1e)において、Mはルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムまたは
白金を表す。R1〜R3、およびR12〜R14およびR
20は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ
基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基ま
たは複素環基を表し、R1およびR12〜R14の隣接する
2個同士、またはR2とR20とが互いに結合して環を形
成してもよい。Xはヘテロ原子を表す。mおよびnは、
それぞれ1以上の整数であり、m+nはMの価数と一致
する。] (4) 式(1a)または式(1b)で表される化合物
を含有する有機層が発光層であり、この発光層が、ドー
パントして前記式(1a)または式(1b)で表される
化合物を含有する上記(1)〜(3)のいずれかの有機
エレクトロルミネッセンス素子。 (5) 前記発光層のホスト材料として有機化合物を含
有し、この有機化合物の最低励起三重項エネルギーが前
記式(1a)または式(1b)で表される化合物の最低
励起三重項エネルギーより大きい値をもつ上記(4)の
有機エレクトロルミネッセンス素子。 (6) 前記発光層が、さらに、前記ホスト材料と前記
式(1a)または式(1b)で表される化合物とは異な
る有機化合物を含有し、この有機化合物の最低励起三重
項エネルギーが前記式(1a)または式(1b)で表さ
れる化合物の最低励起三重項エネルギーより大きい値を
もつ上記(5)の有機エレクトロルミネッセンス素子。 (7) 式(1a)または式(1b)で表される化合物
を含有する有機層が発光層であり、この発光層に隣接し
て、これとは異なる、蛍光発光性有機化合物を含有する
発光層を有する上記(1)〜(3)のいずれかの有機エ
レクトロルミネッセンス素子。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、
「有機EL素子」ともいう。)は、陽極と陰極とを有
し、陽極と陰極との間には少なくとも1層の有機層が設
けられており、この有機層には、少なくとも1層の発光
層が含まれている。
【0017】この場合の有機層、具体的にいえば、発光
層には、式(1a)または式(1b)で表される化合物
の金属錯体(好ましくは白金族金属錯体)が、発光材料
として含有されている。
【0018】このような金属錯体は、ジチオカルボン酸
ないしその誘導体を配位子として含み、2つの硫黄で金
属(好ましくは白金族金属)に配位したオルトメタル化
金属錯体である。ここで、オルトメタル化とは、Z2
完成される環において、配位原子を有する置換基の結合
位置に対してオルト位のC−H結合が、分子内反応で金
属−炭素結合を含むキレート環を生成する反応をいう。
【0019】したがって、このような金属錯体は、好ま
しくは白金族金属を中心金属として有し、かつ硫黄‐金
属結合を有するため、励起一重項から励起三重項への系
間交差が効率良く行われ、安定性が極めて良好である。
したがって、このような金属錯体を発光材料として用い
た有機EL素子は、高温時の保存・駆動安定性に優れ、発
光効率が高く、かつ発光効率の電流密度依存性が小さ
く、長寿命化が可能である。
【0020】以下、本発明を、式(1a)または式(1
b)で表される金属錯体のうち、白金族金属錯体を中心
にして説明する。
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】式(1a)、式(1b)において、Mは中
心金属を表し、二価以上の価数を取りうる金属または希
土類元素であり、好ましくはルテニウム(Ru)、ロジ
ウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(O
s)、イリジウム(Ir)および白金(Pt)から選ば
れる白金族金属である。
【0024】R1〜R3は、水素原子、ハロゲン原子、カ
ルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、ア
ラルキル基、アルケニル基、アリール基、アミノ基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基または複素環基を表す。
【0025】R1〜R3で表されるハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0026】R1〜R3で表されるアルキル基としては、
無置換でも置換基(例えばハロゲン原子等)を有してい
てもよく、直鎖状でも分枝を有していても、環状であっ
てもよく、総炭素数は1〜10であることが好ましい。
例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−
ペンチル、シクロヘキシル、フッ化メチル、塩化メチ
ル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等が挙
げられる。
【0027】R1〜R3で表されるアラルキル基として
は、無置換であっても置換基を有していてもよく、総炭
素数7〜20であることが好ましい。例えば、ベンジ
ル、フェネチル等が挙げられる。
【0028】R1〜R3で表されるアルケニル基として
は、無置換であっても置換基(例えばアリール等)を有
していてもよく、総炭素数2〜20であることが好まし
い。例えば、ビニル、アリル、プロペニル、2−メチル
−1−プロペニル、スチリル、2,2−ジフェニルビニ
ル等が挙げられる。
【0029】R1〜R3で表されるアリール基としては、
無置換であっても置換基(例えばアルキル、アルコキ
シ、アリールオキシ、アミノ等)を有していてもよく、
総炭素数6〜20であることが好ましい。例えば、フェ
ニル、(o−,m−,p−)トリル、(o−,m−,p
−)フェノキシフェニル、(2−,3−,4−)ビフェ
ニリル、ナフチル、ジフェニルアミノフェニル、アセト
キシフェニル、アセチルフェニル等が挙げられる。
【0030】R1〜R3で表されるアミノ基としては、無
置換であっても置換基(例えばアルキル、アラルキル、
アリール等)を有していてもよく、総炭素数は0〜20
であることが好ましい。例えば、アミノ、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、フェニルアミノ、ジフェニルアミ
ノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、ジトリルアミ
ノ等が挙げられる。
【0031】R1〜R3で表されるアルコキシ基として
は、前記のR1〜R3で表されるアルキル基、アラルキル
基を有するものが好ましく、例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ベンジルオキシ等
が挙げられる。
【0032】R1〜R3で表されるアリールオキシ基とし
ては、前記のR1〜R3で表されるアリール基を有するも
のが好ましく、例えばフェノキシ、メチルフェニルオキ
シ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げ
られる。
【0033】R1〜R3で表されるアシル基としては、無
置換であっても置換基を有していてもよく、総炭素数1
〜20のものが好ましく、例えばホルミル、アセチル、
プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ベ
ンゾイル等が挙げられる。
【0034】R1〜R3で表されるアシルオキシ基として
は、前記のR1〜R3で表されるアシル基を有するものが
好ましく、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙
げられる。
【0035】R1〜R3で表されるアルコキシカルボニル
基としては、前記のR1〜R3で表されるアルコキシ基を
有するものが好ましく、例えばメトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル等が挙げられる。
【0036】R1〜R3で表されるアリールオキシカルボ
ニル基としては、前記のR1〜R3で表されるアリールオ
キシ基を有するものが好ましく、例えばフェノキシカル
ボニル等が挙げられる。
【0037】R1〜R3で表される複素環基としては、さ
らに縮合環を有していてもよい五員、六員の複素環基が
好ましく、また、置換基(例えばアルキル、アリール
等)を有していてもよく、芳香族性を有するものであっ
ても、有しないものであってもよい。例えばチエニル、
ピロリル、ピロリジニル、ピリジル、カルバゾリル、フ
ェニルチエニル等が挙げられる。
【0038】式(1a)、(1b)中のZ1は、五員ま
たは六員の含窒素複素環を完成するための原子群を表
し、Z1で完成される含窒素複素環としては、芳香環が
好ましく、さらには縮合環を有していてもよく、例えば
ピリジン環、キノリン環、イミダゾール環、チアゾール
環、オキサゾール環、トリアゾール環、ピリミジン環、
ピラジン環等がある。また、これらの環は置換基を有し
ていてもよく、例えばシアノ基、アルキル基、アルコキ
シ基、アリール基、アミノ基、アシル基、アラルキル
基、アルケニル基、アリールオキシカルボニル基、アル
コキシカルボニル基等が挙げられる。
【0039】式(1a)、(1b)中のZ2は、五員ま
たは六員の炭素環または複素環を完成するための原子群
を表し、Z2で完成される環としては、芳香環が好まし
く、さらには縮合環を有していてもよく、例えばベンゼ
ン環、ナフタレン環、ビフェニル環、テルフェニル環、
チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピリミジン環等
がある。これらの環は置換基を有していてもよく、例え
ばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール
基、シアノ基、ヒドロキシ基、複素環基、カルボキシ
基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールオキシ
カルボニル基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基等
が挙げられる。
【0040】なお、Z2によって完成される環がベンゼ
ン環であるような場合、式(1a)、式(1b)中の炭
素と炭素との間の単結合、二重結合の位置は便宜的なも
のであり、理論的に矛盾しないものであれば、この位置
に限定されるものではない。
【0041】式(1b)中のZ3は、五員もしくは六員
の炭素環または複素環を完成するための原子群を表し、
3で完成される環は、Z1で完成される環およびZ2
完成される環とともに縮合環を形成する。Z3で完成さ
れる環は、Z2で完成される環と同様のものが挙げられ
る。
【0042】式(1a)、(1b)において、Mとして
はIrが好ましく、Z1で完成される環としてはピリジ
ン環が好ましく、Z2で完成される環としてはベンゼン
環、チオフェン環が好ましく、Z3で完成される環とし
てはベンゼン環が好ましい。これらの環は縮合環を有し
ていてもよく、置換基を有していてもよい。
【0043】R1としては水素原子、アリール基が好ま
しく、R2としては水素原子、アリール基が好ましく、
1、R2としては隣接基とともにベンゼン環を形成する
場合も好ましい。R3としては、アルキル基、アルコキ
シ基、アルケニル基、アリール基、複素環基、アミノ
基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アシルオ
キシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アシル基
が好ましく、特にアルキル基、アルコキシ基、アルケニ
ル基、アリール基、複素環基、アミノ基が好ましい。
【0044】式(1a)、(1b)中のm、nは1以上
の整数であり、m+nはMの価数と一致する。mは1で
あることが好ましい。
【0045】上記の白金族金属錯体のなかでも、式(1
c)〜(1e)で表されるものが好ましい。
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】式(1c)〜(1e)において、M、R1
〜R3、m、nは、式(1a)、(1b)中のものと同
義であり、R12〜R20は式(1a)、(1b)中のR1
〜R3と同義のものである。式(1e)において、Xは
ヘテロ原子を表す。
【0050】したがって、式(1c)〜(1e)中の
M、R1〜R3、m、nについては、式(1a)、(1
b)中のものと好ましいものも同様である。
【0051】なお、式(1c)において、R1、R12
14から選ばれる隣接基同士、あるいはR2、R15〜R
17から選ばれる隣接基同士は互いに結合して環を形成し
てもよい。また、式(1d)においては、R1、R2、R
12〜R19から選ばれる隣接基同士は互いに結合して環を
形成してもよく、また、式(1e)においては、R1
12〜R14から選ばれる隣接基同士、あるいはR2とR
20は互いに結合して環を形成してもよい。
【0052】式(1c)において、R1、R12〜R14
しては水素原子が好ましく、置換基としてはフェニル等
のアリール基、アミノ基、アシルオキシ基が好ましく、
また、隣接基同士でベンゼン環を形成するものも好まし
い。
【0053】また、R2、R15〜R17としては、水素原
子が好ましく、置換基としては、フッ素等のハロゲン原
子、メチル等のアルキル基、メトキシ等のアルコキシ
基、フェニル等のアリール基、複素環基、ヒドロキシ
基、シアノ基、アルケニル基、アリールオキシ基、カル
ボキシ基、アリールオキシカルボニル基、アラルキル基
が好ましく、また、隣接基同士でベンゼン環を形成する
ものも好ましい。
【0054】式(1d)において、R1、R12、R13
しては水素原子が好ましく、置換基としてはメチル等の
アルキル基、フェニル等のアリール基、アラルキル基、
アルケニル基、アリールオキシカルボニル基が好まし
く、また、隣接基同士でベンゼン環を形成するものも好
ましい。
【0055】また、R2、R16、R17としては、水素原
子が好ましく、置換基としてはフッ素等のハロゲン原
子、メトキシ等のアルコキシ基、フェニル等のアリール
基、アミノ基、カルボキシ基、アシル基、アシルオキシ
基が好ましく、また、隣接基同士でベンゼン環を形成す
るものも好ましい。
【0056】R18、R19としては水素原子が好ましく、
置換基としてはフェニル等のアリール基、シアノ基、ア
リールオキシ基が好ましく、これらが互いに結合してベ
ンゼン環を形成する場合も好ましい。
【0057】式(1e)において、R1、R12〜R14
しては水素原子が好ましく、置換基としてはメチル等の
アルキル基、シアノ基、メトキシ等のアルコキシ基、フ
ェニル等のアリール基、アラルキル基、アルケニル基、
アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基が好ましく、
隣接基同士が結合してベンゼン環を形成する場合も好ま
しい。
【0058】R2、R20としては水素原子が好ましく、
置換基としてはメチル等のアルキル基、フッ素等のハロ
ゲン原子、フェニル等のアリール基、アリールオキシ
基、アシル基が好ましく、これらが互いに結合してベン
ゼン環を形成する場合も好ましい。
【0059】式(1e)中のXで表されるヘテロ原子と
しては、硫黄(S)、酸素(O)が好ましく、Sが特に
好ましいが、NR0(R0は水素原子、置換もしくは無置
換のアルキル基もしくはアリール基などであり、好まし
くは水素原子、メチル、フェニル等である。)であって
もよい。
【0060】式(1a)、(1b)で表される白金族金
属錯体におけるジチオカルボン酸系の配位子の具体例を
以下に示す。
【0061】
【化16】
【0062】また、オルトメタル化配位子の具体例を以
下に示す。
【0063】
【化17】
【0064】
【化18】
【0065】
【化19】
【0066】
【化20】
【0067】
【化21】
【0068】
【化22】
【0069】次に、これらの配位子の組合せを用いて、
式(1a)、(1b)で表される白金族金属錯体の具体
例を以下に示す。
【0070】
【化23】
【0071】
【化24】
【0072】
【化25】
【0073】このような白金族金属錯体は、対応するオ
ルトメタル化配位子をもつ塩素架橋二核錯体と、所望の
ジチオカルボン酸系配位子に対応するジチオカルボン酸
系塩とを、所定量、非水溶媒中で反応させて得ることが
できる。同定は、1H核磁気共鳴スペクトル(1HNM
R)、マス(MS)スペクトル、元素分析などにより行
うことができる。
【0074】以下に、下記化合物についての合成例を示
す。
【0075】
【化26】
【0076】
【化27】
【0077】合成例1 例示化合物(A-1)の合成 定法により合成した[ビス(2-フェニルピリジノ)イリジ
ウムクロライド]2 270mg (0.25 mmol)をジクロロメタン
(50 ml)、メタノール (20 ml)の混合溶媒に溶かした
後、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム72 mg (0.5
mmol)を加え、室温下で3時間攪拌した。溶媒除去後、
カラムクロマトグラフィー、再結晶により精製し、黄色
粉末の目的物を収率78 % (244 mg, 0.39 mmol)で得た。
同定は1H NMR 、MSスペクトルおよび元素分析により行
った。
【0078】1H NMR (CDCl3): δ 3.22 (s, 6H), 6.33
(d, 2H), 6.67 (t, 2H), 6.78 (t, 2H), 7.219 (t, 2
H), 7.57 (d, 2H), 7.75 (t, 2H), 7.87 (d, 2H), 9.61
(d, 2H)MS (EI+, 1.3 kv) m/z = 621 (M+, Ir=193, 6
8), 619 (M+, Ir=191, 39), 501 (Irppy2 +, Ir=193, 10
0), 499 (Irppy2 +, Ir=191, 54). 元素分析;計算値 (%) [C25H22N3S2Ir(620.81)]: C 48.
37, H 3.57, N 6.77; 実測値(%): C 48.25, H 3.63, N
6.39
【0079】合成例2 例示化合物(A-2)の合成 ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムの代わりに、ピ
ロリジン−1‐ジチオ酢酸アンモニウムを用いた以外
は、合成例1と同様の方法で合成し、黄色粉末の目的物
を得た(収率:66 %)。同定は1H NMR 、MSスペクトルに
より行った。
【0080】1H NMR (CDCl3): δ 2.00 (p, 4H), 3.71
(m, 4H), 6.35 (d, 2H), 6.69 (t, 2H), 6.80 (t, 2H),
7.23 (t, 2H), 7.58 (d, 2H), 7.76 (t, 2H), 7.88
(d, 2H),9.68 (d, 2H) MS (EI+, 1.3 kv) m/z = 647 (M+, Ir=193, 90), 645
(M+, Ir=191, 60), 501 (Irppy2 +, Ir=193, 100), 499
(Irppy2 +, Ir=191, 55), 154 (ppy+, 71)
【0081】合成例3 例示化合物(A-3)の合成 ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムの代わりに、ジ
チオ酢酸ナトリウム‐O‐イソプロピオエステルを用い
た以外は、合成例1と同様の方法で合成し、黄色粉末の
目的物を得た(収率:87 %)。同定は1H NMR 、MSスペク
トルにより行った。
【0082】1H NMR (CDCl3): δ 1.39 (d, 3H), 1.48
(d, 3H), 5.52 (p, 1H), 6.35 (d, 2H), 6.74 (t, 2H),
6.86 (t, 2H), 7.23 (t, 2H), 7.60 (d, 2H), 7.79
(t, 2H),7.90 (d, 2H), 9.37 (d, 2H) MS (EI+, 1.3 kv) m/z = 636 (M+, Ir=193, 35), 634
(M+, Ir=191, 20), 501 (Irppy2 +, Ir=193, 100), 499
(Irppy2 +, Ir=191, 64)
【0083】合成例4 例示化合物(B-1)の合成 定法により合成した[ビス(ベンゾ[h]キノリノ)イリジウ
ムクロライド]2 270 mg (0.25 mmol)をジクロロメタン
(50 ml)、メタノール(20 ml)の混合溶媒に溶かした後、
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム 72 mg (0.5 mm
ol)を加え、室温下で3時間攪拌した。溶媒除去後、カラ
ムクロマトグラフィー、再結晶により精製し、黄色粉末
の目的物を得た(収率:41%)。同定は1H NMR により行っ
た。
【0084】1H NMR (CDCl3, 500 MHz ): δ 5.30 (s,
6H), 6.37 (dd, 2H), 6.94 (t, 2H),7.27 (d, 2H), 7.6
4 (m, 4H), 7.74 (d, 2H), 8.24 (dd, 2H), 9.87 (dd,
2H)
【0085】合成例5 例示化合物(B-2)の合成 ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムの代わりに、ピ
ロリジン−1‐ジチオ酢酸アンモニウムを用いた以外
は、合成例4と同様の方法で合成、精製を行い、黄色粉
末の目的物を得た(収率:60%)。同定は1H NMR 、および
元素分析により行った。
【0086】1H NMR (CDCl3): δ 2.00 (t, 4H), 3.70
(m, 4H), 6.36 (d, 2H), 6.94 (t, 2H), 7.24 (d, 2H),
7.63 (m, 4H), 7.73 (d, 2H), 8.23 (dd, 2H), 9.93
(dd, 2H) 元素分析;計算値(%) [C31H24N3S2Ir(694.89)]: C 53.5
8, H 3.48, N 6.05; 実測値(%): C 52.89, H 3.16, N
5.89
【0087】合成例6 例示化合物(B-3)の合成 ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムの代わりに、ジ
チオ酢酸ナトリウム‐O‐イソプロピオエステルを用い
た以外は、合成例4と同様の方法で合成、精製を行い、
黄色粉末の目的物を得た(収率:60%)。同定は1H NMRに
より行った。
【0088】1H NMR (CDCl3): δ 1.41 (d, 3H), 1.51
(d, 3H), 5.55 (p, 1H), 6.37 (d, 2H), 7.00 (t, 2H),
7.31 (d, 2H), 7.66 (m, 4H), 7.78 (d, 2H), 8.28
(d, 2H),9.65 (d, 2H)
【0089】合成例7 例示化合物(C-1)の合成 定法により合成した[ビス(2‐(2‐チエニル)ピリジル)
イリジウムクロライド]2 270 mg (0.25 mmol)をジクロ
ロメタン(50 ml)、メタノール(20 ml)の混合溶媒に溶か
した後、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム 72 mg
(0.5 mmol)を加え、室温下で3時間攪拌した。溶媒除去
後、カラムクロマトグラフィー、再結晶により精製し、
橙色粉末の目的物を得た(収率:41%)。同定は1H NMRに
より行った。
【0090】1H NMR (CDCl3) δ= 3.21 (s, 6H), 6.22
(d, 2H), 6.99 (t, 2H), 7.14 (d, 2H), 7.49 (d, 2H),
7.61 (t, 2H), 9.39 (d, 2H)
【0091】合成例8 例示化合物(C-2)の合成 ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムの代わりに、ピ
ロリジン−1‐ジチオ酢酸アンモニウムを用いた以外
は、合成例7と同様の方法で合成、精製を行い、橙色粉
末の目的物を得た(収率:66 %)。同定は1H NMRおよび元
素分析により行った。この結果を以下に示す。
【0092】1H NMR (CDCl3): δ 1.98 (quin, 4H), 3.
68 (t, 4H), 6.21 (d, 2H), 6.99 (t,2H), 7.13 (d, 2
H), 7.48 (d, 2H), 7.60 (t, 2H), 9.44 (d, 2H) 元素分析;計算値(%) [C23H20N3S4Ir(658.91)]: C 41.9
2, H 3.06, N 6.38; 実測値(%): C 41.44, H 2.77, N
6. 17
【0093】このような白金族金属錯体は、発光材料と
して、発光層に1種のみ用いても2種以上を併用しても
よい。
【0094】この場合、白金族金属錯体は、発光層にお
いて、ドーパントとして用いることが好ましく、これと
組み合わせて用いられるホスト材料は有機化合物であ
り、この有機化合物の最低励起三重項エネルギーは、白
金族金属錯体の最低励起三重項エネルギーより大きい値
をもつものが好ましい。このような最低励起三重項エネ
ルギーは、有機化合物のりん光スペクトルから求めた値
であり、通常、これらの差は0.1〜2.0eV、さらに
は0.1〜1.0eVが好ましい。
【0095】ホスト材料に関しては、白金族金属錯体の
最低励起三重項エネルギーよりも大きな最低励起三重項
エネルギーを有する条件を満たしていれば、特に制限は
ないが、具体的には、オキサジアゾール誘導体、イミダ
ゾール誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導
体、オリゴフェニレン誘導体、ナフタルイミド誘導体、
芳香族アミン誘導体、カルバゾール誘導体、フェノキサ
ジン誘導体、フェノチアジン誘導体、キノリン誘導体、
フェナントロリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体な
どが挙げられる。
【0096】ホスト材料およびドーパント材料の混合比
率は、これらの合計を100%(質量百分率)としたと
き、ドーパント材料が0.1〜30%(質量百分率)で
あることが好ましい。
【0097】そして、さらに好ましくは、上記のホスト
材料のほか、さらに、これとは異なる有機化合物を発光
層に含有させることが好ましい。この有機化合物も、最
低励起三重項エネルギーが、ドーパントである白金族金
属錯体よりも大きい値をもつものであればよく、これら
の差は0.1〜2.0eV、さらには0.1〜1eVが好ま
しい。
【0098】このような有機化合物は、発光層へのホー
ルおよび/または電子の注入を促進し、発光層中のホー
ルと電子のバランスを向上させて、発光強度を増大させ
る機能を有する補助材料であり、ホスト材料が電子輸送
性を有するときは、補助材料はホール輸送性の化合物を
用いることが好ましく、ホスト材料がホール輸送性を有
するときは、補助材料は電子輸送性の化合物を用いるこ
とが好ましい。具体的には、前記のホスト材料のなかか
ら条件を満足するものを選択することができる。
【0099】発光層中におけるホスト材料、ドーパント
材料、および補助材料の混合比率は特に制限されない
が、これらの合計を100%(質量百分率)としたと
き、ホスト材料は50〜99%(質量百分率)、ドーパント
材料は0.1〜30%(質量百分率)、補助材料は1〜50%
(質量百分率)含まれることが好ましい。
【0100】発光層を、上述のような混合層とすること
も好ましいが、本発明では、白金族金属錯体を含有する
発光層(りん光発光層)と、この発光層に隣接して、蛍
光発光性有機化合物を含有する発光層(蛍光発光層)と
の積層構造とすることもできる。
【0101】このような積層構造とすることによって、
発光層中で生成した励起一重項状態と励起三重項状態
を、それぞれ、蛍光発光層から蛍光として、りん光発光
層からりん光として、外部に取り出すことが可能となる
ため、発光強度を向上させることができる。また、各層
の膜厚やドーパントの濃度等を変えることで、発光波長
の調整が可能になる。
【0102】白金族金属錯体を含有する発光層は、白金
族金属錯体をドーパントとし、ホスト材料を含有する層
であることが好ましい。ホスト材料としては、上記と同
様の有機化合物を用いることもできる。
【0103】このような白金族金属錯体を含有する発光
層における白金族金属錯体の含有量は0.1〜30%
(質量百分率)であることが好ましい。このような白金
族金属錯体を含有する発光層は、上述のような混合層と
同構成の層であってもよい。
【0104】また、上記の白金族金属錯体を含有する発
光層と積層される発光層は、蛍光発光性有機化合物を含
有する層である。具体的には、白金族金属錯体を含ま
ず、かつ少なくとも1種類の蛍光発光性有機化合物を含
む層としては、ホスト材料とドーパント材料とを含有す
ることが好ましい。
【0105】ホスト材料としては、白金族金属錯体を含
む層に好適に用いられるオキサジアゾール誘導体、イミ
ダゾール誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導
体、オリゴフェニレン誘導体、ナフタルイミド誘導体、
芳香族アミン誘導体、カルバゾール誘導体、フェノキサ
ジン誘導体、フェノチアジン誘導体、キノリン誘導体、
フェナントロリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体で
あってもよく、これら以外にもアントラセン誘導体、ナ
フタセン誘導体、キノキサリン誘導体、およびトリス
(8−キノリノレート)アルミニウムなどの金属錯体を好
適に用いることができる。また、前記ホスト材料のうち
2種以上を任意の比率で混合してもよい。蛍光発光する
ドーパントとしては、特に限定されないが、アントラセ
ン誘導体、ナフタセン誘導体、ペンタセン誘導体、ピレ
ン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体、キ
ナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ビススチリルアリ
ーレン誘導体、ビススチリルアリールアミン誘導体、チ
オフェン誘導体、ピリジン誘導体などを好適に用いるこ
とができる。
【0106】このような蛍光発光性有機化合物を含有す
る発光層におけるドーパント材料の含有量は、0.1〜
30%(質量百分率)であることが好ましい。
【0107】なお、本発明における有機化合物は、通常
の炭素系化合物のほか、有機金属錯体のように金属を含
むものであってもよい。
【0108】本発明の白金族金属錯体を含有する発光層
は、塗布法で形成することも、真空蒸着法等の蒸着法で
形成することもできる。前述の混合層タイプの発光層で
は、塗布法によるとき、1層当たり0.5〜1000nm
が好ましく、より好ましくは10〜500nmである。蒸
着法によるときは、1〜500nmである。一方、積層タ
イプの発光層とするときは、合計厚を10〜200nmと
することが好ましく、形成方法によって、白金族金属錯
体を含有する発光層と、これに積層される発光層の1層
当たりの厚さを、上記範囲から選択すればよい。
【0109】このような発光層をもつ有機EL素子の構
成例を図1、図2に示す。
【0110】図1は、前述の混合層タイプの発光層をも
つ素子構成例である。図1の有機EL素子は、基板1上
に陽極2を有し、この上に、順次、ホール注入層3、ホ
ール輸送層4、白金族金属錯体を含有するりん光発光層
6、電子輸送層7および電子注入層8が設層され、さら
に、この上に陰極9を有するものである。
【0111】また、図2は、前述の積層タイプの発光層
をもつ素子構成例であり、図1において、さらに、ホー
ル輸送層4とりん光発光層6との間に、蛍光発光層5を
設けたものである。
【0112】図示例では、ホール注入層3とホール輸送
層4とを別層として設ける構成としているが、ホール注
入輸送性の機能を同一層にもたせたホール注入輸送層と
して設けてもよい。電子輸送層7と電子注入層8におい
ても同様であり、電子注入輸送層として設けてもよい。
【0113】本発明において、前記の白金族金属錯体以
外の有機層を形成するための有機材料としては、一部前
記したが、これらも含め、一般に有機EL素子に用いら
れているような発光材料、電荷輸送材料(電子輸送性材
料とホール輸送性材料の総称である。)などを用いるこ
とができる。また、これら電子注入および/または輸送
層、ホール注入および/または輸送層に代えて、無機材
料による高抵抗の電子注入および/または輸送層や、ホ
ール注入および/または輸送層を有していてもよい。
【0114】本発明において、塗布型の素子における有
機層は、塗布型の素子としての機能を確保する上で、高
分子化合物を含有することが好ましい。このような高分
子化合物の分子量は、重合体の場合、重量平均分子量M
wで表して、5000以上、通常、5000〜300万
程度である。
【0115】具体的には、主に、発光材料、ホール輸送
性材料として用いられるものであるが、ポリエチレンジ
オキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネート(PEDO
T/PSS)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、金属フタ
ロシアニン化合物、ポリアニリン/ポリスチレンサルフ
ォネート(Pani/PSS)、下記式(P−1)のポ
リパラフェニレンビニレン誘導体(PPV誘導体)、お
よび下記式(P−2)のポリアリールフルオレン誘導体
のいずれか、またはこれらの混合物を挙げることができ
る。
【0116】
【化28】
【0117】(Rは2−エチルヘキシルオキシ基であ
り、R’はメトキシ基であり、n1は重合度を表し、M
wは50000である。)
【0118】
【化29】
【0119】(R10およびR10’は各々アルキル基であ
り、Arは置換基を有していてもよい芳香環基または複
素環基であり、n2は重合度を表し、Mwは5000〜
300万である。) 本発明に使用することのできる電荷輸送性材料として
は、種々の電子輸送性材料、ホール輸送性材料を用いる
ことができ、特に限定されるものではない。
【0120】ホール輸送性材料としては、ピラゾリン誘
導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリ
フェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
【0121】電子輸送性材料としては、オキサジアゾー
ル誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベ
ンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその
誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシア
ノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレン
およびその誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよび
その誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキ
ノリンおよびその誘導体、フェナントロリンおよびその
誘導体、等の金属錯体等を挙げることができる。
【0122】具体的には、特開昭63−70257号公
報、同63−175860号公報、特開平2−1353
59号公報、同2−135361号公報、同2−209
988号公報、同3−37992号公報、同3−152
184号公報に記載されているものなどを挙げることが
できる。
【0123】特にホール輸送性材料としては4,4−ビ
ス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ)ビフェニル、電子輸送性材料としては2−(4−ビ
フェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキ
ノン、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、フェ
ナントロリンおよびその誘導体が好ましい。
【0124】なお、塗布法により薄膜化した場合には、
溶媒を除去するため、減圧下あるいは不活性雰囲気下、
30〜200℃、好ましくは60〜100℃の温度で加
熱乾燥することが望ましい。
【0125】また、電荷注入輸送層を発光層の下層に形
成する場合、発光層の形成に加熱重合工程を要するとき
は、ある程度の耐熱性が必要となる。この場合、好まし
くはガラス転移温度が100℃以上、より好ましくは1
50℃以上、特に200℃以上の化合物が好ましい。ガ
ラス転移温度の上限に特に制限はないが、300℃程度
である。
【0126】有機のホール注入輸送層の厚さおよび電子
注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形
成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特
に10〜300nmとすることが好ましい。ホールの注入
層と輸送層とを設ける場合は、注入層は1nm以上、輸送
層は1nm以上とするのが好ましい。このときの注入層、
輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で500nm程度、
輸送層で500nm程度である。
【0127】本発明の塗布による有機層形成に用いられ
る溶媒としては、有機材料が溶解し、塗布に際して障害
が生じないものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エ
ーテル系等一般に用いられているものを使用することが
できる。なかでも、クロロホルム、塩化メチレン、ジク
ロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン
などが好ましい。高分子材料は、その構造や分子量にも
よるが、通常はこれらの溶媒に0.1%(質量百分率)
以上溶解させることができる。
【0128】陰極(電子注入電極)は、無機電子注入層
としてLiFやCsI等の電子注入層とを組み合わせて
用いる場合は、低仕事関数で電子注入性を有している必
要がないため、その材料として、特に限定される必要は
なく、通常の金属を用いることができる。なかでも、導
電率や扱い易さの点で、Al,Ag,In,Ti,C
u,Au,Mo,W,Pt,PdおよびNi、特にA
l,Agから選択される1種または2種以上の金属元素
が好ましい。これら陰極の厚さは、電子を高抵抗の無機
電子注入輸送層に与えることのできる一定以上の厚さと
すれば良く、50nm以上、好ましくは100nm以上とす
ればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通
常、厚さは50〜500nm程度とすればよい。
【0129】また、陰極(電子注入電極)として必要に
応じて下記のものを用いてもよい。例えば、K、Cs、
Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、S
n、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上
させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系、例
えばAg・Mg合金(Ag量0.1〜50%(原子
比))、Al・Li合金(Li量0.01〜14%(原
子比))、In・Mg合金(Mg:50〜80%(原子
比))、Al・Ca合金(Ca量0.01〜20%(原
子比))等が挙げられる。陰極(電子注入電極)の厚さ
は、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすれば良
く、0.1nm以上、好ましくは0.5nm以上、特に1nm
以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はな
いが、通常、厚さは1〜500nm程度とすればよい。陰
極(電子注入電極)の上には、さらに補助電極(保護電
極)を設けてもよい。
【0130】補助電極の厚さは、電子注入効率を確保
し、水分や酸素あるいは有機溶媒の進入を防止するた
め、一定以上の厚さとすればよく、好ましくは50nm以
上、さらには100nm以上、特に100〜500nmの範
囲が好ましい。補助電極層が薄すぎると、その効果が得
られず、また、補助電極層の段差被覆性が低くなってし
まい、端子電極との接続が十分ではなくなる。一方、補
助電極層が厚すぎると、補助電極層の応力が大きくなる
ため、ダークスポットの成長速度が速くなってしまう等
といった弊害が生じてくる。補助電極は、組み合わせる
電子注入電極の材料により最適な材料を選択して用いれ
ばよい。例えば、電子注入効率を確保することを重視す
るのであればAl等の低抵抗の金属を用いればよく、封
止性を重視する場合には、TiN等の金属化合物を用い
てもよい。
【0131】陰極(電子注入電極)と補助電極とを併せ
た全体の厚さとしては、特に制限はないが、通常50〜
500nm程度とすればよい。なお、陰極(電子注入電
極)および補助電極の組合せは、電子注入層および陰極
の組合せと同義に用いられることもある。
【0132】陽極(ホール注入電極)の材料は、無機ホ
ール注入輸送層、または有機のホール注入輸送層へホー
ルを効率よく注入することのできるものが好ましく、仕
事関数4.5eV〜5.5eVの物質が好ましい。具体的に
は、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸
化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In
23 )、酸化スズ(SnO2 )および酸化亜鉛(Zn
O)のいずれかを主組成としたものが好ましい。これら
の酸化物はその化学量論組成から多少偏倚していてもよ
い。In23 に対するSnO2 の混合比は、1〜20
%(質量百分率)、さらには5〜12%(質量百分率)
が好ましい。また、IZOでのIn23 に対するZn
Oの混合比は、通常、12〜32%(質量百分率)程度
である。
【0133】陽極(ホール注入電極)は、仕事関数を調
整するため、酸化シリコン(SiO 2 )を含有していて
もよい。酸化シリコン(SiO2 )の含有量は、ITO
に対するSiO2 の モル比で0.5〜10%程度が好
ましい。SiO2 を含有することにより、ITOの仕事
関数が増大する。
【0134】光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、
通常400〜700nm、特に各発光光に対する光透過率
が50%以上、さらには80%以上、特に90%以上で
あることが好ましい。透過率が低くなりすぎると、発光
層からの発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝
度を得難くなってくる。その場合の電極の厚さは、50
〜500nm、特に50〜300nmの範囲が好ましい。ま
た、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと透過率
の低下や剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、
十分な効果が得られず、製造時の膜強度等の点でも問題
がある。このような電極は陽極であることが多い。
【0135】さらに、素子の有機層や電極の劣化を防ぐ
ために、素子上を封止板等により封止することが好まし
い。封止板は、湿気の浸入を防ぐために、接着性樹脂層
を用いて、封止板を接着し密封する。封止ガスは、A
r、He、N2 等の不活性ガス等が好ましい。また、こ
の封止ガスの水分含有量は、100ppm 以下、より好ま
しくは10ppm 以下、特には1ppm 以下であることが好
ましい。この水分含有量に下限値は特にないが、通常
0.1ppm 程度である。
【0136】本発明において、有機EL構造体を形成す
る基板としては、非晶質基板(例えばガラス、石英な
ど)、結晶基板(例えば、Si、GaAs、ZnSe、
ZnS、GaP、InPなど)が挙げられ、また、これ
らの結晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ
層を形成した基板も用いることができる。また、金属基
板としては、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pdなど
を用いることができ、好ましくはガラス基板が用いられ
る。基板は、光取り出し側となる場合、上記電極と同様
な光透過性を有することが好ましい。
【0137】さらに、本発明の素子を、平面上に多数並
べてもよい。平面上に並べられたそれぞれの素子の発光
色を変えて、カラーのディスプレーにすることができ
る。
【0138】基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む
色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコン
トロールしてもよい。
【0139】本発明の有機EL素子は、通常、直流駆動
型、パルス駆動型のEL素子として用いられるが、交流
駆動とすることもできる。印加電圧は、通常、2〜30
V 程度とされる。
【0140】本発明の有機EL素子は、例えば、図示例
のように、基板/陽極/有機層(発光層を含む。)/陰
極とが順次積層された構成としてもよいし、この逆の積
層構成としてもよい。積層構成は、例えば、ディスプレ
ーの仕様や作製プロセス等により、適宜最適なものに決
定すればよい。
【0141】本発明の有機EL素子は、ディスプレイと
しての応用の他、例えばメモリ読み出し/書き込み等に
利用される光ピックアップ、光通信の伝送路中における
中継装置、フォトカプラ等、種々の光応用デバイスに用
いることができる。
【0142】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。比較例を併記する。
【0143】<実施例1>ITO透明電極がパターニン
グされたガラス基板を、UV/O3 洗浄した後、ホール
注入層としてポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン
/ポリスチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)水溶液(1.
6%(質量百分率))を室温大気下でスピンコーティング
(50nm)した後、減圧下85℃で30分間乾燥した。次に、N-
ポリビニルカルバゾール(PVK:最低励起三重項エネルギ
ー3.0eV) 52.5mg、2-(4,4’−ビフェニル)-5-(4-tert-
ブチルフェニル)−オキサジアゾール(t-BuPBD:最低励起
三重項エネルギー2.9eV) 22.5mg、およびビス(2−フ
ェニルピリジナト)(ジメチルジチオカルボエイト)イリ
ジウム(III)(例示化合物A-1:最低励起三重項エネルギー
2.6eV) 1.2mgを3.75mlのトルエンに溶解させたのち、0.
5μm のフィルターにてろ過した溶液をアルゴン雰囲気
下にて、PEDOT/PSS層を形成した基板上にスピンコート
(乾燥後の厚さ100nm)し、発光層とした。次に、この基
板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、5×10
-4Pa以下まで減圧し、バトフェナントロリンを蒸着速度
0.1nm/secで15nmの厚さに蒸着し、電子輸送層とした。
さらに、電子注入層としてLiFを蒸着速度0.02nm/secで
0.5nmの厚さに蒸着し、この後、陰極としてアルミニウ
ムを蒸着速度1.5nm/secで150nm蒸着し、有機EL素子を
作製した。この有機EL素子を、直流電流で駆動したとこ
ろ、例示化合物A-1のりん光スペクトルに相当する緑色
(λmax=510nm)の発光を得た。この素子を50mAcm-2の定
電流で駆動したところ、輝度半減寿命は、60時間であっ
た。
【0144】<実施例2>発光層に用いる白金族金属錯
体をビス(2−フェニルピリジナト)(ピロリジン−1
‐ジチオカルボエイト)イリジウム(III)(例示化合物
A-2:最低励起三重項エネルギー2.6eV)とした以外は、
実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。この有
機EL素子を直流電流で駆動したところ、例示化合物A-
1のりん光スペクトルに相当する緑色(λmax=510nm)の発
光を得た。この素子を50mAcm-2の定電流で駆動したとこ
ろ、輝度半減寿命は、50時間であった。
【0145】<実施例3>発光層に用いる白金族金属錯
体をビスベンゾキノレイト(ジメチルアミノジチオカル
ボエイト)イリジウム(III)(例示化合物B-1:最低励起
三重項エネルギー2.5eV)とした以外は、実施例1と同
様の方法で有機EL素子を作製した。この有機EL素子を
直流電流で駆動したところ、例示化合物B-1のリン光ス
ペクトルに相当する黄色(λmax=548nm)の発光を得た。
この素子を50mAcm-2の定電流で駆動したところ、輝度半
減寿命は、45時間であった。
【0146】<実施例4>ITO透明電極がパターニン
グされたガラス基板を、UV/O3 洗浄した後、真空蒸
着装置の基板ホルダーに固定して、5×10-4Pa以下ま
で減圧し、m‐MTDATA(N,N,N−トリス−(3‐メチルフ
ェニル)フェニルアミノトリフェニルアミン)、NPB
(4,4’‐ビス[N-(1-ナフチル)−N‐フェニルアミノ]ビ
フェニル)を蒸着速度0.1nm/secで、それぞれ30nm、10n
mの厚さに蒸着し、ホール注入およびホール輸送層とし
た。次に、NPBとルブレンを共蒸着によりルブレンが
3%(質量百分率)含有された層を20nm積層した。さら
に、CBP(4,4’-ビス(N-カルバゾリル)ビフェニール:最
低励起三重項エネルギー2.9eV)とIr錯体(例示化合物A
-1:最低励起三重項エネルギー2.6eV)を共蒸着により例
示化合物A-1が6%(質量百分率)含有された層を20nm積
層し、発光層とした。続いて、バトフェナントロリンを
蒸着速度0.1nm/secで15nmの厚さに蒸着し、電子輸送層
とした。さらに、電子注入層としてLiFを蒸着速度0.02
nm/secで0.5nmの厚さに蒸着し、この後、陰極として
アルミニウムを蒸着速度1.5nm/secで150nm蒸着し、有機
EL素子を作製した。この有機EL素子を、直流電流で駆
動したところ、ルブレンの蛍光スペクトルと例示化合物
A-1のリン光スペクトルに相当するそれぞれの成分が
1:5の割合で混合した黄緑色(λmax=510nm)の発光を
得た。この素子を50mAcm-2の定電流で駆動したところ、
輝度半減寿命は、100時間であった。
【0147】<比較例>発光層に用いる白金族金属錯体
をトリス(2‐フェニルピリジン)イリジウム(III)
(Ir(ppy)3)とした以外は、実施例1と同様の方法で
有機EL素子を作製した。この有機EL素子を直流電流で
駆動したところ、Ir(ppy)3のリン光スペクトルに相当
する緑色(λmax=510nm)の発光を得た。この素子を50mAc
m-2の定電流で駆動したところ、輝度半減寿命は、5時間
であった。
【0148】
【発明の効果】本発明によれば、ジチオカルボン酸ない
しその誘導体を配位子として含むオルトメタル化金属錯
体(好ましくは白金族金属錯体)は、励起一重項から励
起三重項への系間交差が効率よく行われ、極めて安定性
が良好であるため、これを発光材料に用いた有機EL素
子は、高温時の保存・駆動安定性に優れ、発光効率が高
く、かつ発光効率の電流密度依存性が小さく、長寿命化
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の一例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の有機EL素子の他例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 ホール注入層 4 ホール輸送層 5 蛍光発光層 6 リン光発光層 7 電子輸送層 8 電子注入層 9 陰極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月8日(2002.3.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 有機エレクトロルミネッセンス素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 鉄司 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 上谷 高寛 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB11 AB14 DA06 DB03 4H050 AA03 AB91 WB11 WB15 WB21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極とを有し、この陽極と陰極と
    の間に、少なくとも発光層を含む有機層を有する有機エ
    レクトロルミネッセンス素子において、 式(1a)または式(1b)で表される化合物を含有す
    る有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。 【化1】 [式(1a)において、Mは二価以上の価数を取りうる
    金属または希土類元素を表す。Z1は、五員または六員
    の含窒素複素環を完成するための原子群を表し、Z
    2は、五員もしくは六員の炭素環または複素環を完成す
    るための原子群を表し、これらの環は置換基を有しても
    よく、また、縮合環を有していてもよい。R1、R2およ
    びR3は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、カルボ
    キシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、アラル
    キル基、アルケニル基、アリール基、アミノ基、アルコ
    キシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基または複素環基を表す。mおよびnは、それぞれ1
    以上の整数であり、m+nはMの価数と一致する。] 【化2】 [式(1b)において、Mは二価以上の価数を取りうる
    金属または希土類元素を表す。Z1は、五員または六員
    の含窒素複素環を完成するための原子群を表し、Z2
    よびZ3は、それぞれ、五員もしくは六員の炭素環また
    は複素環を完成するための原子群を表し、これらの環は
    互いに縮合環を形成しており、さらに、置換基を有して
    もよく、また、縮合環を有していてもよい。R1、R2
    よびR3は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、カル
    ボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、アラ
    ルキル基、アルケニル基、アリール基、アミノ基、アル
    コキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基または複素環基を表す。mおよびnは、それぞれ1
    以上の整数であり、m+nはMの価数と一致する。]
  2. 【請求項2】 式(1a)または式(1b)で表される
    化合物が、式(1a)または式(1b)において、Mが
    ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリ
    ジウムまたは白金である白金族金属錯体である請求項1
    の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 前記白金族金属錯体が、式(1c)、式
    (1d)または式(1e)で表される請求項2の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子。 【化3】 [式(1c)において、Mはルテニウム、ロジウム、パ
    ラジウム、オスミウム、イリジウムまたは白金を表す。
    1〜R3およびR12〜R17は、それぞれ、水素原子、ハ
    ロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、
    アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール
    基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
    ル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリ
    ールオキシカルボニル基または複素環基を表し、R1
    よびR12〜R14の隣接する2個同士、またはR2および
    15〜R17の隣接する2個同士が互いに結合して環を形
    成してもよい。mおよびnは、それぞれ1以上の整数で
    あり、m+nはMの価数と一致する。] 【化4】 [式(1d)において、Mはルテニウム、ロジウム、パ
    ラジウム、オスミウム、イリジウムまたは白金を表す。
    1〜R3、R12、R13およびR16〜R19は、それぞれ、
    水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ
    基、シアノ基、アルキル基、アラルキル基、アルケニル
    基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
    キシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボ
    ニル基、アリールオキシカルボニル基または複素環基を
    表し、R1、R2、R12、R13およびR 16〜R19の隣接す
    る2個同士は互いに結合して環を形成してもよい。mお
    よびnは、それぞれ1以上の整数であり、m+nはMの
    価数と一致する。] 【化5】 [式(1e)において、Mはルテニウム、ロジウム、パ
    ラジウム、オスミウム、イリジウムまたは白金を表す。
    1〜R3、およびR12〜R14およびR20は、それぞれ、
    水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ
    基、シアノ基、アルキル基、アラルキル基、アルケニル
    基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
    キシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボ
    ニル基、アリールオキシカルボニル基または複素環基を
    表し、R1およびR12〜R14の隣接する2個同士、また
    はR2とR20とが互いに結合して環を形成してもよい。
    Xはヘテロ原子を表す。mおよびnは、それぞれ1以上
    の整数であり、m+nはMの価数と一致する。]
  4. 【請求項4】 式(1a)または式(1b)で表される
    化合物を含有する有機層が発光層であり、この発光層
    が、ドーパントして前記式(1a)または式(1b)で
    表される化合物を含有する請求項1〜3のいずれかの有
    機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】 前記発光層のホスト材料として有機化合
    物を含有し、この有機化合物の最低励起三重項エネルギ
    ーが前記式(1a)または式(1b)で表される化合物
    の最低励起三重項エネルギーより大きい値をもつ請求項
    4の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 前記発光層が、さらに、前記ホスト材料
    と前記式(1a)または式(1b)で表される化合物と
    は異なる有機化合物を含有し、この有機化合物の最低励
    起三重項エネルギーが前記式(1a)または式(1b)
    で表される化合物の最低励起三重項エネルギーより大き
    い値をもつ請求項5の有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  7. 【請求項7】 式(1a)または式(1b)で表される
    化合物を含有する有機層が発光層であり、この発光層に
    隣接して、これとは異なる、蛍光発光性有機化合物を含
    有する発光層を有する請求項1〜3のいずれかの有機エ
    レクトロルミネッセンス素子。
JP2002063794A 2002-03-08 2002-03-08 有機エレクトロルミネッセンス素子 Expired - Fee Related JP3965063B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002063794A JP3965063B2 (ja) 2002-03-08 2002-03-08 有機エレクトロルミネッセンス素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002063794A JP3965063B2 (ja) 2002-03-08 2002-03-08 有機エレクトロルミネッセンス素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003264086A true JP2003264086A (ja) 2003-09-19
JP3965063B2 JP3965063B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=29196889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002063794A Expired - Fee Related JP3965063B2 (ja) 2002-03-08 2002-03-08 有機エレクトロルミネッセンス素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3965063B2 (ja)

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004139819A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンス素子を有する表示装置
JP2005228737A (ja) * 2004-01-15 2005-08-25 Fuji Photo Film Co Ltd 有機電界発光素子
WO2005079118A1 (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2005091684A1 (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2006135295A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Samsung Sdi Co Ltd 有機電界発光素子
JP2006317921A (ja) * 2005-04-11 2006-11-24 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 表示装置及びそれを用いた電子機器
JP2007512692A (ja) * 2003-11-25 2007-05-17 メルク パテント ゲーエムベーハー 有機エレクトロルミネセンス素子
JP2007145897A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Showa Denko Kk 高分子発光材料、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置
KR100729738B1 (ko) * 2006-01-06 2007-06-20 삼성전자주식회사 금속 화합물 및 이를 포함하는 유기 전계 발광 소자
KR100729740B1 (ko) * 2006-01-06 2007-06-20 삼성전자주식회사 금속 화합물 및 이를 포함하는 유기 전계 발광 소자
WO2007078179A1 (en) * 2006-01-06 2007-07-12 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
WO2007078183A1 (en) * 2006-01-06 2007-07-12 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
WO2007078182A1 (en) * 2006-01-06 2007-07-12 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
JP2007269733A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Canon Inc イリジウム錯体の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置
JP2007335852A (ja) * 2006-05-17 2007-12-27 Mitsubishi Chemicals Corp 電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子用薄膜および有機電界発光素子
JP2011160003A (ja) * 2004-11-12 2011-08-18 Samsung Mobile Display Co Ltd 有機電界発光素子
JPWO2010061625A1 (ja) * 2008-11-28 2012-04-26 独立行政法人理化学研究所 新規化合物、及びその利用
JP2014013910A (ja) * 2006-03-17 2014-01-23 Konica Minolta Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
TWI428053B (zh) * 2004-02-09 2014-02-21 Idemitsu Kosan Co Organic electroluminescent element
JP2016149371A (ja) * 2003-12-19 2016-08-18 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 光学装置
JP2016537397A (ja) * 2013-09-11 2016-12-01 メルク、パテント、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングMerck Patent GmbH 金属錯体
CN108676037A (zh) * 2018-06-26 2018-10-19 烟台显华光电材料研究院有限公司 一类用作磷光材料的过渡金属配合物及其应用
CN108864198A (zh) * 2018-06-26 2018-11-23 烟台显华光电材料研究院有限公司 一类用作磷光材料的过渡金属配合物及其应用
JP2020043350A (ja) * 2014-05-13 2020-03-19 株式会社半導体エネルギー研究所 発光素子、発光装置、モジュール、電子機器、および照明装置
CN115449052A (zh) * 2022-09-22 2022-12-09 南京工程学院 一种基于折叠-解折叠效应的力致变色高分子材料及其制备方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102190685B (zh) * 2011-03-18 2014-08-06 南京邮电大学 含铱配合物磷光材料及制备和用于汞离子和乙腈的检测方法
CN108358971B (zh) * 2018-01-31 2020-07-10 马鞍山南京大学高新技术研究院 一类硫代甲酸类化合物作为辅助配体的铱配合物

Cited By (53)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004139819A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンス素子を有する表示装置
US7880379B2 (en) 2003-11-25 2011-02-01 Merck Patent Gmbh Phosphorescent organic electroluminescent device having no hole transporting layer
KR101196683B1 (ko) * 2003-11-25 2012-11-06 메르크 파텐트 게엠베하 유기 전계발광 소자
JP2007512692A (ja) * 2003-11-25 2007-05-17 メルク パテント ゲーエムベーハー 有機エレクトロルミネセンス素子
US9660212B2 (en) 2003-12-19 2017-05-23 Cambridge Display Technology Limited Optical device comprising a charge transport layer of insoluble organic material and method for the production thereof
JP2016149371A (ja) * 2003-12-19 2016-08-18 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 光学装置
JP2005228737A (ja) * 2004-01-15 2005-08-25 Fuji Photo Film Co Ltd 有機電界発光素子
TWI428053B (zh) * 2004-02-09 2014-02-21 Idemitsu Kosan Co Organic electroluminescent element
US8105701B2 (en) 2004-02-13 2012-01-31 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Organic electroluminescent device
CN100553396C (zh) * 2004-02-13 2009-10-21 出光兴产株式会社 有机电致发光元件
US7906226B2 (en) 2004-02-13 2011-03-15 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Organic electroluminescent device
EP1718122A1 (en) * 2004-02-13 2006-11-02 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Organic electroluminescent device
US8470455B2 (en) 2004-02-13 2013-06-25 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Organic electroluminescent device
JP2010182699A (ja) * 2004-02-13 2010-08-19 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
EP1718122A4 (en) * 2004-02-13 2008-08-13 Idemitsu Kosan Co ORGANIC ELECTROLUMINESCENT COMPONENT
WO2005079118A1 (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP4959193B2 (ja) * 2004-02-13 2012-06-20 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPWO2005079118A1 (ja) * 2004-02-13 2007-10-25 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2005091684A1 (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPWO2005091684A1 (ja) * 2004-03-19 2008-02-07 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR101211330B1 (ko) * 2004-03-19 2012-12-11 이데미쓰 고산 가부시키가이샤 유기 전계 발광 소자
JP2006135295A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Samsung Sdi Co Ltd 有機電界発光素子
JP2011160003A (ja) * 2004-11-12 2011-08-18 Samsung Mobile Display Co Ltd 有機電界発光素子
JP2006317921A (ja) * 2005-04-11 2006-11-24 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 表示装置及びそれを用いた電子機器
JP2007145897A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Showa Denko Kk 高分子発光材料、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置
WO2007078181A1 (en) * 2006-01-06 2007-07-12 Samsung Electronics Co., Ltd. Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
KR100729738B1 (ko) * 2006-01-06 2007-06-20 삼성전자주식회사 금속 화합물 및 이를 포함하는 유기 전계 발광 소자
US7939663B2 (en) 2006-01-06 2011-05-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
US7939669B2 (en) 2006-01-06 2011-05-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
US7973168B2 (en) 2006-01-06 2011-07-05 Samsung Electronics Co., Ltd. Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
US7745020B2 (en) 2006-01-06 2010-06-29 Samsung Electronics Co., Ltd. Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
US7858783B2 (en) 2006-01-06 2010-12-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
KR100729740B1 (ko) * 2006-01-06 2007-06-20 삼성전자주식회사 금속 화합물 및 이를 포함하는 유기 전계 발광 소자
US9000157B2 (en) 2006-01-06 2015-04-07 Samsung Display Co., Ltd. Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
WO2007078185A1 (en) * 2006-01-06 2007-07-12 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
WO2007078182A1 (en) * 2006-01-06 2007-07-12 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
WO2007078183A1 (en) * 2006-01-06 2007-07-12 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
WO2007078179A1 (en) * 2006-01-06 2007-07-12 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Metallic compound and organic electroluminescence device comprising the same
JP2014013910A (ja) * 2006-03-17 2014-01-23 Konica Minolta Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP2007269733A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Canon Inc イリジウム錯体の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置
JP2007335852A (ja) * 2006-05-17 2007-12-27 Mitsubishi Chemicals Corp 電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子用薄膜および有機電界発光素子
US8808878B2 (en) 2008-11-28 2014-08-19 Riken Compound and use thereof
JPWO2010061625A1 (ja) * 2008-11-28 2012-04-26 独立行政法人理化学研究所 新規化合物、及びその利用
JP5549015B2 (ja) * 2008-11-28 2014-07-16 独立行政法人理化学研究所 新規化合物、及びその利用
JP2016537397A (ja) * 2013-09-11 2016-12-01 メルク、パテント、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングMerck Patent GmbH 金属錯体
JP2020043350A (ja) * 2014-05-13 2020-03-19 株式会社半導体エネルギー研究所 発光素子、発光装置、モジュール、電子機器、および照明装置
JP2020043351A (ja) * 2014-05-13 2020-03-19 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置
US11158832B2 (en) 2014-05-13 2021-10-26 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting device with exciplex light-emitting layers
US11864403B2 (en) 2014-05-13 2024-01-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting device comprising first to third light-emitting layers
CN108676037A (zh) * 2018-06-26 2018-10-19 烟台显华光电材料研究院有限公司 一类用作磷光材料的过渡金属配合物及其应用
CN108864198A (zh) * 2018-06-26 2018-11-23 烟台显华光电材料研究院有限公司 一类用作磷光材料的过渡金属配合物及其应用
CN115449052A (zh) * 2022-09-22 2022-12-09 南京工程学院 一种基于折叠-解折叠效应的力致变色高分子材料及其制备方法
CN115449052B (zh) * 2022-09-22 2023-07-04 南京工程学院 一种基于折叠-解折叠效应的力致变色高分子材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3965063B2 (ja) 2007-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3965063B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5250516B2 (ja) 有機エレクトロルミネセンス素子に使用する新規青色発光体
JP4770033B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5120398B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置
JP4196639B2 (ja) 有機金属錯体、およびこれを用いた有機電界発光素子
JPH0812600A (ja) フェニルアントラセン誘導体および有機el素子
KR101482559B1 (ko) 안정성을 가진 신규의 화합물, 이를 포함하는 전하 수송 재료 및 청색 인광 유기발광소자
KR20140058550A (ko) 지연 형광 재료 및 그것을 사용한 유기 일렉트로 루미네선스 소자
TW201202206A (en) Quinoxaline derivative, and organic semiconductor device, electric field light emitting device, and electronic device which have the same
JP2009246139A (ja) 発光素子
JP2002540210A (ja) 有機金属錯体分子およびこれを用いる有機電子発光素子
JP4717703B2 (ja) 化合物および有機el素子
KR20130098983A (ko) 카르바졸환 구조를 갖는 화합물 및 유기 일렉트로 루미네센스 소자
JP2006151866A (ja) フェナントロリン化合物及び発光素子
US20040142206A1 (en) Binaphthol based chromophores for the fabrication of blue organic light emitting diodes
JP5441348B2 (ja) ベンゾ[a]フルオランテン化合物及びそれを用いた有機発光素子
JP4690244B2 (ja) テトラ−フェニルシラン骨格を有するフルオレン化合物、それを用いた発光層ホスト材料、ホールブロック材料および有機el素子
JPH09176629A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
TW201114320A (en) Organic electroluminescent element
CN107344923B (zh) 电场发光装置的有机化合物
CN112574162A (zh) 一种二苯并吡喃基化合物、其制备方法及有机电致发光器件
JP5321710B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置
JP6370030B2 (ja) 有機電界発光素子用化合物及びそれを利用した有機電界発光素子
JP2016150920A (ja) 有機電界発光素子用化合物およびこれを用いた有機電界発光素子
WO2012005724A1 (en) Host material for organic light emitting devices

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3965063

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110601

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601

Year of fee payment: 5

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601

Year of fee payment: 5

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601

Year of fee payment: 6

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees