JP4449323B2 - 有機el素子及び有機elディスプレイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、特にビニルポリマーを用いた分子分散型高分子有機EL素子と、それを用いた有機ELディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイなどに用いられる有機EL素子の分野では、真空蒸着法により低分子化合物を用いて有機層を形成する技術(例えば、非特許文献1参照)に基づいて各種デバイスが試作され、現在実用化の段階を迎えつつある。
【0003】
その一方で、有機層の構成材料としてポリマー材料を用いた有機EL素子の開発が進められている。このような有機EL素子は、一般的には、π共役系ポリマーを用いたπ共役型のもの(例えば、特許文献1参照)と、非共役系ポリマー中に色素を分散した分子分散型のもの(例えば、非特許文献2、3参照)とに分別される。このうち、非共役型の有機EL素子は、所定のドーパントをホストポリマーに混ぜることにより、目的の発光色を高い色純度で得ることができるという利点を有している。
【0004】
しかしながら、従来の分子分散型の有機EL素子に用いられるポリマー材料は、電荷輸送性や安定性が必ずしも十分とは言えないため、従来の分子分散型EL素子は、未だ発光効率、耐熱性及び寿命の点で改善の余地がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−92576号公報
【非特許文献1】
Applied Physics Letters, vol.51, pp913 (1987)
【非特許文献2】
Polymer, vol.24, pp748 (1983)
【非特許文献3】
Applied Physics Letters, vol75, No.1, pp4 (1999)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
分子分散型EL素子において、耐熱性、寿命、発光効率の改善を全て高水準で達成可能な有機EL素子及び有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造を有するビニルモノマーを重合させてビニルポリマーを得、そのポリマーを有機層の構成材料とすることによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の有機EL素子は、基板と、基板の一側に形成された第1の電極層上に形成された有機層と、有機層上に形成された第2の電極層とを備える有機EL素子であって、有機層が、下記式(1)で表される構造を有するビニルモノマーを重合させて得られるビニルポリマーを含有することを特徴とする。
【0009】
【化5】
【0010】
〔但し、式(1)中のX1〜X5は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。また、ジフェニルナフタセン環を構成する炭素原子に結合した置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
【0011】
及びkは0〜5の整数、k及びkは0〜4の整数、kは0〜2の整数である。なお、k〜kのいずれかが0であるとき、対応するベンゼン環が無置換の状態を示す。以下で用いるkに関しても同様の意味を表す。〕
本発明の有機EL素子によれば、上記式(1)で表される構造を有するビニルモノマーを重合させて得られるビニルポリマーを得、当該ポリマーを有機層に含有せしめることで、第1又は第2の電極層それぞれから有機層に注入されるホール及び電子の輸送性を高め、発光の効率を十分に向上させることができる。
【0012】
また、かかるポリマーは耐熱性が高く安定性にも優れるため、高水準の発光効率を長期にわたって安定的に得ることができる。更に本発明にかかるビニルポリマーは発光用ドーパントとしての機能を有するため、有機層は当該ビニルポリマー以外の発光用ドーパントを含有しなくてもよいが、所望の発光色を得るために有機層に他の発光用ドーパントを更に含有させてもよい。ドーパントを含有させることにより、本発明のビニルポリマーはホストとして、ドーパントに由来する発光の効率を十分に向上させる機能を有する。
【0013】
本発明のビニルモノマーは、式(2)〜式(4)で表される構造を有するビニルモノマーであることが好ましい。
【0014】
【化6】
【0015】
〔但し、式(2)中のLは、単結合、アルキレン基、又はアリーレン基であって、無置換でも、置換基を有してもよい。また、X6〜X10は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらのうちの2以上が結合して環を形成していてもよい。k6〜k10は対応するベンゼン環への置換基の数を表しており、k6、k7、k10はそれぞれ0〜4の整数であり、k8は0〜5の整数、k9は0〜2の整数である。〕
【0016】
【化7】
【0017】
〔但し、式(3)中のLは、単結合、アルキレン基、又はアリーレン基であって、無置換でも、置換基を有してもよい。また、X11〜X16は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらのうちの2以上が結合して環を形成していてもよい。k11〜k16は対応するベンゼン環への置換基の数を表しており、k11、k13はそれぞれ0〜5の整数であり、k12、k15、k16はそれぞれ0〜4の整数、k14は0〜1の整数である。〕
【0018】
【化8】
【0019】
〔但し、式(4)中のLは、単結合、アルキレン基、又はアリーレン基であって、無置換でも、置換基を有してもよい。また、X17〜X22は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらのうちの2以上が結合して環を形成していてもよい。k17〜k22は対応するベンゼン環への置換基の数を表しており、k17、k それぞれ0〜5の整数であり、k18、k21、k22はそれぞれ0〜4の整数であり、k 20 は0である。
【0020】
また、本発明の有機EL素子は、上記のビニルモノマーのうち少なくとも1種類以上を含む2種類以上のモノマーの共重合体であるビニルポリマーを含むことができる。例えば、本発明の有機EL素子に用いるビニルポリマーと、電荷輸送性モノマーとの共重合体ポリマーとを形成することにより、素子特性の微調整を図ることができる。
【0021】
更に本発明の有機EL素子は、上記のビニルモノマーのうちの1種以上と、該ビニルモノマーと異なる構造を有するビニルモノマーの1種以上との共重合体であるビニルポリマーを含むことができる。
【0022】
例えば、上記ビニルモノマーのうちの1種以上と電荷輸送性を有する他のビニルモノマーの1種以上とを組み合わせることで、有機層に所望の特性を付与するためのビニルポリマーの分子設計の自由度が大きくなり、素子特性の微調整が容易となり、さらには、耐熱性、寿命、発光効率を更に高めることができる。
【0023】
また本発明の有機EL素子が備える有機層は、上記ビニルポリマーと発光用ドーパントとを含有する発光層のみからなる単層構造であってもよいが、好ましくは、発光層と第2の電極層の間に、第2の電極層側に電子を注入する層と発光層側に電子輸送層とを有する積層構造であることが好ましい。
【0024】
そしてかかる構成を有する有機層において、発光層又は電子輸送層の一方又は双方が本発明にかかるビニルポリマーを含有することが特に好ましい。これにより有機EL素子の耐熱性、寿命及び発光効率を更に高めることができる。
【0025】
なお、本発明の有機EL素子は、第1の電極層側にホールを注入する電極層と発光層側にホール輸送層を更に有していてもよい。
【0026】
本発明の有機EL素子は、有機層が、上記のビニルモノマーから得られたビニルポリマーを含有する発光層であることが望ましく、上記の発光層の形成には、更にドーパントを添加することが望ましい。
【0027】
上記のビニルモノマーを重合したビニルポリマーには、色素ドーパントの添加が容易である。このビニルポリマーを有機EL素子における有機層の発光層とすることにより、高効率で寿命の長い有機EL素子を得ることができる。
【0028】
特に本発明のビニルポリマーは緑色の蛍光を持つことから、緑〜赤色の範囲で発光するドーパントのホスト材料として優れている。
【0029】
また本発明のビニルポリマーは、ドーパントとしても使用可能であり、特に緑〜赤色発光用のドーパントとして用いることができる。
【0030】
本発明の有機ELディスプレイは、基板、前記基板の一側に形成された第1の電極層、前記第1の電極層上に形成された有機層、及び前記有機層上に形成された第2の電極層で構成される複数の有機EL素子が配列された表示部と、
前記第1及び第2の電極に電気的に接続されており該第1及び第2の電極に電圧又は電流を供給する電力供給部と、
前記有機EL素子のそれぞれを点灯又は消灯するスイッチング部とを備え、
前記有機層は、上記式(1)、(2)、(3)、又は(4)で表される構造を有するビニルモノマーを重合させて得られるビニルポリマーであることを特徴とする。
【0031】
このように、表示部において上記本発明の有機EL素子を配列し、さらに電力供給部及びスイッチング部により当該表示部を駆動することによって、輝度や色表示機能に優れ、さらには、耐熱性が高く長寿命の有機ELディスプレイが実現可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(1.有機層材料の詳細)
本実施形態における有機層中のビニルポリマーについて説明する。
【0033】
かかる有機層には、下記一般式(1)で表される構造を有するビニルモノマーを重合させて得られるビニルポリマーが含まれる。
【0034】
【化9】
【0035】
化9においてX1〜X5で表される置換基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などを用いることができる。通常は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基が好ましく、特に、アルキル基、アリール基であることが好ましい。
【0036】
1〜X5で表される置換基がアルキル基の場合、アルキル基は直鎖状構造であっても、分岐を有する構造であってもよい。また、アルキル基は無置換のものが好ましいが、置換基を有していてもよく、総炭素数は1〜10が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基などを用いることができる。
【0037】
1〜X5で表される置換基がアルコキシ基の場合、アルコキシ基のアルキル部分が、上記のアルキル基と同様のものであることが好ましい。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などを用いることができる。
【0038】
1〜X5で表される置換基がアリール基の場合、アリール基は無置換であっても、置換基を有していてもよく、X1〜X5で表される置換基の総炭素数は6〜20が好ましく、例えば、フェニル基、(o−、m−、p−)トリル基、ビフェニリル基などを用いることができる。
【0039】
1〜X5で表される置換基がアリールオキシ基の場合、アリールオキシ基のアリール部分は、上記のアリール基と同じであることが好ましい。例えば、フェノキシ基、(o−、m−、p−)トリルオキシ基などを用いることができる。
【0040】
1〜X5で表される置換基が複素環基の場合、複素環基として5員または6員の複素環基を用いることができる。複素環基は縮合環を有していてもよく、また置換基を有していてもよい。また、複素環基は、芳香族性を有するものであっても、有しないものであってもよい。例えば、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基などを用いることができる。
【0041】
1〜X5で表される置換基がハロゲン原子の場合、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子から適宜選択することができる。
【0042】
1〜X5で表される置換基がアミノ基の場合、アミノ基は無置換であっても、置換基を有していてもよい。この置換基は、上記のアルキル基やアリール基を有するものであってもよい。アルキル基やアリール基を有する置換基は、総炭素数0〜20のものが好ましい。例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などを用いることができる。
【0043】
k1〜k5はそれぞれ対応するベンゼン環の置換基数を表しており、k1及びk3は0〜5の整数、k2及びk5は0〜4の整数、k4は0〜2の整数であり、それぞれ0〜1であることが好ましい。
【0044】
特に、本実施形態の有機EL素子は、化10〜化12で表される構造を有するビニルモノマーを重合させて得られるビニルポリマーを含有する有機層を備えることが好ましい。
【0045】
【化10】
【0046】
化10のLは、単結合、またはアルキル基、アリール基などの2価の連結基であり、このとき、アルキル基、アリール基は、無置換であっても、置換基を有していてもよい。特に単結合またはフェニル基であることが好ましい。
【0047】
化10のX6〜X10は置換基であり、化9におけるX1〜X5の置換基と同じものを用いることができる。すなわちX6〜X10の置換基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子、アミノ基を用いることができる。特にアルキル基、アルコキシ基、アリール基であることが好ましく、中でもアルキル基、アリール基であることが好ましい。
【0048】
化10のk6〜k10はそれぞれ対応するベンゼン環の置換基数を表しており、k8は0〜5の整数、k6及びk7、k10は0〜4の整数、k9は0〜2の整数であり、それぞれ0〜1であることが好ましく、特に0であることが好ましい。
【0049】
【化11】
【0050】
化11のLは、化10のLと同様のものを用いることができ、単結合またはフェニル基であることが好ましく、特に単結合であることが好ましい。
化11のX11〜X16は置換基であり、化9におけるX1〜X5の置換基と同じものを用いることができる。すなわちX11〜X16の置換基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子、アミノ基を用いることができる。特にアルキル基、アルコキシ基、アリール基であることが好ましく、中でもアルキル基、アリール基であることが好ましい。
【0051】
化11のk11〜k16も同様にそれぞれ対応するベンゼン環の置換基数を表しており、k11およびk13は0〜5の整数、k12及びk15、k16は0〜4の整数、k14は0〜1の整数であり、それぞれ0〜1であることが好ましく、特に0であることが好ましい。
【0052】
【化12】
【0053】
化12のLは、化10のLと同様のものを用いることができ、単結合またはフェニル基であることが好ましく、特に単結合であることが好ましい。
【0054】
化12のX17〜X22は置換基であり、化9におけるX1〜X5の置換基と同じものを用いることができる。すなわちX17〜X22の置換基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子、アミノ基を用いることができる。特にアルキル基、アルコキシ基、アリール基であることが好ましく、中でもアルキル基、アリール基であることが好ましい。
【0055】
化12のk17〜k22も同様にそれぞれ対応するベンゼン環の置換基数を表しており、k17およびk19、k20は0〜5の整数、k18及びk21、k22は0〜4の整数であり、それぞれ0〜1であることが好ましく、特に0であることが好ましい。
【0056】
化9〜化12で表される構造を有するビニルモノマーは、必要なビニルポリマーを得るための構造を、任意に選択することができる。特に、下記の化13〜化24に示すビニルモノマー構造を選択することが好ましい。
【0057】
【化13】
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】
【0060】
【化16】
【0061】
【化17】
【0062】
【化18】
【0063】
【化19】
【0064】
【化20】
【0065】
【化21】
【0066】
【化22】
【0067】
【化23】
【0068】
【化24】
【0069】
本実施形態の有機EL素子に用いるビニルポリマーは、例えば、上記の化13〜化24のうちのいずれかを含むビニルモノマーを重合させて得ることができる。
【0070】
このビニルポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
【0071】
コポリマーは、上記の化13〜化24のビニルモノマーのうちから、異なる複数のモノマーを選択して重合したものであってもよい。あるいは、上記の化13〜化24のうちのビニルモノマーと、化13〜化24に示す以外の構造のビニルモノマーとを重合したものであってもよい。
【0072】
上記の化13〜化24以外の構造のビニルモノマーは、必要なポリマーの特性に応じて選択すればよい。例えば、電荷輸送層として使用できるビニルポリマーを作成する場合は、本発明のビニルポリマーに、ホール輸送性や電子輸送性を有するモノマーを適当な割合で添加することができる。
【0073】
ポリマーの電子輸送性を高める場合は、例えば、化25に示す2−ビニルピリジンや、化26に示す4−ビニルピリジンや、化27に示す1−ビニルイミダゾールなどから、適宜選択して添加することができる。
【0074】
【化25】
【0075】
【化26】
【0076】
【化27】
【0077】
また、ホール輸送性を高める場合は、例えば、化28に示すN−ビニルカルバゾールや、化29に示す(4−ビニルフェニル)−ジフェニルアミンなどを、適宜添加することができる。
【0078】
【化28】
【0079】
【化29】
【0080】
上記の電荷輸送性モノマーの割合には特に限定はないが、モノマー全体に対し1〜50mol%、好ましくは1〜30mol%が望ましい。上記の割合であれば、本発明のビニルモノマーがもつ、高い蛍光量子収率などの優れた特性を活かすことができる。本実施形態の有機EL素子に用いるビニルモノマーは、基本的にバイポーラー特性をもつが、電荷輸送性モノマーと上記の割合で共重合することにより、ホールと電子の注入バランスを1:1に限りなく近づけることが可能となる。そのため、素子特性の微調整が可能となり、さらに長寿命化を図ることができる。
【0081】
かかるビニルモノマーは、鈴木カップリング法を用いることにより、ビニル基に影響を与えることなく合成が可能で、容易に種々のモノマーを合成することができる。
【0082】
本実施形態の有機EL素子に用いるビニルポリマーは、上記のビニルモノマーを単体で用いた場合も、必要に応じて他のビニルモノマーと混合して用いた場合も、どちらも公知の重合方法によって合成することができる。重合方法は、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法などから適宜選択することができる。重合反応後のビニルポリマーの分子量は、重量平均分子量として1万〜20万程度となる。
【0083】
上記の電荷輸送性ビニルモノマーを本実施形態のビニルモノマーと組み合わせる方法の他、本実施形態のビニルポリマーに各種ドーパントを適宜添加することによっても、ビニルポリマーの特性を調整することができる。
【0084】
例えば、このビニルポリマーへの緑〜赤色発光用ドーパント添加により発光層を形成する方法は、従来の蒸着法による発光層やπ共役型よりも、高効率で安定な発光層が容易に得られるため、非常に好ましい。したがって、本発明のビニルポリマーは、有機EL素子の発光層のホスト材料として好適に用いることができる。
【0085】
一方で、本発明のビニルポリマーは固体蛍光量子収率が非常に強く、ドーパント特に緑〜赤色発光用のドーパントとしても好適に用いることができる。
(2.有機EL素子)
【0086】
本実施形態のビニルポリマーを溶媒に溶解し、塗布法により有機EL素子の有機層を容易に形成できる。そのため、従来の蒸着法に比べて簡便な設備により、分子分散型の有機EL素子の発光層を、容易に作成することができる。
【0087】
以下、有機EL素子について説明する。
【0088】
図1に、本発明の有機EL素子の一実施形態における断面図を示す。有機EL素子は、例えば、基板1/第一の電極層(陽極)2/有機層3/第2の電極層(陰極)4が順次積層された構成として実施できる。積層構成は、ディスプレイの仕様や作成プロセスによって陽極と陰極を逆にするなどの最適な構成を選択することができる。
【0089】
有機層3は、上記のビニルポリマーを有する発光材料を含むことが好ましい。ここで発光材料は、発光のためのドーパントを添加したビニルポリマーをいう。
【0090】
有機層3は、発光材料のみから形成してもよいし、発光材料と発光材料以外の材料とを混合して形成してもよい。また、発光材料と発光材料以外の材料との積層構造を形成してもよい。発光材料以外の材料とは、例えば、ホール輸送性や電子輸送性を持つモノマーや高分子化合物を用いることができる。他に、ホール輸送性や電子輸送性を有する無機材料を用いてもよい。
【0091】
陽極2は主にホール注入電極を含むことが好ましく、陰極4は主に電子注入電極を含むことが好ましい。これら電極材料は、公知の無機材料や有機材料から適宜選択することができる。陽極2と有機層3の間には、絶縁層6が設けられていることが好ましい。このとき、陽極2の発光領域以外の部分を絶縁層6によって覆うことによって、発光面積を制御して色のにじみを抑えることができる。
【0092】
以下、本実施形態を、基板1/陽極2/有機層3/陰極4が順次積層された構成とし、有機層3がビニルポリマーに赤色発光性ドーパントを添加した発光層である場合について詳細に説明する。
【0093】
(基板材料)
本実施形態の有機EL素子の基板1は、例えば、非晶質基板や、結晶基板や、金属基板などを用いることができる。非晶質基板は、例えば、ガラス、石英などを用いることができる。結晶基板は、例えば、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InPなどを用いることができる。金属基板は、例えば、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUSなどを用いることができる。
【0094】
これらの基板は、結晶質や非晶質のセラミック、金属、あるいは有機物の薄膜などを形成して用いてもよい。
【0095】
基板1を光取出し側とする場合は、基板1に光透過性が必要である。この場合は、例えば、石英やガラスなどのような透明基板を用いるのが好ましい。
【0096】
特に、ガラスは安価であり非常に好ましい。ガラスには、発色光の調整のために、例えば、色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜などを設けてもよい。
【0097】
(陽極:ホール注入電極)
本実施形態では、基板1に陽極2を形成する。陽極2は、有機EL素子においてホール注入電極として機能するため、有機層3へホールを効率よく注入できる材料が好ましい。また、有機層3が無機ホール注入輸送層や有機ホール注入輸送層などを有する多層構造の場合は、それら輸送層へホールを効率よく注入できる材料が好ましい。これらを鑑み、陽極2の材料は、仕事関数が4.5eV〜5.5eVであることが好ましい。
【0098】
一般的に有機EL素子では基板1側を光取出し側とすることが多い。その場合、基板1上に設けられた陽極2には高い光透過性が求められる。陽極2の光透過率は、有機EL素子の発光波長帯域である400〜700nm、特にRGB各色の波長における透過率が50%以上であること、好ましくは80%以上であること、さらに好ましくは90%以上であることが望ましい。透過率が低いと発光層3の発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られない。
【0099】
光透過率の高い陽極2の材料として、各種酸化物透明導電膜を選択して用いることができる。酸化物透明導電膜は、例えば、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2 )および酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)などが好ましい。特にITOは面内の比抵抗が均一な薄膜が容易に得られるため非常に好ましい。ITO中のIn23 に対するSnO2 の混合比は1〜20重量%が好ましく、さらには5〜12重量%が好ましい。また、IZOを用いる場合はIZO中のIn23 に対するZnOの混合比は12〜32重量%が好ましい。これら酸化物透明導電膜は、単体の薄膜として用いることができるが、酸化物透明導電物のいずれか1種類を主組成とする混合物薄膜を成膜して用いてもよい。
【0100】
酸化物透明導電膜の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよい。例えば、ITOは通常In23とSnO2 とを化学量論組成で含有するが、本実施形態の場合はO量が多少偏倚していてもよい。InOx・SnOyにおいてxは1.0〜2.0、yは0.8〜1.2の範囲とすることができる。
【0101】
酸化物透明導電膜に、例えば、酸化シリコン(SiO2 )などの透明な誘電体を添加することによって、仕事関数を調整することができる。例えば、ITOを陽極に用いる場合はITOに対して0.5〜10mol%程度のSiO2 を添加することによりITOの仕事関数を増大させ、上記の好ましい仕事関数の範囲とすることができる。
【0102】
陽極2の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。本実施形態の酸化物透明導電膜の場合は、膜厚が50〜500nm、特に50〜300nmの範囲であることが好ましい。膜厚が500nmを超えると光透過率が低下すると共に、基板1からの剥離が発生する場合がある。膜厚が50nm未満の場合は充分な光透過性は得られるが、有機層3へのホール注入効率が低下すると共に、膜強度が低下してしまう。
【0103】
なお、陰極4側を光取出し側とした場合は、上記のホール注入電極の光学的条件および膜厚条件を、陰極4において満足する必要がある。
【0104】
(絶縁層)
陽極2の形成後、絶縁層6を形成するのが好ましい。絶縁層6の材料は一般的な絶縁膜材料、例えば、SiO2やAl23などを適宜選択して用いることができる。絶縁層6の膜厚は1〜7μm程度が好ましい。絶縁層6の発光領域に相当する部分には、フォトリソグラフィとエッチングの手法により開口部を設けるのが好ましい。この開口部により上部の有機層3と陽極2の電気伝導を確保する。
【0105】
(有機層)
有機層3は、上記に説明したジフェニルナフタセン構造を含むビニルポリマーに、発光用ドーパントなどを必要に応じて加えた発光層を中心として構成されるのが好ましい。発光用ドーパントとしては、緑〜赤色の蛍光を持つ化合物が好ましく用いられるが、本実施形態では有機層3の発光層は赤色発光層を想定し、ジフェニルナフタセン構造を含むビニルポリマーに赤色発光用ドーパントを添加したビニルポリマーとすることができる。
【0106】
本実施形態においてビニルポリマーに添加する発光用ドーパントとしては、特に限定されることはないが、化30にしめす化合物を用いることが好ましい。
【0107】
【化30】
【0108】
化30のX23〜X28は置換基であり、化9におけるX1〜X5の置換基と同じものを用いることができる。すなわちX11〜X16の置換基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子、アミノ基を用いることができる。特にアルキル基、アルコキシ基、アリール基であることが好ましく、中でもアルキル基、アリール基であることが好ましい。
【0109】
化30のk23〜k28も同様にそれぞれ対応するベンゼン環の置換基数を表しており、k23およびk26は0〜4の整数、k24及びk25、k27、k28は0〜2の整数であり、それぞれ0〜1であることが好ましい。
【0110】
さらに化31にしめす化合物を用いることが好ましい。
【0111】
【化31】
【0112】
化31のX29〜X36は置換基であり、化9におけるX1〜X5の置換基と同じものを用いることができる。すなわちX29〜X36の置換基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子、アミノ基を用いることができる。特にアルキル基、アルコキシ基、アリール基であることが好ましく、中でもアルキル基、アリール基であることが好ましい。
【0113】
化31のk29〜k36も同様にそれぞれ対応するベンゼン環の置換基数を表しており、k29およびk33は0〜4の整数、k30及びk31、k32、k34、k35、k36は0〜2の整数であり、それぞれ0〜1であることが好ましい。
【0114】
具体的には、例えば下記の化32〜化34に示す構造が好ましく用いられる。
【0115】
【化32】
【0116】
【化33】
【0117】
【化34】
【0118】
発光用ドーパントの割合は、重合前のビニルモノマーに対して1〜15重量%程度が好ましい。
【0119】
有機層3は、発光層材料と電荷輸送性の高分子化合物とを組み合わせて形成することもできる。そのような高分子化合物は、例えば、電子輸送性材料やホール輸送性材料などを用いることができる。
【0120】
発光層材料と電荷輸送性の高分子化合物との組み合わせは、例えば、発光層に電荷輸送性材料を添加して有機層3を形成する方法がある。発光層に添加する電荷輸送性の高分子化合物は、例えば、ホール輸送性材料として、ポリビニルカルバゾール(PVK)及びその混合物などを用いることができる。
【0121】
また、発光層と電荷輸送性材料との多層構造によって、有機層3を形成することもできる。例えば、ホール輸送層/発光層/電子輸送層のような積層構造とすることができる。このような積層構造の場合は、陽極2すなわちホール注入電極とホール輸送層が、陰極4すなわち電子注入電極と電子輸送層が、それぞれ接する構成であることが好ましい。
【0122】
発光層と多層構造を形成するホール輸送性材料は、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンサルフォネート(Pani/PSS)のいずれか、またはこれらの混合物を用いることができる。また、電子輸送性材料としては、例えば、ポリキノキサリンやポリキノリンなどを単独で、または混合物で用いることができる。
【0123】
上記に例示した電荷輸送性の高分子材料は、有機EL素子の電子注入層や電子輸送層として、あるいは、ホール注入層やホール輸送層として広く用いられている。これらの多くは重量平均分子量Mwで5000以上、通常5000〜300万程度の分子量を有する。
【0124】
発光層と組み合わせる電荷輸送性材料は、上記の高分子材料の他に低分子材料を用いることもできる。低分子材料は、上記の高分子材料と同様に発光層へ添加することができる。あるいは、低分子材料と発光層との積層構造を形成することもできる。低分子材料は、電子輸送性材料として、ホール輸送性材料として、目的に応じた適当な選択をおこなうことが好ましい。
【0125】
ホール輸送性材料として用いる低分子材料は、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などから適宜選択することができる。
【0126】
また、電子輸送性材料として用いる低分子材料は、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレンおよびその誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体、フェナントロリンおよびその誘導体、及びこれらの化合物を配位子とした金属錯体などから適宜選択することができる。
【0127】
こうした低分子材料とその使用形態については、例えば、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報などに開示されている。
【0128】
(有機層の塗布形成)
有機層3は、塗布法を用いて形成することができる。
【0129】
有機層3の塗布において用いられる溶媒は、本実施形態のビニルポリマーが溶解し、塗布に際して障害が生じないものであれば特に限定されない。例えば、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エーテル系などの、一般に溶媒として多用されている有機溶剤から適宜選択して用いることができる。例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどが好ましい。高分子材料は、その構造や分子量にもよるが、これらの溶媒に対して0.1重量%以上溶解させることができる。
【0130】
有機層を塗布法により形成した後、溶媒を除去するため、減圧下あるいは不活性ガス雰囲気において、30〜200℃、好ましくは60〜150℃の温度で加熱乾燥することが好ましい。
【0131】
乾燥後の有機層3の厚さは特に限定されない。形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。発光層に対してホールあるいは電子の注入層や輸送層を設けて有機層3を構成する場合、注入層の厚さは0.1nm以上、輸送層の厚さは1nm以上が好ましい。注入層あるいは輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で50nm程度、輸送層で500nm程度である。注入層あるいは輸送層の厚さをこの範囲とすることにより、好ましい電荷の移動度あるいは発光層への電荷注入能力を得ることができる。
【0132】
(陰極)
有機層3に接して設けられる陰極4は電子注入電極として機能する。この電子注入電極は、無機電子注入層と補助電極の積層体として形成することができる。
【0133】
また、有機金属錯体の塗布膜と補助電極の積層体として形成することもできる。あるいは、金属塩の塗布膜と補助電極の積層体として形成することもできる。有機金属錯体や金属塩の塗布膜を用いる場合は、スピンコート法などにより容易に電子注入層を形成することができる。
【0134】
(陰極:無機電子注入層)
電子注入電極の無機電子注入層は、有機材料への電子注入が容易となるように低仕事関数の材料を選択することが好ましい。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属あるいはアルカリハロゲン化物を用いることができる。
【0135】
アルカリ金属は、例えば、Li、Na、K、Csなどを用いることができる。アルカリ土類金属は、例えば、Ca、Sr、Baなどを用いることができる。その他にも、例えば、Mg、La、Ce、Sn、Zn、Zrなどのような、アルカリ金属やアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることもできる。上記の金属の中でも、Caは特に低仕事関数であるため非常に好ましい。無機電子注入層の膜厚は有機層3へ充分に電子を注入できる厚さであればよい。0.1〜100nmが好ましく、さらに1.0〜50nmがより好ましい。
【0136】
無機電子注入層にアルカリハロゲン化物を用いる場合、材料は適宜選択できるが、例えば、LiFやCsIなどが好ましい。アルカリハロゲン化物の膜厚は有機層3へ充分に電子を注入できるよう薄いほうが好ましく、10nm以下が好ましい。さらに1nm以下がより好ましい。
【0137】
以上の無機層は、いずれも補助電極との積層体として用いることが好ましい。補助電極は低仕事関数である必要も高い電子注入性を有する必要もないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いの容易な金属が好ましい。例えば、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、PdおよびNiなどの金属を、1種または2種以上選択して用いることができる。特に、Al、Agが好ましい。
【0138】
(陰極:有機金属錯体の塗布膜による電子注入層)
電子注入層は、有機金属錯体の塗布層を用いて形成することもできる。有機金属錯体の塗布層は、例えば、スピンコート法などの塗布法により容易に電子注入層を形成できるため好ましい。
【0139】
有機金属錯体は、例えば、β―ジケトナト錯体、キノリノール錯体などを用いることができる。有機金属錯体の金属は低仕事関数の金属であれば特に限定されず、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属を用いることができる。アルカリ金属は、例えば、Li、Na、K、Csなどを用いることができる。また、アルカリ土類金属は、例えば、Ca、Sr、Baなどを用いることができる。その他にもアルカリ金属やアルカリ土類金属に特性の近い金属、例えば、Mg、La、Ce、Sn、Zn、Zrなどを適宜選択して用いることもできる。
【0140】
これらの有機金属錯体は、該出の電子輸送性のポリマー材料と混合して塗布することもできる。その場合、電気特性や有機層3との密着性を向上させることができるため非常に好ましい。
【0141】
有機金属錯体の塗布層の乾燥後膜厚は、有機層3へ充分に電子注入をおこなえるよう薄い方が好ましく、一般には10nm以下が、さらには1nm以下が好ましい。
【0142】
塗布および乾燥後の有機金属錯体層上には、さらに補助電極を設けることが好ましい。補助電極を設けることによって、有機層3への電子注入効率を確保することができる。また、有機層3あるいは有機金属錯体層への、水分あるいは有機溶媒の侵入を防止することができる。
【0143】
補助電極の材料は、有機金属錯体の材料との密着性や、目的とする電子注入電極の特性などに応じて、最適な材料を適宜選択することができる。例えば、Alなどの低抵抗の金属を用いれば高い電子注入効率を確保することができる。あるいは、TiNなどの金属化合物を用いれば高い封止性が得られる。
【0144】
電子注入層と補助電極を合わせた厚さ、すなわち電子注入電極である陰極4全体の厚さには特に制限はない。陰極4全体の厚さは電子を有機層3に供給するために充分な厚さであればよく、通常は陰極4全体の厚さが50〜500nm程度であればよい。有機金属錯体の層に対して補助電極が薄すぎると上記の効果が得られず、また、補助電極の段差被覆性が低くなり端子電極との接続が十分ではなくなる。一方、補助電極が厚すぎると補助電極の応力が大きくなるためダークスポットの成長速度が速くなってしまう。
【0145】
(陰極:金属塩の塗布膜による電子注入層)
電子注入層を金属塩の塗布層を用いて形成する方法も、スピンコート法などの塗布法により容易に電子注入層を形成できるため好ましい。この金属塩は有機金属塩および無機金属塩のどちらを用いることもできる。例えば、Ag、Al、Au、Be、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Hg、Ir、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pb、Pd、Pt、Re、Ru、Sb、Sn、Ti、Zr及びWなどの金属を含む有機金属塩または無機金属塩を用いることができる。
【0146】
金属塩の形態には特に制限はないが、例えば、置換または非置換の脂肪族カルボン酸塩、二価カルボン酸塩、安息香酸類の塩、アルコラート、フェノラート、ハロゲン化物、およびジアルキルアミドなどを用いることができる。
【0147】
脂肪族カルボン酸塩の脂肪族カルボン酸は、飽和脂肪族カルボン酸と、不飽和脂肪族カルボン酸との、いずれも用いることができる。脂肪族カルボン酸は炭素数1〜24のものが好ましい。飽和脂肪族カルボン酸の残基は、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、イソオクチル酸、デカン酸、ラウリン酸などが挙げられ、不飽和脂肪族カルボン酸残基としてはオレイン酸、リシノレイン酸、リシノール酸などを用いることができる。
【0148】
二価カルボン酸塩の二価カルボン酸は、例えば、クエン酸、りんご酸、シュウ酸などから適宜選択して用いることができる。
【0149】
安息香酸類の塩は、例えば、安息香酸、o−tert−ブチル安息香酸、m−tert−ブチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸などの安息香酸類の塩を用いることができる。特にサリチル酸塩が好ましい。
【0150】
アルコラートは、アルコールの金属塩である。アルコラートを生成するのに好適なアルコールとして、例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどの一級アルコール、およびイソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどの二級アルコール、tert.−ブチルアルコールなどの三級アルコールから、適宜選択して用いることができる。
【0151】
フェノラートはフェノール類の金属塩である。フェノール類は、フェノール、ナフトールおよび4−フェニルフェノールなどをいう。フェノール類としては、例えば、1価のフェノール(置換基数0〜5、置換基としてC1〜C8の直鎖もしくは分岐アルキル基など)、2価のフェノール(置換基数0〜4、置換基としてC1〜C8の直鎖もしくは分岐アルキル基など)などから適宜選択して用いることができる。
【0152】
ハロゲン化物は、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素との塩を用いることができる。
【0153】
なお、これらの有機金属錯体および金属塩は、該出の電子輸送性のポリマー材料と混合して塗布することもできる。その場合、電気特性や有機層3との密着性を向上させることができるため好ましい。
【0154】
乾燥後の金属塩塗布層の膜厚は、有機層3へ充分に電子注入をおこなえるよう薄いほうが好ましい。一般には10nm以下が、さらには1nm以下であることが好ましい。
【0155】
金属塩の塗布層の上には補助電極を設けることが好ましい。補助電極を設けることによって、有機層3への電子注入効率を確保し、有機層3あるいは電子注入層への水分あるいは有機溶媒の侵入を防止できる。補助電極の材料は、金属塩との密着性や、目的とする電子注入電極の特性に応じて、最適な材料を適宜選択することができる。例えば、Alなどの低抵抗金属やTiNなどの金属化合物を用いることができる。
【0156】
電子注入層と補助電極を合わせた厚さ、すなわち電子注入電極である陰極4全体の厚さには特に制限はない。陰極4全体の厚さは電子を有機層3に供給するために充分な厚さであればよく、通常は陰極4全体の厚さが50〜500nm程度であればよい。補助電極が薄すぎると上記の効果が得られず、また、補助電極の段差被覆性が低くなり端子電極との接続が十分ではなくなる。一方、補助電極が厚すぎると、補助電極の応力が大きくなりダークスポットの成長速度が速くなってしまう。
【0157】
(封止処理)
積層工程が終了した素子を封止板などにより封止することで有機層3や電極の劣化を防ぐことができる。封止は、接着性樹脂を用いて素子に封止板を接着しておこなうことができる。このとき、スペーサー7を介して接着することにより封止板5と積層体との接触を防止することができる。
【0158】
封止板5と素子およびスペーサー7との間隙には封止ガスを充填するのが好ましい。この封止ガスは不活性ガスであることが好ましく、例えば、Ar、He、N2 などが好ましい。封止ガスの水分含有量は100ppm 以下、より好ましくは10ppm 以下、特に1ppm 以下が好ましい。封止ガス中の水分含有量に下限値はないが、0.1ppm 程度であれば素子の有機層3や各電極の劣化防止効果が高く非常に好ましい。
【0159】
本実施形態において説明した有機EL素子は、高輝度で長寿命の発光素子であり、特に青色発光素子、あるいは燐光発光を用いた素子として好ましいものである。
【0160】
(有機ELディスプレイ)
本発明の有機EL素子を平面上に複数個配置することにより、高輝度で長寿命の有機ELディスプレイを得ることができる。本発明の有機ELディスプレイの好ましい実施形態は、想定しているディスプレイ製品に必要な輝度、寿命、消費電力、コストなどを勘案して決定することができる。本発明の有機EL素子は、例えば、ポリシリコンTFTなどを用いたアクティブ駆動のフルカラーディスプレイに用いることができる。あるいは、いわゆるパッシブ駆動のディスプレイに用いることもできる。
【0161】
フルカラーディスプレイのためには、どのような駆動方法を用いるにせよ、何らかの方法で赤、緑、青(RGB)の三原色の発光素子を形成する必要がある。本発明の有機EL素子は、公知のフルカラー表示方法、例えば、RGB三色並置方式や、白色発光方式や、色変換方式など、いずれにも用いることができる。
【0162】
RGB三色並置方式は、RGB三色の発光素子をそれぞれ発光させる方法である。また、白色発光方式は、液晶表示装置などに用いられる三色カラーフィルターによって白色発光の一部波長をカットし、フルカラー表示する方式である。色変換方式は、三色の蛍光色素を高エネルギー線の可視光発光によって励起する方式である。色変換方式の場合、励起光エネルギー線に有機ELの青色発光を用い、それぞれ緑色と赤色の蛍光面を励起して、赤色光、緑色光を得る場合が多い。青色が緑色あるいは赤色に変わるため色変換方式と呼ばれている。白色発光方式あるいは色変換方式の場合、三色の発光素子を用意する必要はなく、発光素子形成が簡素化され、大面積化にも容易に対応できる。
【0163】
本発明の有機EL素子は、発光層に添加する色素ドーパントを適宜選択することによって、上記の表示方法の全てに用いることができる。例えば、本発明の有機EL素子は、高効率で高輝度の青色発光素子が容易に得られるため、色変換方式の励起光源として非常に好ましく用いることができる。また、本発明の高分子材料は燐光発光ドーパントのホスト材料として好ましいため、例えば、燐光発光によるRGB三色並置方式の有機ELディスプレイにも非常に好ましく用いることができる。ここでは、本発明の好ましい一実施形態として、パッシブ駆動型であり、励起光源に青色発光素子を用いる色変換方式の有機ELディスプレイについて説明する。図2のブロック図に、本発明の有機ELディスプレイの好ましい実施形態の一つを示す。
【0164】
本実施形態のようにパッシブ駆動型の有機ELディスプレイを形成する場合、ストライプ状の陽極2と陰極4を発光素子上で直交するように形成するのが好ましい。この場合、陽極2にはホール輸送層を、陰極4には電子輸送層を設けることができる。
【0165】
本実施形態における基板1は、例えば、ガラスや石英、樹脂などの透明ないし半透明材料が好ましい。基板には、例えば、蛍光変換フィルター膜を用いて発光色をコントロールすることが好ましい。
【0166】
蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させて発光色の色変換をおこなう膜であり、一般にバインダー、蛍光材料、光吸収材料などを含む。これらは、フォトリソグラフィや印刷などにより微細なパターニングができるようなものが好ましい。また、ITOの成膜工程でダメージを受けない材料が好ましい。
【0167】
蛍光材料は、蛍光量子収率が高い物質であり、レーザー色素などのように発光素子の発光波長領域で光吸収が強い物質が好ましい。例えば、ローダミン系化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、サブフタロなどを含むフタロシアニン系化合物や、ナフタロイミド系化合物、縮合環炭化水素系化合物、縮合複素環系化合物、スチリル系化合物、クマリン系化合物などを用いることができる。バインダーは、蛍光を消光しない材料であれば適宜選択して用いることができる。
【0168】
光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いることが好ましく、蛍光材料の蛍光を消光しない材料を選ぶことが好ましい。
【0169】
また、有機EL素子の材料や蛍光変換フィルター膜が吸収するような短波長の外光をカットするカラーフィルターを選択して蛍光変換フィルター膜と組み合わせると、素子の耐光性や表示コントラストを向上させることができる。蛍光変換フィルター膜は、陽極2と陰極4の交点にあたる位置の基板1表面に、赤色フィルター層13aと、緑色フィルター層13bとを形成するのが好ましい。青色発光領域13cの部分には蛍光変換フィルター膜は形成されない。赤色フィルター層13a、緑色フィルター層13b、青色発光領域13cの3つの電極交点がディスプレイの一画素に相当する。この構成はフォトリソグラフィの手法で蛍光変換フィルター膜をパターニングして形成することができる。
【0170】
蛍光変換フィルター膜のパターン形成後、陽極2をストライプ状に形成する。陽極2の材質と構成は、有機EL素子の実施形態の構成をそのまま用いることができる。ストライプ状の陽極2は、例えば、ITO膜を必要に応じてホール注入層やホール輸送層などと組み合わせて成膜した後、フォトリソグラフィの手法によりパターニング、エッチング処理して形成することができる。
【0171】
陽極2を形成した後、絶縁層6を成膜するのが好ましい。絶縁層6は、例えば、SiO2やAl23などを成膜した後、発光領域となる13a〜13cの部分にフォトリソグラフィの手法により開口部を設けるのが好ましい。
【0172】
陽極2と絶縁層6を設けた基板1上に有機層3を設ける。このとき、スピンコート法によって有機層3を形成するのが好ましい。有機層3は、有機EL素子の好ましい実施形態において説明した材料および構成を用いることができる。有機層3は、例えば、フォトリソグラフィの手法などを用いてパターニングすることができる。
【0173】
有機層3の形成が完了した後に、陰極4を形成する。陰極4は有機EL素子の好ましい実施形態において説明した材料および構成を用いることができる。本実施形態のようにパッシブ駆動の有機ELディスプレイの場合、陰極4は陽極2に対し垂直に交差するストライプ状とするのが好ましい。このとき、陽極2と陰極4は図2のように、各発光素子上で直交するように形成するのが好ましい。
【0174】
この後、スペーサー7を設けることが好ましい。スペーサー7は、上記の有機EL素子の好ましい実施形態において説明した構成を用いることができる。スペーサー形成後、有機EL素子の好ましい実施形態とほぼ同様の方法で素子を封止するのが好ましい。
【0175】
ディスプレイ上の有機EL素子の駆動は、直流駆動、パルス駆動、交流駆動などの駆動方法を適宜用いることができる。印加電圧は通常2〜30V程度が好ましい。陽極2には電力供給機構8が接続される。電力供給機構8は陽極2に接続され、電流あるいは電圧を、直流、交流あるいはパルスとして素子に供給するのが好ましい。スイッチング機構10は陰極4に接続され有機EL素子9の点滅信号を供給するのが好ましい。電力供給機構8とスイッチング機構10は制御論理回路12によって制御されるのが好ましい。電力供給機構8とスイッチング機構10、および制御論理回路12は、有機ELディスプレイの表示をコントロールする駆動系11として統合することができる。
【0176】
本発明の有機EL素子は、上記の有機ELディスプレイの他、例えばメモリ読み出しや書き込みに利用される光ピックアップ、光通信の伝送路中における中継装置、フォトカプラなど、種々の光応用デバイスにも用いることができる。
【0177】
以上、説明した本発明の有機EL素子は、従来にない高輝度で高寿命の青色発光素子を作製可能であるため、長寿命で優れた表示機能を有する有機ELディスプレイを得ることができる。また、本発明の有機EL素子は、有機ELディスプレイの他にも、例えば、メモリ読み出しや書き込みに利用される光ピックアップ、光通信の伝送路中における中継装置、フォトカプラなど、種々の光応用デバイスに用いることができる。
【0178】
【実施例】
以下、本実施形態を実施例と比較例によって具体的に説明する。実施例及び比較例中で用いた化合物の構造は、それぞれ化35〜化49に示す。なお、構造式中のn、mは重合度である。
【0179】
(実施例1)
5,12-ナフタセンキノン、2-ブロモビフェニル、1,4-ジブロモベンゼン、4-ビニルフェニルボロン酸を原料に図3に示すScheme1にしたがって、5-ビフェニル-2-イル-12-(4'-ビニルフェニル-4-イル)-ナフタセンを合成し、オレンジ色の固体を得た。得られた個体は、核磁気共鳴法(NMR法)、赤外線吸収分析法(IR法)、マススペクトル分析法を用いて、目的の構造であることを確認した。
【0180】
次いで1gの5-ビフェニル-2-イル-12-(4'-ビニルフェニル-4-イル)-ナフタセンと、ラジカル重合開始剤として10mgのベンゾイルパーオキサイド(BPO)を、7mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解した。得られた溶液を、窒素雰囲気において70℃で48時間保持し、重合反応させた。反応終了後、良溶媒にTHF、貧溶媒にメタノールを用いて再沈殿を3回おこない、次に貧溶媒を酢酸エチルに代えて上記と同様に再沈殿を3回おこない、化35のポリマー850mgを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は28000であった。
【0181】
【化35】
【0182】
次いで、このポリマーの2.0wt%トルエン溶液を調整し、さらにポリマー中のモノマーユニットに対して3wt%の割合で化36のペリレン誘導体を赤色発光ドーパントとして添加し、発光層塗布溶液とした。
【0183】
【化36】
【0184】
上記の工程で得られた発光層塗布溶液を用い、以下の手順で有機EL素子を作成した。
【0185】
ITO基板上に、スピンコート法によりポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を500Å成膜した。80℃にて1時間真空乾燥した後、上記の発光層塗布溶液を塗布し、発光層1000Åを形成した。化37に、PEDOT/PSSの構造式を示す。
【0186】
【化37】
【0187】
同様に80℃にて1時間真空乾燥した後、LiFを6Å、Alを2500Å真空蒸着して陰極とし、封止をして有機EL素子を作成した。このデバイスからはドーパントからの赤色発光が得られ、10mA/cm2の定電流駆動時に3.0cd/Aの電流効率が得られた。10mA/cm2における輝度半減寿命試験の結果、800時間の寿命が得られた。
【0188】
(実施例2)
図4に示すScheme2に示したように、2-ブロモビフェニルを4-ブロモ-1,3-ターフェニルに変更した以外は、実施例1と同様に合成を行い、5-[1,1',3',1"]タ−フェニル-4'-イル-12-(4'-ビニルフェニル-4-イル)-ナフタセンを得た。次いで同様に重合を行い、化38のポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は26000であった。
【0189】
【化38】
【0190】
このポリマーをホスト材料に用いた以外は実施例1と同様な構成で有機EL素子を作成したところ、このデバイスからはドーパントからの赤色発光が得られ、電流効率は3.3cd/Aであった。10mA/cm2における輝度半減寿命試験の結果、850時間の寿命が得られた。
【0191】
(実施例3)
図5に示すScheme3に示したように、4-ビニルフェニルボロン酸をビニルボロン酸ジブチルエステルに変更した以外は、実施例1と同様に合成を行い、5-ビフェニル-2-イル-12-(4-ビニルフェニル)-ナフタセンを得た。次いで同様に重合を行い、化39のポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は33000であった。
【0192】
【化39】
【0193】
このポリマーをホスト材料に用いた以外は実施例1と同様な構成で有機EL素子を作成したところ、このデバイスからはドーパントからの赤色発光が得られ、電流効率は2.5cd/Aであった。10mA/cm2における輝度半減寿命試験の結果、600時間の寿命が得られた。
【0194】
(実施例4)
5,12-ナフタセンキノン、2-ブロモビフェニル、4-ビニルフェニルボロン酸を原料に図6に示すScheme4にしたがって、6,11-ビス-ビフェニル-2-イル-5-(4-ビニルフェニル)-ナフタセンを合成し、オレンジ色の固体を得た。実施例1と同様に重合反応を行い化40のポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は27000であった。さらにこのポリマーをホスト材料に用いた以外は実施例1と同様な構成で有機EL素子を作成したところ、このデバイスからはドーパントからの赤色発光が得られ、電流効率は2.3cd/Aであった。10mA/cm2における輝度半減寿命試験の結果、530時間の寿命が得られた。
【0195】
【化40】
【0196】
(実施例5)
5,12-ナフタセンキノン、2-ブロモビフェニル、フェニルボロン酸、4-ビニルフェニルボロン酸を原料に図7に示すScheme5にしたがって、5,12-ビス-ビフェニル-2-イル-6-フェニル-11-(4-ビニルフェニル)-ナフタセンを合成し、オレンジ色の固体を得た。実施例1と同様に重合反応を行い化41のポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は23000であった。さらにこのポリマーをホスト材料に用いた以外は実施例1と同様な構成で有機EL素子を作成したところ、このデバイスからはドーパントからの赤色発光が得られ、電流効率は2.3cd/Aであった。10mA/cm2における輝度半減寿命試験の結果、550時間の寿命が得られた。
【0197】
【化41】
【0198】
(実施例6)
実施例2で合成したモノマー、5-[1,1',3',1"]タ−フェニル-4'-イル-12-(4'-ビニルフェニル-4-イル)-ナフタセンと化42に示す(4−ビニルフェニル)−ジフェニルアミンを8:2の割合で共重合し、化43に示すコポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は28000であった。このポリマーをホスト材料に用いた以外は実施例1と同様な構成で有機EL素子を作成したところ、このデバイスからはドーパントからの赤色発光が得られ、ホール注入性が向上したことにより電流効率は3.5cd/Aに達した。10mA/cm2における輝度半減寿命試験の結果、850時間の寿命が得られた。
【0199】
【化42】
【0200】
【化43】
【0201】
(実施例7)
化44の9−ビフェニル−2−イル−10−(4−ビニルフェニル)−アントラセンと実施例1で合成した5-ビフェニル-2-イル-12-(4'-ビニルフェニル-4-イル)-ナフタセンを重量比で97:3の割合で共重合した。得られたポリマーの重量平均分子量は24000であった。ジフェニルナフタセン誘導体のユニットは、このコポリマー中ではドーパントとして機能する。ドーパントは加えずに、このコポリマーの2%トルエン溶液を発光層塗布溶液とした以外は、実施例1と同様の構成の有機EL素子を作成した。この素子からは、ジフェニルナフタセン誘導体由来の緑色発光が得られ、電流効率は8cd/Aであった。10mA/cm2における輝度半減寿命試験の結果、760時間の寿命が得られた。
【0202】
【化44】
【0203】
(実施例8)
ドーパントとして、化45に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様に有機EL素子を作成した。この素子からは、化45の化合物由来のオレンジ色発光が得られ、電流効率は1.4cd/Aであった。10mA/cm2における輝度半減寿命試験の結果、300時間の寿命が得られた。
【0204】
【化45】
【0205】
(比較例1)
ホストポリマーにポリビニルカルバゾール(PVK:重量平均分子量100000)を用いた他は実施例1と同様に有機EL素子を作成した。化46にPVKの構造式を示す。
【0206】
【化46】
【0207】
この素子からはドーパントからの赤色の発光が得られ、10mA/cm2の定電流駆動時の電流効率は0.2cd/Aであった。しかしながら10mA/cm2での輝度半減寿命は1時間であった。
【0208】
(比較例2)
π共役高分子であるCN−PPP(重量平均分子量10000)を用いて有機EL素子を作成した。CN−PPPの構造を化47に示す。CN−PPPの固形分に対して3wt%の割合で、実施例1で用いた赤色ドーパントを添加した溶液を発光層の塗布に用いた。実施例1と同様に500Åの膜厚のPEDOT/PSS、1000Åの膜厚の発光層を積層した。80℃にて1時間真空乾燥した後、CN−PPPに対し良好な電子注入性を持つCaを60Å、次いでAlを2500Åの膜厚に真空蒸着して陰極とし、封止をして有機EL素子を作成した。このデバイスからは10mA/cm2の定電流駆動では発光が確認できなかった。
【0209】
【化47】
【0210】
(比較例4)
有機EL素子の有機層のポリマーを低分子に変更して、有機EL素子を作成した。有機層のホスト化合物を化49に示す低分子量の5,12-ビス-ビフェニル-2-イル-ナフタセンとした他は、実施例1と同様な方法で有機EL素子を作成した。5,12-ビス-ビフェニル-2-イル-ナフタセンの塗布膜は結晶化が激しく、白濁し平滑な膜が得られなかったが、そのまま有機EL素子を作成して評価を試みた。
【0211】
【化48】
【0212】
本比較例の有機EL素子の評価においては、10mA/cm2の定電流駆動でドーパントに由来する赤色発光が観察された。しかしながら、発光開始直後に絶縁破壊が生じ、電流効率などの特性評価はできなかった。
【0213】
以上、本実施形態について実施例と交え詳細に説明してきたが、本発明はこれらに限定されることなく、請求項の範囲内において各種の変形が可能であることは、当業者にとって自明である。
【0214】
【発明の効果】
本発明によれば、ホスト化合物として優れているジフェニルナフタセン誘導体を母骨格としたビニルポリマーを合成することで、低分子ジフェニルナフタセン化合物の耐熱性の問題をクリアし、優れた安定性や寿命を有する分子分散型の有機EL素子を得ることができる。また、他のビニルモノマーと共重合体を作ることにより、注入バランスに優れた有機EL素子の作成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機EL素子の内部構造を示す断面図である。
【図2】本発明の有機ELディスプレイの好適な一実施形態を示すブロック図である。
【図3】5-ビフェニル-2-イル-12-(4'-ビニルフェニル-4-イル)-ナフタセンを合成するための反応図式を示した図である。
【図4】5-[1,1',3',1"]タ−フェニル-4'-イル-12-(4'-ビニルフェニル-4-イル)-ナフタセンを合成するための反応図式を示した図である。
【図5】5-ビフェニル-2-イル-12-(4-ビニルフェニル)-ナフタセンを合成するための反応図式を示した図である。
【図6】6,11-ビス-ビフェニル-2-イル-5-(4-ビニルフェニル)-ナフタセンを合成するための反応図式を示した図である。
【図7】5,12-ビス-ビフェニル-2-イル-6-フェニル-11-(4-ビニルフェニル)-ナフタセンを合成するための反応図式を示した図である。
【符号の説明】
1 基板
2 第1の電極層(陽極)
3 有機層
4 第2の電極層(陰極)
5 封止板
6 絶縁層
7 スペーサー

Claims (6)

  1. 基板と、前記基板の一側に形成された第1の電極層と、
    前記第1の電極層上に形成された有機層と、
    前記有機層上に形成された第2の電極層とを備え、
    前記有機層が、下記式(3)で表される構造を有するビニルモノマーを重合させて得られるビニルポリマーを含有することを特徴とする有機EL素子。
    〔但し、式(3)中のLは、単結合、アルキレン基、又はアリーレン基であって、無置換でも、置換基を有してもよい。また、X11〜X16は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。k11〜k16は対応するベンゼン環への置換基の数を表し、k11、k13はそれぞれ0〜5の整数であり、k12、k15、k16はそれぞれ0〜4の整数、k14は0〜1の整数である。ジフェニルナフタセン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。〕
  2. 前記ビニルポリマーが、下記式(4)で表される構造を有するビニルモノマーを重合させて得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
    〔但し、式(4)中のLは、単結合、アルキレン基、又はアリーレン基であって、無置換でも、置換基を有してもよい。また、X17〜X22は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらのうちの2以上が結合して環を形成していてもよい。k17〜k22は対応するベンゼン環への置換基の数を表しており、k17、k それぞれ0〜5の整数であり、k18、k21、k22はそれぞれ0〜4の整数であり、k 20 は0である。ジフェニルナフタセン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。〕
  3. 前記ビニルポリマーが、前記式(3)又は(4)で表される構造を有するビニルモノマーを2種類以上重合させた共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL素子。
  4. 前記ビニルポリマーが、前記式(3)又は(4)で表される構造を有するビニルモノマーのうちの1種以上と、該ビニルモノマーと異なる構造を有するビニルモノマーの1種以上との共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL素子。
  5. 前記ビニルポリマーを含有する有機層の少なくとも一つ以上が、有機EL素子における発光層であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の有機EL素子。
  6. 基板、前記基板の一側に形成された第1の電極層、前記第1の電極層上に形成された有機層、及び前記有機層上に形成された第2の電極層で構成される複数の有機EL素子が配列された表示部と、
    前記第1及び第2の電極に電気的に接続されており該第1及び第2の電極に電圧又は電流を供給する電力供給部と、
    前記有機EL素子のそれぞれを点灯又は消灯するスイッチング部とを備え、
    前記有機EL素子が、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の有機EL素子であることを特徴とする有機ELディスプレイ。
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