JP2005104844A - システイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】システイン類に特有の不快な臭気又は味の軽減された組成物、システイン類に特有の不快な臭気又は味を軽減する方法の提供。
【解決手段】システイン類及び水膨潤性物質を含有する、システイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物、並びにシステイン類に、水膨潤性物質を組み合わせて用いることを特徴とするシステイン類の不快な臭気又は味を軽減する方法。さらに酸味剤、甘味剤を加えることによって、軽減効果がより向上する。
【選択図】なし

Description

本発明は、システイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物、及びシステイン類の不快な臭気又は味を軽減する方法に関する。
システイン類は、栄養素の代謝作用、エネルギーの発生及び代謝作用、解毒作用、抗アレルギー作用、皮膚の代謝作用、色素沈着防止作用、皮膚の老化防止作用等の作用を有することが知られている。このため、システイン類は、各種の外用又は経口投与用組成物の有効成分として使用されている。ところが、システイン類は不快な臭気又は味等を有しており、これはシステイン類分子中のSH基によるものと考えられている。特に、その臭気はシステイン類に特有のものでありそのマスキングが重要である。システイン類を配合した内服薬としては糖衣錠が一般的であるが、その他の剤型、例えば顆粒剤、細粒剤等ではシステイン類の不快な臭気又は味を軽減することが不充分であっため、糖衣錠以外の内服薬の開発は進んでいなかった。また、糖衣錠のような剤型ではシステイン類の不快な臭気又は味を軽減することを目的としてシステイン類以外の成分を配合しようとすると、その成分を多く配合する必要があったため、1錠剤当たりのシステイン類の配合量がやや少なくなる傾向があった。このため、システイン類の作用を充分に享受しようとすると、投与1回当たりの服用錠数が多くなり、服用による負担が大きくなっていた。
従来、顆粒剤における不快な味を軽減する技術としては、不快な味を有する薬剤に水溶性高分子からなる膜を施す方法(特許文献1参照)、薬剤の核を形成し、該核の外装に膜を形成する方法(特許文献2参照)などが知られているが、これらの方法は、製造工程が多岐にわたることから製造が非常に困難になる問題がある。甘味剤を共存させる方法(特許文献3参照)が知られているが、その軽減効果が十分でない問題がある。
また、薬物に水膨潤性物質を30重量%以上の割合で配合して調製した組成物を湿式造粒することによって、不快な薬物の味がマスキングされた服用感のよい経口用製剤が得られることが知られている(特許文献4参照)。しかしながら、この技術は、主として薬物の苦味をマスキングすることを目的としたものであり、システイン類に関する記載は勿論のこと、臭気のマスキング、特にシステイン類に特有の不快な硫黄臭のマスキングについては一切記載されていない。また、当該組成物に対する水膨潤性物質の配合量は30重量%以上と多いことから、製造工程において添加する水分量の調整が困難(例えば組成物の高粘度化)となり、造粒性の悪化を招くなどの問題があった。
特開平5−201855号公報 特許第3317444号公報 特公平4−58305号公報 特開平9−208458号公報
本発明は、システイン類を含有しながらも、その不快な臭気又は味が軽減されてなる組成物を提供することを目的とする。さらに本発明は、システイン類の不快な臭気又は味を軽減するための方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、システイン類を含有する経口用組成物において、併せて水膨潤性物質を配合することにより、システイン類の不快な臭気又は味、特にシステイン類特有の不快な臭気を軽減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記項1〜11に掲げるシステイン類含有組成物を提供するものである。
項1.システイン類及び水膨潤性物質を含有する、システイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物。
項2.水膨潤性物質が、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、カルメロース及びその塩、クロスカルメロースナトリウム、コポリビドン、ポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドン並びにメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種の物質である項1に記載の組成物。
項3.水膨潤性物質の配合量が、重量比でシステイン類の配合量の0.5倍以上である項1又は2に記載の組成物。
項4.水膨潤性物質の配合量が、重量比でシステイン類の配合量の1倍以上である項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5.水膨潤性物質の配合量が、重量比でシステイン類の配合量の1.5倍以上である項1〜4のいずれかに記載の組成物。
項6.さらに酸味剤及び甘味剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する項1〜5のいずれかに記載の組成物。
項7.酸味剤がアスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である項6に記載の組成物。
項8.甘味剤がアスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース及びステビアからなる群から選択される少なくとも1種である項6または7に記載の組成物。
項9.固体であることを特徴とする項1〜8のいずれかに記載の組成物。
項10.顆粒剤、細粒剤又は散剤の形態を有することを特徴とする項9に記載の組成物。
項11.水膨潤性物質の配合量が、組成物全量100重量%に対して0.005〜20重量%である項1〜10のいずれかに記載の組成物。
さらに本発明は、下記項12及び13に掲げるシステイン類の不快な臭気または味を軽減する方法を提供する。
項12.システイン類に、水膨潤性物質を組み合わせて用いることを特徴とするシステイン類の不快な臭気又は味を軽減する方法。
項13.システイン類に、水膨潤性物質と、酸味剤及び甘味剤からなる群から選択される少なくとも1種を組み合わせて用いることを特徴とするシステイン類の不快な臭気又は味を軽減する方法。
さらに当該発明は、下記の方法も包含する。
項14.水膨潤性物質が、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、カルメロース及びその塩、クロスカルメロースナトリウム、コポリビドン、ポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドン並びにメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種の物質である項12又は13に記載の方法。
項15.水膨潤性物質を、システイン1重量部に対して0.5重量部以上の割合で配合することを特徴とする項12〜14のいずれかに記載の方法。
項16.酸味剤がアスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である項13〜15のいずれかに記載の方法。
項17.甘味剤がアスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース及びステビアからなる群から選択される少なくとも1種である項13〜16に記載の方法。
また本発明は、下記項18〜23に掲げるシステイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物の製造方法を提供する。
項18.システイン類と水膨潤性化合物を混合し、得られる組成物を湿式造粒することを特徴とする、システイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物の製造方法。
項19.システイン類、水膨潤性物質、並びに酸味剤及び甘味剤からなる群から選択される少なくとも1種を混合し、得られる組成物を湿式造粒することを特徴とする、システイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物の製造方法。
項20.水膨潤性物質が、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、カルメロース及びその塩、クロスカルメロースナトリウム、コポリビドン、ポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドン並びにメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種の物質である項18又は19に記載の製造方法。
項21.水膨潤性物質を、システイン1重量部に対して0.5重量部以上の割合で配合することを特徴とする項18〜20のいずれかに記載の製造方法。
項22.酸味剤がアスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である項19〜21のいずれかに記載の製造方法。
項23.甘味剤がアスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース及びステビアからなる群から選択される少なくとも1種である項19〜22に記載の製造方法。
以下、本発明をより詳細に説明する。
(1)システイン類含有組成物
本発明の組成物は、システイン類及び水膨潤性物質を含有することを特徴とする。なお、本明細書において、システイン類特有の不快な臭気又は味の軽減を、単にマスキングと称することがある。
本発明において、対象とするシステイン類には、システイン、システイン誘導体及びそれらの塩が包含される。システインとしては、L−システインが好ましい。システイン誘導体としては、システインメチルエステル、システインエチルエステル、メチルシステイン、L−エチルシステイン、N−アセチルシステイン等が例示される。塩としては、経口投与が可能な、薬学的または食品衛生上許容される塩であれば特に限定されない。例えば、システインまたは上記システイン誘導体の塩酸塩、硝酸塩及び酢酸塩等の無機酸塩等の酸塩;システインまたは上記システイン誘導体のナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩やカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩などを挙げることができる。好ましくはシステインまたは上記システイン誘導体の塩酸塩であり、具体的には、塩酸システイン(特に、L−システイン塩酸塩)、塩酸メチルシステイン、塩酸L−エチルシステインを例示することができる。システイン類として好ましいのは、L−システイン、塩酸システインであり、より好ましくはL−システインである。
なお、これらのシステイン類は予めコーティング剤でコーティングされていても良い。コーティング剤としては経口的に用いられる組成物(例えば、経口投与用組成物、口腔内用組成物、食品組成物など)において使用されるコーティング剤を広く用いることができる。
本発明の組成物中のシステイン類の配合量は特に制限されないが、組成物100重量%中、通常0.01〜66.666重量%、好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは0.1〜30重量%、より一層好ましくは0.3〜20重量%である。
本発明でシステイン類と組み合わせて用いる水膨潤性物質は、水を吸収して膨潤する特性を有する物質であれば特に限定されない。好ましくは、膨潤率が25%以上の水膨潤性物質である。ここで、膨潤率とは、次の方法で算出される値をいう。
<膨潤率の算出方法>
(1)サンプル瓶(直径35mm×高さ78mm)に対象とする物質(水膨潤性物質)の粉末8gを添加し、開口部をパラフィルムで覆う。この瓶を卓上振動機(VORTEX GENIE-2 MOEL G-560(SCIENTIFIC INDUSTRIES INC製))にて目盛り8で30秒間振動させる。
(2)この時点で、サンプル瓶の底面から中に封入された物質(粉末)の上面までの距離(これを「膨潤前の高さ」とする)を測定する。
(3)次に別のサンプル瓶に3mlの水を入れ、上記と同じ粉末8gを添加し、開口部をパラフィルムで覆い、(1)と同様に振動させる。サンプル瓶を24時間放置する。
(4)放置後、サンプル瓶の底面から中に封入された物質(粉末)の上面までの距離(これを「膨潤後の高さ」とする)を測定し、次の式に基づいて膨潤率を算出する。
膨潤率(%)=((「膨潤後の高さ」/「膨潤前の高さ」)−1)×100
上記方法により膨潤率が25%以上を示す水膨潤性物質としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910など)、結晶セルロース、カルメロース又はその塩(カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム等)、クロスカルメロースナトリウム、コポリビドン、ポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどを挙げることができる。本発明の組成物が水で服用される場合には、膨潤率の比較的高い水膨潤性物質、例えばカルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。また、本発明の組成物が水なしで服用される場合には、膨潤率の比較的低い水膨潤性物質、例えばカルメロース、カルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、結晶セルロース、コポリビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースが好ましい。これらの水膨潤性物質は、1種単独でも2種以上を混合しても使用できる。なお、コポリビドンは、1−ビニル−2−ピロリドンと酢酸ビニル(重量比3:2)の共重合体である。
本発明の組成物における水膨潤性物質の配合量はシステイン類のマスキングが達成される限り特に制限されない。通常、本発明の組成物に含まれるシステイン類の配合割合に応じて定めることができる。具体的には、本発明の組成物に含まれるシステイン類の配合量に対して、水膨潤性物質を重量比で0.5倍以上の割合で配合することが好ましい。より好ましくはシステイン類の配合量に対して重量比で1倍以上の割合であり、さらに好ましくは1.5倍以上の割合である。なお、本発明の組成物100重量%中に占める水膨潤性物質の割合は、上記の限りであれば特に制限されるものではない。例えば、本発明の組成物が、システイン類をその最低配合量である0.01重量%の割合で含む組成物である場合、該組成物100重量%中に配合される水膨潤性物質の下限は0.005重量%である。該組成物100重量%中に配合される水膨潤性物質の下限として、好ましくは0.05重量%、より好ましくは0.15重量%である。
後述する実施例で示すように、本発明の組成物100重量%中に占める水膨潤性物質の割合が多くなるほど、システイン類に対して高いマスキング効果を得ることができる。このため、本発明の効果の点からは、本発明の組成物100重量%中に占める水膨潤性物質の割合の上限は特に制限されるものではない。特に、製剤化工程における湿式造粒の容易性を考慮すると、水膨潤性物質の配合割合は、本発明の組成物100重量%中、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましく、10重量%以下がより一層好ましい。
これら水膨潤性物質の配合割合の上限値及び下限値の組み合わせで好ましいのは、0.005〜20重量%、より好ましいのは、0.05〜15重量%、より一層好ましいのは0.15〜10重量%である。
本発明の組成物は、前述するように、システイン類及び水膨潤性物質を必須の成分とするが、好ましい任意の成分として酸味剤及び甘味剤からなる群から選択される少なくとも1種の物質を含有することも可能である。
本発明で使用する酸味剤は、酸味を有する物質であれば特に制限されない。酸味剤を配合することにより、よりシステイン類に対するマスキング効果が向上する。酸味剤としては、グルコノデルタラクトン、二酸化炭素、有機酸、その誘導体又はそれらの塩を例示することができる。ここで有機酸としては、例えば、アスコルビン酸、クエン酸及びリンゴ酸(dl-リンゴ酸)、アジピン酸、グルコン酸、氷酢酸、酒石酸(DL-、L-)、乳酸、酢酸、フマル酸等を挙げることができる。
また上記有機酸の誘導体としては、L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル等のアスコルビン酸エステル;クエン酸トリエチル等のクエン酸アルキルが例示できる。また、有機酸またはその誘導体の塩としては、上記有機酸またはその誘導体のナトリウム塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、dl-リンゴ酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム等)やカリウム塩などのアルカリ金属塩;上記有機酸またはその誘導体のカルシウム塩(例えば、アスコルビン酸カルシウムやクエン酸カルシウム等)等のアルカリ土類金属塩を挙げることができる。なお、これらは1種単独で使用しても2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましい酸味剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、及びアスコルビン酸ナトリウムであり、さらに好ましい酸味剤は、アスコルビン酸である。本発明の組成物に酸味剤を用いる場合、その配合量は特に制限されないが、0.001〜99.985重量%、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。
本発明で使用する甘味剤は、甘みを有するものであれば広く使用可能であり、特に制限されない。甘味剤を配合することにより、よりシステイン類に対するマスキング効果が向上する。甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、トレハロース、ステビア、グリチルリチン酸二ナトリウム、スクラロース、甘草、ソーマチン、アセスルファムカリウム、羅漢果抽出物などが挙げられ、合成甘味料、糖アルコール、天然甘味料等の区別無く使用できる。
これらの甘味剤は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは、アスパルテーム、サッカリン、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース及びステビアからなる群から選択される少なくとも1種である。本発明の組成物に甘味剤を用いる場合、本発明の効果を奏することを限度にその配合量は特に制限されない。甘味剤が賦型剤としても利用されるため上限を定めることは困難であるが、通常、0.001〜99.985重量%、好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは20〜70重量%の範囲を例示することができる。
なお、酸味剤と甘味剤を併用することにより、酸味剤単独又は甘味剤単独で使用する場合と比較してシステイン類に対するマスキング効果をより一層高めることができる。酸味剤と甘味剤を併用する場合、組成物に配合する酸味剤と甘味剤との割合は、特に制限されないが、通常酸味剤1重量部に対して、甘味剤0.00001〜100000重量部、好ましくは0.0001〜10000重量部、より好ましくは0.001〜1000重量部の割合を挙げることができる。
さらに、本発明の組成物には、必要に応じて、他の有効成分、ビタミン類、賦形剤、滑沢剤、着色剤、酸化防止剤(抗酸化剤)、崩壊剤、増量剤、清涼化剤、基剤、吸着剤、芳香剤、崩壊補助剤、コーティング剤、湿潤剤、消泡剤、光沢化剤、矯味剤、懸濁剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、溶剤、溶解剤、共力剤、誘引剤、可溶剤、軟化剤、乳化剤、粘着剤、粘稠剤、発泡剤、分散剤、糖衣剤、pH調節剤、安定剤、界面活性剤、可塑剤及び緩衝剤等の担体や添加剤などの成分を、組成物の形態並びに目的に応じて、加えることが可能である。これらの成分の添加量は、本発明の目的であるシステイン類のマスキング効果が損なわれない範囲であれば特に制限されない。
本発明の組成物は、システイン類の不快な臭気又は味の軽減が達成されているため、特に経口的に摂取される用途又は口腔内で利用される用途に有用な組成物(経口用または口腔用組成物)である。当該組成物は、例えば、食品、食品添加物、医薬品、医薬部外品、サプリメント、健康食品等として利用可能である。なお、本発明の組成物は、1日当たりのシステイン類の摂取量が0.1〜3000mgの範囲となるような割合で用いることができる。好ましい使用量(投与用量)は、1日当たりのシステイン類の摂取量が10〜200mgの範囲となるような量である。
本発明の組成物は、懸濁剤等の液剤の形態をとることも可能であるが、好ましい剤型は、錠剤、糖衣剤、丸剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、コーティング剤、カプセル剤等の固体の剤型である。上記固形剤の中でも、顆粒剤、細粒剤又は散剤は、製剤に含まれる成分が速やかに口中で溶解するため、糖衣錠や錠剤等と比較すると、システイン類の不快な臭味及び嫌な味が口内に広がりやすい。このため、顆粒剤、細粒剤又は散剤では、システイン類のマスキングがより一層重要且つ価値あるものとなる。本発明の組成物によれば、それを顆粒剤、細粒剤又は散剤の形態に調製した場合でも、システイン類の不快な臭気又は味を有意にマスキングすることができ、その結果、システイン類の経口投与または口腔内適用による不快感を軽減することができる。このように本発明の組成物の顆粒剤、細粒剤又は散剤等の形態への適用は実用価値が高く、この意味で本発明の組成物は顆粒剤、細粒剤又は散剤等の形態で好適に用いることができる。
本発明の組成物は、その製造方法を特に制限されるものではない。例えば、システイン類、及び水膨潤性物質、さらに必要に応じて酸味剤または/及び甘味剤を粉末混合し、他成分として結合剤等を使用して固形としてもよいし、各成分の粉末を加圧して固形としてもよいし、通常の固形製剤の製造方法により製造することができる。好ましい製造法は、造粒による製造である。ゆえに本発明は、システイン類と水膨潤性化合物を混合し、それを湿式造粒することを特徴とする、システイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物の製造方法を包含する。
ここで造粒の方法としては、固形製剤の一般的な造粒方法を使用することが可能であり、例えば湿式造粒、乾式造粒などが使用できる。湿式造粒としては、押出し、流動、転動、解砕、噴霧、撹拌などの方式を使用できる。また、乾式造粒としては、溶融のほか、ローラーや打錠機で成形した後、各種の破砕機で粒状に成型・調粒する方式などが使用できる。いずれの方法による場合も、造粒した後、粒子経範囲を一定にするため、軽く粉砕したり、ふるい分け(整粒、調粒)を行うことができる。好ましい造粒法は湿式造粒である。
製造方法としては、例えば、下記の方法を例示することができる。すなわち、まずシステイン、水膨潤性物質、必要に応じて酸味剤又は/及び甘味剤、ならびにその他の成分を、撹拌型混合機にて混合後、混合物に対して3〜15重量%程度の水を加えてさらに混合する。この混合物を押出造粒機にて造粒し、造粒物を流動層乾燥機にて乾燥する。また、必要に応じて、造粒物を乾燥した後、エタノールなどの揮発性溶媒に香料等を溶解又は分散させ、この溶媒を造粒物に噴霧し、さらに造粒物を乾燥することにより、香料等を付与することができる。なお、上記造粒過程において、水の添加量や押出造粒機のスクリーン径を変えることによって、散剤、細粒剤、顆粒剤を製造することが可能である。
(2)システイン類の不快な臭気又は味を軽減する方法
本発明のシステイン類の不快な臭気又は味を軽減する方法は、システイン類に水膨潤性物質を組み合わせて用いることによって実施することができる。システイン類に水膨潤性物質を組み合わせることによってシステイン類特有の不快な臭気又は味、特にシステイン類特有の不快な臭気を軽減することができる。
ここで対象とするシステイン類としては、(1)で前述するシステイン、システイン誘導体及びそれらの塩をいずれも挙げることができる。好ましくはL−システインまたは塩酸システインであり、より好ましくはL−システインである。
本発明の方法で使用する水膨潤性物質も(1)で前述する通り、水を吸収して膨潤する特性を有する物質であれば特に限定されない。好ましくは、膨潤率が25%以上の水膨潤性物質である。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)、結晶セルロース、カルメロース又はその塩(カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム等)、クロスカルメロースナトリウム、コポリビドン、ポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどを例示することができ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の方法においては、そのマスキング効果を考慮すると、水膨潤性物質をシステイン類1重量部に対して0.5重量部以上の割合で用いることが好ましい。より好ましくはシステイン類1重量部に対して1重量部以上の割合であり、さらに好ましくは1.5重量部以上の割合である。
本発明の方法は、システイン類に水膨潤性物質を組み合わせることによって達成できるが、前述するように、酸味剤または甘味剤のいずれか少なくとも1方を配合することによって、システイン類に対する水膨潤性物質のマスキング効果が向上するため、水膨潤性物質以外の成分として、酸味剤及び甘味剤からなる群から選択される少なくとも1種の物質を、システイン類と組み合わせて用いることも可能である。
本発明で使用する酸味剤は、(1)で前述する通り、酸味を有する物質であれば特に制限されず、前記に掲げるものを制限なく使用することができるが、好ましい酸味剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、及びアスコルビン酸ナトリウムであり、さらに好ましい酸味剤は、アスコルビン酸である。なお、本発明の方法に酸味剤を組み合わせて用いる場合、酸味剤の使用量は特に制限されないが、好ましくはシステイン類と水膨潤性物質の合計量1重量部に対して酸味剤が0.0001〜6665.667重量部、さらに好ましくは0.25〜5333.333重量部、より一層好ましくは0.429〜4666.667重量部、最も好ましくは0.5〜10重量部となるような割合である。
本発明の方法で使用する甘味剤は、(1)で前述する通り、甘味を有する物質であれば特に制限されず、前記に掲げるものを制限なく使用することができるが、好ましくは、アスパルテーム、サッカリン、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース及びステビアからなる群から選択される少なくとも1種である。本発明の方法に甘味剤を組み合わせて用いる場合、本発明の効果を奏することを限度にその配合量は特に制限されないが、好ましくはシステイン類と水膨潤性物質の合計1重量部に対して0.0001〜6665.667重量部、さらに好ましくは0.111〜5333.333重量部、より一層好ましくは0.25〜4666.667重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部となるような割合である。
なお、酸味剤と甘味剤を併用することにより、酸味剤単独又は甘味剤単独で使用する場合と比較して、システイン類に対する水膨潤性物質のマスキング効果がより一層向上することができる。酸味剤と甘味剤を併用する場合、組成物に配合する酸味剤と甘味剤との割合は、特に制限されないが、通常酸味剤1重量部に対して、甘味剤0.00001〜100000重量部、好ましくは0.0001〜10000重量部、より好ましくは0.001〜1000重量部の割合を挙げることができる。
また、本発明の方法では、システイン類に水膨潤性物質を組み合わせて、更に必要に応じて、これに酸味剤または/及び甘味剤を組み合わせて、錠剤、糖衣剤、丸剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、コーティング錠、カプセル剤等の固形の製剤形態に調製することが好ましい。さらに好ましい製剤形態は、顆粒剤、細粒剤又は散剤の形態である。なお、この場合、当該製剤形態への調製にあたり、必要に応じて、他の有効成分、ビタミン類、賦形剤、滑沢剤、着色剤、酸化防止剤(抗酸化剤)、崩壊剤、増量剤、清涼化剤、基剤、吸着剤、芳香剤、崩壊補助剤、コーティング剤、湿潤剤、消泡剤、光沢化剤、矯味剤、懸濁剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、溶剤、溶解剤、共力剤、誘引剤、可溶剤、軟化剤、乳化剤、粘着剤、粘稠剤、発泡剤、分散剤、糖衣剤、pH調節剤、安定剤、界面活性剤、可塑剤及び緩衝剤等の担体や添加剤など、他の成分を組み合わせることも可能である。これらの成分の添加量は、本発明のマスキング効果が発揮される範囲であれば特に制限されない。
本発明によれば、システイン類に水膨潤性物質を配合することによって、システイン類特有の不快な臭気又は味を軽減することができ、特にシステイン類に特有な不快な臭気の軽減に優れる。また、水膨潤性物質の配合量を、重量比でシステイン配合量の0.5倍以上とした場合には、特に優れた不快な臭気又は味の軽減効果が得られる。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<参考例> 水膨潤性物質の膨潤率の測定
(1)サンプル瓶(直径35mm×高さ78mm)に対象とする物質(水膨潤性物質)の粉末8gを添加し、開口部をパラフィルムで覆う。この瓶を卓上振動機(VORTEX GENIE-2 MOEL G-560(SCIENTIFIC INDUSTRIES INC製))にて目盛り8で30秒間振動させた。
(2)この時点で、サンプル瓶の底面から中に封入された物質(粉末)の上面までの距離(これを「膨潤前の高さ」とする)を測定した。
(3)次に別のサンプル瓶に3mlの水を入れ、上記と同じ粉末8gを添加し、開口部をパラフィルムで覆い、(1)と同様に振動させる。サンプル瓶を24時間放置した。
(4)放置後、サンプル瓶の底面から中に封入された物質(粉末)の上面までの距離(これを「膨潤後の高さ」とする)を測定し、次の式に基づいて膨潤率を算出した。結果を表1に示す。
膨潤率(%)=((「膨潤後の高さ」/「膨潤前の高さ」)−1)×100
Figure 2005104844
<実施例>
実施例1:ヒドロキシプロピルセルロースのマスキング作用
膨潤性の最も低かったヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPCと称することがある)を表2に示す量でL−システインと混合し、水適量を加えて乳鉢にて混練し、混練物を針径560μm、目開き1000μmのメッシュを通過させて造粒物を製造した。なお、表2中「HPC添加割合」とは、L−システインの配合量(1重量部)に対するHPCの配合割合を重量比で示した値である。この造粒物を被験者(10人)の舌の上におき、直後の臭味及び味について5段階評価で評価した。なお、被験者に使用した造粒物の量はL−システインが一人当たり50mgとなる量である。その結果を表3に示す。
Figure 2005104844
Figure 2005104844
コントロールと造粒物1から6の結果を比較すると、膨潤率25%のHPCを配合することにより、システインの不快な臭気又は味が軽減することが確認された。「耐えられない臭味、嫌な味を感じる」評価は、システイン1重量部に対するHPC添加割合(重量比)が0.5で半分以下(4人)に低減し、添加割合が1.0でさらに半分(2人)まで低減し、添加割合が1.5以上で0人となったことから、HPCの添加割合が高いほどマスキング作用が強いことが確認された。
実施例2:低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのマスキング作用
膨潤率の比較的高かった低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(以下、LHPCと称することがある)7.5gをL−システイン5gと混合し(システイン1重量部に対するHPC添加割合(重量比);1.5)、実施例1と同様にして造粒物を製造し、評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2005104844
処方例
以下の表5〜7に示す成分を使用し、常法により顆粒剤を製造した。
Figure 2005104844
Figure 2005104844
Figure 2005104844

Claims (13)

  1. システイン類及び水膨潤性物質を含有する、システイン類の不快な臭気又は味が軽減された組成物。
  2. 水膨潤性物質が、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、カルメロース及びその塩、クロスカルメロースナトリウム、コポリビドン、ポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドン並びにメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種の物質である請求項1に記載の組成物。
  3. 水膨潤性物質の配合量が、重量比でシステイン類の配合量の0.5倍以上である請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 水膨潤性物質の配合量が、重量比でシステイン類の配合量の1倍以上である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 水膨潤性物質の配合量が、重量比でシステイン類の配合量の1.5倍以上である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. さらに、酸味剤及び甘味剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 酸味剤がアスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である請求項6に記載の組成物。
  8. 甘味剤がアスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース及びステビアからなる群から選択される少なくとも1種である請求項6または7に記載の組成物。
  9. 固体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 顆粒剤、細粒剤又は散剤の形態を有することを特徴とする請求項9に記載の組成物。
  11. 水膨潤性物質の配合量が組成物全量100重量%に対して0.005〜20重量%である請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. システイン類に、水膨潤性物質を組み合わせて用いることを特徴とするシステイン類の不快な臭気又は味を軽減する方法。
  13. システイン類に、水膨潤性物質と、酸味剤及び甘味剤からなる群から選択される少なくとも1種の物質を組み合わせて用いることを特徴とするシステイン類の不快な臭気又は味を軽減する方法。
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