JP2005089712A - ポリオール組成物及びそれを用いた接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接着剤組成物に用いた場合に、アルミニウム等の非鉄金属などを十分な強度で接着させることができ、且つ作業環境が良好なポリオール組成物及びそれを用いた接着剤組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のポリオール組成物は、ヒマシ油系ポリオールと、全炭素数が12以上である酸性リン酸エステル化合物とを含有する。また、本発明の接着剤組成物は、ヒマシ油系ポリオールと、全炭素数が12以上である酸性リン酸エステル化合物と、ポリイソシアネート(粗MDI等)とを含有する。酸性リン酸エステル化合物としては、エポキシ化動植物油及びそのエステル(エポキシ化大豆油メチル等)とリン酸類(オルトリン酸等)などとを反応させて得られたものが好ましい。更に、ポリオール組成物及び接着剤組成物に、テルペンフェノール類が含有されていることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオール組成物及びそれを用いた接着剤組成物に関する。更に詳しくは、接着剤組成物に用いた場合に、アルミニウム等の非鉄金属を、その表面を特に清浄にすることなく十分な強度で接着させることができ、また、低粘度化のための低沸点溶媒を必要としないため、作業環境が良好なポリオール組成物及びそれを用いた接着剤組成物に関する。
ポリウレタン系接着剤としては、従来より、種々の組成のものが提案されており、例えば、有機ポリイソシアネート、有機ポリオールに、リン酸類、アミン化合物、及びエポキシ樹脂が配合されてなり、プラスチックフィルムとアルミニウム箔等の金属箔との接着に用いられるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
更に、エポキシ樹脂に第二級アミン、フェノール化合物等の活性水素基を有する化合物を付加してなるポリオール組成物と、硬化剤であるポリイソシアネート等とを含有する接着剤が、各種の基材の接着に使用され、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性等に優れた接着皮膜が形成されるため、電気、電子分野、車両分野、土木、建築分野等の広範な用途において用いられている。この接着剤は、従来、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の各種の沸点の低い溶媒に溶解して用いられるのが一般的であったが、火災の危険性、生体及び環境への悪影響等の問題から、溶媒の使用が制限されるようになり、溶媒量の低減、更には無溶媒化が必要とされるようになった。そこで、溶媒量を十分に低減することができ、且つ低粘度で作業性に優れ、ポリイソシアネート等を用いて硬化させることにより、アルミニウム等の非鉄金属を十分な強度で接着させることができるより改良されたポリオール樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−11225号公報 特開平11−171979号公報
しかし、特許文献1には、接着剤組成物の成分であるリン酸類のヒドロキシル基の有無、並びに炭素数及びこの炭素数と接着性能との相関などについては何ら記載はなく、検討もされていない。また、特許文献2に記載のポリオール樹脂組成物を用いた接着剤では、低粘度化のために併用するポリオールが多量であるため接着性が低下するという問題がある。そこで、アルミニウム等の非鉄金属を十分な強度で接着させることができ、且つ作業環境が良好な接着剤の開発が必要とされている。
本発明は上記の従来の問題を解決するものであり、接着剤組成物に用いた場合に、アルミニウム等の非鉄金属の表面を特に清浄にすることなく、十分な強度で接着させることができ、且つ低沸点の溶媒を必要としないため作業環境が良好であり、低粘度化のための多量のポリオールの併用も必要としないため接着性が低下することもないポリオール組成物及びそれを用いた接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.ヒマシ油系ポリオールと、全炭素数が12以上の酸性リン酸エステル化合物とを含有することを特徴とするポリオール組成物。
尚、酸性リン酸エステル化合物は、リン原子に結合するヒドロキシル基を有するリン酸エステル化合物、即ち、リン酸類のモノエステル、ジエステルである。
2.上記酸性リン酸エステル化合物が、エポキシ化動植物油及びエポキシ化動植物油エステルの少なくとも一方と、リン酸類とを反応させて得られたものである上記1.に記載のポリオール組成物。
3.更にテルペンフェノール類を含有する上記1.又は2.に記載のポリオール組成物。
4.ヒマシ油系ポリオールと、全炭素数が12以上の酸性リン酸エステル化合物と、ポリイソシアネートとを含有することを特徴とする接着剤組成物。
5.上記酸性リン酸エステル化合物が、エポキシ化動植物油及びエポキシ化動植物油エステルの少なくとも一方と、リン酸類とを反応させて得られたものである上記4.に記載の接着剤組成物。
6.更にテルペンフェノール類を含有する上記4.又は5.に記載の接着剤組成物。
尚、上記2.及び5.における「エポキシ化動植物油」とは、不飽和基を有する動植物油、又は不飽和基とヒドロキシル基とを有する動植物油をエポキシ化してなるエポキシ基を有する動植物油、又はエポキシ基とヒドロキシル基とを有する動植物油を意味する。また、「エポキシ化動植物油エステル」は、エポキシ化動植物油のアルキルエステルであり、このアルキルエステルは、特にメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等の低級アルキルエステルであることが好ましい。
本発明のポリオール組成物は、この組成物を配合して接着剤組成物とした場合に、アルミニウム等の非鉄金属を十分な強度で接着させることができ、且つ低沸点の溶媒を必要としないため、作業環境も良好である。
また、酸性リン酸エステル化合物が、エポキシ化炭化水素油エステル等とリン酸類とを反応させて得られたものである場合は、アルミニウム等の非鉄金属を特に大きい強度で接着させることができる。
更に、テルペンフェノール類を含有する場合は、被着体への密着性が向上し、接着強度をより大きくすることができる。
本発明の接着剤組成物は、硬化剤としてポリイソシアネートを使用するため、アルミニウム等の非鉄金属を十分な強度で接着させることができるとともに、作業環境も良好である。尚、温水に浸漬した場合の強度低下が小さく、耐水性等にも優れるため、水と接触することがある用途においても使用することができる。
また、酸性リン酸エステル化合物が、エポキシ化炭化水素油エステル等とリン酸類とを反応させて得られたものである場合は、アルミニウム等の非鉄金属を特に大きい強度で接着させることができる。
更に、テルペンフェノール類を含有する場合は、被着体への密着性が向上し、接着強度をより大きくすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)ポリオール組成物
上記「ヒマシ油系ポリオール」は、2以上のヒドロキシル基を有し、ヒマシ油脂肪酸を骨格とするポリエステルポリオールを含有するポリオールである。このヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油及びヒマシ油のアルキレンオキサイド付加物のうちの少なくとも1種と、アルコール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールのうちの少なくとも1種とのエステル交換物、;ヒマシ油脂肪酸(ヒマシ油から得られる脂肪酸であり、通常、リシノール酸とオレイン酸等との混合物である。リシノール酸のみであってもよい。)と、アルコール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールのうちの少なくとも1種とのエステル化合物、;ヒマシ油のジオール型の部分脱水化物又は部分アシル化物、;上記エステル交換物、エステル化合物及び部分脱水化物又は部分アシル化物の各々の化合物の水添物等が挙げられる。ヒマシ油系ポリオールとしては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
尚、ヒマシ油及びヒマシ油脂肪酸としては、オリゴマーを用いることもできる。このオリゴマーとしては、2〜7量体、特に3〜5量体が好ましく、より多量体とすることもできる。また、不飽和基の水素化により生成した飽和型のオリゴマーを用いることもできる。
上記のエステル交換物は、ヒマシ油及びヒマシ油のアルキレンオキサイド付加物のうちの少なくとも1種と、アルコール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールのうちの少なくとも1種とを反応させて生成させることができる。エステル交換反応におけるヒマシ油等とアルコール等との使用割合は特に限定されないが、ヒマシ油(多量体の場合は多量体換算である。)等1モルに対して、アルコール等を0.1〜5モル、特に0.2〜4モルとすることが好ましい。エステル交換反応に用いられるアルコールの分子量は特に限定されないが、その炭素数が1〜12、特に2〜8、更に2〜4の低分子量アルコールであることが好ましい。このアルコールはポリオールでも、モノオールでもよく、特にポリオールが好ましい。モノオールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。また、ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリン等のポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリペンタエリスリトール、ソルビトール、シュルクゾールなどが挙げられる。アルコールとしては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。更に、モノオールとポリオールとを併用してもよい。尚、価数の異なるポリオールを併用することもでき、特に3価以上のポリオールを少なくとも一部に使用することが好ましい。また、全量が3価以上のポリオールであることが特に好ましい。
更に、上記のエステル化合物は、ヒマシ油脂肪酸と、アルコール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールのうちの少なくとも1種とを反応させて生成させることができる。このエステル化合物を生成させる際のヒマシ油脂肪酸とアルコール等との使用割合も特に限定されないが、ヒマシ油脂肪酸(多量体の場合は多量体換算である。)1モルに対して、アルコール等を0.05〜2モル、特に0.1〜2モルとすることが好ましい。エステル化合物の生成に用いられるアルコールの分子量は特に限定されないが、その炭素数が1〜12、特に2〜8、更に2〜4の低分子量アルコールであることが好ましい。このエステル化合物の生成に使用するアルコールとしては、上記のモノオール及びポリオールを用いることができるが、ヒマシ油脂肪酸が1量体である場合は、ポリオールを用いる必要がある。このアルコールとしては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよく、モノオールとポリオールとを併用してもよい。更に、価数の異なるポリオールを併用することもでき、特に3価以上のポリオールを少なくとも一部に使用することが好ましい。また、全量が3価以上のポリオールであることが特に好ましい。
尚、ヒマシ油に代えてその水添物であるヒマシ硬化油を用いることもできる。また、ヒマシ油脂肪酸に代えてその水添物であり、12−ヒドロキシステアリン酸を主成分とする水添ヒマシ油脂肪酸を用いることもできる。更に、ヒマシ油及びヒマシ油脂肪酸としてオリゴマーを用いる場合も、同様に各々の水添物を用いることができる。
また、ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油脂肪酸とアミン類との反応生成物を用いることもできる。この場合、アミド系ポリオールとなるが、このアミド系ポリオールも本発明において用いるヒマシ油系ポリオールに含めるものとする。尚、ヒマシ油系ポリオールの全量がアミド系ポリオールであってもよく、このアミド系ポリオールを他のヒマシ油系ポリオールと併用してもよい。アミン類としては第一級アミン及び第二級アミンを用いることができ、ポリアミン、ヒドロキシルアミン等を用いることもできる。第一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。また、第二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン等が挙げられる。更に、ポリアミンとしては、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。アミン類としては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
尚、アミン類には、ヒマシ油系ポリオールの特性を損なわない範囲で三級アミンが含まれていてもよい。
上記「酸性リン酸エステル化合物」は、全炭素数が12以上である。この炭素数は14以上、特に16以上であることが好ましい。また、この炭素数は、通常、60以下である。尚、この全炭素数が12以上とは、炭素数12以上の基を有する場合、及び炭素数12未満の複数の基を有し、その炭素数の合計が12以上である場合、のいずれをも意味する。この酸性リン酸エステル化合物は、ポリオール組成物を接着剤組成物に用いた場合に、接着剤の被着体への密着性及び防食性等を向上させる作用を有する。酸性リン酸エステル化合物としては、ヒドロキシル基及び/又はエポキシ基を有する各種の化合物と、リン酸類との反応により生成したものを用いることができる。このヒドロキシル基及び/又はエポキシ基を有する化合物としては、ポリオール、ヒドロキシル基及び/又はエポキシ基を有するカルボン酸並びにそれらのエステル、ヒドロキシル基及び/又はエポキシ基を有する動植物油並びにそれらのエステル等が好ましい。酸性リン酸エステル化合物としては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリン等のポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリペンタエリスリトール、ソルビトール、シュルクゾールなどが挙げられる。ポリオールとしては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ヒドロキシル基を有するカルボン酸としては、1個以上のヒドロキシル基を有するヒドロキシカルボン酸、例えば、11−又は16−ヒドロキシヘキサデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデセン酸、2−又は18−ヒドロキシオクタデカン酸、22−ヒドロキシドコサン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、ジヒドロキシミリスチン酸、ジヒドロキシパルミチン酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシアラキン酸、トリヒドロキシパルミチン酸等が挙げられる。また、エポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化油を分解して脂肪酸とし、開環させたヒドロキシル化脂肪酸、及びトール油等をエポキシ化し、開環させたヒドロキシル化脂肪酸などを用いることもできる。更に、ヒドロキシル基を有するカルボン酸のエステルとしては、これらのカルボン酸のアルキルエステルを用いることができる。このエステルを形成するアルキル基としては、低級アルキル基が好ましく、メチルエステル、エチルエステル等が好ましい。
エポキシ基を有するカルボン酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和基を有するカルボン酸をエポキシ化したものが挙げられる。また、これらのカルボン酸を含有する大豆油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等をエポキシ化したものが挙げられる。更に、ヒドロキシル基とエポキシ基とを有するカルボン酸としては、リシノール酸等のヒドロキシル基と不飽和基とを有するカルボン酸をエポキシ化したものが挙げられる。また、これらのカルボン酸を含有するヒマシ油脂肪酸等をエポキシ化したものが挙げられる。更に、エポキシ基を有するカルボン酸のエステルとしては、これらのカルボン酸のアルキルエステルを用いることができる。このエステルを形成するアルキル基としては、低級アルキル基が好ましく、メチルエステル、エチルエステル等が好ましい。ヒドロキシル基及び/又はエポキシ基を有するカルボン酸並びにそのエステルとしては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ヒドロキシル基を有する動植物油としては、ヒマシ油、レスクレア油等が挙げられる。また、エポキシ基を有する動植物油(エポキシ化動植物油)としては、ヒマシ油、大豆油、アマニ油、綿実油、オリーブ油、ナタネ油等をエポキシ化したものが挙げられる。更に、ヒドロキシル基とエポキシ基とを有する動植物油(エポキシ化動植物油)としては、ヒマシ油等をエポキシ化したものが挙げられる。また、ヒドロキシル基及び/又はエポキシ基を有する動植物油のエステルとしては、これらの動植物油のアルキルエステルを用いることができる。このエステルを形成するアルキル基としては、低級アルキル基が好ましく、メチルエステル、エチルエステル等が好ましい。ヒドロキシル基及び/又はエポキシ基を有する動植物油並びにそのエステルとしては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
リン酸類と反応させるものとしては、動植物油をエポキシ化したエポキシ化動植物油、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化アマニ油等が好ましい。また、これらのエポキシ化動植物油のアルキルエステルを用いることが特に好ましい。エステルを形成するアルキル基としては、低級アルキル基が好ましく、メチルエステル、エチルエステル等が好ましく、このエポキシ化動植物油エステルとしては、エポキシ化大豆油メチル、エポキシ化大豆油エチル、エポキシ化ヒマシ油メチル、エポキシ化ヒマシ油エチル等が挙げられる。エポキシ化動植物油及びそのアルキルエステルは併用することもできる。これらのエポキシ化動植物油及びそのアルキルエステルでは、リン酸類及び/又はリン酸エステル類はエポキシ基と反応し、エステルの形成とともにヒドロキシル基が生成する。
カルボン酸及びそのエステル、並びに動植物油及びそのエステル等がエポキシ基を有する化合物である場合、各々の化合物のエポキシ基の個数は特に限定されないが2個であることが好ましい。エポキシ基が1個であると、リン酸エステル化合物の分子量が小さくなるため好ましくない。一方、エポキシ基が3個又はそれ以上であると、リン酸エステル化合物がゲル化することがあり、好ましくない。従って、エポキシ基を有する化合物を用いるときは、この2個のエポキシ基を有する化合物と、1個又は3個以上のエポキシ基を有する化合物とを併用することが好ましく、全量を2個のエポキシ基を有する化合物とすることが特に好ましい。
リン酸類としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられる。リン酸としては1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸及びそのエステル、オキシカルボン酸及びそのエステル、動植物油及びそのエステル等と、リン酸類との使用割合は特に限定されないが、カルボン酸及びそのエステル、オキシカルボン酸及びそのエステル、動植物油及びそのエステル(多量体の場合は多量体換算である。)等1モルに対して、リン酸類を0.1〜5モル、特に0.2〜3モルとすることが好ましい。
本発明のポリオール組成物におけるヒマシ油系ポリオールと酸性リン酸エステル化合物の各々の含有量は特に限定されないが、ヒマシ油系ポリオールと酸性リン酸エステル化合物との合計を100質量%とした場合に、ヒマシ油系ポリオールが90〜99質量%、特に91〜98質量%、更に92〜98質量%であることが好ましい。ヒマシ油系ポリオールの含有量が90〜99質量%、即ち、酸性リン酸エステル化合物が1〜10質量%であれば、このポリオール組成物を接着剤組成物に用いた場合に、その接着強度を大きくすることができ、且つ被着体への密着性を向上させることができる。
また、このポリオール組成物は、ヒマシ油系ポリオール及び酸性リン酸エステル化合物の他に、更にテルペンフェノ−ル類を含有していてもよい。このテルペンフェノ−ル類は、環状テルペン化合物にフェノール又はオルソクレゾール等のアルキルフェノール化合物を付加することにより生成するものであり、下記の化学式(1)〜(6)により表される化合物等が挙げられる。このテルペンフェノ−ル類を含有させることにより、ポリオール組成物を接着剤組成物に用いた場合に、被着体への密着性をより向上させることができる。テルペンフェノール類としては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
Figure 2005089712
更に、このポリオール組成物には、ヒマシ油系ポリオールの他、その他のポリオールを併せて含有させることができる。その他のポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、2−メチルペンタンジオール、12−ヒドロキシステアリルアルコール、ダイマージオール、水添ビスフェノールA、ビス(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子量ポリオールが挙げられる。
また、その他のポリオールとしては、(1)上記の低分子量ポリオールのエチレンオキシド付加物及び/又はプロピレンオキシド付加物、(2)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン/プロピレングリコール等のアルキレングリコールの共重合物、(3)レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等の多価フェノールのエチレンオキシド付加物及び/又はプロピレンオキシド付加物、(4)アンモニウム、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン等のアミン類のエチレンオキシド付加物及び/又はプロピレンオキシド付加物、などのポリエーテルポリオールが挙げられる。更に、上記の低分子量ポリオールと、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多塩基酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸等のヒドロキシカルボン酸及び炭酸のうちの少なくとも1種の酸と、の縮合物であるポリエステルポリオールが挙げられる。また、その他のポリオールとしてポリカーボネートポリオール等を用いることもできる。これらの各種のポリオールのうちでは平均分子量3000未満のポリオールが好ましい。このような低分子量のポリオールは一般に粘度も低く、この低粘度のポリオールを併用することにより、ポリオール組成物を接着剤組成物に用いた場合に、接着剤組成物の粘度を低下させることができ、有機溶媒を用いることなく低粘度で作業性に優れる接着剤組成物とすることができる。これらのその他のポリオールは1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
併用されるその他のポリオールの含有量は特に限定されないが、ヒマシ油系ポリオールを100質量部とした場合に、50質量部以下、特に40質量部以下であることが好ましい。その他のポリオールの含有量が過少であると、このポリオール組成物を用いた接着剤組成物の粘度を十分に低下させることができないことがある。一方、40質量部、特に50質量部を越えると、アルミニウム等の非鉄金属への密着性、防食性などが低下する傾向があるため好ましくない。
また、このポリオール組成物には、ジオクチルフタレート等の可塑剤、メチルアセチル化リシノレート、リン酸トリメチル等の希釈剤、ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、チタニア、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、歴青物質等の充填剤若しくは顔料、増粘剤、チキソトロピック剤、難燃剤、消泡剤等の各種の添加剤を含有させることができる。更に、キシレン樹脂、石油樹脂、ロジン、ロジンエステル、テルペン樹脂等の粘着性を有する樹脂類を含有させることもできる。
本発明のポリオール組成物は各種の用途において使用することができる。例えば、接着剤、塗料、シーリング材、封止材、注型材料、エラストマー等の成分として配合し、用いることができる。更に、発泡体とすることもでき、この発泡体を緩衝材、防音材、防振材、断熱材等として使用することもできる。
(2)接着剤組成物
本発明の接着剤組成物には、ヒマシ油系ポリオールと、酸性リン酸エステル化合物と、ポリイソシアネートとが含有される。このヒマシ油系ポリオール及び酸性リン酸エステル化合物としては、前記(1)ポリオール組成物におけるヒマシ油系ポリオール及び酸性リン酸エステル化合物が挙げられ、これらの各々についてはそれぞれ前記の説明をそのまま適用することができる。
上記「ポリイソシアネート」は特に限定されず、種々のポリイソシアネートを用いることができる。このポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性MDI、粗MDI、水添MDI、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、これらのポリイソシアネートのウレタン変性体、二量体、三量体、カルボジイミド変性体、アロハネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ブロック化物(フェノール類、オキシム類、イミド類、メルカプタン類、アルコール類、ε−カプロラクタム、エチレンイミン、α−ピロリドン、マロン酸ジエチル、亜硫酸水素ナトリウム、ホウ酸等でブロック化したもの)、及びプレポリマーなどを用いることもできる。尚、特に耐侯性が必要な場合は、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の無黄変ポリイソシアネートを使用することが好ましい。ポリイソシアネートとしては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
接着剤組成物におけるポリイソシアネートと、ヒマシ油系ポリオール(その他のポリオールが含有されている場合はポリオールの合計量)との量比を表すイソシアネートインデックスは0.95〜1.3、特に1.0〜1.2であることが好ましい。このイソシアネートインデックスが0.95〜1.3であれば、より硬化し易く、密着性、接着強度等により優れた接着剤組成物とすることができる。
また、この接着剤組成物には、ヒマシ油系ポリオールの他、更にその他のポリオールを併せて含有させることができる。その他のポリオールとしては、前記のポリオール組成物においてその他のポリオールとして例示したものを用いることができる。これらのその他のポリオールは、ポリオール組成物には含有させず、接着剤組成物の調製時に配合してもよいし、ポリオール組成物に含有させ、更に接着剤組成物の調製時に追加配合してもよい。尚、これらのその他のポリオールの好ましい含有量は前記のとおりであり、上下限を外れた場合の問題点も前記と同様である。
本発明の接着剤組成物は溶剤を用いなくても十分に粘度が低く、作業性に優れるが、必要に応じて溶剤を含有させることもできる。この溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチル、2−エトキシエチルアセテート等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテル類、キシレン、トルエン、ミネラルスピリット等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びテルペン類などが挙げられる。溶剤としては1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、この接着剤組成物には、ポリオール組成物の場合と同様の可塑剤、希釈剤、充填剤若しくは顔料、増粘剤、チキソトロピック剤、難燃剤、消泡剤等の各種の添加剤、及び粘着性を有する樹脂類等を含有させることもできる。これらの添加剤及び樹脂類等は、ポリオール組成物には含有させず、接着剤組成物の調製時に配合してもよいし、ポリオール組成物に含有させ、更に接着剤組成物の調製時に追加配合してもよい。
本発明の接着剤組成物により接着することができる被着体は特に限定されず、金属、コンクリート、セメントモルタル、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等が挙げられる。この接着剤組成物は、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、軟鋼、めっき鋼等の金属の接着剤として好ましく用いられ、特にアルミニウム等の非鉄金属の接着剤として有用である。また、この接着剤組成物は、金属間、例えば、アルミニウム等の非鉄金属間を十分な強度で接着することができるだけでなく、金属と上記の金属以外の各種の被着体とを十分な強度で接着することもできる。実用的には金属間の接着を必要とする製品より、金属と上記の金属以外の各種の被着体との接着を必要とする製品が多く、本発明の接着剤組成物は壁パネル、ドアパネル、保冷車輌の内装材等の各種の製品における金属と他の被着体との接着に好適に用いることができる。
また、本発明の接着剤組成物を被着体に塗布する方法も特に限定されず、ハケ塗り、ローラーコート、スプレーコート、グラビアコート、リバースロールコート、エアナイフコート、バーコート、カーテンロールコート、ディップコート、ロッドコート、ドクターブレードコート等の各種の方法により塗布することができる。
更に、この接着剤組成物は、アルミニウム等の非鉄金属の表面を洗浄等することなく、十分な強度で接着させることができ、作業工程の面においても有利である。尚、被着体が金属である場合、上記のように表面の洗浄処理等は特に必要ではないが、アセトン、アルコール等の有機溶媒による脱脂、ブラスト処理、アルカリ洗浄、リン酸塩処理、クロメート処理、フッ化塩処理等の各種の表面処理を施してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
合成例1
攪拌機、温度計、窒素導入管、還流コンデンサを備える反応器に、ヒマシ油3720g(4モル)、トリメチロールプロパン410g(3.1モル)及びソジュームメチラートの28質量%濃度のメタノール溶液3.0gを投入し、窒素気流下、220℃で3時間反応させた。その後、100℃以下に冷却し、オルトリン酸の75質量%濃度の水溶液2.7gを添加して触媒を中和させ、除去した。このようにして酸価1.0、水酸基価270、25℃における粘度900mPa・s、数平均分子量600のヒマシ油系ポリオールを合成した。
合成例2
攪拌機、温度計、窒素導入管、還流コンデンサ、滴下ロートを備える反応器に、エポキシ化大豆油メチルエステル1500g(6.5モル)を投入し、窒素気流下、50〜100℃で、オルトリン酸の75質量%濃度の水溶液500g(オルトリン酸は3.8モル)を2時間かけて滴下し、100℃で更に2時間反応させ、オルトリン酸をエポキシ化大豆油メチルエステルのエポキシ基に結合させた。このようにして酸価170、25℃における粘度28000mPa・sの酸性リン酸エステル化合物を合成した。
合成例3
攪拌機、温度計、窒素導入管、還流コンデンサ、滴下ロートを備える反応器に、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル1500g(6.5モル)を投入し、窒素気流下、50〜100℃で、オルトリン酸の75質量%濃度の水溶液500g(オルトリン酸は3.8モル)を2時間かけて滴下し、100℃で更に2時間反応させ、オルトリン酸を1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのエポキシ基に結合させた。このようにして酸価200、25℃における粘度100000mPa・sの酸性リン酸エステル化合物を合成した。
比較合成例1
攪拌機、温度計、窒素導入管、還流コンデンサ、滴下ロートを備える反応器に、ブチルグリシジルエーテル1400g(10モル)を投入し、窒素気流下、50〜100℃で、オルトリン酸の75質量%濃度の水溶液300g(オルトリン酸は2.3モル)を2時間かけて滴下し、100℃で更に2時間反応させた。このようにして酸価120、25℃における粘度20000mPa・sの酸性リン酸エステル化合物を合成した。
実施例1〜11及び比較例1〜7
合成例1のヒマシ油系ポリオール、合成例2、合成例3及び比較合成例1の酸性リン酸エステル化合物、並びに表1(実施例1〜11)、表2(比較例1〜7)に記載の各種の化合物を、表1、表2に記載の組成となるように配合した。また、粗MDIを、イソシアネートインデックスが1.05となるように配合し、接着剤組成物を調製した。
Figure 2005089712
上記ヒマシ油系ポリオールは合成例1のものであり、上記炭素数18(C数18)の酸性リン酸エステル化合物は合成例2のものであり、上記炭素数12(C数12)の酸性リン酸エステル化合物は合成例3のものである。また、上記炭素数3(C数3)のリン酸エステル化合物はリン酸トリメチルであり、希釈剤として作用するものである。更に、上記AA/MPDはポリエステルポリオールである。
Figure 2005089712
上記ヒマシ油系ポリオールは合成例1のものである。また、上記炭素数10(C数10)の酸性リン酸エステル化合物はイソデシルアシッドフォスフェート(モノエステルとジエステルの混合物であり、平均分子量は308である。)であり、上記炭素数6(C数6)の酸性リン酸エステル化合物は、比較例5ではジブチルフォスフェート、比較例6では比較合成例1のものである。更に、上記COFAは酸価180のヒマシ油系脂肪酸である。
尚、表1及び2においてテルペンフェノール類としては、ヤスハラケミカル社製、商品名「YS−85」を用いた。
表1、表2に記載の接着剤組成物の接着強度を以下の方法による引張せん断接着強度として評価した。
長さ100mm×幅25mm×厚さ2mmの2枚のアルミニウムシートのうちの一方のシートの一端部から12.5mmの長さの領域に各々の接着剤組成物を塗布して厚さ0.2mmの塗膜を形成した。その後、他方のシートの一端側を塗膜上に積層し、次いで、25℃で24時間、更に40℃で48時間静置して接着剤組成物を硬化させた。このようにして作製した試片を用いて引張試験機(島津製作所製、型式「AGS−10KNG」)により引張速度50mm/分で引張せん断接着強度を測定した。
また、それぞれの試片を40℃の温水に48時間浸漬した後、同様にして引張せん断接着強度を測定し、温水浸漬後の強度の保持率を評価した。
引張せん断接着強度の保持率(%)=(温水浸漬前の引張せん断接着強度/温水浸漬後の引張せん断接着強度)×100
実施例1〜10の結果を表3に、比較例1〜7の結果を表4にそれぞれ示す。
尚、表3、表4における可使時間は、25℃で静置した接着剤組成物の粘度を前記と同様にして測定し、測定開始から粘度が100,000mPa・sに到達するまで時間によって評価したものである。
Figure 2005089712
Figure 2005089712
表3の結果によれば、特定のヒマシ油系ポリオールと酸性リン酸エステル化合物とを含有する接着剤組成物では、温水浸漬前の引張せん断接着強度は7.4MPa以上であり、十分な接着強度を有する。また、テルペンフェノールを含有する場合は、引張せん断接着強度がより大きくなる傾向があり、表2及び表4に参考例として載せたエポキシ系接着剤と比べても何ら遜色ない。更に、温水浸漬後は、いずれの実施例においても引張せん断接着強度が低下しているが、保持率は74%以上であり、温水浸漬による大きな強度低下はないことが分かる。また、実施例1〜11のいずれの接着剤組成物も6〜13分と適度な可使時間を有している。
一方、表4の結果によれば、各比較例は本発明における特定の酸性リン酸エステル化合物を含有しないため、引張せん断接着強度はそれぞれ4.9MPa以下であり、強度が小さいことが分かる。また、炭素数の少ないリン酸エステル化合物を含有する比較例5〜7では、それらを含有することで却って強度がより低下している。更に、温水浸漬前の強度が極端に低い場合を除いて、温水浸漬後の強度低下も実施例に比べて大きいことが分かる。

Claims (6)

  1. ヒマシ油系ポリオールと、全炭素数が12以上の酸性リン酸エステル化合物とを含有することを特徴とするポリオール組成物。
  2. 上記酸性リン酸エステル化合物が、エポキシ化動植物油及びエポキシ化動植物油エステルの少なくとも一方と、リン酸類とを反応させて得られたものである請求項1に記載のポリオール組成物。
  3. 更にテルペンフェノール類を含有する請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
  4. ヒマシ油系ポリオールと、全炭素数が12以上の酸性リン酸エステル化合物と、ポリイソシアネートとを含有することを特徴とする接着剤組成物。
  5. 上記酸性リン酸エステル化合物が、エポキシ化動植物油及びエポキシ化動植物油エステルの少なくとも一方と、リン酸類とを反応させて得られたものである請求項4に記載の接着剤組成物。
  6. 更にテルペンフェノール類を含有する請求項4又は5に記載の接着剤組成物。
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