JP2012054396A - 太陽電池バックシート用接着剤組成物及び太陽電池バックシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)一分子中に水酸基を2個以上含有するゴムと(b)イソシアネートとを反応させて得られる(C)変性ゴムと、(D)軟化点が85℃以上である粘着付与剤と、(E)架橋剤とを含む、太陽電池バックシート用接着剤組成物であって、(a)成分と(b)成分の配合比率において、(a)成分の水酸基(OH)に対し、(b)成分のイソシアネート基(NCO)が、イソシアネート基/水酸基=0.1〜0.9の範囲であり、前記(a)成分のゴムが、イソプレンゴム、ブタジエンゴムのいずれかであり、かつ水素添加により飽和したゴムである、太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
例えば、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トに使用されるラミネ−ト用接着剤層(接着剤)として、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、ゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、無機系接着剤などが特許文献1に開示されている。
本発明は、高温高湿度下に長期間放置されても接着強度の低下が少なく、高温下に長期間放置されても変色しにくく、また、ポリエステル系フィルム同士の貼合せに好適に用いる太陽電池バックシート用接着剤組成物及びそれを用いた太陽電池バックシートを提供するものである。
また、本発明は、[2](C)変性ゴム100質量部に対し、(D)軟化点が85℃以上である粘着付与剤を10〜150質量部、(E)架橋剤を5〜50質量部含む、上記[1]に記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物に関する。
また、本発明は、[3](b)イソシアネートが、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートのいずれかであり、かつ二重結合を持たないイソシアネートである上記[1]または[2]に記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物に関する。
また、本発明は、[4](D)軟化点が85℃以上である粘着付与樹脂が、水素添加により飽和した樹脂である上記[1]〜上記[3]のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物に関する。
また、本発明は、[5](E)架橋剤が脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートのいずれかであり、かつ二重結合を持たないイソシアネートである上記[1]〜上記[4]のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物に関する。
また、本発明は、[6]少なくとも2枚のフィルムからなる太陽電池バックシートにおいて、前記フィルム間を上記[1]〜[5]のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物にて、接着してなる、太陽電池バックシートに関する。
また、(a)成分の市販品としては、ポリテールH(水酸基変性水添ポリブタジエン、三菱化学株式会社製、商品名)、GI−3000(水酸基変性水添ポリブタジエン、日本曹達株式会社製、商品名)、エポール(水酸基変性水添イソプレン、出光興産株式会社製、商品名)などが挙げられる。(a)ゴムの物性および性状は、目的とする諸物性により異なるため特に限定しないが、数平均分子量が1000〜50000のものが好ましく、1500〜20000がより好ましく、2000〜15000が特に好ましい。数平均分子量が1000未満の場合は、接着性が劣るという不具合が、また50000を超えると流動性が劣るという不具合のおそれがある。なお、ここでいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定を行い、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算したものである。
この中でも、本発明では、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートのいずれかであり、かつ二重結合を持たないイソシアネートが好ましい。脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートは、他のイソシアネートと比較して構造的に極性が低く、一般的に使用される低極性であるPETフィルムへの接着性が優れるという理由により、常温(25℃)〜耐熱時の接着性が向上する。また、二重結合を持たないイソシアネートを使用することにより、高温試験等においても、接着剤が劣化しにくく、太陽電池バックシートの変色が抑制できるので好ましい。
脂肪族イソシアネートとして、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)などが挙げられ、脂環族イソシアネートとして、水素添加−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加−キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水素添加−2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などが挙げられる。そして、これらイソシアネートを2価または3価の多価アルコールと反応させたアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。
(b)脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートのいずれかであり、かつ二重結合を持たないイソシアネートの市販品としては、脂肪族ポリイソシアネートはコロネートHL(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名)、デスモジュールN3200(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名)、デュラネートD201(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名)など、脂環族ポリイソシアネートは、デスモジュールZ4470BA(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名)、デスモジュールZ2565(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名)、デスモジュールW(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名)などが挙げられる。目的とする諸物性に応じ、1種または2種以上の組み合わせを選択して使用することができる。
なお、使用する(D)粘着付与剤としては、軟化点は85℃以上であるが、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。なお、軟化点の上限は特に限定しないが、通常、160℃以下である。接着剤組成物に対し、(D)粘着付与剤を、一種以上を選択し適量を配合する。
なお、軟化点が85℃未満の(D)粘着付与剤を使用した場合は、流動性が低くなることで、耐熱性等が劣り、高温高湿試験後のはく離接着強度が低下するおそれがある。
粘着付与剤は、一般的に、約70℃〜150℃間のASTM規格E28−58Tにより測定されるリングおよびボール軟化点を有するが、本発明では、耐熱性を上げるため粘着付与剤の軟化点が85℃以上である。
また、(D)軟化点が85℃以上である粘着付与樹脂としては、水素添加により飽和した樹脂であることが好ましい。(D)粘着付与剤が未水添(飽和していない樹脂)であると、高温試験時に粘着付与剤が劣化し、変色する可能性がある。水素添加により飽和した樹脂を使用することにより、高温下に長期間放置されても変色しにくい太陽電池バックシートを得ることができる。このような樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂として水素化ロジン、水素化ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。テルペン樹脂として、スチレン/テルペンおよびα−メチルスチレン/テルペンを含む天然テルペンのコポリマーおよびターポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂の2環式テルペンの水素化誘導体、およびフェノールの酸性媒体中での縮合から得られる樹脂製品を含むフェノール改質テルペン樹脂の水素化誘導体が挙げられる。その他脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、脂環式石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環式または非環式のC5樹脂の水素化誘導体、芳香族改質非環式樹脂の水素化誘導体、または環式樹脂の水素化誘導体などが挙げられる。
水素添加により飽和した樹脂(水素化誘導体など)の市販品としては、アルコンP100(荒川化学工業株式会社製商品名、C9系水添石油樹脂、軟化点100℃)、アルコンP−125(荒川化学工業株式会社製商品名、芳香族水添石油炭化水素樹脂、軟化点125℃)、クリアロンP−125(ヤスハラケミカル株式会社製商品名、水添テルペン樹脂、軟化点125℃)等が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとして、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)などが挙げられ、脂環族イソシアネートとして、水素添加−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加−キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水素添加−2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などが挙げられる。そして、これらの脂環族イソシアネート、脂環族イソシアネートを2価または3価の多価アルコールと反応させたアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。
(E)成分の市販品としては、脂肪族ポリイソシアネートはコロネートHL(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名)、デスモジュールN3200(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名)、デュラネートD201(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名)など、脂環族ポリイソシアネートは、デスモジュールZ4470BA(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名)、デスモジュールZ2565(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名)などがある。目的とする諸物性に応じ、1種または2種以上の組み合わせを選択して使用することができる。
前記の割合で、(a)成分と(b)成分を配合し、例えば、反応温度70〜110℃、反応時間1〜24時間反応させて、(C)変性ゴムが得られる。(b)成分のNCO/(a)成分のOHの配合比率が0.1未満では、接着剤組成物において、反応が十分進まず、合成した(C)ゴムの数平均分子量が小さく、所望の初期接着強度が得られないおそれがあり、また0.9を超えると反応制御しにくく、ゲル化しやすくなる。
(C)変性ゴムの数平均分子量は、通常2000〜400000、さらに、3000〜200000であることが好ましく、8000〜100000が特に好ましい。
なお、(NCO)とは、成分(b)の有するイソシアネート基の総当量数であり、(OH)とは、成分(a)の有する水酸基の総当量数である。通常、ある成分の水酸基又はイソシアネート基の「総当量数」は、基本的にその成分の1分子が持つ水酸基又はイソシアネート基の数にその成分のモル数を乗じたものであり、ある成分が複数種類の分子を含む場合には、各分子種について計算した当量の和を意味する。
この他に、必要に応じ、触媒、酸化防止剤、着色剤、充填剤等を本発明の特性を低下させない範囲で添加することが可能である。
具体的には、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂等のポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−トまたはポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
太陽電池バックシートとしては、例えば、一方のバックシート用フィルムの表面に、本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物を塗布乾燥し、それの接着剤層面に、他方のフィルムを、ラミネータあるいはプレスなどで、30〜80℃、1分〜60分の条件で接着し、製造することができる。
窒素置換したフラスコ内で、(a)成分として、水酸基変性水添ブタジエンゴム(数平均分子量3000、水酸基価27mgKOH/g、日本曹達株式会社製;GI−3000)100部に、トルエン300部を加え80℃で加熱撹拌し溶解した後、(b)成分として、脂肪族系ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量12.5%、日本ポリウレタン工業株式会社製;コロネートHL)5部を加え、加熱撹拌を行った。フラスコ内を80±2℃に保ったままで3時間加熱撹拌し、(C)変性ゴムを得た。(a)成分と(b)成分の配合比率は、NCO/OHとして、0.53であった。得られた(C)変性ゴムの数平均分子量は、6,300であった。
約40℃に放冷後、(C)変性ゴム100部に対し、トルエン200部、(D)粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製;アルコンP−125、芳香族水添石油炭化水素樹脂、軟化点125℃)80部を加え、約1時間撹拌混合した。(E)架橋剤として、脂肪族系ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製;コロネートHL、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤)30部を混合し太陽電池バックシート用接着剤組成物(I)を得た。
窒素置換したフラスコ内で、(a)成分として、水酸基変性水添イソプレンゴム(数平均分子量2500、水酸基価47mgKOH/g、出光興産株式会社製;エポール)100部に、トルエン300部を加え80℃で加熱撹拌し溶解した後、(b)成分として、脂肪族系ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量12.5%、コロネートHL;日本ポリウレタン工業株式会社製)4部を加え、加熱撹拌を行った。フラスコ内を80±2℃に保ったままで3時間加熱撹拌し、(C)変性ゴムを得た。(a)成分と(b)成分の配合比率は、NCO/OHとして、0.45であった。得られた(C)変性ゴムの数平均分子量は、4,900であった。
約40℃に放冷後、(C)変性ゴム100部に対し、トルエン200部、(D)粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製;アルコンP−125、軟化点125℃)80部を加え、約1時間撹拌混合した。(E)架橋剤として、脂肪族系ポリイソシアネート(コロネートHL;日本ポリウレタン工業株式会社製)30部を混合し太陽電池バックシート用接着剤組成物(II)を得た。
窒素置換したフラスコ内で、(a)成分として、水酸基変性水添ブタジエンゴム(日本曹達株式会社製;GI−3000)100部に、トルエン300部を加え80℃で加熱撹拌し溶解した後、(b)成分として、脂環族系ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量11.8%、住化バイエルウレタン株式会社製;デスモジュールZ4470BA、イソホロンジイソシアネート系硬化剤)4部を加え、加熱撹拌を行った。フラスコ内を80±2℃に保ったままで3時間加熱撹拌し、(C)変性ゴムを得た。(a)成分と(b)成分の配合比率は、NCO/OHとして、0.34であった。得られた(C)変性ゴムの数平均分子量は、4,600であった。
約40℃に放冷後、(C)変性ゴム100部に対し、トルエン200部、(D)粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製;アルコンP−125)80部を加え、約1時間撹拌混合した。(E)架橋剤として脂環族系ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量11.8%、住化バイエルウレタン株式会社製;デスモジュールZ4470BA)30部を混合し太陽電池バックシート用接着剤組成物(III)を得た。
窒素置換したフラスコ内で、(a)成分として、水酸基水添変性ブタジエンゴム(日本曹達株式会社製;GI−3000)100部に、トルエン300部を加え80℃で加熱撹拌し溶解した後、(b)成分として、脂肪族系ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製;コロネートHL)0.8部を加え、加熱撹拌を行った。フラスコ内を80±2℃に保ったままで3時間加熱撹拌し、(C)変性ゴムを得た。(a)成分と(b)成分の配合比率は、NCO/OHとして、0.10であった。得られた(C)変性ゴムの数平均分子量は、3,100であった。
約40℃に放冷後、(C)変性ゴム100部に対し、トルエン200部、(D)粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製;アルコンP−125)80部を加え、約1時間撹拌混合した。(E)架橋剤として、脂肪族系ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製;コロネートHL)30部を混合し太陽電池バックシート用接着剤組成物(IV)を得た。
窒素置換したフラスコ内で、(a)成分として、水酸基変性水添ブタジエンゴム(日本曹達株式会社製;GI−3000)100部に、トルエン300部を加え80℃で加熱撹拌し溶解した後、(b)成分として、脂肪族系ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製;コロネートHL)6.7部を加え、加熱撹拌を行った。フラスコ内を80±2℃に保ったままで3時間加熱撹拌し、(C)変性ゴムを得た。(a)成分と(b)成分の配合比率は、NCO/OHとして、0.90であった。得られた(C)変性ゴムの数平均分子量は、34,000であった。
約40℃に放冷後、(C)変性ゴム100部に対し、トルエン200部、(D)粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製;アルコンP−125)80部を加え、約1時間撹拌混合した。(E)架橋剤として、脂肪族系ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製;コロネートHL)30部を混合し太陽電池バックシート用接着剤組成物(V)を得た。
窒素置換したフラスコ内で、(a)成分として、水酸基変性水添ブタジエンゴム(日本曹達株式会社製;GI−3000)100部に、トルエン300部を加え80℃で加熱撹拌し溶解した後、(b)成分として、脂肪族系ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製;コロネートHL)5部を加え、加熱撹拌を行った。フラスコ内を80±2℃に保ったままで3時間加熱撹拌し、(C)変性ゴムを得た。(a)成分と(b)成分の配合比率は、NCO/OHとして、0.53であった。得られた(C)変性ゴムの数平均分子量は、6,300であった。
約40℃に放冷後、(C)変性ゴム100部に対し、トルエン200部、(D)粘着付与剤(ヤスハラケミカル株式会社製;クリアロンP−125、水添テルペン樹脂、軟化点125℃)80部を加え、約1時間撹拌混合した。(E)架橋剤として、脂肪族系ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製;コロネートHL、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤)30部を混合し太陽電池バックシート用接着剤組成物(VI)を得た。
(b)成分であるコロネートHLの配合量を8部から1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較用接着剤組成物(VII)を得た。(a)成分と(b)成分の配合比率は、NCO/OHとして、0.05であった。得られた(C)変性ゴムの数平均分子量は、2,900であった。
(a)成分であるブタジエンゴムを、GI−3000から未水添の水酸基変性ブタジエンゴム(数平均分子量3000、水酸基価27mgKOH/g、日本曹達株式会社製;G−3000)100部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較用接着剤組成物(VIII)を得た。(a)成分と(b)成分の配合比率は、NCO/OHとして、0.53であった。得られた(C)変性ゴムの数平均分子量は、6,300であった。
得られた各接着剤組成物を、塗工機を使用し、ポリエステル系フィルム(PET、厚み100μm)表面に塗布(塗布量;100g/m2−wet)し、80℃に設定した乾燥炉により2分間乾燥し、厚み125μmの接着剤付きのポリエステル系フィルムを作製した。前記接着剤付きのポリエステル系フィルムと、アルミ箔(厚み10μm)、を60℃に加熱したラミネーター(ラミネート速度;2m/分)に通して貼合せ接着品(試験片A)を得た。
また、前記接着剤付きのポリエステル系フィルムと、ポリエステル系フィルム(PET、厚み50μm)を60℃に加熱したラミネーター(ラミネート速度;2m/分)に通して貼合せ接着品(試験片B)を得た。
また、前記接着剤付きのポリエステル系フィルムと、厚み25μmのフッ素系シート(エチレンテトラフルオロエチレン、コロナ処理済み)を60℃に加熱したラミネーター(ラミネート速度;2m/分)に通して貼合せ接着品(試験片C)を得た。
接着品(試験片A〜C)を23℃・50%RH雰囲気中に5分間養生し、その後、20℃雰囲気中で引張試験機により180゜はく離接着強度を測定した。
接着品(試験片A〜C)を20℃・65%RH雰囲気中に1日養生後、85℃・85%RHに設定した恒温槽に1000時間放置後、更に20℃・65%RH雰囲気中に1日放置した後、同雰囲気中で引張試験機により180゜はく離接着強度を測定した。
接着品(試験片B)を20℃・65%RH雰囲気中に1日養生後、100℃に設定した恒温槽に1000時間放置後、更に20℃・65%RH雰囲気中に1日放置した後、同雰囲気中で、色彩色差計(ミノルタ株式会社製、機器名CR221)のLab表色系のbの値を測定した。
なお、高温試験前のbの値は、実施例1〜6、比較例1〜2すべて0.1であった。そして、bの値が5.0以上になった場合、変色(黄変)が進行したとみなした。
これらの試験結果を表1、表2に示した。
また、未水添の水酸基変性ブタジエンゴムを用いた比較例2の場合は、初期はく離接着強度、および高温高湿試験後のはく離接着強度は、実施例1、2、3と同等であるが、高温試験後変色試験において黄変が著しく進行することが分かる。これは、(a)成分であるゴムが未水添であることから高温試験時にゴムが劣化し、変色したと考えられる。
これらに対して、実施例1〜6に示すように、本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物を用いた試験片(接着品)は、初期はく離強度、高温高湿試験後はく離強度および高温試験後変色試験いずれも良好であった。このように本発明では、高温高湿度下に長期間放置されても接着強度が高く、高温下に長期間放置されても変色しにくい接着剤組成物を提供することができる。
Claims (6)
- (a)一分子中に水酸基を2個以上含有するゴムと(b)イソシアネートとを反応させて得られる(C)変性ゴムと、(D)軟化点が85℃以上である粘着付与剤と、(E)架橋剤とを含む、太陽電池バックシート用接着剤組成物であって、(a)成分と(b)成分の配合比率において、(a)成分の水酸基(OH)に対し、(b)成分のイソシアネート基(NCO)が、イソシアネート基/水酸基=0.1〜0.9の範囲であり、前記(a)成分のゴムが、イソプレンゴム、ブタジエンゴムのいずれかであり、かつ水素添加により飽和したゴムである、太陽電池バックシート用接着剤組成物。
- (C)変性ゴム100質量部に対し、(D)軟化点が85℃以上である粘着付与剤を10〜150質量部、(E)架橋剤を5〜50質量部含む、請求項1に記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
- (b)イソシアネートが、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートのいずれかであり、かつ二重結合を持たないイソシアネートである請求項1または2に記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
- (D)軟化点が85℃以上である粘着付与樹脂が、水素添加により飽和した樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
- (E)架橋剤が、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートのいずれかであり、かつ二重結合を持たないイソシアネートである請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
- 少なくとも2枚のフィルムからなる太陽電池バックシートにおいて、前記フィルム間を請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物にて、接着してなる、太陽電池バックシート。
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