JP2013060578A - ポリウレタン系シーラント及びそれに用いられるポリオール組成物 - Google Patents

ポリウレタン系シーラント及びそれに用いられるポリオール組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 破断伸び及び破断強度等の機械物性に優れるポリウレタン系シーラント及びその製造を可能とするポリオール組成物を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表される化合物(S)と、水酸基価が20〜2000mgKOH/gであり、モル平均官能基数が2〜8である前記(S)以外のポリオール(a1)とを含有することを特徴とするポリウレタン系シーラント用ポリオール組成物(A)。
【化1】
Figure 2013060578

[一般式(1)中、X1及びX2は特定の活性水素含有化合物から特定数の活性水素を除いた残基を表し、a、b及びcは特定の整数を表し、Yは特定の芳香族ポリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いた残基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタン系シーラント及びそれに用いられるポリオール組成物に関するものである。
ポリウレタン樹脂はポリオール成分とポリイソシアネート成分を原料とするウレタン結合を有する樹脂であり、一般的には伸縮性に富んだ弾性のある樹脂であり、建築用や防水用のシーラントに使用される。ポリウレタン系シーラントの特性を示す物性項目として、樹脂を破断するまで伸長させた時の破断時の伸長度合いを表す破断伸びと、破断時の応力を表す破断強度があり、これらの値が大きいほど伸びやすく破断しにくい強靭なシーラントであると言える。破断伸びと破断強度の調整はポリウレタン樹脂の原料であるポリオールの分子量や官能基数を変更する等で実施されるが、破断伸びと破断強度は一般的に相反項目である(例えば非特許文献1参照)。具体的には破断強度の向上策である、ポリオールの分子量低下によるウレタン結合濃度の増加や、ポリオールの官能基数増加による架橋密度の増大では得られる樹脂が剛直になり破断伸びが低下してしまう。ポリウレタン系シーラントの破断強度を向上しつつ破断伸びをも向上できれば耐久性に優れるシーラントが得られ適用範囲が拡大するため、高破断強度と高破断伸びを両立できるポリウレタン系シーラントが望まれている。
「最新 ポリウレタンの設計・改質と高機能化 技術全集」、第1版、技術情報協会、2007年3月、p84−85
本発明の目的は、破断伸び及び破断強度等の機械物性に優れるポリウレタン系シーラント及びその製造を可能とするポリオール組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するポリウレタン系シーラント製造用ポリオールを使用することで高い機械物性(破断伸び及び破断強度)を有するポリウレタン系シーラントが得られることを見出し本発明に到達した。即ち本発明は、一般式(1)で表される化合物(S)と、水酸基価が20〜2000mgKOH/gであり、モル平均官能基数が2〜8である前記(S)以外のポリオール(a1)とを含有することを特徴とするポリウレタン系シーラント用ポリオール組成物(A);ポリイソシアネート成分(I)を含有する主剤と活性水素成分(H)を含有する硬化剤とからなり、下記(1)及び/又は(2)を満たすことを特徴とする2液硬化型ウレタン系シーラント;
(1)前記ポリイソシアネート成分(I)が、前記ポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物を含有する。
(2)前記活性水素成分(H)が、前記ポリオール組成物(A)を含有する。
;前記ポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物を含有することを特徴とする1液硬化型ウレタン系シーラント;である。
Figure 2013060578
[一般式(1)中、X1はm価の活性水素含有化合物からc個の活性水素を除いた残基を表し;cは1≦c≦mを満たす整数を表し;mは1〜20の整数を表し;X2は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表し、複数のX2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X2とX1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いた残基を表し、Yの芳香環は炭素原子から構成され、その炭素原子にはカルボキシル基以外の置換基及び/又はハロゲン原子が結合していてもよいが少なくとも一つの炭素原子は置換基が結合しておらず;aは1以上の整数を表し、bは0以上の整数を表し、かつ、2≦a+b≦d−2を満たし;dは前記芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基を含む全ての置換基を水素原子に置換した場合の芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子の数、即ち芳香環上で置換可能な部位の数を表す。]
本発明のポリオール組成物を使用することにより、破断伸び及び破断強度等の機械物性に優れるポリウレタン系シーラントを得ることができる。
本発明のポリウレタン系シーラントに用いられるポリオール組成物(A)は、一般式(1)で表される化合物(S)及び(S)以外のポリオール(a1)を含有してなる。
一般式(1)で表される化合物(S)は、少なくとも1つの活性水素を有する化合物(S1)と活性水素を有しない(S2)とからなる。
ポリオール組成物(A)に化合物(S1)を使用した場合は、(A)を用いたポリウレタン系シーラントの硬化後のポリウレタン樹脂の分子骨格に化合物(S1)が組み込まれることにより前記所定の効果を奏する。また、(A)に化合物(S2)を使用した場合、(A)を用いたポリウレタン系シーラントの硬化後のポリウレタン樹脂の分子骨格に(S2)は組み込まれず、ポリウレタン樹脂と化合物(S2)とを含有するポリウレタン樹脂組成物となるが、ポリウレタン樹脂に(S1)が組み込まれた場合と同様の効果が得られる。
化合物(S1)及び(S2)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下、一般式(1)で表される化合物(S)について説明するが、化合物(S)として好ましい範囲として記載している組成及び数値等は、ポリウレタン樹脂に組み込まれる少なくとも一つの活性水素を有する化合物(S1)の場合も、ポリウレタン樹脂組成物に用いられる化合物(S)の場合も、特に規定しない限り同じである。
Figure 2013060578
一般式(1)におけるX1は、m価の活性水素含有化合物からc個の活性水素を除いた残基を表す。
活性水素含有化合物としては、水酸基含有化合物、アンモニア、アミノ基含有化合物及びチオール基含有化合物等が挙げられる。活性水素含有化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
水酸基含有化合物としては、炭素数1〜20の1価のアルコール、炭素数2〜20の多価アルコール、フェノール類及びこれらのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価アルコールとしては、炭素数1〜20のアルカノール(メタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、デカノール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコール等)、炭素数2〜20のアルケノール(オレイルアルコール及びリノリルアルコール等)及び炭素数7〜20の芳香脂肪族アルコール(ベンジルアルコール及びナフチルエタノール等)等が挙げられる。
炭素数2〜20の多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール[脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,10−デカンジオール、等)、脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)及び芳香脂肪族ジオール[1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]等]、炭素数3〜20の3価アルコール[脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)等]及び炭素数5〜20の4〜8価アルコール[脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等)及び糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)]等が挙げられる。
フェノール類としては、例えば1価のフェノール(フェノール、1−ヒドロキシナフタレン、アントロール及び1−ヒドロキシピレン等)及び多価フェノール[フロログルシン、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)及び米国特許3265641号明細書に記載のポリフェノール等]が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、炭素数1〜20のモノハイドロカルビルアミン[アルキルアミン(ブチルアミン等)、ベンジルアミン及びアニリン等]、炭素数2〜20の脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等)、炭素数6〜20の脂環式ポリアミン(ジアミノシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等)、炭素数2〜20の芳香族ポリアミン(フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等)、炭素数2〜20の複素環式ポリアミン(ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等)、ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン、ポリエーテルポリアミン、ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等)及びジシアンジアミド等が挙げられる。
チオール基含有化合物としては、炭素数1〜20の1価のチオール化合物(エタンチオール等のアルカンチオール、ベンゼンチオール及びフェニルメタンチオール)及び多価のチオール化合物(1,2−エタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等)等が挙げられる。
尚、活性水素含有化合物として、分子内に2種以上の活性水素含有官能基(水酸基、アミノ基及びチオール基等)を有する化合物も使用できる。
また、活性水素含有化合物としては、上記活性水素含有化合物のアルキレンオキサイドAO付加物を使用することもできる。
活性水素含有化合物に付加させるAOとしては、炭素数2〜4のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−又は2,3−ブチレンオキサイド及びテトラヒドロフラン(以下、THFと略記)等が挙げられる。これらの内、破断強度の観点からEO、PO及びTHFが好ましい。AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、AOを2種以上併用する場合の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
AOの付加モル数は破断強度の観点から、8〜100が好ましく、更に好ましくは10〜80である。また、AO付加物の水酸基価は18〜360mgKOH/gであることが好ましい。
尚、本発明において、水酸基価はJIS K 1557−1に準拠して測定される。
化合物(S)にX1を導入するための活性水素含有化合物として、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から好ましいのは、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物及びこれらのAO付加物
であり、更に好ましいのは、炭素数2〜20の多価アルコール及び炭素数2〜20の多価アルコールにAOを付加したポリエーテルポリオール、炭素数2〜20の脂肪族ポリアミン及び多価のチオール化合物、特に好ましいのは炭素数2〜20の多価アルコール及び炭素数2〜20の多価アルコールにAOを付加したポリエーテルポリオール、最も好ましいのは炭素数2〜20の多価アルコールにAOを付加したポリエーテルポリオールである。
活性水素含有化合物の価数mは、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、通常1〜20であり、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜4、特に好ましくは2である。
一般式(1)におけるcは、1〜20でかつ1≦c≦mを満たす整数を表し、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜4、特に好ましくは2である。
一般式(1)におけるX2は、1〜20価の活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表し、複数のX2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
2を構成するために用いられる活性水素含有化合物としては、上述のX1で示した活性水素含有化合物と同様の物が挙げられ、X2とX1はそれぞれ同一でも異なっていてもいが、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、X1と少なくとも1つのX2とは異なる基であることが好ましい。
また、X2の価数はシーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、通常1〜20であり、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2、最も好ましくは2である。
尚、後述のYを構成するために用いる3価以上のポリカルボン酸に前記活性水素含有化合物を反応させることによりX1及びX2を化合物(S)に導入することができるが、X1及びX2が特に炭素数2〜4のジオール又は繰り返し単位の炭素数が2〜4のポリエーテルポリオールの場合、ポリカルボン酸のカルボキシル基に前記炭素数2〜4のAOを付加することによっても同等の化合物を得ることができる。
一般式(1)におけるYは、3価以上の芳香族ポリカルボン酸からすべてのカルボキシル基を除いた残基を表す。Yの芳香環は炭素原子から構成され、その炭素原子にはカルボキシル基以外の置換基及び/又はハロゲン原子が結合していてもよいが、少なくとも一つの炭素原子は置換基が結合しておらず水素原子と結合している必要がある。
カルボキシル基以外の置換基とは、アルキル基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、アミノ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、チオール基、アリール基及びシアノ基等が挙げられる。
Yを構成するために用いられる3価以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜30の芳香族ポリカルボン酸、例えばトリメリット酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、トリメシン酸、ヘミリット酸、1,2,4−、1,3,6−又は2,3,6−ナフタレントリカルボン酸及び2,3,6−アントラセントリカルボン酸等のトリカルボン酸;ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−オキシビスフタル酸、ジフェニルメタンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸及び4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフタル酸等のテトラカルボン酸;等が挙げられる。芳香族ポリカルボン酸は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、化合物(S)の製造に当たっては、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)及び酸ハライド(酸のクロライド等)]を用いることもできる。
これらの芳香族ポリカルボン酸の内、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から好ましいのは、前記芳香環を構成し置換基が結合していない炭素原子に隣接しかつ芳香環を形成する2個の炭素原子それぞれにカルボキシル基が結合した構造を有するものが好ましく、更に好ましいのは、前記カルボキシル基が結合した炭素原子に隣接する炭素原子の少なくとも一方に更に1個のカルボキシル基が結合した構造を有するものである。
例えば、芳香族ポリカルボン酸の芳香環がベンゼン環の場合、1位と3位にカルボキシル基が結合した構造を有するものが好ましく、更に好ましいのは前記カルボキシル基が結合したベンゼン環の4位及び/又は6位に更にカルボキシル基が結合した構造を有するものである。
シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、Yを構成するために用いる芳香族ポリカルボン酸として特に好ましいのは単環式化合物であり、最も好ましいのはトリメリット酸及びピロメリット酸である。
一般式(1)におけるaは1以上の整数を表し、bは0以上の整数を表し、かつ、2≦a+b≦d−2を満たし、dは前記芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基を含む全ての置換基を水素原子に置換した場合の芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子の数、即ち芳香環上で置換可能な部位の数を表す。例えば、芳香環が炭素原子6個から構成されるベンゼン環の場合、dは6であり、a+bは2〜4の値を取り得、芳香環が炭素原子10個から構成されるナフタレン環の場合、dは8であり、a+bは2〜6の値を取り得る。芳香環が単環の芳香環の場合、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、a+bは2又は3が好ましい。また、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、bはaの1/2以下であることが好ましく、特に好ましいのは0である。
本発明における化合物(S)の水酸基価は、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、好ましくは0又は70〜500mgKOH/g、(S)が水酸基を有する場合、更に好ましくは75〜350mgKOH/gである。(S)が水酸基を有する場合、水酸基価が70mgKOH/g未満ではシーラントの破断強度が低下する傾向にあり、500mgKOH/gを超えるとシーラントの破断伸びが低下する傾向にある。
尚、化合物(S)の水酸基価が0とは、一般式(1)におけるX1、X2及びYが全て水酸基を有しないことを意味する。
化合物(S)におけるYの濃度は、化合物(S)1g中の残基Yのミリモル数を意味し、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、好ましくは1.0〜3.5mmol/g、更に好ましくは1.1〜3.4mmol/g、特に好ましくは1.2〜3.3mmol/gである。Yの濃度が1.0mmol/g未満ではシーラントの破断強度が低下する傾向にあり、3.5mmol/gを超えるとシーラントの破断伸びが低下する傾向にある。
化合物(S)のカルボニル基濃度は、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、好ましくは3.0〜10.0mmol/g、更に好ましくは3.0〜9.7mmol/g、特に好ましくは3.0〜9.5mmol/gである。カルボニル基濃度が2.0mmol/g未満ではシーラントの破断強度が低下する傾向にあり、カルボニル基濃度が10.0mmol/gを超えると破断伸びが悪化する傾向にある。本発明におけるカルボニル基濃度におけるカルボニル基とは、一般式(1)におけるYに結合するカルボニル基、即ちYを導入するために用いられる3価以上の芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基並びにこれから誘導されるエステル基、チオエステル基及びアミド基等の官能基中のカルボニル基を意味する。
化合物(S)のモル平均官能基数は、シーラントの機械強度の観点から、2〜8が好ましく、更に好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。
本発明におけるモル平均官能基数は、組成物中の各成分の活性水素を有する官能基の数に各成分のモル数を乗じた値の総和を各成分のモル数の総和で除した値であり、各成分のモル数は各成分の重量を各成分の分子量で除した値である。計算に用いる分子量としては、低分子化合物の様に分子量に分布がない場合は化学式量を、分子量に分布がある場合は数平均分子量(以下、Mnと略記)を用いる。本発明における化合物(S)及びポリオールのMnは、THFを溶剤として用い、ポリオキシプロピレングリコールを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。サンプル濃度は0.25重量%、カラム固定相はスチレンジビニルベンゼン[TSKgel Super H2000、3000、4000(東ソー株式会社製)]、カラム温度は40℃とする。
少なくとも1つの活性水素を有する化合物(S1)は、一般式(1)におけるX1、X2及びYの内の少なくとも1種が活性水素を有する化合物である。更に詳しくは、少なくとも、X1の価数mとcがm>cを満たすか、Yがアミノ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基及びチオール基等の活性水素を有する置換基で置換されているか、X2を構成する活性水素含有化合物が2価以上であるか、bが1以上であることにより化合物(S1)は少なくとも1つの活性水素を有する。
本発明のポリオール組成物(A)が含有するポリオール(a1)としては、水酸基価が20〜2000mgKOH/gであり、モル平均官能基数が2〜8である、前記炭素数2〜20の多価アルコール、前記炭素数2〜20の多価アルコールに前記炭素数2〜4のAOを付加したポリエーテルポリオール、(S)以外のポリエステルポリオール及びその他のポリオール等が挙げられる。ポリオール(a1)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリオール(a1)としてのポリエーテルポリオールの内、破断強度の観点から好ましいのは、AOが、EO、PO、1,2−ブチレンオキサイド及び/又はTHFであるものである。
ポリエステルポリオールとしては、前記炭素数2〜20の多価アルコール及び/又は前記ポリエーテルポリオールと2〜4価の芳香族ポリカルボン酸及び/又は脂肪族ポリカルボン酸並びにこれらの無水物又は低級アルキル(アルキル基の炭素数が1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体との縮合反応物であって、上記化合物(S)以外のもの;これらのAO付加物;ポリラクトンポリオール[例えば前記炭素数2〜20の多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの];並びにポリカーボネートポリオール(例えば前記炭素数2〜20の多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物);等が挙げられる。
2〜4価の芳香族ポリカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸及び4,4’−ビナフチルジカルボン酸等の炭素数8〜30の芳香族ジカルボン酸並びに上記3価又は4価の芳香族ポリカルボン酸等が挙げられる。
2〜4価の脂肪族ポリカルボン酸としては、例えばシュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリカルバリル酸及びヘキサントリカルボン酸等の炭素数2〜30の脂肪族ポリカルボン酸等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、単環多価フェノール(ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等)又はビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)の水酸基にAOが水酸基1個当たり1モル付加したポリオール、シリコーンポリオール、重合体ポリオール、ポリジエンポリオール(ポリブタジエンポリオール等)、ポリジエンポリオールの水添物、アクリル系ポリオール、天然油系ポリオール(ヒマシ油等)及び天然油系ポリオールの変性物等が挙げられる。
ポリオール(a1)の水酸基価は、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、通常20〜2000mgKOH/gであり、好ましくは25〜1900mgKOH/gである。水酸基価が20mgKOH/g未満ではシーラントの破断強度が低下し、2000mgKOH/gを超えるとシーラントの破断伸びが悪化する。
ポリオール(a1)のモル平均官能基数は、シーラントの破断伸びの観点から、2〜8が好ましく、更に好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4、最も好ましくは2である。
化合物(S)の含有量は、ポリオール組成物(A)の重量を基準として、シーラントの破断伸び及び破断強度の観点から、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.015〜8重量%、特に好ましくは0.02〜6%重量である。
ポリオール(a1)の含有量は、ポリオール組成物(A)の重量を基準としてシーラントの破断伸びの観点から、90〜99.99重量%が好ましく、更に好ましくは92〜99.985重量%、特に好ましくは94〜99.98重量%である。
本発明のポリウレタン系シーラントには、2液硬化型ポリウレタン系シーラントと1液硬化型ポリウレタン系シーラントの2種類の形態がある。
本発明の2液硬化型ポリウレタン系シーラントは、ポリイソシアネート成分(I)を含有する主剤と活性水素成分(H)を含有する硬化剤とからなり、下記(1)及び/又は(2)を満たすことを特徴とするシーラントである;
(1)前記ポリイソシアネート成分(I)が、本発明のポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物を含有する;
(2)前記活性水素成分(H)が本発明のポリオール組成物(A)を含有する。
上記(1)において、ポリオール組成物(A)が含有する化合物(S)が少なくとも1つの活性水素を有する化合物(S1)である場合、(A)と(B)の反応により形成される末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの分子骨格に化合物(S1)が組み込まれ、2液硬化により形成されるポリウレタン樹脂の分子骨格に化合物(S1)が組み込まれることになる。また、ポリオール組成物(A)が含有する化合物(S)が活性水素を有しない化合物(S2)の場合、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの分子骨格に化合物(S2)は組み込まれず、ウレタンプレポリマーと(S2)からなるウレタンプレポリマー組成物となり、2液硬化により形成されるポリウレタン樹脂の分子骨格にも化合物(S2)は組み込まれず、ポリウレタン樹脂組成物となる。しかし、これらいずれの場合においても本発明の所定の効果を奏し得る。
前記(2)において、ポリオール組成物(A)が含有する化合物(S)が少なくとも1つの活性水素を有する化合物(S1)である場合、2液硬化により形成されるポリウレタン樹脂の分子骨格に化合物(S1)が組み込まれることになる。また、ポリオール組成物(A)が含有する化合物(S)が活性水素を有しない化合物(S2)の場合、2液硬化により形成されるポリウレタン樹脂の分子骨格に化合物(S2)は組み込まれず、ポリウレタン樹脂組成物となる。しかし、これらいずれの場合においても本発明の所定の効果を奏し得る。
本発明の1液硬化型ポリウレタン系シーラントは、本発明のポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有することを特徴とする。
ウレタンプレポリマーの構成成分としてポリオール組成物(A)を用いることにより、(A)が含有する化合物(S)が少なくとも1つの活性水素を有する化合物(S1)の場合は1液硬化型ポリウレタン系シーラントが湿気硬化した後のシーラント中のポリウレタンウレア樹脂中に化合物(S1)の骨格を組み込まれ、化合物(S)が活性水素を有しない化合物(S2)の場合は1液硬化型ポリウレタン系シーラントが湿気硬化した後のシーラント中に化合物(S2)が添加された形となり、いずれの場合も本発明の効果を奏し得る。
2液硬化型ポリウレタン系シーラントにおける主剤中のポリイソシアネート成分(I)と硬化剤中の活性水素成分(H)の合計重量に対する化合物(S)の重量の割合は、破断伸び及び破断強度の観点から、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%である。
1液硬化型ポリウレタン系シーラントにおける末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造する際のウレタンプレポリマーの原料であるポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に対する化合物(S)の重量の割合は、破断伸び及び破断強度の観点から、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%である。
2液硬化型ポリウレタン系シーラントの主剤又は1液硬化型ポリウレタン系シーラントにおける末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに使用される有機ポリイソシアネート(B)としては、一般にポリウレタン樹脂の製造に使用される有機ポリイソシアネートがすべて使用でき、例えば芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)が挙げられる。
また、これらの有機ポリイソシアネート(B)は、2液硬化型ポリウレタン系シーラントの主剤であるポリイソシアネート成分(I)の成分としても使用することができる。
有機ポリイソシアネート(B)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)が6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート及びトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等)等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等)等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート(キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等)等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
これらの中で破断強度の観点から好ましいのは、芳香族ポリイソシアネートであり、更に好ましいのは、TDI及びMDIである。
2液硬化型ポリウレタン系シーラントの主剤又は1液硬化型ポリウレタン系シーラントにおける末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、通常、化合物(S)又はポリオール組成物(A)と過剰当量の有機ポリイソシアネート(B)とを反応させることにより得られる。有機ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基と化合物(S)又はポリオール組成物(A)の水酸基の当量比率であるR値(NCO/OH)は、好ましくは1.1〜3.0、更に好ましくは1.2〜2.5、特に好ましくは1.8〜2.2である。
ウレタンプレポリマーの反応方法は特に限定されないが、例えば、(S)又は(A)と、(B)及び必要により硬化促進触媒(C1)とを温度制御機能を備えた反応槽に仕込み、30〜1,000分間にわたって温度を50〜200℃に保つことにより反応させる方法や、(S)又は(A)と、(B)及び必要により(C1)を2軸押出機に供給し、温度100〜220℃で連続的に反応させる方法等が挙げられる。
ウレタンプレポリマーの反応時に使用する硬化促進触媒(C1)としては、金属触媒[例えば錫系触媒(トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート及びジブチルチンマレエート等)、鉛系触媒(オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛及びオクテン酸鉛等]、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩及びフェニル水銀プロピオン酸塩];アミン系触媒〔例えばトリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類[1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン{サンアプロ社製「DBU」(登録商標)}]等;ジアルキルアミノアルキルアミン類(ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン及びジプロピルアミノプロピルアミン等)又は複素環式アミノアルキルアミン類{2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等}の炭酸塩又は有機酸塩(ギ酸塩等)等;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン及びジメチルエタノールアミン等〕;並びにこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの触媒の内、重金属化合物を含まないアミン系触媒が好ましい。
2液硬化型ポリウレタン系シーラントの主剤又は1液硬化型ポリウレタン系シーラントにおける末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのNCO含量%は0.3〜10重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%である。0.3重量%以上であると硬化反応が速やかに進行しやすく、10重量%以下であると硬化反応が穏やかで発泡が少ない傾向にある。
2液硬化型ポリウレタン系シーラントの硬化剤並びに1液硬化型ポリウレタン系シーラントは、更に充填剤及び硬化促進触媒(C2)を含有することができる。
充填材としては、例えばクレー、重質炭酸カルシウム、脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、シリカ、カ―ボンブラック、酸化カルシウム、酸化チタン、ケイソイ土、ガラス繊維及びその破砕物(カットガラス、ミルドガラス、ガラスフレ―ク等)、タルク、マイカ、シラスバルーン等の無機系充填材が挙げられる。充填材の含有量は、好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは10〜30重量%である。
硬化促進触媒(C2)としては前記硬化促進触媒(C1)と同様のものが使用でき、好ましいものも同様である。硬化促進触媒(C1)と(C2)の合計量は、シーラント全体(2液硬化型の場合、主剤と硬化剤の合計量)の重量を基準として、好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下である。
本発明のポリウレタン系シーラントにおいて、硬化前の粘度を低減して混合性や作業性を改善したり、硬化後のシーラントに弾性や柔軟性を付与する目的で、2液硬化型ポリウレタン系シーラントの主剤及び/又は硬化剤並びに1液硬化型ポリウレタン系シーラントに、更に可塑剤、希釈剤(減粘剤)、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び揺変付与剤からなる群から選ばれる1種以上を含有させてもよい。
可塑剤としては、エステル系可塑剤[ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート及びポリエチレングリコール(重量平均分子量:200)ジアジペート等]、タール系可塑剤(タール及びアスファルト等)及び石油樹脂系可塑剤が挙げられる。可塑剤の含有量は、2液硬化型の場合は主剤と硬化剤の合計重量を基準として、1液硬化型の場合は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの重量を基準として好ましくは5〜70重量%が、更に好ましくは15〜50重量%である。
希釈剤(及び減粘剤)としては、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン及びキシレン等の芳香族系炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル及び酢酸セロソルブ等のエステル類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類等の溶剤が挙げられる。含有量は、2液硬化型の場合は主剤と硬化剤の合計重量を基準として、1液硬化型の場合は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの重量を基準として好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜5重量%である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[イルガノックス1010及びイルガノックス1076(いずれもBASFジャパン社製)等]及びヒンダードアミン系酸化防止剤[サノールLS770及びサノールLS−744(いずれも三共製)]が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、2液硬化型の場合は主剤と硬化剤の合計重量を基準として、1液硬化型の場合は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの重量を基準として好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.01〜5重量%である。
紫外線吸収剤としては、トリアゾール系紫外線吸収剤[チヌビン320(BASFジャパン社製)等]及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤[サイアソーブUV9(サイアナミド社製)等]が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、2液硬化型の場合は主剤と硬化剤の合計重量を基準として、1液硬化型の場合は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの重量を基準として好ましくは0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
揺変付与剤としては、コロイダルシリカ、微粉のカーボンブラック、脂肪酸アミド及び脂肪酸金属石ケン等が挙げられる。揺変付与剤の含有量は、2液硬化型の場合は主剤と硬化剤の合計重量を基準として、1液硬化型の場合は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの重量を基準として好ましくは0〜50重量%であり、好ましくは0〜20重量%である。
本発明のシーラントの製法は特に限定されないが、1液硬化型の場合、例えばポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、必要により充填剤、可塑剤、希釈剤(減粘剤)、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び揺変付与剤加えて、真空装置付きプラネタリーミキサー及び3本ロール等の混合装置を用いて十分に混練した後、硬化促進触媒(C2)を加えて(この際、硬化触媒をトルエン等の溶媒に溶解しておいてもよい)、更に十分混練することが好ましい。この場合減圧下水分等を除去しながら行うことが好ましい。減圧時の圧力は好ましくは1〜70kPa、更に好ましくは4〜40kPaである。混合温度は好ましくは0〜40℃、更に好ましくは10〜30℃である。混合時間は好ましくは30分〜10時間、更に好ましくは1〜5時間である。
2液硬化型の場合、主剤は化合物(S)又はポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、有機ポリイソシアネート(B)を必要により混合して得られる。混合方法は特に限定されないが、窒素等の不活性ガス雰囲気下に行うことが好ましい。
硬化剤は、例えばポリオール組成物(A)を含有する活性水素成分(H)及び必要により充填剤、硬化促進触媒(C2)、可塑剤、希釈剤(減粘剤)、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び揺変付与剤剤加えて1液硬化型の場合と同様に十分に混合することにより得られる。
本発明の1液硬化型ポリウレタン系シーラントの粘度(25℃、B型粘度計)は好ましくは1〜500Pa・s、更に好ましくは20〜200Pa・sである。2液硬化型の場合は、主剤の粘度は、好ましくは1〜300Pa・s、更に好ましくは10〜200Pa・sであり、硬化剤の粘度は、好ましくは0.5〜500Pa・s、更に好ましくは1〜200Pa・sである。
2液硬化型の場合、主剤と硬化剤の混合方法は特に限定されず、通常の方法により混合して使用することができる。主剤と硬化剤の割合(重量比)は、好ましくは10:90〜90:10、更に好ましくは30:70〜70:30である。また、混合する際の主剤中のポリイソシアネート成分(I)のイソシアネート基と硬化剤中の活性水素成分(H)の水酸基の当量比率であるR値(NCO/OH)は、好ましくは0.8〜1.6、更に好ましくは1.0〜1.3である。
本発明のポリウレタン系シーラントの使用方法としては特に限定されないが、例えば、目的とする材料の間隙、接合部にシーラントを液状のまま注入して硬化させる注入法、材料の継ぎ目にスプレーして硬化させるスプレー法、材料に刷毛塗りして硬化させる刷毛塗り法、又は予め硬化させたシーラントを取り付けて間隙を充填する取り付け法が挙げられる。
本発明のシーラントの用途は特に限定されないが、例えば、波板、スレート、プラスチック板、アルミニウム板及びトタン等の各種建築あるいは構築物の各接合部、コンクリート、陶管、ガラス等の継ぎ目、道路や床被覆の継ぎ目、自動車、船舶、航空機等の乗り物の接合部や継ぎ目、パイプやプレハブ建築物の各接合部等の目地材、接着材、コーキング材として使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下において部は重量部を表す。
製造例1 [化合物(S1−1)の製造]
撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物(三洋化成工業株式会社製「サンニックスPL−910」;Mn900、水酸基価124.7)900.0部、無水トリメリット酸384.0部及びアルカリ触媒(N−エチルモルホリン)2.0部を仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、130±10℃で5時間反応させ酸無水物基部分のハーフエステル化を行い、プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物1モルに無水トリメリット酸が2モル反応したエステル化合物を得た。続いてEO198.0部を100±10℃で、圧力が0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、100±10℃で1時間熟成して、前記エステル化合物のカルボキシル基にEOを付加させた化合物(S1−1)を得た。
製造例2 [化合物(S1−2)の製造]
プロピレングリコールPO/EOブロック付加物900.0部をポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学株式会社製「PTMG1000」;Mn1000、水酸基価112.2)1000.0部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S1−2)を得た。
製造例3 [化合物(S1−3)の製造]
プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物900.0部をポリオキシプロピレントリオール(三洋化成工業株式会社製「サンニックスGP−1500」;Mn1500、水酸基価112.2)1500.0部に、無水トリメリット酸の仕込量を576.0部に、EOの仕込み量を297.0部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S1−3)を得た。
製造例4 [化合物(S1−4)の製造]
プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物900.0部をポリプロピレングリコール(三洋化成工業株式会社製「サンニックスPP−1000」;Mn1000、水酸基価112.2)1000.0部に、EOの仕込み量を101.2部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S1−4)を得た。
製造例5 [化合物(S1−5)の製造]
撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、ジエチレングリコールモノブチルエーテル324.0部、無水ピロメリット酸218.0部、溶媒としてのジメチルホルムアミド542.0部、及びアルカリ触媒(N−エチルモルホリン)2.0部を仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、25±10℃で5時間反応させ酸無水物基部分のハーフエステル化を行い無水ピロメリット酸1モルにジエチレングリコールモノブチルエーテルが2モル反応したエステル化合物を得た。続いてEO198.0部を50±10℃で、圧力が0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、50±10℃で1時間熟成し、ジメチルホルムアミドを、100℃±10℃で、圧力が−0.1MPaとなるように制御しながら5時間かけて除去して、前記エステル化合物のカルボキシル基にEOを付加させた化合物(S1−5)を得た。
製造例6 [化合物(S1−6)の製造]
撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、エチレンジアミン60.0部、無水トリメリット酸384.0部、アルカリ触媒(N−エチルモルホリン)1.0部及び溶媒としてのTHF219部を仕込み、窒素雰囲気下、80±10℃で2時間反応させ酸無水物基部分のハーフアミド化を行い、エチレンジアミン1モルに無水トリメリット酸が2モル反応したアミド化合物を得た。続いてEO198.0部を80±10℃で、圧力が0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、80±10℃で1時間熟成し、80±10℃、10kPaで溶媒を留去することにより、前記アミド化合物のカルボキシル基にEOを付加させた化合物(S1−6)を得た。
製造例7 [化合物(S2−1)の製造]
撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物(三洋化成工業株式会社製「サンニックスPL−910」;Mn900、水酸基価124.7)900.0部、無水トリメリット酸384.0部、アルカリ触媒(N−エチルモルホリン)1.0部及びトルエン460部を仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、130±10℃で5時間反応させ酸無水物基部分のハーフエステル化を行い、プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物1モルに無水トリメリット酸が2モル反応したエステル化合物を得た。続いてベンジルアルコール432.0部を加え、95±5℃、0.06MPa以下となるように制御し、揮発するトルエンと水を冷却器で凝縮させ、トラップで分離したトルエンを反応容器に連続的に戻しながら6時間反応させた。反応後、80±10℃、10kPaで溶媒を留去することにより、前記エステル化合物のカルボキシル基をベンジルオキシカルボニル基とした化合物(S2−1)を得た。
製造例8 [化合物(S2−2)の製造]
ベンジルアルコール432.0部を、ベンジルアミン428.0部に変更する以外は製造例7と同様にして化合物(S2−2)を得た。
製造例9 [化合物(S2−3)の製造]
ベンジルアルコール432.0部を、ベンジルチオール496.0部に変更する以外は製造例7と同様にして化合物(S2−3)を得た。
製造例10 [化合物(S2−4)の製造]
撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、エチレンジアミン60.0部、無水トリメリット酸384部、アルカリ触媒(N−エチルモルホリン)1.0部及び溶媒としてのトルエン460部を仕込み、窒素雰囲気下、80±10℃で2時間反応させ酸無水物基部分のハーフアミド化を行い、エチレンジアミン1モルに無水トリメリット酸が2モル反応したアミド化合物を得た。続いてベンジルアルコール432.0部を加え、95±5℃、0.06MPa以下となるように制御し、揮発するトルエンと水を冷却器で凝縮させ、トラップで分離したトルエンを反応容器に連続的に戻しながら6時間反応させた。反応後、80±10℃、10kPaで溶媒を留去することにより、前記アミド化合物のカルボキシル基をベンジルオキシカルボニル基とした化合物(S2−4)を得た。
比較製造例1 [化合物(S1’−1)の製造]
プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物900.0部をポリオキシプロピレントリオール(三洋化成工業株式会社製「サンニックスGP−3000」;Mn3200、水酸基価52.6)3200.0部に、無水トリメリット酸384.0部を無水フタル酸444部に、EOの仕込み量を149.0部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S1’−1)を得た。
比較製造例2 [化合物(S1’−2)の製造]
無水トリメリット酸384.0部を無水フタル酸296部に、EOの仕込み量を99.0部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S1’−2)を得た。
製造例1〜10及び比較製造例1〜2で得られた化合物の分析結果を表1に示す。
Figure 2013060578
<実施例1〜16及び比較例1〜3>
表2に示す配合処方に従って、化合物(S)とポリオール(a1)を容器に仕込み、60℃で15分攪拌して、本発明のポリオール組成物(A−1)〜(A−16)及び比較用のポリオール組成物(A’−1)〜(A’−3)を得た。化合物(S)とポリオール(a1)の分析値を表2に示す。
尚、表2中のPP−2000及びGH−5000、GP−3000の組成は以下の通りである。
・PP−2000:プロピレングリコールにPOを付加させて得られたモル平均官能基数2.0、水酸基価56.1のポリオキシプロピレンポリオール(三洋化成工業株式会社製「サンニックスPP−2000」)
・GH−5000:グリセリンにPOを付加させて得られたモル平均官能基数3.0、水酸基価33.7のポリオキシプロピレンポリオール(三洋化成工業株式会社製「サンニックスGH−5000」)
・GP−3000:グリセリンにPOを付加させて得られたモル平均官能基数3.0、水酸基価56.1のポリオキシプロピレンポリオール(三洋化成工業株式会社製「サンニックスGP−3000」)
Figure 2013060578
<実施例17〜30及び比較例4〜6>
攪拌機及び温度計を備えた反応容器に、表3に示す部数のポリオール組成物(A)及び有機ポリイソシアネート(B)を仕込み、乾燥窒素雰囲気下、70℃で12時間反応させて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物(P−1)〜(P−14)及び比較用の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P’−1)〜(P’−3)を得た。
末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物(P−1)〜(P−14)及び比較用の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P’−1)〜(P’−3)を1液硬化型ポリウレタン系シーラントとして、膜厚が1000μmになるようにポリプロピレン製のトレー上に流延し、50℃で1時間減圧乾燥し、23℃、湿度50%の恒温恒湿器内で5日間静置し、その後50℃で2日間養生をして湿気硬化させた。得られた樹脂の破断伸び及び破断強度をJIS K 7311に準拠して測定した。測定結果を、用いたポリオール組成物(A)中の化合物(S)の含有量及び末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの原料であるポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアネート(B)の合計重量に対する化合物(S)の重量の割合(重量%)と共に表3に示す。
Figure 2013060578
<実施例31〜60及び比較例7〜12>
実施例17〜30及び比較例4〜6で得た末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物(P−1)〜(P−14)及び比較用の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P’−1)〜(P’−3)を2液硬化型ポリウレタン系シーラントの主剤とし、グリセリンにPOを付加させて得られたモル平均官能基数3.0、水酸基価56.1のポリオキシプロピレントリオール(三洋化成工業株式会社製「サンニックスGP−3000」)、ポリオール組成物(A−15)又はポリオール組成物(A−16)を硬化剤とした。
表4及び表5に記載の部数の主剤と硬化剤を減圧下(4kPa)に、プラネタリーミキサーで混練して、膜厚が1000μmになるようにポリプロピレン製のトレー上に流延し、70℃で5日間静置して硬化させた。得られた樹脂の破断伸び及び破断強度をJIS K 7311に準拠して測定した。測定結果を、プレポリマーに用いたポリオール組成物(A)中の化合物(S)の含有量及び主剤中のポリイソシアネート成分(I)と硬化剤中の活性水素成分(H)の合計重量に対する化合物(S)の重量の割合(重量%)と共に表4及び表5に示す。
Figure 2013060578
Figure 2013060578
本発明のポリウレタン系シーラント用ポリオール組成物(A)を使用したシーラントは、従来のものに比べて、破断伸び及び破断強度に優れている。従って、建築用途や防水用途に使用されるシーラントとして特に有用である。

Claims (10)

  1. 一般式(1)で表される化合物(S)と、水酸基価が20〜2000mgKOH/gであり、モル平均官能基数が2〜8である前記(S)以外のポリオール(a1)とを含有することを特徴とするポリウレタン系シーラント用ポリオール組成物(A)。
    Figure 2013060578
    [一般式(1)中、X1はm価の活性水素含有化合物からc個の活性水素を除いた残基を表し;cは1≦c≦mを満たす整数を表し;mは1〜20の整数を表し;X2は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表し、複数のX2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X2とX1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いた残基を表し、Yの芳香環は炭素原子から構成され、その炭素原子にはカルボキシル基以外の置換基及び/又はハロゲン原子が結合していてもよいが少なくとも一つの炭素原子は置換基が結合しておらず;aは1以上の整数を表し、bは0以上の整数を表し、かつ、2≦a+b≦d−2を満たし;dは前記芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基を含む全ての置換基を水素原子に置換した場合の芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子の数、即ち芳香環上で置換可能な部位の数を表す。]
  2. 前記化合物(S)の水酸基価が0又は70〜500mgKOH/gである請求項1記載のポリオール組成物。
  3. 前記化合物(S)におけるYの濃度が、1.0〜3.5mmol/gである請求項1又は2記載のポリオール組成物。
  4. 前記化合物(S)のカルボニル基濃度が2.0〜10.0mmol/gである請求項1〜3のいずれか記載のポリオール組成物。
  5. 前記3価以上の芳香族ポリカルボン酸が、前記芳香環を構成し置換基が結合していない炭素原子に隣接する2個の炭素原子にカルボキシル基が結合した構造を有する請求項1〜4のいずれか記載のポリオール組成物。
  6. 前記カルボキシル基が結合した炭素原子に隣接する炭素原子の少なくとも一方に更にカルボキシル基が結合した構造を有する請求項5記載のポリオール組成物。
  7. 前記化合物(S)の含有量が、ポリオール組成物(A)の重量を基準として0.01〜10重量%である請求項1〜6のいずれか記載のポリオール組成物。
  8. 前記ポリオール(a1)が、単環多価フェノール又はビスフェノールの水酸基に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが水酸基1個当たり1モル付加したポリオール、炭素数2〜20の多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、シリコーンポリオール、重合体ポリオール、ポリジエンポリオール、ポリジエンポリオールの水添物、アクリル系ポリオール、天然油系ポリオール及び天然油系ポリオールの変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種類のポリオールである請求項1〜7のいずれか記載のポリオール組成物。
    組成物。
  9. ポリイソシアネート成分(I)を含有する主剤と活性水素成分(H)を含有する硬化剤とからなり、下記(1)及び/又は(2)を満たすことを特徴とする2液硬化型ウレタン系シーラント;
    (1)前記ポリイソシアネート成分(I)が、請求項1〜8のいずれか記載のポリオール組成物と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物を含有する;
    (2)前記活性水素成分(H)が、請求項1〜8のいずれか記載のポリオール組成物を含有する。
  10. 請求項1〜8のいずれか記載のポリオール組成物と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物を含有することを特徴とする1液硬化型ウレタン系シーラント。
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