JP7295933B2 - 硬化性ウレタン組成物 - Google Patents
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Description
(i)前記(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(i)前記(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する
本発明において、化合物(S)は前記一般式(1)で表される化合物である。本発明においては、上記(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物であることにより、水酸基成分(A)及び/又はイソシアネート成分(B)中にカルボキシル基を含有する。無機フィラーは一般的に極性が高いため、高極性のカルボキシル基との親和性が高い。そこで、水酸基成分(A)及び/又はイソシアネート成分(B)中に化合物(S)に由来するカルボキシル基を含有することにより、(A)及び/又は(B)と無機フィラー(C)との親和性が高くなり、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性が良くなると推定される。また、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性が良くなるため無機フィラー(C)の二次凝集物が少なくなり基材との密着面の平滑性が向上し、接着面積が大きくなり基材接着性が向上すると推定される。
Yは芳香族テトラカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いた残基を表し、Yの芳香環は炭素原子から構成され、その炭素原子にはカルボキシル基以外の置換基及び/又はハロゲン原子が結合していてもよい。
前記ハーフエステル化物は、一般式(1)において、2つのカルボシキル基が左下と右下に配置され、2つのエステル基が左上と右上に配置されているものであるが、例えば2つのカルボシキル基が左下と右上に配置され、2つのエステル基が左上と右下に配置されているものである態様も存在する。本発明においてはその両者を区別しない。
これらの内、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、EO、PO及びTHFが好ましい。
AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、AOを2種以上併用する場合の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
尚、本発明において、水酸基価はJIS K1557-1に準拠して測定される。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2個のカルボキシル基が芳香環の隣り合う炭素に結合し無水物基となっているものを2つ有する化合物であれば、1つの芳香環に無水物基を2つ有する化合物でも、2以上の芳香環を有し異なる芳香環に無水物基を1つずつ合計2つ有する化合物でもよく、炭素数10~30の芳香族テトラカルボン酸二無水物が含まれ、例えばピロメリット酸二無水物、ジブロモピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシビスフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-(エチン-1,2-ジイル)ビスフタル酸二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフタル酸二無水物、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸二無水物、3,4’-又は4,4’-オキシビスフタル酸二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフタル酸二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物及びビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボン酸)1,4-フェニレン二無水物等が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族テトラカルボン酸としては、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性及び硬化物の基材接着性の観点から、好ましいのはピロメリット酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸及び3,3’,4,4’-ジフェニルメタンテトラカルボン酸であり、更に好ましいのはピロメリット酸である。
ここにおける酸価は、JIS K0070:1992に準じて測定される値である。
化合物(S)の酸価が20mgKOH/g以上であると硬化物の基材接着性が良好である傾向があり、180mgKOH/g以下であると硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性が良好である傾向がある。
化合物(S)の水酸基価が20mgKOH/g以上であると、化合物(S)中のカルボキシル基の濃度が適度となり、硬化物の基材接着性が良好である傾向があり、180mgKOH/g以下であると、化合物(S)中の水酸基がイソシアネート基と反応して生成する凝集力の高いウレタン基と、化合物(S)中のカルボキシル基とが離れて存在することができるため、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性が良好である傾向がある。
Yの濃度は、例えば、化合物(S)の化学式量又は数平均分子量(Mn)を用いて、下記数式(1)から算出することができる。
Yの濃度=1/Mn (1)
カルボニル基の濃度=Yの濃度×4 (2)
水酸基成分(A)としては、前記化合物(S)及び前記化合物(S)以外のその他の水酸基成分(a)が挙げられる。
その他の水酸基成分(a)としては、数平均分子量(以下、Mnと略記)が300未満の低分子ポリオール(a1)、Mnが300以上の高分子ポリオール(a2)、前記(ii)の「化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー」(a3)、並びに(a3)以外の水酸基を有するウレタンプレポリマー(a4)等が挙げられる。水酸基成分(A)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記その他の水酸基成分(a)のうち、好ましいのは(a2)であり、更に好ましいのはポリカーボネートジオールを含むものである。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
ム塩(テトラアルキルアンモニウム等)塩である。
また、硬化物の基材接着性の観点から好ましいのは、水酸基以外の官能基を有する炭素数5~20のポリオールであり、更に好ましいのはカルボキシル基を含有する2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸及び2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸である。
上記におけるAO付加モル数は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、好ましくは2~100モル、更に好ましくは2~50モル、特に好ましくは2~30モルである。
尚、ビスフェノール系化合物のAO付加物の場合、AO付加モル数は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から好ましくは2~10モル、更に好ましくは2~6モル、特に好ましくは2~4モルである。
上記(a22)のうち、好ましいのはポリカーボネートジオールである。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
ポリアルカジエンポリオールとしては、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール及び水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
アミノ基含有ポリオールとしては、例えばポリ(n=2~6)アルキレン(炭素数2~6)ポリ(n=3~7)アミンのAO付加物[N,N,N’,N’,N”-ペンタキス(2-ヒドロキシプロピル)-ジエチレントリアミン等]が挙げられる。
(a3)以外の水酸基を有するウレタンプレポリマー(a4)としては、(a1)及び(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種と、後述のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)及びイソシアネート変性体(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート成分(B)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2~18の脂肪族イソシアネート(b1)、炭素数8~15の芳香脂肪族イソシアネート(b2)、炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b3)、これらのイソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、ウレトイミン基、カルボジイミド基及び/又はウレトジオン基を有するイソシアネート変性体(b4)、前記(iii)の「化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー」(b5)、前記(b5)以外のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b6)等が挙げられる。イソシアネート成分(B)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
3~8価の多価アルコールとイソシアネート(b1)、(b2)及び(b3)からなる群より選ばれる少なくとも1種との反応物であるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有すると、硬化性ウレタン組成物の硬化後の架橋度が高くなり、硬化物の凝集力が高くなる傾向があるため、基材塗工後の接着力が良好になる傾向がある。
また、イソシアネート成分(B)中のイソシアネート基含量(イソシアネート成分(B)中に含まれるイソシアネート基の重量割合、以下同じ)は、硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは0.5~50重量%、更に好ましくは1~35重量%、特に好ましくは3~30重量%、とりわけ好ましくは4~25重量%、最も好ましくは12~24重量%である。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)を含有する。
無機フィラー(C)としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フライアッシュ、脱水汚泥、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、焼成タルク、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、シリカバルーン、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、製鉄スラグ、銅、鉄、酸化鉄、カーボンブラック、センダスト、アルニコ磁石、各種フェライト等の磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、三酸化アンチモン、マグネシウムオキシサルフェイト、水和アルミニウム、水和石膏、ミョウバン、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト、亜鉛華、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等)等が挙げられる。
無機フィラー(C)の体積平均粒径は、好ましくは0.01~20μmである。
これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらのうち、硬化性ウレタン組成物の硬化性の観点から、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、タルク、ウォラストナイト、シリカ及び酸化鉄が好ましい。
硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の重量と化合物(S)の重量(前記(ii)、(iii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)との重量比率(無機フィラー/化合物(S))は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、2~90が好ましく、更に好ましくは3~85である。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)を含有する硬化性ウレタン組成物であって、以下の(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物である。
(i)前記(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する。
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる満タンに水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する。
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、無機フィラー(C)の分散のさせやすさ及び製造のしやすさの観点から、前記水酸基成分(A)を含有する主剤と、イソシアネート成分(B)を含有する硬化剤とからなる2液硬化性ウレタン組成物であり、主剤及び/又は硬化剤に無機フィラー(C)を含有するものであることが好ましい。
また、2液硬化性ウレタン組成物である場合、分散性の観点から、化合物(S)を含む(構成単量体として含有するものを含む)成分中に無機フィラー(C)を含有するものであることが好ましい。つまり、前記(i)及び/又は(ii)の場合は主剤中に無機フィラー(C)を含有することが好ましく、(iii)の場合は硬化剤中に無機フィラー(C)を含有することが好ましい。
硬化性ウレタン組成物中の化合物(S)の含有量(前記(ii)、(iii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)は、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)の合計重量を基準として硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、好ましくは0.1~50重量%、更に好ましくは0.5~30重量%、特に好ましくは1~20重量%である。
水酸基成分(A)中の化合物(S)の含有量(前記(ii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)は、水酸基成分(A)の重量に基づいて、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、好ましくは1~99重量%、更に好ましくは5~70重量%、特に好ましくは10~60重量%である。
硬化性ウレタン組成物中の化合物(S)に由来する前記一般式(1)におけるYの濃度は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、硬化性ウレタン組成物の重量を基準として、0.005~0.4mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.01~0.3mmol/gである。
Yの濃度は、硬化性ウレタン組成物を製造する際の仕込み量から算出することができる。
硬化性ウレタン組成物の酸価は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、硬化性ウレタン組成物の重量を基準として、0.8~45mgKOH/gが好ましく、更に好ましくは1~30mgKOH/gである。
硬化性ウレタン組成物の酸価は、硬化性ウレタン組成物中のNCO含有量から算出される当量のモノアミンでイソシアネート基をつぶす(イソシアネート基にモノアミンを反応させてウレア基にする)以外はJIS K0070:1992に記載の方法に準じて測定することができる。
溶剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、硬化性ウレタン組成物のハンドリング性及びレベリング性の観点から好ましくは80重量%以下、更に好ましくは10~50重量%である。
これらの内、接着性の観点から酸価及び/又は水酸基価を有するものが好ましく、ロジン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂及びこれらの水素添加物が更に好ましく、テルペンフェノール樹脂及びその水素添加物が特に好ましい。
触媒の使用量は特に限定はないが、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.0001~0.3重量%、更に好ましくは0.001~0.2重量%、特に好ましくは0.01~0.1重量%である。
酸化防止剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、酸化防止効果及び硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.05~1重量%である。
ドロキシ-3’-(3”,4”,5”,6”-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]等}、シアノアクリレート化合物(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、紫外線吸収効果及び硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.1~1重量%である。
可塑剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、硬化物の基材接着性及び凝集力の観点から好ましくは100重量%以下、更に好ましくは0.5~30重量%である。
顔料の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、凝集力の観点から、好ましくは250重量%以下、更に好ましくは0.1~50重量%である。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物は、前記本発明の硬化性ウレタン組成物をウレタン化反応させて硬化した物である。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基濃度は、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは0.02~4.5mmol/g、更に好ましくは0.03~4.3mmol/g、特に好ましくは0.04~4.0mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基濃度は、硬化物の基材接着性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.01~0.8mmol/g、更に好ましくは0.02~0.7mmol/g、特に好ましくは0.03~0.65mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレア基濃度は、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは0.02~1.6mmol/g、更に好ましくは0.03~1.5mmol/g、特に好ましくは0.04~1.4mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレア基濃度は、硬化物の基材接着性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.01~0.40mmol/g、更に好ましくは0.03~0.37mmol/g、特に好ましくは0.05~0.35mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基及びウレア基の合計濃度は、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは0.04~6.1mmol/g、更に好ましくは0.06~5.8mmol/g、特に好ましくは0.08~5.4mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基及びウレア基の合計濃度は、硬化物の基材接着性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.02~1.2mmol/g、更に好ましくは0.05~1.07mmol/g、特に好ましくは0.08~1.00mmol/gである。
架橋点密度とは、ウレタン樹脂中の架橋点のモル濃度を意味し、官能基数3以上の水酸基成分(A)及び官能基数3以上のイソシアネート成分(B)の官能基数及びウレタン樹脂中における合計モル濃度(mmol/g)を適切な範囲に設定することにより調整可能である。
架橋点密度は、下記数式(1)から求めることができる。
架橋点密度(mmol/g)={Σ(fa-2)×wa/ma}/W×1000 (1)
fa:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの官能基数
wa:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの重量(g)
ma:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの分子量(g/mоl)
W:水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量(g)
硬化温度における硬化性ウレタン組成物の粘度(主剤及び硬化剤を混合したものの粘度)は、成形性(厚塗りができ、硬化後に反り及びヒケ等の外観不良がないこと)及び塗工性の観点から、好ましくは0.01~100Pa・s、更に好ましくは0.02~50Pa・s、特に好ましくは0.03~10Pa・sである。
シートの好ましい厚みは特性や用途によって異なるが、小型化、薄型化の要望の強い部材の場合には10~500μmと薄い方が好ましく、より好ましくは10~300μmである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物からなるシートには、粘着剤をコーティングしたり、両面テープを貼り付けることにより、シート自体に粘着層を付与することができる。
反応容器中にポリ(オキシプロピレン)グリコール[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP-1000」:Mn=1000]1000重量部及び無水ピロメリット酸109重量部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌、混合して100±10℃で3時間反応させ酸無水物基部分のハーフエステル化を行い、無水ピロメリット酸1モルにポリ(オキシプロピレン)グリコールが2モル反応した化合物(S-1)を得た。
ポリ(オキシプロピレン)グリコール1000重量部をポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]650重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S-2)を得た。
ポリ(オキシプロピレン)グリコール1000重量部をポリエステルジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター4610」(ポリエチレンブチレンアジペート):Mn=1070]1070重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S-3)を得た。
ポリ(オキシプロピレン)グリコール1000重量部をビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]410重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S-4)を得た。
ポリ(オキシプロピレン)グリコール1000重量部をポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG250」:Mn=250]250重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S-5)を得た。
ポリ(オキシプロピレン)グリコール1000重量部をポリカーボネートジオール[旭化成(株)製「デュラノール T4671」:Mn=1000]1000重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S-6)を得た。
反応容器中にプロピレングリコールのPO/EOブロック付加物[三洋化成工業(株)製「サンニックスPL-910」:Mn=900、水酸基価=124.7]900重量部、無水トリメリット酸384重量部及びアルカリ触媒(N-エチルモルホリン)2.0重量部を仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、100±10℃で5時間反応させ酸無水物基部分のハーフエステル化を行い、プロピレングリコールのPO/EOブロック付加物1モルに無水トリメリット酸が2モル反応したエステル化物を得た。続いてEO198重量部を100±10℃で、圧力が0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、100±10℃で1時間熟成して、前記エステル化合物のカルボキシル基にEOを付加させた比較用の化合物(比S-1)を得た。
反応容器中にビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]170重量部及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[東ソー(株)製「ミリオネートMT」、NCO含有量33.6重量%]320重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して70~80℃で3時間反応させた後、カルボジイミド変性4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[BASF INOACポリウレタン(株)製「ルプラネートMM-103」、NCO含有量29.5重量%]510重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-1)を得た。
ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物をポリテトラメチレングリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]260重量部に代え、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[東ソー(株)製「ミリオネートMT」、NCO含有量33.6重量%]を310重量部に、カルボジイミド変性4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[BASF INOACポリウレタン(株)製「ルプラネートMM-103」、NCO含有量29.5重量%]を430重量部に変える以外は製造例6と同様にして、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-2)を得た。
反応容器中にポリテトラメチレングリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]346重量部、4、4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと4、2-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物[BASF INOAC ポリウレタン(株)製「モノメリックMDI-MI」、NCO含有量33.6重量%]654重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-3)を得た。
反応容器中にポリ(オキシプロピレン)グリコール[三洋化成工業(株)製「PP-1000」」:Mn=1000]590重量部、(S-1)235重量部及びヘキサメチレンジイソシアネート[旭化成(株)製「デュラネート50M」、NCO含有量50.0重量%]175重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して70~80℃で10時間反応して、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-4)を得た。
反応容器中にポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG1000」:Mn=1000]550重量部、(S-2)220重量部及びイソホロンジイソシアネート[住化コベストロウレタン(株)「DESMODUR I」、NCO含有量37.8重量%]230重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して70~80℃で10時間反応して、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-5)を得た。
反応容器中にひまし油系ポリオール[豊国製油(株)製「ELA-DR」:Mn=950、水酸基平均3官能]484重量部、4、4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと4、2-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物[BASF INOAC ポリウレタン(株)製「モノメリックMDI-MI」、NCO含有量33.6重量%]516重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-6)を得た。
反応容器中にポリエステルジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター4610」:Mn=1,070]412重量部、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[東ソー(株)製「ミリオネートMT」、NCO含有量33.6重量%]88重量部を仕込み、窒素気流下、撹拌、混合して60~70℃で6時間反応させ、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-1)を得た。
反応容器中にポリ(オキシプロピレン)グリコール[三洋化成工業(株)製「PP-1000」」:Mn=1000]500重量部、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[東ソー(株)製「ミリオネートMT」、NCO含有量33.6重量%]112重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して60~70℃で6時間反応させ、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-2)を得た。
反応容器中にポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG1000」:Mn=1000]273重量部、ポリテトラメチレングリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]60重量部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-20T」:Mn=320]305重量部、化合物(S-2)140重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート[旭化成(株)製「デュラネート50M」、NCO含有量50.0重量%]222重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して80~90℃で6時間反応させ、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-3)を得た。
反応容器中にポリテトラメチレングリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]748重量部、(S-2)92重量部及びイソホロンジイソシアネート[住化コベストロウレタン(株)「DESMODUR I」、NCO含有量37.8重量%]160重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して80~90℃で5時間反応させ、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-4)を得た。
反応容器中にポリ(オキシプロピレン)グリコール[三洋化成工業(株)製「PP-1000」」:Mn=1000]650重量部、(S-4)260重量部及びヘキサメチレンジイソシアネート[旭化成(株)製「デュラネート50M」、NCO含有量50.0重量%]90重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して70~80℃で10時間反応させ、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-5)を得た。
反応容器中にポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG1000」:Mn=1000]466重量部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]186重量部、(S-1)140重量部及びイソホロンジイソシアネート[住化コベストロウレタン(株)「DESMODUR I」、NCO含有量37.8重量%]208重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して80~90℃で8時間反応させ、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-6)を得た。
表3又は4に示す部数の各成分を用いて、水酸基成分(A)と無機フィラー(C)とを混合して主剤とし、イソシアネート成分(B)を硬化剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y1)~(Y11)、(Y13)~(Y17)、(Y20)~(Y27)及び(比Y1)~(比Y4)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y1)~(Y11)、(Y13)~(Y17)、(Y20)~(Y27)及び(比Y1)~(比Y4)の主剤及び硬化剤を、表3又は4に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
表4に示す部数の各成分を用いて、イソシアネート成分(B)と無機フィラー(C)とを混合して硬化剤とし、水酸基成分(A)を主剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y18)~(Y19)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y18)~(Y19)の主剤及び硬化剤を、表4に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
表3に示す部数の各成分を用いて、半量の無機フィラーと水酸基成分(A)とを混合して主剤とし、半量の無機フィラーとイソシアネート成分(B)とを混合して硬化剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y12)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y12)の主剤及び硬化剤を、表3に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
・(S-1)~(S-6)及び(比S-1):製造例1~6、比較製造例1で得られた化合物
・(a-1)~(a-6):製造例17~22で得られた末端水酸基を有するウレタンプレポリマー
・(a-7):ポリエーテルジオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP-1000」:Mn=1000]
・(a-8):ポリテトラメチレングリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]
・(a-9):ポリエステルジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター4610」:Mn=1070]
・(a-10):ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]
・(a-11):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスGP-250」:Mn=250、水酸基平均3官能]
・(a-12):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「ニューポールNP-300」:Mn=300、水酸基平均4官能]
・(a-13):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスSP-750」:Mn=750、水酸基平均6官能]
・(a-14):ポリカーボネートジオール[旭化成(株)製「デュラノール G4672」:Mn=2000]
・(a-15):ポリカーボネートジオール[旭化成(株)製「デュラノール T4671」:Mn=1000]
・(a-16):ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-20T」:Mn=320]
・(b-7):イソシアヌレート(ヘキサメチレンジイソシアネート3量体化合物)[旭化成(株)製「デュラネートTPA-100」、イソシアネート基平均3官能]
・(b-8):イソホロンジイソシアネート[Evonik製「ベスタナート IPDI」、イソシアネート基平均2官能]
・(b-9):ヘキサメチレンジイソシアネート[旭化成(株)製「デュラネート50M」、イソシアネート基平均2官能]
・(b-10):4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[東ソー(株)製「ミリオネート MT」、イソシアネート基平均2官能]
・(C-1):炭酸カルシウム[備北粉化工業(株)製「ライトンA」平均粒子径:1.8μm]
・(C-2):アルミナ[アドマテックス製「アドマファイン AO-509」粒径:7~13μm]
・(C-3):酸化鉄[ナカライテスク(株)製「酸化鉄(III)」]
実施例又は比較例で得た硬化性ウレタン組成物を、それぞれ離型箱(縦20cm×横10cm×深さ2.5cm)に硬化後の厚みが2mmとなるように流し込み、100℃の循風乾燥機に10時間乾燥した後、50℃のインキュベーターで3日養生後、ダンベルを作成した。
作成したダンベルを用いて、JIS K7311に準拠して、引張強度を測定し、その値を表3~4に示す。引張強度の数値が大きいほど無機フィラーの分散性が良く(A)及び(B)の硬化物と無機フィラー(C)との界面密着性が高いことを意味する。
実施例又は比較例で得た硬化性ウレタン組成物を、それぞれPETフィルム(膜厚50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、100℃の循風乾燥機で5分乾燥した後、ロールを用いてPETフィルムを貼り合わせて、50℃のインキュベーターで3日間養生し、ラミネートフィルムを得た。
ラミネートフィルムを200mm×25mmの大きさに裁断し、引張試験機を用い、23℃で引っ張り速度300mm/分の条件でT型剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。測定は5つの試料について行い、その平均値を表3~4に示す。
(2)において、PETフィルム(膜厚50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後の外観を観察し、無機フィラーの分散性を以下の評価水準で評価した。結果を表3~4に示す。
<評価水準>
〇:塗工面にかすれが発生せず、無機フィラーの浮きもない。
△:塗工面にかすれがわずかに発生し、無機フィラーの浮きがある。
×:塗工面にかすれが発生し、無機フィラーの浮きが目立つ。
一方、硬化性ウレタン組成物の硬化物中に化合物(S)を構成単量体として含まない比較例1~4は、無機フィラーの分散性が悪く、硬化物の機械物性も低く、比較例1~2は基材接着性も低くなることが分かる。特に、化合物(S)を構成単量体として含む実施例10又は19と、それ以外の条件はほぼ同じ比較例1又は2とを比較すると、比較例1及び2は機械物性、基材接着性及び無機フィラーの分散性の全てにおいて劣っていることが分かる。また、実施例11と比較例3との比較から、化合物(S)を用いずにウレタン基とウレア基の合計濃度を高くすることで基材接着性は高くできるものの、無機フィラーの分散性が極めて低くなることがわかる。さらに、芳香族テトラカルボン酸の全てのカルボキシル基が反応した化合物(比S-1)を用いた比較例4と、化合物(S)を構成単量体として含む実施例10との比較から、化合物(比S-1)を用いることで基材接着性は高くすることができるものの、無機フィラーの分散性が極めて劣ることが分かる。
Claims (7)
- 水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)を含有する硬化性ウレタン組成物であって、前記硬化性ウレタン組成物中の下記一般式(1)におけるYの濃度が、前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、0.01~0.8mmol/gであって、前記硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の含有量が、硬化性ウレタン組成物の重量を基準として、50~95重量%であって、以下の(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物。
(i)前記(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する
- 前記硬化性ウレタン組成物が、前記水酸基成分(A)を含有する主剤と、イソシアネート成分(B)を含有する硬化剤とからなる2液硬化性ウレタン組成物であり、主剤及び/又は硬化剤に無機フィラー(C)を含有する請求項1に記載の硬化性ウレタン組成物。
- 前記化合物(S)の水酸基価が20~180mgKOH/gである請求項1又は2に記載の硬化性ウレタン組成物。
- 前記芳香族テトラカルボン酸が、ピロメリット酸である請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性ウレタン組成物。
- 前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準とする酸価が、1.7~90mgKOH/gである請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性ウレタン組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性ウレタン組成物の硬化物。
- 前記硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基濃度が、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、0.02~4.5mmоl/gである請求項6に記載の硬化物。
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