JP7295341B2 - 2液型ポリウレタン接着剤及び被着体 - Google Patents

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Description

本発明は、2液型ポリウレタン接着剤及び被着体に関する。
従来、ポリオール組成物の主剤とイソシアネート組成物の硬化剤からなる2液型ウレタン接着剤としては、ポリウレタンポリオールを主成分とする主剤とポリウレタンポリイソシアネートを主成分とする硬化剤から成る2液硬化型ポリウレタン接着剤が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
また、ウレタンプレポリマーを含有する主剤と、1分子中に2個以上の活性水素基を有する化合物を含有する硬化剤と、を有する2液硬化型ウレタン接着剤であって、前記硬化剤にテルペン化合物を含有する、2液硬化型ウレタン接着剤が知られている。(例えば、特許文献2参照)。
特開平5-311146号公報 特開2015-131940号公報
しかしながら、特許文献1に記載の接着剤は溶剤を含有しているため安全性に課題があった。そのため、溶剤含有が問題になる用途に使用することが困難であった。また、特許文献2に記載の接着剤は溶剤を使用していないため安全性には優れるが、接着強度(樹脂強度)、耐熱性及び耐久性等の接着特性に課題があった。
また、接着強度や耐熱性に優れる2液型接着剤としてはエポキシ系接着剤が知られているが、柔軟性が低く、振動や衝撃がかかる部分に使用した際に不具合が生じることがある。加えて、エポキシ系接着剤は、硬化速度が比較的遅く、垂れやすいために接着時の塗工性にも課題がある。
本発明の目的は、安全性に優れ、かつ樹脂強度、耐熱性、耐久性及び塗工性が良好な2液型ポリウレタン接着剤を提供することにある。
本発明者らは前記課題に鑑み、鋭意検討した結果、前記課題が解決できることを見いだし、本発明に到達した。即ち本発明は、6~14官能のポリオールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(a)を必須成分とするポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤であって、前記イソシアネート成分(B)全体のNCO含量が18重量%~30重量%であり、かつ前記2液型ポリウレタン接着剤の硬化後のガラス転移温度が100℃~150℃である2液型ポリウレタン接着剤、及び前記2液型ポリウレタン接着剤で接着されてなる被着体である。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤を硬化させてなる硬化物は、従来の接着剤と比較して以下の効果を有する。
(1)破断強度や硬度等の樹脂強度に優れ、かつ耐久性に優れる。
(2)耐寒性及び耐熱性に優れ、優れた接着力を有する。
(3)低臭気性(特異臭がない)であり、溶出が少なく低汚染性(非溶出性)であるため、安全性に優れる。
(4)柔軟性及び靭性に優れる。
(5)塗工後に接着剤が垂れづらいため、塗工性に優れる。
<主剤(X)>
本発明における主剤(X)は、6~14官能のポリオールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(a)を必須成分とするポリオール成分(A)を含有する。
前記6~14官能のポリオールとしては例えば炭素数6~20の6~14価のアルコール[脂肪族ポリオール(ソルビトール、マンニトール、ジペンタエリスリトール等)及び多糖類(スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース、セロビオース、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース、アカルボース、スタキオース等)]が挙げられる。これらのうち好ましいのは加工性(接着剤の粘度)の観点から、ソルビトール及びスクロースである。接着剤の粘度が向上すると、接着剤の塗工性が向上する。
前記ポリエーテルポリオール(a)は上記6~14官能のポリオールにエチレンオキサイド(以下において、EOと記載する場合がある)及び/又はプロピレンオキサイド(以下において、POと記載する場合がある)を付加して得られる。EO及び/又はPOの付加方法としては特に限定されないが公知の方法を用いることができる。
前記ポリエーテルポリオール(a)のエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加数の合計は加工性と耐熱性及び低溶出性の観点から、水酸基1つあたり好ましくは1.0~2.0であり、更に好ましくは1.1~1.8であり、特に好ましくは1.2~1.6であり、最も好ましくは1.3~1.5である。
前記ポリオール成分(A)の水酸基価は加工性と耐熱性及び塗工性の観点から、好ましくは300~900mgKOH/gであり、更に好ましくは300~600mgKOH/gであり、特に好ましくは350~500mgKOH/gである。尚、本発明において、水酸基価はJIS K 1557-1に準拠して測定される。
本発明の主剤(X)はポリオール成分(A)として、ポリエーテルポリオール(a)の他にその他のポリオール成分(a1)を含有することができる。
その他のポリオール成分(a1)としては、例えば、数平均分子量(以下、Mnと略記)が300未満の低分子ポリオール(a11)、Mnが300以上の高分子ポリオール(a12)、並びにこれらと後述のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)、(b4)及び/又はイソシアネート変性体(b5)とを反応させて得られる末端に水酸基を有するプレポリマー(a13)等が挙げられる。前記末端に水酸基を有するプレポリマー(a13)はイソシアネート基を有していないことが好ましい。その他のポリオール成分(a1)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明における数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶剤として用い、ポリオキシプロピレングリコールを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。サンプル濃度は0.25重量%、カラム固定相はTSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの、カラム温度は40℃とすればよい。
Mnが300未満の低分子ポリオール(a11)には、化学式量が300未満のポリオールも含まれ、具体的には、炭素数2~20の2価アルコール、炭素数3~20の3価~5価の多価アルコール及び水酸基以外の官能基を有する炭素数5~20のポリオール等が挙げられる。
炭素数2~20の2価アルコールとしては、例えば炭素数2~12の脂肪族2価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-、2,3-、1,3-又は1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール、ドデカンジオール等のモノ又はポリアルキレングリコール);炭素数6~10の脂環含有2価アルコール(1,4-シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等);炭素数8~20の芳香脂肪族2価アルコール[キシリレングリコール及びビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]等が挙げられる。
炭素数3~20の3価~5価の多価アルコールとしては、例えば(シクロ)アルカンポリオール及びそれらの分子内又は分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6-ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリン等]、並びにN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアルキレンジアミンのアルキレンオキサイド(以下において、AOと記載する場合がある)付加物等が挙げられる。
水酸基以外の官能基を有する炭素数5~20のポリオールとしては、カルボキシル基を有するポリオール;ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等、アミノ基を有するポリオール;ヒドロキシアルキル基の炭素数2~18のジアルカノールモノアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。
Mnが300以上の高分子ポリオール(a12)としては、ポリエーテルポリオール(a121)、ポリエステルポリオール(a122)及びその他のポリオール(a123)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a121)としては、例えばポリ(オキシアルキレン)グリコール[ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシ-3-メチルテトラメチレン)グリコール等]、共重合ポリ(オキシアルキレン)ジオール[EO/PO共重合ジオール、THF/EO共重合ジオール及びTHF/3-メチルテトラヒドロフラン共重合ジオール等(重量比は例えば1/9~9/1)]及びビスフェノール系化合物のAO付加物;3官能以上のポリエーテルポリオール、例えば3価以上の多価アルコールのAO付加物[グリセリンのAO付加物及びトリメチロールプロパンのAO付加物等];並びにこれらの1種以上をメチレンジクロライドでカップリングしたものが挙げられる。なお、THFはテトラヒドロフランを意味する。
上記におけるビスフェノール系化合物としては例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールE及びビスフェノールF等、詳しくは特開2008-126108号公報等に記載されたものが挙げられる。
上記におけるAO付加モル数は、接着力の観点から好ましくは2~100モル、更に好ましくは2~50モル、特に好ましくは2~30モルである。
尚、ビスフェノール系化合物のAO付加物の場合、AO付加モル数は接着剤の凝集力の観点から好ましくは2~10モル、更に好ましくは2~6モル、特に好ましくは2~4モルである。接着剤の凝集力が向上すると樹脂強度が向上する。
ポリエステルポリオール(a122)としては、例えば縮合ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ヒマシ油系ポリオール及びポリカーボネートポリオールが挙げられる。
縮合ポリエステルポリオールとしては、Mnが300未満の低分子ポリオール(a11)又はポリエーテルポリオール(a121)と、ポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(酸無水物及び炭素数1~4のアルキルエステル等)との重縮合物等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸及び3価~4価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられ、具体的には、炭素数2~30又はそれ以上(好ましくは炭素数2~12)の飽和又は不飽和の脂肪族ポリカルボン酸[炭素数2~15ジカルボン酸(シュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等)及び炭素数6~20トリカルボン酸(トリカルバリル酸及びヘキサントリカルボン酸等)等];炭素数8~15の芳香族ポリカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等のジカルボン酸並びにトリメリット酸及びピロメリット酸等のトリ又はテトラカルボン酸等];炭素数6~40の脂環式ポリカルボン酸(ダイマー酸等);及びスルホ基含有ポリカルボン酸[上記ポリカルボン酸にスルホ基を導入してなるもの、例えばスルホコハク酸、スルホマロン酸、スルホグルタル酸、スルホアジピン酸及びスルホイソフタル酸及びそれらの塩(例えば金属塩、アンモニウム塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩)];並びに末端にカルボキシル基を有するポリマー等が挙げられる。
末端にカルボキシル基を有するポリマーとしては、ポリエーテルポリカルボン酸[例えばMnが300未満の低分子ポリオール(a11)又はポリエーテルポリオール(a121)等のポリオールのカルボキシメチルエーテル(アルカリの存在下にモノクロル酢酸を反応させて得られるもの等)];ポリアミド及び/又はポリエステルポリカルボン酸[例えば上記ポリカルボン酸を開始剤として炭素数4~15のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等)又は炭素数4~15のラクトン(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン及びε-カプロラクトン等)を開環重合させてなるポリラクタムポリカルボン酸及びポリラクトンポリカルボン酸]等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、水又はMnが300未満の低分子ポリオール(a11)を開始剤とする炭素数4~15のラクトン(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン及びε-カプロラクトン等)の開環付加物等が挙げられる。
ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、部分脱水ヒマシ油、部分アシル化ヒマシ油、水添ヒマシ油及びこれらの変性物[ポリエーテルポリオール(a121)若しくはMnが300未満の低分子ポリオール(a11)とヒマシ油、部分脱水ヒマシ油若しくは水添ヒマシ油とのエステル交換反応により得られるエステルポリオール、及びポリエーテルポリオール(a121)若しくはMnが300未満の低分子ポリオール(a11)とヒマシ油脂肪酸若しくは水添ヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られるエステル等]等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、Mnが300未満の低分子ポリオール(a11)を開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合物及びMnが300未満の低分子ポリオール(a11)とジフェニル又はジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)物等が挙げられる。
その他のポリオール(a123)としては、ポリマーポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアルカジエンポリオール、アクリルポリオール及びアミノ基含有ポリオール等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、1種以上のポリオール中で炭素数3~24のビニル単量体(例えばスチレン、アクリロニトリル)をラジカル重合開始剤の存在下で重合させた重合体粒子を分散安定化させてなるポリオール(重合体含量は例えば5~30重量%)が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
ポリアルカジエンポリオールとしては、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール及び水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1~30)エステル[ブチル(メタ)アクリレート等]と水酸基含有アクリルモノマー[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等]との共重合体等が挙げられる。
アミノ基含有ポリオールとしては、例えばポリ(n=2~6)アルキレン(炭素数2~6)ポリ(n=3~7)アミンのAO付加物[N,N,N’,N’,N”-ペンタキス(2-ヒドロキシプロピル)-ジエチレントリアミン等]が挙げられる。
Mnが300以上の高分子ポリオール(a12)のMnは、好ましくは400~3000であり、更に好ましくは500~2000である。
末端に水酸基を有するプレポリマー(a13)を製造する際の後述のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)、(b4)及び/又はイソシアネート変性体(b5)中のNCO基と、ポリエーテルポリオール(a)、Mnが300未満の低分子ポリオール(a11)及び/又はMnが300以上の高分子ポリオール(a12)中の活性水素との当量比(NCO/活性水素モル比)は、好ましくは0.25/1~0.99/1、更に好ましくは0.5/1~0.95/1、特に好ましくは0.6/1~0.9/1、最も好ましくは0.7/1~0.85/1である。
その他のポリオール成分(a1)のうち、好ましくはMnが300以上の高分子ポリオール(a12)であり、更に好ましくはポリエーテルポリオール(a121)であり、特に好ましくは2~4官能ポリエーテルポリオールであり、最も好ましくはグリセリンのAO付加物及びトリメチロールプロパンのAO付加物である。グリセリンのAO付加物としてはポリオキシプロピレントリオールが挙げられる。
また、その他のポリオール成分(a1)のうち、ポリエステルポリオール(a122)であることも好ましく、更に好ましくはヒマシ油系ポリオールであり、最も好ましくはヒマシ油(精製ヒマシ油)である。
本発明のポリエーテルポリオール(a)の含有量はポリオール成分(A)の重量に基づき、耐熱性と塗工性及び臭気の観点から好ましくは50重量%以上であり、更に好ましくは55重量%以上、耐熱性、臭気及び柔軟性の観点から特に好ましくは60重量%~90重量%である。
前記ポリエーテルポリオール(a)以外のその他のポリオール成分(a1)の含有量はポリオール成分(A)の重量に基づき、耐熱性の観点から好ましくは50重量%以下であり、更に好ましくは45重量%以下であり、耐熱性と柔軟性の観点から特に好ましくは10重量%~40重量%である。
前記Mnが300未満の低分子ポリオール(a11)の含有量はポリオール成分(A)の重量に基づき、耐熱性、低汚染性(低溶出性)の観点から好ましくは20重量%以下である。
<硬化剤(Y)>
本発明における硬化剤(Y)は、イソシアネート成分(B)を含有する。
前記イソシアネート成分(B)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2~18の脂肪族イソシアネート(b1)、炭素数4~15の脂環式イソシアネート(b2)、炭素数8~15の芳香脂肪族イソシアネート(b3)、炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b4)、前記イソシアネート(b1)~(b4)のイソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、ウレトイミン基、カルボジイミド基及び/又はウレトジオン基を有するイソシアネート変性体(b5)、並びに過剰のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)、(b4)及び/又はイソシアネート変性体(b5)とMnが300未満の低分子ポリオール(a11)及び/又はMnが300以上の高分子ポリオール(a12)とから得られる末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(b6)等が挙げられる。前記末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(b6)は水酸基を有していないことが好ましい。イソシアネート成分(B)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
炭素数2~18の脂肪族イソシアネート(b1)としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-又は2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6-ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート及びビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート等が挙げられる。
炭素数4~15の脂環式イソシアネート(b2)としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキシレン-1,2-ジカルボキシレート及び2,5-又は2,6-ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数8~15の芳香脂肪族イソシアネート(b3)としては、m-又はp-キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネート及びα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b4)としては、1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m-又はp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン及び1,5-ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
イソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、ウレトイミン基、カルボジイミド基及び/又はウレトジオン基を有するイソシアネート変性体(b5)としては、MDIのウレトイミン基を有する変成体、HDIのビウレット基を有する変性体及びHDIのイソシアヌレート基を有する変性体等が挙げられる。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(b6)は、Mnが300未満の低分子ポリオール(a11)及び/又はMnが300以上の高分子ポリオール(a12)と、過剰のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)、(b4)及び/又はイソシアネート変性体(b5)とを反応させることにより得られる。この場合、ポリオールの水酸基当量(水酸基1つ当りの分子量、以下同じ)は、接着剤の凝集力等の観点から、好ましくは1,000以下、更に好ましくは30~500である。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(b6)の具体例としては、例えばグリセリンモノ(メタ)アクリレート(1モル)の水添MDI(2モル)付加体、ペンタエリスリトール(1モル)のTDI(4モル)付加体、トリメチロールプロパン(1モル)のHDI(3モル)又はTDI(3モル)付加体、ビスフェノールAのAO2モル付加物(1モル)の水添MDI(2モル)付加体及びポリ(オキシプロピレン)グリコール(1モル)のMDI(2モル)付加体等が挙げられる。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(b6)を構成するMnが300未満の低分子ポリオール(a11)及び/又はMnが300以上の高分子ポリオール(a12)のうち、接着剤の凝集力の観点から、好ましいのは2価~3価のポリオールであり、更に好ましいのは3価のポリオールである。
また、末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(b6)を構成する過剰のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)、(b4)及び/又はイソシアネート変性体(b5)のうち、接着剤の凝集力の観点から、好ましいのは炭素数8~15の芳香脂肪族イソシアネート(b3)、炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b4)及びそれらの変性体であり、更に好ましいのは炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b4)である。
上記イソシアネート成分(B)としては、接着剤の凝集力の観点から、好ましいのは炭素数8~15の芳香脂肪族イソシアネート(b3)、炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b4)、及び末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(b6)であり、更に好ましいのは末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(b6)である。
前記イソシアネート成分(B)全体のNCO含量が18重量%~30重量%であり、好ましくは18重量%~28重量%であり、更に好ましくは18重量%~26重量%である。
前記イソシアネート成分(B)全体のNCO含量が18重量%未満であると耐熱性及び低臭気性が不足し、30重量%を超えると接着剤がもろく割れやすくなる。
前記イソシアネート成分(B)全体のNCO含量は、JIS K 1603-1:2007に従って測定したイソシアネート基含有率(重量%)を示す。
前記イソシアネート成分(B)全体のNCO含量の調整方法を説明する。
イソシアネート成分(B)中のイソシアネート(b1)~(b6)のそれぞれのNCO含量とイソシアネート(b1)~(b6)のそれぞれの含有量とを調整することによりイソシアヌレート成分(B)全体のNCO含量を調整することができる。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤は、硬化反応促進のため必要によりポリウレタンに用いられる触媒を含有することができる。触媒の具体例としては、例えば有機金属化合物[ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウレート、ビスマスカルボキシレート、ビスマスアルコキシド及びジカルボニル基を有する化合物とビスマスとのキレート化合物等]、無機金属化合物[酸化ビスマス、水酸化ビスマス、ハロゲン化ビスマス等];アミン[トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等]及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。触媒の使用量は特に限定はないが、主剤(X)と硬化剤(Y)の合計重量に基づいて、好ましくは0.0001~0.3重量%、更に好ましくは0.001~0.2重量%、特に好ましくは0.01~0.1重量%である。
触媒は主剤(X)及び/又は硬化剤(Y)いずれに添加しても良いが、保存安定性の観点から主剤(X)に添加するのが好ましい。
<2液型ポリウレタン接着剤>
本発明の2液型ポリウレタン接着剤は、前記主剤(X)と、前記硬化剤(Y)とからなる。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で更に粘着性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、充填剤、顔料及び溶剤等の添加剤を含有することができる。前記の添加剤は、主剤(X)及び/又は硬化剤(Y)いずれに添加しても良いが、イソシアネート成分と反応する添加剤については主剤(X)に添加した方が好ましい。
粘着性付与剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、合成石油樹脂(脂肪族、芳香族又は脂環式合成石油樹脂等)、クマロン-インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。粘着性付与剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの内、接着力の観点から酸価及び/又は水酸基価を有するものが好ましく、ロジン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂及びこれらの水素添加物が更に好ましく、テルペンフェノール樹脂及びその水素添加物が特に好ましい。
粘着性付与剤の使用量は、主剤(X)と硬化剤(Y)の合計重量に基づいて、接着剤の接着力及び耐熱性の観点から好ましくは100重量%以下、更に好ましくは1~50重量%、特に好ましくは3~40重量%、とりわけ好ましくは5~35重量%、最も好ましくは10~30重量%である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等〕及び亜リン酸エステル化合物[トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレン-ジ-ホスホナイト等]が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。酸化防止剤の使用量は、主剤(X)と硬化剤(Y)の合計重量に基づいて、酸化防止効果及び接着剤の接着力の観点から好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.05~1重量%である。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体(サリチル酸フェニル、サリチル酸-P-オクチルフェニル、サリチル酸-P-第三ブチルフェニル等)、ベンゾフェノン化合物[2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-スルホベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン等]、ベンゾトリアゾール化合物{2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(3”,4”,5”,6”-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]等}、シアノアクリレート化合物(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。紫外線吸収剤の使用量は、主剤(X)と硬化剤(Y)の合計重量に基づいて、紫外線吸収効果及び接着剤の接着力の観点から好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.1~1重量%である。
可塑剤としては、炭化水素[プロセスオイル、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、流動パラフィン、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、エチレンとα-オレフィン(炭素数3~20)の共重合(重量比99.9/0.1~0.1/99.9)オリゴマー(重量平均分子量Mwは5,000~100,000)、プロピレンとエチレンを除くα-オレフィン(炭素数4~20)の共重合オリゴマー(重量比99.9/0.1~0.1/99.9)オリゴマー(重量平均分子量Mwは5,000~100,000)];塩素化パラフィン;エステル〔フタル酸エステル[ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジイソノニルフタレート等]、アジピン酸エステル[ジ(2-エチルヘキシル)アジペート(DOA)、ジオクチルアジペート等]及びセバチン酸エステル(ジオクチルセバケート等)等〕;動植物油脂(リノール酸、リノレン酸等);及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。可塑剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。可塑剤の使用量は、主剤(X)と硬化剤(Y)の合計重量に基づいて、接着剤の接着力と凝集力の観点から好ましくは100重量%以下、更に好ましくは0.5~30重量%である。
充填剤としては、炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、硫酸塩(硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)、亜硫酸塩(亜硫酸カルシウム等)、二硫化モリブデン、けい酸塩(けい酸アルミニウム、けい酸カルシウム等)、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。上記充填剤は、体積平均粒径が好ましくは0.01~5μm程度の微粒子であり、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。充填剤の使用量は、主剤(X)と硬化剤(Y)の合計重量に基づいて、接着剤の凝集力の観点から好ましくは250重量%以下、更に好ましくは0.5~100重量%である。
顔料としては、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン、超微粒子酸化チタン、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等)、及び有機顔料(シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキ等)が挙げられる。上記顔料は、体積平均粒径が好ましくは0.01~5μm程度の微粒子であり、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。顔料の使用量は、主剤(X)と硬化剤(Y)合計重量に基づいて、接着剤の凝集力の観点から好ましくは250重量%以下、更に好ましくは0.1~50重量%である。
溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明における主剤(X)と硬化剤(Y)とを硬化させた接着剤は-40℃における貯蔵弾性率(E’-40)と90℃における貯蔵弾性率(E’90)との差が小さく、温度依存性が小さいため幅広い温度で物性が変化せず安定な接着力を保持することができる。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤を硬化させてなる硬化物は、-40℃~90℃において貯蔵弾性率が高く、また変化が少なく温度依存性に優れるため耐寒性及び耐熱性に優れ、優れた接着力を有する。
2液型ポリウレタン接着剤の硬化後の-40℃における貯蔵弾性率(E’-40)は柔軟性と樹脂強度の観点から好ましくは2000MPa~10000MPaであり、更に好ましくは2000MPa~5000MPaであり、特に好ましくは2000MPa~3000MPaである。また、90℃における貯蔵弾性率(E’90)は柔軟性と樹脂強度の観点から好ましくは200MPa~3000MPaであり、更に好ましくは500MPa~3000MPaであり、特に好ましくは、1000MPa~2000MPaである。前記貯蔵弾性率はポリオール成分(A)の重量に基づくポリエーテルポリオール(a)の含有量及びポリエーテルポリオール(a)の水酸基1つ当たりのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加数を変更することで、調節することができる。
さらに-40℃における貯蔵弾性率と90℃における貯蔵弾性率との比率(E’-40/E’90)は温度依存性の観点から好ましくは0.9~10、更に好ましくは1.0~5.0、特に好ましくは1.0~3.0である。貯蔵弾性率の比率を上記範囲に設計することにより、硬化させた接着剤は低温で割れることなく、高温で接着強度(樹脂強度)が低下することもなく、耐寒性及び耐熱性に優れた接着剤となる。
-40℃における貯蔵弾性率と90℃における貯蔵弾性率との比率(E’-40/E’90)は、例えば2液型ポリウレタン接着剤の硬化物の共有結合架橋密度を変更することで、調節することができる。共有結合架橋密度は2液型ポリウレタン接着剤が硬化したウレタン樹脂1g中に含まれる共有結合に基づく架橋を起こした点のモル数のことである。
また、2液型ポリウレタン接着剤の硬化後のガラス転移温度は下記の試験片を用いて下記の粘弾性測定方法で求められるtanδのピーク温度である。
2液型ポリウレタン接着剤の硬化後のガラス転移温度は100℃~150℃であり、下限について好ましくは105℃であり、更に好ましくは110℃であり、上限について好ましくは140℃であり、更に好ましくは130℃である。一態様においては、2液型ポリウレタン接着剤の硬化後のガラス転移温度は好ましくは105℃~140℃であり、更に好ましくは、110℃~130℃である。ガラス転移温度が100℃未満の場合、耐熱性が低下し、150℃を超えると加工性(接着剤の粘度)が低下する。
<粘弾性測定のサンプル作成>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)を当量比(OH/NCO比)が1となるような比率で50℃で均一混合して遠心脱泡し、厚さ1mmのシート状に成型して50℃で3日間養生後、長さ30mm×幅5mmの大きさに裁断して試験片を得る。
<粘弾性測定>
2液型ポリウレタン接着剤の硬化後の貯蔵弾性率E’、損失弾性率E’’及びtanδは、以下の粘弾性測定によって求める。
<粘弾性測定方法>
測定装置:Rheogel-E4000[UBM(株)製]
測定治具:引っ張り
クランプ間距離:20mm
動力計:1kg
静荷重計:2kg
測定温度:-50℃~200℃
昇温速度:5℃/分
測定周波数:10Hz
2液型ポリウレタン接着剤の硬化後のガラス転移温度の調整方法を説明する。
硬化後のガラス転移温度は、例えばウレタン基及び/又は芳香環の含有量を上げるとガラス転移温度を上げることができ、ウレタン基及び/又は芳香環の含有量を下げるとガラス転移温度を下げることができる。
前記ウレタン基の含有量は、2液型ポリウレタン接着剤が硬化したウレタン樹脂1g中に含まれるウレタン基のモル数のことである。
前記芳香環の含有量は、2液型ポリウレタン接着剤が硬化したウレタン樹脂1g中に含まれる芳香環の重量%のことである。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤は、各種プラスチックフィルム、プラスチック成形品、ゴム成形品、繊維状樹脂及び繊維強化樹脂等の被着体の接着に特に有用である他、無機質板、金属板、木材及び各種繊維等の被着体の接着にも使用できる。
上記プラスチックフィルムとしては、例えばポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロンフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、フッ素フィルム、エチレン酢酸ビニル重合体フィルム、これらのフィルム表面をアルミやシリカにより蒸着処理又はポリ塩化ビニリデンでコーティング処理したプラスチックフィルムが挙げられる。
プラスチック成形品としては、例えばABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂等のプラスチック樹脂の射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形等により得られる成形板、成形部品等が挙げられる。
被着体であるプラスチックフィルムやプラスチック成形品は、接着性の観点からコロナ処理やプラズマ処理等の表面処理をすることが好ましい。
無機質板としては、例えばスレート板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、木毛セメント板及び発泡コンクリート板が挙げられる。
金属板としては、例えばステンレス板、亜鉛鋼板、化成処理鋼板、アルミ板が挙げられる。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤を形成させる場合の主剤(X)と硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤の当量比(OH/NCO比)は、耐熱性の観点から好ましくは0.5/1~2/1、更に好ましくは0.7/1~1.5/1、特に好ましくは0.8/1~1.2/1である。
本発明における当量比(OH/NCO比)は、以下に示す式1で求めることができる。
((X)の水酸基価×(X)の重量/56100)/((Y)のNCO含量×(Y)の重量/4200) ・・・(式1)
本発明の2液型ポリウレタン接着剤に含まれるポリエーテルポリオール(a)の含有量は、耐熱性、臭気及び柔軟性の観点から、2液型ポリウレタン接着剤の重量に基づき、好ましくは20~60重量%であり、更に好ましくは25~55重量%、特に好ましくは30~50重量%である。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤に含まれるポリオール成分(A)の含有量は、耐熱性、臭気及び柔軟性の観点から、2液型ポリウレタン接着剤の重量に基づき、好ましくは25~55重量%であり、更に好ましくは30~50重量%である。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤に含まれるイソシアネート成分(B)の含有量は、耐熱性及び臭気性の観点から、2液型ポリウレタン接着剤の重量に基づき、好ましくは45~70重量%であり、更に好ましくは50~70重量%である。
2液型ポリウレタン接着剤の使用時にポリウレタン樹脂を形成するための各成分を所定量計量後、スタティクミキサー又はメカニカルミキサー等で混合することにより反応させてポリウレタン樹脂を形成させることができる。ゲル化時間は好ましくは3分~60分であり、完全硬化には常温で1時間~240時間を要する。硬度が変化しなくなった時点を完全硬化(反応終点)とする。なお、養生温度を高く(例えば30℃~60℃)することにより完全硬化までの時間を短縮することも可能である。ポリウレタン樹脂を形成するための各成分を反応させて得られる硬化樹脂のD硬度(ASTM D2240;最高値)は接着性、樹脂強度、靭性及び柔軟性の観点から好ましくは50~90、更に好ましくは60~85、最も好ましくは70~83である。
主剤(X)と硬化剤(Y)からなる混合液の粘度(25℃)は、塗工性の観点から好ましくは100~50,000mPa・s、更に好ましくは500~10,000mPa・s、特に好ましくは1,000~8,000mPa・sである。本発明における粘度はB型回転粘度計で測定される。
また、以下に示す式2で算出される主剤(X)と硬化剤(Y)の混合直後の混合液中のNCO含量は、硬化性の観点から主剤(X)及び硬化剤(Y)の合計重量に基づき、好ましくは2重量%~16重量%であり、更に好ましくは5重量%~15重量%であり、最も好ましくは8重量%~14重量%である。
(Y)のNCO含量×(Y)の重量/((X)の重量+(Y)の重量)
・・・(式2)
本発明の被着体は、2液型ポリウレタン接着剤で接着されてなる被着体である。
被着体としては、プラスチックフィルム及びプラスチック成形品等が挙げられ、接着性の観点からコロナ処理やプラズマ処理等の表面処理をすることが好ましい。
被着体の製造法については公知の製造法が用いられる。
2液型ポリウレタン接着剤の硬化物の製造方法としては、既知の2液型ポリウレタン接着剤の硬化物の製造方法が使用でき、例えば溶剤(トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン及びテトラヒドロフラン等)の存在下又は非存在下で、好ましくは非存在下で、ポリオール成分を含む主剤(X)とイソシアネート成分を含む硬化剤(Y)とを反応させる方法が挙げられる。
反応には、公知の反応装置(撹拌機を備えた混合槽、スタティックミキサー等)が使用でき、反応温度は、反応性及び熱劣化抑制の観点から好ましくは10~160℃、更に好ましくは25~120℃であり、安定性の観点から気相部を窒素で置換するのが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例1>
撹拌装置、温度制御装置、凝縮設備としての熱交換器、原料供給ライン及び排気ラインを備えたステンレス製オートクレーブに、ソルビトール(6官能)を385重量部と水酸化カリウム3重量部を仕込んだ後撹拌を開始して、オートクレーブと凝縮設備内を0.005MPaまで減圧した。原料供給ラインを通じてPO735重量部を、反応温度を90~100℃に保つように制御しながら投入した。但し、POの投入は6時間かけて連続して実施した。凝縮設備でPOを凝縮し回収するため-30℃の冷媒を循環した。続いて100℃で3時間熟成した。次に、30重量部の合成珪酸塩[協和化学工業(株)製;「キョーワード600」]と水40重量部を加えて60℃で3時間処理した。オートクレーブより取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後2時間脱水し、液状のポリエーテルポリオール(a-1)を得た。(a-1)の水酸基価は634mgKOH/g、水酸基1つあたりのPO付加モル数は1.0であった。
<製造例2>
PO投入量を735重量部から1100重量部に変えた以外は製造例1と同様に合成し、ポリエーテルポリオール(a-2)を得た。(a-2)の水酸基価は477mgKOH/g、水酸基1つあたりのPO付加モル数は1.5であった。
<製造例3>
PO投入量を735重量部から1470重量部に変えた以外は製造例1と同様に合成し、ポリエーテルポリオール(a-3)を得た。(a-3)の水酸基価は383mgKOH/g、水酸基1つあたりのPO付加モル数は2.0であった。
<製造例4>
PO投入量を735重量部から3675重量部に変えた以外は製造例1と同様に合成し、ポリエーテルポリオール(a-4)を得た。(a-4)の水酸基価は175mgKOH/g、水酸基1つあたりのPO付加モル数は5.0であった。
<製造例5>
ソルビトール(6官能)385重量部をスクロース(8官能)723重量部に変え、またPO投入量を735重量部から1465重量部に変えた以外は製造例1と同様に合成し、ポリエーテルポリオール(a-5)を得た。(a-5)の水酸基価は432mgKOH/g、水酸基1つあたりのPO付加モル数は1.5であった。
<製造例6>
PO735重量部をEO838重量部に変えた以外は製造例1と同様に合成し、ポリエーテルポリオール(a-6)を得た。(a-6)の水酸基価は582mgKOH/g、水酸基1つあたりのEO付加モル数は1.5であった。
<製造例7>
一括撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、4,4’-MDI[東ソー(株)製;「ミリオネートMT」]260重量部及び4,4’-MDIと2,4’-MDIの混合物[BASF INOACポリウレタン(株)製;「ルプラネートMI」]260重量部及びカルボジイミド変性4,4’-MDI[BASF INOACポリウレタン(株)製;「ルプラネートMM103」]180重量部と精製ヒマシ油[豊国製油(株)製;「ELA-DR」]240重量部とを仕込み、窒素気流下70~80℃で4時間反応させ、NCO基末端ウレタンプレポリマーからなるイソシアネート成分(B-1)を得た。(B-1)のNCO含量は18重量%であった。
<製造例8>
4,4’-MDI「ミリオネートMT」を260重量部から400重量部、及び4,4’-MDIと2,4’-MDIの混合物「ルプラネートMI」を260重量部から280重量部、及びカルボジイミド変性4,4’-MDI「ルプラネートMM103」を180重量部から200重量部に変え、精製ヒマシ油「ELA-DR」240重量部をポリプロピレングリコール[三洋化成工業(株)製;「サンニックス GP-250」]120重量部に変えた以外は製造例7と同様に合成し、NCO基末端ウレタンプレポリマーからなるイソシアネート成分(B-2)を得た。(B-2)のNCO含量は22.5重量%であった。
<製造例9>
4,4’-MDI「ミリオネートMT」を260重量部から280重量部、及び4,4’-MDIと2,4’-MDIの混合物「ルプラネートMI」を260重量部から120重量部、及びカルボジイミド変性4,4’-MDI「ルプラネートMM103」を180重量部から200重量部に変え、精製ヒマシ油「ELA-DR」240重量部をポリプロピレングリコール(2官能)[三洋化成工業(株)製;「サンニックス PP-1000」]400重量部に変えた以外は製造例7と同様に合成し、NCO基末端ウレタンプレポリマーからなるイソシアネート成分(B-3)を得た。(B-3)のNCO含量は16重量%であった。
<実施例1~11及び比較例1~6>
ポリオール成分(A)として、ポリエーテルポリオール(a-1)~(a-6)及び後述のその他のポリオール(a1-1)~(a1-3)を含有する主剤(X)と、イソシアネート成分(B-1)~(B-3)と後述のイソシアネート成分(B-4)を含有する硬化剤(Y)とを用いて表1及び表2に示す重量割合で混合し、実施例1~11及び比較例1~6の2液型ポリウレタン接着剤を得た。
それぞれの接着剤について、以下の方法により、成型して硬化させた硬化物の各温度における貯蔵弾性率、ガラス転移温度、塗工性、100℃での接着力、D硬度、樹脂強度、耐久試験後の樹脂強度、臭気及び溶出量について試験した結果を表1及び表2に示す。
(a1-1) ポリオキシプロピレントリオール(3官能)[三洋化成工業(株)製;「サンニックス GP-1000」]、水酸基価168mgKOH/g
(a1-2) 精製ヒマシ油(2.7官能)[豊国製油(株)製;「ELA-DR」]、水酸基価161mgKOH/g
(a1-3) ポリオキシプロピレントリオール(3官能)[三洋化成工業(株)製;「サンニックス GP-3000」]、水酸基価56mgKOH/g
(B-4) カルボジイミド変性4,4’-MDI[BASF INOACポリウレタン(株)製;「ルプラネートMM103」]、NCO含量29.4重量%
<貯蔵弾性率>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して遠心脱泡し、厚さ1mmのシート状に成型して50℃で3日間養生後、長さ30mm×幅5mmの大きさに裁断して試験片を得た。
・測定方法
前述の粘弾性測定において-40℃、25℃、70℃及び90℃の貯蔵弾性率E’を記録した。
<ガラス転移温度>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して減圧脱泡し、厚さ1mmのシート状に成型して50℃で3日間養生したこと以外は、上記粘弾性測定と同様にして粘弾性測定を行い、-50℃~200℃の範囲におけるtanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率比)のピーク温度を求めた。tanδのピーク温度をガラス転移温度とした。
<塗工性>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して遠心脱泡した。均一混合開始から20分経過後に25mm×100mmの鋼板の片端に接着剤を0.5g塗布し、直ちに塗布した端が上側に来るよう鋼板を鉛直に設置して静置させた。鉛直に設置してから接着剤が鋼板下部より滴るまでの時間を記録し、塗工性を以下の基準で判断した。
◎:10分以上、○:7分以上、△:3分以上7分未満、×:3分未満
<D硬度(柔軟性及び靭性)>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して減圧脱泡し、ポリプロピレン製のカップに混合液を30g秤り取り、50℃で1日間養生した後、カップから取り出し、25℃で2時間温調した後に高分子計器(株)製のショアーD硬度計を用いてD硬度(ショアーD:瞬間値)を測定した。測定は5ヶ所で行い、その平均値を算出した。瞬間値は、硬度計の針を樹脂に押し付けた直後の値である。D硬度が50~90であると、柔軟性及び靱性が優れていることを意味する。
<100℃での接着力>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して遠心脱泡し、25mm×100mmのアルミニウム被着材の接着部(25mm×10mm)に接着剤を塗布し、厚さ100μmのスペーサーを置いた後、もう1つの25mm×100mmのアルミニウム被着材の接着部を張り合わせて治具で固定し、50℃で3日間養生して得た試験片を、引張試験機を用い、100℃で引っ張り速度100mm/分の条件でせん断接着強さ(単位:MPa)を測定し、接着力を以下の基準で判断した。
◎:3MPa以上、○:1.5MPa以上3MPa未満、△:0.5MPa以上1.5MPa未満、×:0.5MPa未満
<硬化樹脂の強度>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して遠心脱泡し、厚さ約0.3mmのシート状に成型して50℃で3日間養生後、ダンベル状3号形試験片を作製し、引張試験機を用いて、23℃、50%RHの環境下で引っ張り速度100mm/分の条件で破断強度(単位:MPa)を測定した。測定は5つの試験片について行い、その平均値を評価した。
<耐久試験後の硬化樹脂の強度(耐久性)>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して遠心脱泡し、厚さ約0.3mmのシート状に成型して50℃で3日間養生後、高度加速寿命試験装置を用いて121℃、100%RH、2atmの環境下に3日間晒し、ダンベル状3号形試験片を作製し、引張試験機を用いて、23℃、50%RHの環境下で引っ張り速度100mm/分の条件で破断強度(単位:MPa)を測定した。測定は5つの試験片について行い、その平均値を評価した。
<硬化物の臭気(低臭気性)>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して減圧脱泡し、厚さ1cmのシート状に成型し、25℃で48時間養生後、得られた硬化樹脂を10g切り出し、蓋付きのガラス瓶中に密閉し、60℃で1時間温調した後、臭気を以下の基準で判断した。
○:特異な臭気なし、△:僅かに特異な臭気あり、×:特異な臭気あり。
臭気性が低いことは、硬化物に含まれる低沸点成分の含有量が少ないことを示唆している。
<溶出試験(低汚染性)>
ポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤を表1及び表2に記載の重量割合で50℃で均一混合して減圧脱泡し、厚さ1cmのシート状に成型し、25℃で72時間養生した。1cm角に裁断した硬化樹脂サンプル約10gをポリカップ中に入れ、アセトン100gを加えて40℃で6時間静置した。ろ過後のろ液からアセトンを乾燥・除去して得られた溶出物の重量を測定し、下記式3から溶出率を算出した。
溶出率(重量%)=(溶出物の重量/硬化樹脂サンプル重量)×100 ・・・(式3)
溶出率が低いことは、硬化物に含まれる低分子量物の含有量が少ないことを示唆している。
Figure 0007295341000001
Figure 0007295341000002
表1及び表2の通り、本発明の2液型ポリウレタン接着剤は、-40℃から90℃まで弾性率の変化が少なく、100℃の接着力が良好であり、耐熱性に優れることが分かる。また、耐久性に優れ、D硬度が50~90であり適切な範囲であることから柔軟性及び靭性に優れ、かつ接着強度と硬化樹脂の強度とが両立できることが分かる。また、本発明の2液型ポリウレタン接着剤は塗工性に優れる。さらに硬化樹脂の臭気が少なく、溶出量が少ないことから人体への影響が少なく安全性に優れる。
本発明の2液型ポリウレタン接着剤は、安全性や低汚染性に優れ、かつ樹脂強度、耐熱性、耐久性が良好であり、臭気が少なく、処理液への低分子量物等の溶出も少ないことから、生体に接触する用途や食品、飲料に関する用途(医療用器具、浄水用途)に対し特に有用である。また、接着剤から得られる硬化樹脂は電気絶縁性、耐水性及び各種基材に対する接着性に優れるので、電子回路基板の封止等の電気絶縁用途、光ファイバーケーブル接続部の封止等の止水用途、断熱アルミサッシの接着やアルミハニカムパネルの接着等の建材用途、自動車のエンジンやブレーキ周辺の熱がかかる部品の接着用途、耐熱性が必要とされる各種フィルムや、部品の接着用途等にも好適に使用できる。

Claims (3)

  1. 6~14官能のポリオールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(a)を必須成分とするポリオール成分(A)を含有する主剤(X)とイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤(Y)とからなる2液型ポリウレタン接着剤であって、前記イソシアネート成分(B)全体のNCO含量が18重量%~30重量%であり、かつ前記2液型ポリウレタン接着剤の硬化後のガラス転移温度が100℃~150℃であり、前記ポリオール成分(A)の水酸基価が300~900mgKOH/gであり、前記ポリエーテルポリオール(a)のエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加数の合計が水酸基1つあたり1.0~2.0であり、前記ポリエーテルポリオール(a)の含有量が前記ポリオール成分(A)の重量に基づいて50重量%以上である2液型ポリウレタン接着剤。
  2. 前記2液型ポリウレタン接着剤の硬化後の-40℃における貯蔵弾性率(E’-40)が2000MPa~10000MPaであり、90℃における貯蔵弾性率(E’90)が200MPa~3000MPaであり、かつ-40℃における貯蔵弾性率と90℃における貯蔵弾性率との比率(E’-40/E’90)が0.9~10である請求項1記載の2液型ポリウレタン接着剤。
  3. 請求項1又は2に記載の2液型ポリウレタン接着剤で接着されてなる被着体。
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