JP2022151756A - 無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液及び塗膜 - Google Patents

無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液及び塗膜 Download PDF

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陽介 中田
Yosuke Nakata
正考 藤岡
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Abstract

【課題】本発明の課題は、貯蔵安定性の優れた無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液を提供することにある。【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する活性水素原子含有成分(A)及びイソシアネート成分(B)を構成単量体として含むウレタン樹脂(U)と、溶剤(V)と、無機フィラー(W)とを含有する無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液。TIFF2022151756000006.tif47130[一般式(1)中、X1及びX2は水酸基を2個有する化合物から1個の水酸基を除いた残基を表し、X1とX2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rは炭素数2~10の三価の鎖式飽和炭化水素基を表し;SO3Zはスルホン酸塩を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液及び塗膜に関する。
従来、印刷インキ、コーティング剤、塗料、接着剤などの分野においては、ウレタン樹脂等のバインダー樹脂を含む溶液中に、無機フィラー(酸化チタン、アルミ、シリカ等)を分散させたものが用いられている。一般的に、無機フィラーは有機顔料と比較して、比重が大きく、表面硬度が高いため、分散性が悪く、使用時機器への消耗が激しいという欠点を有している。特に酸化チタンを使用した塗料では、隠ぺい力を発現させるため濃度を高くする必要性があるが、酸化チタンは分散性の低い無機フィラーであるため、印刷適性、塗工適性が低いという問題があった。そこで、無機フィラー(金属酸化物)の表面をシランカップリング剤で改質し、分散性を改良する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、無機フィラー(酸化チタン)の表面を硫酸法により改質し、分散性を改良する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。また、ジメチロールアルカン酸(ジメチロールブタン酸等)を構成単量体として含むカルボキシル基含有ウレタン樹脂と無機フィラーとを組み合わせる方法が知られている(例えば、特許文献3)。しかし、これらの方法では、無機フィラーの分散安定性(貯蔵安定性)が十分ではないという問題がある。
国際公開第2016/031931号 特開2021-008594号公報 特開2008-201847号公報
本発明の課題は、貯蔵安定性の優れた無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する活性水素原子含有成分(A)及びイソシアネート成分(B)を構成単量体として含むウレタン樹脂(U)と、溶剤(V)と、無機フィラー(W)とを含有する無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液;前記無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液により得られる塗膜である。
Figure 2022151756000001
[一般式(1)中、X及びXは水酸基を2個有する化合物から1個の水酸基を除いた残基を表し、XとXはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rは炭素数2~10の三価の鎖式飽和炭化水素基を表し;SOZはスルホン酸塩を表す。]
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液は、貯蔵安定性及び無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液により得られる塗膜の光沢が優れる。
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液は、下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する活性水素原子含有成分(A)及びイソシアネート成分(B)を構成単量体として含むウレタン樹脂(U)と、溶剤(V)と、無機フィラー(W)とを含有する無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液である。
Figure 2022151756000002
[一般式(1)中、X及びXは水酸基を2個有する化合物から1個の水酸基を除いた残基を表し、XとXはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rは炭素数2~10の三価の鎖式飽和炭化水素基を表し;SOZはスルホン酸塩を表す。]
<化合物(S)>
本発明において、化合物(S)は前記一般式(1)で表される化合物である。本発明において、ウレタン樹脂(U)は化合物(S)を構成単量体として含む。
無機フィラーは一般的に極性が高いため、高極性のスルホン酸塩基との親和性が高い。そこで、ウレタン樹脂(U)の構成単量体としてスルホン酸塩基を有する化合物(S)を含有することにより、ウレタン樹脂(U)と無機フィラーとの親和性が高くなり、ウレタン樹脂溶液中の無機フィラー(W)の分散性が良好になり、貯蔵安定性に優れるものになると推定される。また、化合物(S)を構成単量体として含むことにより、ウレタン樹脂溶液中の無機フィラー(W)の二次凝集物が少なくなり、塗膜表面の平滑性が向上し、塗膜の光沢が優れるものと推定される。
一般式(1)におけるX及びXは水酸基を2個有する化合物から1個の水酸基を除いた残基を表す。XとXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)におけるRは、炭素数2~10の三価の鎖式飽和炭化水素基を表し、直鎖式又は分岐鎖式のものが含まれる。
Rとしては、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、好ましくは炭素数2の三価の炭化水素基である。
化合物(S)は、スルホン酸基を有する脂肪族ジカルボン酸(無水物)の有する2つのカルボキシル基に水酸基を2個有する化合物がそれぞれエステル化し、スルホン酸基をスルホン酸塩とした構造を有するものであり、例えば、不飽和脂肪族ジカルボン酸(無水物){例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、2-ペンテン2酸、メサコン酸、イタコン酸等}1モルに、水酸基を2個有する化合物を2モルエステル化した化合物(S0)(例えば、フマル酸ジエステル、マレイン酸ジエステル等)の有する炭素-炭素二重結合に、スルホン化剤(例えば、亜硫酸水素塩、二ピロ亜硫酸塩等)に由来するスルホン酸塩基(-SOZ)を付加反応させることにより得ることができる。
不飽和脂肪族ジカルボン酸(無水物)としては、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸が好ましい。
水酸基を2個有する化合物としては、炭素数2~20の2価アルコール、2価フェノール化合物及びこれらのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物並びにポリエステルジオール等が挙げられる。水酸基を2個有する化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数2~20の2価アルコールとしては、炭素数2~20の2価アルコール[脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-又は1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,10-デカンジオール等)、脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)及び芳香脂肪族ジオール[1,4-ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]等が挙げられる。
2価フェノール化合物としては、2個の水酸基が芳香族環に結合したものであればどのようなものでもよく、例えば、カテコール、ヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレン等の多環芳香族ジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
炭素数2~20の2価アルコール及び2価フェノール化合物に付加させるAOとしては、炭素数2~4のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2-プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3-プロピレンオキサイド、1,2-、1,3-又は2,3-ブチレンオキサイド及びテトラヒドロフラン(以下、THFと略記)等が挙げられる。
これらの内、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、好ましいのはEO、PO及びTHFであり、更に好ましいのはPO及びTHFであり、特に好ましいのはTHFである。
AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、AOを2種以上併用する場合の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエステルジオールとしては、例えば縮合ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール及びポリカーボネートジオールが挙げられる。
縮合ポリエステルジオールとしては、前記炭素数2~20の2価アルコール及びこのAO付加物並びに/又は2価フェノール化合物のAO付加物と、ジカルボン酸(酸無水物及び炭素数1~4のアルキルエステル等)との重縮合物等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、具体的には、炭素数2~40又はそれ以上(好ましくは炭素数2~12)の飽和又は不飽和の脂肪族ジカルボン酸[シュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びダイマー酸等];炭素数8~15の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等のジカルボン酸等);及びスルホ基含有ジカルボン酸[上記ジカルボン酸にスルホ基を導入してなるもの、例えばスルホコハク酸、スルホマロン酸、スルホグルタル酸、スルホアジピン酸及びスルホイソフタル酸及びそれらの塩(例えば金属塩、アンモニウム塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩);並びに末端にカルボキシル基を有するポリマー等が挙げられる。
末端にカルボキシル基を有するポリマーとしては、ポリエーテルジカルボン酸[例えば後述のMnが300未満の低分子ポリオール(a1)又は後述のポリエーテルポリオール(a21)等のポリオールのカルボキシメチルエーテル(アルカリの存在下にモノクロル酢酸を反応させて得られるもの等)];ポリアミド及び/又はポリエステルジカルボン酸[例えば上記ジカルボン酸を開始剤として炭素数4~15のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等)又は炭素数4~15のラクトン(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン及びε-カプロラクトン等)を開環重合させてなるポリラクタムジカルボン酸及びポリラクトンジカルボン酸]等が挙げられる。
ポリラクトンジオールとしては、水、前記炭素数2~20の2価アルコール又はそのAO付加物を開始剤とする炭素数4~15のラクトン(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン及びε-カプロラクトン等)の開環付加物等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、前記炭素数2~20の2価アルコール又はそのAO付加物を開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合物並びに前記炭素数2~20の2価アルコール又はそのAO付加物とジフェニル又はジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)物等が挙げられる。
化合物(S)において、水酸基を2個有する化合物としては、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、好ましいのは炭素数2~20の2価アルコールのAO付加物、2価のフェノール化合物のAO付加物及びポリエステルジオールであり、更に好ましいのはポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ビスフェノールAのAO付加物及び炭素数2~6の2価アルコールと炭素数2~12のポリカルボン酸とからなるポリエステルジオールであり、特に好ましいのはポリ(オキシテトラメチレン)グリコール及びビスフェノールAのAO付加物である。
化合物(S)において、X及びXとしては、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、それぞれ独立に、好ましいのは炭素数2~20の2価アルコールのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基、2価のフェノール化合物のAO付加物から水酸基を1つ除いた残基及びポリエステルジオールから水酸基を1つ除いた残基であり、更に好ましいのはポリ(オキシプロピレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基、ビスフェノールAのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基及び炭素数2~6の2価アルコールと炭素数2~12のポリカルボン酸とからなるポリエステルジオールから水酸基を1つ除いた残基であり、特に好ましいのはポリ(オキシテトラメチレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基及びビスフェノールAのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基である。
一般式(1)において、-SOZはスルホン酸塩基を表し、Zは対イオンを表し、Zとしては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)イオン、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム等、例えばZ=[Ca2+1/2等)イオン、オニウム[例えば、アンモニウム、アミン{第1級アミン(炭素数1~50のものが含まれ、例えば、メチルアミン、エチルアミン及びブチルアミン等のアルキルアミン並びにモノエタノールアミン等のモノアルカノールアミン等)、第2級アミン(炭素数2~50のものが含まれ、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等のジアルキルアミン並びにジエタノールアミン等のジアルカノールアミン等)、第3級アミン(炭素数3~50のものが含まれ、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のトリアルキルアミン、トリエタノールアミン等のトリアルキルアミン並びにN-メチルジエタノールアミン等のアルキルジアルカノールアミン等)等}のプロトン化によるオニウム、第4級アンモニウム{炭素数4~50のものが含まれ、例えば、テトラメチルアンモニウム等}、ホスホニウム(例えば、テトラブチルホスホニウム、トリブチルベンジルホスホニウム等)等]のイオン等が挙げられる。
これらのうち、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、アルカリ金属イオン及びオニウムイオンが好ましく、更に好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンであり、特に好ましくはナトリウムイオンである。
化合物(S)において一般式(1)におけるZは、例えば、前記スルホン化剤として用いる亜硫酸水素塩やピロ亜硫酸塩等の塩として、上記アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、オニウム塩等を用いることで調整することができる。
化合物(S)において、水酸基を2個有する化合物の水酸基価は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、好ましくは50~450mgKOH/g、更に好ましくは80~300mgKOH/gである。
水酸基を2個有する化合物の水酸基価が上記範囲であると、化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度が適度となり、化合物(S)中の水酸基がイソシアネート基と反応して生成する凝集力の高いウレタン基と、化合物(S)中のスルホン酸塩基とが離れて存在することができるため、ウレタン樹脂溶液中でスルホン酸塩基と親和性が高い無機フィラーの分散性が良好になり、貯蔵安定性及び得られる塗膜の光沢性が優れる傾向があると推察される。
尚、本発明において、化合物(S)の水酸基価はJIS K1557-1に準拠して測定される。
化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度は、0.22~1.8mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.3~1.6mmol/g、特に好ましくは0.4~1.5mmol/gである。
スルホン酸塩基の濃度は、アニオン界面活性剤の分相滴定法(エプトン法)に準じて求めることができる。具体的には、化合物(S)をクロロホルムと水との系に分相させ、そこに指示薬としてメチレンブルー塩酸塩水溶液を加え、この状態で1mmоl/lの塩化ベンザルコニウム液(カチオン界面活性剤標準液)を滴下して分相滴定し、この際に該指示薬の移行を肉眼観察することにより終点を決め、かかる終点の滴定量に基づいて下記の式よりスルホン酸濃度を測定する。

スルホン酸塩基の濃度(mmоl/g)=(カチオン界面活性剤標準液の滴定量(ml))×(カチオン界面活性剤標準液の濃度(mmol/l))/(化合物(S)の量(g)×1000)

化合物(S)のスルホン酸塩基の濃度が0.22mmol/g以上及び1.8mmol/g以下であると、ウレタン樹脂溶液中での無機フィラーの分散性が良好となり、貯蔵安定性及び塗膜の光沢性に優れるものとなる傾向がある。
化合物(S)の水酸基価は、25~190mgKOH/gが好ましく、更に好ましくは30~180mgKOH/g、特に好ましくは40~170mgKOH/gである。
化合物(S)の水酸基価が25mgKOH/g以上であると、化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度が適度となり、化合物(S)中の水酸基がイソシアネート基と反応して生成する凝集力の高いウレタン基と、化合物(S)中のスルホン酸塩基とが離れて存在することができるため、ウレタン樹脂溶液中での無機フィラーの分散性が良好になり、貯蔵安定性及び得られる塗膜の光沢性が優れる傾向があり、190mgKOH/g以下であると、塗膜の耐水性が優れる傾向があると推察される。
化合物(S)の有する水酸基の1級水酸基比率は、無機フィラーの分散性の観点から、30~100%であることが好ましく、更に好ましくは40~100%である。
1級水酸基比率の測定方法を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
一般的な条件でH-NMR測定を行う。
<1級水酸基比率の計算方法>
上に述べた前処理の方法により、化合物(S)の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される(重水素化クロロホルムを溶媒として使用)。1級水酸基比率は次の関係式(2)により算出する。
1級水酸基比率(%)=[a/(a+2×b)]×100 (2)
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値;bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
化合物(S)の分子式量又は数平均分子量(Mn)は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、好ましくは590~4500であり、更に好ましくは620~3700である。
<活性水素原子含有成分(A)>
本発明において、活性水素原子含有成分(A)は、前記化合物(S)を含んでいればよく、化合物(S)以外に、Mn又は化学式量が500以上の縮合型ポリエステルポリオール(a1)、Mn又は化学式量が500以上のポリラクトンポリオール(a2)、Mn又は化学式量が500以上のポリカーボネートポリオール(a3)、Mn又は化学式量が500以上のポリエーテルポリオール(a4)、Mn又は化学式量が500以上のポリ(メタ)アクリルポリオール(a5)及びMn又は化学式量が500未満のポリオール(a6)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール(a)、鎖伸長剤(c)、反応停止剤(d)等を用いてもよい。
Mn又は化学式量が500以上のポリオール{(a1)~(a5)}の水酸基価(mgKOH/g)は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、22~225mgKOH/gが好ましく、更に好ましくは28~113mgKOH/gである。なお、(a)の水酸基価は、JIS K1557-1に準拠して測定される値である。
Mn又は化学式量が500以上のポリオール{(a1)~(a5)}のMnは、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、500~5000が好ましく、更に好ましくは1000~4000である。
本発明における化合物(S)及びポリオール(a)の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel
SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
Mn又は化学式量が500以上の縮合型ポリエステルポリオール(a1)としては、Mnが500未満のジオールとジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1~4)アルキルエステル及び酸ハライド等]との縮合により得られるもの等が挙げられる。
Mnが500未満のジオールとしては、炭素数2~8の脂肪族2価アルコール[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオール等)及び分岐アルキル鎖を有するジオール(1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、1,2-、1,3-又は2,3-ブタンジオール等)等];炭素数6~10の脂環基含有2価アルコール[1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8~20の芳香環含有2価アルコール[m-又はp-キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン];ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)のAO付加物、ジヒドロキシナフタレンのAO付加物及びビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート等]等が挙げられる。Mnが500未満のジオールは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2~15の脂肪族ジカル
ボン酸[シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸及びフマル酸等]、炭素数8~12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸及びイソフタル酸等]及びこれらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル及びジエチルエステル等)、酸ハライド(酸クロライド等)等]等が挙げられる。ジカルボン酸は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Mn又は化学式量が500以上の縮合型ポリエステルポリオール(a1)の具体例としては、例えばポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペートジオール、ポリ(3-メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
Mn又は化学式量が500以上の縮合型ポリエステルポリオール(a1)の内で、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するポリエステルジオール、特に好ましいのはポリネオペンチルアジペートジオール及びポリ(3-メチルペンチレンアジペート)ジオール、最も好ましいのはポリ(3-メチルペンチレンアジペート)ジオールである。(a1)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Mn又は化学式量が500以上のポリラクトンポリオール(a2)としては、前記Mnが500未満のジオールを開始剤としてラクトンモノマー(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン及びこれらの2種以上の混合物等)を開環重合したもの等が挙げられる。ポリラクトンポリオール(a2)の具体例としては、ポリブチロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。(a2)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Mn又は化学式量が500以上のポリカーボネートポリオール(a3)としては、前記Mnが500未満のジオールと、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1~6のジアルキルカーボネート、炭素数2~6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6~9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートジオール等が挙げられる。(a3)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Mn又は化学式量が500以上のポリカーボネートポリオール(a3)の具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4-ブタンジオールと1,6-ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
Mn又は化学式量が500以上のポリエーテルポリオール(a4)としては、前記Mnが500未満のジオールへの炭素数2~12のAO付加物等が挙げられ、AOは1種を単独で用いても2種以上をブロック共重合又はランダム共重合してもよい。
Mn又は化学式量が500以上のポリエーテルポリオール(a4)の内で、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するもの、即ち原料としてMnが500未満のジオールの内の分岐アルキル鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとして1,2-プロピレンオキサイド、1,2-,2,3-又は1,3-ブチレンオキサイド及び3-メチルテトラヒドロフラン等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキルを有する2価アルコールの脂肪族ポリエーテルジオール、特に好ましいのはポリオキシプロピレングリコールである。(a4)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Mn又は化学式量が500以上のポリ(メタ)アクリルポリオール(a5)としては、例えば、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルの単独重合物や共重合物が挙げられる。前記(メタ)アクリルポリオールは、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルの他に、重合性不飽和結合を有する化合物を共重合させて得ることもできる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は「メタクリル及び/又はアクリル」を意味する。
前記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリロイル基を1つ有するものが含まれ、例えば、炭素数2~20のヒドロキシアルキル基を有するもの{例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシブチル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステル}、3価のアルコールの(メタ)アクリル酸モノエステル化物{例えば、グリセリンの(メタ)アクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンの(メタ)アクリル酸モノエステル等}等が挙げられる。
前記重合性不飽和結合を有する化合物としては、重合性不飽和結合を1つ有する化合物が含まれ、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル等の炭素数4~50の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の炭素数3~50の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等の炭素数3~50の不飽和アミド;スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のその他の重合性モノマー等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルや前記重合性不飽和結合を有する化合物の重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、分散重合、溶液重合などが挙げられる。前記乳化重合は段階的に重合を行うこともできる。
市販されている前記ポリ(メタ)アクリルポリオール(a5)の具体的例としては、例えば、東亞合成社製「ARUFON UH-2000、UH-2041、UH-2190、UHE-2012」、綜研化学社製「アクトフロー UT-1001、UMM-1001」等が挙げられる。
Mn又は化学式量が500以上のポリ(メタ)アクリルポリオール(a5)の内で、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、好ましくは前記重合性不飽和結合を有する化合物として(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル及び(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用したポリアクリルポリオールであり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸-n-ブチル及び/又は(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルを使用したポリアクリルジオールである。(a5)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Mn又は化学式量が500未満のポリオール(a6)としては、前記Mnが500未満のジオールとして例示したものと同様のものが挙げられ、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのは1,4-ブタンジオールである。
鎖伸長剤(c)は、イソシアネート基末端プレポリマーを作製した後、鎖を伸長させるものとして用いることができ、Mn又は化学式量が500未満のものが含まれ、ポリアミン(c1)及びポリオール(c2)等が挙げられる。(c)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリアミン(c1)としては、炭素数2~12のジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン及びピペラジン等)、ポリ(n=2~6)アルキレン(炭素数2~6)ポリ(n=3~7)アミ
ン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等)及びヒドラジン又はその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)等が挙げられる。
これらの内、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのは脂環式ジアミン、更に好ましいのはイソホロンジアミンである。
ポリオール(c2)としては、前記Mnが500未満のジオールとして例示したものと同様のものが挙げられ、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのは1,4-ブタンジオールである。
反応停止剤(d)は、ウレタン樹脂(U)の分子量を調整する目的で使用することができ、例えば、炭素数1~10のモノアルコール(メタノール、プロパノール、ブタノール及び2-エチルヘキサノール等)及び炭素数2~8のモノアミン[炭素数2~8のモノ又はジアルキルアミン(n-ブチルアミン及びジ-n-ブチルアミン等)、炭素数2~6のモノ又はジアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びプロパノールアミン等)]等が挙げられる。これらの内で好ましいのは炭素数2~6のモノ又はジアルカノールアミンである。反応停止剤(d)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
活性水素原子含有成分(A)中の化合物(S)の重量割合は、活性水素原子含有成分(A)の重量を基準として、ウレタン樹脂(U)の無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、5重量%以上が好ましく、更に好ましくは10~80重量%である。
活性水素原子含有成分(A)として、ポリオール(a)を用いる場合、活性水素原子含有成分(A)中のMn又は化学式量が500以上のポリオール{(a1)~(a5)の合計}の重量割合は、ウレタン樹脂(U)の無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、活性水素原子含有成分(A)の重量を基準として、90重量%以下が好ましく、更に好ましくは10~85重量%である。
活性水素原子含有成分(A)中のMn又は化学式量が500未満のポリオール(a6)及び鎖伸長剤(c)の合計重量割合は、ウレタン樹脂(U)の無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、活性水素原子含有成分(A)の重量を基準として、1~20重量%が好ましく、更に好ましくは2~18重量%である。
ウレタン樹脂(U)における活性水素原子含有成分(A)中の化合物(S)とMn又は化学式量が500以上のポリオール{(a1)~(a5)}の合計重量100重量部に対するMn又は化学式量が500未満のポリオール(a6)と鎖伸長剤(c)の合計重量は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、1~30重量部が好ましく、更に好ましくは2~25重量部である。
<イソシアネート成分(B)>
本発明におけるイソシアネート成分(B)としては、炭素数(NCO基中の炭素も含む、以下同様)4~22の脂肪族ジイソシアネート(B1)、炭素数8~18の脂環式ジイソシアネート(B2)、炭素数8~26の芳香族ジイソシアネート(B3)及び炭素数10~18の芳香脂肪族ジイソシアネート(B4)等が挙げられる。
炭素数4~22の脂肪族ジイソシアネート(B1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート及びビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート等が挙げられる。
炭素数8~18の脂環式ジイソシアネート(B2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下IPDIと略記)、4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート及び2,5-又は2,6-ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数8~26の芳香族ジイソシアネート(B3)としては、例えば1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリアリールジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート及びm-又はp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
炭素数10~18の芳香脂肪族ジイソシアネート(B4)としては、例えばm-又はp-キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの内で無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのは、炭素数8~18の脂環式ジイソシアネート(B2)であり、更にウレタン樹脂(U)の無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのはIPDIである。
ポリイソシアネート(B)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
<ウレタン樹脂(U)>
ウレタン樹脂(U)のアミン価は、好ましくは0.1~20mgKOH/g、更に好ましくは0.1~5mgKOH/g、特に好ましくは0.2~2mgKOH/gである。アミン価が0.1mgKOH/g以上であると、接着性が良好であり、20mgKOH/g以下であると、粘度や分子量の経時安定性が良好である。
ウレタン樹脂(U)中のスルホン酸塩基濃度は、ウレタン樹脂(U)の重量を基準として、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の密着性、光沢性及び耐水性の観点から、0.01~0.9mmоl/gが好ましく、更に好ましくは0.03~0.8mmоl/gである。
なお、ウレタン樹脂(U)中のスルホン酸塩基濃度は、化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度、及びウレタン樹脂(U)中の構成単量体としての化合物(S)の含有量により算出することができる。
ウレタン樹脂(U)における活性水素原子含有成分(A)中の化合物(S)及びポリオール(a)の合計重量100重量部に対するイソシアネート成分(B)の重量は、ウレタン樹脂(U)の無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、10~40重量部が好ましく、更に好ましくは12~35重量部である。
ウレタン樹脂(U)を製造する方法は特に制限されず、活性水素原子含有成分(A)、イソシアネート成分(B)を一度に反応させるワンショット法又は段階的に反応させる多段法[例えばポリオール(a)、化合物(S)、イソシアネート成分(B)及び必要により鎖伸長剤(c)を反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、鎖伸長剤(c)及び必要により反応停止剤(d)を加えて更に反応させて製造する方法等]のいずれの方法でもよいが、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点からはイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、鎖伸長剤(c)として炭素数2~12のジアミンをプレポリマーが有するイソシアネート基の当量に対してジアミンが有するアミノ基の合計値が過剰となるように用いてポリウレタンウレア分子鎖の末端にアミノ基を導入する方法が好ましい。
ウレタン樹脂(U)の製造に当たって、イソシアネート成分(B)のイソシアネート基と、活性水素原子含有成分(A)の活性水素含有基とのモル比(イソシアネート基:活性水素含有基)は、ウレタン樹脂(U)の無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、好ましくは0.7:1~0.99:1、更に好ましくは0.8:1~0.98:1である。
本発明におけるウレタン樹脂(U)のウレタン基濃度は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の密着性、光沢性及び耐水性の観点から、(U)の重量を基準として、0.02~4.5mmol/gであることが好ましく、更に好ましくは0.6~1.0mmol/gである。
本発明におけるウレタン樹脂(U)のウレア基濃度は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の密着性、光沢性及び耐水性の観点から、(U)の重量を基準として、0.3~1.3mmol/gであることが好ましく、更に好ましくは0.3~1.2mmol/gである。
本発明におけるウレタン樹脂(U)のウレタン基濃度とウレア基濃度との合計は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の密着性、光沢性及び耐水性の観点から、(U)の重量を基準として、0.7~2.2mmol/gであることが好ましく、更に好ましくは1.0~2.0mmol/gである。
ウレタン樹脂(U)中のウレア基含有量を所望の範囲とするには、(U)の原料中のアミノ基含有量、水分含量及びイソシアネート基含有量を適宜調整すればよい。
ウレタン樹脂(U)中のウレタン基濃度及びウレア基濃度は窒素分析計によって定量されるN原子含有量とH-NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率並びにアロハネート基及びビューレット基含有量から算出することができる。
(ウレタン樹脂(U)のウレタン基濃度及びウレア基濃度)
ウレタン樹脂(U)のウレタン基濃度及びウレア基濃度は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量されるN原子含有量とH-NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率及び後述のアロハネート基及びビューレット基含有量から算出する。
H-NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224-323(1975)」に記載の方法で行う。すなわちH-NMRを測定して、脂肪族イソシアネートを使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、該重量比と上記のN原子含有量及びアロハネート基及びビューレット基含有量からウレタン基及びウレア基含有量を算出する。
芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、該重量比と上記のN原子含有量及びアロハネート基及びビューレット基含有量からウレタン基及びウレア基含有量を算出する。
(アロハネート基及びビューレット基の含有量)
ウレタン樹脂(U)のアロハネート基及びビューレット基の含有量の合計は、ガスクロマトグラフ[Shimadzu GC-9A{島津製作所(株)製}]によって算出する。0.01重量%のジ-n-ブチルアミンと0.01重量%のナフタレン(内部標準)とを含む50gのDMF溶液を調整する。サンプルを共栓付き試験管に測り取り、上記のDMF溶液を2g加え、試験管を90℃の恒温水槽で2時間加熱する。常温に冷却後、10μlの無水酢酸を加え10分間振とう攪拌する。更に50μlのジ-n-プロピルアミンを添加し、10分間振とう後、ガスクロマトグラフ測定を行う。並行してブランク測定を行い、試験値との差よりアミンの消費量を求め、アロハネート基及びビューレット基の含有量の合計を測定した。
(ガスクロマトグラフ条件)
装置:Shimadzu GC-9A
カラム:10%PEG-20M on Chromosorb WAW DMLS 60
/80meshガラスカラム 3mmφ×2m
カラム温度:160℃、試料導入部温度:200℃、キャリアガス:窒素 40ml/分
検出器:FID、試料注入量:2μl
(アロハネート基及びビューレット基の含有量の合計の算出式)
アロハネート基及びビューレット基の含有量の合計={(B-A)/B}×0.00155/S
A:試料の(ジ-n-ブチルアセトアミドのピーク面積/ナフタレンのピーク面積)
B:ブランクの(ジ-n-ブチルアセトアミドのピーク面積/ナフタレンのピーク面積)
S:ウレタン樹脂(U)採取量(g)
活性水素原子含有成分(A)とイソシアネート成分(B)との反応は、好ましくは20~140℃、更に好ましくは40~120℃の温度で行われる。
イソシアネート成分(B)又は活性水素原子含有成分(A)とイソシアネート成分(B)とを反応させてなるイソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤(c)との反応温度は、好ましくは100℃以下、更に好ましくは0~80℃である。
前記反応に際しては、反応を促進させるため、必要により一般的にウレタン反応において使用される触媒[アミン触媒(トリエチルアミン、N-エチルモルホリン及びトリエチレンジアミン等)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート及びオクチル酸錫等)及びチタン系触媒(テトラブチルチタネート等)]等を使用してもよい。触媒の使用量はウレタン樹脂に対して0.1重量%以下であることが好ましい。
また、前記反応は溶剤(V)中で行ってもよく、溶剤(V)を反応途中又は反応後に加えてもよい。
溶剤(V)としては、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル及びエチルセロソルブアセテート等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルイソブチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフラン及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素系溶剤(n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等)及びアルコール系溶剤(エタノール、メタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びn-ブタノール等)等が挙げられる。
これらの内、ウレタン樹脂(U)の無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのは、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、n-プロピルアルコール、メチルシクロヘキサン及びイソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサン及びイソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である。溶剤(V)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるウレタン樹脂(U)の数平均分子量(Mn)は、10,000~40,000が好ましい。Mnが10,000以上であると一液使用での接着性が良好であり、Mnが40,000以下であると後述の溶剤(V)への溶解性や作業性が良好である。
<無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液>
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液は、前記ウレタン樹脂(U)と、溶剤(V)と、無機フィラー(W)とを含有する。
溶剤(V)としては、前記のものが挙げられ、ウレタン樹脂(U)の無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から好ましいのは、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサン、n-プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールであり、更に好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサン及びイソプロピルアルコールである。
<無機フィラー(W)>
無機フィラー(W)としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フライアッシュ、脱水汚泥、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、焼成タルク、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、シリカバルーン、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、製鉄スラグ、銅、鉄、酸化鉄、センダスト、アルニコ磁石、各種フェライト等の磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、三酸化アンチモン、マグネシウムオキシサルフェイト、水和アルミニウム、水和石膏、ミョウバン、無機顔料(アルミナホワイト、亜鉛華、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等)等が挙げられる。
無機フィラー(W)の体積平均粒径は、好ましくは0.01~20μmである。
これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらのうち、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、タルク、ウォラストナイト、シリカ、酸化鉄及び無機顔料が好ましい。
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液中のウレタン樹脂(U)の含有量は、無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液の重量を基準として、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性、耐水性及びハンドリング性の観点から、10~80重量%が好ましく、更に好ましくは15~70重量%である。
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液中の無機フィラー(W)の含有量は、無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液の重量を基準として、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性、耐水性及びハンドリング性の観点から、10~60重量%が好ましく、更に好ましくは15~50重量%である。
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液中の無機フィラー(W)の含有量は、ウレタン樹脂(U)の重量を基準として、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性、耐水性及びハンドリング性の観点から、10~150重量%が好ましく、更に好ましくは30~130重量%である。
無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液中の化合物(S)由来のスルホン酸塩基濃度は、無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液中の無機フィラーの分散性及び得られる塗膜の耐水性の観点から、無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液の重量を基準として、0.005~0.5mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.01~0.45mmol/gである。
無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液中の化合物(S)由来のスルホン酸塩基濃度は、化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度、及びウレタン樹脂(U)中の構成単量体としての化合物(S)の含有量、無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液中のウレタン樹脂(U)の含有量により算出することができる。
無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液中の化合物(S)由来のスルホン酸塩濃度は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、無機フィラー(W)の重量を基準として、0.01~0.9mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.03~0.8mmol/gである。
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液は、無機フィラー(W)の分散性が優れ、貯蔵安定性及び得られる塗膜の光沢性が優れるので、塗料、印刷インキ、コーティング剤等に有用である。
<塗料>
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液は、塗料として用いることができる。塗料として用いる場合、ウレタン樹脂(U)は、バインダーや無機フィラー(顔料を含む)の分散剤としての機能を発揮する。
本発明の塗料中の前記本発明のウレタン樹脂(U)の含有量は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性、耐水性及びハンドリング性の観点から、塗料の重量に基づいて、1~40重量%が好ましく、更に好ましくは2~30重量%である。
塗料には、塗料に一般的に使用されている任意の添加物を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、前記無機フィラー(W)以外の顔料、硬化剤、希釈剤、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などのレベリング剤、シリコーン系、アクリル系等のはじき防止剤、皮はり防止剤、揺変剤、消泡剤、色分かれ防止剤、平滑剤、湿潤剤、分散剤、増粘剤、沈降防止剤、重合防止剤、構造粘性付与剤、静電塗装性改良剤、タレ防止剤、硬化促進剤、酸化防止剤、光安定剤、防汚剤、難燃剤、塗布助剤等を挙げることができる。
塗料により形成される塗膜は、用途に応じて、任意の厚みで塗設することができるが、最終的な塗膜の厚みとして、好ましくは0.1~10000μm、より好ましくは0.1~2000μmであり、更に好ましくは1~1000μm、更に好ましくは5~1000μmであり、更に好ましくは5~200μmである。
これら塗料を塗布する方法は任意であるが、スプレー法、ディッピング法、ローラーコート法、フローコーター法、流し塗り法、電着コート法、粉末流動塗装法、はけによる塗布などがある。
塗布後の乾燥は、塗料成分によって異なるが、自然乾燥、加熱乾燥(概ね室温~180℃で10~90分程度)を行うことができる。
塗料の粘度(20℃)は、ハンドリング性の観点から、100~5,000mPa・sが好ましく、更に好ましくは500~3,000mPa・sである。
なお、塗料の粘度はJIS-K7117-1に準じて、B型粘度計により測定することができる。
塗料は、用途に応じて、例えば、金属(鋼板、鉄鋼、非鉄金属、軽金属等)、プラスチック(ポリオレフィン、ポリエステル及びナイロン等)、木、ガラス、コンクリート、樹脂、ゴム、皮革、紙、皮膚などの任意の基材に塗設し、塗膜を形成し、所望の部材とすることができる。
塗料は、例えば、自動車部品、自動車バンパー及び車体等の自動車用塗料、電化製品用塗料、建築用塗料、防錆用塗料等として用いることができ、特に、自動車用塗料として有用である。
<印刷インキ>
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液は、印刷インキとして用いることができる。印刷インキにおいて、ウレタン樹脂(U)は、バインダーや無機フィラー(顔料を含む)の分散剤としての機能を発揮する。
印刷インキ中のウレタン樹脂(U)の含有量は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性、耐水性及びハンドリング性の観点から、印刷インキの重量に基づいて、5~40重量%が好ましく、更に好ましくは10~30重量%である。
印刷インキには、必要により一般的に印刷インキに好ましく使用される無機フィラー(W)以外の顔料、他の樹脂及び顔料分散剤等の添加剤を配合することもできる。他の樹脂類及び添加剤は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
無機フィラー(W)以外の顔料としては、特に制限はなく、好ましくは印刷インキに用いられる無機顔料及び有機顔料等が使用できる。
他の樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ニトロセルロース、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂及びロジン系樹脂等が挙げられる。これら他の樹脂類の使用量は印刷インキの重量を基準として好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。
印刷インキの製造方法は特に制限はなく、公知の方法等、例えば三本ロール、ボールミル及びサンドグラインダーミル等の汎用のインキ製造装置を用いて印刷インキを製造できる。
印刷インキの配合処方の一例を示せば下記の通りである。
ウレタン樹脂(U):5~40重量%(好ましくは10~30重量%)
無機フィラー(W):5~40重量%(好ましくは10~30重量%)
他の樹脂類:0~30重量%(好ましくは0~20重量%)
溶剤:30~80重量%(好ましくは40~70重量%)
印刷インキは、一液型印刷インキとして使用してもよいが、例えばポリイソシアネート系硬化剤と併用して二液型印刷インキとして使用することもできる。この場合のポリイソシアネート系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モルと、1,6-ヘキサメチレンジイソイシアネート、トリレンジイオシアネート又はIPDI3モルとからのアダクト体;1,6-ヘキサメチレンジイソイシアネート又はIPDIのイソシアネート基の環状三量化によって合成されるイソシアヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6-ヘキサメチレンジイソイシアネート3モルとから誘導される部分ビュレット反応物及びこれらの2種以上の混合物が好適である。二液型印刷インキとして使用する場合、ポリイソシアネート系硬化剤の使用量は、ウレタン樹脂(U)の重量に基づいて好ましくは0.5~10重量%である。
印刷インキを用いた印刷方法としては、従来のプラスチックフィルムの印刷に使用される特殊グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷及び感熱転写印刷等の印刷方法が挙げられる。
印刷インキが適用できる基材としては、プラスチック成形体[ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリスチレン、ABS、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ナイロン、ポリアミド、ポリウレタン、変性PPO、ポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等]、ゴム類[天然ゴム、合成ゴム(クロロプレンゴム、イソプレンゴム、SBR、NBR、ブチルゴム及びEPゴム等)]、多孔質材[木材、紙、布(天然繊維及び合成繊維等の織布又は不織布)及びプラスチックフォーム(ポリオレフィンフォーム及びポリウレタンフォーム等)等]及び無機質材[金属(鉄、ブリキ、トタン、アルミニウム及び亜鉛鋼板等)、ガラス、瓦スレート及びセラミック等]等が挙げられる。
<コーティング剤>
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液は、コーティング剤として用いることができる。コーティング剤において、ウレタン樹脂(U)は、バインダーや無機フィラー分散剤としての機能を発揮する。
コーティング剤中のウレタン樹脂(U)の含有量は、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性、耐水性及びハンドリング性の観点から、コーティング剤の重量に基づいて、5~50重量%が好ましく、更に好ましくは10~40重量%である。
コーティング剤は、前記ウレタン樹脂(U)以外の他の樹脂を含有してもよく、例えば、(U)以外のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。他の樹脂の含有量はウレタン樹脂(U)の重量に対して、無機フィラーの分散性、得られる塗膜の光沢性及び耐水性の観点から、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。
コーティング剤に一般的に使用されている任意の添加物を含有してもよい。添加剤としては、安定剤(酸化防止剤及び紫外線吸収剤等)、充填剤、着色剤(染料及び無機フィラー(W)以外の顔料)、難燃剤(酸化アンチモン等)、分散剤、消泡剤及びレベリング剤等が挙げられる。添加剤の含有量はコーティング剤中の(U)の重量に対して好ましくは10重量%以下、更に好ましくは0.5~5重量%である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系[イルガノックス1010(チバガイギー社製)等]及びヒンダードアミン系[サノールLS770(チバガイギー社製)等]が挙げられる。紫外線吸収剤としては、トリアゾール系[チヌビン320(チバガイギー社製)等]及びベンゾフェノン系[サイアソーブUV9(サイアナミド社製)等]が挙げられる。充填剤としては、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、シリカ、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化カルシウム、二酸化鉛、酸化チタン、ケイソイ土、ガラス繊維及びその破砕物(カットガラス、ミルドガラス、ガラスフレーク等)、タルク並びにマイカ等が挙げられる。
コーティング剤の粘度(20℃)は、ハンドリング性の観点から、100~5,000mPa・sが好ましく、更に好ましくは500~3,000mPa・sである。
なお、コーティング剤の粘度はJIS-K7117-1に準じて、B型粘度計により測定することができる。
コーティング剤が適用できる基材としては、プラスチック成形体[ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリスチレン、ABS、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ナイロン、ポリアミド、ポリウレタン、変性PPO、ポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等]、ゴム類[天然ゴム、合成ゴム(クロロプレンゴム、イソプレンゴム、SBR、NBR、ブチルゴム及びEPゴム等)]、多孔質材[木材、紙、布(天然繊維及び合成繊維等の織布又は不織布)及びプラスチックフォーム(ポリオレフィンフォーム及びポリウレタンフォーム等)等]及び無機質材[金属(鉄、ブリキ、トタン、アルミニウム及び亜鉛鋼板等)、ガラス、瓦スレート及びセラミック等]が挙げられる。
<塗膜>
本発明の塗膜は、前記無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液により得られる。
塗膜は、例えば、無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液を用途に応じた公知の方法(例えば前記の各用途に応じた方法)で基材に塗布し、好ましくは40~130℃、更に好ましくは60~80℃で乾燥する(溶剤(V)を揮発させる)ことにより得ることができる。
塗膜の膜厚は、用途により適宜選択することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1 [化合物(S0-1)の製造]
反応容器中にポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱化学(株)製「PTMG250」:Mn=250]250重量部及び無水マレイン酸49重量部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌、混合して常圧下、120±10℃で1時間反応させ酸無水物基部分のハーフエステル化を行った後、更に減圧下、120±10℃で3時間反応させ残ったカルボキシル基のエステル化を行い、無水マレイン酸1モルにポリ(オキシテトラメチレン)グリコールが2モルエステル化反応した化合物(S0-1)を得た。
製造例2 [化合物(S0-2)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱化学(株)製「PTMG2000」:Mn=2000]2000重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-2)を得た。
製造例3 [化合物(S0-3)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]410重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-3)を得た。
製造例4 [化合物(S-1)の製造]
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部、ピロ亜硫酸ナトリウム95重量部、水300重量部、イソプロパノール100重量部を仕込み、窒素雰囲気下、撹拌、混合して、70℃±10℃、10時間反応させ、化合物(S0-1)の不飽和ジカルボン酸ジエステル化物の不飽和炭素-炭素二重結合部分にスルホン酸塩の付加を行い、未反応の水及びイソプロパノールを減圧下、100℃±10℃、3時間留去して、化合物(S-1)を得た。
製造例5 [化合物(S-2)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-2)4080重量部に変更する以外は製造例4と同様にして化合物(S-2)を得た。
製造例6 [化合物(S-3)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-3)900重量部に変更する以外は製造例4と同様にして化合物(S-3)を得た。
製造例7 [化合物(S-4)の製造]
ピロ亜硫酸ナトリウム95重量部をピロ亜硫酸カリウム111重量部に変更する以外は製造例4と同様にして化合物(S-4)を得た。
製造例8 [化合物(S-5)の製造]
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部、亜硫酸水素アンモニウム水溶液[大東化学(株)製「重亜硫酸アンモン液」:65重量%水溶液]304重量部、亜硫酸アンモニウム・一水和物[ナカライテスク(株)製「亜硫酸アンモニウム・一水和物」]214重量部、水660重量部を仕込み、空気雰囲気下、撹拌、混合して、60℃±10℃、6時間反応させ、化合物(S0-1)の不飽和ジカルボン酸ジエステル化物の不飽和炭素-炭素二重結合部分にスルホン酸塩の付加を行い、メタノール470重量部を仕込んで反応付加物を析出、濾過を行い化合物(S-5)を得た。
製造例4~8で得られた化合物(S-1)~(S-5)の物性値を表1に示す。
Figure 2022151756000003
<実施例1>
撹拌装置を備えた反応装置に、製造例1で得られた化合物(S-1)30重量部、ポリオール(a-1)100重量部、ポリオール(a-2)100重量部、ポリオール(a-3)1.30重量部及びイソホロンジイシシアネート(IPDI)49.5重量部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量が2.01重量%のウレタンプレポリマー(P-1)を得た。40℃に冷却後、酢酸エチル800重量部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール400重量部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン8.35重量部、ジエチレントリアミン0.88重量部及びモノエタノールアミン1.73重量部を加え、40℃で1時間反応させた後、無機フィラー(W)として酸化鉄[大日精化工業株式会社製「TM レッド8270」]292重量部及びガラスビース150重量部を加えた混合物をペイントコンディショナーにて1時間混錬し、ガラスビースをろ過により除去して、本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液(Q-1)を得た。
<実施例2~11及び比較例1~2>
実施例1において、使用原料を表2にしたがった以外は、実施例1と同様にして、各無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液(Q-2)~(Q-11)及び(比Q-1)~(比Q-2)を得た。
得られた各無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液(Q-1)~(Q-11)及び(比Q-1)~(比Q-2)について、後述の手順で評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2022151756000004
表2中、各原料は以下のとおりである。
比S-1:ジメチロールプロピオン酸
ポリオール(a-1):
・ポリブチレン-ネオペンチルアジペートジオール[三洋化成工業(株)「サンエスタ―45625」:Mn=2,500]
ポリオール(a-2):
・ポリ(3-メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製、「クラレポリオールP-2010」:Mn=2,000]
ポリオール(a-3):
・1,4-ブタンジオール
・IPDI(イソホロンジイソシアネート)[住化コベストロウレタン(株)製、「DESMODUR I」、NCO含量37.8重量%]
・TDI(トリレンジイソシアネート)[東ソー(株)製、「コロネート T-80」、NCO含量48.2重量%]
触媒:
・ネオスタンU-600:ビスマストリス(2-エチルへキサノエート)[日東化成(株)製]
無機フィラー(W)
・酸化鉄:大日精化工業株式会社製「TM レッド8270」
・酸化アルミニウムコバルト:大日精化工業株式会社製「TMブルー 3490E」
[1]無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液の貯蔵安定性(10℃、低温)
無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液(Q)30gを、スクリュー管瓶[50mL(胴径35mm×高さ78mm)]に入れて、10℃×14日間貯蔵した。貯蔵後の溶液の外観を観察し、以下の評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:無機フィラーの沈降が全く観察されない
○:無機フィラーの沈降が1mm未満
△:無機フィラーの沈降が1mm以上2mm未満
×:無機フィラーの沈降が2mm以上
[2]無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液の貯蔵安定性(40℃、高温)
無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液(Q)30gを、スクリュー管瓶[50mL(胴径35mm×高さ78mm)]に入れて、40℃×14日間貯蔵した。貯蔵後の溶液の外観を観察し、以下の評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:無機フィラーの沈降が全く観察されない
○:無機フィラーの沈降が1mm未満
△:無機フィラーの沈降が1mm以上2mm未満
×:無機フィラーの沈降が2mm以上
[3]塗膜の密着性
表面処理ポリエステルフィルム(PET)[東洋紡績株式会社製「エスペットE-5102」(厚さ12μm)]に無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液を乾燥後のフィルム膜厚が50μmの厚さになるように塗布(コーティング)し、25℃、50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させた後、温度5℃(±2℃)、相対湿度10%(±10%)の条件下で養生し、温度5℃(±2℃)、相対湿度10%(±10%)の条件にて碁盤目セロハンテープ(登録商標)剥離試験を行い、基材に対する密着性を評価した。
温度、湿度以外の条件はJIS K5600-5-6に準拠し、セロハンテープ(登録商標)(ニチバン(株)製)を使用してカット間隔2mmにて試験を行い、以下の評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:剥がれなかったマス目が100個
○:剥がれなかったマス目が90~99個
×:剥がれなかったマス目が90個未満
[4]塗膜の光沢性(60度鏡面光沢度)
塗膜について、JIS K5600-4-7に規定する方法で、入射角と受光角とがそれぞれ60度のとき反射率(鏡面光沢度)(%)を測定し、以下の評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:95%以上
〇:90%以上95%未満
△:85%以上90%未満
×:85%未満
[5]塗膜の耐水性
評価[3]と同様にして得られた塗膜を50℃のイオン交換水に240hr浸せき後、25℃、50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させた後、温度5℃(±2℃)、相対湿度10%(±10%)の条件下で養生し、温度5℃(±2℃)、相対湿度10%(±10%)の条件にて碁盤目セロハンテープ(登録商標)剥離試験を行い、基材に対する密着性を評価した。
温度、湿度以外の条件はJIS K5600-5-6に準拠し、セロハンテープ(登録商標)(ニチバン(株)製)を使用し、以下の評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:剥がれなかったマス目が100個
○:剥がれなかったマス目が90~99個
×:剥がれなかったマス目が90個未満
表2の結果から、本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液(Q)は、比較のものと比べて、貯蔵安定性(高温、低温)、塗膜の密着性、塗膜の光沢性、塗膜の耐水性がともに優れることがわかる。
本発明の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液は、貯蔵安定性及び塗膜の光沢性に優れることから、印刷インキ組成物、塗料組成物、接着剤組成物、加工処理剤組成物(抗菌剤用バインダー組成物及び人工皮革・合成皮革用原料組成物等)、コーティング剤組成物(防水コーティング剤組成物、撥水コーティング剤組成物及び防汚コーティング剤組成物等)、電池用バインダー、インキ組成物等に使用することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する活性水素原子含有成分(A)及びイソシアネート成分(B)を構成単量体として含むウレタン樹脂(U)と、溶剤(V)と、無機フィラー(W)とを含有する無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液。
    Figure 2022151756000005
    [一般式(1)中、X及びXは水酸基を2個有する化合物から1個の水酸基を除いた残基を表し、XとXはそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rは炭素数2~10の三価の鎖式飽和炭化水素基を表し;SOZはスルホン酸塩を表す。]
  2. 前記化合物(S)の水酸基価が25~190mgKOH/gである請求項1に記載の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液。
  3. 前記ウレタン樹脂(U)中のスルホン酸塩基濃度が、前記ウレタン樹脂(U)の重量を基準として、0.01~0.9mmоl/gである請求項1又は2に記載の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液。
  4. 前記ウレタン樹脂(U)のウレタン基濃度が、ウレタン樹脂(U)の重量を基準として、0.02~4.5mmоl/gである請求項1~3のいずれか1項に記載の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液。
  5. 塗料用、印刷インキ用又はコーティング剤用である請求項1~4のいずれか1項に記載の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の無機フィラー分散ウレタン樹脂溶液により得られる塗膜。
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