JP2001011150A - ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物、二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該組成物を含有してなる接着剤及び塗工剤 - Google Patents

ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物、二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該組成物を含有してなる接着剤及び塗工剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】難接着性のプラスチック基材に対しても優れた
密着性を有し、膜物性にも優れた二液型水性アクリル−
ウレタン組成物を与えるヒドロキシル基含有水性アクリ
ル−ウレタン樹脂組成物、該組成物を主剤とする二液型
水性組成物、該二液型水性組成物を含有してなる接着剤
及び塗工剤を提供する。 【解決手段】(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)
アクリルポリオールを含有する高分子量ポリオール及び
(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化
合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリ
マーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン又
はその誘導体を用いて鎖伸長反応し、又は、することな
く、(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミン又は第二
級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖し
て得られるヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン
樹脂組成物、二液型水性アクリル−ウレタン組成物、接
着剤及び塗工剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシル基含
有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物、二液型水性アク
リル−ウレタン組成物、該組成物を含有してなる接着剤
及び塗工剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、難接
着性のプラスチック基材に対しても優れた密着性を有
し、耐熱水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れた二液
型水性アクリル−ウレタン組成物を与えるヒドロキシル
基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物、該組成物を
主剤とする二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該二
液型水性アクリル−ウレタン組成物を含有してなる密着
性、耐熱水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れた接着
剤及び塗工剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の接着剤や、塗料、印刷
インキなどの各種の塗工剤の分野では、有機溶剤系樹脂
が主として用いられてきたが、近年、大気汚染の問題
や、作業環境の改善などの理由から、水性樹脂に代替さ
れつつある。このような用途における水性樹脂として
は、カルボキシル基を有するアクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂などが研究され、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂に関しても、水溶化又は水分散化
の試みが種々なされている。アクリル樹脂とポリウレタ
ン樹脂は、ブレンド、複合化、共重合などにより、ポリ
ウレタン樹脂の有する機械抵抗、耐ブロッキング性、耐
薬品性などの優れた性質と、アクリル樹脂の有する低コ
スト、耐候性、耐光性、高固形分などの優れた性質を併
せもつさまざまな水性アクリル−ウレタン樹脂組成物が
開発されている。例えば、米国特許4,318,833号
明細書には、自動車上塗り塗料として有用な貯蔵安定性
に優れた水性アクリル−ウレタン塗料組成物として、完
全に反応した水溶性ポリウレタンの存在下にエチレン性
不飽和単量体を重合して得られる水性塗料組成物が提案
されている。しかし、この組成物は、均一な分子混合物
とはなりにくいという欠点がある。また、米国特許4,
644,030号明細書には、耐水性と耐溶剤性を備え
た塗膜を与える水性アクリル−ウレタン樹脂組成物とし
て、エチレン性不飽和単量体の存在下のイソシアネート
基末端ポリウレタンプレポリマーを調製し、このプレポ
リマーを水中に分散して鎖延長したのち、不飽和単量体
を重合して得られる組成物が提案されている。特許第2
634470号公報には、空気乾燥して優れた靭性、耐
久性、光沢を有し、硬く耐摩耗性のある塗膜を形成する
水分散性アクリル−ウレタン樹脂組成物として、水分散
性ポリウレタン樹脂と酸官能性アクリル系担体樹脂の存
在下にアクリル系単量体を重合して得られる組成物が提
案されている。しかし、これらの組成物は、いずれも完
全なアクリル−ウレタン共重合体の性質を得ることはで
きないという欠点がある。したがって、従来の一液型の
水性アクリル−ウレタン樹脂組成物は、難接着性のプラ
スチック基材に対して十分な接着性能が得られず、ま
た、乳化成分のために耐熱水性においても満足する性能
が発現されていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、難接着性の
プラスチック基材に対しても優れた密着性を有し、耐熱
水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れた二液型水性ア
クリル−ウレタン組成物を与えるヒドロキシル基含有水
性アクリル−ウレタン樹脂組成物、該組成物を主剤とす
る二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該二液型水性
アクリル−ウレタン組成物を含有してなる密着性、耐熱
水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れた接着剤及び塗
工剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリイソシアネ
ート化合物、ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gの
アクリルポリオールを含有する高分子量ポリオール及び
アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物
の反応から得られるイソシアネート基末端プレポリマー
の中和物を、必要に応じて水中で鎖伸長し、ヒドロキシ
ル基を有する第一級アミン又は第二級アミン化合物を反
応して得られる末端イソシアネート基が封鎖されたヒド
ロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物から
なる主剤と、水性ポリイソシアネート化合物からなる硬
化剤とを配合してなる二液型水性アクリル−ウレタン組
成物は、難接着性のプラスチック基材に対しても優れた
密着性を有し、耐熱水性、耐アルコール性、耐摩耗性に
優れることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、(1)(a)有
機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒドロキシル価が
5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重
量%を含有する高分子量ポリオール及び(c)アニオン
性親水基と2個以上の活性水素とを有する化合物を反応
して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和
物を、水中で(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミ
ン又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート
基を封鎖して得られるヒドロキシル基含有水性アクリル
−ウレタン樹脂組成物、(2)(a)有機ポリイソシア
ネート化合物、(b)ヒドロキシル価が5〜200mgKO
H/gのアクリルポリオール5〜60重量%を含有する
高分子量ポリオール、(c)アニオン性親水基と2個以
上の活性水素を有する化合物を反応して得られるイソシ
アネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性
ポリアミン及びヒドラジン又はその誘導体から選ばれる
少なくとも1種を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又
は、鎖伸長反応と同時に、(d)ヒドロキシル基を有す
る第一級アミン又は第二級アミン化合物を用いて末端イ
ソシアネート基を封鎖して得られるヒドロキシル基含有
水性アクリル−ウレタン樹脂組成物、(3)(a)有機
ポリイソシアネート化合物が、脂肪族ジイソシアネート
化合物及び脂環式ジイソシアネート化合物の中から選ば
れる少なくとも1種である第(1)項又は第(2)項記載の
ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成
物、(4)(b)高分子ポリオールが、アクリルポリオ
ール以外の成分として、ポリエステルポリオール、ポリ
カーボネートポリオール及びポリエーテルポリオールの
少なくとも1種を10〜94重量%の割合で含有するも
のである第(1)項又は第(2)項記載のヒドロキシル基含
有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物、(5)(c)ア
ニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物に
おいて、アニオン性親水基がカルボキシル基であり、ヒ
ドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂中のカル
ボキシル基の含有量が、該樹脂の重量に基づき0.3〜
2.5重量%である第(1)項又は第(2)項記載のヒドロ
キシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物、
(6)(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミン又は
第二級アミン化合物が、モノエタノールアミン又はジエ
タノールアミンであり、ヒドロキシル基含有水性アクリ
ル−ウレタン樹脂中のヒドロキシル基の含有量が、該樹
脂の重量に基づき0.1〜5.0重量%である第(1)項又
は第(2)項記載のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウ
レタン樹脂組成物、(7)(A)主剤のヒドロキシル基
(OH)と(B)水性ポリイソシアネート化合物からな
る硬化剤のイソシアネート基(NCO)との当量比OH
/NCOが1:3〜2:1に配合された二液型水性アク
リル−ウレタン組成物において、(A)主剤が第(1)
項、第(2)項、第(3)項、第(4)項、第(5)項又は第
(6)項記載のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタ
ン樹脂組成物である二液型水性アクリル−ウレタン組成
物、(8)第(7)項記載の二液型水性アクリル−ウレタ
ン組成物を含有してなる接着剤、及び、(9)第(7)項
記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物を含有して
なる塗工剤、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のヒドロキシル基含有水性
アクリル−ウレタン樹脂組成物の第1の態様は、(a)
有機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒドロキシル価
が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60
重量%を含有する高分子量ポリオール及び(c)アニオ
ン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応
して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和
物を、水中で(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミ
ン又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート
基を封鎖して得られるものである。本発明のヒドロキシ
ル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物の第2の態
様は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒ
ドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオ
ール5〜60重量%を含有する高分子量ポリオール及び
(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する
化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポ
リマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン及びヒドラ
ジン又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種を用い
て水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時
に、(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミン又は第
二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖
して得られるものである。本発明に用いる(a)有機ポ
リイソシアネート化合物に特に制限はないが、脂肪族ジ
イソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネート化合
物を好適に用いることができ、イソホロンジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノル
ボランジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシア
ネートを特に好適に用いることができる。これらの有機
ポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いること
ができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いること
もできる。
【0006】本発明に用いる(b)高分子量ポリオール
は、ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリル
ポリオール5〜60重量%を含有する。アクリルポリオ
ールは、エチレン性不飽和基1個と、ヒドロキシル基を
有する単量体から得られる単独重合体及び共重合体であ
る。エチレン性不飽和基1個とヒドロキシル基を有する
単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、3−クロロ−2−ヒドロキシブチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキ
シヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、6
−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、5,6−ジヒド
ロキシヘキシルメタクリレートなどを挙げることができ
る。これらの単量体は、1種を単独で用いることがで
き、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。エチレン性不飽和基1個とヒドロキシル基を有す
る単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n
−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2
−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−クロロエ
チル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリ
レート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−
n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ
ブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)
アクリレート、2−ニトロ−2−メチルプロピル(メタ)
アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、シクロ
ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、テトラピラニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、2
−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェニル
エチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸などのアクリル系単量体、アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロ
リドン、メチルクロトナート、無水マレイン酸、スチレ
ン、α−メチルスチレンなどのエチレン性単量体などを
挙げることができる。なお、(メタ)アクリレートは、ア
クリレート及びメタクリレートを意味し、(メタ)アクリ
ル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸を意味する。これ
らの共重合可能な単量体は、1種を単独で用いることが
でき、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることも
できる。本発明において、アクリルポリオールは、上記
の単量体を(b)高分子量ポリオールのアクリルポリオ
ール以外の成分であるポリエステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールなどの
中で重合することによっても得ることができる。
【0007】本発明において、(b)高分子量ポリオー
ルに含有されるアクリルポリオールは、ヒドロキシル価
が5〜200mgKOH/gであり、より好ましくは30〜
70mgKOH/gである。アクリルポリオールのヒドロキ
シル価が5mgKOH/g未満であると、ポリウレタン樹脂
の生成部位が減少し、アクリル樹脂とポリウレタン樹脂
との共重合体としての性能が十分に発揮されないおそれ
がある。アクリルポリオールのヒドロキシル価が200
mgKOH/gを超えると、イソシアネート基末端プレポリ
マーの調製の際に、有機ポリイソシアネート化合物に由
来する架橋密度の上昇によりゲル化が進行し、製造が困
難になるおそれがある。また、アクリルポリオールは、
重量平均分子量1,000〜100,000であることが
好ましく、重量平均分子量8,000〜30,000であ
ることがより好ましい。本発明に用いる(b)高分子量
ポリオールは、アクリルポリオール5〜60重量%、よ
り好ましくは7〜50重量%、さらに好ましくは10〜
30重量%を含有する。アクリルポリオールの含有量が
5重量%未満であると、アクリル樹脂による耐候性、耐
光性、高固形分などの性質の発現が不十分となるおそれ
がある。アクリルポリオールの含有量が60重量%を超
えると、ポリウレタン樹脂による機械抵抗、弾性、耐ブ
ロッキング性、耐薬品性などの性質の発現が不十分とな
るおそれがある。本発明に用いる(b)高分子量ポリオ
ールにおいて、アクリルポリオール以外の成分として
は、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール及びポリエーテルポリオールを好適に用いることが
できる。高分子量ポリオール中のこれらのポリオールの
含有量は、10〜94重量%であることが好ましい。高
分子量ポリオール中のこれらのポリオールの含有量が1
0重量%未満であると、得られる二液型水性アクリル−
ウレタン組成物における、ソフトセグメント由来のポリ
ウレタン樹脂による弾性、機械抵抗などの性質の発現が
不十分となるおそれがある。高分子量ポリオール中のこ
れらのポリオールの含有量が94重量%を超えると、ア
クリルポリオール由来のアクリル樹脂による耐候性、耐
光性、高固形分などの性質の発現が不十分となるおそれ
がある。
【0008】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペー
ト、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリヘキサメチ
レンイソフタレートアジペート、ポリエチレンサクシネ
ート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンセバケ
ート、ポリブチレンセバケート、ポリ−ε−カプロラク
トンジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペート、
1,6−ヘキサンジオールとダイマー酸の重縮合物、1,
6−ヘキサンジオールとアジピン酸とダイマー酸の共重
縮合物、ノナンジオールとダイマー酸の重縮合物、エチ
レングリコールとダイマー酸の重縮合物、エチレングリ
コールとアジピン酸とダイマー酸の共重縮合物などを挙
げることができる。ポリカーボネートポリオールとして
は、例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオー
ル、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ−
1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネートジオー
ル、ポリヘキサメチレン−1,4−シクロヘキサンジメ
チレンカーボネートジオールなどを挙げることができ
る。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレ
ンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとの
ランダム共重合体やブロック共重合体などを挙げること
ができる。さらに、エーテル結合とエステル結合を有す
るポリエーテルポリエステルポリオールなどを用いるこ
とも可能である。アクリルポリオール以外のこれらのポ
リオールは、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0009】本発明において、(c)アニオン性親水基
と2個以上の活性水素を有する化合物に特に制限はない
が、アニオン性親水基がカルボキシル基であり、活性水
素がヒドロキシル基の水素である化合物を好適に用いる
ことができる。このような化合物としては、例えば、
2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロー
ルブタン酸などを挙げることができる。また、このよう
なカルボキシル基含有ジオールとして、カルボキシル基
を有するジオールとカルボキシル基を有しないジオール
を場合により混合したジオール成分と、芳香族ジカルボ
ン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などの
ジカルボン酸とから得られるペンダントカルボキシル基
を有するポリエステルポリオールを用いることもでき
る。これらのアニオン性親水基と2個以上の活性水素を
有する化合物は、1種を単独で用いることができ、ある
いは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。本
発明において、イソシアネート基末端プレポリマーの中
和物は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)
高分子量ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個
以上の活性水素を有する化合物を反応してイソシアネー
ト基末端プレポリマーを得たのち、アニオン性親水基を
中和することができ、あるいは、(a)有機ポリイソシ
アネート化合物、(b)高分子量ポリオール及び(c)
中和されたアニオン性親水基と2個以上の活性水素を有
する化合物を反応して、直接イソシアネート基末端プレ
ポリマーの中和物を得ることもできる。アニオン性親水
基の中和に用いる化合物に特に制限はなく、例えば、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピ
ルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンな
どのアミン類や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
アンモニアなどを挙げることができる。本発明におい
て、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂中
の(c)成分に由来するカルボキシル基の含有量は、該
樹脂の重量に基づき0.3〜2.5重量%であることが好
ましく、0.5〜2.0重量%であることがより好まし
い。カルボキシル基の含有量が0.3重量%未満である
と、乳化が困難になり、あるいは、乳化安定性が不十分
になるおそれがある。カルボキシル基の含有量が2.5
重量%を超えると、二液型水性アクリル−ウレタン組成
物の耐水性が低下するおそれがある。
【0010】本発明においては、イソシアネート基末端
プレポリマーを調製する際に、必要に応じて、(f)鎖
伸長剤を用いることができる。使用する鎖伸長剤として
は、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの低分
子量多価アルコール、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキ
シルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソ
ホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミンなどの低分子量ポリアミンなどを挙げること
ができる。これらの鎖伸長剤は、1種を単独で用いるこ
とができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いるこ
ともできる。本発明においては、(a)有機ポリイソシ
アネート化合物、(b)アクリルポリオール5〜60重
量%を含有する高分子量ポリオール、(c)アニオン性
親水基と2個以上の活性水素を有する化合物、及び、必
要に応じて(f)鎖伸長剤を用い、末端にイソシアネー
ト基を有するウレタンプレポリマーを製造する。イソシ
アネート基末端プレポリマーの製造方法に特に制限はな
く、例えば、従来公知のワンショット法(1段式)又は
多段式のイソシアネート重付加反応法によって、反応温
度40〜150℃の条件下で反応を行うことができる。
この際、必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート、スタ
ナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルヘキソエー
ト、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メ
チルモルホリンなどの反応触媒を単独で又は2種以上を
組み合わせて添加することができる。また、反応段階に
おいて、あるいは、反応終了後に、イソシアネート基と
反応しない有機溶剤を添加することができる。このよう
な有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチル
ケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどを挙
げることができる。
【0011】本発明の第1の態様においては、イソシア
ネート基末端プレポリマーの中和物を、水中で(d)ヒ
ドロキシル基を有する第一級アミン又は第二級アミン化
合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖する。本発明
の第2の態様においては、イソシアネート基末端プレポ
リマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン及びヒドラ
ジン又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種を用い
て水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時
に、(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミン又は第
二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖
する。ヒドロキシル基を有する第一級アミン又は第二級
アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖する
ことにより、プレポリマーの中和物にヒドロキシル基が
導入される。鎖伸長反応に用いる(e)水溶性ポリアミ
ン及びヒドラジン又はその誘導体としては、例えば、エ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジ
ン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジ
ン、ジ第一級アミン及びモノカルボン酸から誘導された
アミドアミン、ジ第一級アミンのモノケチミンなどを挙
げることができる。これらの化合物は、1種を単独で用
いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用
いることもできる。末端イソシアネート基の封鎖に用い
る(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物と
しては、例えば、ヒドロキシルアミン、エタノールアミ
ン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−
ヒドロキシメチルプロパン−1,3−ジオール、2−ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチ
ルプロピレンジアミン、N,N−ジ−2−ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン、N,N−ジ−2−ヒドロキシプ
ロピルエチレンジアミン、N,N−ジ−2−ヒドロキシ
プロピルプロピレンジアミンなどを挙げることができ、
ヒドロキシル基を有する第二級アミン化合物としては、
例えば、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、N,N'−ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジア
ミン、N,N'−ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジ
アミン、N,N'−ジ−2−ヒドロキシプロピルプロピレ
ンジアミンなどを挙げることができる。これらの化合物
は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以
上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、
モノエタノールアミン及びジエタノールアミンを特に好
適に用いることができる。本発明において、ヒドロキシ
ル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂中の(d)成分に
由来するヒドロキシル基の含有量は、該樹脂の重量に基
づき0.1〜5.0重量%であることが好ましく、0.5
〜3.0重量%であることがより好ましい。ヒドロキシ
ル基の含有量が0.1重量%未満であると、二液型水性
アクリル−ウレタン組成物から得られる塗膜において、
架橋密度が不足して、耐水性が不十分となるおそれがあ
る。ヒドロキシル基の含有量が5.0重量%を超える
と、二液調整後の液安定性が低下し、使用が困難になる
おそれがある。イソシアネート基末端プレポリマーの製
造の際に有機溶剤を用いた場合には、末端イソシアネー
ト基を封鎖したのち、例えば、減圧蒸留などの方法によ
り有機溶剤を除去することが好ましい。有機溶剤を除去
する際には、界面活性剤、例えば、高級脂肪酸塩、樹脂
酸塩、長鎖脂肪アルコール硫酸エステル塩、高級アルキ
ルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スル
ホン化ひまし油、スルホコハク酸エステルなどのアニオ
ン性界面剤、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコール又
はフェノール類との反応生成物などのノニオン性界面活
性剤などを使用して、乳化性を保持することが好まし
い。
【0012】本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組
成物は、(A)本発明のヒドロキシル基含有水性アクリ
ル−ウレタン樹脂組成物を主剤とし、(B)水性ポリイ
ソシアネート化合物を硬化剤とするものである。水性ポ
リイソシアネート化合物は、原料ポリイソシアネートに
活性水素を有する親水性鎖、及び、場合により親油性鎖
を付加反応させることによって得ることができるもので
あり、水中への自己乳化分散性が良好で可使時間が長
く、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組
成物の硬化剤として有効である。原料ポリイソシアネー
トとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪
族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートを挙
げることができる。また、これらの原料ポリイソシアネ
ートの反応から得られるイソシアヌレート基含有ポリイ
ソシアネートも、(B)水性ポリイソシアネート化合物
の原料として用いることができる。芳香族ポリイソシア
ネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネ
ート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフチ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ートなどや、これらの異性体を挙げることができる。脂
肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネート
としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロ
ヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボ
ランジイソシアネートなどを挙げることができる。ま
た、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートとして
は、原料イソシアネートと活性水素を有する化合物との
反応によるイソシアネート末端化合物や、あるいは原料
ポリイソシアネートの反応、例えば、ウレトジオン化反
応、イソシアヌレート化反応、カルボジイミド化反応、
ウレトイミン化反応などによるイソシアネート変性体を
挙げることができる。これらのイソシアネート変性体
は、公知のウレトジオン化触媒、イソシアヌレート化触
媒などを用い、通常0〜90℃の反応温度で、溶剤不存
在下又はウレタン工業に常用の不活性溶剤の存在下で、
原料ポリイソシアネートから製造することができる。ウ
レトジオン化触媒及びイソシアヌレート化触媒として
は、例えば、第三級アミン類、アルキル置換エチレンイ
ミン類、第三級アルキルホスフィン類、アセチルアセト
ン金属塩類、各種有機酸の金属塩類などを挙げることが
できる。これらの触媒は、1種を単独で用いることがで
き、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。また、不活性溶剤としては、例えば、トルエン、
メチルエチルケトン、酢酸エチルなどを挙げることがで
きる。原料ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイ
ソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートが、水分散
性、水分散後のイソシアネート基の安定性、無黄変性な
どが良好であって、好適に用いることができ、平均官能
基数が2以上であるイソシアヌレート環を有するポリイ
ソシアネートを特に好適に用いることができる。
【0013】水性ポリイソシアネート化合物の製造に用
いる活性水素を有する親水性鎖を付加する化合物として
は、ノニオン性化合物又はイオン性化合物を用いること
ができる。ノニオン性化合物としては、例えば、ポリオ
キシアルキレンエーテルアルコール、ポリオキシアルキ
レン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。ポリオ
キシアルキレンエーテルアルコールは、一価のアルコー
ルにアルキレンオキシドを付加することにより製造する
ことができる。一価のアルコールとしては、線状アルコ
ール、分岐アルコール、環状アルコールのいずれをも用
いることができ、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの炭素
数1〜4のアルコールを好適に用いることができる。ポ
リオキシアルキレン脂肪酸エステルは、酢酸、プロピオ
ン酸、ブタン酸などの脂肪酸に、アルキレンオキシドを
付加することにより製造することができる。ポリオキシ
アルキレンエーテルアルコール及びポリオキシアルキレ
ン脂肪酸エステルなどに存在するポリアルキレンオキシ
ド鎖は、アルキレンオキシドの付加モル数が3〜90で
あることが好ましく、5〜50であることがより好まし
い。また、アルキレンオキシド鎖は、エチレンオキシド
単位が70モル%以上であることが好ましい。イオン性
化合物としては、脂肪酸塩、スルホン酸塩、リン酸エス
テル、硫酸エステルなどのアニオン性化合物、第一級ア
ミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、第四級アン
モニウム塩、ピリジニウム塩などのカチオン性化合物、
スルホベタインなどの両性化合物などを挙げることがで
きる。水性ポリイソシアネート化合物の製造に場合によ
り用いられる活性水素を有する親油性鎖を付加する化合
物としては、例えば、オクチルアルコール、ノニルアル
コール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラ
ウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチル
アルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコー
ル、シンナミルアルコールなどの炭素数8以上の高級ア
ルコールを挙げることができる。また、原料となる脂肪
酸とアルコールの炭素数の和が8以上の脂肪酸エステル
も用いることができる。この場合、原料となる脂肪酸と
しては、例えば、α−オキシプロピオン酸、オキシコハ
ク酸、ジオキシコハク酸、ε−オキシプロパン−1,2,
3−トリカルボン酸、α−ヒドロキシ酪酸、β−ヒドロ
キシ酪酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、リ
シノエライジン酸、リシノステアロール酸、サリチル
酸、マンデル酸などを挙げることができ、アルコールと
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコ
ールなどを挙げることができる。上記のような親油性鎖
がイソシアネート基の近傍に存在することにより、水性
ポリイソシアネート化合物を水に分散する場合に、イソ
シアネート基を立体的に水から保護し、可使時間を長期
化することができる。本発明に用いる水性ポリイソシア
ネート化合物の製造は、一般に50〜130℃で行うこ
とができ、必要に応じて、不活性溶剤、触媒などを使用
することもできる。
【0014】本発明に用いる水性ポリイソシアネート化
合物は、原料に用いるポリイソシアネートのイソシアネ
ート基1当量を基準として、親水性鎖を付加する化合物
の活性水素の当量比が1〜30%であることが好まし
く、8〜20%であることがより好ましい。親水性鎖の
含有量が少なすぎると、水分散性が不良となるおそれが
ある。親水性鎖の含有量が多すぎると、水性ポリイソシ
アネート化合物と水との親和性が強くなり、水中での水
性ポリイソシアネート化合物の安定性が低下するおそれ
がある。また、原料に用いるポリイソシアネートのイソ
シアネート基1当量を基準として、親油性鎖を付加する
化合物の活性水素の当量比が0.1〜25%であること
が好ましく、2〜15%であることがより好ましい。親
油性鎖の含有量が少なすぎると、イソシアネート基の界
面化学的な保護を十分に行うことができず、水分散液と
したときの可使時間が短くなるおそれがある。親油性鎖
の含有量が多すぎると、水分散安定性が低下するおそれ
がある。本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組成物
において、(A)主剤のヒドロキシル基(OH)と
(B)水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤の
イソシアネート基(NCO)との当量比OH/NCOが
1:3〜2:1である。当量比OH/NCOが1:3未
満であると、過剰のイソシアネート基が水と反応して炭
酸ガスを発生し、塗膜の外観を損なうおそれがある。当
量比OH/NCOが2:1を超えると、十分な接着強度
を得るに必要な架橋密度が不足し、かつヒドロキシル基
が露出するために耐水性が低下するおそれがある。
【0015】本発明の二液水性アクリル−ウレタン組成
物は、それ自身でも各種プラスチック基材への接着剤及
び塗工剤として用いることができるが、必要に応じて、
レベリング剤として、フッ素系やアセチレングリコール
系などの各種の界面活性剤を添加することができ、さら
に溶剤として、n−メチルピロリドン、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテートなどを添加するこ
ともできる。本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組
成物は、それ自身でも耐久性、耐候性、耐光性、耐水性
に関して優れた樹脂物性を有するが、水系オキサゾリン
系架橋剤、水系(ポリ)カルボジイミド系架橋剤、水系エ
ポキシ樹脂系架橋剤などのカルボキシル基と反応性を有
する架橋剤を併用し、さらに優れた耐水性を付与するこ
ともできる。本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組
成物は、接着剤や、塗料、印刷インキなどの各種の塗工
剤として、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの各種プラス
チック基材に好適に用いることができ、特に被着物がポ
リオレフィンやポリエステルなどの難接着性のプラスチ
ック基材である場合にも、優れた密着性を示すととも
に、かかる組成物にとって重要な特性である耐熱水性、
耐アルコール性、耐久性、耐摩耗性、耐洗濯性、光沢性
などの要望を満たすことができる。本発明の二液型水性
アクリル−ウレタン組成物が上記の効果を発現する理由
については、主剤のヒドロキシル基含有水性アクリル−
ウレタン樹脂組成物は、アクリル樹脂がポリウレタン樹
脂に組み込まれた完全均一な共重合体であり、かつ硬化
剤により一液型では得られない高架橋密度を形成するた
めと推定される。
【0016】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、塗膜の評価は、熱処理後の塗膜について下記の方法
により行った。 (1)透明性 目視により判定する。 ◎;非常に良好、○;良好、△;普通、×;不良。 (2)光沢 目視により判定する。 ◎;非常に良好、○;良好、△;普通、×;不良。 (3)密着性 塗装面にセロハン粘着テープ[ニチバン(株)]を貼り付
け、角度60度で急速に剥がした後の塗膜の外観を観測
し、以下の基準で評価する。 ◎;塗膜の95%以上がフィルム側に残る。 ○;塗膜の80%以上95%未満がフィルム側に残る。 △;塗膜の50%以上80%未満がフィルム側に残る。 ×;塗膜の50%未満しかフィルム側に残らない。 (4)耐熱水性 塗工フィルムを、90℃の熱水に3時間浸漬したのち、
塗膜の透明性により下記の基準で評価する。 ◎;非常に良好、○;良好、△;普通、×;不良。 (5)耐アルコール性 塗工フィルムを、20℃のエタノールに24時間浸漬
し、塗膜の膨れや剥がれの異常を目視により観察し、下
記の基準で評価する。 ◎;非常に良好、○;良好、△;軽度の異常がみられ
る、×;大きな異常がみられる。
【0017】実施例1 撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹込み管を備えた
4ツ口フラスコに、アクリルポリオール[大日本インキ
化学工業(株)、アクリディックA−808T、不揮発分
50重量%、ヒドロキシル価20mgKOH/g]56.0
g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(平均分
子量1,000)80.0g、1,4−ブタンジオール0.
9g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブ
チル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケト
ン60gを加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で
2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート
基含有量1.7重量%のイソシアネート基末端プレポリ
マーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30
℃まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和
したのち、水350gを徐々に加えて乳化分散させた。
この乳化分散液にエチレンジアミンの20重量%水溶液
6.0gを添加して0.5時間撹拌し、さらにジエタノー
ルアミン6.3gを添加して2時間撹拌した。減圧下に
2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、
固形分約35重量%のヒドロキシル基含有水性アクリル
−ウレタン樹脂組成物を得た。この組成物におけるアク
リル−ウレタン樹脂中の2,2−ジメチロールプロピオ
ン酸由来のカルボキシル基含有量は1.3重量%であ
り、ヒドロキシル基含有量は1.2重量%であった。 実施例2 実施例1で用いたものと同様な反応装置に、アクリルポ
リオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディック
A−809、不揮発分50重量%、ヒドロキシル価20
mgKOH/g]112.0g、ポリブチレンアジペートジオ
ール(平均分子量1,700)102.0g、2,2−ジ
メチロールブタン酸7.4g、ジブチル錫ジラウレート
0.001g及びメチルエチルケトン60gを加え、均
一に混合したのち、イソホロンジイソシアネート44.
6gを加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対す
る遊離イソシアネート基含有量1.5重量%のイソシア
ネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を
得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン
5.0gを加えて中和したのち、水350gを徐々に加
えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジン
の60重量%水溶液0.8gとジエタノールアミン12.
6gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下に2時間か
けて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約
35重量%のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタ
ン樹脂組成物を得た。この組成物におけるアクリル−ウ
レタン樹脂中の2,2−ジメチロールブタン酸由来のカ
ルボキシル基含有量は1.8重量%であり、ヒドロキシ
ル基含有量は1.8重量%であった。
【0018】実施例3 実施例1で用いたものと同様な反応装置に、アクリルポ
リオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディック
A−811、不揮発分50重量%、ヒドロキシル価17
mgKOH/g]132.0g、ポリ−ε−カプロラクトンジ
オール(平均分子量2,000)140.0g、2,2−
ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウ
レート0.001g及びメチルエチルケトン60gを加
え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応さ
せ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量1.
3重量%のイソシアネート基末端プレポリマーのメチル
エチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却
し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したのち、
水350gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分
散液に水加ヒドラジンの60重量%水溶液1.6gを添
加して0.5時間撹拌し、さらにジエタノールアミン8.
4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて
60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35
重量%のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹
脂組成物を得た。この組成物におけるアクリル−ウレタ
ン樹脂中の2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカ
ルボキシル基含有量は0.8重量%であり、ヒドロキシ
ル基含有量は1.0重量%であった。 実施例4 実施例1で用いたものと同様な反応装置に、アクリルポ
リオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディック
44−198、不揮発分50重量%、ヒドロキシル価2
0mgKOH/g]56.0g、ポリ−3−メチルペンタンア
ジペート(平均分子量1,000)70.0g、ポリプロ
ピレングリコール(平均分子量1,000)10.0g、
2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫
ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60
gを加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間
反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有
量2.0重量%のイソシアネート基末端プレポリマーの
メチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで
冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したの
ち、水350gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳
化分散液にジエタノールアミン12.6gを添加して2
時間撹拌したのち、減圧下に2時間かけて60℃まで昇
温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%のヒド
ロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物を得
た。この組成物におけるアクリル−ウレタン樹脂中の
2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボキシル
基含有量は1.3重量%で、ヒドロキシル基含有量は2.
3重量%であった。
【0019】比較例1 実施例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリヘキサ
メチレンカーボネートジオール(平均分子量2,00
0)100.0g、1,6−ヘキサンジオール4.7g、
2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫
ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60
gを加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間
反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有
量2.3重量%のイソシアネート基末端プレポリマーの
メチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで
冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したの
ち、水350gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳
化分散液にエチレンジアミンの20重量%水溶液18.
0gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下に2時間か
けて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約
35重量%の水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。この
組成物におけるポリウレタン樹脂中の2,2−ジメチロ
ールプロピオン酸由来のカルボキシル基含有量は1.3
重量%であった。 比較例2 実施例1で用いたものと同様な反応装置に、アクリルポ
リオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディック
A−809、不揮発分50重量%、ヒドロキシル価20
mgKOH/g]112.0g、ポリブチレンアジペートジオ
ール(平均分子量1,700)85.0g、エチレングリ
コール1.2g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.
7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチル
エチルケトン60gを加え、均一に混合したのち、イソ
ホロンジイソシアネート44.6gを加え、80℃で2
時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基
含有量1.7重量%のイソシアネート基末端プレポリマ
ーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃
まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和し
たのち、水350gを徐々に加えて乳化分散させた。こ
の乳化分散液に水加ヒドラジンの60重量%水溶液5.
0gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下に2時間か
けて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約
35重量%の水性アクリル−ウレタン樹脂組成物を得
た。この組成物におけるアクリル−ウレタン樹脂中の
2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボキシル
基含有量は1.0重量%であった。 比較例3 実施例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ−ε−
カプロラクトンジオール(平均分子量2,000)10
0.0g、ポリエチレングリコール(平均分子量1,00
0)10.0g、1,4−ブタンジオール2.7g、2,2
−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラ
ウレート0.001g及びメチルエチルケトン60gを
加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応
させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量
2.2重量%のイソシアネート基末端プレポリマーのメ
チルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷
却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したの
ち、水350gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳
化分散液にエチレンジアミンの20重量%水溶液6.2
gを添加して0.5時間撹拌し、さらにジエタノールア
ミン8.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時
間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形
分約35重量%のヒドロキシル基含有水性ポリウレタン
樹脂組成物を得た。この組成物におけるポリウレタン樹
脂中の2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボ
キシル基含有量は1.2重量%であり、ヒドロキシル基
含有量は1.5重量%であった。
【0020】実施例5 実施例1で得られたヒドロキシル基含有水性アクリル−
ウレタン樹脂組成物100gを主剤とし、水性ポリイソ
シアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒ
ジュール3100、NCO17.2重量%]9.0gを硬
化剤として配合し、均一になるまで撹拌して塗工液を調
製した。主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシ
アネート基の当量比OH/NCOは2:3である。この
塗工液を、厚さ20μmのコロナ放電処理された二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(OPP)の放電処理面及び
厚さ11μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(PET)の片面に、バーコーター(No.8)を
使用して塗布し、恒温恒湿機により、温度25℃、相対
湿度65%で5日乾燥して塗装フィルムを得た。塗膜厚
さは、いずれも10μmであった。得られた塗装フィル
ムを、さらに恒温恒湿機で温度60℃、相対湿度0%で
3時間熱処理したのち、評価を行った。透明性及び光沢
は、いずれも非常に良好であった。密着性試験におい
て、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムともに、塗膜がすべてフィルム側に残っ
た。耐熱水性試験において、塗膜の透明性に変化はなか
った。耐アルコール性試験において、塗膜の外観に変化
はなかった。 実施例6 実施例2で得られたヒドロキシル基含有水性アクリル−
ウレタン樹脂組成物100gを主剤とし、水性ポリイソ
シアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒ
ジュール3100、NCO17.2重量%]13.6gを
硬化剤として配合した以外は、実施例5と同様にして塗
工液を調製し、塗膜の評価を行った。なお、主剤中のヒ
ドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比
OH/NCOは2:3である。透明性及び光沢は、いず
れも非常に良好であった。密着性試験において、ポリプ
ロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムともに、塗膜がすべてフィルム側に残った。耐熱水性
試験において、塗膜の透明性に変化はなかった。耐アル
コール性試験において、塗膜の外観に変化はなかった。
【0021】実施例7 実施例3で得られたヒドロキシル基含有水性アクリル−
ウレタン樹脂組成物100gを主剤とし、水性ポリイソ
シアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒ
ジュール3100、NCO17.2重量%]7.5gを硬
化剤として配合した以外は、実施例5と同様にして塗工
液を調製し、塗膜の評価を行った。なお、主剤中のヒド
ロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比O
H/NCOは2:3である。透明性及び光沢は、いずれ
も非常に良好であった。密着性試験において、ポリプロ
ピレンフィルムでは塗膜がすべてフィルム側に残り、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムでは塗膜の90%が
フィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透
明性に変化はなかった。耐アルコール性試験において、
塗膜の外観に変化はなかった。 実施例8 実施例4で得られたヒドロキシル基含有水性アクリル−
ウレタン樹脂組成物100gを主剤とし、水性ポリイソ
シアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒ
ジュール3100、NCO17.2重量%]17.3gを
硬化剤として配合した以外は、実施例5と同様にして塗
工液を調製し、塗膜の評価を行った。なお、主剤中のヒ
ドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比
OH/NCOは2:3である。透明性及び光沢は、いず
れも非常に良好であった。密着性試験において、ポリプ
ロピレンフィルムでは塗膜がすべてフィルム側に残り、
ポリエチレンテレフタレートフィルムでは塗膜の85%
がフィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の
透明性に変化はなかった。耐アルコール性試験におい
て、塗膜の外観に変化はなかった。
【0022】比較例4 比較例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を一液
型塗工液として用い、実施例5と同様にして、二軸延伸
ポリプロピレンフィルムのコロナ放電処理面及び二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗膜を
形成して評価を行った。透明性は普通であったが、光沢
は良好であった。密着性試験において、ポリプロピレン
フィルムでは塗膜の35%がフィルム側に残り、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムでは塗膜の20%がフィ
ルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透明性
はほとんど失われた。耐アルコール性試験において、塗
膜の各所に膨れが生じ、一部が剥がれた。 比較例5 比較例2で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を一液
型塗工液として用い、実施例5と同様にして、二軸延伸
ポリプロピレンフィルムのコロナ放電処理面及び二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗膜を
形成して評価を行った。透明性及び光沢は、いずれも良
好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィ
ルムでは塗膜の65%がフィルム側に残り、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムでは塗膜の40%がフィルム
側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透明性はほ
とんど失われた。耐アルコール性試験において、塗膜の
各所に膨れの発生と剥がれが認められた。 比較例6 比較例3で得られたヒドロキシル基含有水性ポリウレタ
ン樹脂組成物100gを主剤とし、水性ポリイソシアネ
ート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒジュー
ル3100、NCO17.2重量%]11.3gを硬化剤
として配合した以外は、実施例5と同様にして塗工液を
調製し、塗膜の評価を行った。なお、主剤中のヒドロキ
シル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/
NCOは2:3である。透明性及び光沢は、いずれも良
好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィ
ルムでは塗膜の85%がフィルム側に残り、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムでは塗膜の70%がフィルム
側に残った。耐熱水性試験において、塗膜にわずかなく
もりを生じた。耐アルコール性試験において、塗膜のご
く一部に剥がれを生じた。実施例5〜8及び比較例4〜
6の結果を、第1表に示す。
【0023】
【表1】
【0024】第1表に見られるように、本発明のヒドロ
キシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物と水性
ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤を用いた二液
型水性アクリル−ウレタン組成物より調製された塗工液
を塗布した実施例5〜8の塗膜は、透明性、光沢、耐熱
水性、耐アルコール性がすべて非常に良好であり、難接
着性のポリプロピレンフィルムとポリエチレンテレフタ
レートフィルムに対しても、おおむね優れた密着性を示
している。これに対して、高分子量ポリオール成分とし
てアクリルポリオールを用いず、ジエタノールアミンに
よる末端封鎖も行わなかった比較例1の水性ポリウレタ
ン樹脂組成物を一液型塗工液として用いた比較例4の塗
膜、ジエタノールアミンによる末端封鎖を行わなかった
比較例2の水性アクリル−ウレタン樹脂組成物を一液型
塗工液として用いた比較例5の塗膜は、外観が非常に良
好とは言えず、難接着性のポリプロピレンフィルムとポ
リエチレンテレフタレートフイルムに対する密着性が劣
り、耐熱水性と耐アルコール性は著しく劣っている。ま
た、ジエタノールアミンによる末端封鎖は行ったがアク
リルポリオールを用いていない比較例3のヒドロキシル
基含有水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた比較例6の
塗膜も、外観、密着性、耐熱水性、耐アルコール性とも
にやや劣っている。
【0025】
【発明の効果】本発明の二液型水性アクリル−ウレタン
組成物は、アクリルポリオールを原料中に含むヒドロキ
シル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物を主剤と
することにより、難接着性のプラスチックフィルムに塗
布した場合、優れた密着性を示し、かつ水性ポリイソシ
アネート化合物からなる硬化剤を用いて、高架橋構造を
形成させることにより耐熱水性を示し、従来の水性アク
リル−ウレタン樹脂では得られなかった性能を発現し、
水性接着剤、水性塗料、水性インキとして幅広い展開が
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅谷 慎一 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 Fターム(参考) 4J034 BA07 BA08 CA03 CA04 CA22 CB04 CB08 CC01 CC02 DA01 DB03 DB07 DC50 DF01 DF02 DG01 DG03 DG04 DG05 DG10 DG12 DP02 DP03 DP18 HA01 HA02 HA06 HA15 HB11 HC01 HC08 HC12 JA01 JA02 JA12 JA41 JA42 JA44 LA16 QB10 QB13 QC05 RA07 RA08 4J038 DG051 DG081 DG111 DG121 DG131 DG191 DG261 DG271 NA04 NA11 NA14 PC08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)有機ポリイソシアネート化合物、
    (b)ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリ
    ルポリオール5〜60重量%を含有する高分子量ポリオ
    ール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素
    とを有する化合物を反応して得られるイソシアネート基
    末端プレポリマーの中和物を、水中で(d)ヒドロキシ
    ル基を有する第一級アミン又は第二級アミン化合物を用
    いて末端イソシアネート基を封鎖して得られるヒドロキ
    シル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(a)有機ポリイソシアネート化合物、
    (b)ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリ
    ルポリオール5〜60重量%を含有する高分子量ポリオ
    ール、(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を
    有する化合物を反応して得られるイソシアネート基末端
    プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン及び
    ヒドラジン又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種
    を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応
    と同時に、(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミン
    又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基
    を封鎖して得られるヒドロキシル基含有水性アクリル−
    ウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(a)有機ポリイソシアネート化合物が、
    脂肪族ジイソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネ
    ート化合物の中から選ばれる少なくとも1種である請求
    項1又は請求項2記載のヒドロキシル基含有水性アクリ
    ル−ウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(b)高分子ポリオールが、アクリルポリ
    オール以外の成分として、ポリエステルポリオール、ポ
    リカーボネートポリオール及びポリエーテルポリオール
    の少なくとも1種を10〜94重量%の割合で含有する
    ものである請求項1又は請求項2記載のヒドロキシル基
    含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(c)アニオン性親水基と2個以上の活性
    水素を有する化合物において、アニオン性親水基がカル
    ボキシル基であり、ヒドロキシル基含有水性アクリル−
    ウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量が、該樹脂の
    重量に基づき0.3〜2.5重量%である請求項1又は請
    求項2記載のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタ
    ン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミ
    ン又は第二級アミン化合物が、モノエタノールアミン又
    はジエタノールアミンであり、ヒドロキシル基含有水性
    アクリル−ウレタン樹脂中のヒドロキシル基の含有量
    が、該樹脂の重量に基づき0.1〜5.0重量%である請
    求項1又は請求項2記載のヒドロキシル基含有水性アク
    リル−ウレタン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(A)主剤のヒドロキシル基(OH)と
    (B)水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤の
    イソシアネート基(NCO)との当量比OH/NCOが
    1:3〜2:1に配合された二液型水性アクリル−ウレ
    タン組成物において、(A)主剤が請求項1、請求項
    2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6記載の
    ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン樹脂組成物
    である二液型水性アクリル−ウレタン組成物。
  8. 【請求項8】請求項7記載の二液型水性アクリル−ウレ
    タン組成物を含有してなる接着剤。
  9. 【請求項9】請求項7記載の二液型水性アクリル−ウレ
    タン組成物を含有してなる塗工剤。
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