JP4043961B2 - ウレタン系防水材用水性層間プライマー、無機質仕上げウレタン系防水工法及びウレタン系防水積層体 - Google Patents
ウレタン系防水材用水性層間プライマー、無機質仕上げウレタン系防水工法及びウレタン系防水積層体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性層間プライマー、無機質仕上げウレタン系防水工法及びウレタン系防水積層体に関する。さらに詳しくは、本発明は、建築物の床面などの防水加工において、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との密着性を向上する二液型の水性層間プライマー、該水性層間プライマーを用いる無機質仕上げウレタン系防水工法及び該工法により得られるウレタン系防水積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の防水加工は、建築物の老朽化を防止し長寿命化させる効果があり、資源の有効利用及び廃材を低減させる上で重要である。防水加工法には、大別してアスファルト防水、シート防水、ウレタン防水があるが、炭酸ガスの排出量が少なく地球環境に優しいことにより、近年最も注目されているのがウレタン防水工法である。
従来、ウレタン防水材は、イソシアネート基を有するプレポリマーとアミノ基又はヒドロキシル基を有する硬化剤とからなる二液型の無溶剤系で構成されており、機械によりスプレー塗布して、塗膜が超速で硬化するものである。このようにして形成されたウレタン−ウレア樹脂は、強靭な物性を示し、優れた防水機能を有するが、再密着性、耐候性、外観に問題がある。そのために、樹脂劣化を防ぎ、美観を付与する目的で、耐候性に優れた塗膜物性を有する無機質仕上げトップコート層などを形成するトップコートを塗布している。そして、ウレタン防水材層にトップコートを塗布する際には、十分な接着強度を得るために、溶剤系ポリウレタン樹脂又は溶剤系エポキシ樹脂などが層間プライマーとして塗布されている。
例えば、塗り継ぎ時間が長く、接着不良を起こさず、施工性が良好で接着強度が大きい、ウレタン塗膜材の上にFRP塗膜材を塗り重ねる際の層間プライマーとして、ポリメリックMDIと、分子量が76〜150の側鎖を有するグリコールの反応物の溶剤溶液からなる層間プライマー組成物が提案されている(特許文献1)。また、ウレタン塗膜材の上に、FRP塗膜材を塗り重ねた複合塗膜層を形成する際に、ウレタン塗膜層とFRP塗膜層を強固に接着させる層間プライマー組成物として、不飽和ポリエステル・ポリオールとポリメリックMDIを反応したプレポリマーの溶剤溶液が提案されている(特許文献2)。しかし、溶剤系の樹脂を塗布することは、作業性、作業環境、地球環境への問題の他に、溶剤によるウレタン防水材の膨れなどが原因となってトラブルを起こすことから、脱溶剤化が望まれていた。
また、基体上にプライマー層、ポリウレタン層を順次形成する積層体において、プライマーとして水性ポリウレタン樹脂を用いることが提案されている。例えば、有機溶剤を含有せず、溶剤の揮散による環境への悪影響がなく、接着性、耐久性に優れる土木建築物構造体として、ポリウレタン層、プライマー層、基体の少なくとも3つの層から構成される土木建築物構造体において、プライマー層が水性ポリウレタン樹脂からなる土木建築物構造体が提案されている(特許文献3)。また、施工時に臭気を発しにくく、良好な乾燥性、硬化性、接着性、機械物性及び耐候性を有するウレタン系塗膜防水工法として、建築物躯体上に、下から水性プライマー、無溶剤型ウレタン系塗膜防水材及び水性トップコートを順次施工するウレタン系塗膜防水工法が提案されている(特許文献4)。しかし、基体上のポリウレタン層とトップコート層の接着性の向上を目的とした水性の層間プライマーについては知られていない。
【特許文献1】
特開平9−316393号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開平10−60407号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開平10−258494号公報(第2頁)
【特許文献4】
特開平2002−250099公報(第2頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、建築物の防水塗装におけるウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層用プライマー及びつなぎ目防水材用プライマーとして、密着性、耐水性、低温特性に優れた水性層間プライマー、該水性層間プライマーを用いる無機質仕上げウレタン系防水工法及び該工法により得られるウレタン系防水積層体を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水性ポリウレタンポリオール水分散液からなる主剤と、水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤とを特定の割合で配合し、特に主剤として、特定の成分を反応して得られる水性ポリウレタンポリオール水分散液を用いた水性層間プライマーは、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との追従密着性、屈曲性、耐水性に優れ、水性でありながら従来の溶剤系と同等以上の性能を発揮することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ウレタン系防水材層にプライマーを塗布して、その上に無機質仕上げトップコート層を塗布してなるウレタン系防水材において、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との間に形成される水性層間プライマーであって、主剤(A)と硬化剤(B)とからなり、主剤(A)が水性ポリウレタンポリオール水分散液であり、硬化剤(B)が水性ポリイソシアネート化合物であり、主剤(A)のヒドロキシル基(OH)と硬化剤(B)のイソシアネート基(NCO)の当量比OH/NCOが1:3〜2:1であり、主剤(A)が、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物から得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖延長剤を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(f)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の末端封鎖剤を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られる水性ポリウレタンポリオール水分散液であることを特徴とするウレタン系防水材用水性層間プライマー、
(2)ウレタン系防水材層にプライマーを塗布して、その上に無機質仕上げトップコート層を塗布してなるウレタン系防水材において、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との間に形成される水性層間プライマーであって、主剤(A)と硬化剤(B)とからなり、主剤(A)が水性ポリウレタンポリオール水分散液であり、硬化剤(B)が水性ポリイソシアネート化合物であり、主剤(A)のヒドロキシル基(OH)と硬化剤(B)のイソシアネート基(NCO)の当量比OH/NCOが1:3〜2:1であり、主剤(A)が、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール、(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物及び(d)鎖伸長剤から得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖延長剤を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(f)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の末端封鎖剤を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られる水性ポリウレタンポリオール水分散液であることを特徴とするウレタン系防水材用水性層間プライマー、
(3)(b)高分子ポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール及びダイマージオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の高分子ポリオールである第1項又は第2項に記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー、
(4)硬化剤(B)が、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体及びトリメチロールプロパンのアダクト体のうちの少なくとも1種から誘導される水性ポリイソシアネート化合物である第1項又は第2項に記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー、
(5)硬化剤(B)が、グリコール系溶剤を5〜35質量%含有する水性ポリイソシアネート化合物である第1項、第2項又は第4項に記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー、
(6)無機質フィラーを含有する第1項又は第2項に記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー、
(7)第1項ないし第6項のいずれかに記載のウレタン系防水材用水性層間プライマーを、ウレタン系防水材層の上に、樹脂分として10〜1,000g/m2塗工したのち、無機質仕上げトップコートを重ね塗工することを特徴とする無機質仕上げウレタン系防水工法、及び、
(8)ウレタン系防水材層の上に、第1項ないし第6項のいずれかに記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー層を樹脂分として10〜1 , 000g/m 2 塗工したのち、その上に無機質仕上げトップコート層が塗り重ねられた複合塗膜層からなることを特徴とするウレタン系防水積層体、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の水性層間プライマーは、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との間に用いる水性層間プライマーにおいて、主剤(A)と硬化剤(B)とからなり、主剤(A)が水性ポリウレタンポリオール水分散液であり、硬化剤(B)が水性ポリイソシアネート化合物であり、主剤(A)のヒドロキシル基(OH)と硬化剤(B)のイソシアネート基(NCO)の当量比OH/NCOが1:3〜2:1である水性層間プライマーである。
本発明の水性層間プライマーは、建築物などのウレタン系防水材層の保護材として無機質仕上げトップコートを施す際に、層間プライマーとして用いることができる。本発明の無機質仕上げウレタン系防水工法及びウレタン系防水積層体は、建築物の屋上、壁面、床面などに適用して、ウレタン系防水材層により優れた防水性を付与するとともに、無機質仕上げトップコート層により、飛び火やたばこの火に対する耐火性、硬さの向上による耐擦傷性、粗面化による滑りにくさなどを付与することができる。
本発明において、ウレタン系防水材層の形成方法に特に制限はなく、例えば、スプレーガンにウレタンプレポリマー成分とポリオール成分及び/又はポリアミン成分とを別々に圧給して混合し、下地面に噴射して硬化させることにより形成することができ、あるいは、ウレタン系防水シートを下地面に貼着することもできる。ウレタン系防水材層を形成する材料としては、例えば、市販品の超高速型ウレタン防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500]などを挙げることができる。また、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーに水を混合して、下地面に手練り塗工あるいは機械塗工して硬化させることにより、ウレタン系防水材層を形成させる水反応硬化型のウレタン系防水材、例えば、[(株)ダイフレックス、オータス・エコ]なども用いることができる。
本発明に用いる無機質仕上げトップコート層は、無機質フィラー25質量%以上を含有するトップコート層である。無機質仕上げトップコート層に含有させる無機質フィラーとしては、例えば、珪砂、ガラスバルーン、ガラスフレーク、シリカ、タルク、クレーなどを挙げることができる。無機質仕上げトップコート層を形成するバインダーとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンなどを挙げることができる。無機質仕上げトップコート層を形成する材料として、例えば、市販の一液型水性無機質仕上げ材[(株)ダイフレックス、HGコート]などを用いることができる。
【0006】
本発明に用いる主剤(A)は、ヒドロキシル基を有する水性ポリウレタンポリオール水分散液であり、硬化剤(B)は、水性ポリイソシアネート化合物であり、主剤(A)のヒドロキシル基(OH)と硬化剤(B)のイソシアネート基(NCO)の当量比OH/NCOが1:3〜2:1であり、より好ましくは1:2〜1:1である。当量比OH/NCOが1:3未満であると、過剰のイソシアネート基が水と反応して炭酸ガスを発生し、接着性が低下するおそれがある。当量比OH/NCOが2:1を超えると、十分な塗膜強度を得るに必要な架橋密度が不足し、かつヒドロキシル基が露出するために耐水性が低下するおそれがある。
本発明の水性層間プライマーの主剤(A)は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物から得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖延長剤を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(f)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の末端封鎖剤を用いて末端イソシアネート基を封鎖することにより得られる水性ポリウレタンポリオール水分散液であることが好ましい。
本発明の水性層間プライマーの主剤(A)は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール、(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物及び(d)鎖伸長剤から得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖延長剤を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(f)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の末端封鎖剤を用いて末端イソシアネート基を封鎖することにより得られる水性ポリウレタンポリオール水分散液であることがより好ましい。
【0007】
本発明に用いる(a)有機ポリイソシアネート化合物に特に制限はなく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合物、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物などを挙げることができる。これらの有機ポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いる(b)高分子ポリオールに特に制限はなく、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ダイマージオール、ポリブタジエンポリオール、部分ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体、リン含有ポリオール、ハロゲン含有ポリオールなどを挙げることができる。これらの中で、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール及びダイマージオールを好適に用いることができ、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールを特に好適に用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(エチレンオキシエチレン)アジペートジオール、ポリエチレンテレフタレートジオール、ポリエチレンイソフタレートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチルペンタメチレンアジペート)ジオールなどを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレンプロピレングリコール、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体などを挙げることができる。また、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルポリエステルポリオールなどを用いることもできる。ポリカーボネートジオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオールなどを挙げることができる。
【0008】
アクリルポリオールは、エチレン性不飽和基1個とヒドロキシル基とを有するアクリル系単量体を必須成分とし、必要に応じて共重合可能な単量体とを、塊状重合法や溶液重合法などで重合することにより得られる単独重合体又は共重合体である。エチレン性不飽和基1個とヒドロキシル基とを有するアクリル系単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、5,6−ジヒドロキシへキシルメタクリレートなどを挙げることができる。
エチレン性不飽和基1個とヒドロキシル基とを有するアクリル系単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、2−ニトロ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラピラニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などのアクリル系単量体、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、メチルクロトナート、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレンなどのエチレン性単量体などを挙げることができる。なお、上記の(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。これらの共重合可能な単量体は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0009】
ダイマージオールは、重合脂肪酸を還元して得られるジオールを主成分とする。重合脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸などの炭素数18の不飽和脂肪酸、乾性油脂肪酸、半乾性油脂肪酸、これらの脂肪酸の低級モノアルコールエステルなどを、触媒の存在下又は不存在下に、ディールスアルダー型の二分子重合反応させたものを挙げることができる。種々のタイプの重合脂肪酸が市販されているが、代表的なものとして、炭素数18のモノカルボン酸0〜5質量%、炭素数36のダイマー酸70〜98質量%、炭素数54のトリマー酸0〜30質量%からなるものがある。
上記の(b)高分子ポリオールは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。アクリルポリオールは多官能ポリオールであるために、(b)高分子ポリオールの一部に組み込むことにより得られるポリウレタンポリオールが高分子量化し、物性が向上する。本発明において、アクリルポリオールとしては、ガラス転移温度(Tg)が−50〜100℃で、ヒドロキシル価が5〜100mgKOH/gのアクリルポリオールを好適に用いることができる。アクリルポリオールは、(b)高分子ポリオール中に1〜30質量%含有させることが好ましい。高分子ポリオール中のアクリルポリオールの量が30質量%を超えると、形成される層間プライマー層がウレタン系防水材層に追従しにくくなり、接着性が不十分となるおそれがある。
(b)高分子ポリオールとしてダイマージオールを用いると、脂肪族長鎖アルキル基による加水分解抑制効果により、耐水性が向上する。ダイマージオールは、(b)高分子ポリオール中に1〜40質量%含有させること好ましく、2〜30質量%含有させることがより好ましく、5〜20質量%含有させることがさらに好ましい。高分子ポリオール中のダイマージオールが40質量%を超えると、ポリウレタンポリオールによる弾性、耐摩耗性などの有利な性質の発現が不十分となるおそれがある。
【0010】
本発明に用いる(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物に特に制限はないが、アニオン性親水基がカルボキシル基であり、活性水素がヒドロキシル基の水素である化合物を好適に用いることができる。このような化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などを挙げることができる。また、このようなカルボキシル基を有するジオールとして、カルボキシル基を有するジオールとカルボキシル基を有しないジオールを混合したジオール成分と、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などのジカルボン酸とから得られるペンダントカルボキシル基を有するポリエステルポリオールを用いることもできる。これらのアニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において、アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物のアニオン性親水基は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物と反応して、イソシアネート基末端プレポリマーを得たのち、中和することができ、あるいは、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール及び(c)中和されたアニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応して、直接イソシアネート基末端プレポリマーの中和物を得ることもできる。アニオン性親水基の中和に用いる化合物に特に制限はなく、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N,N−ジエチルモノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアなどを挙げることができる。
本発明に用いる水性ポリウレタンポリオール水分散液において、(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物のアニオン性親水基がカルボキシル基であるとき、(c)成分に由来するカルボキシル基の含有量は、ポリウレタンポリオールの0.3〜2.5質量%であることが好ましく、0.5〜1.5質量%であることがより好ましい。カルボキシル基の含有量がポリウレタンポリオールの0.3質量%未満であると、乳化が困難になり、あるいは、乳化安定性が不十分となるおそれがある。カルボキシル基の含有量がポリウレタンポリオールの2.5質量%を超えると、形成される層間プライマー層の耐水性が低下するおそれがある。
【0011】
本発明においては、イソシアネート基末端プレポリマーを調製する際に、必要に応じて、(d)鎖伸長剤を用いることができる。用いる鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの低分子量多価アルコール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの低分子量ポリアミンなどを挙げることができる。これらの鎖伸長剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール、(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物及び必要に応じて(d)鎖伸長剤を用い、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造する。イソシアネート基末端プレポリマーの製造方法に特に制限はなく、例えば、ワンショット法(1段式)又は多段式のイソシアネート重付加反応法によって、温度40〜150℃で反応させることができる。この際、必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルヘキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどの触媒を添加することができる。また、反応段階において、あるいは、反応終了後に、イソシアネート基と反応しない有機溶媒を添加することができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。
【0012】
本発明においては、イソシネート基末端プレポリマーの中和物を、水中で(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖延長剤を用いて鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(f)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の末端封鎖剤を用いて、末端イソシアネート基を封鎖する。ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖することにより、プレポリマーの中和物にヒドロキシル基が導入される。
鎖伸長反応に用いる(e)鎖延長剤の水溶性ポリアミン、ヒドラジン又はそれらの誘導体としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロへキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジ第一級アミンとモノカルボン酸から誘導されるアミドアミン、ジ第一級アミンのモノケチミン、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する炭素数2〜4の脂肪族の水溶性ジヒドラジン化合物である1,1'−エチレンジヒドラジン、1,1'−トリメチレンジヒドラジン、1,1'−(1,4−ブチレン)ジヒドラジン、炭素数2〜10のジカルボン酸のジヒドラジド化合物であるシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどを挙げることができる。これらの鎖延長剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0013】
本発明に用いる(f)末端封鎖剤のヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物としては、例えば、ヒドロキシルアミン、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロパン−1,3−ジオール、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミンなどの第一級アミン化合物、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N,N'−ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N'−ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、N,N'−ジ−2−ヒドロキシプロピルプロピレンジアミンなどの第二級アミン化合物を挙げることができる。これらの第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、モノエタノールアミン及びジエタノールアミンを特に好適に用いることができる。
本発明においては、ポリウレタンポリオール中の(f)末端封鎖剤のヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物又は第二級アミン化合物に由来するヒドロキシル基の含有量が、ポリウレタンポリオールの0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜3.0質量%であることがより好ましい。ヒドロキシル基の含有量がポリウレタンポリオールの0.1質量%未満であると、層間プライマー層において架橋密度が不足するために、耐水性が不十分となるおそれがある。ヒドロキシル基の含有量がポリウレタンポリオールの5.0質量%を超えると、主剤(A)と硬化剤(B)を混合したのちの水性層間プライマーの液安定性が低下し、使用が困難になるおそれがある。
本発明において、イソシアネート基末端プレポリマー製造の際に有機溶剤を用いた場合には、末端イソシアネート基を封鎖したのち、例えば、減圧蒸留などにより有機溶剤を除去することが好ましい。有機溶剤を除去する際には、高級脂肪酸塩、樹脂酸塩、長鎖脂肪アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スルホン化ひまし油、スルホコハク酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、エチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコール又はフェノール類との反応生成物などのノニオン性界面活性剤などを添加して、乳化性を保持することが好ましい。
【0014】
本発明において、硬化剤(B)として用いる水性ポリイソシアネート化合物は、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物に、活性水素を有し親水性鎖、及び、場合により親油性鎖を付加する化合物を反応させることによって得ることができる。このような水性ポリイソシアネート化合物は、水中への自己乳化分散性が良好で可使時間が長く、主剤(A)の水性ポリウレタンポリオール水分散液の硬化剤として有効である。水性ポリイソシアネート化合物の製造に用いる芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどを挙げることができる。脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。水性ポリイソシアネート化合物の製造においては、ビウレット構造、イソシアヌレート構造、ウレタン構造、ウレトジオン構造、アロファネート構造、三量体構造などを有するポリイソシアネート化合物や、脂肪族イソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体なども用いることができる。これらの中で、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体及びトリメチロールプロパンのアダクト体を特に好適に用いることができる。
【0015】
本発明において、硬化剤(B)の水性ポリイソシアネート化合物の製造に用いる活性水素を有し親水性鎖を付加する化合物に特に制限はないが、5〜50個のエチレンオキシドの繰り返し単位と片末端にヒドロキシル基を有する化合物を好適に用いることができる。このような化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム又はブロック共重合体のモノアルキルエーテルなどを挙げることができる。エチレンオキシドの繰り返し単位数が50個を超えると、水性ポリイソシアネート化合物の結晶性が高くなって固体になるおそれがある。
本発明において、硬化剤(B)として用いる水性ポリイソシアネート化合物は、親水性鎖の含有量が2〜50質量%であることが好ましい。親水性鎖の含有量が2質量%未満であると、界面張力を下げる効果が十分でなく、水性ポリイソシアネート化合物の乳化性が不足するおそれがある。親水性鎖の含有量が50質量%を超えると、水性ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と水の反応性が大きくなりすぎるおそれがある。水性ポリイソシアネート化合物の製造方法に特に制限はなく、例えば、上記のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と、活性水素を有し親水性鎖を付加する化合物の末端ヒドロキシル基などの活性水素とを反応させることにより製造することができる。
本発明において硬化剤(B)として用いる水性ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト変性体[旭化成(株)、デュラネートWB40−80D]、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体[日華化学(株)、NKアシストIS−80D]、[住化バイエルウレタン(株)、バイヒジュール3100]、[日本ポリウレタン(株)、アクアネート100、アクアネート200]、[ローディア(株)、RhodocoatXWT2104]などの市販品を用いることもできる。
【0016】
本発明において、硬化剤(B)として用いる水性ポリイソシアネート化合物は、それ自体を単独で用いることができるが、主剤(A)である水性ポリウレタンポリオール水分散液への分散性及び作業性を向上させるために、イソシアネート基と反応する活性水素を有しない有機溶剤で希釈することが好ましい。希釈に用いる有機溶剤としては、例えば、ケトン系、エステル系、炭化水素系、芳香族系、グリコール系の溶剤などを挙げることができる。これらの中で、グリコール系溶剤は、水への展開性が良好であり、好適に用いることができる。グリコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどを挙げることができる。これらの中で、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジエチルエーテルは、安全性及び塗装面の乾燥性が良好であり、特に好適に用いることができる。有機溶剤で希釈した硬化剤(B)の水性ポリイソシアネート化合物中の有機溶剤の濃度は、5〜35質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。有機溶剤の濃度が5質量%未満であると、粘度が高く主剤(A)への分散性が不十分となるおそれがある。有機溶剤の濃度が35質量%を超えると、乾燥性が不良となるおそれがある。
本発明の水性層間プライマーには、無機質のフィラーを含有させることができる。含有させる無機質フィラーとしては、例えば、珪砂、ガラスバルーンなどを挙げることができる。水性層間プライマーに無機質のフィラーを含有させることにより、層間プライマー層表面のタックを軽減して、無機質仕上げトップコートの塗工作業性を向上することができる。さらに、無機質フィラーの楔効果により、無機質仕上げトップコート層との接着強度を向上することができる。
【0017】
本発明の水性層間プライマーは、湿潤剤として、側鎖アルキル変性ポリオルガノシロキサン、両末端アルキル変性ポリオルガノシロキサン、片末端アルキル変性ポリオルガノシロキサン、スルホコハク酸ジ(2−エチルへキシル)エステルナトリウム、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤などを含有させることができる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、Air Products and Chemicals社のサーフィノールなどを挙げることができる。水性層間プライマーに、界面活性剤を0.05〜2質量%含有させることにより、ハジキが発生せず、塗工性を向上することができる。さらに、n−メチルピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどの溶剤を添加することもできる。
本発明の水性層間プライマーには、水系オキサゾリン系架橋剤、水系ポリカルボジイミド系架橋剤、水系エポキシ樹脂系架橋剤などのカルボキシル基と反応性を有する架橋剤を添加することができる。架橋剤を添加することにより、さらに優れた耐水性を付与することができる。
本発明の水性層間プライマーをウレタン系防水材層上に塗工する際に、直前に無機質フィラーを添加することができる。無機質フィラーを添加することにより、層間プライマー層表面のタックを軽減し、無機質仕上げトップコートの塗工作業性を向上することができる。さらに、楔効果により無機質仕上げトップコート層との接着強度を向上することができる。使用する無機質フィラーとしては、例えば、珪砂、ガラスバルーンなどを挙げることができる。無機質フィラーとして、例えば、市販品[(株)ダイフレックス、HGプライマー混和材]などを用いることもできる。
本発明の水性層間プライマーには、水性顔料を添加することができる。水性顔料を添加することにより、水性層間プライマーの塗工を容易に確認することができる。本発明の水性層間プライマーを、建築物のウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層の層間プライマーとして用いることにより、接着性、耐水密着性、低温屈曲性などを向上することができる。
本発明の水性層間プライマーによる層間プライマー層が、上記の効果を発現する機構は、主剤(A)である水性ポリウレタンポリオール水分散液と、硬化剤(B)である水性ポリイソシアネート化合物を用いることにより、一液型の水性樹脂からなる層間プライマー層では得られない高架橋密度を形成するためであると推定される。
【0018】
本発明の無機質仕上げウレタン系防水工法においては、本発明の水性層間プライマーを、ウレタン系防水材層の上に、樹脂分として10〜1,000g/m2、より好ましくは15〜700g/m2塗工したのち、無機質仕上げトップコートを塗工する。本発明の工法により、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との間に層間プライマー層を形成することにより、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との追従密着性、屈曲性、耐水性などに優れたウレタン系防水積層体を下地面に形成することができる。水性層間プライマーの塗工量が樹脂分として10g/m2未満であると、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との十分な密着性が得られないおそれがある。水性層間プライマーの塗工量が樹脂分として1,000g/m2を超えると、乾燥に時間を要して、防水工法上支障を生ずるおそれがある。
【0019】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例及び比較例において、塗膜物性は下記の方法により評価した。
(1)試験試料の作製
ウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500又はオータス・エコ]を用いて作製した厚さ2mmのウレタン系防水材のシート上に、主剤と硬化剤を配合した水性層間プライマーを塗工し、25℃で1時間乾燥したのち、無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を膜厚が1.2mmになるように塗布し、その後25℃で1週間放置して試験試料とした。
(2)常態初期密着性
JIS K 5400 8.5.2に準じて、カッターナイフを用いて、トップコート層面にすきま間隔1mmの碁盤目状のマス目100個を作り、このマス目にセロハン粘着テープ[ニチバン(株)]を貼り付け、角度60度で急速に剥がしたときの塗膜の外観を観察し、以下の基準で評価する。
○:塗膜の95%以上が被着材側に残る。
△:塗膜の50%以上95%未満が被着材側に残る。
×:塗膜の50%未満が被着材側に残る。
(3)耐温水密着性
試験試料を50℃の温水浴中に1週間浸漬したのち、取り出し、25℃で3時間乾燥し、JIS K 5400 8.5.2に準じて、カッターナイフを用いて、トップコート層面にすきま間隔1mmの碁盤目状のマス目100個を作り、このマス目にセロハン粘着テープ[ニチバン(株)]を貼り付け、角度60度で急速に剥がしたときの塗膜の外観を観察し、以下の基準で評価する。
○:塗膜の95%以上が被着材側に残る。
△:塗膜の50%以上95%未満が被着材側に残る。
×:塗膜の50%未満が被着材側に残る。
【0020】
合成例1(水性ポリウレタンポリオール水分散液A)
攪拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹込み管を備えた四つ口フラスコに、アクリルポリオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−811、不揮発分50質量%、ヒドロキシル価17mgKOH/g、ガラス転移温度58℃]66g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(数平均分子量1,000)80g、1,4−ブタンジオール0.9g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60gを仕込み、均一に混合したのち、イソホロンジイソシアネート44.6gを加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量が1.7質量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5gを加えて中和したのち、水350gを徐々に加えて乳化分散させ、これにエチレンジアミンの20質量%水溶液6gを添加して0.5時間攪拌し、さらにジエタノールアミン6.3gを添加して2時間攪拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分35質量%の水性ポリウレタンポリオール水分散液Aを得た。
合成例2(水性ポリウレタンポリオール水分散液B)
合成例1と同様な反応装置に、アクリルポリオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−811、不揮発分50質量%、ヒドロキシル価17mgKOH/g、ガラス転移温度58℃]66g、ポリ−ε−カプロラクトンジオール(数平均分子量2,000)80g、ダイマージオール[Uniqema社、PRIPOL2033、数平均分子量540]21.2g、あらかじめメチルエチルケトン30g中で2,2−ジメチロールブタン酸7.4gをトリエチルアミン5gを加え中和した溶液、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン30gを仕込み、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量が1.7質量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、水350gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に、水加ヒドラジンの60質量%水溶液1.6gを添加して0.5時間攪拌し、さらにジエタノールアミン8.4gを添加して2時間攪拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分35質量%の水性ポリウレタンポリオール水分散液Bを得た。
合成例3(水性ポリウレタンポリオール水分散液C)
合成例1と同様な反応装置に、ポリオキシテトラメチレンジオール(数平均分子量2,000)100g、2,2−ジメチロールブタン酸7.4g、エチレングリコール2.4g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60gを仕込み、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量が2.3質量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5gを加えて中和したのち、水350gを徐々に加えて乳化分散させ、これにモノエタノールアミン7.3gを添加して2時間攪拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分35質量%の水性ポリウレタンポリオール水分散液Cを得た。
合成例4(水性ポリウレタンポリオール水分散液D)
合成例1と同様な反応装置に、ポリ−3−メチルペンタメチレンアジペートジオール(数平均分子量2,000)80g、ダイマージオール[Uniqema社、PRIPOL2033、数平均分子量540]21.8g、2,2−ジメチロールプロピオン酸7.4g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60gを仕込み、均一に混合したのち、トリレンジイソシアネート35gを加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量が2.5質量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5gを加えて中和したのち、水350gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液1.6gを添加して0.5時間攪拌し、さらにジエタノールアミン8.4gを添加して2時間攪拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分35質量%の水性ポリウレタンポリオール水分散液Dを得た。
【0021】
比較合成例1(水性ポリウレタン樹脂水分散液a)
合成例1と同様な反応装置に、アクリルポリオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−809、不揮発分50質量%、ヒドロキシル価20mgKOH/g、ガラス転移温度61℃]112g、ポリブチレンアジペートジオール(数平均分子量1,700)85g、エチレングリコール1.2g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60gを仕込み、均一に混合したのち、イソホロンジイソシアネート44.6gを加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量が1.1質量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5gを加えて中和したのち、水350gを徐々に加えて乳化分散させ、これに水加ヒドラジンの60質量%水溶液5gを添加して2時間攪拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分35質量%の水性ポリウレタン樹脂水分散液aを得た。
比較合成例2(水性ポリウレタン樹脂水分散液b)
合成例1と同様な反応装置に、ポリ−ε−カプロラクトンジオール(平均分子量2,000)100g、ダイマージオール[Uniqema社、PRIPOL2033、数平均分子量540]10.9g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、1,4−ブタンジオール2.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60gを仕込み、均一に混合したのち、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量が1.9質量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5gを加えて中和したのち、水350gを徐々に加えて乳化分散させ、これにエチレンジアミンの20質量%水溶液15gを添加して2時間攪拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分35質量%の水性ポリウレタン樹脂水分散液bを得た。
比較合成例3(水性アクリル樹脂水分散液a)
温度調節器、撹拌器、還流冷却器、供給容器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内に、水265g、アニオン性乳化剤(エチレンオキシド20モル付加p−ノニルフェノールの硫酸半エステルのナトリウム塩)の35質量%水溶液5g及びノニオン性乳化剤(エチレンオキシド25モル付加p−ノニルフェノール)の20質量%水溶液20gを仕込み、次いで、反応容器内を窒素ガスで置換した。
反応容器に、水20g、上記のアニオン性乳化剤の35質量%水溶液2.5g、メタクリル酸メチル16g、アクリル酸n−ブチル14g、スチレン8g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル2gを含む単量体混合物を加え、90℃に加熱したのち、水8.5gに過硫酸カリウム0.25gを溶解した開始剤水溶液を添加した。
次いで、水180g、上記のアニオン性乳化剤の35質量%水溶液22.5g、メタクリル酸メチル144g、アクリル酸n−ブチル126g、スチレン72g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル18gを含む単量体混合物と、水74.5gに過硫酸カリウム2.25gを溶解した開始剤水溶液を、3.5時間かけてそれぞれ90℃に保った容器内に供給し、供給後さらに2時間90℃に保って重合を行い、水性アクリル樹脂水分散液aを得た。このアクリル樹脂のガラス転移温度は、22℃であった。
比較合成例4(水性アクリル樹脂水分散液b)
比較合成例3と同様な反応容器内に、水265g、アニオン性乳化剤(エチレンオキシド20モル付加p−ノニルフェノールの硫酸半エステルのナトリウム塩)の35質量%水溶液5g及びノニオン性乳化剤(エチレンオキシド25モル付加p−ノニルフェノール)の20質量%水溶液20gを仕込み、次いで、反応容器内を窒素ガスで置換した。
反応容器に、水20g、上記のアニオン性乳化剤の35質量%水溶液2.5g、メタクリル酸メチル20g、アクリル酸n−ブチル16g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル4gを含む単量体混合物を加え、90℃に加熱したのち、水8.5gに過硫酸カリウム0.25gを溶解した開始剤水溶液を添加した。
次いで、水180g、上記のアニオン性乳化剤の35質量%水溶液22.5g、メタクリル酸メチル180g、アクリル酸n−ブチル144g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル36gを含む単量体混合物と、水74.5gに過硫酸カリウム2.25gを溶解した開始剤水溶液を、3.5時間かけてそれぞれ90℃に保った容器内に供給し、供給後さらに2時間90℃に保って重合を行い、水性アクリル樹脂水分散液bを得た。このアクリル樹脂のガラス転移温度は、7℃であった。
比較合成例5(水性アクリル樹脂水分散液c)
比較合成例3と同様な反応容器内に、水265g、アニオン性乳化剤(エチレンオキシド20モル付加p−ノニルフェノールの硫酸半エステルのナトリウム塩)の35質量%水溶液5g及びノニオン性乳化剤(エチレンオキシド25モル付加p−ノニルフェノール)の20質量%水溶液20gを仕込み、次いで、反応容器内を窒素ガスで置換した。
反応容器に、水20g、上記のアニオン性乳化剤の35質量%水溶液2.5g、スチレン15.6g、メタクリル酸メチル12g、アクリル酸n−ブチル12g、アクリル酸0.4gを含む単量体混合物を加え、90℃に加熱したのち、水8.5gに過硫酸カリウム0.25gを溶解した開始剤水溶液を添加した。
次いで、水180g、上記のアニオン性乳化剤の35質量%水溶液22.5g、スチレン140.4g、メタクリル酸メチル108g、アクリル酸n−ブチル108g、アクリル酸3.6gを含む単量体混合物と、水74.5gに過硫酸カリウム2.25gを溶解した開始剤水溶液を、3.5時間かけてそれぞれ90℃に保った容器内に供給し、供給後さらに2時間90℃に保って重合を行い、水性アクリル樹脂水分散液cを得た。このアクリル樹脂のガラス転移温度は、36℃であった。
水性アクリル樹脂水分散液a〜cの単量体組成と、得られたアクリル樹脂のガラス転移温度とヒドロキシル基含有量を、第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
実施例1
合成例1で得られた水性ポリウレタンポリオール水分散液A100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[日華化学(株)、NKアシストIS−80D、NCO=13.5質量%]11gを硬化剤として配合し、さらにガラスバルーン[(株)ダイフレックス、HGプライマー混和材]7gを加え、均一になるまで攪拌して塗工液を調製した。主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3であった。
この塗工液を水性層間プライマーとして、4種のウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500、オータス・エコ]のシートの上に樹脂分として200g/m2塗工し、その上に無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を塗工した試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験においては、ウレタン系防水材SP−100、PM−500、オータス・エコでは塗膜の95%以上が被着材側に残り、PM−150では塗膜の90%が被着材側に残った。また、耐温水密着性試験においては、塗膜はいずれの防水材に対しても95%以上が被着材側に残った。
実施例2
水性層間プライマーを樹脂分として20g/m2塗工した以外は実施例1と同様にして、試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験においては、ウレタン系防水材SP−100、PM−500、オータス・エコでは塗膜の95%以上が被着材側に残り、PM−150では塗膜の92%が被着材側に残った。また、耐温水密着性試験においては、ウレタン系防水材SP−100、PM−500、オータス・エコでは塗膜の95%以上が被着材側に残り、PM−150では塗膜の90%が被着材側に残った。
実施例3
水性層間プライマーを樹脂分として400g/m2塗工した以外は実施例1と同様にして、試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験においては、ウレタン系防水材SP−100、PM−500では塗膜の95%以上が被着材側に残り、PM−150では塗膜の80%、オータス・エコでは塗膜の85%が被着材側に残った。また、耐温水密着性試験においては、ウレタン系防水材PM−500、オータス・エコでは塗膜の95%以上が被着材側に残り、SP−100、PM−150では、いずれも塗膜の80%が被着材側に残った。
実施例4
合成例2で得られた水性ポリウレタンポリオール水分散液B100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[日華化学(株)、NKアシストIS−80D、NCO=13.5質量%]12gを硬化剤として配合し、均一になるまで攪拌して塗工液を調製した。主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3であった。
この塗工液を、水性層間プライマーとして4種のウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500、オータス・エコ]のシートの上に樹脂分として200g/m2塗工し、その上に無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を塗工した試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験においては、ウレタン系防水材SP−100、PM−500、オータス・エコでは塗膜の95%以上が被着材側に残り、PM−150では塗膜の93%が被着材側に残った。また、耐温水密着性試験においては、いずれの防水材に対しても塗膜の95%以上が被着材側に残った。
実施例5
合成例2で得られた水性ポリウレタンポリオール水分散液B100gの代わりに、合成例3で得られた水性ポリウレタンポリオール水分散液C100gを主剤として用いた以外は、実施例4と同様にして、試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験及び耐温水密着性試験において、いずれの防水材に対しても塗膜の95%以上が被着材側に残った。
実施例6
合成例4で得られた水性ポリウレタンポリオール水分散液D100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[旭化成(株)、デュラネートWB40−80D、NCO=13.5質量%]17gを硬化剤として配合し、均一になるまで攪拌して塗工液を調製した。主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3であった。
この塗工液を、水性層間プライマーとして4種のウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500、オータス・エコ]のシートの上に樹脂分として200g/m2塗工し、その上に無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を塗工した試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験及び耐温水密着性試験において、いずれの防水材に対しても塗膜の95%以上が被着材側に残った。
【0024】
比較例1
比較合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂水分散液a100gと、ガラスバルーン[(株)ダイフレックス、HGプライマー混和材]7gとを均一になるまで攪拌して塗工液を調製した。
この塗工液を、水性層間プライマーとして4種のウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500、オータス・エコ]のシートの上に樹脂分として200g/m2塗工し、その上に無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を塗工した試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験及び耐温水密着性試験において、いずれの防水材に対しても被着材側に残った塗膜は50%未満であった。
比較例2
比較合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂水分散液a100gの代わりに、比較合成例2で得られた水性ポリウレタン樹脂水分散液b100gを用いて塗工液を調製した以外は、比較例1と同様にして、試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験及び耐温水密着性試験において、いずれの防水材に対しても被着材側に残った塗膜は50%未満であった。
比較例3
比較合成例3で得られた水性アクリル樹脂水分散液a100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[日華化学(株)、NKアシストIS−80D、NCO=13.5質量%]8gを硬化剤として配合し、さらにガラスバルーン[(株)ダイフレックス、HGプライマー混和材]7gを加え、均一になるまで攪拌して塗工液を調製した。主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3であった。
この塗工液を、水性層間プライマーとして4種のウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500、オータス・エコ]のシートの上に樹脂分として200g/m2塗工し、その上に無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を塗工した試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験及び耐温水密着性試験において、いずれの防水材に対しても被着材側に残った塗膜は50%未満であった。
比較例4
比較合成例4で得られた水性アクリル樹脂水分散液b100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[日華化学(株)、NKアシストIS−80D、NCO=13.5質量%]21gを硬化剤として配合し、さらにガラスバルーン[(株)ダイフレックス、HGプライマー混和材]7gを均一になるまで攪拌して塗工液を調製した。主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3であった。
この塗工液を、水性層間プライマーとして4種のウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500、オータス・エコ]のシートの上に樹脂分として200g/m2塗工し、その上に無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を塗工した試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験及び耐温水密着性試験において、いずれの防水材に対しても被着材側に残った塗膜は50%未満であった。
比較例5
比較合成例5で得られた水性アクリル樹脂水分散液c100gと、ガラスバルーン[(株)ダイフレックス、HGプライマー混和材]7gとを均一になるまで攪拌して塗工液を調製した。
この塗工液を、水性層間プライマーとして4種のウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500、オータス・エコ]のシートの上に樹脂分として200g/m2塗工し、その上に無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を塗工した試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験及び耐温水密着性試験において、いずれの防水材に対しても被着材側に残った塗膜は50%未満であった。
比較例6
溶剤系プライマー[(株)ダイフレックス、W−1]を層間プライマーとして4種のウレタン系防水材[(株)ダイフレックス、エバーコートSP−100S、プラマックスPM−150、プラマックスPM−500、オータス・エコ]のシートの上に樹脂分として200g/m2塗工し、その上に無機質仕上げトップコート[(株)ダイフレックス、HGコート]を塗工した試験試料を作製し、塗膜の評価を行った。
その結果、常態初期密着性試験において、ウレタン系防水材SP−100、PM−500では塗膜の80%が被着材側に残ったが、PM−150、オータス・エコでは被着材側に残った塗膜は50%未満であった。また、耐温水密着性試験において、ウレタン系防水材PM−500では塗膜の75%が被着材側に残ったが、SP−100、PM−150、オータス・エコでは被着材側に残った塗膜は50%未満であった。
実施例1〜6及び比較例1〜6の結果を、第2表に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
第2表に見られるように、本発明の水性層間プライマーを用いて作製した実施例1〜6の皮膜は、ウレタン系防水材に対して密着性が良好である。これに対して、比較例1、2のヒドロキシル基を有しない水性ポリウレタン樹脂水分散液を用いて作製した皮膜では、常態初期密着性、耐温水密着性のいずれもが不良である。また、比較例3、4、5の水性アクリル樹脂水分散液を用いて作製した塗膜でも、ヒドロキシル基を有するもの、有しないもののいずれもが、常態初期密着性、耐温水密着性ともに不良である。
【0027】
【発明の効果】
本発明の水性層間プライマーは、難接着性であるウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との密着性、耐温水密着性、低温屈曲性などの厳しい性能が要求されるウレタン系防水材の層間プライマーとして優れた性能を発揮する。
Claims (8)
- ウレタン系防水材層にプライマーを塗布して、その上に無機質仕上げトップコート層を塗布してなるウレタン系防水材において、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との間に形成される水性層間プライマーであって、主剤(A)と硬化剤(B)とからなり、主剤(A)が水性ポリウレタンポリオール水分散液であり、硬化剤(B)が水性ポリイソシアネート化合物であり、主剤(A)のヒドロキシル基(OH)と硬化剤(B)のイソシアネート基(NCO)の当量比OH/NCOが1:3〜2:1であり、主剤(A)が、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物から得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖延長剤を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(f)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の末端封鎖剤を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られる水性ポリウレタンポリオール水分散液であることを特徴とするウレタン系防水材用水性層間プライマー。
- ウレタン系防水材層にプライマーを塗布して、その上に無機質仕上げトップコート層を塗布してなるウレタン系防水材において、ウレタン系防水材層と無機質仕上げトップコート層との間に形成される水性層間プライマーであって、主剤(A)と硬化剤(B)とからなり、主剤(A)が水性ポリウレタンポリオール水分散液であり、硬化剤(B)が水性ポリイソシアネート化合物であり、主剤(A)のヒドロキシル基(OH)と硬化剤(B)のイソシアネート基(NCO)の当量比OH/NCOが1:3〜2:1であり、主剤(A)が、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子ポリオール、(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物及び(d)鎖伸長剤から得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖延長剤を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(f)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物及び第二級アミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の末端封鎖剤を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られる水性ポリウレタンポリオール水分散液であることを特徴とするウレタン系防水材用水性層間プライマー。
- (b)高分子ポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール及びダイマージオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の高分子ポリオールである請求項1又は請求項2に記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー。
- 硬化剤(B)が、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体及びトリメチロールプロパンのアダクト体のうちの少なくとも1種から誘導される水性ポリイソシアネート化合物である請求項1又は請求項2に記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー。
- 硬化剤(B)が、グリコール系溶剤を5〜35質量%含有する水性ポリイソシアネート化合物である請求項1、請求項2又は請求項4に記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー。
- 無機質フィラーを含有する請求項1又は請求項2に記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のウレタン系防水材用水性層間プライマーを、ウレタン系防水材層の上に、樹脂分として10〜1,000g/m2塗工したのち、無機質仕上げトップコートを重ね塗工することを特徴とする無機質仕上げウレタン系防水工法。
- ウレタン系防水材層の上に、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のウレタン系防水材用水性層間プライマー層を樹脂分として10〜1 , 000g/m 2 塗工したのち、その上に無機質仕上げトップコート層が塗り重ねられた複合塗膜層からなることを特徴とするウレタン系防水積層体。
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