JP2015174999A - 印刷インキ用バインダー及びこれを用いた印刷インキ - Google Patents
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Abstract
【課題】 溶剤としてトルエンを使用しなくても溶剤への再溶解性が良好であり、原料としてポリエチレンイミンを使用してもアルコール系溶剤への溶解性が良好であり、各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を与える印刷インキ用バインダーを提供する。【解決手段】 活性水素成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)を反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)と、ポリエチレンイミンのアルキレンオキサイド付加物(C)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)のイソシアネート基含有量が0.05〜1.0重量%であり、前記ポリエチレンイミンのアルキレンオキサイド付加物(C)の1級アミン価及び2級アミン価の合計値が50〜230mgKOH/gである印刷インキ用バインダー。【選択図】なし
Description
本発明は、印刷インキ用バインダー及びこれを用いた印刷インキに関する。
従来、プラスチックフィルム用の印刷インキの溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン及び酢酸エチル等の溶剤が混合使用されてきた。この中でもトルエンは、安価でしかも比較的高沸点であるために印刷時にグラビア版上のインキの乾燥を押さえ、フィルムへ転移せずに残存したグラビア版のセル中のインキが、インキパン中の新インキと接触して十分に再溶解することにより、セルの版詰まりを防ぐのに好適な溶剤であり、該印刷インキの主溶剤として使用されてきた。トルエンを含有する溶剤を使用した印刷インキで再溶解性の良いバインダーとしては、3−メチルペンタンアジペートジオールを使用したポリウレタン樹脂が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、労働安全衛生法の改正でトルエンの環境濃度規制が強化され、印刷作業環境の改善が必要となったこと、またトルエンは比較的高沸点であるために印刷物中に多く残留する傾向にあり、PL法施行後、残留溶剤の低減が必要となったことから、トルエンを含まない溶剤系の印刷インキの要望が大きくなった。更に近年のVOC排出規制の強化等に伴い、排気処理面での負荷が少ない溶剤の使用が望まれている。
また、各種プラスチックフィルムなどの基材に対して優れた接着性を与える方法として、ポリウレタンモノイソシアネートとポリエチレンイミンの反応によって得られるウレタン樹脂変性ポリエチレンイミンが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、ポリエチレンイミンを使用したウレタン樹脂変性ポリエチレンイミンは、多官能アミンであるため溶剤への溶解性が低下するという問題があった。
本発明の目的は、溶剤としてトルエンを使用しなくても溶剤への再溶解性が良好であり、原料としてポリエチレンイミンを使用してもアルコール系溶剤への溶解性が良好であり、各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を与える印刷インキ用バインダーを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、活性水素成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)を反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)と、ポリエチレンイミンのアルキレンオキサイド付加物(C)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)のイソシアネート基含有量が0.05〜1.0重量%であり、前記ポリエチレンイミンのアルキレンオキサイド付加物(C)の1級アミン価及び2級アミン価の合計値が50〜230mgKOH/gである印刷インキ用バインダー;前記印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキである。
本発明の印刷インキ用バインダーは、溶剤としてトルエンを使用しなくても溶剤への再溶解性が良好であり、原料としてポリエチレンイミンを使用してもアルコール系溶剤への溶解性が良好であり、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を有し、各種プラスチックフィルム用の印刷インキ用バインダーとして汎用的に使用できる。
本発明の印刷インキ用バインダーは、活性水素成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)を反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)と、ポリエチレンイミンのアルキレンオキサイド付加物(C)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる。
活性水素成分(A)としては、ポリエステルポリオール(a1)、ポリエーテルポリオール(a2)、鎖伸長剤(a3)及び反応停止剤(a4)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a1)としては数平均分子量(以下、Mnと略記)が500以上の、縮合型ポリエステルポリオール及びポリラクトンポリオール等が挙げられる。
尚、本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
縮合型ポリエステルポリオールとしては、化学式量又はMnが500未満のポリオールとポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1〜4)アルキルエステル及び酸ハライド等]との縮合により得られるもの等が挙げられる。
化学式量又はMnが500未満のポリオールとしては、炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)、分岐アルキル鎖を有するジオール(1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール等)等];炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコール[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8〜20の芳香環含有2価アルコール[m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)の炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物、ジヒドロキシナフタレンのAO付加物及びビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等];脂肪族3価アルコール[グリセリン、トリメチロールプロパン及びトリアルカノールアミン等]及び脂肪族4価以上のアルコール[ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン及びソルバイド等];等が挙げられる。
炭素数2〜12のAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記)、3−メチルTHF、スチレンオキサイド及びα−オレフィンオキサイド等]が挙げられる。AOは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2〜15の脂肪族ジカルボン酸[シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸及びフマル酸等]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸及びイソフタル酸等]、3価又はそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)及びこれらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル及びジエチルエステル等)、酸ハライド(酸クロライド等)等]等が挙げられる。ポリカルボン酸は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
縮合型ポリエステルポリオールの具体例としては、例えばポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、前記化学式量又はMnが500未満のポリオールを開始剤としてラクトンモノマー(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の混合物等)を開環重合したもの等が挙げられる。ポリラクトンポリオールの具体例としては、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a1)の内で、再溶解性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するもの、即ち原料として化学式量又はMnが500未満のポリオールの内の分岐アルキル鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとしてPO、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及び3−メチルTHF等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキル鎖を有する縮合型ポリエステルジオール、特に好ましいのはポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール及びポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、最も好ましいのはポリネオペンチルアジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオールである。
(a1)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a1)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオール(a2)としては、脂肪族ポリエーテルポリオール及び芳香族環含有ポリエーテルポリオールが挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、前記化学式量又はMnが500未満のポリオールで例示した炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール、炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコール、脂肪族3価アルコール又は脂肪族4価以上のアルコールのAO付加物及び活性水素原子含有基として1級又は2級アミノ基を含有する化合物のAO付加物等が挙げられる。
AOが付加される1級又は2級アミノ基を含有する化合物としては、アルキル(炭素数1〜12)アミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等)及びポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等)等が挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルポリオールとしては芳香族低分子量活性水素原子含有化合物[水酸基当量が20以上150未満の2価〜8価又はそれ以上のもの、例えば芳香脂肪族アルコール{m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン及びビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン}、フェノール類(ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)及び芳香族アミン(アニリン及びフェニレンジアミン等)等]のAO付加物が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリオキシエチレンポリオール[ポリオキシエチレングリコール等]、ポリオキシプロピレンポリオール[ポリオキシプロピレングリコール等]、ポリオキシエチレン/オキシプロピレンポリオール[ポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコール等]、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記)等が挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルポリオールの具体例としては、ビスフェノール骨格を有するポリオール、ビスフェノールAのEO付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等]及びビスフェノールAのPO付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物及びビスフェノールAのPO5モル付加物等]並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a2)の内で、再溶解性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するもの、即ち原料として化学式量又はMnが500未満のポリオールの内の分岐アルキル鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとしてPO、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及び3−メチルTHF等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキル差を有する2価アルコールの脂肪族ポリエーテルポリオール、特に好ましいのはポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコール、最も好ましいのはポリオキシプロピレングリコールである。
(a2)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a2)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオール(a1)及びポリエーテルポリオール(a2)のMnは、接着性の観点から、それぞれ好ましくは500〜10,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
併用するポリエステルポリオール(a1)とポリエーテルポリオール(a2)のMnのモル平均値は、接着性の観点から、好ましくは1,000〜3,000、更に好ましくは1,000〜2,000である。尚、(a1)と(a2)Mnのモル平均値は、(a1)のMnにその使用モル数を乗じた値[(a1)が複数ある場合はそれぞれの(a1)についてMnとその使用モル数を乗じた値の合計値]と(a2)のMnにその使用モル数を乗じた値[(a2)が複数ある場合はそれぞれの(a2)についてMnとその使用モル数を乗じた値の合計値]の合計値を、(a1)と(a2)の使用モル数の合計値で除した値である。
ポリエステルポリオール(a1)及びポリエーテルポリオール(a2)の重量比は密着性と再溶解性の観点から1:9〜9:1の範囲が好ましく、更に好ましくは3:7〜7:3である。
鎖伸長剤(a3)としては、炭素数2〜12のジアミン、ポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等)、ヒドラジン及びその誘導体(アジピン酸ジヒドラジド等の二塩基酸ジヒドラジド)及び炭素数2〜16の脂肪族ジオール等が挙げられる。
(a3)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a3)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数2〜12のジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン及びピペラジン等が挙げられ、再溶解性の観点から好ましいのはイソホロンジアミンである。
炭素数2〜16の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−、1,4−、1,5−又は2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−、1,5−、1,6−又は2,5−ヘキサンジオール、2−又は3−メチルペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−又は3−メチルヘキサンジオール、2−、3−又は4−メチルヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−、3−又は4−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール及びネオペンチルグリコール等が挙げられ、再溶解性の観点から好ましいのは1,3−ブタンジオール及び1,3−プロピレングリコールである。
反応停止剤(a4)としては、炭素数1〜10のモノアルコール(メタノール、プロパノール、ブタノール及び2−エチルヘキサノール等)、炭素数2〜8のモノアミン[炭素数2〜8のモノ又はジアルキルアミン(n−ブチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等)、炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びプロパノールアミン等)]等が挙げられる。これらの内、好ましいのは炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミンである。
(a4)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a4)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機ポリイソシアネート成分(B)としては、従来ポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b1)、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)及びこれらのポリイソシアネートの変性物(b5)等が挙げられる。
炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(b1)〜(b4)のポリイソシアネートの変性物(b5)としては、前記ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロハネート基、ウレア基、ビュレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33重量%、好ましくは10〜30重量%、特に12〜29重量%のもの)、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビュレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI及びイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。
これらの内で接着性の観点から好ましいのは、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)であり、更にポリウレタン樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのはIPDIである。
有機ポリイソシアネート(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機ポリイソシアネート(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
活性水素成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)を製造する方法は特に制限されず、(A)と(B)を一度に反応させるワンショット法又は段階的に反応させる多段法[例えば(B)と(A)の一部とを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、(A)の残量を加えて更に反応させて製造する方法]のいずれの方法でもよいが、接着性の観点からはイソシアネート基を有するプレポリマーを形成した後、鎖伸長剤(a3)としての前記炭素数2〜12のジアミンを、残存しているイソシアネート基を全て潰さない程度に用いてポリウレタン分子鎖の末端にイソシアネート基を残す方法が好ましい。
ウレタンプレポリマー(P)の製造に当たって、有機ポリイソシアネート成分(B)のイソシアネート基と、活性水素成分(A)の活性水素含有基の当量比(イソシアネート基:活性水素含有基)は、好ましくは1:0.7〜1:0.99、更に好ましくは1:0.8〜1:0.98である。
ウレタンプレポリマー(P)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、ポリウレタン樹脂(U)の樹脂物性の観点から好ましくは20,000〜100,000、更に好ましくは30,000〜80,000である。
尚、本発明におけるMwはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn α」+「TSKgel α−M」[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.125重量%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
装置:「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn α」+「TSKgel α−M」[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.125重量%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
ウレタンプレポリマー(P)のイソシアネート基含有量は、ポリエチレンイミンのAO付加物(C)と反応する際のポリウレタン樹脂(U)ゲル化防止の観点から、通常0.05〜1.0%、好ましくは0.08〜0.8%である。
活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)の反応は通常20〜140℃、好ましくは40〜120℃の温度で行われる。但し、アミンを反応させる場合は通常100℃以下、好ましくは0〜80℃である。
前記反応に際しては、反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応において使用される触媒[アミン触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン及びトリエチレンジアミン等)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート及びオクチル酸錫等)及びチタン系触媒(テトラブチルチタネート等)]等を使用してもよい。触媒の使用量はポリウレタン樹脂に対して通常0.1重量%以下である。
本発明のポリエチレンイミンのAO付加物(C)は、ポリエチレンイミンにAOを付加することで、ポリウレタン樹脂(U)のゲル化を防止することができ、またアルコール系溶剤への溶解性が向上することによって、印刷インキ用バインダーとして使用した場合の再溶解性が良好となるという効果を奏する。
ポリエチレンイミンのAO付加物(C)は、例えば、ポリエチレンイミンのアミノ基をケトンでケチミン化したもののイミノ基にAOを開環付加させた後、ケチミン化した部分を加水分解してアミノ基を再生させることで得る方法が挙げられる。
(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
ポリエチレンイミンのAO付加物(C)に用いられるポリエチレンイミンとしては、例えば、エチレンイミンの重合によって得られる化学式量又はMnが300〜30,000のポリエチレンイミンが挙げられる。具体例としては、日本触媒化学工業(株)製のエポミンSP−003、SP−006、SP−012、SP−018、SP−200及びSP−300等が挙げられる。
アミノ基のケチミン化に用いるケトンとしては、ケチミン結合が加水分解してアミノ基を生成する際のケトンの留去のしやすさの観点から、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン及びメチルイソブチルケトン等の沸点が120℃以下のものが好ましい。
ポリエチレンイミンに付加させるAOとしては、炭素数2〜6のAO(例えば、EO、PO、1,3−プロピレオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド)が挙げられる。これらの内、再溶解性及びアルコール系溶剤への溶解性の観点から、PO及びEOが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。ポリエチレンイミンにAO付加させる方法としては、特に限定されず、既知のAO付加の手法を用いることが出来る。
ポリエチレンイミンのAO付加物(C)の1級アミン価及び2級アミン価の合計値は、ウレタンプレポリマー(P)と反応させた際のポリウレタン樹脂(U)のゲル化防止及び再溶解性の観点から、通常50〜230mgKOH/g、好ましくは60〜150mgKOH/gである。尚、本発明における1級アミン価及び2級アミン価の合計値は、後述の方法で求めることができる。
ウレタンプレポリマー(P)とポリエチレンイミンのAO付加物(C)の重量比は、好ましくは9:1〜7:3であり、更に好ましくは9.5:0.5〜8.5:1.5である。
ウレタンプレポリマー(P)とポリエチレンイミンのAO付加物(C)を反応させるときは通常100℃以下であり、好ましくは0〜80℃である。
活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)との反応及びイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)とポリエチレンイミンのAO付加物(C)との反応は、有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤を反応途中又は反応後に加えてもよい。有機溶剤としては、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル及びエチルセロソルブアセテート等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルイソブチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフラン及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、炭化水素系溶剤(n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン等)及びアルコール系溶剤(エタノール、メタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びn−ブタノール等)等が挙げられる。 これらの内、ポリウレタン樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのは、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、n−プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールであり、更に好ましいのは酢酸エチル、メチルイソブチルケトン及びエタノールである。
有機溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーは、ハンドリング性等の観点から、ポリウレタン樹脂(U)を前述の有機溶剤に溶解させた溶液(ワニス)として用いることが好ましい。(U)の有機溶剤溶液の樹脂濃度はハンドリング性等の観点から好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。また、(U)の有機溶剤溶液の20℃での粘度は、同様の観点から好ましくは50〜100,000mPa・s、更に好ましくは100〜1,000mPa・sである。
本発明の印刷インキは、本発明の印刷インキ用バインダー、顔料及び前記有機溶剤を必須成分としてなる。顔料としては特に制限はなく、通常の印刷インキに用いられる無機顔料及び有機顔料等が使用できる。
また、必要により印刷インキに通常使用される他の樹脂類及び顔料分散剤等の添加剤を配合することもできる。他の樹脂類及び添加剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の樹脂類としては、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹脂、エポキシ樹脂及びロジン系樹脂等が挙げられる。これら他の樹脂類の添加量は印刷インキ中通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
印刷インキの製造方法は特に制限はなく、公知の方法等、例えば三本ロール、ボールミル及びサンドグラインダーミルの通常のインキ製造装置を用いて印刷インキを製造できる。
本発明の印刷インキの配合処方の一例を示せば下記の通りである。
本発明のバインダー(樹脂固形分の量):5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
顔料:5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
他の樹脂類:0〜30重量%(好ましくは0〜20重量%)
有機溶剤:30〜80重量%(好ましくは40〜70重量%)
本発明のバインダー(樹脂固形分の量):5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
顔料:5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
他の樹脂類:0〜30重量%(好ましくは0〜20重量%)
有機溶剤:30〜80重量%(好ましくは40〜70重量%)
本発明の印刷インキ用バインダーを用いてなる印刷インキは、一液型印刷インキとして使用してもよいが、例えばポリイソシアネート系硬化剤と併用して二液型印刷インキとして使用することもできる。この場合のポリイソシアネート系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モルと、1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、トリレンジイオシアネート又はIPDI3モルとからのアダクト体;1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート又はIPDIのイソシアネート基の環状三量化によって合成されるイソシアヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート3モルとから誘導される部分ビュレット反応物及びこれらの2種以上の混合物が好適である。二液型印刷インキとして使用する場合、ポリイソシアネート系硬化剤の使用量は、本発明の印刷インキ用バインダーの重量に基づいて通常0.5〜10重量%である。
本発明の印刷インキを用いた印刷方法としては、従来のプラスチックフィルムの印刷に使用される特殊グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷及び感熱転写印刷等の印刷方法が挙げられる。
本発明の印刷インキは、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、表面処理又は無処理ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらのフィルムにアルミ蒸着を施したフィルム等の各種プラスチックフィルムの印刷に好適に用いることができる。
以下、製造例および実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において「部」は重量部を「%」は重量%を示す。
製造例1
撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、ポリエチレンイミンとしてのエポミンSP−012[日本触媒化学工業(株)製]250部とメチルイソブチルケトン428.4部を仕込み、120℃で生成水を反応系中から留去しつつ10時間反応させ、ポリエチレンイミンのケチミン化物を得た。続いて撹拌装置、温度制御装置付きのオートクレーブに、得られたポリエチレンイミンのケチミン化物157部と水酸化カリウム2部を仕込み、撹拌下にPO190.8部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した後、130℃で2時間熟成した。引き続き、攪拌下にEO29.0部を反応温度が125〜135℃となるように制御しながら連続的に投入し、130℃で2時間熟成した。その後、水22部を加えて90℃で1時間攪拌することで、ポリエチレンイミンのケチミン化物のPO/EO付加物を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に得られたポリエチレンイミンのケチミン化物のPO/EO付加物100部と水15部を仕込んで、90℃で減圧脱水しながら生成するメチルイソブチルケトンを留去することで、1級アミン価及び2級アミン価の合計値が100mgKOH/gのポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を得た。
撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、ポリエチレンイミンとしてのエポミンSP−012[日本触媒化学工業(株)製]250部とメチルイソブチルケトン428.4部を仕込み、120℃で生成水を反応系中から留去しつつ10時間反応させ、ポリエチレンイミンのケチミン化物を得た。続いて撹拌装置、温度制御装置付きのオートクレーブに、得られたポリエチレンイミンのケチミン化物157部と水酸化カリウム2部を仕込み、撹拌下にPO190.8部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した後、130℃で2時間熟成した。引き続き、攪拌下にEO29.0部を反応温度が125〜135℃となるように制御しながら連続的に投入し、130℃で2時間熟成した。その後、水22部を加えて90℃で1時間攪拌することで、ポリエチレンイミンのケチミン化物のPO/EO付加物を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に得られたポリエチレンイミンのケチミン化物のPO/EO付加物100部と水15部を仕込んで、90℃で減圧脱水しながら生成するメチルイソブチルケトンを留去することで、1級アミン価及び2級アミン価の合計値が100mgKOH/gのポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を得た。
製造例2
POを468.3部、EOを71.1部使用する以外は製造例1と同様にして、1級アミン価及び2級アミン価の合計値が50mgKOH/gのポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−2)を得た。
POを468.3部、EOを71.1部使用する以外は製造例1と同様にして、1級アミン価及び2級アミン価の合計値が50mgKOH/gのポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−2)を得た。
製造例3
POを33.9部、EOを5.1部使用する以外は製造例1と同様にして、1級アミン価及び2級アミン価の合計値が230mgKOH/gのポリエチレンイミンEO付加物(C−3)を得た。
POを33.9部、EOを5.1部使用する以外は製造例1と同様にして、1級アミン価及び2級アミン価の合計値が230mgKOH/gのポリエチレンイミンEO付加物(C−3)を得た。
比較製造例1
POを838.4部、EOを127.3部使用する以外は製造例1と同様にして、1級アミン価及び2級アミン価の合計値が30mgKOH/gのポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C’−1)を得た。
POを838.4部、EOを127.3部使用する以外は製造例1と同様にして、1級アミン価及び2級アミン価の合計値が30mgKOH/gのポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C’−1)を得た。
実施例1
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成(株)製「サンエスター5620」:Mn=2000]50部、ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−4000」:Mn=4000]50部及びIPDI16部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応後、40℃に冷却してエタノール281部を加え均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン3.58部及びモノエタノールアミン0.73部を加え、25℃で5分間反応させ、イソシアネート基含有量0.05%のウレタンプレポリマー(P−1)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得れられたウレタンプレポリマー(P−1)とポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−1)のエタノール溶液を得た。
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成(株)製「サンエスター5620」:Mn=2000]50部、ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−4000」:Mn=4000]50部及びIPDI16部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応後、40℃に冷却してエタノール281部を加え均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン3.58部及びモノエタノールアミン0.73部を加え、25℃で5分間反応させ、イソシアネート基含有量0.05%のウレタンプレポリマー(P−1)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得れられたウレタンプレポリマー(P−1)とポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−1)のエタノール溶液を得た。
実施例2
イソホロンジアミン2.9部、モノエタノールアミン0.6部を用いる以外は実施例1と同様にして、イソシアネート基含有量が0.5%のウレタンプレポリマー(P−2)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得られたウレタンプレポリマー(P−2)とポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−2)のエタノール溶液を得た。
イソホロンジアミン2.9部、モノエタノールアミン0.6部を用いる以外は実施例1と同様にして、イソシアネート基含有量が0.5%のウレタンプレポリマー(P−2)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得られたウレタンプレポリマー(P−2)とポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−2)のエタノール溶液を得た。
実施例3
ポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−2)を使用する以外は実施例2と同様にして、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−3)のエタノール溶液を得た。
ポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−2)を使用する以外は実施例2と同様にして、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−3)のエタノール溶液を得た。
実施例4
ポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−3)を使用する以外は実施例2と同様にして、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−4)のエタノール溶液を得た。
ポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−3)を使用する以外は実施例2と同様にして、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−4)のエタノール溶液を得た。
実施例5
イソホロンジアミン3.5部、モノエタノールアミン0.72部を用いる以外は実施例1と同様にして、イソシアネート基含有量が1.0%のウレタンプレポリマー(P−3)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得られたウレタンプレポリマー(P−3)とポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−5)のエタノール溶液を得た。
イソホロンジアミン3.5部、モノエタノールアミン0.72部を用いる以外は実施例1と同様にして、イソシアネート基含有量が1.0%のウレタンプレポリマー(P−3)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得られたウレタンプレポリマー(P−3)とポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−5)のエタノール溶液を得た。
比較例1
イソホロンジアミン3.63部、モノエタノールアミン0.74部を用いる以外は実施例1と同様にして、イソシアネート基0.02%の比較用のウレタンプレポリマー(P’−1)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得られたウレタンプレポリマー(P’−1)とポリエチレンイミンPO/EO付加物を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、比較用のポリウレタン樹脂(U’−1)のエタノール溶液を得た。
イソホロンジアミン3.63部、モノエタノールアミン0.74部を用いる以外は実施例1と同様にして、イソシアネート基0.02%の比較用のウレタンプレポリマー(P’−1)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得られたウレタンプレポリマー(P’−1)とポリエチレンイミンPO/EO付加物を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、比較用のポリウレタン樹脂(U’−1)のエタノール溶液を得た。
比較例2
イソホロンジアミン1.43部、モノエタノールアミン0.29部を用いる以外は実施例1と同様にして、イソシアネート基含有量が1.5%の比較用のウレタンプレポリマー(P’−2)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得られたウレタンプレポリマー(P’−2)とポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、比較用のポリウレタン樹脂(U’−2)のエタノール溶液を得た。
イソホロンジアミン1.43部、モノエタノールアミン0.29部を用いる以外は実施例1と同様にして、イソシアネート基含有量が1.5%の比較用のウレタンプレポリマー(P’−2)のエタノール溶液を得た。続いて、撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、得られたウレタンプレポリマー(P’−2)とポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C−1)を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、比較用のポリウレタン樹脂(U’−2)のエタノール溶液を得た。
比較例3
ポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C’−1)を使用する以外は実施例2と同様にして、比較用のポリウレタン樹脂(U’−3)のエタノール溶液を得た。
ポリエチレンイミンのPO/EO付加物(C’−1)を使用する以外は実施例2と同様にして、比較用のポリウレタン樹脂(U’−3)のエタノール溶液を得た。
比較例4
撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、ウレタンプレポリマー(P−2)とエポミンSP−012[日本触媒化学工業(株)製]を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、比較用のポリウレタン樹脂(U’−4)のエタノール溶液を得た。
撹拌装置、温度制御装置付きの反応容器に、ウレタンプレポリマー(P−2)とエポミンSP−012[日本触媒化学工業(株)製]を重量比が9:1となるように仕込み、40℃で1時間反応させ、比較用のポリウレタン樹脂(U’−4)のエタノール溶液を得た。
実施例6〜10及び比較例5〜8
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られたポリウレタン樹脂溶液を用いて、以下の処方にて実施例6〜10及び比較例5〜8の印刷インキを作製した。比較例6及び8はウレタン樹脂溶液がゲル化したためインキの作製は行わなかった。
[青インキの作製]
ポリウレタン樹脂の溶液100部、顔料(β型フタロシアニンブルー)30部、エタノール100部及びガラスビーズ150部からなる混合物をペイントコンデイショナー(レッドデビル社製)にて1時間混練し、ガラスビーズをろ過により除去して青インキを得た。
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られたポリウレタン樹脂溶液を用いて、以下の処方にて実施例6〜10及び比較例5〜8の印刷インキを作製した。比較例6及び8はウレタン樹脂溶液がゲル化したためインキの作製は行わなかった。
[青インキの作製]
ポリウレタン樹脂の溶液100部、顔料(β型フタロシアニンブルー)30部、エタノール100部及びガラスビーズ150部からなる混合物をペイントコンデイショナー(レッドデビル社製)にて1時間混練し、ガラスビーズをろ過により除去して青インキを得た。
得られた青インキを使用して以下の性能試験を行った結果を、ポリウレタン樹脂(U)の製造に使用したウレタンプレポリマー(P)のイソシアネート基含有量、ポリエチレンイミンのAO付加物(C)の1級アミン価及び2級アミン価の合計値並びにポリウレタン樹脂(U)の溶液の性状と共に表1に示す。
[1]1級アミン価及び2級アミン価の合計値の測定方法
1級アミン価及び2級アミン価の合計値は、全アミン価から3級アミン価を除した値である。尚、全アミン価及び3級アミン価は下記の方法で測定した。
[1−1]全アミン価測定方法
全アミン価とは、試料1g中に含まれる1級、2級及び3級アミンを中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2074に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S1g)
(2)中性エタノール[ブロムクレゾールグリーン(BCG)中性]30mLを加え溶解する。
(3)0.2モル/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f1)で滴定し、緑色から黄色に変わった点を終点とする。(滴定量:A1mL)
(4)次式から全アミン価を算出する。
全アミン価=A1×f1×0.2×56.108/S1
[1−2]3級アミン価測定方法
3級アミン価とは、試料1g中に含まれる3級アミンを中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2073に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S2g)
(2)無水酢酸/酢酸混合溶液(9/1)20mLを加えて溶解し、室温で3時間静置する。
(3)酢酸30mLを加えて、電位差滴定装置にて0.1モル/L過塩素酸/酢酸溶液(力価:f2)で滴定する。(滴定量:A2mL)
(4)上記と同様にして空試験を行う。(滴定量:B1mL)
(5)次式から3級アミン価を算出する。
3級アミン価=(A2−B1)×f2×0.1×56.108/S2
1級アミン価及び2級アミン価の合計値は、全アミン価から3級アミン価を除した値である。尚、全アミン価及び3級アミン価は下記の方法で測定した。
[1−1]全アミン価測定方法
全アミン価とは、試料1g中に含まれる1級、2級及び3級アミンを中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2074に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S1g)
(2)中性エタノール[ブロムクレゾールグリーン(BCG)中性]30mLを加え溶解する。
(3)0.2モル/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f1)で滴定し、緑色から黄色に変わった点を終点とする。(滴定量:A1mL)
(4)次式から全アミン価を算出する。
全アミン価=A1×f1×0.2×56.108/S1
[1−2]3級アミン価測定方法
3級アミン価とは、試料1g中に含まれる3級アミンを中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2073に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S2g)
(2)無水酢酸/酢酸混合溶液(9/1)20mLを加えて溶解し、室温で3時間静置する。
(3)酢酸30mLを加えて、電位差滴定装置にて0.1モル/L過塩素酸/酢酸溶液(力価:f2)で滴定する。(滴定量:A2mL)
(4)上記と同様にして空試験を行う。(滴定量:B1mL)
(5)次式から3級アミン価を算出する。
3級アミン価=(A2−B1)×f2×0.1×56.108/S2
[2]接着性の試験方法
表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)[東洋紡績株式会社製「パイレンP−2161」(厚さ30μm)]、表面処理ポリエステルフィルム(PET)[東洋紡績株式会社製「エスペットE−5102」(厚さ12μm)]及び表面処理ナイロンフィルム[東洋紡績株式会社製「ハーデンN−1130」(厚さ15μm)]に青インキを固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロハンテープ(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロハンテープの一端を塗面に対して、直角方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を観察して以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:インキがまったく剥がれない。
○:インキが80%以上残る。
×:インキの残りが80%未満。
表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)[東洋紡績株式会社製「パイレンP−2161」(厚さ30μm)]、表面処理ポリエステルフィルム(PET)[東洋紡績株式会社製「エスペットE−5102」(厚さ12μm)]及び表面処理ナイロンフィルム[東洋紡績株式会社製「ハーデンN−1130」(厚さ15μm)]に青インキを固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロハンテープ(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロハンテープの一端を塗面に対して、直角方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を観察して以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:インキがまったく剥がれない。
○:インキが80%以上残る。
×:インキの残りが80%未満。
[3]再溶解性の試験方法
版詰まりグラビア印刷試験機(TS−1型印刷機;東谷鉄工所製)で、深度35μmのグラビア版を用いて、30m/分のスピードでOPPフィルムに青インキを100m印刷した後、グラビア版に付着した余分のインキをエタノールでかるく洗い落とし、セルの目詰まり状態を観察した。
<評価基準>
○:セル中のインキの残りが30%未満。
×:セル中のインキが30%以上残る。
版詰まりグラビア印刷試験機(TS−1型印刷機;東谷鉄工所製)で、深度35μmのグラビア版を用いて、30m/分のスピードでOPPフィルムに青インキを100m印刷した後、グラビア版に付着した余分のインキをエタノールでかるく洗い落とし、セルの目詰まり状態を観察した。
<評価基準>
○:セル中のインキの残りが30%未満。
×:セル中のインキが30%以上残る。
本発明のバインダーは溶剤への再溶解性及び接着性に優れることから、各種プラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びセロファンフィルム等)用特殊グラビアインキ用バインダーとして特に好適である。また、本発明のバインダーは前記用途だけではなく、フレキソ印刷インキ用バインダー、塗料用のバインダー、接着剤及び紙等のコーテング剤としても有用である。
Claims (3)
- 活性水素成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)を反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)と、ポリエチレンイミンのアルキレンオキサイド付加物(C)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P)のイソシアネート基含有量が0.05〜1.0重量%であり、前記ポリエチレンイミンのアルキレンオキサイド付加物(C)の1級アミン価及び2級アミン価の合計値が50〜230mgKOH/gである印刷インキ用バインダー。
- 前記有機ポリイソシアネート成分(B)が、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)である請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
- 請求項1又は2記載の印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキ。
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JP2014055264A JP2015174999A (ja) | 2014-03-18 | 2014-03-18 | 印刷インキ用バインダー及びこれを用いた印刷インキ |
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- 2014-03-18 JP JP2014055264A patent/JP2015174999A/ja active Pending
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