JP2005213306A - ポリイソシアネート組成物およびその調製方法並びに硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硬質ポリウレタンフォームを製造するために使用されるポリイソシアネート組成物であって、(A0)ポリメリックMDI;(A1)ポリメリックMDIに、スルホ基もしくはスルホナト基を分子構造中に有するポリエステルポリオール(a1)を反応させることにより得られる第1のイソシアネート基末端プレポリマー;(A2)ポリメリックMDIに、ポリエーテルモノオール(a2)を反応させることにより得られる第2のイソシアネート基末端プレポリマー;および(A3)シリコーン系整泡剤を含有する。
【選択図】 なし
Description
なお、本発明において、「硬質ポリウレタンフォーム」とは、特に断らない限り「イソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム」を含む概念である。
硬質ポリウレタンフォームを製造する際のポリイソシアネートとしては、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)を包含するポリメリックMDI(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)が使用されている。
また、発泡剤として水のみを使用する(完全)水発泡処方の硬質ポリウレタンフォームも紹介されている(例えば、特許文献1参照)。
また、水発泡処方による硬質ポリウレタンフォームは、被着体に対して十分な接着力を有するものではない。
ここに、被着体に対する接着力の低下は、低温環境下で行われる吹き付け施工(スプレー施工)において特に問題となる。
(1)ポリオール成分として、トリレンジアミンのエチレンオキシド(EO)およびプロピレンオキシド(PO)付加物、トリエタノールアミンのPO付加物、グリセリンのPO付加物、エチレンジアミンのEOおよびPO付加物、グリセリンのEOおよびPO付加物を混合してなるポリオール混合物を使用する方法(特許文献2参照)。
(2)ポリオール組成物中にイミダゾール類を添加するとともに、ポリイソシアネート成分として、アイソマー(4,4’−MDI以外のMDIの異性体)の割合の高いポリメリックMDIを使用する方法(特許文献3参照)。
(3)ポリオール成分として、低官能基数・低水酸基価のポリオールを使用するとともに、ポリイソシアネート成分として、アイソマーの割合の高いポリメリックMDIを使用する方法(特許文献4参照)。
本発明の第1の目的は、種々の被着体に対して良好な接着性を有し、しかも、収縮率が低くて形状安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造することのできるポリイソシアネート組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、ハイドロフルオロカーボン類および/または水との均一混合性(相溶性/分散性)に優れたポリイソシアネート組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、ハイドロフルオロカーボン類および/または水を発泡剤とする発泡処方により、フォーム強度が高くて、接着性および寸法安定性などに優れた硬質ポリウレタンフォームを製造することのできるポリイソシアネート組成物を提供することにある。
本発明の第4の目的は、上記のような優れた性能を有するポリイソシアネート組成物の調製方法を提供することにある。
本発明の第5の目的は、種々の被着体に対して良好な接着性を有し、しかも、収縮率が低くて形状安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。 本発明の第6の目的は、フォーム強度が高くて、接着性、寸法安定性などに優れた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
(A0)ポリメリックMDI、
(A1)ポリメリックMDIに、スルホ基もしくはスルホナト基を分子構造中に有するポリエステルポリオール(a1)〔以下、「特定のポリエステルポリオール(a1)」という。〕を反応させることにより得られる第1のイソシアネート基末端プレポリマー、
(A2)ポリメリックMDIに、ポリエーテルモノオール(a2)を反応させることにより得られる第2のイソシアネート基末端プレポリマー、および
(A3)シリコーン系整泡剤を含有することを特徴とする。
(1)ポリメリックMDIにおけるMDIの割合(GPCによる面積比)が20.0〜80.0%であること。
(2)イソシアネート化合物の全量に対する第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)の割合が0.05〜5.0質量%であること。
(3)(A4)液状エステル系化合物を含有すること。
(4)ハイドロフルオロカーボン類および/または水を発泡剤とする発泡処方による硬質ポリウレタンフォームを製造するために使用されるものであること。
(5)スプレー方式により被着体上に形成される硬質ポリウレタンフォームを製造するために使用されるものであること。
シリコーン系整泡剤(A3)の存在下または不存在下において、
ポリメリックMDIに特定のポリエステルポリオール(a1)を反応させて第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)を合成するとともに、
ポリメリックMDIにポリエーテルモノオール(a2)を反応させて第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を合成する工程を含むことを特徴とする。
(2)本発明のポリイソシアネート組成物は、ハイドロフルオロカーボン類および/または水との均一混合性(相溶性/分散性)に優れている。これにより、ハイドロフルオロカーボン類および/または水を発泡剤として使用しても、これら発泡剤との混合不良に起因する問題は生じない。
(3)本発明のポリイソシアネート組成物によれば、ハイドロフルオロカーボン類および/または水を発泡剤とする発泡処方によって、フォーム強度が高くて、接着性および寸法安定性などに優れた均質な硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
(4)本発明の調製方法によれば、上記(1)〜(3)に示すような優れた性能を有するポリイソシアネート組成物を確実に調製することができる。
(5)本発明の製造方法によれば、種々の被着体に対して良好な接着性を有し、しかも、収縮率が低くて形状安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを確実に製造することができる。
(6)本発明の製造方法によれば、フォーム強度が高くて、接着性、寸法安定性などに優れた硬質ポリウレタンフォームを確実に製造することができる。
本発明のポリイソシアネート組成物を構成するポリメリックMDI(A0)は、二核体であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)と、三核体以上の多核体(MDI系縮合体)との混合物(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)である。
ポリメリックMDI(A0)は、アニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られる縮合混合物(ポリアミン)のアミノ基を、ホスゲン化等によりイソシアネート基に転化することによって得ることができ、縮合時の原料組成比や反応条件を変更することによって、最終的に得られるポリメリックMDIの組成(核体分布や異性体構成比)を制御することができる。
本発明に用いられるポリメリックMDI(A0)は、イソシアネート基への転化後の反応液、反応液から溶媒の除去、一部MDIを留出分離した缶出液等の、反応条件や分離条件等の異なった数種の混合物であってもよい。また、市販のポリメリックMDIにMDIを混合したものであってもよい。
ここに、MDIの割合は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるMDIのピーク面積比から求める割合である。
ポリメリックMDI(A0)におけるMDIの割合が80.0%を超えると、最終的に形成される硬質ポリウレタンフォームの被着体に対する接着力や強度が低下する傾向にある。
一方、この割合が20.0%未満である場合には、得られるポリイソシアネート組成物の粘度が高くなり、例えば吹き付け施工におけるスプレー操作が困難になりやすい。
これらの異性体の構成比は特に限定はないが、被着体に対する接着力や強度の高い硬質ポリウレタンフォームを形成する観点から、4,4′−MDI含有割合が50.0〜99.5質量であることが好ましい。
なお、異性体の構成比は、GPCやGC(ガスクロマトグラフィー)によって得られる各ピークの面積百分率を基に検量線から求めることができる。
ポリメリックMDI(A0)のイソシアネート含量は、28〜33質量%であることが好ましく、更に好ましくは28.5〜32.5質量%とされる。
ポリメリックMDI(A0)の酸度は0.001〜0.2質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.003〜0.15質量%とされる。これにより、得られるポリイソシアネート組成物の貯蔵安定性と好適な反応性とが確保される。
なお、「酸度」とは、室温でアルコールと反応し遊離する酸成分を塩化水素に換算して示した値をいい、JIS K−1603によって測定される。
本発明のポリイソシアネート組成物を構成する第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)は、最終的に形成される硬質ポリウレタンフォームに、種々の被着体に対する良好な接着性を付与し、または向上させる成分である。
第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)を得るための反応に供される「ポリメリックMDI」は、ポリイソシアネート組成物の構成成分として既述した「ポリメリックMDI(A0)」(二核体と、三核体以上の多核体との混合物)と同一のものであり、その説明を省略する。
第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)を得るための反応に供される「特定のポリエステルポリオール(a1)」は、スルホ基(−SO3 H)もしくはスルホナト基(−SO3 - )を分子構造中に有するポリエステルポリオールである。
第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)は、本発明のポリイソシアネート組成物に、発泡剤(特に、ハイドロフルオロカーボン類および/または水からなる発泡剤)との均一混合性を付与する成分である。
第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を得るための反応に供される「ポリメリックMDI」は、ポリイソシアネート組成物の構成成分として既述した「ポリメリックMDI(A0)」(二核体と、三核体以上の多核体との混合物)と同一のものであり、その説明を省略する。
第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を得るための反応に供される「ポリエーテルモノオール(a2)」は、下記の化学式で示すことができる。
有機基(R1 )は、炭素原子および水素原子以外の原子を有していてもよく、また側鎖の有無は問わない。また、複数存在するアルキレンオキシド基−(R2 O)−は、同一であっても、異なっていてもよい。
また、開始剤に付加されるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどを挙げることができる。
ポリエーテルモノオール(a2)の数平均分子量が過小である場合には、発泡剤(特に、ハイドロフルオロカーボン類および/または水からなる発泡剤)との均一混合性の向上効果を十分に発揮することができない。一方、数平均分子量が過大である場合には、得られるポリイソシアネート組成物の粘度が高くなり、作業性の低下を招く。
本発明のポリイソシアネート組成物を構成するシリコーン系整泡剤(A3)としては、特に限定されるものではなく、硬質ポリウレタンフォーム用の整泡剤として従来公知のもの(ジメチルポリシロキサンおよびポリシロキサン−ポリエーテル共重合体)を全て使用することができる。
活性水素基含有シリコーン系整泡剤を含有してなる本発明のポリイソシアネート組成物によれば、発泡剤との均一混合性(特に、ハイドロフルオロカーボン類および/または水からなる発泡剤との相溶性,組成物中における発泡剤の分散性)の更なる向上を図ることができる。
好ましい活性水素基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などを挙げることができ、得られるポリイソシアネート組成物の粘度、相溶性、分散性面等から水酸基が最も好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物は、ポリメリックMDI(A0)、第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)および第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を必須のイソシアネート化合物として含有するが、本発明のポリイソシアネート組成物には、これらの必須のイソシアネート化合物以外のイソシアネート化合物が含有されていてもよい。
そのようなイソシアネート化合物としては、ポリメリックMDI(もしくはMDIのみ)と、活性水素基含有化合物とを反応させて得られるウレタン化物(第1のイソシアネート基末端プレポリマーおよび第2のイソシアネート基末端プレポリマーに該当するものを除く。)、ウレア化物、アロファネート化物、ビウレット化物、カルボジイミド化物、ウレトンイミン化物、ウレトジオン化物、イソシアヌレート化物;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートなどを挙げることができる。また、これらのポリメリック体やこれらのイソシアネートと、活性水素基含有化合物とを反応させて得られるウレタン化物、ウレア化物、アロファネート化物、ビウレット化物、カルボジイミド化物、ウレトンイミン化物、ウレトジオン化物、イソシアヌレート化物などを使用することもできる。これらのイソシアネート化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のポリイソシアネート組成物において、イソシアネート化合物の全量〔ポリメリックMDI(A0)、第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)および第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)からなる必須のイソシアネート化合物、並びに、これらの必須のイソシアネート化合物以外のイソシアネート化合物の合計量〕に対する第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)の割合は0.05〜5.0質量%であることが好ましい。
これにより、種々の被着体に対して良好な接着性を有し、しかも、収縮率が低くて形状安定性にも優れた硬質ポリウレタンフォームを確実に製造することができる。
本発明のポリイソシアネート組成物には、液状エステル系化合物(A4)が含有されていることが好ましい。かかる「液状エステル系化合物(A4)」は、常温下に液状を示すエステル系化合物である。
ここで、「エステル系化合物」には、有機酸または無機酸の水素原子を有機基(R)で置換した分子構造を有するすべての化合物が包含される。
液状エステル系化合物(A4)は、これを含有するポリイソシアネート組成物の粘度を低下させる作用を有するとともに、これによって形成される硬質ポリウレタンフォームの被着体に対する接着力の更に向上させることができる。
液状エステル系化合物(A4)の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、ε−カプロラクトンなどのカルボン酸エステル系化合物;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート(炭酸エステル)系化合物;リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどのホスフェート(リン酸エステル)系化合物などを挙げることができ、これらのうち、環状のカーボネート系化合物が好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物には、その効果が損なわれない範囲内において各種の任意成分が含有されていてもよい。
かかる任意成分としては、硬質ポリウレタンフォームを製造するためのポリイソシアネート組成物に含有されるものとして従来公知の物質(添加剤など)を全て使用することができる。
本発明のポリイソシアネート組成物のイソシアネート含量としては25.0〜32.0質量%であることが好ましく、更に好ましくは26.0〜32.0質量%とされる。
本発明のポリイソシアネート組成物の粘度(25℃)としては、50〜400mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは60〜300mPa・sとされる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、ハイドロフルオロカーボン類や水との均一混合性(相溶性/組成物中におけるハイドロフルオロカーボン類や水の分散性)に優れているので、これらを発泡剤とする発泡処方による硬質ポリウレタンフォームを製造するために好適に使用される。
本発明のポリイソシアネート組成物によれば、従来公知のポリイソシアネート組成物では、接着性の点から適用できなかった低温環境下での吹き付け施工(スプレー施工)においても適用することができ、被着体に対して良好な接着性を有する硬質ポリウレタンフォームを形成することができる。
ここに、本発明のポリイソシアネート組成物が適用される被着体としては特に限定されるものではなく、例えば、木材類、コンクリート類、各種金属類、紙類、石材類、各種プラスチック類、セラミック類、ガラス類、各種ゴム類などを挙げることができる。
なお、本発明のポリイソシアネート組成物の使用態様(施工方法)としては、スプレー施工に限定されるものではないことは勿論である。
本発明の調製方法は、本発明のポリイソシアネート組成物を調製するための方法であり、シリコーン系整泡剤(A3)の存在下または不存在下において、ポリメリックMDIに特定のポリエステルポリオール(a1)を反応させて第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)を合成するとともに、ポリメリックMDIにポリエーテルモノオール(a2)を反応させて第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を合成する工程を含む。
また、これらの合成反応の一方および/または他方を、シリコーン系整泡剤(A3)の存在下に行うこと(すなわち、シリコーン系整泡剤(A3)と反応原料とを混合した後に反応させること)もできるし、シリコーン系整泡剤(A3)の不存在下に行うこと(すなわち、反応後の系にシリコーン系整泡剤(A3)を混合すること)もできる。
なお、第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)の合成反応と、第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)の合成反応とを別々に実施した場合には、「反応容器に仕込まれる」量は、それぞれの仕込み量の合計量である。
また、ウレタン化反応時には、必要に応じジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。
なお、任意成分(添加剤)の仕込み時期については特に制限されるものではない。
本発明の製造方法は、ポリイソシアネート混合物(A)とポリオール(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)の存在下に反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、前記ポリイソシアネート混合物(A)が、ポリメリックMDI(A0)、第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)および第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を含有してなり、前記発泡剤(C)として、ハイドロフルオロカーボンおよび/または水を使用する点に特徴を有している。
本発明の製造方法で使用する「ポリイソシアネート混合物(A)」は、ポリメリックMDI(A0)、第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)および第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を含有してなる混合物、すなわち、本発明のポリイソシアネート組成物に含有される必須のイソシアネート化合物を構成する混合物である。
なお、「ポリイソシアネート混合物(A)」中には、本発明の効果が損なわれない範囲内において、これら以外のイソシアネート化合物が含有されていてもよい。
本発明の製造方法で使用する「ポリオール(B)」は、特に制限されるものではなく、従来公知のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどを挙げることができる。
また、形成される硬質ポリウレタンフォームの強度等を考慮して、低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールなどを併用してもよい。
ポリオール(b1)およびポリオール(b3)の何れか1種類のみを使用する場合には、形成される硬質ポリウレタンフォームが十分な機械的強度を有するものとならない場合がある。また、ポリオール(b2)のみからなるポリオール(B)は粘度が過大となって、作業性に劣る傾向がある。
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、トリレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、アンモニア、アニリン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等のポリアミン類等のアミン系化合物の1種または2種以上の混合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる、水酸基価50〜1,000mgKOH/g、好ましくは100〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオール。なお、更に開始剤として、ポリオール(b2)およびポリオール(b3)を得るために使用される多価アルコールを併用することができる。
(1)エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような多価アルコールの1種または2種以上の混合物と、アジピン酸、マロン酸、フマル酸、琥珀酸、酒石酸、シュウ酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のような、少なくとも2個以上のカルボキシル基(またはカルボキシル基から誘導される基)を有する化合物の1種または2種以上の混合物とを使用し、公知の方法によって製造することによって得られる、水酸基価50〜800mgKOH/g、好ましくは100〜700mgKOH/gのポリエステルポリオール。(2)ラクトン(例えばε−カプロラクトン)類の開環重合により得られるポリエステルポリオール。
(3)ポリエステルポリオール及びポリエステル成形品を分解して得られる回収ポリエステル。
エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールような、1分子中にヒドロキシル基を2〜6個、好ましくは2〜5個有する多価アルコールを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させて得られる、水酸基価50〜1,000mgKOH/g、好ましくは100〜900mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
ポリオール(b2)の平均官能基数は2〜4であることが好ましく、さらに好ましくは2〜3とされる。
ポリオール(b3)の平均官能基数は3〜6であることが好ましく、さらに好ましくは3〜5とされる。
ポリオール(b2)を使用する場合において、ポリオール(B)に占めるポリオール(b2)の割合は10〜90質量%であることが好ましい。
ポリオール(b3)を使用する場合において、ポリオール(B)に占めるポリオール(b3)の割合は10〜70質量%であることが好ましい。
ポリオール(B)に占める、ポリオール(b1)、ポリオール(b2)、ポリオール(b3)の合計の割合は80質量%以上であることが好ましい。
ポリオール(b2)の含有割合が過大であると、ポリオール(B)の粘度が高くなり、フォームの液流れ性・充填性が悪化する傾向がある。
ポリオール(b3)の含有割合が過大であると、形成される硬質ポリウレタンフォームの機械的強度が低下する傾向がある。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、水酸基価が50〜150mgKOH/gのポリプロピレングリコールから選ばれた少なくとも1種類を用いることにより、ポリオール(B)の粘度を低下させることができる。
本発明の製造方法においては、発泡剤(C)として、ハイドロフルオロカーボンおよび/または水を使用する。
発泡剤(C)の添加量としては、HFC−245fa、HFC−365mfc、HFC−134a等のハイドロフルオロカーボンを使用する場合は、ポリオール(B)に対して、1〜50質量%である。
また、ハイドロフルオロカーボンおよび水を併用する場合における水の添加量は、ポリオール(B)に対して0.5〜5.0質量%である。
また、水のみを使用する完全水発泡処方において、水の添加量は、ポリオール(B)に対して2.0〜20.0質量%である。
本発明の製造方法で使用する「触媒(D)」としては、通常ウレタン発泡に用いられる公知の触媒を使用することができる。例えば、ウレタン化触媒として、N−メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物、アセチルアセトン金属塩等の金属錯化合物等が挙げられる。三量化触媒としては、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン等のトリアジン類、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、2−エチルアジリジン等のアジリジン類等のアミン系化合物、3級アミンのカルボン酸塩等の第四級アンモニウム化合物、ジアザビシクロウンデセン、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合物等を挙げることができる。これらの触媒は、1種または2種以上併用して用いることがでる。
触媒(D)の使用量は、ポリオール(B)に対して、0.01〜15質量%となる量が適当である。
更に、反応促進のための助触媒として、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物を使用することができる。
(1)ポリメリックMDI(A0)、第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)、第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)およびシリコーン系整泡剤(A3)を含有するポリイソシアネート組成物を『A液』とし、前記ポリオール(B)を『B液』とする。
下記表1に示す処方に従って、ポリメリックMDI(1)97.0部、特定のポリエステルポリオール(a1−1)0.5部、ポリエーテルモノオール(a2−1)0.5部、シリコーン系整泡剤(A3−1)0.5部および液状エステル系化合物(A4−1)1.5部を使用し、以下のようにして、本発明のポリイソシアネート組成物(NCO−1)を調製した。このポリイソシアネート組成物(NCO−1)のイソシアネート含量は30.0%、粘度(25℃)は180mPa・sであった。
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた容量:100kgの反応器に、ポリメリックMDI(1)を仕込み、攪拌しながら60℃に加温した。次いで、特定のポリエステルポリオール(a1−1)、ポリエーテルモノオール(a2−1)、シリコーン系整泡剤(A3−1)、液状エステル系化合物(A4−1)を各々、反応器への仕込みを行った。仕込み完了後、攪拌しながら60℃にて2時間反応させ、本発明のポリイソシアネート組成物(NCO−1)を調製した。
下記表1に示す処方に従って、ポリメリックMDI(1)〜(4)、特定のポリエステルポリオール(a1−1)〜(a1−3)、ポリエーテルモノオール(a2−1)〜(a2−2)、シリコーン系整泡剤(A3−1)および液状エステル系化合物(A4−1)の各々を使用したこと以外は調製例1と同様にして本発明のポリイソシアネート組成物(NCO−2)乃至(NCO−8)を調製した。
得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含量および粘度(25℃)を表1に併せて示す。
下記表2に示す処方に従ってポリメリックMDI(1)を用意した。これを「ポリイソシアネート(NCO−C1)」とする。このポリイソシアネート(NCO−C1)のイソシアネート含量は31.0%、粘度(25℃)は180mPa・sであった。
下記表2に示す処方に従ってポリメリックMDI(2)を用意した。これを「ポリイソシアネート(NCO−C2)」とする。このポリイソシアネート(NCO−C1)のイソシアネート含量は31.0%、粘度(25℃)は180mPa・sであった。
下記表2に示す処方に従って、特定のポリエステルポリオール(a1−1)に代えて、ポリエーテルモノオール(a2−2)を使用したこと以外は調製例1と同様にして比較用のポリイソシアネート組成物(NCO−C3)を調製した。このポリイソシアネート組成物(NCO−C3)のイソシアネート含量は30.0%、粘度(25℃)は185mPa・sであった。
下記表2に示す処方に従って、ポリメリックMDI(1)88.0部、特定のポリエステルポリオール(a1−1)5.0部、ポリエーテルモノオール(a2−1)5.0部、シリコーン系整泡剤(A3−1)0.5部および液状エステル系化合物(A4−1)1.5部を使用したこと以外は調製例1と同様にして本発明(参考用)のポリイソシアネート組成物(NCO−9)を調製した。このポリイソシアネート組成物(NCO−9)のイソシアネート含量は26.6%、粘度(25℃)は320mPa・sであった。
下記表2に示す処方に従って、ポリメリックMDI(1)99.9部、特定のポリエステルポリオール(a1−1)0.01部、ポリエーテルモノオール(a2−1)0.01部、シリコーン系整泡剤(A3−1)0.01部および液状エステル系化合物(A4−1)0.07部を使用したこと以外は調製例1と同様にして本発明(参考用)のポリイソシアネート組成物(NCO−10)を調製した。このポリイソシアネート組成物(NCO−10)のイソシアネート含量は31.0%、粘度(25℃)は180mPa・sであった。
上記の調製例1〜8により得られた本発明のポリイソシアネート組成物(NCO−1)乃至(NCO−8)、比較調製例1〜2で用意したポリイソシアネート(NCO−C1)乃至(NCO−C2)、比較調製例3により得られた比較用のポリイソシアネート組成物(NCO−C3)、および調製例9〜10により得られた本発明(参考用)のポリイソシアネート組成物(NCO−9)乃至(NCO−10)の各々について、下記の方法に従ってハイドロフルオロカーボン類および水との均一混合性を評価した。結果を併せて下記表1〜2に示す。
ポリイソシアネート(組成物)50gと、ハイドロフルオロカーボン(HFC−365mfc)20gとをラボミキサーに仕込み、7,000rpmで3秒間にわたる混合操作を行い、操作直後および30分経過後における混合物の外観を目視により観察し、下記の基準に基いて評価した。
ポリイソシアネート(組成物)50gと精製水5gとをラボミキサーに仕込み、7,000rpmで3秒間にわたる混合操作を行い、操作直後および30分経過後における混合物の外観を目視により観察し、下記の基準に基いて評価した。
「◎」:均質な乳化状態が得られ、30分経過後においてもこの状態が保持された。
「○」:乳化状態が得られたが、30分経過後に相分離が発生した。
「×」:操作直後において相分離が発生した。
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=40%
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=99%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=31.0%
(iv)平均官能基数=2.3
(v)酸度=0.01%
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=37%
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=83%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=31.0%
(iv)平均官能基数=2.3
(v)酸度=0.01%
(i)MDI(二核体)
(ii)4,4’−MDIの割合=99%(GCによる測定)
(iii)酸度=0.001%
(i)MDI(二核体)
(ii)4,4’−MDIの割合=72%(GCによる測定)
(iii)酸度=0.001%
(i)5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、アジピン酸、1,6−ヘキサンジオールを、常法に従って反応(エステル反応およびエステル交換反応)させて得られたスルホナト基(スルホン酸ナトリウム残基)含有アジペート系ポリエステルポリオール。 (ii)(a1−1):
数平均分子量=1,000,スルホナト基の含有割合=0.4mmol/g
(iii)(a1−2):
数平均分子量=2,000,スルホナト基の含有割合=0.4mmol/g
(iv)(a1−3):
数平均分子量=1,000,スルホナト基の含有割合=0.2mmol/g
(i)開始剤=2−エチルヘキサノール
(ii)数平均分子量=800
(iii)PO(オキシプロピレン)/EO(オキシエチレン)=100/0(質量比)
(i)開始剤=メタノール
(ii)数平均分子量=700
(iii)PO/EO=0/100(質量比)
ポリシロキサン−ポリエーテル共重合体「B−8460」(ゴールドシュミット製)〔9〕液状エステル系化合物(A4−1):
プロピレンカーボネート
下記表3に示す配合処方に従って各成分を混合することによりポリオール組成物(OH−1)乃至(OH−8)を調製した。
無水フタル酸/ジエチレングリコールを原料とする水酸基価=250のポリエステルポリオール「テロール250」(米国OXID社製)
〔2〕ポリオール(B−2):
無水フタル酸/ジエチレングリコールを原料とする水酸基価=110のポリエステルポリオール「テロール280」(米国OXID社製)
〔3〕ポリオール(B−3):
水酸基価450のマンニッヒ系ポリエーテルポリオール「DKポリオール3773」(第一工業製薬(株)製)
〔4〕ポリオール(B−4):
水酸基価350のマンニッヒ系ポリエーテルポリオール「DKポリオール3776」〔5〕発泡剤(C−1):HFC−245fa(セントラル硝子(株)製)
〔6〕発泡剤(C−2):HFC−365mfc(ソルベイ社製)
〔7〕発泡剤(C−3):精製水
〔8〕触媒(D−1):三量化触媒「DABCO K15」(エアープロダクツ製)
〔9〕触媒(D−2):三量化触媒「DABCO P15」(エアープロダクツ製)
〔10〕触媒(D−3):オクチル酸鉛
〔11〕整泡剤(E−1):
ポリシロキサン−ポリエーテル共重合体「B−8460」(ゴールドシュミット製)
〔12〕難燃剤(F−1):トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート「ファイロール PCF」(アクゾ・ノーベル社製)
〔13〕特定のポリエステルポリオール(a1−1):
表1および表2に記載のものと同じ。
下記表4に示す組合せに従って、ポリイソシアネート組成物(A液)と、ポリオール組成物(B液)との混合液(混合質量比=100:100)を、ベニヤ板からなる被着体(50mm×50mm)が貼付されているベニヤ板(1000mm×1000mm)に吹き付け施工することにより、ポリイソシアネート混合物(A)と、ポリオール(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)の存在下に反応させ、被着体が貼付されたベニヤ板(1000mm×1000mm)の全面に硬質ポリウレタンフォームを形成した。
ここに、吹き付け発泡条件等は以下の通りである。
・発泡機:ガスマー吹き付け発泡機「FF−1600型」
・被着体の温度: 5℃
・プライマリヒータ温度:45℃
・発泡厚み :30〜40mm
下記表4に示す組合せに従って、ポリイソシアネート組成物(A液)と、ポリオール組成物(B液)との混合液(混合質量比=100:100)を、ベニヤ板からなる被着体(50mm×50mm)が貼付されているベニヤ板(1000mm×1000mm)に吹き付け施工することにより、被着体が貼付されたベニヤ板(1000mm×1000mm)の全面に硬質ポリウレタンフォームを形成した。
ここに、発泡条件等は,実施例1と同様にした。
実施例1〜14、比較例1〜5および参考例1〜2によって、被着体(50mm×50mmのベニヤ板)上に形成された硬質ポリウレタンフォームの各々について、5℃の温度環境下に2時間静置した後、ピーリング試験を行って、当該被着体(ベニヤ板)に対する接着強度を測定した。結果を併せて表4に示す。
実施例1〜14、比較例1〜5および参考例1〜2によって、ベニヤ板(1000mm×1000mm)上に形成された硬質ポリウレタンフォームの各々から、縦=100mm,横=100mm,高さ(発泡方向)=25mmのサンプルを採取し、このサンプルを、25℃の温度条件下に24時間放置後、縦・横・高さの寸法を再度測定することにより、フォームの体積変化率を測定し、下記の基準に基いて評価した。結果を併せて表4に示す。
「◎」:体積変化率=2%未満
「○」:体積変化率=2%以上5%未満
「×」:体積変化率=5%以上
下記表5に示す組合せに従って、ポリイソシアネート組成物(A液)と、ポリオール組成物(B液)との混合液(混合質量比=100:100)を、JIS G3312に基づく塗装溶融亜鉛メッキ鋼板からなる被着体(50mm×50mm×0.27mm)が貼付されているベニヤ板(1000mm×1000mm)に吹き付け施工することにより、当該被着体(亜鉛メッキ鋼板)が貼付されたベニヤ板(1000mm×1000mm)の全面に硬質ポリウレタンフォームを形成した。ここに、吹き付け発泡条件等は、実施例1と同様にした。前記被着体(亜鉛メッキ鋼板)上に形成された硬質ポリウレタンフォームの各々について、実施例1〜14、比較例1〜5および参考例1〜2の各々と同様の方法により、当該被着体(亜鉛メッキ鋼板)に対する接着強度を測定した。結果を併せて下記表5に示す。
下記表6に示す組合せに従って、ポリイソシアネート組成物(A液)と、ポリオール組成物(B液)との混合液(混合質量比=100:100)を、アルミライナー紙からなる被着体(50mm×50mm)が貼付されているベニヤ板(1000mm×1000mm)に吹き付け施工することにより、当該被着体(アルミライナー紙)が貼付されたベニヤ板(1000mm×1000mm)の全面に硬質ポリウレタンフォームを形成した。ここに、吹き付け発泡条件等は、実施例1と同様にした。前記被着体(アルミライナー紙)上に形成された硬質ポリウレタンフォームの各々について、実施例1〜14、比較例1〜5および参考例1〜2の各々と同様の方法により、当該被着体(アルミライナー紙)に対する接着強度を測定した。結果を併せて下記表6に示す。
本発明のポリイソシアネート組成物は、種々の被着体に対する吹き付け施工(スプレー発泡)の用途に特に適している。
Claims (10)
- 硬質ポリウレタンフォームを製造するために使用されるポリイソシアネート組成物であって、
(A0)ポリメリックMDI、
(A1)ポリメリックMDIに、スルホ基もしくはスルホナト基を分子構造中に有するポリエステルポリオール(a1)を反応させることにより得られる第1のイソシアネート基末端プレポリマー、
(A2)ポリメリックMDIに、ポリエーテルモノオール(a2)を反応させることにより得られる第2のイソシアネート基末端プレポリマー、および
(A3)シリコーン系整泡剤を含有するポリイソシアネート組成物。 - 前記ポリメリックMDIにおけるMDIの割合が20.0〜80.0%である請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
- イソシアネート化合物の全量に対する第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)の割合が0.05〜5.0質量%である請求項1または請求項2に記載のポリイソシアネート組成物。
- (A4)液状エステル系化合物を含有する請求項1乃至請求項3の何れかに記載のポリイソシアネート組成物。
- ハイドロフルオロカーボン類および/または水を発泡剤とする発泡処方による硬質ポリウレタンフォームを製造するために使用される請求項1乃至請求項4の何れかに記載のポリイソシアネート組成物。
- スプレー方式により被着体上に形成される硬質ポリウレタンフォームを製造するために使用される請求項1乃至請求項5の何れかに記載のポリイソシアネート組成物。
- 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のポリイソシアネート組成物を調製する方法であって、
シリコーン系整泡剤(A3)の存在下または不存在下において、
ポリメリックMDIにポリエステルポリオール(a1)を反応させて第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)を合成するとともに、
ポリメリックMDIにポリエーテルモノオール(a2)を反応させて第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を合成する工程を含むポリイソシアネート組成物の調製方法。 - 反応容器に仕込まれるポリメリックMDIと、ポリエステルポリオール(a1)と、ポリエーテルモノオール(a2)との質量割合が90.0〜99.98:0.01〜5.0:0.01〜5.0である請求項7に記載のポリイソシアネート組成物の調製方法。
- ポリイソシアネート混合物(A)とポリオール(B)とを、発泡剤(C)、触媒(D)および整泡剤(E)の存在下に反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
前記ポリイソシアネート混合物(A)が、前記ポリメリックMDI(A0)、前記第1のイソシアネート基末端プレポリマー(A1)および前記第2のイソシアネート基末端プレポリマー(A2)を含有してなり、
前記発泡剤(C)として、ハイドロフルオロカーボンおよび/または水を使用する硬質ポリウレタンフォームの製造方法。 - スプレー方式により被着体上に形成される硬質ポリウレタンフォームを製造する請求項9に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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