JP2005055845A - ミクロ吸盤付き表示用シート - Google Patents

ミクロ吸盤付き表示用シート Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット印刷が可能で、貼付施工性、剥離作業性、保管性、再使用性を改善した表示用シートの提供。
【解決手段】ミクロ吸盤付き表示用シート6は、紙、樹脂フイルム等の支持体2と、支持体2の裏面側に配置され、直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴が無数に形成された30〜500ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤3とからなるシート状部材20と、ミクロ吸盤を、保護するためのミクロ吸盤に剥離可能に貼着された10〜100ミクロン厚の表面平滑な剥離用フイルム4とを有する。
【選択図】図1

Description

本考案は店舗等の室内の壁、窓、サインボード、及び室外の窓、及び車等の比較的平滑な面に容易に貼り付け作業ができ、かつ、必要によって簡単に手剥がしができ、かつ再使用時の保管性も良好な表示用シートに関する。また、透明窓の裏に貼り付けて、表側からその表示面を見ることが出来る裏貼り用の表示用シートにおいて、さらに、その表示面の印刷と吸着力の蘇生を同時に可能にする裏貼り用に適した表示シートに関する。なお、本発明で、表示シートとは、広い意味で使用するもので、宣伝、広告以外にも各種印刷等により表示が施された表示物は全てを含む意味である。
表示物シートとして広告ポスターや販促用POP(以下、広告ポスター用シートという)を例にとって説明すると、従来、紙、あるいはプラステックフイルムからなる広告ポスター用シートを、壁、窓ガラス、サインボード等の被着体に貼る場合、広告ポスター用シートを画鋲で止めるか、またはその四隅をテープで止めるかして貼ることが多い
一方どこでも貼れるように広告ポスター用シート等の裏面一面に粘着剤を付与した糊付き広告ポスター用シート、いわゆる表貼り用糊付き広告ポスタ用シートが知られており広く使われている。また、風や故意によって剥がされるのを防止するため、透明窓の裏面に広告ポスタ用シートーの印刷面を粘着剤で裏貼りした、いわゆる裏貼り用糊付き広告用ポスター等も使用され始めて久しい。しかしこれらの最大の欠点は窓ガラス、壁等に貼付時に空気の混入、しわの発生等により美しく貼れないこと、再剥離が困難であることである。
この困難な作業を容易ならしめるために、被着体である窓、壁等にあらかじめ石鹸水を噴霧しふきつけておき、その上に糊付きポスターをおいてスキージーで石鹸水を押し出しながら貼り付ける方法が一般的である。しかし、この方法であると、広告ポスター用シートがプラスチィックフイルムのように水に強い場合はよいが、水に弱い紙の場合は適用できない。
一度貼った糊付き広告ポスターは最終的には撤去されるが、粘着剤の粘着力が強く、その剥がし作業には多くの労力と、長時間を伴う作業になっている。また、一度貼った糊付き広告ポスター用シートを剥がせるなら剥がして、再度使いたい場合がよくあるが、粘着剤ではベト付き、ごみの付着も多く、たとえ剥がせても再使用まで安全に保管出来ないのが現状である。
前述のとおり。糊付き広告ポスター等の最大の欠点は、表貼りであれ、裏貼りであれ、貼り施工の難しさと、使用後の剥がし作業には多くの労力と長時間を伴うことと、再使用の不可能性にある。また広告ポスター等の印刷面一面に粘着剤を付与した、いわゆる裏貼り用糊付き広告用ポスター等は印刷面に透明な両面粘着テープを貼って作成するのが一般的であるが、コストも高く失敗の頻度も高い。
本発明は表貼りであれ、裏貼りであれ、糊付き広告用ポスターの貼り施工の難しさと剥がし易すさを解決する画期的な方法に関する発明である。特に1〜3mの大面積の広告用ポスターを表貼りはもちろん、ガラスの裏から貼る裏貼りでも、素人が容易にしかも短時間で貼り施工できる画期的な糊付き広告ポスター用シートに関するもである。
すなわち、本発明は前述の従来の欠点に鑑み、貼り付け施工の容易性と、一度使用して剥がしたシートの再使用性を兼ね備えた画期的な表示用シートを提供することである。また、他の目的は、裏貼り用に適した表示用シートにおいて、その表示面の印刷と、表示面の吸着力の蘇生とを同時に可能にする表示用シートを提供することである。
問題を解決するための手段
上記目的を達成するために本発明は、表示用シートの貼り付けにおいて、粘着剤を使わずに、吸着機能を持ったミクロ吸盤を粘着剤の代わりに使用することにより、素人でも容易に貼り施工ができ、使用後の剥ぎ取りも簡単で、さらに使用後の保管性もよく、再使用も可能になるミクロ吸盤付き表示用シートを構成する。また吸着力機能のあるミクロ吸盤に直接印刷することができる表示用シートを構成する。ミクロ吸盤の吸着機能とは、ミクロ吸盤を被着体に押し当てると、ミクロ吸盤3の厚みが一時的に縮小し凹状陥没穴の空気が一部排除され陰圧になって、いわゆる吸盤効果を発揮し、平滑面ならどんなものでも吸接着する機能である。
すなわち本発明は直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴を無数に形成させた30〜500ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤を具備するシート状部材である。シート状部材は支持体を具備する場合もあるが、支持体を具備しない場合は、シート状部材はミクロ吸盤単体(図2)になり、その両面がミクロ吸盤となり、吸着機能及びインキ受理性を発揮する。ミクロ吸盤を具備するシート状部材は、ミクロ吸盤を被覆するべく、ミクロ吸盤に剥離可能に貼着された10〜100ミクロン厚の降伏伸びが2%以上の剥離フイルムとを備え、シート状部材の面が表示面となることが可能なミクロ吸盤付き表示シートである。印刷とは、主にインクジェット印刷をいう。また保護フイルムとはミクロ吸盤にインクジェット印刷後、そのミクロ吸盤の印刷面に剥離可能に貼着される平滑な保護フイルム、及び剥離不可能に粘着される粘着剤付き保護フイルムをいう。
作用
本発明のミクロ吸盤3はアクリルエマルジョン液に機械的に空気を吹き込みながら微細気泡を無数に生成させた泡沫アクリルエマルジョン液を、コンマコーターにて支持体2の裏面に塗工し、水分を十分に乾燥させて形成される30〜500ミクロン厚の発泡樹脂層を云う。ミクロ吸盤3は直径5〜300ミクロンの無数の微細気泡を内包し、その表面には図2の如く直径が5〜300ミクロンの無数の吸盤機能をもった凹状陥没穴5が形成されている。
凹状陥没穴5は内部の気泡と連結しており、内部で気泡同志は細径管で連結される。この無数の微細な凹状陥没穴5がいわゆる感圧吸着力を発揮し、貼付する被着体が平滑であればどんな物でも良く感圧吸着する特徴を持つ。被着体としては、平滑なガラス面、平滑なプラスチックフイルム、平滑な塗装された木材面、平滑な金属面、平滑な石材面とすることができる。また、簡単に手剥がしができ、しかも粘着剤のようにべとつきがないため、人間にとって生理的にも適合する。柔軟なミクロ吸盤3を形成する樹脂に関しては、特許公報平5−81614にて開示されている。
形成される凹状陥没穴5は、必ずしもその断面が真円ではなく、また、その大きさも一定ではないが、ミクロ吸盤3の面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で400倍に拡大した写真の測定では、本発明で云う凹状陥没穴5とは、その孔の橋渡し寸法が5〜300ミクロンの凹状陥没穴5であるものとする。その多くは5〜30ミクロンであり、最大泡径は300ミクロンである泡を有する。ミクロ吸盤の凹状陥没穴5の数は30ミクロン以下が80%、50ミクロン以下が90%の分布を示す。アクリルエマルジョンの発泡は、米国ガストンカウンテイ社、オランダのストーク社の連続発泡機、或いはシェーキングミキサー、ケーキミキサー等の発泡装置を用いて行われる。これらの装置はアクリルエマルジョンと空気を装置中に導入し、シェアをかけることにより、アクリルエマルジョンと空気を混合し発泡させ、泡沫アクリルエマルジョンとするものである。空気混入の程度は体積を重量で割った発泡倍率によって管理されるが、本発明の発泡倍率は1.2〜10倍とするのが良いが、好ましくは1.5から2.0倍が望ましい。
また、シート状部材20は、支持体2を具備しており、前記ミクロ吸盤3を支持体の裏面に形成することができる。本発明の支持体2とは、紙、合成紙、塩ビフイルム、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、アクリルフイルム、ウレタンフイルム、不織布、布地等のいずれかから構成されていて、前記の支持体2の表面が、ミクロ吸盤から剥離可能に剥離処理された支持体2であっても良い。インクジェットインキ受理層1とは、インクジェットプリンター出力において水性インキ、油性インキを瞬時に吸収し、かつインクのにじみを抑えるように処方された塗工層で、特定な無機顔料、有機染料を樹脂で固めた塗工層で、その表面は微細な粗面になっているのが多い。インクジェットインキ受理層1の組成に関する特許は数多く、その一旦をあげると特願平5−34917411、特願平8−64957、特願平11−359394等がある。また、ミクロ吸盤を応用した応用特許が数多く出願されている。実開4−67083/実開平5−13732/特開2000−52465/特開2000−213146/特開平9−109361/特開平9−220142/特開2001−171054/特開2001−199156/特開平6−988039/特開10−164876/国際公開番号wo92/00361/特開平9−267547/特開平9−48172、/特開2002−348548/特開2003−76308/特願2002−175056/特願2000−179875/特願2002−225348がある
本発明はミクロ吸盤3の裏面に支持体2を具備するシート状部材20を形成する場合は、そのシート状部材20の支持体面が表示面にもなり、ミクロ吸盤自身が表示面にもなる表示用シートを提供する。シート状部材20が支持体を有しない場合はミクロ吸盤3の表裏2面のいずれの面もが表示面になりうる表示用シートを提供する。ミクロ吸盤3は印刷が可能なインキ受理性機能と、平滑面に対して吸着する吸着機能の二大機能をもつ。本発明のミクロ吸盤3の厚みは3mm程度まで製造可能であるが、本発明のミクロ吸盤3が前記の二つの機能を同時にもたせ持つには、ミクロ吸盤の厚さは30〜500ミクロン厚にするのが良い。望ましくは50〜300ミクロンとすると良い。30ミクロン以下では吸着力が得られず、500ミクロン以上では厚過ぎて小型インクジェットプリンターの機内を通紙出来ないからである。
本発明の表示用シートのように、粘着剤の代わりにミクロ吸盤3を具備すると、先ず第一にべとつきが無いため、周辺のものにむやみ、やたらと接着することがなく、極めて取り扱い安い。またべとつきがないため、巻状保管も容易になり、巻の解巻も容易になって再使用が可能となる。
再使用のため表示用シート6を巻く際にミクロ吸盤3と、支持体2とが、直接接触することになるが、支持体、インクジェットインキ受理層1の表面が実質的に祖面であれば、ミクロ吸盤3はこれに吸着せず滑り合い、若干引き締めながら巻くことができるので、硬く巻かれるのである。支持体2、及び、インクジェットインキ受理層1の表面が平滑である場合は、ミクロ吸盤層3との吸着力が高まり巻きにくくはなるが、粘着剤の場合と比較して、その取り扱い易さ、使用後の保管のし易さは雲泥の差である。例えば支持体2がクラフト紙、上質紙、コピー用紙、不織布、布地、合成紙、マット調樹脂フイルム(例えば表面に微細な凹凸加工された、マット調ポリエステルフイルム、マット調ポリエチレンフイルム、マット調ポリプロピレンフイルム)の場合は、巻き状にしてもミクロ吸盤3は吸着しないか、吸着してもその吸着力は極めて小さい。前述の如く粘着剤の場合と比較して、その取り扱い易さ、使用後の保管のし易さは雲泥の差である。
ところで、ミクロ吸盤3を具備する未使用のミクロ吸盤付き表示用シート6は、例えば図4B,図4Cの如く、3インチコアに巻かれ、梱包保管されることができるが、全構成厚みが400ミクロン〜600ミクロンと比較的厚くなると、3インチコアに巻かれ保管されると、巻かれた表示用シートの外内径の差により巻きしわ、折れしわの発生する危険性がある。これを防止する為に、本発明の剥離フイルム4は、伸縮性のある極薄の平滑な剥離フイルム4であり、その伸縮性は、降伏伸びが2%以上が望ましい。そのような剥離フイルム4がミクロ吸盤3に剥離可能に貼着されるとよい。剥離フイルム4の具体例として、10ミクロン〜100ミクロン厚のポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、、グラシン紙等を使用すると良い。あるいは、必要によっては、ミクロ吸盤と剥離可能にシリコーン等により剥離処理されたポリエチレンフイル厶、ポリプロピレンフイルム、、グラシン紙等であっても良い。
特に支持体2に伸縮性の無いポリエステルフイルムを具備したシート状部材の巻き取りには、ミクロ吸盤3の外径の伸縮に追随して伸縮する剥離フイルム4の使用が不可決となる。シート状部材に追随して伸縮しない剥離フイルム4を使用して巻き状にすると、必ず、しわ、折れしわが発生する。このことから本発明では、20〜70ミクロン厚の伸縮性のある降伏伸びが2%以上の表面平滑なポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルムが使用されるのが望ましい。剥離フイルム4は着色していても、不透明でも使用可であるが、不具合の検品のため透明であることが望ましい。
本発明に係わる裏貼り用のミクロ吸盤付き表示用シート6として、ミクロ吸盤3の表面には、インクジェット水性インキまたは、油性インキで表示内容が出力印刷されており、印刷後、透明平滑な保護フイルム13Aが出力印刷面上に剥離可能に貼着されるものとする。ミクロ吸盤上には図2の如く直径が5〜300ミクロンの凹状陥没穴5が1〜2万個/cm形成されている。インクジェットプリンターで、水性インキ、あるいは、油性インキをミクロ吸盤面に向けて出力印刷をするとインキ7の多くは凹状陥没穴5に、一部はその周辺に定着して印刷される。水性インキ、あるいは、油性インキは凹状陥没穴5に吐出されるとミクロ吸盤3の内部に浸透して、アクリル樹脂を膨潤軟化させ、その結果吸着力を蘇生させることができる。凹状陥没穴5に吐出されたインキ7が流動性を帯びている間に、好ましくは透明で平滑な保護フイルム13A、あるいは、粘着剤がコーテイングされた粘着剤付き保護フイルム13Bで、印刷面に被覆して加圧ロール15で加圧すると、図5に示す如く凹状陥没穴5に内包されたインキ7は加圧ロール15で押し出されて、開口部14の周辺にて乾燥し定着して、一段と印刷濃度、印刷鮮明度を高めることができる。透明で平滑な保護フイルム13Aは、50ミクロン〜200ミクロン厚のポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンとするのが良い。望ましくは、70〜100ミクロン厚の取り扱い易い樹脂フイルムがよい。このようにミクロ吸盤5はインクジェットプリンターで印刷されるとともに、印刷面に吸着機能を同時に発揮する極めて特徴的な機能をもっている。ここで、保護フイルム13Aが透明であることが好ましい理由は、保護フイルム13Aを通して印刷の仕上がり具合を確認できるためである。保護フイルム13Aは裏貼り用表示用シート6として使う時には、剥がして、使用されるのは云うまでもない。
また、保護フイルム13Aはシリコーンコーティングのように剥離処理されたものとすると良い。これにより、ミクロ吸盤上のインキ7は保護フイルム13A上のシリコーンによってはじかれて、保護フイルム13Aにインキ7が付着しないようになる。保護フイルム13Aを剥離したときに、インキをミクロ吸盤に多く残すので、印刷濃度は低下せず印刷物は鮮明になるからである。また、インキ7が流動性を帯びている間に、保護フイルム13Aで被覆することにより、水性インキの蒸発、油性インキの溶剤の揮発は抑えられ、ミクロ吸盤3は膨潤し、柔軟化し、吸着力は蘇生されるのである。保護フイルム13Aを貼着、被覆し、さらに、加圧ロール15にて加圧されたミクロ吸盤付き表示用シートは裏貼り用広告ポスターとして使われるが、使用時には、保護フイルム13Aは剥がして使用するのは云うまでもない。
保護フイルム13Aの背面に粘着剤9を塗工した粘着剤付きフイルム13Bを保護フイルムとして使っても良い。もちろん粘着剤9も、フイルムも透明が望ましい。この場合、インクジェットプリンターで印刷されたミクロ吸盤に、透明な粘着剤付き保護フイルム13Bを粘着剤9を介して粘着、被覆すると引き剥しは困難となる。粘着剤付き保護フイルム13Bをミクロ吸盤を保護する保護フイルムとして使うと、図12に示す如く凹状陥没穴5に内包された流動性インキ7は加圧ロール15で押し出されて、開口部14の周辺、及び開口部の粘着剤面18上に定着して、一段と印刷濃度、印刷鮮明度の高い表貼り用の印刷物を得ることができる。この場合の支持体2はミクロ吸盤3から剥離可能に剥離処理された支持体2、例えば、シリコーンコーティングされたポリエステルフイルム、シリコーンコーティングされたグラシン紙を、あるいは本来剥離され易い素材からなる支持体2を、例えばポリエチレンフイルム、ポリプロピレン等を支持体2として使用すると良い。このようにミクロ吸盤5を具備するシート状部材20はインクジェットプリンターで容易に印刷され、裏貼り用、表貼り用、いづれの表示用シートとしても使用できるとともに、吸着機能を同時に発揮する極めて特徴的な機能をもっている。
インクジェットプリンターで印刷された印刷物は、凹状陥没穴5の直径が5〜30ミクロンと微細で、しかも個数が多い程(例えば10万/cm以上)、印刷濃度、印刷鮮明度は一段と改善され美しい印刷仕上がりとなる。また、ミクロ吸盤の厚さは40〜70ミクロンの場合が良い発色性をしめす。厚さが30ミクロン以下になると印刷濃度、印刷鮮明度は一段と向上するがミクロ吸盤本来の吸着力が低下し実用性に乏しくなる。ミクロ吸盤の厚さが300〜500ミクロン、凹状陥没穴5の大きさも300ミクロン以上になると、凹状陥没穴5に吐出され内包されたインキは加圧しても開口部14の周辺にまで充分押し出されず、インキの多くが凹状陥没穴5に内包された状態になり、結果的に印刷濃度は淡くなり、印刷鮮明度はぼけて、印刷の品質を落とす結果になる。
ミクロ吸盤3はアクリル樹脂を主成分とし、製泡剤、整泡剤、架橋剤、増粘剤、隠蔽着色剤等を混合したアクリルエマルジョン液を、機械的に発泡させた泡沫アクリルエマルジョン液を、支持体2の上に塗工して製造されるが、ミクロ吸盤3の隠蔽性を高めるため、白色隠蔽着色剤を添加する場合が多い。しかし、インクジェットプリンターでミクロ吸盤を印刷する場合、ミクロ吸盤中の白色隠蔽着色剤はインキ7のにじみを加速させ明らかにその印刷濃度及び印刷鮮明度を低下させる。
ミクロ吸盤に混合される白色隠蔽着色剤には、酸化チタン、アルミナ、石英粉、クレー、炭酸カルシュウム、炭酸マグネシュウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニューム等の無機系粒子がある。以上の白色隠蔽着色剤は隠蔽効果は出るが吸油量が低いため、インキのにじみを加速させて印刷濃度及び印刷鮮明度を明らかに低下させるばかりか、一定の量を越すと吸着力の低下を引き起こす。ミクロ吸盤3は無数の内包される微細気泡により光が散乱して本来半透明ではあるが隠蔽性に欠ける。充分な隠蔽性を出すため、白色顔料として酸化チタンを3〜5%添加する場合が多い。しかし、ミクロ吸盤をインクジェット印刷の印刷媒体として使用する場合は、酸化チタンの添加は印刷濃度及び印刷鮮明度を低下させ、吸着力も低下させる。例えば白色隠蔽着色剤として酸化チタンがミクロ吸盤に3%添加されると、印刷濃度及び印刷鮮明度は明らかに低下する。凹状陥没穴5に浸入したインクジェットインキが白色酸化チタンで隠蔽されて、霧がかかったような画像になる。白色隠蔽着色剤無添加のミクロ吸盤の場合と比較して印刷濃度、鮮明度が明らかに低下する。特にミクロ吸盤の厚さが200〜500ミクロンと厚くなり、凹状陥没穴5の径の大きさも100ミクロン以上が多くなって、単位面積当たりの凹状陥没穴5の個数が減少してくると、インクジェットプリンターで吐出されたインキ7の多くが凹状陥没穴5の内部奥深くに内包され、凹状陥没穴に浸入したインキ7は白色着色剤で隠蔽されインキ7の色が表面から見えにくくなるからである。
さらに本発明は、印刷濃度、印刷鮮明度を向上させる方法に関する。前記ミクロ吸盤3の面の凹状陥没穴5が完全に埋まらない程度に極薄のインクジェットインキ受理層1をミクロ吸盤3の面上に形成する方法である。本発明はインクジェットインキ受理層1の塗工量を、極薄の1〜5g/mに、好ましくは2〜3g/mに抑えることで、印刷濃度、印刷鮮明度の向上と吸着力の蘇生を図る方法である。水性インキ、油性インキの一部は極薄のインクジェットインキ受理層1に吸収され、一部はミクロ吸盤3に浸透吸収され印刷濃度及び印刷鮮明度を向上させる、と同時にミクロ吸盤も膨潤化され吸着が蘇生される方法である。径が5ミクロン以下の凹状陥没穴5の多くはインクジェットインキ受理層1で埋まってしまうため、望ましくは径は30〜70ミクロン であるのが良い。
インクジェットインキ受理層1を形成する塗剤にはバインダー樹脂として、ポリビニールアルコール、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルの重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂等の合成樹脂系の水性接着剤、ポリアクリルアミド系、ポリメタクリレート系、ポリウレタン系、不飽和ポリエステル樹脂系、アルキッド樹脂系の合成樹脂系接着剤などの高分子が、顔料との接着性が良く、かつ、水性インクとの親和性が良いため、好ましく用いられる。顔料としてはシリカ、ゼオライト、炭酸カルシュウム、珪酸カルシュウム等がある。特に多孔性でインクの吸収性が高く、かつ鮮明な発色性を可能とする、高吸油量で、かつ高比表面積で、2次粒子径が1〜10ミクロンの非晶質微粉シリカが好ましい。顔料の使用比率は特定しないが、インクジェットインク受理層の50〜90重量%が好ましい。
インクジェットインキ受理層1におけるバインダー樹脂の比率も限定しないが、10〜50重量%である。好ましくは10〜40重量%である。本発明のインクジェットインキ受理層1には顔料としてはシリカを使用し、バインダー樹脂として、ポリビニールアルコールを使用した塗剤MIU555A(マスターマインド社製)、あるいは、ポリウレタン系バインダー樹脂を使用したIJ150(大日本インキ化学工業製品)がミクロ吸盤を膨潤化させて吸着力を蘇生させると同時に、印刷濃度及び印刷鮮明度を改善させるに好ましい。
ミクロ吸盤3にインクジェットインキ受理層1を塗工し、その上からインクジェット印刷する方法が特願平7−166103に出願されているが、インクジェットインキ受理層1の塗工量は、凹状陥没穴5を完全に埋めて足る塗工量(4〜100g/m)とミクロ吸盤の吸着力を完全に殺すに値する塗工量を塗工する方法に関するものである。つまり、当該特願はミクロ吸盤の吸着力の蘇生を期待せず、インクジェット印刷用のインキ受理層をミクロ吸盤の上に形成する方法を提供しているもので、ミクロ吸盤の吸着力の蘇生を目的とする本発明とは基本的に相違する。また、発泡塗料層の上にインクジェットインキ受理層を塗工するインクジェット記録用シートの製造する方法が、特願平6−11022、特願平7−88021、特願平8−078923に出願されているが、いずれもミクロ吸盤の吸着力の蘇生を期待したものではなく、ミクロ吸盤の吸着力の蘇生を目的とする本発明とは基本的に異なる。
さらに本発明は、印刷濃度、印刷鮮明度を向上させる方法に関する。ミクロ吸盤3を形成するアクリルエマルジョンにインクジェットインキ受理成分を吸着力の消失しない程度に添加する方法である。顔料としてはシリカを使用し、バインダー樹脂として、ポリビニールアルコールを使用した塗剤、例えばMIU555A(マスターマインド社製)、ポリウレタン系バインダー樹脂を使用した、例えばIJ26,IJ150(いずれも大日本インキ化学工業製品)等のインクジェットインキ受理成分をいう。インクジェットインキ受理成分中のインキ吸収顔料の混合比率は特定しないが、50〜90重量%が好ましい。インクジェットインキ受理成分の添加はアクリルエマルジョンに対して重量比3〜20%するのがよい。20%以上になると吸着力が減少して使用に値しなくなり、3%以下では目立った印刷濃度及び印刷鮮明度の改善が期待されなくなる。
吸着力を高めるためには、ミクロ吸盤3は柔軟で、ミクロ吸盤3の面は限りなく平滑であることが望ましく、ミクロ吸盤3を被覆する剥離フイルム4は平滑であることが重要な要素とす。剥離フイルム4がミクロ吸盤3に被覆されると、ミクロ吸盤3が柔軟であるが故に、ミクロ吸盤3に剥離フイルム4の平滑面が写ってミクロ吸盤3の凹状陥没穴5の無い面の部分が限りなく平滑面に変化するからである。しかし、剥離フイルム4が平滑でなく、表面に微細な凹凸を有する樹脂フイルム、例えば表面が0.5〜3ミクロンの凹凸サンドマット調のポリエステルフイルム、マット調の半透明ポリエチレンフイルムを剥離フイルム4に使用するとミクロ吸盤3の吸着力は1/10程度にまで失効する。図7、及び図8に示すように、マット調の凹凸面がミクロ吸盤に写って、ミクロ吸盤3と被着体との間から空気が抜けて吸盤効果が消失するからである。剥離フイルム4の表面の平滑度が極めて粗なものから、極めて平滑なものまで剥離フイルム4を選択することにより、ミクロ吸盤3の吸着力を高〜低にまでコントロールすることができる。これもミクロ吸盤の柔軟性が生み出すきわめて特徴的な特性である。
以上の如く本発明のミクロ吸盤3が吸着機能を発揮するためには、特許公報平5−81614号公報に記載されたように、常温はもちろん、低温でも被着体面によく馴染むように柔軟な樹脂であること、ミクロ吸盤3の凹状陥没穴5の無い面の部分が限りなく平滑面あること、が重要となる。ミクロ吸盤3が平滑面であるためには、剥離フイルム4の面は限りなく平滑であることが望ましい。剥離フイルム4の面が粗であると、ミクロ吸盤3の面も粗になり、吸着機能は低下する。ところが、一旦、表面が粗面になって吸着力を消失したミクロ吸盤3にインクジェットの水性インキ、あるいは油性インキを出力印刷すると、水性インキ中の水分、もしくは油性インキ中の溶剤によってミクロ吸盤3は膨潤化する。その上から、平滑な保護フイルムを被覆すると、粗面化したミクロ吸盤は1日後には、平滑面に変化し,吸着力が蘇生する。この特性を活かして、ミクロ吸盤3の表面を一旦粗面にして吸着力を殺した状態にしたシート状部材20を、家庭用小型インクジェットプリンターに掛けると、シート状部材20は極めて複雑なプリンター機内を容易に通紙して、ミクロ吸盤3に出力印刷ができる。必要によっては、インキ7によって、膨潤化したミクロ吸盤に平滑な透明保護フイルム13Aを被覆して、また、必要によってはさらにその上から加圧することで印刷濃度、印刷鮮明度を高めることで、美しい表示内容をミクロ吸盤3の面に出現させることができる。一旦吸着力を消失したミクロ吸盤3はプリンター内のロール、狭壁に付着して巻き着くことなく、紙の如く印刷機内を走行できるようになる。このように吸着力の死活を自由にコントロール出来るのは、ミクロ吸盤のきわめて特徴的な特性である。
実施形態
次に本発明の実施形態1を図を参照して説明する。図1は、実施形態1に係わるミクロ吸盤付き表示用シート6の拡大断面図で、図2は図1におけるミクロ吸盤3の拡大斜視図である。図1において、ミクロ吸盤付き表示用シート6は、支持体2と、支持体2の裏面に形成されたミクロ吸盤3と、支持体2の表面に形成された、厚さ20〜40ミクロンのインクジェットインキ受理層1と、からなるシート状部材20を有する。このインクジェットインキ受理層1には所定の印刷表示するためのインキ7が吐出される。ミクロ吸盤3は直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴5を無数に形成させた30〜500ミクロン厚の柔軟な発泡樹脂層である。さらに、ミクロ吸盤3の裏面には、当該ミクロ吸盤3を保護する10〜100ミクロン厚で伸縮率が降伏伸び率が2%以上、好ましくは5%以上の剥離フイルム4が剥離可能に貼着されている。
図3は、実施形態2に係わるミクロ吸盤付き表示用シート6の拡大断面図を 示す。実施形態2のミクロ吸盤付き表示用シート6が実施形態1と異なる点は、インクジェット受理層1の表面に粘着剤9を介して、表面ラミネートフイルム8を貼着してなる点であり、他は実施形態1と同じである。
図4Aには、インクジェットインキ受理層1に所定の表示印刷11が施された広告ポスターの展開斜視図が示され、図4B、図4Cには、広告ポスターが紙管10に硬くコンパクトに巻かれた状態が示されている。
図5は実施形態3に係わる裏貼り用のミクロ吸盤付き表示用シート6を示す。支持体2の裏面に配置されたミクロ吸盤3に、直接インクジェットプリンターで出力印刷後、シリコーンをコーテイングして表面を剥離処理された透明平滑な樹脂フイルムからなる保護フイルム13Aで被覆した後、その上から加圧ロール15にて加圧することにより、凹状陥没穴5に吐出されたインキ7が、ミクロ吸盤3の凹状陥没穴5の開口部14に押し出された状態をしめす。図5は加圧ロール15の前後で示した拡大断面図である。
図6は、実施形態4に係わる裏貼用のミクロ吸盤付き表示用シート6を示す。ミクロ吸盤3の表面に極薄のインクジェットインキ受理層1を形成したものであり、該インクジェットインキ受理層1には、インクジェットプリンターで出力印刷した結果、所定の印刷表示11をするためのインキ7がインクジェット受理層、及びミクロ吸盤に含浸されている。
図7〜図10は、実施形態5に係わる裏貼り用のミクロ吸盤付き表示用シート6の拡大断面図である。図7に示すように、ミクロ吸盤3の面には、微細な凹凸をした粗面保護フイルム16が被覆されており、この粗面保護フイルム16の影響により、ミクロ吸盤3は、その凹状陥没穴5が形成されていない面が粗面となっており、よって吸着機能が失効した状態になっている。この粗面の剥離フイルム4を剥離して、吸着力を殺した状態で印刷を行う(図8)。このとき、印刷はインクジェット印刷の他、一般印刷のオフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷を行うことができる。ミクロ吸盤3には、所定の印刷表示するためのインキ7が含浸されている。この状態で、透明平滑な樹脂フイルムからなる保護フイルム13で被覆する(図9)。そして、一定の時間が経過すると、ミクロ吸盤3は、その凹状陥没穴5が形成されてない面が平滑面を取り戻し、吸着力が蘇生する。これにより、図10に示すように、保護フイルム13Aを剥離して、透明な被着体17に裏貼りが可能となる。図11〜図12は実施形態6に係わる粘着剤付き保護フイルム13Bを使用したミクロ吸盤付き表示用シート6を示す。図11は剥離フイルム4を剥がしミクロ吸盤に、インクジェットプリンターで出力したインキ7が、薄い50ミクロン厚のミクロ吸盤3の凹状陥没穴5に浸透して、裏面の支持体2 まで貫通した状態をしめす断面拡大図である。ミクロ吸盤の表面と裏面には表示内容の正像、鏡像がそれぞれ形成されいる。図12はインクジェットプリンターにて出力したインキ7が150ミクロン厚のミクロ吸盤3の凹状陥没穴5に浸透して、ミクロ吸盤の表に表示内容の正像、を形成させたミクロ吸盤3の断面拡大図と、保護フイルムとして透明な粘着剤付き保護フイルム13Bを粘着剤9を介してミクロ吸盤3の表面に粘着させたシート状部材20の拡大断面図を示す。施工時には剥離剤12が塗布された支持体2は剥がされて、被着体に表貼りされることは云うまでもない。以上のミクロ吸盤付き表示用シート6の実施例を以下に示す。
白色隠蔽着色剤を含有するミクロ吸盤3を製造するべく、アクリル共重合樹脂DICNAL MEP−20,製泡剤DICNAL M−20、整泡剤DICNAL M−40,増粘剤DICNAL MX、架橋剤DICNAL GX(以上、大日本インキ化学工業製)をそれぞれ1:0.04:0.04:0.01:0.02の割合で混合した液に白色隠蔽着色剤として酸化チタンを3%(重量比)を加えたアクリルエマルジョンを調薬する。次に、機械的発泡機(トークス オランダ製)を通して空気混入させて,発泡倍率1.5倍の泡沫アクリルエマルジョン液を調薬した。これを、表面に既にインクジェットインキ受理層1が塗工されたポリエステフイルム(IJ−F−FJA幅1280MM(三菱製紙製)の支持体2の裏面に、コンマコータにて280g/mを均一に塗工した。その後、140℃の乾燥炉にて9分乾燥して冷却後、210ミクロン厚に形成されたミクロ吸盤3に、平滑透明な20ミクロン厚ポリプロピレンフイルムからなり、降伏伸び率10%の剥離フイルム4をラミネーターにて被覆して、ミクロ吸盤付き表示用シート6を600m製造した。
走査型電子顕微鏡SEMでミクロ吸盤を観察すると凹状陥没穴5の橋渡し寸法は5〜300ミクロンであった。その多くは5〜50ミクロンであり、最大泡径は300ミクロンであった。ミクロ吸盤の凹状陥没穴5の数は30ミクロン以下が70%、50ミクロン以下が90%の分布を示していた。
当該品は3インチ紙管10に30m巻きとって1週間後に、巻きしわ等の発生有無の確認のため解巻したが、20ミクロン厚の透明な平滑ポリプロピレンフイルムが外径の拡大に沿って伸縮して巻きしわの発生はなかった。インクジェットプリンター(CJ−500ローランド社製)にかけて、指定のデザインをインクジェットインキ受理層1に印刷し、1200mm×2000mmの広告ポスターを2枚完成した。
その内の1枚は店舗の室外ガラスに貼るため、50ミクロン透明マット塩化ビニルフイルムM−009PN80(リンテック社製)からなる粘着剤付きラミネートフイルム8をミクロ吸盤付き表示用シートのインクジェットインキ受理層1の上からオーバーラミネートして、3インチ紙管10に巻いて施工店舗まで配送した。他のもう1枚はそのままオーバーラミネートせずに3インチコアに巻いて施工店舗まで配送した。
前記広告ポスターの室外ガラスの貼付施工において、貼付作業は素人の店舗従業員1人が担当し剥離フイルム4を剥離して、貼付け作業を行った。当該広告ポスターは作業員の手にべとつくこともなく、窓ガラスに吸着貼付された。貼る位置の修正のため何度か剥がしを行ったが、貼り作業は15分で完了した。糊付き広告ポスターにて同様の貼付作業を行ったところ、熟練した経験者1人で60分かかつた。
貼付された広告ポスターは1週間後に店舗従業員によって再度容易に手剥がしされ、再利用のため3インチ紙管10に剥離フイルム4無しで、容易に巻き取られ保管された。3ヶ月後、やや抵抗はあったが、巻は容易に巻き解かれた。巻き解かれた広告ポスターは、再び、店舗従業員1人によって同一窓ガラスに前回同様、貼付施工され、作業は12分で完了した。
オーバーラミネートせずに、3インチ紙管10に巻いて施工店舗まで配送されたもう一つのミクロ吸盤付き広告ポスターも、店舗従業員1人によって並行して貼付施工、保管、再使用されたが、前例と同様な易施工性、易剥離性、易保管性の結果が得られた。特に3ヶ月後の、開梱後の解巻には、3インチ紙管10に硬くコンパクトに巻取られていたにも拘わらず、表面に微細な凹凸を持つインクジェットインキ受理層1とミクロ吸盤3との吸着力は弱く、インクジェット受理層1を傷めること無く容易に解巻される易保管性が確認された。
次に、インクジェットプリンターによるミクロ吸盤3への直接印刷と、吸着力の蘇生を可能にする実施例(図2)を示す。実施例1にて製造した600mのミクロ吸盤付き表示用シート6から3mを取り出し、剥離フイルム4を剥がし、ミクロ吸盤3の面にインクジェットプリンター水性顔料インキ(CJ500C ローランド社製)で表示内容を出力して5分後(条件1)、表示内容を出力して15分後(条件2)、表示内容を出力して30後(条件3)、にそれぞれシリコーンコーティング処理した透明平滑なポリエステルフイルムからなる保護フイルム13Aを印刷面に被覆後、それぞれをラミネーターLMH−1400(ラミコーポレーション社製)で1.3キロ圧にて速度5m/分にて加圧ラミネートして、裏貼貼り用ポスターを完成した。以上3条件にて作成した印刷面を比較すると、加圧ラミネート時に水性インキが流動性を帯びていた条件1が印刷濃度が濃く、インキ流動性が消失した条件3が最も印刷濃度は薄すかった。
また、並行してシリコーン処理してない透明平滑なポリエステルフイルムからなる保護フイルム13Aを前記3条件下で被覆、加圧ラミネートしてポリエステルフイルムに貼着し、10分後に剥がしてインキの転移程度を比較した。シリコーンコーティング処理された透明平滑なポリエステルフイルムにはインキ付着は見られなかったが、シリコーンコーティング処理されてない透明平滑なポリエステルフイルムにはインキ付着が多く見られ、インキの転移した分だけミクロ吸盤面の印刷濃度は落ちていた。
前記条件1〜3にて、シリコーンコーティングされた透明平滑なポリエステルフイルムを被覆した1m×1mの広告ポスターを10日放置後、ガラス窓に裏貼り施工した。いずれも、極めて貼りやすく、貼り直しも簡単で糊残りもなく、吸着力も蘇生して高く、インキがガラス面に付着することもなく、素人でも簡単に貼り施工することができることが確認された。
実施形態1にて製造した600mのミクロ吸盤付き表示用シート6より3mを取り出し、剥離フイルム4を剥がし、ミクロ吸盤3の面にインクジェットプリンター(ラミレス 武藤工業社製)にて、油性顔料インキで表示内容を出力印刷した。印刷後15分後に厚さ60ミクロンのポリエチレンフイルムからなる保護フイルム4をミクロ吸盤3の面に被覆したもの(条件1)、被覆せずに自然放置したもの(条件2)を作り保管した。条件1の広告ポスターは、保管1日後、7日後、1か月後いづれも吸着力の蘇生が確認された。しかし、条件2の広告ポスターは、保管1日後で既に吸着力は消失していた。被覆せずに自然放置したものは、油性インキの溶剤が揮発し、ミクロ吸盤3の表面の柔軟性が失われて吸着力は消失していた。
前記、条件1の広告用ポスターを1か月後、ポリエチレンフイルムからなる保護フイルム4を剥がし、窓ガラスに裏貼り施工したが、ガラス面にインキが転移付着することもなく吸着力の低下も無く、再剥離性も良好であることが確かめられた。このことは、ポリエチレンフイルムからなる保護フイルム13Aが油性顔料インキの溶剤の揮発を防止して、ミクロ吸盤3の柔軟性を保持したことを意味する。
実施例1にて製造した600mのミクロ吸盤付き表示用シート6より3mを取り出し、剥離フイルム4を剥がし、ミクロ吸盤3の面にインクジェットインキ受理層1を形成する水性インク用塗工剤(MIU555A マスターマインド(株)製)をミクロ吸盤3の表面にインクジェット受理層1の厚さが2〜4ミクロンになるようにメイヤーバーにて塗工乾燥した(条件1)。このようにミクロ吸盤3の面に形成されたインクジェットインキ受理層1にインクジェットプリンター(CJ500C ローランド(株)製)にて水性顔料インキで表示内容を出力した。同時に比較のためにミクロ吸盤3の面(条件2)にも表示内容を出力した。印刷面を印刷濃度、印刷鮮明度及び吸着力の蘇生度を比較した結果、条件2と比較して、条件1の印刷面は特にインキの着色性、鮮明性にすぐれていた。吸着力は条件2と比較して弱わまっていたが裏貼り用広告ポスターの使用に耐えるものであった。
実施例1にて示すミクロ吸盤付き表示用シート6の製造において、表面透明な平滑な20ミクロン厚ポリプロピレンフイルムの代わりに、表面に微細な凹凸を有するマット調ポリエチレンフイルム30ミクロン厚(タマポリ(株)製 )を剥離フイルム4としてミクロ吸盤3の面に、マット面が接する様に被覆しながら、3インチ紙管にて巻きながらミクロ吸盤付き表示用シート6を、300mを生産した。2週間後に巻解き、剥離フイルム4を剥がしたところ、ミクロ吸盤3の面には、剥離フイルム4のマット面の微細凹凸が写り、マット調を呈していて吸着力は殺されていた。ガラス面に対する吸着力をJISA6921にて測定したところ吸着力は1g/10mmと消失していた。一方、表面平滑な剥離フイルム4を使用した場合は13g/10mmあることから、マット調の剥離フイルム4を使用した場合には、吸着力は1/10以下に減衰することがわかった。
吸着力が1/10以下に低減したミクロ吸盤付き表示用シート6の剥離フイルム4を剥がしてA4サイズに裁断して300枚を重ねて保管したが、お互いが吸着しブロッキングすることも無く良い保管性を示した。内100枚をミクロ吸盤にスクリーン印刷したところ印刷版に吸着することなく、問題なく連続して印刷が出来た。印刷されたミクロ吸盤面に10〜20g/m水を含ませると、非印刷部分のミクロ吸盤は吸着力を回復し、ガラス面に良く吸着した。
内50枚はインクジェッインキ受理層1の面、及び、ミクロ吸盤3の面、の両面にPM720C(エプソン(株)製)で水性染料インクにて出力印刷をした。A4サイズのミクロ吸盤付き表示用シート6は機内を問題なく通紙して両面印刷が出来た。ミクロ吸盤3の面は水性染料インキによって吸着力が蘇生され、ガラス面に良く吸着した。しかし実施例1にて製造した平滑な20ミクロン厚ポリプロピレンフイルムからなる剥離フイルム4を剥がしたミクロ吸盤付き表示用シート6は、スクリーン印刷の紗にミクロ吸盤面が吸着して連続印刷できず、また、インクジェットプリンター(PM720Cエプソン(株)製)の機内壁にも吸着して通らず出力印刷が出来なかった。
白色隠蔽着色剤を添加しないミクロ吸盤3を形成するべく、アクリル共重合樹脂DICNAL MEP−20,製泡剤DICNAL M−20、整泡剤DICNAL M−40,増粘剤DICNAL MX,架橋剤DICNAL GX(以上、大日本インキ化学工業製)をそれぞれ1:0.04:0.04:0.01:0.02の割合で混合したアクリルエマルジョンを、機械的発泡機(トークス オランダ製)を通して空気混入させて,発泡倍率1.5倍の泡沫アクリルエマルジョン液を調薬した。これを、表面に既にインクジェットインキ受理層1が塗工されたポリエステルフイルム(IJ−F−FJA幅1280MM(三菱製紙(株)製)に、コンマコータにて280g/mを均一に塗工した。その後、140℃の乾燥炉にて9分乾燥して冷却後、210ミクロン厚に形成されたミクロ吸盤3に、降伏伸び率10%の20ミクロン厚透明平滑なポリプロピレンフイル厶からなる剥離フイルム4をラミネーターにて被覆して、広告ポスター用シート100mを製造した。当該品は3インチ紙管10に30m巻きとって1週間後に、巻きしわ等の発生有無の確認のため解巻したが、降伏伸び率10%の20ミクロン厚の透明な平滑ポリプロピレンフイルムは外径に沿ってよく伸びて巻きしわの発生は皆無であった。
ミクロ吸盤付き表示用シート6は20ミクロン厚の透明な平滑ポリプロピレンフイルムからなる剥離フイルム4を剥がし、白色隠蔽着色剤を含有しないミクロ吸盤3にインクジェットプリンター(CJ500C ローランド社製)にて水性顔料インキで表示内容を出力印刷した。同時に比較のために実施例1にて製造した白色隠蔽着色剤酸化チタン含有のミクロ吸盤3にもインクジェットプリンターにて同一表示内容を出力した。両者はそれぞれ印刷後10分後にシリコーンでコーテイングされた透明ポリエステフイルム(spフイルム幅980mm(リンテック(株)製)からなる保護フイルム13Aを被覆し、それぞれラミネーターLMH−1400(ラミコーポレーション社製)で1.3キロ圧にて速度5m/分にて加圧ラミネートした。加圧ラミネート後1日後に保護フイルム13Aを剥がし、印刷濃度、印刷鮮明、印刷精度、保護フイルムインキ移転性を、実施例1及び実施例6のミクロ吸盤3にて比較した。その結果は
Figure 2005055845

白色隠蔽着色剤無添加のミクロ吸盤が明らかに印刷適性に優れていた。広告用ポスターは窓に裏貼りして、繰り返し貼り付け・剥離を行ったが素人にも容易に施工できるものであった。
白色隠蔽着色剤を含有しない厚さ50ミクロンの薄いミクロ吸盤3を形成するべく、実施例6にて調薬したアクリルエマルジョンを、機械的発泡機(トークス オランダ製)にて空気混入させて,発泡倍率1.5倍の泡沫状アクリルエマルジョン液を調薬した。これを、50ミクロン厚の易接着性透明ポリエステルフイルム(帝人製)からなる支持体2に、コンマコータにて100g/mを均一に塗工して、140℃の乾燥炉にて6分乾燥して、50ミクロン厚のミクロ吸盤3を形成した。その上から降伏伸び率10%の20ミクロン厚透明な平滑ポリプロピレンフイルムからなる剥離フイルム4を被覆して、ミクロ吸盤付き表示用シート6を100mを製造した。
製造1日後、ミクロ吸盤付き表示用シート6から20ミクロン厚ポリプロピレンフイルムを剥がし、ミクロ吸盤にインクジェットプリンター(ラミレスグランデ 武藤工業(株)製))にて油性顔料インキで表示内容を2回繰り返し画像を出力印刷した。油性顔料インキは厚さ50ミクロンのミクロ吸盤の凹状陥没穴5に良く浸透し、その上からシリコーンコーティングされたポリエステルフイルム(PET50sp リンテック(株)製)からなる保護フイルム13Aを被覆して、スキージーで加圧すると、インキ7は図11の如くミクロ吸盤3の層を貫通して、易接着性透明ポリエステルフイルム(帝人製)からなる支持体2まで浸透貫通し、表示内容の鏡像をミクロ吸盤の裏面、すなわち易接着性透明ポリエステルフイルム面に形成した。表示内容の鏡像は、ミクロ吸盤3の表面に形成された正像と比較して印刷濃度、印刷鮮明度、はやや低下するものの、繰り返し2回出力印刷して2倍のインク量を吐出させると、充分な印刷濃度、印刷鮮明度を易接着性透明ポリエステルフイルム面上に形成した。出力印刷10分後に印刷されたミクロ吸盤に保護フイルム13Aを被覆し溶剤の揮発を防止した。被覆1日後には、油性顔料インキによってミクロ吸盤3は吸着力を蘇生回復し、窓ガラスに貼ると被着体に糊残りも無く、繰り返し貼り付け・剥離が可能な電飾用広告ポスターとなった。
白色隠蔽着色剤を含有しないミクロ吸盤3を実施例6と同一調薬仕様にて、発泡倍率1.5倍の泡沫状アクリルエマルジョン液を調薬した。これを、表面に既にシリコーンコーティングされたポリエステフイルム(PET50SPシート リンテック(株)製)からなる支持体2に、コンマコータにて280g/mを均一に塗工した。その後、140℃の乾燥炉にて9分乾燥して冷却後、210ミクロン厚に形成されたミクロ吸盤3に、20ミクロン厚ポリプロピレンフイルムからなり、降伏伸び率10%の剥離フイルム4をラミネーターにて被覆して、ミクロ吸盤付き表示用シート6を100mを製造した。20ミクロン厚の透明平滑なポリプロピレンフイルムは3インチ紙管10の外径の外周に沿って伸びて巻きしわの発生はなかった。走査型電子顕微鏡SEMでミクロ吸盤3を観察すると凹状陥没穴5の橋渡し寸法は5〜100ミクロンであった。その多くは5〜30ミクロンであり、最大泡径は150ミクロンであった。ミクロ吸盤の凹状陥没穴5の数は30ミクロン以下が70%、50ミクロン以下が90%の分布を示していた。凹状陥没穴5の数は約12千/cm であった。
次に、ミクロ吸盤付き表示用シート6から20ミクロン厚透明平滑なポリプロピレンフイルムからなる剥離フイルム4を剥がし、白色隠蔽着色剤を含有しないミクロ吸盤3にインクジェットプリンター(CJ500C ローランド(株)製)にて水性顔料インキで表示内容を出力した。同時に比較のために実施例1にて製造した白色隠蔽着色剤として酸化チタン3.5%を含有するミクロ吸盤3にもインクジェットプリンター(CJ500C ローランド(株)製)にて同一表示内容を出力印刷した。両者はそれぞれ印刷後10分間自然放置された後に、50ミクロン透明マット塩化ビニル粘着フイルム(M−009PN80リンテック(株)製)からなる粘着剤付き保護フイルム13Bを、それぞれラミネーターLMH−1400(ラミコーポレーション社製)で1.3キロ圧にて速度5m/分にて加圧粘着ラミネートした。
図12に示すように、両者は凹状陥没穴5内の流動性を帯びた水性顔料インキは加圧によって、凹状陥没穴5の開口部14まで押し上げられて、開口部の粘着剤面18に付着し、いずれも印刷濃度、印刷鮮明度は向上したが白色隠蔽着色剤無添加のミクロ吸盤3の方が明らかに印刷濃度、印刷鮮明度とも優れていた。シリコーンでコーティングされたポリエステフイルムからなる支持体2を剥がし、2mm厚のA1サイズのELシート(エレクトロルミネンスシート)の表面に貼付した。ELシートに電源を入れるとELシートの発する蛍光により、表示内容は白色隠蔽着色剤無添加ミクロ吸盤の方がより鮮明となった。
Figure 2005055845
インクジェット受理成分を含有するミクロ吸盤3を形成するべく、アクリル共重合樹脂DICNAL MEP−20、製泡剤DICNAL M−20、整泡剤DICNAL M−40、増粘剤DICNAL MX、架橋剤DICNAL GX(以上、大日本インキ化学工業製)をそれぞれ1:0.04:0.04:0.01:0.02の割合で混合したアクリルエマルジョンに、3種の市販インクジェット受理成分をそれぞれ0.05、0.1、0.2の割合で添加混合して合計9種の混合液を得た。3種のインクジェット受理成分とはインクジェットインキ受理成分として市販されているIJ26,IJ150(いずれも大日本インキ工業(株)製品)、及びMIU555A(マスターマインド(株)製品)である。これ等はいづれもアクリルエマルジョンとよく相溶し、ハンドミキサーで空気をよく混入して,発泡倍率1.5倍の泡沫アクリルエマルジョン液を9種調薬した。IJ26,IJ150はシリカとウレタン樹脂からなる水性エマルジョンで、ミクロ吸盤の主成分アクリル共重合樹脂エマルジョンとは良く相溶する。MIU555Aはシリカとポリピニールアルコールからなるインクジェット受理成分でアクリル共重合樹脂エマルジョンとは良く相溶する。これ等9種のインクジェット受理成分を含有する泡沫アクリルエマルジョンを、50ミクロン厚の易接着性透明ポリエステルフイルム(帝人製)からなる支持体2に、メイヤーバーにて200g/mを均一に塗工して、140℃の乾燥炉にて6分乾燥冷却後、140ミクロン厚のミクロ吸盤3を形成した。その上から降伏伸び率10%の30ミクロン厚透明な非平滑なマット調ポリエチレンフイルムからなる剥離フイルム4を被覆した。シリカ単体、及びインクジェット受理成分を含有しないアクリル共重合樹脂エマルジョン(BLANK)を比較として、合計11種の試験サンプルを作成した。いずれもミクロ吸盤面は非平滑なマット調になっており吸着力は殺されていた。それぞれ11種の手塗りサンプルを水性染料インキのPM720C(EPSON(株))にてミクロ吸盤に出力印刷して、印刷濃度、印刷鮮明度、吸着力を以下の様に比較した。
Figure 2005055845

シリカ単体は非結晶シリカ(徳山曹達ファインシール)を使用した。上表よりインクジェット受理成分をアクリルエマルジョンに添加することによってミクロ吸盤の印刷濃度、印刷鮮明度、が改善されることが明らかとなった。
発明の効果
以上、説明したように、本発明によると従来、看板業者、インテリア業者のプロでしかやれなかった、粘着剤付き広告ポスターの貼り施工に代わって、ミクロ吸盤付き広告ポスターを施工することで、素人でも、プロより短時間で、しかも美しく簡単に貼り施工できることが明確になった。また、ミクロ吸盤付き表示用シート6のミクロ吸盤面に直接インクジェットプリンターにて印刷する当たって、ミクロ吸盤3の吸着力を殺さずしかも美しく印刷できる印刷方法を発明し、素人が、短時間で、表貼り、裏貼りできることが実施例で明確になった。さらに、本発明のミクロ吸盤付き広告ポスターは施工性、再剥離性、再使用性、保管性にすぐれ、何回も使用できるリサイクル可能な商品あることが明確となった。
は、本発明の実施例1に係わる表示用シートの拡大断面図。 は、図1におけるミクロ吸盤3の拡大斜視図。 は、本発明の実施例1に係わる広告ポスター6の拡大断面図である。 は、インクジェット受理層1に水性インキで所定の広告表示がなされた表示用シートの斜視図。 は、3インチ紙管10に硬く巻かれた状態のミクロ吸盤付き表示用シート6の斜視図。 は、図4Bの端面図。 は、本発明の実施例2に係わる表示用シートの拡大断面図。 は、本発明の実施例5に係わる表示用シートの拡大断面図。 は、本発明の実施例5に係わる表示用シートの拡大断面図。 は、本発明の実施例5に係わる表示用シートの拡大断面図。 は、本発明の実施例5に係わる表示用シートの拡大断面図。 は、本発明の実施例5に係わる表示用シートの拡大断面図。 は、本発明の実施例7に係わる表示用シートの拡大断面図。 は、本発明の実施例8に係わる表示用シートの拡大断面図。
符号の説明
1 インクジェットインキ受理層 13A 保護フイルム
2 支持体 13B 粘着剤付き保護フイルム
3 ミクロ吸盤 14 開口部
4 剥離フイルム 15 加圧ロール
5 凹状陥没穴 16 粗面保護フイルム
6 ミクロ吸盤付き表示用シート 17 透明な被着体
7 インキ 18 開口部の粘着剤面
8 表面ラミネートフイルム 19 不透明な被着体
9 粘着剤 20 シート状部材
10 紙管
11 表示印刷
12 剥離剤

Claims (19)

  1. 直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴を無数に形成させた30〜500ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤を具備するシート状部材と、ミクロ吸盤を保護すべく、ミクロ吸盤に剥離可能に貼着された10〜100ミクロン厚で降伏伸びが2%以上の剥離フイルムとを有し、前記シート状部材の表面が表示内容の表示面となることが可能な表示用シート。
  2. シート状部材は支持体を具備しており、前記ミクロ吸盤は支持体の裏面側に形成される請求項1記載の表示用シート
  3. 前記剥離フイルムは、平滑なフイルムである請求項1記載の表示用シート。
  4. 前記剥離フイルムは、非平滑なフイルムである請求項1記載の表示用シート。
  5. 請求項4記載のミクロ吸盤に所定の水を含ませ、その上に剥離可能な平滑な保護フイル厶を被覆・密着させることにより、一旦消失した吸着力を蘇生させる方法。
  6. 前記剥離フイルムは、伸縮性のある表面に微細な凹凸が形成されたフイルムであり、その凹凸度を変化させてミクロ吸盤の吸着力が任意に制御された請求項1記載の表示用シート。
  7. 直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴が無数に形成された30〜500ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤の表面に、インクジェット水性インキまたはインクジェット油性インキで表示内容が印刷されており、平滑な保護フイルムが出力印刷面上に剥離可能に貼着される表示用シート。
  8. 前記平滑な保護フイルムは、剥離処理がなされたものである請求項7記載の表示用シート。
  9. 前記平滑な保護フイルムは、剥離可能に加圧されながら貼着されたものである請求項7記載の表示用シート。
  10. 直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴が無数に形成された30〜500ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤の表面に、インクジェット水性インキまたはインクジェット油性インキで表示内容が印刷されており、ミクロ吸盤の印刷面を保護すべく、出力印刷面上に剥離不可能に加圧されながら粘着された粘着剤付き保護フイルムとを有し、ミクロ吸盤の保護面が表示内容の表示面となることが可能な表示用シート。
  11. 直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴を無数に形成させた30〜70ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤に、インクジェット水性インキ、または、インクジェット油性インキで出力印刷後、ミクロ吸盤に剥離不可能に加圧、粘着された粘着剤付き透明保護フイルムを被覆し、ミクロ吸盤を貫通したインキがミクロ吸盤の非保護面に表示内容を表示可能とする表示用シート。
  12. 前記ミクロ吸盤は白色隠蔽着色剤を含有しない請求項1〜請求項11記載の表示用シート。
  13. 前記ミクロ吸盤はインクジェットインキ受理成分を含有する請求項1〜請求項11記載の表示用シート。
  14. 前記ミクロ吸盤の表面には、ミクロ吸盤の吸着力が消失しない程度に極薄のインクジェットインキ受理層が形成されており、該インキ受理層にインクジェット水性インキ、またはインクジェット油性インキで表示内容が出力印刷される請求項7記載、及び請求項10記載の表示用シート。
  15. 直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴を無数に形成させた30〜500ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤からなるシート状部材と、ミクロ吸盤を保護すべく、ミクロ吸盤に剥離可能に貼着された10〜100ミクロン厚の剥離フイルム、とを有する表示用シートから剥離フイルムを剥がす工程と、ミクロ吸盤の表面にインクジェット出力印刷を行う工程と、表面平滑な保護フイルムを印刷後のミクロ吸盤に貼着する工程と、表面平滑な保護フイルムを、再び剥がす工程と、ミクロ吸盤を被着体に貼付する工程と、を備える吸盤付き表示用シートの裏貼り方法。
  16. 前記表面平滑な保護フイルムをインクジェット出力印刷後のミクロ吸盤に貼着する工程は、インキが流動性を帯びている間に、加圧しながら行う請求項14記載のミクロ吸盤付き表示用シートの裏貼り方法。
  17. 前記ミクロ吸盤の表面側には、ミクロ吸盤の吸着力が消失しない程度に極薄の印刷受理層が形成されており、請求項15記載のミクロ吸盤付き表示用シートの裏貼り方法。
  18. 直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴を無数に形成させた30〜500ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤からなるシート状部材と、ミクロ吸盤を保護すべく、ミクロ吸盤に剥離可能に貼着された10〜100ミクロン厚の表面が非平滑な剥離フイルム、とを有する表示用シートから剥離フイルムを剥がす工程と、ミクロ吸盤の表面にインクジェット出力印刷を行う工程と、表面平滑な保護フイルムを印刷後のミクロ吸盤に貼着する工程と、表面平滑な保護フイルムを、再び剥がす工程と、ミクロ吸盤を被着体に貼付する工程と、を備える吸盤付き表示用シートの裏貼り方法。
  19. 直径5〜300ミクロンの微細で柔軟な凹状陥没穴を無数に形成させた30〜500ミクロン厚の柔軟なミクロ吸盤からなるシート状部材と、ミクロ吸盤を保護すべく、ミクロ吸盤に剥離可能に貼着された10〜100ミクロン厚の表面平滑な剥離フイルム、とを有する表示用シートから剥離フイルムを剥がす工程と、ミクロ吸盤の表面にインクジェット出力印刷を行う工程と、粘着剤付き保護フイルムを剥離不可能にミクロ吸盤の印刷面に粘着・被覆する工程と、ミクロ吸盤を被着体に貼付する工程と、を備える吸盤付き表示用シートの表貼り方法。
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