JP2001039018A - 記録シート - Google Patents

記録シート

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JP2001039018A
JP2001039018A JP11216610A JP21661099A JP2001039018A JP 2001039018 A JP2001039018 A JP 2001039018A JP 11216610 A JP11216610 A JP 11216610A JP 21661099 A JP21661099 A JP 21661099A JP 2001039018 A JP2001039018 A JP 2001039018A
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paper
ink jet
ink
jet recording
recording sheet
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JP11216610A
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English (en)
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Yuji Iguchi
裕二 井口
Katsuaki Arai
克明 新井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】織布独特の外観を失わず、十分な印字濃度およ
びインクジェット適性をを発現するインクジェット記録
シートを提供すること。 【解決手段】インク受理層、織布、接着樹脂層、紙を順
次積層したことを特徴とするインクジェット記録シー
ト、およびインク受理成分が含浸された織布、接着樹脂
層、紙を順次積層したことを特徴とするインクジェット
記録シート。また、接着樹脂層が連続皮膜を形成してお
らず、かつ紙にカチオン性樹脂が付着していることを特
徴とする前記インクジェット記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
シートに関するものであり、さらに詳しくは織布独自の
外観を持ちながら十分な印字濃度を発現することができ
るインクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうもの
であるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があ
り、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装
置として種々の用途において急速に普及している。さら
に、多色インクジェット方式により形成される画像は、
製版方式による多色印刷に比較して遜色のない記録を得
ることが可能である。また、作成部数が少なくて済む用
途においては、安価であることからフルカラー画像記録
分野にまで広く応用されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面か
ら努力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細
化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の
性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対しても
より高度な特性が要求されるようになった。
【0004】即ち、当該記録シートとしては、印字ドッ
トの濃度が高く色調が明るく鮮やかであること、インク
の吸収が早く印字ドットが重なった場合においてもイン
クが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横
方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑ら
かでぼやけないことなどの高い画像再現性が要求され
る。
【0005】従来よりインクジェット記録シートの基材
には紙あるいはフィルムが使用されてきた。しかし、近
年の嗜好の多様化により織布に代表される布帛を基材と
したインクジェット記録シートも開発されてきている。
【0006】従来布帛への捺染には、ローラー捺染、ス
クリーン捺染、転写捺染等の捺染方法が採られてきた
が、多品種少量生産の流れよりインクジェット方式によ
る捺染が検討されてきている。具体的には、特開昭61
−138783号、特開昭61−138784号、特開
昭61−138785号、特開昭61−138786
号、特開昭62−53493号などに、一方の面に受容
層を設けた布帛にインクジェット方式で捺染する捺染方
法が開示されている。
【0007】しかし、布帛の中でも織布は、一般に縦糸
と横糸を交互に織ったものであるため、その交点におい
て必ず空隙が存在するため、特殊な処理をしないことに
はインクがその部分に存在しないことになり、印字画像
の濃度が薄く見えてしまうという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、織布独特の外観を失わず、十分な印字濃度およびイ
ンクジェット適性をを発現するインクジェット記録シー
トを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明
に至った。
【0010】すなわち、インク受理層、織布、接着樹脂
層、紙を順次積層したことを特徴とするインクジェット
記録シートの発明である。
【0011】インク受理成分が含浸された織布、接着樹
脂層、紙を順次積層したことを特徴とするインクジェッ
ト記録シートの発明である。
【0012】紙が黒色であることを特徴とする前記イン
クジェット記録シートの発明である。
【0013】紙が光沢紙であり、かつ該光沢紙の光沢面
と接着樹脂層が接していることを特徴とする前記インク
ジェット記録シートの発明である。
【0014】接着樹脂層が連続皮膜を形成していないこ
とを特徴とする前記インクジェット記録シートの発明で
ある。
【0015】紙にカチオン性樹脂が付着していることを
特徴とする前記インクジェット記録シートの発明であ
る。
【0016】カチオン性樹脂が、ジメチルアミン・エピ
クロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルア
ミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジ
アミドおよびジメチル・ジアリル・アンモニウムクロラ
イドを主成分とする化合物の群より選ばれる少なくとも
1種以上であることを特徴とする前記インクジェット記
録シートの発明である。
【0017】
【発明の実施の形態】第1の本発明のインクジェット記
録シートは、インク受理層、織布、接着樹脂層、紙を順
次積層したことを特徴とするインクジェット記録シート
であるため、インク受理層が設けられているインク受理
面の外観に織布独特の織り目が見られながら、接着樹脂
層と紙が順次積層されているため、印字画像の濃度が濃
くなる。さらに、積層されている紙が余分なインクを吸
収するため、該インクジェット記録シートのインク吸収
能力は高く、故に印字後の乾燥性が良好で印字直後に印
字部を触ってもインクが付着することがない。
【0018】第2の本発明のインクジェット記録シート
は、インク受理成分が含浸された織布、接着樹脂層、紙
を順次積層したことを特徴とするインクジェット記録シ
ートであるため、織布独特の外観を有することはもとよ
り、織布にインク受理成分が含浸されているため、印字
の際コックリングが発生することがない。
【0019】本発明で用いられる織布を構成する糸の材
質は特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、又はこれらポリマ
ーの変性ポリマー等のホモポリマー及びコポリマーのよ
うなポリエステル系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、又はこれらポリマーの変性ポリマー
等のホモポリマー及びコポリマーのようなポリオレフィ
ン系繊維、アクリル繊維、モダクリル繊維等のようなポ
リアクリロニトリル系繊維、ナイロン6、ナイロン66
等のようなナイロン繊維、ポリビニルアルコール系繊
維、ウレタン繊維/等の有機合成繊維;又、レーヨン等
の再生セルロース繊維やコラーゲン、アルギン酸、キチ
ン質等を溶液にしたものを紡糸した繊維等のような再生
繊維;アセテート繊維等のような半合成繊維;麻、コッ
トン、パルプ等のセルロース系繊維や羊毛、絹等の蛋白
質系繊維等のような天然繊維;金属繊維、ガラス繊維、
炭素繊維のような無機系繊維、等の各種繊維が挙げら
れ、これらを単独又は組み合わせて使用することが出来
る。
【0020】本発明で用いられる織布は平織り、綾織
り、朱子織り等一般的な公知の織り方で作製される。ま
た、部分的に糸の径を変化させても、本発明の効果を阻
害しない範囲であれば問題ない。
【0021】第1の本発明において、インク受理層を織
布の一方の面に塗設した後、接着樹脂層、紙と順次積層
してもよいし、織布、接着樹脂層、紙を積層した後に織
布の面にインク受理層を塗設してもよい。インク受理層
を塗設する手段としては、各種ブレードコーター、ロー
ルコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロ
ッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、コ
ンマコーター、ダイコーター、リバースロールコータ
ー、キスコーター、ディップコーター、カーテンコータ
ー、エクストルージョンコーター、ゲートロールコータ
ー、グラビアコーター、マイクログラビアコーターなど
の塗工装置を用いることが出来る。
【0022】第2の本発明においては、織布、接着樹脂
層、紙を順次積層する以前に織布にインク受理成分を含
浸させなければならない。織布にインク受理成分を含浸
させる手段としては、サイズプレス、タブサイズプレス
などの塗工装置を用いることが出来る。
【0023】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、インク受理層およびインク受理成分の塗工量は特に
制限されることはないが、好ましくは5g/m2以上50g/
m2以下で、更に好ましくは10g/m2以上40g/m2以下で
ある。塗工量が5g/m2より少なくなるとインク吸収能が
低下し滲みが発生するようになる。また、塗工量が50
g/m2を超えるとインク受理成分が厚く織布表面を覆うた
め、インク受理成分の粉落ちが目立つようになり、印字
品位低下をもたらす。
【0024】本発明に用いられるインク受理層およびイ
ンク受理成分中には、公知の白色顔料を1種以上用いる
ことができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、
珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリ
カ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマ
イト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオ
ライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化
マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチ
ックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、
ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン
樹脂などの有機顔料などが挙げられる。上記の中でも、
インク受理成分中に主体成分として含有する白色顔料と
しては、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質
シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナなど
が挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シ
リカが好ましい。
【0025】本発明のインク受理層およびインク受理成
分にはカチオン性染料定着剤を含有することができる。
カチオン性染料定着剤としては2級アミン、3級アミ
ン、4級アンモニウム塩などが挙げられ、これらのカチ
オン性染料定着剤はインク受理成分中の水性インクの染
料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホ
ン酸基、カルボキシル基、アミノ基などと不溶な塩を形
成するため、インク受理成分にて染料を捕獲し、色彩性
の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や吸湿によるイ
ンクの流れだしや滲みだしを抑制し耐水性が向上させる
ことができる。
【0026】また、本発明のインク受理層およびインク
受理成分で用いられる接着剤としては、例えば、ポリビ
ニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、
大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;スチレ
ン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体
又は共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体又
は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン
酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或
いはこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含
有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン
樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤;
ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマ
ー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹
脂系接着剤が挙げられ、1種以上で使用される。
【0027】さらに、その他の添加剤として、顔料分散
剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、
発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等をインク受理層
中に適宜配合することもできる。
【0028】本発明の接着樹脂層を構成する接着樹脂と
しては、硬化後透明なものであれば特に制限されず、例
えば、尿素樹脂系接着樹脂、メラミン樹脂系接着樹脂、
フェノール系接着樹脂、レゾルシノール系接着樹脂、エ
ポキシ系接着樹脂、ポリウレタン系接着樹脂、ポリエス
テル系接着樹脂、酢酸ビニル系接着樹脂、エチレン・酢
酸ビニル系接着樹脂、アクリル系接着樹脂、シアノアク
リレート系接着樹脂、共重合ナイロン系接着樹脂及び変
性ゴム系接着樹脂が使用されるが、接着強度等からポリ
ウレタン系接着剤が好適に用いられる。また、紫外線で
の黄変を避けたい場合には、脂肪族イソシアネート硬化
剤を用いたポリウレタン系接着樹脂を使用する事もでき
る。
【0029】本発明に用いられる紙は、木材パルプと顔
料を主成分として構成される。木材パルプとしては、L
BKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RM
P、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パル
プ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応
じて従来公知の顔料やバインダー及びサイズ剤や定着
剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種
以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワ
イヤ抄紙機等の各種装置で支持体の製造が可能であり、
酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。
【0030】また、該紙は、金属ロールと合成樹脂ロー
ルから成るカレンダー装置をオンマシン処理しても良
い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後に、さ
らにマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレン
ダー処理を施して平坦性をコントロールしても良い。
【0031】インク受理層が塗設された織布、またはイ
ンク受理層が塗設されていない織布、接着樹脂層、紙を
順次積層する手段としては、ドライラミネート法、ウェ
ットラミネート法等公知の技術を用いることができ、接
着樹脂の塗布も織布側あるいは紙側のどちらに行っても
よい。
【0032】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、積層している紙を黒色の紙にすることができる。黒
色の紙を積層することにより、一般的にインクジェット
記録で使用されている4色、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローのうちブラックの印字濃度が向上し画像が
しまって見えることが判明した。さらに、当初予想して
いたことではないが、黒色の紙を積層することによりブ
ラックのみならず、シアン、マゼンタも印字濃度が向上
することが判明した。
【0033】黒色の紙としては、特に制限されず、一般
に抄造時に内添剤と一緒に黒色染料を加えたものでもよ
いし、黒色の紙の接着樹脂層と接する面に黒色の一面ベ
タ印刷をしたものでもよい。
【0034】また、本発明のインクジェット記録シート
で紙を光沢紙にすることができる。光沢紙を積層するこ
とにより、インクジェットで用いられる4色のインクの
うちシアン、マゼンタ、イエローの印字濃度が向上する
ことが判明した。光沢紙としては、好ましくはキャスト
コート紙が用いられるが、一般的な光沢系のアート紙、
コート紙を用いることができる。
【0035】第1および第2の本発明のインクジェット
記録シートにおいて、接着樹脂層を連続皮膜を形成して
いない接着樹脂層にしたり、あるいは紙をカチオン性樹
脂が付着されている紙に変更したりしたインクジェット
記録シートとすることができる。連続皮膜を形成してい
ない接着樹脂層にすること、あるいはカチオン性樹脂が
付着されている紙を使用することにより、印字濃度の向
上を図ることができる。さらに、両者を一緒に用いるこ
とにより、インクジェット記録で使用される4色のイン
ク全ての印字濃度が向上する上、印字部の耐水性が向上
することが判明した。さらに、当初予想していないこと
ではあったが、印字部を裏側から見たときの印字部の裏
抜けがなくなることも判明した。
【0036】紙へのカチオン性樹脂の乾燥付着量として
は0.2〜2.0g/m2が好ましく、乾燥付着量が0.2
g/m2より少ないと本発明の効果が不十分なものとなり、
2.0g/m2を超えても効果の向上が見られなくなる。
【0037】本発明で使用するカチオン性樹脂は、水に
溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級ア
ミンまたは4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマ
ー、ポリマーであり、好ましくは、オリゴマーまたはポ
リマーである。特に、カチオン性樹脂が、ジメチルアミ
ン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジ
アリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジ
シアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムク
ロライドを主成分とする化合物である時に優れた特性が
得られることが判明している。
【0038】カチオン性樹脂を紙に付着させる方法とし
ては、サイズプレス、ゲートロールコーターの他、ブレ
ードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコータ
ー、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも
可能であるが、コストの点からは抄紙機に設置されてい
るサイズプレス、ゲートロールコーターなどで付着さ
せ、オンマシンで仕上げるのが望ましい。
【0039】本発明のインクジェット記録シートは、織
布独特の外観を保ったまま印字濃度の向上を図ることが
でき、さらに印字インクの乾燥性、コックリングが向上
する。また、不連続皮膜の接着樹脂層、カチオン性樹脂
が付着された紙により、いっそうの印字濃度の向上と耐
水性向上、印字画像の裏抜け防止を図ることができる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、
特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
【0041】〈インク受理成分液の作製〉合成非晶質シ
リカ(Nipsil RS150:日本シリカ工業製)
100部、酢酸ビニル−エチレン−特殊エステル系接着
剤(スミカフレックス951、:住友化学工業製)30
部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン100
1:住友化学工業製)20部を用い、これを調液し、固
形分濃度13%としたインク受理成分液とした。
【0042】実施例1 織布として綿布(8番手糸、平織り)を用意し、該綿布
の一方の面に下記組成の接着樹脂を10g/m2の乾燥後塗
布量で塗布後、ドライヤーで溶剤を乾燥させ、その塗布
面と紙として上質紙(坪量80g/m2)の一方の面をドラ
イラミネート方式で貼合わせを行った。 接着剤組成 セイカボンド E−285B(大日精化工業製) 100重量部 セイカボンド C−75N(大日精化工業製) 10重量部 酢酸エチル 100重量部
【0043】次に、貼合せを行った織布の面にコンマコ
ーターで予備操作で作製したインク受理成分液を乾燥後
塗布量が30g/m2となるように塗布し、乾燥して本発明
のインクジェット記録シートを得た。
【0044】実施例2 上質紙(坪量80g/m2)を黒紙としての坪量60g/m2
黒用紙に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の
インクジェット記録シートを得た。
【0045】実施例3 上質紙(坪量80g/m2)を光沢紙としての坪量60g/m2
の白色キャスト紙に変更し、該白色キャスト紙の光沢面
であるキャスト面と該綿布が接するように貼合せた以外
は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シ
ートを得た。
【0046】実施例4 織布としてポリエステル布(10番手糸、平織り)を用
い、サイズプレスコーターで予備操作で作製したインク
受理成分液を乾燥後塗布量が40g/m2となるように含浸
し、乾燥した。次に、紙として上質紙(坪量80g/m2
の一方の面に下記組成の接着樹脂を10g/m2の乾燥後塗
布量で塗布後、ドライヤーで溶剤を乾燥させ、その塗布
面とインク受理成分が含浸された織布の一方の面をドラ
イラミネート方式で貼合わせを行って、本発明のインク
ジェット記録シートを得た。 接着剤組成 セイカボンド E−285B(大日精化工業製) 100重量部 セイカボンド C−75N(大日精化工業製) 10重量部 酢酸エチル 100重量部
【0047】実施例5 上質紙(坪量80g/m2)を黒紙としての坪量60g/m2
黒用紙に変更した以外は実施例4と同様にして本発明の
インクジェット記録シートを得た。
【0048】実施例6 上質紙(坪量80g/m2)を光沢紙としての坪量60g/m2
の白色キャスト紙に変更し、接着樹脂の塗布面を該白色
キャスト紙の光沢面であるキャスト面にした以外は実施
例4と同様にして本発明のインクジェット記録シートを
得た。
【0049】実施例7 一般的な原紙配合を用いて、長網抄紙機で抄造した坪量
85g/m2の支持体に、カチオン性樹脂としてジメチルア
ミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ポリフィ
クス601、昭和高分子製)を乾燥付着量で0.8g/
m2、燐酸エステル化澱粉(商品名:MS#4600、日
本食品化工社製)を乾燥付着量で1.2g/m2となるよう
オンマシンのサイズプレス装置を用いて表裏に付着さ
せ、マシンカレンダー処理を行ってカチオン性樹脂が付
着された紙を作製した。
【0050】次に、実施例4で作製したインク受理成分
が含浸された織布の一方の面に下記組成の接着樹脂を1
0g/m2の乾燥後塗布量で塗布後、ドライヤーで溶剤を乾
燥させ、その塗布面とカチオン性樹脂が付着された紙の
一方の面をドライラミネート方式で貼合わせを行って、
本発明のインクジェット記録シートを得た。接着樹脂層
の断面を電子顕微鏡で観察したところ接着樹脂層は連続
皮膜を形成していなかった。 接着剤組成 セイカボンド E−285B(大日精化工業製) 100重量部 セイカボンド C−75N(大日精化工業製) 10重量部 酢酸エチル 100重量部
【0051】実施例8 接着樹脂の塗布をカチオン性樹脂が付着された紙の一方
の面に変更し、乾燥後インク受理成分が含浸された織布
を重ね合わせて積層した以外は実施例7と同様にして本
発明のインクジェット記録シートを得た。接着樹脂層の
断面を電子顕微鏡で観察したところ接着樹脂層は連続皮
膜を形成していた。
【0052】比較例1 織布として綿布(8番手糸、平織り)を用意し、該綿布
の一方の面にコンマコーターで予備操作で作製したイン
ク受理成分液を乾燥後塗布量が30g/m2となるように塗
布し、乾燥してインクジェット記録シートを得た。
【0053】比較例2 織布としてポリエステル布(10番手糸、平織り)を用
い、サイズプレスコーターで予備操作で作製したインク
受理成分液を乾燥後塗布量が40g/m2となるように含浸
し、乾燥してインクジェット記録シートを得た。
【0054】比較例3 紙を厚さ30μmの白色PETフィルムに変更した以外
は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得
た。
【0055】比較例4 紙を厚さ30μmの白色PETフィルムに変更した以外
は実施例4と同様にしてインクジェット記録シートを得
た。
【0056】〈試験方法〉 1)印字濃度 実施例及び比較例で作製した記録シートをA4判に断裁
した後、インクジェットプリンター(ミマキエンジニア
リング製JV2−130)でブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの各色100%のベタ印字を行う。マクベ
スRD919で印字部の濃度を測定した。値は大きい方
が印字濃度が高く印字性が良好であることを示す。
【0057】2)インク乾燥性 実施例及び比較例で作製した記録シートをA4判に断裁
した後、インクジェットプリンター(ミマキエンジニア
リング製JV2−130)でブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの各色100%からなる重色黒印字を行
う。印字終了直後にPPC用紙を印字部に重ね合わせ、
上から擦り、未乾燥のインクをPPC用紙に転写した
後、マクベスRD919で印字部の濃度を測定した。値
は小さい方がインク乾燥性が良好であることを示す。
【0058】3)コックリング 実施例及び比較例で作製した記録シートをA4判に断裁
した後、インクジェットプリンター(ミマキエンジニア
リング製JV2−130)でブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの各色100%からなる重色黒でほぼ全面
を印字する。印字終了後コックリングの発生具合を目視
で観察する。全くコックリングが発生していないものを
コックリングが優、若干コックリングが発生しているが
ヘッドと擦るまでに至っていないものをコックリングが
並、明らかにコックリングが観察されたりヘッドと擦っ
てしまったものをコックリングが劣と判定した。
【0059】4)耐水性 印字濃度で作製した4色ベタ印字部を24時間水中に浸
けておく。水から取りだし後、印字面を上にして自然乾
燥した後、マクベスRD919で印字部の濃度を測定し
た。各色で処理後の濃度を処理前の濃度で除して残存率
を算出した後、4色の平均値を取り耐水性の指標とし
た。値は大きい方が耐水性が良好であることを示す。
【0060】5)裏抜け インクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング製
JV2−130)を用いて、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの各色100%からなる重色黒で24ポイ
ントのアルファベット文字を印字した後、裏面からの文
字の透け具合を目視で観察した。裏抜けがないものを裏
抜けA、若干裏抜けが見えるものを裏抜けB、明らかに
透けて見えるものを裏抜けCと判定した。
【0061】
【表1】
【0062】評価:表より明らかなように、実施例1、
4に示すように第1の本発明および第2の本発明である
インクジェット記録シートは、比較例1、2にある織布
にインク受理層を設けたりインク受理成分を含浸したり
したインクジェット記録シートより印字濃度、コックリ
ング、特にインク乾燥性に優れることがわかる。さら
に、実施例2、3、5、6にあるように、紙を黒色の紙
あるいは光沢紙に替えることにより印字濃度の一層の向
上が図れる。比較例3、4にあるように紙の代わりにP
ETフィルムを用いると印字濃度に変化が見られないば
かりか、インク乾燥性、コックリングが悪化する。さら
に、実施例7に示す第3の本発明のインクジェット記録
シートでは、耐水性、裏抜けの一層の向上が図れている
ことがわかる。また、実施例8に示すように、接着樹脂
層が連続皮膜を形成してしまうと必ずしも耐水性、裏抜
けへの効果が見られず、接着樹脂層が連続皮膜を形成し
ないことが必須であることがわかる。
【0063】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シートは、
印字濃度が高い上、インク乾燥性が良好であるため、印
字後の取り扱いが容易になり作業の効率向上などに寄与
し有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録シートの断面図。
【図2】本発明のインクジェット記録シートの断面図。
【図3】本発明のインクジェット記録シートの断面図。
【符号の説明】
1 インク受理層 2 織布 3 接着樹脂層 4 紙 5 インク受理成分が含浸された織布 6 連続被膜を形成していない接着樹脂層
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA15 BA21 BA22 4F100 AK80D AK80J AL01D AR00A BA04 BA07 BA10A BA10D CB00C DG10D DG12B EJ82B GB90 JD14A JD14B JL10D JN21D 4J040 CA001 DA051 DE021 DE031 DF041 EB031 EB111 EB131 EC001 ED001 EF001 EF291 EG001 FA121 MA09 MB02 NA21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク受理層、織布、接着樹脂層、紙を
    順次積層したことを特徴とするインクジェット記録シー
    ト。
  2. 【請求項2】 インク受理成分が含浸された織布、接着
    樹脂層、紙を順次積層したことを特徴とするインクジェ
    ット記録シート。
  3. 【請求項3】 該紙が黒色であることを特徴とする請求
    項1または2記載のインクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 該紙が光沢紙であり、かつ該光沢紙の光
    沢面と該接着樹脂層が接していることを特徴とする請求
    項1または2記載のインクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 該接着樹脂層が連続皮膜を形成していな
    いことを特徴とする請求項1または2記載のインクジェ
    ット記録シート。
  6. 【請求項6】 該紙にカチオン性樹脂が付着しているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット
    記録シート。
  7. 【請求項7】 該カチオン性樹脂が、ジメチルアミン・
    エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリ
    ルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシア
    ンジアミドおよびジメチル・ジアリル・アンモニウムク
    ロライドを主成分とする化合物の群より選ばれる少なく
    とも1種以上であることを特徴とする請求項6記載のイ
    ンクジェット記録シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005055845A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Katsuhiko Kuwahata ミクロ吸盤付き表示用シート

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