JP2005043137A - 自動分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】試薬容器が収容する複数種類の試薬の筐体内での配置に関する情報を記録する記録媒体を備え、該記録媒体に記録された情報を読取る情報読取手段と、該情報読取手段により読取られた情報に基づき、前記試薬分注手段が試薬容器のいずれの試薬を分注するかを制御する試薬分注制御手段を備えた自動分析装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は血液,尿等の生体成分の定性・定量分析を行う自動分析装置に係り、特に複数の試薬を同一の容器に収納した試薬容器を用いる自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
試薬ボトルや試薬カセットを円形のテーブルの円周上に設置し回転させる、ターンテーブル方式の試薬ディスクは、試薬を吸引するノズルの移動動作を最小限にしてかつランダムアクセス分析を行うことが可能となるため、自動分析の主流となっている。
【0003】
分析装置には、あらかじめ登録された試薬情報とその試薬を使用して測定する分析項目と試薬が設置されている試薬ディスクのポジション番号が記憶されており、測定を行う時は使用する試薬を試薬吸引位置に回転させて試薬を吸引するためのノズルを吸引する試薬カセット上に移動させて試薬吸引を行う。
【0004】
このような従来の自動分析装置は例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−271517号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現在の試薬容器は1つのボトルに1種類の試薬が入っているものが主流である。しかし化学的反応の過程で複数の試薬を添加して測定する分析項目や例えば複数の試薬を使用して測定する項目が多数あることから複数の試薬を1つの容器に収納した試薬カセットを使用するものも使用されるようになった。1つの容器に複数の試薬が収納してある試薬カセットの形は形状を最小限に小さくするために左右対称に作られている場合が多い。このような試薬ボトルをオペレータが試薬ディスクに設置する場合、試薬ボトルの方向を確認しながら設置する必要がある。しかし、オペレータが方向を確認しながら作業するのは、精神的に多大な負担になる。また、方向を間違って試薬カセットを設置すると測定結果の異常につながり特に血液の分析装置においては重大な検査ミスになる恐れがある。
【0007】
また、試薬容器を自動で設置方向を認識した上で機械的に設置する方式も考えられるが、大型化,コストの上昇が懸念される。
【0008】
本発明は、試薬容器の設置方向を誤ることによる測定結果の異常発生を防止するとともに、小型,低コストの分析装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成は以下の通りである。
【0010】
複数種類の試薬を同一の筐体に収容する試薬容器と、該試薬容器を複数個載置可能な試薬容器保持手段と、該試薬容器保持手段上の前記試薬容器に収容された試薬を分注する試薬分注手段と、
を備えた自動分析装置であって、前記試薬容器は収容する複数種類の試薬の筐体内での配置に関する情報を記録する記録媒体を備え、該記録媒体に記録された情報を読取る情報読取手段と、
該情報読取手段により読取られた情報に基づき、前記試薬分注手段が試薬容器のいずれの試薬を分注するかを制御する試薬分注制御手段を備えた自動分析装置。
【0011】
情報記録媒体としてはバーコードや情報の読書きをする機能を備えたIC等を用いても良い。またバーコードでなく異なる色のプレートを複数組み合わせたものでも良い。情報読取手段は記録媒体に合わせて、光学的に情報を読取るもの、磁気を利用するもの、電磁波を利用するもの等何でも良い。試薬容器(試薬カセット)が正方向に設置された場合の試薬カセット内の試薬の配列と逆方向に設置された場合の試薬の配列を基に試薬を吸引するノズルの制御を行うことが好ましい。
【0012】
この機能により試薬カセットの設置方向を意識することなく試薬カセットを設置することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、自動分析装置全体の概略図であり図2は、試薬ディスク内の試薬カセット(試薬容器)の配置図である。
【0014】
101は、試薬ディスクであり内部構造は図2の様に202の試薬カセットが内周及び外周に配置されている。202の試薬カセットは図示していない101の試薬ディスクの試薬カセットを入れるための開口部から使用者が手動で設置する。102は、試薬を分注するための開口部である。開口部は6ヶ所あり試薬ディスク内の外周及び内周に配置された202の試薬カセットの開口部203に位置的に対応している。105は反応ディスクで107のサンプルディスクに設置された試料を106のサンプルノズルで吸引して反応ディスクの反応容器に吐出された試料と試薬を反応させて試料の分析を行う。
【0015】
108はモニターであり109はキーボードであり表示及び入力部であり図示していないパーソナルコンピューターに接続されている。試薬の吸引は、測定に必要な試薬カセットを102の開口部の下に試薬ディスクを回転させて103の試薬ノズルを該当する試薬の位置に移動させて吸引を行う。
【0016】
試薬カセットの設置方向検知の実施例を以下説明する。
【0017】
図3は、試薬カセットの平面図である。試薬カセット305の中に試薬ボトル301が複数ある。本説明では、2本の場合で説明するが、本数を限定するものではない。試薬ボトル301は、AとBの成分の違ったものが1つの試薬ボトル301に収められている。2つの試薬は、間違って使用すると測定値が異常となる。304は試薬カセット305の開口部でありこの開口部304から試薬を吸引する。302は黒色のラベルである。303は、白色ラベルである。
【0018】
黒色ラベル302と白色ラベル303は、図3の側面図のように左右非対称になるように貼られている。図4は、原理図である。読取り位置1と読取り2でそれぞれラベルを光学的センサーで読取る。読取り位置1で白色のラベルを読取る。
【0019】
光学的センサーの出力波形は、白色ラベルのときにHレベルとなり黒色ラベルのときにLレベルとなるような論理のセンサーを選んだ場合でHレベルがデジタル的な論理の1Lレベルが0となるような論理回路で構成されている場合で以下説明する。
【0020】
光学的センサーは、固定の位置であり試薬カセットが移動して試薬カセットに貼られているラベルを読取る。読取りのタイミングは、別のセンサーを設けるか、試薬カセットの移動量を計測する方法等があるが本発明では特に規定しない。試薬カセットの方向が正常な場合、読取り位置1で白色ラベルを読取る。このとき光学的センサーの出力波形は、Hレベルとなりデジタル的な論理は1となる。次に試薬カセットを読取り位置2に移動させて光学的センサーでラベルを読取る。このときのラベルの色は黒色ラベルで光学的センサーの出力波形はLレベルとなりデジタル的な論理は、0となる。この時、演算値を10とする。次に試薬カセットの方向が反対の場合について説明する。試薬カセットの方向が反対の場合は、読取り位置1では黒ラベルを読取り読取り位置2では白ラベルを読取る。従って上記の論理を適用すると演算値は、01となる。演算値を正常な場合と比較することにより或いは演算値が01の場合は試薬カセットの方向が反対であることを定義しておけば試薬カセットの方向が正常化を判定することが可能となる。次に試薬カセットが無い場合について説明する。試薬カセットが無い場合は、読取り位置1及び読取り位置2共に光学的センサーの出力はLレベルとなり演算値は、00となる。演算値を正常な場合と比較することにより或いは演算値が00の場合は試薬カセット無いことを定義しておけば試薬カセットの方向が正常化を判定することが可能となる。
【0021】
前記のようなの試薬カセットの方向検知を実施することにより正方向或るいは逆方向に試薬カセット202が設置されているかを装置の中央制御部が認識することが可能になりまた、それぞれの試薬カセットが正方向或いは逆方向の時の202の試薬カセット内の試薬の配列は、事前に登録をすることによって試薬ディスク201の試薬カセット202内の試薬の位置を認識できる。
【0022】
図5は、実施例2である。試薬カセット503の上部に2種類のバーコード501及び502を貼付けてあり試薬カセット503の上部からバーコード読取装置でバーコードを読取り最初に読取る番号と2回目に読取る番号を認識する事で試薬カセット503の置かれた方向を認識することができる。バーコードは一例であり番号を認識する手段としては、無線を使用した識別装置等で番号を認識しても試薬の方向を識別する事ができる。
【0023】
【発明の効果】
測定値の異常を引き起こす危険性のある使用者の操作ミスによる試薬カセットの設置方向の間違えを排除できるので、使用者の精神的負担を極端に低減できる。試薬カセットの設置方向の確認は自動的に短時間で読取りが可能なので、使用者は、短時間操作するだけでよく時間的な負担も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動分析装置全体の概略図。
【図2】試薬ディスク内の試薬カセット。
【図3】試薬カセット方向検知の実施例。
【図4】試薬カセット方向検知の実施例の原理図。
【図5】実施例2。
【符号の説明】
101,201…試薬ディスク、102…開口部、103…試薬ノズル、104…試薬分注機構、105…反応ディスク、106…サンプルノズル、107…サンプルディスク、108…モニター、109…キーボード、202,305,402,503…試薬カセット、203…試薬ボトル開口部、301…試薬ボトル、302…黒色ラベル、303…白色ラベル、304…試薬カセットの開口部、403…光学的センサー、404…バッファー及びカウンター部、405…CPU部、501,502…バーコード。
Claims (4)
- 複数種類の試薬を同一の筐体に収容する試薬容器と、
該試薬容器を複数個載置可能な試薬容器保持手段と、
該試薬容器保持手段上の前記試薬容器に収容された試薬を分注する試薬分注手段と、
を備えた自動分析装置であって、
前記試薬容器は収容する複数種類の試薬の筐体内での配置に関する情報を記録する記録媒体を備え、
該記録媒体に記録された情報を読取る情報読取手段と、
該情報読取手段により読取られた情報に基づき、前記試薬分注手段が試薬容器のいずれの試薬を分注するかを制御する試薬分注制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。 - 請求項1記載の自動分析装置において、
前記情報読取手段は複数種類の試薬の筐体内での配置に関する情報の読取り及び試薬容器の有無を同時に検出する機能を備えたことを特徴とする自動分析装置。 - 請求項1または2記載の自動分析装置において、
前記試薬容器保持手段は、円周上に試薬容器を並べて配置した試薬ディスクであり、かつ前記記録媒体は該試薬ディスクに配置された状態において、外周面側と内周面側の両方に貼付けされていることを特徴とする自動分析装置。 - 請求項3記載の自動分析装置において、
前記記録媒体は、2種類の色の違うプレートを組み合わせたものであり、色の並び方により試薬の筐体内での配置を識別するものであることを特徴とする自動分析装置。
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