JP2005039879A - 電気接続箱 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気接続箱10のケース11、12の側面にコネクタハウジング収容用の切欠24a、24bを設け、この切欠24a、24bに横出し用コネクタハウジング23を着脱自在に固定し、横出し用コネクタハウジング23にコネクタCを嵌合接続可能とする。コネクタCを嵌合接続しない場合には切欠24a、24bに閉鎖蓋27を着脱自在に固定する。切欠24a、24bはケース11、12の左右側面に対称に設けると共に、ケース11、12内に収容している内部回路の切欠24a、24bに面する回路は左右対称の同一回路とすることで対称配置での仕様において電気接続箱10の共用化を可能とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用の電気接続箱に関し、詳しくは、ケースの側面に横出しコネクタを嵌合できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動車用の電気接続箱1は、一般的に図6に示すように、ロアケース2とアッパーケース3とで構成されるケース内部に、単芯線、バスバー等よりなる回路体4を配線し、該回路体4に端子5を接続し、これら端子5をアッパーケース3の表面に形成した装着部6に突出させている。そして、装着部6にはリレー、ヒューズ用のソケット7および相手側コネクタ8a、8b…を受け入れるコネクタフード9a、9b…が一体形成されている。
【0003】
上記構成からなる電気接続箱1はアッパーケース3の表面にコネクタフード9a、9b…を設けた構成としているため、この電気接続箱1を設置するには、コネクタフード9a、9b…に嵌合する相手側コネクタ8a、8b…および該相手側コネクタ8a、8b…に導入される電線Wを含めて電気接続箱1の厚み方向に大きなスペースが必要となる。従って、車両の設置スペースSが狭い場合、相手側コネクタ8a、8b…の大きさによっては、コネクタフード9a、9b…に対し嵌合できなくなる場合がある。
そこで、図7に示すように、コネクタフード9a´、9b´をロアケース2´とアッパーケース3´の側壁部Aに形成した電気接続箱1´を用いて相手側コネクタを側方から接続すれば、電気接続箱1´を狭い設置スペースに配置することも可能となる(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−182682号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電気接続箱1´ではコネクタフード9a´、9b´の位置が固定的であり、相手側コネクタを横出し状態で接続する方向が規制されるため、電気接続箱1´の配置状況に応じてコネクタフード9a´、9b´の位置を変更したものを別途準備する必要があった。例えば、電気接続箱1´の取付位置が右ハンドル仕様車と左ハンドル仕様車で左右異なる場合、側壁部Aに設けたコネクタフード9a´、9b´の位置を左右対称位置に設定した2種類の電気接続箱1´が必要となり、同一機能を有する電気接続箱1´を共用することができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記した問題を解消せんとするもので、ケースの側面に設ける横出し用コネクタハウジングの位置を変更可能とする電気接続箱を提供すること課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、電気接続箱のケースの側面にコネクタハウジング収容用の切欠を設け、該切欠に横出し用コネクタハウジングを着脱自在に固定し、該横出し用コネクタハウジングにコネクタを嵌合接続可能とする一方、コネクタを嵌合接続しない場合には上記切欠に横出し用コネクタハウジングを取り付けずに、閉鎖蓋を上記切欠に着脱自在に固定していることを特徴とする電気接続箱を提供している。
【0008】
上記構成によれば、ケースの側面に設けた切欠に横出し用コネクタハウジングまたは閉鎖蓋を選択的に固定することができ、よって車両に対する電気接続箱の配置状況に対応する相手側コネクタとの接続に最適な位置に横出し用コネクタハウジングを配置することができる。また、横出し用コネクタハウジングは単体構成からなるので、相手側コネクタ接続時のこじり等によって変形することもない。
【0009】
具体的には、上記横出し用コネクタハウジング収容用の切欠は上記ケースの左右側面に対称に設けると共に、上記ケース内に収容している内部回路の上記切欠に面する回路は左右対称の同一回路とし、
上記横出し用コネクタハウジングを上記左右対称の切欠のいずれか一方に着脱自在に固定して上記コネクタを嵌合している一方、他方の切欠には閉鎖蓋を着脱自在に固定している。
このようにすれば、車両の仕様、例えば右ハンドル車と左ハンドル車等によって横出し用コネクタハウジングの配置が左右異なる設定を必要とする場合、横出し用コネクタハウジングと閉鎖蓋の配置を左右変更することで、左右異なる仕様に対して電気接続箱の本体を共用化することができる。
【0010】
更に具体的には、上記横出し用コネクタハウジングに嵌合するコネクタは高背コネクタで、上記ケース外面からの突出量の大きいものとしている。
このようにケース外面からの突出量の大きな高背コネクタを接続する場合においても、ケースの側面に設けた横出し用コネクタハウジングによって高背コネクタを受け入れることができるので、電気接続箱の厚さ方向の取付スペースを少なくすることができる。
【0011】
上記切欠はアッパーケースとロアケースにまたがって形成し、上記切欠周縁に溝を設ける一方、上記横出し用コネクタハウジングの外周面にはシールリップを突設して上記溝に内嵌させている。
このように構成すれば、溝とシールリップを嵌合させながら横出し用コネクタハウジングを上下から挟持するようにしてアッパーケースとロアケースとを嵌合することで、アッパーケースとロアケースとの間に横出し用コネクタハウジングを嵌合固定することができると共に、切欠部分の防塵、防水機能を発揮することができる。また、アッパーケースとロアケースとの嵌合に際し、横出し用コネクタハウジング内に突出させるタブに対し横出し用コネクタハウジングを横方向から予め装着しておくことで、電気接続箱の組立て作業を容易に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は電気接続箱10の分解斜視図であり、合成樹脂製からなるアッパーケース11およびロアケース12と、両者間に積層して内装される絶縁板13、14と、配線材としてのバスバー15および単芯線16と、この単芯線16に圧接される圧接端子17から構成している。
【0013】
ロアケース12には単芯線16からなる回路体16Aが所要のパターンに沿って配置され、下層の絶縁板14の端子保持部14aに保持される多数の圧接端子17の下端圧接部17aを単芯線16に圧接することで所要位置にて圧接端子17と接続するようになっている。
上層の絶縁板13にはバスバー15からなる所要パターンの回路体15Aが配置され、バスバー15の端部はアッパーケース11側へ向けて垂直に立ち上げると共に、その先端部には圧接部またはタブ部からなる端子部15aを形成している。
【0014】
アッパーケース11の上面にはリレー収容部18、ヒューズ収容部19、コネクタ収容部20をそれぞれ複数並設している。各リレー収容部18、ヒューズ収容部19、コネクタ収容部20の所要位置には、絶縁板13から立ち上げた端子部15aと、絶縁板14に保持した圧接端子17の上端部に形成された圧接部またはタブ部からなる端子部17bを導入している。
【0015】
アッパーケース11は、図2(A)(B)に示すように、側壁21をロアケース12の側壁22の内周面に接するようにしてロアケース12に嵌合され、ロック手段により固定するようにしている。
上記構成からなる電気接続箱10には、アッパーケース11の上面に設けたコネクタ収容部20の他に、図2(A)に示すように、アッパーケース11およびロアケース12の側面に対し垂直方向に突出する横出し用コネクタハウジング23を設けている。この横出し用コネクタハウジング23は、図3に示すように、アッパーケース11およびロアケース12とは別体の単体で成型された合成樹脂製からなり、相手側コネクタCの外周形状に対応するフード状をなし、前面は相手側コネクタCの受け入れ口として開口すると共に、対向する奥側には仕切り壁23aを備え、仕切り壁23aの周縁から相手側コネクタ受け入れ口の方向へ一体的に形成されて延在する周壁23dを備えている。この仕切り壁23aにはバスバー15のタブ15bを横出し用コネクタハウジング23内へ導入するための貫通孔23cを形成している。横出し用コネクタハウジング23の略中央の外周には、全周にわたり鍔状のシールリップ23bを外方へ向けて突設している。
【0016】
アッパーケース11およびロアケース12における左右両側面の端方対称位置には横出し用コネクタハウジング23の外周面を上下から挟持可能に対応する切欠24a、24bを両ケース11、12の側壁21、22にまたがって形成している。切欠24a、24bの周縁には横出し用コネクタハウジング23に突設したシールリップ23bを前後から挟持可能な一対のリブ25a、25bを突設している。そして、アッパーケース11とロアケース12を嵌合したとき、リブ25a、25bの間に設けられた溝26a、26bに横出し用コネクタハウジング23のシールリップ23bが内嵌されて横出し用コネクタハウジング23を着脱自在に固定可能としている。横出し用コネクタハウジング23の固定状態では、図4(A)に示すように、前部外周がアッパーケース11およびロアケース12の切欠24a、24bの内面によって全周から挟持された状態で先端部は側壁21、22から垂直外方へ若干突出している。
【0017】
この横出し用コネクタハウジング23は、嵌合すべき相手側のコネクタCをアッパーケース11の上面に嵌合した場合、電線の屈曲範囲を含めた高さ寸法が大きくなり、電気接続箱10の厚み方向の取付寸法が対応するスペース内に収まらないような場合、および側壁21、22の付近で接続すべきコネクタを受け入れる必要がある場合に有効である。特に嵌合時に外方への突出量の大きな高背コネクタを接続する場合には更に有効であり、本実施形態では、高背コネクタCの収容部として横出し用コネクタハウジング23をアッパーケース11およびロアケース12の側壁21、22に配置している。
【0018】
また、本実施形態では、図4(B)(C)に示すように、コネクタCを嵌合接続しない切欠24a、24bには横出し用コネクタハウジング23を取り付けず、切欠24a、24bを覆うハット状の閉鎖蓋27を着脱自在に固定するようにしている。閉鎖蓋27は、図1に示すように、両ケース11、12とは別体の合成樹脂製からなり、合わさった側壁21、22における切欠24a、24bの内周に対応する外径形状の胴部27aを備えている。胴部27aの後端外周には、横出し用コネクタハウジング23と同様に溝26a、26bに内嵌するリップ27bを全周にわたって外方へ突設すると共に、前端面は閉塞した形状としている。そして、アッパーケース11とロアケース12を嵌合したとき、リブ25a、25bの間に設けられた溝26a、26bに閉鎖蓋27のリップ27aが内嵌されて閉鎖蓋27を着脱自在に固定可能としている。
【0019】
また、側壁21、22に設けた左右の切欠24a、24bに面する回路体15Aの回路は左右対称の同一回路とすると共に、相手側コネクタCと接続されることでこの回路に接続すべきタブ15bも左右対称位置にそれぞれ配置し、横出し用コネクタハウジング23を左右いずれに配置しても同じ回路に接続されるようにしている。そして、いずれかの切欠24a、24bに横出し用コネクタハウジング23を固定したとき、貫通孔23cを通して横出し用コネクタハウジング23内にタブ15bを導入可能としている。
【0020】
次に,上記構成からなる電気接続箱10の作用について説明する。
図1に示すように、先ずロアケース12内に、絶縁板13、14およびバスバー15、単芯線16、圧接端子17等の内装部材を配置する。次いで、横出し用コネクタハウジング23を側壁21、22の左側(図1において)、閉鎖蓋27を右側(図1において)に配置する。その際、切欠24a、24bに向かって対称的に配置したタブ15bを横出し用コネクタハウジング23の貫通孔23cに挿入して横出し用コネクタハウジング23のシールリップ23bを溝26bに内嵌して位置決めする。同様に反対側において、閉鎖蓋27のリップ27bを溝26bに内嵌して位置決めする。次いでロアケース12に対しアッパーケース11を嵌合する際に、アッパーケース11側の溝26aに横出し用コネクタハウジング23のシールリップ23bと閉鎖蓋27のリップ27bを内嵌するようにしてアッパーケース11を嵌合する。
【0021】
横出し用コネクタハウジング23は、図4(A)に示すように、アッパーケース11とロアケース12との間においてリブ25a、25bと切欠24a、24bの内面によって固定され、内部にはタブ15bが突出した状態で外方に向けて開放した状態となる。一方、図4(B)に示すように、閉鎖蓋27もリブ25a、25bと切欠24a、24bの内面によって固定され、閉鎖蓋27によって切欠24a、24bによる開口が閉塞される(図4(C))。このようにして、電気接続箱10には、一側面に横出し用コネクタハウジング23が、他側面に閉鎖蓋27が対称的に固定される(図2(A))。そして、電気接続箱10の取付に際しては、ロアケース12の両側から突設した脚部12a、12bにより電気接続箱10を車両の所要位置に固定し、アッパーケース11の表面に配置したコネクタ収容部20にそれぞれ相手側のコネクタ(図示せず)が装着される。また、横出し用コネクタハウジング23には横方向から相手側のコネクタCが嵌合され、タブ15bと接続される。
【0022】
本実施形態の電気接続箱10は、アッパーケース11とロアケース12の左右の壁面に切欠24a、24bを設けて横出し用コネクタハウジング23と閉鎖蓋27とを選択的に固定できるようにしたので、上記実施形態の配置とは逆に図5に示すように、右側に横出し用コネクタハウジング23を配置し、左側に閉鎖蓋27を配置して固定することもできる。よって、右ハンドル仕様車と左ハンドル仕様車で横出し用コネクタハウジング23の位置が対称的に異なる場合にも、横出し用コネクタハウジング23の取付位置を変更するのみで電気接続箱10を共用することができる。
【0023】
なお、上記実施形態においては、溝26a、26bの位置を側壁21、22から奥まった位置に設けた例を示したが、側壁21、22における切欠24a、24bの内周に溝26a、26bを設けて横出し用コネクタハウジング23のシールリップ23bを内嵌する構成としてもよく、その位置は任意に変更可能である。また、上記実施形態においては閉鎖蓋27の形状をハット状にしたものを示したが、板状にしてその外周端をリップ27bとしてもよく、閉鎖蓋27は切欠24a、24bを閉塞可能であれば、そのの形状は任意に変更可能である。更に、上記実施形態においては、切欠24a、24bを左右対称位置に2箇所設定した例を示したが、アッパーケース11とロアケース12の側面の任意の位置に2箇所以上設定したものであってもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、電気接続箱のケースの側面に横出し用コネクタハウジングを設けたので、この横出し用コネクタハウジングを利用することで電気接続箱の厚さ方向の取付スペースを少なくすることができる。この横出し用コネクタハウジングは、ケースの側面に設けた切欠に着脱自在に固定するようにしたので、横出し用コネクタハウジングの配置変更により、その配置のみが異なる多種類の電気接続箱を必要とせず電気接続箱の共用化を図ることができる。また、横出し用コネクタハウジングを取り付けない切欠には閉鎖蓋を着脱自在に固定するようにしたので、切欠部の防塵、防水を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気接続箱の実施形態を示す斜視図である。
【図2】(A)はアッパーケースとロアケースを嵌合した状態の側面図、(B)は平面図である。
【図3】アッパーケースとロアケースおよび横出し用コネクタハウジングの要部分解斜視図である。
【図4】(A)は横出し用コネクタハウジング固定側の断面図、(B)は閉鎖蓋固定側の断面図、(C)は閉鎖蓋を固定した状態の部分側面図である。
【図5】横出し用コネクタハウジングと閉鎖蓋の配置を変更した状態の平面図である。
【図6】従来の電気接続箱の車両への取付状態を示す概略図である。
【図7】従来の電気接続箱の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 電気接続箱
11 アッパーケース(ケース)
12 ロアケース(ケース)
15A 回路体(回路)
16A 回路体(回路)
21、22 側壁(ケースの側面)
23 横出し用コネクタハウジング
23b シールリップ
24a、24b 切欠
26a、26b 溝
27 閉鎖蓋
C コネクタ
Claims (4)
- 電気接続箱のケースの側面にコネクタハウジング収容用の切欠を設け、該切欠に横出し用コネクタハウジングを着脱自在に固定し、該横出し用コネクタハウジングにコネクタを嵌合接続可能とする一方、コネクタを嵌合接続しない場合には上記切欠に横出し用コネクタハウジングを取り付けずに、閉鎖蓋を上記切欠に着脱自在に固定していることを特徴とする電気接続箱。
- 上記横出し用コネクタハウジング収容用の切欠は上記ケースの左右側面に対称に設けると共に、上記ケース内に収容している内部回路の上記切欠に面する回路は左右対称の同一回路とし、
上記横出し用コネクタハウジングを上記左右対称の切欠のいずれか一方に着脱自在に固定して上記コネクタを嵌合している一方、他方の切欠には閉鎖蓋を着脱自在に固定している請求項1に記載の電気接続箱。 - 上記横出し用コネクタハウジングに嵌合するコネクタは高背コネクタで、上記ケース外面からの突出量の大きいものとしている請求項1または請求項2に記載の電気接続箱。
- 上記切欠はアッパーケースとロアケースにまたがって形成し、上記切欠周縁に溝を設ける一方、上記横出し用コネクタハウジングの外周面にはシールリップを突設して上記溝に内嵌させている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気接続箱。
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