JP2005021032A - 果物蜂蜜酒の製造方法 - Google Patents
果物蜂蜜酒の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005021032A JP2005021032A JP2003187748A JP2003187748A JP2005021032A JP 2005021032 A JP2005021032 A JP 2005021032A JP 2003187748 A JP2003187748 A JP 2003187748A JP 2003187748 A JP2003187748 A JP 2003187748A JP 2005021032 A JP2005021032 A JP 2005021032A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- honey
- fruit
- liquor
- producing
- yeast
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Alcoholic Beverages (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、竜眼蜂蜜が果物の香りや風味を極めて良好にするとの知見をもとに、人体に害のない自然物である所定濃度の蜂蜜を単に加えるという簡単な方法により、香りや風味を高めることができる果物蜂蜜酒の製造方法を提供するものである。
【解決手段】果実の割砕液に、竜眼蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】果実の割砕液に、竜眼蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、果物と竜眼の花から得られる蜂蜜を用いて製造する果物蜂蜜酒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
果物酒は果物を原料として発酵させた酒で、葡萄酒、リンゴ酒がその代表的なものである。
【0003】
ところで、これらの果物酒は香りや風味が重要であり、業界ではこの香りや風味を高める為、種々の添加物を加えたり、また、発酵過程に様々の工夫を試みているが、未だ十分なものが開発されていない。
【0004】
本発明は、蜂蜜が果物の香りや風味を極めて良好にするとの知見をもとに、人体に害のない自然物である所定濃度の蜂蜜を単に加えるという簡単な方法により、香りや風味を高めることができる果物蜂蜜酒の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨を説明する。
【0006】
果実の割砕液に、蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0007】
また、請求項1記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、果実として梨、林檎、桃、葡萄、無花果、マンゴー、カスタードアップル、ガバ、釈迦頭、紅龍果若しくは百香果を用いることを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0008】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蜂蜜として竜眼の花から得られた蜂蜜を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0009】
また、蔬菜の割砕液に、蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0010】
また、請求項3記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蔬菜として西瓜、イチゴ若しくはキウイを用いることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0011】
また、請求項3,4いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蜂蜜として竜眼の花から得られた蜂蜜を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵温度を26〜30度としたことを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0013】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後にエチルアルコールを添加してアルコール分を調整することを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0014】
また、請求項1〜8いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後にリンゴ酸、L−アスコルビン酸等により酸度を調整することを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜9いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、酵母の代わりに、清酒製造に用いる酒母を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0016】
【発明の作用及び効果】
果実の割砕液に、蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させる方法で製造される果物酒は、蜂蜜の添加により果物特有の香り、風味が助長される。
【0017】
また、請求項3,6記載の発明において、蜂蜜として竜眼の花から得られた蜂蜜(以下、竜眼蜂蜜)を採用したので、製造される果物酒は、竜眼蜂蜜だけが持つ気品のある果物様の香りの強い風味を有することとなる。
【0018】
また、請求項7記載の発明において、発酵温度を26〜30度と、比較的高く設定したため、発酵が短期間で済む。また、発酵温度が比較的高い為、酵母が優位に増殖できることとなり、従って、雑菌の汚染が少なくなり、発酵が安全に進むこととなる。
【0019】
本発明は上述のようにするから、蜂蜜を加えるという簡単な方法により、これまでにはない香り・風味の果物蜂蜜酒が得られ、特に竜眼蜂蜜を採用した場合には、香り・風味が一層良好な果物蜂蜜酒が得られることとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について、以下に説明する。
【0021】
<第一実施例>
多年生の樹木の実である果実の割砕液に加水し、蜂蜜および酵母を加えて発酵させる果物蜂蜜酒の製造方法について述べる。
【0022】
本実施例の果実としては、梨(Pyrus pyrifolia Nakai)、林檎(Malus domestica Borkh)、桃(Prunus persiea Batsch)、葡萄(Vitis vinifera)、無花果(Ficus carica)、マンゴー(Manginfera indica L.)、カスタードアップル(Annona cherimola Mill)、ガバ(Psidium guajava L.)、釈迦頭(Annona squamosa L.)、紅龍果(Hylocereus undatus Britt.& Rose)若しくは百香果(Passiflora eduris Sims.)を採用している。
【0023】
上記果実の使用量は、少なすぎると果実の特徴が薄れ、多すぎると蜂蜜の特徴が薄れるという実験結果に基づき、果実と蜂蜜との味が最も調和される最適使用量の範囲を設定している。
【0024】
また、上記加水量は、少なすぎると果実の割砕が困難になり、さらに割砕液の糖度が高くなることで濃糖圧迫による酵母の生育阻害が生じ、多すぎると果実と蜂蜜の味が薄れて味の調和がとれないという実験結果に基づき、最適加水量の範囲を設定している。
【0025】
上記から、蜂蜜の添加量は、10〜25%(重量)と設定される。上記の通り、蜂蜜が10%(重量)以下であると、蜂蜜の特徴が少なく希薄な味になり、25%(重量)以上であると、甘みが強くなり味の調和がとれない。
【0026】
具体的には、インド原産で熱帯アメリカや東南アジアで果樹として広く栽培されている、竜眼(Euphoria longana Lam.)の花から蜂が採取した蜂蜜(以下、竜眼蜂蜜)を採用することにより、製造された果物酒に、気品のある果物様の香りと強い風味が加わることとなる。
【0027】
また、上記酵母は、S−3酵母若しくはSaccharomyces sake等の活性酵母、または、日本醸造協会のNo.28酵母若しくはNo.77酵母等の多酸性酵母を採用する。
【0028】
上記酵母の発酵温度は、通常の発酵温度である10〜20度よりも比較的高温の26〜30度としており、28度が最も好ましいことを実験によって確認している。このように、比較的高温で発酵を行うため、発酵が短期間で済み、酵母が優位に増殖できるため、雑菌の汚染が少なく、発酵が安全に進むこととなる。
【0029】
なお、26度以下や30度以上であると酵母の生育が低下し、雑菌が繁殖しやすくなる。
【0030】
(1)梨蜂蜜酒の製造方法
梨の実3〜6キログラムをミキサーで割砕し、水10〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加え、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度12〜14、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる梨蜂蜜酒。
【0031】
梨は一般的に香りが乏しいため、蜂蜜の特徴に大きく影響された酒になるが、ルレクチェのような洋梨を用いると、果物様芳香を持つ梨蜂蜜酒ができる。市販のルレクチェ酒は仕込みの時に亜硫酸ガスを加えて仕込むが、本法は蜂蜜を加え28度という比較的高い温度で、短時間で発酵を終了させるため、汚染の少なく健全な発酵を行わせることができる。
【0032】
(2)リンゴ蜂蜜酒の製造方法
リンゴの実4〜8キログラムをミキサーで割砕し、水10〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で6〜8日間発酵させ、糖度12〜14、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくるリンゴ蜂蜜酒。
【0033】
この方法で製造されたリンゴ蜂蜜酒は、竜眼蜂蜜の特徴が強く出ているが、酸味の爽やかな酒である。
【0034】
(3)桃蜂蜜酒の製造方法
桃の実3〜6キログラムをミキサーで割砕し、水10〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度13〜15、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる桃蜂蜜酒。
【0035】
上記は生の桃であるが、桃の実3〜6キログラムを四つ切りにした後、水15〜20リットルを加え、30分前後煮沸して桃のエキス分を煮出し、これに竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて、温度28度で6〜10日間発酵させて製造してもよい。
【0036】
この方法で製造された桃蜂蜜酒は、桃の香りと蜂蜜の香りが混ざり合い、奥深い酒になる。
【0037】
(4)葡萄蜂蜜酒の製造方法
葡萄の実3〜5キログラムをミキサーで割砕し、水18〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加え、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度14〜16、アルコール分4〜8%、酸度3〜5前後になったら濾過殺菌してつくる葡萄蜂蜜酒。
【0038】
この方法で製造された葡萄蜂蜜酒は、貴腐葡萄酒のように濃淳で香りの良い酒ができる。干葡萄からもつくることができるが香りに乏しい酒になる。
【0039】
(5)無花果蜂蜜酒の製造方法
無花果の実5〜7キログラムを丸ごと水10〜20リットルに加え、約1時間煮沸冷却した後、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度12〜14、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる無花果蜂蜜酒。
【0040】
この方法で製造された無花果蜂蜜酒は、薄い橙色で、香りは蜂蜜の特徴が強いが、とろりとした舌触りと濃淳な旨さを持つ酒である。
【0041】
(6)マンゴー蜂蜜酒の製造方法
マンゴーの実5〜10キログラムに水10〜20リットルを加えてミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度12〜15、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくるマンゴー蜂蜜酒。
【0042】
この方法で製造されたマンゴー蜂蜜酒は、綺麗な橙黄色であり、ジュース感覚でさわやかな味わいが楽しめる。
【0043】
(7)カスタードアップル蜂蜜酒の製造方法
オーストラリアやマレー半島で栽培されているカスタードアップルは、果肉が多く、南方風の気品ある香りを有する果実である。この果実は少量でも非常に香りが高いが、今日、酒類には利用されていない。この果実に竜眼蜂蜜を加えて発酵させると、南方風の果実様風味に富んだ酒ができる。
【0044】
カスタードアップルの実2〜3キログラムに水15〜20リットルを加え、ミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜若しくは蜂蜜または砂糖3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて良く撹拌し、温度28度で8〜12日間発酵させて糖度10〜14、アルコール分4〜10%、酸度3前後になったら濾過殺菌してつくるカスタードアップル蜂蜜酒。
【0045】
この方法で製造されたカスタードアップル蜂蜜酒は、カスタードアップルの香りが強く、トロピカルフルーツ酒としての強烈な特色を発揮し、使用する糖類が竜眼蜂蜜以外の蜂蜜でも特徴ある酒ができる。
【0046】
(8)ガバ蜂蜜酒の製造方法
ガバの実3〜8キログラムに水10〜20リットルを加えてミキサーで割砕し竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で6〜8日間発酵させ、糖度12〜15、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくるガバ蜂蜜酒。
【0047】
この方法で製造されたガバ蜂蜜酒は黄金色で、ガバ特有の青臭さを含むが、ガバは糖尿病に良いと言われているため、この効果が期待できるものとなる。
【0048】
(9)釈迦頭蜂蜜酒の製造方法
釈迦頭の実4〜7キログラムに水10〜20リットルを加えてミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度16〜18、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる釈迦頭蜂蜜酒。
【0049】
この方法で製造された釈迦頭蜂蜜酒は黄金色で、苦みが強いが、蜂蜜の高貴な香りを有し、健胃、強壮効果が期待できる。
【0050】
(10)紅龍果蜂蜜酒の製造方法
紅龍果の実2〜3キログラムに水10〜20リットルを加えてミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を3〜6キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度12〜14、アルコール分4〜6%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる紅龍果蜂蜜酒。
【0051】
この方法で製造された紅龍果蜂蜜酒は深紅色の綺麗な色が特徴で、竜眼蜂蜜酒のフルーティな香りを持った爽やかな酒である。
【0052】
(11)百香果蜂蜜酒の製造方法
百香果の実4〜7キログラムに水10〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で6〜8日間発酵させ、糖度13〜15、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる百香果蜂蜜酒。
【0053】
この方法で製造された百香果蜂蜜酒は、南国風の芳醇な香りと、ビタミンCを含み、爽やかな味を持つ高貴な酒である。
【0054】
以上、(1)〜(11)の第一実施例に述べた、果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後に適量のエチルアルコールを添加してアルコール分を調整してもよい。
【0055】
また、発酵後にリンゴ酸、L−アスコルビン酸等により酸度を調整してもよい。
【0056】
さらに、酵母の代わりに、清酒製造に用いる酒母を採用してもよい。尚、酒母とは蒸米に水、麹および酵母を加えて発酵させたものである。
【0057】
<第二実施例>
一年生の果物である蔬菜に加水し、ミキサーで割砕した割砕液に、蜂蜜および酵母を加えて発酵させる果物蜂蜜酒の製造方法について述べる。
【0058】
本実施例の蔬菜としては、西瓜(Citrullus vulgaris)、イチゴ(Fragaria chiloensis Duch)若しくはキウイ(Actinidia chinensis)を採用している。
【0059】
上記蔬菜の使用量は、少なすぎると蔬菜の特徴が薄れ、多すぎると蜂蜜の特徴が薄れるという実験結果に基づき、蔬菜と蜂蜜との味が最も調和される最適使用量の範囲を設定している。
【0060】
また、上記加水量は、少なすぎると蔬菜の割砕が困難になり、さらに割砕液の糖度が高くなることで濃糖圧迫による酵母の生育阻害が生じ、多すぎると蔬菜と蜂蜜の味が薄れて味の調和がとれないという実験結果に基づき、最適加水量の範囲を設定している。
【0061】
上記から、蜂蜜の添加量は、10〜25%(重量)と設定される。上記の通り、蜂蜜が10%(重量)以下であると、蜂蜜の特徴が少なく希薄な味になり、25%(重量)以上であると、甘みが強くなり味の調和がとれない。
【0062】
具体的には、インド原産で熱帯アメリカや東南アジアで果樹として広く栽培されている、竜眼(Euphoria longana Lam.)の花から蜂が採取した蜂蜜(以下、竜眼蜂蜜)を採用することにより、製造された果物酒に、気品のある果物様の香りと強い風味が加わることとなる。
【0063】
また、上記酵母は、S−3酵母若しくはSaccharomyces sake等の活性酵母、または、日本醸造協会のNo.28酵母若しくはNo.77酵母等の多酸性酵母を採用する。
【0064】
上記酵母の発酵温度は、通常の発酵温度である10〜20度よりも比較的高温の26〜30度としており、28度が最も好ましいことを実験によって確認している。このように、比較的高温で発酵を行うため、発酵が短期間で済み、酵母が優位に増殖できるため、雑菌の汚染が少なく、発酵が安全に進むこととなる。
【0065】
なお、26度以下や30度以上であると酵母の生育が低下し、雑菌が繁殖しやすくなる。
【0066】
(1)西瓜蜂蜜酒の製造方法
西瓜5〜10キログラムをミキサーで割砕し、水10〜18リットルを加え、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと多酸性活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて良く撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させて、糖度12〜14、アルコール分4〜8%、酸度4前後になったら濾過殺菌してつくる西瓜蜂蜜酒。
【0067】
この方法で製造された西瓜蜂蜜酒は、利尿効果が期待できる。
【0068】
尚、西瓜においては含有される酸が非常に少ないことから、リンゴ酸その他の酸の生成能力が高い多酸性活性酵母を採用することで、香りと酸味を向上させることができる。
【0069】
(2)イチゴ蜂蜜酒の製造方法
イチゴの実5〜7キログラムに水15〜20リットルを加え、ミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて良く撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させて、糖度13〜16、アルコール分6〜8%、酸度4前後になったら濾過殺菌してつくるイチゴ蜂蜜酒。
【0070】
この方法で製造されたイチゴ蜂蜜酒は、イチゴの赤い色が特徴で、イチゴに含まれるビタミンCの酸味が爽やかな味を引き出した酒となる。
【0071】
(3)キウイ蜂蜜酒の製造方法
キウイの実4〜6キログラムに水15〜20リットルを加え、ミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて良く撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させて、糖度13〜16、アルコール分6〜8%、酸度4前後になったら濾過殺菌してつくるキウイ蜂蜜酒。
【0072】
この方法で製造されたキウイ蜂蜜酒は、キウイに含まれるビタミンCの酸味が爽やかな味を引き出しており、清涼感のある風味が特徴である。
【0073】
以上、(1)〜(3)の第二実施例に述べた果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後に適量のエチルアルコールを添加してアルコール分を調整してもよい。
【0074】
また、発酵後にリンゴ酸、L−アスコルビン酸等により酸度を調整してもよい。
【0075】
さらに、酵母の代わりに、清酒製造に用いる酒母を採用してもよい。尚、酒母とは蒸米に水、麹および酵母を加えて発酵させたものである。
【0076】
以上、本実施例の果物酒は、蜂蜜を添加するといった簡単な方法で、果物本来の香りや風味を助長でき、発酵温度を比較的高く設定したことで果物を熱殺菌したり薬品を添加することなく安全に醸造を行うことができ、また、蜂蜜として竜眼蜂蜜を採用したから、各種果物の風味が竜眼蜂蜜の果実様の強い風味によりさらに芳醇な香気成分と味となって醸し出されることとなり、世界でも類を見ないすばらしい果物蜂蜜酒となる。
【0077】
また、発明者は長年にわたり各国の蜂蜜を調査した結果、東南アジアで産出される竜眼の蜂蜜が、極めて気品ある蜂蜜であることを発見した。この竜眼蜂蜜を果物とを組み合わせて発酵試験を繰り返し研究した結果、ようやく世界に類を見ない芳醇で気品ある果物蜂蜜酒を造り出すことに成功したものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、果物と竜眼の花から得られる蜂蜜を用いて製造する果物蜂蜜酒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
果物酒は果物を原料として発酵させた酒で、葡萄酒、リンゴ酒がその代表的なものである。
【0003】
ところで、これらの果物酒は香りや風味が重要であり、業界ではこの香りや風味を高める為、種々の添加物を加えたり、また、発酵過程に様々の工夫を試みているが、未だ十分なものが開発されていない。
【0004】
本発明は、蜂蜜が果物の香りや風味を極めて良好にするとの知見をもとに、人体に害のない自然物である所定濃度の蜂蜜を単に加えるという簡単な方法により、香りや風味を高めることができる果物蜂蜜酒の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨を説明する。
【0006】
果実の割砕液に、蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0007】
また、請求項1記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、果実として梨、林檎、桃、葡萄、無花果、マンゴー、カスタードアップル、ガバ、釈迦頭、紅龍果若しくは百香果を用いることを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0008】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蜂蜜として竜眼の花から得られた蜂蜜を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0009】
また、蔬菜の割砕液に、蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0010】
また、請求項3記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蔬菜として西瓜、イチゴ若しくはキウイを用いることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0011】
また、請求項3,4いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蜂蜜として竜眼の花から得られた蜂蜜を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵温度を26〜30度としたことを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0013】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後にエチルアルコールを添加してアルコール分を調整することを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0014】
また、請求項1〜8いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後にリンゴ酸、L−アスコルビン酸等により酸度を調整することを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜9いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、酵母の代わりに、清酒製造に用いる酒母を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法に係るものである。
【0016】
【発明の作用及び効果】
果実の割砕液に、蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させる方法で製造される果物酒は、蜂蜜の添加により果物特有の香り、風味が助長される。
【0017】
また、請求項3,6記載の発明において、蜂蜜として竜眼の花から得られた蜂蜜(以下、竜眼蜂蜜)を採用したので、製造される果物酒は、竜眼蜂蜜だけが持つ気品のある果物様の香りの強い風味を有することとなる。
【0018】
また、請求項7記載の発明において、発酵温度を26〜30度と、比較的高く設定したため、発酵が短期間で済む。また、発酵温度が比較的高い為、酵母が優位に増殖できることとなり、従って、雑菌の汚染が少なくなり、発酵が安全に進むこととなる。
【0019】
本発明は上述のようにするから、蜂蜜を加えるという簡単な方法により、これまでにはない香り・風味の果物蜂蜜酒が得られ、特に竜眼蜂蜜を採用した場合には、香り・風味が一層良好な果物蜂蜜酒が得られることとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について、以下に説明する。
【0021】
<第一実施例>
多年生の樹木の実である果実の割砕液に加水し、蜂蜜および酵母を加えて発酵させる果物蜂蜜酒の製造方法について述べる。
【0022】
本実施例の果実としては、梨(Pyrus pyrifolia Nakai)、林檎(Malus domestica Borkh)、桃(Prunus persiea Batsch)、葡萄(Vitis vinifera)、無花果(Ficus carica)、マンゴー(Manginfera indica L.)、カスタードアップル(Annona cherimola Mill)、ガバ(Psidium guajava L.)、釈迦頭(Annona squamosa L.)、紅龍果(Hylocereus undatus Britt.& Rose)若しくは百香果(Passiflora eduris Sims.)を採用している。
【0023】
上記果実の使用量は、少なすぎると果実の特徴が薄れ、多すぎると蜂蜜の特徴が薄れるという実験結果に基づき、果実と蜂蜜との味が最も調和される最適使用量の範囲を設定している。
【0024】
また、上記加水量は、少なすぎると果実の割砕が困難になり、さらに割砕液の糖度が高くなることで濃糖圧迫による酵母の生育阻害が生じ、多すぎると果実と蜂蜜の味が薄れて味の調和がとれないという実験結果に基づき、最適加水量の範囲を設定している。
【0025】
上記から、蜂蜜の添加量は、10〜25%(重量)と設定される。上記の通り、蜂蜜が10%(重量)以下であると、蜂蜜の特徴が少なく希薄な味になり、25%(重量)以上であると、甘みが強くなり味の調和がとれない。
【0026】
具体的には、インド原産で熱帯アメリカや東南アジアで果樹として広く栽培されている、竜眼(Euphoria longana Lam.)の花から蜂が採取した蜂蜜(以下、竜眼蜂蜜)を採用することにより、製造された果物酒に、気品のある果物様の香りと強い風味が加わることとなる。
【0027】
また、上記酵母は、S−3酵母若しくはSaccharomyces sake等の活性酵母、または、日本醸造協会のNo.28酵母若しくはNo.77酵母等の多酸性酵母を採用する。
【0028】
上記酵母の発酵温度は、通常の発酵温度である10〜20度よりも比較的高温の26〜30度としており、28度が最も好ましいことを実験によって確認している。このように、比較的高温で発酵を行うため、発酵が短期間で済み、酵母が優位に増殖できるため、雑菌の汚染が少なく、発酵が安全に進むこととなる。
【0029】
なお、26度以下や30度以上であると酵母の生育が低下し、雑菌が繁殖しやすくなる。
【0030】
(1)梨蜂蜜酒の製造方法
梨の実3〜6キログラムをミキサーで割砕し、水10〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加え、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度12〜14、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる梨蜂蜜酒。
【0031】
梨は一般的に香りが乏しいため、蜂蜜の特徴に大きく影響された酒になるが、ルレクチェのような洋梨を用いると、果物様芳香を持つ梨蜂蜜酒ができる。市販のルレクチェ酒は仕込みの時に亜硫酸ガスを加えて仕込むが、本法は蜂蜜を加え28度という比較的高い温度で、短時間で発酵を終了させるため、汚染の少なく健全な発酵を行わせることができる。
【0032】
(2)リンゴ蜂蜜酒の製造方法
リンゴの実4〜8キログラムをミキサーで割砕し、水10〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で6〜8日間発酵させ、糖度12〜14、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくるリンゴ蜂蜜酒。
【0033】
この方法で製造されたリンゴ蜂蜜酒は、竜眼蜂蜜の特徴が強く出ているが、酸味の爽やかな酒である。
【0034】
(3)桃蜂蜜酒の製造方法
桃の実3〜6キログラムをミキサーで割砕し、水10〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度13〜15、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる桃蜂蜜酒。
【0035】
上記は生の桃であるが、桃の実3〜6キログラムを四つ切りにした後、水15〜20リットルを加え、30分前後煮沸して桃のエキス分を煮出し、これに竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて、温度28度で6〜10日間発酵させて製造してもよい。
【0036】
この方法で製造された桃蜂蜜酒は、桃の香りと蜂蜜の香りが混ざり合い、奥深い酒になる。
【0037】
(4)葡萄蜂蜜酒の製造方法
葡萄の実3〜5キログラムをミキサーで割砕し、水18〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加え、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度14〜16、アルコール分4〜8%、酸度3〜5前後になったら濾過殺菌してつくる葡萄蜂蜜酒。
【0038】
この方法で製造された葡萄蜂蜜酒は、貴腐葡萄酒のように濃淳で香りの良い酒ができる。干葡萄からもつくることができるが香りに乏しい酒になる。
【0039】
(5)無花果蜂蜜酒の製造方法
無花果の実5〜7キログラムを丸ごと水10〜20リットルに加え、約1時間煮沸冷却した後、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度12〜14、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる無花果蜂蜜酒。
【0040】
この方法で製造された無花果蜂蜜酒は、薄い橙色で、香りは蜂蜜の特徴が強いが、とろりとした舌触りと濃淳な旨さを持つ酒である。
【0041】
(6)マンゴー蜂蜜酒の製造方法
マンゴーの実5〜10キログラムに水10〜20リットルを加えてミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度12〜15、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくるマンゴー蜂蜜酒。
【0042】
この方法で製造されたマンゴー蜂蜜酒は、綺麗な橙黄色であり、ジュース感覚でさわやかな味わいが楽しめる。
【0043】
(7)カスタードアップル蜂蜜酒の製造方法
オーストラリアやマレー半島で栽培されているカスタードアップルは、果肉が多く、南方風の気品ある香りを有する果実である。この果実は少量でも非常に香りが高いが、今日、酒類には利用されていない。この果実に竜眼蜂蜜を加えて発酵させると、南方風の果実様風味に富んだ酒ができる。
【0044】
カスタードアップルの実2〜3キログラムに水15〜20リットルを加え、ミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜若しくは蜂蜜または砂糖3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて良く撹拌し、温度28度で8〜12日間発酵させて糖度10〜14、アルコール分4〜10%、酸度3前後になったら濾過殺菌してつくるカスタードアップル蜂蜜酒。
【0045】
この方法で製造されたカスタードアップル蜂蜜酒は、カスタードアップルの香りが強く、トロピカルフルーツ酒としての強烈な特色を発揮し、使用する糖類が竜眼蜂蜜以外の蜂蜜でも特徴ある酒ができる。
【0046】
(8)ガバ蜂蜜酒の製造方法
ガバの実3〜8キログラムに水10〜20リットルを加えてミキサーで割砕し竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で6〜8日間発酵させ、糖度12〜15、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくるガバ蜂蜜酒。
【0047】
この方法で製造されたガバ蜂蜜酒は黄金色で、ガバ特有の青臭さを含むが、ガバは糖尿病に良いと言われているため、この効果が期待できるものとなる。
【0048】
(9)釈迦頭蜂蜜酒の製造方法
釈迦頭の実4〜7キログラムに水10〜20リットルを加えてミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度16〜18、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる釈迦頭蜂蜜酒。
【0049】
この方法で製造された釈迦頭蜂蜜酒は黄金色で、苦みが強いが、蜂蜜の高貴な香りを有し、健胃、強壮効果が期待できる。
【0050】
(10)紅龍果蜂蜜酒の製造方法
紅龍果の実2〜3キログラムに水10〜20リットルを加えてミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を3〜6キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させ、糖度12〜14、アルコール分4〜6%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる紅龍果蜂蜜酒。
【0051】
この方法で製造された紅龍果蜂蜜酒は深紅色の綺麗な色が特徴で、竜眼蜂蜜酒のフルーティな香りを持った爽やかな酒である。
【0052】
(11)百香果蜂蜜酒の製造方法
百香果の実4〜7キログラムに水10〜20リットルを加え、竜眼蜂蜜を2〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えてよく撹拌し、温度28度で6〜8日間発酵させ、糖度13〜15、アルコール分4〜8%、酸度4程度になったら濾過殺菌してつくる百香果蜂蜜酒。
【0053】
この方法で製造された百香果蜂蜜酒は、南国風の芳醇な香りと、ビタミンCを含み、爽やかな味を持つ高貴な酒である。
【0054】
以上、(1)〜(11)の第一実施例に述べた、果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後に適量のエチルアルコールを添加してアルコール分を調整してもよい。
【0055】
また、発酵後にリンゴ酸、L−アスコルビン酸等により酸度を調整してもよい。
【0056】
さらに、酵母の代わりに、清酒製造に用いる酒母を採用してもよい。尚、酒母とは蒸米に水、麹および酵母を加えて発酵させたものである。
【0057】
<第二実施例>
一年生の果物である蔬菜に加水し、ミキサーで割砕した割砕液に、蜂蜜および酵母を加えて発酵させる果物蜂蜜酒の製造方法について述べる。
【0058】
本実施例の蔬菜としては、西瓜(Citrullus vulgaris)、イチゴ(Fragaria chiloensis Duch)若しくはキウイ(Actinidia chinensis)を採用している。
【0059】
上記蔬菜の使用量は、少なすぎると蔬菜の特徴が薄れ、多すぎると蜂蜜の特徴が薄れるという実験結果に基づき、蔬菜と蜂蜜との味が最も調和される最適使用量の範囲を設定している。
【0060】
また、上記加水量は、少なすぎると蔬菜の割砕が困難になり、さらに割砕液の糖度が高くなることで濃糖圧迫による酵母の生育阻害が生じ、多すぎると蔬菜と蜂蜜の味が薄れて味の調和がとれないという実験結果に基づき、最適加水量の範囲を設定している。
【0061】
上記から、蜂蜜の添加量は、10〜25%(重量)と設定される。上記の通り、蜂蜜が10%(重量)以下であると、蜂蜜の特徴が少なく希薄な味になり、25%(重量)以上であると、甘みが強くなり味の調和がとれない。
【0062】
具体的には、インド原産で熱帯アメリカや東南アジアで果樹として広く栽培されている、竜眼(Euphoria longana Lam.)の花から蜂が採取した蜂蜜(以下、竜眼蜂蜜)を採用することにより、製造された果物酒に、気品のある果物様の香りと強い風味が加わることとなる。
【0063】
また、上記酵母は、S−3酵母若しくはSaccharomyces sake等の活性酵母、または、日本醸造協会のNo.28酵母若しくはNo.77酵母等の多酸性酵母を採用する。
【0064】
上記酵母の発酵温度は、通常の発酵温度である10〜20度よりも比較的高温の26〜30度としており、28度が最も好ましいことを実験によって確認している。このように、比較的高温で発酵を行うため、発酵が短期間で済み、酵母が優位に増殖できるため、雑菌の汚染が少なく、発酵が安全に進むこととなる。
【0065】
なお、26度以下や30度以上であると酵母の生育が低下し、雑菌が繁殖しやすくなる。
【0066】
(1)西瓜蜂蜜酒の製造方法
西瓜5〜10キログラムをミキサーで割砕し、水10〜18リットルを加え、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと多酸性活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて良く撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させて、糖度12〜14、アルコール分4〜8%、酸度4前後になったら濾過殺菌してつくる西瓜蜂蜜酒。
【0067】
この方法で製造された西瓜蜂蜜酒は、利尿効果が期待できる。
【0068】
尚、西瓜においては含有される酸が非常に少ないことから、リンゴ酸その他の酸の生成能力が高い多酸性活性酵母を採用することで、香りと酸味を向上させることができる。
【0069】
(2)イチゴ蜂蜜酒の製造方法
イチゴの実5〜7キログラムに水15〜20リットルを加え、ミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて良く撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させて、糖度13〜16、アルコール分6〜8%、酸度4前後になったら濾過殺菌してつくるイチゴ蜂蜜酒。
【0070】
この方法で製造されたイチゴ蜂蜜酒は、イチゴの赤い色が特徴で、イチゴに含まれるビタミンCの酸味が爽やかな味を引き出した酒となる。
【0071】
(3)キウイ蜂蜜酒の製造方法
キウイの実4〜6キログラムに水15〜20リットルを加え、ミキサーで割砕し、竜眼蜂蜜を3〜5キログラムと活性酵母をおよそ800ミリリットル加えて良く撹拌し、温度28度で7〜10日間発酵させて、糖度13〜16、アルコール分6〜8%、酸度4前後になったら濾過殺菌してつくるキウイ蜂蜜酒。
【0072】
この方法で製造されたキウイ蜂蜜酒は、キウイに含まれるビタミンCの酸味が爽やかな味を引き出しており、清涼感のある風味が特徴である。
【0073】
以上、(1)〜(3)の第二実施例に述べた果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後に適量のエチルアルコールを添加してアルコール分を調整してもよい。
【0074】
また、発酵後にリンゴ酸、L−アスコルビン酸等により酸度を調整してもよい。
【0075】
さらに、酵母の代わりに、清酒製造に用いる酒母を採用してもよい。尚、酒母とは蒸米に水、麹および酵母を加えて発酵させたものである。
【0076】
以上、本実施例の果物酒は、蜂蜜を添加するといった簡単な方法で、果物本来の香りや風味を助長でき、発酵温度を比較的高く設定したことで果物を熱殺菌したり薬品を添加することなく安全に醸造を行うことができ、また、蜂蜜として竜眼蜂蜜を採用したから、各種果物の風味が竜眼蜂蜜の果実様の強い風味によりさらに芳醇な香気成分と味となって醸し出されることとなり、世界でも類を見ないすばらしい果物蜂蜜酒となる。
【0077】
また、発明者は長年にわたり各国の蜂蜜を調査した結果、東南アジアで産出される竜眼の蜂蜜が、極めて気品ある蜂蜜であることを発見した。この竜眼蜂蜜を果物とを組み合わせて発酵試験を繰り返し研究した結果、ようやく世界に類を見ない芳醇で気品ある果物蜂蜜酒を造り出すことに成功したものである。
Claims (10)
- 果実の割砕液に、蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法。
- 請求項1記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、果実として梨、林檎、桃、葡萄、無花果、マンゴー、カスタードアップル、ガバ、釈迦頭、紅龍果若しくは百香果を用いることを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法。
- 請求項1,2いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蜂蜜として竜眼の花から得られた蜂蜜を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法。
- 蔬菜の割砕液に、蜂蜜10〜25%(重量)および酵母を加えて発酵させることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法。
- 請求項3記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蔬菜として西瓜、イチゴ若しくはキウイを用いることを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法。
- 請求項3,4いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、蜂蜜として竜眼の花から得られた蜂蜜を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法。
- 請求項1〜6いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵温度を26〜30度としたことを特徴とする果物蜂蜜酒の製造方法。
- 請求項1〜7いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後にエチルアルコールを添加してアルコール分を調整することを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法。
- 請求項1〜8いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、発酵後にリンゴ酸、L−アスコルビン酸等により酸度を調整することを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法。
- 請求項1〜9いずれか1項に記載の果物蜂蜜酒の製造方法において、酵母の代わりに、清酒製造に用いる酒母を採用したことを特徴とする果実蜂蜜酒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003187748A JP2005021032A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 果物蜂蜜酒の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003187748A JP2005021032A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 果物蜂蜜酒の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005021032A true JP2005021032A (ja) | 2005-01-27 |
Family
ID=34186497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003187748A Pending JP2005021032A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 果物蜂蜜酒の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005021032A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006064550A1 (ja) * | 2004-12-14 | 2006-06-22 | Toyo Shinyaku Co.,Ltd. | アルコール代謝向上剤及びアルコール飲料 |
WO2009016758A1 (ja) * | 2007-08-02 | 2009-02-05 | Biogenkoji Research Institute | ジュース又は果実酒の製造方法 |
CN102002456A (zh) * | 2010-11-23 | 2011-04-06 | 张德高 | 一种猕猴桃果酒及其酿制方法 |
CN103351979A (zh) * | 2013-07-31 | 2013-10-16 | 张松波 | 芒果和木瓜复合果酒的制备方法 |
CN103497857A (zh) * | 2013-01-15 | 2014-01-08 | 陈树杰 | 一种具有丰乳健美功能的嘉宝果红酒及其制备方法 |
CN104178389A (zh) * | 2013-05-21 | 2014-12-03 | 广西田阳蒙发酒业有限公司 | 一种芒果酒及其生产方法 |
CN112107533A (zh) * | 2020-09-27 | 2020-12-22 | 广州妮趣化妆品有限公司 | 一种具有控油嫩肤并收细毛孔功效的组合物及其制备方法和应用 |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5489091A (en) * | 1977-12-27 | 1979-07-14 | Toutoushiyu Seizou Kk | Herb fruit wine |
JPS5558086A (en) * | 1978-10-25 | 1980-04-30 | Shigenobu Sawai | Method of making japanese sake containing fruit |
JPS57132875A (en) * | 1981-02-06 | 1982-08-17 | Kayashima Syuzo Kk | Preparation of alcohol-containing drink from kiwi fruit as raw material |
JPS6012966A (ja) * | 1983-07-05 | 1985-01-23 | Taiyo Hakko Kk | ハニ−グレ−プワイン |
JPS62151172A (ja) * | 1985-12-04 | 1987-07-06 | Akashiba Midori | 清酒含有リキユ−ル |
JPS6349060A (ja) * | 1986-08-15 | 1988-03-01 | Nagano Pref Gov | 西瓜ワインの製造法 |
JPH01257462A (ja) * | 1988-03-16 | 1989-10-13 | Tomohei Sakaguchi | 果実酒とその製造方法 |
JPH05123154A (ja) * | 1991-07-29 | 1993-05-21 | Hiroaki Horitsu | 龍眼ワイン及び龍眼酢の製造方法 |
JPH05308947A (ja) * | 1992-05-01 | 1993-11-22 | Yamanashi Yakuken Kk | アロエワインの製造法 |
JPH078256A (ja) * | 1993-06-25 | 1995-01-13 | Yamanashi Yakuken Kk | 蓮ワインの製造法 |
JP2001197881A (ja) * | 2000-01-18 | 2001-07-24 | Takano Shuzo Kk | バナナを用いたアルコール飲料の製造方法 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003187748A patent/JP2005021032A/ja active Pending
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5489091A (en) * | 1977-12-27 | 1979-07-14 | Toutoushiyu Seizou Kk | Herb fruit wine |
JPS5558086A (en) * | 1978-10-25 | 1980-04-30 | Shigenobu Sawai | Method of making japanese sake containing fruit |
JPS57132875A (en) * | 1981-02-06 | 1982-08-17 | Kayashima Syuzo Kk | Preparation of alcohol-containing drink from kiwi fruit as raw material |
JPS6012966A (ja) * | 1983-07-05 | 1985-01-23 | Taiyo Hakko Kk | ハニ−グレ−プワイン |
JPS62151172A (ja) * | 1985-12-04 | 1987-07-06 | Akashiba Midori | 清酒含有リキユ−ル |
JPS6349060A (ja) * | 1986-08-15 | 1988-03-01 | Nagano Pref Gov | 西瓜ワインの製造法 |
JPH01257462A (ja) * | 1988-03-16 | 1989-10-13 | Tomohei Sakaguchi | 果実酒とその製造方法 |
JPH05123154A (ja) * | 1991-07-29 | 1993-05-21 | Hiroaki Horitsu | 龍眼ワイン及び龍眼酢の製造方法 |
JPH05308947A (ja) * | 1992-05-01 | 1993-11-22 | Yamanashi Yakuken Kk | アロエワインの製造法 |
JPH078256A (ja) * | 1993-06-25 | 1995-01-13 | Yamanashi Yakuken Kk | 蓮ワインの製造法 |
JP2001197881A (ja) * | 2000-01-18 | 2001-07-24 | Takano Shuzo Kk | バナナを用いたアルコール飲料の製造方法 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006064550A1 (ja) * | 2004-12-14 | 2006-06-22 | Toyo Shinyaku Co.,Ltd. | アルコール代謝向上剤及びアルコール飲料 |
WO2009016758A1 (ja) * | 2007-08-02 | 2009-02-05 | Biogenkoji Research Institute | ジュース又は果実酒の製造方法 |
JP5271906B2 (ja) * | 2007-08-02 | 2013-08-21 | 株式会社源麹研究所 | ジュース又は果実酒の製造方法 |
CN102002456A (zh) * | 2010-11-23 | 2011-04-06 | 张德高 | 一种猕猴桃果酒及其酿制方法 |
CN103497857A (zh) * | 2013-01-15 | 2014-01-08 | 陈树杰 | 一种具有丰乳健美功能的嘉宝果红酒及其制备方法 |
CN104178389A (zh) * | 2013-05-21 | 2014-12-03 | 广西田阳蒙发酒业有限公司 | 一种芒果酒及其生产方法 |
CN103351979A (zh) * | 2013-07-31 | 2013-10-16 | 张松波 | 芒果和木瓜复合果酒的制备方法 |
CN112107533A (zh) * | 2020-09-27 | 2020-12-22 | 广州妮趣化妆品有限公司 | 一种具有控油嫩肤并收细毛孔功效的组合物及其制备方法和应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107299013B (zh) | 一种制备低硫高酚类物质干红葡萄酒的生产工艺 | |
KR100989056B1 (ko) | 저알콜 복분자 스파클링 와인의 제조방법 | |
KR100897188B1 (ko) | 딸기주의 제조 방법 | |
CN104312846A (zh) | 一种木瓜酒及其制备方法 | |
CN108611231A (zh) | 一种浓郁型桑葚果酒的制造方法 | |
KR100797184B1 (ko) | 천연과즙을 이용한 과실맥주의 제조방법 | |
CN102120950A (zh) | 能去除苦味的红枣果酒的酿造方法 | |
KR100873717B1 (ko) | 참다래를 이용한 과실주의 제조방법 | |
CN107365655A (zh) | 一种苹果混汁发酵酿造干型发酵酒的方法 | |
CN105441268A (zh) | 一种黑老虎发酵型果酒及其酿造方法 | |
CN104560548A (zh) | 一种金樱酒及其制备方法 | |
KR100843358B1 (ko) | 구기자 주의 제조방법 | |
CN109055096A (zh) | 一种加强型柿子甜酒的制备方法 | |
CN104893896A (zh) | 一种拐枣酒及其制备方法 | |
KR101730913B1 (ko) | 무화과 와인 및 그 제조방법 | |
US20080193592A1 (en) | Method for preparing alcoholic beverage using incubated wild ginseng root | |
JP2005021032A (ja) | 果物蜂蜜酒の製造方法 | |
KR101438587B1 (ko) | 와인 부산물 막걸리 제조방법 및 이에 따라 제조된 막걸리 | |
CN104946451A (zh) | 一种李子酒及其制备方法 | |
KR100671905B1 (ko) | 호박막걸리의 제조방법 | |
KR100988378B1 (ko) | 산돌배 증류주 제조 방법 | |
KR100303191B1 (ko) | 인동초 발효주 및 그의 제조방법 | |
CN106434093A (zh) | 一种养胃野草莓葡萄起泡酒及其制备方法 | |
CN104946452A (zh) | 一种枇杷酒及其制备方法 | |
JPH10191955A (ja) | 柿ワインの製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090713 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090909 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100909 |