JP2004535246A - 液体量を制御しつつ局所的な灌注及び吸引を行うための液体交換システム - Google Patents
液体量を制御しつつ局所的な灌注及び吸引を行うための液体交換システム Download PDFInfo
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Abstract
【選択図】図1
Description
【0001】
本願は、2001年7月17日出願の米国仮特許出願第60/306,315号の一部継続出願である。
本発明の装置及びそれに関連した方法は、身体内部の検査、治療、及び撮像のために、注入量及び排出量を制御しつつ液体を注入及び排出することに関するものである。より詳しくは、本発明は液体交換装置をカテーテルと共に使用して、吸引及び灌注を行うことにより、閉塞が発生し、ないしは病変部が存在している血管の罹患領域などの、管状器官の内部の液体を選択的且つ局所的に交換するものである。本発明に係る装置、並びに、本発明に係る装置を使用して実施することのできる方法は、複数の要素から成り、それら要素は、各々を単独で利用することもできれば、それら要素を組合せて局所的な灌注及び吸引を実施するためのシステムとして利用することもでき、そのような局所的な灌注及び吸引は、例えば、血管などの身体器官の内部において、治療処置として実行することもあり、また、治療処置と並行して実行することもある。
【背景技術】
【0002】
灌注及び吸引は、多くの外科処置において重要なプロセスであり、通常、治療処置などの外科処置を実施する際に、その外科処置対象部位に対して液体の注入及び排出を選択的に行うために実行するものである。外科処置対象部位が身体器官の内腔や血管の内部である場合には、灌注及び吸引を実行するために特別の装置及び方法が必要とされる。灌注と吸引との両方を実行する様々な外科的及び経皮的システムが開発されており、それらシステムのうちにはカテーテルを使用したものもあり、そのカテーテルを導管として、身体器官の内腔や血管の内部の外科処置対象部位に対して、液体の注入及び排出を行うようにしている。容易に理解されるように、カテーテルを使用すれば、液体の灌注及び吸引を制御するための装置を体外に設置して、そのカテーテルの先端を外科処置対象部位に選択的に位置付けることにより、灌注及び吸引を身体内で選択的に実行することができる。この場合、開放手術の場合と同様に、灌注及び吸引それ自体を、外科処置対象部位における治療処置の一部として実施することもできる。
【0003】
カテーテルを使用した灌注及び吸引システムは、数多くの固有の特性を備えており、特に、そのようなシステムは、冠動脈や頸動脈などの血管に閉塞や病変が発生している場合に使用されるため、血管内で血栓を発生させたり、血栓を遊離させたりするリスクを伴うということがある。血管内治療処置に際して、血栓を発生させることは極めて不都合である。例えば、アテローム性動脈硬化症における血管内のプラーク病変部に対する治療処置としては、動脈内膜切除術、アテローム切除術、血管ステント留置術、バルーン血管形成術、病変部切除術、血管摘出術、OCT、透析シャント不全解消術、などがある。しかしながら、これら治療処置は、いずれも、病変部に対する処置として非常に有効なものではあるが、その処置の実行中に血栓を発生させる危険性をはらんでいる。心臓血管系に対する処置にもこのような危険性は付随しており、血管内壁から剥離したプラークが血流にのって脳へ運ばれると、重篤な脳障害が発生し、死に至ることもある。例えば、頸動脈の病変部に対する治療処置を実行するときなどには、大きな危険性が伴う。現在、頸動脈に対する処置を実行する際には、頸動脈内で発生させてしまった血栓や、頸動脈の病変部から剥離させてしまった血栓を捕捉するために、フィルタを使用するようにしている。しかしながら、頸動脈の病変部にフィルタを装着した場合には、それによって脳貧血ないし脳卒中を発生させてしまうことがあり、これについてはSchlueter et al. 2001, Circulation 104 (17) II-368を参照されたい。更に、頸動脈の病変部にガイドワイヤを挿入しただけでも血栓を発生させるおそれがあることが、研究の結果判明しており、これについてはAl-Mubarak et al.: Circulation 2001 OCT 23:104 (17): 1999-2002を参照されたい。更にまた、病変によっては、血栓を発生させてしまう危険性が余りにも大きいため、極めて重篤な患者以外には、治療処置を施さないということもある。慢性の全閉塞が存在している場合には、検査を適切に行えないことがあり、それは、閉塞物の下流側(末梢側)には器具が届かないため、閉塞物の除去に伴って発生する血栓を、血流にのって循環することがないように捕捉するということが不可能だからである。それゆえ、慢性の全閉塞を生じさせている閉塞物は、上流側から除去して行くしかないが、これは非常に困難である。従って、血管内や身体器官内腔内の治療処置に伴う血栓の発生の危険性を大幅に低減することができれば、在来の治療処置を、はるかに安全で、より広範な適用が可能なものとすることができ、また、新規な治療処置を実施することも可能になる。
【0004】
血栓を局所的に封じ込めて除去するための様々なシステムが提案されており、それらシステムは、血管の病変部の基幹側(上流側)と末梢側(下流側)とに配置した2個のバルーンを膨張させて、その病変部の両側を閉塞し、これによって病変部を封じ込めた上で、その病変部に対して治療処置を施すようにしたものである。治療処置が完了したならば、2個のバルーンの間の液体を吸飲することによって、剥離したプラークなどの血栓粒子を除去する。しかしながら、病変におかされた組織は、周知のごとく非常にデリケートであり、また、病変部に対して物理的な処置を施すため、病変部に対する治療処置に伴って血栓を発生させたり血栓を遊離させたりするおそれがある。血栓の発生や遊離は、傷つきやすい血管に器具を挿入する際には、常に懸念されることである。血管に器具を挿入することがあるのは、例えば、バルーンまたはステントを留置するとき、フィルタを留置するとき、それに、撮像や検査のためにカテーテルやガイドワイヤを挿入するときなどである。血管の内部の所定領域を閉塞して、血液及び注入した液体が血管に沿って流れることのない、周囲から隔離された領域とするような処置が多数存在している。また、血管に器具を挿入するときには常に、血栓の発生や遊離が懸念される。例えば、動脈内にステントを留置するときには、ステント留置位置より下流側にフィルタを配置して、ステントを拡げて血管内壁のプラークや病変部に係合させるときに発生する血栓を、そのフィルタで回収するということが行われている。病変部の下流側に挿入物を留置ないし配置する場合には、器具が病変部を通過することになる。病変部を通過するときには必ず、多かれ少なかれ血栓を発生させることになる。このようなシステムは、挿入物を配置ないし留置することに伴うリスクから患者を保護することができない。更に、ステントの留置が完了したならば、フィルタを除去する必要があり、その際には、血管のステント装着位置を通過させてフィルタを引き抜くことになる。その場合に、フィルタが血管にあたって血栓を遊離させるおそれや、フィルタがステントにあたるために、ステントの位置をずらしたり、血栓粒子を遊離させたりするおそれがある。閉塞部材を使用する方法には、その閉塞部材の種類にかかわらず短所が付随している。血管内の閉塞部材として挿入物を使用するときには、その挿入物が血管を内側から変形させるようにすることで、その挿入物の外周部と血管の内壁面とが密着するようにしなければならない。例えば、バルーンを挿入する場合には、血液及び血栓がバルーンを通過して流れることのないように密閉状態を得るために、バルーンを膨張させる際にバルーンが血管を変形させることになり、その結果、バルーンと血管との密着箇所及びその周囲において、プラークが剥離するおそれがある。更に、バルーンで形成した閉塞領域の外側で剥離したプラークは、そこには血栓を除去する手段が備えられていないために、血流にのって移動するおそれがある。そのため、病変部の上流側で灌注及び吸引を行うことが非常に重要である。
【0005】
血管内に周囲から分離した領域を形成するためには、2個のバルーンを使用するシステムを採用する。ただし、このようなシステムにも不都合が存在し、それは、血管の病変部の前後で膨張させて使用したバルーンを除去した後に、その血管の病変部に再び流れはじめる血流の性質によるものである。バルーンと血管との接触部では、バルーンに押されてプラークが圧縮されるため、血管内の血流が再開したときに、そのプラークが剥離するおそれがある。更に、多くの医師が観察していることであるが、病変部の下流側(末梢側)領域の方が、上流側領域よりもプラークが形成されやすい。従って、病変部より下流側に閉塞部材を配置する以上、それによって形成された血栓が血管内を流れて行く危険性を払拭することができない。この危険性は、バルーンを2個使用する場合に特に大きく、なぜならば、この場合、下流側に配置するバルーンは、そのバルーンを使用することによって形成される血栓を除去するのに好都合なように配置することができず、しかも処置が完了したならば、病変部を通過させてそのバルーンを除去しなければならないからである。病変部の下流側にバルーンのような閉塞部材を配置して処置を行う場合には、その処置が完了してその閉塞部材を除去する際に、病変部を通過させて引き抜く以外にないため、病変部を通過させることによって発生するこの不都合は、避けようのないものである。そして、閉塞部材が病変部を通過するときには、その閉塞部材を萎ませてある場合であっても、更なる血栓を形成してしまう大きなリスクが付随する。
【0006】
更に、2個のバルーンを配置するには、バルーンを1個しか使用しない場合と比べて、バルーンを膨張させるのに要する時間が長くかかる上に、2個のバルーンを膨張させるためにカテーテル内にルーメンを増設しなければならないことから、装置の複雑度も増大する。また、頻繁に発生することではないが、血管内の所定領域に血栓を封じ込めるために病変部の下流側に配置する閉塞部材が機能不全を起こし、血栓が血流にのって流れてしまうということも観察されている。2つ目のバルーンは、血管の病変部から下流側へ血栓が流れて行くのを防止するために使用しているものであるため、このバルーンが機能不全を生じると、処置を施している患者の健康を脅かす重大事となる。更に、構造上の理由から、第2のバルーンには、ガイドワイヤとしての機能が与えられていることが多い。血管内での治療処置ないし検査処置を実施するために、血管内に器具を挿入して行くときに、このバルーンが、血管壁を損傷させてしまうおそれがある。また、器具の挿入操作や、下流側に配置するバルーンの様々な操作によって、そのバルーンが萎んでしまったり、血管の内部におけるそのバルーンの開存性を喪失させてしまうことがある。
【0007】
バルーンを病変部の下流側に配置するときには、バルーンが病変部に接触することによって、血管壁を損傷させるおそれがある。そのため、血管内でバルーンを使用するときには、バルーンを血管壁に長時間に亘って接触させておかないようにし、また、強く接触しないようにすることが望ましい。バルーンなどの閉塞部材を病変部の上流側に配置して病変部を隔離することが望ましい。これを達成するためには、灌注及び吸引機能が、閉塞部材より下流側に配置される構造によって提供されるようにすることで、閉塞部材を病変部の上流側に配置して、吸引及び灌注機能が閉塞部材より下流側で実行されるようにする必要がある。
【0008】
カテーテルを使用して灌注及び吸引を行うようにした在来の方法でも、液体流量と、閉塞部材に対する吸引口及び灌注口の相対位置とは、所与の処置における生理学的結果にとって重要である。例えば、単に吸引することである血管部分から血液及び血栓粒子を除去しようとしても、実際に排出できるのは、その血管部分に満たされていた血液の一部だけであり、また、たとえその部分の血液の全てを排出することができたとしても、血栓は除去されずにそのまま残ることがある。血管の内部に存在するプラークなどの固形成分は、互いに付着し合おうとする性質を有し、また、粒子状になった血栓は血管の内壁面に付着しようとする性質を有する。従って、液体交換能力に乏しいシステムは、血栓を完全に除去できる可能性は殆どない。更に、治療処置を実行しているときには、血管の内壁面に様々なものが接触するため、血管内を流れる血流が勢いよく再開したときに、更に多くの粒子が剥離する可能性が高い。
【0009】
血管内や身体器官内腔内の吸引及び灌注のためのシステムは、その液体交換及び流量に関するパラメータが、通常の生理機能におけるそれらパラメータと同様のものとなることが望ましく、また、血栓などの固体粒子の除去能力に優れた乱流を発生させるようなものであることが望ましい。かかるシステムは、吸引及び灌注を行うためのカテーテルと、カテーテルに接続されて好適な液体流量などの液体に関するパラメータを実現する液体交換装置とを必要とする。血管内処置には様々な種類のものがあり、また、病変部の部位も様々であるため、かかる灌注及び吸引システムは、血管の長手方向における、灌注の流量及び吸引の流量を制御する液体交換装置の操作によって血栓が形成される可能性がある領域において、カテーテルの位置を適切に選定できるものとすることが好ましい。カテーテルのこの機能は、別体で移動可能jに下、灌注及び吸引カテーテルを有する、シングル・バルーン・システムとすることによって、最も容易に実現することができる。
【0010】
先に説明した従来のツー・バルーン・システムでは、2個のバルーンを病変部の基幹側と末梢側とに配置して血管の所定領域を上流側及び下流側から分離するようにしており、それら2個のバルーンを配置したことによって画成された領域においてだけ、液体を流すようにしている。血管に対する治療処置が、ステントを装着したり、血管内のプラークに対して処置を施すようなものである場合には、特に大きな問題が発生し、なぜならば、そのような治療処置においては、その治療処置の一部として病変部に対して物理的に処置が施されるからである。そのような治療処置においては、血管が拡張され、血管内の血流が増大する。このような状況においては、血管の病変部より末梢側の領域に、一旦バルーンが押付けられ、そのバルーンが取り除かれたならば、処置前よりも大きな流量の血流にさらされることになる。通常の患者では、数年かけてプラークが堆積することで徐々に閉塞した血管が、病変部に対する治療処置によって拡張され、また、この治療処置は病変部の上流側から行われて、病変部の下流側の領域の血管内壁は、この治療処置が完了したときには、血管が閉塞しはじめて以来数年に亘ってさらされたことのない大きな流量の血流にさらされることになる。そのため、病変部の下流側の血管内壁に付着していたプラ−クが血流の再開により剥離し、血流にのって循環することによって、重篤な障害を発生させるおそれがある。
【0011】
開放手術に関して通常実行されている灌注及び吸引と同様に、カテーテルを使用した従来の灌注及び吸引システムによって実行されている灌注及び吸引において、その灌注及び吸引の制御は、カテーテルの灌注ルーメンに加える正圧の大きさと、カテーテルの吸引ルーメンに加える負圧の大きさとを設定することによって行われており、灌注ルーメンの正圧がカテーテルの先端に伝達されることで注入が行われ、吸引ルーメンの負圧がカテーテルの先端に伝達されることで排出が行われている。ただし、血栓除去量を最大にし、血管からの液体排出速度を最大にし、それによって、血管内の液体交換が生理学的に最も適切に行われるようにすることのできる、特定の流量値を実現するには、特別の液体交換装置を使用して、システムの灌注機能に関する流量値と吸引機能に関する流量値とを制御できるようにする必要がある。
【0012】
望ましい灌注及び吸引システムは、身体内の治療、検査、または撮像の用途に用いられているその他の装置に付加することができるものであって、そのシステムの機能を、血管内処置の安全性を向上させるために適用されているその他の技術と併用できるようなシステムである。灌注及び吸引以外のその他の装置とは、病変部の下流で血栓を物理的に捕捉するための装置などであって、典型的にはフィルタを使用した装置などである。しかしながら、フィルタには、完全に払拭し得ない本質的な不都合が付随している。例えば、フィルタの孔径は一般的には100ミクロン程度であり、これより小さな血栓粒子はフィルタをすり抜けてしまうが、フィルタの孔径をこれ以下にすると、赤血球や白血球などの生理学的に重要な成分をフィルタが捕捉してしまうため、フィルタの孔径をこれ以下にすることはできない。一方、孔径より大きな粒子を捕捉することによってフィルタは目詰まりをおこし、フィルタ自体が閉塞部材となってしまい、フィルタを通過する血流を妨げるようになる。更に、閉塞部材に関して上で述べたように、フィルタを血管内の病変部の末梢側(下流側)に挿入した場合には、フィルタを除去する際に血栓を発生させる幾分のおそれがある。更に、病変部にステントを留置した場合には、フィルタを血管内で移動させてステントの留置箇所を通過させようとするときに、そのフィルタがステントがひっかかったり、そのフィルタでステントをずらしてしまうおそれがある。
【0013】
本明細書において説明する、本発明の好適な実施の形態に係る装置は、血管内処置に使用するものであるが、ただし、本発明に係る装置及び方法は、身体内の血管以外の部位に対しても適用可能であり、例えば、耳腔、腸管、消化管、気管、気管支、軟骨洞、及びその他の身体内の管状器官の内部などの、身体内の内腔であって、灌注液及び吸引液の液量を制御しつつ局所的な灌注及び吸引を行うことが望まれるような、あらゆる部位に対して適用可能である。例えば、腸管内視鏡検査において、検査対象部位を目視検査するために内視鏡を挿入することがある。このとき、腸管は液圧変化に反応するため、視野内の領域を洗浄しようとしている間に、検査対象体組織が移動してしまうことがある。この検査状況において、液量を制御しつつ洗浄液を注入するとともに、その洗浄液の注入量に対応した液量の汚濁液を吸引するようにするとよい。このようにすることで、検査を行っている間、検査対象組織を視野内にとどめることができる。撮像に関しては、造影剤を注入すると同時に、その造影剤の注入量に対応した液量の血液ないしその他の体液を排出させるようにすれば、血管ないし身体器官を、通常の体液流量(血流量)レベル及び液圧(血圧)に維持することができる。撮像が完了したならば、同じシステムを使用して、撮像対象部位に、より自然の体液(血液)に近い液体を注入して、身体にとっては異物である造影剤を排出させるようにする。血管内に造影剤を注入するには、現在、撮像用の「ピッグテイル」カテーテルが使用されているが、放射線造影用の造影剤は、ある程度の毒性を有することが知られている(Solomon, Kidney International, 1998, vol. 53, pp. 230-242)。本願の発明者らが提案する方法で、視野内に造影剤を注入し排出するようにすることによって、患者の造影剤に対する曝露を大幅に抑制することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、例えば血管の内部をはじめとする、身体内の内腔の内部または管状器官の内部などの所定領域において局所的に、制御された液体量で灌注及び吸引を行えるようにするものである。血管の内部において灌注及び吸引を行う場合、その灌注及び吸引の対象領域は、例えば、治療処置を行おうとする対象部位、バルーン配置部位の基幹側(上流側)領域、外科処置を施そうとする病変部とその基幹側及び末梢側(下流側)とを含めた血管部分、検査処置または治療処置のために染色剤や血栓溶解剤などの液体を注入する領域、それに、慢性の全閉塞が発生している領域などである。灌注と吸引とは同時並行的に実行されるため、本発明に係る液体交換装置は、灌注液の液体量と吸引液の液体量とを同時に制御できるようにしてあり、また、流速と流れ特性とを制御することができる。これらを制御する上では、電子的な制御システムを用いて流速を制御するようにしてもよく、或いは、ユーザが手動操作することによって、灌注液及び吸引液の流れを制御するような構造とするようにしてもよい。カテーテルと液体交換装置とを組合せて本発明に係るシステムを構成する場合には、それらを組合せることで、血管内の病変部の治療ないし検査のための独自の機能が得られる。例えば、病変部の切除、ステントの留置、血管の拡張などの血管形成術、病変部に対する治療処置、等々を実行するのに先立って前処置を施すために利用することなどが可能である。検査に関する具体例としては、染色剤などの検査用マーカーを、閉塞部材より下流側で病変部より上流側に注入することなどが可能であり、このようにすれば、萎ませたバルーンを病変部を通過させて引き抜く必要がなくなるため、それによる病変部の損傷のおそれを回避することができる。また更に、これが可能であることから、病変部より下流側で閉塞部材を膨張させる必要のある治療処置に関するリスクも、大幅に低減することができる。安全率が高まるため、血栓を形成してしまうリスクを負うことなく、検査処置を容易に実行することが可能となり、従って、このようなシステムは治療処置のための機器に好適に組合せることのできるものである。
【0015】
本発明に係るシステムに使用するカテーテルは、液体交換装置に接続して使用することによって、所望の液体量で、液体を供給ないし回収するのに適したものである。このカテーテルは、吸引液と灌注液との両方の流れを制御することのできる液体交換装置に接続して使用するとき、その液体交換装置と協働して、制御された液体量での灌注及び吸引を局所的に行えるようにするものである。例えば、本発明に係る液体交換装置によれば、供給する灌注液の液体量及び回収する吸引液の液体量をユーザが制御することができ、また、本発明に係る液体交換装置は、特別の構成のカテーテルを使用することによって、優れた流れ特性を実現するものであり、それによって、血管などの身体内の内腔の液体を定量的に交換することができ、また、閉塞部材で画成された領域内に所定の流れ特性の液体の流れを作り出すことができる。従って、本発明の液体交換装置が提供する吸引及び灌注機能は、例えばバルーン形の閉塞部材やフィルタなどの既存のデバイスと組合せて利用することができ、また、他のデバイスと組合せずに、カテーテル式の液体交換システムとして、単独で利用することも可能なものである。従って、本発明にかかる液体交換装置の液体交換機能を、例えばストレート型カテーテルやフィルタなどの既存のデバイスに付加するようにしてもよく、或いは、既存のデバイスを本発明の液体交換装置に付加するようにしてもよく、いずれの場合も、ここに説明する本発明の優れた灌注及び吸引機能を利用することができる。例えば、治療処置または検査処置に要する時間を短縮するためには、灌注機能を提供するカテーテルを血管形成術を実施するために用いるカテーテルと一体化するとよい。
【0016】
そのように一体化した場合には、本発明に係る灌注及び吸引機能を提供する部分を、血管形成術に使用するバルーンより末梢側に配置して、血栓の排出機能を強化するようにするとよい。更に、灌注ルーメン及び吸引ルーメンの配置に関しては、吸引口を閉塞部材より基幹側と末梢側の両方に配置することで、血管の病変部において灌注口から直接に吸引口へ流れる液体の交換が行われるようにすることもできる。本発明の幾つかの好適な実施の形態のシステムでは、カテーテルによって、血管内に層流ではなく乱流を発生させるようにしている。即ち、身体内の液体交換領域においてだけ、局所的に乱流を発生させるようにしているのである。乱流状態では、流れの中の個々の点における流れ速度が高い周波数で不規則に変動することから、層流状態と比べて液体がはるかに強力に攪拌される。また、乱流状態が好ましい理由は、血管内壁の近傍でも流れが十分な速度を有していることから、液体交換が強力に行われ、また、粒子状物質を剥離させる作用も強力であることによるものである。液体の流れを血管の内壁に到達させるには、カテーテルから内壁へ向けて灌注液を噴出する向きの灌注口を設けるようにすればよい。そのためには、カテーテルの灌注ルーメンの先端部の外壁から垂直に灌注液を噴出する向きの灌注口をカテーテルに設けるようにする。吸引ルーメンが誘起する流れは層流状態であってもよい。これによって、血管の内壁に沿った部分が層流状態となる。
【0017】
また、乱流状態では、流れの中の個々の点における流れ速度が高い周波数で不規則に変動することから、層流状態と比べて液体がはるかに強力に攪拌される。このことは、液体交換対象部位から固体粒子を排出する上で非常に好都合である。乱流が発生していなければ、血管の内壁面やルーメンの壁面に沿った位置での流速は略々0になる。固体粒子を完全に排出したり、液体を完全に交換したりするためには、液体の混合が強力に行われるようにする必要がある。血流の混合が血管の内壁付近でも行われるようにするには、乱流状態にすればよい。本発明を用いて乱流状態を発生させることは、血管にとってもよいことであり、なぜならば、本発明では、勢いの強い注入システムを使用しないため、そのような注入システムによる注入液の勢いの強さや以上に大きな流量によって血管が損傷するというリスクが、本発明によれば発生しないからである。
【0018】
簡潔に述べるならば、層流を乱流にすることによって、流速分布はより一様になり、しかも流速が大きくなり、その結果として、境界層における液体粒子が、分離が発生する前により下流まで移動するようになる。乱流は灌注領域において局所的に発生し、灌注ルーメンの灌注口の寸法及び方向に応じて発生する。
【0019】
システム全体としての液体交換比及び流速は大きく変わることはなく、なぜならば、乱流状態となるのyは、灌注口の近傍の局部領域だけだからである。しかしながら、同じ流量であれば、層流と比べて乱流では、血管内の流速分布がより一様になる。そのため、血栓が付着している血管内壁面の近傍の流速が大きくなる。生理学的観点からは、血栓は、層流中よりも乱流中の方がはるかに剥離しやすい(Berne & Levy, 2001, Cardiovascular Physiology, p. 126)。
【0020】
流速は粘性に影響されるため、灌注によって液体を注入することによって吸引領域における流速を増大させることができる。例えば、血管の直径が0.3mm以上の場合、血液による粘性抵抗は水の粘性抵抗の5倍になる(Berme and Levy, p. 129、図5-14)。乱流とすることと、液体を注入することとによって、その他の方法では達成できない様々な流れを実現することができる。
【0021】
当業者には容易に理解されるように、本発明が提供する液体交換機能及び流れ特性は、灌注及び吸引を行うための様々なシステムに組込むことができ、また、固体粒子を含有する液体を所定の排出速度で排出することが望まれるような、略々あらゆる生理学的用途に用い得るものである。既述のごとく、本発明が提供する優れた流れ特性は、バルーンなどの閉塞部材の配設位置に対して適当な相対位置とすることができ、その閉塞部材の上流側と下流側とのいずれからも固体粒子を含有した液体を好適に排出することができるものである。また、本発明に係る装置のカテーテルは、本発明に係る装置の液体交換機能に関連して、染色剤、治療用薬剤、検査用薬剤を排出するのに適した位置に配置することができる。
【0022】
本発明の1つの好適な実施の形態においては、血管の病変部の上流側の所定の領域において灌注と吸引の両方を行うことができ、この場合、病変部の下流側に閉塞部材を配置せず、そのため、閉塞部材の挿入及び除去に際して閉塞部材を病変部を通過させる必要がない。カテーテル式のシステムでは、その構造上、単一のカテーテルで吸引と灌注の両方を行うことができ、その他の装置を併用しているか否かにかかわらず、血管内でカテーテルを移動させることがある。閉塞部材を併用する場合には、灌注部及び吸引部を血管内の病変部の上流に配置し、吸引部と灌注部の両方を備えた単一のカテーテルを病変部の上流側領域へ移動させて、病変部の上流側で閉塞部材の下流側において灌注機能及び吸引機能を実行するようにするとよい。同様に、下流側に器具(フィルタや閉塞バルーン)が配置されているときには、このシステムは、以下の好適な医療上の利点をもたらすものとなる。灌注口を吸引口の上流側に位置させることによって、血流方向と同方向に流れる局所的な液体の流れによって血管内の灌注を行うことができる。これによって、血栓を剥離させて下流側の閉塞部材ないしフィルタの方へ流し、そこに配置した吸引口で血栓を吸収することができる。在来のフィルタないしバルーンと併用することによって、能動的灌注により血栓を除去することができる。この実施の形態によれば、血管内の処置を施す部位の上流側を閉塞する必要がなく、そのことが利点となっている。
【0023】
この実施の形態に係る装置は、治療処置、外科処置、撮像処置、または検査処置の実行中に発生する気仙を除去する手段として利用することができる。本発明によれば、目標部位の血管の径と血流量とが分かっている場合に、その血管の部位から血液を排出するのに適した液体交換を実行することができる。この実施の形態に係る装置は、簡単な機構を用いて、これを実行できるようにしている。基本的な用途においては液体交換体積比を1:1にするが、液体交換体積比を1:1以外にすることも可能であり、脈流によって液体交換を実行するようにすることも可能である。
【0024】
本発明における制御機能は、灌注液の注入量及び吸引液の排出量を所望量ないし所定量にするものであり、注入及び排出はカテーテルを介して行われ、このカテーテルは、先端に灌注口を有する灌注ルーメンと、先端に吸引口を有する吸引ルーメンとを備えている。このカテーテルの構成と、液体交換対象部位における液体の流れ特性とによって定まる、血管などの管状器官の内部の血流ないし体液の流れは、血栓などの塞栓を好適に排除することのできる流れとなり、また、血管ないし身体の管状器官の所定部位における血液ないし体液を、所望の排出量で排出することを可能にするものである。好適な1つの実施の形態においては、液体交換装置に接続されたカテーテルによって、血管などの管状器官の内部の、吸引ルーメンの吸引口より上流側に乱流を発生させるようにしている。以下に詳細に説明するように、灌注ルーメンの灌注口の大きさ及び向きによって、液体の流れ特性が変化するため、指定流量、指定液体量、渦流の有無、乱流の有無、それに体内における液体交換体積比を、診断、治療、撮像などの具体的な用途に適合するように、また、血管ないし体内器官の状態に適合するように、適切に設定することができる。本発明の実施の形態の多くは、動脈系に挿入して使用するものであり、その灌注機能及び吸引機能を適宜設定することで、心拍によって血管内に発生する脈動する血流と同様に、灌注液を血管内で脈動流の状態で流動させることができる。本発明の吸引機能及び灌注機能を利用して、血管内の液体の流れを脈動流として液体交換を行うことが有利であるのは、それによって、血管内壁に触れる液体の流れが、本来の血流と同様の流れとなるからである。この方法によれば、治療、検査、撮像などの処置が完了した後に再開する血流の流れと同様の液体の流れが、本発明に係る液体交換装置による灌注及び吸引プロセスを実行している間に、既に存在しているため、それら処置が完了した後に遊離するおそれのある血栓を、本発明に係る液体交換装置による灌注及び吸引プロセスを実行している間に遊離させることができる。
【0025】
後に更に詳細に説明するように、本発明によれば、液体交換体積比を所望の値にすることができ、液体交換体積比の値は、例えば、血栓を積極的に遊離させるために乱流を発生させる場合には、血管を損傷させるおそれを回避することのできる1:1の値とするとよい。本発明の装置によれば、局所的に乱流を発生させることができ、その流量と乱流発生位置との両方を制御することができ、更に、既存の装置と比べて、より大きな流量及びより大きな流速を実現することができる。血管グラフトの内部で乱流を発生させる場合の適切な目標流量は1cc/secであり、頸動脈の内部で乱流を発生させる場合の適切な目標流量は最大で2cc/secである(Louagie at al., 1994, Thorac Cardiovasc Surg 42(3):175-81、Ascher et al., 2002, J Vasc Surg 35(3):439-44)。
【0026】
既述のごとく、本発明の利点の1つとして、カテーテルによる液体注入位置の近傍において、局所的に乱流を発生させることができるということがあり、それによって、血管内における液体交換を促進して、血管の内壁に弱い付着力で付着している血栓粒子を、積極的に剥離させることができる。この利点は、カテーテルの構造と、液体交換装置の特別な構造及び機能とによるものであり、カテーテルの構造は、血管ないし身体器官に対する液体注入位置及び液体排出位置に影響を及ぼし、液体交換装置の構造及び機能は、本発明のカテーテルと組み合わさることによって、優れた液体交換特性及び液体流れ特性をもたらす。例えば、略々円筒形の通常の血管の場合、その血管の所定の長さの部分から液体を排出しようとすると、その血管の円筒形の中心部分を流れる層流が発生し、その血管の内壁近傍の液体は僅かにしか流れない。これに対して、血管へ灌注液を注入する際に乱流状態が発生するようにすることで、それまで血管内に存在していた液体を灌注液に交換する際に、血管の内壁近傍の液体とも良好に混合が行われるために、液体交換がより良好に行われ、また更に、血栓粒子の排出能力も強化される。
【0027】
本発明に係る液体交換装置の性能は、以下に説明するように、その構造により様々なものとなるが、液体交換装置と灌注/吸引用カテーテルとを組合せて液体交換を実行することによって、血管内の所定部分灌注液を注入し、その所定部分から液体を排出することができる。後に更に詳細に説明するように、システム全体は液体交換装置とカテーテルとで構成されるものであり、液体交換装置は機械的、電子的、またはそれら両方式の液体交換構造を有し、それによって所定の軸心方向移動を所定液体量の液体交換に変換し、単位長さの軸心方向移動に対する血管内の液体交換量は既知である。液体交換装置の幾つかの好適な実施の形態は、実質的に閉じた系と成っており、灌注液を収容したリザーバと吸引液を収容したリザーバとが組合わされて、血管内の液体交換対象部位を除いて実質的に「閉じた」系を流れて、既知の液体量で液体交換が行われる。本発明のシステムが「実質的に閉じた系」を構成しているため、灌注液の注入量と吸引液の排出量とが所定の比となり、この比からの逸脱分は、身体内の液体交換対象部位に残留する液体量によるものとなる。例えば、本発明のシステムを使用して、血管に対する灌注及び吸引を実行する場合に、このシステムが実質的に閉じた系を構成していることから、注入される灌注液の液体量と排出される吸引液の液体量との差が、意図的に血管内に残される液体量となる。液体交換装置の液体交換体積比を1:1に設定したときには、注入される液体の体積と排出される液体の体積とが略々等しくなる。この液体交換装置は更に、間欠的な流れを発生させるように動作させることも可能である。この場合、液体交換対象部位における液体交換量が既知となることから、医師は、液体交換対象部位へ注入される灌注液の液体量と、液体交換対象部位から排出される吸引液の液体量とを確実に知ることができる。
【0028】
本発明の液体交換装置は、その1つの実施の形態においては、灌注液と吸引液との間の液体交換体積比を1:1としたとき、血管ないし身体器官へ注入する液体量とそこから排出する液体量とを完全に一致させることができる。本発明の液体交換装置の位置及び運動を制御して、液体を排出しようとする血管部分の中をカテーテルを進めて行くことによって、その血管部分の内部の液体を完全に交換することができる。このプロセスを実行する際に、治療上の観点から望ましい幾つかの利点が得られる。第1に、血管内を流れる液体の状態が、通常の血流と同様の流れとなること、即ち、その流量が、血圧の変動によって発生する脈動流と同様に変動するものとなり、また、流動状態が乱流になる。このことは、幾つかの特徴をもたらす。第1に、液体交換プロセスにより発生する血管内を流れる液体の乱流状態は、心拍により発生する血流の乱流状態と同様のものである。第2に、液体交換が、液体を脈動流として流しながら行われるということは、心室収縮により発生する圧力変動と同様のものであり、血液が動脈系を流れるときの通常の流れと同様のものである。更に、これら特別の流れ特性は、血管内に大きな圧力上昇を発生させることなく、従って、大きな液圧がかかって血管が拡大することなく、達成されている。従って、制御された液体量で灌注及び吸引を行うことによって、血管内の液体の流れの状態を、本来の血流の状態と同じにすることができるのである。
【0029】
本発明の液体交換装置は、注入する液体の量及び排出する液体の量を所定量とすることができるため、医師は、灌注及び吸引を実行する血管部分の容積及び長ささえ分かれば、その血管部分を完全に洗浄したか否かを確実に判断することができる。例えば、所定長さのある血管部分の容積が20mlであったものとする。本発明の装置は、その所定長さの血管部分に、20ml以上の、または20ml以下の、または20mlの灌注液を注入することができる。医療目的に応じて、液体交換体積比を変更して、その比の値を小さくすれば、排出液体量が増大する。例えば、注入する灌注液の液体量を1体積とするとき、システムの吸引部を介して排出する吸引液の液体量を2体積とすれば、吸引液に対する灌注液の体積比である液体交換体積比は1:2になる。
【0030】
好適な実施の形態においては、液体交換装置は、制御された液体量で液体交換を行う際の、その吸引液に対する灌注液の体積比である液体交換体積比の値を、1:1とすることもでき、また、その値を1:2から2:1までの間の所定の値にすることもできるようにしてある。液体交換体積比を所定の値にするには、液体交換装置の内部に構成する灌注液リザーバ及び吸引液リザーバの容積を所定容積とするという手段を用いることが好ましい。ただし、本発明の液体交換装置は、装置の動作を制御することによって、液体交換体積比の値を最小値から最大値までの間で変化させるように構成することも可能である。手動操作式の実施の形態では、液体交換装置を1回手動操作するごとに、カテーテルの灌注ルーメンに接続した流出口から所定量の液体が送出される。更に、液体交換装置から送出される灌注液の体積に応じて、所定の容積増大を発生させるようにした吸引リザーバを組合せるようにしてもよい。
【0031】
液体交換装置のこれら特性の制御を可能にしているのは、この液体交換装置が通常のカテーテルを接続するように構成されており、また、液体交換対象部位において乱流を発生させるように構成されていることによるものである。この液体交換装置の流量制御機能は、カテーテルと組合せた場合には、液体交換装置が、血管などの管状器官の内部における長手方向のカテーテルの移動を制御することが可能になる。この実施の形態では、カテーテルは、移動機構を介して液体交換装置の操作部材に接続され、液体交換装置を操作するごとに、カテーテルが自動的に前進または後退するようにすることができる。従って、液体交換対象部位において所定量の液体が交換されると同時に、カテーテルの吸引ルーメンや灌注ルーメンが所定移動量だけ前進または後退することになる。これによって、液体交換装置の操作を反復すると、灌注部及び排出部が間欠的に移動し、それによって、所定距離において略々定量的な液体交換が行われる。以下の説明から明らかなように、本発明のこの特徴によれば、血管のおおよその寸法が分かっていれば、閉塞部材より下流側に注入し、ないしは閉塞部材より下流側から吸引して排出する液体の注入量ないし排出量を所定量とすることができる。その他の実施の形態と同様に、このシステムを動作させることによって、カテーテルを介して加圧及び除圧することによって、脈動流による液体交換を行うことができる。
【0032】
本発明のカテーテルを介して液体交換対象部位への灌注液の注入及び液体交換対象部位からの液体の吸引を行う際に、所定量の液体を注入及び吸引できるようにするための液体交換装置の構造は様々なものとすることができる。本発明の実施の形態のうち、特に構造の簡明なものは、手で握る圧搾可能な球を使用したものであり、圧搾可能な球の内部を膜壁で仕切ることによって、灌注液リザーバと吸引液リザーバとを画成し、それらリザーバに灌注ルーメンと吸引ルーメンとを接続して液体交換対象部位に連通させるようにしたものである。この実施の形態では、灌注側と吸引側との各々に一方向弁を設けて、吸引液が液体交換対象部位へ逆流しないようにすることが望ましい。別の実施の形態として、手動操作するように構成した液体交換装置において、灌注液リザーバに圧力を印加するようにし、この灌注液リザーバに接続した灌注ルーメンの少なくとも1つの灌注口を、カテーテルの先端に設けるようにしたものがある。カテーテルは、更に、吸引液を吸引液リザーバへ導入するための吸引ルーメンを備えており、この吸引ルーメンは、灌注ルーメンと一体としてもよく、別体としてもよい。この実施の形態では、手動操作によって灌注液リザーバの容積を減少させることによって、灌注液が送出され、その手動操作力は、同時に、吸引液リザーバの容積を増大させ、それによって、灌注液リザーバから吸引液リザーバへ、所定量の液体が受渡される。
【0033】
医療機器の分野の当業者には容易に理解されるように、本発明の全ての構成要素は、生体適合性材料で構成され、通常は、医用プラスチックやステンレス鋼などの材料が用いられる。以下に述べる注射器は、通常の医用注射器であってもよく、或いは、液体交換装置に交換可能に装着することが容易であるように特別に設計した注射器としてもい。液体交換装置と一体に形成する灌注液リザーバには、予め灌注液を充填しておくようにしてもよく、或いは、灌注液を充填した注射器を使用して灌注液を供給するようにしてもよい。ステンレス鋼製の装置も、また、医用プラスチック製の装置も、いずれも滅菌処理が施される。一般的に、ステンレス鋼製の装置は、オートクレーブの中で高温蒸気にさらすことで滅菌する。医用プラスチック製の装置は、ガンマ線を照射したり、EtOなどの殺菌剤にさらすことで滅菌する。本発明の方法は、本発明のシステムの全体またはその構成要素を使用した後に、その使用したシステムの全体またはその構成要素を殺菌し、再包装して次回の使用に備えるものである。プラスチック製の装置は1回だけの使用のためのものであるが、装置を患者に使用した後に、殺菌して再使用可能にすることもある。
【0034】
1つの好適な実施の形態として、手持型の手動操作式の装置がある。この装置は引き金を備えており、その引き金を引くことによって、灌注液をカテーテルを介して注入し、また、回収液をカテーテルを介して吸引することができ、しかもそれら灌注液及び回収液の液体量を制御することができる。手持型の実施の形態としたこの装置は、引き金とハンドルなどで構成した操作機構を備えており、ハンドルを握って引き金を手動操作によりハンドルの方へ引くことによって、灌注液リザーバの容積を減少させることができ、それによって、灌注液リザーバの中の灌注液を、灌注ルーメンを介して送出し、カテーテルの先端の1つまたは複数の灌注口から注入することができる。こうして液体交換対象部位へ供給された灌注液は、1つまたは複数の吸引口から吸引され、吸引ルーメンを介して、液体交換装置の吸引液リザーバへ回収される。灌注液及び/または吸引液は、密閉したリザーバ貯留するようにすることが好ましく、リザーバは、例えば、ピストンとロッドとを備えた円筒形容器から成るものであり、ピストンを操作部材に機械的に連結したものである。操作部材を操作すると、その運動がピストンに伝達されて、灌注液リザーバの容積を減少させ、吸引液リザーバの容積を増大させる。操作部材の操作によって吸引液リザーバの容積が増大することから、吸引ルーメンを介して液体が吸い込まれ、吸引液リザーバに回収される。この実施の形態では、引き金の操作によって、液体の供給及び吸引が行われるが、液体の供給量ないし吸引量は、どのような連結機構を使用しているかによって異なる。引き金を1回操作すると、灌注液リザーバ及び/または吸引液リザーバに力を加えるピストンがその操作に応じた1回分の動作をする。例えばラチェット及びギアから成る機構、レバー及び揺動軸から成る機構、等々の一般的な連結機構を使用することで、手動操作式の液体交換装置は、灌注ルーメン及び吸引ルーメンを介して行う液体交換における交換液体量を直接的に制御することができる。液体量の制御並びにその他の特性の制御は、様々な構造により達成することができる。例えば、以上に述べた手持型の装置の他に、システムの吸引側と灌注側の両方において液体の流れを発生させるために必要な力を、足踏式ポンプ、真空ポンプ、或いは、制御可能な液体の流れを発生させる任意の構成部品を使用して実現することができる。更に、システム全体としての動作の再現性を確保するために、コンピュータ制御式のコンソールを使用して、コンピュータがソフトウェア・プログラムに従ってコマンドを発することによって、交換液体量を一定にしたり、液体交換体積比などの液体交換特性を一定にすることもでき、この方式によれば、以下に説明する純粋に手動操作式の実施の形態の全ての機能を一定にすることができる。従って、当業者には容易に理解されるように、手動操作式の装置と、電子制御式の装置とは、いずれも、基本的原理は同じであり、互いに独立した灌注系と吸引系とを介して、制御された液体量の灌注液が液体交換対象部位へ供給され、制御された液体量の吸引液が液体交換対象部位から回収される。また、灌注系と吸引系とは、灌注ルーメンと吸引ルーメンとを含んでおり、それらは少なくとも1本のカテーテルを介して液体交換対象部位へ導かれ、カテーテルの先端に設けられた灌注口及び吸引口を介して液体交換対象部位と連通している。
【0035】
灌注液リザーバ及び吸引液リザーバの寸法を変更することで、灌注液と吸引液との間の液体量の比である液体交換比を変化させることができ、従って、液体交換対象部位である血管における液体交換を調節することができる。例えば、灌注液リザーバと吸引液リザーバとを同一寸法とした場合には、液体交換装置を操作したときに、液体交換対象部位である血管にいおいて1:1の液体交換が行われる。既述のごとく、液体交換比を1:1以外にしたいときには、液体交換装置を動作させたときに灌注液が送り出される灌注液リザーバと、液体が回収される吸引液リザーバとで、寸法を異ならせることによって、液体交換比の値を、その寸法差に応じた値に変更するすることができる。更に、以下に説明するように流路中に介装するチャンバの寸法を変更することによっても、液体交換比の値を、その寸法差に応じた値に変更することができる。同様に、液体交換比が1:1であるときには、液体交換装置の1回の動作サイクルで、注入される灌注液の液体量と回収される吸引液の液体量が等しくなるような液体交換が行われる。液体交換比を1:1とした実施の形態では、液体交換装置の所定回数の動作サイクルによって、灌注液の全体が液体交換されて、吸引液として回収される。例えば、手持型の装置の1回の動作サイクルで、1mlの灌注液が注入され、1mlの吸引液が回収されるようにすることができる。灌注液リザーバ及び吸引液リザーバの容積が既知であれば、動作サイクルの回数から、注入された灌注液の液体量及び回収された吸引液の液体量を知ることができる。既述のごとく、1つの具体的な実施の形態では、装置の操作によって、注入カテーテルを所定の長手方向経路に沿って移動させることができ、灌注液の注入量と、吸引液の回収量とを、注入カテーテルの移動距離の関数とすることができる。
【0036】
灌注液リザーバは、複数の収容領域に分けるようにしてもよく、また、灌注液リザーバに充填する液体は、外科的処置に用いられる通常の薬剤溶液に限られるものではない。本発明の液体交換装置を検査や撮像の用途に用いる場合には、灌注液リザーバに充填する液体を、染色剤、造影剤、それに検査用のその他の液体や血管の治療処置のための液体などとすればよい。本発明の液体交換装置が、独特の流れ特性を提供するものである場合に、灌注液離歯に、治療要薬剤を充填するようにしてもよく、例えば、血管ないし身体器官の内部の治療処置を実行するために用いられる、例えば、ヘパリン乳酸リンゲル、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、組織プラズミノーゲン活性化剤、などをはじめとする種々の血栓治療用の液剤などを充填するようにしてもよい。液体交換装置が、液体交換対象部位である血管の状態に適当するように、液体交換特性を調節できるものである場合には、その調節ができない場合には使用できないような治療用薬剤も使用することができ、なぜならば、灌注液リザーバから注入した薬剤を排除する能力が高まるからである。この液体交換装置は更に、血管の内壁の治療層の吸収を高めるためにも使用することができる。薬剤をコートしたステントを使用して、そのステントから溶出した薬剤が血管壁に再吸収されるようにすることがあるが、その場合に、この液体交換装置を使用して、そのステントの近傍にだけ高濃度の薬剤を注入して短時間の間滞留させることができる。こうすることで、ステントに高濃度の薬剤が吸収されないしは再結合するため、薬剤コート式ステントの薬剤再充填が可能になる。
【0037】
更に、液体交換比の値を1:1以外の値にしたシステムには、その他の直接的な用途もある。例えば、血管に対する仮想シャントを形成することができ、その場合には、基幹側で血液を循環させ、末梢側に液体を注入するようにすればよい。このようにする場合、吸引液体量に対する灌注液体量の比である液体交換比の値を1:1より大きくすることになる。更に、そのような構成とした場合には、主として末梢側に供給する液体として第2の液体を注入することになる。この第2の液体は、血液、代用血液、血漿、或いは酸素添加液などの、仮想シャントを形成するためのものである。
【0038】
オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ法(OCT)などの検査用途においては、この分野の用途は、現在では、視野を確保する用途に限定されている。同様に、血管内超音波検査法(IVUS)の適用は、in vivo血液に付随する減衰が、ある程度の制約となっていた。OCT用カテーテルや、IVUS用カテーテルの先端近傍の血管部分の大量の液体交換によって、血液や血液以外の透過性を有する液体を、交換することが可能になり、画質を改良ないし変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明は、様々な環境において様々な目的に使用されるものであり、その具体例を挙げるならば、例えば、IVUS、OCT、血管形成術、動脈内膜切除術、心臓ステント留置術、血管に関する処置/検査/修復、心臓ステント以外のステント留置術、ピッグ・テイル・カテーテルや耳腔洗浄器の挿入、などを含む、吸引及び灌注のための、蠕動ポンプなどの各種ポンプの生理学的用途などがあり、更に、それらに限られずその他の用途を有する。以下の詳細な説明は、本発明の具体的な実施の形態を例示するものである。
【0040】
図1に示した本発明の模式図は、本発明を実施するための装置に必要とされる基本的な構成要素を示した図である。装置の中心的な構成要素は、液体交換器、即ち駆動システムであり、この駆動システムと、吸引及び灌注を行う患者の体内の対象部位である液体交換対象部位とで、ループを成す実質的に閉じた系が形成される。本発明の装置のうちの灌注側の部分は、灌注液リザーバ1を含む構成とすることができ、特に、手動操作式の実施の形態の液体交換システムでは、灌注側の部分が灌注液リザーバを含む構成とするとよい。液体交換対象部位と液体交換システムとは、灌注ルーメン2及び吸引ルーメン3を介して互いに連通しており、灌注ルーメン2の先端には灌注口(不図示)が設けられ、吸引ルーメン3の先端には吸引口(不図示)が設けられている。本発明の装置の吸引側の部分も、同様に、吸引液リザーバ4を含む構成とすることができる。吸引液リザーバ4は、吸引ルーメン3の吸引口(不図示)に連通しており、液体交換対象部位から除去される液体は、この吸引液リザーバ4に貯留される。当業者には容易に理解されるように、灌注液リザーバ1及び吸引液リザーバ4は、弁やポンプを介して電子制御することも可能であり、それによって、以下に説明するように液体交換体積比を制御するようにすることができる。また、本発明の様々な実施の形態に係る液体交換装置のうちには、ユーザが手動操作する液体交換装置とすることが好ましいものもあるが、そのようなものも含めて、本発明のシステムのうちには、液体交換対象部位における液体交換体積比を制御できるようにしたシステムが含まれる。別法として、吸引液リザーバ4内の液体を廃棄するようにしてもよい。本発明の1つの実施の形態として、本発明の吸引側の構成要素を介して液体交換対象部位から吸引した液体を、その化学組成や粒子成分に関して解析し、それによって、液体交換対象部位からどれほどの量の体液ないし固形成分を除去できたかを判断するようにしてもよい。
【0041】
また、図1に示すように、本発明の装置は、灌注液の供給流量を流量下限値以上に維持するための流量制御弁5を備えたものとしてもよい。これは、灌注液の供給流量を流量下限値以上に維持する手段であり、灌注カテーテルを介して注入する灌注液の流量を下限値以上にを維持するよう、処方により指示されているときに、その流量を流量下限値以上に維持する上で有用なものである。この流量下限値は、液体交換流量が以下に説明する所定流量以下に落ち込まないようにするものである。例えば、以下に説明する幾つかの実施の形態では、液体交換比を1:1にするようにしているが、灌注液の供給流量よりも吸引液の排出流量の方を大きくしたり、その逆に小さくしたりするように、液体交換比を変更することができる。液体交換比を変更する場合に、もし、液体交換対象部位からの液体排出量を増大させたいのであれば、吸引液の体積流量に対する灌注液の体積流量の比である液体交換比の値を、例えば1:2などとすればよい。
【0042】
本発明の構成要素として更に、液体交換における供給流量が上限値を超えないようにする流量上限制限手段6を組込むようにしてもよい。装置の使用中に発生する液体の流速または全流量に上限を設定したい場合には、このような手段を組込むことで、上限を超えないようにする構成とすればよい。この実施の形態を採用するのは、例えば、吸引して排出する吸引液の液体量よりも、注入する灌注液の液体量の方を大きくしたい場合であり、その場合には、吸引流量に対する注入流量の比である液体交換比を増大させて、その比の値を例えば2:1にすればよい。流量下限値の設定機能と流量上限値の設定機能とを組合せることによって、流量の許容幅を設定することができる。この実施の形態では、液体交換対象部位に対する灌注及び吸引を、一定の固定した流量で行うようにすることもでき、また、ある範囲内でのみ変化する流量で行うようにすることもできる。また、これによって更に、駆動システムが、一定流量または所定範囲内の流量で灌注液の注入ないし吸引液の排出を実行しているときに、液体交換対象部位の圧力の変動を抑制することもできるようになる。当業者には容易に理解されるように、本発明に係るシステムのうちの灌注側の部分に関しては、液体交換装置が灌注液に流動力を付与することで、液体交換対象部位において灌注液を流動させることができるようにする必要がある。一方、吸引側の部分に関しては、液体交換対象部位から液体を吸引するための吸引力を積極的に付与するようにしてもよく、或いは、液体交換対象部位に存在する圧力によって吸引液が押し出されてくるのを受け入れるだけの、受動的な動作をさせるようにしてもよい。液体交換対象部位に存在する圧力の発生源には通常2つのものがあり、その1つは、血管内の血圧などの身体内の体液の本来の液圧であり、もう1つは、液体交換対象部位へ注入される灌注液の液圧である。液体交換対象部位に存在する圧力によって押し出されてくる受動的な液体の流れは、エフラックス流と呼ばれている。このエフラックス流については、例えば米国特許第4,921,478号公報などに記載されており、同公報の内容はこの言及をもって本願開示に組込まれたものとする。この吸引液の受動的な流れは、吸引ルーメンの中を一方向にのみ流れるものであり、吸引液の流路には一方向弁が備えられている。この一方向弁としては、例えばダックビルバルブのような、クラッキング圧力の非常に小さな弁を使用し、それによって、受動流が容易に通過できるようにしつつ、システムの吸引側において逆行流が発生するのを防止するようにする。このようにすることで、手術を実施している間中、灌注液の流れを維持しつつ、及び/または、液体交換対象部位の体液が身体内の本来の液圧によって押し出されてくる状態を維持しつつ、塞栓粒子を連続的に除去し続けることが可能となる。
【0043】
図2Aは液体交換対象部位に挿入されたカテーテル7の断面図である。この例では、灌注ルーメン2の先端の灌注口8がカテーテル7の先端に位置しているが、この灌注口8がカテーテル7の先端より手前側(上流側)に位置するようにしてもよい。吸引ルーメン3の先端の吸引口9はカテーテル7の先端より手前側に位置している。図2Bは、灌注ルーメン2の先端の灌注口8から液体交換対象部位へ、灌注液を注入しているところを示した図である。同図において、灌注口6は、閉塞物である凝血塊を破砕している。閉塞物としては、凝血塊、病変組織、膿瘍、脂肪球、耳垢塊などがあり、更にその他のものも含まれる。かかる状況においては、閉塞物を吸引するだけでは除去することができず、治療処置用薬剤を灌注液として使用して、血管に損傷を及ぼさないようにして病変部に対して灌注を行うとともに、治療処置が完了した後には吸引を行う。また、灌注液を噴射することで閉塞物を略々粉砕できる場合であっても、その粉砕した閉塞物を吸引して除去する必要がある。更に、灌注と吸引とを組合せることによって、閉塞物を処置するための薬剤を注入するとともに、その注入した薬剤が血流にのって流れて行かないように、吸引して排出することも可能である。その具体的な例は、例えば、閉塞物が危険性の高い血栓である場合に、血栓溶解剤を注入するというものであり、この場合、治療処置として、血管を閉塞している血栓を除去するには、毒性限度を超えた量の血栓溶解剤を投与しなければならない。
【0044】
図2Cは、本発明に係るシステムに使用することのできる、液体交換領域を限定するための閉塞用バルーンを先端より手前側に備えたカテーテルの断面図である。この構成は、例えば、流れを閉塞することで、検査用薬剤の広がり得る領域を限定し、或いは、激烈な作用を有する薬剤に曝露される身体組織の領域を限定する場合に有用なものである。バルーンを膨張させるための専用のバルーン用ルーメン12が装備されている。図2Dは、本発明に係るシステムに使用することのできる、閉塞部材11を備えたカテーテルを示した図であり、この閉塞部材11は、閉塞部材11よりも先端側でのみ灌注及び吸引が行われるように、液体交換対象部位を限定しており、液体の流れの方向は、図中に矢印で示したように、閉塞部材11へ近づく方向となる。
【0045】
図3Aに示した装置は、吸引ルーメン3と閉塞部材11とを一体にして1つのカテーテルとし、別のカテーテル2によって灌注液を注入するようにしており、以上の構成によって、液体交換対象部位を限定し、即ち、液体交換が局所的に行われるようにしたものである。灌注用のカテーテル2を使用することで、灌注液の流路をその他の部分から独立させてあるため、閉塞位置を固定したままで、液体交換対象部位の位置を調節することができるようになっている。更に、この灌注用のカテーテル2には、治療用ツール、検査用ツール、或いは撮像用ツール(不図示)などを取付けるようにしてもよい。以上の構成は、液体交換対象部位に存在する液体を、染色剤や収斂剤などの薬剤に交換し、その薬剤を排出した後に、通常の体液の流れを再開させる場合などに有用なものである。例えば、オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ法(OCT法)を実施する場合に、低減衰液を注入し、使用後にそれを排出するために利用することができる。図3Bは、吸引口9より基端側と先端側との両方に設けた灌注口8によって行われる灌注により維持される液体隔離領域を示したものである。この構成は、基端側の灌注口8と先端側の灌注口8との間に注入される液体の流動領域を制御された状態に維持する手段を提供するものである。図3Aの構成と同様に、2つの灌注口8の間に治療用ツール、検査用ツール、或いは撮像用ツール(不図示)などを取付けて、カテーテルと一体に移動させることができるようにするのもよい。図3Cは、液体を血管内に注入し、また血管内から排出するカテーテル(不図示)が、層流だけを発生させているところを示したものであり、図中の矢印の方向は流れの方向を表し、矢印の長さは速度を表している。流れの速度は、血管壁に近付くにつれて0に近付くため、塞栓を包み込むようにして血管壁の近傍に存在している液体は、流れによって影響を受けることがなく、血管壁に弱い付着力で付着している塞栓も剥離することなくそのまま残留する。図3Dは、本発明に用いるカテーテルの好適な構成例を示した図であり、このカテーテル7は、その先端に複数の灌注口8を備えており、それら灌注口8は、カテーテル7の長手方向に対して直交する平面内に並んでいる。領域Aの流れは乱流であり、領域Bにおける流れの速度分布曲線は、乱流から層流への遷移過程にあることを表している。図3Eに示した構成例では、カテーテル7の先端領域に、その長手方向に所定の間隔をおいて複数組の灌注口8を設けてあり、図中にAで示した乱流領域と、図中にBで示した乱流から層流への遷移領域とが、カテーテル7の長手方向に交互に形成され、これによって、層流領域が実質的に発生じないようにしている。図3Fに示した構成例は、灌注口を、カテーテル7の先端部分に多孔領域8’の形で設けたものである。図中の矢印は流れの方向及び速さを表している。それら矢印から明らかなように、多孔領域8’によって、所定領域における流れが乱流となっており、この多孔領域8’から血管の長手方向に離れるにつれて乱れが納まって行き、ある距離だけ離れたならば層流に復帰している。
【0046】
図4Aは、脈流発生装置10の構成例を示した図であり、この脈流発生装置10は、本発明のカテーテルに液体を流すための装置へ機械的な力を作用させることで脈流を発生させるようにしたものである。その動作について説明すると、引き金20をハンドル21に近付ける方向へ引くことによって、灌注ピストン22に力が伝達され、灌注液リザーバ1に圧縮力を作用させて、灌注液リザーバ1の容積を減少させ、これによって、灌注ルーメン(不図示)に灌注液を送出される。一方、それと同時に、吸引液リザーバ4の吸引液ピストン23が引き出され、液体交換対象部位において液体交換が行われる。引き金20を操作したときに、ピストン22、23が移動するようにするには、引き金20をラチェットなどの機構に連結しておき、引き金20を繰返し操作することによって、その都度それに応じた力が加わるようにしておくようにすればよい。これについては、後に図10を参照して更に詳しく説明する。図4Aに示したように、灌注液リザーバと吸引液リザーバとは、例えば注射器などのように、貯留している液体の所望量を排出ないし吸引できるような器具で構成するとよい。図4Aに示した注射器は、機器に容易に着脱することのできる交換可能なカートリッジの1つの具体例である。交換可能なカートリッジを使用することは、本発明に係るシステムを使用して薬剤を血管等の身体内の管状器官に投与するという医学処置に使用するために、薬液を予め充填しておく上で非常に有用である。また、本発明を使用して、通常の灌注及び吸引の処置をしているときに、任意の種類の医薬を選択的に投与することができるようにすることも可能である。図4Aの構成例では、灌注液リザーバ1及び吸引液リザーバ3を構成している2本の注射器は、手持型の液体交換装置10に着脱可能に取付けられており、液体交換対象部位へ所定量の液体を供給し、且つ、そこから所定量の液体を排出させるために用いられている。この方法によれば、注射器を交換することによって、灌注液の体積及び成分を変更することができ、また、吸引液リザーバに吸引された吸引液を回収して、その液体組成及び液体中の固形成分の組成を分析することができる。本発明の手持型の実施の形態とした装置の操作については、後に、図7〜図10を参照して説明する。
【0047】
図4Bは、以上に説明した注射器と同様の、灌注液及び吸引液を貯留するための交換可能な液体カートリッジ24a、24bの1つの具体例を示した図である。後に詳述するように、灌注液リザーバ1及び/または吸引液リザーバ3は、互いに大きさの異なるカートリッジ即ちリザーバとすることができ、互いに大きさを変えることによって、個々の処方に適した所定の交換比で液体交換を行うことができる。図4Bの実施の形態では、灌注液カートリッジ24aは、吸引液カートリッジ24bの2倍の容量を持ち、そのため、液体交換対象部位における吸引液の吸入量に対する灌注液の注入量の体積比である液体交換比を2:1にすることができる。この点に関して、液体交換システムによって形成されるループは、完全な閉ループではなく、略々閉ループであり、なぜならば、灌注液リザーバ1から灌注ルーメン2を通って液体交換対象部位へ供給される灌注液の体積と、液体交換対象部位から吸引ルーメンを通って吸引液リザーバ40へ回収される吸引液の体積との間に差があるからである。このように、供給される灌注液の体積と吸引される吸引液の体積とが異なっている場合でも、それら体積は予め定められた既知の量であり、その体積差に相当する液体が液体交換対象部位に残留することになる。図4Aの実施の形態と同じく、灌注液カートリッジ24aは、このカートリッジから灌注液を押し出すための専用のピストン22を備えている。吸引液カートリッジ24bも同様に、吸引ルーメン3を通ってこの吸引液カートリッジへ流入する吸引液を吸い込むための専用のピストン23を備えている。この実施の形態においては、液体交換装置に装着する灌注液カートリッジ24aを、長さが同じで断面積の大きなものに交換することで、灌注液の供給量を増大させることができる。灌注液カートリッジ及び吸引液カートリッジを液体交換装置に着脱可能にした構成において、容量の異なるカートリッジに交換するという方法は非常に有用である。
【0048】
図5Aは、複数の灌注液を迅速に投与することのできる回転式カートリッジ25を示した図である。回転式構造によって灌注液を選択できるようにしてあるため、医療処置の実行中の異なった時点で、添加する薬剤の種類などが異なる、複数種類の灌注液を供給することができる。使用する際には、回転式カートリッジ25の回転位置を、一連の灌注液24b、24c、24dを、灌注液リザーバ用ピストン22に位置合せすることによって、選択した灌注液を押し出すことができる。この実施の形態に係る液体交換システムを使用する場合の具体的な状況を挙げるならば、例えば、先ず、治療処置の開始に際して、生理的食塩水などの洗浄液を供給して、液体交換対象部位に貯留している液体や液体中の固体粒子成分を洗浄除去し、続いて、薬液を供給し、続いてその薬液を排出し、そして更に、中和液を供給する。この場合、第1番乾留液リザーバ24bに生理的食塩水を充填しておき、図4Aの実施の形態の引き金20を引くことによって注入する。続いて、第2番灌注液リザーバ24cに充填してある薬液を注入し、この薬液は、例えば、血栓溶解剤、染色剤、造影剤、ないしはその他の薬剤などである。この薬液を注入するには、回転式カートリッジを回転させて、第2番灌注液リザーバ24cを、灌注液リザーバ用ピストン22の位置に合わせた上で引き金20を引くようにする。第2番灌注液リザーバ24cから供給した薬液の効果が現れたならば、続いて、血管等の液体交換対象部位から、その薬液を洗浄除去し、それには、回転式カートリッジを回転させて灌注液リザーバ24dを灌注液リザーバ用ピストン22の位置に合わせた上で同様に液体交換システムを作動させるようにする。以上と同様の方式で、複数の吸引液リザーバ(不図示)を備えておき、それらを使用して、必要量の吸引液をそれらリザーバに個別に回収し、分析処理を施すようにしてもよい。
【0049】
図5Bに示した実施の形態は、2個のカートリッジ24e、24fを備え、2種類の灌注液を同時に等量ずつ供給することができるようにしたものである。2個のカートリッジ24e、24fからは、共通の1本の灌注ルーメンを介して灌注液を供給するようにしてもよいが、図示例では、2本の灌注ルーメン2、2’を介して個別に供給するようにしており、一方の灌注ルーメン2は、液体交換対象部位のうちの末梢側(下流側)に灌注液を供給し、他方の灌注ルーメン2’は、液体交換対象部位のうちの基幹側(上流側)に灌注液を供給するようにしている。この場合、2本の灌注ルーメン2、2’の各々は、カテーテルの先端部分に、当該カテーテルの専用の灌注口を備えるようにする。灌注液リザーバを2つのカートリッジ24e、24fに分けたため、液体交換対象部位における2箇所以上の位置に、それらカートリッジ24e、24fの灌注液を供給することができる。尚、それらカートリッジの灌注液は、互いに同一の灌注液としてもよく、互いに異なった灌注液としてもよい。もし、液体交換対象部位のうちの基幹側の灌注液供給位置と、液体交換対象部位のうちの末梢側の灌注液供給位置との間の適当な位置において、両方の灌注液を分離させたい場合には、その分離させたい位置に吸引口を配置するようにしてもよく(図2Dの実施の形態の場合)、その他の適当な分離構造を設けるようにしてもよい。また、例えば、ある種の灌注液の組合せにおいては、それら灌注液の化学的性質のために、液体交換対象部位以外の場所ではそれらを互いに接触させないようにしておき、液体交換対象部位でのみそれらを混合させたいことがあり、そのような場合にも、以上の構成は有用である。
【0050】
図6は、本発明に係る液体交換装置の、テーブルトップ型の実施の形態を示した図である。既述のごとく、本発明に係る液体交換装置は、灌注液リザーバ1及び吸引液リザーバ4に対して操作を加えて動作させるものであり、それらリザーバに対する操作は、簡単な機械的機構を使用して、手動操作によって行うようにすることも可能であり、また、機械的ないし電気的なポンプや弁駆動機構などを使用して、電子的制御システムによって行うようにすることも可能である。図6に示した実施の形態では、可動レバー30により、ピストン22、23を軸心方向に駆動することによって、灌注液リザーバから灌注液を押し出し、吸引液リザーバに吸引液を吸引するようにしている。上で説明した実施の形態と同様に、リザーバの動作サイクル、リザーバの容積、それにピストンの運動などを適宜変更することにより、血管などの管状器官の中に適切な流れを生じさせることができるように液体交換量を調節することができる。また、2本のレバーアーム31、32の回転量を個別に変化させることができるようにしてあり、それによって、灌注液リザーバ1や吸引液リザーバ4を、容積の異なるものに交換しなくとも、それらレバーアーム31、32の回転量を異ならせるだけで、液体交換体積比を変化させることができるようになっている。この実施の形態は、レバーアームを介して機械的に力を作用させるようにしたものであるが、本発明に係る液体交換装置を、テーブルトップ型の実施の形態として構成する場合には、電子制御式のポンプによって液体交換量及び液体交換体積比を制御するような実施の形態とすることも可能である。図6の実施の形態では、更に、灌注液リザーバ1には管路中に介装する形式のエアトラップ33を備え、吸引液リザーバ4にはフィルタ34を備えるようにしてもよい。また、灌注液を吸引する際に固形成分を除去したり、灌注液を注入する際にエアを排除したりすることが望まれることもあるため、エアトラップ33の位置にフィルタを設け、フィルタ34の位置にエアトラップを設けることが望ましいこともある。
【0051】
図7A及び図7Bは、液体交換装置40の内部構造を示し、その機能を説明するための図である。図示の如く、揺動軸心35を中心として揺動するレバー36に一体に形成された引き金20と、このレバー36に連結されたハンドル21とが装備されており、引き金20を操作したときに、ピストン即ちプランジャから印加される力によって、2個のリザーバが、流量を制御するようにしたものである。この実施の形態では、引き金20を操作すると揺動軸心35を中心としてレバー36が揺動し、灌注液リザーバ用ピストン22が灌注液リザーバ1へ押し込まれ、それと同時に吸引液リザーバ用ピストン23が吸引液リザーバから引き出される。力が加わっていない状態(図7A)から、引き金20を操作することで、ピストン22、23を駆動することができ、これは、直接連結によって行うようにしてもよく、また、引き金を引くたびに、それに応じたストロークずつピストンを進めるような機構を介してもよい。即ち、引き金20を引いた後に、力を緩めたならば、ハンドルまたは揺動軸35に装備したスプリング等の自動復帰機構によって、引き金20が元の位置に復帰するようにしておくようにする。灌注液リザーバ及び吸引液リザーバは、液体交換装置10に一体に設けるようにしてもよく、また、適当な容量の別体のリザーバ(不図示)を、ルーメンを介して、液体交換装置10のチャンバに接続する構成としてもよく、その場合には、管路中に逆止弁を介装することが好ましく、そうすれば、別体のリザーバと液体交換装置のチャンバとの繋ぎ換えを容易にすることができる。リザーバを一体に設ける実施の形態では、液体交換に必要とされる力をピストンから灌注液リザーバ1ないし吸引リザーバ4へ直接的に作用させることができるような構成として、それらリザーバを引き金操作式の液体交換装置に一体化するようにするとよい。また、リザーバを別体とする実施の形態では、液体交換装置の内部構造が、別体のリザーバとルーメンとの間の管路中に介装したチャンバとして機能し、別体のリザーバに充填されている灌注液が、そのチャンバに一旦吸引された後にそのチャンバから灌注液ルーメンを介して送出されるようにする。この実施の形態では、灌注のために2本のルーメンが必要であり、そのうちの1本は別体のリザーバとチャンバとを接続する中間ルーメンであり、もう1本は、チャンバから先の灌注ルーメンであって、その先端の灌注口から液体交換対象部位へ灌注液を注入するためのものである。
【0052】
図8は本発明の好適な実施の形態の1つであり、引き金20を4本の指で引くことによって、吸引液リザーバ54として機能する注射器と灌注液リザーバ(不図示)とを作動させるようにしたものである。引き金20をハンドル21に近付く方向へ移動させると、吸引液リザーバ54用のピストン55と灌注液リザーバ用のピストン(不図示)との両方に力が作用する。この実施の形態に採用している、レバー46と揺動軸62とを用いた機構は、液体交換体積比を1:1とする場合の好適な機構である。尚、図示したのは、この機構の主要構成要素のみであり、実際にはその他の構成要素も組込まれている。引き金20の動作は、第1端レバー連結ピン58aを介して引き金20に連結されたレバー56へ伝達される。引き金20をハンドル21に近付く方向へ移動させると、レバー56に作用する力によって、揺動軸57を中心としてレバー56が回転し、灌注液カートリッジ52に取付けられた第2端レバー連結ピン58bを介して力を作用させる。これと同時に、引き金20の移動によって、灌注液カートリッジ52と同様にして吸引液カートリッジ51に連結された第2レバー(不図示)に力が加わる。引き金20を移動させることによって、吸引液カートリッジ51と灌注液カートリッジ52とに同時に力が加わるのであるが、ただし加わる力の方法は互いに反対方向である。灌注液リザーバ用ピストンと、吸引液リザーバ54用ピストンとに同時に作用する力は互いに逆方向であるため、吸引ルーメンが接続した吸引液リザーバ54の容積の増大と、灌注ルーメンが接続した灌注液リザーバ1の容積の減少とが同時に発生し、それら容積の増大分と減少分とは大きさが等しい。灌注液カートリッジ52の移動は、連結ロッド53を介して灌注液リザーバ用ピストンに伝達され、この連結ロッド53は、伸縮することのない剛体ロッドであり、灌注液リザーバ1の長手方向に延在している。
【0053】
図4Aに示した実施の形態に関連して説明したように、灌注液リザーバ1及び吸引液リザーバ4は、交換可能な注射器などのカートリッジとすることができ、液体交換装置に着脱することによって、所望の溶液を装填することができ、また、灌注液の供給量や吸引液の排出量を所望量にすることができる。好適な実施の形態では、灌注液リザーバ1及び吸引液リザーバ4は、液体交換装置の本体に一体に形成し、それらリザーバに装着した注入弁の機能を備えた連結具を介して、液体を注入できるようにしておくとよい。更に、灌注液リザーバ1及びきり4には、排出口60に取外し可能な連結具を装着できるようにし、その連結具を介して灌注ルーメン2や吸引ルーメンを連結できるようにするとよい。
【0054】
引き金20のは2つのスロットが形成されており。それらスロットには第1ピン57と第2ピン61とが嵌合しており、それらピンに沿って、ハンドル21及び/または引き金20が摺動することで、引き金20が直線往復動できるようにしている。第2レバー63が、レバー56と並列的に機能することによって、引き金20が、移動経路に沿って滑らかに移動できるようにしている。以上の構成は、ハンドル21に対して引き金20を直線往復動できるようにする構成であるとともに、スプリング62を装着するための構成でもあり、このスプリング62は、引き金を前方へ付勢して、ハンドル21に対して相対的に引き金20を移動させたときに、灌注液カートリッジ52及び吸引液カートリッジ51に所定の運動を発生させるための完全な運動サイクルが得られるようにするものである。本発明のこの液体交換装置において、液体交換体積比を変更するには、レバー56の揺動軸57の上下の相対的な長さを変更するか、或いは、レバー56と還流液カートリッジ52との連結部に装備したラチェット機構を交換することによって、引き金20を最も前方の位置から最もハンドル21に近接した位置まで移動させたときに、還流液カートリッジ52及び/または吸引液カートリッジが移動する距離を変化させるようにすればよい。最もハンドル21に近接した位置まで移動させた引き金20は、スプリングの付勢力によって自動的に最も前方の位置へ戻されて、再び引き金20を引くことができるようになる。
【0055】
図9Aは、液体交換装置のレバーの移動量を調節するための機構の具体例を示した図であり、このレバーの移動量を調節することで、引き金20の1回のストロークによって排出ないし吸引する液体の量を制御することができ、また、ハンドル21に対するトリガ20の相対位置によって、移動距離と力の大きさとの両方を調節することができる。図9A及び図9Bの具体例は、灌注液リザーバ1及び吸引液リザーバ4に力を加える構成部品の連結位置を変更することによって液体交換装置の流量値を変更できるようにしたものである。図9Bにおいては、引き金20を揺動可能に枢着している揺動軸57aの枢着位置を変化させることによって、流量を変え、また、発生する最大圧力を変化させることを示したものである。この具体例において、引き金201回引いたときに排出ないし吸引される液体の量を容易に調節することができる。引き金20を移動させることによって発生するレバーの第2端の連結ピン58cの移動量によって、上述した吸引液リザーバ用ピストンないしカートリッジとして使用している注射器などの動作量が決まり、その結果として、灌注液リザーバ1から排出する還流液の排出量や、吸引液リザーバに吸引する吸引液の吸引量が決定される。従って、揺動軸の枢着位置を変更して、例えば、灌注液リザーバないし還流液チャンバや、吸引液リザーバないし吸引チャンバの中の液体に力を加えるピストンの移動量を増大させると、その結果として、引き金20を1回引いたときの液体の排出量や吸引量を増大させることができ、それによって液体交換体積比が変化するのである。図9A及び図9Bに示したように、ハンドル21に対する引き金20の移動量の調節と、例えば図8に示したような吸引液カートリッジ51ないし吸引液リザーバ、或いは灌注液カートリッジ52ないし灌注液リザーバとを組合せることによって、この具体例では流量を変化させることができるようにしているのである。以上に説明した構成によれば、先に説明した実施の形態と同様に、ハンドル21に対するトリガ20の相対移動が、灌注液リザーバ1から灌注ルーメン2と、吸引ルーメン3とを介して、吸引液リザーバ4へ流れる液体の流れに変換されるのである。
【0056】
図10は、本発明に係る手持型の実施の形態とした液体交換装置を示した図である。この実施の形態では、ラチェット機構を使用して、ピストンを所定移動量ずつ一方向へ移動させるようにしており、また、灌注液リザーバ1から灌注液を押し出し、吸引液リザーバ4に吸引液を吸い込むために、2本のピストン71、71aを使用している。図8の実施の形態と同様に、ハンドル21に対して引き金20を相対的に移動させることによって、1回の動作サイクルが実行される。この実施の形態には、実行した動作サイクルの回数、注入ないし排出した液体量、リザーバ内の現在液体量などを表示するための機械的カウンタまたは電気的カウンタを備えるようにしてもよい。この実施の形態においては、灌注液リザーバ1用ピストン71にはラックギアが設けられており、そのラックギアを介して、このピストン71がラチェット機構によって駆動されるようにしてある。ラチェット機構は、引き金20と、引き金20の揺動軸である枢着ピン70と、引き金20に設けたギア70bと、ギア70bと噛合する第1ラチェットホイール77とで構成されている。このラチェット機構は、一方向回転機構として構成されており、引き金20をハンドル21に近付く方向に引いたならば、第1ラチェットホイール72が回転してピストン71を前進させる。図10の実施の形態では、引き金20を引くことで、この引き金20を揺動ピン70aの中心として揺動させたならば、それによって、ギア70bを介して第1ラチェットホイール72が回転させられる。そして、第1ラチェットホイール72が回転することによって、ラックギア付きピストン71を前進させ、更にそれによって、第2ラチェットホイール73が回転させられる。第2ラチェットホイール73の回転方向は、第1ラチェットホイール72の回転方向とは逆である。第2ラチェットホイール73は、他方のリザーバに嵌合しているラックギア付きピストン71aと噛合している。
【0057】
図10の実施の形態は、手持型の液体交換装置であり、引き金20を手動操作することによって、2個のラチェットホイール72、73が回転し、2本のラックギア付きピストン71、71aが直線移動するようにしたものである。2つのリザーバ1及び4、2本のピストン71及び71a、それに2個のラチェットホイール72及び73の寸法を、概ね図10に示したような寸法にしたときには、液体交換体積比は約1:1になる。液体交換体積比を変更する方法としては、吸引液リザーバ4または灌注液リザーバ1の直径を変更するという方法の他に、ラチェットホイール72、73の歯数を変更するという方法もある。
【0058】
図11は、リザーバ分離型の実施の形態とした液体交換装置の要部を示した図であり、図中の灌注チャンバ75及び吸引チャンバ78は、各々が流入ラインと流出ラインとを備えている。この実施の形態において、灌注チャンバ75の流入ラインは、灌注液リザーバ1内の灌注液を灌注チャンバ75へ流入させるための、灌注液流入ライン2’である。灌注液リザーバ1内の灌注液は、灌注チャンバ用ピストン22の働きにより、灌注チャンバ76へ吸い込まれた後に、そこから押し出されて、灌注ルーメン2を介して液体交換対象部位へ供給され、これによって先に説明したように液体交換が行われる。同様に、液体交換対象部位の液体は、吸引チャンバ用ピストン23の働きにより、吸引ルーメン3を介して吸引チャンバ76へ吸い込まれた後に、そこから押し出されて、流出ライン3’を介して吸引液リザーバ3へ送られる。本発明のこの実施の形態は、ツーストローク・エンジンと同様に機能するものであり、灌注液や吸引液は、灌注チャンバ76ないし吸引チャンバ75へ一旦吸い込まれた後に、対応するルーメンへ押し出される。液体の流れ方向を制御するために、灌注チャンバ及び吸引チャンバの、それぞれの流入ライン及び流出ラインの各々に、流れ制御用の弁を77a、77b、77c、77dを装備している。例えば、灌注液を灌注チャンバ75に吸い込むときには、灌注チャンバ75からピストン22を引き出している間、灌注チャンバの流入ライン2’に設けた弁77aを開弁させておく。続いて、流入用の弁77aを閉弁し、流出用の弁77bを開弁した上で、灌注チャンバ75へピストン22が押し込むことによって、灌注チャンバ75内の灌注液を灌注ルーメン2へ押し出すようにする。同様に、吸引チャンバ用ピストン23を作動させて、吸引ルーメン3を介して吸引チャンバ70の中へ液体を吸引するときには、吸引チャンバ76の流入ラインに設けた流入用の弁77dを開弁し、吸引チャンバの流出ライン3’に介装した弁77cを閉弁する。吸引チャンバ76に吸い込んだ液体を押し出して、流出ライン3’を介して吸引液リザーバ4へ送出するには、吸引ルーメン3に介装した弁77dを閉弁し、吸引液リザーバ4に接続している流出ライン3’に介装した弁77cを開弁する。以上に説明した実施の形態においては、液体流通システム内に液体を流すために使用している個々のピストン22及び23の動作は、それらピストンに連結した機械的手段を介して手動で制御することができる。別法として、それらピストン22及び23の動作速度及び動作サイクルに関するパラメータを電子回路で制御するようにしてもよく、即ち、ユーザ・インターフェースを介して、或いは、所定の液体交換プログラムに従って、液体の流れを電子的手段によって制御するようにしてもよい。当業者には容易に理解されるように、この実施の形態における動作サイクルでは、ピストン22、23が協働動作することで、脈流を発生させている。更に、ピストン22及び23の協働動作を制御することで、その脈流における最大圧力及び最低圧力を制御することも可能である。
【0059】
別の実施の形態として、流路に介装する4個の弁を、能動的に制御する弁とするのではなく、簡単な一方向弁とすることも可能である。その場合、一方向弁により、灌注液リザーバ1と灌注チャンバ75との間では、灌注液リザーバ1の側から灌注チャンバ75の方へだけ液体が流れるようにし、灌注チャンバ75と灌注ルーメン2との間では、灌注チャンバ75の側から灌注ルーメン2の方へだけ液体が流れるようにする。また、この液体交換システムの吸引側では、一方向弁により、吸引ルーメン3と吸引チャンバ76との間では、吸引ルーメン3の側から吸引チャンバ76の方へだけ、また、吸引チャンバ76と吸引液リザーバ4との間では、吸引チャンバ76の側から吸引液リザーバ4の方へだけ液体が流れるようにする。この実施の形態では、液体交換装置の引き金を引くと、灌注チャンバ75内のピストンと吸引チャンバ76内のピストンが駆動されて、液体がルーメンの中を流れる。引き金に加えていた力を緩めると、ルーメンに介装されている一方向弁は閉弁して、灌注液リザーバ1から灌注チャンバの中へ灌注液が吸い込まれる。一方、吸引側では、吸引ルーメン3に介装した一方向弁と、吸引液リザーバ4との間に介装した一方向弁との2つの弁の作用により、引き金を引くと、吸引液が吸引液リザーバ4へ流し込まれ、引き金に加えていた力を緩めると、吸引ルーメン3を介して液体交換対象部位から吸引液が吸い込まれる。この場合、ピストンが同時に駆動されることによって、液体交換対象部位への液体の注入と、液体交換対象部位からの液体の吸引とが、2分の1動作サイクルだけずれるため、液体流通システム内の圧力が一時的に上昇する。
【0060】
図12A及び図12Bに示したのは、手持型の実施の形態とした液体交換装置であり、この実施の形態は、手で握って圧縮する圧搾可能な球を使用している。圧搾可能な球の内部は2つの領域に仕切られており、その一方が灌注チャンバ78を画成し、他方が吸引チャンバ79を画成している。灌注チャンバ78は、流入ラインを介して灌注液リザーバ1に接続されており、吸引チャンバ79は流出ラインを介して吸引液リザーバ4に接続されている。灌注チャンバ78と吸引チャンバ79との間の仕切壁は液密構造であり、圧搾可能な球を握りつぶすことによって液体を循環させることができる。図12Aに示した装置は、液密構造の仕切壁80によって灌注チャンバ78と吸引チャンバ79とに仕切られており、この仕切壁80は、装置内の2つのチャンバ78と79を完全に分離している。灌注チャンバ78の容積の増減によって、灌注液リザーバ1と灌注チャンバ78との間を接続している流入ライン2’を液体が流れ、また、灌注ルーメン2を介して液体交換対象部位へ液体を供給し、この灌注ルーメン2は、他の実施の形態と同様に、その先端が液体交換対象部位に達している。同様に、吸引される液体は、吸引ルーメン3を通って吸引チャンバ79に吸い込まれ、そこから流出ライン3’を通って吸引液リザーバ4へ送出される。図11の実施の形態と同様に、ルーメンとチャンバとの間、及びチャンバとリザーバとの間には、一方向弁が介装されている。即ち、一方向弁81aは、灌注液が、灌注液リザーバから流入ライン2’を通って灌注チャンバ78へ向かう方向にだけ流れるようにしている。灌注チャンバ78から流出する灌注液は、一方向弁81bを通って灌注ルーメン2を通ってだけ流出することができる。吸引チャンバ79へ流入する吸引液は、ルーメン3を通り一方向弁81を通って流入するものに限られ、吸引チャンバ79から流出する吸引液は、一方向弁81dを通って吸引液リザーバ4へ送出されるものに限られる。
【0061】
図12Bに示したように、圧搾可能な球に対して図中に太線の矢印で示したように圧力を加えると、灌注チャンバ78と吸引チャンバ79との両方が圧縮され、灌注液は矢印で示したように一方向弁81bを通って灌注ルーメン2へ流れ、液体交換対象部位へ供給される。一方、吸引液は、吸引チャンバ79から一方向弁81dを通って吸引液リザーバ4へ送出される。又、吸引液は一方向弁81cに遮られて吸引ルーメン3へ流入することはできず、還流液は一方向弁81aに遮られて灌注液リザーバ1へ流入することはできない。圧搾可能な球に加えた力を緩めたならば、圧搾可能な球の外壁は図12Bに太線の矢印で示した方向と逆方向に移動し、流れは逆になる。即ち、灌注液リザーバ1の灌注液が一方向弁81aを通って灌注チャンバ78へ流入する。同様に、吸引ルーメン3を介して吸い込まれる液体が一方向弁81cを通り、吸引チャンバ79へ流入する。この構成は図11の実施の形態と同様のものであり、なぜならば、灌注チャンバ78や吸引チャンバ79が液体交換対象部位とリザーバとの間に配設されており、そのため、各リザーバ78、79と、液体交換対象部位との間の中間に、液体が一時的に保持され、それによって、灌注液リザーバ1及び吸引液リザーバ4とは独立して、夫々の量の液体に対して制御を施しているからである。
【0062】
圧搾可能な球を使用した実施の形態は、以上に説明したものに限られず、例えば、圧搾可能な球それ自体の中に形成した灌注液リザーバ1に対して、直接的に操作を加えて灌注液を押し出すとともに、同じく圧搾可能な球の中に灌注液リザーバ1とは分離した構造として画成した吸引液リザーバの中に、吸引液を回収するような実施の形態とすることも可能である。図13A及び図13Bに示したのは、圧搾可能な球で構成したポンプであり、このポンプの内部に、灌注液リザーバ1と吸引液リザーバ4とが画成されており、それらリザーバ1、4は、可撓性仕切壁82で仕切られて分離している。図13Aに示したのは、この実施の形態の装置をカテーテルに接続する前の状態であり、圧搾可能な球の容積の略々全体を満たすようにして、灌注液リザーバ1に灌注液が充填されており、液密構造の可撓性仕切壁82は、灌注液が充填されたために、圧搾可能な球の外壁に沿うまでに変形しており、その結果、吸引液リザーバ4の容積は非常に小さくなっている。医療処置に使用するための準備作業の段階で、灌注液リザーバ1に、灌注液として使用する適当な薬剤成分を含有する液体を充填した上で、この液体交換装置を密封して滅菌処理を施しておく。使用する直前に、灌注ルーメン2及び吸引ルーメン3に液体を充填した上で、この液体交換装置に接続して、先に説明したような閉ループを形成する。図12A及び図12Bの実施の形態と同様に、灌注液リザーバ1と灌注ルーメン2との間、並びに、吸引ルーメン3と吸引液リザーバ4との間には、一方向弁83a、83bが介装されている。圧搾可能な球を圧縮すると、図中に矢印で示した灌注液の流れが発生し、灌注液は灌注液リザーバ1から押し出されて、灌注ルーメン2を通り、液体交換対象部位へ供給される。圧搾可能な球に加えた力を緩めると、液体交換対象部位から灌注液リザーバ1への逆流は一方向弁83dによって阻止されているため、液体交換対象部位の液体は、吸引ルーメン3を通って吸引液リザーバ4に吸い込まれて回収される。図13Bは、この実施の形態において、灌注液のおよそ半分が既に灌注液リザーバ1から押し出されて、灌注ルーメン2を介して液体交換対象部位に供給され、液体交換対象部位で交換された液体が、吸引ルーメン3を通って吸引液リザーバ4に吸い込まれ、回収された状態を示したものである。この図でも、液体の流れは矢印に示したように発生し、それによって、圧搾可能な球の内部において、灌注液リザーバ1の容積が吸引液リザーバ4の容積に置き換えられて行く。
【0063】
既述のごとく、本発明の概念を実現するための実施の形態としては、ユーザが操作機構を手動操作するようにした実施の形態と、電子制御式のポンプや弁を使用した電子制御式の実施の形態との両方が可能である。図13Cに示した実施の形態は、容積式ポンプ86と、内部バルーン85とを使用して、本発明に係る液体交換機能を実現したものである。この液体交換装置は、実質的に剛体のハウジング84を備えており、このハウジング84の内部に、灌注液リザーバ1と吸引液リザーバ4とが画成されている。また、それらリザーバ1、4には、先に説明した実施の形態と同様に、夫々、灌注ルーメン2と吸引ルーメン3とが接続されている。ハウジング84の内部には更に、バルーン85が内蔵されており、このバルーン85を、灌注液リザーバ1の内部と吸引液リザーバ4の内部とで、選択的に膨張させるように体積制御を行う。図13A及び図13Bの実施の形態と同様に、この液体交換装置を使用するための準備段階で、灌注液リザーバ1に灌注液を充填し、それによって、バルーン85の容積の大部分が吸引液リザーバ4の内部に位置するように、即ち、吸引液リザーバ4の内部でのバルーン85の容積が最大となり、灌注液リザーバ1の容積を殆ど減少させることがないようにしておく。これによって、液体交換装置の使用前の状態では、灌注液リザーバ1の中に灌注液を最大限に充填することができる。液体交換プロセスを開始したならば、容積式ポンプ86が動作して、バルーン85の容積の一部を灌注液リザーバ1へ移動させる。容積式ポンプ86の動作は、ユーザが手動制御するようにしてもよく、或いは、電子回路で制御するようにしてもよい。更に、その電子回路は、例えば、灌注液リザーバ1の容積と吸引液リザーバ4の容積との割合を指示する出力を発生するようなものとしてもよい。液体交換プロセスが進行するにつれて、バルーン85のうちの吸引液リザーバ4の内部に存在していた部分の容積が、次第に灌注液リザーバ1の内部へと移動して行き、その分の灌注液を送り出して行く。ちょうど中間まで進行したときには、バルーンの容積は、2つのリザーバの間で均分されるため、(元々2つのリザーバの容積が等しかった場合には)灌注液リザーバ1に収容されている灌注液の体積と吸引液リザーバ4に収容されている吸引液の体積とが等しくなる。図示例では液体交換体積比1:1であるが、先に説明した実施の形態と同様に、この液体交換装置の各部の寸法を変更することによって、実際の医療に使用する上で必要とされる液体交換体積比に変更することができる。
【0064】
図14に側面図で示した液体交換装置は、剛体の単一のハウジング92の中に、灌注チャンバ90と吸引チャンバ91とを、液密チャンバとして画成したものである。それら2つのチャンバは、ハウジング92の内部に摺動可能に嵌合されてそれら2つのチャンバの間に配設されたピストン93によって仕切られており、このピストン93はその全周がハウジング92の内壁面に密接して、灌注液と吸引液とを分離している。ハウジング92内の一端から他端へ向けてピストン93を移動させると、灌注液が灌注チャンバ90から灌注ルーメン2の中へ押し出される。液体交換対象部位で交換された液体は、吸引ルーメンを通って吸引チャンバ91へ流入して回収される。従って、図14の実施の形態では、ピストン93を一端から他端へ向けて移動させると、灌注チャンバ90が灌注液を送出すると同時に吸引チャンバ91が吸引液を吸引する。続いて、ピストン93を逆方向へ移動させると、灌注チャンバ90に灌注液リザーバ1から灌注液が流入すると同時に、吸引チャンバ91から吸引液リザーバ4へ吸引液が注入される。先に説明した実施の形態の幾つかと同様に、コンパクトな構成で、灌注及び吸引を同時に行うことができ、脈流を発生させることができる。図示例のハウジング92は円筒形であるが、その他の形状とすることも可能であり、更に、流出部、流入部、リザーバ、及びピストンなどの各構成部材の形状も様々なものとすることができ、どのような形状としたものも本発明に包含される。図14の実施の形態では、ピストンはシリンダ内で反復して往復動できるようにしてあり、その各動作サイクルにおいて、所定量の灌注液及び吸引液を送出及び回収することができるようにしてある。
【0065】
この液体交換装置の各動作サイクルにおいて、ピストン93をハウジング92の一端から他端まで移動させるものとすれば、各動作サイクルにおいて液体交換対象部位で交換される液体の量は、ハウジング92の容積と略々等しくなる。上で説明した様々な実施の形態と同様に、この実施の形態の液体交換装置も、手動操作式と電子制御式とのいずれの方式とすることもでき、手動操作式とする場合には、ピストン93に取付けたハンドル94を掴んで操作すればよく、電子制御式とする場合には、簡単なポンプを装備するようにしたり、ハウジング92内でピストンを移動させる力を作用させる電気的機構または磁気的機構を装備するようにすればよい。灌注チャンバ90及び吸引チャンバ91には、別体の灌注液リザーバ1及び吸引液リザーバ4を接続してあるため、この液体交換装置は、反復する各動作サイクルにおいて、ルーメンを介して送出するための所定量の灌注液を灌注チャンバ90に吸い込み、また、吸引ルーメン3を介して所定量の吸引液を吸引チャンバ91に吸引して回収する。この実施の形態の別構成例として、ハウジングの中に、液体交換対象部位へ供給する灌注液の全量を収容する灌注液リザーバと、液体交換対象部位で交換された液体の全量を回収して収容する吸引液リザーバとを画成しておき、ピストン91をハウジング92の一端から他端まで移動させると、灌注液リザーバ1の中の灌注液の全量が灌注ルーメン2を通って液体交換対象部位へ供給され、そして、交換された液体が、液体交換対象部位から吸引ルーメン3を通って吸引液リザーバ4に戻るようにしてもよい。この実施の形態の更に別の構成例を示したのが図15であり、同図の構成においては、灌注液リザーバ1の中の灌注液を送出して吸引液リザーバ4に回収するための駆動機構として、以上のものとは異なった駆動機構を採用している。
【0066】
図15の実施の形態において、灌注液リザーバ1と吸引液リザーバ4との間を液密的に分離する分離機構95は、スクリューロッド97上をその軸心方向に移動する。スクリューロッド97には、可動部材96が螺合しており、この可動部材96は、回転することによってスクリューロッド97の軸心方向に移動し、それによって分離機構95をスクリューロッド97の軸心方向に移動させて、灌注液を送出する。可動部材96は、スクリューロッド97と協働することで微細な軸心方向移動を行えるようにしたものであるが、それととともに、可動部材96を軸心方向に高速移動させることもできるようにしておくことが望ましい。そこで、可動部材96の雌ネジ部と、スクリューロッド97の雄ネジ部との間の螺合状態を選択的に解除できるようにしてあり、その螺合状態を解除することで、可動部材96をスクリューロッドの軸心方向に高速で移動させて、粗動操作を行えるようにしている。一方、螺合状態にしたときには、可動部材を回転させることによって、微細操作を行うことができる。可動部材の内部には、雌ネジ部と雄ネジ部との間の螺合状態を選択的に解除するための機構が内蔵されており、その機構は、作動されたならば、ネジ部どうしの係合部を後退させるようにしたものである。
【0067】
図16に示した実施の形態に係る液体交換装置は、2つの構成部材を用いて、2本の注射器を互いに逆方向に操作できるようにしたものである。一体形成した本体部材101には、一方の注射器の本体である外筒部材102aと、他方の注射器のピストン103bとが連結されている。本体部材101には更に、可動部材104が往復動可能に取付けられている。図16に示したように、可動部材104には、一方の注射器の本体である外筒部材103aと、他方の注射器のピストン102bとが連結されている。本体部材101と可動部材104とに、2本の注射器の外筒部材102a、103aとピストン102b、103bとを以上のように連結してあるため、可動部材104を本体部材101に対して相対的に移動させると、一方の注射器ではピストンが外筒部材から次第に引き抜かれ、他方の注射器ではピストンが外筒部材に次第に押し込まれる。以上の構造は、既存の注射器を組付けることでも構成することができ、また、注射器の構成要素であるピストンと外筒部材とを、本体部材及び可動部材に一体に形成することでも構成することができる。この実施の形態は、幾つかの固有の利点を有する。その1つは、2本の注射器のピストン移動量が等しくなるため、液体交換体積比を確実に1:1にすることができることである。また、液体交換装置に作用する力がバランスする構造となっていることも、利点のうちの1つである。また更に、機構の複雑度を低減して、相対移動する僅か2つの部材で構成できるようにしたことも、製作上及び装置効率上の優れた利点となっている。
【0068】
既述のごとく、乱流を発生させるための機構は、液体交換装置の効率を向上させるための重要な要素である。液体の流れは層流になろうとする傾向を有するため、身体器官の内部の洗浄を最適に行うためには、灌注口を近接させたり、灌注口を多孔構造とするなどして、乱流状態を発生させやすくすることなどが重要である。そのため、灌注や吸引を実行する際には、カテーテルを移動させつつそれらを行うようにしている。これまでに説明した実施の形態はいずれも、オペレータが手動操作によって移動させることができるようにしたものである。これに加えて、自動移動システムを用いてカテーテルを移動させることも可能であり、この自動移動を行わせるには、例えば、IVUSを実行する際に用いられている自動移動システムと同様のシステムを使用すればよい。また、別法として、液体交換装置にカテーテル自動移動機構を組込むようにしてもよい。図17Aに、カテーテル自動移動を実現するための簡単な構成の機構を示した。カテーテル7を図17Aに矢印で示したように左方へ移動させるときには、円形の係合部材110がスロット111の中で上方へ移動してカテーテル7と係合するようにしておけば、カテーテル7を左方へ移動させることができる。
【0069】
図17Bに示したのは、図17Aに示した機構と同じものである。カテーテル7が右方へ移動した後には、丸形の係合部材110がスロット111の中で下方へ移動することによって、カテーテル7が矢印で示したように自由に右方へ移動できるようになり、カテーテルの位置に影響を及ぼさなくなる。以上によって、装置を動作させるごとに、カテーテル7を所定移動量だけ、選択的に後退または前進させることができる。この機能を実現するための具体的な構成は様々なものとすることができる。最も簡明な構成は、カテーテルが一方向へ移動しようとするときには、そのカテーテルを拘束し、逆方向へ移動しようとするときには拘束せずに自由に移動できるようにする係止部材を使用するものである。この係止部材を付勢するガイドトラックを使用して圧力を加えるようにし、それによって、一方向へ移動しようとするカテーテルを拘束し、逆方向へ移動しようとするときには拘束を解除して、自由に摺動してリセット位置へ戻れるようにすればよい。この係止部材は、オペレータが必要に応じて選択的に係止させるようにするとよく、また更に、カテーテルの前進と後退とを選択できるようにすると更によい。
【0070】
液体交換装置の現時点で好適と考えられている実施の形態においては、その装置に装備したスプリングなどの付勢部材によって、リセット力を付与するようにする必要がある。このリセット力は、システムの本来の抵抗力に付加されるため、オペレータが装置を使用するときには、システムの本来の抵抗力とリセット力との合力より大きな力を加えなければならない。このリセット力を消滅させるか、或いは非常に小さくすることができれば、オペレータは、リセット力に対抗するために必要とされていた力を、装置が実行しようとしている作業に必要とされる力の方へ振り向けることができるため、その作業のためにより大きな力を与えることができるようになる。図18A〜図18Cは、これを可能にするための階段機構を示したものである。図18Aは、装置の灌注側と吸引側とを機械的に連動させる構造を示した図である。この実施の形態においては、装置の灌注側と吸引側とを機械的に連動させて、それらが互いに逆方向に等距離を移動するようにすることが重要である。また、これが重要であるのは、引き金を反復して操作する際に、常の同一の操作感が得られ、ただし、一方の側だけに係合して、しかも装置全体を駆動できるようにするためである。こうすることによって、オペレータは、装置の内部で発生する変化に気付くことなく操作を行えるという利点が得られる。即ち、引き金を引くときの操作感を同一にすることができる。この実施の形態では、最初に引き金を引いたときに2つのチャンバが動作し、もう1回引き金を引いたときに2つのチャンバがリセットされる。しかもこれを、簡明な機構で実現している。この機構は、ノック式ボールペンなどに使用されている機構と同様のものである。基本的に、引き金に係合部材を連結し、この係合部材に小さな付勢力を付与して、装置の灌注側の部材と吸引側の部材との一方に選択的に係合させるようにしておく。図18Bは、案内軌道の形状を示した平面図であり、この案内軌道は、引き金に連結した選択的係合部材を案内するためのものである。既述のごとく、装置の灌注側の部材と吸引側の部材とが機械的に連動させて、それらが互いに逆方向に等距離を移動するようにしてあるため、係合部材がどちらに係合している場合でも、引き金に加えるの力は同一であり、ただ結果だけが異なる。最小限必要な復帰力を付与する付勢部材を使用して引き金を元の位置へ復帰させるようにしており、また、元の位置へ復帰する際に、その付勢部材によって、案内軌道の2本の枝のうち、それまでとは逆の枝へ入れられ、次回の引き金の操作の際には、引き金はその枝に案内されるようになる。次回の引き金の操作が行われた後には、引き金は再び元の位置へ復帰させられ、その際に、また案内軌道の元の枝に入れられる。
【0071】
図18Cは、引き金を離すたびに、その引き金が装置の灌注側と吸引側とに交互に係合し、そして、次回の引き金の操作の際に、その係合した側の部材を引き戻すように動作することを説明するための図である。
【0072】
以上に具体的な構成例、任意に採用し得る構造例、及び実施の形態について多くの特徴を列挙した。以上に説明した特徴のは、その他の実施の形態やその他の標準的装置と組合せて別の実施の形態とし得るものである。以上に記載した具体例は多くの具体的特徴を備えたものであるが、それら具体的特徴は本発明の実施の形態のうちの幾つかを例示したものにすぎない。当業者であれば、その他の実施の形態並びに変更を加えた実施の形態にも相当するのは当然である。従って、以上に記載した具体例は本発明の好適な実施の形態の内の幾つかを例示したものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】装置の構成要素を示した図であり、示した構成要素のうちには、実施する上で必要な基本的構成要素と、任意に装備することのできる構成要素とが含まれており、任意に装備することのできる構成要素のうちには、液体交換の際の流量下限値を確保するための構成要素と、流量上限値を定めるための構成要素とが含まれ、それら上下の限度値によって流量の許容幅が定められている。
【図2A】先端に吸引口を備えた吸引ルーメンと先端に灌注口を備えた灌注ルーメンとを一体化した本発明におけるカテーテルを示した血管の断面図であって、カテーテルを断面図として吸引ルーメンと灌注ルーメンとを示した図である。
【図2B】先端に吸引口を備えた吸引ルーメンと先端に灌注口を備えた灌注ルーメンとを一体化した本発明におけるカテーテルを示した血管の断面図であって、液体交換領域にカテーテルを挿入した状態を示しており、この液体交換領域は完全閉塞状態にあり、カテーテルの先端近傍に存在する閉塞物は、凝血塊、病変組織、膿瘍、それに脂肪球などであり、先端が閉塞した耳腔などにも適用可能である。
【図2C】先端に吸引口を備えた吸引ルーメンと先端に灌注口を備えた灌注ルーメンとを一体化した本発明におけるカテーテルを示した血管の断面図であって、灌注ルーメンと吸引ルーメンとの間に液体交換領域を画成するための閉塞バルーンを備えたシステムの断面を示した図である。
【図2D】先端に吸引口を備えた吸引ルーメンと先端に灌注口を備えた灌注ルーメンとを一体化した本発明におけるカテーテルを示した血管の断面図であって、吸引ルーメンに連通した吸引口及び灌注ルーメンに連通した灌注口の配置の一例を示した図である。
【図3A】吸引ルーメン及び閉塞部材を備えた閉塞部材案内用カテーテルと、灌注ルーメンを備えたもう1つのカテーテルとを組合せて、それらによって液体交換領域を画成するようにしたカテーテル構造を示した図である。
【図3B】吸引口を間に挟んでそれより先端側と基端側とに1つずつ灌注口を備え、それらによって、液体交換領域を前後から分離させて局在化するようにしたカテーテル構造を示した図である。
【図3C】液体が円筒形の管内を流れるときの通常の流れ状態である層流状態を示した図である。流速は管の中心において最大であり、管壁に近付くにつれて0に近付いて行く。図中の矢印の長さは速度の大きさを表している。
【図3D】本発明のカテーテルによって形成される乱流領域の流れと、乱流から層流へ遷移する領域の流れと、層流になった領域の流れとを表した図であり、乱流から層流へ遷移する領域においては管壁に沿った部分の流速がまだ比較的大きく、灌注口から十分に離れた領域では層流になっている。
【図3E】3群の注入口群を備えたカテーテルを示した図である。図から分かるように、流れは注入口群の近傍で乱流状態が最も強まり、注入口群を通過すると次第に層流状態に近付いて行き、次の注入口群に至ったならば再び乱流状態になる。図中にAで示した領域では、灌注口によって乱流状態となっている。Bで示した領域では次第に層流状態に地下水テイルCで示した領域では完全に層流状態になっている。
【図3F】距離によって流れの状態が異なる領域が発生することを示した図である。カテーテルの灌注口形成領域と略々同じ長さの遷移領域が形成されている。
【図4A】灌注液リザーバに力を加えるように構成し吸引液リザーバに吸引液を回収するようにした手持型の装置においてレバー式の機構を用いて脈動流を発生させるようにした液体交換装置の実施の形態の模式図である。
【図4B】灌注及び吸引のための注射器に類似した交換可能な液体カートリッジを装着するようにした実施の形態を示した図であり、液体カートリッジを交換することによって液体交換比を1:1以外の値にすることができるようにしたものである。図示例では、液体カートリッジの相対的な寸法の違いにより吸引液に対する灌注液の液体量の比である液体交換比が2:1になっている。
【図5A】異なった種類の灌注液を収容した分割形の灌注液リザーバを備えた液体交換装置を示した図である。
【図5B】液体交換対象部位の基幹側に注入する灌注液と末梢側に注入する灌注液とを分離した液体交換装置を示した図である。
【図6】テーブルトップ型の液体交換装置を示した図であり、同装置は、手動操作式のシステムとすることもでき、電子制御式のポンプ駆動型システムとすることもできるものであり、任意に装備する構成要素である流路中に介装する灌注液用のエアとラップと吸引液用のフィルタとを装備している。
【図7A】本発明の1つの実施の形態であって、ハンドルと引き金を握って操作するように構成した手持型の液体交換装置を示した図である。ハンドルに引き寄せるように引き金を操作することでピストンを移動させ、それによって、灌注チャンバから灌注液を送出し、吸引チャンバ(不図示)に液体を回収するようにしたものである。
【図7B】本発明の1つの実施の形態であって、ハンドルと引き金を握って操作するように構成した手持型の液体交換装置を示した図である。ハンドルに引き寄せるように引き金を操作することでピストンを移動させ、それによって、灌注チャンバから灌注液を送出し、吸引チャンバ(不図示)に液体を回収するようにしたものである。
【図8】本発明の好適な1つの実施の形態であって、スプリングで付勢した引き金機構を備えた手持型の液体交換装置を示した図である。ハンドルに引き寄せるように引き金を操作するようにしたものである。引き金を操作すると、灌注カートリッジと吸引カートリッジとが互いに逆方向に移動させて、灌注液リザーバと吸引液リザーバとに作用させる力を制御する。
【図9A】引き金の枢着点の位置を調節可能とすることで流量比及びピーク圧力を変更できるようにした手持型の液体交換装置の実施の形態を示した図である。
【図9B】引き金の枢着点の位置を調節可能とすることで流量比及びピーク圧力を変更できるようにした手持型の液体交換装置の実施の形態を示した図である。
【図10】円筒形の灌注液リザーバから灌注液を送出して吸引液リザーバに回収するピストンの運動を、ラチェット機構により制御するようにした実施の形態を示した図である。
【図11】灌注チャンバと吸引チャンバとが連動して一方が液体を充填し他方が液体を送出するようにしてあり、リザーバとルーメンとに接続した互いに独立した流入部と流出部とを各チャンバが備えるようにした液体交換装置を示した図である。
【図12A】手で握って圧縮する圧搾可能な球の内部を仕切って灌注チャンバと吸引チャンバとを画成し、灌注液リザーバと灌注ルーメンとの間に灌注チャンバを介装し、吸引液リザーバと吸引ルーメンとの間に吸引チャンバを介装するようにした液体交換装置を示した図である。
【図12B】手で握って圧縮する圧搾可能な球の内部を仕切って灌注チャンバと吸引チャンバとを画成し、灌注液リザーバと灌注ルーメンとの間に灌注チャンバを介装し、吸引液リザーバと吸引ルーメンとの間に吸引チャンバを介装するようにした液体交換装置を示した図である。
【図13A】圧搾可能な球式のポンプの内部に灌注液リザーバを画成し、可撓性の隔壁で灌注液と流入してくる吸引液とを分離するようにした液体交換装置の実施の形態を示した図である。この装置は最初に灌注液を充填しておくようにし、充填された灌注液によって圧搾可能な球の内部空間の大部分が占められ、この灌注液は液体交換対象部位を流れて圧搾可能な球の内部の吸引液リザーバへ流入する。
【図13B】圧搾可能な球式のポンプの内部に灌注液リザーバを画成し、可撓性の隔壁で灌注液と流入してくる吸引液とを分離するようにした液体交換装置の実施の形態を示した図である。この装置は最初に灌注液を充填しておくようにし、充填された灌注液によって圧搾可能な球の内部空間の大部分が占められ、この灌注液は液体交換対象部位を流れて圧搾可能な球の内部の吸引液リザーバへ流入する。
【図13C】外部ハウジングと内部バルーンとを備え、外部ハウジングは実質的に剛体とした実施の形態を示した図である。ハウジングの内部には液体が充填され内部バルーンには空気または不揮発性のガスが充填されている。容積式ポンプがバルーンの内部の状態を変化させ、内部灌注液リザーバから液体を送出して内部吸引液リザーバへ回収する。
【図14】灌注チャンバ及び吸引チャンバを1つのハウジングの内部に画成し、可動ピストンで分離することで2つの個別のチャンバにし、洗浄及び吸引を同時に行えるようにした装置を示した図である。
【図15】摺動と螺合との両方を可能にした機構を用いて灌注液の送出と吸引液の吸引とを同時に行うようにした構成を示した図である。摺動によって粗移動を行い、螺合した状態で回転させることによって精密調整を行えるようにしたものである。
【図16】一方のリザーバのシリンダと他方のリザーバのピストンとに連結する部材を使用することで、構成部品の点数を極力低減した液体交換装置の実施の形態を示した図である。
【図17A】液体交換装置と組合せて使用するカテーテルの自動前進または自動後退のための係合機構を示した図である。
【図17B】液体交換装置と組合せて使用するカテーテルの自動前進または自動後退のための係合機構を示した図である。
【図18A】吸引手段と灌注手段とを機械的に連動させて互いに逆方向へ等距離を移動させるようにし、階段機構を備えた本発明の実施の形態を示した図である。
【図18B】吸引手段と灌注手段とを機械的に連動させて互いに逆方向へ等距離を移動させるようにし、階段機構を備えた本発明の実施の形態を示した図である。
【図18C】吸引手段と灌注手段とを機械的に連動させて互いに逆方向へ等距離を移動させるようにし、階段機構を備えた本発明の実施の形態を示した図である。
Claims (24)
- 身体内の局所領域において灌注及び吸引を行うためのシステムにおいて、
液体交換装置と、吸引ルーメンと、カテーテルとを備えており、
前記液体交換装置は、灌注液リザーバ及び灌注ルーメンを備えており、該灌注ルーメンは、制御された量の灌注液を前記灌注液リザーバから該灌注ルーメンを介して液体交換対象部位へ供給する灌注液供給手段を備えており、
前記吸引ルーメンは、制御された量の吸引液を該吸引ルーメンを介して吸引して回収する吸引液回収手段を備えており、
前記カテーテルは、前記灌注ルーメンまたは前記吸引ルーメンを備えており、前記灌注ルーメンの先端には少なくとも1つの灌注口が形成され、該灌注口は前記カテーテルの先端に位置しており、前記吸引ルーメンの先端には少なくとも1つの吸引口が形成されており、前記少なくとも1つの灌注口と、前記少なくとも1つの吸引口との間で、液体交換が行われるようにしてある、
ことを特徴とするシステム。 - 制御された量の灌注液を供給する前記灌注液供給手段が、シリンダと、該シリンダから液体を押し出すピストンとで構成されていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 制御された量の吸引液を前記液体交換対象部位から吸引して回収する前記吸引液回収手段が、シリンダと、該シリンダに液体を吸い込むピストンとで構成されていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 前記ピストン及び前記シリンダが交換可能な注射器の構成要素であることを特徴とする請求項2記載のシステム、。
- 前記液体交換が乱流を発生させることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 前記少なくとも1つの灌注口及び前記少なくとも1つの吸引口に近接して設けられた閉塞部材を備えていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 前記閉塞部材がバルーンであることを特徴とする請求項6記載のシステム。
- 前記液体交換装置が更に灌注チャンバを備えており、該灌注チャンバは前記灌注液リザーバに連通した流入ラインを備えており、前記流出ラインが前記灌注ルーメンに連通していることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 前記液体交換装置が更に吸引チャンバを備えており、該吸引チャンバは前記吸引ルーメンに連通した流入ラインと、前記吸引液リザーバに連通した流出ラインとを備えていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 前記液体交換装置が引き金及びハンドルを備えており、それら引き金及びハンドルを手で握って操作することで、灌注液が液体交換対象部位へ供給されるようにしてあることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 前記液体交換装置が電子制御式ポンプを備えていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 制御された量の吸引液を回収する前記吸引液回収手段が、前記吸引ルーメンに連通した少なくとも1つの一方向弁を備えていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 制御された量の灌注液を供給する前記灌注液供給手段が、制御された量の吸引液を回収する前記吸引液回収手段に結合されており、それによって液体交換対象部位における液体交換体積比が所定の比となるようにしてあることを特徴とする請求項1記載のシステム。
- 前記液体交換体積比が約1:1であることを特徴とする請求項13記載のシステム。
- 吸引液の体積量に対する灌注液の体積量の比である前記液体交換体積比が約1:2から約2:1までの間にあることを特徴とする請求項13記載のシステム。
- 液体交換装置において、
灌注液リザーバから灌注ルーメンを介して制御された量の灌注液を供給する灌注液供給手段と、
吸引ルーメンから吸引液リザーバへ制御された量の吸引液を回収する吸引液回収手段とを備え、
制御された量の灌注液を供給する前記灌注液供給手段と、制御された量の吸引液を回収する前記吸引液回収手段との各々が、夫々にルーメンに連通しており、それらルーメンは身体内の液体交換対象部位と共に実質的に閉じたループを形成している、
ことを特徴とする液体交換装置。 - 制御された量の灌注液を供給する前記灌注液供給手段が、灌注液を押し出すピストンに連結された第1部材と、吸引液を吸い込むピストンに連結された第2部材とを備えていることを特徴とする請求項16記載の装置。
- 前記第1部材が、吸引液を吸い込む前記ピストンを収容しているシリンダ本体に連結されていることを特徴とする請求項17記載の装置。
- 前記第2部材が、灌注液を押し出す前記ピストンを収容しているシリンダ本体に連結されていることを特徴とする請求項17記載の装置。
- 制御された量の灌注液を供給する前記灌注液供給手段と、制御された量の吸引液を回収する前記吸引液回収手段とが、手で握って圧縮する圧搾可能な球の内部に収容されており、該圧搾可能な球が更に、液密構造の膜体を備えていることを特徴とする請求項16記載の装置。
- 前記圧搾可能な球の内部に、灌注液を貯留する灌注液リザーバが画成されていることを特徴とする請求項20記載の装置。
- 一方向弁を介して前記圧搾可能な球に接続された灌注ルーメン及び吸引ルーメンを更に備えたことを特徴とする請求項20記載の装置。
- 制御された量の灌注液を供給する前記灌注液供給手段が、灌注チャンバと吸引チャンバとを備えており、それら灌注チャンバと吸引チャンバの各々が、一方向弁を備えた流入路と一方向弁を備えた流出路とを備えていることを特徴とする請求項20記載の装置。
- 制御された量の灌注液を供給する前記灌注液供給手段が、単一のハウジングを備えており、該単一のハウジングの内部が仕切られて灌注液リザーバと吸引液リザーバとが画成されており、前記灌注液供給手段が更に、前記灌注液リザーバと前記吸引液リザーバとの間に配設された単一のピストンを備えていることを特徴とする請求項20記載の装置。
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