JP2008525468A - ポストコンディショニング臓器保護作用を増強する治療補助薬 - Google Patents
ポストコンディショニング臓器保護作用を増強する治療補助薬 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008525468A JP2008525468A JP2007548436A JP2007548436A JP2008525468A JP 2008525468 A JP2008525468 A JP 2008525468A JP 2007548436 A JP2007548436 A JP 2007548436A JP 2007548436 A JP2007548436 A JP 2007548436A JP 2008525468 A JP2008525468 A JP 2008525468A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tissue
- inhibitor
- organ
- perfusion
- reperfusion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/40—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil
- A61K31/402—1-aryl substituted, e.g. piretanide
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/13—Amines
- A61K31/155—Amidines (), e.g. guanidine (H2N—C(=NH)—NH2), isourea (N=C(OH)—NH2), isothiourea (—N=C(SH)—NH2)
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/16—Amides, e.g. hydroxamic acids
- A61K31/165—Amides, e.g. hydroxamic acids having aromatic rings, e.g. colchicine, atenolol, progabide
- A61K31/166—Amides, e.g. hydroxamic acids having aromatic rings, e.g. colchicine, atenolol, progabide having the carbon of a carboxamide group directly attached to the aromatic ring, e.g. procainamide, procarbazine, metoclopramide, labetalol
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P39/00—General protective or antinoxious agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P41/00—Drugs used in surgical methods, e.g. surgery adjuvants for preventing adhesion or for vitreum substitution
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
- A61P9/10—Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
Abstract
本発明は、虚血により傷害を受けた臓器または組織の再灌流を、ポストコンディショニング(事後条件付け)の効果を増強する1種以上の組織保護剤の投与と組合わせて、ポストコンディショニングする方法を提供する。さらに、心臓再灌流後の心臓への障害を予防するために、ポストコンディショニングの効果を増強する1種以上の組織保護剤の投与と組合わせて、対象の心筋梗塞を処置する方法が提供される。
Description
本出願は2004年12月22日に出願した米国仮出願番号60/638,461に対する優先権を主張する。上記出願はその全文を参照により本明細書の一部とする。
本発明は虚血によって傷害を受けた臓器および組織の処置に関する。とりわけ、本発明は虚血事象を経た臓器および組織における再灌流傷害を予防することに関する。
心臓病はアメリカ人労働者の早発性永久的障害の主要原因であり、社会保障制度障害支払いの略20%を占める。約2000万人のアメリカ人が心臓病の影響下に生活し、600万を超える人々が毎年心臓発作を起こしている。毎年、初めての心臓発作を起こした患者の略50%が、心筋梗塞のために死亡する。
心臓は正常かつ持続的な機能のために、恒常的な途切れることのない血液の供給を必要とする。患者が心臓発作を起こした場合、心臓部分への血流が停止し、虚血を起こす。心臓はその機能的能力を喪失し、心臓の虚血部分が死への危機状態となり、心臓組織の集中的壊死を起こす。心臓発作は経皮的経管的冠動脈形成術(PTCA)によるか、またはより侵襲的手法である冠動脈バイパス移植手術(CABG)により処置することができる。どちらの手法も、遮断された血管(冠動脈)を押し開いて心臓筋肉への血液供給を復旧させることが可能であり、この方法を再灌流と呼称する。血栓溶解療法、PTCA、またはCABGによる虚血心筋層の早い段階での再灌流の有益な効果が、現在、確立されているが、増大する研究数によると、再灌流は虚血性の心臓筋肉にさらに傷害をもたらすこと、例えば、心筋壊死の拡大、すなわち、梗塞サイズ拡張および収縮機能と代謝の損傷などを誘発する。再灌流傷害は急激に拡がるばかりでなく、心臓発作後、数日にわたって拡大し得る。
ポストコンディショニング(事後条件付け)は、全体が、または略全体がすでに虚血状態となっている臓器または組織に対する再灌流傷害を有意に減少させる処置方法であるが、その場合の灌流(血流)条件は、再灌流の開始に際し改変される。ポストコンディショニングは開始時点で適用される冠動脈の動脈再灌流における一連の短い反復性の断絶を特徴とする。再流のバーストと引き続く閉塞性断絶は、大型動物モデルにおける30秒間隔から、小型のげっ歯類モデルにおける10秒間隔までの範囲の秒単位で持続する[50、51]。ヒトでの予備的研究では、1分間隔の再灌流とそれに続く血流の断絶を、カテーテルによる経皮的冠状介入(PCI)に際し、使用した[52]。
この技術において必要とされるものは、全体が、または略全体が虚血となっている臓器または組織における再灌流傷害をさらに減少させるポストコンディショニングの有益な効果を増強する方法である。従って、本明細書にて提供される方法は、ポストコンディショニングの有益な効果を増強する方法であって、1種以上の組織保護剤の有効量をポストコンディショニングとの組み合わせで投与することからなる方法である。
本発明は、虚血事象後の臓器または組織への再灌流の前、その間、またはその後の、対象における臓器または組織に対する傷害を予防する方法であって:a)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を停止すること;b)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を再開すること;c)処置a)およびb)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;d)臓器または組織の灌流を中断させないこと;およびe)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法を提供する。
また、心臓の虚血事象と診断された対象の心臓への傷害を予防する方法であって:
a)冠状動脈の内腔の障害物を取り除くこと;b)約5秒ないし約5分間、心臓を灌流すること;c)約5秒ないし約5分間、心臓の灌流を停止すること;d)処置b)およびc)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;e)心臓の灌流を中断させないこと;およびf)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の心臓に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法が提供される。
a)冠状動脈の内腔の障害物を取り除くこと;b)約5秒ないし約5分間、心臓を灌流すること;c)約5秒ないし約5分間、心臓の灌流を停止すること;d)処置b)およびc)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;e)心臓の灌流を中断させないこと;およびf)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の心臓に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法が提供される。
本発明は、虚血事象後の臓器または組織への再灌流の前、その間、またはその後の、対象における臓器または組織に対する傷害を予防する方法であって:a)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を減少させること;b)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を再開すること;c)処置a)およびb)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;d)臓器または組織の灌流を中断させないこと;およびe)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法を提供する。
また、心臓の虚血事象と診断された対象の心臓への傷害を予防する方法であって:
a)冠状動脈の内腔の障害物を取り除くこと;
b)約5秒ないし約5分間、心臓を灌流すること;
c)約5秒ないし約5分間、心臓の灌流を減少させること;
d)処置b)およびc)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;
e)心臓の灌流を中断させないこと;および
f)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の心臓に対する傷害を予防すること;
を特徴とする方法が提供される。
a)冠状動脈の内腔の障害物を取り除くこと;
b)約5秒ないし約5分間、心臓を灌流すること;
c)約5秒ないし約5分間、心臓の灌流を減少させること;
d)処置b)およびc)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;
e)心臓の灌流を中断させないこと;および
f)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の心臓に対する傷害を予防すること;
を特徴とする方法が提供される。
図面の簡単な説明
図1は虚血(I)および再灌流(R)後の心筋層に対するポストコンディショニングにおける一つの可能な変動の影響を決定するために使用した実験プロトコールを示す。対照群(n=10);ポスト−コン(n=10);プレ−コン(n=9);虚血プレコンディショニングは、左前下降冠状動脈(LAD)閉塞の60分前、5分間の冠状閉塞と、引き続く10分間の再灌流により誘発した;また、ポストコンディショニングは、3時間の再灌流の前、それぞれ3サイクルの30秒間の再灌流と、引き続く30秒間の閉塞とした。ポスト−コンはポストコンディショニング;プレ−コンはプレコンディショニングである。
図1は虚血(I)および再灌流(R)後の心筋層に対するポストコンディショニングにおける一つの可能な変動の影響を決定するために使用した実験プロトコールを示す。対照群(n=10);ポスト−コン(n=10);プレ−コン(n=9);虚血プレコンディショニングは、左前下降冠状動脈(LAD)閉塞の60分前、5分間の冠状閉塞と、引き続く10分間の再灌流により誘発した;また、ポストコンディショニングは、3時間の再灌流の前、それぞれ3サイクルの30秒間の再灌流と、引き続く30秒間の閉塞とした。ポスト−コンはポストコンディショニング;プレ−コンはプレコンディショニングである。
図2はプレコンディショニング染色に対比して、塩化トリフェニルテトラゾリウム(TTC)により決定した虚血ポストコンディショニングによる心筋梗塞サイズの縮小を示す棒グラフである。左心室(LV)マスに比例するリスク(AAR)の範囲(AAR/LV)と壊死の範囲(AN)をAARのパーセント(AN/AAR)として表した。虚血ポストコンディショニングは、対照群と比較してAN/AARを48%有意に低下させ、従って、虚血プレコンディショニングに対し、心臓保護が等能力であることを示した。対照群に対し、*P<0.05。値は群平均±S.E.M.である。
図3は虚血ポストコンディショニングによるLAD灌流心筋層における心筋浮腫の縮小を示す棒グラフである。正常:非虚血ゾーン;Isch−epi:虚血心外膜下;Isch−endo:虚血心内膜下。虚血ポストコンディショニングは、対照群と比較して組織含水量を有意に低下させた。正常ゾーンに対し、*P<0.05。対照群に対し、†P<0.01。値は群平均±S.E.M.である。
図4は冠状閉塞と再灌流の過程での血漿クレアチン・キナーゼ(CK)活性を示すグラフである。血漿CK活性は、ベースラインと虚血後の2群間で同等であった。梗塞サイズの減少と矛盾なく、虚血ポストコンディショニングは対照群値に比例して、再灌流2時間目からCK活性を有意に低下させた。値は平均±S.E.M.である。対照群に対し、*P<0.05。ベースラインとIsch値に対し、*P<0.01。対照群に対し、p<0.05。
図5は、虚血−再灌流心筋層における局所性経壁心筋血流を示す線グラフである。ベースラインでの値および虚血の間の値は、2群間で同等であった。15分間の再灌流に際しての充血が、虚血性プレ−およびポストコンディショニングにより有意に阻害された。値は平均±S.E.M.である。虚血に対し、*P<0.05=対照群に対し、†P<0.05。
図6は、非虚血左回旋冠状動脈(LCX)冠状動脈輪および虚血−再灌流(LAD)冠状動脈輪の虚血後−再灌流内皮機能を示す線グラフであり、臓器チェンバー中のアセチルコリンの増大する濃度への応答として評価したものである。再灌流時のアセチルコリンに対する応答は、非虚血性LCX冠状動脈輪の応答に対して、有意に鈍かった。虚血ポストコンディショニングにおける応答は有意に上昇したが、このことはポストコンディショニングよるより良好な内皮機能と虚血−再灌流傷害の回避を示唆している。値は、イヌ5匹からの少なくとも12の輪の平均±S.E.M.である。虚血ポスト−およびプレ−コンディショニングに対する対照群のLAD*P<0.05。
図7は、血管平滑筋拡張剤ニトロプルシドに対する非虚血LCX冠状輪の応答と、虚血−再灌流(LAD)冠状輪の応答を示す線グラフである。群間の差はすべての群において検出されなかったが、このことは血管平滑筋の機能が正常であり、群間で同等であったことを示唆している。
図8は、プレコンディショニングに対し、虚血ポストコンディショニングによる冠状内皮への未刺激蛍光標識好中球の付着の阻害を示す棒グラフである。付着の程度は、冠状動脈内皮が受けた傷害の程度と相関し、一酸化窒素またはアデノシンの基礎的生成の喪失に関係する。LCX:非虚血左回旋冠状動脈;LAD:虚血/再灌流左前下降冠状動脈;Post−LAD:虚血ポストコンディショニング群のLAD;Pre−LAD:虚血プレコンディショニング群のLAD。虚血プレコンディショニングによる保護と同様の強さで、虚血ポストコンディショニングは、対照群と比較して、冠状内皮への好中球付着を阻害した。値は群平均±S.E.M.である。LCXに対し、*P<0.05;対照群におけるLADに対し、HP<0.01。
図9は、LAD虚血および再灌流後の異なる実験群における非虚血(正常)ゾーンおよび虚血ゾーンでの好中球蓄積のマーカーとしての組織ミエロペルオキシダーゼ(デルタ吸光度Δ単位/分(abs/min.)でのMPO)活性を示す。上昇したMPO活性は、対照AARにおける再灌流の終点で見られた。虚血ポストコンディショニングは対照群と比較して、MPO活性を有意に低下させ、プレコンディショニング群と同等であった。棒グラフの高さは平均±SEMを表す。正常組織に対して、*P<0.05;対照群に対してのポスト−コンおよびプレ−コン群、†P<0.05。
図10は虚血−再灌流のラットモデルにおける研究プロトコールの説明図を示す。斜交平行線付きの棒グラフ=ナトリウム−水素交換インヒビターのカリポリドを静脈内投与した時点。垂直平行線棒グラフ=ポストコンディショニング・アルゴリズム。対照(n=8);左冠状動脈(LCA)を閉塞し、次いで3時間再灌流した(白色棒グラフ)。ポスト−コン(n=8):10秒間の完全再灌流(R、白色棒グラフ)および10秒間の再閉塞虚血(I、暗色棒グラフ)を3サイクル繰り返した。NHE(1)(n=8);カリポリド(1mg/kg)を再灌流前5分に注射し、次いで、抑制のないRとした。NHE(1)+ポスト−コン(n=8);カリポリド、次いでポスト−コン。遅延(D)−NHE(1)(n=8):1分間の完全に抑制のない再灌流後の5分間にカリポリドを注射した。ポスト−コン+D−NHE(1)(n=8);ポスト−コン、次いで5分間カリポリド注射。ポスト−コン=ポストコンディショニング、NHE(1)=1mg/kgカリポリド。
図11は、左心室(LV)のパーセントで表したリスク範囲(AAR)とAARのパーセントで表した壊死の範囲(AN)を示す。梗塞サイズはANとAARのパーセントで表す。すべての群において、梗塞サイズは対照に比較し、縮小していた。ポスト−コン+D−NHE(1)群に観察される梗塞サイズの縮小は、ポストコンディショニング単独よりも有意に大きかった。対照に対し、*p<0.05、対照に対し、#p<0.001。ポスト−コン=ポストコンディショニング。値は平均±SEMである。
発明の詳細な説明
留意すべき点は、本明細書および添付の請求項にて使用する場合、単数の不定冠詞、定冠詞は、その文脈が特に明瞭に指示しない限り、複数の指示対象をも包含することである。従って、例えば、「1薬剤」という場合はその薬剤の複数のコピーを含み、1種以上の特定の薬剤をも包含する。
留意すべき点は、本明細書および添付の請求項にて使用する場合、単数の不定冠詞、定冠詞は、その文脈が特に明瞭に指示しない限り、複数の指示対象をも包含することである。従って、例えば、「1薬剤」という場合はその薬剤の複数のコピーを含み、1種以上の特定の薬剤をも包含する。
経皮的経管的冠動脈形成術(PTCA)および/または冠状動脈バイパス移植手術(CABG)と関連する虚血性心疾患の処置に適用する場合の、保護作用を提供することによる虚血/再灌流した心臓筋肉の障害を最少とする方法が、本明細書にて提供される。本方法(ポストコンディショニング)は、1種以上の組織保護剤の投与と組合わせて、他の臨床状況、例えば、提供者の臓器が一過性の虚血、腎臓血管形成術、および脳または脳周囲の血栓剥離を受けたことのある場合の臓器移植後の状況に適用することができる。さらに、ポストコンディショニングは薬理学的治療法と関連させて適用し得るし、あるいはポストコンディショニングに関係するメカニズムのメディエーターを利用する薬理学的治療法により擬似化することができる。本明細書にて使用する場合、「ポストコンディショニング再灌流」とは、以前に虚血の影響を受けたことのある臓器または組織について、灌流を停止または減少させ、次いで灌流を再開する繰り返しサイクルを適用することを意味する。本明細書にて使用する場合、「灌流」および「灌流する」とは、臓器または組織を通しての、またはそれら内での血流を意味する。本明細書にて使用する場合、「再灌流」とは臓器または組織への、またはその通過、または内部の血流が一時期中断した後に、臓器または組織への、またはその通過、または内部の血流が復元すること、または回復することを意味する。
本明細書にて使用する場合、「傷害」とは、例えば、浮腫(膨潤)、白血球による臓器または組織の機能喪失および/または浸潤、壊死および/またはアポトーシスなどにより証明されるような、臓器または組織の傷害または潜在的傷害または機能不全を意味する。傷害は、例えば、臓器または組織を構成する細胞の殆ど知覚できない程小さい腫脹であり得る。さらに、傷害は虚血期間(虚血事象)の間および/またはその後、または再灌流期間(再灌流傷害)後に生じる臓器または組織への損傷を含み得る。本明細書にて使用する場合、「傷害を受けた」または「標的の」臓器または組織とは、虚血または再灌流からのある種の潜在的な損傷を有したことのある、または有し得る臓器または組織である。「白血球」は好中球、リンパ球、単球、マクロファージ、好塩基球または好酸球であり得る。本明細書にて使用する場合、「虚血」とは臓器または組織への中断された血液供給を意味し、例えば、動脈の機械的な閉塞(すなわち、血栓症または塞栓)、動脈の外部からの圧迫、血管痙攣を原因とする動脈の狭窄、動脈から臓器への血流を医原的に遮断すること(例えば、一対象から外科的に取り出し、続いて別の対象に移植するべき臓器)、および/または低血圧(低血液圧力)などを原因とするものである。低血圧は心臓の不整脈、血管拡張と引き続く下肢での血液滞留を惹き起こす神経原性反射(例えば、血管迷走神経反射)、対象による不適切な体液取込、または外傷性創傷後の対象の失血を原因とする血液量減少症(すなわち、血管内液量の減少)などから生じ得る。
従って、「虚血性傷害」とは、臓器または組織への血流の中断(すなわち、虚血事象)から生じる臓器または組織に対する損傷または潜在的損傷を意味する。本明細書にて使用する場合、「再灌流傷害」とは虚血事象に際しての、またはその後の臓器または組織への血流の回復から生じる臓器または組織に対する損傷または潜在的損傷である。「虚血事象」とは臓器または組織への血液供給の中断である。本明細書にて使用する場合、「完全な」虚血事象とは、臓器または組織への血液供給の完全な中断である。本明細書にて使用する場合、「略完全な」虚血事象とは、臓器または組織への血液供給の不完全な中断である。虚血事象の対象となり得る、および/または虚血性傷害を受け得る臓器または組織の例は、限定されるものではないが、心臓、脳、眼、腎臓、腸、膵臓、肝臓、肺および骨格筋である。
さらに、臓器または組織移植の事例において、対象が供給者から臓器または組織を受容する場合、ここに開示した方法は、移植臓器が受容者に移植され、血管付加物が完全となった後に使用し得る。ポストコンディショニングにより処置し得る臓器の例は、限定されるものではないが、肺、肝臓、膵臓、心臓および腎臓である。
従って、提供される方法は、虚血事象後の臓器または組織への再灌流の間、またはその後の、対象における臓器または組織に対する傷害を予防する方法であって:a)約5秒ないし約5分間、臓器または組織の灌流を停止すること;b)約5秒ないし約5分間、臓器または組織の灌流を再開すること;c)処置a)およびb)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;そしてd)臓器または組織の灌流の停止を終了すること、それによって該対象の虚血事象後の再灌流の間の、またはその後の対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法である。
また、本発明は虚血事象後の臓器または組織への再灌流の前、その間、またはその後の、対象における臓器または組織に対する傷害を予防する方法であって:a)約5秒ないし約5分間、臓器または組織の灌流を減少させること;b)約5秒ないし約5分間、臓器または組織の灌流を再開すること;c)処置a)およびb)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;そしてd)臓器または組織の灌流の減少を終了すること、それによって該対象の虚血事象後の再灌流の間の、またはその後の対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法を提供する。本明細書にて使用する場合、「灌流を減少させる」とは、血液または他の液体での灌流量を減少させ、臓器または組織に対する傷害を予防することを意味する。例えば、予測される血流の約20%、15%、10%または5%に灌流を減少させることが考えられる。また、単一の手法において灌流を停止および減少させることの組み合わせも考えられる。
本明細書にて使用する場合、対象は飼育動物、例えば、ネコ、イヌなど、家畜類(例:ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、実験室動物(例:マウス、ウサギ、ラット、モルモットなど)および鳥類である。好ましくは、該対象は霊長類などの哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
本明細書にて提供されるように、再灌流を確立した後、虚血を受ける臓器または組織に対する傷害は、臓器または組織の灌流を繰り返し停止または減少させ、次いで臓器または組織の灌流を回復することにより、予防することができる。灌流の停止または減少および灌流の回復のサイクルは、約2回から約50回繰り返すことができる。臓器または組織の灌流の停止または減少は、約5秒ないし約5分間持続させ、次いで、臓器または組織の灌流を回復させ、それを約5秒ないし約5分間持続させることができる。血流の停止時間は手法実施の間に増減することができる;すなわち、再灌流の第一サイクルは30秒持続し、停止は30秒であるが、続くサイクルは10秒間の再灌流、次いで40秒間の停止、次のサイクルは10秒間の再灌流、次いで50秒間の虚血である。あるいは、停止の時間はサイクルの進行につれて、短縮することができる。灌流の停止または減少および開始の最終サイクルの後、血流を衰えさせずに回復するか、またはある程度の制御下に置くことができる。例えば、最終の再灌流−停止のサイクルの後、血流をゆっくりと開始し、正常な血流に達するまで、次第に増加させることができる。当業者は技術上既知のアルゴリズムを用いて、血流が再開する速度を決定することができる。
当業者は、臓器または組織に血液を供給する血管の内腔に、血管内の血流を一時的に遮断するために使用し得る機械装置を導入することにより、臓器または組織の灌流を停止または減少させることができる。選択した時間経過後、臓器または組織の灌流を回復するために該装置の操作をすることができる。選択したサイクル数の灌流の停止または減少および臓器または組織の灌流の回復を実施した後、当業者は血管の内腔から装置を取り除き、再灌流(すなわち、臓器または組織への血流)を回復することができる。血管は動脈でも静脈でもよく、好ましくは動脈である。
ポストコンディショニング再灌流に使用し得る機械装置の一例は、傷害を受けた臓器または組織への血流を遮断するために、血管内腔内で膨らむことができ、障害を受けた臓器または組織に血流を回復させるたに、しぼむことの可能な医療用バルーンを装着したカテーテルである。カテーテル/バルーン装置は、対象の血管に、手術手技の際に、経皮的または直接に血管に導入し得る。カテーテル/バルーンを血管腔内に配置した後、当業者は周知の方法に従って、エックス線制御下に、それを特定の動脈に誘導することができる。
別の側面において、陥凹型カテーテルを対象の血管に導入し得る。カテーテル内腔の直径は、血液、液体または血液/液体組み合わせが標的とする臓器または組織へそれを経由して流れるように、十分な大きさのあるものである。該カテーテルは対象の外部にあるポンプに接続することができる。該ポンプは標的とする臓器または組織にカテーテルを通して、血液、晶質液または晶質液中の血液の組み合わせをポンプで送るために活動させ得るものであり、また標的とする臓器または組織への血流を停止または減少させるために止め得るものである。虚血傷害を受けたことのある臓器または組織の再灌流が確立された後、当業者は標的とする臓器または組織の灌流を停止または減少させるために、ポンプを止めることができる。選択した時間、例えば、約5秒ないし約5分間の経過後、当業者はポンプを活動させ、標的とする臓器の灌流を、約5秒ないし約5分間、開始することができる。ポンプは標的とする臓器または組織の灌流を約2サイクルないし約50サイクル、停止または減少、および開始させるために使用し得る。カテーテル灌流技法によるポストコンディショニングが終了した後、カテーテルは対象から取り除くことができる。これはポンプを用いて心臓麻痺溶液または他の外科手術溶液を送達するポンプ使用の外科手術に際して、またはいずれかの臓器、すなわち、肝臓、肺、膵臓、または腎臓の移植に際しても適用し得る。
別の側面においては、再灌流が確立された後、医師は血管の外部からの圧迫により、虚血によって損傷した臓器または組織への血流を停止または減少させることができる。医師は、傷害を受けた臓器または組織への血管を通る血流を一時的に停止または減少させるために、手袋を着けた手、結紮糸、外部ポンプ、または外科手術器具、例えば、クランプまたは止血鉗子を使用することができる。血管を通る血流を、選択した時間停止または減少させた後、医師は手、結紮、外部ポンプ、または外科手術器具を血管から除き、それによって傷害を受けた臓器または組織への血流の中断を除去し得る。傷害を受けた臓器または組織の灌流を、選択したサイクル数、一時的に停止または減少させ、そして回復させた後、医師はさらに干渉することなく、臓器または組織への血流を回復させることができる。この処置の適用例はポンプなしの心臓外科手術であり、その場合、外科医はポストコンディショニングの形態としてのバイパス手術を受けた標的血管上の結紮をゆるめ、次いで締め付ける。これはポンプ使用の外科手術に際し、またはいずれかの臓器、すなわち、肝臓、肺、膵臓、または腎臓の移植に際しても適用し得る。
以前に虚血症に罹患した臓器または組織のポストコンディショニング再灌流の前、その間、またはその後に、医師は対象に、臓器または組織に対する傷害をさらに予防することの可能な医薬的に許容される担体中の組織保護剤の有効量を投与することができる。従って、本発明は、虚血事象後の臓器または組織への再灌流の前、その間、またはその後の、対象における臓器または組織に対する傷害を予防する方法であって:a)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を停止すること;b)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を再開すること;c)処置a)およびb)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;d)臓器または組織の灌流を中断させないこと;およびe)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法が提供される。
さらに提供される方法は、虚血事象後の臓器または組織への再灌流の間またはその後の、対象における臓器または組織に対する傷害を防止する方法であって:a)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を減少させること;b)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を再開すること;c)処置a)およびb)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;
d)臓器または組織の灌流を中断させないこと;およびe)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法が提供される。
d)臓器または組織の灌流を中断させないこと;およびe)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法が提供される。
また、本発明は、心臓の虚血事象と診断された対象の心臓への傷害を予防する方法であって:a)冠状動脈の内腔の障害物を取り除くこと;b)約5秒ないし約5分間、心臓を灌流すること;c)約5秒ないし約5分間、心臓の灌流を停止すること;d)処置b)およびc)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;e)心臓の灌流を中断させないこと;およびf)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の心臓に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法を提供する。
さらに本発明は、心臓の虚血事象と診断された対象の心臓への傷害を予防する方法であって:a)冠状動脈の内腔の障害物を取り除くこと;b)約5秒ないし約5分間、心臓を灌流すること;c)約5秒ないし約5分間、心臓の灌流を減少させること;d)処置b)およびc)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;e)心臓の灌流を中断させないこと;およびf)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の心臓に対する傷害を予防すること;を特徴とする方法を提供する。
本明細書にて使用する場合、心臓の「虚血−再灌流事象」(心臓発作)とは、心臓の筋肉(心筋層)が必ず血流の回復(再灌流)を伴う血液供給の中断(虚血)を受けた場合に起こる事象である。虚血の間、筋肉は急速に機能を失い、そのエネルギー供給が枯渇し、炎症と目される変化を受ける。第二のより強力なまたは爆発的な傷害は、再灌流の開始時に起こり(すなわち、再灌流傷害)、炎症の増加、心臓領域における白血球細胞の活性化、組織の浮腫および腫脹、心臓発作に関係する領域での心臓筋肉を養う小血管への傷害、大量の心臓組織を巻き込む壊死(細胞死)の拡大、およびアポトーシスにより特徴づけられる。「心筋梗塞」とは心臓に対する虚血−再灌流傷害を意味し、心臓の心筋層部分が壊死またはアポトーシス(すなわち、プログラムされた細胞死)を受けている。従って、心臓発作に際しての心臓に対する傷害は、虚血と再灌流両者の間に起こる。
心臓発作の進展は、虚血と再灌流両方の間の傷害の動的な性質を反映している。従って、虚血により開始されるか、または虚血が引き金となった傷害は、再灌流の開始後にも続いており、そこでの細胞機能はさらに劣化し、実際に死に向かう細胞の量が再灌流とともに増大する。虚血傷害と再灌流との間には明瞭な関連性があり、そこでは虚血事象が再灌流傷害の舞台を設定する。虚血事象が重篤な程、引き続く再灌流傷害が重篤になる。それ故、この2つの事象はしばしば虚血−再灌流傷害といわれ、2つの別個ではあるが、互いに関連する事象間のこの親密な連環を反映している。仲介は虚血傷害の低下または再灌流傷害の低下を目的とし得る。
考慮されることは、心臓発作の兆候および症候を医療施設に提供する対象について、本明細書に教示した方法に従い処置すべきであること、適時に診断することができることである。もし対象の冠状動脈の血管造影試験に際し、冠状動脈が血栓、塞栓、コレステロールプラークまたは他の障害物により(部分的にまたは全体が)遮断されていると判断され、また遮断された動脈が経皮的経管的冠動脈形成術(PTCA)により開放し得ると判断されるならば、医師はバルーンカテーテルを経皮的に対象の大腿血管に挿入し、そのカテーテルを遮断された冠状動脈に誘導することができる。バルーンを冠状動脈の血流遮断部位またはその近辺に適切に位置させた後、医師はバルーンを操作し、および/または膨らませて、それによって血栓、塞栓、コレステロールプラークまたは他の障害物を血管壁に押し付け、内腔の障害物を取り除き、心筋層を再灌流する。
再灌流を確立した後に、傷害を受けた心筋層への傷害および/または引き続く傷害を予防するために、ポストコンディショニングを実施し得る。具体的には、医師がバルーンカテーテルを適所に配置し、そのバルーンを約5秒ないし約5分間、再び膨らませ、傷害を受けた心筋層の灌流を停止または減少させることができる。選択した時間、灌流を停止または減少させた後、医師はバルーンをしぼませ、約5秒ないし約5分間、心筋層の灌流を回復させることができる。冠状動脈の内腔内にてバルーンを膨張および縮小させるこのサイクルは、例えば、約2回ないし約50回繰り返すことができる。最終回のバルーン縮小の後、医師はバルーンカテーテルを取り除く。
別の側面において、虚血事象との診断を受け、PTCAを受けることのできない冠状動脈疾患を有すると判明した対象は、CABG外科手術で処置することができる。手術手技遂行の間、および罹患した冠状動脈にバイパス処置して心筋層に血流を回復した後、外科医は移植した血管を手袋を着けた手、結紮糸、外部ポンプによるか、または手術器具、例えば、クランプもしくは止血鉗子により圧迫して、傷害を受けた心筋層の灌流を停止または減少させることにより、ポストコンディショニング再灌流を実施することができる。灌流の停止または減少は、約5秒ないし約5分間、維持することができる。選択した時間が経過した後、外科医は手、結紮、外部ポンプ、または手術器具を血管から除き、それによって移植片を通して傷害を受けた心筋層への血流を回復することができる。傷害を受けた心筋層灌流は、約5秒ないし約5分間、持続することができる。傷害を受けた心筋層の灌流を停止または減少させ、そして回復するサイクルは、約2回ないし約50回繰り返すことができる。最終サイクルの終末点で、傷害を受けた心筋層の灌流を維持する。
当業者は1種以上の組織保護剤の有効量を含有してなる化合物を、ポストコンディショニングと組合わせて投与することによりPTCAおよびCABGの効果を増強することができる。該化合物はポストコンディショニングの前に、その間に、またはその直後に投与することができる。選択肢として、該組織保護剤は、遮断された内腔の障害物を取り除く直前に投与することができる。本明細書にて使用する場合、「選択肢として」とは以下に記載する事象または状況が存在しても存在しなくてもよいことを意味し、またその記載は当該事象または状況が存在する場合の例およびそれが存在しない場合の例を包含することを意味する。
本明細書にて使用する場合、本発明の組織保護剤の「有効量」とは、所望の結果または当業者既知の結果を達成するために必要な量を意味する。ポストコンディショニング再灌流について所望の結果を有し得る臓器または組織の一例は心臓であり、その場合、梗塞サイズの減少、心筋浮腫の縮小、クレアチン・キナーゼ放出の減弱、早期再灌流中の充血の阻害、内皮依存性血管弛緩の増大、虚血/再灌流冠状内皮層への好中球付着の減少、増大した収縮機能、および虚血心筋層での好中球蓄積の減少などがモニター可能であり、達成し得る。従って、開示した方法に従って処置した心臓は、全体としてより良好な機能、例えば、増大した心臓の排出量、心不全重篤度の低下によりより小さくなった心臓サイズ、略消失した不整脈およびより安定した心拍数などを示し得る。さらに、対象は試行に良好な耐性を示し、引き続く心臓発作に良好に耐え得る。
「医薬的に許容される担体」とは、生物学的にまたはその他の理由で不適切とはならない物質を意味する;すなわち、該物質は実質的な有害な生物学的作用を惹き起こすことなく、または組成物のそこに含まれる他の成分のいずれとも有害な状況で相互作用することなしに、保護剤とともに個体に投与し得る。適当な担体とその製剤については文献(Remington: The Science and Practice of Pharmacy (19th ed.) ed. A.R. Gennaro, Mack Publishing Company, Easton, PA 1995)に記載されている。典型的には、適切な量の医薬的に許容される塩を製剤に用い、該製剤を等張とする。医薬的に許容される担体の例は、限定されるものではないが、食塩水、リンゲル溶液およびブドウ糖溶液である。該溶液のpHは約5ないし約8であり、例えば、約7ないし約7.5とすることができる。さらなる担体は持続性放出製剤、例えば、該薬剤を含有する固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックスであり、該マトリックスは造形品の形状、例えば、フィルム、リポソームまたは微粒子の形状である。当業者にとって、ある種の担体が、例えば、投与経路および投与される組成物の濃度によっては、より好適であり得る。
医薬用担体は当業者既知である。これらの最も代表的なものは、ヒトに薬物を投与するための標準的担体であり、生理的pHの無菌水、食塩水、および緩衝溶液である。該組成物は、静脈内、動脈内、筋肉内、皮下または腹腔内に投与し得る。他の化合物は当業者が使用する標準的手法に従って投与する。
医薬組成物は選択した分子に加えて、担体、粘稠化剤、賦形剤、緩衝剤、保存剤、界面活性剤などを含有し得る。また、医薬組成物は1種類以上の有効成分、例えば、抗微生物剤、抗炎症剤、麻酔剤などを含有し得る。
該組織保護剤を含有する医薬組成物は、局所処置が望ましいか、または全身処置が望ましいかによって、また処置すべき領域によって、多くの方法で投与することができる。投与は、経口、吸入、または非経口により、例えば、静脈内点滴、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内注射、または血管内注射/注入により実施し得る。経口投与用の組成物は、粉末または顆粒剤、水中もしくは非水媒体中の懸濁剤または溶液剤、カプセル剤、サシェ剤、または錠剤を包含する。粘稠化剤、芳香剤、賦形剤、懸濁化剤、分散剤または結合剤が望ましい。
一側面において、組織保護剤はカテーテルを介して、血管が傷害を受けた臓器または組織に入る部位近辺の血管内腔(静脈内注射/注入)に投与するか、または非経口的に、すなわち、静脈内または動脈内に投与し得る。
非経口投与用の製剤は、無菌の水性もしくは非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンなどである。非水溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)である。水性担体は、水、アルコール性/水性溶液、エマルジョンまたは懸濁液であり、食塩水および緩衝媒体を包含する。非経口用媒体は、塩化ナトリウム溶液、リンゲルブドウ糖液、ブドウ糖と塩化ナトリウムの溶液、乳酸加リンゲル液、または不揮発性油である。静脈用媒体は、体液栄養補給液、電解質補給液(リンゲルブドウ糖液に基づくものなど)などである。保存剤およびその他の添加物もまた存在し得る;例えば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート化剤、および不活性ガスなどである。
開示した方法で使用し得る組織保護剤の例は、限定されるものではないが、ホスホジエステラーゼ−5インヒビター、cAMPまたはcGMPを増加させる薬剤、オピオイド、PKC刺激因子(取分け、PKCイプシロン(ε))、PAR2アゴニスト、ナトリウム/水素交換(NHE−1)インヒビター;抗炎症剤;抗酸化剤、プロテアーゼインヒビター;ナトリウムチャネル遮断剤;KATPチャネル調節剤;カルシウムチャネルアンタゴニストおよび調節剤;血栓調節剤;代謝増強剤;緩衝剤および調節剤;エンドセリン−1アンタゴニスト、インヒビターおよび調節剤;アポトーシスインヒビター;ミトコンドリア透過性転移穿孔インヒビター;シグナル伝達促進剤およびインヒビター;麻酔剤;およびスタチン類である。
組織保護剤の投与量と経路は、使用する具体的薬剤に左右される。ポストコンディショニングと組合わせて投与し得る例示となる組織保護剤とそのそれぞれの用量のリストを、下記に開示する(表1)。当業者は開示された方法に従って、処置を必要とする対象に、1種以上の組織保護剤を含有してなる化合物を投与することができる。当業者は組織保護剤の適切な投与量と投与経路を承知しており、対象の年齢、体重、注射/注入の様式(筋肉内、血管内、局所、全身)、性別および全体症状に従い、本明細書に教示(参照例;Remington's Pharmaceutical Sciences, Martin, E.W. (ed.), latest edition. Mack Publishing Co., Easton, PA)した常套の実験手技のみを用いて、その用量を変更し得る。例えば、抗凝固剤である静脈内ヘパリンの用量は、約10単位から約10,000単位であり得る。
開示した方法で使用し得る組織保護剤のさらなる例は、医薬的に許容される担体中のナトリウム/水素交換(NHE−1)インヒビターである。NHE−1インヒビターの例はカリポリド(cariporide)であり、このものは0.1〜15μMの濃度の血管内用溶液として、または3mg/Kgを静脈内ボーラスとして、または1日120mgを3回、または1mg/kg〜10mg/Kgを投与し得る。NHE−1インヒビターのもう一つの例は、エニポリド(eniporide)であり、このものは0.5〜15μMの濃度の血管内溶液として投与し得る。エニポリドは3mg/kgで、冠状動脈閉塞(虚血)の前に、または再灌流開始の直前またはそれと同時に投与し得る。エニポリドは1回のボーラスとして投与するか、または3mg/kg/時間の注入剤として1〜3時間継続し得る。エニポリドは10分間にわたる1〜200mgの静脈内注入剤として投与し得る。
以下の実施例は、本明細書の請求項に記載した組成物および/または方法が如何になされ、評価されるかについて、完全な開示と記載を当業者に提供しようとするものであり、純粋に本発明を例示しようとするものであって、本発明者らが本発明とみなすものの範囲を限定しようとするものではない。数値(例えば、量、温度など)に関しては、正確を期すよう努力したが、いくらかの誤差および偏差も見込むべきである。本発明はより特定して以下の実施例に記載するが、その中の数値的な改変および変更は当業者に明らかであることから、これらは説明のみを意図するものである。
実施例1
ポストコンディショニングの概念は、局所的な心筋梗塞および再灌流の開胸したイヌモデルにて試験した。動物はすべて無作為に以下の3つの群の一つに割り振った(図1):対照:左前下降冠状動脈(LAD)を逆に60分間閉塞し、次いで、虚血心筋層を3時間再灌流した;2)虚血ポストコンディショニング(ポスト−コン):60分のLAD閉塞の後、虚血心筋層を最初3サイクルの繰り返し適用した再灌流と、引き続く冠状動脈の再閉塞を用いて再灌流した;すなわち、30秒の再灌流と、続く30秒の閉塞を、連続3サイクル繰り返した;3)虚血プレコンディショニング(プレ−コン)(事前条件付け):60分間の心筋虚血の前に、5分間のLAD閉塞および10分間の再灌流を実施した。
ポストコンディショニングの概念は、局所的な心筋梗塞および再灌流の開胸したイヌモデルにて試験した。動物はすべて無作為に以下の3つの群の一つに割り振った(図1):対照:左前下降冠状動脈(LAD)を逆に60分間閉塞し、次いで、虚血心筋層を3時間再灌流した;2)虚血ポストコンディショニング(ポスト−コン):60分のLAD閉塞の後、虚血心筋層を最初3サイクルの繰り返し適用した再灌流と、引き続く冠状動脈の再閉塞を用いて再灌流した;すなわち、30秒の再灌流と、続く30秒の閉塞を、連続3サイクル繰り返した;3)虚血プレコンディショニング(プレ−コン)(事前条件付け):60分間の心筋虚血の前に、5分間のLAD閉塞および10分間の再灌流を実施した。
図1〜9は虚血/再灌流心臓に対するポストコンディショニングの有益な効果を示す。これらの効果は死後の生体染色(塩化トリフェニルテトラゾリウム)により[6]測定した梗塞サイズの縮小であり、動脈血血漿から分光光度法により測定したクレアチン・キナーゼの放出減少により確認された[6]。クレアチン・キナーゼは、細胞に対して重篤な致死的傷害のあるときにのみ、その細胞から漏れ出る細胞内巨大分子である。
さらに、ポストコンディショニングは、組織乾燥により測定した場合、以前に虚血性であった心筋層の心筋浮腫減少と関連性がある。組織浮腫(水分増加)は微小血管系が著しく傷害を受け、血液流液を血管スペースに保持し得ないときに発生する。心筋層に漏出した流液は、これらの傷害を受けた毛細管を取り囲み、圧迫して、さらに心筋への血流を減少させる。この血管傷害は心筋層への不可逆的な傷害(例えば、壊死)と関連していた。
また、ポストコンディショニングは、標的の冠状動脈周囲に配置した電子血流プローブにより測定した場合、初期再灌流に際して虚血後の充血を阻害するが、このことはこれら短時間の断続的灌流の間にも、心筋エネルギーの要求を満足する十分な酸素の送達が存在することを示唆している。
ポストコンディショニングは、インビトロの技法で測定した場合、アセチルコリンに対する有意により大きな内皮依存性血管弛緩応答と関連する。アセチルコリンは血管弛緩剤酸化窒素の内皮細胞特異的刺激剤である[7]。冠状動脈、細動脈および細静脈の内皮細胞は、細灌流傷害に異常なほど敏感であり、再灌流の最初のわずかな瞬間に閉塞を受け、その閉塞が再灌流開始後、数時間持続する。血管内皮のサルベージは、健常内皮細胞が血流調節の異常性を予防し、局在化した血管の炎症性応答を予防し、それによって以前の虚血地帯への好中球移動の引き金を引くことの予防、および動脈内血液塊形成の予防となるので、重要である。再灌流血管における血液凝集塊は第二の虚血を惹き起こし、最終的に心臓組織の死に導き得る。虚血/再灌流冠状内皮への好中球付着の減少は、蛍光顕微鏡測定した場合、ポストコンディショニングによる虚血後の内皮機能の改善を示すものでもある。
さらに、ポストコンディショニングは、再灌流後の内皮からの組織サンプルをミエロペルオキシダーゼ(MPO)アッセイして測定した場合、虚血心筋層での好中球蓄積を減弱した。このことは、梗塞、収縮機能不全およびアポトーシスの病因と関連する虚血/再灌流への炎症性応答を、ポストコンディショニングが低下させたことを示唆する。
実施例2
ポストコンディショニングは、アデノシンおよびオピオイドなどの近接メディエーターの保護作用を獲得する薬理学的手段により増強することができる。心筋梗塞のラットモデルでは、初期再灌流に際し、ナトリウム−水素交換(NHE−1)インヒビターの存在下に、ポストコンディショニングを適用することによる再灌流傷害を減弱する二相性法が、いずれの介在のみよりも、より大きな梗塞サイズ低減を達成すると示すことができる[48]。具体的には、麻酔したラットモデルにおいて、左冠状動脈(LCA)を30分間閉塞して虚血(I)とし、3時間再灌流した。ラットは無作為に6群(それぞれn=8)に分けた(図10):対照:再灌流時の介入なし;ポストコンディショニング:10秒の再灌流と、引き続く10秒の閉塞との3サイクルを再灌流の最初の1分間に適用した;NHE(1):カリポリド(1mg/kg)はポストコンディショニングとともに、または行わずに、再灌流の5分前に注入した;遅延(D)−NHE(1):ポストコンディショニング時間と等価の再灌流開始の1分後に、5分間のカリポリド注入を始めた;ポスト−コン+D−NHE(1):ポストコンディショニング完了に続き、直ちに5分間カリポリドを注入した。ポストコンディショニングによる梗塞サイズの縮小は、NHE(1)インヒビターのみで観察されたものに匹敵した(それぞれ42±2対43±2%)(図11)。NHE(1)が再灌流介入としてのポストコンディショニングに先行する場合、梗塞サイズはいずれの介入のみに比較しても、さらに縮小することはなかった(45±2%*)。しかし、ポストコンディショニングが再灌流時にNHE(1)インヒビターに先行したときは、梗塞サイズのさらなる縮小が達成された(ポスト−コン+D−NHE(1)、34±2%)。このように、ポストコンディショニングによる梗塞サイズの縮小は、ポストコンディショニングがカリポリドの投与に先行するとき、再灌流時のNHE阻害により増強される。
ポストコンディショニングは、アデノシンおよびオピオイドなどの近接メディエーターの保護作用を獲得する薬理学的手段により増強することができる。心筋梗塞のラットモデルでは、初期再灌流に際し、ナトリウム−水素交換(NHE−1)インヒビターの存在下に、ポストコンディショニングを適用することによる再灌流傷害を減弱する二相性法が、いずれの介在のみよりも、より大きな梗塞サイズ低減を達成すると示すことができる[48]。具体的には、麻酔したラットモデルにおいて、左冠状動脈(LCA)を30分間閉塞して虚血(I)とし、3時間再灌流した。ラットは無作為に6群(それぞれn=8)に分けた(図10):対照:再灌流時の介入なし;ポストコンディショニング:10秒の再灌流と、引き続く10秒の閉塞との3サイクルを再灌流の最初の1分間に適用した;NHE(1):カリポリド(1mg/kg)はポストコンディショニングとともに、または行わずに、再灌流の5分前に注入した;遅延(D)−NHE(1):ポストコンディショニング時間と等価の再灌流開始の1分後に、5分間のカリポリド注入を始めた;ポスト−コン+D−NHE(1):ポストコンディショニング完了に続き、直ちに5分間カリポリドを注入した。ポストコンディショニングによる梗塞サイズの縮小は、NHE(1)インヒビターのみで観察されたものに匹敵した(それぞれ42±2対43±2%)(図11)。NHE(1)が再灌流介入としてのポストコンディショニングに先行する場合、梗塞サイズはいずれの介入のみに比較しても、さらに縮小することはなかった(45±2%*)。しかし、ポストコンディショニングが再灌流時にNHE(1)インヒビターに先行したときは、梗塞サイズのさらなる縮小が達成された(ポスト−コン+D−NHE(1)、34±2%)。このように、ポストコンディショニングによる梗塞サイズの縮小は、ポストコンディショニングがカリポリドの投与に先行するとき、再灌流時のNHE阻害により増強される。
実施例3
アデノシンはポストコンディショニングの心臓保護のメディエーターである。摘出した灌流マウス心臓を、ポスト−コン(10秒のRおよび閉塞を6サイクル)ありとなしで、20分の全体虚血(I)と30分の再灌流に付した。冠状流出液中の血管内プリンをHPLCにより分析した。内在性のアデノシンがポストコンディショニングにおいて生理的役割を演じているのかどうかを判定するために、麻酔胸部切開ラットの左冠状動脈(LCA)を30分間閉塞し、3時間再灌流した。ラットは無作為に6群(それぞれn=8)に分けた:対照(介入なし);ポストコンディショニング(3時間のRの前に、10秒間のRと、引き続く10秒間のLCA Iとの3サイクル);8−SPT(サブタイプ非選択的アデノシン受容体アンタゴニスト、10mg/kg)、またはZW241385(A2a受容体アンタゴニスト、0.2mg/kg)を、ポストコンディショニングとともに、またはなしに、Rの5分前に投与した。
アデノシンはポストコンディショニングの心臓保護のメディエーターである。摘出した灌流マウス心臓を、ポスト−コン(10秒のRおよび閉塞を6サイクル)ありとなしで、20分の全体虚血(I)と30分の再灌流に付した。冠状流出液中の血管内プリンをHPLCにより分析した。内在性のアデノシンがポストコンディショニングにおいて生理的役割を演じているのかどうかを判定するために、麻酔胸部切開ラットの左冠状動脈(LCA)を30分間閉塞し、3時間再灌流した。ラットは無作為に6群(それぞれn=8)に分けた:対照(介入なし);ポストコンディショニング(3時間のRの前に、10秒間のRと、引き続く10秒間のLCA Iとの3サイクル);8−SPT(サブタイプ非選択的アデノシン受容体アンタゴニスト、10mg/kg)、またはZW241385(A2a受容体アンタゴニスト、0.2mg/kg)を、ポストコンディショニングとともに、またはなしに、Rの5分前に投与した。
マウスの心臓では、ポストコンディショニングが2分間のRで流出[アデノシン]を低下させ(58±5*対155±16nM/分/g)、30分のRで持続した5分間のRで収縮機能(LV発生圧32±7*対16±2mmHg)および拡張期終末血圧(27±3*対36±3mmHg)を改善した。インビボラットでは、ポストコンディショニングが対照群に対比して、梗塞サイズ(TTC)を縮小させた(40±3.1%*対52±2.2%)。ポストコンディショニングなしの8−SPT(51±2.5%)またはZM241385のみ(50±2.1%)では、梗塞サイズに影響がなかった。ポストコンディショニングの梗塞回避作用は8−SPTおよびZM241385(50±1.8%および49±2.6%)によって排除された。危険領域での好中球(PMN)蓄積(ミエロペルオキシダーゼ活性)は、対照に対比してポストコンディショニングで少なかった(1.0±0.2*対2.2±0.4U/100gタンパク質);アデノシン受容体アンタゴニストはポストコンディショニングにおけるPMN蓄積の減少を阻止した(ポストコンディショニング+8−SPT2.1±0.2;ポストコンディショニング+ZM241385 1.6±0.2)。
ポストコンディショニングは、初期Rでの内在性アデノシンの保持時間と血管内含量を増大させ、A2a受容体仲介メカニズムにより梗塞サイズを縮小することができる。対照に対して*p<0.05。
実施例4
ウサギの心筋梗塞モデルにおいては、20秒間(10秒ではない)のポストコンディショニング虚血が、対照(41±2%)と比較して、梗塞サイズを縮小した(左心室危険領域のそれぞれ20±3%および34±3%)。1.0(0.5ではない)最小肺胞濃度のイソフルラン(isoflurane)と接触させると、梗塞サイズが低下した(それぞれ21±2%および43±3%)。しかし、ポストコンディショニング(10秒)および0.5最小肺胞濃度のイソフルランの組合わせは、梗塞サイズを顕著に低下させた(17±5%)[49]。
ウサギの心筋梗塞モデルにおいては、20秒間(10秒ではない)のポストコンディショニング虚血が、対照(41±2%)と比較して、梗塞サイズを縮小した(左心室危険領域のそれぞれ20±3%および34±3%)。1.0(0.5ではない)最小肺胞濃度のイソフルラン(isoflurane)と接触させると、梗塞サイズが低下した(それぞれ21±2%および43±3%)。しかし、ポストコンディショニング(10秒)および0.5最小肺胞濃度のイソフルランの組合わせは、梗塞サイズを顕著に低下させた(17±5%)[49]。
0.5MACイソフルラン(心臓保護作用のみを生じない本薬剤の濃度)を投与すると、ポストコンディショニングを生じるために必要な短い虚血刺激の時間閾値を低下させる;あるいは換言すると、ポストコンディショニング保護を増強する。従って、薬理学的ポストコンディショニングは再流の初期の瞬間に成功裏に適用し得る。
実施例5
血管形成術およびステントの配置により急性の心筋梗塞に進展したために、経皮的冠状介入を受けている患者30名を、無作為に、それ以上の介入を受けない対照群、または血管形成術−ステント手法により再灌流を回復させた直後に、血管形成術バルーンを1分間しぼませ、次いで1分間再膨張させること、これを4間隔で繰り返したポストコンディショニング群に分けた。ポストコンディショニング群に不都合な事象はなかった。ポストコンディショニングは、院内で72時間のクレアチン・キナーゼ曲線の下の面積により評価すると、対照群に比較して有意に梗塞サイズを縮小した(208,984±26,576対326,095±48779任意活性単位、p<0.05)。また、ポストコンディショニングは濃染等級により評価した場合、達成された再灌流の程度を上昇させた(2.44±0.17*対1.95±0.27、p<0.05)。従って、心臓病学カテーテル挿入研究室における経皮的冠状介入の設定において、ポストコンディショニングは安全かつ有効であった[52]。
血管形成術およびステントの配置により急性の心筋梗塞に進展したために、経皮的冠状介入を受けている患者30名を、無作為に、それ以上の介入を受けない対照群、または血管形成術−ステント手法により再灌流を回復させた直後に、血管形成術バルーンを1分間しぼませ、次いで1分間再膨張させること、これを4間隔で繰り返したポストコンディショニング群に分けた。ポストコンディショニング群に不都合な事象はなかった。ポストコンディショニングは、院内で72時間のクレアチン・キナーゼ曲線の下の面積により評価すると、対照群に比較して有意に梗塞サイズを縮小した(208,984±26,576対326,095±48779任意活性単位、p<0.05)。また、ポストコンディショニングは濃染等級により評価した場合、達成された再灌流の程度を上昇させた(2.44±0.17*対1.95±0.27、p<0.05)。従って、心臓病学カテーテル挿入研究室における経皮的冠状介入の設定において、ポストコンディショニングは安全かつ有効であった[52]。
本出願全般にわたり、さまざまな出版物が参照される。これら出版物の開示はその全体を参照により本出願の一部とし、本出願が関連する技術の状態をより完全に記述する目的とする。開示された文献は、個々に、また特定して、該文献が依拠する文章中に考察され、そこに含まれる物質として、参照により本明細書の一部とする。
文献
(1) Murry CE, Jennings RB, Reimer KA. Editorial Comment: New insights into potential mechanisms of ischemic preconditioning(虚血プレコンディショニングの有力なメカニズムの新しい洞察). Circulation 1991; 84:443-445.
(2) Murry CE, Jennings RB, Reimer KA. Preconditioning with ischemia: a delay of lethal cell injury in ischemic myocardium(虚血によるプレコンディショニング;虚血心筋層における致死性細胞傷害の遅延). Circulation 1986; 74:1124-1136.
(3) Murry CE, Richard VJ, Reimer KA, Jennings RB. Ischemic preconditioning slows energy metabolism and delays ultrastructural damage during sustained ischemic episode(虚血プレコンディショニングはエネルギー代謝を減速し、持続する虚血エピソードによる超微細構造損傷を遅延する). Circ Res 1990; 66:913-931.
(4) Reimer KA, Murry CE, Yamasawa I, Hill ML , Jennings RB. Four brief periods of myocardial ischemia cause no cumulative ATP loss or necrosis(4回の短時間心筋梗塞は蓄積ATP喪失も壊死も惹き起こさない). Am J Physiol 1986; 251:H1306-H1315.
(5) Downey JM. Ischemia preconditioning. Nature's own cardioprotective intervention(虚血プレコンディショニング。自然自体の心臓保護介入). Trends Cardiovasc Med 1992; 2:170-176.
(6) Zhao Z-Q, Nakamura M., Wang N-P, Velez DA, Hewan-Lowe K.O, Guyton RA, Vinten-Johansen J. Dynamic progression of contractile and endothelial dysfunction and infarct extension in the late phase of reperfusion(再灌流後期の収縮と内皮機能不全の動的進行および梗塞拡大). J Surg Res 2000; 94: 133-144.
(7) Lefer AM, Ma X-L, Weyrich A, Lefer DJ. Endothelial dysfunction and neutrophil adherence as critical events in the development of reperfusion injury(再灌流傷害の発生における決定的事象としての内皮機能不全および好中球付着). Agents Actions Suppl 1993; 41: 127-135.
(8) Davenpeck KL, Gauthier TW, Lefer AM. Inhibition of endothelial-derived nitric oxide promotes P- selectin expression and actions in the rat microcirculation [see comments](内皮由来酸化窒素の阻害はラットの微小循環においてP−セレクチンの発現と作用を促進する[コメント参照]). Gastroenterology 1994; 107:1050-1058.
(9) Duilio C, Ambrosio G, Kuppusamy P, DiPaula A, Becker LC, Zweier JL. Neutrophils are primary source of 02 radicals during reperfusion after prolonged myocardial ischemia(好中球は長時間の心筋虚血後再循環に際しての主要なO2ラジカル起源である). Am J Physiol (Heart Circ Physiol) 2001; 280(6):H2649-H2657.
(10) Hoshida S, Yamashita N, Igarashi J, Nishida M, Hori M, Kamada T et al. Nitric oxide synthase protects the heart against ischemia- reperfusion injury in rabbits(ウサギにおいて、酸化窒素シンターゼは虚血−再灌流傷害に対して心臓を保護する). J Pharmacol Exp Ther 1995; 274:413-418.
(11) Buus NH, Bottcher M, Hermansen F, Sander M, Nielsen TT, Mulvany MJ. Influence of nitric oxide synthase and adrenergic inhibition on adenosine-induced myocardial hyperemia(アデノシン−誘発充血に対する酸化窒素シンターゼとアドレナリン阻害の影響). Circulation 2001; 104(19):2305-2310.
(12) Barta E, Pechan I, Cornak V, Luknarova O, Rendekova V, Verchovodko P. Protective effect of alpha-tocopherol and L-ascorbic acid against the ischemic-reperfusion injury in patients during open- heart surgery(開放心臓手術に際しての患者の虚血−再灌流傷害に対するアルファ−トコフェロールとL−アスコルビン酸の保護作用). Bratisl Lek Listy 1991; 92:174183.
(13) Ooiwa H, Janero DR, Stanley AWH, Downey JM. Examination of 2 Small-Molecule Antiperoxidative Agents in A Rabbit Model of Postischemic Myocardial-Infarction(虚血後心筋梗塞のウサギモデルにおける2種の小分子抗過酸化剤の試験). J Cardiovasc Pharmacol 1991; 17(5):761-767.
(14) Axford-Gately RA, Wilson GJ. Myocardial infarct size reduction by single high dose or repeated low dose vitamin E supplementation in rabbits [see comments](ウサギにおける単回高用量または繰り返し低用量ビタミンE補給による心筋梗塞サイズの縮小[コメント参照]). Can J Cardiol 1993; 9:94-98.
(1) Murry CE, Jennings RB, Reimer KA. Editorial Comment: New insights into potential mechanisms of ischemic preconditioning(虚血プレコンディショニングの有力なメカニズムの新しい洞察). Circulation 1991; 84:443-445.
(2) Murry CE, Jennings RB, Reimer KA. Preconditioning with ischemia: a delay of lethal cell injury in ischemic myocardium(虚血によるプレコンディショニング;虚血心筋層における致死性細胞傷害の遅延). Circulation 1986; 74:1124-1136.
(3) Murry CE, Richard VJ, Reimer KA, Jennings RB. Ischemic preconditioning slows energy metabolism and delays ultrastructural damage during sustained ischemic episode(虚血プレコンディショニングはエネルギー代謝を減速し、持続する虚血エピソードによる超微細構造損傷を遅延する). Circ Res 1990; 66:913-931.
(4) Reimer KA, Murry CE, Yamasawa I, Hill ML , Jennings RB. Four brief periods of myocardial ischemia cause no cumulative ATP loss or necrosis(4回の短時間心筋梗塞は蓄積ATP喪失も壊死も惹き起こさない). Am J Physiol 1986; 251:H1306-H1315.
(5) Downey JM. Ischemia preconditioning. Nature's own cardioprotective intervention(虚血プレコンディショニング。自然自体の心臓保護介入). Trends Cardiovasc Med 1992; 2:170-176.
(6) Zhao Z-Q, Nakamura M., Wang N-P, Velez DA, Hewan-Lowe K.O, Guyton RA, Vinten-Johansen J. Dynamic progression of contractile and endothelial dysfunction and infarct extension in the late phase of reperfusion(再灌流後期の収縮と内皮機能不全の動的進行および梗塞拡大). J Surg Res 2000; 94: 133-144.
(7) Lefer AM, Ma X-L, Weyrich A, Lefer DJ. Endothelial dysfunction and neutrophil adherence as critical events in the development of reperfusion injury(再灌流傷害の発生における決定的事象としての内皮機能不全および好中球付着). Agents Actions Suppl 1993; 41: 127-135.
(8) Davenpeck KL, Gauthier TW, Lefer AM. Inhibition of endothelial-derived nitric oxide promotes P- selectin expression and actions in the rat microcirculation [see comments](内皮由来酸化窒素の阻害はラットの微小循環においてP−セレクチンの発現と作用を促進する[コメント参照]). Gastroenterology 1994; 107:1050-1058.
(9) Duilio C, Ambrosio G, Kuppusamy P, DiPaula A, Becker LC, Zweier JL. Neutrophils are primary source of 02 radicals during reperfusion after prolonged myocardial ischemia(好中球は長時間の心筋虚血後再循環に際しての主要なO2ラジカル起源である). Am J Physiol (Heart Circ Physiol) 2001; 280(6):H2649-H2657.
(10) Hoshida S, Yamashita N, Igarashi J, Nishida M, Hori M, Kamada T et al. Nitric oxide synthase protects the heart against ischemia- reperfusion injury in rabbits(ウサギにおいて、酸化窒素シンターゼは虚血−再灌流傷害に対して心臓を保護する). J Pharmacol Exp Ther 1995; 274:413-418.
(11) Buus NH, Bottcher M, Hermansen F, Sander M, Nielsen TT, Mulvany MJ. Influence of nitric oxide synthase and adrenergic inhibition on adenosine-induced myocardial hyperemia(アデノシン−誘発充血に対する酸化窒素シンターゼとアドレナリン阻害の影響). Circulation 2001; 104(19):2305-2310.
(12) Barta E, Pechan I, Cornak V, Luknarova O, Rendekova V, Verchovodko P. Protective effect of alpha-tocopherol and L-ascorbic acid against the ischemic-reperfusion injury in patients during open- heart surgery(開放心臓手術に際しての患者の虚血−再灌流傷害に対するアルファ−トコフェロールとL−アスコルビン酸の保護作用). Bratisl Lek Listy 1991; 92:174183.
(13) Ooiwa H, Janero DR, Stanley AWH, Downey JM. Examination of 2 Small-Molecule Antiperoxidative Agents in A Rabbit Model of Postischemic Myocardial-Infarction(虚血後心筋梗塞のウサギモデルにおける2種の小分子抗過酸化剤の試験). J Cardiovasc Pharmacol 1991; 17(5):761-767.
(14) Axford-Gately RA, Wilson GJ. Myocardial infarct size reduction by single high dose or repeated low dose vitamin E supplementation in rabbits [see comments](ウサギにおける単回高用量または繰り返し低用量ビタミンE補給による心筋梗塞サイズの縮小[コメント参照]). Can J Cardiol 1993; 9:94-98.
(15) Euler DE. Role of oxygen-derived free radicals in canine reperfusion arrhythmias(イヌの再灌流不整脈における酸素由来フリーラジカルの役割). Am J Physiol 1995; 268:H295-300.
(16) Ambrosio G, Zweier JL, Jacobus WE, Weisfeldt ML, Flaherty JT. Improvement of postischemic myocardial function and metabolism induced by administration of deferoxamine at the time of reflow: the role of iron in the pathogenesis of reperfusion injury(再流時デフェロキサミン投与により誘発される虚血後心筋機能と代謝の改善;再灌流傷害の病因における鉄の役割). Circulation 1987; 76(4):906-915.
(17) Katoh S, Toyama J, Kodama I, Kamiya K, Akita T, Abe T. Deferoxamine reduces the reperfusion injury in isolated neonatal rabbit hearts after hypothermic preservation(デフェロキサミンは低体温保存後の摘出新生児ウサギ心臓の再灌流障害を低減する). Surg Today 1993; 23:424-429.
(18) Gumina RJ, Mizumura T, Beier N, Schelling P, Schultz JJ, Gross GJ. A new sodium/hydrogen exchange inhibitor, EMD 85131, limits infarct size in dogs when administered before or after coronary artery occlusion(新規ナトリウム/水素交換インヒビターEMD85131は、イヌにおいて冠状動脈閉塞の前または後で投与した場合、梗塞サイズを制限する). J Pharmacol Exp Ther 1998; 286(1):175-183.
(19) Karmazyn M. Pharmacology and clinical assessment of cariporide for the treatment coronary artery diseases(冠状動脈疾患処置のためのカリポリドの薬理学と臨床評価). Expert Opinion on Investigational Drugs 2000; 9(5):1099-1108.
(20) Miura T, Liu Y, Goto M, Tsuchida A, Miki T, Nakano A et al. Mitochondrial ATP-sensitive K+ channels play a role in cardioprotection by Na+-H+ exchange inhibition against ischemia/reperfusion injury(ミトコンドリアのATP−感受性K+チャネルは、虚血/再灌流傷害に対しNa+−H+交換阻害により心臓保護の役割を演じる). J Am Coll Cardiol 2001; 37(3):957-963.
(21) Linz W, Albus U, Crause P, Jung W, Weichert A, Scholkens BA et al. Dose-dependent reduction of myocardial infarct mass in rabbits by the NHE-1 inhibitor cariporide (HOE 642)(NHE−1インヒビター・カリプロリド(HOE 642)によるウサギでの心筋梗塞塊の用量依存性縮小). Clin Exp Hypertens 1998; 20(7):733-749.
(22) Zeymer U, Suryapranata H, Monassier JP, Opolski G, Davies J, Rasmanis G et al. The Na+/H+ exchange inhibitor eniporide as an adjunct to early reperfusion therapy for acute myocardial infarction - Results of the evaluation of the safety and cardioprotective effects of eniporide in acute myocardial infarction (ESCAMI) trial(急性心筋梗塞の初期再灌流療法に対する補助薬としてのNa+/H+交換インヒビター・エニポリド−急性心筋梗塞(ESCAMI)治験におけるエニポリドの安全性と心臓保護作用の評価結果). J Am Coll Cardiol 2001; 38(6):1644-1650.
(23) Kato K. Haemodynamic and clinical effects of an intravenous potassium channel opener - a review(静脈内カリウムチャネルオープナーの血行動態と臨床効果). Eur Heart J 1993; 14:40-47.
(24) Auchampach JA, Gross GJ. Reduction in myocardial infarct size by the new potassium channel opener bimakalim(新規カリウムチャネルオープナー・ビマカリムによる心筋梗塞サイズの縮小). J Cardiovasc Pharmacol 1994; 23:554-561.
(25) Auchampach JA, Maruyama M, Cavero I, Gross GJ. Pharmacological evidence for a role of ATP-dependent potassium channels in myocardial stunning(心筋虚血活動停止状態におけるATP−依存性カリウムチャネルの役割についての薬理学的証明). Circulation 1992; 86:311-319.
(26) Mizumura T, Nithipatikom K, Gross GJ, Occlusions. Bimakalim, an ATP-sensitive potassium channel opener, mimics the effects of ischemic preconditioning to reduce infarct size, adenosine release, and neutrophil function in dogs(ATP−感受性カリウムチャネルオープナーは、イヌにおいて虚血プレコンディショニング作用に類似して、梗塞サイズ、アデノシン放出、および好中球機能を低下させる). Circulation 1995; 92:1236-1245.
(27) Gross GJ, Auchampach JA, Maruyama M, Warltier DC, Pieper GM. Cardioprotective effects of nicorandil(ニコラジルの心臓保護作用). J Cardiovasc Pharmacol 1992; 20 Suppl 3:S22-S28.
(28) Agnelli G, Pascucci C, Cosmi B, Nenci GG. Affects of hirudin and heparin on the binding of new fibrin to the thrombus in t-PA treated rabbits(t−PA処置ウサギにおける血栓への新フィブリン結合に対するヒルジンとヘパリンの影響). Thromb Haemost 1991; 66:592-597.
(29) Lam TT, Fu J, Hrynewycz M, Tso MOM. The Effect of Aurintricarboxylic Acid, an Endonuclease Inhibitor, on Ischemia/Reperfusion Damage in Rat Retina(ラット網膜における虚血/再灌流損傷に対するエンドヌクレアーゼインヒビター、オーリントリカルボン酸の作用). J Ocular Pharmacology & Therapeutics 1995; 11(3):253-259.
(16) Ambrosio G, Zweier JL, Jacobus WE, Weisfeldt ML, Flaherty JT. Improvement of postischemic myocardial function and metabolism induced by administration of deferoxamine at the time of reflow: the role of iron in the pathogenesis of reperfusion injury(再流時デフェロキサミン投与により誘発される虚血後心筋機能と代謝の改善;再灌流傷害の病因における鉄の役割). Circulation 1987; 76(4):906-915.
(17) Katoh S, Toyama J, Kodama I, Kamiya K, Akita T, Abe T. Deferoxamine reduces the reperfusion injury in isolated neonatal rabbit hearts after hypothermic preservation(デフェロキサミンは低体温保存後の摘出新生児ウサギ心臓の再灌流障害を低減する). Surg Today 1993; 23:424-429.
(18) Gumina RJ, Mizumura T, Beier N, Schelling P, Schultz JJ, Gross GJ. A new sodium/hydrogen exchange inhibitor, EMD 85131, limits infarct size in dogs when administered before or after coronary artery occlusion(新規ナトリウム/水素交換インヒビターEMD85131は、イヌにおいて冠状動脈閉塞の前または後で投与した場合、梗塞サイズを制限する). J Pharmacol Exp Ther 1998; 286(1):175-183.
(19) Karmazyn M. Pharmacology and clinical assessment of cariporide for the treatment coronary artery diseases(冠状動脈疾患処置のためのカリポリドの薬理学と臨床評価). Expert Opinion on Investigational Drugs 2000; 9(5):1099-1108.
(20) Miura T, Liu Y, Goto M, Tsuchida A, Miki T, Nakano A et al. Mitochondrial ATP-sensitive K+ channels play a role in cardioprotection by Na+-H+ exchange inhibition against ischemia/reperfusion injury(ミトコンドリアのATP−感受性K+チャネルは、虚血/再灌流傷害に対しNa+−H+交換阻害により心臓保護の役割を演じる). J Am Coll Cardiol 2001; 37(3):957-963.
(21) Linz W, Albus U, Crause P, Jung W, Weichert A, Scholkens BA et al. Dose-dependent reduction of myocardial infarct mass in rabbits by the NHE-1 inhibitor cariporide (HOE 642)(NHE−1インヒビター・カリプロリド(HOE 642)によるウサギでの心筋梗塞塊の用量依存性縮小). Clin Exp Hypertens 1998; 20(7):733-749.
(22) Zeymer U, Suryapranata H, Monassier JP, Opolski G, Davies J, Rasmanis G et al. The Na+/H+ exchange inhibitor eniporide as an adjunct to early reperfusion therapy for acute myocardial infarction - Results of the evaluation of the safety and cardioprotective effects of eniporide in acute myocardial infarction (ESCAMI) trial(急性心筋梗塞の初期再灌流療法に対する補助薬としてのNa+/H+交換インヒビター・エニポリド−急性心筋梗塞(ESCAMI)治験におけるエニポリドの安全性と心臓保護作用の評価結果). J Am Coll Cardiol 2001; 38(6):1644-1650.
(23) Kato K. Haemodynamic and clinical effects of an intravenous potassium channel opener - a review(静脈内カリウムチャネルオープナーの血行動態と臨床効果). Eur Heart J 1993; 14:40-47.
(24) Auchampach JA, Gross GJ. Reduction in myocardial infarct size by the new potassium channel opener bimakalim(新規カリウムチャネルオープナー・ビマカリムによる心筋梗塞サイズの縮小). J Cardiovasc Pharmacol 1994; 23:554-561.
(25) Auchampach JA, Maruyama M, Cavero I, Gross GJ. Pharmacological evidence for a role of ATP-dependent potassium channels in myocardial stunning(心筋虚血活動停止状態におけるATP−依存性カリウムチャネルの役割についての薬理学的証明). Circulation 1992; 86:311-319.
(26) Mizumura T, Nithipatikom K, Gross GJ, Occlusions. Bimakalim, an ATP-sensitive potassium channel opener, mimics the effects of ischemic preconditioning to reduce infarct size, adenosine release, and neutrophil function in dogs(ATP−感受性カリウムチャネルオープナーは、イヌにおいて虚血プレコンディショニング作用に類似して、梗塞サイズ、アデノシン放出、および好中球機能を低下させる). Circulation 1995; 92:1236-1245.
(27) Gross GJ, Auchampach JA, Maruyama M, Warltier DC, Pieper GM. Cardioprotective effects of nicorandil(ニコラジルの心臓保護作用). J Cardiovasc Pharmacol 1992; 20 Suppl 3:S22-S28.
(28) Agnelli G, Pascucci C, Cosmi B, Nenci GG. Affects of hirudin and heparin on the binding of new fibrin to the thrombus in t-PA treated rabbits(t−PA処置ウサギにおける血栓への新フィブリン結合に対するヒルジンとヘパリンの影響). Thromb Haemost 1991; 66:592-597.
(29) Lam TT, Fu J, Hrynewycz M, Tso MOM. The Effect of Aurintricarboxylic Acid, an Endonuclease Inhibitor, on Ischemia/Reperfusion Damage in Rat Retina(ラット網膜における虚血/再灌流損傷に対するエンドヌクレアーゼインヒビター、オーリントリカルボン酸の作用). J Ocular Pharmacology & Therapeutics 1995; 11(3):253-259.
(30) Rosenbaum DM, D'Amore J, Llena J, Rybak S, Balkany A, Kessler JA. Pretreatment with intraventricular aurintricarboxylic acid decreases infarct size by inhibiting apoptosis following transient global ischemia in gerbils(心室内オーリントリカルボン酸による前処理は、アレチネズミにおいて一過性の全体虚血に続くアポトーシスを阻害することにより梗塞サイズを低下させる). Ann Neurol 1998; 43(5):654-660.
(31) Zhao Z-Q, Morris CD, Budde JM, Wang N-P, Muraki S, Guyton RA et al. Inhibition of apoptosis with aurintricarboxylic acid reduces extension of infarction and improves regional contractile dysfunction during reperfusion(オーリントリカルボン酸によるアポトーシスの阻害は梗塞の拡大を縮小し、再灌流にさいしての局所性収縮機能不全を改善する). Circulation (suppl 1)[104], II-11. 2001 (Abstract).
(32) Balakirev MY, Zimmer G. Gradual changes in permeability of inner mitochondrial membrane precede the mitochondrial permeability transition(内部ミトコンドリア膜の透過性の漸次変化はミトコンドリア透過性転移に先行する). Arch Biochem Biophys 1998; 356(1):46-54.
(33) Griffiths EJ, Halestrap AP. Protection by Cyclosporin A of ischemia/reperfusion-induced damage in isolated rat hearts(摘出ラット心臓における虚血/再灌流誘発損傷のシクロスポリンAによる保護). J Mol Cell Cardiol 1993; 25:1461-1469.
(34) Hausenloy DJ, Maddock HL, Baxter GF, Yellon DM. Inhibiting mitochondrial permeability transition pore opening: a new paradigm for myocardial preconditioning?(ミトコンドリア透過性転移開孔の阻害:心筋プレコンディショニングについての新しいパラダイム?) Cardiovasc Res 2002; 55(3):534-543.
(35) Baines CP, Wang L, Cohen MV, Downey JM. Protein tyrosine kinase is downstream of protein kinase C for ischemic preconditioning's anti-infarct effect in the rabbit heart(ウサギ心臓において、タンパク質チロシンキナーゼは虚血プレコンディショニングの抗梗塞作用のためにタンパク質キナーゼCの下流にある). J Mol Cell Cardiol 1998; 30(2):383-392.
(36) Auchampach JA and Gross GJ. Anti-ischaemic actions of potassium channel openers in experimental myocardial ischaemia/reperfusion injury in dogs(イヌにての実験的心筋虚血/再灌流傷害におけるカリウムチャネルオープナーの抗虚血作用). Eur Heart J 14: 10-15, 1993.
(37) Axford-Gately RA and Wilson GJ. Myocardial infarct size reduction by single high dose or repeated low dose vitamin E supplementation in rabbits [see comments](ウサギにおける単回高用量または繰り返し低用量ビタミンE補給による心筋梗塞サイズの縮小[コメント参照]). Can J Cardiol 9: 94-98, 1993.
(38) Chen HM, Chen MF and Shyr MH. Prostacyclin analogue (OP-2507) attenuates hepatic microcirculatory derangement, energy depletion, and lipid peroxidation in a rat model of reperfusion injury(プロスタサイクリン類似体(OP-2507)はラットの再灌流傷害モデルにおいて、肝臓微小循環障害、エネルギー欠乏、および脂質過酸化を減弱する). J Surg Res 80: 333-338, 1998.
(39) Gross GJ, Yao Z, Pieper GM and Auchampach JA. The ATP-regulated potassium channel in ischemia-reperfusion injury(虚血−再灌流傷害におけるATP−調節カリウムチャネル). Ann N Y Acad Sci 723: 71-81, 1994.
(40) Grover GJ, Dzwonczyk S, Parham CS and Sleph PG. The protective effects of cromakalim and pinacidil on reperfusion function and infarct size in isolated perfused rat hearts and anesthetized dogs(摘出灌流ラット心臓および麻酔したイヌにおけるクロマカリムおよびピナシジルの再灌流機能および梗塞サイズに対する保護作用). Cardiovasc Drugs Ther 4: 465-474, 1990.
(41) Jackson WF, Koenig A, Dambacher T and Busse R. Prostacyclin-induced vasodilation in rabbit heart is mediated by ATP-sensitive potassium channels(ウサギ心臓におけるプロスタサイクリン誘発血管拡張はATP−感受性カリウムチャネルにより仲介される). Am J Physiol 264: H238-H243, 1993.
(42) Kodani E, Bolli R, Tang XL and Auchampach JA. Protection of IB-MECA against myocardial stunning in conscious rabbits is not mediated by the A1 adenosine receptor(覚醒ウサギにおける心筋虚血活動停止状態に対するIB−MECAの保護はA1アデノシン受容体により仲介されるものではない). Basic Res Cardiol 96: 487-496, 2001.
(43) Neely CF, DiPierro FV, Kong M, Greelish JP and Gardner TJ. A1 adenosine receptor antagonists block ischemia-reperfusion injury of the heart(A1アデノシン受容体アンタゴニストは心臓の虚血−再灌流傷害を遮断する). Circulation 94: II376-II380, 1996.
(44) Neely CF and Keith IM. A1 adenosine receptor antagonists block ischemia-reperfusion injury of the lung(A1アデノシン受容体アンタゴニストは肺の虚血−再灌流傷害を遮断する). American Journal of Physiology - Lung Cellular & Molecular Physiology 268: L1036-L1046, 1995.
(31) Zhao Z-Q, Morris CD, Budde JM, Wang N-P, Muraki S, Guyton RA et al. Inhibition of apoptosis with aurintricarboxylic acid reduces extension of infarction and improves regional contractile dysfunction during reperfusion(オーリントリカルボン酸によるアポトーシスの阻害は梗塞の拡大を縮小し、再灌流にさいしての局所性収縮機能不全を改善する). Circulation (suppl 1)[104], II-11. 2001 (Abstract).
(32) Balakirev MY, Zimmer G. Gradual changes in permeability of inner mitochondrial membrane precede the mitochondrial permeability transition(内部ミトコンドリア膜の透過性の漸次変化はミトコンドリア透過性転移に先行する). Arch Biochem Biophys 1998; 356(1):46-54.
(33) Griffiths EJ, Halestrap AP. Protection by Cyclosporin A of ischemia/reperfusion-induced damage in isolated rat hearts(摘出ラット心臓における虚血/再灌流誘発損傷のシクロスポリンAによる保護). J Mol Cell Cardiol 1993; 25:1461-1469.
(34) Hausenloy DJ, Maddock HL, Baxter GF, Yellon DM. Inhibiting mitochondrial permeability transition pore opening: a new paradigm for myocardial preconditioning?(ミトコンドリア透過性転移開孔の阻害:心筋プレコンディショニングについての新しいパラダイム?) Cardiovasc Res 2002; 55(3):534-543.
(35) Baines CP, Wang L, Cohen MV, Downey JM. Protein tyrosine kinase is downstream of protein kinase C for ischemic preconditioning's anti-infarct effect in the rabbit heart(ウサギ心臓において、タンパク質チロシンキナーゼは虚血プレコンディショニングの抗梗塞作用のためにタンパク質キナーゼCの下流にある). J Mol Cell Cardiol 1998; 30(2):383-392.
(36) Auchampach JA and Gross GJ. Anti-ischaemic actions of potassium channel openers in experimental myocardial ischaemia/reperfusion injury in dogs(イヌにての実験的心筋虚血/再灌流傷害におけるカリウムチャネルオープナーの抗虚血作用). Eur Heart J 14: 10-15, 1993.
(37) Axford-Gately RA and Wilson GJ. Myocardial infarct size reduction by single high dose or repeated low dose vitamin E supplementation in rabbits [see comments](ウサギにおける単回高用量または繰り返し低用量ビタミンE補給による心筋梗塞サイズの縮小[コメント参照]). Can J Cardiol 9: 94-98, 1993.
(38) Chen HM, Chen MF and Shyr MH. Prostacyclin analogue (OP-2507) attenuates hepatic microcirculatory derangement, energy depletion, and lipid peroxidation in a rat model of reperfusion injury(プロスタサイクリン類似体(OP-2507)はラットの再灌流傷害モデルにおいて、肝臓微小循環障害、エネルギー欠乏、および脂質過酸化を減弱する). J Surg Res 80: 333-338, 1998.
(39) Gross GJ, Yao Z, Pieper GM and Auchampach JA. The ATP-regulated potassium channel in ischemia-reperfusion injury(虚血−再灌流傷害におけるATP−調節カリウムチャネル). Ann N Y Acad Sci 723: 71-81, 1994.
(40) Grover GJ, Dzwonczyk S, Parham CS and Sleph PG. The protective effects of cromakalim and pinacidil on reperfusion function and infarct size in isolated perfused rat hearts and anesthetized dogs(摘出灌流ラット心臓および麻酔したイヌにおけるクロマカリムおよびピナシジルの再灌流機能および梗塞サイズに対する保護作用). Cardiovasc Drugs Ther 4: 465-474, 1990.
(41) Jackson WF, Koenig A, Dambacher T and Busse R. Prostacyclin-induced vasodilation in rabbit heart is mediated by ATP-sensitive potassium channels(ウサギ心臓におけるプロスタサイクリン誘発血管拡張はATP−感受性カリウムチャネルにより仲介される). Am J Physiol 264: H238-H243, 1993.
(42) Kodani E, Bolli R, Tang XL and Auchampach JA. Protection of IB-MECA against myocardial stunning in conscious rabbits is not mediated by the A1 adenosine receptor(覚醒ウサギにおける心筋虚血活動停止状態に対するIB−MECAの保護はA1アデノシン受容体により仲介されるものではない). Basic Res Cardiol 96: 487-496, 2001.
(43) Neely CF, DiPierro FV, Kong M, Greelish JP and Gardner TJ. A1 adenosine receptor antagonists block ischemia-reperfusion injury of the heart(A1アデノシン受容体アンタゴニストは心臓の虚血−再灌流傷害を遮断する). Circulation 94: II376-II380, 1996.
(44) Neely CF and Keith IM. A1 adenosine receptor antagonists block ischemia-reperfusion injury of the lung(A1アデノシン受容体アンタゴニストは肺の虚血−再灌流傷害を遮断する). American Journal of Physiology - Lung Cellular & Molecular Physiology 268: L1036-L1046, 1995.
(45) Ockaili R, Salloum F, Hawkins J and Kukreja RC. Sildenafil (Viagra) induces powerful cardioprotective effect via opening of mitochondrial KATP channels in rabbits(シルデナフィル(バイアグラ)はウサギにおいて、ミトコンドリアKATPチャネルの開口を経て強力な心臓保護作用を誘導する). Am J Physiol (Heart Circ Physiol) 283: H1263-H1269, 2002.
(46) Schultz JE and Gross GJ. Opioids and cardioprotection(オピオイドと心臓保護). Pharmacol Ther 89: 123-137, 2001.
(47) Thourani VH, Brar SS, Kennedy TP, Thornton LR, Watts JA, Ronson RS, Zhao Z-Q, Sturrock AL, Hoidal JR and Vinten-Johansen J. Nonanticoagulant heparin inhibits NF-kB activation and attenuates myocardial reperfusion injury(非抗凝固剤ヘパリンはNF−KB活性を阻害し、心筋再灌流傷害を減弱する). Am J Physiol 48: H2084-H2093, 2000.
(48) Kin H, Zhao Z-Q, Wang N-P, Halkos ME, Kerendi F, Guyton RA et al. Pharmacological enhancement of post-conditioning (PEP-C) increases myocardial salvage after acute myocardial infarction(ポストコンディショニングの薬理学的増強(PEP−C)は急性心筋梗塞後の心筋サルベージを増強する). Circulation 2005;112 (Suppl II):II-309 (abstract).
(49) Chiari PC, Bienengraeber MW, Pagel PS, Krolikowski JG, Kersten JR, Warltier DC. Isoflurane protects against myocardial infarction during early reperfusion by activation of phosphatidylinositol-3-kinase signal transduction: evidence for anesthetic-induced postconditioning in rabbits(イソフルランはホスファチジルイノシトール−3−キナーゼシグナル伝達の活性化により、初期再灌流に際し、心筋梗塞に対し保護する;ウサギにおける麻酔誘発ポストコンディショニングの証明). Anesthesiology 2005;102:102-109.
(50) Halkos ME, Kerendi F, Corvera JS, Wang N-P, Kin H, Payne CS et al. Myocardial protection with postconditioning is not enhanced by ischemic preconditioning(ポストコンディショニングによる心筋保護は虚血プレコンディショニングによって増強されない). Ann Thorac Surg 2004;78:961-969.
(51) Zhao Z-Q, Corvera JS, Halkos ME, Kerendi F, Wang N-P, Guyton RA et al. Inhibition of myocardial injury by ischemic postconditioning during reperfusion: comparison with ischemic preconditioning(再灌流に際しての虚血性ポストコンディショニングによる心筋傷害の阻害:虚血プレコンディショニングとの比較). Am J Physiol (Heart Circ Physiol) 2003;285:579-588.
(52) Staat P, Rioufol G, Piot C, et al. Postconditioning the human heart(ヒト心臓のポストコンディショニング). Circulation 2005;112:2143-2148.
(46) Schultz JE and Gross GJ. Opioids and cardioprotection(オピオイドと心臓保護). Pharmacol Ther 89: 123-137, 2001.
(47) Thourani VH, Brar SS, Kennedy TP, Thornton LR, Watts JA, Ronson RS, Zhao Z-Q, Sturrock AL, Hoidal JR and Vinten-Johansen J. Nonanticoagulant heparin inhibits NF-kB activation and attenuates myocardial reperfusion injury(非抗凝固剤ヘパリンはNF−KB活性を阻害し、心筋再灌流傷害を減弱する). Am J Physiol 48: H2084-H2093, 2000.
(48) Kin H, Zhao Z-Q, Wang N-P, Halkos ME, Kerendi F, Guyton RA et al. Pharmacological enhancement of post-conditioning (PEP-C) increases myocardial salvage after acute myocardial infarction(ポストコンディショニングの薬理学的増強(PEP−C)は急性心筋梗塞後の心筋サルベージを増強する). Circulation 2005;112 (Suppl II):II-309 (abstract).
(49) Chiari PC, Bienengraeber MW, Pagel PS, Krolikowski JG, Kersten JR, Warltier DC. Isoflurane protects against myocardial infarction during early reperfusion by activation of phosphatidylinositol-3-kinase signal transduction: evidence for anesthetic-induced postconditioning in rabbits(イソフルランはホスファチジルイノシトール−3−キナーゼシグナル伝達の活性化により、初期再灌流に際し、心筋梗塞に対し保護する;ウサギにおける麻酔誘発ポストコンディショニングの証明). Anesthesiology 2005;102:102-109.
(50) Halkos ME, Kerendi F, Corvera JS, Wang N-P, Kin H, Payne CS et al. Myocardial protection with postconditioning is not enhanced by ischemic preconditioning(ポストコンディショニングによる心筋保護は虚血プレコンディショニングによって増強されない). Ann Thorac Surg 2004;78:961-969.
(51) Zhao Z-Q, Corvera JS, Halkos ME, Kerendi F, Wang N-P, Guyton RA et al. Inhibition of myocardial injury by ischemic postconditioning during reperfusion: comparison with ischemic preconditioning(再灌流に際しての虚血性ポストコンディショニングによる心筋傷害の阻害:虚血プレコンディショニングとの比較). Am J Physiol (Heart Circ Physiol) 2003;285:579-588.
(52) Staat P, Rioufol G, Piot C, et al. Postconditioning the human heart(ヒト心臓のポストコンディショニング). Circulation 2005;112:2143-2148.
これらの作用因子はポストコンディショニングを補足するために、単独で、またはポストコンディショニングとの何らかの組合せで、使用することができる。例えば、カリポリド(ナトリウム−水素交換インヒビター)はポストコンディショニングに加えて、アデノシンとともに使用することができる。該薬物はポストコンディショニングの手順の前、その間またはその後に投与し得る。該薬物は虚血後期間に必要とされるものとして補足し得るものであり、連続して注入投与するか、または所定の期間、所定の時間に複数回に分けて注入投与し得る。例えば、アデノシン130μg/kg/分をポストコンディショニング後、最初の再灌流時間、全身投与し、次いでボーラスとして投与するか、または130μg/kgでのゆっくりとした注入を再灌流開始後の6時間、12時間、24時間目に実施する。
当業者には明白ではるが、本発明においては、その発明の範囲または精神から逸脱することなくさまざまな修飾と変更をなし得る。本発明の他の態様は、本明細書に開示された本発明の明細と実践を考察することによって、当業者に明らかとなろう。意図することは、該明細と実例は単なる例示であり、本発明の真の範囲と精神は添付の特許請求の範囲に記載されたものであると考えるべきであることである。
Claims (42)
- 虚血事象後の臓器または組織への再灌流の前、その間、またはその後の、対象における臓器または組織に対する傷害を予防する方法であって:
a)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を停止すること;
b)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を再開すること;
c)処置a)およびb)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;
d)臓器または組織の灌流を中断させないこと;および
e)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;
を特徴とする方法。 - 該臓器または組織が、心臓、脳、眼、腎臓、腸、膵臓、肝臓、肺または骨格筋である請求項1に記載の方法。
- 該対象が哺乳動物である請求項1に記載の方法。
- 該哺乳動物がヒトである請求項3に記載の方法。
- 灌流停止を、臓器または組織に血液を供給する血管の内腔内でバルーンにより実施する請求項1に記載の方法。
- 該バルーンが膨張可能であり、また縮小可能である請求項5に記載の方法。
- 灌流の停止を、臓器または組織に血液を供給する血管の外部からの圧迫により実施する請求項1に記載の方法。
- 組織保護剤が、ナトリウム/水素交換(NHE−1)インヒビター;抗炎症剤;抗酸化剤;プロテアーゼインヒビター;ナトリウムチャネル遮断剤;KATPチャネル調節剤;カルシウムチャネルアンタゴニストおよび調節剤;オピオイド;血栓調節剤;代謝増強剤;緩衝剤および調節剤;エンドセリン−1アンタゴニスト、インヒビターおよび調節剤;アポトーシスインヒビター;ミトコンドリア透過性転移穿孔インヒビター;シグナル伝達促進剤およびインヒビター;麻酔剤;およびスタチン;からなる群より選択される1種以上である請求項1に記載の方法。
- 該保護剤がナトリウム/水素交換インヒビターである請求項8に記載の方法。
- 該ナトリウム/水素交換インヒビターがカリポリドまたはエニポリドである請求項9に記載の方法。
- カリポリドの投与量が1日120mg3回である請求項10に記載の方法。
- エニポリドの投与量が3mg/kgである請求項10に記載の方法。
- 心臓の虚血事象と診断された対象の心臓への傷害を予防する方法であって:
a)冠状動脈の内腔の障害物を取り除くこと;
b)約5秒ないし約5分間、心臓を灌流すること;
c)約5秒ないし約5分間、心臓の灌流を停止すること;
d)処置b)およびc)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;
e)心臓の灌流を中断させないこと;および
f)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の心臓に対する傷害を予防すること;
を特徴とする方法。 - 灌流停止を、冠状動脈の内腔内でバルーンにより実施する請求項13に記載の方法。
- 該バルーンが膨張可能であり、また縮小可能である請求項14に記載の方法。
- 灌流の停止を、冠状動脈の外部からの圧迫により実施する請求項13に記載の方法。
- 組織保護剤が、ナトリウム/水素交換(NHE−1)インヒビター;抗炎症剤;抗酸化剤;プロテアーゼインヒビター;ナトリウムチャネル遮断剤;KATPチャネル調節剤;カルシウムチャネルアンタゴニストおよび調節剤;オピオイド;血栓調節剤;代謝増強剤;緩衝剤および調節剤;エンドセリン−1アンタゴニスト、インヒビターおよび調節剤;アポトーシスインヒビター;ミトコンドリア透過性転移穿孔インヒビター;シグナル伝達促進剤およびインヒビター;麻酔剤;およびスタチン;からなる群より選択される1種以上である請求項13に記載の方法。
- 該保護剤がナトリウム/水素交換インヒビターである請求項17に記載の方法。
- 該ナトリウム/水素交換インヒビターがカリポリドまたはエニポリドである請求項18に記載の方法。
- カリポリドの投与量が1日120mg3回である請求項19に記載の方法。
- エニポリドの投与量が3mg/kgである請求項19に記載の方法。
- 虚血事象後の臓器または組織への再灌流の前、その間、またはその後の、対象における臓器または組織に対する傷害を防止する方法であって:
a)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を減少させること;
b)約5秒ないし約5分間、臓器の灌流を再開すること;
c)処置a)およびb)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;
d)臓器または組織の灌流を中断させないこと;および
e)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の臓器または組織に対する傷害を予防すること;
を特徴とする方法。 - 該臓器または組織が、心臓、脳、眼、腎臓、腸、膵臓、肝臓、肺または骨格筋である請求項22に記載の方法。
- 該対象が哺乳動物である請求項22に記載の方法。
- 該哺乳動物がヒトである請求項24に記載の方法。
- 灌流減少を、臓器または組織に血液を供給する血管の内腔内でバルーンにより実施する請求項22に記載の方法。
- 該バルーンが膨張可能であり、また縮小可能である請求項26に記載の方法。
- 灌流の減少を臓器または組織に血液を供給する血管の外部からの圧迫により実施する請求項22に記載の方法。
- 組織保護剤が、ナトリウム/水素交換(NHE−1)インヒビター;抗炎症剤;抗酸化剤;プロテアーゼインヒビター;ナトリウムチャネル遮断剤;KATPチャネル調節剤;カルシウムチャネルアンタゴニストおよび調節剤;オピオイド;血栓調節剤;代謝増強剤;緩衝剤および調節剤;エンドセリン−1アンタゴニスト、インヒビターおよび調節剤;アポトーシスインヒビター;ミトコンドリア透過性転移穿孔インヒビター;シグナル伝達促進剤およびインヒビター;麻酔剤;およびスタチン;からなる群より選択される1種以上である請求項22に記載の方法。
- 該保護剤がナトリウム/水素交換インヒビターである請求項29に記載の方法。
- 該ナトリウム/水素交換インヒビターがカリポリドまたはエニポリドである請求項30に記載の方法。
- カリポリドの投与量が1日120mg3回である請求項31に記載の方法。
- エニポリドの投与量が3mg/kgである請求項31に記載の方法。
- 心臓の虚血事象と診断された対象の心臓への傷害を予防する方法であって:
a)冠状動脈の内腔の障害物を取り除くこと;
b)約5秒ないし約5分間、心臓を灌流すること;
c)約5秒ないし約5分間、心臓の灌流を減少させること;
d)処置b)およびc)を約2回ないし約50回連続的に繰り返すこと;
e)心臓の灌流を中断させないこと;および
f)1種以上の組織保護剤の有効量を医薬的に許容される担体とともに対象に投与し、それによって該対象の心臓に対する傷害を予防すること;
を特徴とする方法。 - 灌流の減少を、冠状動脈の内腔内でバルーンにより実施する請求項34に記載の方法。
- 該バルーンが膨張可能であり、また縮小可能である請求項35に記載の方法。
- 灌流の減少を、冠状動脈の外部からの圧迫により実施する請求項34に記載の方法。
- 組織保護剤が、ナトリウム/水素交換(NHE−1)インヒビター;抗炎症剤;抗酸化剤;プロテアーゼインヒビター;ナトリウムチャネル遮断剤;KATPチャネル調節剤;カルシウムチャネルアンタゴニストおよび調節剤;オピオイド;血栓調節剤;代謝増強剤;緩衝剤および調節剤;エンドセリン−1アンタゴニスト、インヒビターおよび調節剤;アポトーシスインヒビター;ミトコンドリア透過性転移穿孔インヒビター;シグナル伝達促進剤およびインヒビター;麻酔剤;およびスタチン;からなる群より選択される1種以上である請求項34に記載の方法。
- 該保護剤がナトリウム/水素交換インヒビターである請求項38に記載の方法。
- 該ナトリウム/水素交換インヒビターがカリポリドまたはエニポリドである請求項39に記載の方法。
- カリポリドの投与量が1日120mg3回である請求項40に記載の方法。
- エニポリドの投与量が3mg/kgである請求項40に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US63846104P | 2004-12-22 | 2004-12-22 | |
PCT/US2005/046417 WO2006069170A2 (en) | 2004-12-22 | 2005-12-20 | Therapeutic adjuncts to enhance the organ protective effects of postconditioning |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008525468A true JP2008525468A (ja) | 2008-07-17 |
JP2008525468A5 JP2008525468A5 (ja) | 2009-01-29 |
Family
ID=36602296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007548436A Withdrawn JP2008525468A (ja) | 2004-12-22 | 2005-12-20 | ポストコンディショニング臓器保護作用を増強する治療補助薬 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20080097385A1 (ja) |
EP (1) | EP1827298A4 (ja) |
JP (1) | JP2008525468A (ja) |
AU (1) | AU2005319144A1 (ja) |
CA (1) | CA2592142A1 (ja) |
WO (1) | WO2006069170A2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012210361A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Terumo Corp | 肢部圧迫装置 |
JP2013510832A (ja) * | 2009-11-16 | 2013-03-28 | アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ アグロノミック | A型インフルエンザウイルス感染症の治療または予防用のpar−1アンタゴニスト |
JP2013523240A (ja) * | 2010-03-31 | 2013-06-17 | ザ・ホスピタル・フォー・シック・チルドレン | 心筋梗塞後の結果を改善するための遠隔虚血コンディショニングの使用 |
Families Citing this family (33)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IL145552A0 (en) | 1999-03-23 | 2002-06-30 | Univ James Cook | Organ arrest, protection and preservation |
ATE411058T1 (de) | 2001-10-25 | 2008-10-15 | Univ Emory | Katheter für modifizierte perfusion |
EP3064242A1 (en) | 2003-04-28 | 2016-09-07 | Advanced Circulatory Systems Inc. | Ventilator and methods for treating head trauma and low blood circulation |
EP2659773A1 (en) | 2006-05-29 | 2013-11-06 | Hibernation Therapeutics Limited | Improved tissue maintenance |
EP2139316B1 (en) | 2006-07-25 | 2015-03-18 | Hibernation Therapeutics, a KF LLC | Trauma therapy |
US7717855B2 (en) | 2006-12-06 | 2010-05-18 | The Hospital For Sick Children | System for performing remote ischemic preconditioning |
CA2717162A1 (en) | 2007-03-02 | 2008-09-12 | Hibernation Therapeutics Limited | Transplants |
US20110046039A1 (en) * | 2007-03-09 | 2011-02-24 | George Mason Intellectual Properties Inc. | Post-exposure prophylaxis and treatment of infections |
US9352111B2 (en) | 2007-04-19 | 2016-05-31 | Advanced Circulatory Systems, Inc. | Systems and methods to increase survival with favorable neurological function after cardiac arrest |
US8151790B2 (en) | 2007-04-19 | 2012-04-10 | Advanced Circulatory Systems, Inc. | Volume exchanger valve system and method to increase circulation during CPR |
CN103493799A (zh) * | 2007-07-25 | 2014-01-08 | 低温药理有限公司 | 改进的器官保护、维护和康复 |
US20110190727A1 (en) * | 2010-02-02 | 2011-08-04 | Boston Scientific Scimed, Inc. | Intervascular catheter, system and method |
US9724266B2 (en) | 2010-02-12 | 2017-08-08 | Zoll Medical Corporation | Enhanced guided active compression decompression cardiopulmonary resuscitation systems and methods |
US20120330199A1 (en) * | 2010-07-02 | 2012-12-27 | ResQSystems, Inc. | Methods and systems for reperfusion injury protection after cardiac arrest |
EP2555692A2 (en) | 2010-04-08 | 2013-02-13 | The Hospital For Sick Children | Use of remote ischemic conditioning for traumatic injury |
US8480650B2 (en) | 2010-04-30 | 2013-07-09 | Abbott Cardiovascular Systems Inc. | Method for increased uptake of beneficial agent and ejection fraction by postconditioning procedures |
CN103599588B (zh) | 2010-04-30 | 2017-04-26 | 雅培心脏血管系统股份有限公司 | 呈现迅速膨胀和收缩的改进型球囊导管 |
US9168361B2 (en) | 2010-04-30 | 2015-10-27 | Abbott Cardiovascular Systems Inc. | Balloon catheter exhibiting rapid inflation and deflation |
US8540669B2 (en) | 2010-04-30 | 2013-09-24 | Abbott Cardiovascular Systems Inc. | Catheter system providing step reduction for postconditioning |
WO2011136815A1 (en) | 2010-04-30 | 2011-11-03 | Abbott Cardiovascular Systems Inc. | Catheter system having a fluid circuit |
US8708996B2 (en) | 2010-04-30 | 2014-04-29 | Abbott Cardiovascular Systems, Inc. | Methods and device for synergistic mitigation of reperfusion injury after an ischemic event |
US9533124B2 (en) | 2011-04-14 | 2017-01-03 | Abbott Cardiovascular Systems Inc. | Reperfusion injury devices |
JP2014533697A (ja) * | 2011-11-18 | 2014-12-15 | アポテックス テクノロジーズ インコーポレイテッドApotex Technologies Inc. | デフェリプロンを用いた処置方法 |
JP2015500733A (ja) | 2011-12-19 | 2015-01-08 | レスキューシステムズ インコーポレイテッドResqsystems,Inc. | 治療のための胸腔内圧調節システムおよび方法 |
CA2942614A1 (en) | 2013-03-15 | 2014-10-16 | The Hospital For Sick Children | Methods for modulating autophagy using remote ischemic conditioning |
WO2014140832A2 (en) | 2013-03-15 | 2014-09-18 | The Hospital For Sick Children | Treatment of erectile dysfunction using remote ischemic conditioning |
CA2904162A1 (en) | 2013-03-15 | 2014-12-18 | The Hospital For Sick Children | Methods relating to the use of remote ischemic conditioning |
US9811634B2 (en) | 2013-04-25 | 2017-11-07 | Zoll Medical Corporation | Systems and methods to predict the chances of neurologically intact survival while performing CPR |
US20140358047A1 (en) | 2013-05-30 | 2014-12-04 | ResQSystems, Inc. | End-tidal carbon dioxide and amplitude spectral area as non-invasive markers of coronary perfusion pressure and arterial pressure |
CN105579045A (zh) | 2013-07-17 | 2016-05-11 | 低温药理Kf有限公司 | 用于器官停滞、保护和保存以及减少组织损伤的方法 |
US10265495B2 (en) | 2013-11-22 | 2019-04-23 | Zoll Medical Corporation | Pressure actuated valve systems and methods |
US10092591B2 (en) * | 2014-02-27 | 2018-10-09 | University Of Alaska Fairbanks | Methods and compositions for the treatment of ischemic injury to tissue using therapeutic hypothermia |
CN112218676A (zh) * | 2018-01-10 | 2021-01-12 | 塔夫茨医学中心有限公司 | 用于治疗心肌梗塞的左心室卸载的系统和方法 |
Family Cites Families (76)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4781677A (en) * | 1985-07-17 | 1988-11-01 | Wilcox Gilbert M | Method of treatment utilizing a double balloon nasobiliary occlusion catheter |
US4691708A (en) * | 1986-03-10 | 1987-09-08 | Cordis Corporation | Optical pressure sensor for measuring blood pressure |
US4769010A (en) * | 1987-02-11 | 1988-09-06 | Strato Medical Corporation | Catheter needle assembly with adjustable height support |
US4901731A (en) * | 1988-04-27 | 1990-02-20 | Millar Instruments, Inc. | Single sensor pressure differential device |
US4929236A (en) * | 1988-05-26 | 1990-05-29 | Shiley Infusaid, Inc. | Snap-lock fitting catheter for an implantable device |
US5011469A (en) * | 1988-08-29 | 1991-04-30 | Shiley, Inc. | Peripheral cardiopulmonary bypass and coronary reperfusion system |
US4943277A (en) * | 1989-03-24 | 1990-07-24 | Bolling Steven F | Retrograde coronary sinus cardioplegia cannula and method for using same in heart surgery |
US5129891A (en) * | 1989-05-19 | 1992-07-14 | Strato Medical Corporation | Catheter attachment device |
DE4003425A1 (de) * | 1990-02-06 | 1991-08-08 | Beyersdorf Friedhelm Dr Med | Reperfusionsvorrichtung |
US5108369A (en) * | 1990-03-15 | 1992-04-28 | Diagnostic Devices Group, Limited | Dual-diameter multifunction catheter |
US5178612A (en) * | 1990-10-10 | 1993-01-12 | Strato Medical Corporation | Compressible split cylinder bayonet locking device for attachment of a catheter to a fluid transfer device |
US5190520A (en) * | 1990-10-10 | 1993-03-02 | Strato Medical Corporation | Reinforced multiple lumen catheter |
US5156600A (en) * | 1990-10-10 | 1992-10-20 | Strato Medical Corporation | Bidirectional check valve catheter |
US6309639B1 (en) * | 1991-02-05 | 2001-10-30 | The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma | Method for inhibiting an inflammatory response using antibodies to P-selectin glycoprotein ligand |
US5112301A (en) * | 1991-06-19 | 1992-05-12 | Strato Medical Corporation | Bidirectional check valve catheter |
US5769812A (en) * | 1991-07-16 | 1998-06-23 | Heartport, Inc. | System for cardiac procedures |
US5584803A (en) * | 1991-07-16 | 1996-12-17 | Heartport, Inc. | System for cardiac procedures |
US5879499A (en) * | 1996-06-17 | 1999-03-09 | Heartport, Inc. | Method of manufacture of a multi-lumen catheter |
US5195942A (en) * | 1991-08-12 | 1993-03-23 | Institute Of Critical Care Medicine | Cardiac arrest treatment |
US6224619B1 (en) * | 1991-12-17 | 2001-05-01 | Heartport, Inc. | Blood vessel occlusion trocar having size and shape varying insertion body |
US5224938A (en) * | 1992-03-18 | 1993-07-06 | Strato Medical Corporation | Valved catheter |
US6283127B1 (en) * | 1992-12-03 | 2001-09-04 | Wesley D. Sterman | Devices and methods for intracardiac procedures |
US6325067B1 (en) * | 1992-12-03 | 2001-12-04 | Wesley D. Sterman | Methods and systems for performing thoracoscopic coronary bypass and other procedures |
US5573502A (en) * | 1993-05-26 | 1996-11-12 | Quest Medical, Inc. | Display panel and controls for blood mixture delivery system |
ATE199626T1 (de) * | 1993-06-04 | 2001-03-15 | Biotime Inc | Plasma-artige lösung |
US5759170A (en) * | 1993-11-30 | 1998-06-02 | Heartport, Inc. | Method for intraluminally inducing cardioplegic arrest and catheter for use therein |
US5478309A (en) * | 1994-05-27 | 1995-12-26 | William P. Sweezer, Jr. | Catheter system and method for providing cardiopulmonary bypass pump support during heart surgery |
US5695457A (en) * | 1994-07-28 | 1997-12-09 | Heartport, Inc. | Cardioplegia catheter system |
US6607698B1 (en) * | 1997-08-15 | 2003-08-19 | Therox, Inc. | Method for generalized extracorporeal support |
US5868776A (en) * | 1996-09-03 | 1999-02-09 | Ideas For Medicine, Inc. | Overlay dual balloon catheter and method for use thereof |
US5993382A (en) * | 1996-11-27 | 1999-11-30 | Horizon Medical Products, Inc. | Lighted catheter device and method for use and manufacture thereof |
US5957879A (en) * | 1997-01-24 | 1999-09-28 | Heartport, Inc. | Methods and devices for maintaining cardiopulmonary bypass and arresting a patient's heart |
DE19702402A1 (de) * | 1997-01-24 | 1998-07-30 | Beyersdorf Friedhelm Univ Prof | Verfahren und Reperfusionsvorrichtung |
US5755687A (en) * | 1997-04-01 | 1998-05-26 | Heartport, Inc. | Methods and devices for occluding a patient's ascending aorta |
DE19741635A1 (de) * | 1997-09-22 | 1999-03-25 | Hoechst Marion Roussel De Gmbh | Biphenylsulfonylcyanamide, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung als Medikament |
US6991645B2 (en) * | 1998-01-23 | 2006-01-31 | Innercool Therapies, Inc. | Patient temperature regulation method and apparatus |
US6295990B1 (en) * | 1998-02-03 | 2001-10-02 | Salient Interventional Systems, Inc. | Methods and systems for treating ischemia |
US6736790B2 (en) * | 1998-02-25 | 2004-05-18 | Denise R. Barbut | Method and system for selective or isolated integrate cerebral perfusion and cooling |
US6235714B1 (en) * | 1998-03-23 | 2001-05-22 | Sudhir Paul | Methods for identifying inducers and inhibitors of proteolytic antibodies, compositions and their uses |
US6602467B1 (en) * | 1998-07-24 | 2003-08-05 | Therox, Inc. | Apparatus and method for blood oxygenation |
US6830581B2 (en) * | 1999-02-09 | 2004-12-14 | Innercool Therspies, Inc. | Method and device for patient temperature control employing optimized rewarming |
US7914564B2 (en) * | 1999-02-09 | 2011-03-29 | Innercool Therapies, Inc. | System and method for patient temperature control employing temperature projection algorithm |
US6315768B1 (en) * | 1999-06-08 | 2001-11-13 | Richard K. Wallace | Perfusion procedure and apparatus for preventing necrosis following failed balloon angioplasty |
US6387324B1 (en) * | 1999-09-30 | 2002-05-14 | Therox, Inc. | Apparatus and method for blood oxygenation |
US6576191B1 (en) * | 1999-09-30 | 2003-06-10 | Therox, Inc. | Apparatus for blood oxygenation |
US6462066B2 (en) * | 1999-12-02 | 2002-10-08 | University Of South Florida | Method and composition for treatment of ischemic neuronal reperfusion injury |
AU782393B2 (en) * | 2000-01-25 | 2005-07-21 | Meiji Seika Kaisha Ltd. | Remedies for reperfusion injury containing integrin alphavbeta3 antagonist |
US6534651B2 (en) * | 2000-04-06 | 2003-03-18 | Inotek Pharmaceuticals Corp. | 7-Substituted isoindolinone inhibitors of inflammation and reperfusion injury and methods of use thereof |
US6900178B2 (en) * | 2000-09-12 | 2005-05-31 | University Of Kentucky Research Foundation | Protection against ischemia and reperfusion injury |
US6645938B2 (en) * | 2000-10-10 | 2003-11-11 | Zymogenetics, Inc. | Protection against ischemia and reperfusion injury |
US6585675B1 (en) * | 2000-11-02 | 2003-07-01 | Chf Solutions, Inc. | Method and apparatus for blood withdrawal and infusion using a pressure controller |
US6423705B1 (en) * | 2001-01-25 | 2002-07-23 | Pfizer Inc. | Combination therapy |
US20030216582A1 (en) * | 2001-02-08 | 2003-11-20 | Nicholas Nikolaides | 2-carboxamide-benzimidazoles useful in the treatment and prevention of ischemic reperfusion injury |
WO2002092124A1 (en) * | 2001-05-11 | 2002-11-21 | Wyeth | Methods for diagnosing and treating ischemia and reperfusion injury and compositions thereof |
US20040131607A1 (en) * | 2001-06-08 | 2004-07-08 | Carroll Michael C. | Methods and compositions for inhibiting immunoglobulin-mediated reperfusion injury |
WO2003007797A2 (en) * | 2001-07-17 | 2003-01-30 | Kerberos Proximal Solutions | Fluid exchange system for controlled and localized irrigation and aspiration |
JP2003096308A (ja) * | 2001-09-25 | 2003-04-03 | Asahi Glass Co Ltd | 撥水撥油性組成物およびその造形品 |
WO2003041640A2 (en) * | 2001-11-09 | 2003-05-22 | The General Hospital Corporation | METHODS FOR TREATING ISCHEMIC REPERFUSION INJURY USING IkB KINASE-BETA INHIBITORS |
US6544950B1 (en) * | 2001-12-06 | 2003-04-08 | University Of Kentucky Research Foundation | Seventeen amino acid peptide (Peptide P) for treating ischemia and reperfusion injury |
EP1471849A4 (en) * | 2001-12-21 | 2011-01-05 | Univ Emory | POST-CONDITIONING TO REDUCE IN THE HEART OR OTHER BODIES ISCHEMIC LESION DUE TO REPERFUSION |
US6844361B2 (en) * | 2002-02-04 | 2005-01-18 | Aventis Pharma Deutschland Gmbh | Pharmaceutical composition comprising a sodium hydrogen exchange inhibitor and an angiotensin converting enzyme inhibitor |
US20030220383A1 (en) * | 2002-02-14 | 2003-11-27 | Aventis Pharma Deutschland Gmbh | Use of inhibitors of the sodium-dependent chloride/bicarbonate exchanger for the treatment of thrombotic and inflammatory disorders |
NZ537444A (en) * | 2002-06-12 | 2006-09-29 | Biogen Idec Inc | Method of treating ischemia reperfusion injury using adenosine receptor antagonists |
AU2003251829B2 (en) * | 2002-07-09 | 2009-12-10 | Radical Therapeutix | Method to inhibit ischemia and reperfusion injury |
US20050143475A1 (en) * | 2002-07-29 | 2005-06-30 | Lockwood Samuel F. | Carotenoid analogs or derivatives for the inhibition and amelioration of ischemic reperfusion injury |
EP1532108B1 (en) * | 2002-07-29 | 2016-06-29 | Cardax Pharma, Inc. | Astaxanthin esters for the inhibition and amelioration of disease |
US20040111079A1 (en) * | 2002-12-03 | 2004-06-10 | Richard Hayes | Targeted sanguinous drug solution delivery to a targeted organ |
US7004961B2 (en) * | 2003-01-09 | 2006-02-28 | Edward Wong | Medical device and method for temperature control and treatment of the brain and spinal cord |
EP1601377A4 (en) * | 2003-02-21 | 2009-07-15 | Genentech Inc | METHOD FOR THE PREVENTION AND TREATMENT OF TISSUE DAMAGE IN CONNECTION WITH ISCHEMIC REPERFUSION DAMAGE |
CA2519465C (en) * | 2003-03-28 | 2016-08-02 | Faron Pharmaceuticals Oy | Elevation of adenosine level by cytokine-induced expression of cd73 |
US20060051407A1 (en) * | 2003-06-27 | 2006-03-09 | Yoram Richter | Method of treating ischemia-reperfusion injury |
US20050187221A1 (en) * | 2003-09-08 | 2005-08-25 | Japan Tobacco Inc. | Method of treating ischemia reperfusion injury |
US20060029589A1 (en) * | 2004-06-01 | 2006-02-09 | Hartmut Weiler | Induction of heterozygous FV Leiden carrier status to reduce mortality in sepsis and to prevent organ damage caused by inflammation and/or ischemia-reperfusion injury |
US7304073B2 (en) * | 2004-08-20 | 2007-12-04 | Wyeth | Method of treating myocardial ischemia-reperfusion injury using NF-kB inhibitors |
US20060136023A1 (en) * | 2004-08-26 | 2006-06-22 | Dobak John D Iii | Method and apparatus for patient temperature control employing administration of anti-shivering agents |
US7332159B2 (en) * | 2004-09-30 | 2008-02-19 | Board Of Regents Of The University Of Nebraska | Method and composition for inhibiting reperfusion injury in the brain |
-
2005
- 2005-12-20 CA CA002592142A patent/CA2592142A1/en not_active Abandoned
- 2005-12-20 US US11/793,508 patent/US20080097385A1/en not_active Abandoned
- 2005-12-20 AU AU2005319144A patent/AU2005319144A1/en not_active Abandoned
- 2005-12-20 JP JP2007548436A patent/JP2008525468A/ja not_active Withdrawn
- 2005-12-20 EP EP05855042A patent/EP1827298A4/en not_active Withdrawn
- 2005-12-20 WO PCT/US2005/046417 patent/WO2006069170A2/en active Application Filing
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013510832A (ja) * | 2009-11-16 | 2013-03-28 | アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ アグロノミック | A型インフルエンザウイルス感染症の治療または予防用のpar−1アンタゴニスト |
JP2013523240A (ja) * | 2010-03-31 | 2013-06-17 | ザ・ホスピタル・フォー・シック・チルドレン | 心筋梗塞後の結果を改善するための遠隔虚血コンディショニングの使用 |
JP2016052600A (ja) * | 2010-03-31 | 2016-04-14 | ザ・ホスピタル・フォー・シック・チルドレンThe Hospital For Sick Children | 心筋梗塞後の結果を改善するための遠隔虚血コンディショニングの使用 |
JP2012210361A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Terumo Corp | 肢部圧迫装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2006069170A2 (en) | 2006-06-29 |
CA2592142A1 (en) | 2006-06-29 |
WO2006069170A3 (en) | 2007-01-04 |
US20080097385A1 (en) | 2008-04-24 |
EP1827298A2 (en) | 2007-09-05 |
AU2005319144A1 (en) | 2006-06-29 |
EP1827298A4 (en) | 2011-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008525468A (ja) | ポストコンディショニング臓器保護作用を増強する治療補助薬 | |
JP4514838B2 (ja) | 過増殖性の血管疾患を予防するための医薬組成物 | |
JP2009172394A (ja) | 心臓および他の器官における虚血−再灌流傷害の軽減のための事後調節 | |
US5574059A (en) | Treating disorders mediated by vascular smooth muscle cell proliferation | |
EP1258250B1 (en) | Nerve protective drugs | |
ES2349244T3 (es) | Procedimientos para reducir la angiogénesis. | |
Colson et al. | Mechanisms of renal hemodynamic impairment during infrarenal aortic cross-clamping | |
US20220273754A1 (en) | Ss-31 for the prevention and/or treatment of aneurysm | |
Scriabine et al. | Nimodipine: Pharmacological and clinical results in cerebral ischemia | |
KR20190072011A (ko) | 나토키나제와 항염증제를 유효성분으로 포함하는 혈소판 응집 억제용 또는 혈전용해용 의약 조성물 | |
Rahn | How should we treat a hypertensive emergency? | |
EP1190714A2 (en) | Method for the treatment of thromboembolic disorders in patients with aspirin resistance | |
KR20080033238A (ko) | 재관류 손상을 치료하기 위한 가용성 구아닐레이트시클라제의 활성자의 용도 | |
EP3085371A1 (en) | Parthenolide and its derivatives for use in the treatment of axonal damage | |
EP2091521A1 (en) | Anticonvulsive pharmaceutical compositions | |
WO2014152864A1 (en) | Treatment for chemotherapy-induced cognitive impairment | |
CN116829168A (zh) | 环孢菌素类似物作为抗血栓形成剂的用途 | |
EP0612523B1 (en) | Vascular hypertrophy suppressor | |
HUT76834A (en) | Use of (s)-adenosyl-l-methionine (same) and its physiologically compatible salts for preparing pharmaceutical compositions for treating reperfusion damage triggered by temporary focal ischemia | |
JP5011496B2 (ja) | 脳梗塞抑制剤 | |
EP1582213A1 (en) | Use of adenosine for treating surgery related ischemia | |
AU2022294208A1 (en) | Treatment or prevention of ischaemia reperfusion injury | |
WO2011052628A1 (ja) | 血管新生促進剤 | |
JP2000229854A (ja) | 虚血性神経細胞死治療・予防用脳室内投与剤、血管性痴呆症治療・予防用脳室内投与剤、並びに脳内手術時投与剤 | |
US20060009475A1 (en) | Quinazolinone compounds in combined modalities for improved cancer treatment |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081205 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081205 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20110817 |