JP2004529771A - ストリップのデスケールをするための方法 - Google Patents

ストリップのデスケールをするための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ストリップがデスケーリングスプレー内で並びに圧延ライン内で上下の面に圧力の下にある水の作用を受ける、デスケーリングスプレーと、並びにストリップの走行方向でこのデスケーリングスプレーの後に配設される仕上げラインとを有する圧延ラインにおいてストリップのデスケールをするための方法に関する。仕上げライン内のストリップの上面と下面との間で異なった温度とスケールの成長が生じるという不利な作用がその兆候を極僅かにしか現さないようにするため、本発明によれば、ストリップの上下の面における対称の温度分布が、デスケーリングスプレー内で発生させられ、仕上げライン内で可能な限り一定に保たれることが提案される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップがデスケーリングスプレー内で並びに圧延ライン内で上下の面に圧力の下にある水の作用を受ける、デスケーリングスプレーと、並びにストリップの走行方向でこのデスケーリングスプレーの後に配設される仕上げラインとを有する圧延ラインにおいてストリップのデスケールをするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱間ストリップ圧延ラインの運転において、ストリップの表面における二次スケールのくい込みが監視される。酸化物層はスケールと呼ばれ、この酸化物層は、特に、スチールを圧延する際にストリップ上に生じる。スケールの成長は、本質的に、ストリップの表面温度、スケール除去時間、環境条件、並びにストリップの材料に依存する。高い表面温度、長いスケール除去時間、並びに比較的軟らかいスチールは、必然的に激しいスケールの成長を伴う。
【0003】
スケールの成長のために仕上げラインのスタンドのワークロールが摩耗することを回避するため、米国特許第5,235,840号明細書では、制御装置によってストリップの表面温度を一定の範囲内に保つ中間スタンド冷却装置を、仕上げラインの個々のスタンドの間に配設することが提案される。ストリップの走行方向で仕上げラインの前に配設されたデスケーリングスプレーは、ストリップの両側で向かい合って位置するように配設されたそれぞれ2つのスプレーヘッドから成る。
【0004】
熱間ストリップ圧延ライン内で仕上げ圧延する際にスケールの成長を低減するために、欧州特許出願公開第0 920 929号明細書は、ストリップの走行方向で仕上げラインの第1、第2、及び第3のスタンドの前に、それぞれストリップの両側に対して向かい合って位置するように配設されたノズル列を備える表面クーラを設けることを提案する。制御装置は、それぞれのノズル列によってストリップに吹き付けられる全水量を設定する。ストリップの走行方向で仕上げラインの前に配設されたデスケーリングスプレーは、ストリップの両側で向かい合って位置するように配設された2つのノズル列から成る。
【0005】
仕上げラインの前のデスケーリングスプレー内では、ストリップに、高いデスケール圧力(約200bar)で水が供給される。両側に水の作用を与えることによって、ストリップから熱エネルギが奪われる。上下の面における条件が異なるために、そこには不等の温度が生じる。冒頭で説明したスケールの成長に対する規則性に基づいて、スケールの成長は、直接走行方向でノズル梁の後で新たに始まり、その際、ストリップの表面における温度が異なることに基づいて、二次スケールが、まちまちに急速に再生する。加えて、不等な温度に基づいて異なった硬さのスケールが生じる。
【0006】
一連の温度差及びスケールの差異は、仕上げラインのスタンドにおける振動を励起するか、もしくはストリップ先端部におけるスキー状部を形成してしまう惰性圧延効果を生じさせることになる。加えて、まちまちに高いモーメントが、ロールスタンドにおいて上下のロールの領域内に生じる。
【0007】
前に挙げた問題は、従来技術で提案された措置によって、完全に相殺することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の基本にある課題は、仕上げライン内のストリップの上面と下面との間で異なった温度並びに異なったスケールの成長が生じるという不利な作用を減少させる方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題の解決は、ストリップの上下の面における対称な温度分布が既にそこで発生させられることによって、一様でない温度並びにスケールの成長を回避するために必要な措置を、既にデスケーリングスプレーの領域内で講ずるという思想に基づく。従って、対称な条件が形成され、従って、仕上げライン内の欠点が回避される。
【0010】
有利なことに、ストリップの上面と下面との間の対称な温度分布は、ストリップが、デスケーリングスプレー内で、走行方向で相前後して配設された複数の箇所においてデスケール圧力下にある水の作用を受け、その際、走行方向で最後の下面における箇所が、上面における最後の箇所に対して間隔を置いて、また仕上げラインのより近くに存在することによって得られる。
【0011】
ストリップの種々の箇所における水の作用は、例えば、それ自身公知のノズル列によって行なわれる。上面における最後のノズル列からの下面における最後のノズル列の選択すべき間隔は、上下の面における冷却作用の相違、及びそれぞれの圧延ラインにおいて圧延される材料のスケールの成長に依存する。
【0012】
下面と上面における最後のノズル列の間の間隔を温度差によるよりも短く正当に維持できるようにするため、下面は、本発明の1つの形態にあっては、全体として、ストリップの上面よりも多いデスケール圧力下にある水量の作用を受けても良い。両方の最後のノズル列の間の比較的僅かな間隔は、圧延ラインにおける構造的な制約に基づいて必要であり得る。しかしながらまた、この間隔は、全体として、ストリップの上面における非常に大きい厚さのスケール層を回避するためにも適当である。
【0013】
試験では、下面における水量は、下面及び上面におけるノズル列によって、ストリップにデスケーリングスプレー内で加えられる全水量の約60%〜80%、特に70%であるべきであると分かった。
【0014】
デスケール圧力下にある比較的大量の水量と結びついたエネルギのコストを低減するため、本発明の1つの形態にあっては、選択的に、4bar〜10barの範囲内の比較的低い圧力下にある水によるストリップの下面の付加的な冷却が提案される。当然、この措置を、請求項3による措置に対して補足的に行なうことも、本発明の枠内にある。
【0015】
本発明の有利な形態にあっては、比較的低い圧力下にある水の作用が、ストリップの走行方向で、ノズル列によって、ストリップがデスケール圧力下にある水の作用を受けるストリップの下面における最後の箇所の前及び/又は後で行なわれる。
【0016】
対称な温度分布にとって必要な水量は、仕上げラインの前の引入れ速度、ノズル列内のデスケールノズルの摩耗、圧力レベル、並びにストリップの幅に依存する。変化する境界条件を圧延ラインに適合できるようにするため、デスケール圧力及び比較的低い圧力の下でストリップに加えられる水の量は、特に調整可能である。
【0017】
本発明の有利な形態にあっては、非接触で、特にストリップの走行方向でデスケーリングスプレーの後に配設されたピロメータで、ストリップの上下の面における温度が測定されることによって、ストリップの上下の面における対称な温度分布が監視される。
【0018】
その際、特に、比較的低い圧力下にある水の量は、制御回路の調整値として、上下の面で常に同じ温度が測定されるように変更することができる。選択的又は温度に加えて、制御値として、仕上げラインの少なくとも1つのスタンドにおける圧延モーメントが、ストリップの上下で測定しても良い。
【0019】
デスケーリングスプレーにおいて講じられる措置の作用を支援するため、本発明の1つの形態にあっては、ストリップが、少なくとも仕上げラインの最初の2つのスタンドの間で水の作用を受け、その際、下面は、全体として、ストリップの上面よりも多い水量の作用を受ける。上下の梁の配設も、間隔yを置いて互いにオフセットされるように行なうことができる。
【0020】
仕上げライン内で講じられる措置も、測定されるストリップの上下の面における温度を制御値として、また供給される水量を調整値として監視することを含めて、制御回路によって監視することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明を、図を基にして詳細に説明する。
【0022】
図1は、走行方向2でその前に配設される熱間ストリップ圧延ラインにおけるデスケーリングスプレー3を有する仕上げライン1を示す。熱間ストリップ圧延ラインを通過するストリップ4は、デスケーリングスプレー3内で、上面5及び下面6に、全部で4つのノズル列7,8によって、約200barのデスケール圧力下にある水の作用を受ける。下面6において走行方向2で最後のノズル列8は、ストリップ4の上下の面5,6における対称の温度分布を得るために、走行方向で最後の上面5におけるノズル列7よりも仕上げライン1の近くに存在する。この措置は、別の2つのノズル列9によって、走行方向で最後のノズル列8の前後で支援され、その際、ノズル列9は、ストリップの下面に、約4〜10barの低圧下にある水の作用を与える。ノズル列9によって上面6に加えられる水量は、調整可能である。
【0023】
ストリップの上面における最後のノズル列7と、下面における最後のノズル列8との間の間隔11は、基本的に、ストリップの上面5に対するストリップの冷却効果が下面6に相応するように設定される。しかしながら、間隔11は、構造上の理由から、例えばデスケーリングスプレーの場所の要求、ローラ又はチューブラインの配設から、制限されてしまう。この理由から、ストリップの下面6の冷却は、低圧のノズル列9によって支援される。結局、非常に大きな間隔11は不利である。何故なら、上面5における最後のノズル列7から仕上げライン1への走入部に至るまでの経路が長いことに基づいて、再び全体として厚いスケール層が、上面に形成されてしまうからである。
【0024】
ノズル列7,8によるデスケール並びにノズル列9による補助冷却の結果としての有効性は、仕上げライン1の最初のスタンドF1への走入部の前の上下の面5,6において配設されたピロメータ12によって、もしくは仕上げライン内のピロメータ12’によって監視される。結局、仕上げライン1の最初の3つのスタンドF1〜F3において、ワークロールの上下のスピンドル13において生じるモーメントが測定される。ピロメータ12もしくは12’によって測定される温度To,Tu並びにワークロールにおいて測定されるモーメントMw1u-3u,MW10-3oは、制御値として、計算機に支えられた制御回路内へと流入し、この制御回路は、努められるストリップの上下の面5,6における対称の温度分布を維持するため、もしくはモーメントの分布に影響を与えるため、調整値として、ノズル列9を介して加えられる水量Vzもしくはライン内で使用されるノズル列17,17’及び18,18’の水量Voi,Vui,及びVoj,Vujに影響を与える。ノズル列17,17’もしくは18,18’は、間隔10を置いてオフセットされて配設することができる。それぞれの製造条件に計算機14を順応させるため、設備データ15及びプロセスデータ16が読み込まれる。以下の補正データは、ノズル列9を介する補助冷却のため、もしくは仕上げライン内のノズル列17,17’及び18,18’の水量Voi,Vui,及びVoj,Vujの打撃作用のために必要な水量を設定するために必要である。
・仕上げライン1の前のストリップの引入れ速度は、仕上がりストリップ厚さ及びストリップ材料に依存して変化する。
・ノズル列7,8内のノズルは、摩耗の支配下にあり、従って、水量は、時間が経過する間に変化する。
・ノズル列7の供給網内の圧力レベルは変動する。
・ストリップ4の異なった幅は、ストリップ4の上面5に存在する水の流出に影響を与える。
【0025】
図2は、概略側面図に、デスケーリングスプレー3を示すが、但し低圧水のためのノズル列9は備えていない。この実施例では、ストリップ4の上下の面5,6における対称の温度分布が、走行方向2で最後のノズル列7の間隔11をおいてオフセットされた配設によって得られるに過ぎない。更に、図2からは、ストリップの上面5において、付加的にストリップ上面5に対する冷却効果を低減し、制限された周囲に調整成分として使用しても良い、いわゆる水受け樋17が配設されていることを認めることができる。
【0026】
最後に、図3は、比較的低い圧力下にある水のストリップ4の作用が、ストリップがデスケール圧力下にある水の作用を受けるストリップの下面における最後のノズル列7の前の1つのノズル列9と後の2つのノズル列9によって行なわれるデスケーリングスプレー3を示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による方法を図解するための原理図を示す。
【図2】圧延ラインにおけるデスケーリングスプレーの側面図を示す。
【図3】補助冷却装置を有する圧延ラインにおけるデスケーリングスプレーの側面図を示す。
【符号の説明】
【0028】
1 仕上げライン
2 ストリップの走行方向
3 デスケーリングスプレー
4 ストリップ
5 上面
6 下面
7 ノズル列(デスケール圧力)
8 ノズル列(デスケール圧力)
9 ノズル列(低圧)
10 間隔y
11 間隔x
12,12’ ピロメータ
13 測定点
14 計算機
15 設備データ
16 仕上げライン内のノズル列
17,17’ 仕上げライン内のノズル列
18,18’ 仕上げライン内のノズル列

Claims (9)

  1. ストリップがデスケーリングスプレー内で上下の面にデスケール圧力下にある水の作用を受け、並びに仕上げライン内で冷却される、デスケーリングスプレーと、並びにストリップの走行方向でこのデスケーリングスプレーの後に配設される仕上げラインとを有する圧延ラインにおいてストリップのデスケールをするための方法において、
    ストリップ(4)の上下の面(5,6)における対称の温度分布が、デスケーリングスプレー(3)内で発生させられ、同じ方法で、仕上げライン内で維持されることを特徴とする方法。
  2. ストリップ(4)が、デスケーリングスプレー(3)内で、走行方向(2)で相前後して配設された複数の箇所(7,8)においてデスケール圧力下にある水の作用を受け、その際、走行方向で最後の下面(6)における箇所(8)が、上面(5)における最後の箇所(7)に対して間隔(11)を置いて、また仕上げライン(1)のより近くに存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 下面(6)が、全体として、ストリップ(4)の上面(5)よりも多いデスケール圧力下にある水量の作用を受けることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 下面(6)が、デスケール圧力下にある水に加えて、4〜10barの範囲内の比較的低い圧力下にある水の作用を受けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 比較的低い圧力下にある水の作用が、ストリップ(4)の走行方向(2)で、ストリップがデスケール圧力下にある水の作用を受けるストリップ(4)の下面(6)における最後の箇所(8)の前及び/又は後で行なわれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. デスケール圧力及び比較的低い圧力の下でストリップ(4)に加えられる水の量が調整可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
  7. 非接触で、特にピロメータで、ストリップ(4)の上下の面(5,6)における温度が、その走行方向(2)でデスケーリングスプレー(3)の後で、及び/又は仕上げライン(1)の少なくとも1つのスタンドにおける圧延モーメントが、ストリップ(4)の上下で、制御回路の制御値として測定され、計算ユニット(14)によって、調整可能な水量が、制御回路の調整値として変更されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. ストリップ(4)が、少なくとも仕上げラインの最初の2つのスタンドF1,F2の間で水の作用を受け、その際、下面(6)が、全体として、ストリップ(4)の上面(5)よりも多い水量の作用を受けることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
  9. 上下の梁が、互いにオフセットされて配設されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
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