JP2000167613A - 板圧延機および板形状制御方法 - Google Patents

板圧延機および板形状制御方法

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JP2000167613A
JP2000167613A JP10344359A JP34435998A JP2000167613A JP 2000167613 A JP2000167613 A JP 2000167613A JP 10344359 A JP10344359 A JP 10344359A JP 34435998 A JP34435998 A JP 34435998A JP 2000167613 A JP2000167613 A JP 2000167613A
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rolling
plate shape
work
work roll
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Toshiyuki Shiraishi
利幸 白石
Shigeru Ogawa
茂 小川
Yoshikatsu Nohara
由勝 野原
Yutaka Sadano
豊 左田野
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延中にワークロールのサーマルクラウンの
影響を簡便かつ効率的に除去することができる板圧延機
および板形状制御方法を提供する。 【解決手段】 板圧延機10は、上下少なくとも一方の
ロールアセンブリーがロール軸方向に3分割以上に分割
された分割バックアップロール30、31によってワー
クロール20、21を支持する機構であり、分割バック
アップロール30、31ならびに分割バックアップロー
ルごとに設けられた圧下装置、荷重検出装置、および圧
下位置検出装置からなる複数の分割バックアップロール
・ユニットが、インナーハウジング12にそれぞれ独立
して取り付けられている。さらに、板圧延機10は、ワ
ークロール30、31の軸方向の温度分布を検出する温
度検出装置59と、ワークロール30、31の軸方向の
温度分布を制御するゾーンクーラント装置50とを備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、個別に荷重検出
および圧下調整可能な分割バックアップロールを備えた
板圧延機および板形状制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、3分割以上に分割された分割バッ
クアップロールのそれぞれについて荷重分布を検出し
て、圧延材〜ワークロール間の荷重分布を推定し、推定
した荷重分布に基づいて板形状を制御する板圧延機が注
目されている(例えば、特開平6−262213号公報
参照)。この板圧延機では、原理的に圧延機出側で板形
状を検出してフィードバックする必要はなく、したがっ
て時間遅れなく直接的に板形状を制御することができ
る。この板圧延機によれば、良好な板形状、つまり板ク
ラウンおよび平坦度を得ることができる。以下、このよ
うな板圧延機を知能型板圧延機という。
【0003】また、特開平6−262228号公報に
は、知能型板圧延機の圧延制御方法が示されている。第
i分割バックアップロールに作用する荷重をqi 、その
位置に対応する圧延材〜ワークロール間荷重をpi
し、ワークロール軸心たわみの変形マトリクスを
W ij、バックアップロール系の変形マトリクスをKB
ij、ロールクラウンの形式で表現したワークロールプロ
フィールをCW i 、分割バックアップロールプロフィー
ルをCB i 、上ワークロール軸心たわみをYW i とする
と、分割バックアップロールとワークロールの適合条件
より、式(1)が得られる。
【数1】 式(1)でワークロールベンダーは圧延荷重分布qi
影響を及ぼし、ワークロールベンダーがある場合には力
の釣り合いと、モーメントの釣り合いの条件を考慮する
必要がある。
【0004】なお、この明細書の数式では、同添字の繰
り返しがある場合にはアインシュタインの総和規約を用
いて表現する。また、KB ijは第j分割バックアップロ
ールに単位荷重が負荷された時の第i分割バックアップ
ロールの変位を表す影響係数マトリクスであるが、ここ
では、ハウジングの変形およびワークロール〜分割バッ
クアップロールの接触による両ロールの偏平変形を含め
た変形マトリクスを表す。KB ij、KW ij、YW i はす
べてミルセンターからの相対位置のみを抽出する。
【0005】一方、上ワークロールたわみは、変形マト
リクスKW ijおよび圧延材〜ワークロール間に作用する
圧延荷重分布pi を用いて、式(2)で表される。
【数2】 式(1)、式(2)よりYW i を消去し、整理すると式
(3)が得られる。
【数3】 上式の右辺で、[KB +KW -1 ijはKB +KW ijの逆
マトリクスである。
【0006】ところで、圧延荷重pi は、一般に、入側
板厚H、出側板厚h、変形抵抗k、摩擦係数μ、平均入
側張力σb 、平均出側張力σf 、板形状を表現する伸び
ひずみ差Δεの関数であり、式(4)で与えられる。
【数4】 ここで、ロールバイト中の変形抵抗k、および摩擦係数
μは板幅方向にほとんど一定であり計算および実験によ
って求めることができる。入側板厚H、出側板厚h、平
均入側張力σb 、および平均出側張力σf は所望とする
圧延条件を入力することによって与えられる。したがっ
て、式(4)より目標とする伸びひずみ差Δεを代入す
れば、所望の形状が得られるための圧延荷重pi が求め
られる。
【0007】この圧延荷重pi を式(3)に代入するこ
とによって、所望の形状が得られるための各分割バック
アップロールの荷重qi が求められる。従って、各分割
バックアップロールの荷重を前述の方法で求めたqi
一致するように各分割バックアップロールの圧下位置を
制御すればよい。
【0008】ただし、この調整方法では、第i番目の分
割バックアップロールの変位を変えると、上ワークロー
ルに作用する力が変化するため、基本的にはすべての分
割バックアップロールの荷重が変化する。したがって、
分割バックアップロールの荷重分布を所望の荷重分布と
一致させることはかなり困難である。このため、オペレ
ータは高い熟練度が要求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記板形状制御方法で
は、ワークロールのプロフィールが板形状推定精度に影
響する。ワークロールのプロフィールは、ロールの摩耗
およびサーマルクラウンによって変化するので、ロール
プロフィールを推定または実測する必要がある。ロール
プロフィールを推定する方法として、特開平6−262
226号公報で開示された方法がある。この方法では、
キスロール締込み法によりロールプロフィールを推定す
る。また、ロールプロフィールを実測する方法として、
特開平6−262215号公報で開示された方法があ
る。この方法では、分割バックアップロール以外のロー
ルにプロフィールメーターを装備し、ロールプロフィー
ルを実測する。
【0010】上記キスロール締込み法では、板をいった
ん圧延機から外す必要があり、連続ミルでは実施困難で
ある。また、ロールプロフィールメーターは非常に有効
であるが、圧延時には小径ワークロールの水平たわみが
大きいので高度な測定技術が要求される。特に、知能型
板圧延機のワークロールは通常の圧延機のものより小径
なので、水平たわみが生じやすく、胴長/ロール径の値
が大きので、板と接触するワークロール部分に不均一な
サーマルクラウンが発生しやすく、この結果サーマルク
ラウンによる局部的な形状不良が発生しやすい。また、
ロールの摩耗によるワークロールプロフィール変化はサ
ーマルクラウンによるワークロールプロフィール変化よ
りもはるかに時間的に遅いのでサーマルクラウンをいか
に早く制御するかが大きな問題となっている。
【0011】この発明は、圧延中にワークロールのサー
マルクラウンの影響を簡便かつ効率的に除去することが
できる板圧延機および高精度な板形状制御方法を提供す
ることを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の板圧延機は、
上下少なくとも一方のロールアセンブリーがロール軸方
向に3分割以上に分割された分割バックアップロールに
よってワークロールを支持する機構であり、前記分割バ
ックアップロールならびに分割バックアップロールごと
に設けられた圧下装置、荷重検出装置、および圧下位置
検出装置からなる複数の分割バックアップロール・ユニ
ットが、インナーハウジングにそれぞれ独立して取り付
けられている。さらに、板圧延機はワークロールの軸方
向の温度分布を検出する温度検出装置と、ワークロール
の軸方向の温度分布を制御するゾーンクーラント装置と
を備えている。
【0013】この発明の板形状制御方法は、上記板圧延
機において、圧延時に検出した前記分割バックアップロ
ールの圧下荷重および圧下位置に基づいて圧延時の板形
状を推定し、推定結果に基づいて目標板形状となるよう
に板形状制御を行うとともに、圧延時にワークロールの
軸方向の温度分布を検出し、検出した温度分布に基づい
てゾーンクーラント装置によりワークロールの軸方向の
温度分布を制御する。
【0014】この発明では、圧延時にワークロールのプ
ロフィールを検出するのではなく、ワークロールの温度
分布を検出し、サーマルクラウンの影響を除去して板形
状を制御する。ワークロールの温度分布は検出が簡単で
あり、検出精度は圧延時のワークロールのプロフィール
の検出精度より信頼性が高いので、板形状を簡単かつ高
精度で制御することができる。
【0015】上記板形状制御方法において、非圧延時に
分割バックアップロールに接するワークロールの軸方向
に沿うロールプロフィールを測定し、圧延時に検出した
前記分割バックアップロールの圧下荷重および圧下位置
ならびに測定した前記ロールプロフィールに基づいて圧
延時の板形状を推定し、推定結果に基づいて目標板形状
となるように板形状制御を行うとともに、前記ゾーンク
ーラント装置によりワークロールの軸方向の温度分布を
制御するようにしてもよい。ワークロールの摩耗量を考
慮して温度分布を制御するので、板形状を一層高い精度
で制御することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の知能型板圧延
機の概略を示している。図2は、図1に示す知能型板圧
延機の主要部を模式的に示している。知能型板圧延機1
0は、ミルハウジング11内に上下のインナーハウジン
グ12、13が昇降可能に支持されている。上下のワー
クロール20、21は、ワークロールチョック15を介
して上下のインナールハウジング12、13にそれぞれ
支持されている。
【0017】3組の入側分割バックアップロール・ユニ
ット27および4組の出側分割バックアップロール・ユ
ニット28がそれぞれ、板幅方向(図2で左右方向)に
一列となって、上インナーハウジング12に独立して取
り付けられている。入出側分割バックアップロール・ユ
ニット27、28はそれぞれ、分割バックアップロール
33、34、圧下装置36、荷重検出装置37および圧
下位置検出装置38からなっている。上ワークロール2
0と、入出側分割バックアップロール列30、31と
は、逆ピラミッド型に配置されている。また、入側分割
バックアップロール33と出側分割バックアップロール
34は、図2に示すように板幅方向に交互に配置されて
いる。圧下装置36は、荷重検出装置37を介し各分割
バックアップロール33、34にそれぞれ独立して圧下
力を加える。圧下装置36は、例えば油圧シリンダーが
用いられる。荷重検出装置37は、各分割バックアップ
ロール33、34に加わる圧下荷重を独立に検出する。
荷重検出装置37として、例えばロードセルが用いられ
る。また、油圧シリンダーの圧力を検出して、圧下荷重
を求めてもよい。圧下位置検出装置38は、分割バック
アップロール33、34の基準位置(例えば無負荷時の
ロール位置)からの変位を検出する。例えば、容量形変
位センサー、誘導形変位センサーなどで、圧下装置36
のピストン位置を検出する。
【0018】下インナーハウジング13には、一体型、
つまり非分割型の下バックアップロール40が支持され
ている。上インナーハウジング12はパスライン調整装
置17により昇降され、圧延材Sのパス位置が調整され
る。下インナーハウジング13は、圧下装置18により
圧下力が加えられる。
【0019】ゾーンクーラント装置50は、図1および
3に示すようにこの例では圧延機出側から上下のワーク
ロール20、21にそれぞれ向かうようにして配置され
た多数のノズル57を備えている。ヘッダー54と各ノ
ズル57との間に流量調節弁56が設けられている。ク
ーラントが、給水ポンプ52によりタンク51からヘッ
ダー54に供給される。流量調節弁56は、コンピュー
ター60により制御される。放射温度計59が、この例
では圧延機出側から上下のワークロール20、21にそ
れぞれ向かうようにして配置されている。放射温度計5
9は、ワークロール20、21をロール軸方向に走査し
てワークロール20、21の軸方向温度分布を検出す
る。温度分布の検出値は、コンピューター60に入力さ
れる。
【0020】上記のように構成された知能型板圧延機1
0において、板圧延時に分割バックアップロール33、
34ごとに荷重および圧下位置を検出するとともに、ワ
ークロール20、21の軸方向温度分布を検出する。検
出した荷重および圧下位置に基づいて板圧延時の板形状
をモデル式により推定する。推定結果に基づいて目標板
形状となるように分割バックアップロール33、34の
圧下位置を制御する。また、検出した温度分布に基づ
き、各ノズルからのクーラント噴射量を制御し、ワーク
ロール20、21のプロフィールを板と接触するワーク
ロール部分に不均一なサーマルクラウンが発生しないよ
うに制御する。クーラント噴射量制御は、周知の方法
(例えば、特開平1−210110号公報、特開平2−
197309号公報)を用いる。なお、ここでは、ゾー
ンコントロール装置および放射温度計の位置を圧延機出
側として説明したが、この配置に限定されるものではな
い。
【0021】ワークロールは長期の使用により摩耗が激
しくなり、初期ロールプロフィールからのずれが大きく
なる。摩耗は徐々に進行するので、圧延中にロールプロ
フィールを逐次測定し、修正する必要はない。500〜
1000トン程度圧延するごとに、定期的に圧延を中断
し、少なくとも分割バックアップロールと接するワーク
ロールロールプロフィールを測定し、式(3)中のCW
j を修正する。このとき、ワークロールの水平方向のた
わみの影響をなくすためロールギャップを開いて、ロー
ルプロフィールを測定する。場合によっては、ロールグ
ラインダー装置を設置し、それを用いて研磨を行い、初
期ロールプロフィールに修正してもよいし、ワークロー
ルを交換してもよい。ロールプロフィールの測定には、
例えばレーザー距離計を用いる。
【0022】なお、上記実施の形態では、上バックアッ
プロールは2組であったが、これを3組としてもよい。
下バックアップロールは非分割バックアップロールであ
ったが、これを分割バックアップロールとしてもよい。
【0023】目標形状を得るためには各分割バックアッ
プロールの荷重分布を制御するわけであるが、具体的に
は各分割バックアップロールの圧下位置を制御すること
になる。
【0024】そこで、目標形状を得るための各分割バッ
クアップロールの圧下位置を求める方法について述べ
る。上ワークロールと各分割バックアップロールとの間
には、それぞれのロール中心を結ぶ方向にqi ′の力が
作用しており、y軸方向(鉛直方向)には分力qiの力
が作用している。さらに、上ワークロールと圧延材との
間には荷重pi が作用している。qi とqi ′の関係
は、例えば7分割の場合、式(5)で与えられる。
i ′は、各分割バックアップロールに設けられている
荷重検出装置によって直接検出される。なお、角度
θd 、θe は上ワークロールと各分割バックアップロー
ルとのそれぞれのロール中心を結ぶ方向線と水平方向と
の線の成す角度で、反時計回りに測定した角度である
(図4参照)。これら角度θd 、θe は、幾何学的に求
まる。
【数5】 また、y軸方向の力の釣合いから式(6)が得られる。
【数6】 式(3)に各分割バックアップロールの変位の垂直方向
の変位(圧下位置)u i をも考慮すると式(7)が得ら
れる。
【数7】 式(7)において、各分割バックアップロールの垂直方
向の変位ui 以外は既知数である。したがって、式
(7)をui について解くと、次の式(8)が得られ
る。
【数8】
【0025】つぎに、目標板形状を得るための各分割バ
ックアップロールの圧下位置を求める方法について述べ
る。まず、圧延中の各分割バックアップロールの荷重分
布qio′、変位(圧下位置)uo を検出する。式(5)
を用いることによって、qio′からqioは容易に求ま
る。圧延中の圧延材〜ワークロール間に作用する圧延荷
重分布pioは、式(8)をpi について解いた式(9)
から求めることができる。
【数9】 上式の右辺で、[KW -1 ijはKW ijの逆マトリクスで
ある。
【0026】つぎに、式(4)に目標とする伸びひずみ
差Δεiaimを代入すれば、目標板形状が得られるための
圧延荷重piaimが求められる。式(7)に上述の圧延荷
重piaimと各分割バックアップロールの変位uiaimを入
力または各分割バックアップロールの変位uiaimとロー
ルプロフィール測定から求まるワークロールクラウンC
W i を入力することにより、目標板形状が得られる各分
割バックアップロールの荷重分布qiaimが求められる。
しかし、uiaimの値は一義的には求まらない。
【0027】そこで、垂直方向と水平方向の力とモーメ
ントの釣合いを考慮する。圧延機の幅方向のロール中心
からワークサイド方向にz軸を取り、各分割バックアッ
プロールの座標をzi と定義する。垂直方向の力の釣合
いから式(10)が得られる。
【数10】 水平方向の力は、各分割バックアップロールの中心と結
ぶ線がx軸となす角度をθi (iはdまたはe)で表す
と、qiaim/tan θi となるので、力の釣合いから式
(11)が得られる。
【数11】 垂直方向のモーメントの釣合いから、ベンダーの支点間
距離をax とすると式(12)が得られる。
【数12】 水平方向のモーメントの釣合いから式(13)が得られ
る。
【数13】
【0028】ところで、圧延荷重は平均張力や平均圧下
率が同じであるから、式(14)が得られる。
【数14】 さらに、uiaimの動きを規定する条件を定める。例え
ば、u3aimはu4aimとu 2aimの平均値を用い、u5aim
4aimとu6aimの平均値を用いるものと規定すると、式
(15)、式(16)が得られる。
【数15】
【数16】 式(10)から式(16)より、新たに7つの方程式が
得られた。したがって、これらの式と式(7)から得ら
れる次の式(17)を用いて連立方程式を解くことによ
って、uiaimとqiaimが得られる。
【数17】
【0029】以上のことから、現状の分割バックアップ
ロールの荷重分布qioを所望の荷重分布に制御するため
の、各分割バックアップロールの垂直方向の変位の修正
量Δui は次式から求めることができる。
【数18】
【0030】
【実施例】図1に示す知能型板圧延機で板形状制御の試
験を行った。圧延機の仕様および圧延条件を表1に示
す。
【表1】
【0031】図5は、知能型板圧延機で板形状を推定し
て制御した場合の、圧延コイル1本目の板形状の経時変
化を示している。板形状は、圧延機出側のデフレクター
ロールに取り付けた接触式形状検出器で検出した。圧延
開始直後は板形状が目標形状になるように自動制御され
ているが、その後、徐々に板形状が目標形状からクォー
ター伸び変化してくる。図5に示しているように、時間
の経過とともに、板端部の急峻度が徐々に低下し、クォ
ーター部の急峻度が徐々に上昇している。このことは、
ワークロールのサーマルクラウンの成長により板と接触
するワークロール部分に不均一なサーマルクラウンが発
生し、クォーター部のサーマルクラウンが特に成長した
ためである。サーマルクラウンが板と接触する部分で、
均一に成長する場合には、板形状は若干中伸び気味にな
るが、このような板形状変化は分割バックアップロール
の荷重分布検出結果から容易に推定制御できるので、問
題とはならない。したがって、ワークロールのサーマル
クラウンの成長により、板と接触するワークロール部分
の不均一なサーマルクラウンを制御することが重要であ
ることが明らかとなった。
【0032】図6は、ゾーンクーラント制御を行うこの
発明の場合を示している。放射温度計でワークロールロ
ールの軸方向温度分布を検出し、各ゾーンの温度に比例
してゾーンごとにクーラント噴射量を制御した。クーラ
ント噴射範囲をロール軸方向に沿って40分割し、制御
単位ゾーン(ゾーン幅:50mm)とした。ゾーンクーラ
ント制御により、サーマルクラウンの板と接触する部分
における不均一さが解消された。この結果、板端部およ
びクォーター部の急峻度は時間の経過によってもほとん
ど変化しておらず、良好なロールプロフィールが維持さ
れた。
【0033】
【発明の効果】この発明では、ワークロールの温度分布
を検出し、サーマルクラウンの影響を除去して板形状を
制御する。温度分布は検出が簡単であり、圧延時の検出
精度はプロフィールの検出精度より高いので、板形状を
簡単かつ高精度で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の板圧延機の概略側面図である。
【図2】図1に示す圧延機の主要部を模式的に示す正面
図である。
【図3】ゾーンクーラント装置を模式的に示す平面図で
ある。
【図4】上ワークロールに作用する荷重を模式的に示す
図である。
【図5】従来の板形状制御方法による板形状の経時変化
を示すグラフである。
【図6】この発明の板形状制御方法による板形状の経時
変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 知能型板圧延機 11 ミルハウジング 12、13 インナーハウジング 20、21 ワーク 27、28 バックアップロールユニット 30、31 上バックアップロール 33、34 分割バックアップロール 36 油圧シリンダー 37 荷重検出装置 38 ロール位置検出装置 40 下(非分割)バックアップロール 50 ゾーンクーラント装置 56 流量調節弁 57 ノズル 59 放射温度計 60 コンピューター S 圧延材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21B 38/02 B21B 37/00 116M 37/28 117Z (72)発明者 野原 由勝 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 左田野 豊 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4E024 AA01 CC01 CC02 DD01 DD04 DD18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下少なくとも一方のロールアセンブリ
    ーがロール軸方向に3分割以上に分割された分割バック
    アップロールによってワークロールを支持する機構であ
    り、前記分割バックアップロールならびに分割バックア
    ップロールごとに設けられた圧下装置、荷重検出装置、
    および圧下位置検出装置からなる複数の分割バックアッ
    プロール・ユニットが、インナーハウジングにそれぞれ
    独立して取り付けられた板圧延機において、ワークロー
    ルの軸方向の温度分布を検出する温度検出装置と、ワー
    クロールの軸方向の温度分布を制御するゾーンクーラン
    ト装置とを備えていることを特徴とする板圧延機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の板圧延機において、圧延
    時に検出した前記分割バックアップロールの圧下荷重お
    よび圧下位置に基づいて圧延時の板形状を推定し、推定
    結果に基づいて目標板形状となるように板形状制御を行
    うとともに、圧延時にワークロールの軸方向の温度分布
    を検出し、検出した温度分布に基づいてゾーンクーラン
    ト装置によりワークロールの軸方向の温度分布を制御す
    ることを特徴とする板形状制御方法。
  3. 【請求項3】 非圧延時に分割バックアップロールに接
    するワークロールの軸方向に沿うロールプロフィールを
    測定し、圧延時に検出した前記分割バックアップロール
    の圧下荷重および圧下位置ならびに測定した前記ロール
    プロフィールに基づいて圧延時の板形状を推定し、推定
    結果に基づいて目標板形状となるように板形状制御を行
    うとともに、前記ゾーンクーラント装置によりワークロ
    ールの軸方向の温度分布を制御することを特徴とする請
    求項2記載の板形状制御方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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