JP2004528853A - 蛋白質溶液からのプラスミノゲン(プラスミン)の除去 - Google Patents

蛋白質溶液からのプラスミノゲン(プラスミン)の除去 Download PDF

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Abstract

プラスミノゲン(プラスミン)またはプラスミンを含む混合物から、該混合物をリジッドアミノ酸と接触させることにより、フィブリノゲンの存在下で、プラスミノゲン(プラスミン)またはプラスミンを特異的に除去または単離するための方法であって、前記アミノ酸のアミノ基と前記アミノ酸のカルボキシル基とは、約6〜8オングストローム、好ましくは約7オングストローム離れており、かつ、前記リジッドアミノ酸は、前記アミノ酸のアミノ基を介して担体と共有結合している、前記方法。

Description

【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、蛋白質溶液から、プラスミノゲン(プラスミン)(plasmin(ogen))およびその誘導体を特異的に除去するための樹脂および方法に関するものであり、そこで得られる蛋白質溶液は、それだけで活性成分として、または他の薬学的に許容され得る薬剤とともに、静脈内投与および局所適用、即ち、徐放および傷の治療のためのマトリックス担体のために使用され得る。プラスミノゲン(プラスミン)の除去は、長期のインキュベーション期間中、蛋白質溶液の完全性(integrity)および機能を維持し得る。本発明は、治療的使用のための、高度に精製されたプラスミノゲン(プラスミン)の製造にも関する。
【0002】
関連技術
プラスミノゲンまたはその活性分子プラスミン(以下、プラスミノゲン(プラスミン)(plasmin(ogen)))は、蛋白質溶液、特に、動物の体液または動物の器官から抽出されたものを、非常に頻繁に汚染する。蛋白質溶液中のプラスミノゲン(プラスミン)の存在は、様々な蛋白質およびペプチドにおけるアルギニルおよびリシルペプチド結合での分子の既知の蛋白質分解活性により、安定な薬学的生成物としてのその適応性に多くの脅威をもたらす(ワインスタイン(Weinstein) M.J., ドーリトル(Doolittle) RF. 合成および天然基質および阻害剤に関するトロンビン、プラスミン、およびトリプシンの異なる特異性(Differential specificities of the thrombin, plasmin and trypsin with regard to synthetic and natural substrates and inhibitors) RF Biochim Biopliys Acta. 1972 258:577-90 およびリン(Ling) CM, スマリア(Summaria) L, ロビンズ(Robbins) KC. ヒトプラスミンからのウシプラスミノゲン(プラスミン)活性化剤の形成のメカニズム(Mechanism of formation of bovine plasmin(ogen) activator from human plasmin.) J Biol chem. 1965. 240:4212-B); ならびに、塩基性アミノ酸、様々な組織、特に中枢神経組織に対するその刺激活性、および結合におけるその役割(basic amino acids, its stimulatory activity on various tissues, especially the central nerve tissue and its role in binding)(チェン(Chen) ZL, ストリクランド(Strickland) S 海馬におけるニューロンの死は、リミニン(liminin)のプラスミン触媒分解によって促進される(Neuronal death in the hippocampus is promoted by plasmincatalyzed degradation of liminin.) セル(Cell.) 1997. 91:917-25) かつ、おそらく、哺乳動物の血液中のプリオン輸送(and probably carrying prions in the blood of mammals) フィッシャー(Fischer)(MB, ロケル(Roeckl) C, パリゼク(Parizek) P, シュワルツ(Schwarz) HP. アグッジ(Aguzzi) A 疾病関連プリオン蛋白質のプラスミノゲン(プラスミン)への結合(Binding of disease associated prion protein to plasmin(ogen).) ネイチャー(Nature.) 2000. 408:479-83)。
【0003】
蛋白質溶液からのプラスミノゲン(プラスミン)の精製のために、そして、それにより、蛋白質溶液からプラスミノゲン(プラスミン)を除去するために、数種のクロマトグラフィー法が開発された。
【0004】
これらの方法は、本質的に、2つの原理に基づいている。最初のグループは、異なる溶解度、等電点、または分子サイズ分布を利用する数種の連続した精製段階に基づいている;アルカジャエリシク(Alkjaerisig) N.(ヒトプラスミノゲン(プラスミン)の精製および性質(The purification and properties of human plasmin(ogen).) Biochem. J. 1963, 93:171-182)。それらの主な目的は、プラスミノゲン(プラスミン)を精製することだったので、これらの方法は、蛋白質溶液の組成を完全に変えてしまった。第二グループの方法は、一段階アフィニティー精製に基づいている。その精製は、プラスミノゲン(プラスミン)重鎖上のリジン結合部位へ結合し得る、様々な合成ω−アミノカルボン酸リガンドへのプラスミノゲン(プラスミン)の結合に基づいている。これらの部位は、NH2プラスミノゲン(プラスミン)重鎖上に位置し、かつ、COOH軽鎖上に位置する触媒部位から離れている、プラスミノゲン(プラスミン)クリングル(kringles)として知られている内部配列相同性を有する5つのトリプルループジスルフィドブリッジからなり、フィブリノゲン(フィブリン)に結合する。アルギニルおよびリシルペプチド結合ならびに塩基性アミノ酸と同等またはより低いアフィニティーを有するセリンプロテアーゼのような多くの蛋白質と結合し得るので、アフィニティークロマトグラフィーに関する別の可能性は、触媒部位、つまり、潜在的に特異性が低い結合、を介して、プラスミノゲン(プラスミン)と結合することである。要約すると、一般的に、プラスミノゲン(プラスミン)アフィニティークロマトグラフィーは、ω−アミノカルボン酸またはプラスミン触媒部位の基質と化学的に、およびイオン性が似ている、所定のリガンドによって行われると結論付けることができる。そのリガンドは、適当なスペーサーまたはリンカーによって、樹脂と結合する。しかし、プラスミノゲン(プラスミン)の除去のための理想的なアフィニティー樹脂は、プラスミノゲン(プラスミン)の精製のために理想的であることが判明した樹脂と本質的に同一ではない。そのような樹脂は、高アフィニティーでプラスミノゲン(プラスミン)と結合し、かつ、他のセリンプロテアーゼのような他の蛋白質とのアフィニティーは非常に低く、特に、血漿コーン(Corn's)画分Iまたは寒冷沈降物中の主要な蛋白質であるフィブリノゲンに対するアフィニティーが非常に低いリガンドを含むべきである。所定のアフィニティークロマトグラフィーを用いることによるプラスミノゲン(プラスミン)の除去は、広範なバッファー中で行うことができ、そして主要な関心事(main concern)であるがプラスミノゲン(プラスミン)ではない、溶液中の蛋白質の安定性および完全性を危うくし得る、ある種のバッファーに制限されないことも重要である。
【0005】
ω−アミノカルボン酸の抗線維素溶解能(高アフィニティーでのフィブリノゲンへのプラスミノゲン(プラスミン)の結合を阻害する能力)は、フリーのアミノおよびカルボキシル基の存在、ならびに、ε−アミノカプロン酸(EACA)、およびp−アミノベンズアミジン(PAMBA)のようなNH2基が結合する炭素原子とCOOH基との間の距離に依存する(マルクワルツ(Markwardt) 1978)。EACAとPAMBAとの抗線維素溶解活性の比較により、後者が約3倍活性が高いことが示された。シムラ(Shimura)ら(1984)は、p−アミノベンズアミジンが、スペーサー(リンカー)部を介して親水性ビニルポリマーの微粒子と結合している樹脂を設計した。この樹脂を用いることにより、シムラ(Shimura)らは、高速アフィニティークロマトグラフィーによって、プラスミンとプラスミノゲン(プラスミン)とを分離することができた。プラスミノゲン(プラスミン)は、6−アミノヘキサン酸単独では溶出することができなかったこと、および、3Mの尿素を溶出バッファーに含有させなければならなかったことは、固定されたリガンドとプラスミンとが、2つの部位、即ち、重鎖上のリジン結合部位および軽鎖上の触媒部位で相互作用することを示す。このことは、p−アミノベンズアミジンがいくつかの他の蛋白質も除去するという、他の研究者による発見を説明し得る。
【0006】
別の樹脂、リジン樹脂、が製造され、プラスミノゲン(プラスミン)のアフィニティー精製のために使用されている。しかし、リジンの抗線維素溶解能は非常に低いので、その結合アフィニティーも低い。それは、他の蛋白質にも結合し、かつ、その特異性は、バッファーに依存する。
【0007】
モロズ(Moroz) LA. ジルモア(Gilmore) NJ、正常な血漿および血液における線維素溶解(Fibrinolysis in normal plasma and blood): プラスミノゲン−プラスミンシステムに依存しない多くのメカニズムに関する証明(evidence for significant mechanisms independent of the plasminogen-plasmin system), ブラッド(Blood), 1976, 48, 531-45 は、アフィニティークロマトグラフィーによるプラスミノゲン(プラスミン)を含まない血漿の調製を開示する。使用した方法に基づいて、著者らは、結果的に線維素溶解酵素プラスミンを生成するプロセスが、正常なヒト血漿中で測定され得る内在的または基本的な線維素溶解活性において、せいぜい小さな役割しか果たさないことを示す観察について報告している。線維素溶解活性を測定するために、他のプロテアーゼ阻害剤とともに、プラスミン阻害剤として、トラネキサム酸が使用された。プラスミノゲン(プラスミン)を含まない血漿の調製のために、ドイチュ(Deutsch)およびメルツ(Meltz), サイエンス(Science) 170; 1095-1096, 1997の方法が使用された。
【0008】
イワモト(Iwamoto)、Thrombos. Diathes. Heamorrh. (Stuttg.), 1975, 33, 573は、トラネキサム酸とプラスミンとの特異的結合を開示する。トラネキサム酸は、プラスミンの強力なリガンドとして同定されているが、トラネキサム酸の抗線維素溶解効果は、プラスミノゲン(プラスミン)への結合の結果だけではなく、天然の抗プラスミンの協力(cooperation)の増強の結果でもあることが示されている。従って、トラネキサム酸の固体担体への結合は、血漿からプラスミノゲン(プラスミン)を除去するだけではなく、天然の抗プラスミンも除去するであろうと結論付けられ得る。トラネキサム酸が、プラスミン阻害剤と凝集体(集合体)の形成を引き起こし得ることも示唆され得る。この理解は、ヘパリンが添加された口腔の血液であった血漿(plasma that has been heparinized oral blood)に対するウロキナーゼによって刺激された血漿中の98%および91%の阻害をもたらす、ε−アミノカプロン酸とトラネキサム酸との抗線維素溶解活性を比較した場合に見られ得る、相違(discrepancy)に基づいている(ε−アミノカプロン酸とトラネキサム酸について、それぞれ65%および39%−モロズ(Moroz)らの文献の表2および7を参照)。それらの高い結合比により、トラネキサム酸およびε−アミノカプロン酸は、高アフィニティーリガンドの良好な候補であることが予想され得る。しかし、これらリガンドは、プラスミンとプラスミン阻害剤との複合体の結合の結果として、アフィニティーカラムをブロックし得ることも予想され得る。
【0009】
図面の簡単な説明
図1は、2つの方法(材料および方法に記載)によって、3つの異なる樹脂−TEA−セファロース、Lys−セラミックハイパーDFおよびLys−セファロース4B、を用いて溶出された7μgの蛋白質の勾配ゲルSDS−PAGE(5〜12%のポリアクリルアミド)を示す。レーン1−Gluプラスミノゲン;2−フィブリノゲン;3−アルブミン;4−免疫グロブリン G;5−分子量マーカー;溶出ピーク:6−方法を用いたTEA;7−方法2を用いたTAE;8−方法1によるリジンセラミックハイパーD;9−方法1によるリジンセファロース;10−方法1によるリジンセラミックハイパーD;11−方法1によるリジンセファロース。
【0010】
発明の要約
本発明は、驚くべきことに、リジッドアミノ酸(rigid amino acid)が、プラスミノゲン(プラスミン)と特異的に結合し得ることが見出されたという結果に基づいている。本発明の記載の範囲内で、“特異的に結合する(specifically binding)”とは、プラスミノゲン(プラスミン)およびフィブリノゲンのような蛋白質を含む混合物から、本質的にプラスミノゲン(プラスミン)が除去されるのに対し、フィブリノゲンは、混合物中でほとんど影響を受けないままであることを意味する。好ましくは、少なくとも85〜99%のプラスミノゲン(プラスミン)が除去され、少なくとも85%のフィブリノゲンが混合物中に残る。より好ましくは、プラスミノゲン(プラスミン)が、少なくとも98.0%〜99.9%除去されるか、または、フィブリノゲンが95%〜99%残る。
【0011】
アミノ酸のアミノ基とアミノ酸のカルボキシル基とは、約6〜8オングストローム、好ましくは約7オングストローム離れており、かつ、リジッドアミノ酸は、アミノ酸のアミノ基を介して担体と共有結合する。特に好ましいものは、そのトランス配位(transconfiguration)にあるトラネキサム酸および4−アミノメチルビシクロ−[2.2.2.]−オクタン−1−カルボン酸(EMBOCA)である。
【0012】
驚くべきことに、まず最初にε−アミノカプロン酸ならびにトラネキサム酸は働かないこと、そして、一度トラネキサム酸が固体表面に結合すると、それは、その特別な(extra)プラスミノゲン(プラスミン)結合能力(いわゆる協力)をすべて失い、樹脂は、血漿または血漿生成物からプラスミノゲン(プラスミン)だけを取り除くことがわかった。仮にε−アミノカプロン酸がカラムに結合すると、その特別なプラスミノゲン(プラスミン)活性は依然として残り、かつ、フィブリノゲンおよび他の血漿からの蛋白質と依然として結合するのに対し、本発明によるトラネキサム酸の特別なプラスミノゲン(プラスミン)活性は、完全に破壊される。しかし、トラネキサム酸樹脂のプラスミノゲン(プラスミン)へのアフィニティーは、影響を受けない。
【0013】
リジッドアミノ酸は、特に、3つの炭素原子より長い、適当なスペーサーと結合し、かつ、担体およびアフィニティー材料は、蛋白質溶液組成を更に変えることなく、蛋白質を含む混合物からプラスミノゲン(プラスミン)を除去し得る(may deplete)。除去は、様々なバッファーの存在下で行われ得る。本発明の方法は、アフィニティー担体からの溶出後、プラスミノゲン(プラスミン)の純粋な画分を作ることにも適している。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、プラスミノゲン(プラスミン)を含む混合物から、該混合物をリジッドアミノ酸と接触させることにより、フィブリノゲンの存在下で、プラスミノゲン(プラスミン)を特異的に除去または単離するための方法であって、前記アミノ酸のアミノ基と前記アミノ酸のカルボキシル基とは、約6〜8オングストローム、好ましくは約7オングストローム離れており、かつ、前記リジッドアミノ酸は、アミノ酸のアミノ基を介して担体と共有結合している、前記方法、に関する。
【0015】
好ましくは、本発明による方法において、混合物は、血液のような体液;血液画分、寒冷沈降物、細胞培養液、ウシ肺、ウシ腸のような動物組織抽出物、または動物骨抽出ゼラチン、ウシ血清アルブミン、ならびに、ラノリン(PC−ホスファチジルコリン)のような動物由来の水非混和性脂質からなる群から選択される。
【0016】
本発明の方法は、各混合物から、高度に精製されたプラスミノゲン(プラスミン)を得るために用いられ得る。例えば、結合したリジッドアミノ酸を有するクロマトグラフィー材料と混合物との接触後、固体アフィニティー材料から、プラスミノゲン(プラスミン)が溶出され得る。知られているように、固相抽出の原理が、ここでも適用され得る。プラスミノゲン(プラスミン)蛋白質において、リジッドアミノ酸、例えば、トラネキサム酸、の結合部位と競争するリガンドを含む溶液によって、プラスミノゲン(プラスミン)が溶出され得る。そのようなリガンドは、典型的にはε−アミノ酸であり、好ましくはリジンである。例えば、リジンは、0.85重量%から0.99重量%(.85% by weight to .99% by weight)の濃度で使用され得る。特に、溶出媒体のイオン強度が、他の成分、例えば、電解質、によってバランスを取られるときには、他の濃度も可能である。
【0017】
固相から溶出するプラスミノゲン(プラスミン)は、バッファー成分を抽出する方法、例えば透析、によって、溶出バッファーを含まない状態にされ得る。本発明の方法によって得られ得るプラスミノゲン(プラスミン)は、非常に高純度なことを特徴とする。独特な性質は、データから明らかになる:
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
要約表からわかるように、固定化リジンリガンドを含む市販の樹脂およびTEA樹脂が、最適化されたクロマトグラフィー条件下で使用された場合、プラスミノゲン(プラスミン)の回収率および特異的活性は、TEA樹脂の場合の方が高い(要約表1)。更に、凍結除去した血漿からのプラスミノゲン(プラスミン)の除去において(Glu−プラスミノゲン(プラスミン)に関する試験によって示されるように)、TEA樹脂の方が、リジン樹脂よりもはるかに効率がよいことは注目に値する(要約表2)。
【0021】
溶出液の純度を、SDS−ゲル電気泳動によって評価した。5〜12%のアクリルアミド勾配をかけ、かつ、レーン当たり7μgの蛋白質をロードすることにより、3つの異なる樹脂(TEA−セファロース、Lys−セラミックハイパーDF、およびLys−セファロース4B)の溶出液をSDS−PAGに付した。得られたコマシーブルー(Coomassie Blue)染色ゲルを、図1に示す。
【0022】
図1は、3つの異なる樹脂、TEA−セファロース、Lys−セラミックハイパーDF、およびLys−セファロース4Bを用いて、2つの方法(材料および方法に記載)によって溶出した7μgの蛋白質の勾配ゲルSDS−PAGE(5〜12%のポリアクリルアミド)を示す。レーン1−Gluプラスミノゲン;2−フィブリノゲン;3−アルブミン;4−免疫グロブリンG;5−分子量マーカー;溶出ピーク:6−方法を使用したTEA;7−方法2を使用したTAE;8−方法1を使用したリジンセラミックハイパーD;9−方法1を使用したリジンセファロース;10−方法1を使用したリジンセラミックハイパーD;11−方法1によるリジンセファロース。
【0023】
要約表1に示されているように、得られた蛋白質バンドおよび生成物の純度は、プラスミノゲン(プラスミン)の特異的活性と良好に相関する。このことは、TEA−セファロース樹脂の使用により、アルブミンをわずかな濃度でのみ含む、高度に精製されたプラスミノゲン(プラスミン)が得られたことを示す。臨床的徴候に対してこの生成物を使用するためには、更なる精製は必要ないようである。
【0024】
従って、プラスミノゲン(プラスミン)含有組成物も、本発明の主題である。
【0025】
本発明の主題は、リジッドアミノ酸と共有結合した担体であって、アミノ酸のアミノ基とアミノ酸のカルボキシル基とが、約6〜8オングストローム、好ましくは約7オングストローム離れている担体でもある。
【0026】
本発明の方法を実施するための担体は、好ましくは、リジッドアミノ酸と結合し得るクロマトグラフィー材料(但し、アミノ酸のアミノ基とアミノ酸のカルボキシル基は、約6〜8オングストローム、好ましくは約7オングストローム離れている)である。アミノ基とカルボキシル基との距離は、アミノ酸のリジッドな構造によって、実質的に一定に保たれる。アミノ酸の剛性(rigidity)は、アミノ基とカルボキシル基とが、脂環式の環の1,4位に位置する脂環式の環によって、好ましくはシクロヘキサン環によってもたらされ得る。芳香族、例えば、置換安息香酸またはアニリン置換酢酸も、本発明の範囲内である。
【0027】
本発明によれば、担体は、好ましくは、トラネキサム酸およびEMBOCAからなる群から選択される。結合したアミノ酸を有する。
【0028】
本発明の方法によって使用されるべきクロマトグラフィー材料は、例えば、アガロース、セルロース、制御された細孔ガラス(controlled pore glass)、シリカゲル、デキストランのような親水性材料、または、ポリアクリルアミド、ポリスチレン系のような有機人工ポリマーである。典型的な材料は、セファクリル(Sephacryl)(登録商標)(ファルマシア(Pharmacia)、スエーデン)、ウルトラゲル(Ultragel)(登録商標)(バイオセパラ(Biosepara)、フランス) TSK−ゲルトヨパール(TSK-Gel Toyopearl)(登録商標)(トーソー社(Toso Corp.)、日本)、HEMA(アルテック(Alltech) Ass. (ディアフィールド(Deerfield)、Il、USA)、ユーペルジット(Eupergit)(登録商標)(ロームファーマ(Rohm Pharma)、ダルムシュタット(Darmstadt)、ドイツ) の商品名で市販されている。更に、アズラクトン(azlactones)(3M, セントポール(St. Paul)、ミン(Minn)、USA)に基づく材料も、使用され得る。特に好ましいものは、アガロース(Agarose)(登録商標)またはセファロース(Sepharose)(登録商標)である。これらの材料は、例えば、シグマ(Sigma)、セントルイス(St. Louis)から市販されている。
【0029】
好ましい態様において、本発明による方法は、粒子状クロマトグラフィー材料またはモノリシックブロック材料(monolithic block-material)を用いることによって行われる。粒子状材料は、適当な媒体中に懸濁させることができ、得られたスラリーは、例えば、クロマトグラフィーカラムにおいて使用され得る。しかし、本発明の方法は、バッチで行うこともできる。更に、それらポリマーは、粒子状材料として使用することもでき、または、膜の状態で使用することもできる。
【0030】
トラネキサム酸は、好ましくは、担体とトラネキサム酸との間にリンカーを介して、特に、ニ官能性リンカーを介して、担体と結合する。ニ官能性リンカーを使用する場合、それは、N−ヒドロキシスクシニミド、DAPA、CNBr、エポキシ、ジアミノジプロピルアミン(DADPA)、1,6ジアミノヘキサン、琥珀酸、1,3ジアミノ−2−プロパノール、エチレンジアミン(EDA)、TNB、ピリジルジスルフィド、ヨードアセトアミド、マレイミド活性化担体、またはそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0031】
本発明の方法を実施するための担体は、好ましくは、第1級または第2級アミノ基と反応する部分によって修飾されている。
【0032】
本発明の方法によれば、結合したトラネキサム酸を有する担体と混合物との接触後、混合物は、十分な期間、担体とインキュベートされ、そして、ナトリウム塩、カルシウム塩、バッファー塩を含む中性水溶液によって溶出される。次いで、プラスミンまたはプラスミノゲン(プラスミン)は、共有結合したトラネキサム酸と競争するリジンまたは同等のもの(equivalent)を十分な量で含む水溶液によって溶出され得る.
本発明の主題は、プラスミノゲン(プラスミン)およびプラスミンを本質的に含まない天然供給源から得られる混合物である。
【0033】
特に、本発明の混合物は、血液、血液誘導体、または血液画分、寒冷沈降物である。
【0034】
本発明の血液誘導体は、特に、FVIII、FXIのような血漿由来血液凝固因子または血液凝固因子の混合物、フィブリノゲン、フィブロネクチン、α1−アンチトリプシン、アンチトロンビンIII、フォンウィルブランド因子(von Willebrand factor)、アルブミン、免疫グロブリンである。
【0035】
更に、共有結合したトラネキサム酸を有する担体も、本発明の主題である。本発明の担体は、好ましくは、クロマトグラフィー材料であり、より好ましくは、デキストランのような親水性クロマトグラフィー材料、または、上記のような有機人工ポリマーである。非常に好ましい担体は、それにトラネキサム酸が結合する、アガロース(Agarose)(登録商標)またはセファロース(Sepharose)(登録商標)である。
【0036】
支持体を形成するクロマトグラフィー材料は、粒子状材料またはモノリシックブロック材料であり得る。後者は、ヘルマンソン(Hermanson)らに記載されており(ヘルマンソン(Hermanson) GT, マリア(Mallia) AKおよびスミス(Smith) PK 1992 “固定化アフィニティーリガンド技術(Immobilization Affinity Ligand Techniques)” pp. 454 アカデミックプレス社(Academic Press, Inc.) サンディエゴ(San Diego)、USA)、その内容は、本明細書に開示として援用される。
【0037】
本発明の別の好ましい態様では、トラネキサム酸は、担体とトラネキサム酸との間にリンカーを介して、担体と結合する。このことは、担体が、トラネキサム酸と共有結合し得る官能基を有さない場合に有利である。その後、担体は、最初に機能化され(functionalized)、次いで、トラネキサム酸と結合し得るリンカーと反応する。スペーサーアームまたは鎖(Spacer arms or leashes)は、本発明による、リジッドな構造を有し、かつ、アミノ基がカルボキシル基と約6〜7オングストローム離れているアミノ酸であるアフィニティーリガンドと、担体または複合体との間にあるリンカーとして使用される、低分子量分子である。好ましくは、それらスペーサーは、リガンドおよび担体への結合を容易にするために、両末端に2つの官能基を含む。スペーサーは、典型的には、その末端に、2つの官能基を有する炭化水素化合物である。2つの末端の一方は、従来の、またはそれ自体既知の反応を用いて、複合体と共有結合する。第二の末端は、別の結合工程を用いてリガンドと共有結合する。
【0038】
好ましくは、リンカーは、N−ヒドロキシスクシニミド、DAPA、CNBr、エポキシ、ジアミノジプロピルアミン(DADPA)、1,6ジアミノヘキサン、琥珀酸、1,3ジアミノ−2−プロパノール、エチレンジアミン(EDA)、TNB、ピリジルジスルフィド、ヨードアセトアミド、マレイミド活性化担体またはそれらの組み合わせのようなニ官能性リンカーである。
【0039】
多くの機能化された担体が市販されているので、第1級または第2級アミノ基と反応する部分によって修飾された担体によって開始することが有利であり得る。
【0040】
本発明の方法を、多数の血液由来生成物のための原料となり得る、本質的にプラスミノゲン(プラスミン)を含まない寒冷沈降物の調製を例として用いて、より詳細に記載する。
【0041】
寒冷沈降物は、吸着画分および非吸着画分を得るために、固定化されたリガンドを用いるアフィニティークロマトグラフィーに付される。吸着画分から溶出され得る物質は、プラスミノゲン(プラスミン)である。
【0042】
固定化されたリガンドは、プラスミノゲン(プラスミン)リジン結合部位と相互作用し得る、何らかの類似体(analogue)であり得る。本発明により使用される固定化されたリガンドの調製方法を、以下に開示する。以下の実施例は、説明のためのものであり、限定的なものではない。
【0043】
実施例1:様々なε−アミノカルボン酸リガンドの固定化
様々なスペーサーと組み合わせた一連のε−アミノカルボン酸リガンドを含む数種の樹脂を、製造し、または、(市販されている場合には)購入し、血漿由来溶液からのプラスミノゲン(プラスミン)除去率を評価した。以下の表に、研究されたすべての組み合わせをまとめる(樹脂の下の数字は、以下の各組み合わせのための合成が記載されている欄を示す):
【0044】
【表3】
【0045】
1)ε−アミノヘキサン酸N−ヒドロキシスクシニミドエステルセファロース4Bは、シグマ(Sigma)から購入した。
2)p−アミノベンズアミジン−アガロース4%の製造
アガロース4%(ピアス(Pierce))上にジアミノジプロピルアミン(DADPA)を固定化するために、以下の工程を使用し、反応を、その後無水物によって修飾されるアミン末端スペーサー(amine-terminating spacer)ゲル上で行った。
【0046】
25mlのDADPAアガロースゲルを、精製水によって洗浄し、次いで、ゲルを、等量の精製水中に懸濁させた。スラリー混合物を、室温で1時間ゆっくり撹拌しながら、2.5gの無水琥珀酸を添加した。撹拌の終わりに、琥珀酸化した(succinylated)ゲルを、精製水、1MのNaCl、および再度精製水によって連続的に洗浄し、過剰の未反応琥珀酸を除去した。
【0047】
TNBS(シグマ(Sigma))によるネガティブテストは、DADPAのすべてのアミンが、琥珀酸によってうまくブロックされたことを示した。
【0048】
固定化された琥珀酸化DADPAを、250mlの精製水によって洗浄し、次いで、過剰の水をモイストケーキに吸引して乾燥させ(suctionated dry to a moist cake)、500mlのビーカーに移した。25mlの0.1M MESバッファー、pH4.7、中にゲルを再懸濁させてゆっくり撹拌しながら、0.25gのp−アミノベンズアミジン(シグマ(Sigma))および0.75gのEDC(ピアス(Pierce))を添加した。0.5MのNaOHを連続的に添加することによって、反応混合物のpHを、1時間、4.7に保った。その後、反応混合物を、連続的にゆっくり混合しながら、一晩室温においた。
【0049】
それぞれ0.5Lの精製水、0.1Mの酢酸ナトリウム、pH4.7、0.5Mの重炭酸ナトリウム、および精製水によって、ゲルを連続的に洗浄した。
【0050】
固定化したp−アミノベンズアミジンを、4℃で0.02%のアジ化ナトリウム中で、使用するまで保存した。
3)アルギニン−アガロース4%
上記工程、p−アミノベンズアミジン−アガロース4%(2参照)、によるアルギニン−アガロース4%合成が好ましかった。
【0051】
4)トラネキサム酸(TEA)−アガロース4%
上記工程、p−アミノベンズアミジン−アガロース4%(2参照)、によるトラネキサム酸(TEA)−アガロース4%合成が好ましかった。
【0052】
5)アルギニン−セファロース4B
以下の工程を用いて、スペーサーゲルとしてのCNBr−セファロース4B(ファルマシア(Pharmacia))上にアルギニンまたはトラネキサム酸を固定した。本欄および次の欄(5−6)に記載したように、2つの異なる濃度(10mmolまたは0.01mmol/ml 乾燥ゲル)での2つのリガンドの合成は類似していた。
【0053】
2.5gのCNBr活性化セファロース4Bを、50mlの1mM HCl中に懸濁させた。10分間室温でゲルを膨潤させ、次いで、焼結ガラスフィルター上で、15分間、500mlの1mM HClによって洗浄した。
【0054】
12.5mlのカップリングバッファー、0.5MのNaClを含有する0.1MのNaHCO3 pH8.3、中に、アルギニンを溶解した。プラスチックチューブ中で、リガンドを含有するカップリング溶液をゲルと混合し、次いで、4℃で一晩回転させた。
【0055】
インキュベーションの終わりに、10ゲル容量のカップリングバッファーを用いて、焼結ガラスフィルターによって、この混合物を、過剰のリガンドから洗浄した。pHを変えながら、50mlのバッファー3サイクルによって、蛋白質溶液を洗浄した(0.1Mの酢酸塩バッファー、pH4、0.5MのNaCl含有、その後、0.1MのTris−HClバッファー、pH8、0.5MのNaCl含有、によって洗浄)。固定化したアルギニン−セファロース4Bを、4℃で0.02%のアジ化ナトリウム中で、使用するまで保存した。
【0056】
6)トラネキサム酸(TEA)−セファロース4B
上記のアルギニン−セファロース4Bの工程(5欄参照)に従って、この合成を行った。
【0057】
7)アルギニン−セファロース6B
以下のように、2つの異なる濃度(2mmolまたは0.2mmol/ml 乾燥ゲル)において、アルギニンを、市販の固定化エポキシセファロース6B(ファルマシア(Pharmacia))に結合させた:
【0058】
2.5gのエポキシ活性化セファロース6Bを、200mlの精製水中に懸濁させた。室温でおよそ5分間、ゲルを膨潤させ、次いで、500mlの精製水によって1時間洗浄し、焼結ガラスフィルターを通して、アリコートに添加した。
【0059】
20mlのカップリングバッファー(0.1MのNaHCO3、pH9.3、および0.5MのNaCl)ならびに膨潤ゲルを、アルギニンを含有する2つのチューブに注いだ。それら混合物を、RTで一晩、プラスチックチューブ中で混合した。
【0060】
インキュベーションの終わりに、5ゲル容量のカップリングバッファーを用いて、焼結ガラスフィルターによって、この混合物を、過剰のリガンドから洗浄した。pHを変えながら3サイクルで、生成物を洗浄した(0.1Mの酢酸塩バッファー、pH4.0、および0.5MのNaClバッファー、その後、0.1MのTris−HClバッファー、pH8、および0.5MのNaClによって洗浄)。固定化したアルギニン−セファロース6Bを、4℃で、0.02%のアジ化ナトリウムによって、使用するまで保存した。
【0061】
8)トラネキサム酸(TEA)−セファロース6B
上記のアルギニン−セファロース6B工程(7欄参照)による、この合成が好ましかった。
【0062】
9)L−リジン エポキシ活性化セラミックハイパーDFヒドロゲルを、シグマ(Sigma)から購入した。
【0063】
10)セファロース6Bに共有結合したP−アミノベンズアミジンを、ファルマシア(Pharmacia)から購入した。
【0064】
実施例2:プラスミノゲン(プラスミン)に対する異なるアフィニティークロマトグラフィーのスクリーニング
1IU/mlのプラスミノゲン(プラスミン)および50mg/mlのフィブリノゲンを含有する、ヒト血漿保有(pooled)寒冷沈降物を、以下の研究のために使用した。
【0065】
凍結させた寒冷沈降物のアリコートを、37℃で解凍し、バッファーBN1(0.12MのNaCl、10mMのクエン酸三ナトリウム(Tri Na-citrate)、1mMのCaCl2、pH7.0)に対して透析した。この蛋白質溶液を、5μm深さのフィルターによって濾過し、透明な溶液を得た。直径8.36mmの5mlシリンジシリンダーに、実施例1に記載の以下のアフィニティー樹脂1.5ml(湿潤容量)を充填した:固定化ε−アミノヘキサン酸(セファロース4B、スペーサーとしてCNBrを使用)、固定化p−アミノベンズアミジン/アルギニン/TEA(アガロース4%、スペーサーとしてDADPAを使用)、固定化アルギニン/TEA(セファロース4B、スペーサーとしてCNBrを使用)、固定化アルギニン/TEA(セファロース6B、スペーサーとしてエポキシを使用)、および固定化L−リジン(セラミックハイパーDFヒドロゲル、スペーサーとしてエポキシを使用)。
【0066】
最適化したゲル充填工程は、以下の通りであった:4容量のi)精製水、ii)1MのNaCl、iii)精製水、iv)TLN 0.1バッファー(Tris 0.05Mリジン 0.02M、0.1M NaCl、pH9.0)、v)TLN 1バッファー(Tris 0.05M、リジン0.02M および1M NaCl、pH 9.0)、およびvi)精製水、によって、充填したゲルを洗浄した。25℃で1分間、1000rpmで遠心分離した後に、全試料、ローディングバッファーおよび洗浄バッファーを、シリンジシリンダーに加えた。4容量のBN1によって平衡化を行い、予め濾過、濃縮した寒冷沈降物を、樹脂上に載せ(それぞれ2:1 v/v)、次いで、この混合物を、室温で1時間インキュベートした。各遠心分離後、結合していない“スピン”洗浄物("spin" washes)のアリコートを、プラスチックチューブ中に回収した。O.D280が0.02に達するまで、少なくとも13カラム容量のいずれかのBN1バッファーによって、樹脂を洗浄した。TLN1バッファーによってプラスミノゲン(プラスミン)の溶出を行った後、4ベッド容量(bed volumes)の3M NaClによって洗浄した。ミニカラムをきつく閉め、4℃で保存した。
【0067】
工程中に分解したか、または50%未満のプラスミノゲン(プラスミン)を除去した樹脂を、研究対象(study)から早期に取り除いた。結果を表2にまとめる。
【0068】
【表4】
【0069】
上記の表は、寒冷沈降物からプラスミノゲン(プラスミン)を除去するための最良のリガンドは、ローディング、洗浄、および溶出において、潰れることなく、配列を保持するのに十分なほど強いアフィニティーゲル、または、50%を超える添加されたフィブリノゲンを保持するゲルを含んでいたことを示す。
【0070】
表3は、プラスミノゲン(プラスミン)除去における様々なゲルタイプの効率、および、それらの、濃縮された寒冷沈降物中のフィブリノゲン保持能力を示す。
【0071】
寒冷沈降物中に存在する残留プラスミノゲン(プラスミン)を樹脂に吸着させ、一方、フィブリノゲンは吸着させなかった。それにより、プラスミノゲン(プラスミン)を本質的に含まない上清を得た。
【0072】
フィブリノゲン含有量を、凝固時間試験によって測定し、一方、プラスミノゲン(プラスミン)含有量を、発色アッセイによって測定した。
【0073】
リジンゲルからの算出されたプラスミノゲン(プラスミン)およびフィブリノゲンの回収率は、使用した他のすべてのゲルリガンドに対するゴールデンスタンダードとして役立った。表2に示した結果は、エポキシスペーサーを含むTEAリガンドだけが、優れたプラスミノゲン(プラスミン)除去率および高いフィブリノゲン回収率をもたらしたことを示す(表3参照)。
【0074】
リジン結合リガンドと比べて、高濃度の固定化TEAは、優れたプラスミノゲン(プラスミン)除去率および同様のフィブリノゲン回収率をもたらした:それぞれ、フィブリノゲンについて、89%対92%の回収率、および、プラスミノゲン(プラスミン)除去率は89%対56%)。プラスミノゲン(プラスミン)の除去またはフィブリノゲンの回収のいずれかにおいて、他のすべての樹脂は、はるかに効率が低かった。
【0075】
【表5】
【0076】
実施例3:リジンおよびTEA固定化樹脂のアフィニティークロマトグラフィープロファイルにおけるリン酸塩バッファーおよびBNIバッファーの効果
寒冷沈降物を水酸化アルミニウムによって処理し、ビタミンK依存性凝固因子を吸着させ、次いで、30℃で4時間、溶媒と洗浄剤との混合物(SD−1% トリ(n−ブチル)ホスフェート、1% トリトン(Triton) X−100)とインキュベートし、脂質包含(lipid enveloped)ウイルスを不活性化した。SD剤(SD reagents)を、ヒマシ油抽出および疎水性相互作用クロマトグラフィーによって除去し、次いで、調製物を、安定化剤としてのスクロースおよびグリシンの存在下で低温殺菌した(60℃で10時間)。
【0077】
低温殺菌後、スクロースおよびグリシンを、ダイアフィルトレーション(diafiltration)によって除去した。滅菌濾過の前に、トラネキサム酸(TEA)およびアルギニン塩酸塩を、安定化剤として添加した。安定化された生成物のアリコートを、使用するまで−30℃に保った。
【0078】
凍結させ、ウイルス不活性化した寒冷沈降物のアリコートを37℃で解凍し、バッファーBN1(0.12M NaCl、0.01M クエン酸三ナトリウム、1mM CaCl2、pH 7.0、からなる)または25mMのリン酸塩バッファーに対して透析した。後者の溶液を、5μm深さのフィルターによって濾過して透明な溶液を得た。
【0079】
直径10mmのカラムに、6ml(湿潤容量)の固定化TEA(TEAセファロース6B)または固定化リジン(セラミックハイパーDF/セファロース4B)のいずれかを充填し、4容量の以下の各溶液で順番に洗浄した:i)精製水、ii)1MのNaCl、iii)精製水、iv)TLN0.1バッファー(0.1M NaCl、リジン0.02M、Tris 0.05M、pH 9.0)、v)TLN1バッファー(1M NaCl、リジン0.02M、Tris 0.05M、pH 9)、およびvi)精製水。4容量のBN1またはその代わりにリン酸塩バッファーによって、平衡化を行った。濾過した寒冷沈降物を、100μl/minの流速でカラムへ添加した。
【0080】
未結合材料の試料をプラスチックチューブに回収し、16カラム容量のBN1バッファーまたはリン酸塩バッファーのいずれかによって樹脂を洗浄した。TLN1バッファーを用いてプラスミノゲン(プラスミン)の溶出を行い、次いで、4容量の3M NaCl溶液、4容量の精製水、および1M NaClを追加した4容量の25%エタノールによって洗浄した。
【0081】
表4は、異なる種類の樹脂によるプラスミノゲン(プラスミン)除去およびフィブリノゲン回収の効果を示す。フィブリノゲン含有量を凝固時間アッセイ(クラウス(Clauss)アッセイ)によって測定し、一方、プラスミノゲン(プラスミン)含有量を発色アッセイによって測定した。
【0082】
異なる樹脂の比較により、BN1バッファーを使用する場合、95.4%から96.4%のフィブリノゲン含有量(fibrinogen content)が未結合ピークに保持されることが示される。一方、リン酸塩バッファーを使用した場合、フィブリノゲン回収率は低かった。驚くべきことに、固定化TEA樹脂だけが、高いプラスミノゲン(プラスミン)除去率および高いフィブリノゲン回収率の両方をもたらした。
【0083】
リジン樹脂による結果は、リン酸塩バッファーと比較して、BN1バッファーを使用すると、効率が改善されたことも示した。
【0084】
【表6】
【0085】
実施例4
凍結させ、ウイルス不活性化した寒冷沈降物のアリコートを37℃で解凍し、バッファーBN1(0.12M NaCl、0,01M クエン酸三ナトリウム、1mM CaCl2、pH 7.0)、またはその代わりに25mMのリン酸塩バッファーに対して透析した。後者の溶液を、5μm深さのフィルターによって濾過して不溶物を除去した。
【0086】
直径26mmのカラム(ファルマシア(Pharmacia)、スエーデン)に、50ml(湿潤容量)の固定化TEA(TEAセファロース6B)を充填し、4容量の精製水ならびに同容量のTLN0.1バッファー(0.1M NaCl、リジン0.02M、Tris 0.05M、pH 9.0)、TLN1バッファー(1M NaCl、リジン0.02M、Tris 0.05M、pH 9)、および精製水によって洗浄した。4容量のBN1バッファー(NaCl、クエン酸三ナトリウム、CaCl2、 pH 7.0)によって平衡化を行い、濾過したBACを、流速700μl/mlでカラムに通した。
【0087】
未結合材料の試料をプラスチック皿に回収し、少なくとも3ゲル容量のBN1バッファーによって、樹脂を洗浄した。TLN1バッファーによってプラスミノゲン(プラスミン)の溶出を行った後、3MのNaClによって洗浄した。
【0088】
2つの運転からの未結合画分を貯蔵し、濃縮するまで4℃に保った。最終的に、100カットオフ膜を用いる、バッファーB1(グリシン、NaCl、クエン酸三ナトリウム、CaCl2、pH 7)に対するダイアフィルトレーションによって、BACをほぼ元の容量まで濃縮した後、0.45μmフィルターによって濾過した。濾液に、2%のアルギニンを添加した。
【0089】
安定性試験のために、得られた生成物を、0.2μmフィルターによって滅菌濾過した。
【0090】
表5に示したように、大きくて長いフィルターの使用により、TEAリガンドの効果は向上し、フィブリノゲンの回収率は100%であり、プラスミノゲン(プラスミン)の除去率は、プラスミノゲン(プラスミン)発色アッセイの検出可能なレベル以下であった。
【0091】
ダイアフィルトレーション前後の生成物の比較により、フィブリノゲン含有量の33%の損失が明らかになった。この現象は、小さなスケール内でのみ見られる技術的な問題によって説明され得る。固定化TEA樹脂は、明らかに、優れたプラスミノゲン(プラスミン)除去率および優れたフィブリノゲン回収率の両方をもたらした。
【0092】
【表7】
【0093】
溶出した蛋白質溶液および濃縮し、限外濾過した生成物のいずれにおいても、残留TEAは見られなかった。トラネキサム酸の残留レベルの分析を、HPLCによって行った。
【0094】
既に先に記載した(実施例4)のと同様の樹脂および運転条件を用いて、プラスミノゲン(プラスミン)の除去のために、4つの更なる運転を行った。一般に、試験したすべての試料の結果は、先に示した最初の結果と同様であった。
【0095】
溶出した蛋白質溶液および濃縮し、限外濾過した生成物のいずれにおいても、残留TEAは見られなかった。トラネキサム酸の残留レベルの分析を、HPLCによって行った。
【0096】
ラットモデルにおいて試験されたように、プラスミノゲン(プラスミン)の除去前または除去後のいずれの細片(strips)による粘着も観察されなかった。
【0097】
室温でインキュベートしながら、プラスミノゲン(プラスミン)除去前後の寒冷沈降物の分解を試験した。表6に、異なる試料における凝固し得る蛋白質の割合に関するデータ(UV吸光度による)を示す。
【0098】
【表8】
【0099】
プラスミノゲン(プラスミン)を除去した後にバッファーの存在下で37℃でインキュベートする前後の寒冷沈降物から調製した細片によって、安定性試験を行った。グリシンおよびアルギニンを添加するかまたは除くことによって、これらの細片を処理した。結果を下記表7にまとめる。
【0100】
【表9】
【0101】
1.以下の実施例に記載の研究は、正常な健康なドナーからの、凍結除去し、貯蔵した新鮮な凍結血漿において行われた。正常な健康なドナー(1)においては、抗プラスミンの濃度が高く、かつ、プラスミンの量が少ないため、機能(発色)アッセイでは、プラスミンは検出できなかった(シュライバー(Schreiber) AD、カプラン(Kaplan) AP、オーステン(Austen) KF. ヒト中の線維素溶解経路の成分の血漿阻害剤(Plasma inhibitors of the components of the fibrinolytic pathway in man). J. Clin. Invest 52: 1394-1401、1973)。その結果、健康なドナーの血漿試料からのプラスミンのTEA樹脂からの除去、精製、および回収が示され得る。しかし、非常に少量のglu−プラスミノゲン(プラスミン)の検出のための市販のELISAキット、および、先の研究で見られたように、TEA樹脂は、両方の状態のプラスミノゲン(プラスミン)に対して、ならびにプラスミンに対して、同じアフィニティーを有する(フレデンブーフ(Fredenburgh) JP、ネシェイム(Nesheim) ME. Lys−プラスミノゲン(プラスミン)は、インビトロの線維素溶解中のGlu−プラスミノゲン(プラスミン)の活性化における重要な中間生成物である。J Biol Chem 267. 26150-6. 1992 およびミヤシタ(Miyashita) C、ウェンゼル(Wenzel) E.、ハイデン(Heiden) M. プラスミノゲン(プラスミン):生化学および機能への簡単な概論(Plasmin(ogen): a brief introduction into ist biochemistry and function.)、ヘモスタシス(Haemostasis) 1:7-13、1988.)。
【0102】
2.よって、glu−プラスミノゲン(プラスミン)の測定は、血漿中の全プラスミノゲン(プラスミン)の指標として使用され得る。
【0103】
実施例5
クロマトグラフィー段階:
1IU/mlのプラスミノゲン(プラスミン)を含む、凍結除去した新鮮な凍結血漿(FFP)からのプラスミノゲン(プラスミン)の除去における、セファロース4FF上に固定化したTEAの効率を決定するために研究を行った。凍結除去した新鮮な凍結血漿のアリコートを37℃で解凍し、3μm深さのフィルターによって濾過し、不溶性蛋白質を除去した。
【0104】
直径10mmのカラム(ファルマシア(Pharmacia)、スエーデン)に、2ml(湿潤容量)の固定化TEAを充填し、4容量の精製水、ならびに、同容量のTLN-0.1バッファー (0.1M NaCl、リジン0.02M、Tris 0.05M pH 9.0)、TLN-1バッファー(1M NaCl、リジン0.02M、Tris 0.05M pH 9.0)、および精製水によって洗浄した。4容量のBN1バッファー(0.12M NaCl、0.01M クエン酸三ナトリウム、1mM CaCl2、pH7.0)によって平衡化を行い、濾過した血漿(〜20IUのプラスミノゲン(プラスミン))を、流速1ml/minでカラムに通過させた。
【0105】
通過させた(flow-through)材料を回収し、プラスチックボトル中で凍結させ、そして、少なくとも3カラム容量のBN1バッファーによって樹脂を洗浄した。TLN−1バッファーによってプラスミノゲン(プラスミン)の溶出を行った後、およそ3容量の3M NaCl溶液、2容量の精製水、および2容量の20%エタノール+1M NaClによって洗浄した(方法1)。第二の方法(方法2)では、方法1で使用したものと同様の工程を行ったが、プラスミノゲン(プラスミン)溶出前に、3M NaClによる洗浄を更に行った。
【0106】
分析アッセイ:
Glu−プラスミノゲン(プラスミン)検出アッセイ:これらの実験で使用したイムンクローン(Imunclone)(登録商標)Glu−プラスミノゲン(プラスミン)ELISAキット(アメリカンダイアグノスティカ(American Diagnostica)、グリーンウィッチ(Greenwich)、CT、USA)は、固有のヒトglu−プラスミノゲン(プラスミン)レベルの決定に特異的な、酵素関連サンドイッチ免疫アッセイ(enzyme-linked sandwich immunoassay)である。血漿または血漿誘導体における、そのアッセイの定量限界(最も低い較正曲線標準による)は、0.063μg/mlである。
【0107】
プラスミン活性:溶出液中のプラスミン活性を半定量する(semi-quantify)ために、線維素溶解アッセイを行った。簡単に言えば、プラスミノゲン(プラスミン)を含まないフィブリノゲン(エンザイムリサーチ(Enzyme Research))を、過剰量のストレプトキナーゼの存在下で、様々な濃度の正常な貯蔵した血漿(ユニキャリブレータ(Unicalibrator)、スタゴ(Stago))、または、アフィニティーカラムから溶出した、精製したプラスミノゲン(プラスミン)とインキュベートした。凝固物の分解が完了した時間を記録し、試料の完了した凝固物分解と比較した。
【0108】
蛋白質の検出:ブラッドフォード(Bradford)法を用いて、全蛋白質を分析した(ブラッドフォード(Bradford) MM. 蛋白質−色素結合の原理を利用した、マイクログラム量の蛋白質の定量化のための迅速かつ高感度な方法(A rapid and sensitive method for the quantitation of microgram quantities of protein utilizing the principle of protein-dye binding.)、Anal Biochem. 72:248-54、1976)。図8aおよびbは、TEAリガンドによるヒト血漿Glu−プラスミノゲン(プラスミン)のクロマトグラフィーによる除去および精製の結果を示す。表は、方法2により、567倍の精製および91.6%の収率で、方法1よりわずかに良好なプラスミノゲン(プラスミン)の精製が行われたことを示す。表8bは、未結合画分から平均99.5%のプラスミノゲン(プラスミン)が除去されたことを示す。このことは、溶出液中の回収された量によって主に説明される(表8a)。
【0109】
【表10】
【0110】
実施例6:プラスミノゲン(プラスミン)のアフィニティー精製における、固定化リジンリガンドの効果に対するクロマトグラフィー条件の影響
【0111】
クロマトグラフィー段階:
2つの市販のリジン樹脂を用いて、固定化リジンリガンドを含む樹脂を用いたアフィニティー精製を研究した。文献に記載のクロマトグラフィー法を使用し(下記方法2については、ロビンズ(Robbins) KC、スマリア(Summaria) L. プラスミノゲン(プラスミン)およびプラスミン(Plasmin(ogen) and Plasmin.)、Methods Enzymol. 45:257-73、1976.参照)、発明者の研究所において開発した方法も使用した(下記方法1)。
【0112】
2つの固定化リジン樹脂(バイオセプラ(Biosepra)製セラミックハイパーDFおよびファルマシア(Pharmacia)製セファロース4B)を、それぞれ直径10mmのカラム(ファルマシア(Pharmacia)、スエーデン)に充填した。各カラムは、2ml(湿潤容量)の樹脂を含んでいた。
【0113】
凍結除去した新鮮な凍結血漿のアリコートを、37℃で解凍し、3μm深さのフィルターによって濾過し、透明な溶液を得た。
【0114】
以下の方法の1つを用いて、クロマトグラフィー段階を行った:
方法1
4容量の以下の各溶液によって、カラムを洗浄した:1)精製水、2)TLN−0.1.3)TLN−および4)精製水。4容量のBN1によって、平衡化を行った。濾過した血漿(40ml)を、流速1ml/minでカラムに導入した。通過させた材料の試料をプラスチックボトルに回収し、BN1バッファーによって樹脂を洗浄した。TN−1バッファーによってプラスミノゲン(プラスミン)の溶出を行い、次いで、3M NaCl溶液、2容量の精製水、および2容量の20%エタノール+1M NaClによって洗浄した。
【0115】
方法2:(ref.5)
凍結除去した新鮮な凍結血漿のアリコート(40ml)を3μm深さのフィルターによって濾過した。4mlの0.5M Tris、0.2Mのリジン、1MのNaClバッファー、pH9、を、40mlの濾過した血漿に添加した。
【0116】
4カラム容量の精製水によってカラムを洗浄し、0.1Mのリン酸塩バッファー、pH7.4、によって平衡化した。希釈した血漿を、流速1ml/minで樹脂に通過させた。未結合材料の試料をプラスチックボトルに回収し、280nmでの流出物(effluent)の吸光度がベースラインに達するまで、0.1Mのリン酸塩バッファーによって樹脂を洗浄した。次いで、0.1Mのリン酸塩バッファー、pH7.4、に溶解させた0.2Mのε−アミノカプロン酸によって、プラスミノゲン(プラスミン)を溶出し、プラスチック皿に回収した。溶出の後に、およそ2容量の3M NaCl溶液および精製水によって洗浄を行った。
【0117】
表9aおよび9bは、それぞれに対して2つの異なる精製方法を用いた、2つの異なる市販の固定化リジン樹脂によるプラスミノゲン(プラスミン)の除去および精製を比較する。溶出液中のプラスミノゲン(プラスミン)の回収率には比較的小さな違いがあるが、方法2およびセラミックハイパーDF樹脂を用いることにより、プラスミノゲン(プラスミン)のはるかに高度な精製が達成されることがわかる。
【0118】
それら結果は、Lys−セラミックハイパーDF樹脂およびクロマトグラフィー方法2の使用により、444倍の精製が達成されたことを示す。また、原料中のプラスミノゲン(プラスミン)のほとんどは、ピーク画分中に回収された(未結合画分中76.5%+溶出液中10.9%、添加したプラスミノゲン(プラスミン)の中で説明できないものは約10%だけであった)。しかし、未結合画分からのプラスミノゲン(プラスミン)除去率は、わずか23.5%であった。
【0119】
【表11】

【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】図1は、2つの方法(材料および方法に記載)によって、3つの異なる樹脂−TEA−セファロース、Lys−セラミックハイパーDFおよびLys−セファロース4B、を用いて溶出された7μgの蛋白質の勾配ゲルSDS−PAGE(5〜12%のポリアクリルアミド)を示す。レーン1−Gluプラスミノゲン;2−フィブリノゲン;3−アルブミン;4−免疫グロブリン G;5−分子量マーカー;溶出ピーク:6−方法を用いたTEA;7−方法2を用いたTAE;8−方法1によるリジンセラミックハイパーD;9−方法1によるリジンセファロース;10−方法1によるリジンセラミックハイパーD;11−方法1によるリジンセファロース。

Claims (31)

  1. プラスミノゲン(プラスミン)またはプラスミンを含む混合物から、該混合物をリジッドアミノ酸と接触させることにより、フィブリノゲンの存在下で、プラスミノゲン(プラスミン)またはプラスミンを特異的に除去または単離するための方法であって、前記アミノ酸のアミノ基と前記アミノ酸のカルボキシル基とは、約6〜8オングストローム、好ましくは約7オングストローム離れており、かつ、前記リジッドアミノ酸は、前記アミノ酸のアミノ基を介して担体と共有結合している、前記方法。
  2. 前記混合物は、血液のような体液;血液画分、寒冷沈降物、細胞培養液、ウシ肺、ウシ腸のような動物組織抽出物、または動物骨抽出ゼラチン、ウシ血清アルブミン、ならびに、ラノリン(PC−ホスファチジルコリン)のような動物由来の水非混和性脂質からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記担体は、クロマトグラフィー材料である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記担体は、リジッドアミノ酸と結合している(但し、前記アミノ酸のアミノ基と前記アミノ酸のカルボキシル基とは、約6〜8オングストローム、好ましくは約7オングストローム離れている)、請求項1に記載の方法。
  5. 前記クロマトグラフィー材料は、アガロース、セルロース、制御された細孔ガラス、シリカゲル、デキストランのような親水性材料、または、ポリアクリルアミド、ポリスチレン系のような有機人工ポリマーである、請求項3に記載の方法。
  6. 前記クロマトグラフィー材料は、アガロースまたはセファロースである、請求項3に記載の方法。
  7. 前記クロマトグラフィー材料は、粒子状材料またはモノリシックブロック材料である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記リジッドアミノ酸は、担体とトラネキサム酸との間にリンカーを介して担体と結合している、請求項1に記載の方法。
  9. 前記リンカーは、二官能性リンカーである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記二官能性リンカーは、N−ヒドロキシスクシニミド、DAPA、CNBr、エポキシ、ジアミノジプロピルアミン(DADPA)、1,6ジアミノヘキサン、琥珀酸、1,3ジアミノ−2−プロパノール、エチレンジアミン(EDA)、TNB、ピリジルジスルフィド、ヨードアセトアミド、マレイミド活性化担体、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記担体は、第1級または第2級アミノ基と反応する部分によって修飾されている、請求項1に記載の方法。
  12. 結合したトラネキサム酸を有する担体と混合物との接触後、プラスミノゲンまたはプラスミンを結合するために十分な期間、混合物を担体とインキュベートし、そして、ナトリウム塩、カルシウム塩、バッファー塩を含む中性水溶液によって溶出させる、請求項1に記載の方法。
  13. 混合物の接触後に続いて、プラスミンまたはプラスミノゲン(プラスミン)を、リジッドアミノ酸と結合した担体のプラスミノゲン(プラスミン)結合部位と競争する、十分な量のリガンドを含む水溶液で溶出する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記リガンドは、リジンである、請求項13に記載の方法。
  15. プラスミノゲン(プラスミン)を本質的に含まない天然供給源から得られる混合物。
  16. 前記混合物は、血液誘導体、血液または血液画分、寒冷沈降物である、請求項15に記載の混合物。
  17. 前記血液誘導体は、血漿由来血液凝固因子、または血液凝固因子の混合物、アルブミン、免疫グロブリン、フィブリノゲン、フィブロネクチン、α1−アンチトリプシン、アンチトロンビンIII、フォンウィルブランド因子である、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1〜14の1つ以上に記載の方法によって得られ得るプラスミノゲン(プラスミン)および/またはプラスミン含有画分。
  19. リジッドアミノ酸と共有結合した担体であって、前記アミノ酸のアミノ基と前記アミノ酸のカルボキシル基とは、約6〜8オングストローム、好ましくは約7オングストローム離れている、前記担体。
  20. 前記アミノ酸は、トラネキサム酸および4−アミノメチルビシクロ−[2.2.2.]−オクタン−1−カルボン酸からなる群から選択される、請求項19に記載の担体。
  21. 前記担体は、クロマトグラフィー材料である、請求項19または20に記載の担体。
  22. 前記クロマトグラフィー材料は、アガロース、セルロース、制御された細孔ガラス、シリカゲル、デキストランのような親水性材料、または、ポリアクリルアミド、ポリスチレン系のような有機人工ポリマーである、請求項19に記載の担体。
  23. 前記クロマトグラフィー材料は、アガロースまたはセファロースである、請求項19に記載の担体。
  24. 前記クロマトグラフィー材料は、粒子状材料またはモノリシックブロック材料である、請求項19に記載の担体。
  25. 前記トラネキサム酸は、担体とトラネキサム酸との間にリンカーを介して担体と結合している、請求項19に記載の担体。
  26. 前記リンカーは、二官能性リンカーである、請求項25に記載の担体。
  27. 前記二官能性リンカーは、N−ヒドロキシスクシニミド、DAPA、CNBr、エポキシ、ジアミノジプロピルアミン(DADPA)、1,6ジアミノヘキサン、琥珀酸、1,3ジアミノ−2−プロパノール、エチレンジアミン(EDA)、TNB、ピリジルジスルフィド、ヨードアセトアミド、マレイミド活性化担体、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項26に記載の担体。
  28. 前記担体は、第1級または第2級アミノ基と反応する部分によって修飾されている、請求項19に記載の担体。
  29. プラスミノゲン(プラスミン)を本質的に含まない天然供給源から得られる混合物。
  30. 前記天然供給源は、血液、血液誘導体、または血液画分、寒冷沈降物、細胞培養液、ウシ肺、ウシ腸のような動物組織抽出物、または動物骨抽出ゼラチン、ウシ血清アルブミン、ならびに、ラノリン(PC−ホスファチジルコリン)のような動物由来の水非混和性脂質である、請求項29に記載の混合物。
  31. 前記血液誘導体は、特に、FVIII、FIXのような、血漿由来血液凝固因子、または血液凝固因子の混合物、フィブリノゲン、フィブロネクチン、α1−アンチトリプシン、アンチトロンビンIII、フォンウィルブランド因子、アルブミン、免疫グロブリンである、請求項30に記載の混合物。
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