JP2004527415A - 貨物船のハッチカバー開閉装置の固定機構 - Google Patents

貨物船のハッチカバー開閉装置の固定機構 Download PDF

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Abstract

本発明は、貨物船のハッチカバー開閉装置の固定機構に関し、該固定機構は、その一端が船の船体に接続されており、他端がハッチカバー形成部材(13、13')を移動する開閉装置に接続されている少なくとも一基の作動シリンダー(2,2')を有しており、開閉装置は扇形歯輪(1)のような形状をしており、その歯の付いた周縁部がまた別の扇形歯輪(1')と協働し、これによって、扇形歯輪のうちの1つが1つのハッチカバー形成部材(13)に接続され、もう1つの扇形歯輪が近接するハッチカバー形成部材(13')に接続され、前記作動シリンダー(2)の操作によって両方のハッチカバー形成部材が動かされるようになっている。本発明においては、船体に軸支回転可能に取り付けられると共にシリンダー(2)の作動によってハッチカバーの閉位置にハッチカバー形成部材(13、13')を固定することができ、また、前記シリンダーの逆方向の作動によってハッチカバー形成部材の固定を解除することのできる固定機構が、前記作動シリンダー(2)と扇形歯輪(1)とに接続されている。
【選択図】図2

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物船のハッチカバーを開閉する装置の固定機構に関し、該固定機構は、その一端が船の船体に接続されており、他端がハッチカバー形成部材を移動する開閉装置に接続されている少なくとも一基の作動シリンダーを有している。開閉装置は扇形歯輪のような形状をしており、その歯の付いた周縁部がまた別の扇形歯輪と協働する。これによって、扇形歯輪のうちの1つが1つのハッチカバー形成部材に接続され、もう1つの扇形歯輪が近接するハッチカバー形成部材に接続され、前記作動シリンダーの操作によって両方のハッチカバー形成部材が動かされる。
【背景技術】
【0002】
従来の貨物船の開閉装置は、ハッチカバー形成部材を上昇させる扇形歯輪の動きが、扇形歯輪の両方又は1つに接続されている水圧シリンダーによって作動されるようになっていた。扇形歯輪をその低い位置(ハッチカバー形成部材の閉じた位置)に固定することは、別個の人手で挿入することのできる固定ピンによって行われる。扇形歯輪の代わりに別の種類の関節接続された機構も使用される。この別の機構における操作原理は、手動固定型の設計も含み、先に記載したものと等価である。
【0003】
これら従来技術のシステムは、人手による別個の作業部分を必要とする扇形歯輪の固定技術によって制限を受けてきた。さらに、このような別工程としての固定は怠られる場合すらあり、結果として、荒波でハッチカバーが予期せずに開いてしまって耐候性のない積み荷に損害を与えてしまう危険性もある。最悪の場合、ハッチカバー形成部材が外れて船全体の安全性を損なう場合すら考えられる。さらにまた、開閉機構の部品(ピボットピン、扇形歯輪の接触面など)の摩滅によって原初的な操作による再調整が必要になることもある(例えば、ピボットピンを取り替え、扇形歯輪の面に溶接によって材料を加えてハッチカバー形成部材と接触するようにするなど)。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、ハッチカバーの固定と固定の解除とを、別の操作を必要とすることなく、自動で行うことのできるハッチカバー開閉装置用の固定機構を提供することである。本発明の目的は、作動シリンダーと扇形歯輪とが固定機構に接続され、該固定機構が軸支回転可能に船体に接続され、シリンダーが作動するとハッチカバー形成部材をその閉位置に固定することができ、シリンダーを反対方向に作動させることにより、それぞれのハッチカバー形成部材の固定を解除することができることを特徴とする本発明によって達成することができる。
【0005】
本発明の固定機構の一態様は、固定機構が作動シリンダーと扇形歯輪との間に配された三角板によって特徴付けられている。この三角板の1つの角部が作動シリンダーに軸支回転可能に接続され、第二の角部が扇形歯輪に軸支回転可能に接続され、第三の角部がレバー板に軸支回転可能に接続され、このレバー板は更に船体に搭載された蝶番のアイレットに軸支回転可能に接続されている
本発明による固定機構の別の態様は、固定機構の固定位置において、前記三角板と前記レバー板との間の回転支点が、三角板と前記歯車との間の回転支点と前記蝶番のアイレットと前記レバー板との間の回転支点とを結ぶ仮想線の下側の下死点と呼ばれる点に位置することによって特徴付けられる。さらに、固定機構の固定位置において、前記三角板と前記レバー板との間の回転支点が、三角板と前記作動シリンダーとの間の回転支点と前記蝶番のアイレットと前記レバー板との間の回転支点とを結ぶ仮想線の上側に位置する。
【0006】
本発明の更にまた別の態様は、前記レバー板に留め具が形成、又は固定され、これに当接してレバー板に軸支回転可能に接続された前記三角板の端部が機構の固定位置に静止する。これによって、三角板とレバー板との間の回転支点が請求項3に定義された仮想線よりも下に落ちることを防いでいる。
【0007】
したがって、本発明の利点は機能が完全に自動化されていることを含み、ハッチカバーの固定/固定解除は作業者によって怠られる可能性のある別の作業工程を必要としない。固定機構の蝶番のアイレットを垂直方向/水平方向に調整するのが容易であるので、その据え付け中に、ハッチカバー開閉装置の操作を微調整する複雑ではない方法を提供し、開閉装置部品の通常の摩滅を補償する。さらに、本発明による固定機構は、既に使用されている開閉装置に最小限の変更を加えるだけで後付けすることもできる。固定機構の構造は非常に単純で、操作における信頼性が高い。
【0008】
以下において、添付の図面を参照しながら、好ましい例示的態様の助けを借りて、本発明をより詳細に記述する。
【0009】
図1には、従来のハッチカバー開閉装置とその固定機構が示されている。ここでは、それぞれ一基の作動シリンダー2,2’が咬合する扇形歯輪1,1’の両方と接続されている。このように、扇形歯輪は該扇形歯輪に接続している作動シリンダーによって駆動される。しかしながら、この設計では、扇形歯輪をその下方位置(即ち、ハッチカバー形成部材が閉じた位置)に固定するのに別の固定ピン12が必要になる。このようにして、固定ピンは、ハッチカバー形成部材が海上で開くのを防いでいる。
【0010】
図2には、扇形歯輪1と作動シリンダー2との間に、船体5に据え付けられた蝶番のアイレット6にレバー板4を介してさらに接続されている三角板3を追加した、本発明のハッチカバー開閉装置が示されている。このように、三角板3は3つの支持/回転支点7、8、11を有している。これらの内、回転支点7は、三角板3と扇形歯輪1との間の回転支点であり、回転支点8は、三角板3とレバー板4との間の回転支点であり、回転支点11は、三角板3と作動シリンダー2との間の回転支点である。レバー板4と蝶番のアイレット6との間の回転支点は参照符号9で示されている。
【0011】
開閉装置及びその統合固定機構の機能は、回転支点の位置とシステム部品の幾何学とに基づいている。図2に示されている状態においては、ハッチカバー形成部材13、13’は相互に密着している。ここにおいて、作動シリンダー2は後方に引いた位置にある。次いで、三角板3とレバー板4との間の回転支点8を、三角板3と扇形歯輪1との間の回転支点7と蝶番のアイレット6とレバー板4との間の回転支点9とを結ぶ仮想線の下方、下死点と呼ばれる点に位置させることにより固定機能が実現される。同時に、固定機構の固定位置においては、三角板8とレバー板4との間の回転支点8は、三角板3と作動シリンダー2との間の回転支点11と蝶番のアイレット6とレバー板4との間の回転支点9とを結ぶ仮想線の上に位置する。ハッチカバー形成部材13、13’を開くためには、作動シリンダーのピストンは回転支点7の周りに三角板を押し始め、このように回転支点8を押し上げてハッチカバー形成部材の固定を解除する。引き続いて、作動シリンダー2は、三角板3を介して扇形歯輪1を押して、ハッチカバー形成部材13、13’を開かせる(図2及び図3を見よ。)。ハッチカバーを閉じるのは逆の順番で行われる。
【0012】
レバー板4に設けられた留め具10は、回転支点9と11とを結ぶ仮想線の下方にある、先に下死点と呼んだ位置に回転支点8が達する位置に、三角板3が回転して入り込むのを防ぐ。
【0013】
蝶番のアイレット6の位置を作動シリンダーに近い方に動かすことにより、ハッチカバー開閉装置の摩滅によって生じる遊びを補償することができ、これによって、ハッチカバー形成部材の機能が容易に修正される。また、蝶番のアイレット6の調節が容易であるのでハッチカバー形成部材の据え付けを容易に行うことができ、蝶番のアイレット6を適切に配置することによって、他の不正確に搭載された部品が開閉装置の機能に与える効果を修正することが可能になる。蝶番のアイレット6は、回転支点9の位置のちょっとした変更をより容易にするために、様々なサイズの別個の搭載スペーサを備えることができる。
【0014】
本発明が前記例示的態様に限定されず、添付の請求項の精神及び記載の範囲内で変えることができるのは、当業者には明らかである。したがって、ハッチカバー開閉装置の固定装置は、図面に示されているのとは異なるシステム幾何学及び構造を用いて実施することができる。回転支点の位置及び固定機構の相互ディメンジョンにも変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、従来の貨物船ハッチカバー開閉装置を示している。
【図2】図2は、本発明によるハッチカバー開閉装置のある操作段階を示している。
【図3】図3は、本発明によるハッチカバー開閉装置の別の操作段階を示している。
【図4】図4は、本発明によるハッチカバー開閉装置のまた別の操作段階を示している。

Claims (6)

  1. 貨物船のハッチカバー開閉装置の固定機構であって、該固定機構は、その一端が船の船体に接続されており、他端がハッチカバー形成部材(13、13')を移動する開閉装置に接続されている少なくとも一基の作動シリンダー(2,2')を有しており、開閉装置は扇形歯輪(1)のような形状をしており、その歯の付いた周縁部がまた別の扇形歯輪(1')と協働し、これによって、扇形歯輪のうちの1つが1つのハッチカバー形成部材(13)に接続され、もう1つの扇形歯輪が近接するハッチカバー形成部材(13')に接続され、前記作動シリンダー(2)の操作によって両方のハッチカバー形成部材が動かされる機構において、船体に軸支回転可能に取り付けられると共にシリンダー(2)の作動によってハッチカバーの閉位置にハッチカバー形成部材(13、13')を固定することができ、また、前記シリンダーの逆方向の作動によってハッチカバー形成部材の固定を解除することのできる固定機構が、前記作動シリンダー(2)と扇形歯輪(1)とに接続されていることを特徴とするハッチカバー開閉装置の固定機構。
  2. 前記固定機構が、前記作動シリンダー(2)と扇形歯輪(1)との間に配される三角板(3)を有し、該三角板の1つの角部が作動シリンダー(2)に軸支回転可能(11)に接続されており、第二の角部が扇形歯輪(1)が軸支回転可能(7)に接続されており、第三の角部がレバー板(4)に軸支回転可能(8)に取り付けられており、該レバー板はさらに船体に取り付けられている蝶番のアイレット(6)に軸支回転可能(9)に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の固定機構。
  3. 前記固定機構の固定位置において、前記三角板(3)と前記レバー板(4)との間の回転支点(8)が、三角板(3)と扇形歯輪(1)との間の回転支点(7)と、蝶番のアイレット(6)とレバー板(4)との間の回転支点(9)とを結ぶ仮想線の下側であって、下死点と称される位置に配されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固定機構。
  4. 前記固定機構の固定位置において、前記三角板(3)と前記レバー板(4)との間の回転支点(8)が、三角板(3)と作動シリンダー2との間の回転支点(11)と、蝶番のアイレット(6)とレバー板(4)との間の回転支点(9)とを結ぶ仮想線の上側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の固定機構。
  5. 固定機構の固定位置において、前記三角板(3)のレバー板(4)に軸支回転可能に接続されている端部が当接して、前記三角板(3)と前記レバー板(4)との間の回転支点(8)が請求項3に記載の仮想線よりも下側に落下することを防ぐ留め具(10)が、前記レバー板(4)に形成又は固定されていることを特徴とする請求項4に記載の固定機構。
  6. 船体(5)に設けられた蝶番のアイレット(6)の位置が、ハッチカバー開閉装置における摩滅に起因して発生する遊びを補償するために調節可能になっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定機構。
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