JP3354774B2 - 開閉体用の開閉装置 - Google Patents

開閉体用の開閉装置

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JP3354774B2 JP34881395A JP34881395A JP3354774B2 JP 3354774 B2 JP3354774 B2 JP 3354774B2 JP 34881395 A JP34881395 A JP 34881395A JP 34881395 A JP34881395 A JP 34881395A JP 3354774 B2 JP3354774 B2 JP 3354774B2
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敏昭 藤▲崎▼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉体を本体に対
して回動開閉可能に枢支するヒンジと、一端側が開閉体
に、他端側が本体にそれぞれ枢着され、開閉体に対して
開方向のモーメントを付与するステーダンパとを有する
開閉体用の開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の機械装置や、車両などには、各種
の開閉体が設けられており、自動車の車体に回動開閉可
能に枢支されたフードパネルや、ラゲージドア、或いは
バックドアなどがその代表例である。このような開閉体
には、その自重による閉方向のモーメントが作用するの
で、これを開放回動させるとき、大きな操作力が必要と
なる。そこで、開閉体と本体との間に、例えばガススプ
リングより成るステーダンパを介設し、これによって開
閉体に対して開方向のモーメントを付与し、小さな操作
力で開閉体を回動開放させることができるようにすると
共に、開閉体が全開したとき、それをその開放位置に保
持できるようにした冒頭に記載した形式の開閉装置が従
来より用いられている。
【0003】その際、開閉体を開放するときに必要とさ
れる操作力をより小さくするには、ステーダンパのガス
圧を上げ、ステーダンパの反力を大きくすればよい。と
ころが、この方法によると、開閉体の開放時における操
作力は小さくなるものの、開閉体の閉鎖時における操作
力が大きくなる欠点がある。
【0004】開閉体の開放回動時の操作力を小さくする
今一つの方法として、本体に対する開閉体の回動中心か
ら、ステーダンパが開閉体に対して与える反力の作用線
までの距離、すなわちモーメントアーム長を大きくする
方法が考えられる。ところが、この方法を採用しようと
しても、ステーダンパと、これを取り付ける本体部分
や、本体に着装された他の部品との相互干渉を考慮する
と、ステーダンパの取付位置が大きく制限されるため、
モーメントアーム長を大きく設定できるように、ステー
ダンパを配置できないことが少なくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ステ
ーダンパが、本体部分や他の部品などと干渉することな
しに、開閉体の開放時に、ステーダンパによって開閉体
に与えられるモーメントのモーメントアーム長を大きく
設定できるようにして、その開放回動時における操作力
の一段の軽減化を図り、しかも開閉体の閉鎖時に操作力
が大きくなることを阻止した開閉体用の開閉装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、開閉体を本体に対して回動開閉可能に枢支
するヒンジと、一端側が開閉体に、他端側が本体にそれ
ぞれ枢着され、開閉体に対して開方向のモーメントを付
与するステーダンパとを有する開閉体用の開閉装置にお
いて、本体に対する開閉体の回動中心であるヒンジ中心
から、ステーダンパが開閉体に対して与える反力の作用
線までの距離が、開閉体をその開放位置から閉鎖させる
ときよりも、開閉体の自重による閉方向のモーメントに
抗して、開閉体をその閉鎖位置から開放させるときの方
が大きくなるように、前記ヒンジを本体に対して移動さ
せる駆動手段を設けたことを特徴とする開閉体用の開閉
装置を提案する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車のバックド
ア用の開閉装置として構成した実施形態例を図面に従っ
て詳細に説明し、併せて前述の従来の欠点を図面に即し
てより具体的に明らかにする。
【0008】図1において、開閉体の一構成例であるバ
ックドア1は、その開閉装置を介して、当該ドア1を支
持する本体の一例である車体10に回動開閉可能に枢支
されている。開閉装置は、バックドア1を車体10に対
して回動開閉可能に枢支するヒンジ2と、バックドア1
に対して開方向のモーメントを付与するステーダンパ3
とを有し、そのヒンジ2のヒンジ中心Pが、車体10に
対するバックドア1のヒンジ中心となっている。バック
ドア1は図2に鎖線ないしは破線で示す閉鎖位置と、図
2及び図3に実線で示し、ないしは図3に破線で示す開
放位置との間を、回動中心Pの周りに回動開閉され、こ
の開閉に伴い、車体10の後部開口が開閉される。
【0009】ガススプリングから構成されたステーダン
パ3は、図2にも示すように、シリンダ3aと、その内
部のガス、例えばエアの圧力によってシリンダ3aから
離れる向きに付勢されたロッド3bを有し、そのシリン
ダ3aと、これに嵌合したロッド3bは、実質的に同一
の中心軸線X上に位置している。かかるステーダンパ3
の一端側、図示した例ではそのシリンダ3aの基端部が
枢着部5においてバックドア1に回動可能に枢着され、
ステーダンパ3の他端側、図の例ではそのロッド4bの
先端部が、枢着部4において車体10に回動可能に枢着
されている。車体10とバックドア1との間にステーダ
ンパ3が介設されているのである。
【0010】ステーダンパ3は、車体10の幅方向各側
に1個ずつ配設されているが、これらの構成と作用に変
りはない。かかるステーダンパ3とその枢着部4,5、
及びヒンジ2は、次に説明するように、バックドア1や
車体10の内部側、すなわち車外から目視されない位置
に配置されているが、図1乃至図3においては、これら
の要素2,3,4,5を便宜上、車外から目視される状
態、すなわち実線で示してある(図10においても同
じ)。
【0011】図9に示すように、車体10を構成するク
ォータパネル114には、その車内側の部分に、上下方
向に延びる溝114aが形成され、ここにステーダンパ
3が配置されている。従って、バックドア1が閉鎖位置
にあるとき、ステーダンパ3は、車体10の内部側に隠
される。他側のステーダンパも全く同様に配置されてい
る。また、図4及び図5を参照して後に説明するよう
に、ヒンジ2も、バックドア1を閉鎖したとき、その内
部側に隠される。
【0012】バックドア1は、図1又は図2に鎖線で示
す閉鎖位置、すなわちその全閉位置において、バックド
ア1に付設されたロック装置8が車体10に固定された
ストライカー9に係合することによって、車体10に対
してロックされている。
【0013】バックドア1が、図1に示すように車体1
0に対してロックされた閉鎖位置にあるとき、ステーダ
ンパ3は、そのシリンダ3aの内部のガス圧によって、
その閉鎖位置にあるバックドア1に対して図1にFで示
す外力を及ぼす。ステーダンパ3のシリンダ3aとロッ
ド3bは、シリンダ3a内の圧縮されたガスの圧力によ
って互いに離間する向きの力を受け、これによってステ
ーダンパ3がバックドア1に対してFなる力を及ぼすの
である。
【0014】ここで、車体10に対するバックドア1の
回動中心であるヒンジ中心Pから、ステーダンパ3がバ
ックドア1に対して与える反力Fの作用線、すなわちス
テーダンパ3の中心軸線Xまでの距離をaとすると、バ
ックドア1には(a×F)なる開方向にモーメントが作
用する。これと共に、バックドア1には、その自重によ
る閉方向のモーメントが作用し、かかる状態で、バック
ドア1は図2に示したロック装置8と、これが係合した
ストライカー9とによって車体10に対して閉鎖位置に
ロックされる。
【0015】図示していない車内のオープナレバーの操
作、若しくは車外でのキーシリンダの操作により、図2
に示したロック装置8と、車体側のストライカー9との
相互の係合が外されると、バックドア1のロック状態が
解除される。このときもバックドア1には、ステーダン
パ3による開方向のモーメントと、バックドア1の自重
による閉方向のモーメントが作用する。
【0016】かかる状態で操作者がバックドア1を持ち
上げて、これを開放回動させるが、バックドア1がその
閉鎖位置から或る角度まで開放回動するまでは、その自
重による閉方向のモーメントの方がステーダンパ3によ
る開方向のモーメントよりも大きく、その或る角度を越
えると、ステーダンパ3による開方向のモーメントの方
が大きくなる。従って、操作者はバックドア1を閉鎖位
置から或る角度まで手で持ち上げた後は、そのバックド
ア1から手を離しても、該ドア1は自動的に図2に実線
で示した開放位置まで回動する。このように、ステーダ
ンパ3を設けることによって、小さな操作力でバックド
ア1を開放回動させることができるのである。
【0017】図4及び図5に示すように、ヒンジ2は、
ボルト12とナット13によって、バックドア1の上
部、すなわちその基端側に固定されたヒンジ回動プレー
ト7と、車体10側に位置するヒンジブラケット6と、
これらを枢着するヒンジピン2Aとを有し、そのヒンジ
ピン2Aの中心軸線は車体10の幅方向に延び、当該中
心軸線がヒンジ中心P、すなわちバックドア1の回動中
心となっている。かように構成されたヒンジは、車体1
0の幅方向における他側にも設けられている。
【0018】ここで、本例においては、ヒンジ2が可動
となっていて、バックドア1を開放させようとすると
き、かかるヒンジ2が図1において実線位置から仮想線
位置、すなわちステーダンパ3によりバックドア1に与
えられる開方向モーメントのアーム長が大きくなる位置
に移動可能になっている。かかる移動を可能にする駆動
手段の具体的構成に関して、以下に説明する。
【0019】ヒンジブラケット6は、図6に示すよう
に、ボルト14及びナット15によって、ヒンジブラケ
ット取り付け板17に固定され、このヒンジブラケット
取り付け板17にはネジ軸18の上端部が固定されてい
る。図5及び図6に示すように、車体10を構成するフ
レーム部材11にはモータハウジングユニット取り付け
用ブラケット19が固定され、このブラケット19に
は、モータハウジングユニット21が複数本のビス22
によって固定されている。
【0020】モータハウジングユニット21の内部に
は、ヒンジブラケット取り付け板17に固定されたネジ
軸18が、モータハウジングユニット21の配設方向と
直交する方向に貫通している。モータハウジングユニッ
ト21は、モータ21Aを有していて、このモータ21
Aが回転すると、モータハウジングユニット21の内部
に配設された図示していないねじなどの回転伝達要素が
回転し、これに噛み合うネジ軸18がほぼ上下方向に作
動する。これに伴って、ヒンジブラケット取り付け板1
7がヒンジブラケット6もろともほぼ上下方向に作動す
る。
【0021】図6に示すように、ヒンジブラケット取り
付け板17にはピン23の上端部が固定され、このピン
23が、モータハウジングユニット21の上端部に固定
された山形のピン受け部材24の穴24aに嵌入するこ
とにより、ヒンジブラケット取り付け板17が、ネジ軸
18の軸心周りに廻らないようにされている。
【0022】車体10の幅方向における他側に設けられ
たヒンジも、図4乃至図6に示し、かつ上述したところ
と同じ構成の駆動手段を介して車体10に支持され、こ
の駆動手段の作用は図示した駆動手段と全く同じであ
り、両駆動手段が連動して作動する。
【0023】ここで、先にも述べたように、車内でのオ
ープナレバーの操作若しくは車外でのキーシリンダの操
作によって、バックドア1のロック状態が解除される
と、これに伴い、図2に示したロック装置8に設けられ
た図示していないスイッチが作動し、図4乃至図6に示
したモータ21Aが所定時間だけ回転し、これによって
ネジ軸18がその軸方向に移動する。すなわち、ヒンジ
2が図2において仮想線で示す初期位置から、実線で示
す車体10から離間した作動位置(図1では仮想線で示
す位置)まで、例えば30mm程移動するのである。
【0024】ヒンジ2が車体10から離間した図2に実
線で示す作動位置に移動すると、図2において仮想線で
示す閉鎖位置にあったバックドア1は、破線で示す閉鎖
位置に変位する。この状態で、前述のように操作者がバ
ックドア1を或る角度まで手で持ち上げ、次いでステー
ダンパ3の力でバックドア1を図2に実線で示す開放位
置まで開放させることができる。
【0025】ここで、バックドア1を開け始めるに際し
て、そのバックドア1が上述のように図2に鎖線で示し
た閉鎖位置から、破線で示した閉鎖位置へ作動し、ヒン
ジ2が図2に実線で示した作動位置に変位すると、この
ときのバックドア1の回動中心であるヒンジ中心Pか
ら、ステーダンパ3がバックドア1に対して与える反力
Fの作用線(ステーダンパの中心軸線)Xまでの距離、
すなわちモーメントアーム長がbとなり、その大きさ
は、バックドア1が図2に鎖線で示した閉鎖位置にある
ときのモーメントアーム長aよりも大きくなる。
【0026】従って、バックドア1が図2に破線で示す
閉鎖位置に変位したとき、ステーダンパ1のガス反力を
Fとして、この状態でバックドア1を開放させるとき、
バックドア1には、ステーダンパ3によって(F×b)
なるモーメントが付与される。このとき、b>aとなっ
ているので、そのモーメントはヒンジ2が移動しないと
きよりも大きくなる。すなわち、バックドア1の開放回
動時における操作力を軽くできるのである。
【0027】ここで、従来においては、図10に示すよ
うに、バックドア1のヒンジ2のヒンジ中心Pが固定さ
れていた。すなわち、図11及び12に示すように、車
体10側に固定されたヒンジブラケット6と、ボルト1
2とナット13によってバックドア1に固定されたヒン
ジ回動プレート7との間に介設されたヒンジピン2Aの
周りに、バックドア1が回動自在となっていて、且つ、
そのヒンジピン2Aが可動ではなく固定支点となるよう
に、ヒンジブラケット6が車体10に対して、ボルト1
09と、これにねじ込まれたナット111によって不動
に固定されていたのである。かかる構成によれば、バッ
クドア1を開放回動させ始めたときに、ステーダンパが
バックドア1に与える開方向のモーメントのアーム長
は、ほぼ図10にaで示した長さに保たれ、かかる状態
でバックドア1を開放回動させることになるので、操作
者は大きな力でバックドア1を持ち上げる必要があっ
た。
【0028】先にも説明したように、上記操作力を小さ
くする方法として、ステーダンパ3のガス圧を上げ、ス
テーダンパの反力Fを大きくする方法があるが、この方
法によると、バックドア1の開放時における操作力が小
さくなるものの、これを閉鎖させるときの操作力も大き
くなる欠点がある。
【0029】又、これも先に説明したが、上記操作力を
小さくする今一つの方法として、図10に示したバック
ドア1の回動中心からステーダンパ3の反力Fの作用線
Xまでの距離、すなわちモーメントアーム長aを当初よ
り大きくしておく方法が考えられる。図9に示すよう
に、ヒンジ中心Pの位置からステーダンパ3の反力作用
線までの距離aを、当初より長くしておけば、ステーダ
ンパ3の反力Fを大きくしなくとも、バックドア1の開
放操作力を軽くすることができる。すなわち、図9に示
したようにステーダンパ3を配置したとき、そのステー
ダンパ3が位置するクォータパネル114の溝114a
の深さdを大きくして、ステーダンパによってバックド
ア1に与えられるモーメントのアーム長aを大きく設定
すれば良いのである。ところが、この溝114aの深さ
dを深くすべく、クォータパネル114の成形時に、こ
れを大きく絞るには限界があり、モーメントアーム長a
をあまり大きく設定することができない。溝114aの
深さdを深く形成せずに、モーメントアーム長aを大き
くとろうとしても、ステーダンパ3が溝114aの底に
干渉し、ステーダンパ3を組付けることができない。こ
のように、ステーダンパ3がクォータパネルの溝114
aの底と干渉して、モーメントアーム長aを大きく設定
できないのである。
【0030】これに対し、図1乃至図9に示した本発明
の具体例においては、バックドア1を開放回動させると
き、ヒンジ2を移動させるので、ステーダンパ3が車体
部分や他の部品などと干渉することなく、バックドア1
の開放時にステーダンパ3がバックドア1に与えるモー
メントのアーム長を大きくとることができるのである。
【0031】一方、本例の開閉装置においては、図7に
示すように、ステーダンパ3の車体側枢着部4の近傍の
車体部分に、スイッチ25が設けられていて、バックド
ア1が図2に実線で示した開放位置に至る直前に、旋回
するステーダンパ3がこのスイッチ25に当接し、これ
が所定のスイッチング動作を行うようになっている。こ
のスイッチ25に関しても、図3では実線で示してある
が、実際には、図3の状態で、このスイッチ25は車体
に隠されて直には目視できない。
【0032】上述したスイッチ25のスイッチング動作
によって、図4に示したモータ21Aが前述したところ
と逆方向に所定時間だけ回転し、これによってヒンジブ
ラケット6が移動して、ヒンジ2が、車体10から離れ
た図3に実線で示した作動位置から、仮想線で示した元
の初期位置に移動する。この移動に伴い、バックドア1
は、図3に実線で示す開放位置から、破線で示す開放位
置に変位する。ヒンジ2が元の位置に戻ることで、バッ
クドア1は、ヒンジ2を固定支点とした従来例の場合と
同じ開放位置に戻るのである。
【0033】ヒンジ2が図3において実線で示す作動位
置から、元の仮想線で示す初期位置に戻ることによっ
て、バックドア1を従来と同じステーダンパ3による力
によってその開放位置に保持できる。しかもこの状態で
バックドア1を閉じれば、これを完全な全閉状態とする
ことができる。図3において、バックドア1が破線で示
す位置に変位した状態で、それを押し下げると、バック
ドア1は、図1に示した閉鎖位置まで回動し、この位置
でロックされるのである。バックドア1が図3に破線で
示した開放位置にあるとき、ステーダンパ3がバックド
ア1に対して与えるモーメントのアーム長cは、従来と
同じになるので、バックドア1の閉鎖時の操作力は従来
と同じになり、その操作力が大きくなることはない。
【0034】上述のように、本例の特徴とするところ
は、車体10に対するバックドア1の回動中心であるヒ
ンジ中心Pから、ステーダンパ3がバックドア1に対し
て与える反力の作用線までの距離、すなわち、モーメン
トアーム長が、バックドア1をその開放位置から閉鎖さ
せるときよりも、バックドア1の自重による閉方向のモ
ーメントに抗して、バックドア1をその閉鎖位置から開
放させるときの方が大きくなるように、ヒンジ2を車体
10に対して移動させる駆動手段を設けた点にある。図
4に示したネジ軸18、モータハウジングユニット21
等から構成されるものが、かかる駆動手段の一例を構成
している。他の適宜な駆動手段を採用することも可能で
ある。
【0035】図8は、バックドア1の開度が変化した場
合に、そのバックドアの開閉時における操作力がいかよ
うに変化するかを示す操作力変化特性図の一例を示して
いる。この特性図では、ヒンジ2における摩擦力につい
ては考慮していない。この図における操作力「0」は、
バックドア1に対して与えられるステーダンパ3による
開方向のモーメントと、その自重による閉方向のモーメ
ントが釣り合ったときの状態である。
【0036】図8中、破線は従来においてバックドアを
開くときの操作力変化特性線であり、実線は本発明例に
おいてバックドアを開くときの操作力変化特性線であ
る。本発明例においては、バックドアを閉鎖位置から開
け初めるときの操作力が、従来よりもHだけ軽減してい
る。操作力がH=約2.6kg・f程度、軽減されるのであ
る。
【0037】図8において、B領域は、バックドアの開
閉操作者がバックドアに対して開方向に操作力を加える
領域であり、この領域では、バックドア1の自重による
閉方向のモーメントの方が、ステーダンパによる開方向
のモーメントよりも大きくなっている。これに対し、C
領域は、バックドア1の強制的な開放操作を不要にする
領域であり、この領域ではステーダンパ3による開方向
のモーメントの方が、バックドアの自重による閉方向の
モーメントよりも大きくなり、バックドア1は自動で開
くことになる。いずれにしても、この図においてハッチ
ングで示す領域が、バックドア開放時における操作力の
軽減分となるのである。
【0038】一方、図8中、一点鎖線はバックドアを開
放位置から閉鎖位置に向けて閉じるときの操作力の変化
特性線を示すものであり、D領域は、開閉操作者がバッ
クドア1を閉じるのに、バックドア1に対して操作力を
加える必要のある領域である。また、E領域は、ステー
ダンパ3による開方向のモーメントよりも、バックドア
の自重による閉方向のモーメントの方が大きくなる。バ
ックドア1を閉じるときは、従来と同じ操作力となる。
【0039】なお、図示した例ではステーダンパ3のシ
リンダ3aをバックドア1に、そのロッド3bを車体1
0にそれぞれ枢着したが、これを逆にし、シリンダ3a
を車体10に、ロッド3bをバックドア1に回動可能に
枢着してもよい。
【0040】上述の実施形態例は、開閉体を自動車のバ
ックドアとしたものであるが、この他、自動車のラゲー
ジルームの上部開口を開閉するラゲージドアや、車体に
開閉自在に枢支されて、エンジンルームの上部開口を開
閉するフードパネルなどの開閉体においても、前述した
ような構成を採用することによって、前述した一連の諸
効果を得ることができる。また、自動車のフードパネル
やバックドアなどに限らずに、他の機械装置などに使わ
れる各種開閉体においても、同様なる構成を採用するこ
とによって、同じ効果を得ることができる。本発明は、
これらのいずれの開閉体の開閉装置にも適用できるもの
である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ステーダンパが、これ
を取り付ける本体部分や他の部品などと干渉することな
く、開閉体の開放時に、ステーダンパが開閉体に与える
開方向のモーメントのモーメントアーム長を大きく設定
でき、その開放時における操作力を一段と軽くすること
ができる。これにより、開閉体を楽に開放させることが
でき、しかも開閉体を閉じるときにおいても、小さな力
で開閉体を楽に閉じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態例のバックドア用の開閉装置
を有する自動車の後部側面図である。
【図2】本発明一実施形態例のバックドア用の開閉装置
を有する自動車の後部側面図であって、バックドアを開
放する前に、その基端側のヒンジが、モーメントアーム
長を大きくする位置に移動することを説明するための図
である。
【図3】本発明一実施形態例のバックド用のア開閉装置
を有する自動車の後部側面図であって、バックドアの基
端側のヒンジが、車体側の元の位置に移動することを説
明するための図である。
【図4】ヒンジを移動させる駆動手段の一例を示す斜視
図である。
【図5】図4に示したヒンジ移動駆動手段が取り付けら
れた車体部分の断面図である。
【図6】図4に示したヒンジ移動駆動手段の分解斜視図
である。
【図7】バックドアの全開直前にステーダンパが当接し
て、バックドアのヒンジ部を移動させるためのスイッチ
を示す斜視図である。
【図8】バックドアの開度が変化した場合に、その開閉
時における操作力が、いかように変化するかを示す操作
力変化特性図である。
【図9】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図10】従来技術を説明するのに用いた、自動車の後
部側面図である。
【図11】従来技術を説明するのに用いたバックドアヒ
ンジの分解斜視図である。
【図12】図11に示したヒンジ周辺部の断面図であ
る。
【符号の説明】
2 ヒンジ 3 ステーダンパ P ヒンジ中心
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/10 B60J 5/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉体を本体に対して回動開閉可能に枢
    支するヒンジと、一端側が開閉体に、他端側が本体にそ
    れぞれ枢着され、開閉体に対して開方向のモーメントを
    付与するステーダンパとを有する開閉体用の開閉装置に
    おいて、本体に対する開閉体の回動中心であるヒンジ中
    心から、ステーダンパが開閉体に対して与える反力の作
    用線までの距離が、開閉体をその開放位置から閉鎖させ
    るときよりも、開閉体の自重による閉方向のモーメント
    に抗して、開閉体をその閉鎖位置から開放させるときの
    方が大きくなるように、前記ヒンジを本体に対して移動
    させる駆動手段を設けたことを特徴とする開閉体用の開
    閉装置。
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