JP2004523575A - イミダゾール化合物の製造方法 - Google Patents
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D401/00—Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
- C07D401/02—Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings
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-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
Abstract
Description
【0001】
本発明は、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害活性を有しかつこうした活性を有する他のイミダゾール化合物の製造のための中間体としてもまた有用である、5−置換イミダゾール化合物の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
癌遺伝子は頻繁に、細胞の成長および有糸分裂生起の刺激につながるシグナル伝達経路のタンパク質成分をコードする。培養細胞中での癌遺伝子発現は、軟寒天中で成長する細胞の能力、および形質転換されない細胞により表される接触阻害を欠く密集細胞巣としての細胞の成長を特徴とする細胞の形質転換につながる。ある種の癌遺伝子の突然変異および/もしくは過剰発現はヒトの癌と頻繁に関連する。特定の一群の癌遺伝子はrasとして知られ、哺乳動物、鳥類、昆虫、軟体動物、植物、真菌および酵母で同定されている。哺乳動物のras癌遺伝子のファミリーは3つの主要メンバー(「アイソフォーム」)、すなわちH−ras、K−rasおよびN−ras癌遺伝子よりなる。これらのras癌遺伝子は、p21rasとして包括的に知られる高度に関連したタンパク質をコードする。原形質膜に結合されれば、突然変異体もしくは発癌性の形態のp21rasは、形質転換および悪性腫瘍細胞の制御されない成長のためのシグナルを提供することができる。この形質転換能力を獲得するために、p21ras癌タンパク質の前駆体は、カルボキシル末端のテトラペプチド中に配置されるシステイン残基の酵素に触媒されるファルネシル化を受けなければならない。従って、この修飾を触媒する酵素すなわちファルネシルトランスフェラーゼの阻害剤は、p21rasの膜結合を予防しかつras形質転換された腫瘍の異常な成長を封鎖することができる。これゆえに、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、rasが形質転換に寄与している腫瘍に対する抗癌剤として非常に有用である可能性があることが、当該技術分野で一般に受け入れられている。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4において、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害活性を表す2−キノロン誘導体が記述されている。特許文献5は、ファルネシルトランスフェラーゼおよびゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ阻害活性を示す、窒素もしくは炭素連結されたイミダゾールを担持する新規1,2−環化キノリン化合物の一分類を記述する。ファルネシルトランスフェラーゼ阻害活性を有する他のキノロン化合物は、特許文献6、特許文献7および特許文献8に記述される。前述の特許文献2に記述される特定の一化合物すなわち(R)−(+)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンは、腫瘍性疾患に対する非常に強力な活性を有することが見出され、そして現在、多様な癌に対するその治療効果の程度を決定するための臨床試験の主題である。該化合物の絶対的立体化学配置は、前述の特許明細に記述される実験で決定されなかったが、しかし、該化合物は、それがカラムクロマトグラフィーから単離された第二の化合物であったことを示すために接頭辞「B」により同定された。かように得られた化合物は(R)−(+)−配置を有することが見出された。その公表されたコード番号R115777により下に引用することができるこの化合物は、
以下の式(I):−
【0004】
【化1】
【0005】
を有する。
【0006】
R115777の製造法は、下に示されるとおり、対応するオキソ化合物に1−メチルイミダゾリル基を導入する重要な段階を包含する一合成経路により、特許文献2に記述される:
【0007】
【化2】
【0008】
上の特許明細の実施例B1に記述されるとおり、テトラヒドロフラン中の1−メチルイミダゾールをヘキサン溶媒中のn−ブチルリチウムの溶液と混合し、これにクロロトリエチルシラン(塩化トリエチルシリル)を添加し、次いでヘキサン中n−ブチルリチウムをさらに添加し、生じる混合物を、テトラヒドロフラン中の化合物(II)の溶液の添加前に−78℃に冷却する。反応混合物をその後室温にし、そしてその後加水分解し、酢酸エチルで抽出しかつ有機層を後処理して所望の生成物を得、52%収率の化合物(III)をもたらす。後者の化合物のその後、特許文献2に記述されるとおりR115777に転化することができる。
【特許文献1】
国際特許出願第WO 97/16443号明細書
【特許文献2】
国際特許出願第WO 97/21701号明細書
【特許文献3】
国際特許出願第WO 98/40383号明細書
【特許文献4】
国際特許出願第WO 98/49157号明細書
【特許文献5】
国際特許出願第WO 00/39082号明細書
【特許文献6】
国際特許出願第WO 00/12498号明細書
【特許文献7】
国際特許出願第WO 00/12499号明細書
【特許文献8】
国際特許出願第WO 00/47574号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
開発の目的上および販売のためのR115777の経済的供給を確実にするために、R115777の製造のための効率的合成方法が必要とされる。しかしながら、化合物(II)を化合物(III)に転化するための上の国際特許出願第WO 97/21701号明細書に記述される手順は多数の欠点を有する。例えば、該手順は、R115777中で所望の5位の代わりに環の2位で該分子の残部にイミダゾール環が結合されている、対応する化合物の望ましくない形成をもたらす。所望の5−異性体の経済的製造を得るために、望ましくない2−異性体の形成を減少させることが重要であり、また、商業的規模で、例えば1もしくは2パーセントの点だけのこうした減少でさえ、重要な熱望を表す。また、最終生成物中の他の不純物、例えば対応するビス−イミダゾール化合物のかなりの形成が存在する。n−ブチルリチウムの使用もまた、その自然発火性の性質、および副生成物としての可燃性気体ブタンの形成を鑑み、商業的工程で望ましくない。最後に、−78℃くらい低温での該工程の実施は、こうした低温で大規模工程を実施するのに必要とされる特化された装置を鑑み、商業的規模で不便かつ高価である。従って、それにより商業的規模で効率的かつ経済的様式でそれを実施することができる上の反応段階を改良する必要性が存在する。
【0010】
望ましくない異性体の形成を最小限にしつつ、かつ、商業的規模での稼働に経済的利点を提供する条件下で、化合物(II)からの化合物(III)の、前者の化合物の向上された収率での製造のための新規かつ改良された方法を提供することが、本発明の一目的である。
【発明を解決するための手段】
【0011】
われわれは今や、収率、不純物の特徴および稼働の商業的容易さにおけるこうした改良を、n−ブチルリチウムの代わりのn−ヘキシルリチウムの使用、および塩化トリエチルシリルの代わりの塩化トリイソブチルの使用により達成することができ、とりわけ有利な結果が最低−40℃の温度の使用により得られることを見出した。
【0012】
従って、本発明の一特徴により、われわれは、式(II)の化合物すなわち6−(4−クロロベンゾイル)−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン:
【0013】
【化3】
【0014】
を、C6−8アルキルリチウム化合物、1−メチルイミダゾールおよびトリ(C4−6アルキル)シリルハロゲン化物と反応させることを含んで成る、化合物(III)すなわち4−(3−クロロフェニル)−6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン、およびその製薬学的に許容できる塩:
【0015】
【化4】
【0016】
の製造方法を提供する。
【0017】
C6−8アルキルリチウム化合物は、好ましくはヘキシルリチウム化合物、とりわけn−ヘキシルリチウムである。トリ(C4−6アルキル)シリルハロゲン化物は、好ましくはハロゲン化トリブチルシリル、とりわけハロゲン化トリ−iso−ブチルシリルである。シリルハロゲン化物は、好ましくは塩化シリルである。
【0018】
上の反応は、一般に、最低−40℃、好ましくは最低−20℃、および好ましくは−5ないし+5℃、とりわけ約0℃の温度で実施し、より高温が向上されたC5−/C2−異性体比、すなわち、イミダゾリル基がC5位で該分子の残部に結合される化合物と、C2位で結合される対応する化合物との間の比を提供する。こうした比較的高温でのこの選択性は、2−(トリアルキルシリル)置換5−リチオ−1−メチルイミダゾールの2ないし5位の移動によりシリル基が封鎖基として適しないという文献中の示唆(G.ShapiroとM.Marzi,Tetrahedron Letters,Vol.34,No.21,pp 3401−3404,1993;G.ShapiroとB.Gomez−Lor,J.Organic Chemistry,Vol.59,pp 5524−5526,1994)を鑑みれば顕著である。
【0019】
該反応は、便宜的に、エーテル性有機溶媒、例えばジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、もしくはより好ましくはテトラヒドロフラン中で遂げられる。
【0020】
より詳細には、該反応は、テトラヒドロフランのような溶媒中で1−メチルイミダゾールの溶液を最初に調製すること、これにn−ヘキサンのような溶媒中のヘキシルリチウムの一部分を添加することにより便宜的に遂げてよい。その後、生じる反応混合物にシリルハロゲン化物を添加し、そして、n−ヘキサンのような溶媒中のヘキシルリチウムのさらなる一部分もまた添加する。その後、テトラヒドロフランのような溶媒中の式(II)の化合物を反応混合物に添加し、温度を−5℃と0℃との間に保つ。
【0021】
式(III)の生じる生成物は、塩基としての結晶化もしくは塩形成により便宜的に単離することができる。反応混合物の濃縮後に、適する溶媒、好ましくは酢酸iso−プロピルを残渣に添加し、そして生成物の沈殿物が生じる。塩形成のためには、塩酸ガス、もしくは、好ましくは2−プロパノール中の塩酸溶液を、テトラヒドロフラン中の反応混合物に直接添加し、塩の沈殿をもたらす。あるいは、塩酸を、適する溶媒、好ましくはアセトン中の反応残渣の溶液に添加して、塩の沈殿をもたらす。式(III)の生じる化合物をその後、例えば国際特許出願第WO97/21701号明細書に記述されるとおり、もしくは、より具体的には下述されるとおりR115777に転化することができる。
【0022】
従って、例えば、式(III)の化合物を塩素化して、式(IV)の以下の化合物すなわち4−(3−クロロフェニル)−6−[クロロ−(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノンを形成することができる:
【0023】
【化5】
【0024】
上の塩素化反応は、例えば、不活性溶媒、例えばトルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、もしくはより好ましくはN,N−ジメチルイミダゾリジノン中、例えば0℃から反応混合物の還流温度までの温度、好ましくは室温での、塩化チオニルもしくは三塩化リンでの式(III)の化合物の処理により遂げることができる。式(IV)のクロロ化合物をその後、該化合物を単離する必要なしに、便宜的にはその場でアミノ化剤で処理して、式(V)の以下のアミノ化合物すなわち6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン:
【0025】
【化6】
【0026】
を形成することができる。
【0027】
該アミノ化反応は、アンモニアガス、もしくは適する溶媒、好ましくはメタノール中のアンモニアの溶液での式(IV)の化合物の処理(該反応は一般に不活性溶媒、例えばトルエン中で遂げられる)により、または、N,N−ジメチルアセトアミド、もしくは好ましくはN,N−ジメチルイミダゾリジノン中での化合物(IV)の溶液へのアンモニアの添加により、便宜的に遂げることができる。該反応は例えば0℃ないし40℃の温度、好ましくは室温で遂げられる。溶媒がN,N−ジメチルイミダゾリジノンである場合、生じる化合物を水の添加により単離し、化合物(V)の沈殿をもたらし、それをその後濾過し、水で洗浄しかつ乾燥することができる。式(V)の化合物は分割されない形態で得られ、そして、慣習的様式、例えばそれぞれのジアステレオマー塩を形成するキラルな酸での処理によりその構成要素の鏡像異性体に分離することができ、それらをその後分離することができ、そして所望のR配置を有する塩を対応するR115777の特許化合物に転化することができる。従って、例えば、該化合物をL−(−)−ジベンゾイル酒石酸(DBTA)で処理してジアステレオマーの酒石酸塩を形成させることができ、それを塩基、好ましくは水性水酸化アンモニウムで処理して粗(R)−(+)R115777を形成し、それをその後エタノールからの再結晶により精製する。上の中間体酒石酸塩すなわちR−(−)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン[R−(R*,R*)]−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)ブタンジオエート(2:3)は新規化合物であり、そして本発明のさらなる一特徴を表す。生じる(R)−(+)R115777は、国際特許出願第WO 97/21701号明細書に記述されるとおり癌の治療的治療に使用することができる。本発明の方法で使用される式(II)の出発原料は、国際特許出願第WO 97/21701号明細書に記述されるとおり製造することができる。
【0028】
以下の実施例は本発明を具体的に説明する。
【実施例】
【0029】
化合物(III)の製造:
110mlの無水テトラヒドロフランを7.6mlの1−メチルイミダゾール(0.0946モル)に添加し、そして生じる溶液を−15℃に冷却した。37.8mlのn−ヘキサン中2.5M n−ヘキシルリチウム(0.0946モル)を、添加の間温度を−5℃と0℃との間に保ちつつ添加した。添加後、反応混合物を、−12℃に冷却しつつ15分間攪拌した。26.2mlの塩化トリ−iso−ブチルシリル(0.0964モル)を、添加の間温度を−5℃と0℃との間に保ちつつ添加した。添加後に、反応混合物を、−13℃に冷却しつつ15分間攪拌した。37.2mlのn−ヘキサン中2.5M n−ヘキシルリチウム(0.0930モル)を、添加の間温度を−5℃と0℃との間に保ちつつ添加した(若干の沈殿が起こった)。添加後、反応混合物を、−14℃に冷却しつつ15分間攪拌した。128mlの無水テトラヒドロフランを26.22gの6−(4−クロロベンゾイル)−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン(化合物(II))(0.0642モル)に添加し、そして溶解まで攪拌した。この溶液を、添加の間温度を−5℃と0℃との間に保ちつつ、反応混合物に添加した。添加後、反応混合物を−5℃と0℃との間で15分間攪拌した。128mlの水を反応混合物に添加し、次いで10.6mlの酢酸を添加した。混合物をその後40℃に加熱しそして2時間攪拌した。層を分離しかつ有機層を32mlの水で洗浄した。64mlの水および7.8mlの水性50%NaOHを有機層に添加し、それを周囲温度で1時間攪拌した。層を分離しかつ有機層を減圧下に濃縮して、51.08gの褐色油状物(46.6重量%の4−(3−クロロフェニル)−6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン(化合物III);75.6%収率)を生じた。
【0030】
該生成物は上で挙げられた手順を介して単離することができる。生じる生成物を、以下の条件を使用するhplcにより分析した:−
カラム:ハイパーシル(Hypersil)C18−BD 3μm、100mm×4mm(i.d.)
移動相:
溶媒A:0.5%NH4OAc
溶媒B:CH3CN
勾配:
検出器:UV 254nm
溶媒:DMF
生成物は99.8:0.2のC5:C2比を有することが見出された。対照的に、n−ヘキシルリチウムの代わりにn−ブチルリチウム、塩化トリ−iso−ブチルシリルの代わりに塩化トリエチルシリルを使用しかつ−70℃で工程を実施して、すなわち、上で論考された従来技術の手順に全般に従って、生じる生成物は95:5のC5:C2比(商業的意味で有意の差)を有した。
化合物(IV)の製造
1リットル反応容器に、105.4gの4−(3−クロロフェニル)−6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン塩酸塩(化合物(III))を充填し、そして400mlのN,N−ジメチルイミダゾリジノンを22℃で添加した。混合物は22℃で15分間活発に攪拌し、そして均質になった。32.1mlの塩化チオニルを10分にわたって反応混合物に添加し、反応温度を22℃から40℃に上昇させた。塩化チオニルの添加後に、反応混合物を40℃から22℃に冷却し、そして後者の温度で3時間攪拌して、4−(3−クロロフェニル)−6−[クロロ−(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン(化合物(IV))の溶液を提供した。
分割されない化合物(I)の製造
429mlのメタノール中7Nアンモニアを3リットル反応容器中で5℃に冷却し、そして前段階で得られた化合物(IV)の溶液を、10分にわたって攪拌しつつ添加し、発熱反応を伴い、温度が5℃から37℃に上昇した。添加が完了した後に、反応混合物を22℃に冷却しかつ20時間攪拌した。その後、1000mlの水を20分にわたって添加し、添加はわずかに発熱性であり、従って、反応混合物を冷却して温度を30℃より下に保った。その後、混合物を22℃で22時間攪拌し、生じる沈殿物を濾過分離し、そして沈殿物を100mlの水で3回洗浄して、70〜75%の収率の6−[アミノ(4−クロロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾル−5−イルメチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンを提供した。
化合物(I)の分割
a)3リットル反応容器に、146.8gの6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンおよび301.1gのL−(−)−ジベンゾイル酒石酸一水和物を充填し、1200mlのアセトンを添加し、そして反応混合物を22℃で10分間活発に攪拌して溶液を形成し、それを100mgの最終酒石酸塩生成物(以前のスクリーニング実験から得られた)を用いて核とし(seeded)、そしてその後22℃で22時間攪拌した。生じる沈殿物を濾過分離し、そして沈殿物を75mlのアセトンで2回洗浄しかつ生成物を50℃真空中で乾燥して、114.7gのR−(−)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン[R−(R*,R*)]−2,3−ビス(ベンゾイルオキシ)ブタンジオエート(2:3)を生じた。
【0031】
b)41.08gの段階a)の生成物および80mlのエタノールを22℃で15分間攪拌した。12.0mlの濃水性水酸化アンモニウムを2分にわたって添加し、そして反応混合物を25℃で1時間攪拌した。160mlの水を25℃で10分にわたって添加し、そして混合物を還流に加熱しかつ還流で1時間攪拌した。その後、反応混合物を20℃に冷却しかつ20℃で16時間攪拌した。生成物を濾過し、8mlの水で2回洗浄しかつ真空中50℃で乾燥して、16.87gの(R)−(+)−6−[アミノ(4−クロロ−フェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン(化合物(I))を生じた。
化合物(I)の精製
265mlのエタノールを、前段階で記述されたとおり得られた19.9gの化合物(I)に添加し、そして混合物を攪拌しつつ還流温度(78℃)まで加温し、そしてその後、溶液を75℃に冷却する前に還流温度で15分間攪拌した。その後、1.0gの活性炭(ノリット(Norit)A スープラ(Supra))を混合物に添加し、それを還流温度で1時間攪拌し、温かい間に濾過しかつその後フィルターを20mlの温エタノールで洗浄した。濾液および洗浄溶媒を合わせ(生成物は48℃で自発的に結晶する)、そして混合物を還流温度まで加温し、そして203mlのエタノールを除去することにより濃縮した。生じる懸濁物を22℃に冷却し、22℃で18時間攪拌し、2℃に冷却しかつ2℃でさらに5時間攪拌した。沈殿物を濾過しかつ4mlのエタノールで洗浄し、そして生成物を50℃真空中で乾燥して17.25gの精製された化合物(I)を生じ、これは参照物質の赤外スペクトルと一致する。
Claims (10)
- C6−8アルキルリチウム化合物がヘキシルリチウム化合物である、請求項1記載の方法。
- ヘキシルリチウム化合物がn−ヘキシルリチウムである、請求項2記載の方法。
- トリ(C4−6アルキル)シリルハロゲン化物が、ハロゲン化トリブチルシリルである、先行する請求項のいずれか記載の方法。
- ハロゲン化トリブチルシリルが、ハロゲン化トリ−iso−ブチルシリルである、請求項4記載の方法。
- トリ(C4−6アルキル)シリルハロゲン化物が、塩化トリ(C4−6アルキル)シリルである、先行する請求項のいずれか記載の方法。
- 反応が最低−40℃の温度で遂げられる、先行する請求項のいずれか記載の方法。
- 反応が最低−20℃の温度で遂げられる、請求項7記載の方法。
- 反応が−5ないし+5℃の温度で遂げられる、請求項8記載の方法。
- 生じる化合物(III)がその後、(R)−(+)−6−[アミノ(4−クロロ−フェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンの製造のための中間体として使用される、先行する請求項のいずれか記載の方法。
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