JP2004520870A - 非侵襲的な生理学的評価システムおよびその方法 - Google Patents

非侵襲的な生理学的評価システムおよびその方法 Download PDF

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Abstract

内在性および/または誘発性の組織変位か、関連する生物学的反応かの少なくとも1つの局面に関するデータを獲得することにより、組織変位の評価を非侵襲的に行うためのシステムおよび方法が提供される。組織変位および関連する生物学的変化に関するデータは、超音波質問パルスを、好ましくは、散乱検出モードまたはドップラー検出モードで用いて、組織の音響特性を検出することにより獲得される。このデータにもとづいて、組織特性が、評価され、特徴づけられ、監視される。本発明のシステムおよび方法の具体的な用途は、頭蓋内圧(ICP)、動脈血圧(ABP)、中枢神経系の自己調節状態、血管痙攣、卒中、局所的水腫、感染、血管炎と、組織特性の生理変化で特徴づけられる疾病および病状の診断および監視とを含む。集束超音波の適用を用いて組織に狙いを定めて選択的に探査することにより、痛みのような、生理状態および/または生物学的反応を局在定位するための方法およびシステムも提供される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、組織の外来性(誘発性)および/または内在性(内因性)の、変位および/または圧縮を検出することにより、標的組織の医学的に関連する生理特性を評価することである。他の目的は、ある種の生理特性を有する組織または集束超音波(音響探査または触診)の適用に対するある種の生物学的な反応を生じる組織を空間的に局在定位することである。したがって、本発明は、内因性および/または誘発性の組織変位および/またはこれに関連する生物学的反応に関する、少なくとも1つのパラメーターを検出することによる、組織の特性と生理学的な状態との非侵襲的な局在定位、評価および監視のためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
1の実施態様では、組織の音響特性は、内因性および/または誘発性の組織変位および/またはこれに関連する生物学的反応に関係し、それゆえ、組織の特性および生理状態に関係する。これらのシステムおよび方法は、中枢神経系(CNS)組織を評価するために、特に有効である。本発明のシステムおよび方法の具体的な用途は、中枢神経系の急性、慢性および外傷性の損傷または傷害と、頭蓋内圧(ICP)と、動脈血圧(ABP)と、中枢神経系自己調節の状態または能力と、脳潅流圧(CPP)と、血管痙攣と、卒中と、局所的な浮腫と、感染と、脈管炎との非侵襲的評価および監視と、アルツハイマー病と、多発性硬化症と、虚血状態と、低酸素状態と、硬膜下、硬膜上およびクモ膜下の血腫と、脳内出血、腫瘍その他の頭蓋内の塊状物等のような、組織特性の生理的変化により特徴づけられる疾患および病状の診断および監視とを含む。末梢神経組織、心臓組織その他の非骨組織を含む他の組織タイプの内因性および/または誘発性の変位の検出も、中枢神経系以外の生理状態の評価および監視のために利用される場合がある。
【0003】
別の実施態様では、生理状態および/または生物学的反応を局在定位するための方法およびシステムが提供される。内部組織が、痛覚反応を生じさせるために、集束超音波の適用により標的とされ、選択的に刺激される。音響ビームは標的を合わせて集束されるため、全身化された痛みの部位の中で個々の部位を音響的に探査することにより、痛覚の発生源が局在定位され同定される。集束された部位の標的音響探査は、超音波画像化法または磁気共鳴コンピュータ断層撮影法(MRI)のような画像化技術を用いて補完され、あるいは、可視化される場合がある。これらの痛みの局在定位技術は、脊椎と、その他の関節と、さまざまな構造的に複雑な部位における痛みの発生源を局在定位し同定するため、および、例えば、虫垂炎、胆嚢炎、骨盤の炎症、リンパ節症、末梢神経関連疾患等のような内部の痛みの発生源を局在定位し同定するために有効である。
【背景技術】
【0004】
さまざまな器官系および組織の特性を決定し特徴づけるための方法およびシステムが知られている。非侵襲的で非外傷的な技術を用いる内部組織の特徴づけは、多くの領域で有用である。さまざまな癌の非侵襲的な検出は、未だに問題があり、信頼性がないままである。同様に、頭蓋内圧の非侵襲的な評価および監視も、かかる技術の開発に捧げられた努力にもかかわらず、実用的な挑戦である。
【0005】
超音波画像化法は、組織の特性に関する情報を提供することができる非侵襲的な診断の一種である。医療用画像処理の分野では、超音波は、患者の内部の物体または構造の画像を作成するためにさまざまなモードで利用されている。送信モードでは、超音波送信機が物体の1の側面に配置され、前記超音波が、前記物体を通って、超音波受信機に送信される。各画素の明るさは前記受信機に到達した超音波の振幅に相関する(減衰モード)か、あるいは、各画素の明るさは超音波が前記受信機に到達するのに要する時間に相関する(飛行時間モード)かであるように画像が作成される場合がある。代替的に、受信機が送信機と物体の同じ側面に位置する場合には、画像は、画素の明るさが反射した超音波の振幅に相関する(反射または後方散乱またはエコーモード)ように作成される場合がある。ドップラーモードの動作では、組織(または物体)は、前記組織(または物体)から受信機に反射した超音波の位相のシフトを測定することにより画像化される。
【0006】
医療用超音波トランスデューサは、電極により活性化される1または2以上のピエゾ電気素子すなわち圧電素子から構成される。かかる圧電素子は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、PZTセラミック/ポリマー複合材料等から構成される場合がある。電極が電源に接続され、電圧波形が適用されると、圧電素子は、適用された電圧の周波数に対応する周波数でサイズが変化する。電圧波形が適用されるとき、圧電素子は、接続されている媒体に励振波形に含まれる周波数の超音波を発生する。逆に、超音波が圧電素子に当たるとき、圧電素子はその電極の間に対応する電圧を発生する。多数の超音波トランスデューサの構成が当業者に知られている。
【0007】
画像処理に用いるときには、アレイ状に配置され、異なる電圧で駆動される複数の圧電素子を有する超音波トランスデューサが提供される。適用された電圧の位相および振幅を制御することにより、超音波は、合成され、所望のビーム方向に伝搬されて、前記ビームに沿って選択された一点に集束される合成超音波を発生させる。適用された電圧の位相および振幅を制御することにより、前記ビームの集束する点は、被検者をスキャニングするために平面上を移動させることができる。かかる超音波画像化システムの多くが当業者に周知である。
【0008】
音響放射力は、音波の伝搬路にある物体上でその音波によって作用する。超音波トランスデューサによって発生した音響放射力の利用は、組織の硬直性の測定との関係で提唱されてきた。以下の非特許文献1を参照せよ。この刊行物は、集束した超音波放射パルスがトランスデューサの焦点にある物体を変形させるために適用される実験を説明する。この変形は、別のパルス−エコー超音波システムを用いて測定された。組織の硬直性の計測は、前記音響力が連続的に適用されるときの物体の変形の量または速度または音響力が除去された後の変形の緩和の速度にもとづいて実行される。
【非特許文献1】スギモトら、「集束超音波の放射力を利用する組織の硬直性の測定(Tissue Hardness Measure Using the Radiation Force of Focused Ultrasound)」、IEEE Ultrasonics Symposium、377−80頁、1990年
【0009】
他のシステムは以下の非特許文献2に説明されている。このシステムでは、低周波(350kHz)が打診用の力として用いられ、超音波(5MHz)が被検者の画像を作成するために用いられる。前記打診用の力は組織における二次非線形相互作用を攪乱し、これにより従来の超音波パルス−エコーシステムよりの多くの構造的情報が明らかになる場合がある。
【非特許文献2】T.サトウら、「音響的非線形パラメーターの画像化とその医療および産業上の応用:一般化された打診法としての視点」、Acoustical Imaging、20巻、9−18頁、1993年、Plenum Press刊。
【0010】
ファテミ(Fatemi)とグリーンリーフ(Greenleaf)は、干渉する超音波ビームにより発生した局所的周期的放射力に対する物体の機械的反応をマッピングするために音響放出を利用する画像化技術を報告している。物体は、2つの異なる周波数の集束された連続的な超音波ビームの交差する点が前記物体上の選択された点になるように配置することにより、探査される。前記2つのビームが交差する領域における干渉は、超音波エネルギー密度の変調を起こさせ、上記の選択された領域で前記物体に振動を発生させる。前記振動は測定可能な音場を発生する。著者は、超音波音響振動スペクトル法が、材料の非破壊検査と、石灰化した動脈の画像化のような硬い組織封入体の医療画像化および非侵襲的検出と、胸部の微小石灰化の検出と、硬い腫瘍の可視化と、異物の検出とのための潜在的な用途があると推測する。
【0011】
グリーンリーフらの以下の特許文献1および2は、所望の部位で交差するように複数の高周波音響ビームを指向させることにより、標的部位で音響放射力を発生させるための方法およびシステムを開示する。振幅可変放射力は、可変高周波音響ビームを用いることか、あるいは、高周波音響ビームをベースバンドの低周波で振幅変調することかにより、発生する場合がある。物体の機械特性または物体の存在は、適用された音響放射力によって前記物体から発生した音波を解析することにより検出できる。前記物体のイメージは、高周波音響ビームで前記物体をスキャニングし、それぞれのスキャニングされた位置で発生した音波を解析することによって、作成できる。物体の機械的特徴は、高周波音響ビームの交差する部位で発生する動きを検出し、この動きをドップラー超音波核磁気共鳴画像化法を用いて解析することによって評価することもできる。液温、密度および化学的組成のような液体(例えば、血液)の特徴の変化も、振動周波数信号の振幅の変化を評価することにより、検出できる。アテローム性動脈硬化症の検出、液体中の気泡の検出、血流中の造影剤の濃度の測定、物体の位置の測定、物体の動きおよび速度の測定等を含む、さまざまな用途が言及されている。画像化システムも開示されている。
【特許文献1】米国特許第5,903,516号明細書
【特許文献2】米国特許第5,921,928号明細書
【0012】
以下の特許文献3(ウォーカー(Walker)ら)は、粘性またはゼラチン質の生物学的液体の物理的変位を誘発する超音波パルスを発生するための超音波トランスデューサを用いる軟組織検査用の方法および装置と、前記変位の規模を決定する解析技術とを開示する。前記トランスデューサは、超音波エコーパルスを受信して、上記の組織変位を示すデータ信号を発生する。この装置および方法は、硝子体牽引のような眼の疾患の評価および/または診断と関連する、被検者の硝子体の特性を調べるのに特に有用である。
【特許文献3】米国特許第6,039,691号明細書
【0013】
以下の特許文献4(パーカー(Parker)ら)は、低周波振動発生源が物体に振動を発生させるのに用いられ、コヒーレントな、あるいはパルス状の超音波画像化システムがリアルタイムで前記物体の振動の振幅または速度の空間的分布を検出するために用いられる。特に、発生した反射ドップラーシフト波形は、周波数領域推定値または時間領域推定値にもとづいて、前記物体の振動の振幅および周波数を計算するために利用される。このシステムの用途は、胸部画像化のような軟組織の画像化とともに、航空機、船舶、橋のトラスのような受動的な構造の検査を含む。
【特許文献4】米国特許第5,086,775号明細書
【0014】
サルバジアン(Sarvazyan)に付与された複数の米国特許は、組織の弾性を非侵襲的にに同定するための超音波弾性画像化用の方法および装置に関する。異なる弾性特性を有する組織は、例えば、圧力感知アレイとの組み合わせで超音波画像化システムを使用して、前記組織における歪みおよび応力のパターンを同時に測定することによって同定できる。超音波スキャナプローブは、付属の圧力感知アレイとともに、前記組織を変形させる圧力をかけ、前記組織において応力および歪みを発生させることができる。このシステムは、例えば、前立腺の機械的なパラメーターを測定するために用いられる。サルバジアンに付与された米国特許は、伝搬する剪断波を遠隔的に組織に誘発する集束超音波のトランスデューサを使った剪断波弾性画像化も説明する。
【0015】
頭蓋内圧
正常で健康な哺乳類、特にヒトは、一般に一定の頭蓋内体積を有し、それゆえ、一般に一定の頭蓋内圧を有する。さまざまな病状が頭蓋内体積の変化を生じさせ、その結果、頭蓋内圧の変化を発生させる。頭蓋内圧の亢進は、頭蓋内圧が正常以上に上昇して、平均動脈圧に近づくか、あるいは、等しくなるような条件を生じさせて、脳への血流を減らすことになる。亢進した頭蓋内圧は、脳への血流を減らすだけでなく、脳内の細胞の正常な代謝にも影響を与える。
【0016】
最もありふれた頭蓋内圧亢進の原因は頭部の外傷である。頭蓋内圧亢進の他の原因は、乳児揺さぶり症候群、硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳出血、髄膜炎、脳炎、鉛中毒、ライエ症候群、ビタミンA過剰症、糖尿病ケトアシドーシス、水中毒、脳腫瘍、頭蓋腔内のその他の塊状物または血塊、脳膿瘍、卒中、ADEM(急性散在性脳脊髄炎)、代謝異常、水頭症および硬膜静脈洞血栓症を含む。頭蓋内圧の変化、特に頭蓋内圧の亢進は、非常に重症で、生命の危険がある場合もある。これらは、即時に治療し継続的に監視する必要がある。
【0017】
従来の頭蓋内圧監視装置は、硬膜外カテーテル、クモ膜下ボルト/スクリュー、脳室フィステル形成術カテーテルおよび光ファイバーカテーテルを含む。これらの方法およびシステムは全て侵襲的である。硬膜外カテーテルは、例えば、脳手術の間に挿入される。硬膜外カテーテルは比較的感染のリスクが低く、頭部の動きにともなうトランスデューサの調整の必要はないが、硬膜を介するため観測精度は低下し、CSFを排出することはできない。クモ膜下ボルト/スクリュー法は、最小限の脳への穿通しか必要ではなく、比較的感染リスクが低く、直接的な圧力の測定値を提供するが、無傷の頭蓋骨に穿通することが必要であり、CSFをほとんど排出することはできない。脳室フィステル形成術カテーテル法は、CSFの排出および試料採取を提供し、頭蓋内圧の直接的な測定を提供するが、カニューレの軌跡に沿っての感染、脳内出血および水腫のリスクは著しく、頭部の動きにともなうトランスデューサの再定位が必要である。最後に、光ファイバーカテーテル法は、カテーテルを脳室内またはクモ膜下腔内に設置できるため、多目的に使用でき、頭部の動きに伴ってトランスデューサを調整する必要はないが、独立した監視システムを必要とし、カテーテルが比較的脆弱である。これらの従来技術の全てが侵襲的な手順を必要とし、これらのいずれも、定期的に頭蓋内圧を長期間監視するのにはあまり適さない。さらに、これらの手順は、有資格者の神経外科医が勤務する病院でしか実施することはできない。そのうえ、これらの従来技術の全てが、頭蓋内圧を局所的に測定するものであって、この局所的な頭蓋内圧が脳全体の頭蓋内圧を反映すると仮定している。
【0018】
さまざまな方法およびシステムが、頭蓋内圧を間接的におよび/または非侵襲的に測定するために開発されてきた。これらの方法のいくつかは超音波技術に関する。例えば、以下のラガウスカス(Ragauskas)らの特許文献5は、頭蓋内および頭蓋内の両方で眼動脈内の血流の速度を検出する超音波ドップラー装置を使って頭蓋内圧を非侵襲的に測定するための装置を開示する。血流が監視される眼は少し圧力をかけられるが、この圧力は、眼動脈の頭蓋の内部と頭蓋の外部の血流測定値を平衡化するために十分である。かかる平衡化が起こる圧力は、頭蓋内圧の受け入れ可能な指標であると開示されている。実際には、与圧チャンバーが眼の周囲に密封され、前記チャンバーの圧力が眼動脈の頭蓋内部分と頭蓋外部分の血流速度を平衡化するように制御される。
【特許文献5】米国特許第5,951,477号明細書
【0019】
以下のラガウスカスらの特許文献6は、頭蓋内の媒質の特定の領域の特徴の時間依存性を得るための超音波非侵襲的技術を開示する。音響パルスの通過時間の正確な測定が行われて、例えば、脳底動脈または脳室の心拍による拍動性(pulsatility)を示す変動部分を抽出するためか、あるいは、脳組織の圧力の変動と、脳底動脈および脳室の横断面での寸法の変化とを抽出するために処理される。周波数および位相の検出技術も説明される。
【特許文献6】米国特許第5,388,583号明細書
【0020】
ボヌファウス(Bonnefous)に付与された以下の特許文献7の米国特許明細書は、動脈の弾性またはコンプライアンスとその内圧とに関する測定値を計算するための情報を提供する、さまざまな血流および血管のパラメーターの計測用の超音波測定器を開示する。
【特許文献7】米国特許第5,411,028号明細書
【0021】
ミック(Mick)に付与された以下の特許文献8の米国特許は、頭蓋骨の固有振動数と周波数応答スペクトルとの変化を計測することにより、頭蓋内圧の変化を非侵襲的に計測するための方法および装置を開示する。頭蓋の固有振動数と周波数応答スペクトルとの変化は、骨を介しての機械的な波動伝搬を発生する機械的に加えられた振動刺激を適用して、それから、その周波数応答スペクトルを感知することによって、計測される。時間を追ってスペクトル応答のデータを比較することにより、頭蓋内圧の傾向および変化が示される。
【特許文献8】米国特許第5,117,835号明細書
【0022】
ボルヒャルト(Borchert)らに付与された以下の特許文献9の米国特許は、眼内圧(IOP)と、網膜神経繊維の厚さまたは視神経頭の前後位置のような視神経のパラメーターとにもとづいて頭蓋内圧を非侵襲的に決定する方法を開示する。
【特許文献9】米国特許第6,129,682号明細書
【0023】
マッドセン(Madsen)らに付与された以下の特許文献10の米国特許は、頭蓋内圧、眼圧およびさまざまなその他の血液潅流に影響する身体状態の測定値を提供するため、ドップラーシフトと、外部から圧力を手作業で加える前後の血流速度の関係とにもとづいた血流速度の非侵襲的計測のためのシステムを開示する。
【特許文献10】米国特許第6,086,533号明細書
【0024】
ブリジャー(Bridger)らに付与された以下の特許文献11の米国特許は、音響伝送インピーダンス、共鳴振動数、共鳴特性、音速等のような脳と相互作用する音響信号の特性にもとづく頭蓋内圧の計測のための非侵襲的な装置および方法を開示する。100kHz未満の周波数を有する弱い音響信号が用いられる。
【特許文献11】米国特許第5,919,144号明細書
【0025】
カゲヤマらに付与された以下の特許文献12の米国特許は、超音波を用いる頭蓋内圧の測定装置を開示する。頭蓋内の間質の境界での入射超音波の複数の反射によって生じた干渉反射波からのデータが周波数について解析され、前記干渉反射波の要素波(element wave)の間の時間差が計算されて、出力として提供される。説明された装置は、心拍を検出するための心電計と、電圧パルスを発生させるパルサーと、前記パルスを受信し、超音波パルスを頭蓋内に発信し、入射波のエコーを受信するための超音波プローブと、さまざまな計算を行うためのプロセッサーとを取り込んでいる。
【特許文献12】米国特許第4,984,567号明細書
【0026】
ビーチ(Beach)に付与された以下の特許文献13の米国特許は、頭蓋の一方または両方の側頭または延髄に超音波バーストを投射し、異なる深度の組織から受け取ったエコーの読み出しをスクリーンの上に表示することにより、脳の微小出血を検出する方法を提供する。前記エコーの読み出しは、発生した頭蓋に対する脳組織の微小シフトを示した。超音波バーストのタイミングは、患者の心拍と同調していることが必要である。
【特許文献13】米国特許第5,951,476号明細書
【0027】
以下の特許文献14は、集束された強い超音波におけるトランスデューサ素子の位相進みを決定するための方法を開示する。特異的ハーモニックエコーは、治療体積からの全ての方向に分布し、前記特異的ハーモニックエコーの時間的な遅れは前記治療体積に集束したパルスを発振するための伝搬所要時間の測定値を提供する。
【特許文献14】米国特許第6,042,556号明細書
【0028】
以下の特許文献15は、超音波パルスを患者の頭部に適用し、前記パルスが所定の構造に伝搬して、部分的にエコーパルスとして反射される、正中線構造の側方移動の初期診断に用いる超音波脳検査計を開示する。シフトは、前記エコーパルスの伝搬所要時間を測定することにより決定される。
【特許文献15】米国特許第3,872,858号明細書
【0029】
以下の特許文献16は、頭蓋内圧の変化により誘導される脳を覆う硬膜の厚さの変化を超音波でアッセイすることにもとづく頭蓋内圧測定装置を説明する。
【特許文献16】米国特許第4,984,567号明細書
【0030】
以下の特許文献17において、ミカエリ(Michaeli)らは、患者の頭部の脳室のパルスを表す超音波後方散乱を用いる頭蓋内圧の決定法を説明する。これは、エコー心拍動態図(EPG)の解析を含む。
【特許文献17】国際公開第WO00/68647号パンフレット
【0031】
NASAも非侵襲的な頭蓋内圧測定用の方法およびシステムの開発を実施してきた。頭蓋内圧の動力学は、重力の変化への適応を理解するために重要である。頭蓋内圧は、微小重力状態に曝される間に亢進する場合がある。宇宙適応症候群の症状は、頭痛、悪心、噴出性嘔吐を含む頭蓋内圧亢進の症状と同様である。しかし、従来の頭蓋内圧測定技術が侵襲的な性質であるため、頭蓋内圧が微小重力環境で変化しているという仮説はテストすることが困難である。したがって、NASAは、頭蓋内圧のゆらぎとともに起こる頭蓋の動きの検出にもとづいて頭蓋内圧を測定する改良パルス・フェーズ・ロックド・ループ(PPLL)法を開発してきた。頭蓋の拍動の検出は、超音波トランスデューサと反射する標的との間の距離のほんの少しの変化を測定する超音波技術を用いる。この装置は500kHzの超音波バーストを頭蓋骨を通して送信し、このバーストは頭蓋腔を伝搬して、頭蓋の反対側の内面で反射して、前記トランスデューサで受信される。前記装置は、発信された超音波と受信された超音波の位相を比較して、出力超音波と受信される信号との位相の差が90°に維持されるように次回の刺激の周波数を変更する。実験データは、PPLL出力が直接的に測定された頭蓋内圧と予測可能なくらい高い相関性があることを証明した。
【0032】
動脈血圧
動脈血圧は個体の健康状態の基本的で客観的な測定値である。実際、動脈血圧は、「生存症状」と考えられており、医療と保健の全ての領域で決定的に重要である。動脈血圧の正確な測定は、安定状態、切迫状態、緊急状態および手術状態での心臓血管系および血行力学的な健康状態の決定を補助し、患者の健康を最大にするために適切な介入を示す。
【0033】
今日では、動脈血圧は、最も慣用的には、空気式プレチスモグラフィー、あるいは、コロトコフ法としてしばしば説明される空気カフを使用して非侵襲的に測定される。この測定モードは、実行するのは簡便で安価であるが、動脈血圧の最も正確な測定値を提供するわけではなく、動脈壁の状態、患者のサイズ、患者の血行力学的状態および脈管平滑筋の自立的緊張に由来するアーティファクトが起こりやすい。さらに、動脈血圧のカフ測定の繰り返しは、その動脈壁の血管収縮により、誤って亢進した動脈血圧の測定値をもたらす。これらの問題を克服するためと、連続した動脈血圧の測定値を提供するためとに、侵襲的な動脈カテーテルが用いられる。かかるカテーテルは、非常に信頼性が高く、最も正確な動脈血圧の測定値を提供するが、訓練された医療関係者、通常、内科医による取り付けを必要とし、かさばり、精巧で、こわれやすく、無菌状態の器具の使用を必要とする。さらに、カテーテルを取り付けるときに、虚血事象につながる永久的な動脈の傷害のリスクがある。その結果、これらの侵襲的な監視装置は、病院内の環境で、かつ、重篤な患者または手術中の患者についてのみ使用される。
【0034】
ペナーズ(Penaz)に付与された以下の特許文献18の米国特許は、はじめに、プレチスモグラフィー式の脈管の体積用ゲージを備えた圧力カフで設置点を決定すること、そして、動脈血圧を推測するために、測定された動脈の体積を一定に保つことによる、体表から圧迫可能な動脈での自動的で非侵襲的な連続動脈血圧の決定方法を開示する。基本的な血圧波動に重なる圧力の振動を起こす発生器と、血圧波動の振動の変化とが、一定の動脈体積を保つために常時前記カフの圧力を調節する能動的なサーボ機構により監視されており、血圧波動の最高の高調波成分よりも高い血圧波動の振動周波数が、動脈血圧を決定するために用いられる。
【特許文献18】米国特許第4,869,261号明細書
【0035】
ウェッセリング(Wesseling)に付与された以下の特許文献19の米国特許は、はじめに、四肢の周りを覆った液体式圧力カフでのプレチスモグラフィーを用いて設置点を決定すること、それから、開放系と閉鎖系との両方で調整されたカフ圧力の偏差の大きさに影響されるプレチスモグラフィーの信号の波形との関係で、サーボの基準レベルを調整することによって、身体の一部での血圧の間接的、非侵襲的かつ連続的な測定におけるカフ圧力を補正する方法を開示する。
【特許文献19】米国特許第4,510,940号明細書
【0036】
マキルキン(McQuilkin)に付与された以下の特許文献20の米国特許は、時間的に変動する動脈の共鳴振動数、すなわち、血圧を決定するために主要な動脈に設置された、1または2以上のドップラーセンサーを用いる、動脈血圧の連続的な決定のための非侵襲的で非閉塞的な方法および装置を開示する。近位および遠位のセンサーの同時使用か、インピーダンス・プレチスモグラフィー法か、赤外線打診センサーか、部分的にまたは完全に膨張したカフの連続的な振動か、圧力トランスデューサまたは動脈壁に適用された歪みゲージ素子か、壁内の圧力に比例して変化する、時間的に変動する動脈の直径その他の動脈の幾何学的特性を提供する超音波画像化技術か、無線周波数センサーか、磁場センサーかを含む、代替的な方法も説明される。
【特許文献20】米国特許第5,241,964号明細書
【0037】
カーロ(Caro)らに付与された以下の特許文献21の米国特許は、問題の血管の明確な攪乱(励振波形)を誘導すること、および、離れた部位で前記励振波形の成分を含み血液パラメーターを測定することによって、ヒトの動脈系の生理状態を決定する方法を開示する。前記励振器は、関心のある血管に圧力を加えることができる膨張可能な袋からなり、プロセッサにより制御される。心臓血管系疾患と、動脈の弾性と、動脈の厚さと、動脈壁のコンプライアンスと、血圧、脈管壁のコンプライアンス、脳室の収縮、脈管の抵抗、液体の体積、心臓の排出量、心筋の収縮性等のような生理的パラメーターとを含み生理特性が説明される。
【特許文献21】米国特許第5,830,131号明細書
【0038】
シール(Seale)に付与された以下の特許文献22の米国特許は、血管、肺の血管および眼球を含む、人体の選択された部分に振動を非侵襲的に誘導して、前記部分の機械的特徴を決定するためにその反応の性質を検出する方法を開示する。振動を誘導する方法は、機械的駆動装置を含み、反応を検出する方法は、超音波、光学的手段および可視的変化を含む。機械的特徴は、動脈血圧、器官インピーダンス、眼内圧および肺血圧を含む。
【特許文献22】米国特許第4,646,754号明細書
【0039】
ジャクソン(Jackson)らに付与された以下の特許文献23の米国特許は、はじめにシステムを較正して、それから、動脈血圧を決定するために、動脈を通る血流によって生じる動脈壁の動きを測定する、従来の圧力カフのような、分離可能で診断学的に正確な血圧測定装置を用いる、非侵襲的な連続動脈血圧を決定するための方法および装置を開示する。圧電素子が、壁の動きの信号を血圧を算出するために解析可能な電気的な形式に変換するためのリストバンド装置に用いられる。
【特許文献23】米国特許第5,485,848号明細書
【0040】
シュリワ(Sliwa)ジュニアらに付与された以下の特許文献24の米国特許は、圧力の情報を提供するために、血液のような体液中の微小気泡の音響的挙動の変化を用いることによって、圧力および組織特性を決定するための方法および装置を開示する。この発明は、少なくとも2次元で体液の圧力の情報をマッピングし提供する方法と、腫瘍を検出する増強された方法とに向けられている。
【特許文献24】米国特許第5,749,364号明細書
【0041】
ヤン(Yang)らの以下の特許文献は、動脈の血流の動力学的な挙動を監視するために、指のプレチスモグラフィーと、電気インピーダンス光プレチスモグラフィーとを用いて、非侵襲的で連続的に動脈血圧を監視するための方法および装置を開示する。動脈のセグメント上のこれらのセンサーからの測定された信号が統合されて、この血管の上流および下流の動脈の血流を考慮に入れる単純化された血行動力学的なモデルにもとづいてこのセグメントでの血圧が推定される。
【特許文献25】国際公開第WO 00/72750号パンフレット
【0042】
非侵襲的な連続動脈血圧監視は、戦場、緊急輸送、診療所およびトリアージ(triage)診療所を含む、いかなる状況においても、患者の血行力学的および心臓血管系の状態に関する貴重な情報を医療従事者に提供する。さらに、これは、侵襲的なカテーテルのリスクが不当であるか、あるいは受け入れがたい状況(例えば、外来の手順、救急車での輸送等)において、患者の動脈血圧を連続的に監視する能力を臨床医に与える。それゆえ、本発明は、非侵襲的な超音波技術を用いる連続的な動脈血圧の評価のための方法およびシステムに向けられている。
【0043】
自己調節その他の脳の症状
頭蓋内圧、血圧および自己調節は、密接に関連している。経頭蓋ドップラー(TCD)信号において観察されてきた、「A波」、「B波」、「C波」および「プラトー波」として知られる、詳しく記述された周期的な現象が、例えば、動脈血圧および頭蓋内圧と関連する。
【0044】
中枢神経系(CNS)は、さまざまなタイプの組織および液体を含む。脳のような中枢神経系組織に出入りする血流は、一般に拍動性があり、心臓周期のいずれかの時点での脳内全血体積は、全身の血圧と、脳脈管系の保護的な自己調節機構とに関係づけられる。ミリメートル単位の直径を有する主要動脈から、ミクロン単位の直径を有する細動脈まで、これらののさまざまな脳脈管系の生理的なスケールは、頭蓋内圧および自己調節に対して、異なる時間スケールおよび異なる寄与レベルで反応する。脳脈管系の異なるクラスは、脳の異なる変位特性に寄与するヤング係数のような、異なる物性を有する。脳組織が心臓周期とともに拡張すると、脳脈管系は脳に流入する血量を調節し、同時に脳脊髄液は頭蓋腔から出て脊髄領域に入っていき、これにより、相対的に一定の頭蓋内圧を維持する。血液が脳から出て行くと、脳脊髄液は脊髄腔から頭蓋領域へ再流入する。
【0045】
脳のこの周期的収縮拡張の間、脳への適当な血流が維持されなければならず、それゆえ、脳脈管系は、動脈圧平均値のいかなる変化についても補償するために、脳脈管系の抵抗を動的に調整する。脳は、実質的に一定速度の血流を受け入れるが、この速度は脳潅流圧によって決定される。ここで広範囲の動脈圧平均値にわたって
脳潅流圧=動脈圧平均値−頭蓋内圧
である。このようにして、正常条件下では、脳およびその脈管系は、脳への適当な血流を維持するために脳潅流圧を変化させることが可能である。これは自己調節の正常状態と呼ばれている。脳への適当な血流を維持するための脳潅流圧を変化させる能力が失われるとき、自己調節が異常で、頭蓋内圧は動脈圧平均値に直接的に比例するようになる。
【0046】
自己調節が「正常(intact)」か「異常(impaired)」かどうかの臨床的な決定は、一般に、脳血流量(CBF)および動脈圧平均値を監視することによってなされる。脳血流量は、脳内の大きい血管の血流速度を測定するための経頭蓋ドップラー法(TCD)を用いて監視され、動脈圧平均値は、標準的な技術のいずれかを用いて測定される場合がある。全身の血圧を変調−亢進または減退−させるような生理学的なチャレンジが、脳血流量を監視しながら患者に投与される。全身血圧は、例えば、個体の手足の圧力を増大させる(例えば、手足のどれかに圧力カフを適用する)こと、全身血圧を変化させる利尿剤その他の医薬を投与すること等によって変調させられる。全身血圧は、個体にくしゃみまたはせきをさせることによっても変調させることができる。自己調節が正常のとき、脳血流量は一般に広範囲の動脈圧平均値にわたって一定であるが、自己調節が異常のとき、脳血流量は広範囲の動脈圧平均値にわたって増加または減少する。従来の臨床的な自己調節の決定技術は不正確で負担が大きい。さらに、経頭蓋ドップラー法を用いる脳血流量の測定は、患者および該患者の中枢神経系が静止していない場合があるのに、装置の焦点を大きい脳血管に合わせてその状態を維持するために、熟練した超音波診断技師が必要である。
【0047】
同様に、卒中、局所的な浮腫、感染および/または血管炎を意味する場合がある、血管痙攣のような症状の臨床的な決定は、経頭蓋ドップラー(TCD)法を用いて行われるのが一般的である。血管痙攣は、脳脈管系が、患部の血管を通る血流が著しく減少するくらい異常な収縮を起こすが、血流速度の測定値は実際には増加して、一時的な、そして、しばしば永久的な、神経性欠損(例えば、卒中)を引き起こす症状をいう。脳動脈瘤の破裂に由来するクモ膜下出血の結果であることがしばしばである。従来の経頭蓋ドップラー超音波診断法は、血管痙攣の程度を評価するために、大きな脳血管の流速を使用するが、それは、より小さな血管は、正確に局在定位して経頭蓋ドップラーで超音波診断することが不可能だからである。関心のある血管内の血流速度が一定値を超えるとき、血管痙攣が推測される。実際には、経頭蓋ドップラー法は脳内のより小さな血管での血管痙攣を評価するのに十分な感度はないため、経頭蓋ドップラー法は頭蓋基部の大きな血管での血管痙攣を評価することに限定されるのが一般的である。現在のところ、血管痙攣の存在を確認するための一般的な臨床診察は、従来の脳血管造影法を行うことである。これは、大がかりで高価な手順である。したがって、本発明は、中枢神経系組織における、血管痙攣と、卒中、局所的浮腫、感染および血管炎のようなその他の症状との状況における自己調節の状態を評価および監視するためのシステムおよび方法にも向けられている。
【0048】
痛みの発生源の局在定位および診断
痛みは多数の病状のよくある主症状であり、何かがおかしいという最初の警告になることもしばしばである重要な役割を果たすが、極端に非特異的であることもある。痛みの特異性および局在性を増強するための技術から利益が得られる複数のありふれた病状がある。腰痛(low back pain、LBP)は、1つのありふれた病状の主要な例である。腰痛の生涯発症率は60〜90%で、年間発症率は5%であると報告されている。国立保健統計センターによると、毎年、プライマリー・ケアの医師を訪問する新患の14%が腰痛のためであり、約1300万回の訪問が慢性腰痛に関係する。残念ながら、痛みの正確な発生源の同定は困難である。複雑な構造のいくつかの構成部分は密接に関係しているが、ただ1つだけが発生源かもしれない。米国の労働力の半分が腰痛を訴えているが、これらの患者の約20%だけが痛みの発生源を特定する診断につながっている。X線、コンピュータ断層撮影法および磁気共鳴映像法は、腰痛患者の主要な画像診断テストであり、これらは解剖学的な異常を鋭敏に映し出すが、解剖学的な知見と患者の症状との間の関連性はせいぜい中くらいである。
【0049】
近年、腰痛の専門家は、痛みの発生源を同定することを試みて、侵襲的で症状の発現を促進するようなテストに頼り始めている。医師は、痛みを誘発するように椎間板造影法用の注射針を椎間板に挿入し、局部麻酔およびステロイドの注射により痛みを誘発し、その後痛みを取り除くために、関節面および仙腸骨関節の間に注射針を挿入する。これらのテストは患者にとってしばしば不快で、感染および対比反応(contrast reaction)のリスクをともなう。
【0050】
高齢者においては、骨粗鬆症による圧迫骨折は非常に頻度が高い。発症率は年間700,000骨折例で、毎年160,000回の医師への訪問と500万日以上の行動の制限された日々とを生じさせている。最近まで、よい治療の選択肢はなかった。メチルメタクリレートを椎体に経皮的に注入する椎体形成術は、これらの骨折の新規で有望な治療法である。しかし、複数箇所の骨折をした患者では、痛い骨折箇所を同定することは困難な場合がある。痛い骨折箇所を局在定位するための試みとして、打診、あるいは理学的検査と、骨スキャニングと磁気共鳴画像化法とは、全て利用されてきたが、その成功の程度はさまざまであった。
【0051】
腰痛は特異性の改良から利益が得られるありふれた痛みの病状であるが、他の病状も存在する。虫垂炎の診断は困難で不正確である。CTおよび超音波のようなハイテク画像診断法の使用にもかかわらず、JAMAの最近の総説は、虫垂摘出術での偽陽性の発生率に変化がないことを証明した。さらに、手作業での腹部の触診が、特異性が低いけれども、いまだに標準テストであって、その結果は一定しない。
【0052】
症状(symptons)は患者が自発的に訴えるものであるが、徴候(sign)は診察する医師によって引き出される。上記の病状において、痛みの症状は、問題があるという信号を発するが、その問題の所在を特定することはないのがしばしばである。したがって、腰痛その他の疾患、特に、炎症性の要素がある疾患(例えば、虫垂炎、胆嚢炎、膵炎、骨盤の炎症疾患等)のケースでは、精度が高く、信頼性があり、非侵襲的なやり方で、体内の複雑な構造の個々の構成部分(例えば、椎間板、椎体、椎弓板および脊椎関節突起)を刺激して、痛みの正確な発生源を同定し、空間的に局在定位させる。それゆえ、本発明の方法およびシステムは、さらに、痛みのような、生理状態および/または生物学的な反応を局在定位させることにも向けられる。
【0053】
発明の概要
本発明は、誘発性および/または内在性の組織変位および/または生物学的反応に関するデータにもとづいて、誘発性および/または内在性の組織変位の検出および生理学的な組織特性の評価のための方法およびシステムを提供する。内部組織の生理特性は、本発明の技術を用いて非侵襲的に評価される場合がある。例えば、心臓周期および/または呼吸周期に由来するか、あるいは、明確な時間空間的な特徴を示しつつ、非侵襲的かつ非傷害的なやり方で誘発された内在性の組織変位を経験するいずれかの組織は、本発明の方法およびシステムを用いて評価することができる。痛みのような、生理状態および/または生物学的な反応は、本発明の方法およびシステムを用いて局在定位することができる。例えば、組織変位および生物学的な反応は、音響放射力または温度変化または組織の空洞形成を生じる、1または2以上の音響的なビームの適用によって誘発される。音響探査信号を標的組織部位に適用すること、音響散乱データを取得することをともなう音響的な検出技術が好ましいが、近赤外スペクトル(NIRS)法、磁気共鳴法、ハイドロホン等を含む、代替的な検出技術を用いる場合がある。
【0054】
それゆえ、本発明の方法およびシステムは、さまざまな臨床的なパラメーターを評価し、局在定位させ、監視するうえで、そして、さまざまな病状、反応および疾患の状態を診断し、局在定位させ、監視するうえで有用である。これらの方法およびシステムは、例えば、非侵襲的に組織の硬直性およびコンプライアンスを検出するうえで、そして、組織の硬直性およびコンプライアンスに関連する状態を評価するうえで有用である。前記方法およびシステムは、例えば、集束超音波を利用して非侵襲的に標的組織部位を探査して、損傷を受けた組織または進行中の疾患の過程に関連する痛みのような組織の反応を局在定位するうえでも有用である。集束超音波を適用することにより内部組織を標的として探査することは、痛みの高感度の局在定位を提供し、虫垂炎、胆嚢炎、骨盤の炎症疾患、膵炎およびリンパ節症のような痛みを生じる多数の病状を診断するためと、脊椎その他の関節およびその他の体内の部位での痛みの発生源を局在定位し同定するためとに用いる場合がある。
【0055】
したがって、本発明の1の実施態様では、方法およびシステムは、個々の痛みの発生源である可能性がある部位を、集束的に、非侵襲的に、そして、安全に、刺激することによって、痛みを鑑別診断し局在定位するために、非侵襲的で集束超音波を利用する。組織の標的音響探査は、標的組織部位に集束超音波パルスを適用することによって提供される。例えば損傷している組織を含む標的部位に、適当な規模(magnitude)、周波数、強度(intensity)および/またはパルス反復速度の音響(超音波)パルスを適用することは被検者に痛覚を誘発するが、損傷していない組織部位に超音波ビームを適用することは痛覚を生じない。痛みのレベルまたはタイプは、痛みの反応を誘発するために要する、集束音響ビームの規模、周波数、強度および/またはパルス反復速度に関係する場合がある。
【0056】
超音波ビームの集束的な適用を用いて、本発明の方法およびシステムは、未分化の痛みの全身的な部位の中で、痛みのような生物学的反応の発生源を局在定位するために用いられる。音響探査は、離散的な「ポーク(poke)」を生じる集束超音波の離散的な適用をともなうか、あるいは、グリーンリーフ(前出)によって説明されたとおりの、組織の振動を生じる音響エネルギーの適用をともなう場合がある。痛みの発生源を局在定位するために集束音響探査を利用する主な利点の1つは、痛みの鑑別診断が全く非侵襲的なやり方で提供されることであるが、痛みのようなさまざまな生物学的反応を刺激する音響的な技術の使用は、さまざまなタイプの診断および外科用の装置(例えば内視鏡等)のような、侵襲的、半侵襲的、または、最小限に侵襲的装置および手順と連繋して使用される場合がある。
【0057】
以下に詳しく説明される集束音響探査技術は、超音波または磁気共鳴スキャニング診断技術のような画像診断技術と組み合わされて、音響プローブの位置を特定し、痛み反応が誘発されるとき、その痛みの発生源を特定することができる。被検者の意識があるときは、該被検者の主観的な痛覚が上記の画像化技術と併用されて、全身的な痛みの部位の中を音響プローブの焦点が移動するときに痛みの発生源を特定することができる。被検者の意識がないとき、または、被検者の痛みがマヒまたはブロックされているときには、他の痛みの生理的反応または指標が痛みの発生源を同定するために用いられる。超音波ビームの集束的な標的への放射は、例えば、音響トランスデューサの位置および/または焦点を選択的に変化させることにより達成され、集束的な音響ビームおよび前記反応の発生源の局在定位は付属の画像化装置によって提供される。
【0058】
痛みのような生理状態および反応を局在定位するための組織部位の集束音響探査は、集束音響ビームの適用および通過のために十分な音響的な窓が利用可能ないずれの組織部位でも使用することができる。腹部および/または骨盤の領域での全身的で未分化の痛みの局在定位は、虫垂炎、胆嚢炎、膵炎、痛みを特徴とする多数の胃腸疾患、胆石、腎臓結石、膀胱炎およびさまざまな痛みのある膀胱の病状、月経障害、卵巣および子宮の病状等の診断に供される。脊椎領域と、膝、足首、肩、臀部、仙腸骨その他の関節のような関節とにおける、全身化された未分化の痛みは、本発明の集束音響探査技術を用いて局在定位され、痛みの発生源は、例えば、軟骨、筋肉、神経、靱帯、腱等のように同定される場合がある。音響的打診を誘発するために集束超音波を使用して、例えば、腰痛が椎間板に関係するか、あるいは、関節面、椎体、神経、筋肉等に発するかであるとして局在定位および同定される場合がある。末梢神経に関する痛みと、例えば、癌および感染に由来するリンパ節症とが、診断および局在定位される場合もある。
【0059】
多くの状況では、組織部位はものすごい痛みはないが、肥大するか、それとも異常である場合がある。音響探査は、肥大し、あるいは異常な組織部位の中に局在した痛みの部位があるかどうかを同定し、それにより、陽性の診断を提供するためか、あるいは、少なくともある種の診断を排除するためかに用いられる場合がある。肥大した組織部位は、例えば、腫瘍、他の異常増殖、炎症を起こした組織等に由来する場合がある。癌性のリンパ節は一般に痛まないが、炎症の二次性の肥大したリンパ節は痛むのが一般的である。したがって、ここに説明する技術を用いる音響探査は、頭頚部に既知の原発腫瘍を有する患者において、リンパ節症が良性か転移性かの鑑別診断を提供する。本技術は、縦隔および骨盤のような、他の解剖学的な部域での鑑別診断を提供するうえでも有用である。
【0060】
別の面では、本発明の方法およびシステムは、中枢神経系の組織特性と、頭蓋内圧を含む関連する臨床的パラメーターとを非侵襲的に評価するために用いられ、代表的な実施態様は、中枢神経系の組織特性と頭蓋内圧との非侵襲的評価との関係で説明される。本発明の非侵襲的方法およびシステムは、動脈血圧および脳潅流圧とを評価するためと、急性、慢性および外傷性の中枢神経系の損傷と、傷害、血管痙攣、卒中、局所的浮腫、感染血管炎、硬膜下および硬膜上血腫、クモ膜下出血、虚血状態、多発性硬化症、アルツハイマー病、低酸素状態、脳内出血、腫瘍その他の頭蓋内塊状物等のような中枢神経系の病状とを、評価、診断、局在定位および監視するにも有用である。他の面において、本発明の方法およびシステムは、心臓組織、末梢神経その他の非骨組織を含む、他の組織における異常の評価、診断、局在定位および監視をするために用いられる一部のケースでは、評価は、比較組織サンプルとの対比とは独立に行われるが、別のケースでは、評価は、さまざまな標的組織部位の特性の比較により行われる。一部の実施態様では、測定された組織特性が経験的に決定された基準と対比される。
【0061】
本発明の方法およびシステムの1つの面は、標的組織部位での内在性および/または誘発性の組織変位か、関連する生物学的反応かに関する中枢神経系組織の特性との関係で、頭蓋内圧を含むさまざまな臨床的パラメーターを評価し、監視することに関する。「正常(normal)」な脳組織は、コンプライアンスおよび弾性がある。脳は脳脊髄液の中にあり、閉鎖された頭蓋の円蓋によって保護されている。心臓周期の各サイクルごとに、一塊りの動脈血が流入し、静脈血が脳実質から流出して、呼吸により変調されるやり方で、心臓周期の間に脳組織の拡張と収縮とを起こさせる。心臓周期の中のいかなる時点においても脳内の全血液体積は、全身の血圧と、脳の脈管系の保護的な自己調節機構との関数である。脳の周期的な収縮および拡張の間、脳への血流が維持され、脳脈管系は、動脈圧平均値の変化を補償するために、動的にその抵抗を調節する。
【0062】
頭蓋内圧および自己調節の状態は、入手可能な臨床的技術を用いて測定することが困難で、監視することはさらに困難な、必須の臨床パラメーターである。図1Aは、伝統的な侵襲的手段によって測定された、典型的な頭蓋内圧の波形を示す。この頭蓋内圧曲線は、呼吸周期および動脈血圧の波形に重なる。図1Bは、図1Aのボックスに囲まれた波形の拡大図を示し、心臓周期および自己調節システムの要素に由来する波形の標準的な形状を示す。脳脊髄液圧の波形は、全身の血圧の波形と同様である。これは、「衝撃波」(P1)、「動揺波」(P2)および「重拍波」(P3)という3つのほぼ一貫した成分を有する。P2とP3との間の重複切痕は、動脈波の重複切痕に対応する。
【0063】
呼吸波は、胸内圧を反映して、中心静脈圧の変化に同調している。具体的には、吸気の際、動脈血圧と同様に、胸部の内腔の体積が拡張するため、胸内圧は低下し、それゆえ、頭蓋内圧は低下する。排気の際、胸内圧は胸部の内腔の体積が減少するため、動脈血圧が増加し、それゆえ、頭蓋内圧が増加する。呼吸が機械的なベンチレータによって呼吸が介助される被検者についても反対が正しい。機械的なベンチレータを用いる胸内圧の調節は、ある程度までは、動脈血圧および頭蓋内圧を調節するために用いられる。正常には、心拍の振幅は約1.1mmHgで、心臓および呼吸による変動の合計は約3.3mmHgである。
【0064】
脳組織と、例えば、脳脊髄液、脳脊髄液または脳実質に隣接する組織、視神経のような脳神経等を含む、他の中枢神経系組織とは、頭蓋内圧の評価に適した標的組織部位である。中枢神経系組織に内在性の力が脳に加えられるとき、あるいは、中枢神経系組織に外来の(誘発された)力が加えられるとき、頭蓋内圧の亢進は、呼吸、周期的な血流、補償的な脳脊髄液および静脈の流出および脳脈管系の自己調節にもとづく変化の結果、脳その他の中枢神経系組織において、相対的に硬直性を高くし、あるいはよりコンプライアンスが少なくする。組織が圧縮されたり拡張したりするとき、あるいは、それぞれ血管収縮または血管拡張の際、血管の特性は変化する、すなわち、管壁が、より硬直したり、より柔軟になったりして、例えば、脳脈管系の拍動の局所的徴候を生じる。
【0065】
発明者は、中枢神経系、特に、脳組織および視神経組織の硬直性は、内在性および/または誘発性の中枢神経系組織変位または関連する生物学的反応に関する音響特性の観察によって、評価することができることを確立した。関連する生物学的反応は、局所的潅流速度、血流速度および電気生理学的活性の変化を含むが、これらに限定されない。組織の音響特性と、組織の硬直性と、内在性および/または誘発性の組織変位と、関連する生物学的反応とは、頭蓋内圧その他の中枢神経系の状態に経験的に関係がある。
【0066】
組織の音響特性の評価は、本発明の方法およびシステムの好ましい実施態様であるが、組織の硬直性またはコンプライアンスのような組織特性の評価のために用いられる内在性および/または誘発性の組織変位および関連する生物学的反応に関するパラメーターは、近赤外分光技術(NIRS)、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)、磁気共鳴技術、陽子射出断層撮影法(PET)、外部電気生理学的刺激法等のような非侵襲的光学検出技術を含む、他の非侵襲的な技術を用いて測定される場合がある。携帯式の比較的安価な磁気共鳴スキャナは、例えば、以下の非特許文献3に説明されている。組織変位および関連する生物学的反応のさまざまな時間空間的側面を測定するためにこれらの技術を利用することは、一般に知られている。
【非特許文献3】California Institute of Technology Engineering and Science publication(カリフォルニア工科大学科学技術刊行物)、64巻、2号、2001年
【0067】
超音波検出技術を用いることが、多くの実施態様について好ましい。超音波の発生源および検出器は、放出モードか、あるいは、圧力波の剪断波への転移とその反対とを調べるモードを含む、さまざまな反射または散乱モードかで使用される場合がある。超音波検出技術は、超音波照射を受けた組織からの音響放出を監視するためにも用いられる場合がある。音響散乱、特に後方散乱の変化または音響放出の変化の測定をともなう検出技術は、本発明の方法およびシステムに使用するために特に好ましい。組織特性に関する典型的な音響散乱または放出のデータは、音響信号の振幅の変化、音響信号の位相の変化、音響信号の周波数の変化、質問信号と比較した散乱または放出された信号の長さの変化、心臓周期および/または呼吸周期の中での音響信号の主要なおよび/またはその他の最大および/または最小振幅の変化、を含む散乱または音響放出の変化と、心臓周期の中のその後の平均または偏差または分布に対する最大および/または最小振幅の比と、同一の位置での異なる時点および/または同一の時点での異なる位置における、散乱または放出された信号の時間的または空間的な偏差の変化と、変位の速度または加速度のような内在的な脳組織変位または緩和の全ての可能な変化速度と、これらに類するものとを含む。複数の質問信号が、同一または相異なる周波数、パルス長、パルス反復周波数、強度で使用される場合があり、前記複数の質問信号は、同一の場所または複数の場所から、同時におよび/または逐次的に送られる場合がある。
【0068】
選択された標的組織部位からの音響散乱および/または放出データ、または、組織変位、組織硬直性等のような派生的な(derivative)測定値は、有用な組織特性または頭蓋内圧のような臨床パラメーターに対して、経験的な関係式および/または数学的なモデルを用いて関係づけられる。一般に、高い組織硬直性および/または低いコンプライアンスは高い相対的頭蓋内圧を表し、低い組織硬直性および/または高いコンプライアンスは低い相対的頭蓋内圧を表す。同様に、組織硬直性と関係する音響散乱および/または放出の部域的な相違および/または変化は、血管痙攣か、虚血性または低酸素性の病状か、腫瘍またはその他の塊状物か、アルツハイマー病、多発性硬化症等のようなさまざまなの疾患状態の存在または進行かのような、局所的な病状を表す。平均動脈血圧および/または連続動脈血圧の非侵襲的測定と、心臓周期および/または呼吸周期の軌跡とのような、追加的なデータは、頭蓋内圧その他の臨床的なパラメーターか、組織の病状かを評価するために、音響的なデータと併用される。
【0069】
「能動的」および「受動的」の両方のモードにおいて、異なる場所から照射されおよび/または異なる時間に照射された、単一または複数の質問信号は、単一または複数の標的組織部位を照射する場合がある。照射された標的組織の音響特性は、内在性および/または誘発性の組織変位か関連する生物学的反応かを評価するために、散乱データまたは放出データを、同時におよび/または逐次的に獲得することにより評価される場合がある。一部の実施態様では、内在性および/または誘発性の組織変位の測定値の絶対値が有用である場合があるが、他の実施態様では、内在性および/または誘発性の組織変位の測定値は、獲得されたデータと経験的に決定された基準値との対比、同一または相異なる時点で相異なる標的組織部位から獲得されたデータとの対比および/または経時的に標的組織部位から獲得されたデータとの対比によって、評価される。能動的および受動的なモードは、個別に、あるいは、併用して、標的組織を評価するのに用いられる場合がある。
【0070】
組織標的部位は、体積が大きく、中枢神経系の組織特性の大まかな評価のために広い領域に関するデータを提供する場合がある。しかし、本発明の方法およびシステムの利点の1つは、高い空間的解像度で局所的な組織部位からのデータを提供するために、標的組織部位の体積が小さく、空間的に分解されている場合があることである。このようにして、組織特性の局所的な差異が、同定され、検査された組織内での空間的な位置と関係づけられる場合がある。1の実施態様によると、さまざまなサイズおよび/または位置の組織部位が、同時にまたは逐次的に評価される。たいていの用途について、1mmから100cmまでの体積を有する標的組織部位に質問信号を発し、検出することができる、音響発生源および/またはトランスデューサの使用が適当である。
【0071】
「能動的」および/または「受動的」モードでの組織の音響特性にもとづいて、頭蓋内圧のような中枢神経系の組織特性を評価および/または監視するために、標的組織部位は、脳組織か、視神経または視神経円板組織のような、他の中枢神経系組織かであることが好ましい。心臓周期および呼吸周期の過程での音響散乱データおよび/または放出データの獲得および処理によって決定された、脳、視神経および視神経円板組織の硬直性および/またはコンプライアンスは、頭蓋内圧と関係がある。一部の用途については、中枢神経系の標的組織部位は、組織サンプルの均一性にもとづいて選択されるが、他の用途については、標的部位は、その標的部位の内部での組織タイプの既知の変化または予測された変化にもとづいて選択される。
【0072】
受動的モードで動脈血圧データなしの中枢神経系特性の評価には、脳室以外の中枢神経系標的部位が一般に好ましい。脳室、脈絡叢、脊柱等のような液体貯蔵部位またはその近傍の中枢神経系の部位のような、脳室の標的組織部位は、臨床的に重要なパラメーターを評価するために、動脈血圧データが、内在性および/または誘発性の組織変位に関する音響データと併用されるとき、適当な標的組織部位である場合がある。また、能動的動作モードまたは能動/受動併用動作モードにおいては、脳室の標的組織部位が適当である。1または2以上の中枢神経系標的組織部位が、同時に、あるいは逐次的に、監視され、評価に寄与する場合がある。
【0073】
頭蓋内圧または動脈血圧か、あるいはさまざまな組織特性かの局所的な差異は、内在性および/または誘発性の組織変位か、あるいは関連する生物学的反応かに関する、音響散乱データまたは音響放出データを、同時にまたは逐次的に獲得することにより評価される場合がある。異なる頭蓋内圧または動脈血圧特性と異なる組織特性とを有する、組織部位を局在定位する能力は、頭蓋内圧および動脈血圧の異常、血管痙攣を表す血管異常、卒中、低酸素性または虚血性の病状、硬膜下および硬膜上血腫、脳内出血、感染、血管炎等を局在定位するうえで有用である。異なる組織硬直特性を有する組織部位を局在定位する能力は、「異常な」コンプライアンス特性を有する組織を局在定位し同定するうえで有用であり、アルツハイマー病、多発性硬化症、腫瘍その他の頭蓋内塊状物等のような病状を、診断し監視するために用いられる場合がある。
【0074】
本発明の「能動的」および/または「受動的」音響システムを用いる中枢神経系標的組織部位の評価および監視は、脳脈管系の状態および病状の測定値を提供する。例えば、血管痙攣は、大きい脳血管の流速を調べるための経頭蓋ドップラー超音波診断法を用いて評価されるのが伝統的である。関心のある血管内での血流速度が一定の値を超えるとき、血管痙攣が推測される。血管痙攣を起こす場合がある小さい脳血管は、経頭蓋ドップラー技術を用いて正確に局在定位することはできないのが一般的である。中枢神経系(例えば脳)の組織変位を評価するための本発明の方法およびシステムを用いて、選択された標的組織部位の拍動性の変化が評価され、血管痙攣の病状にある組織を空間的に局在定位し同定する場合がある。これらの方法およびシステムを用いて、血管痙攣は、頭蓋底部の大血管だけでなく、脳全体で評価できる場合がある。同様に、超音波で測定され、ここに説明される技術を用いる、脳の中枢神経系組織特性の変化の評価は、卒中、局所的水腫、感染および血管炎のような、さまざまな病理的状態の重篤度および進行の決定と監視とを可能にする。
【0075】
さらに別の面では、本発明の方法およびシステムは、頭蓋内圧、動脈血圧、脳潅流圧その他の中枢神経系組織特性の決定とともに、あるいは、前記決定とは切り離して、患者の自己調節の状態を非侵襲的に決定するために用いる場合がある。ここに説明された、心臓周期および/または呼吸周期の過程での内在性および/または誘発性の組織変位を評価するための本発明の非侵襲的な方法およびシステムは、患者の自己調節状態または能力を評価するための従来のアプローチにおける、頭蓋内圧、脳潅流圧および/または自己調節の評価のための従来の侵襲的な方法およびシステムの代わりとなる場合がある。前記内在性および/または誘発性の組織変位のデータは、以下のより詳しく説明されるとおり、自己調節状態または能力を評価するために、平均および/または連続動脈血圧に関するデータで補われる場合がある。そして、例えば、予測可能なやり方で動脈血圧を変化させる行動を被検者にやらせることによるか、ベンチレータを用いて胸内圧を調節することによるか、利尿剤および/または血管拡張剤または血管収縮剤のような、動脈の血流を変調させる薬物を投与することによって、生じた動脈血圧の変調を起こすチャレンジが、自己調節を評価するために、本発明の方法およびシステムと併用される場合がある。
【0076】
さらに別の面では、本発明の非侵襲的システムおよび方法は、経験的に確立した関係および/または数学的モデルを用いて、断面の収縮および拡張の繰り返しその他の動脈または静脈の幾何学的特性または材料特性を測定するために、音響技術を用いて動脈および静脈の血圧の測定値を提供する。別の面では、血圧は、心臓周期とともに血管が収縮し拡張するのにともなって変位する、血管周辺の組織の収縮および拡張の繰り返しを測定するために、音響技術を用いて決定される。音響検出技術を用いて決定される幾何学的特性は、直径、断面積、アスペクト比、直径、速度等の変化の変化速度を含む。音響検出技術を用いて決定される材料特性は、血管壁の硬直性または血管壁の近傍の組織の硬直性を含む。血圧は、例えば、1または2以上の血管またはその近傍の標的組織部位から、能動的および/または受動的モードで音響データを獲得することにより、評価される場合がある。中枢神経系標的組織部位からの音響データが組織硬直性と関係づけられ、前記硬直性が頭蓋内圧と関係づけられるのと同様に、音響データは血管壁または支持組織の硬直性と関連づけられ、前記硬直性は血圧と関係づけられる。動脈または静脈の血圧を決定するために適当な標的組織は、いずれかの血管または周辺組織を含むものであってもよい。超音波散乱データの検出は、例えば、同一の血管の中の同調的なドップラー血流測定値と関係づけられる場合がある。
【0077】
従来の血圧装置により得られた血圧の測定値を用いる較正ステップが、血圧決定に取り込まれる場合がある。血管壁の振動速度のような血管の拍動性の音響的な代理パラメーターが、これらの定量の直接的な測定値の代わりとなる場合がある。この方法では、監視される血管の直径(またはその他の幾何学的特性)の自発的な変化が超音波を用いて評価され、この情報が、(例えば相関技術を用いて、)同一の血管内の同調的ドップラー血流計測値と関係づけられる。血管の直径(またはその他の幾何学的特性)は、血液によって血管壁に加えられる圧力の関数であり、血流速度はその血液が通過する血管の直径(または半径)に依存するため、血圧は、ドップラーによって測定される流速から計算される。関心のある血管の拍動性と、この部位の近位および遠位のドップラー流速とを同時に測定することにより、連続的な血圧を決定することができる。
【0078】
以下に詳しく説明する1の実施態様では、超音波トランスデューサのような音響検出器が、組織変位または関連する生物学的反応を表す、以下の1または2以上の動作モードでの超音波信号を検出する。送信、反射、散乱、放出、後方散乱、エコー、ドップラー、カラー・ドップラー、高調波画像法(harmonic、subharmonic or superharmonic imaging)、aモード、mモードまたはbモード、既知の周波数、強度およびパルス反復速度を有する超音波質問パルスが、所望の標的組織部位に照射される。前記超音波質問パルスの周波数、強度およびパルス反復速度は、前記質問パルスが望ましくない副作用を発生せず、例えば、血流および呼吸に由来する内在性の組織変位と実質的に干渉しないように、選択される。送信された信号、信号反射、音響放出、後方散乱のような散乱および/または前記質問パルスのエコーが、検出され、内在性の組織変位および/または標的組織部位での組織特性を評価するのに用いられる。受動的評価モードの好ましい実施態様では、音響検出器は、照射された質問信号の後方散乱を検出するように実施される。音響検出器は、さらに、あるいは、代替的に、ドップラーモードで作動され、検出器に反射した超音波の位相シフトを測定する場合がある。
【0079】
さまざまな技術が、内在性および/または誘発性の組織変位または関連する生物学的反応に関する獲得された音響データを解析するために用いられる場合がある。例えば、相互相関、自己相関、ウェーブレット解析、フーリエ解析、CWドップラー、重み付き差分絶対値和(sum absolute difference)等のような、超音波画像法との関連で開発され利用されている解析技術は、組織の変形のさまざまな特性を決定し、組織の変形を組織特性と関係づけるために用いられる場合がある。偽ピーク補正技術は、評価の精度を向上するために用いられる場合がある。さらに、心臓周期の中での大小の内在性の脳組織の振動特性、すなわち、心臓周期の中または複数回の呼吸周期にわたる大小の内在性振動の間の関係は、経験的に、頭蓋内圧その他の組織の特性および病状と関係づけられている。これらの決定は、動脈血圧および/または呼吸および/または外在性の組織変位に関する追加の情報とともに、あるいは、かかる追加の情報なしで、実行される場合がある。
【0080】
本発明の方法およびシステムは、他のタイプの診断および監視システムに備わる、制御と、データの保存および操作との特徴と同様の制御と、データの保存および操作との特徴を取り込んでいることが好ましい。制御の特徴、データ保存の特徴、データ処理の特徴、データ出力の特徴等のさまざまなタイプは、当業者に周知であり、本発明とともに使用するために適合される場合がある。
【0081】
本発明の方法およびシステムのさまざまな動作モードが、以下と、好ましい実施態様との説明において説明される。
【0082】
「受動的」音響モード
「受動的」音響モードでは、本発明の方法およびシステムは、内在的(内発的)組織変位に関するデータを獲得するために、超音波のような音響技術を利用する。例えば、超音波後方散乱および/または放出のデータは、内在性組織変位と関係するが、この内在的組織変位は、頭蓋内圧と、動脈血圧と、脳潅流圧と、血管痙攣、卒中、局所的水腫、感染および血管炎と、アルツハイマー病、多発性硬化症、虚血状態、低酸素状態、硬膜下および硬膜上血腫、クモ膜下出血、脳内出血、腫瘍その他の頭蓋内塊状物等とのような病状を表す、さまざまな組織特性に関係づけられる。音響散乱測定は、また、中枢神経系組織の自己調節状態および/または能力を評価するためにも用いられる場合がある。さらに、平均動脈血圧および/または連続動脈血圧、血流等のような追加のデータが、これらの決定において使用される場合がある。
【0083】
例えば、動脈血流および脳脊髄液供給の過程での内在性の変位が起こっている中枢神経系の標的組織部位からの音響散乱の規模または振幅または位相は、例えばヤング率のような中枢神経系組織の硬直性と直接関係があり、したがって、経験的に頭蓋内圧と関係がある。代替的に、あるいは、追加的に、1回の心臓周期か、1または2回以上の呼吸周期によって変調された1回の心臓周期かの間の、中枢神経系組織の大小の内在性の振動の間の関係は、経験的に頭蓋内圧と関係づけられている。決定され、組織特性と関係がある追加的な内在性の組織変位の特性は、以下のとおりである。心臓周期の中の最大振幅、前記最大振幅と心臓周期の間のその後の振動の平均または偏差との比、変位の速度または加速度のような、内在性の中枢神経系組織変位または緩和の全ての可能な変化速度等。動脈血圧測定値および/または呼吸のデータのような、追加的なデータは、収集され、前記音響データとともに、頭蓋内圧、脳潅流圧、自己調節状態または能力等のさまざまな評価および測定を行うために利用される場合がある。
【0084】
第1の「能動的」音響探査モードまたは打診モード
第1の「能動的」モードでは、本発明の方法およびシステムは、集束超音波の適用により、標的組織を刺激または探査するか、あるいは、標的組織部位に反応を誘発する。集束超音波の適用に対する標的組織の反応は、変位または相対的な位置の変化か、痛みのような感覚か、温度変化か、血流の変化か、その他の検出可能な反応かの場合がある。例えば、標的組織部位を「打診」するために音響放射力を提供することは、1または2以上の音響信号を照射することによって達成される場合がある。超音波のような非侵襲的技術と、近赤外分光法および光コヒーレンス断層撮影法のような光学的技術と、磁気共鳴技術、外部電気生理学的刺激、患者の反応等を含む他の技術とは、集束超音波の適用に対する少なくとも1つの反応を評価するために用いられる。超音波画像法または磁気共鳴画像法のような、可視化または画像化技術は、集束超音波パルスの狙いを定めるのを補助し、差次的に反応する組織を局在定位するのを補助するために用いられる場合もある。
【0085】
超音波のような音響的技術は、痛みのような生物学的反応を誘発し、生物学的材料を歪みまたは変形させるために用いられる場合がある。例えば、以下の非特許文献4は、集束超音波の短いパルスがヒトの組織の表層および深部のレセプター構造を刺激して、特に痛覚を含む、異なる体性感覚の感知を誘発することを示した。
【非特許文献4】デービス(Davies)ら、「痛覚研究のための集束超音波の適用」、Pain、67巻、17−27頁、1996年、International Association for the Study of Pain(痛覚研究国際協会)。
【0086】
中枢神経系組織のような、生物学的材料は、超音波の一部を、前記材料の中を伝搬する際に吸収する。以下の非特許文献5を参照せよ。さらに、脳脊髄液と脳組織との間のような異なる組織タイプの間の境界には、超音波が界面を押すことを可能にする、「インピーダンス不適合」(すなわち、ある組織から別の組織への音響の密度および速度の積の間の相違)が存在する。非特許文献6を参照せよ。非特許文献6に説明される放射力に起因する歪みは、硬膜と脳の間の距離より著しく小さい波長の超音波で脳脊髄液/脳の界面に発生するか、硬膜と脳との間の距離より著しく大きい波長の超音波で骨/脳の有効な界面に発生するかのいずれかの非特許文献5に説明される放射力より大きいと考えられる。放射圧に対する前記2つの寄与についての方程式は、硬膜と脳との距離とに相当する音響の波長について改変されることがある。
【非特許文献5】ルデンコ(Rudenko)ら、「集束非線形超音波により誘発された消音性媒体中の音響放射力および流れ」、J.Acoust.Soc.Am、99巻、5号、2791−2798頁、1996年。
【非特許文献6】チュー(Chu)およびアプフェル(Apfel)「音響ビームにより発生した音響放射圧」、J.Acoust.Soc.Am、72巻、6号、1673−1687頁、1982年。
【0087】
説明された実施態様では、特許請求の範囲を限定することなく、直前に説明したように、ある種の単純化する仮定を設けた。非特許文献6に示された2つの組織の間での全圧力(単位面積あたりの力)Pについての以下の方程式(69)を注記することは有用である。
【0088】
P=2(rho_1/rho_0)<E>(1+(rho_1c_1)/(rho_0c_0))^(−2)
【0089】
ここでrho_iは媒体(i)の密度で、c_iはその音速で、Kは媒体1の「非線形性」パラメーターで、<E>は標的部位での超音波入射波にともなう時間平均エネルギー密度で、関心のある界面での音響波の振幅がわかれば計算できる。本発明の目的には、媒体「1」は脳で、媒体「0」は、脳脊髄液か骨かのいずれかである。
【0090】
したがって、組織変位が誘発され、組織は音響的に打診または振動され、集束超音波の適用により、変位その他の生物学的反応と、音響放出とを発生させる。音響放射力を用いて、単一周波数の音響発生源は、脳組織のように少なくともある程度コンプライアンスがある材料を、伝搬中に前記発生源に対して単一方向に移動させるが、前記音響発生源からの伝搬が停止するときには前記材料はそのもとあった場所に復帰する。反復パルスは組織変位と緩和との一連の反復を誘発する。
【0091】
中枢神経系組織の評価と頭蓋内圧の決定のために、例えば、1または2以上の音響トランスデューサが被検者の頭蓋と接触して、あるいはその近傍に配置される。以下に説明され、超音波技術を用いるのが好ましい、初期環境評価が、望ましい場合には、音響発生源と標的組織部位との間の環境の特徴を評価するために実施され、前記標的組織に適用される音響力の規模が決定される。音響トランスデューサと、脳の表面、頭蓋の厚さ、硬膜の厚さ、脳脊髄液を含むクモ膜の厚さ、さまざまな構造および組織の間のインピーダンス不適合等のようなさまざまな構造的な指標が決定される場合がある。前記初期環境評価は、さまざまな方法およびシステムのパラメーターを決定する。環境評価は、診断または監視の手順の間中、間隔を置いて追加的に更新される場合もある。
【0092】
前記環境評価につづいて、音響力が音響トランスデューサによって予め定められた周波数で適用され、脳の表面のような所望の場所の脳組織を変位させる。音響放射力を発生させる超音波トランスデューサの焦点に依存して、変形は組織のいかなる所望の場所で起こさせることができる。一部のシステムでは、焦点可変式の超音波トランスデューサが提供され、複数の標的組織部位を用いて診断手順が実行される。頭蓋内圧の評価のための1の実施態様によると、脳と脳脊髄液との間または脳と骨との間(適用される超音波の周波数に依存する)のインピーダンス不適合により生じる放射圧によって誘発される組織変位を最大にするため、超音波トランスデューサの焦点は、皮質表面の近傍または皮質表面の下の短い距離に提供されることが好ましい。本発明の方法およびシステムは、ルデンコらによる非特許文献5に説明されたインピーダンス不適合より著しく大きいチューおよびアプフェルによる非特許文献6に説明されたインピーダンス不適合によって生じた放射力を必要としないことを再度注記することは重要である。
【0093】
適用された音響放射力が中枢神経系組織に検出可能な変位を誘発するのに十分である、すなわち、適用された超音波ビームが検出可能な生物学的反応を発生させるのに十分であり、医学的に望ましくないいかなる変化も調べられた組織に起こさない。例えば、適用された音響放射力は、組織を切断または損傷するのに十分な規模の剪断力を標的組織の近傍の組織に発生させてはならない。さらに、適用された超音波は、調べられる組織の温度を、受け入れがたい損傷を起こすくらい明らかに上昇させてはならないし、調べられる組織に、大規模な、あるいは、有害な、空洞化その他の有害な機械的効果の原因を誘発してはならない。適当な超音波の照射量は、周知の技術を用いて決定される場合がある。例えば、非特許文献7において、Fryらは、哺乳類の脳組織に構造的な変化を起こす超音波照射量の閾値を研究して、非特許文献7の図1に、哺乳類(ネコ)の脳の白質に閾値の損傷を発生させる、音響強度対単一パルス持続時間を示している。
【非特許文献7】フライ(Fry)ら、「哺乳類脳に構造的変化を起こす超音波照射量の閾値」、The Journal of the Acoustical Society of America、48巻、6号、(第2部)、1413−1417頁、1970年。
【0094】
さらに、音響周波数は、頭蓋を貫通するのに十分低くなければならず、関心のある場所の標的組織に測定可能な変形を発生させるのに十分高くなければならない。上記に概説したパラメーターの範囲内で、より高い周波数の音波は、より容易く集束されるので好ましい。強度は、組織を変形させるのに十分強くなければならないが、調べられる組織に望ましくない変化を誘発するほど強くてはならない。パルスの長さは、比較的短いことが好ましいが、標的組織の計測可能な所望の変形および振動を発生させるのに十分な長さであることが好ましく、パルス反復周波数は、医学的に受け入れがたい変化を組織に誘発することなく、組織に医学的に興味深い時間的な特徴を分離するのに十分に大きくなければならない。
【0095】
一般に、組織変位または関連する生物学的反応に関する、少なくとも1つの音響特性が、決定され、組織の特性と関係づけられ、究極的には、臨床的に重要なパラメーターと関係づけられる。例えば、既知の音響力によって誘発された変位の規模または振幅は、中枢神経系組織の弾性(あるいは、硬直性またはコンプライアンス、例えば、ヤング率)に直接的に関係し、それゆえ、経験的に頭蓋内圧と関係づけられる。決定され、組織特性と関係づけられる標的組織変位のその他の特性は、音響力の方向の最大振幅または音響力の方向と垂直な最大振幅のような、振幅のさまざまな構成成分と、変位または緩和の速度または加速度のような、組織変位またはその後の緩和の全ての可能な変化速度と、変位の形状のさまざまな構成成分の振幅または変化速度と、変位にともなう音響散乱信号のフーリエまたはウェーブレット表示の変化と、音響放射力により発生した剪断波の特性と、誘発された2次高調波変形の特性と、これらに類するものとを含む。標的組織から返ってきたパルスのエコーの時間変位も、変位振幅を表し、決定される場合がある。これらの特性は、全て、「変位」の測定という。
【0096】
第2の「能動的」音響探査モードまたは打診モード
第2の「能動的」動作モードでは、集束超音波の適用は、標的組織の振動を発生させ、前記標的組織から放出された音響信号に関するデータが収集される。これらの信号は、ここでは音響放出という。一般に、集束超音波の適用に関する本発明の方法およびシステムは、標的組織の振動を発生させるのに用いられる場合があり、放出された音響信号は組織特性および生理状態と関係する。
【0097】
1の実施態様では、本発明の方法およびシステムは、脳組織のような標的組織に振動放射力を誘発するために、異なる周波数で駆動される少なくとも2つの音響トランスデューサを含む共焦点音響システムか、特定のパルス反復周波数(PRF)で駆動される単一の音響トランスデューサを含む集束音響システムかを利用する。得られる振動の周波数は、2つの共焦点音響ビームの重複部分で示される標的の場所での適用された周波数の差であるか、あるいは、単一のトランスデューサの場合ではパルス反復周波数である。集束超音波を適用する間およびその後、標的組織はその固有特性と関係のある音響信号を放出する。したがって、第2の能動的動作モードは、組織を特徴づけるために用いられる場合がある。診断用超音波技術は、周波数その他の放出音響信号の特性を測定するために用いられ、前記放出音響信号は、経験的に組織特性と関係がある。
【0098】
発明の詳細な説明
本発明の方法およびシステムはさまざまな異なる形式で具体化される場合があるが、図面に示され、ここに説明される具体的な実施態様は、今回の開示が発明の原理の代表例と考えられるべきであって、ここに提供される図面および説明に本発明を限定することを意図するものではないという理解とともに提供される。特に、本発明の方法およびシステムの好ましい実施態様は、脳組織および頭蓋内圧の評価と関連して説明されている。本発明の方法およびシステムは、他の哺乳類の組織の標的、より広くは、他のタイプの材料の標的に適用される場合があることを当業者は認知するであろう。
【0099】
内在性および/または誘発性の組織変位を示すデータを獲得するための本発明の複数の代表的なシステムが以下に説明される。かかるシステムは商業的に入手可能な構成要素を使用する場合があるが、獲得されたデータの処理と獲得されたデータに医学的な関連がある生理特性との対応づけとは、多数の生理パラメーターを非侵襲的に評価するための新規なモダリティを提供する。獲得された音響散乱または放出データを用いて内在性および/または誘発性の組織変位を検出し、前記音響散乱または放出データ、あるいは、変位データを、頭蓋内圧、動脈血圧、自己調節状態および痛みの発生源のような臨床的に重要なパラメーターと関係づけるための代表的なデータ処理技術も以下に説明される。これらの技術は代表的なものであって、本発明の方法およびシステムは、これらの代表的な技術の利用に限定することは意図されていない。
【0100】
(図示されていない)単純化されたシステムでは、単一の音響トランスデューサが、組織評価に必要な質問信号を受動的モードで提供し、組織変位に必要な音響力を能動的モードで提供し、さらに、内在性(受動的モード)または誘発性(能動的モード)の組織変位を示す散乱質問信号の検出を提供する。例えば、商業的に入手可能な超音波トランスデューサは十分な帯域幅を有していて、単一のトランスデューサが、第1の周波数、第1のパルス反復速度および第1の強度で作動するときには、内在性の組織変位を測定するための質問信号を放出するために使用され、第2の周波数、第2のパルス反復速度および第2の強度で作動するときには、組織の(外来性)変位または振動を誘発するために使用され、例えば、第3の周波数または追加の周波数で作動するときには、内在性または誘発性の組織変位または放出を評価し、あるいは、前記内在性または誘発性の組織変位に対する生物学的反応を評価するために、前記組織から反射されるか、後方散乱されるか、エコーされるか、放出されるかした信号を検出するために使用される。複数の音響トランスデューサも使用される場合がある。別の実施態様では、1または2以上の診断用超音波プローブと、1または2以上の変位超音波プローブとが単一の音響エレメントに具体化される場合がある。
【0101】
一般に、音響質問パルスは、音響打診パルスに比べて、より大きなピーク陽圧と、より高い周波数とを有し、より短い。例えば、音響質問パルスは、典型的な周波数が0.5と15MHzの間で、パルスあたり1〜50サイクルで、毎秒3〜10,000パルスからなり、0.5W/cm未満の時間平均強度である。音響打診信号は、例えば、周波数が0.5から10MHzで、0.1〜100msの長い音のバーストからなり、毎秒1〜100パルスからなり、100〜1000W/cm未満の時間平均強度であり、例えば、より長いパルスはより低い強度を有する。打診され、あるいは、振動された組織からの音響放出は、500Hzから10KHzの周波数範囲にあると予想される。
【0102】
図2は、組織特性および頭蓋内圧のような用途のための内在性または誘発性の組織変位の少なくとも1つを誘発および/または検出するための本発明のシステムを示す概念図である。図2に示すとおり、本発明のシステムは、組織変位または放出を離れたところで非侵襲的に評価するための音響発生源および受信機の複合機10を含む。内在性の組織変位を評価するために受動的モードで使用するのに適当な1の実施態様では、音響発生源および受信機の複合機10は、質問信号を発生させるための1または2以上の音響発生源22を含む。誘発性の組織変位または放出を評価するための能動的モードでの使用に適当な別の実施態様では、音響発生源および受信機の複合機10は、音響放射力を発生させるためか、振動放射力を発生させるためか、音響放出を誘発するためかの1または2以上の音響発生源12を含む。音響発生源12は、増幅器または電源14により駆動され、動作可能に接続されており、増幅器または電源14は、1または2以上の機能発生器16に動作可能に接続されており、機能発生器16はコントローラ20に動作可能に接続されている。コントローラ20は、データ獲得、保存および解析の能力があることが好ましい。
【0103】
コントローラ20、機能発生器16および増幅器14は、質問(受動的)モードまたは音響放射力(能動的)モードで音響発生源12を駆動する。受動的モードでは、コントローラ30、機能発生器28および増幅器26が、望ましくない副作用を奏することなく、かつ、著しい(外来性の)変位を生じることなく、中枢神経系のような組織標的32のための質問信号を発生させるために、ダイプレクサー24を介して音響発生源22を所望の周波数、強度およびパルス反復速度で駆動する。得られた散乱信号は、ダイプレクサー24を介してコントローラ30で受信される。能動的モードでは、コントローラ20、機能発生器16および増幅器14が、望ましくない副作用を奏することなく、中枢神経系のような組織標的32に変位を発生させるために所望の周波数、強度およびパルス反復速度で音響発生源12を駆動する。一部の実施態様では、コントローラ20および30は、互いに連絡をとって、例えば、時間的にこれらの信号をインターリーブする。トランスデューサ22にもとづくシステムは、トランスデューサ12によって誘発された変位および/または放出を監視することができる。
【0104】
作動音響パラメーターは、互いに関連し、適当な作動パラメーターは決まり切った実験作業によって決定される場合がある。音響発生源またはトランスデューサの焦点は、前記トランスデューサの機械的形状の結果、固定され調整不能の場合がある。代替的に、複数のトランスデューサが提供され、焦点の変化および調整を可能にするように配置される場合がある。音響発生源またはトランスデューサは、環状の形状であることが好ましく、好ましい実施態様では、音響発生源12は、同心円状に配置された複数の環状のトランスデューサを含む。音響発生源およびトランスデューサは、焦点が重なるか、あるいは、重ならないように、互いに軸方向にまたは軸方向をはずすように配置される場合がある。
【0105】
第2の音響発生源13はダイプレクサー15に駆動され、かつ、動作可能に接続され、ダイプレクサー15は増幅器または電源17に動作可能に接続され、増幅器または電源17は機能発生器19に動作可能に接続され、機能発生器19はコントローラ20および/またはコントローラ30と連絡し、図2に示すとおりこれらが提供される場合がある。音響発生源13は、音響発生源と標的組織との間の環境の特徴を評価するために用いられる場合があり、前記標的組織の評価のために用いられるトランスデューサ12と関連するドライバおよびコントローラ要素とは独立に作動する場合もあり、トランスデューサ12と協動して作動する場合もある。
【0106】
図3は、本発明の組織評価の能動的モードでの使用に特に適合する音響発生源およびプローブの複合機40の1の実施態様を示す。音響発生源およびプローブの複合機40は、共焦点環状音響発生源42および44と、診断用超音波プローブ46とを含む。音響発生源42および44を少し異なる周波数に設定することにより、場所48の脳表面近傍のような、脳内に示された共通の焦点にのみ著しい放射力を発生させ、組織を変形させる。単一の音響発生源が使用されるか、複数の音響発生源が、周波数の違いがないように使用されるとき、結果は、重複する焦点と一致する標的での脳の一方向的への変位であって、各音響パルスの持続している間は、振動成分が無視できる。これらの状況下では、反復された単一周波数のパルスは、パルス反復周波数での定期的な組織のパルス振動を発生させる。いずれの実施態様でも、音響放出は一時的に変形した組織から発生する場合があり、前記放出はトランスデューサ46で監視され、組織特性または生理状態と関係づけられる。代替的には、前記変位は、トランスデューサ46で監視され、組織特性または生理状態と関係づけられる場合がある。
【0107】
図3に示される音響発生源およびプローブの複合機40は、画像システムと併用して、音響的に標的部位の組織を打診して、痛みのような集束超音波に対する組織の反応を局在定位するために使用される場合もある。前記画像システムは、超音波か、磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影法、蛍光透視法等のような、他の組織画像化のモダリティかを利用する場合がある。音響発生源を、例えば、超音波画像化能力を有するプローブ複合機とともに使用することは、標的部位の可視化を提供し、音響放射力の狙いを定めること、痛みのような反応の局在定位をすることを補助する。痛みの反応は被検者により主観的に報告される場合が一般的である。
【0108】
図4は、同心円状の環状のエレメントとして配置される、超音波トランスデューサ51、52、53および54を含む、別の音響発生源およびプローブの複合機50を示す。それぞれの環状の音響発生源は、他の音響発生源と協動して、選択された場所で組織を質問および/または変位する単一の周波数発生源を表す。環状のトランスデューサの焦点は、質問信号および放射力の焦点で、かつ、内在性の組織変位および/または誘発性の組織変位の評価の場所および/または放出の評価の場所の場合がある。より多くの、あるいは、より少ない超音波トランスデューサを使用する場合がある。環状トランスデューサが多いほど、質問信号または放射力が集束される場所についての制御および精度の程度を高めるのが一般的である。この環状トランスデューサの配置は、標的組織に振動放射力を発生させるために、可変周波数モードで使用される場合がある。複数の音響発生源が使用されるとき、それぞれの音響発生源は、コントローラ、増幅器および機能発生器によって作動するが、別々の音響発生源の動作は集中制御システムを用いて制御することが可能である。この音響システムは、さらに、さらなる超音波ビーム形成または電子制御を可能にするために、トランスデューサの環状でない分布または軸方向でない分布を用いることにより、一般化され、あるいは、特定の用途のために改変される場合がある。
【0109】
検出エレメント56は、音響発生源およびプローブの複合機50に提供され、少なくとも1つの内在性および/または誘発性の組織変位を検出する。1の実施態様では、エレメント56は、超音波パルスを組織変位の部位に向けて放出し、そのエコーを検出して組織変位の規模その他を追跡する、診断用超音波プローブを含む。別の実施態様では、エレメント56は、組織変位によって発生するドップラーシフトを検出する経頭蓋ドップラーのような超音波プローブを含む。さらに別に実施態様では、検出エレメント56は、音響放射力が発生する組織によって放出された音波を検出するハイドロホンを含む。
【0110】
商業的に入手可能な構成部分が本発明のシステムに使用される場合がある。特定の構成部分の以下の説明は代表的なものであり、本発明のシステムは、これらの構成部分にいかなる場合も限定されない。高集束度超音波トランスデューサはSonic Concepts(ソニック・コンセプツ、ワシントン州、Woodinville)から入手可能である。マルチエレメントトランスデューサは研究者に使用されてきており、文献に説明されている。高度集束超音波にもとづく外科用の複数の集束プローブのアプローチは、例えば、以下のチャウハン(Chauhan)らの非特許文献8に説明されている。例えば、同軸に複数の環状エレメントが配置されたマルチエレメントトランスデューサが適当である。かかるシステムは、商業的に入手可能な技術を用いて、Sonic Concepts(ワシントン州、Woodinville)の様な商業的な提供者により組み立てられている場合がある。ENIモデルA−150のような増幅器が適当で、商業的に入手可能である。RitecのモデルREX−6のようなダイプレクサーが適当で、商業的に入手可能である。HPのモデル33120Aのような機能発生器が適当で、商業的に入手可能である。多くのタイプのコントローラが適当で、商業的に入手可能である。1の実施形態では、DellのディメンジョンXPS PCは、データ取り込みのためにGageのモデルCS8500のA/Dコンバータを一体化し、データ取り込みおよび装置の制御のためにNational StandardのLabViewソフトウェアを利用する。一部の実施態様では、ATLの経頭蓋ドップラープローブのモデルD2TCが検出に用いられている。
【非特許文献8】チャウハン、S.ら、Ultrasonics、39巻、1号、33−44頁、2001年。
【0111】
動作においては、音響発生源/検出器の複合機は、音響発生源の焦点が標的組織の中に音響的な焦点を提供するように調節できるように、表面の近傍に安定的に取り付けられるか、あるいは、保持される。前記音響発生源/検出器の複合機は、単一の構成部分として提供されることが好ましいが、別々の構成部分でも同様に使用できる。例えば、頭蓋内圧の決定のための脳または視神経組織のような中枢神経系組織の解析には、前記音響発生源/検出器の複合機は、スタビライザーの上に取り付けられるか、頭に取り付けることができるヘルメット型の構造物のような構造物の中に取り付けられるかの場合がある。代替的に、あるいは、追加的に、ゲルのような音響透過性の材料を含むアプリケータが、前記音響発生源/検出器の複合機の表面と頭との間に配置される場合がある。痛みのような、集束超音波探査に対する組織の反応の局在定位のためには、音響発生源/プローブの複合機が、全身の場所の中でさまざまな標的組織部位の探査を容易にするために操作できるホルダーに提供される場合がある。音響プローブ装置の操作は手作業で達成されるか、電子操作機構のような自動化機構を用いて達成されるかの場合がある。かかる機構は当業者に周知である。
【0112】
脳組織を含むたいていの組織は、さまざまな細胞タイプおよび脈管系を含む。代表的な標的組織がサンプル化されることを保証するために、標的組織の場所は、代表的なサンプルを提供するために十分大きな体積でなければならない。もちろん、サンプル化する体積についての要件は、組織のタイプおよび場所によって異なる。一般に、1mmから約100cmまでの組織体積を有する標的部位が適当であり、約5cm未満の組織体積を有する標的組織が好ましい。頭蓋内圧、脈管系その他の中枢神経系の病状の評価には、一般に均質な脈管系および組織タイプを有する中枢神経系組織標的が好ましい。
【0113】
音響散乱データのような、内在性および/または誘発性の組織変位に関するデータは、本発明の方法およびシステムによって処理され、頭蓋内圧、動脈血圧、自己調節状態その他の病状または組織の状態のような、医学的に関連する生理特性と関係づけられる。さまざまなタイプの獲得されたデータにもとづいてさまざまな対応関係をつけるための代表的なデータ処理技術は以下に説明される。これらのデータ処理技術は音響散乱データの取り込みにもとづくが、これらの技術は、当業者に周知の改変を施して、近赤外分光学(NIRS)のモダリティと、磁気共鳴モダリティとのような、他のモダリティで、適用される場合がある。
【0114】
内在性組織変位(受動的モード)を用いる頭蓋内圧その他の中枢神経系組織特性
頭蓋内圧のような臨床的パラメーターを受動的作動モードでの内在性組織変位に関係づけるための複数の代替的な方法がある。これらの代表的な方法および技術は図示の目的のためだけに提供され、本発明の方法およびシステムはこれらの実施例に限定されない。
【0115】
非侵襲的に測定された自発的組織変位と動脈血圧および頭蓋内圧との関係
1の方法は、中枢神経系標的組織部位からの音響散乱を解析することにより決定された、(血流、脳脊髄液等に起因する)自発的(内在性)組織変位と、動脈血圧と、侵襲的に監視された頭蓋内圧との間の関係を用いて、侵襲的または非侵襲的に測定された組織変位および動脈血圧から頭蓋内圧を推定する。100kHz以上で作動する超音波プローブを用いて、一定体積の組織が、特定の周波数および振幅を有する波形で超音波照射され、反射超音波信号の時間または位相のシフトが内在性組織変位を計算するために用いられる。時間または位相のシフトを組織変位に関係づける式は、
d=t1500m/秒
である。ここで、dは組織変位、tは反射した信号の時間または位相のシフトで、1500m/秒は脳内での推定音速である。
動脈圧平均値=(2拡張期動脈血圧+収縮期動脈血圧)/3
で、Fは、指数、ベクトル、行列、積分等のような、いかなる関数であってもよいか、あるいは、単位脳潅流圧と経験的な関係であってもよいかであって、
d=F(脳潅流圧)であるとき、
頭蓋内圧=脳潅流圧−動脈圧平均値
であるから、F=F−1として、
脳潅流圧=動脈圧平均値−頭蓋内圧=F(d)
となる。Fは、さまざまな状況下のさまざまな患者からの測定値を得ることにより、経験的に決定され、変位および動脈血圧の測定は、
頭蓋内圧=F(d)−動脈圧平均値
として頭蓋内圧を計算するのに用いられる。
【0116】
頭蓋内圧と音響組織信号の振幅との関係
この方法は、中枢神経系組織部位から反射した音響信号の振幅と、動脈血圧と、侵襲的に監視された頭蓋内圧との間に導かれた関係を用いて、非侵襲的に測定された音響信号と動脈血圧とから頭蓋内圧を推定するものである。100kHz以上で作動する超音波プローブを用いて、一定体積の組織が特定の周波数および振幅を有する波形で超音波照射され、後方散乱の振幅が組織の反射/吸収の波形を発生させるのに用いられる。この新しい波形αは、前記後方散乱の振幅を(ECGのトレースで測定された心臓周期のような)有限の時間(epoch)にわたって積分し、前記時間の期間によって正規化することによって作成することができる。前記後方散乱信号は動脈拍動波と関係があるため、αは、(上記のとおり定義された)動脈圧平均値に対して正規化されて、波形βを発生することができる。この正規化された波形βと、侵襲的に測定された頭蓋内圧との関係は、後方散乱信号と、動脈血圧と頭蓋内圧との同時計測を行って、Fは、いずれかの数学的関数か、単なる経験的な関係かであるとして、
頭蓋内圧=F(β)
という式を解くことにより決定される。(さまざまな既知の条件下のさまざまな患者からの複数の経験的な測定により)一旦Fが確立すると、非侵襲的な組織変位の決定と、非侵襲的な動脈血圧の決定とにより、非侵襲的なβの決定が頭蓋内圧を計算するために用いられる。
【0117】
ピーク後方散乱振幅と頭蓋内圧との関係
上記と同様のやり方で、一定の時間(例えば、心臓周期)にわたる後方散乱信号のピーク振幅が、同一の時間にわたる動脈圧平均値によって正規化され、数値を生成し、これが頭蓋内圧の侵襲的な同時計測と関係づけられて、頭蓋内圧=F()の関係ができるが、ここで、Fは数学的な関数か、と頭蓋内圧との間の経験的な関係かである。
【0118】
標準的な経頭蓋ドップラー(TCD)データを用いて頭蓋内圧および/または自己調節状態を推定するために多くの試みがなされてきた。別の実施態様では、本発明の方法およびシステムは、標準的な経頭蓋ドップラー法の計測にもとづいた既存の非侵襲的な頭蓋内圧のアッセイを用いて、中脳動脈の平均速度の非侵襲的計測を、血流、心臓周期および呼吸によって生じた中枢神経系組織変位の非侵襲的計測で置換する。1つのかかる例が、以下のシュミット(Schmidt)、B.らの非特許文献9にもとづいて提供される。以下に説明する本発明の処理ステップは、非侵襲的に決定された変位および動脈血圧のデータのみを用いて頭蓋内圧を正確に予測する一連の式を生成するために、侵襲的な頭蓋内圧と、侵襲的または非侵襲的な動脈血圧と、変位(またはこれに類するもの)との同時連続測定を必要とする。
【非特許文献9】シュミット、B.ら、「経頭蓋ドップラー超音波断層法および血圧両方とを用いる非侵襲的な頭蓋内圧曲線の予測」、Stroke、28巻、12号、1997年12月。
【0119】
ステップ1
線形式系を用いて、動脈血圧と頭蓋内圧との間の重み関数が計算される。この式系の解は、前記重み関数の係数を含むベクトルになる。この系をモデル化するために何個の係数を選択してもよい。例えば、25個の係数が選択される。いずれかの特定の重み関数(f、f、...、f24)について、時間配列における点kでの頭蓋内圧の値ICPは、時間k−24、k−23、...、k−1、kで記録された動脈血圧ABPk−24、ABPk−23、...、ABPk−1、ABPの値により以下の方程式
ICP=f ABP+f ABPk−1+...+f23 ABPk−23+f24 ABPk−24
によって計算できる。
【0120】
ステップ2
変位と動脈血圧の曲線との間の重み関数の係数が動き特性(movement characteristics)として用いられる。計算は、ステップ1に記載のものと同様で、同時に実行される。これについても、何個の係数を用いてもよく、この実施例については6個が選択される。
【0121】
ステップ3
ステップ2に記載の動き特性と、ステップ1に記載の25個の重み関数の係数との間の関係は、近似的な線形関数(すなわち、行列AおよびベクトルB)によって記述され、この関数は患者のデータの25個の重回帰分析の配列を通して計算される。
【0122】
ステップ1〜3が実行された後、非侵襲的な頭蓋内圧の決定は、以下のように行われる。変位(またはこれに類するもの)と動脈血圧曲線とは、新たな患者(上記のシミュレーション関数の導出には用いられなかった患者)について非侵襲的に記録される間、動き特性が10秒毎に計算され、前記シミュレーション関数に移送される。最後に、前記シミュレーション関数が、動脈血圧曲線をシミュレーションされた頭蓋内圧曲線に変換する。
【0123】
「受動的」または「能動的」モードを用いる動脈血圧
本発明の方法およびシステムの別の面においては、血管の直径その他の幾何学的特性の内在性および/または誘発性の変化か、血管周囲の組織の内在性または誘発性の変位の変化かが、超音波を用いて監視および評価され、この情報が、同一の血管の中の同期ドップラー流速計測値と関係づけられる。能動的モードでは、組織変位および関連する放出は、上記のとおり、音響放射力の適用によって、血管または血管周囲の組織の中に誘発される場合がある。同様に、受動的モードでは、血管またはその近傍での内在性組織変位は、さまざまな技術をもちいて検出される場合があり、超音波技術が好ましい。一部の実施態様では、所望の血管の場所を探し、それにより、前記血管またはその近傍に内在性および/または誘発性の変位を同定するための焦点を提供するように、ドップラー流速計測または超音波検出技術を用いて、最初の評価が実行される。
【0124】
前記血管の直径(またはその他の幾何学的特性)は血液によって前記血管の壁に加えられる圧力と関係して変化するため、そして、血流速度は血液が通過する血管の直径(または半径)に依存するため、血圧がドップラーによって計測された流速から計算できる。本発明の方法およびシステムを用いて評価できる場合がある血管の幾何学的特性は、直径の変化、断面積、アスペクト比、直径、速度および関連するパラメーターの変化速度を含む。関心のある血管の拍動性と、この部位の近位および遠位のドップラー流速とを同時に計測することにより、連続的な血圧が決定される。動脈血圧を評価するための具体的な方法は以下に説明される。
【0125】
血圧は、能動的モードまたは受動的モードで、血管またはその近傍の標的組織部位の音響特性を調べることにより、評価される場合がある。前記血管またはその近傍の標的組織部位の音響特性は、組織の硬直性またはコンプライアンスと関係づけられ、中枢神経系における組織の硬直性が頭蓋内圧と関係づけられるのとほぼ同じやり方で、これらは血圧と関係づけられる。
【0126】
ここで説明される受動的モードまたは能動的モードを用いて行った血圧測定は、既存の侵襲的または非侵襲的な血圧監視装置の較正にも利用する場合がある。したがって、以下の方法論、特に能動的音響モードを用いる血圧決定に関する方法論は、例えばMedwave社(ミネソタ州、St.Paul)から入手可能な、既存の血圧監視装置と併用される場合がある。
【0127】
ドップラー流速で非侵襲的に計測された自発的な血管壁の変位と、動脈血圧との関係
この方法は、(血行力学的な状態に対する血圧および平滑筋の収縮反応による)自発的な血管壁の変位と、関心のある血管の中の同期血流速度と、侵襲的に監視される動脈血圧との間に導かれる関係を利用して、非侵襲的に計測された血管壁の変位とドップラー流速とから動脈血圧を推定する。超音波プローブを用いて、関心のある血管が特定の周波数および振幅の波形で照射され、特定の反射または後方散乱またはエコーの信号の時間または位相のシフトが、自発的な組織変位の計算に用いられる。
【0128】
時間または位相のシフトを組織変位と関係づける式は、
d=t1500m/秒
であり、ここで、dは組織試料で、tは反射された信号の時間または位相のシフトで、1500m/秒は組織内を通過する推定音速である。そこで、dと、同期的に測定された関心のある血管の中のドップラー流速(i)と、侵襲的に測定された動脈血圧との間の関係は、自発的な血管壁の変位と、流速と、動脈血圧ABPとを同時に計測して、式ABP=F(d,i)を解くことにより決定されるが、ここで、Fは、指数、ベクトル、行列、積分等のような、いかなる関数であってもよく、あるいは、単に経験的な関係性であってもよい。(さまざまな状況の下にあるさまざまな患者からの複数の経験的な測定により)一旦Fが確立すると、血管壁の変位と流速との非侵襲的な決定が、動脈血圧を計算するために用いられる。例えば動脈血圧を測定するために、カフ・プレチスモグラフィーを用いる較正ステップが、連続的な非侵襲的動脈血圧計測の前に実施される場合がある。
【0129】
動脈血圧と、血管壁信号の振幅およびドップラー流速との関係
この方法は、反射された血管壁信号の振幅と、ドップラー流速と、侵襲的に監視された動脈血圧との間に導かれた関係を用いて、非侵襲的に計測された血管壁信号およびドップラー流速(i)から動脈血圧を推定するものである。超音波プローブを用いて、関心のある特定の血管が特定の周波数および振幅の波形で照射され、後方散乱の振幅が、血管壁の反射/吸収の波形を生成するのに用いられる。この新しい波形αは、(ECGトレースで測定された心臓周期のような)有限の時間(epoch)にわたる後方散乱の振幅を積分して、これを前記時間の期間によって正規化することによって生成される。この導かれた波形αと、侵襲的に計測された動脈血圧との間の関係は、つぎに、後方散乱信号と、ドップラー流速と、動脈血圧とを同時に計測して、式
頭蓋内圧=F(α,i)を解くことにより決定されるが、ここで、Fはいかなる数学的関数でもよく、あるいは、単に経験的な関係であってもよい。(さまざまな状況下でのさまざまな患者からの複数の経験的な測定により)一旦Fが確立すると、αの非侵襲的な決定が動脈血圧ABPの計算に用いられる。動脈血圧を計測するためにカフ・プレチスモグラフィーを用いる較正ステップは、連続的で非侵襲的な動脈血圧の測定が行われる前に実施される場合がある。
【0130】
ピーク後方散乱振幅と動脈血圧との関係
上記と同様のやり方で、(例えば、心臓周期のような)一定の時間(epoch)にわたる後方散乱信号のピーク振幅が、同一の時間にわたる後方散乱信号の基線値によって正規化され、これが、ドップラー流速とともに、動脈血圧の非侵襲的な同時計測値と関係づけられる。動脈血圧を計測するためにカフ・プレチスモグラフィーを用いる較正ステップが、連続的で非侵襲的な動脈血圧の測定が行われる前に実施される場合がある。
【0131】
誘発性組織変位(能動的)モードを用いる頭蓋内圧その他の中枢神経系の特性
例えば、誘発性の組織変位が評価される、第1および第2の能動的作動モードの両方において、初期環境評価は、音響発生源と標的組織との間の環境のさまざまなパラメーターを決定して、適切な音響力が脳のような標的組織に適用されるようにするために実施されるのが一般的である。音響トランスデューサと、脳の表面、頭蓋の厚さ、硬膜、クモ膜、軟膜および脳脊髄液の層の厚さ、さまざまな構造および組織の間のインピーダンス不適合等のさまざまな構造上の特徴との距離のような環境的因子が決定される場合がある。前記初期環境評価は、さまざまな方法およびシステムのパラメーターを決定する。環境評価は、診断または監視の手順の間を通じて間隔を置いて更新されるのが好ましい。
【0132】
音波が頭部の表面から脳まで伝搬するときに遭遇するさまざまな生物学的構造の間の距離は、個人ごとに違いがある。したがって、環境的分析は、先験的に行われる疫学的な解析を補充または厳密にするために、測定時に推奨される。例えば、高い周波数の超音波の短いパルスは、音響発生源から、骨、液体、硬膜、脳組織等のように異なる特性を有する生物学的構造の縁までの時間的距離を同定するために用いられる場合がある。それぞれのタイプの生物学的構造における音速と、それぞれのパルスによって通過する時間的距離との知識を有するとき、各セクションの厚さが測定できる。所望の放射圧パルスを発生させる音響パルスの減衰は、各セクターを通過する距離と、各材料の減衰係数とに関係して変化する。文献または疫学的研究から複数の層からなるシステムについての減衰の数値が与えられるとき、別々のパルスがそれぞれの層に向けられて、生物学的構造の厚さと前記構造の間のインピーダンス不適合とを遠隔的に決定する場合がある。
【0133】
「レイヤー・ストリッピング(layer stripping)」技術では、関心のある組織での減衰に関する情報が与えられるとき、隣接する組織間のインピーダンス(密度時間音速)不適合の厳密な数値を決定するために、一連のパルスを照射する。代替的に、関心のある組織の音速または密度の数値がこの過程で厳密になる場合がある。ストリッピング法は、トランスデューサから、特徴がよくわかった共役媒体を通って、打診パルスの波長に応じて、皮膚または皮膚/脂肪/筋肉複合体(打診パルスが比較的高い周波数のときは前者、比較的低い周波数のときは後者)に向けて既知の振幅および高い周波数を有する第1の音響パルスを送ることによって達成される。測定可能な量の音響が音響受信機に反射するが、その振幅は、十分に確立した方程式と既知の減衰値とを通じて、したがって、共役媒体の密度と音速の積を通して、皮膚または皮膚/脂肪/筋肉複合体のインピーダンスと関係がある。つぎに、著しい反射が次の重要な層から生じるように最適化された波長を有する、第2の音響パルスが照射される。その層のインピーダンスは上記のとおり特徴づけられる場合がある。この過程は、例えば脳のインピーダンスを決定するまで、間に入ったさまざまな層について繰り返される。打診トランスデューサから送られた音響との関連で脳の表面に受ける音響の振幅を特徴づけるのに必要な音響パラメーターの異なるサブセットについて、よい推定値が入手可能である場合には、他の有用な音響パラメーターについて相当するストリッピング法が同様に構築される。例えば、さまざまな生物学的構造の間の距離とこれらの減衰係数とに関する、かかる経験的なデータは、本発明による環境パラメーターを予測するために、そして、最終的には、脳の表面に到達してその表面に変形を誘発する音響の量を決定するために、制御システムに利用され、一体化されている場合がある。
【0134】
直前に説明したばかりの環境評価から利益を得る、代替的な実施態様では、既知の振幅の音響パルス(A_0)が打診信号の周波数で脳の表面に向けて照射される場合がある。間に入る組織層(皮膚または皮膚/脂肪/筋肉、骨、硬膜等)からこのパルスの複数の反射があるが、脳から直接反射して最初に音響受信機に到達するパルスが、唯一ではなくても、最大のドップラーシフトを有する。診断用超音波装置が受信したこの最初のドップラーシフトのあるパルスは、
振幅(A_1)=a
を有し、較正され、診断用パルスが間に入った環境を、脳の表面を往復して通って伝搬した結果として、照射された信号の振幅から「a」の係数の分だけ減少し、問題のパルスの一部だけが、前記のストリッピング法によって決定された、脳と隣接する層との間のインピーダンス不適合の既知の関数である、反射係数Rの脳の表面から反射してこないために減少した。この情報とともに、脳の表面に受け取られた音響の振幅(aAとして定義されたA_2)は、既知の量との関係で、
A_2=(A)/R
として計算される。脳の表面に到達してその表面の変形を誘発する音響の量は、このようにして決定される。また、ドップラーシフトした信号を検出することにより、トランスデューサに対する脳表面の位置が決定される。
【0135】
環境評価の後で、最初の動作モードにおいて、音響放射力が、標的組織の中の予め定められた空間的な位置に適用されて、前記標的組織の変形を発生させる。1または2以上の音響発生源が使用される場合がある。単一の音響トランスデューサが音響発生源と検出器との両方の役割を果たす場合がある。前記1または2以上の音響発生源は、所望の標的組織の位置に対応する固定した、調節できない焦点を有する場合がある。代替的に、前記1または2以上の音響発生源は、個別に、かつ、互いに対して、可変の焦点を有し、1または2以上の発生源の焦点が異なる標的組織の位置および被検者について調節される場合がある。第1のモードでの動作について、音響発生源は位相を揃えて作動して、それらの焦点で放射力を発生させ、その結果は脳の一方向への変位で、装置のパルス反復周波数での振動成分は無視できる。両方のモードでの動作については、音響発生源が位相および/または周波数で変調され、所望の標的組織の位置で組織の振動を発生させる。
【0136】
放射力の適用および変形の間、あるいは、放射力の適用直後に、別の診断用探査パルスが、変形を定量するために使用され、それにより、組織特性および/または頭蓋内圧に関する情報を提供する。診断用超音波プローブは、例えば、標準のAまたはBまたはMモードのいずれかで作動する。例えば、診断用超音波プローブは、標準のBモードの画像化モードで作動するとき、変位を画像化し、あるいは、脳の表面から反射した診断用パルスの帰還時間での動きとして変位を追跡する。図5A〜5Cの概念図は以下のことを示す。(1)変形を起こす放射力の適用の前の変位していない脳の表面(図5A)、(2)最大振幅Zを有する放射力の適用の結果生じた変位した脳の表面(図5B)、(3)音響発生源の停止の後の変位していない状態への脳組織の緩和(図5C)。図5Bに示された一時的に誘発された変位は、やがて変位前の状態(図5C)に緩和するときに音響を放出する。ハイドロホンとして作動する適当な診断用超音波プローブは、放出された音響信号を受信する場合があり、この放出された音響信号は、単独または変位のデータと併用されて、組織の生理状態または病状を評価するために用いられる場合がある。
【0137】
図5D〜Fの概念図は、時間との関係で変化する脳の表面から反射した音波を、本願の頭蓋内圧を定量化する非侵襲的な手段の、最も単純な実施態様および最も経験的な実施態様とともに示す。図5Dに示された、放射力が適用されずに変位のない組織の表面の状態では、反射された音波は時間tに検出される。放射力が組織変位を誘発するために適用されるときには、図5Eに示すとおり、反射した音波は時間Δtだけ遅延する。その後、組織は原状の変位のない状態に緩和し、反射した音波は、図5Fに示すとおり、また、もとの時間tに検出される。希望する場合には、脳脊髄液の音速を知って、これを空間的な変位Zに翻訳することができる。ΔtかZかのいずれかを、純粋に経験的なやり方で、頭蓋内圧と関係づける場合がある。
【0138】
この情報を如何に用いて、第一原理により直接的に関係するやり方で非侵襲的に頭蓋内圧を決定するか、という例として、以下の非特許文献10に記載のSadowskyの方程式が以下の非特許文献11に引用されているので、参照せよ。
F=8Z(1+(G/K)/(1+(G/3K)))^(−1)
ここで、Fは、剪断弾性係数Gおよび圧縮弾性係数Kの粘弾性固体の半径Rの表面の一部に均一に加えられた力で、最大量Zの変形を前記粘弾性固体に起こす。かかる材料について、G(1+v)=Eとなり、ここで、「v」はポアソン比で、Eはヤング率である。たいていの生物学的材料については、G/Kは非常に小さく、この方程式は、実際には、F=8Zに還元される点に注意せよ。
【非特許文献10】サドウスキー(Sadowsky)、Z Angew Math Mech、8巻、107頁、1928年。
【非特許文献11】サルバジアン(Sarvazyan)ら、「弾性画像法の生物物理学的基礎」、Acoustical Imaging V21、Sarvazyan編、Plenum Press、ニューヨーク市、1995年。
【0139】
先にチューおよびアプフェルにより引用された式は、半径Rで面積PIR^2の断面積の集束超音波により脳に加えられた全ての力を計算するのに用いられるが、この式は、脳の剪断弾性率Gについての方程式を作成するためにFについての方程式に置換できる。
G=2(rho_1/rho_0)<E>(1+(rho_1c_1)/(rho_0c_0))^(−2)(PIR)/(8Z)
【0140】
Gは、剪断ストレスを支持する脳の能力の尺度を与える。上記のとおり、これは圧縮ストレスを支持する脳の能力と密接に関係がある。だから、脳におけるその数値は、直接的に、たぶん線形的に、脳の頭蓋内圧と関係づけられる。したがって、上記の方程式を評価することにより頭蓋内圧を推定し、経験的な手段により、Gを頭蓋内圧に関係づけることができる。
【0141】
経験的なステップを実行するための1つの方法は以下に説明される。患者の集団(罹患しそうな年齢および人種)と、脳の平均密度(媒体1)と、脳脊髄液または骨(媒体2)と、非線形パラメーターKとの関数として決定することができる。媒体1および2のインピーダンスの比は、実際に決定することはなくても、上記の「レイヤー・ストリッピング法」を用いて厳密にできる。入射音響ビームのエネルギー密度は、脳の表面での音響パルスの振幅を測定することにより、上記のとおり計算できる。最後に、音響ビームは半径Rの円形の断面を有するように設計できる。前記音響ビームは、音響密度の少なくとも弱い勾配を有する。したがって、音響ビームの不均一性が、前記音響ビームの「実効」半径、すなわち、かなり大多数の放射圧が生じる半径を定義することによって考慮される。Rのスケールでの骨表面の不規則性による、音響ビームの形状の散乱または変形の可能性も考慮される。これらの効果は、骨の特性(厚さ、減衰、密度、音速等)の水平勾配がわかっている頭蓋の周知の場所に超音波を適用することにより最小にできる。
【0142】
文献にあるパラメーターの数値と、以下の式とを用いて、脳の表面の歪みを推定することは可能である。
【0143】
【数1】
Figure 2004520870
【0144】
ρは約1kg/mで、Gは約10〜10Paで、Cは約1.5x10m/sで、KはほぼSで、<E>=<I>/Cであり、ここで<I>は脳の表面に入射する音響の時間平均空間ピーク強度である。この式は、以下の解に還元される。Zは、R<I>x10−7mと、R<I>x10−6mとの間である。
【0145】
公表された研究にもとづき、上記の方程式を評価するために必要な単位で表すと、<I>は10〜10w/cm未満か、<I>は10〜10w/m未満かである。これらの強度を容易に達成することができる既存の装置にもとづいて、Rは10−3mと10−2mとの間である。したがって、R=10−3mのとき、Zは約100ミクロンから1ミリメートルであり、R=10−2mのとき、Zは1ミリメートルから1センチメートルである。これらの数値は、脳の表面での超音波の強度に最も直接的に依存して、もっと小さい場合も、もっと大きい場合もある。例えば、以下の非特許文献12のナイテンゲール(Nightengale)らは、約5mmのRについて1〜100w/cmのIを用い、上記の基準を満たす組織およびファントム組織について、1〜100μmの範囲の変位Zを観察している。
【非特許文献12】ナイテンゲールら、「音響放射力を用いる遠隔打診の実施可能性について」、J.Acoust.Soc.Am.、110巻、1号、2001年7月。
【0146】
脳の歪みZが小さすぎて直接計測できない場合には、この変位にともなうドップラーシフトが計測され、経験的に、あるいは、第一原理により、前記歪みのサイズと関係づけられる場合がある。
【0147】
本発明のこの実施態様は、較正された音響発生源の要件を緩和する場合には、原理的に、少なくとも、頭蓋内圧の変化または頭蓋内圧の経時的変化を計算するために利用することができる。これらの頭蓋内圧の変化または頭蓋内圧の経時的変化は、医学的なコンプライアンスと関係づけられる場合がある。
【0148】
別の実施態様では、超音波パルスの高速連発を用いて、組織の自然緩和時間に対して短い可変時間スケールの複数の変位または放出を発生させる場合がある。この実施態様では、音響放射力の第1のパルスの適用が、よくわかった組織変位または放出を発生させ、前記変位の間の予め定められと時間に、第2の音響力が適用され、前記変位の変位と、一部のケースでは、付随する放出とを発生させる。放射圧が同じときに、第1および第2の変位の振幅の比か、前記放出にともなう周波数の比が1に等しくない場合には、この実施態様は有用である。これは、例えば、最初の変位が、(有用な場合には診断用音響後方散乱の変化によって調べることができる)局所的な血液供給および/または(有用な場合には従来の経頭蓋ドップラー技術によって調べることができる)血流速度を変化させる。変位または放出のある一対が、互いに相違する量か、局所的な血液供給または速度を変化させることができる量かは、頭蓋内圧とともに、少なくとも脳の局所的な医学的コンプライアンス(すなわち、頭蓋内圧の過剰な値なしに頭蓋内液の体積のさらなる変化を吸収する能力)と関係するはずである。この技術の利点は、環境の較正が不要であることである。すなわち、この技術を用いると、適用された放射圧を知る必要がない。そのかわり、必要なのは、ユーザが、医学的に受け入れられ、計測可能な脳の変位を起こす一連の同一の超音波パルスを発生できること、および、上記の関係が明確に定義された集団の成員のついてしっかりと適用可能であることである。
【0149】
脳に適用される放射圧の量を知ることが要求されないが、有用性を測定できる特性がある医学的に受け入れられる変位または放出を発生させる別の実施態様では、例えば、心臓周期の低い点と高い点とでの変位または放出の振幅、速度等の比を評価することができる。潅流および/または血流速度の違いのため、この比は上記のように1に等しくはならず、経験的な手段を用いて脳の局所的な医学的コンプライアンスの掲示液変化と頭蓋内圧とのアッセイを可能にする。この実施態様が、血圧の平均および偏差の補助的な計測で補足されることは有益である。
【0150】
較正された音響パルスを要しない別の実施態様では、有用性が計測できる特性を有する、医学的に受け入れられる中枢神経系組織変位または中枢神経系組織からの音響放出を発生させるのに十分な音響パルスが照射される。変位した組織の緩和(特に、その最大量か、変位のスロープか、その他の変位の幾何学的特性からの緩和)の速度および/またはこれにともなう音響放出が、直接的に頭蓋内圧と関係づけられる場合がある。頭蓋内圧が高いほど、音響放出の周波数および/または組織の硬直性が高く、もとどおりの幾何学的構造に適合するのが迅速である。変形からの回復または音響放出の崩壊のうちのより高速であるいずれかか、超音波変位により誘発された一時的な生物学的効果からの回復の速度のいずれかが、本発明の方法とともに利用される場合がある。組織が「線形」の粘弾性領域に留まる場合には、これらの速度は、変位を発生させる放射圧の絶対値とは独立であるはずである。超音波によって永久的な変形をしていない組織は、線形の粘弾性領域に留まる。
【0151】
較正された音響パルスを要しない別の実施態様では、脳の表面のような、中枢神経系組織の医学的に受け入れられる変位を発生させるのに十分な音響パルスが、マッドセンらの米国特許第5,919,144号明細書に開示されたような直接手作業で適用された圧力ではなく、非侵襲的に適用された音響放射圧として適用される。マッドセンらによって開示された解析技術は、組織の硬直性、頭蓋内圧その他の関連する臨床的パラメーターを決定するために使用される場合がある。
【0152】
組織変位の「能動的モード」をともなう本発明の方法は、以下を含む。(1)任意的に、音響発生源と所望の標的組織との間の組織の場所および特性を決定するための初期環境評価を行うことにより、音響伝搬環境の特徴づけをおこなうこと。(2)所望の標的位置で標的組織を変位させることが一般にしられた音響放射力を適用すること。(3)前記標的組織変位か、前記放射力によって誘発された標的組織変位に対する生物学的反応かの少なくとも1つを調べること。(4)前記標的組織変位または標的組織変位に対する生物学的反応との関数として、頭蓋内圧、動脈血圧その他の組織特性を含む、ここで説明された組織特性を評価すること。
【0153】
脳脊髄液と接する脳のように、音響的に圧縮可能な組織と接するか、あるいはその近傍にある振動する物体は、前記音響的に圧縮可能な組織に、前記振動の周波数で、かつ、前記振動の振幅と比例する振幅で、音響を放出する。第2の能動的な作動モードによると、本発明の方法は以下を含む。(1)音響発生源と所望の標的組織との間の組織の場所および特性を決定するための初期環境評価を行うことにより、音響伝搬環境の特徴づけをおこなうこと。(2)標的組織を所望の標的部位で振動させる1または2以上の音響発生源を用いて、既知の音響放射力を適用すること。(3)前記振動させられた標的組織または前記標的組織の近傍の液体からの音響放出の少なくとも1つを調べること。(4)前記音響放出の少なくとも1つの関数として、頭蓋内圧、動脈血圧その他のここに説明された特性を含む組織特性を決定すること。例えば、複数の音響発生源の周波数および/または位相は、標的組織の所望の最大振動を発生させるように変調される場合があるが、それ自体が、パルス反復周波数または打診周波数が一定の数値範囲をスキャニングされて決定される。代替的には、1回または数回の打診が監視できる放出を誘発する場合がある。この実施態様では、診断用のプローブが、振動する組織からの音響放出を検出するために用いられる。前記音響放出の振幅は、標的組織の組織の硬直性か、ヤング率または剪断弾性係数を関係があるが、これは頭蓋内圧と経験的に関係がある。
【0154】
一般に、小さい単位音響放射力あたりの振幅変位と、小さいドップラー効果とは、より硬直性が高く、コンプライアンスが小さい組織を表し、頭蓋内圧が決定されるところでは、より高い頭蓋内圧を表す。相対的に大きい単位音響放射力あたりの振幅変位と、より高いドップラー効果とは、より軟らかく、コンプライアンスが大きい組織を表し、頭蓋内圧が決定されるところでは、より低い頭蓋内圧を表す。本発明の方法およびシステムを用いて決定される頭蓋内圧と組織特性とは、例えば、頭蓋の厚さ、さまざまな組織特性および条件、被検者の年齢、病状その他の特徴等と関係がある経験的な基準を比較される場合がある。
【0155】
組織の硬直性、特に脳組織の硬直性と、その表面の位置および形状は、心臓周期および呼吸周期の両方とともに変化する。変形または振動を発生させる音響力がこれらの周期に対して素早く適用される場合には、組織特性または頭蓋内圧の経時的変化が計測されるが、これらは、医学的に興味深いか、頭蓋内圧の規模に関する情報を含む場合がある。患者の動きもプローブの動きを発生させる場合があり、更新された環境評価を必要とする。1の実施態様では、システムおよび環境のパラメーターは、患者の動きの効果を減らすために、患者の動きに対して素早く更新される。
【0156】
自己調節−受動的および/または能動的モード
患者の自己調節状態、あるいは、自己調節能力も、以下に詳しく説明するとおり、本発明による内在性および/または誘発性の組織変位に関する音響データを用いて決定される場合がある。頭蓋内圧と、自己調節状態、あるいは、自己調節能力とは密接に関係がある。心臓周期のいずれかの時点での脳内の血液の全体積は、全身の血圧と、ミリメートルの単位の直径を有する主要な動脈から、ミクロンの単位の直径を有する小動脈までの脳の脈管系の保護的な自己調節機構との関数である。これらのさまざまな生理的スケールの脳脈管系は、異なる時間スケールおよび異なるレベルの頭蓋内圧および自己調節の決定への寄与で反応する。異なるクラスの脳脈管系は、ヤング率のような材料特性が異なり、これが、脳の異なる変位特性に寄与する。
【0157】
脳は実質的に一定速度の血流を受け入れるが、これは、脳潅流圧によって決定され、広範囲の動脈圧平均値について、
脳潅流圧=動脈圧平均値−頭蓋内圧
の関係が成立する。このようにして、正常な条件下では、脳およびその脈管系は、脳への適切な血流を維持するために、脳潅流圧を変化させることができる。これは、自己調節の正常状態という。脳への適切な血流を維持するための脳潅流圧を変化させる能力が失われるとき、自己調節は異常で、頭蓋内圧は直接動脈圧平均値に比例するようになる。
【0158】
1の実施態様では、連続的な動脈血圧および経頭蓋ドップラー流速とともに、内在性および/または誘発性の組織変位または放出に関する連続的に獲得された非侵襲的中枢神経系標的部位の音響データを用いて、脳の自己調節の状態が評価される。脳潅流圧は、変位または放出のデータと、動脈血圧のデータとから決定される。具体的には、時間平均流速(FVm)と脳潅流圧(Mx)との間の相関係数と、収縮期の流速と脳潅流圧(Sx)との間の相関係数とが、数分間の分計算され、それぞれの検査ごとに平均される。これらの相関係数は、自己調節と結果とがわかっているさまざまな臨床的状況について決定される。これから、MxとSxの数値のいかなるの組についての脳の自己調節の状態でも推定するために、回帰直線が決定される。以下の非特許文献13を参照せよ。
【非特許文献13】ゾスニカ(Czosnyka)ら、「頭部負傷患者の脳の自己調節の監視」、Stroke、27巻、10号、1996粘、10月。
【0159】
別の実施態様では、組織変位および/または放出に関する連続的に獲得された非侵襲的な音響データが、連続的な動脈血圧の同時計測とともに、脳の自己調節の状態を決定するために用いられる。具体的には、圧力反応性指数(PRx)が、変位および/または放出の数値の有限個の一連のサンプルと、数分間にわたって平均化された動脈血圧との間の移動相関係数として計算される。したがって、動脈血圧の変化に対する脳脈管系の反応性(自己調節)の連続指数が決定される。正のPRxは異常な自己調節を表し、悪い結果を予想するが、負のPRxは正常な自己調節を表し、良い結果が予想される、以下の非特許文献14を参照せよ。
【非特許文献14】ゾスニカら、「頭部負傷における、脳脈管系圧力反応性の連続監視」、Acta Neurochir [Suppl]、71巻、74−77頁、1998年。
【0160】
別の実施態様では、組織変位および/または放出に関する同時に獲得された連続的で非侵襲的な音響データと、連続的な侵襲的または非侵襲的な動脈血圧のデータとのスペクトル解析が、脳の自己調節の状態を決定するために用いられる。伝達関数(TFn)は、高速フーリエ変換(FFT)スペクトルから変位および/または放出と動脈血圧の高調波ピーク振幅の比として計算され、血管反応性の状態を区別する。伝達関数はさまざまな既知の臨床的病状について計算され、このデータが自己調節の特定の状態に対応する伝達関数についての数値を決定するために用いられる。これらの伝達関数の数値は、異常な自己調節を、亢進した頭蓋内圧または活発な血管拡張にのみ関係する効果から区別することができる。非特許文献15を参照せよ。
【非特許文献15】ニコルズ(Nichols)、J.ら、「頭蓋内圧波のスペクトル解析を用いる異常な脳の自己調節の検出」、J.Neurotraum、13巻、8号、1996年。
【0161】
連続的な組織変位および/または放出と、侵襲的または非侵襲的連続動脈血圧とに関する音響データの同時獲得は、脳脈管系の拡張の基準として役立つ相関係数を計算するために用いられる。変位および/または音響放出(D)と動脈血圧とは250Hzの速度で同時に獲得される。この2つの信号の正規化相関関数は、以下のとおり計算される。
r(t)=E[D(t),ABP(t)]/sqrt(E[D(t),D(t)]E[ABP(t),ABP(t)]
【0162】
この関数の数値は、もとは、2つの関数についての相関係数である。−1と1との間で変化する2つの信号の間の類似性の解析的測定値である。前記2つの信号が比例するときは、前記信号は強く相関しており、数値は−1か1かのいずれかに近づき、自己調節が異常であることを表す。相関係数が−0.70と0.70との間のときは、信号は類似ではなく、自己調節は正常であるらしい。以下の非特許文献16を参照せよ。
【非特許文献16】デーリー(Daley)ら、「頭蓋内圧および動脈血圧の間の相関係数、脳脈管系の拡張の基準」、Acta Neurochir [Suppl}、71巻、285−288頁、1998年。
【0163】
頭蓋内圧および/または自己調節の状態を正確に決定するために、血行力学的システムおよび/または脳脊髄システムが、既知の頭蓋内圧の変動を起こすか、自己調節にチャレンジするために、一定期間攪乱される必要がある場合がある。生理的なチャレンジをともなう複数の代表的なタイプの攪乱は以下に説明される。
【0164】
1)自己調節の評価のための血行力学的システムの機械的攪乱は、大きな真空式または水力式血圧カフを下肢の周りに取り付けて、静脈血の心臓への帰還を増大させるために膨張させ、これにより血管の血液の体積を増大させ、脳へ流入する血流を増大させることにつながることをともなう。自己調節の状態は、ドップラー情報の解析によって評価される。脳に流入する血流を増大させる他の手段は、患者を重力服の中に入れること、挿管された患者のための機械式ベンチレータの換気パラメーターを変更すること、および、動脈の血流の末梢への流入を制限することを含む。
【0165】
2)自己調節の評価のための血行力学的システムの薬理学的攪乱。自己調節が正常のとき、脳は、この減少した血流に対して、血流の方向を変えたり、抵抗を変化させたりすることにより反応して、十分な潅流を受けることを保証する。代替的に、静脈内の液体濃縮塊が、一時的に血液の体積を増大されて、脳に流入するように、投与される。自己調節が正常のとき、脳は適切に反応する。血液の体積と流れを変化させるためのその他の手段は、昇圧剤、血管拡張剤、変時性および収縮性の薬剤の使用を含む。
【0166】
3)頭蓋内圧を変化させる患者の体位の変化(トレンデレンブルグ体位に対する逆トレンデレンブルグ体位)と、咳、くしゃみ等のような、頭蓋内圧を変化させる患者の平衡状態の変化。
【0167】
4)胸内圧を変化させる機械式ベンチレータの入出力の変調。
【0168】
たいていの状況下では、正常な自己調節および正常な頭蓋内圧の患者は、頭を下にしたり、頭を上にしたりするのを含めて、頭部の体位のいかなる変化にも寛容である。完全に正常で健康な人間であっても、かかる体位の変化にともなう一時的な頭蓋内圧の変化は数秒以内に起こるが、身体は補償して頭蓋内圧は正常に戻る。体位の変化は、例えば、非侵襲的に頭蓋内圧および自己調節を決定するために用いられる方法を較正またはリセットするために、頭蓋内圧または自己調節の既知の変化を起こすうえで必要である。
【0169】
本発明のシステムおよび方法の特定の用途は、頭蓋内圧の非侵襲的評価および監視に関して詳しく説明したが、同様の方法およびシステムは、アルツハイマー病、多発性硬化症、虚血状態、低酸素状態、硬膜下および硬膜上血腫、クモ膜下出血、脳内出血、腫瘍その他の頭蓋外の塊状物等のような、組織特性の生理的変化を特徴とする疾患および病状の診断および監視のために用いられる場合がある。その他の過程のステップは、標的組織内の複数の予め定められた位置での組織特性の評価を、経験的に決定されたデータか、他の組織タイプまたは位置からの相当する組織特性のデータかに対する、異なる位置での組織特性と比較することを含む場合がある。
【0170】
本発明の方法およびシステムは、救急車、救急外来、集中治療室等のような緊急医療の場面と、外科の場面と、入院および外来治療の場面と、住宅、航空機、列車、船舶、公共の場所等を含む、さまざまな場面で用いられる場合がある。用いられる技術は非侵襲的で、不可逆的に標的組織を損傷することはない。したがって、これらは、望ましくない副作用を起こさずに必要に応じていくらでも頻繁に用いることができる。本発明の方法およびシステムは、患者の参加を必要としないので、無能力な患者でもこれらのシステムの利点を享受できる。頭蓋内圧を含む組織特性を評価するための方法およびシステムは、組織特性または頭蓋内圧を監視するために連続的に、あるいは、間欠的に使用できる。
【0171】
特許文献および非特許文献を含む、ここに説明された全ての刊行物は、引用によりそれらの全体がここに取り込まれる。
【0172】
以下の実施例は、例示のために提供され、いかなる方法でも本発明の限定することを意図するものではない。実施例1および2を支持するデータは、トランスデューサ13と、これを支持する電子ダイプレクサー15、増幅器17および機能発生器19を除く図2の装置を具体化した装置を用いて収集された。
【実施例1】
【0173】
脳組織の内在性の変位(例えば、圧縮および膨張)と、それらのさまざまな音響散乱特性とは、標準的なドップラー(TDC)トランスデューサと、既製品のデータ獲得システムと、新規の脳からの音響後方散乱信号の解析とを用いて直接計測できることを、試験管内で(図6A)および生体内で(図6B〜D)で示し、以下の詳しく説明した。
【0174】
音響技術を用いて頭蓋内圧の変化を調べるための試験管内のモデルが、水密で、視覚および音響的に透過性の、脳に加えられる圧力を変化するためのハンドポンプに取り付けられたボトルに入った液体に浸された新鮮なウシの脳を用いて構築された。音響トランスデューサ(ATL/Philips Medical Systems、ワシントン州、Bothell)と、前記ボトルとは、質問トランスデューサの焦点が脳の中にあって脳の縁の近傍であるように、水中に設置された。その増幅器が200mVで駆動されるトランスデューサと、LeCroy Waverunnerのオシロスコープとを用いて、質問信号発信器によって発生した脳から後方散乱した音波波形が収集されたが、その波形は、到達時間の変化により計測したところ、ハンドポンプの目盛りによって決定された試験管内のウシの脳に加えられる圧力の増加に対する関数としてのウシの脳の変位の増加は、直線的な関係にあること(図6A)が示された。これは予測された結果であった。閉空間における液体(脳脊髄液)の体積を増加した結果として、脳に加えられる圧力(頭蓋内圧)が亢進すると、脳は容器から遠ざかることが予想される。
【0175】
図6B〜Dに示された変位(圧縮および膨張)の波形は、自然位での(in situ)ヒトの脳組織の内在性変位に関連する音響散乱信号を計測するための超音波技術を用いて作成された。音響トランスデューサ(ATL/Philips Medical System、ワシントン州、Bothell)が、毎秒10〜10個の音響パルスで、3〜15サイクルを含む2.25MHzの超音波で、ピーク陰圧が2MPaまたは20bar未満の音響質問信号で標的中枢神経系組織を照射するのに用いられた。LeCroy Waverunnerのオシロスコープを用いて、前記質問信号発信器によって発生した脳からの後方散乱した音波波形が収集され、組織変位が計算された。
【0176】
この計算は、対になった受信信号の正規化相関を用いて行われた。脳内での音速の推定値と、時間的変位の計算値とが与えられると、ある瞬間の組織の空間的変位が計算できる。前記空間的変位を経時的に追跡することは、診断用超音波により非侵襲的に探査された脳組織変位の直接的な計測値を提供する。この計算は、質問信号が送信され、後方散乱信号が受信された時間を記録する基準質問信号に、後方散乱信号を相関させることによっても実行できる。関心のある領域からの後方散乱の振幅の変化も、頭蓋内圧波形を決定するために監視される。例えば、発明者たちは、約5から10msの短い時間間隔にわたる関心のある領域の音響後方散乱信号を積分して、その積分をその時間間隔で正規化することによって、図1Aの信号の重要な特徴を有する時系列が得られることをみつけた。特に、計測された脳の変位の小さい体積について、その後の変位から由来する信号または後方散乱の正規化された積分に続いて由来した信号は、被検者の中脳動脈の平均速度の経時的変化に一致するように見える。
【0177】
図6B〜Dは、上記のとおり説明された本発明による超音波技術を用いて自然位で計測された、ヒトの脳の特性の経時的変化を示す。息をとめたり、くしゃみをしたり等のようなある種の生理的な行動は、一時的に頭蓋内圧を亢進または減退させることが知られている。
【0178】
図6Bは、被検者の人間が息を止めているときの音響後方散乱の正規化された振幅の変化を示す。図6Cは、相関技術にもとづいて、15サイクルの超音波のパルスを用いて、被検者が息を止めている間のヒトの脳の変位を示す。特に、図6Cは、脳内の血液の体積の蓄積のために脳に加えられる圧力が亢進したためにトランスデューサに向かって全体として増大した脳の変位を、図1Bで見られたのと同様の心臓で誘発された脳の変位信号とともに示す。
【0179】
図6Bは、図6Cと同じ種類の受信信号特性を示すが、ここでは、5サイクルのパルスを使ったが、データを上記のとおり音響後方散乱信号にわたって積分することによって解析した。図6Cと同様に、両方の波形とも被検者が息を止めていた10秒間にわたって変化したが、これは被検者が息を止めるときの頭蓋内圧の既知の一時的変化とつじつまが合う。脈管パルスと自己調節波形とは改変された形で図1Bと同様に図6Cにも存在している。図6Bおよび6Cの時系列は、患者の中脳動脈で見られた速度パターンと同様に見える(データは示されない)。したがって、この計測は、主要な脳の動脈と、残りの脳脈管系からの寄与による追加とに対して反応する脳実質の圧縮および膨張の正確な描写である。
【0180】
図6Dは、被検者が、まず、2〜3秒間息を止め、その後、息を吸うときの、表面近傍の脳の変位の変化の例を示す。呼吸および呼吸周期の変化は、一時的に頭蓋内圧を変化させることが知られている。最初、脳表面のトランスデューサに向かう変位の総量は増加した。吸気の際、脳組織は、数回の心臓周期の間、トランスデューサから遠ざかる方向に移動した。観察された変位は、被検者が息を止め(一時的な血液体積および頭蓋内圧が増加)、その後、息を吸う(一時的な血液体積および頭蓋内圧の減少)ときに予想される、頭蓋内圧の一時的変化とつじつまが合っている。
【0181】
発明者の計測は、脳組織の小さな体積(1.0cmのオーダー)について行われた。
発明者は、比較的大きな体積(10cmのオーダー)の脳組織は、図1Aの頭蓋内圧のトレースと同じに見える信号を発生する、と予測する。この信号は、直接、または、動脈血圧データとともに、上記のとおり、頭蓋内圧および/または自己調節状態を評価するために用いられる。大きい体積の脳組織にわたる音響後方散乱信号の寄与は、複数の脳血管によって生じる脳組織変位(膨張および圧縮)の結果であり、この個別の内在性振動は、侵襲的に観察されたとおり、互いに強め合う主要なもの(重複切痕等)を除き、打ち消しあう。
【実施例2】
【0182】
発明者は、上記と同様のウシの脳のモデルを用いて、試験管内で、広範囲の音響強度での打診超音波パルスが、大きな組織損傷を起こさずに、脳の変位を増大させることを示した。
【0183】
新鮮なウシの脳が、水密で視覚および音響的に透過性のハンドポンプに取り付けられた、ボトルの中の液体に浸された。ATL音響トランスデューサ(ATL−Philips Medical Systems、ワシントン州、Bothell)と前記ボトルとは、音響打診および質問トランスデューサの焦点が脳の内部で脳の縁の近傍にくるように、水中に設置された。発明者は、LeCroy Waverunnerのオシロスコープを用いて、脳から後方散乱した質問音波波形を収集した。試験官内でウシの脳を打診および質問するために、質問パルスは、図6Aについて説明したとおり照射されたが、打診パルスは、30,000〜50,000サイクルを含む1Hzのパルス反復周波数を有し、500W/cm未満の時間平均強度があった。
【0184】
図7に示すとおり、常圧(0mmHg)で超音波の音響力が(mVで与えられる駆動電圧に比例して)増大するとき、ミクロンで与えられる前記ウシの脳の計測された変位も増大する。発明者は、試験管内の上記の実験的なウシの脳のモデルで、同一の超音波打診パルスによる脳の変位は、脳に加えられる圧力が0から55mmHgまで増大するとき、300μmから210μmまで減少することを示した。したがって、同一の音響力が超音波で適用されるとき、脳と、試験管内の組織変位とは、予想どおり、頭蓋内圧と負の相関がある。非侵襲的な超音波にもとづく脳組織の超音波打診の計測は、血圧測定を要しないで、ヒトの頭蓋内圧を安全に直接計測することができるが、それは、この方法によって、脳に既知の(超音波)力が加えられるからである。代替的に、安全であると決定することが容易ではない値の強度未満の強度の集束超音波ビームを用いて、既知の力で脳組織を探査または打診することは、既知の圧縮力に曝されるときに脳組織が起こす変位の量を較正することにより、頭蓋内圧決定の受動的方法を補完するデータを作る。
【実施例3】
【0185】
既存の経頭蓋ドップラー装置とコントローラは、本発明の方法およびシステムによる組織変位に関する生データを処理するために改変される場合がある。ドップラー情報のようなデータは超音波トランスデューサ/受信機により獲得されるので、このデータは、従来、血管壁の動き、組織変位、脳脊髄液の攪乱等によって説明できる信号の部分を除去するために設計された一組のフィルターを通され、血流で説明できる信号の部分のみがその後の経頭蓋ドップラー解析のために残される。本出願については、経頭蓋ドップラー装置によって獲得された、血流とともに、血管壁の動き、脳組織変位および脳脊髄液の攪乱により説明できる信号の部分を含む、フィルターを通さない信号が、本発明の方法によって頭蓋内圧のような脳脊髄液組織特性を評価するために用いられる。
【0186】
経頭蓋ドップラーまたは同様の装置の超音波トランスデューサ/受信機によって獲得された、フィルターを通さないデータは、単独で、あるいは、動脈血圧に関するデータと併用して、頭蓋内圧、自己調節状態等を評価するための上記の方法によって、処理される。解析は、ドップラー情報を動脈血圧情報に相関させること、ドップラーおよび動脈血圧の波形のフーリエ解析を実行すること、上記のドップラーおよび動脈血圧の情報を組み合わせて頭蓋内圧および自己調節状態を決定することを含む。
【0187】
本発明の方法およびシステムと、既存の技術とを用いて非侵襲的な頭蓋内圧のモニターを構築するために、連続的な動脈血圧のモニターが用いられる。非侵襲的に作動する適当な動脈血圧モニターは、例えば、Medwave社(ミネソタ州、St.Paul)からVasotracという商品名で入手可能である。侵襲的な動脈血圧監視システムは、SpaceLabs Medical社(米国、ワシントン州、Redmond)から入手可能である。これらのシステム、または、同様のシステムは、動脈血圧の情報を、動脈血圧データを経頭蓋ドップラーデータとともに解析して頭蓋内圧を(上記のように)生成する、他のプロセッサーに提供するために改変される。
【0188】
代替的に、本発明の方法およびシステムと、既存の技術とを用いる、非侵襲的な頭蓋内圧モニターは、生のドップラーデータの処理と、頭蓋内圧を(上記のように)生成するための動脈血圧との相関とを提供するために経頭蓋ドップラー装置を改変することにより組み立てられる場合がある。適当な商業的な経頭蓋ドップラー装置は、例えば、Spencer Technologies(ワシントン州、シアトル)から、TCD100Mという商品名で入手可能である。
【0189】
代替的に、上記の2つの構成部分と、プロセッサーを組み合わせる一体化ユニットが、商業的に入手可能な構成部分を用いて組み立てられ、したがって、動脈血圧、頭蓋内圧および自己調節の同時表示を提供する場合がある。図8は、頭蓋内圧、動脈血圧および自己調節状態を監視するための装置の出力表示のサンプルを示す。頭蓋内圧出力は経時的なmmHgで表現され、動脈血圧出力は、収縮期血圧、拡張期血圧および動脈圧平均値の内訳を含む場合があり、自己調節は経時的な頭蓋内圧および動脈血圧に比例する相関係数Rとして表現される。パラメーターのそれぞれについて、状況表示(正常、異常等)が提供される場合があり、アラームが提供され、パラメーターが予め定められた閾値を超えるか、それ以下に下がるときに作動するように設定される場合がある。
【0190】
図8A〜8Cは、頭蓋内圧(図8A)と、動脈血圧(図8B)と、自己調節状況(図8C)とについての代表的な出力表示を示す。図8Aは、15mmHgの平均頭蓋内圧を示すが、これは正常範囲内である。図8Bは123mmHgの収縮期圧と、75mmHgの拡張期圧と、91mmHgの平均圧とを示すが、これは正常範囲内である。図8Cは0.3の相関値Rを示すが、これは正常範囲内である。出力表示は、図に示すように、収集したデータのグラフを示す場合があるが、追加的に、あるいは、代替的に、正常か異常かの状態を示したり、頭蓋内圧、動脈血圧、自己調節状態の数値が予め定められた閾値範囲外のときに作動する視認または聴取可能なアラームが提供される場合もある。
【0191】
図8A〜8Cに示された代表的な出力表示は頭蓋内圧、動脈血圧および自己調節状態に関する出力データを含むが、これらの出力のいずれか1つか、これらの出力の組み合わせのいずれかが、さまざまな装置で表示される場合があり、表示は代替的な情報を用いて他の形式をとる場合もあることは理解されるであろう。本発明の方法およびシステムは、さらに、他の検出および監視のシステムと組み合わされて、追加の出力データを提供する場合がある。
【実施例4】
【0192】
リンパ節症のような、肥大し、あるいは、痛みがある、組織部位をともなう炭疽菌感染その他の感染症について患者集団をスクリーニングするための方法が提供される。吸入炭疽にともなう高い死亡率は、部分的には、診断の遅れの結果である。吸入炭疽の症状は、さまざまなインフルエンザおよび肺炎の症状のような、他の呼吸器の病状にともなう症状と類似する。しかし、吸入炭疽は、インフルエンザおよび肺炎とは異なり、縦隔リンパ節の肥大が特徴である。肥大は、一般に、重篤で、相対的に発病が早い。グリンバーグ(Grinberg)ら、「吸入炭疽の定量的病理学I:定量的な顕微鏡観察結果」、Mod Pathol、14巻、5号、482−95頁、2001年、5月。炭疽感染にともなうリンパ節症は痛みがあると信じられている。そこで、痛みの音響的刺激が、炭疽菌感染の初期の指標として用いられる場合がある。
【0193】
上記の音響打診技術を用いて、患者がスクリーニングされて、痛みがあるリンパ節症であるがどうかが決定される。さまざまなリンパ節が標的となり、打診されて、そのリンパ節が痛みの発生源かどうか決定される。特に、縦隔リンパ節は、痛むかどうか決定するために、標的にされ、打診される。そうである場合には、炭疽感染にともなうリンパ節症を確認するための追加の診断スクリーニングが実施され、治療が開始される場合がある。このスクリーニング技術は、どの患者がさらなる診断手順の対象になるべきか、あるいは、どの患者が先に治療されるべきかを同定するための患者集団の迅速なスクリーニングに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1A】従来の侵襲的な技術で測定された典型的な頭蓋内圧の波形図。
【図1B】図1Aのボックスに囲まれた頭蓋内圧波形の拡大図。
【図2】組織特性および頭蓋内圧を評価するために組織変形を誘発し検出する本発明のシステムの概念図。
【図3】組織特性および頭蓋内圧を評価するために組織変形を誘発し検出する本発明の別のシステムの概念図。
【図4】組織変位を発生させる共焦点音響発生源と、前記変位の振幅を測定する診断用超音波プローブの使用法を示す概念断面図。
【図5A】変位のない標的脳表面の概念図。
【図5B】音響放射力を適用する間の標的脳組織の歪みを示す概念図。
【図5C】音響放射力の適用につづく標的脳表面の緩和を示す概念図。
【図5D】時間tに獲得された変位のない脳組織に特徴的な音響散乱信号の波形図。
【図5E】図5Dの音響散乱信号からΔtの時間間隔での脳組織の歪みに由来する音響散乱信号の波形図。
【図5F】実質的に変位のない脳組織と同一の信号および時間である、時間tに獲得された、緩和した脳組織に特徴的な音響散乱信号の波形図。
【図6A】亢進する刺激された頭蓋内圧と関係して変化し、脳脳脊髄液の体積の増加の結果である、試験管内のウシの脳の変位の測定値を示すグラフ。
【図6B】患者が息を止めている間の生体でのヒトの脳の後方散乱トレース図。
【図6C】患者が息を止めている間の生体でのヒトの脳の変位のトレース図。
【図6D】患者がまず息を止めて、それから息を吸い込む間の生体でのヒトの脳の変位トレース図。
【図7】生体内での脳組織変位の測定値が、音響駆動電圧で示される適用された音響放射力と比例することを示すグラフ。
【図8A】本発明のシステムの典型的な頭蓋内圧の出力を示すトレース図。
【図8B】本発明のシステムの典型的な動脈血圧の出力を示すトレース図。
【図8C】本発明のシステムの典型的な自己調節状態の出力を示すトレース図。
【符号の説明】
【0195】
10 音響発生源および受信機の複合機
12、13、22 音響発生源
14、17、26 増幅器
15、24 ダイプレクサー
16、19、28 機能発生器
20、30 コントローラ
32 組織標的
40 音響発生源およびプローブの複合機
42、44 音響発生源
46 超音波プローブ
48 場所
50 音響発生源およびプローブの複合機
51、52、53、54 超音波トランスデューサ
56 検出エレメント

Claims (49)

  1. 超音波パルスを適用することにより、標的組織部位に組織変位を非侵襲的に誘発すること、前記標的組織部位または該標的組織部位の近傍で誘発された組織変位に関するデータを非侵襲的に獲得すること、前記誘発された組織変位に関する獲得されたデータを前記標的組織の生理特性に関係づけることを含む、標的組織の生理特性を検出する方法。
  2. 前記誘発された組織変位に関する獲得されたデータは、前記標的組織の音響特性に関する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記誘発された組織変位に関する獲得されたデータは、複数の音響質問パルスを前記標的組織部位に照射し、該標的組織部位から音響データを収集することにより獲得される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記データは、音響散乱の、規模、振幅および位相のうちの少なくとも1つに関する、請求項2に記載の方法。
  5. 発信モード、反射モード、散乱モード、後方散乱モード、放出モード、エコーモード、ドップラーモード、カラードップラーモード、ハーモニックまたはサブハーモニックモード、aモード、bモード、mモードのうち、少なくとも1つのモードで作動する超音波トランスデューサを用いて、前記誘発された組織変位に関する音響データを前記標的組織部位から収集すること、前記誘発された組織変位に関する音響データを、前記標的組織の生理特性に関係づけることを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記標的組織は中枢神経系組織である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記標的組織は中枢神経系組織で、検出された前記生理特性は頭蓋内圧である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記標的組織は中枢神経系組織で、検出された前記生理特性は脳潅流圧である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記標的組織は、血管を含むか、血管の近傍にあり、前記生理特性は動脈血圧である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記標的組織は中枢神経系組織で、検出された前記生理特性は、血管痙攣、卒中、局所的水腫、感染、血管炎、硬膜下または硬膜上血腫、クモ膜下出血、虚血状態、多発性硬化症、アルツハイマー病、低酸素状態、脳内出血、腫瘍その他の頭蓋内塊状物、および、急性、慢性および外傷性の病状および傷害からなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記標的組織は心臓組織で、検出される前記生理特性は異常な心臓組織である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記標的組織は末梢神経系組織である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記誘発された組織変位に関するデータは、近赤外分光法、光コヒーレンス断層撮影法、磁気共鳴技術および陽子射出断層撮影法からなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記誘発された組織変位に関する獲得されたデータを経験的に決定された基準と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 音響放射力の適用に関してそれぞれ異なる時点で誘発された組織変位に関する、複数のデータセットを獲得することを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 第2の超音波パルスを適用することにより、第1の組織部位とは異なる第2の標的組織部位で組織変位を誘発すること、第2の標的組織部位またはその近傍で誘発された組織変位に関するデータを獲得すること、前記標的組織部位で変位した組織に関する獲得されたデータを、第2の標的組織部位で変位された組織に関する獲得されたデータと比較することを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記標的組織は中枢神経系組織であり、前記誘発された組織変位に関する獲得されたデータは前記標的組織の音響特性に関し、音響発生源と前記標的組織部位との間の環境の特徴を評価するために初期の環境評価を実施することを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 少なくとも1回の心臓周期にわたる複数の時点で前記標的組織部位で内在性組織変位に関するデータを獲得すること、前記内在性組織変位と、前記標的組織部位で誘発された組織変位とを、前記標的組織の生理特性に関係づけることを含む、請求項1に記載の方法。
  19. 複数の異なる超音波パルスを前記標的組織部位に適用すること、前記異なる超音波パルスによって誘発された組織変位に関するデータを獲得することを含む、請求項1に記載の方法。
  20. 複数の時間に複数の超音波パルスを前記標的組織部位に適用すること、誘発された前記組織変位に関するデータを獲得することを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 複数の超音波パルスを複数の標的組織部位に適用すること、前記複数の標的組織部位で誘発された組織変位に関するデータを獲得することを含む、請求項1に記載の方法。
  22. 少なくとも1回の心臓周期にわたる複数の時点で標的組織部位での内在性組織変位に関するデータを獲得すること、前記内在性組織変位を前記標的組織の生理特性に関係づけることを含む、標的組織の生理特性を評価する方法。
  23. 少なくとも1回の心臓周期にわたる複数の時点で複数の標的組織部位での内在性組織変位に関するデータを獲得することを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記標的組織部位での内在性組織変位に関する獲得されたデータは前記標的組織の音響特性に関する、請求項23に記載の方法。
  25. 検出された前記標的組織の音響特性は、音響信号の振幅の変化、音響信号の位相の変化、音響信号の周波数の変化、音響放出信号の変化、質問信号に対する散乱信号の長さの変化、心臓周期の中での音響信号の最大および/または最小振幅の変化、心臓周期の中での音響信号の最大および/または最小振幅と、その後の心臓周期の中での振動の平均または偏差との比、同一の場所異なる時間での散乱信号および/または異なる場所同一の時間での散乱信号の時間的または空間的偏差の変化、および、組織変位または緩和の変化速度からなるグループから選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記標的組織部位での内在性組織変位に関して獲得されたデータは、音響質問パルスを前記標的組織部位に照射し、音響散乱データを収集することによって獲得される、請求項22に記載の方法。
  27. 音響散乱データは、単一の音響周波数で獲得される、請求項26に記載の方法。
  28. 音響散乱データは複数の音響周波数で獲得される、請求項26に記載の方法。
  29. 前記内在性組織変位データと、血圧、心臓周期および/または呼吸周期に関する追加データとを、前記標的組織の生理特性に関係づけることを含む、請求項22に記載の方法。
  30. 前記標的組織部位での内在性組織変位に関するデータは、近赤外分光法、光コヒーレンス断層撮影法、磁気共鳴技術、および、陽子射出断層撮影法からなるグループから選択される検出技術を用いて獲得される、請求項22に記載の方法。
  31. (1)標的組織を変位させる音響放射力を望ましい標的部位に適用すること、(2)前記標的組織の変位または誘発された生物学的反応の少なくとも1つを調べること、(3)前記標的組織の変位または前記標的組織の変位に対する生物学的反応かの関数として組織特性を評価することを含む、医学的に関係がある標的組織の生理特性を検出する方法。
  32. 前記音響放射力を適用する前に、検出源と、前記標的組織との間の組織の場所および特性を決定する初期環境評価を実行することにより、音響伝搬環境を特徴づけることを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記標的組織の変位に関するデータは、近赤外分光法、光コヒーレンス断層撮影法、磁気共鳴技術、および、陽子射出断層撮影法からなるグループから選択される検出技術を用いて獲得される、請求項31に記載の方法。
  34. 前記標的組織の組織変位に関して獲得されたデータは、前記標的組織の音響特性に関係する、請求項31に記載の方法。
  35. 集束超音波を適用して標的組織の振動を誘発すること、該標的組織から放出された音響信号の特性を計測すること、前記放出された音響信号の特性を組織の生理特性に関係づけることを含む、標的組織の生理パラメーターを評価する方法。
  36. 被検者の標的中枢神経系組織部位に音響質問信号を照射すること、前記他中枢神経系組織部位からの音響散乱データを獲得すること、前記被検者の動脈血圧を決定すること、獲得された前記音響散乱データと動脈血圧とを頭蓋内圧に関係づけることを含む、被検者の頭蓋内圧を監視する方法。
  37. 前記音響散乱データを前記標的中枢神経系組織の硬直性または弾性に関係づけること、前記標的組織の硬直性または弾性を頭蓋内圧と関係づけることを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 頭蓋内圧および動脈血圧を比較すること、患者の自己調節状態を決定することを含む、請求項36に記載の方法。
  39. 音響発生源と、音響検出器と、電源と、機能発生器と、コントローラと、表示装置とを含むシステムであって、前記音響発生源および音響検出器は動作可能に前記電源に接続され、前記電源は動作可能に前記機能発生器に接続され、前記機能発生器は動作可能に前記コントローラに接続され、前記コントローラは動作可能に前記表示装置に接続され、前記コントローラは、データ獲得、保存および解析の能力と、獲得された音響データを処理して、該獲得された音響データを少なくとも1つの組織の生理状態に関係づける能力とを有し、前記コントローラは少なくとも1つの組織の生理状態に関する情報を表示する、システム。
  40. 音響発生源および音響検出器は超音波トランスデューサとして提供される、請求項39に記載のシステム。
  41. 複数の超音波トランスデューサを含む、請求項39に記載のシステム。
  42. 前記複数の超音波トランスデューサは環状である、請求項41に記載のシステム。
  43. 音響発生源および検出器は経頭蓋ドップラー装置として提供される、請求項39に記載のシステム。
  44. 前記表示装置は、頭蓋内圧、動脈血圧および自己調節に関する情報を提供する、請求項39に記載のシステム。
  45. 標的を定めた音響パルスを提供することができる集束された音響発生源と、前記標的を定めた音響パルスの空間的場所を画像化することができる画像化装置との組み合わせを含む、システム。
  46. 超音波パルスを複数の標的組織部位に照射すること、前記超音波パルスによって前記標的組織部位のそれぞれに誘発された生理状態または生物学的反応に関するデータを獲得することを含む、生理状態または生物学的反応を局在定位する方法。
  47. 前記生理状態または生物学的反応は痛みで、データは、前記標的組織部位のそれぞれに超音波パルスを適用したときに、誘発された痛みの主観的な感覚があるか、または、ないかの観察によって獲得される、請求項46に記載の方法。
  48. 関節の痛みの発生源を局在定位する、請求項47に記載の方法。
  49. 痛みの発生源を局在定位し、虫垂炎、胆嚢炎、骨盤の炎症疾患、リンパ節症、炭疽感染、および、末梢神経系に関係する病状からなるグループから選択される病状を診断する、請求項47に記載の方法。
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