JP5653882B2 - 光音響撮像装置およびその作動方法 - Google Patents

光音響撮像装置およびその作動方法 Download PDF

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Description

本発明は、光が被検体に照射されることにより被検体内で発生した光音響波を検出して光音響画像を生成する光音響撮像装置およびその作動方法に関するものである。
従来、被検体の内部の断層画像を取得する方法としては、超音波が被検体内に照射されることにより被検体内で反射した超音波を検出して超音波画像を生成し、被検体内の形態的な断層画像を得る超音波イメージングが知られている。一方、被検体の検査においては形態的な断層画像だけでなく機能的な断層画像を表示する装置の開発も近年進められている。そして、このような装置の一つに光音響分析法を利用した装置がある。この光音響分析法は、所定の波長を有する光(例えば、可視光、近赤外光又は中間赤外光)を被検体に照射し、被検体内の特定物質がこの光のエネルギーを吸収した結果生じる弾性波である光音響波を検出して、その特定物質の濃度を定量的に計測するものである。被検体内の特定物質とは、例えば血液中に含まれるグルコースやヘモグロビンなどである。このように光音響波を検出しその検出信号に基づいて光音響画像を生成する技術は、光音響イメージング(PAI:Photoacoustic Imaging)或いは光音響トモグラフィー(PAT:Photo Acoustic Tomography)と呼ばれる。
光音響イメージングでは、周囲の媒質よりも光吸収係数が高い光吸収体のイメージングが行われている。例えば、体内における血管の光吸収係数は周囲の媒質よりも大きく、この血管をイメージングする研究が広く行われている。
例えば、血管のような光吸収係数の大きな組織から生じる光音響波は、図6aに示すようなN型形状の音響信号として検出されることが知られている(特許文献1)。通常、光照射からこの音響信号が検出されるまでの時間tは検出器からの血管の位置を、この音響信号の幅wは血管の大きさを反映した値となる。上記のような光音響波に基づいて光吸収係数が算出され、光吸収係数の分布として光音響画像が得られる。
特開2010−136887号公報
しかしながら、図6aのように正のピークP1および負のピークP2が繋がっているような光音響波であれば特に問題はないが、図6bに示すように、太い血管のような比較的大きな組織では正および負の互いのピーク位置間隔が広がってその境界のみが二重線で表示され、1つの組織として認識しづらいという問題がある。このような二重線は場合によっては、それぞれの線が独立した細い血管のような比較的小さい組織を表しているという誤った認識を生む要因となりうる。さらに、太い血管が複数ある場合には、どの線とどの線が1つの組織を表す1組の線なのかを認識することが難しく、1つの組織としての認識の困難性は顕著に表れる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、光音響効果を利用した光音響撮像において、比較的大きな組織に関して当該組織と他の組織との境界線が二重線として表示されるような場合でも、その二重線の一方から他方までの領域を1つの組織として認識しやすくすることを可能とする光音響撮像装置およびその作動方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る光音響撮像装置は、
被検体内に測定光を照射する光照射部と、測定光が被検体に照射されることにより被検体内で発生した光音響波を検出して光音響波を電気信号に変換する電気音響変換部と、この電気信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部とを備える光音響撮像装置において、
光音響波が変換された電気信号中の複数のピークそれぞれから、ピークの位置情報、並びに、ピークが正および負のいずれかであることを示す正負情報を抽出する抽出部を備え、
画像生成部が、上記複数のピークのうち互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である場合に、上記互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置情報に基づいて、上記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域に対して色度調整を実施することにより、上記互いに隣接する2つのピークおよび上記信号領域を1つの組織として認識しやすくする補正を行うものであることを特徴とするものである。
本明細書において、ピークの「正負情報」とは、バックグラウンドを基準とした場合に、そのピークが正の強度を有しているか或いは負の強度を有しているかの情報を意味し、例えば前者の場合には「正」、後者の場合には「負」を示す情報を有するものである。
「互いに隣接する2つのピーク」とは、計測された複数のピークのうち時系列的に連続して計測された2つのピークの組み合わせを意味する。
「互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である」とは、互いに隣接する2つのピークに関して、最初に検出されたピークの正負情報が正であり、次に検出されたピークの正負情報が負であることを意味する。ここで正および負の信号ピークとは、それぞれ音響波の正および負の圧力を検出した場合の信号を意味する。音響波の正および負の圧力を検出した場合に、増幅器の極性によって負および正の信号ピークとなる場合には、以降の文中の符号は逆になる。
「色度調整」とは、対象の画像領域の色相、明度(輝度)および彩度の少なくとも1つを調整することを意味する。
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、画像生成部は、上記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域を強調表示するように、色度調整を実施するものとすることができる。
また、本発明に係る光音響撮像装置において、画像生成部は、上記補正が行われなかった他の組織に対応する画像領域に対して、上記補正が行われた画像領域と識別を可能にする態様の色度調整を実施するものとすることができる。
「他の組織」とは、1つの組織として認識しやすくする上記補正が行われた画像領域に対応する当該組織と異なる組織を意味し、同種の組織のほか、異種の組織も含むものとする。
また、本発明に係る光音響撮像装置において、画像生成部は、互いに隣接する2つのピークの間隔が生体組織内における長さとして換算された際に5mm以下に相当する場合にのみ、上記補正を行うものであることが好ましい。
また、本発明に係る光音響撮像装置は、光照射部に測定光を出力する光源ユニットであって測定光として波長の異なる光を出力可能な光源ユニットを備え、画像生成部は、測定光の波長ごとに色度調整の態様を変えて上記補正を行うものであることが好ましい。
また、本発明に係る光音響撮像装置において、画像生成部により先に生成された第1の光音響画像を記憶する記憶部を備え、
画像生成部が、複数の光音響画像を連続して撮像する場合において、第1の光音響画像を生成した後第2の光音響画像を生成する際に、第1の光音響画像の生成時に実施された色度調整に係る第1の信号領域の第1の幅と、第2の光音響画像の生成時に実施される色度調整に係る第2の信号領域であって第1の信号領域に対応した第2の信号領域の第2の幅とを対比し、第1の幅から第2の幅への変化率の大きさが閾値以上であるか否かの判断を行い、第2の信号領域に対応する第2の画像領域に対して、上記判断の結果に応じた所定の色度調整を実施するものであることが好ましい。
本明細書において、ピークの「信号領域の幅」とは、上記互いに隣接する2つのピーク同士の間隔を意味し、時間軸上の間隔でも、時間に所定の音速を乗算して得た変位軸上の間隔でもよい。
「第1の信号領域に対応した第2の信号領域」とは、第1の信号領域および第2の信号領域が実質的に同一の組織に起因して発生した光音響波を反映した信号領域であるという関係を有する第2の信号領域を意味する。
また、本発明に係る光音響撮像装置において、抽出部は、整合加算が実施された後の上記電気信号から位置情報および正負情報を抽出するものであることが好ましい。
さらに、本発明に係る光音響撮像装置の作動方法は、
被検体内に測定光を照射し、測定光が被検体に照射されることにより被検体内で発生した光音響波を検出して光音響波を電気信号に変換し、この電気信号に基づいて光音響画像を生成する光音響撮像装置の作動方法において、
光音響波が変換された電気信号中の複数のピークそれぞれから、ピークの位置情報、並びに、ピークが正および負のいずれかであることを示す正負情報を抽出し、
上記複数のピークのうち互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である場合に、上記互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置情報に基づいて、上記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域に対して色度調整を実施することにより、上記互いに隣接する2つのピークおよび上記信号領域を1つの組織として認識しやすくする補正を行うことを特徴とするものである。
そして、本発明に係る光音響撮像装置の作動方法において、上記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域を強調表示するように、色度調整を実施することが好ましい。
また、本発明に係る光音響撮像装置の作動方法において、上記補正が行われなかった他の組織に対応する画像領域に対して、上記補正が行われた画像領域と識別を可能にする態様の色度調整を実施することができる。
また、本発明に係る光音響撮像装置の作動方法において、互いに隣接する2つのピークの間隔が生体組織内における長さとして換算された際に5mm以下に相当する場合にのみ、上記補正を行うことが好ましい。
また、本発明に係る光音響撮像装置の作動方法において、測定光として波長の異なる光を照射し、測定光の波長ごとに色度調整の態様を変えて上記補正を行うことが好ましい。
また、複数の光音響画像を連続して撮像する場合において、
先に生成された第1の光音響画像を記憶し、
第1の光音響画像を生成した後第2の光音響画像を生成する際に、第1の光音響画像の生成時に実施された色度調整に係る第1の信号領域の第1の幅と、第2の光音響画像の生成時に実施される色度調整に係る第2の信号領域であって第1の信号領域に対応した第2の信号領域の第2の幅とを対比し、第1の幅から第2の幅への変化率の大きさが閾値以上であるか否かの判断を行い、第2の信号領域に対応する第2の画像領域に対して、上記判断の結果に応じた所定の色度調整を実施することが好ましい。
また、本発明に係る光音響撮像装置の作動方法において、整合加算が実施された後の上記電気信号から位置情報および正負情報を抽出することが好ましい。
本発明に係る光音響撮像装置およびその作動方法によれば、光音響効果を利用した光音響撮像において、光音響波が変換された電気信号中の複数のピークそれぞれから、ピークの位置情報、並びに、ピークが正および負のいずれかであることを示す正負情報を抽出し、上記複数のピークのうち互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である場合に、上記互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置情報に基づいて、上記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域に対して色度調整を実施することにより、上記互いに隣接する2つのピークおよび上記信号領域を1つの組織として認識しやすくする補正を行うものである。このような構成により、光音響波の正および負の互いのピーク位置間隔が広がってもそれらのピークを1組として取り扱い、それらのピーク間の領域では同一の組織が連続していることを認識しやすくするように画像表示することができる。この結果、光音響効果を利用した光音響撮像において、比較的大きな組織に関して当該組織と他の組織との境界線が二重線として表示されるような場合でも、その二重線の一方から他方までの領域を1つの組織として認識しやすくすることが可能となる。
本発明の光音響撮像装置の一実施形態の構成を示す概略図である。 図1における画像生成部の構成を示す概略図である。 一実施形態における画像生成工程を説明するブロック図である。 一実施形態における超音波探触子を示す概略斜視図である。 光音響画像生成の際の超音波探触子と生体組織とを示す概略断面図である。 被検体の大小による光音響波の形状の違いを説明する概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
本発明による光音響撮像(PAI)装置10の実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけるPAI装置10全体の概略構成を示すブロック図である。図2は、図1の画像生成部2の構成を示すブロック図である。
本実施形態によるPAI装置10は、特定波長成分を含む測定光Lを発生させこの光を被検体7に照射する光送信部1と、この測定光Lが被検体7に照射されることにより被検体内で発生する光音響波Uを検出して任意断面の光音響画像データを生成する画像生成部2と、音響信号と電気信号の変換を行う電気音響変換部3と、この光音響画像データを表示する表示部6と、操作者が患者情報や装置の撮影条件を入力するための操作部5と、これら各ユニットを統括的に制御するシステム制御部4とを備えている。
光送信部1は、例えば波長の異なる光を出力する複数の光源を備える光源部11と、複数の波長の光を同一光軸上に合成する光合波部12と、この光を被検体7の体表面まで導く多チャンネルの導波部14と、この導波部14において使用するチャンネルを切り換えて走査を行う光走査部13と、導波部14によって供給される光が被検体7に向けて出射する光照射部15とを備えている。
光源部11は、所定の波長の光を発生する1以上の光源を有する。光源として、特定の波長成分又はその成分を含む単色光を発生する半導体レーザ(LD)、発光ダイオード(LED)、固体レーザ、ガスレーザ等の発光素子を用いることができる。光源16は、測定光として1〜100nsecのパルス幅を有するパルス光を出射するものであることが好ましい。測定光の波長は、計測の対象となる被検体内の物質の光吸収特性によって適宜決定される。生体内のヘモグロビンは、その状態(酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、メトヘモグロビン、炭酸ガスヘモグロビン、等)により光学的な吸収特性が異なるが、一般的には600nmから1000nmの光を吸収する。したがって、例えば計測対象が生体内のヘモグロビンである場合(つまり、血管を撮像する場合)には、一般的には測定光の波長は600〜1000nm程度とすることが好ましい。さらに、被検体Mの深部まで届くという観点から、上記測定光の波長は700〜1000nmであることが好ましい。そして、上記測定光の出力は、光と光音響波の伝搬ロス、光音響変換の効率および現状の検出器の検出感度等の観点から、10μJ/cm〜数10mJ/cmであることが好ましい。さらに、パルス光出力の繰り返しは、画像構築速度の観点から、10Hz以上であることが好ましい。また、測定光は上記パルス光が複数並んだパルス列とすることもできる。波長の異なる光は、同時に被検体7に照射されるようにしてもよいし、時間的に分離した状態で照射されるようにしてもよい。
より具体的には例えば、被検体7のヘモグロビン濃度を測定する場合には、固体レーザの一種であるNd:YAGレーザ(発光波長:1064nm)や、ガスレーザの一種であるHe-Neガスレーザ(発光波長:633nm)を用い、10nsec程度のパルス幅を有したレーザ光を形成する。また、LDやLED等の小型発光素子を用いる場合には、InGaAlP(発光波長:550〜650nm)、GaAlAs(発光波長:650〜900nm)、InGaAsもしくはInGaAsP(発光波長:900〜2300nm)などの材料を用いた素子を使用することができる。また最近では、波長が550nm以下で発光するInGaNを用いた発光素子も使用可能になりつつある。更には、波長可変可能な非線形光学結晶を用いたOPO(Optical Parametrical Oscillators)レーザを用いることもできる。
光合波部12は、光源部11から発生する波長の異なる光を同一光軸に重ね合わせるためのものである。それぞれの光は、まずコリメートレンズによって平行光線に変換され、次に直角プリズムやダイクロイックプリズムにより、光軸が合わせられる。このような構成により比較的小型の合波光学系とすることができるが、光通信用に開発されている市販の多重波長合波・分波器を用いてもよい。また光源部11に前述の波長が連続的に変更可能なOPOレーザ等の発生源を使用する場合は、この光合波部12は必ずしも必要ではない。
導波部14は、光合波部12から出力される測定光を光照射部15まで導くためのものである。効率のよい光伝搬を行うために光ファイバや薄膜状の光導波路を用いるが、直接空間伝搬することも可能である。ここでは、導波部14は、複数の光ファイバ71から構成される。これらの複数の光ファイバ71の中から所定の光ファイバ71を選択して、当該選択された光ファイバ71によって被検体7に対する光照射を行う。なお、図1では、明確に示してはいないが、光学フィルタやレンズ等の光学系と合わせて使用することもできる。
光走査部13は、導波部14において配列される複数の光ファイバ71を順次選択しながら測定光の供給を行うことによって被検体7に対して測定光による走査を行う。
光照射部15は、本実施形態では複数の光ファイバ71の複数の出射端部から構成される。光照射部15は、電気音響変換部3とともに、超音波探触子70を構成する。光照射部15を構成する複数の光ファイバ71の複数の出射端部は、電気音響変換部3の周囲に沿って配列される。また、電気音響変換部3を構成する複数の変換素子54が透明材料である場合には、光照射部15は変換素子54の上方から変換素子全体を照射できるように配置してもよい。なお、複数の光ファイバ71の複数の出射端部は、電気音響変換部3を構成する複数の変換素子54とともに、平面、凸面あるいは凹面を形成する。ここでは平面とする。
電気音響変換部3は、例えば1次元状或いは2次元状に配列された微小な複数の変換素子54から構成される。変換素子54は、例えば、圧電セラミクス、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような高分子フィルムから構成される圧電素子である。電気音響変換部3は、光照射部15からの測定光Lの照射により被検体7内に発生する光音響波Uを受信する。この変換素子54は、受信時において光音響波Uを電気信号に変換する機能を有している。電気音響変換部3は、小型、軽量に構成されており、多チャンネルケーブルによって後述する受信部22に接続される。この電気音響変換部3は、セクタ走査対応、リニア走査対応、コンベックス走査対応等の中から診断部位に応じて選択される。電気音響変換部3は、光音響波Uを効率よく伝達するために音響整合層を備えてもよい。一般に圧電素子材料と生体では音響インピーダンスが大きく異なるため、圧電素子材料と生体が直接接した場合は、界面での反射が大きくなり光音響波を効率よく伝達することができない。このため、圧電素子材料と生体の間に中間的な音響インピーダンスを有する物質で構成した音響整合層を挿入することにより、光音響波を効率よく伝達することができる。音響整合層を構成する材料の例としては、エポキシ樹脂や石英ガラスなどが挙げられる。
PAI装置10の画像生成部2は、電気音響変換部3を構成する複数の変換素子54を選択駆動するとともに、また電気音響変換部3からの電気信号に所定の遅延時間を与え、整相加算を行うことにより受信信号を生成する受信部22と、変換素子54の選択駆動や受信部22の遅延時間を制御する走査制御部24と、受信部22から得られる受信信号に対して各種の処理を行う信号処理部25とを備えている。
受信部22は、図2に示すように、電子スイッチ53と、プリアンプ55と、受信遅延回路56と、加算器57とを備えている。
電子スイッチ53は、光音響走査における光音響波の受信に際して、連続して隣接する所定数の変換素子54を選択する。例えば、電気音響変換部3がアレイ型の192個の変換素子CH1〜CH192から構成される場合、このようなアレイ型変換素子は、電子スイッチ53によってエリア0(CH1〜CH64までの変換素子の領域)、エリア1(CH65〜CH128までの変換素子の領域)およびエリア2(CH129〜CH192までの変換素子の領域)の3つの領域に分割されて取り扱われる。このようにN個の変換素子から構成されるアレイ型変換素子をn(n<N)個の隣接する振動子のまとまり(エリア)として取り扱い、このエリアごとにイメージング作業を実施した場合には、すべてのチャンネルの変換素子にプリアンプやA/D変換ボードを接続する必要がなくなり、超音波探触子70の構造を簡素化できコストの増大を防ぐことができる。また、それぞれのエリアを個別に光照射することができるように、複数の光ファイバを配置した場合には、1回あたりの光出力が大きくならずに済むので、大出力の高価な光源を用いる必要がないといった利点もある。そして、変換素子54によって得られるそれぞれの電気信号はプリアンプ55に供給される。
プリアンプ55は、上記のように選択された変換素子54によって受信された微小な電気信号を増幅し、十分なS/Nを確保する。
受信遅延回路56は、電子スイッチ53によって選択された変換素子54から得られる光音響波Uの電気信号に対して、所定の方向からの光音響波Uの位相を一致させて収束受信ビームを形成するための遅延時間を与える。
加算器57は、受信遅延回路56により遅延された複数チャンネルの電気信号を加算することによって1つの受信信号にまとめる。この加算によって所定の深さからの音響信号は整相加算され、受信収束点が設定される(図3のST1〜3)。
走査制御部24は、ビーム集束制御回路67と変換素子選択制御回路68とを備える。変換素子選択制御回路68は、電子スイッチ53によって選択される受信時の所定数の変換素子54の位置情報を電子スイッチ53に供給する。一方、ビーム集束制御回路67は、所定数個の変換素子54が形成する受信収束点を形成するための遅延時間情報を受信遅延回路56に供給する。
信号処理部25は、フィルタ66と、情報抽出器58と、信号処理器59と、A/D変換器60と画像データメモリA61および画像データメモリB62とを備えている。そして、本発明において、信号処理部25は、光音響波が変換された電気信号中の複数のピークそれぞれから、ピークの位置情報、並びに、ピークが正および負のいずれかであることを示す正負情報を抽出し、上記複数のピークのうち互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である場合に、上記互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置情報に基づいて、上記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域に対して色度調整を実施することにより、上記互いに隣接する2つのピークおよび上記信号領域を1つの組織として認識しやすくする補正を行うものである。具体的には、信号処理部25は、図3に示すように、次のような信号処理を行う。
まず、受信部22の加算器57から出力された電気信号である音響信号データは、信号処理部25のフィルタ66において処理され、IQ分離(ST4)およびLPF処理(ST5)等により不要なノイズが除去される。その後、信号処理器59にて音響信号データに対して包絡線検波(ST6)、対数検波およびSTC処理(ST7)、表示サイズへの変換(ST8)、10ビットの範囲への調整(ST9)、GAINおよびDR調整(ST10)、8ビット整数化(ST11)等の処理がされる。そして、A/D変換器60は、この信号処理器59の出力信号をA/D変換する。
画像データメモリB62は、A/D変換された音響信号データを保存する記憶回路である。システム制御部4の制御のもとで、画像データメモリB62から断面のデータが読み出され、その読出しに際して空間的に補間されることにより、当該断面の光音響画像データが生成される(ST12)。
また、情報抽出器58は、受信部22の加算器57から出力された音響信号データ中の複数のピークそれぞれから、ピークの位置情報、並びに、ピークが正および負のいずれかであることを示す正負情報を抽出する(ST13)。本実施形態において、情報抽出器58が本発明における抽出部に相当する。ピークの位置情報は、ピークの位置を特定可能な情報であれば特に制限されず、例えば音響信号データが時間軸で表されている場合には、その時間軸上における特定の時刻とすることができる。そして、情報抽出器58は、上記正負情報に基づいて、互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番であるピークの組を検出し、そのようなピークの組があった場合には、その互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域を特定する(ST14)。2つのピークに挟まれた信号領域の端部は、例えばピークの最大値となる位置やピークの半値幅となる位置等から適宜選択される。その後、画像生成工程が1回目である場合には(ST15)、上記互いに隣接する2つのピークの位置情報に基づいて、特定した信号領域を表示サイズの座標に合わせる処理が行われる(ST16)。その後、特定した信号領域に対応する画像領域に対して色度調整することにより、上記互いに隣接する2つのピークおよび上記信号領域を1つの組織として認識しやすくする補正を行うためのマスクデータが、生成される(ST17)。このマスクデータは、画像データメモリA61に記憶される。
なお、本発明において、画像生成部は、互いに隣接する2つのピークの間隔が生体組織内における長さとして換算された際に5mm以下に相当する場合にのみ、上記補正を行うものであることが好ましい。つまり本実施形態では、互いに隣接する2つのピークの間隔が生体組織内における長さとして換算された際に5mm以下に相当する場合にのみ、上記マスクデータが生成される。互いに隣接する2つのピークの間隔が生体組織内における長さとして換算された際に5mm以下に相当するか否かの判断は、それぞれのピークの位置情報に基づいて行われる。「生体組織内における長さとして換算された際に5mm以下に相当する」とは、互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置情報の差に基づいて求められる2つのピークに挟まれた信号領域の幅が、空間の変位軸上で換算された場合に5mm以下となることを意味する。例えば、互いに隣接する2つのピークの位置情報が時間軸上における特定の時刻である場合には、それらの時刻の差から求められる時間差と生体中の音速とを用いて、2つのピークに挟まれた信号領域の幅の距離が算出される。なお、例えば生体内での音速を1530m/sとすれば、生体組織内での長さ5mmに相当する時間軸上での上記時間差は3268μsである。
一般的に、5mmを超える生体組織は、超音波イメージングによる超音波画像によっても認識することが可能である。したがって、超音波画像によっては認識することができない5mm以下の生体組織についてのみ光音響画像で撮像できれば充分である場合もある。このような場合には、5mm以下の生体組織についてのみ1つの組織として認識しやすくする補正を行うことにより、データ処理に要する計算時間が減少し、画像を迅速に表示できるようになる。
互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番であるピークの組として特定されなかったピークについては、情報抽出器58は、特に色度調整を実施しなくてもよいし、正常なピークではないとして注意を喚起するような色度調整を行ってもよい。
画像領域を色度調整するためのマスクデータは、ピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である互いに隣接する2つのピーク、並びに、当該2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域に対して、1つの組織として認識しやすくする補正を行うためのマスク処理用のデータである。このようなマスクデータは、上記互いに隣接する2つのピークの組を1つの組織として認識しやすくするものであれば、特に限定されない。例えば、このようなマスクデータとして、上記互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置における表示色と同系色で上記ピーク間の画像領域を塗りつぶしたり、上記表示色以外の強調色で上記ピーク間の画像領域を塗りつぶしたりするものが挙げられる。また一般的に、光音響波は伝搬距離が長いほど減衰する。したがって、上記互いに隣接する2つのピークのうち後に検出されたピークの強度の大きさは、先に検出されたピークの強度の大きさよりも小さくなる。上記ピーク間の画像領域を塗りつぶす際には、塗りつぶす領域の両端の明度のそれぞれを、先に検出されたピークの強度および後に検出されたピークの強度に合わせて、上記領域の明度が連続的に変化するように調整してもよい。
また、光音響イメージングにおいては、1つの組織として認識しやすくする目的とは別に、単に認識しやすくする目的等のために撮像された部位を強調表示する場合もある。そこでこのような場合には、1つの組織として認識しやすくする上記補正が行われなかった他の組織に対応する画像領域に対して、上記補正が行われた画像領域と識別を可能にする態様の色度調整を実施することが好ましい。これにより、補正された組織か否かを容易に判断することができる。
また、本発明では、光照射部に測定光を出力する光源ユニットであって測定光Lとして波長の異なる光を出力可能な光源ユニットを備える場合には、画像生成部は、測定光Lの波長ごとに色度調整の態様を変えて上記補正を行うものであることが好ましい。測定光の照射は時分割で行われる。そして、画像生成部2(本実施形態では例えば情報抽出器58)がシステム制御部4を介して照射された測定光の波長情報を取得し、この波長情報に応じてマスクデータが作成される。このような構成によれば、例えば光の吸収特性が異なる生体組織の識別を容易にすることができる。光の吸収特性が異なる生体組織は、異種の生体組織に限らず、動脈血管および静脈血管のように同種の生体組織でもその状態によって光の吸収特性が変化するものも含まれる。
一方、本実施形態では上記ST15(図3)において、画像生成工程が2回目以降である場合には、情報抽出器58は、今回の画像生成工程と先に実施された画像生成工程で対応するピーク間の信号領域の幅を比較し、先の幅から今回の幅への変化率の大きさが閾値以上であるかを判別する(ST18)。そして、その結果も画像データメモリA61に記憶される。その後、上記互いに隣接する2つのピークの位置情報に基づいて、特定した信号領域を表示サイズの座標に合わせる処理が行われ(ST19)、特定した信号領域を上記判断結果に応じて色度調整したマスクデータが生成される(ST20)。このマスクデータは、画像データメモリA61に記憶される。このような色度調整を実施することにより、組織が血管である場合、血管の収縮の程度に応じた色度を調整することができる。例えば、互いに隣接する2つのピークの間隔の変化率が比較的大きい場合、当該ピークに挟まれた信号領域は動脈から生じた光音響波を示していると考えられ、比較的小さい場合、当該ピークに挟まれた信号領域は静脈から生じた光音響波を示していると考えられる。したがって、このような色度調整として、上記変化率が閾値(例えば30%)以上の場合には上記信号領域に対応する画像領域を赤く強調し、閾値未満の場合には青く強調するように設定するマスクデータの生成が挙げられる。閾値は、動脈および静脈それぞれの収縮率を考慮して適宜設定される。なお、先に実施された画像生成工程は、必ずしも直前に実施された画像生成工程である必要はない。
表示部6は、表示用画像メモリ63と、光音響画像データ変換器64と、モニタ65を備えている。表示用画像メモリ63は、モニタ65に表示する光音響画像データおよびマスクデータを一時的に保存するバッファメモリであり、画像データメモリB62からの光音響画像データおよび画像データメモリA61からのマスクデータは、この表示用画像メモリ63において重畳されて1フレームに合成される。このように、光音響画像データおよびマスクデータが重畳されることにより、色度調整が実施された光音響画像データが得られる。光音響画像データ変換器64は、表示用画像メモリ63から読み出された合成画像データに対してD/A変換とテレビフォーマット変換を行い、その出力はモニタ65において表示される。
なお、上記の説明においては、情報抽出器58は、加算器57によって出力された音響信号データからピークの位置情報および正負情報を抽出したが、本発明はこれに限られず、例えば包絡線検波を行った後の音響信号データからピークの位置情報を抽出してもよい。このような場合、受信超音波周波数帯域の狭いPZTなどの圧電セラミクスを用いて電気音響変換を行う場合に、包絡線のピーク位置を抽出することで素子の共鳴周波数の影響を除いて音響信号データの本来のピーク位置を抽出することができる。さらに、各包絡線に属し共鳴している音響信号データのうち1番目のピークの正負を抽出することで音響信号データ本来の正負を抽出できるという効果が得られる。また、音響信号データは、整合加算の実施以外にもフーリエ変換法を用いた信号処理が実施されたデータを使用しても良い。
操作部5は、操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス等を備え、装置操作者が患者情報、装置の撮影条件、表示断面など必要な情報を入力するために用いられる。
システム制御部4は、図示しないCPUと図示しない記憶回路を備え、操作部5からのコマンド信号に従って光送信部1、画像生成部2、表示部6などの各ユニットの制御やシステム全体の制御を統括して行う。特に、内部のCPUには、操作部5を介して送られる操作者の入力コマンド信号が保存される。
次に、光照射部15と電気音響変換部3を一体化した超音波探触子70について図4および図5を用いて説明する。図4は、超音波探触子70の構成を示す概略図である。図5は、光音響画像生成の際の超音波探触子70と生体組織とを模式的に示している。
超音波探触子70は、複数の変換素子54を有している。変換素子54は、例えば所定の方向に沿って1次元的に配列されている。光ファイバ71は、光源部11(図1)からの光を超音波探触子70内に設けられた光照射部15にまで導く。光照射部15は、少なくとも選択された部分領域を含む領域に光源部11からの測定光を照射するように構成されてもよい。例えば光照射部15は、領域A、領域B、及び領域Cのそれぞれに対応して設けられる。その場合、領域Aに対応する光照射部15は領域Aの選択時に測定光を少なくとも領域Aに照射する。また、領域Bに対応する光照射部15は領域Bの選択時に測定光を少なくとも領域Bに照射し、領域Cに対応する光照射部15は領域Cの選択時に測定光を少なくとも領域Cに照射する。
例えば超音波探触子70は、192ch分の変換素子54を有している。変換素子54に対応する幅は、光音響画像生成に関連して例えば3つの部分領域(領域A〜C)に分割されており、各部分領域の幅は64ch分の変換素子54に相当する幅であるとする。このような場合、192chの変換素子54に対応する生体組織の幅が57.6mmであったとすると、各部分領域の幅は19.2mmとなる。つまり、光音響撮像装置10は、光音響画像生成の際に、例えば図5に示すように分割された19.2mm幅の部分領域への光照射・データ収集を3回繰り返し行い、全192ch分のデータを取得する。
以下本発明の作用を説明する。
前述したように、本発明に係る光音響撮像装置およびその作動方法によれば、光音響効果を利用した光音響撮像において、光音響波が変換された電気信号中の複数のピークそれぞれから、ピークの位置情報、並びに、ピークが正および負のいずれかであることを示す正負情報を抽出し、上記複数のピークのうち互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である場合に、上記互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置情報に基づいて、上記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域に対して色度調整を実施することにより、上記互いに隣接する2つのピークおよび上記信号領域を1つの組織として認識しやすくする補正を行うものである。このような構成により、光音響波の正および負の互いのピーク位置間隔が広がってもそれらのピークを1組として取り扱い、それらのピーク間の領域では同一の組織が連続していることを認識しやすくするように画像表示することができる。これは、通常正常な組織に関する光音響波を検出した場合には、まず光音響波の正のピークが観測され、その後負のピークが観測されることを利用しているためである。この結果、光音響効果を利用した光音響撮像において、比較的大きな組織に関して当該組織と他の組織との境界線が二重線として表示されるような場合でも、その二重線の一方から他方までの領域を1つの組織として認識しやすくすることが可能となる。
さらに、複数の光音響画像を連続して撮像する場合において、先に生成された第1の光音響画像を記憶し、第1の光音響画像を生成した後第2の光音響画像を生成する際に、第1の光音響画像の生成時に実施された色度調整に係る第1の信号領域の第1の幅と、第2の光音響画像の生成時に実施される色度調整に係る第2の信号領域であって第1の信号領域に対応した第2の信号領域の第2の幅とを対比し、第1の幅から第2の幅への変化率の大きさが閾値以上であるか否かの判断を行い、第2の信号領域に対応する第2の画像領域に対して、上記判断の結果に応じた所定の色度調整を実施する場合には、組織の収縮の程度に応じた色度調整を実施することもできる。
1 光送信部
2 画像生成部
3 電気音響変換部
4 システム制御部
5 操作部
6 表示部
7 被検体
10 光音響撮像装置
15 光照射部
22 受信部
24 走査制御部
25 信号処理部
53 電子スイッチ
54 変換素子
55 プリアンプ
56 受信遅延回路
57 加算器
58 情報抽出器
59 信号処理器
60 A/D変換器
61 画像データメモリA
62 画像データメモリB
63 表示用画像メモリ
64 光音響画像データ変換器
65 モニタ
66 フィルタ
70 超音波探触子
71 光ファイバ

Claims (14)

  1. 被検体内に測定光を照射する光照射部と、前記測定光が前記被検体に照射されることにより前記被検体内で発生した光音響波を検出して該光音響波を電気信号に変換する電気音響変換部と、前記電気信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部とを備える光音響撮像装置において、
    前記光音響波が変換された電気信号中の複数のピークそれぞれから、前記ピークの位置情報、並びに前記ピークが正および負のいずれかであることを示す正負情報を抽出する抽出部を備え、
    前記画像生成部が、前記複数のピークのうち互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である場合に、前記互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置情報に基づいて、前記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域に対して色度調整を実施することにより、前記互いに隣接する2つのピークおよび前記信号領域を1つの組織として認識しやすくする補正を行うものであることを特徴とする光音響撮像装置。
  2. 前記画像生成部が、前記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域を強調表示するように、前記色度調整を実施するものであることを特徴とする請求項1に記載の光音響撮像装置。
  3. 前記画像生成部が、前記補正が行われなかった他の組織に対応する画像領域に対して、前記補正が行われた画像領域と識別を可能にする態様の色度調整を実施するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光音響撮像装置。
  4. 前記画像生成部が、前記互いに隣接する2つのピークの間隔が生体組織内における長さとして換算された際に5mm以下に相当する場合にのみ、前記補正を行うものであることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光音響撮像装置。
  5. 前記光照射部に前記測定光を出力する光源ユニットであって該測定光として波長の異なる光を出力可能な前記光源ユニットを備え、
    前記画像生成部が、前記測定光の波長ごとに色度調整の態様を変えて前記補正を行うものであることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の光音響撮像装置。
  6. 前記画像生成部により先に生成された第1の光音響画像を記憶する記憶部を備え、
    前記画像生成部が、複数の光音響画像を連続して撮像する場合において、前記第1の光音響画像を生成した後第2の光音響画像を生成する際に、前記第1の光音響画像の生成時に実施された色度調整に係る第1の信号領域の第1の幅と、前記第2の光音響画像の生成時に実施される色度調整に係る第2の信号領域であって前記第1の信号領域に対応した第2の信号領域の第2の幅とを対比し、前記第1の幅から前記第2の幅への変化率の大きさが閾値以上であるか否かの判断を行い、前記第2の信号領域に対応する第2の画像領域に対して、前記判断の結果に応じた所定の色度調整を実施するものであることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の光音響撮像装置。
  7. 前記抽出部が、整合加算が実施された後の前記電気信号から前記位置情報および前記正負情報を抽出するものであることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の光音響撮像装置。
  8. 被検体内に測定光を照射し、該測定光が前記被検体に照射されることにより前記被検体内で発生した光音響波を検出して該光音響波を電気信号に変換し、該電気信号に基づいて光音響画像を生成する光音響撮像装置の作動方法において、
    前記光音響波が変換された電気信号中の複数のピークそれぞれから、前記ピークの位置情報、並びに、前記ピークが正および負のいずれかであることを示す正負情報を抽出し、
    前記複数のピークのうち互いに隣接する2つのピークの正負情報が時系列に沿って正および負の順番である場合に、前記互いに隣接する2つのピークのそれぞれの位置情報に基づいて、前記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域に対して色度調整を実施することにより、前記互いに隣接する2つのピークおよび前記信号領域を1つの組織として認識しやすくする補正を行うことを特徴とする光音響撮像装置の作動方法。
  9. 前記互いに隣接する2つのピークに挟まれた信号領域に対応する画像領域を強調表示するように、前記色度調整を実施することを特徴とする請求項8に記載の光音響撮像装置の作動方法。
  10. 前記補正が行われなかった他の組織に対応する画像領域に対して、前記補正が行われた画像領域と識別を可能にする態様の色度調整を実施することを特徴とする請求項8または9に記載の光音響撮像装置の作動方法。
  11. 前記互いに隣接する2つのピークの間隔が生体組織内における長さとして換算された際に5mm以下に相当する場合にのみ、前記補正を行うことを特徴とする請求項8から10いずれかに記載の光音響撮像装置の作動方法。
  12. 前記測定光として波長の異なる光を照射し、
    前記測定光の波長ごとに色度調整の態様を変えて前記補正を行うことを特徴とする請求項8から11いずれかに記載の光音響撮像装置の作動方法。
  13. 複数の光音響画像を連続して撮像する場合において、
    先に生成された第1の光音響画像を記憶し、
    前記第1の光音響画像を生成した後第2の光音響画像を生成する際に、前記第1の光音響画像の生成時に実施された色度調整に係る第1の信号領域の第1の幅と、前記第2の光音響画像の生成時に実施される色度調整に係る第2の信号領域であって前記第1の信号領域に対応した第2の信号領域の第2の幅とを対比し、前記第1の幅から前記第2の幅への変化率の大きさが閾値以上であるか否かの判断を行い、前記第2の信号領域に対応する第2の画像領域に対して、上記判断の結果に応じた所定の色度調整を実施することを特徴とする請求項8から12いずれかに記載の光音響撮像装置の作動方法。
  14. 整合加算が実施された後の前記電気信号から前記位置情報を抽出することを特徴とする請求項8から13いずれかに記載の光音響撮像装置の作動方法。
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