JP7201759B2 - 脳の膨張と移動の少なくとも一方の亢進を検出する装置および方法 - Google Patents

脳の膨張と移動の少なくとも一方の亢進を検出する装置および方法 Download PDF

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Description

本出願は、2015年11月24日付にて米国特許商標庁に出願された米国仮特許出願第62/232019号の優先権を主張するものであり、本明細書の一部を構成するものとして、その内容の全てを援用する。
本開示は、患者の脳の膨張を検出するための方法、キット、および装置に関する。より具体的には、本開示は、頭蓋内圧(ICP)の亢進が生じる時期を予測するために頭蓋内組織の膨張を判断する容易かつ連続的な手続きを確実にする方法、キット、および装置に関する。
ICPの亢進は、様々な外傷、疾患、または先天性欠損の結果として生じうるし、腫瘤病変、脳脊髄液(CSF)循環の不調だけでなく、より弥漫性の頭蓋内病理過程の結果でありうる。例えば、ICPの亢進は、脳脊髄液(CSF)の流出障害によって引き起こされる場合がある。この障害は、脳室の拡大を引き起こし、水頭症の原因となる。
別例として、脳卒中や頭部外傷においては、発症後に患者の脳組織が次第に膨張あるいは移動することがあり、「二次的脳損傷」として知られている。二次的脳損傷は、脳ヘルニア、高炭酸症、酸血症、髄膜炎、脳膿症などの深刻な傷害をもたらしうる。よって、医療分野においては、連続かつ非侵襲、さらにコスト効率が高く現実的なモニタリングが必要とされている。
二次的脳損傷を避けるために、脳モニタリングが行なわれることが一般的である。脳組織の状態を評価するために、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)や頭蓋内圧(ICP)モニタリングを頻繁かつ繰り返し行なうことが頭部外傷ガイドラインによって推奨されている。
脳は、液体で満たされて繋がっている四つの脳室を含んでいることが一般的である。脳室系と総称されるこれらの空洞は、左右の側脳室、第三脳室、および第四脳室を含んでなる。第四脳室は、中脳水道(シルビウス水道)から閂まで延びており、CSFで満たされている。第四脳室は、人間の脳の断面において特徴的なダイヤモンド形状を有している。第四脳室は、橋内または髄質の上部に位置している。中脳水道を通じて第四脳室に進入するCSFは、二つのルシュカ側孔と単一のマジャンディ正中孔を通じて脊髄のくも膜下腔へ出て行くことができる。
第四脳室は、脳幹の後部における嚢状の部位である。CSFは、篩を通じて鼻粘膜下リンパ管へ流れる。CSF圧が亢進すると、脳血流が妨げられうる。中脳水道を通じて第四脳室に進入するCSFは、小脳によって形成された第四脳室蓋へと出て行くことができる(そしてより細い通路によって接続された側脳室、第三脳室、および第四脳室に広がって行くことができる)。脳室の広がりは、水頭症と称され、頭蓋内圧の亢進に繋がりうる。先天性水頭症は、流出障害に起因しており、新生児の約0.1%に存在する。CSFの過剰産生に起因する後天性常圧水頭症(NPH)は、65歳を超える成人の0.5%に存在すると推定される。NPHは、過少診断される。NPHは、歩行障害、尿失禁、および認知症を引き起こしうる。
あるいは、頭蓋内固形組織の膨張は、(1)感染性、血行動態上、薬理学上、代謝性、あるいは外傷性の理由による脳細胞腫脹(脳浮腫)、(2)脳腫瘍、および(3)軽い頭部外傷による硬膜下または硬膜外血腫を含み、脳室虚脱を引き起こしうるとともに、連続的な拡張はICP亢進の原因となる。
水頭症(脳室膨張)と頭蓋内組織拡張の双方において、先ずなされるのは、脳を取り囲むCSF層の閉塞である。当該層の閉塞は、ICPの亢進に先立つことが一般的である。
ICPの正常範囲は年齢とともに変化する一方、ICPの亢進は急性あるいは慢性的でありうるため、治療要否の判断はしばしば困難を伴う。
頭蓋内容積と頭蓋内圧の関係は非線形である。モンロー-ケリー仮説は、血液、脳、CSF、他の要素(腫瘍、血腫など)の頭蓋内容積が一定であると述べている。頭蓋骨は、非弾性容器とみなされうる。頭蓋内容物のいずれかの容積の増大は、他の要素の少なくとも一つの減少によって相殺されることが一般的であり、最終的にはICPの亢進をもたらす。頭蓋内(特に静脈/細静脈コンパートメント内)血液とCSFは、二つの低圧要素であり、頭蓋内容物の体積増を吸収するようにその体積を容易に適合させうる。頭蓋内血液とCSFの体積変化による対応がなされると、ICPがさらに亢進する。動脈コンパートメントと静脈コンパートメントの双方の変化は、圧力に影響を及ぼす。脳が心臓よりも20cm上方に位置するように上半身を起こして傾斜位をとると、静脈および小静脈の収縮によってICPが8mmHgだけ減少する。心拍ごとに約5mLだけ頭蓋内動脈および細動脈の拡張し、ICPが1mmHgだけ亢進する。コンプライアンス(所定の圧力変化に対する体積変化)は、補償予備能の指標を提供し、その値が小さいことは、予備能の低下を意味する。ICPが亢進すると、コンプライアンスが低下する。ICPが25mmHgの異常値に達すると、動脈圧ICP脈動は4mmHgである。
ICPモニタリングは、上記の「二次的脳損傷」を回避するために、ガイドラインによって推奨されている。ICPモニタは、患者のベッドサイドにおいて連続的な測定が可能であるが、この手法には幾つかの問題がある。第一に、ICPモニタリングは、侵襲的手法である。図1Aと図1Bに示されるように、ICPの臨床モニタリングは完全に侵襲的であり、頭蓋穿孔と脳組織内への圧力プローブやカテーテルの配置が必要である。
頭部外傷や神経症などの特定の条件を示す患者についてICPが測定またはモニタ可能であれば、緊急治療の担当者と集中治療の従事者は、より良い医療を提供できる。しかしながら、ICPモニタリングは、患者の頭蓋骨に穿たれた孔に挿入された圧力計の使用を通じてなされることが一般的である。よって、ICPのモニタリングは、神経外科医による侵襲的な処置を必要とする。当該処置は患者を感染症などの外科的リスクに曝すため、合併症の場合や手術が困難な場合でも神経外科医の帯同が必要である。ICPの取得とモニタリングの困難性に加え、外傷の診断と治療のためにICPのみに依存することには幾つかの問題がある。例えば、ICPデータのみに依存すると、治療の遅れが発生したり、複雑な診断およびモニタリングに係る複雑な手順が必要になったり、ICPをモニタリングする設備の設定不備に起因する誤った値の読み取りや解釈がなされたりする。
ICPモニタリングにおける別の問題は、ICPと頭蓋内容積の関係にある。図2は、ICPと頭蓋内容積の関係曲線を示している。外傷性脳損傷に係るガイドラインは、ICPを20~25mmHg未満とするように示している(非特許文献1を参照)。しかしながら、図2に示されるように、頭蓋内容積が徐々に増しても、同図に矢印で示される臨界点までは、ICPの値はほぼ一定である。臨界点を過ぎると、ICPは急激に増加する。したがって、ICPを20mmHg未満に維持することは難しい。よって、ICPが上昇する前の脳状態を評価できる新たな方法と装置が希求されている。
CTスキャンは、患者の脳状態を評価するために広く用いられている。CT画像は、患者の頭蓋内脳「形状」を示しうる。CTは、最も有用かつ信頼性の高い外傷性脳損傷の診断法の一つである。大半の外傷性脳損傷患者は、来院時にCTスキャンの予約を受ける。また、経過観察のためのCTスキャンが必要とされることが一般的である。
CTスキャンの問題の一つは、CTが「連続的な」モニタでなく、普通は患者のベッドサイドで使用されないことにある。上述のように、脳卒中や頭部外傷の患者の脳組織は、発症後から徐々に膨張あるいは移動する。二次的脳損傷を避けるためにCTスキャンを頻繁に行なうこと(非特許文献2を参照)が可能だったとしても、現実的とは言えない。患者はCTスキャン室へ移動することが普通であり、ケーブル問題や感染などの患者移送に係るリスクが伴うからである。加えて、CT撮像の繰り返しは、放射線被曝やコストの増大を伴いうる(非特許文献3と4を参照)。
Guidelines for the management of severe traumatic brain injury; J. Neurotrauma 24; S1-S106 (2007) N Engl J Med. 2012 Dec 27; 367 (26) 2012 Dec.12 http://www.ahrq.gov/news/newsletters/research-activities/13mar/0313RA13.html J Trauma Acute Care Surg. 2012 May; 72(5):1255-62
ICPは患者を管理する上で重要な変数であるが、ICPの亢進に関わる変数を理解し、積極的にモニタリングと特定の少なくとも一方を行なうことにも同様の意義がある。ICPの亢進は、例えば脳組織の膨張(浮腫)や、感染症、外傷、腫瘍、血液凝固、あるいは脳脊髄液(CSF)流の障害(水頭症)を原因とする脳内組織の拡張によって引き起こされうる。脳などの頭蓋内組織の膨張と脳室の拡張の少なくとも一方をモニタすることにより、ICPの急迫亢進だけでなくICP亢進の程度を予測するのに役立つ情報を提供でき、よって医療従事者が治療を開始するための情報、および当該治療の効果をモニタするための情報をタイムリーに提供できる。
脳の膨張や拡大は、それを覆う約1mm厚の脳脊髄液のクッションの内側においてほぼ自由に生じる。しかしながら、脳蓋冠を満たすかアンカー点あるいはテザー点において抵抗を受けると、脳は収容空間からさらに拡張あるいは膨張し、ICPが亢進し始める。この時点、すなわち脳が頭蓋骨あるいは当該頭蓋骨におけるテザー点から抵抗を受けた時点において、膨張に起因する境界に対する脳の動きは減少する。この脳の動きの減少は、ICPが間もなく亢進することの指標として用いられうる。
本開示に係る方法の一例においては、ドプラ超音波の潜在的利用性が、特に脳卒中疑いや頭部外傷の患者(但しこれらに限定されない)における脳の膨張や移動をベッドサイドで調べるために用いられる。ドプラ超音波は、安全で可搬性のある連続的モニタリング技術であり、既に大動脈における血流のモニタリングに使用されているが、これまで脳組織の動きの分析に用いられた例はない。
集中治療や救急医療における急性脳梗塞患者の病状進行を評価およびモニタするための安価、便利、かつ有効な方法を開示する。
出願人により提案される技術は、臨床現場で脳損傷の進行をモニタする検査ツールとして使用され、脳外傷や脳卒中後の重要な局面における治療に対応しうるものである。
一仮説においては、頭蓋内血液、脳、CSF、他の要素(腫瘍や血腫など)の総体積は一定であり、頭蓋骨は密閉された非弾性容器とみなされる。頭蓋内容物のいずれかの体積の増大は、他の内容物の体積の減少とは整合していないことが一般的であり、ICPの亢進と関連付けられる。頭蓋内血液(特に静脈コンパートメント内)とCSFは、頭蓋内容物の体積増大を吸収するような適合が最も容易に可能な二つの要素である。
本開示の一態様によれば、様々な条件下で操作者の技量や入力に依らず脳膨張により制限される正常な脳の動きと脈動の判断とモニタの少なくとも一方が行なわれうる標準化された手続を可能にする方法、キット、および装置が提供される。
本開示の別態様によれば、患者の頭蓋内圧の亢進を予測するキットは、超音波センサ、当該超音波センサを患者の頭部に装着するための弾性バンド、および当該超音波センサからの情報をコントローラに伝えるための通信システム(有線または無線)を含みうる。
本開示の別態様によれば、患者の脳膨張を判断する方法は、
超音波トランスデューサを前記患者の脳に隣接するように配置すること、
第一組織部分の第二組織部分に対する位置と動きの少なくとも一方を、前記超音波トランスデューサによって受信された情報に基づいて判断すること、および
前記第一組織部分の第二組織部分に対する位置と動きの少なくとも一方の増加が目標量を上回ると判断されたとき、頭蓋内圧亢進アラームを提供すること、
を含みうる。
本開示の別態様によれば、患者の脳膨張を判断する方法は、前記判断に際して次式を用いて脳組織の変位を計算することを含みうる。

変位’(t)=θ’(t)λ/2/2π-θ’(t0)λ/2/2π
θ’(t)=arg[IQデータ(t)-IQ中心点]

ここで、変位’(t)は、IQデータに基づく組織変位(膨張/移動)であり、θ’(t)は、IQ中心点からのIQプロット偏角(IQ位相角)であり、IQデータ(t)は、時刻tにおけるIQデータであり、IQ中心点は、IQ軌跡の中心点である。
本開示の別態様によれば、患者の脳膨張を判断する装置は、
超音波トランスデューサと、
前記脳の連続的モニタリングのために、前記超音波トランスデューサを前記患者に装着するように構成された装着構造と、
前記超音波トランスデューサからの情報に基づいて脳組織の変位を計算し、前記患者の心周期と呼吸周期の少なくとも一方に起因して当該超音波トランスデューサにより検知されたデータを除去するように構成されたコントローラと、
を備えうる。
本開示の別態様によれば、患者の脳膨張を判断する装置は、次式を用いて脳組織の変位を計算するように構成されたコントローラを備えうる。

変位’(t)=θ’(t)λ/2/2π-θ’(t0)λ/2/2π
θ’(t)=arg[IQデータ(t)-IQ中心点]

ここで、変位’(t)は、IQデータに基づく組織変位(膨張/移動)であり、θ’(t)は、IQ中心点からのIQプロット偏角(IQ位相角)であり、IQデータ(t)は、時刻tにおけるIQデータであり、IQ中心点は、IQ軌跡の中心点である。
上記の装置と方法は、脳膨張に起因する頭蓋内圧の亢進の予測に効果的である。しかしながら、当該方法は、脚や腕の筋肉におけるコンパートメント症候群などに起因する圧力の亢進の予測にも効果的である。両者は大半の点において類似している。例えば、制限された容積下に収容された組織や液体空間の膨張によって血液供給の消失(虚血)や組織の壊死が生じる点である。
従来のICPモニタリングを示す患者の断面である。 従来のICP測定プローブである。 頭蓋内容積と頭蓋内圧の関係を示す曲線である。 本開示に係る実施形態を示す斜視図である。 本開示に係る実施形態を示す模式図である。 本開示に係る実施形態を模式的に示すブロック図である。 IQデータの例を示すグラフである。 式(1)により計算された組織変位の例を示すグラフである。 定常的な反響雑音信号を含むIQデータの例である。 定常的な反響雑音信号を含むIQデータの例である。 本開示に係る実施形態を示すフローチャートである。 補正されていない変位を表す組織変位信号を示している。 補正された変位を表す組織変位信号を示している。 脳組織変位を示すグラフである(深度25mm)。 脳組織変位を示すグラフである(深度50mm)。 脳組織変位を示すグラフである(深度75mm)。 仰臥位にある患者の脳組織変位を示すグラフである(深度25mm)。 仰臥位にある患者の脳組織変位を示すグラフである(深度50mm)。 仰臥位にある患者の脳組織変位を示すグラフである(深度75mm)。 本開示に係る別実施形態を示す模式図である。 本開示の原理に基づいて構成された超音波コントローラの別実施形態を模式的に示すブロック図である。 本開示の原理に基づいて構成された超音波コントローラの別実施形態を示す写真である。 本開示の原理に基づいて構成された超音波プローブの別実施形態を模式的に示すブロック図である。 本開示の原理に基づいて構成された超音波プローブの別実施形態を示す写真である。
上記の添付図面を参照し、装置、キット、および方法の実施形態例を示しつつ、本願の開示対象についてより詳細に説明する。
開示された実施形態に係る幾つかの独創的側面について、添付の図面を参照しつつ以下詳細に説明する。実施形態例は、開示対象の例示を意図して記載されたものであり、請求項により定められる範囲を限定するものではない。当業者であれば、以降の説明において提示される様々な特徴に基づいて均等の範囲に含まれる多くの改変を理解するであろう。
1.脳膨張の判断と頭蓋内圧の亢進の予測の少なくとも一方を行なうための方法および装置の例
脳頭蓋は、「半固体」の神経組織などの固体物に加えて血液と脳脊髄液を含む一定の容積を有している。唯一の大きな出口は、大後頭孔である。大後頭孔は、脳幹を収容している。脳幹は、脳室と心室を繋ぐCSFの流路を含んでいる。血管もまた頭蓋冠と外部を接続している。頭蓋内病変を評価する現在の標準手法は、頭蓋内圧(ICP)の測定を含んでいる。頭蓋内圧は、様々な時間単位で観察されうる。時間単位の例としては、秒(C波)、分(B波)、時間(A波)、日が挙げられる。これにより、起こりうる事態についての情報や治療に必要な情報が提供される。ICPは、様々な疾患において測定される。当該疾患の例としては、脳卒中、浸透圧代謝性疾患、原因不明の昏睡、水頭症、頭部外傷などが挙げられる。激しい頭痛、歩行障害、尿失禁、および認知症の評価に際してICPの測定が有用である旨が様々な文献において示されている。
頭部外傷の場合、ICPの経時変化は、患者の転帰と関連付けられうる。例えば、ICPの亢進が二日間以内である「早期症状」を有するとみなされた場合、患者の転帰は比較的良好である。ICPが二日から五日にわたって亢進する「中間期症状」を有すると見なされた場合、患者の転帰は、早期症状の場合ほどは良くない。ICPが五日間よりも長く亢進する「後期症状」を有するとみなされた場合、患者の転帰は重篤(植物状態や死亡を含む)であることが多い。また、治療中に脳や頭蓋骨の一部が除去された場合、中間症状の割合は40%から12%に低下する一方、早期症状と後期症状の割合は、それぞれ25%から40%、35%から50%に増加する。よって、患者の転帰は、ICP症状と関連する。「早期症状」と比較すると、「後期症状」において良好な転帰は稀である。死亡、遷延性植物状態、および重度の障害は、「早期症状」の場合よりも「後期症状」の場合において多くみられる。
長期間の高ICPと相関する予後不良の原因は、低い脳潅流圧(CPP)、血圧(BP)とICPの差異に起因する脳組織の虚血にあると言える(CPP=BP-IP)。
CPPは、経壁圧(BP-組織圧)に類似している。経壁圧は、動脈と静脈の膨張状態を維持する。経壁圧は、筋区画症候群に関連している。閉じられた筋膜区画内の浮腫によって亢進した組織圧が開存性のある静脈と動脈を圧縮する。血管壁が弛緩しているため、組織圧が管腔圧を上回ると内腔が潰れる。
CPP分析は、頭蓋内容物を圧力分布が等方的に均一な液体とみなすが、この簡略化は理解の妨げになりうる。よって、単一点におけるICP測定は、大脳と小脳全体の圧力を特徴づけるには不十分でありうる。主要な頭蓋内容物は半固体であり、複数の場所でテザリングが生じており、筋膜によって複数の区画に分割されているからである。
脳の一部における膨張が大きくなると、固体組織が歪み、境界が曲がることによって頭蓋内で圧力の異なる領域が生ずる。加えて、テザリングが更なる圧力変化を引き起こす。テザリングの例としては、上矢洞が挙げられる。上矢洞は、負の経壁圧を有しているが、大脳鎌のテザーによって延伸されている。固体組織において圧力が等方性(全ての方向について等しいこと)でないことは勿論である。脳の異なる領域間における圧力差は、動脈、細動脈、静脈、細静脈の圧力も領域間で異ならせる。ある領域において経壁圧が低いと、当該領域における潅流を抑制しうる一方、他の領域では潅流が促進されうる。潅流が抑制された領域は虚血状態となり、部分的な脳損傷の原因となる。右心室への静脈環流が制限されることによって呼吸に伴う動脈圧の変動が脳細静脈に反映される仰向けの患者においては、脳の一部の圧力亢進が静脈経壁圧の悪化および呼吸に伴う組織体積変化の減少の原因となる。この状態は、小静脈の「クッション効果」が失われることで動脈パルス振幅の増大の原因にもなる。局所脳圧がより深刻に亢進した患者においては、動脈経壁圧も好ましくない状態となり、脳潅流の喪失に繋がりうる。脳潅流の喪失は、細動脈組織脈動の消失によって示される。ICPが動脈圧、とりわけ収縮期脳動脈圧(90mmHg:腕血圧120mmHgから40cmのエレベーションヘモスタティック減少分30mmHgを差し引いた値)を上回ると脳パルス歪みの大きさが零に減少し、ICPが拡張期圧と収縮期圧の間の値であるときにパルス歪みが大きくなることに出願人は着目した。
本開示に基づけば、局所潅流もモニタあるいは予測されうる。圧力は頭蓋内の区画によって異なる傾向にあるため、圧力が亢進した領域は、他の領域に比べて潅流が抑制されている可能性がある。
加えて、分オーダーで測定されうる「遅い波」が存在する可能性がある。「遅い波」は、「充填された」圧力を解放する組織の大きな変位に起因しており、大きな脳の動きを引き起こす点において「地震」に類似している。この種の「地震」型イベントの影響を軽減し、あるいはデータを無効化から保護するために、開示内容に係るソフトウェアとハードウェアの少なくとも一方に特定のノイズフィルタが内蔵されうる。
病的状態においては、ICPは様々な仕組みによって亢進する。仕組みの例としては、1)水頭症の原因となる脳脊髄液(CSF)の流出異常、2)固体組織の膨張が挙げられる。固体組織の膨張には、2a)脳浮腫、2b)頭蓋内血腫、および2c)腫瘍が含まれる。
幾つかのICPのインヴィボモデルにおいては、脳や脊髄に液体を注入することによって「脳弾性」(dP/dV)が測定されている。当該モデルは、脳組織が圧縮可能であること、あるいは頭蓋内の血管と液体の境界は弾性を有していることを前提としている。出願人は、頭蓋/脳力学における代替概念を検討した。
出願人の研究は、脳卒中が疑われる患者あるいは頭部を損傷した患者の脳膨張や脳移動をベッドサイドで評価するためにドプラ超音波を使用する可能性を見出した。ドプラ超音波は、安全で可搬性のある連続的モニタリング技術である。ドプラ超音波は、既に大動脈における血流のモニタリングに使用されているが、これまで脳組織の動きの分析に用いられた例はない。
集中治療や救急医療における急性脳梗塞患者の病状進行を評価およびモニタするための安価、便利、かつ有効な方法を開示する。
出願人により提案される技術は、臨床現場で脳損傷の進行をモニタする検査ツールとして使用され、脳外傷や脳卒中後の重要な局面における治療に対応しうるものである。
本開示の一実施形態によれば、システムと測定アルゴリズムが用いられうる。図3と図4に示されるように、検査システムは、患者の脳をモニタする方法を遂行するために使用されうる。具体的には、経頭蓋ドプラ(スペンサー社のT3など)が使用されうる。弾性バンドを用いて超音波プローブを側頭骨窓または額に装着することにより、コントローラを介して脳組織の膨張や移動を測定する。
Figure 0007201759000001
各深度における時刻0からtまでの脳組織の膨張または移動(変位)は、次式を用いて計算されうる。

変位(t)=θ(t)λ/2/2π-θ(t0)λ/2/2π (1)
λ=1000c/f (2)

ここで、tは時間であり、変位(ゲート、t)は、組織変位(膨張または移動)[μm]であり、θ(t)は、IQプロット偏角(IQ位相角)であり、λは、超音波の波長[μm]であり、cは、超音波の速度(1.54[mm/μs])であり、fは、超音波の周波数(2[MHz])である。
位相角θ(t)は、各IQデータから計算される。変位は、位相角θ(t)と波長(λ/2)を乗ずることによって計算される。IQデータの軌跡は、図6Aに示されるように、IQ平面の原点(0,0)を中心とする弧を描く。式(1)により計算される組織の変位は、図6Bに示される。
この手法においては、時刻0からtまでの脳組織変位が測定されるが、特定の時刻における脳組織の絶対位置は提供されない。しかしながら、「連続的な」測定あるいはモニタリングにより、この手法でも測定開始(時刻0)から現在までの総変位を提供できる。これにより、モニタリング中に生じた移動あるいは膨張が検出される。
図6Aと図6Bに示されるように、IQデータの中心点は、基本的にIQ平面の原点(0,0)に位置する。しかしながら、IQデータは、骨反射に起因する定常的な反響雑音信号などを含むことが多い。この場合、中心点が原点からシフトする。
図7Aと図7Bは、組織変位信号と定常的な反響雑音信号を含むIQデータのシミュレーション例を示している。組織変位信号としては、正弦波が用いられうる。図7Aに示されるように、IQ軌跡の中心点は、原点からシフトしている。図7Bに示されるように、式(1)により計算される組織変位信号は、正弦波ではない。したがって、IQデータは、中心点を原点からシフトさせる定常的な反響雑音信号などを含む。この場合、式(1)では組織変位を正確に計算できない。
補正組織変位を計算するために、中心点を原点からシフトさせる定常的な反響雑音信号などが除去されうる。当該データが除去されると、IQ位相角(IQプロット偏角)は、座標(0,0)からではなくIQ軌跡の中心点から測定される。IQ軌跡の中心点は、心周期ごとに、あるいは数秒ごとに計算される。図8のフローチャートに示されるように、IQ位相角(偏角)は、IQ軌跡の中心点から計算される。
この場合、時刻0からtまでの正しい脳組織変位は、次式を用いて計算される。

変位’(t)=θ’(t)λ/2/2π-θ’(t0)λ/2/2π (3)
θ’(t)=arg[IQデータ(t)-IQ中心点] (4)

ここで、変位’(t)は、IQデータに基づく組織変位(膨張/移動)[μm]であり、θ’(t)は、IQ中心点からのIQプロット偏角(IQ位相角)であり、IQデータ(t)は、時刻tにおけるIQデータであり、IQ中心点は、IQ軌跡の中心点である。
図9Aは、非補正変位を示している。図9Bは、上式(3)によって計算された補正変位を示しており、正弦波を描いている。当該正弦波は、組織変位信号を再現するシミュレーションに使用されるものである。すなわち、ここに開示されるアルゴリズムは、定常的な反響雑音信号を除去可能なものである。
心周期や呼吸周期に由来する脳の動きは、脳位置を計算するための上記アルゴリズムを用いて除去可能であり、本開示に係る装置と方法により実際の膨張が明瞭に認識可能である。さらに、心周期、血圧変化、および並行する呼吸の少なくとも一つに起因する脳組織の周期的変位は、本開示に係る測定方法により除去されうる。本開示に係る装置と方法は、ドプラ式超音波センサとコントローラの使用を通じて、正確な脳の位置と動きデータを提供できる。
British Medical Ultrasound Societyにより刊行された経頭蓋ドプラモニタリングのための安全ガイドライン(BMUS 2009)が規範とされることが多い。当該文献は、以下のように示している。
Figure 0007201759000002
TIC:頭蓋骨のサーマルインデックス
MI:メカニカルインデックス
したがって、TIC<1.0の条件を維持するために電力(TCDシステム電力)の40%を使用して測定値の記録を行なうことにした。
健康な協力者によるテスト
仮説を立証するために、以下のテストを行なった。
・ヴァルサルヴァ法テスト
・仰臥位(-20度)テスト
ヴァルサルヴァ法
ヴァルサルヴァ法は、通常は患者の口を閉じて鼻をつまむことによって気道を閉じた状態で、風船を膨らませるかのように、やや強制的に息を吐こうとすることによって行なわれる。
ヴァルサルヴァ法テスト中は、胸腔内圧が上昇し、中心静脈圧も上昇する。したがって、通常は脳内の静脈血量が増加し、結果として脳が膨張する(ICPも亢進する)。よって、本出願人は、頭に装着された超音波トランスデューサを用いて、ヴァルサルヴァ法テスト中に脳膨張が測定できると考えた。
ヴァルサルヴァ法テストの手順は以下の通りである。
プローブ位置:側頭窓
手順:約10秒の安静 → 約30秒のヴァルサルヴァ法 → 約30秒の安静
仰臥位(-20度)テスト
仰臥位の間、頭蓋内静脈血量は増加し、脳組織が膨張する。本出願人は、頭に装着された超音波センサを用いて、患者が仰臥位でいる間に脳膨張が測定できると考えた。
仰臥位(-20度)テストの手順は以下の通りである。
プローブ位置:側頭窓
手順:約20秒の座位 → 約60秒の仰臥位(-20度) → 約40秒の座位
結果
ヴァルサルヴァ法
図10から図12は、ヴァルサルヴァ法が行なわれている間の脳組織データを示している。頭表面からの測定深度は、それぞれ25mm、50mm、および75mmである。
図10から図12に示されるように、超音波システムは脳組織変位を測定可能であると言え、これを「脳膨張測定」と称する。深度25mmの測定において、脳組織の膨張は約1.0mmであった。深度50mmの測定において、脳組織の膨張は約2.5mmであった。深度75mmの測定において、脳組織の膨張は約3.5mmであった。すなわち、深くにある脳組織ほど膨張が大きかった。本出願人は、その理由を、脳組織が堅い頭蓋骨に収容された「スポンジ」状のものであるからと考えた。
仰臥位(-20度)
図13から図15は、仰臥位である間の脳組織データを示している。頭表面からの測定深度は、それぞれ25mm、50mm、および75mmである。
図13から図15に示されるように、脳組織変位は、超音波システムを用いて仰臥位テスト中にも測定可能と言える。深度25mmの測定において、脳組織の膨張は約0.5mmであった。深度50mmの測定において、脳組織の膨張は約0.75mmであった。深度75mmの測定において、脳組織の膨張は約1.5mmであった。ヴァルサルヴァ法テストの場合と同様に、深くにある脳組織ほど膨張が大きかった。
脳膨張は、超音波を用いて測定されうる。この脳膨張/移動モニタは、二次的脳損傷を回避するための新たなツールとなりうる。図3に示されるように患者に接続された心電計電極に似た超音波トランスデューサは、連続的な測定とモニタリングを容易にし、脳膨張の測定を助ける。本開示に係る膨張モニタは、新たな患者モニタパラメータとして使用されうる。本開示に係る膨張モニタとその使用法によれば、膨張/移動だけでなく膨張の進み具合も測定できる。
膨張モニタとその使用法における特徴は、超音波を用いた脳膨張/移動の測定、患者のベッドサイドにおける連続的な測定、および「相対的な」脳組織変位の測定にある。よって、本開示に係る装置と方法の一実施形態においては、測定は連続的に行なわれ、断続的には行なわれない。
なお、超音波トランスデューサは、コントローラと「通信可能に接続」されうる。当該接続は、有線接続(金属線、光ファイバなどの物理的接続)によりなされてもよいし、無線接続(wi-fi、ブルートゥース技術などの無線接続あるいは無線通信プロトコル)によりなされてもよい。稼働時において、コントローラは、一般的な超音波デバイスに内蔵されてもよいし、別体として設置されてもよい。コントローラは、第一脳組織部分の第二脳組織部分に対する位置の取得、判断、およびモニタの少なくとも一つを行なうように構成されたソフトウェアとハードウェアの少なくとも一方を備える。当該ソフトウェアとハードウェアの少なくとも一方は、第一目標組織の位置情報が取得され、続いて第二目標組織に対する位置情報と比較されるように構成されうる。当該情報が心周期に対応して予期される経時的脈動を示す場合、コントローラは、脳が正常に膨張できると判断する。当該情報が呼吸に伴う周期的膨張を示す場合、コントローラは、脳内の静脈圧が頭蓋内圧を上回っている(仰臥位の患者については正常)と判断する。当該情報が、加速度計によりモニタされる頭蓋骨の位置と向きの少なくとも一方に合致した位置の経時変化を示す場合、コントローラは、脳が正常にCSF内に浮いていると判断する。当該情報が変化の経時的進行を示す場合、コントローラは、脳が膨張していると判断する。当該情報が経時的変化の減少を示す場合、あるいは運動期間後に相対移動の不在を示す場合、コントローラは、脳が膨張しており、かつICPが間もなく亢進すると判断する。ICPが亢進するとコントローラが判断すると、モニタやリモートアラームを介して医療従事者へ情報が提供されうる。これにより、医療従事者は、患者のICPが亢進しそうであることを知らされる。モニタ装置は、コントローラに内蔵されてもよいし、有線接続または無線接続を介してコントローラに接続されてもよい。同様に、アラーム装置も有線接続または無線接続を介してコントローラに接続されうる。あるいは、アラーム装置は、携帯電話などの遠隔通信装置でありうる。コントローラは、サーバに情報を提供するように構成されうる。その場合、当該サーバは、当該情報を管理し、様々な受信装置(携帯電話、タブレット、コンピュータなどの形態をとるアラーム装置など)と通信を行なう。当該情報を最適管理し、特定の遠隔装置へ提供するための様々なアプリケーションも開発されうる。
なお、本開示においては、超音波などのトランスデューサから所望の解像度を得るために無線位相変調が使用されうる。例えば、脳組織内の0.1ミクロンの変位が測定できるように解像度が設定されうる。
コントローラは、脳組織の自身に対する位置関係のより正確な判断(すなわち、脳膨張などを判断するための、第一目標脳組織の第二目標脳組織に対する位置変化量の判断)を提供するために、他のセンサにも接続されうる。例えば、加速度計が患者の頭部と胸部(胸骨上)の少なくとも一方に装着されうる。これにより、これら二つの身体領域の位置と動きがモニタされる。当該動きは、二つの目標脳組織間の位置関係や目標脳組織と右心房の間のエレベーション(圧力の基準に使用されうる)をより正確に計算するために使用されうる。より具体的には、頭蓋骨と胸骨上に配置された加速度計が、右心房と測定対象の身体部位(頭蓋骨や脳など)との間の相対高度差を判断するために使用されうる。加えて、呼吸センサと肺センサの少なくとも一方がコントローラと接続されうる。これにより、呼吸機能と肺機能の少なくとも一方に係る情報が、二つの目標脳組織の間の位置関係をより正確に計算するために、そして膨張の存在をより正確に判断するために使用されうる。一例として、呼吸センサと肺センサの少なくとも一方は、加速度計と心電図センサのいずれかと組み合わせられうる。近年、絆創膏のようにユーザの頭部に装着し、特にスポーツ時における頭部の加速度をリアルタイムにモニタするために加速度データを無線送信する超小型回路パッチが利用可能になっている。加速度計は、そのような超小型回路を同様に備えるように構成可能と考えられる。加えて、脳組織の膨張は比較的小さい一方で患者の解剖学的ジオメトリの間には大きなばらつきがあるので、膨張と位置の測定および計算の精度を確実に高めるために、ベースラインデータの使用が助けになる。例えば、アスリートについて、頭蓋骨と脳の位置データを含むベースラインデータが収集されることがある。この種のベースライン情報は、ベースライン情報を入手可能な特定の患者への本開示に係るシステム/装置の使用中において、精度を上げるために利用されうる。
脳組織を含む頭蓋内組織は、自然な脈動を呈する。普通に直立した人の場合、心臓に起因する動きは約20μmであり、約20μmである呼吸に起因する動きと重なっている。当該動きは、一般にプレスシモグラフィ法によって検出される重複波を伴う。重複波の存在は相対的な血管収縮を示し、当該波の消失は相対的な血管拡張を示す。直立した人の呼吸に起因する動きは、心臓に対する頭部の高さ(圧)よりも中心静脈圧が低いので、呼吸による心拍出量の変化に依存する傾向にある。人が仰向けになると、心拍出量成分とは位相が異なる別の呼吸成分が加わりうる。動きは両側性となり、脳室が拡張する。
脳(および他の頭蓋内組織)は、心周期と呼吸周期の双方に基づいて伸縮する。しかしながら、脳の体積は、頭蓋骨(および上述した他のテザー点)によって制約を受ける。脳などの頭蓋内組織の拡張または膨張は、脳内における脳室を圧迫する。脳は、心周期ごとに内側、後側、および尾側へ動かされる。これらの動きは、頭蓋内組織膨張(多くの場合において頭蓋内圧の亢進に起因)を判断するために提案されたモニタリングシステムに基づく。
図16は、本開示に係る別実施形態を模式的に示す図である。本実施形態においては、脳組織の膨張/移動モニタは、超音波プローブまたはトランスデューサを介して患者などのユーザに接続される。超音波プローブは、フレキシブルバンドにより特定の目標領域を向くようにして患者の頭部に装着されうる。超音波プローブに接続された超音波コントローラは、高電圧パルスのバーストをプローブに送信する。これにより、プローブが超音波を発する。そしてプローブは、患者の脳組織(および脳を包囲する他の組織)に反射された超音波信号(RF信号)を受信する。コントローラは、超音波RF信号に基づいて生成されたIQデータから脳組織の変位量を計算する。組織変位データは、記録/モニタ装置(患者モニタ、コンピュータ、データ制御装置、データ記憶装置、ネットワークシステムなど)へ送信されうる。コントローラは、患者モニタなどのデータレコーダに内蔵されてもよいし、有線接続または無線接続されてもよい。例えば、コントローラは、中央監視システムに関連付けられたモニタ装置(米国特許第8638192号明細書などに記載)やベッドサイドモニタ装置(米国特許第9049993号明細書などに記載)に内蔵されうる。
図17Aと図17Bは、それぞれ本開示の原理に基づいて構成された超音波コントローラの別実施形態を模式的に示すブロック図と写真である。超音波コントローラは、少なくともフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、高電圧源、送信器、T/Rスイッチ、低ノイズ増幅器(LNA)、プログラマブルゲイン増幅器(PGA)、差動増幅器、バンドパスフィルタ(BPF)、A/D変換器(ADC)、プローブコネクタ、通信インターフェースコネクタなどの部品を備えうる。図17Aに示されるように、超音波プローブは、BNCコネクタに接続されうる。送信器は、約2MHzの高電圧バーストパルス(±4V~25V)を生成しうる。T/Rスイッチは、送信される高電圧バーストパルス信号を除去し、脳などの組織からの反射超音波信号を抽出しうる。増幅器(LNA、PGA、および差動増幅器)は、信号電圧を増大させる(-4dB~+36dB)ために設けられうる。ADCは、信号をデジタル化する。本図において、IQ復調は、FPGAによって遂行される(デジタルIQ復調)。RFデータまたはIQデータは、USBワイヤなどの通信ケーブルまたは無線通信を介して患者モニタ(図16)に送信される。
図18Aと図18Bは、それぞれ本開示の原理に基づいて構成された超音波プローブの別実施形態を模式的に示すブロック図と写真である。超音波プローブは、少なくとも圧電素子、バッキング材、音響整合層、および筐体を備えうる。
使用時は、超音波コントローラ(図16)の送信器によって高電圧バーストパルスが生成され、超音波プローブの圧電素子に印加される。圧電素子は、伸縮を繰り返すことによって振動し、超音波を生成する。目標組織から反射された振動(または超音波)を受けると、圧電素子は、目標素子の像に相関する電圧を生成する。
バッキング材は、圧電素子の背後に配置されて過剰な振動を防止するとともに、圧電素子によって出力される振動特性を制御するように構成されている。バッキング材の形状と材料は、圧電素子によって生成される超音波のパルス長を短縮するように選択されうる。
圧電素子から送出された超音波は、目標組織を含む隣接組織に反射することによって、当該目標組織への到達と通過の少なくとも一方が阻止される。圧電素子と隣接組織または物体との間で音響インピーダンスが相違するからである。この現象を避けるために、そして目標組織まで(あるいはその内部まで)超音波が深く進入することを確実にするために、圧電素子と目標組織の間に中間材(音響整合層)が介挿されうる。これにより、超音波は、目標物と目標組織の少なくとも一方へ効率的に進入できる。圧電素子に隣接する音響レンズを設けてもよい。音響レンズは、生成された超音波ビームを目標組織へ向けて収束するように構成されうる。
実施形態の例を参照しつつ開示の対象について詳細に説明してきたが、発明の趣旨を逸脱しなければ様々な変更がなされうること、および等価物が採用されうることは、当業者にとって明らかである。特に、発明の趣旨を逸脱しなければ、開示された特定の実施形態の各々に係る特徴は、開示された他の実施形態の各々との入替えや組合せがなされうる。背景技術の説明において参照した関連文献の全ては、本開示の一部を構成するものとして援用される。

Claims (3)

  1. 患者の脳組織変位の測定装置であって、
    前記患者の頭部に装着される超音波トランスデューサと、
    前記超音波トランスデューサから受信される信号を直交検波して第一信号成分と第二信号成分に分離し、当該第一信号成分と当該第二信号成分の経時変化が当該第一信号成分に対応する第一座標軸と当該第二信号成分に対応する第二座標軸により形成される座標平面上に描く弧状の軌跡の中心点を特定し、当該中心点が当該座標平面の原点からシフトしている場合は当該中心点に基づいて第一信号成分と第二信号成分の間の位相角を計算し、かつ当該位相角の経時変化に基づいて前記患者の脳組織の変位量を計算するコントローラと、
    を備えている、
    脳組織変位の測定装置。
  2. 前記コントローラは、前記信号に含まれて前記中心点を前記座標平面の原点からずらす雑音を除去する処理を行なう、
    請求項1に記載の脳組織変位の測定装置。
  3. 前記コントローラは、前記患者の心周期と呼吸周期の少なくとも一方ごとに前記中心点を特定する処理を行なう、
    請求項1または2に記載の脳組織変位の測定装置。
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