JP3604897B2 - 物理パラメータ測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物理パラメータ測定方法と装置、特に2次元座標平面において円弧軌道上を往復運動するデータの座標からその円弧の中心座標を求める技術に関する。さらに、医療用器具の分野において、生体内に微弱な振動を与え、生体内を伝搬した振動を検出することで、生体情報を非侵襲で取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非観血的に血圧を測定する方法としては、カフにより上腕部を圧迫し、圧迫圧力を変化させ、それに伴う脈波の振幅変化から血圧を求めるオシロメトリック法や、同じくカフによる圧迫圧力を変化させ圧迫された血管から発生するコロトコフ音から血圧を求めるコロトコフ法が用いられている。しかしながら、これらの測定方法は、1回の測定に30秒程度の時間がかかり、手術中など患者の急激な血圧変動を監視しなければならない場合は使用できない。
【0003】
これらの方法の欠点を補い、非観血的で連続的に血圧測定を行うものとして、米国特許5590649が公開された。これは、血圧の変化に応じて血管の弾性が変化することを利用し、血管の弾性を検出することで、その弾性値から血圧を推定するものである。以下にその概要を図面を参照して説明する。
【0004】
図7は米国特許5590649の血圧計の概要ブロック図である。発振器1は数100Hz程度の正弦波を発生し、腕に取りつけられた励振器2を介して動脈を振動させる。センサ3は腕を伝搬した励振器2からの振動を検出する。そのセンサ信号は位相検波器4に送られる。位相検波器4は発振器1からの信号を基準信号とし、センサ3からのセンサ信号の位相検波を行い、同相成分信号(I信号)と直交成分信号(Q信号)を出力する。位相検波器4の出力信号はA/D変換器5によりディジタル信号に変換される。ディジタル信号に変換された同相成分信号と直交成分信号は、円弧中心推定部6と位相角演算部7に入力される。円弧中心推定部6は、入力データの分布からその中心位置を求め、そのx座標とy座標を位相角演算部7に出力する。位相角演算部7は、中心位置から見た同相成分信号と直交成分信号の位相角を算出する。カフ式血圧測定器8は、適当な時間間隔でカフ9動作を動作させ、最高血圧、最低血圧を血圧演算部10に出力する。血圧演算部10は、カフ式血圧測定器8からの最高血圧、最低血圧値と、カフ式血圧測定器8が作動した時点での位相角演算部7からの位相角とから位相角および血圧の対応を生成する。これをキャリブレーションと言う。それ以降は位相角のみから対応する血圧を算出し、連続波形として表示部11に送出する。制御部12は、図示していない制御線により各部と接続されており、動作タイミング等の制御を行う。
【0005】
ディジタル信号に変換されたI信号とQ信号は次の特徴を有する。I信号をx座標値、Q信号をy座標値として2次元座標平面にプロットすると、図8に示すように円弧上に分布する。以下、2つのA/D変換器5から出力されるデータは、サンプルデータのx座標とy座標を示す座標データであると考える。原点からプロットした点までのベクトルは腕を伝搬した励振波の位相と振幅を示すものであるが、このベクトルは2つの成分に分けることができる。1つは血管を伝わった成分すなわち円弧中心Cからサンプル点Pまでのベクトルであり、もう1つは血管以外の体組織を伝わった成分すなわち原点Oから円弧中心Cまでのベクトルである。血管以外の体組織は動きがないので、それを伝わった成分は一定の位置Cを保つ。一方、血管を伝わった成分は、血管の弾性が血圧により変化するので、血圧が高いときは血管の弾性が高く、励振波が早く伝わるため位相が大きくなり、血圧が低いときは血管の弾性が小さく、励振波が遅く伝わるため位相が小さくなる。よってサンプル点をプロットすると、図8に示したように、一心拍の血圧変動に伴いCを中心とした円弧上を往復運動することになる。円弧中心Cから見たサンプル点Pの位相角は、血圧に一対一に対応しているので、別途設置したカフ式血圧測定器8で測定した最高血圧Psys、最低血圧Pdias は、カフ9を動作させる直前または直後の位相角の最大値φsys 、最小値φdiasに対応させることができ、血圧差と位相角差が比例の関係にあると仮定することにより、
【0006】
【数1】
という関係式を用いて、位相角φの時の血圧Pを算出することができる。
【0007】
以上が米国特許5590649での血圧計の概要である。この方式において血圧検出を安定して行うには、データの分布の円弧中心Cを正確に求めることが重要である。しかしながら、米国特許5590649では、サンプルしたデータの分布からその中心Cを求めるアルゴリズムには言及していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
円弧上の点からその円弧の中心を求めるには、円弧上の2つの点からなるデータペアを作り、データペアを結ぶ弦を2つ以上作り、その弦の垂直2等分線のからの距離が最小となる点を最小2乗法で求める方法がある。一方、等時間間隔でサンプリングされたデータの分布は、血圧波形の特徴から、図8のdの領域に多く分布し、単純にサンプル点をn分の1に間引いてデータペアを構成した場合は、領域dでのノイズ成分に強く影響され、本来の中心よりも円弧に近いC’が中心として算出されてしまう。また、2点のペアで構成された弦が円の半径に比べあまりに小さいと正確に中心を求めるのは困難である。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、血圧を求めるために必要な円弧中心推定を安定して正確に行う振動を利用した物理パラメータ測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、2次元平面上でのデータ間の距離差を規定する距離差規定手段と、前記規定された距離以上の距離差を持つ2つのサンプル点ペアを複数選択する選択手段と、前記選択された複数のサンプル点ペアを結ぶ直線の垂直2等分線との距離が最小になる点を算出することでサンプルデータの分布の円弧中心を推定する円弧中心推定手段と、前記円弧中心から見込んだサンプル点の位相角を算出する位相角算出手段とを備え、前記対象物は生体であり、測定するパラメータは生体の心拍運動により引き起こされた生理学的パラメータであり、前記2次元平面上でのデータ間の距離差を規定する距離差規定手段が、1心拍以上の間のデータの重心を計算する重心計算手段と、1心拍以上の間のデータと前記重心との距離の最大値を計算する最大値計算手段と、前記距離の最大値の単調増加関数値を発生する単調増加関数発生手段からなるものである。
【0011】
本発明によれば、一定の距離差のあるデータペアのみを選択して円弧中心を求める演算に使用するので、データの分布に偏りがある場合でも正確に分布の円弧中心の座標を求めることができ、測定するパラメータは生体の心拍運動により引き起こされた生理学的パラメータなので、生体内部の状態を傷つけることなく正確に測定することができ、さらに測定する人体の特性のばらつきや、センサと人体の接触状態によって円弧の大きさが変化しても、円弧の大きさに応じた弦を構成するサンプル点ペアを選択するので、安定して円弧中心を求めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、対象物に振動を与る励振手段と、対象物内を伝搬した振動を電気信号に変換するセンサ手段と、センサ手段または位相検波手段からの信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、位相検波により2次元座標平面にサンプル点をマッピングする位相検波手段と、2次元平面上でのデータ間の距離差を規定する距離差規定手段と、前記規定された距離以上の距離差を持つ2つのサンプル点ペアを複数選択する選択手段と、前記選択された複数のサンプル点ペアを結ぶ直線の垂直2等分線との距離が最小になる点を算出することでサンプルデータの分布の円弧中心を推定する円弧中心推定手段と、前記円弧中心から見込んだサンプル点の位相角を算出する位相角算出手段とを備え、前記対象物は生体であり、測定するパラメータは生体の心拍運動により引き起こされた生理学的パラメータであり、前記2次元平面上でのデータ間の距離差を規定する距離差規定手段が、1心拍以上の間のデータの重心を計算する重心計算手段と、1心拍以上の間のデータと前記重心との距離の最大値を計算する最大値計算手段と、前記距離の最大値の単調増加関数値を発生する単調増加関数発生手段からなる物理パラメータ測定装置である。この構成により、偏った分布をとるデータから空間的に均等に離れたデータを選択し、演算に用いるので正確に円弧中心を求めることができる。また、前記対象物は生体であり、測定するパラメータは生体の心拍運動により引き起こされた生理学的パラメータなので、生体内部の状態を生体を傷つけることなく正確に測定することができる。さらに、前記距離差規定手段は、1心拍以上の間のデータの重心を計算する重心計算手段と、1心拍以上の間のデータと前記重心との距離の最大値を計算する最大値計算手段と、前記距離の最大値の単調増加関数値を発生する単調増加関数発生手段からなるので、測定する人体の特性のばらつきや、センサと人体の接触状態によって円弧の大きさが変化しても、円弧の大きさに応じた弦を構成するサンプル点ペアを選択するので、安定して円弧中心を求めることができる。
【0022】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記距離差算出手段での単調増加関数は比例関数であることを特徴とするものである。この構成により、測定する人体の特性のばらつきや、センサと人体の接触状態によって円弧の大きさが変化しても、円弧の直径の大きさにほぼ比例した長さの弦を構成するサンプル点ペアを選択できるので、少ないデータペアからでも、安定して円弧中心を求めることができる。
【0023】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記距離差算出手段での比例関数の比例定数が1/30から2の範囲であることを特徴とするものである。この構成により、測定する人体の特性のばらつきや、センサと人体の接触状態によって円弧の大きさが変化しても、円弧の直径の大きさにほぼ比例した長さの弦を構成するサンプル点ペアを選択できるので、少ないデータペアからでも、安定して円弧中心を求めることができる。
【0025】
次に、本発明の実施の形態について、本発明を血圧計として具現化した場合の例を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る血圧計の基本構成を示すブロック図である。この基本構成は、図7に示した従来例に対し円弧中心推定部20を除いては同様な構成を有するので、同様な構成要素には同様な符号を付して重複した説明は省略する。
【0026】
本実施の形態における円弧中心推定部20において、30はA/D変換器5からのデータを受け、その分布から円弧中心の算出に用いるデータの距離差を算出する距離差決定部、31は距離差決定部30からの距離差データ以上の距離差をもつデータペアを選択するデータ選択部、32はデータ選択部31からのデータペアから円弧中心を推定する円弧中心算出部である。
【0027】
次に、距離差決定部30の構成とその動作について詳細に説明する。距離差決定部30の詳細なブロック図を図2に示す。図2において、40はA/D変換器5からのデータを受け、その分布の重心を計算する重心演算部、41は重心演算部40からの重心座標(Gx,Gy)とA/D変換器5からのデータ(x,y)との距離を算出する距離算出部、42は距離算出部41からの距離データの最大値を算出する最大値算出部、43は定数を記憶するデータラッチ、44はデータラッチ43で記憶している定数と最大値算出部42からの最大値の積を計算する掛け算器である。
【0028】
重心演算部40は、現在入力された座標データ(x,y)からT1秒前までに入力された座標データの集合の重心(Gx,Gy)を計算する。具体的には、Gxはx座標データの平均値、Gyはy座標データの平均値である。時間間隔T1は生体の1心拍に要する時間以上とし、例えば2秒程度とする。距離算出部41は重心(Gx,Gy)と入力座標データ(x,y)との距離Sを(1)式で計算する。
【0029】
【数2】
最大値算出部42は、現在入力された距離データSからT2秒前までに入力された距離データSの集合の最大値Smax を計算する。時間間隔T2は生体の1心拍に要する時間以上とし、例えば2秒程度とする。データラッチ43は、図示しない制御部により書き込まれた定数kを保持する。定数の範囲は1/30から2の範囲が適当である。掛け算器44は最大値算出部42からのSmax に定数kを乗じ、データ選択部31に出力する。
【0030】
次に、データ選択部31の詳細について説明する。図3はデータ選択部31の詳細ブロック図である。座標データを記憶する2つのラッチ50、51と、距離算出器52および比較器53からなる。ラッチ50、51はイネーブル端子Gを持っており、そのイネーブル端子Gがアクティブになったとき入力データを内部に記憶し、内部に記憶したデータを出力する。それぞれのイネーブル端子Gは比較器53の出力に接続され、比較器53の出力がアクティブになったときの入力データを保持する。まず、ラッチ50は初期値としてA/D変換器5からの最初の座標データをラッチする。距離算出器52は、ラッチ50でラッチされた座標(x1,x2)と現在の座標(x2,y2)との距離zを(2)式に従い計算する。
【0031】
【数3】
比較器53は、距離算出器52の出力と掛け算器44の出力を比較し、距離算出器52の出力の方が大きければ出力をアクティブにする。これにより、ラッチ50、51の記憶内容が更新され、円弧中心算出部32への出力が更新される。以上により、掛け算器44の出力より大きな距離差をもったデータペア(Ax,Ay)と(Bx,By)が円弧算出部32に出力される。
【0032】
次に、円弧中心算出部32の詳細について説明する。円弧中心算出部32は、データ選択部31の出力が更新されるたびにデータをラッチし、現在入力されているデータペアからT3秒以前までに入力されたデータペアの集合を用いて、各データペアを結ぶ線分の垂直2等分線からの距離の和が最小になる点すなわち円弧の中心(xc,yc)を最小2乗法により計算する。時間間隔T3は生体の1心拍に要する時間以上とし、例えば2秒程度とする。演算に使用するデータペア数がnでそれらの座標を
(Ax1 ,Ay1 )、(Bx1 ,By1 )
(Ax2 ,Ay2 )、(Bx2 ,By2 )
(Ax3 ,Ay3 )、(Bx3 ,By3 )
: :
(Axn ,Ayn )、(Bxn ,Byn )
とすると、円弧の中心(xc,yc)は以下の行列計算により求めることができる。
【0033】
【数4】
【0034】
以上の過程を2次元座標平面上で説明する。図4はA/D変換器5から出力された座標データを座標平面にプロットしたものである。点Gは重心演算部40から出力された重心であり、Smax は重心Gからデータまでの距離の最大値で最大値算出部42から出力される。Smax に定数をかけた長さがLであり、掛け算器44の出力すなわち距離差決定部30の出力である。サンプル点の組(A1,A2)、(A2,A3)、(A3,A4)、(A4,A5)はデータ選択部31から出力されるデータペアでありそれぞれの距離差はLとなっている。円弧中心算出部32はこれらのデータペアを結ぶ線分A1A2、A2A3、A3A4、A4A5の垂直2等分線U1、U2、U3、U4からの距離の和が最小になる点Cを最小2乗法により算出する。
【0035】
なお、距離算出部41での距離計算および距離算出器52での距離計算においては、平方根をとらずに2乗和を距離として扱ってもよい。この場合平方根演算のための演算量を削減できる。
【0036】
以上のように、本発明の実施の形態1に係る血圧計によれば、サンプリングデータから、適切な距離差を算出し、その距離差を持ったサンプリングデータペアを選択し、円弧中心計算に用いるので、入力信号の振幅が変化しても正確な中心を求めることができる。また、必要なデータのみを選択するので演算量も削減できる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、本発明を血圧計として具現化した実施の形態2について説明する。図5は本実施の形態2に係る円弧中心推定部のブロック図である。図1で示した実施の形態1の円弧中心推定部20の出力にローパスフィルタ70を加えた構成となっている。ローパスフィルタ70は、円弧中心算出部32からx座標、y座標を入力し、それぞれにローパスフィルタリングを行い出力する。ローパスフィルタのカットオフ周波数としては、数Hzから数10Hzが望ましい。
【0038】
以上のように、本発明の実施の形態2に係る血圧計によれば、円弧中心算出部32で算出された円弧中心座標データから高周波ノイズが取り除かれ、ノイズに影響されにくい円弧中心推定部が構成できる。
【0039】
(実施の形態3)
次に、本発明を血圧計として具現化した実施の形態3について、図1における円弧中心推定部20をコンピュータにより実現する場合を説明する。図6は本実施の形態3に係る円弧中心推定方式のフローチャートである。ステップ81はA/D変換器5からデータ入力を行う。ステップ82は入力されたデータ(x,y)および過去T1秒間に入力されたデータの重心を算出する。重心はx座標、y座標それぞれの平均演算により計算される。時間間隔T1は生体の1心拍に要する時間以上とし、例えば2秒程度とする。ステップ83はステップ82で計算した重心(Gx,Gy)と入力データ(x,y)との距離Sを算出する。ステップ84は現在の距離Sおよび過去T2秒間に計算された距離の中で最大になるものSmax を算出する。時間間隔T2は生体の1心拍に要する時間以上とし、例えば2秒程度とする。ステップ85はステップ84で算出されたSmax に係数kをかけ、距離差Lとする。ステップ86は選択データAと入力データ(x,y)との距離zを算出する。ステップ87はステップ86で算出された距離zとステップ85で算出された距離差Lとを比較して、距離zが距離差Lより小さければステップ81に戻り、距離zが距離差Lよりも大きければステップ88に分岐する。ステップ88では選択データAと入力データ(x、y)をデータペアとし、過去T3秒間で入力されたデータペアとともに最小2乗法によりデータペア間を結ぶ線分からの距離の和が最小となる点を算出する。時間間隔T3は生体の1心拍に要する時間以上とし、例えば2秒程度とする。ステップ89はステップ88で算出した円弧中心の座標を位相角演算部7に出力する。ステップ90は入力データ(x,y)を選択データAに代入し、ステップ81に戻る。なお、選択データAには初期値が必要であるが、第1番目の入力データを選択データAの初期値とする。
【0040】
以上のように、本発明の実施の形態3に係る血圧計によれば、サンプリングデータから、適切な距離差を算出し、その距離差を持ったサンプリングデータペアを選択し、円弧中心計算に用いるので、入力信号の振幅が変化しても正確な中心を求めることができる。また、必要なデータのみを選択するのでステップ88での最小2乗法での演算量も削減できる。
【0041】
なお、上記各実施の形態では、円弧中心推定部20をコンピュータにより実現する方法のみを記述しているが、位相角演算部7、血圧演算部10等の他の構成要素もコンピュータにより実現することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、一定の距離差のあるデータペアのみを選択して円弧中心を求める演算に使用するので、データの分布に偏りがある場合でも正確に分布の円弧中心の座標を求めることができ、測定するパラメータは生体の心拍運動により引き起こされた生理学的パラメータなので、生体内部の状態を傷つけることなく正確に測定することができ、さらに測定する人体の特性のばらつきや、センサと人体の接触状態によって円弧の大きさが変化しても、円弧の大きさに応じた弦を構成するサンプル点ペアを選択するので、安定して円弧中心を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における血圧計の概略ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る距離差決定部の詳細ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係るデータ選択部の詳細ブロック図
【図4】本発明の実施の形態1での選択データと円弧中心との関係を示した模式図
【図5】本発明の実施の形態2に係る円弧中心推定部の詳細ブロック図
【図6】本発明の実施の形態3に係る円弧中心推定部のフロー図
【図7】従来例における血圧計の概略ブロック図
【図8】位相検波したデータを2次元平面上にプロットした模式図
【符号の説明】
1 発振器
2 励振器
3 センサ
4 位相検波器
5 A/D変換器
7 位相角演算部
8 カフ式血圧測定器
9 カフ
10 血圧演算部
11 表示部
12 制御部
20 円弧中心推定部
30 距離差決定部
31 データ選択部
32 円弧中心算出部
Claims (3)
- 対象物に振動を与る励振手段と、対象物内を伝搬した振動を電気信号に変換するセンサ手段と、センサ手段または位相検波手段からの信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換手段と、位相検波により2次元座標平面にサンプル点をマッピングする位相検波手段と、2次元平面上でのデータ間の距離差を規定する距離差規定手段と、前記規定された距離以上の距離差を持つ2つのサンプル点ペアを複数選択する選択手段と、前記選択された複数のサンプル点ペアを結ぶ直線の垂直2等分線との距離が最小になる点を算出することでサンプルデータの分布の円弧中心を推定する円弧中心推定手段と、前記円弧中心から見込んだサンプル点の位相角を算出する位相角算出手段とを備え、
前記対象物は生体であり、測定するパラメータは生体の心拍運動により引き起こされた生理学的パラメータであり、
前記2次元平面上でのデータ間の距離差を規定する距離差規定手段が、1心拍以上の間のデータの重心を計算する重心計算手段と、1心拍以上の間のデータと前記重心との距離の最大値を計算する最大値計算手段と、前記距離の最大値の単調増加関数値を発生する単調増加関数発生手段からなる物理パラメータ測定装置。 - 前記単調増加関数発生手段での単調増加関数は比例関数であることを特徴とする請求項1記載の物理パラメータ測定装置。
- 前記単調増加関数発生手段での比例関数の比例定数が1/30から2の範囲であることを特徴とする請求項2記載の物理パラメータ測定装置。
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