JP2004518927A - ハイドロリック減衰式のブシュ軸受け - Google Patents

ハイドロリック減衰式のブシュ軸受け Download PDF

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Abstract

ハイドロリック減衰作用を有するブシュ軸受けにおいて、内側のゴム軸受けが設けられており、該ゴム軸受けが、軸方向の貫通孔(2)を備えたほぼ円筒状の内側部分(1)または円筒形状に近付けられた内側部分(1)と、内側部分(1)を取り囲む外側スリーブ(3)と、内側部分(1)と外側スリーブ(3)との間に挿入されかつ加硫により内側部分(1)と外側スリーブ(3)とに結合されたエラストマ製の減衰部材(4)とを有しており、内側のゴム軸受けの軸方向両端部が、流体の減衰媒体を収容するための複数の室(5,5′)によって取り囲まれており、該室(5,5′)が、前記ゴム軸受けを別個に取り囲むんで配置されたハイドロリック範囲により形成されており、該ハイドロリック範囲が、前記ゴム軸受けの外側スリーブ(3)に被せ嵌められた、前記室(5,5′)を流れ導通接続するための通路(7)を備えた剛性的な通路支持体(6)と、該通路支持体(6)に軸方向で支持される外側ブシュ(8)と、軸方向で前記ゴム軸受けの両側に配置された、当該ブシュ軸受けを閉鎖するための閉鎖手段(9,9′)とを有しており、該閉鎖手段(9,9′)の半径方向外側の範囲がエラストマから成っており、該エラストマ内に、加硫によって支持リング(12,12′)が埋め込まれており、該支持リング(12,12′)を介して前記外側ブシュ(8)が前記通路支持体(6)に支持されていることを特徴とする、ハイドロリック減衰式のブシュ軸受けが提案される。

Description

【0001】
本発明は、ゴム軸受けとして形成された内側の軸受けと、該ゴム軸受けを取り囲む別体の外側のハイドロリック範囲とから形成されたハイドロリック減衰式の、つまりハイドロリック減衰作用を有するブシュ軸受け(hydraulisch daempfend.Buchsenlager)に関する。
【0002】
振動を減衰しかつ力を吸収するためには、多種多様の構造の軸受け、特にゴム軸受けがしばしば使用される。自動車工業において前記軸受けは、たとえば車両の車輪懸架装置または駆動ユニットの一部を支承するために働く。その場合、使用事例に応じて、エラストマ製の減衰部材の減衰作用を、ハイドロリック減衰(いわゆる質量減衰)によって付加的に助成することが知られている。液体質量により生ぜしめられる吸振効果を利用するために、軸受けのエラストマ製インサート部品もしくはゴム体内に、流体である減衰媒体を収容するための複数の室が設けられる。これらの室の寸法および軸受け内での位置は、要求された調整に関連している。これらの室は、付加的に軸受け内に組み込まれた特別な成形部分に形成された1つまたは複数の通路により、流れが導通されるように互いに接続される(以下、「流れ導通接続されている」と表現する)。こうして、軸受けにかかる負荷に応じて減衰媒体は一方の室から他方の室へ押し込まれる。この場合、半径方向で軸受け内へ導入される力に関してハイドロリック減衰が使用されるような軸受けも、減衰液によって主として軸方向の減衰が助成されるような軸受けも、知られている。また、減衰媒体の吸振効果が軸方向でも半径方向でも利用されるような軸受けも知られている。
【0003】
このような軸受けの例がドイツ連邦共和国特許出願公開第4117129号明細書に開示されている。このドイツ連邦共和国特許出願公開明細書には、ハイドロリック減衰作用を有する軸受けが記載されている。この公知の軸受けは、軸受けコアと、この軸受けコアを半径方向の間隔を置いて取り囲む軸受けスリーブと、前記軸受けコアと前記軸受けスリーブとの間に挿入されたエラストマ製のインサートとを備えており、このインサートは軸方向で上下に位置する、減衰媒体で充填された室の2つのグループを有している。軸受けコアの外周面に設けられた螺旋状の溝によって、対角線方向で軸受けを通って案内された複数の絞り通路が形成され、これらの絞り通路は全ての室を互いに接続している。負荷に応じて減衰液は、互いに接続された室の間を循環する。このような構成の軸受けは、このようにして半径方向でも軸方向でもハイドロリック減衰を生ぜしめるが、しかし構造の点で比較的手間がかかる。公知先行技術の別の軸受けについても知られているように、エラストマ製インサートは、支持・ハイドロリック部分としても作用する。一般には提供されている構成スペースが極めて小さいという事実に関して、このような軸受けでは、静的要求が高い場合にブシュ領域における減衰作用が比較的小さい。
【0004】
本発明の課題は特に、小さな寸法を有する軸受けの製作を可能にするハイドロリック減衰式のブシュ軸受けを提供することである。さらに本発明の課題は、基本構造が単純であるにもかかわらず、製作中に僅かな手間をかけるだけで、減衰特性もしくは減衰特性の調整の点で、種々異なる使用目的にフレキシブルに適合され得るように軸受けを形成することである。
【0005】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴を有するブシュ軸受けにより解決される。本発明によるブシュ軸受けの有利な構成もしくは改良形は、請求項2以下に記載されている。
【0006】
本発明によるブシュ軸受けは、いわば2つの別個の軸受け部分、つまり内側のゴム軸受けと、このゴム軸受けを取り囲むように形成されたハイドロリック範囲とから成っている。内側のゴム軸受けは、自体公知の形式で構成されていて、軸方向の貫通孔を備えた内側部分と、この内側部分を同心的に取り囲むように配置された円筒形の外側スリーブと、内側部分と外側スリーブとの間に挿入された、加硫により内側部分と外側スリーブとに接合されたエラストマ製の減衰部材とを有している。
【0007】
ゴム軸受けを別個に取り囲んで配置されたハイドロリック範囲により、前記内側の軸受けの軸方向の両端部を取り囲むように、流体の減衰媒体を収容するための複数の室が形成される。このためには、ハイドロリック範囲が、ゴム軸受けの外側スリーブに被せ嵌められた剛性的な通路支持体と、この通路支持体内に形成された、前記室を流れ導通接続するための通路と、前記通路支持体に軸方向で支持された外側ブシュと、軸方向で前記ゴム軸受けの両側に配置された、構成ユニット全体を軸方向で閉鎖するための閉鎖手段とから成っている。軸受けを軸方向で閉鎖するエレメントは、少なくとも半径方向外側の範囲でエラストマから成っていてよい。このエラストマ内には加硫時に支持リングが埋め込まれており、この支持リングを介して前記外側ブシュが通路支持体に支持されている。
【0008】
外側のハイドロリック範囲のための支持部分としては、剛性的な通路支持体しか使用されない。この通路支持体には外側ブシュが少なくとも部分的に当て付けられるか、もしくは通路支持体には軸受けの外側ブシュが支持されている。この場合では、軸方向の減衰作用は、内側のゴム軸受けの特性とは無関係である。しかし両軸受けコンポーネントを別個に構成することにより、軸受けをその減衰特性の点できわめてフレキシブルに形成するか、もしくは製作時に軸受けを適宜に調整することが可能になる。規定された使用目的に応じて種々異なって形成されかつ寸法設定された内側のゴム軸受けをハイドロリック範囲によって包み込むことにより、軸方向の減衰特性を基本的に同じ状態に維持したまま、半径方向の減衰特性を変化させることができる。
【0009】
本発明の別の有利な構成では、当該ブシュ軸受けを閉鎖するための閉鎖手段が、それぞれカバー板と、該カバー板に加硫被着された、半径方向で外側ブシュにまで延びるエラストマ製のダイヤフラムとによって形成されている。この場合、前記リングを介して、外側ブシュが、内側のゴム軸受けの外側スリーブに被せ嵌められた通路リングに支持されている。前記リングは、軸方向に延びる、外側ブシュに接触した区分に組み込まれている。このためには、実際の使用に適した構成に相応して、ゴム軸受けの内側部分の軸方向の両端部がそれぞれ段部を有しており、該段部には、当該軸受けを軸方向で閉鎖するために働く、穴付き板として形成されたカバー板が、孔の縁部によって載置されている。各カバー板の孔はその場合、内側の軸受けの貫通孔を同心的に取り囲んでいる。外側ブシュは、たとえば内側軸受けと通路支持体とから成る内部構造体に押し被されてプレス嵌めされていて、かつ軸方向の両端部に軸方向位置固定部を有しているスリーブであると有利である。軸方向位置固定部はこの場合、閉鎖手段のダイヤフラムにより封入された支持リングの縁部に載置された、外側ブシュ縁部の縁曲げ部であってよい。
【0010】
さらに、外側ブシュを、区分毎に異なった壁厚さで形成することも考えられる。この場合、外側ブシュの軸方向の両端部は、支持リングに接触する段部を有している。
【0011】
ブシュ軸受けの特に有利な改良形では、外側スリーブに被せ嵌められた通路支持体が2分割されており、この場合、ブシュ軸受けの長手方向軸線に対して直交する方向での分割が特に有利である。その場合、分割された両通路支持体部分は、製作時もしくは組立て時に両通路支持体部分を互いに相対的に回動させることによって、あとで軸方向外側の室を接続することになる通路の有効長が規定され得るように形成されている。これにより、当該ブシュ軸受けの軸方向の減衰特性が極めてフレキシブルに、つまり自在に調節可能となる。
【0012】
本発明によるブシュ軸受けのさらに別の有利な構成では、内側軸受けも同じくハイドロリック減衰作用を有する軸受けとして形成されている。このためには、公知先行技術のハイドロリック減衰式のゴム軸受けにより知られているように、エラストマ製の減衰部材内に、減衰媒体を収容するための付加的な室が形成されている。これらの室は1つの通路によって互いに接続される。この通路を形成するためには、ゴム軸受けの支持体、つまりゴム軸受けのエラストマ製の減衰部材と、ゴム軸受けの外側スリーブとの間に別の通路支持体が挿入されている。基本的な原理を維持したまま、当該ブシュ軸受けの外側のハイドロリック範囲は主として軸方向で導入される力を減衰するのに対して、内側のゴム軸受けは(この場合にはハイドロリック的な質量減衰により助成されて)有利には半径方向に減衰作用を発揮する。さらに、当該軸受けの内側部分の種々異なる設計により、当該軸受けの減衰特性に影響を与えることが可能である。たとえば、基本的に円筒形の内側部分を所定の区分において平らに面取りし、かつ外側スリーブの円筒形の形状を維持したまま生ぜしめられる種々異なるゴム高さにより、周方向で変化する識別特性を達成することができる。
【0013】
本発明の特別な利点は、別体のハイドロリック範囲に基づき、著しく小さな構成高さが達成されることに認められる。剛性的な通路支持体によって、極めて大きな作用面が得られる。この作用面は軸受けの設計に応じて、従来慣用の軸受けの構成、つまりハイドロリック部分が支持部分としても働くような構成の場合よりも最大で10倍だけ大きく形成されている。さらに、ゴム軸受けの較正が可能になることに基づき、著しく大きな寿命が得られ、このような較正は極めて小さなゴム高さを可能にする。なぜならば、常時存在する収縮応力が、慣用構造の軸受けの場合の特性に比べて著しく減じられるからである。
【0014】
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0015】
図1には、本発明によるブシュ軸受けの基本的な構成が示されている。図面から良く判るように、このブシュ軸受けは、主として2つの別体の軸受け部分、つまり内側のゴム軸受けと、このゴム軸受けを取り囲むように配置された、すなわちこのゴム軸受けをいわばくるみ込むように形成されたハイドロリック範囲とから成っている。ゴム軸受けは自体公知の形式で、軸方向の貫通孔2を有する円筒形の内側部分1と、この内側部分1を取り囲む外側スリーブ3と、エラストマ製の減衰部材4とから成っている。この減衰部材4は、内側部分1と外側スリーブ3との間に組み込まれていて、加硫により内側部分1と外側スリーブ3とに結合されている。1つの独立した軸受けを構成するこのような装置はハイドロリック範囲によって取り囲まれている。図面から判るように、ハイドロリック範囲は、内側のゴム軸受けの外側スリーブ3に被せ嵌められた通路支持体6と、この通路支持体6に支持されている外側ブシュ8と、構成ユニット全体を軸方向で閉鎖するための閉鎖手段9,9′とから成っている。閉鎖手段9,9′は穴付のカバー板10,10′であり、これらのカバー板10,10′には、それぞれエラストマダイヤフラム11,11′が加硫被着されている。図示の実施例では、カバーのために役立つ穴付のカバー板10,10′に設けられた穴の縁部が、ゴム軸受けの内側部分1に設けられた対応する段部13,13′に載置されている。図面から判るように、加硫によりカバー板10,10′に結合されたダイヤフラム11,11′は軸方向で外側ブシュ8の内面に達するまで延びていて、そして引き続き、軸方向に延びる区分によって外側ブシュ8の内側輪郭に沿って外側ブシュ8の内面に接触している。各ダイヤフラム11,11′の半径方向外側の範囲には、つまりより正確に言えば、外側ブシュ8の内側輪郭に接触した区分には、それぞれ1つの支持リング12,12′がエラストマの加硫時に埋め込まれている。これらの支持リング12,12′を介して外側ブシュ8は通路支持体6に支持されている。例示した軸受けでは、外側ブシュ8が、内側のゴム軸受けと、このゴム軸受けの外側スリーブ3に被せ嵌められた通路支持体6とにより形成された構造体に押し被されてプレス嵌めされ、次いで外側ブシュ8の軸方向の両端部の範囲が縁曲げされている。縁曲げ部はこの場合、軸方向位置固定部21として作用する。通路支持体6と、外側ブシュ8と、外側ブシュ8の軸方向両端部で両側に配置されかつ軸方向位置固定部21により取り囲まれて把持されたゴム製のダイヤフラム11,11′との間には、それぞれ減衰媒体を収容するための室5,5′が形成されている。これらの室5,5′は、通路支持体6に形成された通路7を介して、流れが導通されるように互いに接続されている、つまり流れ導通接続されている。軸方向の負荷が加えられると、当該軸受けのハイドロリック範囲は軸方向でダイヤフラム11,11′内でのみ運動する。通路支持体6はこのときに支持部材として働き、それに対して、内側の軸受けの支持体は軸方向の減衰特性には基本的に影響を与えない。それどころか、軸方向の減衰特性は、ハイドロリック範囲の調整と、ダイヤフラム11,11′内におけるハイドロリック範囲の運動とによってしか決定されない。ハイドロリック範囲の軸方向運動によって、力作用の側に形成されている方の室5;5′が押し縮められ、そしてこの室5;5′内に存在する減衰媒体は通路7を介して他方の室5′;5内へ圧入される。これにより生ぜしめられる質量減衰の減衰作用はとりわけ、両室5,5′9を互いに接続する通路7の有効通路長によって決定される。
【0016】
図2には、本発明によるブシュ軸受けの別の実施例が示されている。図2に示した軸受けは、内側の軸受け部分もハイドロリック的に減衰される軸受けである。このためには、内側部分1と内側の軸受けの外側スリーブ3とを互いに結合するエラストマ製の減衰部材4内に、付加的な複数の室18が形成されている。これらの室18は、減衰部材4と内側の軸受けの外側スリーブ3との間に配置された別の通路支持体19に設けられた通路20によって、互いに流れ導通接続されている。内側の軸受けは、エラストマ製の減衰部材4の性質および寸法設定ならびに流体である減衰媒体の付加的な質量減衰に基づき、半径方向の減衰作用を発揮する。これに対して、外側の軸受け範囲(ハイドロリック範囲)は、内側の軸受けの減衰特性とは無関係に作用し、そして軸方向で導入される力を減衰するためにしか働かない。内側部分1の形状を、円筒形の形状とは異なる形状に形成する(たとえば互いに向かい合って位置する側が平らに面取りされている)ことによって、内側の軸受けの、周方向で種々異なった識別特性を得ることが可能である。
【0017】
図3には、内側のゴム軸受けの外側スリーブ3に被せ嵌められるべき通路支持体6の特別な実施例が示されている。この通路支持体6は軸方向で2つに分割されて形成されている。この通路支持体6は2つのリング14,14′から成っており、各リングではそれぞれ一方の軸方向外面に1つの溝15,15′が加工成形されている。溝15,15′はそれぞれ1つの個所に、両リング14,14′の軸方向で向かい合って位置する側に貫通孔16,16′を有している。さらに、この貫通孔16,16′の縁部では、それぞれ1つのガイド・ストッパエレメント17,17′が軸方向で溝15,15′から突出している。通路支持体6を形成するためには、図面から判るように、それぞれ両リングに加工成形された溝15,15′が互いに向かい合わされるように互いに向き合わせるように両リング14,14′が合体される。その場合、リング14,14′にそれぞれ設けられた貫通孔16,16′がどのような相対位置を取るかに応じて、有効通路長を種々様々に調節することができる。当業者にとっては、組み立てられたブシュ軸受けにおいて流体の減衰媒体が貫通孔16,16′を介して、軸方向に配置された室5,5′から流出するか、または室5,5′に流入することは明らかである。貫通孔16,16′の互いに相対的な位置を異ならせ、これにより通路長を変化させることによって、製作時にこの軸受けの軸方向減衰特性を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明によるブシュ軸受けの1実施例を示す縦断面図である。
【図2】
ハイドロリック式の質量減衰を有する内側軸受けの別の実施例を示す縦断面図である。
【図3】
外側ブシュを軸方向で支持する通路支持体の1実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 内側部分、 2 貫通孔、 3 外側スリーブ、 4 減衰部材ゴム、 5,5′ 室、 6 通路支持体、 7 通路、 8 外側ブシュ、 9,9′ 閉鎖手段、 10,10′ カバー板、 11,11′ ダイヤフラム、 12,12′ 支持リング、 13,13′ 段部、 14,14′ リング(通路支持体部分)、 15,15′ 溝、 16,16′ 貫通孔、 17,17′ ガイド・ストッパエレメント、 18 室、 19 通路支持体、 20 通路、 21 軸方向位置固定部

Claims (9)

  1. ハイドロリック減衰作用を有するブシュ軸受けにおいて、内側のゴム軸受けが設けられており、該ゴム軸受けが、軸方向の貫通孔(2)を備えたほぼ円筒状の内側部分(1)または円筒形状に近付けられた内側部分(1)と、内側部分(1)を取り囲む外側スリーブ(3)と、内側部分(1)と外側スリーブ(3)との間に挿入されかつ加硫により内側部分(1)と外側スリーブ(3)とに結合されたエラストマ製の減衰部材(4)とを有しており、内側のゴム軸受けの軸方向両端部が、流体の減衰媒体を収容するための複数の室(5,5′)によって取り囲まれており、該室(5,5′)が、前記ゴム軸受けを別個に取り囲むんで配置されたハイドロリック範囲により形成されており、該ハイドロリック範囲が、前記ゴム軸受けの外側スリーブ(3)に被せ嵌められた、前記室(5,5′)を流れ導通接続するための通路(7)を備えた剛性的な通路支持体(6)と、該通路支持体(6)に軸方向で支持される外側ブシュ(8)と、軸方向で前記ゴム軸受けの両側に配置された、当該ブシュ軸受けを閉鎖するための閉鎖手段(9,9′)とを有しており、該閉鎖手段(9,9′)がエラストマから成っており、該エラストマの半径方向外側の範囲に、加硫によって支持リング(12,12′)が埋め込まれており、該支持リング(12,12′)を介して前記外側ブシュ(8)が前記通路支持体(6)に支持されていることを特徴とする、ハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
  2. 軸方向で両側に配置された、当該ブシュ軸受けを閉鎖するための閉鎖手段(9,9′)が、それぞれカバー板(10,10′)と、該カバー板に加硫被着された、半径方向で外側ブシュ(8)にまで延びるエラストマ製のダイヤフラム(11,11′)とによって形成されており、前記支持リング(12,12′)が、前記ダイヤフラムの、外側ブシュ(8)に接触して軸方向に延びる区分に加硫により埋め込まれている、請求項1記載のハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
  3. ゴム軸受けの内側部分(1)の軸方向の両端部がそれぞれ段部(13,13′)を有しており、該段部(13,13′)に、穴付き板として形成されたカバー板(10,10′)が、内側部分(1)の貫通孔(2)を同心的に取り囲む孔の縁部によって載置されている、請求項2記載のハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
  4. 外側ブシュ(8)が、内側のゴム軸受けと、該ゴム軸受けの外側スリーブに被せ嵌められた通路支持体(6)とに押し被されてプレス嵌めされた金属製のスリーブにより形成されており、該スリーブの軸方向の縁部が軸方向位置固定部(21)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
  5. ハイドロリック範囲の、内側の軸受けの外側スリーブ(3)に被せ嵌められた通路支持体(6)が2分割されており、軸受け製作時の両通路支持体部分(14,14′)の相互回動度によって有効通路長、ひいては当該ブシュ軸受けの軸方向の減衰特性が規定可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載のハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
  6. ハイドロリック範囲の、内側の軸受けの外側スリーブ(8)に被せ嵌められた通路支持体(6)が、当該ブシュ軸受けの長手方向軸線に対して直交する1平面で2分割されており、軸受け製作時の両通路支持体部分(14,14′)の相互回動度によって有効通路長、ひいては当該ブシュ軸受けの軸方向の減衰特性が規定可能である、請求項5記載のハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
  7. ハイドロリック範囲の通路支持体(6)が2つのリング(14,14′)から成っており、両リング(14,14′)のそれぞれ一方の軸方向側に1つの溝(15)が加工成形されており、該溝(15)の延在長さの1区分が、前記各リング(14,14′)を軸方向に貫通する貫通孔(16,16′)を有しており、しかも前記両リング(14,14′)は、通路支持体(6)を形成するために、前記溝(15)を有する方の軸方向側が互いに向かい合わされた状態で接合されて、各溝(15,15′)が通路半部を形成している、請求項6記載のハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
  8. 内側の軸受けのエラストマ製の減衰部材(4)内にも、減衰媒体を収容するための複数の室(18)が形成されており、該室(18)が、前記減衰部材(4)とゴム軸受けの外側スリーブ(3)との間に封入された別の通路支持体(19)の通路(20)によって互いに接続されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
  9. ゴム軸受けの内側部分(1)が、互いに向かい合って位置する2つの側で平らに面取りされた円筒体の形に形成されている、請求項1または8記載のハイドロリック減衰式のブシュ軸受け。
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