JP2004517090A - β−アミロイドペプチドの放出および/または合成を阻害するラクタム化合物 - Google Patents

β−アミロイドペプチドの放出および/または合成を阻害するラクタム化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、化合物(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン、その組成物、およびその使用方法を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、製薬化学および有機化学の分野に関連し、β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害することにより、アルツハイマー病の治療に有用である特定のラクタムは、PCT出願番号PCT/US97/22986に記載されている。
【発明の開示】
【発明の効果】
【0003】
本発明の化合物である(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンは、β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成の阻害に有用であり、それゆえ、アルツハイマー病の治療に有用であって、有利な効力および安全特性を有する。
【発明の要旨】
【0004】
本発明は、化合物(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを提供する。
【0005】
方法に関する1つの側面として、本発明はβ−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害する方法に関し、この方法は、阻害を必要とする患者に有効量の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む。方法の特定の実施態様において、本発明はアルツハイマー病を治療する方法を提供し、この方法は治療を必要とする患者に有効量の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む。また、本発明は、アルツハイマー病の進行を予防または阻害する方法を提供し、この方法は予防または阻害を必要とする患者に有効量の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む。
【0006】
別の実施態様において、本発明は(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンおよび製薬上許容される希釈剤を含有する医薬組成物を提供する。このような組成物は、β―アミロイドペプチドの放出および/または合成の阻害に有用であり、これにはアルツハイマー病の治療を含む。
【0007】
本明細書中で使用する場合、以下の用語は下記の意味を有する。
用語「ee」または「エナンチオマー過剰(率)」は、一方のエナンチオマーであるEが両方のエナンチオマーの混合物(E+E)中で過剰であるパーセントを意味し、等式:
((E―E)+(E+E))×100%=ee
により計算される。当該分野において周知のように、エナンチオマー過剰は化合物またはその誘導体のキャピラリー電気泳動およびキラルHPLCにより決定できる。
【0008】
本明細書中、グリセルアルデヒドの異性体に関して、(R)―および(S)―のCahn―Prelog―Ingold規則および立体化学のL―およびD―規則を用いて特定の異性体を表す。
【0009】
本発明の化合物は、下記のように製造することができる。以下の反応式において、全ての置換基は特記しないかぎり先の定義に従い、全ての試薬は当該分野において周知であり、認められている。
【0010】
反応式1
【化学式1】
Figure 2004517090
【0011】
反応式1、工程1において、式(1)のN―メチルフェネチルアミンを適切なビスアルコキシカルボニルアセテート転移試薬でアシル化して式(2)の化合物を得る。N―メチルフェネチルアミンは市販されており、2―ブロモまたは2―クロロエチルベンゼンを、当該分野において周知であり認識されている条件下でメチルアミンと反応させることにより簡単に製造される。適切なビスアルコキシカルボニルアセテート転移試薬は、RがC―Cアルキルであるものであり、ビスアルコキシカルボニルアセチル基を式(1)の化合物に転移させる(例えば、ビスアルコキシカルボニル酢酸およびビスアルコキシカルボニルアセチルクロリド)(Ben―Ishai,Tetrahedron,43,439―450(1987)を参照のこと)。
【0012】
例えば、式(1)の化合物を適切なビスアルコキシカルボニル酢酸と接触させて式(2)の化合物を得る。このようなカップリング反応はペプチド合成において一般的であり、本明細書中で用いる合成方法が使用できる。例えば、周知のカップリング試薬(例えば、カルボジイミド)を周知の添加剤(例えば、N―ヒドロキシスクシンイミド、1―ヒドロキシベンゾトリアゾールなど)を用いて、または用いずに、このアシル化を促進することができる。このようなカップリング反応では、しばしば、適切な塩基を用いて反応中に生じた酸を取り除く。例として、適切な塩基には、トリエチルアミン、N,N―ジイソプロピルエチルアミン、N―メチルモルホリンなどが挙げられる。通常、反応は不活性な非プロトン性極性希釈剤(例えば、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフランなど)中で行われる。代表的には、反応は約0℃〜約60℃の温度で行われ、典型的には、約1〜約24時間を必要とする。反応完了の際には、式(2)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション(trituration)、結晶化などを含む通常の方法により回収される。
【0013】
あるいは、例えば、式(1)の化合物を適切なビスアルコキシカルボニルアセチルクロリドと接触させて式(2)の化合物を得る。このような酸塩化物は、対応する酸から当該分野において周知の方法(例えば、三塩化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、または塩化オキサリルの作用により、少量のジメチルホルムアミドを用いてまたは用いずに、不活性溶媒(例えば、トルエン、塩化メチレンまたはクロロホルム)中約0〜80℃の温度で)により簡単に製造される。代表的には、反応は1〜24時間の範囲の時間の間、行われる。酸塩化物は単離、精製することができ、またはそのままで、すなわち、単離および/または精製を行って、または行わずに使用することもできる。一般的にこのようなアシル化反応では、適切な塩基を用いて反応の間に生じた酸を排除する。適切な塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N―ジイソプロピルエチルアミン、N―メチルモルホリンなどが挙げられる。通常、反応は不活性な非プロトン性極性希釈剤(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフランなど)中で行われる。代表的には、反応は約―20℃〜約80℃の温度で行われ、代表的には約1〜約24時間を必要とする。反応完了の際には、式(2)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む通常の方法により回収される。
【0014】
反応式1、工程2において、式(2)の化合物を環化させて式(3)の化合物を得る。
例えば、式(2)の化合物を酸(例えばメタンスルホン酸または硫酸)と接触させる。通常、反応は溶媒として選択した酸中で行われる。代表的には、最初に反応物を約―20℃〜約0℃で混合し、ついでほぼ周囲温度〜約60℃までの温度に昇温させる。代表的には、環化反応は約12〜72時間を必要とする。反応完了の際には、式(2)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む通常の方法により回収される。
【0015】
反応式1、工程3において、式(3)の化合物を脱保護し、式(4)の化合物を得る。
このようなアルコキシカルボニルアミン保護基の脱離は当該分野において周知であり、認められている。例えば、ProtectingGroupsinOrganicSynthesis,TheodoraGreene(第1版および第2版、Wiley―Interscience)ならびにBen―Ishai,Tetrahedron,43,439―450(1987)を参照。
【0016】
反応式2
【化学式2】
Figure 2004517090
【0017】
反応式2、工程1において、適切な式(5)のフェニル酢酸を適切な式(6)のアセタールとカップリングさせて式(7)の化合物を得る。適切な式(5)のフェニル酢酸は、Aが活性化基(例えば、―OH、―Clまたは―Br)であるものである。式(6)の適切なアセタールはRがC―Cアルキルであるものである。このようなカップリング反応はペプチド合成において一般的なものであり、本明細書中で用いる合成方法は反応式1、工程1の記載のようにして利用され得る。
【0018】
また、反応式2、工程2に記載のカップリングは、混合溶媒(例えば、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトンまたはジエチルエーテルおよび水)中、式(5)の化合物のハロゲン化酸および適切な式(6)のアセタールを用いて、Schotten―Baumann条件下で行うことができる。このような反応は、適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウム)を用いて行われる。代表的には、反応系は攪拌するか、または激しく攪拌し、約―20℃〜約80℃の温度で行われ、典型的には約1〜約24時間を必要とする。反応完了の際には、式(7)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む通常の方法により回収される。
【0019】
反応式2、工程2において、式(7)の化合物を環化して式(8)の化合物を得る。このような環化反応は酸(例えば、硫酸)中で行う。代表的には、酸を溶媒として用いる。一般的には、反応は約―20℃〜約150℃の温度で行い、代表的には、約1〜約24時間を必要とする。反応完了の際には、式(8)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む通常の方法により回収される。
【0020】
反応式2、工程3において、式(8)の化合物はアミン転移反応を受けて式(9)の化合物を得る。反応式2にオキシム化(oximation)を記載する。このようなオキシム化は、式(8)の化合物のエノラートをオキシム転移試薬(例えば、亜硝酸アルキルエステル)と接触させることにより達成される。式(8)の化合物のエノラートは、式(8)の化合物を適切な塩基(例えば、t―ブトキシドカリウム、ジイソプロピルアミドリチウム、ヘキサメチルシラジドリチウム、ヘキサメチルシラジドナトリウム、ヘキサメチルシラジドカリウムなど)と反応させることにより製造することができる。このようなオキシミン化(oximination)は、Wheelerら、OrganicSyntheses,Coll.Vol.VI,p.840に例示されており、これは所望のオキシムを製造するための亜硝酸イソアミルとケトンとの反応を記載している。代表的には、反応は溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で行われる。一般的に、反応は約―20℃〜約50℃の温度で行われ、代表的には1〜約24時間を必要とする。反応完了の際には、式(8)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む従来的な方法により回収される。
【0021】
あるいは、このようなアミン転移反応はアジドを介して達成され得る。アジドは、式(8)の化合物のエノラートとアジド転移試薬(例えば、トルエンスルホニルアジドおよびトリイソプロピルベンゼンスルホニルアジド)との反応により形成され得る。このような反応は、Evansら、J.Am.Chem.Soc.,112:4011―4030(1990)41に例示されている。代表的には、反応は溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で行われる。一般的に、反応は約―20℃〜約50℃の温度で行われ、代表的には約1〜約24時間を必要とする。反応完了の際には、オキシムの代わりにアジドを有する式(8)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む従来的な方法により回収される。
【0022】
反応式2、工程4に記載のように、オキシムを式(4)の化合物に還元する。このような還元は、水素および適切な触媒(例えば、ラネー−ニッケル)またはパラジウム触媒(例えば、パラジウム担持炭素)を用いての処理により達成される。代表的には、反応は溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチルまたはメタノール、エタノールおよびイソプロパノールのような低級アルコール)、酢酸、水、水性アンモニアなど、およびそれらの混合物中で行われる。一般的に、反応は大気圧〜約600psi(4137kPa)の範囲の水素圧で行われる。一般的に、反応は約20℃〜約100℃の温度で行われ、代表的には1〜約24時間を必要とする。反応完了の際には、式(4)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む従来的な方法により回収される。
【0023】
あるいは、アミンをアジドを介して転移する場合は、アジド基を還元する。このような還元は上記のような水素化により行われる。
【0024】
(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの製造方法を反応式Aに記載する。
【0025】
反応式A
【化学式3】
Figure 2004517090
【0026】
反応式A、工程1は、式(10)のラクタム(すなわち、実質的に純粋な(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン)を得るための適切な式(4)のラクタムの立体化学分割を記載する。本明細書中で用いる場合、用語「実質的に純粋」とは、(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンのエナンチオマー的な純度を意味する。本発明に従い、実質的に純粋な(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを製造することができ、これは(S)―エナンチオマーを80%より多く、好ましくは90%より多く、より好ましくは95%より多く、最も好ましくは97%より多く含有する。
【0027】
例えば、式(4)の化合物の(S)―異性体は、ジベンゾイル酒石酸、(R)―(―)―d―カンファースルホン酸および(D)―(―)―マンデル酸塩の分別晶出により分割され得る。種々のジベンゾイルタータレートはこの目的に適していることが予想される。特に、水素、ハロゲン、C―CアルキルおよびC―Cアルコキシからなる群から選択されるパラ置換基を有するジベンゾイルエステルが好ましく、ジ―p―トルオイル―L―タータレートが好ましい。ジ―p―トルオイル―L―タータレートを用いて(S)―異性体を得る。
【0028】
本発明の方法に従い、式(4)の化合物を選択した酸と接触させる。一般的に、約0.4モル濃度当量〜大過剰の選択した酸を用いることができ、約0.4〜1.5モル濃度当量が好ましく、約0.5〜1.1モル濃度当量がより好ましい。
【0029】
代表的には、方法は酸付加塩を溶液から結晶化することにより行われる。特に、溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec―ブタノール、イソブタノール、t―ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、t−アミルアルコール、ヘキサノール、シクロペンタノールおよびシクロヘキサノールを含む低級アルコール)が適しており、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールが好ましい。貧溶媒(anti―solvent)の使用が有利であり得る。本明細書中で用いる場合、用語「貧溶媒」とは、溶媒と比較して顕著に塩の溶解性が低い溶媒を意味する。好ましくは、貧溶媒を用いる場合、選択した溶媒と混和性である。適切な貧溶媒としては、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルt―ブチルエーテルなど)、および低級アルキルアセテート(例えば、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、プロピルアセテート、イソブチルアセテート、sec―ブチルアセテート、ブチルアセテート、アミルアセテート、イソ―アミルアセテートなど)およびアルカン(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなど)が挙げられる。ラセミ混合物からの酸付加塩の結晶化により本発明の製造方法を行う場合、貧溶媒を用いる際には望ましくないジアステレオマー塩の結晶化を避けるために注意を払わなければならない。
【0030】
代表的には、結晶化は約40℃〜選択溶媒の還流温度の初期温度で、約0.05モル濃度〜約0.25モル濃度の初期濃度で行われる。次いで、混合物を冷却して塩を得る。種結晶添加は好都合かもしれない。約4〜48時間の間の初期沈殿物の攪拌が有利であり得る。好ましくは、結晶化溶液をゆっくりと冷却する。結晶化は、最も簡便には、周囲温度〜約―20℃の温度まで冷却される。当該分野において周知の技術(ろ過、デカント、遠心分離、エバポレーション、乾燥などを含む)を用いて塩を回収することができる。式(10)の化合物を選択した酸の酸付加塩として直接用いることができる。あるいは、当該分野において周知であり、理解されているように、使用前に、式(10)の化合物を酸交換の後に別の酸付加塩として単離することができ、または塩基性条件下での抽出により塩基として単離することができる。
【0031】
好ましい方法は、芳香族アルデヒドの存在下での動力学的反応(dynamicprocess)として、1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを、ジ―p―トルイル―L―酒石酸、(R)―(―)―d―カンファースルホン酸および(D)―(―)―マンデル酸からなる群から選択される酸の酸付加塩として結晶化することにより、実質的にエナンチオマー的に純粋な(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを与える。この動力学的反応は、1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンが結晶化の間にただ1つの異性体へ変換を受けるという点で利点を有しており、従って、収率を改善し、望ましくない異性体を含有する廃棄物(wastestream)を避ける。
【0032】
種々の芳香族アルデヒドが動力学的反応に適していることが予測され、本発明者らは多数のアルデヒドが特に実施に適していることを見出した。具体的には、本発明者らは、本発明の動力学的分割方法にはサリチル酸が好ましく、サリチルアルデヒド、5―ニトロサリチルアルデヒド、および3,5―ジクロロサリチルアルデヒドがより好ましいことを見出した。
【0033】
従って、本発明の製造方法を動力学的分割で行う場合、1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを芳香族アルデヒドの存在下で選択した酸と接触させる。一般的に、動力学的分割のために、約0.9〜1.2モル濃度当量の酸を用い、約1モル濃度当量を用いることが好ましい。通常、芳香族アルデヒドを触媒的な量で用いる。代表的には、約0.5〜0.001モル濃度当量の芳香族アルデヒドを用い、約0.1〜約0.01モル濃度当量を用いることが好ましい。
【0034】
代表的には、動力学的方法を、上記の貧溶媒を用いない溶媒中で行う。1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン、選択した酸および芳香族アルデヒドの混合物を攪拌して所望の異性体へと変換させる。一般的に、この変換は、周囲温度〜溶媒の還流温度の温度で行われる。通常、変換には6〜48時間を必要とする。
【0035】
当業者であれば理解するように、本発明の方法が動力学的分割法として行われる場合、(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの酸付加塩の使用は、単離した生成物中の少量の芳香族アルデヒドの存在により達成され得る。従って、動力学的分割の後、好ましくは、(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを、その使用前、または塩基形成の前に、塩交換(好ましくは塩酸塩として)により単離してもよい。
【0036】
反応式A、工程2は、式、PgNH―CHCH―C(O)―Aの適切なアミノ保護型アラニンおよび適切な式(10)のラクタムのカップリング反応を記載する。適切なアミノ保護型アラニン(Pgがアミン保護基である)は、L−配置のものであり、Aは活性化基(例えば、―OHまたは―Cl)であり、式(10)の化合物のアミノ基とカップリングし得る。このようなアミノ保護型アラニンを、当業者は簡単に入手できる。
【0037】
反応式A、工程2に記載のカップリング反応は、通常はペプチド合成のために行われる反応に関し、本明細書中で用いる合成方法もまた、使用され得る。このような方法は、反応式1、工程1に詳細に記載される。
【0038】
反応式A、工程3は、式(12)の化合物を与える式(11)の化合物の脱保護を記載する。このようなアミノ保護基の脱保護は当業者に周知であり、理解される。
【0039】
反応式A、工程4は、式Iの化合物を与える適切な式(13)の化合物、(CHCH―CHOH―C(O)Aおよび式(12)の化合物のカップリング反応を記載する。式(13)の化合物のS―異性体は市販されており、当該分野において周知である(PCT出願番号PCT/US97/22986、1997年12月22日出願を含む)。工程3に記載のカップリング反応は、式(13)の酸(Aが―OHである化合物)またはそれに由来するハロゲン化酸(Aが―Clまたは―Brである化合物)を用いて、反応式1、工程1に教示される方法と類似の方法で行われる。
【0040】
式Iの化合物を製造するための別の方法を、反応式A、工程5に記載する(これは、式Iの化合物を直接得るための適切な式(10)の化合物および適切な式(14)の化合物、(CHCH―CHOH―C(0)―NH―CHCH―C(O)Aのカップリング反応を示す)。適切な式(10)の化合物を工程2に記載する。適切な式(14)の化合物は、式Iの最終生成物で所望される立体化学を有するものである。
【0041】
式(14)の化合物は、カルボキシ保護型アミノ酸、HN―CHCH―C(O)OPgを上記の式(13)の化合物とカップリングさせることにより容易に製造される。このようなカップリング反応もまた、当該分野において周知であり、脱保護の後に式(14)の化合物を生じる生成物を生じる。
【0042】
式Iの化合物を、結晶化を含む多数の技術により単離および精製することができる。溶液からの結晶化およびスラリー化技術を用いることができる。特に、本発明の化合物は、種々の無水および水性の溶媒からの結晶化により製造することができる。適切な溶媒としては、アセトン、低級アルコール(メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなど)、酢酸、水および酢酸エチルを含有するおよび含有しないアセトニトリル、ジエチルエーテル、およびメチルt―ブチルエーテルが挙げられる。実際には、水性アセトンが好ましいことが見出されている。所定の水性溶媒に関しては、用いる水の量は、溶媒中の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの水に対する相対的溶解度に依存し、ここでは結晶化またはスラリー化技術のいずれかが使用される。
【0043】
一般的に、結晶化は、(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを水性媒体中に溶解し、次いで、さらなる水を添加して、または添加せずに、溶液を冷却させて固体を得ることにより行う。代表的には、結晶化は約40℃〜選択した水性媒体の還流温度の初期温度で行う。次いで、混合物を冷却して2水和物結晶を得る。種結晶添加が有利かもしれない。好ましくは、結晶化溶液をゆっくりと冷却する。結晶化は、最も都合良くは、周囲温度〜約―20℃の温度まで冷却する。
【0044】
本発明を、さらに、以下の実施例および製造例により例示する。これらの実施例および製造例は単なる例示であり、いかなる様式においても本発明を限定することを意図するものではない。
【0045】
実施例および製造例で用いる用語は、特記しない限り、それらの通常の意味を有する。例えば、「℃」はセルシウス度を意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「g」はグラムを意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「ブライン」は飽和塩化ナトリウム水溶液を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味する、など。
【実施例】
【0046】
実施例1
1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの合成
乾燥DMF(15mL)中の水素化ナトリウム(1.1当量)のスラリーに4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(0.0042mol)をDMF(10mL)溶液として加えた。次いで、ヨウ化メチル(約2当量)を加えた。TLCにより完了を確認した時点で、反応混合物を氷に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、続いてブラインで洗浄した。次いで、有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をHPLC(LC2000)により精製し、酢酸エチル/ヘキサン系を用いて溶離して3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを得た。
【0047】
3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(1当量)をTHFに溶解し、イソアミルニトライト(1.2当量)を加えた。混合物を氷浴中で0℃まで冷却した。NaHMDS(1.1当量、THF中1M)を滴下した。1時間攪拌した後、または反応が完了した後、混合物を濃縮し、次いで1N塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機部分を乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して1―ヒドロキシイミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを得た:質量分析(M+H)、205.1。
【0048】
1―ヒドロキシイミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンをEtOH/NH(20:1)に溶解し、ラネーニッケルおよび水素(500psi/3447kPa)を用いて、100℃で10時間の間、ボンベ(bomb)中で水素化した。得られた混合物をろ過し、濃縮して油状物を得、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た。
【0049】
実施例2
1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの合成
モルトン(Morton)フラスコ(20L)に、MTBE(5.52L、7容量)および(N―メチルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタール(614g、5mol)を加えて室温で溶液を形成した。重炭酸ナトリウム(546g、6.5mol)と水(6.31L、8容量)とを合わせることにより製造した重炭酸ナトリウム溶液を、モルトン反応フラスコに加えた。混合物を10℃未満に冷却し、塩化フェニルアセチル(789g,5mol)のMTBE(789mL)溶液を、冷却した反応混合物に1時間かけて滴下した。添加後、反応混合物を室温で1時間、攪拌した。この段階で、HPLC分析は反応が完了したことを示した。MTBE(4容量)での抽出処理、無水硫酸マグネシウム乾燥、続いてロータリーエバポレーターでの濃縮により、N―メチル―N―(2,2―ジメトキシエチル)フェニルアセトアミドを液体として得た(1.187kg、98%)。(M+H)=237.9。強窒素(strongnitrogen)雰囲気下でモルトンフラスコ(5L)にHSO(1.42L)を添加し、N―メチル―N―(2,2―ジメトキシエチル)フェニルアセトアミド(712g、3mol)を反応フラスコに滴下すると発熱した(22〜78℃)。次いで、得られた反応物を110℃まで3時間、加熱し、次いで室温まで冷却してモルトンフラスコ(20L)に移した。10℃未満で、反応混合物を水性水酸化ナトリウムを用いてクエンチした(9.18L、5N)。酢酸エチルでの抽出後処理(2×2.85L)、硫酸ナトリウムでの乾燥、続いて固体になるまでの濃縮により、3―メチル―6,7―ジヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを固体として得た(520g、73.5%)。さらなる純度のために、この物質をMTBEから再結晶させて固体を得た。mp=81〜82℃;(M+H)=174.2。
【0050】
3―メチル―6,7―ジヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(113.8g、0.657mol)のTHF(0.5L)溶液を0℃まで冷却し、亜硝酸イソアミル(100.75g、0.86mol)を滴下した。得られた混合物にLiHMDS(1NTHF溶液、854mL、0.854mol)を、温度が10℃未満に保たれるような速度で加えた。添加後、反応物を室温で2〜3時間攪拌しながら、HPLCにより反応の進行をモニターした。反応の完了の際に、混合物を0℃まで冷却し、水性HCl(2N)を用いてpHを12から2〜3へと調整した。得られた析出物を12〜16時間、攪拌した後、ろ過により単離し、乾燥させて1―ヒドロキシイミノ―3―メチル―6,7―ジヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを得た(86.3g、64.9%)。mp=225〜226℃;(M+H)=203.0。
【0051】
1―ヒドロキシイミノ―3―メチル―6,7―ジヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(35g、0.173mol)のエタノール(525mL)溶液を希HCl(濃縮水(17mL)溶液17.5g)スラリーとしてのパラジウム/炭素(10%、3.5g)とともにオートクレーブに入れた。得られた混合物を、反応が完了するまで50℃で、250psi(1723kPa)で水素化した。溶媒としてエタノールを用いて反応混合物をセライトのパッドでろ過し、ろ液を90mLまで濃縮する。水(350mL)を濃縮液に加え、得られた溶液を、約200mLまでさらに濃縮した。ジクロロメタン(350mL)を水溶液に加えた後、水性水酸化ナトリウム(1N)を用いてpHを11〜11.5に調整した。有機部分を分離し、水性部分をジクロロメタン(175mL)で抽出した。合わせた抽出物を濃縮して残渣を得た。この残渣を放置すると結晶化し、表題化合物を得た。mp=69〜81℃;(M+H)+=191.0。
【0052】
実施例3
1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの合成
モルトンフラスコ(22L)にジクロロメタン(4.73L、8容量)、N―メチルフェネチルアミン(591g、4.33mol)および水性重炭酸ナトリウム(水4.73L中436.7g、5.2mol)を加えた。混合物を5℃未満に冷却し、塩化クロロアセチル(513.7g、4.55mol)のジクロロメタン(887mL)溶液を、冷却した反応混合物に70分間かけて滴下した。滴下の後、HPLC分析は反応が完了していることを示した。層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮してN―メチル―N―(2―フェニルエチル)―1―クロロアセトアミドを得た(915.7g、99.8%):(M+H)=212.1。
【0053】
窒素雰囲気下でフラスコ(12L)にN―メチル―N―(2―フェニルエチル)―1―クロロアセトアミド(883.3g、4.17mol)およびオルト―ジクロロベンゼン(6.18L)を加えた。塩化アルミニウム(1319g、10.13mol)を加えると、発熱した(22〜50℃)。次いで、得られた反応物を165℃まで2.5時間、加熱した後、室温まで約14時間かけて冷却した。反応混合物を約0℃まで冷却し、発熱を約40℃に保つために4回に分けて冷水を加えた(8.86L、約5℃)。層を分離し、水層をジクロロメタン(7.07L)で抽出し、層を分離した。有機層を合わせ、水性塩酸(8.83L、1N)、次いで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(7.07L)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲル(883g)を加え、シリカゲルのカラム(燒結ガラスろうと中3.53kg、ジクロロメタン中のスラリーとしてパックした)にかけた。25L回収するまでカラムをジクロロメタンで溶離し、次いで酢酸エチルを用いて生成物を得た。生成物を含む画分をエバポレートして3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを褐色固体として得た(608g、83%)。
【0054】
フラスコ(22L)に、窒素下で、3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(606g、3.46mol)および亜硝酸イソアミル(543g、4.5mol)を加えた(THF、7.88L中)。混合物を約0℃まで冷却した後、LiHMDS(1NTHF溶液、4.5L、04.5mol)を、温度が約7℃未満であるような速度で加えた。添加後、HPLCにより反応の進行をモニターしながら、反応物を室温で約2時間、攪拌した。反応の完了の際には、混合物を約0℃まで冷却し、水性HCl(2N)を用いてpHを12から約2〜1に調節した。得られた析出物を約6時間攪拌した後、ろ過により単離し、乾燥させて1―ヒドロキシイミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを得た(604.7g、85.6%)。
【0055】
1―ヒドロキシイミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(625g、3.06mol)および3Aエタノール(15.6L)。得られた混合物を、50℃および250psi(1723kPa)で、反応が完了するまで(約4時間)激しく攪拌しながら水素化した。反応混合物を溶媒としてエタノールを用いてセライトパッドでろ過し、ろ液を濃縮して固体を得た。固体をジクロロメタン(6L)で処理し、水層のpHが11〜11.5の間になるまで1N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。混合物を激しく攪拌し、層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した(2L)。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターでエバポレートして表題化合物を得た(477g、81.9%)。
【0056】
実施例4
(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの合成
―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(1.544g、8.12mmol)をメタノール(15mL)中で穏やかに加熱して溶液を形成した。別のフラスコ中で、ジ―p―トルオイル―1―酒石酸(3.12g、8.08mmol)をメタノール(15mL)中に溶解し、ピペットを介して温アミン溶液に添加した。固体が析出するので混合物を加熱した。さらにメタノール(30mL)を加えて溶液にし、これを30〜40分間還流した後、ゆっくりと周囲温度まで冷却して固体を得た。約18時間攪拌した後、ろ過により固体を回収し、少量の冷メタノールでリンスして(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンジ―p―トルオイル―L―酒石酸塩を得た(2.24g、96%収率、94.7%ee)。
【0057】
(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンジ―p―トルオイル―L―酒石酸塩(11.83g、20.5mmol)を1.0N水酸化ナトリウム水溶液(45mL)に溶解し、塩化メチレン(3×25mL)で抽出した。合わせた塩化メチレン層を1.0N水酸化ナトリウム水溶液(35mL)、次いでブライン溶液で洗浄し、無水MgS0で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、表題化合物を無色の油状物として得た(3.38g、87%収率、93.2%ee)。
【0058】
実施例5
(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの合成
1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(6.0g、31.5mmol)を、メタノール(75mL)中で穏やかに加熱して溶液を形成し、ジ―p―トルオイル―L―酒石酸(12.2g、31.5mmol)の温メタノール(75mL)溶液を合わせた。液体に種結晶を添加すると、固体が生じた。追加のメタノール(100mL)を加え、混合物を攪拌した。約18時間攪拌した後、ろ過により固体を回収して、少量の冷却メタノールによりリンスして固体を得た(6.7g)。固体をメタノール(200mL)と合わせ、攪拌した。18時間後、固体を回収して(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンジ―p―トルオイル―L―酒石酸塩を得た(4.4g)。実施例4に記載の方法により塩基を単離して表題化合物を得た(96%ee)。
【0059】
実施例6
(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの合成
22Lの容器中で、窒素下で1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(438g、2.3mol)を加熱(約40℃)してメタノール(4.38mL)溶液を得た。別のフラスコに、ジ―p―トルオイル―1―酒石酸(889.7g、2.3mol)をメタノール(4.38L)中に溶解し、約40℃まで加熱した後、1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの溶液を加えた。加熱を継続し、追加のメタノール(6.13L)を加えた後、混合物を約45分間還流し、次いでゆっくりと周囲温度まで冷却して固体を得た。約18時間の攪拌後、ろ過により固体を回収し、少量の母液でリンスし、風乾させた後、酢酸エチル(約2L)を用いて、(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンジ―p―トルオイル―L―酒石酸塩を得た(561.6g)。(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンジ―p―トルオイル―L―酒石酸塩,ジクロロメタン(6.57L)および1N水酸化ナトリウム水溶液(6.57L)を合わせ、攪拌する。層を分離し、有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液(3.28L)で2回、ブライン(2.46L)で1回抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターでエバポレートさせて表題化合物を得た(250g、57.4%、94.1%ee)。
【0060】
実施例7
(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン塩酸塩の合成
1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(31.9g、168mmol)を、酢酸イソプロピル(約300mL)中でスラリー化し、45℃まで加熱した。別のフラスコ中で、(R)―(―)―D―マンデル酸(25.0g、164mmol)を、溶液が形成されるまでイソプロピルアルコール(約130mL)中で加熱し、1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン/酢酸イソプロピルスラリー(上記より得たもの)に加えて液体を得、そこから迅速に析出物が形成された。混合物を45℃で、約3時間、攪拌した。5―ニトロサリチルアルデヒド(2―ヒドロキシ―5―ニトロベンゾアルデヒド)(1.40g、8.38mmol、5mol%)を温溶液に加え、混合物を45℃で攪拌した。約14時間後、スラリーを周囲温度まで冷却し、2時間、攪拌した後、固体をろ過により回収して冷酢酸イソプロピル(70mL)でリンスし、減圧オーブン中で40℃で乾燥させて(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(R)―マンデル酸塩を得た(46.62g、82.9%収率、98.4%ee)。
【0061】
(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(R)―マンデル酸塩(2.42g、7.06mmol、98.4%ee)を、周囲温度で、酢酸エチル(25mL)中でスラリー化した。水性濃塩酸(1.1mL、約11.2mmol)を加え、混合物を激しく攪拌しながら3.5時間、50℃まで加熱した。スラリーを周囲温度まで冷却し、ろ過し、メチルt―ブチルエーテル(約10mL)でリンスして表題化合物を得た(1.48g、92.5%収率、97.9%ee)。
【0062】
実施例8
(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの合成
丸底フラスコに、N―t―Boc―L―アラニン(1.0当量)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水素化物(約1.1当量)および(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(1.0当量)(THF中)を窒素雰囲気下で入れた。ヒューニッヒ塩基(Hunig´sbase)(N,N―ジイソプロピルエチルアミン、1.1当量)をよく攪拌した混合物に加え、続いてEDC(1.1当量)を加えた。4〜17時間、周囲温度で攪拌した後、減圧下で溶媒を取り除き、残渣を酢酸エチルおよび水の中に採取し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、1N水性HCl、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で溶媒を除去して、1―(N―t―Boc―L―アラニニル)アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを得た:質量分光法(M+H)、362.3。
【0063】
1―(N―t―Boc―L―アラニニル)アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの1,4―ジオキサン(0.03〜0.09M)中の攪拌溶液に無水HClガス流を通し、N下、約10℃まで氷浴中で10〜15分、冷やした。溶液にふたをし、次いで冷却浴を取り外し、溶液を2〜8時間攪拌しながら周囲温度まで昇温させ、出発物質の消費をTLCによりモニターした。溶液を濃縮して1―(L―アラニニル)―(S)―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを得、これをさらに精製することなく用いた。
【0064】
窒素雰囲気下、THF中1―(L―アラニニル)―(S)―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―3―メチル―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(1.0当量)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.1当量)および(S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―酪酸(1.0当量)。ヒューニッヒ塩基(N,N―ジイソプロピルエチルアミン、1.1当量)をよく攪拌した混合物に加え、続いてEDC(1.1当量)を加えた。周囲温度で4〜17時間、攪拌した後、減圧下で溶媒を取り除き、残渣を酢酸エチル(または類似の溶媒)および水に採取し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、1NHCl、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去して表題化合物を得た。
【0065】
実施例9
(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの合成
丸底フラスコに、窒素雰囲気下でTHF(3.76L)中N―t―Boc―L―アラニン(249.5g、1.32mol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(232.2g、1.52mol)および(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(250.8g、1.32mol)を入れた。混合物を5℃未満に冷却した後、ヒューニッヒ塩基(N,N―ジイソプロピルエチルアミン、188.4g、1.45mol)、続いてEDC(283.7g、1.45mol)を添加した。6時間攪拌した後、反応混合物を周囲温度まで加温し、約14時間攪拌した。溶媒を減圧下で取り除き、残渣を酢酸エチル(3.76L)および水(1.76L)中に採取し、層を分離し、有機層を水(1.76L)で抽出し、水層を合わせ、酢酸エチル(1.76L)で抽出した。有機層を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1.76L)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターでエバポレートして1―(N―t―Boc―L―アラニニル)アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを得た(463g、97.2%)。
【0066】
表面下分散チューブ(subsurfacedispersiontube)を用いて約0℃に冷却した酢酸エチル(1.76L)に無水HClガスを通すことにより、HClの酢酸溶液を調製した。上記で調製したHClの酢酸エチル溶液を、激しく攪拌した1―(N―t―Boc―L―アラニニル)アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(462g、1.28mol)の酢酸エチル(3.7L)中のスラリーに加えた。追加量の酢酸エチル(1L)を加え、反応混合物を室温まで昇温させ、22時間攪拌した。反応混合物をろ過して固体を得た。固体をアセトニトリル(5L)を用いてスラリー化し、還流するまで加熱し、次いで約60℃まで冷却した後、ろ過し、乾燥させて1―(L―アラニニル)―(S)―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを得た(389.8g、94.7%)。
【0067】
THF(4.8L)中の1―(L―アラニニル)―(S)―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―3―メチル―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン(369.5g、1.18mol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(207.6g、1.36mol)、ヒューニッヒ塩基(N,N―ジイソプロピルエチルアミン、352.2g、2.71mol)および(S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―酪酸(140.6g、1.18mol)を窒素雰囲気下で合わせ、5℃未満に冷却した。EDC(253.7g、1.3mol)を加え、反応混合物を周囲温度まで加温し、攪拌した。約25時間後、反応混合物をジクロロメタン(5.54L)で希釈し、水(2.22L)で抽出した。有機層を水(2.22L)で抽出し、水層を合わせ、ジクロロメタン(5.54L)で抽出した。有機層を合わせ、水(2.22L)で2回抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2.22L)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターでエバポレートして固体を得た(428g、100%)。固体を、わずかに加温(40℃)しながらアセトン(3.42L)および水(0.856L)を含有する溶媒混合物に採取した。溶液を2L分に分け、それぞれに水(7.19L)を加えると同時に、濁った溶液を50℃まで加温した。水の添加が完了したら、濁った溶液を周囲温度まで冷却して固体を得、これを約14時間周囲温度でスラリーとして攪拌した後、ろ過し、乾燥させて表題化合物を2水和物として得た(310.6g、66.2%)。
【0068】
医薬として用いる場合、通常、本発明は医薬組成物の形態で投与される。したがって、別の実施態様では、本発明は有効量のN―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンおよび製薬上許容される希釈剤を含有する医薬組成物を提供する。このような組成物は、β―アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害するために使用され、これはアルツハイマー病の治療を含む。したがって、本発明は、特にアルツハイマー病の治療等において、β―アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害するための医薬の製造における―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの使用を包含する。
【0069】
(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンは種々の経路により投与することができる。本発明の化合物は、有効量で生物学的に利用可能な化合物を作製する任意の形態または様態で投与され得、これには経口および非経口経路が含まれる。例えば、本発明の化合物は、経口、吸入、皮下、筋肉内、静脈内、経皮的、鼻内、経直腸、眼内(occularly)、局所的、舌下、経頬粘膜などにより投与することができる。
【0070】
本発明の組成物の製造の際に、通常、活性成分は賦形剤と混合されるか、賦形剤により希釈されるか、またはカプセル、サシェ(sachet)、紙もしくは他の容器の形態であり得るようなキャリア内に封入される。本発明の化合物は単独で投与されるか、または医薬組成物、すなわち、製薬上許容される希釈剤(例えば、キャリアまたは賦形剤)に組み合わせられている形態(その割合および性質は、本発明の化合物の溶解性および化学的性質、選択した投与経路および標準的な製薬的実施により決定される)で投与され得る(Remington´sPharmaceuticalSciences,第18版,MackPublishingCo.(1990))。
【0071】
本発明の医薬組成物は、製薬分野において周知の方法で製造される。キャリアまたは賦形剤は、固体、半固体または液体物質であり得、これは活性成分のビヒクルまたは媒体として働き得る。適切なキャリアまたは賦形剤は当該分野において周知である。医薬組成物は経口用、吸入用、非経口用または局所用の使用に適合されることができ、錠剤、カプセル剤、エアロゾル、吸入剤、坐剤、液剤、懸濁剤などの形態で患者に投与され得る。
【0072】
治療用経口投与の目的のためには、化合物は賦形剤と一緒に組み込んでもよく、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤(wafers)、チューイングガムなどの形態で使用され得る。これらの製剤は、本発明の化合物(活性成分)を少なくとも4%含有するべきであるが、それは特定の形態に応じて変化し得、通常、単位あたり、2重量%〜約90重量%であってよい。組成物中に含まれる化合物の量は、適切な投薬量が得られる量である。本発明の好ましい組成物および製剤は、当業者により決定され得る。
【0073】
また、錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは以下の添加物を1種以上含有し得る。微結晶性セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンのような結合剤、デンプンまたはラクトースのような賦形剤、アルギン酸、Primogel、コーンスターチなどのような崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、シリコンオイル(siliconoil)またはSterotexのような滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素のような流動促進剤(glidants)。ならびにスクロースまたはサッカリンのような甘味料が添加されても良く、またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料のような矯味矯臭剤が添加されてもよい。投薬単位形態がカプセルである場合、上記のタイプの物質に加えて、ポリエチレングリコールまたは脂肪油のような液体キャリアを含有し得る。他の投薬単位形態は、投薬単位の物理形態を修飾する他の種々の物質を含有し得る(例えば、コーティング)。従って、錠剤または丸剤を糖、セラックまたは他のコーティング剤を用いてコーティングし得る。シロップは、本発明の化合物に加えて甘味料としてスクロース、ならびに特定の保存剤、染料および着色料および香料を含有し得る。これらの種々の組成物の製造の際に用いる物質は製薬上純粋であり、用いる量では非毒性である。
【0074】
非経口投与のために、本発明の化合物を液剤または懸濁剤中に含有させることができる。代表的には、これらの製剤は、本発明の化合物を少なくとも0.1重量%含有するが、これは0.1〜約90重量%の範囲で変動し得る。このような組成物中に存在する化合物の量は、適切な投薬量が得られるものである。また、液剤または懸濁剤は、以下の添加物を1種以上含有し得る。注射用水、生理食塩水、不揮発性油(fixedoil)、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成性溶媒のような滅菌希釈剤、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗菌剤、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のような緩衝化剤、ならびに塩化ナトリウムまたはデキストロースのような浸透圧(tonicity)の調節のための薬剤。非経口製剤は、アンプル、使い捨てシリンジまたはガラス製もしくはプラスチック製の複数回投与用バイアル中に封入することができる。好ましい組成物および製剤は、当業者により決定され得る。
【0075】
また、本発明の化合物は局所的に投与され得、そのような投与におけるキャリアは液体、軟膏またはゲル基剤を適切に含有し得る。基剤としては、例えば、以下のものを1種以上を含んでいてもよい。ペトロラタム、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋、鉱油、水およびアルコールのような希釈剤、ならびに乳化剤および安定化剤。局所用製剤は、一定濃度の式Iの化合物またはその薬学的な塩を、約0.1〜約10%w/v(重量/単位体積)で含有し得る。
【0076】
本発明の別の好ましい製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を利用する。このような経皮パッチを使用して、本発明の化合物の、制御された量での連続的または不連続的な投与を提供することができる。製薬薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該分野において周知である。例えば、米国特許第5,023,252号(1991年6月11日発行)を参照のこと(参照して本明細書中に組み込む)。このようなパッチは、製薬薬剤の連続的、拍動的(pulsatile)または必要時(ondemand)送達のために構築され得る。
【0077】
本発明の実施をより十分例示するために、代表的な医薬組成物を以下に記載する。実施例は単なる例示であり、いかなる方法においても本発明の範囲を制限することは意図しない。
【0078】
製剤例1
以下の成分を含有するゼラチン硬カプセルを製造する。
【表1】
Figure 2004517090
上記の成分を混合し、340mgの量でゼラチン硬カプセル剤に充填する。
【0079】
製剤例2
以下の成分を使用して錠剤製剤を製造する。
【表2】
Figure 2004517090
成分をブレンドし、圧縮して各々240mgの重量の錠剤を形成する。
【0080】
製剤例3
以下の成分を含有する乾燥散剤吸入製剤を製造する。
【表3】
Figure 2004517090
活性成分をラクトースと混合し、混合物を乾燥散剤吸入器に加える。
【0081】
製剤例4
活性成分30mgを各々含有する錠剤を以下のようにして製造する。
【表4】
Figure 2004517090
活性成分、デンプン及びセルロースをNo.20メッシュU.S.ふるいにかけ、徹底的に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を得られた散剤と混合し、次いで、これを16メッシュU.S.ふるいに通す。そのように製造した顆粒を50〜60℃で乾燥させ、16メッシュU.S.ふるいにかける。次いで、予めNo.30メッシュU.S.ふるいに通したカルボキシメチル化デンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを顆粒に加え、混合後、錠剤機で圧縮して各々150mgの重量の錠剤を得る。
【0082】
製剤例5
各々40mgの医薬を含むカプセル剤を以下のように製造する。
【表5】
Figure 2004517090
活性成分、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.20メッシュU.S.ふるいに通し、150mgの量でゼラチン硬カプセルに充填する。
【0083】
製剤例6
活性成分を各々25mg含有する坐剤を以下のようにして製造する。
【表6】
Figure 2004517090
活性成分をNo.60メッシュU.S.ふるいに通し、必要最小限の熱を用いて予め溶解した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いで、混合物を公称2.0g容量の坐剤型に注ぎ、冷却させる。
【0084】
製剤例7
投薬量5.0mlあたり医薬を50mg、各々含有する懸濁剤を以下のようにして製造する。
【表7】
Figure 2004517090
活性成分、スクロースおよびキサンタンガムをブレンドし、No.10メッシュU.S.ふるいにかけ、次いで予め作製した微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香料および着色料をいくらかの水で希釈し、攪拌しながら加える。次いで、十分な水を添加して必要な体積にする。
【0085】
製剤例8
15mgの医薬を各々含むカプセル剤を以下のように製造する。
【表8】
Figure 2004517090
活性成分、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.20メッシュU.S.ふるいに通し、560mgの量でゼラチン硬カプセルに充填する。
【0086】
製剤例9
皮下用製剤を以下のように製造し得る。
【表9】
Figure 2004517090
活性成分のコーン油への溶解性に依存して、活性成分の約5.0mgまで、またはそれ以上がこの製剤中で利用され得る(所望であれば)。
【0087】
製剤例10
局所用製剤を以下のように製造し得る。
【表10】
Figure 2004517090
白色軟パラフィンを溶解するまで加熱する。液体パラフィンおよび乳化ワックスを入れ、溶解するまで攪拌する。活性成分を加え、分散するまで攪拌を続ける。次いで、混合物を固体になるまで冷却する。
【0088】
方法に関する1つの側面で、本発明はβ―アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害する方法に関し、この方法は、そのような阻害を必要とする患者に有効量の―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む。特定の方法の実施態様において、本発明はアルツハイマー病を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要とする患者に有効量の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む。
【0089】
また、現在アルツハイマー病に罹患している患者を治療することにより、またはアルツハイマー病を発症する危険性のある患者を予防的に治療することにより、当業者はアルツハイマー病に影響を及ぼすことができると考えられる。したがって、「治療」および「治療する」なる語句にはアルツハイマー病の進行を遅延させる、妨げる、抑止する、制御する、または停止させることであり得る、全てのプロセスを意味することが意図されるが、必ずしも全ての症状の全体的な排除を意味する必要はない。このように、本発明の方法は、アルツハイマー病を発症する危険性のある患者におけるアルツハイマー病の発症の予防、アルツハイマー病の進行の阻害、および進行したアルツハイマー病の治療を含む。
【0090】
本明細書において用いられる「患者」なる語句は、βアミロイドペプチド放出の増大および/またはその合成に関連した障害(アルツハイマー病を含む)に罹患した温血動物(例えば、哺乳動物)を意味する。モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、ヒツジおよびヒトが、この用語の意味の範囲内の動物の例であることが理解される。このような処置を必要とする患者は、簡単に診断される。
【0091】
本明細書において用いられる式Iの化合物の「有効量」なる語句は、β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成の阻害、特に、アルツハイマー病の治療に有効な量を意味する。
【0092】
有効量は、当業者としての担当医師により、通常の技術の使用および同様の状況下で得られた結果を観察することにより、簡単に決定され得る。有効量であるN―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの用量を決定する際に、以下を含む(しかし、これらに限定されるわけではない)多数の因子が担当医師により考慮される。N―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの効力および特性、患者の種、サイズ、年齢および全体的な健康、疾患の関与および重篤度の程度、患者特有の反応、投与態様、投与した製剤のバイオアベイラビリティ特性、選択した投薬レジメ、付随の他の薬物療法の使用、および他の関連した環境。
【0093】
N―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンの有効量は、1日あたり体重1kgあたり約0.1mg(0.1mg/kg/日)〜約100mg/kg/日で変動することが予測される。好ましい量は、当業者により決定され得る。
【0094】
テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン無水物は1日あたり体重1kgあたり約0.1mg(0.1mg/kg/日)〜約100mg/kg/日で変動することが予測される。好ましい量は、当業者により決定され得る。
【0095】
本発明のN―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン無水物は、以下に記載のものを含む種々の生物系で試験され得る。
【0096】
実施例A
β―アミロイド産生の阻害の検出に関する細胞性スクリーニング
スウェーデン(Swedish)変異を有する細胞株におけるβ―アミロイド産生阻害能力について、上記の式Iの多数の化合物をアッセイした。このスクリーニングアッセイは、アミロイド前駆体タンパク質751(APP751。これは、2重の変異、国際特許出願公開番号94/10569およびCitronら12に記載の様式でLys651Met652からAsn651Leu652(APP751ナンバリング)を有する)の遺伝子で安定にトランスフェクトした細胞(K293=ヒト腎臓細胞株)を利用した。この変異は、一般に、スウェーデン変異と称され、細胞(「293751SWE」と表される)をCorning96ウェルプレートに、1ウェルあたり2〜4×10細胞で、ダルベッコ最小必須培地(Sigma,St.Louis,MO)+10%ウシ胎仔血清中にプレーティングした。アッセイの直線範囲内でβ―アミロイドELISA結果を達成するためには細胞数が重要である(約0.2〜2.5ng/mL)。
【0097】
10%二酸化炭素中で平衡化したインキュベーター内37℃で一晩インキュベーションした後、培地を取り除いて2時間の予備処置期間の間、式Iの化合物(薬物)含有培地(1ウェルあたり200μL)で置き換え、細胞を上記のようにインキュベートした。薬物ストックを100%ジメチルスルホキシド中で、処置に用いる最終薬物濃度ではジメチルスルホキシドの濃度が0.5%を超えないように製造した(実際には、通常、0.1%に等しい)。
【0098】
予備処置期間の最後に、再度、培地を取り除いて新しい薬物含有培地(上記)と置き換え、さらに2時間、細胞をインキュベートした。処置後、プレートをBeckmanGPRで1200rpmで、室温で5分間遠心分離し、順化培地から細胞細片をペレット化した。各ウェルから、順化培地またはその適切な希釈物を100μL、予め抗体266[P.Seubert,Nature(1992)359:325〜327、国際特許出願公開番号94/10569に記載のβ―アミロイドのアミノ酸13〜28に対する抗体]でコーティングしたELISAプレートに移し、4℃で一晩保存した。翌日、標識抗体3D6[P.Seubert,Nature(1992)359:325〜327、β―アミロイドペプチドのアミノ酸1〜5に対する抗体]を用いるELISAアッセイを行って産生されたβ―アミロイドペプチドの量を測定した。
【0099】
化合物の細胞毒性の影響を、Hansenらの改変法を用いて測定した。組織培養プレートに残った細胞に、3―(4,5―ジメチルチアゾール―2―イル)―2,5―ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT)(Sigma,St.Louis,MO)ストック溶液(5mg/mL)25μlを最終濃度1mg/mLで加えた。細胞を37℃で1時間インキュベートし、等量のMTT溶解緩衝液(50%ジメチルホルムアミド中20%w/vドデシル硫酸ナトリウム、pH4.7)の添加により細胞活性を止めた。室温で一晩振盪することにより、完全な抽出を達成した。MolecularDevice´sUVmaxマイクロプレートリーダーで細胞生存率の指標としてOD562nmとOD650nmとの差異を測定した。
【0100】
β―アミロイドペプチドELISAの結果を標準曲線に当てはめてng/mLβ―アミロイドペプチドとして示した。細胞毒性を正規化するために、これらの結果をMTTの結果で割り、薬物不含コントロールからの結果のパーセントとして表す。全結果は、少なくとも6回のアッセイの、平均+標準偏差である。
【0101】
実施例B
β―アミロイドの放出および/または合成のインビボ抑制
本実施例では、どのようにして本発明の化合物をβ―アミロイドの放出および/または合成のインビボ抑制に関して試験し得たかを例示する。これらの実験には3〜4月齢のPDAPPマウスを用いた[Gamesら(1995)Nature373:523―527]。どの化合物を試験するかに依存して、化合物を通常、1〜10mg/mLで処方する。化合物の溶解係数が低いので、種々のビヒクル(例えば、コーン油、コーン油中10%エタノール、2―ヒドロキシプロピル―β―シクロデキストリン(ResearchBiochemicalsInternational,NatickMA)およびカルボキシ―メチル―セルロース(SigmaChemicalCo.,St.LouisMO))とともに処方しても良い(Safeway,SouthSanFrancisco,CA)。
【0102】
26ゲージ針を用いて、マウスに皮下投与し、3時間後、動物をCO昏睡を介して安楽死させ、0.5MEDTA(pH8.0)の溶液を用いてコーティングした1cc25G5/8”ツベルクリンシリンジ/針を用いて心臓を穿刺して血液を採取する。血液を、EDTAの入ったBectonDickinsonヴァキュテーナーチューブに入れ、15分、1500×gで5℃で沈降させる。次いで、マウスの脳を取り出し、皮質および海馬を切り分け、氷上に置く。
【0103】
1.脳アッセイ
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)用の海馬および皮質組織を調製するために、Kontes電動きね(Fisher,PittsburghPA)を用いて脳の各領域を氷冷グアニジン緩衝液(5.0Mグアニジン―HCl、50mMTris―HCl、pH8.0)10容量中ホモジナイズする。ホモジネートを、3〜4時間、室温でロータリープラットフォームで穏やかに振盪し、β―アミロイドの定量前に―20℃で保存する。
【0104】
脳ホモジネートを氷冷カゼイン緩衝液[0.25%カゼイン、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、0.05%アジ化ナトリウム、20μg/mlアプロチニン/5mMEDTA、pH8.0、10μg/mlロイペプチン]で1:10に希釈し、グアニジンの最終濃度を0.5Mまで低下させた後、4℃で20分間、16,000×gで遠心分離する。必要であれば、0.5M塩酸グアニジンを含むカゼイン緩衝液の添加によりサンプルをさらに希釈してELISA測定に最適な範囲を達成する。β―アミロイド標準(1〜40または1〜42アミノ酸)を、最終組成が0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)存在下、0.5Mグアニジンに等しいように調製する。
【0105】
全β―アミロイドサンドウィッチELISA(β―アミロイド(aa1〜40)およびβ―アミロイド(aa1〜42)の両方を定量する)は、β―アミロイドに対する2種のモノクローナル抗体(mAb)から構成される。捕捉抗体266[P.Seubert,Nature(1992)359:325―327]は、β―アミロイドのアミノ酸13〜28に特異的である。β―アミロイドのアミノ酸1〜5に特異的な抗体3D6[Johnson―Woodら、PNASUSA(1997)94:1550―1555]をビオチン化し、アッセイでのレポーター抗体として機能させる。3D6ビオチン化法は、100mM重炭酸ナトリウム(pH8.5)緩衝液を用いる外は、イムノグロブリンのNHS―ビオチン標識に関する製造業者(Pierce,RockfordIL)のプロトコルを利用する。3D6抗体は分泌型アミロイド前駆体タンパク質(APP)または全長APPは認識せず、アミノ末端アスパラギン酸を有するβ―アミロイド種のみを検出する。アッセイは、約50pg/ml(11pM)の感度の下限値を有し、内因性マウスβ―アミロイドペプチドに対しては1ng/mlまでの濃度では交差反応性を示さない。
【0106】
β―アミロイド(aa1〜42)のレベルを定量するサンドウィッチELISAの構成は、捕捉(捕獲)抗体としてmAb21F12[Johnson―Woodら、PNASUSA(1997)94:1550―1555](これはβ―アミロイドのアミノ酸33〜42を認識する)を利用する。ビオチン化3D6もまた、このアッセイでのレポーター抗体であり、感度の下限値は約125pg/ml(28pM)である。
【0107】
266および21F12捕捉mAbを、96ウェルイムノアッセイプレート(Costar,CambidgeMA)中10g/mlで一晩、室温でコーティングする。次いで、プレートを吸引し、PBS緩衝液中0.25%ヒト血清アルブミンで、少なくとも1時間、室温でブロックし、次いで使用するまで4℃で乾燥させて保存する。使用前に、プレートを洗浄緩衝液(Tris緩衝化生理食塩水、0.05%Tween20)を用いて再度湿らせる。サンプルおよび標準をプレートに加え、一晩、4℃でインキュベートする。プレートを、アッセイの各工程の間、洗浄緩衝液を用いて3回洗浄する。カゼインインキュベーション緩衝液(0.25%カゼイン、PBS、0.05%Tween20、pH7.4)を用いて0.5μg/mlまで希釈したビオチン化3D6をウェル中で1時間、室温でインキュベートする。カゼインインキュベーション緩衝液中で1:4000に希釈したアビジン―HRP(Vector,BurlingameCA)を、室温で1時間、ウェルに加える。比色(colormetric)基質であるSlowTMB―ELISA(Pierce,CambridgeMA)を加え、15分間反応させた後、2NHSOを添加して酵素反応を停止する。反応生成物を、450nmおよび650nmでの吸光度の差異を測定するMolecularDevicesVmax(MolecularDevices,MenloParkCA)を用いて定量する。
【0108】
2.血液アッセイ
EDTA血漿を、標本希釈液(0.2g/lリン酸ナトリウムHO(1塩基性)、2.16g/lリン酸ナトリウム 7HO(2塩基性)、0.5g/lチメロサール、8.5g/l 塩化ナトリウム、0.5mlTritonX―405、6.0g/lグロブリン不含ウシ血清アルブミンおよび水)中で1:1で希釈する。標本希釈液中のサンプルおよび標準を、記載のカゼイン希釈液の代わりに標本希釈液を用いること以外は脳アッセイに関する上記の方法と同様にして、全β―アミロイドアッセイ(266捕獲/3D6レポーター)を用いてアッセイする。
【0109】
前記の説明から、組成物および方法における種々の改変および変更が当業者に予測される。添付の特許請求の範囲内にある、そのような改変は全て、請求の範囲中に含まれる。

Claims (13)

  1. 化合物、(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オン。
  2. (N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンおよび製薬上許容される希釈剤を含有する医薬組成物。
  3. β―アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害することを必要とする患者に有効量の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む、β―アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害する方法。
  4. アルツハイマー病の治療を必要とする患者に有効量の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む、アルツハイマー病の治療方法。
  5. アルツハイマー病の予防を必要とする患者に有効量の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む、アルツハイマー病の予防方法。
  6. アルツハイマー病の進行を阻害することを必要とする患者に有効量の(N)―((S)―2―ヒドロキシ―3―メチル―ブチリル)―1―(L―アラニニル)―(S)―1―アミノ―3―メチル―4,5,6,7―テトラヒドロ―2H―3―ベンゾアゼピン―2―オンを投与することを含む、アルツハイマー病の進行を阻害する方法。
  7. 医薬としての使用のための請求項1に記載の化合物。
  8. アルツハイマー病の治療における使用のための、請求項1に記載の化合物。
  9. アルツハイマー病の予防における使用のための、請求項1に記載の化合物。
  10. β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成の阻害における使用のための、請求項1に記載の化合物。
  11. アルツハイマー病の進行の阻害における使用のための、請求項1に記載の化合物。
  12. β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害する(アルツハイマー病の治療を含む)ための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物の使用。
  13. アルツハイマー病の予防および/またはアルツハイマー病の進行を阻害するための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物の使用。
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