JP2004521084A5 - - Google Patents

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ラクタム化合物 発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、薬化学および有機化学の分野に関し、β−アミロイドペプチド放出および/またはその合成を阻害する化合物に関する。
発明の背景
β−アミロイドペプチド放出および/またはその合成を阻害し、アルツハイマー病の処置に有用である、ある種のラクタム類は、PCT出願第PCT/US97/22986号に記載されている。
本発明は、新規の (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物結晶、その組成物、それらを使用する方法、それらの製造方法およびそれらの中間体の製造方法を提供する。本発明の二水和物結晶は、β−アミロイド ペプチド放出 および/またはその合成の阻害に有用であり、したがってアルツハイマー病の処置に有用である。
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンは、アルツハイマー病の処置に有用であるので、存在する薬学的な必要性および仕様を満たすために、純粋で、安定な結晶型として製造する必要がある。
本発明のこの新規な二水和物結晶は、例えば経口投与のための錠剤の商業的規模での製剤化に適した特性を有している。また、 (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを製造する製造方法は、工場規模で行うのに便利なものである必要がある。さらに、生成物は容易に濾過され、容易に乾燥され、そして保存に便利な形態である必要がある。さらに、本二水和物結晶は、適した加工特性と保存特性を有している。
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを有利な特性を有する二水和物の形態で製造することができること、および新しい形態のための製造方法が上記の望ましい特徴を満たすことを記載した。
発明の要旨
本発明は、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物を提供する。
別の態様では、本発明は (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物および製薬的に許容し得る希釈剤を含有する医薬組成物を提供する。
方法の一態様では、本発明はβ−アミロイド ペプチド放出 および/またはその合成を阻害するための方法であって、それを必要とする患者に、有効量の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物を投与することを含む方法に関する。具体的な方法の態様では、本発明は、アルツハイマー病を処置するための方法であって、それを必要とする患者に有効量の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物を投与することを含む方法を提供する。本発明はさらに、アルツハイマー病の進行を阻止または阻害するための方法であって、それを必要とする患者に有効量の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物を投与することを含む方法を提供する。
即ち、本発明は (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物の、アルツハイマー病の処置を含む、β−アミロイド ペプチド放出 および/またはその合成を阻害するための医薬の製造のための使用を提供する。
別の態様では、本発明は、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物の製造方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを含むラクタム類の製造方法およびそのための中間体の製造方法を提供する。
発明の詳細な記載
本明細書中で使用する場合、以下の用語は以下に示した意味を有する。
用語「ee」または「エナンチオマー過剰(率)」は、両方のエナンチオマーの混合物(E1+E2)において、一方のエナンチオマーE1が過剰である百分率を意味し、式:
((E1−E2)+(E1+E2))×100%=ee
により計算される。当分野において周知のように、エナンチオマー過剰率は、化合物またはその誘導体のキャピラリー電気泳動およびキラルHPLCにより決定することができる。
本明細書中、グリセルアルデヒドの異性体について、(R)-および(S)-のCahn-Prelog-Ingold規則および立体化学のL-およびD-規則を用い、具体的な異性体に言及することにする。
本発明は、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物、および具体的には、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶を提供する。
有機化合物の結晶型を特徴付けるために、様々な方法が可能である。例えば、示差走査熱量測定法, 固体NMR分光法, 赤外線分光法, およびX線粉末回折が挙げられる。なかでも、これらX線粉末回折および固体NMR分光法が結晶型の間の同定と区別に非常に有用である。
X線粉末回折分析は、以下のとおりに行った。瑪瑙乳鉢および乳棒で試料を軽く粉砕しまたはせずに、X線粉末回折測定のため試料を試料ホルダに充填する。X線粉末回折パターンは、CuKα源 (λ=1.54056Å)を取り付けたシーメンスD5000X線粉末粉末回折装置を用い、発散スリットサイズ1mm、1mmの受光スリット、および0.1mmの検出スリットを用い、50kV、40mAにて測定した。各試料を0.02°のステップサイズ、最大スキャン速度3秒/ステップで4°と35°の間でスキャンした。Kevex 固体シリコンリチウム検出器を用いてデータを集めた。最適には、シリコン標準を常套的に用いて装置を作動させ、機器の調整をチェックした。
結晶学の分野でよく知られているように、与えられた結晶型に関して、回折ピークの相対強度およびピーク幅は、選択方位および/または粒径の効果を含む多くの因子によって変化し得る。選択方位および/または粒径の効果が存在するとき、ピーク強度は変化し得るが、多型の特徴的なピークの位置は変わらない。例えば、The United States Pharmacopoeia #24, National Formulary #19, pages 1843-1844, 2000参照。
本明細書に開示されたいくつかの回折のピーク強度に関する強度の分散を最小限にするために、粉砕を用いた。但し、粉砕によって回折が有意に変わる場合、あるいは試料の結晶状態が変わる場合、未粉砕のものを用いるべきである。粉砕は小さな瑪瑙乳鉢と乳棒にて行った。粉砕の間、乳鉢を支え、乳棒に軽く圧力を加えた。ピーク位置を2θ値で求め、double-derivative peak picking 法を用いて最も顕著な特徴(相対強度20%を超える)についてピーク強度を測定した。
したがって、本発明は、CuKα照射を用い上記の方法を用いて、未粉砕の試料および5分および10分の粉砕後の試料について測定された、2θ値および20%を越える相対強度(Io/I100)を示した表1のX線粉末回折パターンによって特徴づけられる、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物結晶に関する。
Figure 2004521084
選択方向および/または粒径の効果を最小限にすることを目的とする場合、5分および10分間粉砕した試料の強度はより典型的な回折パターンである。また、コンピュータで求められた四捨五入していない(unrounded)数値をこの表に記載した。
したがって、好ましく調製された (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物結晶の試料は、表1に記載された、CuKα照射を用いた2θ値でのX線回折パターンによって特徴付けることができ、8.36、12.43、15.34、19.22、20.50または20.63;より具体的には8.36、12.43、または15.34にピークを有する;8.36および12.43;8.36および15.34;8.36、12.43、および15.34;または8.36、12.43、15.34、19.22、20.50、および20.63にピークを有する。
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物結晶は、固体NMR分光法によって特徴付けることもできる。固体の13C化学シフトは、分子構造を反映するだけでなく、結晶内の分子の電子の状態も反映する。
固体NMR(13C)解析は、13C交差分極/マジック角試料回転(CP/MAS)を用いて行うことができる。NMR(固体NMRまたはSSNMR)スペクトルは、完全固体アクセサリーおよびVarian 7mMVT CP/MASプローブを取りつけた、Varian Unity 400 MHz分光計を用い、100.580 MHzの炭素周波数で作動させて求めた。
取得パラメータは以下のとおりである: 90°プロトンr.f. パルス幅4.0μs、摂食時間1.0ms、パルス繰返し時間5秒、MAS周波数7.0 kHz、スペクトル幅50 kHz、および収集時間50ms。化学シフトは、外部標準のヘキサメチルベンゼンのメチル基を参照した(λ=17.3 ppm)。即ち、試料をヘキサメチルベンゼンで置き換えた。
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物に関する化学シフトデータを表2に示す(以下、ピーク割り当てに基づく)。
Figure 2004521084
Figure 2004521084
アスタリスク(*)は中断されたデカップリング(interrupted decoupling)スペクトルにみられるピークを示す。
このように、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物結晶は、以下の化学シフト (ppm)を有する、固体13C核磁気共鳴によって特徴付けることができる:16.6;176.7、174.1、169.9、136.9、134.8、132.1、127.9、128.9、124.0、75.6、51.3、46.9、35.3、31.1、21.4、または16.6;より具体的には、75.6、35.3、21.4、または16.6;次のいずれか2つ75.6、35.3、21.4、および16.6;75.6、35.3、21.4および16.6;または176.7、174.1、169.9、136.9、134.8、132.1、127.9、128.9、124.0、75.6、51.3、46.9、35.3、31.1、21.4、および16.6。
別の態様では、本発明は、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物が得られる条件下で水性溶媒から結晶化することを含む、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物の製造方法を提供する。
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物が形成し得る正確な条件は実験により決定され、単に、実際に適当であると分かっている数多くの方法を提供することが可能である。
このように、例えば,(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン 二水和物は、管理された条件下で結晶化により調製することができる。溶液からの結晶化およびスラリー化の方法は、本製造方法の範囲内であると解釈される。特に、本発明の二水和物は、水性溶媒からの結晶化により製造することができる。適当な溶媒は、使用する濃度で本二水和物を形成するのに十分な水を含むことが可能なものである。好ましい 溶媒は、例えばアセトン、低級アルコール類(メタノール, エタノール,およびイソプロパノール等)、酢酸およびアセトニトリルなどの、水と混和する溶媒である。実際には水性アセトンが好ましい。所定の水性溶媒について、使用する水の量は、水と比較した、溶媒中の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの相対的な溶解度、および結晶化またはスラリー化のどちらを用いるかに依存し得る。
結晶化は、一般的に、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを水性溶媒に溶解した後、さらに水を追加するまたはしないで、溶液を冷却して固体を得ることにより行う。典型的には、結晶化を初発温度約40℃〜選択した水性溶媒の還流温度で行う。次いで、混合物を冷却して二水和物結晶を得る。種結晶添加(seeding)を行うのが有効である。結晶化溶液をゆっくりと冷却するのが好ましい。結晶化は、室温〜−20℃の温度に冷却して行うのが最も都合が良い。
さらに別の態様では、本発明は、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを含むラクタム類の製造方法、およびそのための中間体の製造方法を提供する。
より好ましくは、1つの製造方法の態様では、本発明は、式I:
Figure 2004521084
[式中、
1はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、置換されたシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環であり;
2は、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環であり;
3はアルキルであり、
1は水素、ヒドロキシまたはフルオロであり、
2は水素、ヒドロキシまたはフルオロであるか、または
1およびX2が共にオキソ基を形成し;および
Vは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アミノ、アミノアシル、アルカリール、アリール、アリールオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、およびトリハロメチルからなる群から独立に選択される1〜3個の基である]
で示される化合物の製造方法であって、
(a1)式(4)
Figure 2004521084
[式中、R3およびVは、式Iの化合物について記載したものと同意義である]
で示される化合物を溶解し、そのジベンゾイル酒石酸塩、(R)−(−)−10−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸塩の分別結晶化により式(10):
Figure 2004521084
で示される化合物を得、
(b)式PgNH−CHR2−C(O)−A(ここでR2は、式Iについての定義と同意義であり、Aは活性化基、例えばOH、−Br、またはClであり、Pgはアミン保護基である)で示される、適当なアミノ保護したアミノ酸とカップリングして、式(11):
Figure 2004521084
で示される化合物を得、
(c)式(11)で示される化合物を脱保護して式(12)
Figure 2004521084
で示される化合物を得;および
(d)式(12)で示される化合物を式R1CX12−C(O)A1(ここでR1、X1、およびX2は、式Iで示される化合物についての記載と同意義であり、A1は活性化基、例えばOH、−Br、またはClである)で示される適当な化合物とカップリングするか;または
(a2)式(10)で示される化合物を式R1CX12−C(O)NH−CHR2−C(O)−A(ここで、R1、R2、X1、およびX2は、式Iの化合物についての定義と同意義であり、Aは活性化基、例えばOH、−Br、またはClである)で示される化合物とカップリングする
ことを含む方法を提供する。
本明細書において用いられる用語は以下に示した意味を有する:
「アルキル」は、1〜10の炭素原子およびより好ましくは1〜6の炭素原子を有する1価のアルキル基を意味する。この用語はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシルなどに例示される。
用語「C1−C4アルキル」は、好ましくは1〜4炭素原子の炭素原子を有する1価のアルキル基を意味する。
.この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルなどの基に例示される。
「置換されたアルキル」は、好ましくは、アルコキシ、置換されたアルコキシ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、置換されたシクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、ケト、チオケト、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、およびモノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−(置換されたアルキル)アミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−複素環アミノ、およびアルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環から選択される異なる置換基を有する非対称ジ−置換アミンからなる群から選択される1〜5の置換基を有するおよび好ましくは1〜3の置換基を有する1〜10の炭素原子アルキル基を意味する。
「アルキレン」は、好ましくは1〜10炭素原子およびより好ましくは1〜6炭素原子を有する2価のアルキルレン基を意味する。この用語は、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、theプロピレン異性体s(例えば、−CH2CH2CH2−および−CH(CH3)CH2−)などの基に例示される。
「置換されたアルキレン」は、好ましくは、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、ケト、チオケト、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、複素環の、ニトロ、およびモノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−(置換されたアルキル)アミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−複素環のアミノ、およびアルキル、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環から選択される異なる置換基を有する非対称ジ−置換アミンからなる群から選択される1〜3の置換基を有する1〜10炭素原子のアルキレン基を意味する。さらに、そのような置換されたアルキレン基としては、アルキレン基の2個の置換基が縮合して、アルキレン基縮合した1またはそれ以上のシクロアルキル、アリール、複素環またはヘテロアリール基を形成するものが含まれる。好ましくはそのような縮合したシクロアルキル基には、1〜3の縮合環構造が含まれる。
「アルケニレン」とは、好ましくは2〜10の炭素原子、およびより好ましくは2〜6の炭素原子を有する2価のアルケニレン基を意味する。この用語は、エチニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH2CH=CH−および−C(CH3)=CH−)などの基に例示される。
「置換されたアルケニレン」とは、好ましくは、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、ケト、チオケト、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、複素環、ニトロ、およびモノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−(置換されたアルキル)アミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−複素環アミノ、およびアルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群から選択される異なる置換基を有する非対称ジ−置換アミンからなる群から選択される1〜3の置換基を有する2〜10の炭素原子のアルケニレン基を意味する。さらに、そのような置換されたアルキレン基としては、アルキレン基の2個の置換基が縮合して、アルキレン基縮合した1またはそれ以上のシクロアルキル、アリール、複素環またはヘテロアリール基を形成するものが含まれる。
「アルカリール」とは、好ましくはアルキレン部分に1〜8の炭素原子を有し、アリール部分に6〜10の炭素原子を有する、−アルキレン−アリール基を意味する。そのようなアルカリール基は、ベンジル、フェネチル等に例示される。
「アルコキシ」とは、「アルキル−O−」で示される基を意味する。好ましいアルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1、2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
「置換されたアルコキシ」は、置換されたアルキルが前記と同意義である「置換されたアルキル−O−」で示される基を意味する。
「アルキルアルコキシ」とは、「−アルキレン−O−アルキル」で示される基を意味し、例えば、メチレンメトキシ(−CH2OCH3)、エチレンメトキシ(−CH2CH2OCH3)、n−プロピレン−イソ−プロポキシ(−CH2CH2CH2OCH(CH3)2)、メチレン−t−ブトキシ、(−CH2−O−C(CH3)3)などが挙げられる。
「アルキルチオアルコキシ」とは、「−アルキレン−S−アルキル」で示される基を意味し、例えばメチレンチオメトキシ(−CH2SCH3)、エチレンチオメトキシ、(−CH2CH2SCH3)、n−プロピレン−チオ−イソ−プロポキシ、(−CH2CH2CH2SCH(CH3)2)、メチレンチオ−t−ブトキシ(−CH2SC(CH3)3)などが挙げられる。
「アルケニル」とは、好ましくは2〜10の炭素原子およびより好ましくは2〜6の炭素原子を有し、および少なくとも1および好ましくは1〜2の場所でアルケニル不飽和を有するアルケニル基を意味する。好ましいアルケニル基としては、エチニル(−CH=CH2)、n−プロペニル(−CH2CH=CH2)、イソ−プロペニル(−C(CH3)=CH2)などが挙げられる。
「置換されたアルケニル」は、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、ケト、チオケト、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、複素環の、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、およびモノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−(置換されたアルキル)アミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−複素環のアミノ、およびアルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群から選択される異なる置換基を有する非対称ジ−置換アミンからなる群から選択される1〜3の置換基を有する前記と同意義のアルケニル基を意味する。
「アルキニル」は、好ましくは、2〜10の炭素原子およびより好ましくは2〜6炭素原子を有し、少なくとも1および好ましくは1〜2の場所でアルキニル不飽和を有するアルキニル基を意味する。好ましいアルキニルとしては、エチニル(−CH≡CH2)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などが挙げられる。
「置換されたアルキニル」は、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、ケト、チオケト、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、複素環の、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、およびモノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−(置換されたアルキル)アミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−複素環のアミノ、およびアルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群から選択される異なる置換基を有する非対称ジ−置換アミンからなる群から選択される1〜3の置換基を有する前記と同意義のアルキル基を意味する。
「アシル」とは、アルキル−C(O)−、置換されたアルキル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換されたシクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−および複素環−C(O)−(ここで、アルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環は前記と同意義である)で表される基を意味する。
「アシルアミノ」は、−C(O)NRR[ここで、各Rは、独立に水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環(ここで、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環波前記と同意義である)である]で表される基を意味する。
「アミノアシル」は、−NRC(O)R[ここで、各Rは、独立に水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環(ここで、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環波前記と同意義である)である]で表される基を意味する。
「アミノアシルオキシ」とは、−NRC(O)OR[ここで、各Rは、独立に水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環(ここで、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環波前記と同意義である)である]で表される基を意味する。
「アシルオキシ」とは、アルキル−C(O)O−、置換されたアルキル−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、および複素環−C(O)O−(ここで、アルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環は前記と同意義である)で表される基を意味する。
「アリール」とは、単環(例えば、フェニル)または複数の縮合した(融合した)環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する6〜14の炭素原子の不飽和芳香族炭素環基を意味する。好ましいアリールとしては、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。
アリール置換基についての定義に特に制約されることがないかぎり、そのようなアリール基は、場合により、アシルオキシからなる群から選択される1〜5の置換基、ヒドロキシ、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルコキシ、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、複素環、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、トリハロメチル、モノ−およびジ−アルキルアミノ、モノ−およびジ−(置換されたアルキル)アミノ、モノ−およびジ−アリールアミノ、モノ−およびジ−ヘテロアリールアミノ、モノ−およびジ−複素環のアミノ、およびアルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群から選択される異なる置換基を有する非対称ジ−置換アミンからなる群から選択される1〜5および好ましくは1〜3置換基で置換されていてもよい。好ましい置換基としては、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアルコキシが挙げられる。
「アリールオキシ」とは、アリール−O−(ここで、アリール基は、前記と同意義である場合により置換されたアリール基も含め、前記と同意義である)で示される基を意味する。
「カルボキシアルキル」とは、「−C(O)Oアルキル」(ここで、アルキルは前記と同意義である)で示される基を意味する。
「シクロアルキル」とは、3〜12の炭素原子の単環または複数の縮合した環を有する環状のアルキル基を意味し、融合した、架橋したおよびスピロ二環系または多環系化合物が含まれる。そのようなシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどの単環構造、またはアダマンチル等の多環構造などが含まれる。
「置換されたシクロアルキル」とは、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アミノ、アミノアシル、アルカリール、アリール、アリールオキシ、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、トリハロメチルなどからなる群から選択される1〜5(好ましくは1〜3)の置換基を有するシクロアルキル基を意味する。
「シクロアルケニル」とは、単環で少なくとも1つの位置で内部不飽和を有する4〜8の炭素原子の環状のアルケニル基を意味する。適当なシクロアルケニル基の例としては、例えば、シクロブタン−2−エニル、シクロペンタン−3−エニル、シクロオクタン−3−エニルなどが挙げられる。
「置換されたシクロアルケニル」とは、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アミノ、アミノアシル、アルカリール、アリール、アリールオキシ、カルボキシル、ケト、チオケト、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、トリハロメチルなどからなる群から選択される1〜5置換基を有するシクロアルケニル基を意味する。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味し、好ましくはフルオロまたはクロロである。
「ヘテロアリール」とは、1〜15の炭素原子、および少なくとも1つの環中(1を越える環が存在する場合)に酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族炭素環基を意味する。
ヘテロアリール置換基についての定義に特に制約されることがないかぎり、そのようなヘテロアリール基は、場合により、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、チオール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、トリハロメチルなどからなる群から選択される1〜5の置換基で置換されていてもよい。そのようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)、または融合した、架橋したおよびスピロ二環系または多環系化合物を含む複数の縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有していてもよい。好ましいヘテロアリールとしては、ピリジル、ピロリルおよびフリルが含まれる。
「複素環」または「複素環の」とは、単環または融合した、架橋したおよびスピロ二環系または多環系化合物を含む複数の縮合した環を有し、1〜15の炭素原子、および環中に窒素、硫黄または酸素から選択される1〜4のヘテロ原子を有する、1価の飽和または不飽和の基を意味する。
複素環置換基についての定義に特に制約されることがないかぎり、そのような複素環基は、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、チオール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、トリハロメチルなどからなる群から選択される
1〜5置換基で場合により置換されていてもよい。そのような複素環基は、単環または複数の縮合した環を有していてもよい。好ましい複素環としては、モルホリノ、ピペリジニルなどが挙げられる。
窒素複素環およびヘテロアリールの例としては、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタルアジン、ナフチルピリジン、キニキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、モルホリノ、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルなど、並びにN−アルコキシ−窒素含有複素環が挙げられるがこれらに限定されない。
「オキシアシルアミノ」とは、−OC(O)NRR[ここで、各Rは独立に水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環(ここで、アルキル、置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環は前記と同意義である)である]で表される基を意味する。
「チオール」は、−SHで表される基を意味する。
「チオアルコキシ」は、−S−アルキルで表される基を意味する。
「置換されたチオアルコキシ」は、−S−置換アルキルで表される基を意味する。
「チオアリールオキシ」とは、アリール−S−(ここで、前記と同意義の場合により置換されたアリール基を含め、アリール基は前記と同意義である)で表される基を意味する。
「ヘテロアリールオキシ」とは、ヘテロアリール−o−(ここで、前記と同意義の場合により置換されたアリール基も含め、ヘテロアリール基は前記と同意義である)で表される基を意味する。
具体的な製造方法の態様では、本発明は、反応式1および2に記載するように式(4)の化合物の製造方法を提供する。以下の反応式において、置換基はすべて、特記しないかぎり前記と同意義であり、試薬はすべて、当分野において周知であり認識されているものである。
反応式1
Figure 2004521084
反応式1、工程1では、適当な式(1)のN−アルキルフェネチルアミンを適当なビスアルコキシカルボニルアセテート転移試薬でアシル化し、式(2)の化合物を得る。適当な式(1)のN−アルキルフェネチルアミンは、式中、VおよびR3が式(I)の最終生成物において要求される基である化合物である。そのようなN−アルキルフェネチルアミンは、2−ブロモまたは2−クロロエチルベンゼンを、当分野において周知であり理解されている条件下でH2N−R3で示されるアミンと反応させることにより簡単に製造される。適当なビスアルコキシカルボニルアセテート転移試薬は、R4がC1−C4アルキルであるものであり、ビスアルコキシカルボニルアセチル基を式(1)の化合物に転移させる(例えば、ビスアルコキシカルボニル酢酸およびビスアルコキシカルボニルアセチルクロリド)(Ben-Ishai, Tetrahedron, 43,439-450 (1987)を参照のこと)。
例えば、適当な式(1)のN−アルキルフェネチルアミンを適当なビスアルコキシカルボニル酢酸と接触させて式(2)の化合物を得る。このようなカップリング反応はペプチド合成において一般的であり、本明細書中で用いる合成法を使用することができる。例えば、周知のカップリング試薬(例えば、カルボジイミド)を、周知の添加剤(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなど)を用いて、または用いることなくこのアシル化を促進することができる。このようなカップリング反応では、反応中に生じた酸を取り除くために、しばしば適当な塩基を用いる。例として、適当な塩基には、トリエチルアミン、N、N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどが挙げられる。通常、不活性な非プロトン性極性希釈剤(例えば、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフランなど)中で反応を行う。典型的には、反応を約0℃〜約60℃の温度で行ない、典型的には約1〜約24時間を要する。反応が完了したら、式(2)の生成物を、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション(trituration)、結晶化などを含む慣用的な方法により回収する。
あるいは、例えば、適当な式(1)のN−アルキルフェネチルアミンを適当なビスアルコキシカルボニルアセチルクロリドと接触させて式(2)の化合物を得る。このような酸クロリドは、当分野において周知の方法により、対応する酸から容易に製造する(例えば、三塩化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、または塩化オキサリルの作用により、少量のジメチルホルムアミドを用いてまたは用いることなく、不活性溶媒(例えば、トルエン、塩化メチレンまたはクロロホルム)中、約0〜80℃の温度にて)。典型的には、反応は1〜24時間の範囲の時間行なう。酸クロリドは、単離および精製するか、またはしばしば直接使用することもできる(すなわち、単離および/または精製有りでまたは無しで)。一般的に、このようなアシル化反応では、適当な塩基を用いて反応の間に生じた酸を取り除く。適当な塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N、N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどが挙げられる。通常、反応は不活性な非プロトン性極性希釈剤(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフランなど)中で行う。典型的には、反応は約−20℃〜約80℃の温度で行い、約1〜約24時間を要する。反応が完了したら、式(2)の生成物を、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む慣用的な方法により回収する。
反応式1、工程2では、式(2)の化合物を環化させて式(3)の化合物を得る。
例えば、式(2)の化合物を、酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸または硫酸)と接触させる。典型的には選択した酸を溶媒として用いて反応を行う。典型的には、最初に反応物を約−20℃〜約0℃で混合し、ついでおよそ室温〜約60℃までの温度に昇温させる。典型的には、環化反応は約12〜72時間を要する。反応が完了したら、式(2)の生成物を、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む慣用的な方法により回収する。
反応式1、工程3では、式(3)の化合物を脱保護し、式(4)の化合物を得る。
このようなアルコキシカルボニルアミン保護基の脱離は当分野において周知であり、理解されている。例えば、Protecting Groups in Organic Synthesis, Theodora Greene (第1および第2版、Wiley-Interscience) ならびにBen-Ishai, Tetrahedron, 43, 439-450 (1987)。
反応式2
Figure 2004521084
反応式2、工程1では、適当な式(5)のフェニル酢酸誘導体を適当な式(6)のアセタールとカップリングさせて式(7)の化合物を得る。適当な式(5)のフェニル酢酸誘導体は、Vが式Iの最終生成物において要求される基であり、A2が活性化基(activated group)(例えば、−OH、−Clまたは−Br)であるものである。適当な式(6)のアセタールは、R3が式Iの最終生成物において要求される基であり、R5がC1−C4アルキルであるものである。このようなカップリング反応はペプチド合成において一般的なものであり、本明細書中で用いる合成方法は反応式1、工程1に記載されるように用いることができる。
さらに、反応式2、工程2に記載のカップリングは、混合溶媒(例えば、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトンまたはジエチルエーテルおよび水)中、適当な式(5)のフェニル酢酸の酸ハライドおよび適当な式(6)のアセタールを用いて、Schotten−Baumann条件下で行うことができる。このような反応は、適当な塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウム)を用いて行う。典型的には、反応物を攪拌するか、または激しく攪拌して、約−20℃〜約80℃の温度で行い、典型的には約1〜約24時間を要する。反応が完了したら、式(7)の生成物を、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む慣用的な方法により回収する。
反応式2、工程2では、式(7)の化合物を環化して式(8)の化合物を得る。このような環化反応は、酸(例えば、硫酸)中で行う。典型的には、酸を溶媒として用いる。一般的には、反応は約−20℃〜約150℃で行い、典型的には約1〜約24時間を要する。反応が完了したら、式(8)の生成物を、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む慣用的な方法により回収する。
反応式2、工程3では、式(8)の化合物がアミノ転移反応を受けて式(9)の化合物が得られる。反応式2にオキシム化(oximation)を記載する。このようなオキシム化は、式(8)の化合物のエノラートをオキシム転移試薬(例えば、亜硝酸アルキルエステル)と接触させることにより達成される。式(8)の化合物のエノラートは、式(8)の化合物を適当な塩基(例えば、t-ブトキシドカリウム、ジイソプロピルアミドリチウム、ヘキサメチルシラジドリチウム、ヘキサメチルシラジドナトリウム、ヘキサメチルシラジドカリウムなど)と反応させることにより製造することができる。このようなオキシム化(oximination)は、Wheelerら、Organic Syntheses, Coll. Vol. VI, p. 840に例示されており、亜硝酸イソアミルをケトンと反応させて所望のオキシムを製造することが記載されている。典型的には、反応は溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で行う。一般的に、反応は約−20℃〜約50℃の温度で行い、典型的には1〜約24時間を要する。反応が完了したら、式(8)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む慣用的な方法により回収する。
あるいは、このようなアミン転移反応はアジドを介して達成され得る。アジドは式(8)の化合物のエノラートをアジド転移試薬(例えば、トルエンスルホニルアジドおよびトリイソプロピルベンゼンスルホニルアジド)と反応させることにより形成させることができる。このような反応は、Evansら、J. Am. Chem. Soc., 112:4011-4030 (1990) 41に例示されている。典型的には、反応は溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で行う。一般的に、反応は約−20℃〜約50℃の温度で行い、典型的には1〜約24時間を要する。反応が完了したら、オキシムの代わりにアジドを有する式(8)の生成物を、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む慣用的な方法により回収する。
反応式2,工程4に記載のように、オキシムを式(4)の化合物に還元する。このような還元は、水素および適当な触媒(例えば、ラネー−ニッケル)またはパラジウム触媒(例えば、パラジウム担持炭素)を用いて処理することにより達成される。典型的には、反応は溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチルまたはメタノール、エタノールおよびイソプロパノールのような低級アルコール)、酢酸、水、水性アンモニアなど、およびそれらの混合物中で行う。一般的に、反応は大気圧〜約600psi(4137kPa)の範囲の水素圧で行う。一般的に、反応は約20℃〜約100℃の温度で行い、典型的には1〜約24時間を要する。反応が完了したら、式(4)の生成物は、抽出、析出、クロマトグラフィー、ろ過、トリチュレーション、結晶化などを含む慣用的な方法により回収する。
あるいは、アミンをアジドを介して変換する場合は、アジド基を還元する。このような還元は上記の水素化により行う。
更なる態様では、本発明は、ラクトン類の製造のための立体特異的な製造方法を提供する。(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを含む式Iの化合物、およびそのキラル中間体の製造方法を提供する。そのような製造方法を反応式Aに記載する。
反応式A
Figure 2004521084
反応式A、工程1は、式(10)のラクタムを得るための、適当な式(4)のラクタムの立体化学分割を記載する。当業者には理解されるように、本製造方法は、単一の異性体の製造に必ずしも限定される必要はない。むしろ、本製造方法は、ラクタムの特定のエナンチオマーのいずれか一方を製造することが可能であり、特に1−アミノ−3−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの異性体を製造するのに特に適している。
4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン部分の(S)−異性体に関して生物学的活性がより高いために、本発明は、実質的に純粋な(S)−異性体の製造として最も有用である。本明細書中で用いる場合、用語「実質的に純粋な」とは、(R)−または(S)−ラクタム、および具体的には(R)−および(S)−l−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンのエナンチオマー的な純度を意味する。本発明に従い、実質的に純粋な(S)−1−アミノ−3−アルキル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを製造することができ、これは(S)−エナンチオマーを80%より多く、好ましくは90%より多く、より好ましくは95%より多く、最も好ましくは97%より多く含む。
例えば、式(4)の化合物の個々の異性体を、ジベンゾイル酒石酸、(R)−(−)−10−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸塩の分別結晶により分割することができる。様々なジベンゾイル酒石酸塩がこの目的に適していると考えられる。特に、水素、ハロゲン、C1−C4アルキルおよびC1−C4アルコキシからなる群から選択されるパラ置換基を有するジベンゾイルエステルが好ましく、ジ−p−トルオイル−タータレートが最も好ましい。ジ−p−トルオイル−L−タータレートを用いて(S)−異性体を得る。
反応式A、工程1の好ましい態様では、式(4)の化合物は、式中Vが水素であり、R3がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、およびsec−ブチルを含むC1−C4アルキルである化合物であり;最も好ましいのは、式中Vが水素でありR3がメチルである化合物の使用である。
本発明の方法に従い、式(4)の化合物を選択した酸と接触させる。一般的に、約0.4モル当量〜大過剰の選択した酸を用いることができ、約0.4〜1.5モル当量が好ましく、約0.5〜1.1モル当量がより好ましい。
典型的には、製造方法は酸付加塩を溶液から結晶化することにより行う。特に、溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、t−アミルアルコール、ヘキサノール、シクロペンタノールおよびシクロヘキサノールを含む低級アルコール)が適しており、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールが好ましい。貧溶媒(anti-solvent)の使用が有効であるかもしれない。本明細書中で用いる場合、用語「貧溶媒」とは、溶媒と比較して塩が有意に溶解性が低い溶媒を意味する。好ましくは、貧溶媒を用いる場合、選択した溶媒と混和性である。適当な貧溶媒としては、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテルなど)、および低級アルキルアセテート(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミルなど)およびアルカン(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなど)が挙げられる。ラセミ混合物からの酸付加塩の結晶化により本発明の製造方法を行う場合、貧溶媒を用いる際には望ましくないジアステレオマー塩の結晶化を避けるために注意を払わなければならない。
典型的には、初発の温度が約40℃〜選択した溶媒の還流温度で、約0.05モル濃度〜約0.25モル濃度の初発濃度で行う。次いで、混合物を冷却して塩を得る。種結晶添加が有利であり得る。最初の析出には約4〜48時間の攪拌が有効であろう。好ましくは、結晶化溶液をゆっくりと冷却する。結晶化は、室温〜約−20℃の温度まで冷却するのが最も便利である。当分野において公知の技術(ろ過、傾斜、遠心分離、留去、乾燥などを含む)を用いて塩を回収することができる。式(10)の化合物を選択した酸の酸付加塩として直接用いることができる。あるいは、使用する前に、式(10)の化合物を酸交換後別の酸付加塩として単離するか、または当分野において周知であり理解されている塩基性条件下での抽出により塩基として単離することができる。
本発明の好ましい態様では、1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オンを、芳香族アルデヒドの存在下での動的過程(dynamic process)として、ジ−p−トリル−1−酒石酸、(R)−(−)−10−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸からなる群から選択される酸のその酸付加塩として結晶化することを含んでなる、実質的にエナンチオマー純粋な(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オンの動的分割(dynamic resolution)が提供される。この動的過程は、1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ2H−3−ベンゾアゼピン2−オンが結晶化の間に単一な異性体へ変換され、その結果、収率が改善され、望ましくない異性体を含む廃棄分が回避される点で有用である。
様々なアルデヒドが、この方法に適当であると思われ、我々は、数多くのアルデヒドが実際に特に適当であることを見いだした。具体的には、我々は、本動的分割法において、サリチル酸が好ましく、サリチルアルデヒド、5−ニトロサリチルアルデヒドおよび3,5−ジクロロサリチルアルデヒドがより好ましいことを見いだした。
したがって、本方法を動的分割として行う場合、1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オンを、アルデヒドの存在下、選択された酸と接触させる。一般的に、動的分割については、約0.9〜1.2モル当量、好ましくは約1モル当量の酸を使用する。アルデヒドは、一般に触媒量で使用する。典型的には、約0.5〜0.001モル当量、好ましくは約0.1〜0.01モル当量のアルデヒドを使用する。
本動的法は、典型的には、溶媒中または上記の貧溶媒なしの溶媒中で行う。1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オン、選択された酸およびアルデヒドの混合物を攪拌して所望の異性体に変換する。一般的に、この変換は室温〜その溶媒の還流温度で行う。一般に、変換には6〜48時間を要する。
当業者に認識されているように、本方法を動的分割として行う場合、(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オンの酸付加塩の使用は、単離された生成物中に少量のアルデヒドが存在するため、面倒になる。したがって、動的変換後に、(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3ベンゾアゼピン2−オンを、好ましくはその使用または塩基の形成の前に、塩交換によって、好ましくは塩酸塩として、単離することが好ましい。
当業者に認識されるように、式(10)の化合物は、アルツハイマー病の処置に有用な化合物の様々な製造方法に使用することができる。これらの製造方法は、PCT出願第PCT/US97/22986(1997年12月22日出願)および以下に記載されている。本発明の製造方法は、反応式A、工程1に示す分割の利点を利用して式Iで示される化合物を製造することで特徴付けられる。
反応式A、工程2は、PgNH−CHR2−C(O)−Aで示される適当なアミノ保護されたアミノ酸と式(10)の適当なラクタムとのカップリング反応を示す。適当なアミノ保護されたアミノ酸は、Pgがアミン保護基であり、R2は式Iの最終生成物における所望の基であり、Aは、式(10)の化合物のアミノ基とカップリングすることが可能な活性化基(例えば−OHまたは−Cl)であるものである。そのようなアミノ保護されたアミノ酸は、当業者が容易に入手できる。
PgNH−CHR2−C(O)−Aで示される好ましいアミノ保護されたアミノ酸は、Pgがt−ブトキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルであり、R2がメチルであるアミノ酸およびL−アミノ酸の立体構造を有するアミノ酸である。
反応式A、工程2に示すカップリング反応は、ペプチド合成に慣用的に行われる反応が関係し、ここで用いられる合成方法も用いることができる。そのような方法は反応式1、工程1に詳細に記載されている。
反応式A、工程3は、式(12)で示される化合物を得るための、式(11)で示される化合物の脱保護を示す。アミノ保護基のそのような脱保護は、当業者に周知であり認識されている。
反応式A、工程4は、式Iで示される化合物を得るための、式(13)R1CX12−C(O)A¥1で示される適当な化合物と、式(12)で示される化合物のカップリング反応を示す。式(13)の適当な化合物は、R1、X1およびX2が式Iの最終生成物において望ましい基である化合物であり、PCT出願第PCT/US97/22986(1997年12月22日出願)および本明細書に記載されているように当分野で周知である。式(13)の適当な化合物は、式Iの最終化合物において所望の立体構造を有する。工程3に示すカップリング反応は、式(13)の酸(A1が−OHである化合物)またはその化合物から誘導される酸ハライド(A1が−Clまたは−Brである化合物)を用いて、反応式1、工程1に教示される方法と同様に行う。
式Iで示される化合物を製造するための別の方法は、式Iの化合物を直接得るための、式(10)で示される適当な化合物と式(14)R1CX12−C(O)−NH−CHR2−C(O)A¥2で示される適当な化合物のカップリング反応を示す、反応式A、工程5で示される。式(10)の適当な化合物は、工程2に示す通りである。式(14)の適当な化合物は、R1、X1、X2およびR2が式Iの最終生成物における所望の基である化合物である。式(14)の適当な化合物はまた、式Iの最終生成物に記載した立体構造の化合物でもある。
式(14)の化合物は、上に記載したように、カルボキシ保護されたアミノ酸H2N−CHR2−C(O)OPg1、と式(13)の化合物とのカップリング反応により容易に製造される。このようなカップリング反応は当分野で周知であり、脱保護した後、式(14)の化合物を与える生成物が得られる。
以下の実施例および製造例により、本発明をさらに説明する。これらの実施例および製造例は単なる説明であって、本発明の限定を何ら意図しない。
実施例および製造例において用いられる用語は、特に記載しない限り、通常の意味を有する。例えば、「℃」は摂氏温度を意味し;「mmol」はミリモルを意味し;「g」はグラムを意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「ブライン」は塩化ナトリウムの飽和水溶液を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味する、等。
実施例1
1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ベンゾアゼピン2−オンの合成
15mLの乾燥DMF中の水素化ナトリウム(1.1当量)のスラリーに4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オン(0.0042モル)を10mLのDMF中の溶液として加えた。次いで、ヨウ化メチル(約2当量)を加えた。TLCにより完了したら、反応混合物を氷上に注ぎ、酢酸エチルに抽出した。有機層を水で、次いでブラインで洗浄した。次いで、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をHPLCにより精製し(LC2000)、酢酸エチル/へキサン系で溶出して3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オンを得た。
3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オン(1当量)をTHFに溶解し、イソアミールニトリル(1.2当量)を加えた。混合物を氷浴にて0℃に冷却した。NaHMDS(1.1当量、THF中1M)を滴加した。1時間後または反応が完結するまで攪拌した後、混合物を濃縮し、次いで1N塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機部分を乾燥し、濃縮して粗製物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して1−ヒドロキシイミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オンを得た。質量分析(M+H),205.1。
1−ヒドロキシイミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン2−オンをEtOH/NH3(20:1)に溶解し、高圧容器中、Raney ニッケルおよび水素 (500 psi/3447kPa)を用いて100℃にて10時間水素化した。得られた混合物を濾過して濃縮し、油状物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た。
実施例2
1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの合成
モルトン(Morton)フラスコ(20L)に、MTBE(5.52L、7容量)および(N−メチルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタール(614g、5mol)を加えて室温で溶液を調製した。炭酸水素ナトリウム(546g、6.5mol)と水(6.31L、8容量)とを加えて調製した炭酸水素ナトリウム溶液を、モルトン反応フラスコに加えた。混合物を10℃未満に冷却し、塩化フェニルアセチル(789g、5mol)のMTBE(789mL)溶液を、冷却した反応混合物に1時間かけて滴加した。添加後、反応混合物を室温で1時間攪拌した。この段階で、HPLC分析は反応が完了したことを示した。MTBE(4容量)での抽出処理、無水硫酸マグネシウム乾燥、続いてロータリーエバポレーターでの濃縮により、N−メチル−N−(2、2−ジメトキシエチル)フェニルアセトアミドを液体として得た。(M+H)+=237.9。強窒素(strong nitrogen)雰囲気下でモルトンフラスコ(5L)にH2SO4(1.42L)を滴加し、N−メチル−N−(2、2−ジメトキシエチル)フェニルアセトアミド(712g、3mol)を反応フラスコに滴加すると発熱した(22〜78℃)。次いで、得られた反応物を3時間110℃まで加熱し、次いで室温まで冷却してモルトンフラスコ(20L)に移した。10℃未満で、反応混合物を水性水酸化ナトリウム(9.18L、5N)でクエンチした。酢酸エチルでの抽出処理(2×2.85L)、硫酸ナトリウムでの乾燥、続いて固体になるまで濃縮して、3−メチル−6、7−ジヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを固体として得た(520g、73.5%)。さらに純度を高めるために、この物質をMTBEから再結晶させて固体を得た。mp=81〜82℃;(M+H)+=174.2。
3−メチル−6、7−ジヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(113.8g、0.657mol)のTHF(0.5L)溶液を0℃まで冷却し、亜硝酸イソアミル(100.75g、0.86mol)を滴加した。得られた混合物にLiHMDS(1NTHF溶液、854mL、0.854mol)を、温度が10℃未満に保たれるような速度で加えた。添加後、反応物を室温で2〜3時間攪拌しながら、HPLCにより反応の進行をモニターした。反応が完了したら、混合物を0℃まで冷却し、HCl水溶液(2N)を用いてpHを12から2〜3へと調節した。得られた沈殿を12〜16時間攪拌した後、ろ過により単離し、乾燥して1−ヒドロキシイミノ−3−メチル−6、7−ジヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを得た(86.3g、64.9%)。mp=225〜226℃;(M+H)+=203.0。
1−ヒドロキシイミノ−3−メチル−6、7−ジヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(35g、0.173mol)のエタノール溶液(525mL)を希HCl(水17mL中、濃縮水溶液17.5g)スラリーとしてのパラジウム担持炭素(10%、3.5g)とともにオートクレーブに入れた。得られた混合物を、反応が完了するまで50℃、250psi(1723kPa)で水素化した。溶媒としてエタノールを用い、反応混合物をセライトのパッドでろ過し、濾液を90mLまで濃縮した。水(350mL)を濃縮液に加え、得られた溶液を、約200mLまでさらに濃縮した。ジクロロメタン(350mL)を水溶液に加えた後、水性水酸化ナトリウム(1N)を用いてpHを11〜11.5に調整した。有機部分を分離し、水性部分をジクロロメタン(175mL)で抽出した。合わせた抽出物を濃縮して残留物を得、放置すると結晶を生じ、標題化合物を得た。mp=69〜81℃;(M+H)+=191.0。
実施例3
1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの合成
モルトンフラスコ(22L)にジクロロメタン(4.73L、8容量)、N−メチルフェネチルアミン(591g、4.33mol)および水性炭酸水素ナトリウム(水4.73L中、436.7g、5.2mol)を加えた。混合物を5℃未満に冷却し、塩化クロロアセチル(513.7g、4.55mol)のジクロロメタン(887mL)溶液を、冷却した反応混合物に70分間かけて滴加した。滴加の後、HPLC分析は反応が完了していることを示した。層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮してN−メチル−N−(2−フェニルエチル)−1−クロロアセトアミドを得た(915.7g、99.8%):(M+H)=212.1。
窒素雰囲気下でフラスコ(12L)にN−メチル−N−(2−フェニルエチル)−1−クロロアセトアミド(883.3g、4.17mol)およびオルト−ジクロロベンゼン(6.18L)を加えた。塩化アルミニウム(1319g、10.13mol)を加えると発熱した(22〜50℃)。次いで、得られた反応物を2.5時間165℃まで加熱した後、約14時間かけて室温まで冷却した。反応混合物を約0℃まで冷却し、4回に分けて冷水を加え(8.86L、約5℃)発熱を約40℃に保った。層を分離し、水層をジクロロメタン(7.07L)で抽出し、層を分離した。有機層を合わせ、塩酸水溶液(8.83L、1N)、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(7.07L)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲル(883g)と一緒にして、シリカゲルのカラム(燒結ガラス漏斗中3.53kg、ジクロロメタン中のスラリーとして充填した)にかけた。カラムをジクロロメタンで溶離して25Lを集めた後、酢酸エチルで溶離して生成物を得た。生成物を含む画分を留去して3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを黄褐色の固体として得た(608g、83%)。
フラスコ(22L)に、窒素下で、3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(606g、3.46mol)および亜硝酸イソアミル(543g、4.5mol)を加えた(THF、7.88L中)。混合物を約0℃まで冷却した後、LiHMDS(1NTHF溶液、4.5L、04.5mol)を、温度が約7℃未満に保つような速度で加えた。添加後、反応物を室温で約2時間攪拌しながら、HPLCにより反応の進行をモニターした。反応が完了したら、混合物を約0℃まで冷却し、HCl水溶液(2N)を用いてpHを12から約2〜1まで調整した。得られた沈殿を約6時間攪拌した後、ろ過により単離し、乾燥させて1−ヒドロキシイミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを得た(604.7g、85.6%)。
1−ヒドロキシイミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(625g、3.06mol)および3Aエタノール(15.6L)、希塩酸(水320mL中の濃塩酸水溶液312g)、スラリーをパラジウム担持炭素(10%、120g)とともにオートクレーブに加えた。得られた混合物を、50℃、250psi(1723kPa)で、反応が完了するまで(約4時間)激しく攪拌しながら水素化した。溶媒としてエタノールを用いて反応混合物をセライトのパッドでろ過し、ろ液を濃縮して固体を得た。固体をジクロロメタン(6L)で処理し、水層のpHが11〜11.5の間になるまで1N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。混合物を攪拌し、層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した(2L)。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで留去して標題化合物を得た(477g、81.9%)。
実施例4
(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの合成
1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(1.544g、8.12mmol)をメタノール(15mL)中で穏やかに加熱して溶液にした。別のフラスコ中で、ジ−p−トルオイル−1−酒石酸(3.12g、8.08mmol)をメタノール(15mL)中に溶解し、ピペットを介して温アミン溶液に添加した。固体が析出するので混合物を加熱した。さらに30mLのメタノールを加えて溶液にし、これを30〜40分間還流し、次いでゆっくりと室温まで冷却して固体を得た。約18時間攪拌した後に、ろ過により固体を集め、少量の冷メタノールでリンスして、(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(96%収率、94.7%ee)を得た。
(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(11.83g、20.5mmol)を1.0N水酸化ナトリウム水溶液(45mL)に溶解し、塩化メチレン(3×25mL)で抽出した。合わせた塩化メチレン層を1.0N水酸化ナトリウム水溶液(35mL)、次いでブライン溶液で洗浄し、無水MgS04で乾燥させた。減圧下で溶媒を留去し、標題化合物を無色の油状物として得た(3.38g、87%収率、93.2%ee)。
実施例5
(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの合成
1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(6.0g、31.5mmol)を、メタノール(75mL)中で穏やかに加熱して溶液を形成し、温メタノール(75mL)中のジ−p−トルオイル−L−酒石酸(12.2g、31.5mmol)を合わせた。液体に種結晶を添加すると固体が生じた。メタノールをさらに100mL加え、混合物を攪拌した。約18時間攪拌した後、ろ過により固体を集め、少量の冷却メタノールによりリンスして固体を得た(6.7g)。固体をメタノール(200mL)と合わせ、攪拌した。18時間後、固体を集め、(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩を得た(4.4g)。実施例4に記載の方法により塩基を単離して標題化合物を得た(96%ee)。
実施例6
(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン
22Lの容器中、窒素下で1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(438g、2.3mol)を加熱(約40℃)してメタノール(4.38mL)溶液を形成した。別のフラスコに、ジ−p−トルオイル−1−酒石酸(889.7g、2.3mol)をメタノール(4.38L)中に溶解し、約40℃まで加熱した後、1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを加えた。加熱を継続し、追加のメタノール(6.13L)を加えた後、混合物を約45分間還流し、次いでゆっくりと室温まで冷却して固体を得た。約18時間攪拌した後、ろ過により固体を集め、少量の母液でリンスし、風乾させた後、酢酸エチル(約2L)を用いて、(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩を得た(561.6g)。(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩、ジクロロメタン(6.57L)および1N水酸化ナトリウム水溶液(6.57L)を合わせ、攪拌した。層を分離し、有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液(3.28L)で2回、ブライン(2.46L)で1回抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで留去して標題化合物を得た(250g、57.4%、94.1%ee)。
実施例7
(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン塩酸塩の合成
1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(31.9g、168mmol)を、酢酸イソプロピル(約300mL)中でスラリー化し、45℃に加熱した。別のフラスコ中で、(R)−(−)−D−マンデル酸(25.0g、164mmol)をイソプロピルアルコール(130mL)中で溶液になるまで加熱し、上記で得られた1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン/酢酸イソプロピルのスラリーに加えて溶液を得、この溶液から沈殿が急速に形成した。混合物を約45℃で、約3時間攪拌した。5−ニトロサリチルアルデヒド(2−ヒドロキシ−5−ニトロベンズアルデヒド)(1.40g、8.38mmol、5mol%)をこの温溶液に加え、混合物を45℃で攪拌した。約14時間後、スラリーを室温まで冷却し、2時間攪拌した後、固体をろ過により集め、冷酢酸イソプロピル(70mL)でリンスし、減圧オーブン中で40℃にて乾燥させて(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(R)−マンデル酸塩46.62gを得た(82.9%収率、98.4%ee)。
(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(R)−マンデル酸塩(2.42g、7.06mmol、98.4%ee)を、室温で、酢酸エチル(25mL)中でスラリー化した。濃塩酸水溶液(1.1mL、約11.2mmol)を加え、混合物を激しく攪拌しながら3.5時間50℃に加熱した。スラリーを室温まで冷却し、ろ過し、メチルt−ブチルエーテル(約10mL)でリンスして標題化合物を得た(1.48g、92.5%収率、97.9%ee)。
実施例8
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの合成
丸底フラスコに、N−t−Boc−L−アラニン(1.0当量)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(約1.1当量)および(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン-2-オン(1.0当量) (THF中)を窒素雰囲気下で入れた。ヒューニッヒ塩基(Hunig's base)(N、N−ジイソプロピルエチルアミン、1.1当量)をよく攪拌した混合物に加え、続いてEDC(1.1当量)を加えた。4〜17時間室温で攪拌した後、減圧下で溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルおよび水に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1NHCl水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で溶媒を留去して、1−(N−t−Boc−L−アラニニル)アミノ3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを得た:質量分析(M+H)+、362.3。
1,4−ジオキサン中の1−(N−t−Boc−L−アラニニル)アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの攪拌溶液(0.03〜0.09M)に無水HCl気流を通し、N2下、氷浴中で10〜15分約10℃に冷やした。溶液に栓をした後、冷却浴を取り外し、溶液を2〜8時間攪拌しながら室温まで昇温させ、出発物質の消費をTLCによりモニターした。この溶液を濃縮して1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを得、これをさらに精製することなく用いた。
窒素下、THF中1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−3−メチル−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(1.0当量)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.1当量)および(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−酪酸(1.0当量)。ヒューニッヒ塩基(N、N−ジイソプロピルエチルアミン、1.1当量)をよく攪拌した混合物に加え、続いてEDC(1.1当量)を加えた。室温で4〜17時間攪拌した後、減圧下で溶液を留去し、残留物を酢酸エチル(または同様の溶媒)および水に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1NHCl、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去して標題化合物を得た。
実施例9
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの合成
丸底フラスコに、窒素下でTHF(3.76L)中、N−t−Boc−L−アラニン(249.5g、1.32mol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(232.2g、1.52mol)および(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(250.8g、1.32mol)を入れた。混合物を5℃未満に冷却した後、ヒューニッヒ塩基(N、N−ジイソプロピルエチルアミン、188.4g、1.45mol)、続いてEDC(283.7g、1.45mol)を添加した。6時間攪拌した後、反応混合物を室温まで加温し、約14時間攪拌した。溶媒を減圧下で取り除き、残留物を酢酸エチル(3.76L)および水(1.76L)中に溶解し、層を分離し、有機層を水(1.76L)で抽出し、水層を合わせ、酢酸エチル(1.76L)で抽出した。有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1.76L)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで留去して1−(N−t−Boc−L−アラニニル)アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを得た(463g、97.2%)。
表面下拡散チューブ(subsurface dispersion tube)を用いて約0℃に冷却した酢酸エチル(1.76L)に無水HClガスを通すことにより、HClの酢酸エチル溶液を製造した。上記で製造したHClの酢酸エチル溶液を、激しく攪拌した1−(N−t−Boc−L−アラニニル)アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(462g、1.28mol)の酢酸エチル(3.7L)中のスラリーに加えた。酢酸エチル(1L)をさらに加え、反応混合物を室温まで昇温させ、22時間攪拌した。反応混合物をろ過して固体を得た。固体をアセトニトリル(5L)でスラリー化し、還流温度に加熱し、次いで約60℃まで冷却した後、ろ過し、乾燥させて1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを得た(389.8g、94.7%)。
THF(4.8L)中の、1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−メチル−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン(369.5g、1.18mol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(207.6g、1.36mol)、ヒューニッヒ塩基(N,N−ジイソプロピルエチルアミン、352.2g、2.71mol)および(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−酪酸(140.6g、1.18mol)を窒素雰囲気下で合わせ、5℃未満に冷却した。EDC(253.7g、1.3mol)を加え、反応混合物を室温まで加温し、攪拌した。約25時間後、反応混合物をジクロロメタン(5.54L)で希釈し、水(2.22L)で抽出した。有機層を水(2.22L)で抽出し、水層を合わせ、ジクロロメタン(5.54L)で抽出した。有機層を合わせ、水(2.22L)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.22L)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで留去して標題の化合物428g(100%)を得た。
実施例10
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−l−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物の合成
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−l−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの固体を、アセトン(3.42L)および水(0.856L)中に攪拌しながら溶解した(40℃)。この溶液を約2Lずつに分け、濁った溶液を50℃に温めながらそれぞれに水(7.19L)を加えた。水を完全に加えたら、その濁った溶液を室温に冷却して固体を得、室温でのスラリーとして約14時間攪拌した後、濾過し、乾燥して標題の化合物310.6g(66.2%)を得た。
医薬として用いる場合、通常、本発明は医薬組成物の形態で投与される。したがって、別の実施態様では、本発明は有効量のN−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶および製薬上許容される希釈剤を含有する医薬組成物を提供する。このような組成物は、β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害するために使用され、これはアルツハイマー病の治療を含む。したがって、本発明は、β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害する、特にアルツハイマー病の治療を含む医薬の製造のための(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶の使用を包含する。
(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶は様々な経路により投与することができる。本発明の化合物は、経口および非経口経路を含む、有効量で生物学的に利用可能な化合物をもたらす任意の形態または様態で投与することができる。例えば、本発明の化合物は、経口、吸入、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、鼻内、経直腸、眼内(occularly)、局所的、舌下、口腔内などにより投与することができる。
本発明の組成物の製造に際しては、通常、活性成分を賦形剤と混合するか、賦形剤で希釈するか、またはカプセル、サシェ(sachet)、紙もしくは他の容器の形態であり得る担体内に封入する。本発明の化合物は単独で投与するか、または医薬組成物の形態、すなわち、製薬上許容される希釈剤(例えば、担体または賦形剤)と組み合わせて投与することができ、その割合および性質は、本発明の化合物の溶解性および化学的特性、選択した投与経路および標準的な製薬的手順により決定する(Remington's Pharmaceutical Sciences,第18版, Mack Publishing Co. (1990))。
本発明の医薬組成物は、製薬分野において周知の方法で製造される。担体または賦形剤は、固体、半固体または液体の材料であってよく、活性成分のビヒクルまたは媒体として供する。適当な担体または賦形剤は当分野において周知である。医薬組成物は経口用、吸入用、非経口用または局所用の使用に適合させ、錠剤、カプセル剤、エアロゾル、吸入剤、坐剤、液剤、懸濁剤などの形態で患者に投与することができる。
治療用経口投与の目的のために、化合物を賦形剤とともに組み込んで、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤(wafers)、チューイングガムなどの形態で使用することができる。これらの製剤は、本発明の化合物(活性成分)を少なくとも4%含有するべきであるが、具体的な剤型に依存して変更することができ、通常、投与単位の重量の2%〜約90%の間がよいであろう。組成物中に存在する化合物の量は、適当な用量が得られる量である。本発明の好ましい組成物および製剤を当業者が決定することもできる。
また、錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは以下の添加物を1種以上含有し得る。微晶性セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンなどの結合剤、デンプンまたはラクトースのような賦形剤、アルギン酸、Primogel、コーンスターチなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、シリコーンオイルまたはSterotexなどの滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素のような流動促進剤(glidants)、ならびにスクロースまたはサッカリンなどの甘味料が添加されても良く、またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料などの矯味矯臭剤が添加されてもよい。投薬単位形態がカプセルである場合、上記のタイプの材料に加えて、ポリエチレングリコールまたは脂肪油などの液体担体を含有してもよい。他の投薬単位形態は、投薬単位の物理的形状を修飾する他の様々な材料を含有し得る(例えば、コーティング)。従って、錠剤または丸剤を糖、セラックまたは他のコーティング剤を用いてコーティングすることができる。シロップ剤は、本発明の化合物に加えて甘味料としてスクロース、ならびに特定の保存剤、染料および着色料および香料を含有し得る。組成物の製造の際に用いるこれらの様々な物質は、製薬上純粋であり、使用する量では非毒性でなければならない。
非経口投与の目的のために、本発明の化合物を液剤または懸濁剤に含有させることができる。典型的には、これらの製剤は、本発明の化合物を少なくとも0.1重量%含有するが、これは0.1重量%〜約90重量%の範囲で変更することができる。このような組成物中に存在する化合物の量は、適切な用量が得られる量である。また、本液剤または懸濁剤は、以下の添加剤を1種以上含有していてもよい:注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの滅菌希釈剤、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝化剤、ならびに塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの浸透圧(tonicity)調節のための試薬。非経口製剤は、アンプル、使い捨て注射器またはガラス製もしくはプラスチック製の複数回投与用バイアル中に封入することができる。好ましい組成物および製剤を当業者が決定することもできる。
また、本発明の化合物は局所的に投与することもでき、そのような場合には、担体に溶液、軟膏またはゲルの基剤を含むのが適当であり得る。基剤は、例えば、以下のものを1種以上を含有していてもよい:ペトロラタム、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋、鉱油、水およびアルコールなどの希釈剤、ならびに乳化剤および安定化剤。局所用製剤は、ある濃度の式Iの化合物またはその製薬的な塩を、約0.1〜約10%w/v(単位体積あたりの重量)で含有し得る。
本発明の別の好ましい製剤は、経皮送達デバイス(パッチ)を用いたものである。このような経皮パッチを使用して、本発明の化合物の、制御された量での連続的または不連続的な投薬をもたらすことができる。薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当分野において周知である。例えば、米国特許第5、023、252号(1991年6月11日発行)を参照のこと(参照して本明細書中に組み込む)。このようなパッチは、薬剤の連続的、脈動的または必要時(on demand)送達のために構築され得る。
本発明の実施をより十分に説明するために、典型的な医薬組成物を以下に記載する。この例示は単なる説明であり、本発明の範囲を限定することはなんら意図しない。
製剤例1
以下の成分を含有するゼラチン硬カプセルを製造する。
成分 量(mg/カプセル)
活性成分 30.0
デンプン 305.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
上記の成分を混合し、340mgの量でゼラチン硬カプセル剤に充填する。
製剤例2
以下の成分を使用して錠剤製剤を製造する。
成分 量(mg/錠剤)
活性成分 25.0
微晶性セルロース 200.0
コロイド状二酸化ケイ素 10.0
ステアリン酸 5.0
成分を混合し、圧縮して各々重量240mgの錠剤を形成する。
製剤例3
以下の成分を含有する乾燥粉末吸入製剤を製造する。
成分 重量%
活性成分 5
ラクトース 95
活性成分をラクトースと混合し、混合物を乾燥粉末吸入器に加える。
製剤例4
活性成分30mgを各々含有する錠剤を以下のようにして製造する。
成分 量(mg/錠剤)
活性成分 30.0 mg
デンプン 45.0 mg
微晶性セルロース 35.0 mg
ポリビニルピロリドン(滅菌水中10%溶液として) 4.0 mg
カルボキシメチル化デンプンナトリウム 4.5 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5 mg
タルク 1.0 mg
計 120 mg
活性成分、デンプン及びセルロースをNo.20メッシュU.S.ふるいにかけ、十分に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、次いで、これを16メッシュU.S.ふるいに通す。そのように製造した顆粒を50〜60℃で乾燥させ、16メッシュU.S.ふるいにかける。次いで、予めNo.30メッシュU.S.ふるいに通したカルボキシメチル化デンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを顆粒に加え、混合後、錠剤機で圧縮して各々重量150mgの錠剤を得る。
製剤例5
各々40mgの医薬を含むカプセル剤を以下のように製造する。
成分 量(mg/カプセル)
活性成分 40.0 mg
デンプン 109.0 mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0 mg
計 150.0 mg
活性成分、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、No.20メッシュU.S.ふるいに通し、150mgの量で硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例6
活性成分を各々25mg含有する坐剤を以下のようにして製造する。
成分 量
活性成分 25mg
飽和脂肪酸グリセリド 2,000mgになるまで
活性成分をNo.60メッシュU.S.ふるいに通し、必要最小限の熱を用いて予め溶融した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いで、混合物を公称2.0g容量の坐剤型に注ぎ、冷却させる。
製剤例7
投薬量5.0mL あたり医薬を50mg各々含有する懸濁剤を以下のようにして製造する。
成分 量
活性成分 50.0 mg
キサンタンガム 4.0 mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム(11%)
微晶性セルロース(89%) 50.0 mg
スクロース 1.75 g
安息香酸ナトリウム 10.0 mg
香料および着色料 適宜
精製水 5.0mL になるまで
活性成分、スクロースおよびキサンタンガムを混合し、No.10メッシュU.S.ふるいにかけ、次いで予め調製した微晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香料および着色料を少量の水で希釈し、攪拌しながら加える。次いで、十分量の水を添加して必要な体積にする。
製剤例8
15mgの医薬を各々含むカプセル剤を以下のように製造する。
成分 量(mg/カプセル)
活性成分 15.0 mg
デンプン 407.0 mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0 mg
計 425.0 mg
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、No.20メッシュU.S.ふるいに通し、560mgの量で硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例9
皮下用製剤は以下のように製造することができる。
成分 量
活性成分 1.0 mg
コーン油 1mL
コーン油中の活性成分の溶解度に依存して、活性成分の約5.0mgまで、または所望であればそれ以上をこの製剤中に用いてよい。
製剤例10
局所用製剤は以下のように製造し得る。
成分 量
活性成分 1−10 g
乳化ワックス 30 g
流動パラフィン 20 g
白色軟パラフィン 100 gになるまで
白色軟パラフィンを加熱して溶かす。流動パラフィンおよび乳化ワックスを入れ、溶解するまで攪拌する。活性成分を加え、分散するまで攪拌を続ける。次いで、混合物を固体になるまで冷却する。
方法の一態様において、本発明は、β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成を阻害する方法に関し、この方法は、そのような阻害を必要とする患者に有効量の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶を投与することを含む。具体的な方法の態様において、本発明はアルツハイマー病を処置する方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要とする患者に有効量の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶を投与することを含む。
現在アルツハイマー病に罹患している患者を処置することにより、またはその疾患を発症する危険性のある患者を予防的に処置することにより、当業者がアルツハイマー病に影響を及ぼすことができることも理解される。即ち、「処置」および「処置する」なる語句にはアルツハイマー病の進行を遅延させること(slowing)、妨げること(interrupting)、抑止すること(arresting)、制御すること(controlling)、または停止させること(stopping)であり得る、全てのプロセスを意味することが意図されるが、必ずしも全ての症状の全体的な排除を意味する必要はない。したがって、本発明の方法は、アルツハイマー病を発症する危険性のある患者におけるアルツハイマー病の発症の予防、アルツハイマー病の進行の阻害、および進行したアルツハイマー病の処置を含む。
本明細書において用いられる「患者」なる語句は、βアミロイドペプチドの放出および/またはその合成の増大に関連する障害(アルツハイマー病を含む)を患った温血動物(例えば、哺乳動物)を意味する。モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、ヒツジおよびヒトが、この用語の意味の範囲内に含まれる動物の例である。このような処置を必要とする患者は容易に診断される。
本明細書において用いられる、式Iの化合物の「有効量」なる語句は、β−アミロイドペプチドの放出および/またはその合成の阻害、特にアルツハイマー病の治療、において有効な量を意味する。
有効量は、当業者としての担当医師が、慣用的技術を使用することによって、および同様の状況下で得られた結果を観察することによって、容易に決定することができる。有効量、即ちN−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶の用量、を決定する際には、N−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンの効力および特性、患者の種、大きさ、年齢および一般的健康状態、疾患が関与する程度および重篤度、個々の患者の応答、投与の形態、投与した製剤のバイオアベイラビリティ特性、選択した投薬レジメ、他の薬の併用、およびその他関連する状況、を含む(しかし、これらに限定されるわけではない)数多くの因子が担当医師により考慮される。
N−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物の有効量は、約0.1mg/kg体重/日(mg/kg/day)〜約100mg/kg/dayの間で変動すると考えられる。好ましい量は、当業者が決定することができる。
本発明のN−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−4、5、6、7−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物は、以下に記載のものを含む様々な生物系において試験することができる。
実施例A
β−アミロイド産生の阻害の検出のための細胞性スクリーニング
スウェーデン(Swedish)変異を有する細胞系においてβ-アミロイド産生を阻害する能力について、上記式Iの数多くの化合物をアッセイした。このスクリーニングアッセイは、Lys651Met652からAsn651Leu652(APP751ナンバリング)の二重変異を含むアミロイド前駆体タンパク質751(APP751)の遺伝子で安定にトランスフェクトした細胞(K293=ヒト腎臓細胞系)を、国際特許出願公報第94/105698およびCitronら12に記載の方法で用いた。この変異は、一般にスウェーデン変異と称され、「293 751 SWE」と表される細胞を、ダルベッコ最小必須培地(Sigma, St. Louis, MO)+10%ウシ胎仔血清中、1ウェルあたり2〜4×104細胞でコーニング(Corning)96ウェルプレートにプレーティングした。β−アミロイドのELISA結果がアッセイのリニアな範囲内になるようにするためには、細胞数が重要である(約0.2〜2.5ng/mL)。
10%二酸化炭素中で平衡化したインキュベーター内37℃で一晩インキュベーションした後培地を取り除き、2時間の前処置期間のために、式Iの化合物(薬物)を含有する培地(1ウェルあたり200μL)で置き換え、細胞を上記のようにインキュベーションした。薬物ストックを100%ジメチルスルホキシド中、処置に用いる最終薬物濃度でジメチルスルホキシドの濃度が0.5%を超えないように調製した(実際には、通常0.1%に等しい)。
前処置期間の最後に、再度培地を取り除いて新しい薬物含有倍地(上記)に置き換え、さらに2時間細胞をインキュベーションした。処置した後、プレートをBeckmanGPRで室温にて1200rpmで5分間遠心分離し、順化培地から細胞細片をペレット化した。各ウェルから、順化培地またはその適当な希釈液100μLを、国際特許出願公報第94/105698号に記載されているように、予めβ−アミロイドのアミノ酸13〜28に対する抗体266[P. Seubert, Nature (1992) 359: 325〜327]でプレコーティングしたELISAプレートに移し、4℃で一晩保存した。翌日、β-アミロイドペプチドのアミノ酸1〜5に対する標識抗体3D6[P. Seubert, Nature (1992) 359:325〜327]を用いるELISAアッセイを行ない、産生したβ-アミロイドペプチドの量を測定した。
化合物の細胞毒性の影響を、Hansenらの改変法を用いて測定した。組織培養プレートに維持した細胞に、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT) (Sigma, St. Louis, MO) ストック溶液(5mg/mL)を加え、最終濃度を1mg/mLにした。細胞を37℃で1時間インキュベーションし、同体積のMTT溶解緩衝液(50%ジメチルホルムアミド中20%w/vドデシル硫酸ナトリウム、pH4.7)の添加により細胞活性を止めた。室温で一晩振盪することにより完全な抽出を達成した。Molecular Device's UVmaxマイクロプレートリーダーで細胞生存率の指標としてOD562とOD650との差異を測定した。
β−アミロイドペプチドELISAの結果を標準曲線に当てはめ、β−アミロイドペプチドのng/mL数として示した。細胞毒性を標準化するために、これらの結果をMTTの結果で割り、薬物不含対照の結果に対する百分率として表す。結果はすべて、少なくとも6回のアッセイの平均および標準偏差である。
実施例B
β−アミロイドの放出および/または合成のインビボ抑制
本実施例は、β−アミロイドの放出および/または合成のインビボでの抑制について、本発明の化合物をどのように試験し得るかを説明する。これらの実験に3〜4月齢のPDAPPマウスを用いる [Gamesら(1995)Nature 373:523-527]。試験する化合物に依存して、化合物を通常1〜10mg/mLで処方する。化合物の溶解係数が低いため、種々のビヒクル、例えばコーン油(Safeway, South San Francisco, CA);コーン油中のエタノール;2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(Research Biochemicals International, Natick MA)およびカルボキシ-メチル-セルロース(Sigma Chemical Co., St. Louis MO)とともに処方しても良い。
26ゲージ針を用いてマウスに皮下投与し、3時間後、動物をCO2で安楽死させ、0.5M EDTA(pH8.0)の溶液でコーティングした1ccの25G 5/8”ツベルクリン注射器/針を用い、心臓穿刺により血液を採取する。血液を、EDTAを含むBecton Dickinson vacutainerチューブに入れ、5℃にて1500×gで15分間遠沈する。次いで、マウスの脳を取り出し、皮質および海馬を切除して、氷上に置く。
1.脳アッセイ
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)用の海馬および皮質組織を調製するために、脳の各領域を、10倍量の氷冷グアニジン緩衝液(5.0Mグアニジン−HCl、50mMTris−HCl、pH8.0)中、Kontes電動乳棒(Fisher, Pittsburgh PA)を用いてホモジナイズする。ホモジネートを、ロータリープラットフォーム上で室温にて3〜4時間穏やかに振盪し、β−アミロイドの定量前に−20℃で保存する。
脳ホモジネートを氷冷カゼイン緩衝液[0.25%カゼイン、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、0.05%アジ化ナトリウム、20μg/mL アプロチニン/5mMEDTA、pH8.0、10μg/mL ロイペプチン]で1:10に希釈し、グアニジンの最終濃度を0.5Mまで低下させた後、4℃にて、16、000×gで20分間遠心分離する。必要であれば、0.5Mグアニジン塩酸塩を添加たカゼイン緩衝液を添加することにより、サンプルをさらに希釈してELISA測定に最適な範囲にする。β−アミロイド標準(1〜40または1〜42アミノ酸)は、最終組成が0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)存在下、0.5Mグアニジンに等しくなるように調製する。
β−アミロイド(アミノ酸1〜40)およびβ−アミロイド(アミノ酸1〜42)の両方を定量する全β−アミロイドサンドウィッチELISAは、β−アミロイドに対する2種のモノクローナル抗体(mAb)から構成される。補足抗体266[P. Seubert, Nature (1992) 359:325-327]は、β−アミロイドのアミノ酸13〜28に特異的である。β−アミロイドのアミノ酸1〜5に特異的な抗体3D6[Johnson-Woodら、PNAS USA (1997) 94:1550-1555]をビオチン化し、アッセイにおいてレポーター抗体として用いる。3D6のビオチン化の方法は、100mM炭酸水素ナトリウムのpH8.5緩衝液を用いることを以外は、免疫グロブリンのNHS−ビオチン標識に関する製造業者(Pierce, Rockford IL)のプロトコルを利用する。3D6抗体は分泌型アミロイド前駆体タンパク質(APP)または全長APPは認識せず、アミノ末端のアスパラギン酸を有するβ−アミロイド種のみを検出する。アッセイの感度の下限は、約50pg/mL (11pM)であり、1ng/mL までの濃度では内因性マウスβ−アミロイドペプチドに対して交差反応を示さない。
β−アミロイド(アミノ酸1〜42)のレベルを定量するサンドウィッチELISAの構成は、補足抗体として、β−アミロイドのアミノ酸33〜42を認識するmAb21F12[Johnson-Woodら、PNAS USA (1997) 94:1550-1555]を利用する。ビオチン化3D6はまた、このアッセイのおけるレポーター抗体であり、約125pg/mL (28pM)の感度の下限を有する。
266および21F12補足mAbsを、96ウェルイムノアッセイプレート(Costar, Cambidge MA)中、10g/mL で一晩室温にてコーティングする。次いで、プレートを吸引し、室温にて0.25%ヒト血清アルブミン(PBS緩衝液中)で少なくとも1時間ブロックした後、乾燥状態で4℃にて使用するまで保存する。使用前に、プレートを洗浄緩衝液(Tris緩衝化生理食塩水、0.05%Tween20)を用いてもどす。サンプルおよび標準をプレートに加え、4℃にて一晩インキュベーションする。アッセイの各工程の間、プレートを洗浄緩衝液を用いて3回洗浄する。ビオチン化3D6を、カゼインインキュベーション緩衝液(0.25%カゼイン、PBS、0.05%Tween20、pH7.4)で0.5μg/mL まで希釈し、ウェル中で室温にて1時間インキュベーションする。カゼインインキュベーション緩衝液中で1:4000に希釈したアビジン−HRP(Vector, Burlingame CA)を、室温にて1時間かけてウェルに加える。比色(colormetric)基質 Slow TMB−ELISA (Pierce, Cambridge MA)を加え、15分間反応させた後、2N H2SO4を添加して酵素反応を停止する。反応生成物を、Molecular Devices Vmax (Molecular Devices, Menlo Park CA)を用いて定量し、450nmおよび650nmでの吸光度の差を測定する。
2.血液アッセイ
EDTA血漿を、標本希釈液(0.2gm/Lリン酸ナトリウム・H2O(1塩基)、2.16gm/Lリン酸ナトリウム・7H2O(2塩基)、0.5gm/Lチメロサール、8.5gm/L 塩化ナトリウム、0.5mL TritonX−405、6.0g/Lグロブリン不含ウシ血清アルブミンおよび水)中で1:1に希釈する。標本希釈液中のサンプルおよび標準を、記載したカゼイン希釈液の代わりに標本希釈液を用いることを以外は、上記のとおり、全β−アミロイドアッセイ(266補足/3D4レポーター)を用いてアッセイする。
前記の説明から、当業者によって組成物および方法における様々な改変および変更が行われるであろう。添付した特許請求の範囲内にあるそのような改変はすべて、特許請求の範囲に含まれることを意図する。

Claims (40)

  1. (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物。
    Figure 2004521084
  2. 8.36、12.43、15.34、19.22、20.50または20.63(2θ±0.2°)にピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶。
  3. 8.36および15.34(2θ±0.2°)にピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶。
  4. 8.36および12.43(2θ±0.2°)にピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶。
  5. 8.36、12.43および15.34(2θ±0.2°)にピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶。
  6. 8.36、12.43 15.34、19.22、20.50および20.63(2θ±0.2°)にピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶。
  7. 75.6、35.3、21.4または16.6(2θ±0.2°)の化学シフト(ppm)を有する固体13C核磁気共鳴によってさらに特徴付けられる、請求項2記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶。
  8. 75.6、35.3、21.4および16.6(2θ±0.2°)の化学シフト(ppm)を有する固体13C核磁気共鳴によってさらに特徴付けられる、請求項2記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶。
  9. (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物:
    Figure 2004521084
    および製薬的に許容し得る希釈剤を含有する医薬組成物。
  10. β−アミロイドペプチド放出および/またはその合成を阻害するための医薬の製造のための、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物:
    Figure 2004521084
    の使用
  11. アルツハイマー病の処置のための医薬の製造のための、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物:
    Figure 2004521084
    の使用
  12. アルツハイマー病の処置のための医薬の製造のための、請求項2、3、4、5、6または7のいずれかに記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物の使用
  13. アルツハイマー病の予防のための医薬の製造のための、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物:
    Figure 2004521084
    の使用
  14. アルツハイマー病の予防のための医薬の製造のための、請求項2、3、4、5、6または7のいずれかに記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物の使用
  15. アルツハイマー病の進行の阻止において使用するための医薬の製造のための、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶:
    Figure 2004521084
    の使用
  16. アルツハイマー病の進行の阻止において使用するための医薬の製造のための、請求項2、3、4、5、6または7のいずれかに記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物の使用
  17. 8.36、12.43、15.34、19.22、20.50または20.63(2θ±0.2°)にピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる請求項1記載の(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン二水和物結晶:
    Figure 2004521084
    の製造方法であって、(N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを水性溶媒から結晶化させることを含む方法。
  18. 水性溶媒がアセトンおよび水を含む、請求項17に記載の製造方法。
  19. 式I:
    Figure 2004521084
    [式中、
    1はアルキル,アルケニル,アルキニル,シクロアルキル、シクロアルケニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、置換されたシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、アリール,ヘテロアリールおよび複素環であり;
    2は、アルキル、置換されたアルキル,アルケニル、置換されたアルケニル,アルキニル、置換されたアルキニル,シクロアルキル、アリール,ヘテロアリールおよび複素環であり;
    3はアルキルであり、
    1は水素、ヒドロキシまたはフルオロであり、
    2は水素、ヒドロキシまたはフルオロであるかまたは
    1およびX2が共にオキソ基を形成し;および
    Vは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換されたアルキル,アルコキシ、置換されたアルコキシ,アルケニル、置換されたアルケニル,アルキニル、置換されたアルキニル,アミノ,アミノアシル、アルカリール、アリール、アリールオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ,ニトロ,ヘテロアリール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシおよびトリハロメチルからなる群から独立に選択される1〜3個の基である]
    で示されるラクタムの製造方法であって、
    (a1)式(4)
    Figure 2004521084

    [式中、R3およびVは、式Iの化合物について記載したものと同意義である]
    で示される化合物を、ジ−p−トリル−L−酒石酸、(R)−(−)−l0−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸からなる群から選択される酸のその酸付加塩としての結晶化することにより分別結晶化して、式(10):
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    (b)式(1)の化合物を、式PgNH−CHR2−C(O)−A(ここでR2は、式Iについての定義と同意義であり、Aは活性化基、例えばOH、−BrまたはClであり、Pgはアミン保護基である)で示される、適当なアミノ保護したアミノ酸とカップリングして、式(11):
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    (c)式(11)で示される化合物を脱保護して式(12)
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得;および
    (d)式(12)で示される化合物を式R1CX12−C(O)A1(ここでR1、X1およびX2は、式Iで示される化合物についての記載と同意義であり、A1は活性化基、例えばOH、−BrまたはClである)で示される適当な化合物とカップリングするか;または
    (a2)式(10)で示される化合物を式R1CX12−C(O)NH−CHR2−C(O)−A(ここで、R1、R2、X1およびX2は、式Iの化合物についての定義と同意義であり、Aは活性化基、例えばOH、−BrまたはClである)で示される化合物とカップリングする
    ことを含む方法
  20. Vが水素であり、R3が低級アルキルである、請求項17に記載の方法。
  21. 酸付加塩が、ジ−p−トリル−L−酒石酸、(R)−(−)−10−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸からなる群から選択される酸の酸付加塩である、請求項17に記載の製造方法。
  22. 酸がジ−p−トリル−L−酒石酸である、請求項18に記載の製造方法。
  23. 酸が(D)−(−)−マンデル酸である、請求項18に記載の製造方法。
  24. 酸が(R)−(−)−10−カンファースルホン酸である、請求項18に記載の製造方法。
  25. アルデヒドの存在下で行う、請求項17、18、19、20または21のいずれかに記載の製造方法。
  26. アルデヒドがサリチルアルデヒドである、請求項22に記載の製造方法。
  27. サリチルアルデヒドが5−ニトロサリチルアルデヒドおよび3,5−ジクロロサリチルアルデヒドからなる群から選択される、請求項23に記載の製造方法。
  28. (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−l−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン:
    Figure 2004521084
    の製造方法であって、
    1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン:
    Figure 2004521084
    をジ−p−トリル−L−酒石酸、(R)−(−)−l0−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸からなる群から選択される酸の酸付加塩として結晶化し、
    (S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン:
    Figure 2004521084
    をアミノ−保護されたL−アラニン残基とカップリングさせてアミノ−保護された1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを得、
    脱保護して1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オンを得、そして
    (S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−酪酸とカップリングさせること
    を含む製造方法。
  29. (N)−((S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)−(S)−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン:
    Figure 2004521084
    の製造方法であって、
    1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン:
    Figure 2004521084
    をジ−p−トリル−L−酒石酸、(R)−(−)−l0−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸からなる群から選択される酸の酸付加塩として結晶化させ、
    (S)−1−アミノ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−2−オン:
    Figure 2004521084
    を(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル−ブチリル)−1−(L−アラニニル)残基とカップリングさせること
    を含む製造方法。
  30. 式(10)
    Figure 2004521084
    [式中、
    3はアルキルであり、
    Vは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アミノ、アミノアシル、アルカリール、アリール、アリールオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシおよびトリハロメチルからなる群から独立に選択される1〜3の基である]
    で示される化合物の実質的に純粋なラクタム化合物の製造方法であって、式(4)
    Figure 2004521084
    で示される化合物を結晶化して式(10)で示される化合物をジ−p−トリル−L−酒石酸、(R)−(−)−l0−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸からなる群から選択される酸のその酸付加塩として得る、製造方法。
  31. Vが水素であり、R3が低級アルキルである請求項27に記載の製造方法。
  32. 酸付加塩がジ−p−トリル−L−酒石酸、(R)−(−)−10−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸からなる群から選択される酸の酸付加塩である、請求項28に記載製造方法。
  33. 酸がジ−p−トリル−L−酒石酸である、請求項28に記載の製造方法。
  34. 酸が(D)−(−)−マンデル酸である、請求項28に記載の製造方法。
  35. 酸が(R)−(−)−10−カンファースルホン酸である、請求項28に記載の製造方法。
  36. アルデヒドの存在下で行う、請求項29、30、31または32のいずれかに記載の製造方法。
  37. アルデヒドがサリチルアルデヒドである、請求項33に記載の製造方法。
  38. サリチルアルデヒドがサリチルアルデヒド、5−ニトロサリチルアルデヒドおよび3,5−ジクロロサリチルアルデヒドからなる群から選択される、請求項34に記載の製造方法。
  39. 式I:
    Figure 2004521084
    [式中、
    1はアルキル,アルケニル,アルキニル,シクロアルキル、シクロアルケニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、置換されたシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、アリール,ヘテロアリールおよび複素環であり;
    2は、アルキル、置換されたアルキル,アルケニル、置換されたアルケニル,アルキニル、置換されたアルキニル,シクロアルキル、アリール,ヘテロアリールおよび複素環であり;
    3はアルキルであり、
    1は水素、ヒドロキシまたはフルオロであり、
    2は水素、ヒドロキシまたはフルオロであるかまたは
    1およびX2が共にオキソ基を形成し;および
    Vは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換されたアルキル,アルコキシ、置換されたアルコキシ,アルケニル、置換されたアルケニル,アルキニル、置換されたアルキニル,アミノ,アミノアシル、アルカリール、アリール、アリールオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ,ニトロ,ヘテロアリール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシおよびトリハロメチルからなる群から独立に選択される1〜3個の基である]
    で示されるラクタムの製造方法であって、
    a)式(5)
    Figure 2004521084
    [式中、
    Vは、式Iの化合物についての定義と同意義であり、A2は−OH,−Clまたは−Brからなる群から選択される活性化基である]
    で示されるフェニル酢酸誘導体を、式(6)
    Figure 2004521084
    [式中、
    3は式Iについて要求される基であり、R5はC1−C4アルキルである]で示されるアセタールとカップリングして、式(7)
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    b)式(7)で示される化合物を、硫酸およびトリフルオロメタンスルホン酸からなる群から選択される酸中で環化して、式(8):
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    c)式(8)で示される化合物をオキシム形成反応において反応させて式(9)
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    d)式(9)で示される化合物を還元して、式(4)
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    e)式(4)のラクタムを分別結晶化により分割して、式(10)で示される化合物:
    Figure 2004521084
    を、そのジ−p−トリル−L−酒石酸、(R)−(−)−l0−カンファースルホン酸および(D)−(−)−マンデル酸からなる群から選択される酸の酸付加塩として得、
    f)式PgNH−CHR2−C(O)−A(式中、R2は式Iの化合物についての定義と同意義であり、Aは活性化基、例えばOH、−BrまたはClであり、Pgはアミン保護基である)で示される適当なアミノ−保護されたアミノ酸とカップリングさせて式(11):
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    g)式(11)で示される化合物を脱保護して式(12):
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得;そして
    h)式(12)で示される化合物を、式R1CX12−C(O)A1(ここで、R1、X1およびX2は、式Iの化合物について記載したのと同意義であり、A1は例えばOH、−BrまたはClである活性化基である)で示される適当な化合物とカップリングさせるか;または
    i)式(10)で示される化合物を、式R1CX12−C(O)NH−CHR2−C(O)−A(ここで、R1、R2、X1およびX2は、式Iの化合物についての定義と同意義であり、Aは例えばOH、−BrまたはClである活性化基である)で示される化合物とカップリングさせる
    ことを含む製造方法。
  40. 式(4)
    Figure 2004521084
    [式中、
    3はアルキルであり、
    Vは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換されたアルキル,アルコキシ、置換されたアルコキシ,アルケニル、置換されたアルケニル,アルキニル、置換されたアルキニル,アミノ,アミノアシル、アルカリール、アリール、アリールオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ,ニトロ,ヘテロアリール、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシおよびトリハロメチルからなる群から独立に選択される1〜3の基である]で示されるラクタムの製造方法であって、
    a)式(5)
    Figure 2004521084
    [式中、
    Vは式Iの化合物についての定義と同意義であり、
    2は、−OH、−Clまたは−Brからなる群から選択される活性化基である]
    で示されるフェニル酢酸誘導体を、式(6)
    Figure 2004521084
    [式中、
    3は式Iにおいて要求されるものであり、R5はC1−C4アルキルである]で示されるアセタールとカップリングして、式(7)
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    b)式(7)で示される化合物を硫酸およびトリフルオロメタンスルホン酸からなる群から選択される酸中で環化して、式(8)
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    c)式(8)で示される化合物をオキシム形成反応において反応させて、式(9)
    Figure 2004521084
    で示される化合物を得、
    d)式(9)で示される化合物を還元すること
    を含む製造方法。
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