JP2004512983A - インクジェット印刷方式のための記録材料 - Google Patents
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Abstract
−インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、−無機顔料が、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径で存在し、−インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内であることを特徴とする、支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを有し、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および無機顔料を含有する、インクジェット印刷方式のための記録材料が提案される。さらに本発明は、新規の記録材料を利用した、非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式に関する。
Description
【書類名】明細書
【発明の名称】インクジェット印刷方式のための記録材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを有し、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および顔料を含有する、インクジェット印刷方式のための記録材料において、
・インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、かつ
・インク受容層中のインク定着剤の全量の少なくとも70質量%を構成し、
・顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなり、
・インク受容層の顔料含量が30〜70質量%であり、かつ
・インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内である
ことを特徴とする記録材料。
【請求項2】顔料が無機顔料からの顔料混合物である、請求項1記載の記録材料。
【請求項3】インク定着剤−顔料比が1:3以上1:5.5以下の範囲内である、請求項1または2記載の記録材料。
【請求項4】インク受容層の単位面積当たりの質量が4〜15g/m2である、請求項1から3までのいずれか1項記載の記録材料。
【請求項5】インク受容層の単位面積当たりの質量が7〜9g/m 2 である、請求項1から3までのいずれか1項記載の記録材料。
【請求項6】支持体とインク受容層との間に少なくとも1種の中間相が配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の記録材料。
【請求項7】顔料をベースとする記録インク、および、支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを含む記録材料を用い、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および顔料を含有する、非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式において、
・インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物か らなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、かつ
・インク受容層中のインク定着剤の全量の少なくとも70質量%を構成し、
・顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなり、
・インク受容層の顔料含量が30〜70質量%であり、かつ
・インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内である
ことを特徴とする記録方式。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを有し、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および無機顔料を含有する、インクジェット印刷方式のための記録材料に関する。さらに本発明は、新規の記録材料を利用した、非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式に関する。
【0002】
アミン化合物とエピハロヒドリンとをベースとして製造された反応生成物は、インクジェット記録材料のインク受容層のための助剤として公知である。
【0003】
インクジェットプリンタを用いて製造された、卓越した印刷品質が顕著であるはずの印刷画像の耐水性を改善するために、例えば特開平11−277888号公報では直鎖カチオン性樹脂を含有する助剤が提案されており、この場合この助剤は、第2級アミン含有アミン成分と、少なくとも2種の別のアミノ基およびエピハロヒドリンを含有するアミン成分との反応生成物として形成されている。
【0004】
特開平11−277887号公報には同様に、インクジェットプリンタを用いて製造された印刷画像におけるいわゆる“インク−ブリーディング”の低減に関して、上記で議論された刊行物に対して変更された直鎖カチオン性樹脂の構造形と比較可能ではあるが、しかし刊行物の記載内容により拡張されている作用とを有する、耐水性が向上した助剤が記載されている。上記で議論された2つの刊行物には、提案された助剤を含有する20%水溶液の、50〜500mPa・sの粘性率(B型;30℃)がそれぞれ記載されている。
【0005】
特開平10−152544号公報の課題は、水性インクを用いて製造された印刷画像の場合、単にわずかな“インク−ブリーディング”を許し、さらに、印刷画像の高い色濃度および卓越した耐水性を可能にするインクジェット記録用紙を提供することである。この課題は、分枝鎖カチオン性樹脂の形の被覆材料への添加により解決されるはずであり、この場合この樹脂はアンモニアと少なくとも1種の好ましくは第1級アミン、第2級アミンまたは第3級アミンとエピハロヒドリンとの反応生成物として存在する。さらに、アミンとしてポリアルキレンポリアミンおよびアルカノールアミンが好ましい。このカチオン性樹脂の10%水溶液の粘性率は1〜30mPa・sであり、この場合この粘性率はブルックフィールド(60r.p.m./25℃)により測定された値である。
【0006】
水性インクのドットが単にわずかに滲むに過ぎず、高い色濃度および卓越した耐水性を有する印刷画像を可能にするインクジェット記録用紙のための製造法を開示するという目的に伴い、特開平9−240139号公報では分枝鎖カチオン性樹脂の塗工体が提案されており、この場合この塗工体はポリアルキレン−ポリアミンとエピハロヒドリンと、場合によりさらに脂肪族アミン成分との反応生成物として形成されている。提案されたカチオン性樹脂を含有する10%水溶液の粘性率は30mPa・sであることが記載されており、この場合この粘性率はブルックフィールド(60r.p.m./25℃)により測定された値である。
【0007】
上記で議論された刊行物からは、教示として、助剤として利用すべき、有利に中程度の分子の直鎖かまたは低分子の分枝鎖の形のカチオン性樹脂を選択することが見て取れる。それに対して、この上記刊行物からは、カチオン性樹脂とインク受容層中に存在する顔料との可能な量の比に関する指摘も、それぞれの顔料の殊に調節すべき性質に関する指摘も見て取ることができない。
【0008】
欧州特許出願公開第0914962号明細書に相応して、殊に良好に接着され、高い耐水性が顕著である表面を有する記録材料の卓越したインクジェット記録特性および優れたオフセット印刷適性が達成されるはずである。上記刊行物の実施態様によれば、課題はインク受容層中の直鎖カチオン性樹脂により解決され、その際、このカチオン性樹脂の例としてとりわけジメチルアミン−エピクロロヒドリン重縮合物が挙げられる。カチオン性樹脂に加え、インク受容層はさらに結合剤および場合により顔料を含有する。この場合、上記刊行物から、インク受容層中の顔料の有利な性質の指摘を見て取ることは不可能である。また、上記刊行物にはカチオン性樹脂とインク受容層の別の成分との有利な混合比が開示されていない。
【0009】
最後に、欧州特許出願公開第0602326号明細書には、2〜2000の重合度を有する直鎖ジメチルアミン−エピクロロヒドリンアダクトの第4級塩が、インクジェット記録用紙の記録層中の低分子のインク定着剤として開示されている。(メタ)アクリルアミド−ジアリルアミンコポリマーとの組み合わせで、インク定着適性の上昇に加え、塗工された印刷画像の色差は回避されるはずである。
【0010】
特に、上記刊行物に開示された記録層中で使用される限りにおいては、適当な無機顔料および適当な有機顔料には、粒径が4μm未満の範囲内である顔料が該当する。
【0011】
久しく、顔料をベースとする記録インクが有機着色剤をベースとするインク、殊に酸性アゾ着色剤に代わって使用されることはほとんどなかった。この種の記録インクの場合、退色および変色する印刷画像の問題と関連する有機着色剤のわずかな光安定性は問題が多く、この問題は、従来、記録インク中のUV吸収剤、およびインクジェット記録材料中の色安定化剤を用いて、単に不十分に解決され得るに過ぎなかった。
【0012】
この間により頻繁に使用された、顔料をベースとする記録インクは、有機着色剤をベースとする上記で議論されたインクよりも本質的により高い光安定性を有しているが、しかしながら顔料をベースとする記録インクの場合、”インク−ブリーディング”の問題が存在し、この場合この問題は、互いに接して直接境界を成し、種々の色を有する印刷パターンが、印刷工程後に互いの中へと直接滲むことであると解釈できる。本発明による記録材料は、顔料をベースとする記録インクとの使用のために開発され、”インク−ブリーディング”の問題を著しく低減させる。
【0013】
インクジェット印刷の場合、原則的に、液滴を製造する2つの異なる方式は区別される。
【0014】
連続的な方式では圧力下でノズルから噴射されたインクジェットが設けられ、このインクジェットは、表面張力に基づき所定の距離でノズルから極めて小さな液滴に分かれる。小液滴は帯電され、引き続き、製造すべき印刷画像に応じて、電子的に制御された偏向板の電場により、受容器中に向けられるかまたは記録材料上に吐出される。
【0015】
非連続的な、いわゆる”ドロップ−オン−デマンド”方式の場合、記録材料上で画素が製造されるべき時にのみ、インク小液滴は製造すべき印刷画像に応じて製造され、ノズルから噴射される。この場合、”ドロップ−オン−デマンド”プリンタの一種はピエゾ効果を利用し、その際、電気的に制御されたピエゾ素子は記録インクをタンクから分離し、この小液滴はノズルから外側へ噴射される。これに対して、”バブルジェット”プリンタは電気的に制御された加熱要素を利用し、この加熱要素は最少量の水性インクを気泡中に生じさせる。結果として生じる蒸気圧は液滴を噴射する。
【0016】
本発明は、双方の非連続的な方式で使用され得る記録材料に関する。
【0017】
本発明の課題は、インクジェット印刷方式のための、経済的な視点から廉価な記録材料を提供することであり、この記録材料は、殊に、顔料をベースとする記録インクを用いて非連続的な方式で印刷されるのに適当である。殊に、新規の記録材料は、塗工されたインクの卓越した定着性を保証し、従っていわゆる”インク−ブリーディング”を低減させるはずである。新規の記録材料を着色されたインクに適合させることにより、塗工された印刷画像の高い光安定性が可能となるはずである。
【0018】
着色されたインクは有利にポスター印刷に使用され、このように製造されたポスターは例えば広告板として直射日光にさらされているため、各々の黄変傾向に対する高い安定性が顕著である新規の記録材料を提供することが好ましい。最後に、記録材料は塗工された印刷画像の、受容可能な湿潤時の耐擦性(Nasswischfestigkeit)を保証するべきである。
【0019】
徹底的な実験室での実験および製品の実験により、本願発明者らは、
・インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、かつ
・インク受容層中のインク定着剤の全量の少なくとも70質量%を構成し、
・顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなり、
・インク受容層の顔料含量が30〜70質量%であり、かつ
・インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内である
ことにより特徴付けられる、支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを有し、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および顔料を含有する、インクジェット印刷方式のための記録材料により課題が解決されることを見出した。
【0020】
アミン−エピクロロヒドリン縮合物が10%水溶液として20mPa・s〜50mPa・sの範囲内の粘性率を有する限りにおいて、本発明の範囲内でこのアミン−エピクロロヒドリン縮合物は中程度の分子である。この場合、上記粘性率はブルックフィールド(スピンドル 1/100r.p.m./25℃)により測定されたものである。
【0021】
本発明は、場合により別のインク定着剤と一緒にインク受容層中に組込まれている少なくとも1種のインク定着剤としてのアミン−エピクロロヒドリン縮合物の選択に基づく。アミン−エピクロロヒドリン縮合物が中程度の分子の分枝鎖の形で存在することは本発明とって本質的なことである。アミン−エピクロロヒドリン縮合物の別の実施態様は、種々の理由から不適当であることが判明し;例えば低分子の非分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物の使用は不可能であり、それというのもそのようなアミン−エピクロロヒドリン縮合物を含有する記録材料は、遊離アミンによる過度に強力な臭気の形成を有するからである。
【0022】
インク受容層が、インク定着剤として専ら上記段落の実施形式による中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物を含有することは可能である。本発明の認識に相応して、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物に対して付加的に、他のインク定着剤を同時に使用することも可能であり、その際、ここでは ―これに限定されるものではないが― ポリジアリル−ジメチル−アンモニウム塩化物、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリレート、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミンおよびポリジシアンジアミドから選択された1種以上の化合物が考え得るが、但しこれはこれらの他のインク定着剤が、インク定着剤の全量に対して30質量%、殊に10質量%以下の量で存在するという前提に基づくものである。
【0023】
さらに、本願発明者らは、インク定着剤−顔料比が −インク受容層中の顔料およびインク定着剤の質量百分率に対して− 1:2〜1:6の範囲内に存在すべきであることを見出し、その際、質量百分率は、インク受容層中に組み込まれてた全てのインク定着剤かまたは全ての顔料に関するものである。
【0024】
しかしながら本願発明者らにとって、上記で詳説された特徴と同時に、顔料が、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなる場合に限って、本発明の基礎をなす課題が完全にかつ納得のいくように解決され得るということは完全に驚異的なことであり、この場合上記の粒径はD50値として測定されたものである(マルバーン(Malvern) −即ち、測定は顔料製造者の指示によれば、Malvern社のレーザー測定機器、マスタサイザ(Master−Sizer)S型を使用しながら行われる)。さらに、本発明による記録材料のインク受容層の顔料含量は30〜70質量%の範囲内に存在すべきである。
【0025】
第一に、上記の組み合わされた特徴が、上記の要求された多数の特性を有する記録材料を可能にすることを見出したことは、本願発明者らの功績である。
【0026】
比較実験により、ポリジアリル−ジメチル−アンモニウム塩化物(ポリ−DADMAC)をインク定着剤として使用する場合、“インク−ブリーディング”挙動は明らかにより不良であることが判明した。ポリエチレンイミンまたはポリジシアンジアミドを使用することは、このカチオン性ポリマーを有する記録材料の高められた黄変傾向に基づき、不可能である。
【0027】
1:2〜1:6である、本発明によるインク定着剤−顔料比は、一方で、非常に低下する湿潤時の耐擦性により制限され、この場合この湿潤時の耐擦性はインク定着剤がより多量であり、インク定着剤−顔料比が1:2を超える場合にはもはや受容不可能であって、他方で、本発明によるインク定着剤−顔料比は一層不良になっている”インク−ブリーディング”挙動により制限され、この場合この”インク−ブリーディング”挙動は、インク定着剤がより少量であり、インク定着剤−顔料比が1:6を超える場合にはもはや確信をもって拒絶することは不可能である。
【0028】
本発明の基礎をなす一連の実験の結果に相応して、本願発明者らは、インク定着剤−顔料比が −インク受容層中の顔料およびインク定着剤の質量百分率に対して− 1:3以上1:5.5以下の範囲内にある場合、新規の記録材料の殊に良好な性質が存在することを見出し、その際、質量百分率は再度、インク受容層中に組み込まれている全てのインク定着剤かまたは全ての顔料に関するものである。
【0029】
本発明による記録材料のインク受容層は、結合剤と共結合剤とからの、10〜55質量%の範囲内の含量を含む。この場合、エチレンビニルアセテートの水性ポリマー分散液、および殊にスチレンブタジエンラテックス、ポリアクリレート、および部分的または完全に鹸化されたポリビニルアルコールの溶液が好ましいことが実証され、この場合これらは単独かまたは組み合わせて使用される。
【0030】
無機顔料として、殊に水酸化アルミニウムおよびシリカゲルおよび沈降珪酸が良好であることが実証された。この場合、この水酸化アルミニウムおよびシリカゲルおよび沈降珪酸は、それぞれアルミニウムまたは酸化アルミニウムで変性されて形成されていても、変性されずに形成されていてもよい。無機顔料からの顔料混合物も考え得る。
【0031】
インク受容層中のインク定着剤の全含量が5〜30質量%の範囲内、好ましくは5〜20質量%の範囲内にある場合に有利であることが判明し、その際、高い単位面積当たりの質量を有するインク受容層を塗布する場合、この全含量は、上記範囲内でどちらかというと下限が選択され得る傾向にある。これに限定されるものではないが、他の成分、例えば苛性ソーダ液、光沢剤および消泡剤は、必要に応じて添加され、かつインク受容層の5質量%までを構成し、その際、インク受容層中の個々の含量は100質量%まで補填される。
【0032】
要求の多様さに満足のいくように適合させるために、インク受容層の単位面積当たりの質量は過度に低く選択されるべきではなく、それというのも、さもなければ湿潤時の耐擦性の減少が強すぎ、かつまさに”インク−ブリーディング”はほとんど低減され得ないからである。上記に次いで、インク受容層の単位面積当たりの質量は何よりも経済的な観点から限定されている。
【0033】
多数の実験において、インク受容層は上下に配置されている2種の層で形成されており、その際、好ましい実施態様によれば、下層が支持体かまたは支持体上に塗工された配合体層と接着しており、その一方で上層が下層上に塗布されていることが有利であることが判明した。第1の層が4〜12g/m2、好ましくは6〜8g/m2の単位面積当たりの質量を有し、第2の層が2〜10g/m2、好ましくは4〜6g/m2の単位面積当たりの質量を有する場合に、殊に好ましい結果が達成され得る。第1および第2の層のために、本発明にとって本質的である成分の選択およびこれらの成分の互いの比に関して、殊に、好ましい実施態様においても原則的に同様の教示が適用される。この第1および第2の層は、この記載を引用すべき開示に相応して同じ助剤成分をも有する。
【0034】
インク受容層が単に単一の層で形成される場合、この層の単位面積当たりの質量は4〜15g/m2が好ましく、その際、殊に5〜10g/m2の範囲、極めて殊に7〜9g/m2の範囲が好ましい。
【0035】
支持体とインク受容層の単一の層との間か、または好ましい実施態様では支持体とインク受容層の第1の層との間に少なくとも1つの配合体層が配置されており、この場合この配合体層は好ましくは0.1〜2.0g/m2の範囲内の単位面積当たりの質量を有する。配合体層は単一のデンプン塗工体として形成されていてよい。
【0036】
殊に好ましい実施態様において、本発明による記録材料は、インク受容層を有する面の反対側に位置する面上に、インク受容層として、しかしながら単一のデンプン塗工体として形成されていてもよい裏面被覆体を含む。この裏面被覆体はまさにデンプン塗工体として良好な取扱い性を保証するために利用され、従ってインクジェットプリンタ中での搬送困難性に不自由な点はない。また、単一のデンプン塗工体を用いて、殊にオフセット印刷方式における改善された印刷適性を達成することも可能である。裏面被覆体として形成されたデンプン塗工体は、好ましくは0.1〜2.0g/m2の範囲内の単位面積当たりの質量を有する。殊に、支持体は巻取紙であることが好ましい。
【0037】
さらに本発明は、顔料をベースとする記録インクと記録材料とを用いた非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式にも関する。この場合、記録材料は支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを含み、その際、インク受容層はアミン−エピクロロヒドリン縮合物および顔料を含有し、その際、
・インク受容層は、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、かつ
・インク受容層中のインク定着剤の全量の少なくとも70質量%を構成し、
・顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなり、
・インク受容層の顔料含量は30〜70質量%であり、かつ
・インク定着剤−顔料比は1:2〜1:6の範囲内である。
【0038】
同様に、本発明は、顔料をベースとする記録インクと、上記の他の実施態様に相応して形成されていてよい本発明による記録材料とを用いた、非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式を含む。
【0039】
新規の方法は”ドロップ−オン−デマンド”プリンタを用いた新規の記録材料の印刷を意図するものであり、この場合、このプリンタはピエゾ効果か、または”バブルジェット”プリンタとして最小のインク小液滴を噴射するための電気的に制御された加熱要素を利用する。
【0040】
明細書および特許請求の範囲に記載された単位面積当たりの質量に関する記載は、別に記載がない限りGew.−%(質量%)およびGew.−Teilen(質量部)に関し、それぞれ”atro”−Gewicht、即ち絶対乾燥質量部に関する。略語”lutro”は空気乾燥を意味し、使用される場合には、このように符号を付けられた成分はこれらの成分の市販の供給形中に記載されることを意味する。
【0041】
以下の例および比較例により、本発明は十分に明確に説明される:
支持体の製造:
長網抄紙機上で、支持体として巻取紙を、漂白され粉砕された広葉樹および針葉樹のパルプから、通常の量の通常の添加物を添加しながら82g/m2の単位面積当たりの質量で製造する。巻取紙は表面に0.3g/m2のデンプン配合体を得ており、裏面に1g/m2のデンプン配合体を塗工する。
【0042】
本発明による例3、7および11並びに比較例1、2、4、5、6、8、9、10および12に関するインク受容層のための塗工体を製造するための基本処方:
容器中に、合計500質量部(lutro)に対して、常に攪拌しながら以下の成分を添加する:
【0043】
【表1】
【0044】
顔料として、以下の平均粒径および比内部表面積(spezifische innere Oberflaeche)の場合に1.2ml/gの細孔容積を有する、アルミニウム変性されていないシリカゲルを使用した:
【0045】
【表2】
【0046】
インク定着剤として、例ではそれぞれ以下の相違を有するアミン−エピクロロヒドリン縮合物を用意する:
−インク定着剤A:低分子、 非分枝鎖 (12mPa・s)
−インク定着剤B:中程度の分子、非分枝鎖 (36.5mPa・s)
−インク定着剤C:中程度の分子、分枝鎖 (35mPa・s)
−インク定着剤D:高分子、 非分枝鎖 (91mPa・s)
インク定着剤の上記一覧中のカッコ中にある数字は、10%水溶液としてのアミン−エピクロロヒドリン縮合物の粘性率を示し、この場合この粘性率は再度ブルックフィールド(スピンドル 1/100r.p.m./25℃)により測定されたものである。
【0047】
例および比較例:
異なる記録材料の12種の試料をインクジェット印刷方式のために製造した。
【0048】
それに加え、上記の基本処方に相応する12種の異なる塗工体を調合し、その際、導入された3種の顔料1、2および3のそれぞれをインク定着剤A、B、CおよびDとそれぞれ組み合わせる。インク受容層を形成するために、塗工体を、製造において上記された巻取紙上に塗工する。
【0049】
再度、”インク−ブリーディング”挙動の試験を行うために、Hewlett Packard社のHP−デザインジェット(DesignJet)2500CP型のインクジェットプリンタ(印刷モード:標準 色補正なし、印刷用紙:厚手コート紙)を、同製造者のUVインクを使用しながら使用する。それに加え、それぞれ12種の試料上に制御圧力を加え、試料の”インク−ブリーディング”挙動を目視により評価する。
【0050】
第1表では、本発明による例は”EB”で印付けられており、比較例は”VB”で印付けられている。認められた測定値および評価は第1表に記載されている:
【0051】
【表3】
【0052】
例1、5および9は確かに良好または満足のいく”インク−ブリーディング”挙動を有するが、しかしながら過度の臭気発生に基づき、使用不可能である。
【0053】
基本処方および例7によるインク受容層成分を基にしてインク定着剤−顔料比を変化させた。このように製造された試料は、この試料の”インク−ブリーディング”挙動と、塗工された印刷画像の湿潤時の耐擦性とに関して試験されるべきである。
【0054】
この湿潤時の耐擦性の試験のために、予め試料の”インク−ブリーディング”挙動を評価した印刷画像に水を滴下した。2秒の作用時間後、数回指で均一な圧力で画像を軽く擦る。この場合、印刷画像は可能な限り低い程度で文字が不鮮明になるべきであり、理想的にはおおむね文字が不鮮明にならないべきである。
【0055】
比較例13および本発明による例14のために、 −基本処方の500質量部(lutro)に対して− インク定着剤含量を低下させるために、より少量のインク定着剤と、従ってより多量の別の全ての成分を、常に攪拌しながら容器中に導入する。本発明による例15および比較例16のために、 −基本処方の500質量部(lutro)に対して− インク定着剤含量を増加させるために、より多量のインク定着剤と、従ってより少量の別の全ての成分を、常に攪拌しながら容器中に導入する。
【0056】
上記実施態様に相応して、引き続き試料を製造し、それぞれ制御圧力を加える。
【0057】
第2表は、調節されたインク定着剤−顔料比、および目視的に評価されたそれぞれの試料の”インク−ブリーディング”挙動、および塗工された印刷画像の湿潤時の耐擦性を示す。再度、本発明による例は”EB”で印付けられており、比較例は”VB”で印付けられている。
【0058】
【表4】
【0059】
本発明による例は、インクジェット印刷方式のための廉価な記録材料の提供が、本発明による記録材料を用いて満足のいくように成功することを殊に明確に具体的に示し、この場合この記録材料は、殊に顔料をベースとする記録インクを用いて印刷する際に、塗工されたインクの卓越した定着を保証し、従っていわゆる”インク−ブリーディング”を低減するものであり、これは比較例では示されていない。さらに本発明による例は、新規の記録材料が、塗工された印刷画像の受容可能な湿潤時の耐擦性を保証するのに対し、比較例はこれを保証することが不可能であることを示す。インクジェット印刷方式のための記録材料の有用性のための条件は、とりわけ過度に臭気が発生しないことであり、そのため比較例の一部は拒絶されるべきであり、かつ本発明による例のみがこの点をも満足させることが可能である。
【発明の名称】インクジェット印刷方式のための記録材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを有し、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および顔料を含有する、インクジェット印刷方式のための記録材料において、
・インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、かつ
・インク受容層中のインク定着剤の全量の少なくとも70質量%を構成し、
・顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなり、
・インク受容層の顔料含量が30〜70質量%であり、かつ
・インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内である
ことを特徴とする記録材料。
【請求項2】顔料が無機顔料からの顔料混合物である、請求項1記載の記録材料。
【請求項3】インク定着剤−顔料比が1:3以上1:5.5以下の範囲内である、請求項1または2記載の記録材料。
【請求項4】インク受容層の単位面積当たりの質量が4〜15g/m2である、請求項1から3までのいずれか1項記載の記録材料。
【請求項5】インク受容層の単位面積当たりの質量が7〜9g/m 2 である、請求項1から3までのいずれか1項記載の記録材料。
【請求項6】支持体とインク受容層との間に少なくとも1種の中間相が配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の記録材料。
【請求項7】顔料をベースとする記録インク、および、支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを含む記録材料を用い、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および顔料を含有する、非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式において、
・インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物か らなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、かつ
・インク受容層中のインク定着剤の全量の少なくとも70質量%を構成し、
・顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなり、
・インク受容層の顔料含量が30〜70質量%であり、かつ
・インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内である
ことを特徴とする記録方式。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを有し、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および無機顔料を含有する、インクジェット印刷方式のための記録材料に関する。さらに本発明は、新規の記録材料を利用した、非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式に関する。
【0002】
アミン化合物とエピハロヒドリンとをベースとして製造された反応生成物は、インクジェット記録材料のインク受容層のための助剤として公知である。
【0003】
インクジェットプリンタを用いて製造された、卓越した印刷品質が顕著であるはずの印刷画像の耐水性を改善するために、例えば特開平11−277888号公報では直鎖カチオン性樹脂を含有する助剤が提案されており、この場合この助剤は、第2級アミン含有アミン成分と、少なくとも2種の別のアミノ基およびエピハロヒドリンを含有するアミン成分との反応生成物として形成されている。
【0004】
特開平11−277887号公報には同様に、インクジェットプリンタを用いて製造された印刷画像におけるいわゆる“インク−ブリーディング”の低減に関して、上記で議論された刊行物に対して変更された直鎖カチオン性樹脂の構造形と比較可能ではあるが、しかし刊行物の記載内容により拡張されている作用とを有する、耐水性が向上した助剤が記載されている。上記で議論された2つの刊行物には、提案された助剤を含有する20%水溶液の、50〜500mPa・sの粘性率(B型;30℃)がそれぞれ記載されている。
【0005】
特開平10−152544号公報の課題は、水性インクを用いて製造された印刷画像の場合、単にわずかな“インク−ブリーディング”を許し、さらに、印刷画像の高い色濃度および卓越した耐水性を可能にするインクジェット記録用紙を提供することである。この課題は、分枝鎖カチオン性樹脂の形の被覆材料への添加により解決されるはずであり、この場合この樹脂はアンモニアと少なくとも1種の好ましくは第1級アミン、第2級アミンまたは第3級アミンとエピハロヒドリンとの反応生成物として存在する。さらに、アミンとしてポリアルキレンポリアミンおよびアルカノールアミンが好ましい。このカチオン性樹脂の10%水溶液の粘性率は1〜30mPa・sであり、この場合この粘性率はブルックフィールド(60r.p.m./25℃)により測定された値である。
【0006】
水性インクのドットが単にわずかに滲むに過ぎず、高い色濃度および卓越した耐水性を有する印刷画像を可能にするインクジェット記録用紙のための製造法を開示するという目的に伴い、特開平9−240139号公報では分枝鎖カチオン性樹脂の塗工体が提案されており、この場合この塗工体はポリアルキレン−ポリアミンとエピハロヒドリンと、場合によりさらに脂肪族アミン成分との反応生成物として形成されている。提案されたカチオン性樹脂を含有する10%水溶液の粘性率は30mPa・sであることが記載されており、この場合この粘性率はブルックフィールド(60r.p.m./25℃)により測定された値である。
【0007】
上記で議論された刊行物からは、教示として、助剤として利用すべき、有利に中程度の分子の直鎖かまたは低分子の分枝鎖の形のカチオン性樹脂を選択することが見て取れる。それに対して、この上記刊行物からは、カチオン性樹脂とインク受容層中に存在する顔料との可能な量の比に関する指摘も、それぞれの顔料の殊に調節すべき性質に関する指摘も見て取ることができない。
【0008】
欧州特許出願公開第0914962号明細書に相応して、殊に良好に接着され、高い耐水性が顕著である表面を有する記録材料の卓越したインクジェット記録特性および優れたオフセット印刷適性が達成されるはずである。上記刊行物の実施態様によれば、課題はインク受容層中の直鎖カチオン性樹脂により解決され、その際、このカチオン性樹脂の例としてとりわけジメチルアミン−エピクロロヒドリン重縮合物が挙げられる。カチオン性樹脂に加え、インク受容層はさらに結合剤および場合により顔料を含有する。この場合、上記刊行物から、インク受容層中の顔料の有利な性質の指摘を見て取ることは不可能である。また、上記刊行物にはカチオン性樹脂とインク受容層の別の成分との有利な混合比が開示されていない。
【0009】
最後に、欧州特許出願公開第0602326号明細書には、2〜2000の重合度を有する直鎖ジメチルアミン−エピクロロヒドリンアダクトの第4級塩が、インクジェット記録用紙の記録層中の低分子のインク定着剤として開示されている。(メタ)アクリルアミド−ジアリルアミンコポリマーとの組み合わせで、インク定着適性の上昇に加え、塗工された印刷画像の色差は回避されるはずである。
【0010】
特に、上記刊行物に開示された記録層中で使用される限りにおいては、適当な無機顔料および適当な有機顔料には、粒径が4μm未満の範囲内である顔料が該当する。
【0011】
久しく、顔料をベースとする記録インクが有機着色剤をベースとするインク、殊に酸性アゾ着色剤に代わって使用されることはほとんどなかった。この種の記録インクの場合、退色および変色する印刷画像の問題と関連する有機着色剤のわずかな光安定性は問題が多く、この問題は、従来、記録インク中のUV吸収剤、およびインクジェット記録材料中の色安定化剤を用いて、単に不十分に解決され得るに過ぎなかった。
【0012】
この間により頻繁に使用された、顔料をベースとする記録インクは、有機着色剤をベースとする上記で議論されたインクよりも本質的により高い光安定性を有しているが、しかしながら顔料をベースとする記録インクの場合、”インク−ブリーディング”の問題が存在し、この場合この問題は、互いに接して直接境界を成し、種々の色を有する印刷パターンが、印刷工程後に互いの中へと直接滲むことであると解釈できる。本発明による記録材料は、顔料をベースとする記録インクとの使用のために開発され、”インク−ブリーディング”の問題を著しく低減させる。
【0013】
インクジェット印刷の場合、原則的に、液滴を製造する2つの異なる方式は区別される。
【0014】
連続的な方式では圧力下でノズルから噴射されたインクジェットが設けられ、このインクジェットは、表面張力に基づき所定の距離でノズルから極めて小さな液滴に分かれる。小液滴は帯電され、引き続き、製造すべき印刷画像に応じて、電子的に制御された偏向板の電場により、受容器中に向けられるかまたは記録材料上に吐出される。
【0015】
非連続的な、いわゆる”ドロップ−オン−デマンド”方式の場合、記録材料上で画素が製造されるべき時にのみ、インク小液滴は製造すべき印刷画像に応じて製造され、ノズルから噴射される。この場合、”ドロップ−オン−デマンド”プリンタの一種はピエゾ効果を利用し、その際、電気的に制御されたピエゾ素子は記録インクをタンクから分離し、この小液滴はノズルから外側へ噴射される。これに対して、”バブルジェット”プリンタは電気的に制御された加熱要素を利用し、この加熱要素は最少量の水性インクを気泡中に生じさせる。結果として生じる蒸気圧は液滴を噴射する。
【0016】
本発明は、双方の非連続的な方式で使用され得る記録材料に関する。
【0017】
本発明の課題は、インクジェット印刷方式のための、経済的な視点から廉価な記録材料を提供することであり、この記録材料は、殊に、顔料をベースとする記録インクを用いて非連続的な方式で印刷されるのに適当である。殊に、新規の記録材料は、塗工されたインクの卓越した定着性を保証し、従っていわゆる”インク−ブリーディング”を低減させるはずである。新規の記録材料を着色されたインクに適合させることにより、塗工された印刷画像の高い光安定性が可能となるはずである。
【0018】
着色されたインクは有利にポスター印刷に使用され、このように製造されたポスターは例えば広告板として直射日光にさらされているため、各々の黄変傾向に対する高い安定性が顕著である新規の記録材料を提供することが好ましい。最後に、記録材料は塗工された印刷画像の、受容可能な湿潤時の耐擦性(Nasswischfestigkeit)を保証するべきである。
【0019】
徹底的な実験室での実験および製品の実験により、本願発明者らは、
・インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、かつ
・インク受容層中のインク定着剤の全量の少なくとも70質量%を構成し、
・顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなり、
・インク受容層の顔料含量が30〜70質量%であり、かつ
・インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内である
ことにより特徴付けられる、支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを有し、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および顔料を含有する、インクジェット印刷方式のための記録材料により課題が解決されることを見出した。
【0020】
アミン−エピクロロヒドリン縮合物が10%水溶液として20mPa・s〜50mPa・sの範囲内の粘性率を有する限りにおいて、本発明の範囲内でこのアミン−エピクロロヒドリン縮合物は中程度の分子である。この場合、上記粘性率はブルックフィールド(スピンドル 1/100r.p.m./25℃)により測定されたものである。
【0021】
本発明は、場合により別のインク定着剤と一緒にインク受容層中に組込まれている少なくとも1種のインク定着剤としてのアミン−エピクロロヒドリン縮合物の選択に基づく。アミン−エピクロロヒドリン縮合物が中程度の分子の分枝鎖の形で存在することは本発明とって本質的なことである。アミン−エピクロロヒドリン縮合物の別の実施態様は、種々の理由から不適当であることが判明し;例えば低分子の非分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物の使用は不可能であり、それというのもそのようなアミン−エピクロロヒドリン縮合物を含有する記録材料は、遊離アミンによる過度に強力な臭気の形成を有するからである。
【0022】
インク受容層が、インク定着剤として専ら上記段落の実施形式による中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物を含有することは可能である。本発明の認識に相応して、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物に対して付加的に、他のインク定着剤を同時に使用することも可能であり、その際、ここでは ―これに限定されるものではないが― ポリジアリル−ジメチル−アンモニウム塩化物、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリレート、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミンおよびポリジシアンジアミドから選択された1種以上の化合物が考え得るが、但しこれはこれらの他のインク定着剤が、インク定着剤の全量に対して30質量%、殊に10質量%以下の量で存在するという前提に基づくものである。
【0023】
さらに、本願発明者らは、インク定着剤−顔料比が −インク受容層中の顔料およびインク定着剤の質量百分率に対して− 1:2〜1:6の範囲内に存在すべきであることを見出し、その際、質量百分率は、インク受容層中に組み込まれてた全てのインク定着剤かまたは全ての顔料に関するものである。
【0024】
しかしながら本願発明者らにとって、上記で詳説された特徴と同時に、顔料が、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなる場合に限って、本発明の基礎をなす課題が完全にかつ納得のいくように解決され得るということは完全に驚異的なことであり、この場合上記の粒径はD50値として測定されたものである(マルバーン(Malvern) −即ち、測定は顔料製造者の指示によれば、Malvern社のレーザー測定機器、マスタサイザ(Master−Sizer)S型を使用しながら行われる)。さらに、本発明による記録材料のインク受容層の顔料含量は30〜70質量%の範囲内に存在すべきである。
【0025】
第一に、上記の組み合わされた特徴が、上記の要求された多数の特性を有する記録材料を可能にすることを見出したことは、本願発明者らの功績である。
【0026】
比較実験により、ポリジアリル−ジメチル−アンモニウム塩化物(ポリ−DADMAC)をインク定着剤として使用する場合、“インク−ブリーディング”挙動は明らかにより不良であることが判明した。ポリエチレンイミンまたはポリジシアンジアミドを使用することは、このカチオン性ポリマーを有する記録材料の高められた黄変傾向に基づき、不可能である。
【0027】
1:2〜1:6である、本発明によるインク定着剤−顔料比は、一方で、非常に低下する湿潤時の耐擦性により制限され、この場合この湿潤時の耐擦性はインク定着剤がより多量であり、インク定着剤−顔料比が1:2を超える場合にはもはや受容不可能であって、他方で、本発明によるインク定着剤−顔料比は一層不良になっている”インク−ブリーディング”挙動により制限され、この場合この”インク−ブリーディング”挙動は、インク定着剤がより少量であり、インク定着剤−顔料比が1:6を超える場合にはもはや確信をもって拒絶することは不可能である。
【0028】
本発明の基礎をなす一連の実験の結果に相応して、本願発明者らは、インク定着剤−顔料比が −インク受容層中の顔料およびインク定着剤の質量百分率に対して− 1:3以上1:5.5以下の範囲内にある場合、新規の記録材料の殊に良好な性質が存在することを見出し、その際、質量百分率は再度、インク受容層中に組み込まれている全てのインク定着剤かまたは全ての顔料に関するものである。
【0029】
本発明による記録材料のインク受容層は、結合剤と共結合剤とからの、10〜55質量%の範囲内の含量を含む。この場合、エチレンビニルアセテートの水性ポリマー分散液、および殊にスチレンブタジエンラテックス、ポリアクリレート、および部分的または完全に鹸化されたポリビニルアルコールの溶液が好ましいことが実証され、この場合これらは単独かまたは組み合わせて使用される。
【0030】
無機顔料として、殊に水酸化アルミニウムおよびシリカゲルおよび沈降珪酸が良好であることが実証された。この場合、この水酸化アルミニウムおよびシリカゲルおよび沈降珪酸は、それぞれアルミニウムまたは酸化アルミニウムで変性されて形成されていても、変性されずに形成されていてもよい。無機顔料からの顔料混合物も考え得る。
【0031】
インク受容層中のインク定着剤の全含量が5〜30質量%の範囲内、好ましくは5〜20質量%の範囲内にある場合に有利であることが判明し、その際、高い単位面積当たりの質量を有するインク受容層を塗布する場合、この全含量は、上記範囲内でどちらかというと下限が選択され得る傾向にある。これに限定されるものではないが、他の成分、例えば苛性ソーダ液、光沢剤および消泡剤は、必要に応じて添加され、かつインク受容層の5質量%までを構成し、その際、インク受容層中の個々の含量は100質量%まで補填される。
【0032】
要求の多様さに満足のいくように適合させるために、インク受容層の単位面積当たりの質量は過度に低く選択されるべきではなく、それというのも、さもなければ湿潤時の耐擦性の減少が強すぎ、かつまさに”インク−ブリーディング”はほとんど低減され得ないからである。上記に次いで、インク受容層の単位面積当たりの質量は何よりも経済的な観点から限定されている。
【0033】
多数の実験において、インク受容層は上下に配置されている2種の層で形成されており、その際、好ましい実施態様によれば、下層が支持体かまたは支持体上に塗工された配合体層と接着しており、その一方で上層が下層上に塗布されていることが有利であることが判明した。第1の層が4〜12g/m2、好ましくは6〜8g/m2の単位面積当たりの質量を有し、第2の層が2〜10g/m2、好ましくは4〜6g/m2の単位面積当たりの質量を有する場合に、殊に好ましい結果が達成され得る。第1および第2の層のために、本発明にとって本質的である成分の選択およびこれらの成分の互いの比に関して、殊に、好ましい実施態様においても原則的に同様の教示が適用される。この第1および第2の層は、この記載を引用すべき開示に相応して同じ助剤成分をも有する。
【0034】
インク受容層が単に単一の層で形成される場合、この層の単位面積当たりの質量は4〜15g/m2が好ましく、その際、殊に5〜10g/m2の範囲、極めて殊に7〜9g/m2の範囲が好ましい。
【0035】
支持体とインク受容層の単一の層との間か、または好ましい実施態様では支持体とインク受容層の第1の層との間に少なくとも1つの配合体層が配置されており、この場合この配合体層は好ましくは0.1〜2.0g/m2の範囲内の単位面積当たりの質量を有する。配合体層は単一のデンプン塗工体として形成されていてよい。
【0036】
殊に好ましい実施態様において、本発明による記録材料は、インク受容層を有する面の反対側に位置する面上に、インク受容層として、しかしながら単一のデンプン塗工体として形成されていてもよい裏面被覆体を含む。この裏面被覆体はまさにデンプン塗工体として良好な取扱い性を保証するために利用され、従ってインクジェットプリンタ中での搬送困難性に不自由な点はない。また、単一のデンプン塗工体を用いて、殊にオフセット印刷方式における改善された印刷適性を達成することも可能である。裏面被覆体として形成されたデンプン塗工体は、好ましくは0.1〜2.0g/m2の範囲内の単位面積当たりの質量を有する。殊に、支持体は巻取紙であることが好ましい。
【0037】
さらに本発明は、顔料をベースとする記録インクと記録材料とを用いた非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式にも関する。この場合、記録材料は支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを含み、その際、インク受容層はアミン−エピクロロヒドリン縮合物および顔料を含有し、その際、
・インク受容層は、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、かつ
・インク受容層中のインク定着剤の全量の少なくとも70質量%を構成し、
・顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径である無機顔料からなり、
・インク受容層の顔料含量は30〜70質量%であり、かつ
・インク定着剤−顔料比は1:2〜1:6の範囲内である。
【0038】
同様に、本発明は、顔料をベースとする記録インクと、上記の他の実施態様に相応して形成されていてよい本発明による記録材料とを用いた、非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式を含む。
【0039】
新規の方法は”ドロップ−オン−デマンド”プリンタを用いた新規の記録材料の印刷を意図するものであり、この場合、このプリンタはピエゾ効果か、または”バブルジェット”プリンタとして最小のインク小液滴を噴射するための電気的に制御された加熱要素を利用する。
【0040】
明細書および特許請求の範囲に記載された単位面積当たりの質量に関する記載は、別に記載がない限りGew.−%(質量%)およびGew.−Teilen(質量部)に関し、それぞれ”atro”−Gewicht、即ち絶対乾燥質量部に関する。略語”lutro”は空気乾燥を意味し、使用される場合には、このように符号を付けられた成分はこれらの成分の市販の供給形中に記載されることを意味する。
【0041】
以下の例および比較例により、本発明は十分に明確に説明される:
支持体の製造:
長網抄紙機上で、支持体として巻取紙を、漂白され粉砕された広葉樹および針葉樹のパルプから、通常の量の通常の添加物を添加しながら82g/m2の単位面積当たりの質量で製造する。巻取紙は表面に0.3g/m2のデンプン配合体を得ており、裏面に1g/m2のデンプン配合体を塗工する。
【0042】
本発明による例3、7および11並びに比較例1、2、4、5、6、8、9、10および12に関するインク受容層のための塗工体を製造するための基本処方:
容器中に、合計500質量部(lutro)に対して、常に攪拌しながら以下の成分を添加する:
【0043】
【表1】
【0044】
顔料として、以下の平均粒径および比内部表面積(spezifische innere Oberflaeche)の場合に1.2ml/gの細孔容積を有する、アルミニウム変性されていないシリカゲルを使用した:
【0045】
【表2】
【0046】
インク定着剤として、例ではそれぞれ以下の相違を有するアミン−エピクロロヒドリン縮合物を用意する:
−インク定着剤A:低分子、 非分枝鎖 (12mPa・s)
−インク定着剤B:中程度の分子、非分枝鎖 (36.5mPa・s)
−インク定着剤C:中程度の分子、分枝鎖 (35mPa・s)
−インク定着剤D:高分子、 非分枝鎖 (91mPa・s)
インク定着剤の上記一覧中のカッコ中にある数字は、10%水溶液としてのアミン−エピクロロヒドリン縮合物の粘性率を示し、この場合この粘性率は再度ブルックフィールド(スピンドル 1/100r.p.m./25℃)により測定されたものである。
【0047】
例および比較例:
異なる記録材料の12種の試料をインクジェット印刷方式のために製造した。
【0048】
それに加え、上記の基本処方に相応する12種の異なる塗工体を調合し、その際、導入された3種の顔料1、2および3のそれぞれをインク定着剤A、B、CおよびDとそれぞれ組み合わせる。インク受容層を形成するために、塗工体を、製造において上記された巻取紙上に塗工する。
【0049】
再度、”インク−ブリーディング”挙動の試験を行うために、Hewlett Packard社のHP−デザインジェット(DesignJet)2500CP型のインクジェットプリンタ(印刷モード:標準 色補正なし、印刷用紙:厚手コート紙)を、同製造者のUVインクを使用しながら使用する。それに加え、それぞれ12種の試料上に制御圧力を加え、試料の”インク−ブリーディング”挙動を目視により評価する。
【0050】
第1表では、本発明による例は”EB”で印付けられており、比較例は”VB”で印付けられている。認められた測定値および評価は第1表に記載されている:
【0051】
【表3】
【0052】
例1、5および9は確かに良好または満足のいく”インク−ブリーディング”挙動を有するが、しかしながら過度の臭気発生に基づき、使用不可能である。
【0053】
基本処方および例7によるインク受容層成分を基にしてインク定着剤−顔料比を変化させた。このように製造された試料は、この試料の”インク−ブリーディング”挙動と、塗工された印刷画像の湿潤時の耐擦性とに関して試験されるべきである。
【0054】
この湿潤時の耐擦性の試験のために、予め試料の”インク−ブリーディング”挙動を評価した印刷画像に水を滴下した。2秒の作用時間後、数回指で均一な圧力で画像を軽く擦る。この場合、印刷画像は可能な限り低い程度で文字が不鮮明になるべきであり、理想的にはおおむね文字が不鮮明にならないべきである。
【0055】
比較例13および本発明による例14のために、 −基本処方の500質量部(lutro)に対して− インク定着剤含量を低下させるために、より少量のインク定着剤と、従ってより多量の別の全ての成分を、常に攪拌しながら容器中に導入する。本発明による例15および比較例16のために、 −基本処方の500質量部(lutro)に対して− インク定着剤含量を増加させるために、より多量のインク定着剤と、従ってより少量の別の全ての成分を、常に攪拌しながら容器中に導入する。
【0056】
上記実施態様に相応して、引き続き試料を製造し、それぞれ制御圧力を加える。
【0057】
第2表は、調節されたインク定着剤−顔料比、および目視的に評価されたそれぞれの試料の”インク−ブリーディング”挙動、および塗工された印刷画像の湿潤時の耐擦性を示す。再度、本発明による例は”EB”で印付けられており、比較例は”VB”で印付けられている。
【0058】
【表4】
【0059】
本発明による例は、インクジェット印刷方式のための廉価な記録材料の提供が、本発明による記録材料を用いて満足のいくように成功することを殊に明確に具体的に示し、この場合この記録材料は、殊に顔料をベースとする記録インクを用いて印刷する際に、塗工されたインクの卓越した定着を保証し、従っていわゆる”インク−ブリーディング”を低減するものであり、これは比較例では示されていない。さらに本発明による例は、新規の記録材料が、塗工された印刷画像の受容可能な湿潤時の耐擦性を保証するのに対し、比較例はこれを保証することが不可能であることを示す。インクジェット印刷方式のための記録材料の有用性のための条件は、とりわけ過度に臭気が発生しないことであり、そのため比較例の一部は拒絶されるべきであり、かつ本発明による例のみがこの点をも満足させることが可能である。
Claims (6)
- 支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを有し、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および無機顔料を含有する、インクジェット印刷方式のための記録材料において、−インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、
−無機顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径で存在し、かつ
−インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内である
ことを特徴とする記録材料。 - インク定着剤−顔料比が1:3以上1:5.5以下の範囲内である、請求項1記載の記録材料。
- インク受容層の単位面積当たりの質量が4〜15g/m2である、請求項1または2記載の記録材料。
- インク受容層の単位面積当たりの質量が7〜9g/m2である、請求項1または2記載の記録材料。
- 支持体とインク受容層との間に少なくとも1種の中間相が配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の記録材料。
- 顔料をベースとする記録インク、および、支持体と、支持体の少なくとも1面に塗工されているインク受容層とを含む記録材料を用い、その際、インク受容層がアミン−エピクロロヒドリン縮合物および無機顔料を含有する、非連続的なインクジェット印刷方式による記録方式において、
−インク受容層が、中程度の分子の分枝鎖アミン−エピクロロヒドリン縮合物からなるインク定着剤を少なくとも1種含有し、
−無機顔料は、少なくとも80質量%までが6〜12μmの範囲内の粒径で存在し、かつ
−インク定着剤−顔料比が1:2〜1:6の範囲内である
ことを特徴とする記録方式。
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