JPH11277888A - インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙

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JPH11277888A
JPH11277888A JP10087221A JP8722198A JPH11277888A JP H11277888 A JPH11277888 A JP H11277888A JP 10087221 A JP10087221 A JP 10087221A JP 8722198 A JP8722198 A JP 8722198A JP H11277888 A JPH11277888 A JP H11277888A
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JP
Japan
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recording paper
ink jet
water resistance
jet recording
water
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JP10087221A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Kinoshita
裕貴 木下
Toshiaki Takahashi
俊章 高橋
Yoshio Yamada
理生 山田
Toshio Gensho
俊男 玄正
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nicca Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nicca Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録用紙上に記録される画像や文字などの耐水
性を向上し、かつインク滲みを減少することができるイ
ンクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェッ
ト記録用紙を提供する。 【解決手段】第2級アミンと2個以上のアミノ基を有す
るアミン化合物とエピハロヒドリンとを反応して得られ
る一般式[1]で表される構造単位及び一般式[2]で
表される構造単位を有するカチオン性樹脂を含有するイ
ンクジェット記録用紙用耐水性向上剤並びに該耐水性向
上剤をコーティングしてなるインクジェット記録用紙。
ただし、R1〜R2は炭素数1〜4のアルキル基又はベン
ジル基、R3〜R6は水素、炭素数1〜4のアルキル基又
はベンジル基、R7は炭素数1〜6のアルキレン基、フ
ェニレン基又は−[R8−NR10−R9]q−基であり、R8
〜R9は炭素数1〜4のアルキレン基、R10は水素、炭
素数1〜4のアルキル基又はベンジル基、X-はハロゲ
ンイオン、qは1〜4である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙に関
する。さらに詳しくは、本発明は、パルプ繊維に混合し
てスラリーとして抄造し、あるいは、普通紙や塗工紙に
含浸又はコーティングすることにより、記録用紙上に記
録される画像や文字などの耐水性を向上し、かつインク
滲みを減少することができるインクジェット記録用紙用
耐水性向上剤及び該耐水性向上剤をコーティングしてな
るインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式のプリンターは、ノ
ズルからインクをジェット状に噴射して印字するプリン
ターである。インクジェット記録は、印字が静かで、現
像定着などの工程がなく、記録装置が簡単で、普通紙や
塗工紙を使用することができ、しかも、カラー化が容易
で、自由に画像や文字図形の記録ができるという特徴を
有しており、今日急激な成長が見られ、その将来性が注
目されている。しかし、インクジェット記録用紙として
普通紙を用いた場合には、記録後の水の付着により染料
が滲み出るなどの問題が生じるので、一般には耐水性向
上剤が使用される。耐水性向上剤としては、例えば、ジ
シアンジアミド縮合物、ポリアミン、ポリエチレンイミ
ンなどのカチオン性樹脂が提案されているが、耐水性の
不足、色調の変色、白紙部分の黄変、インク滲みなどの
問題が生じており、これらの諸問題を解決するために種
々の試みがなされている。例えば、特開平6−9201
2号公報には、2級アミンとエピハロヒドリンとを反応
させて得られるカチオン性樹脂を少なくとも記録用紙表
面に含有するインクジェット記録用紙が提案されてい
る。しかし、このインクジェット記録用紙用も、なお耐
水性とインク滲み防止性が不足するので、色調の変色や
白紙部の黄変がなく、耐水性が良好でインク滲みのない
インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェ
ット記録用紙が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、普通紙や塗
工紙にコーティングすることにより、記録用紙上に記録
される画像や文字などの耐水性を向上し、かつインク滲
みを減少することができるインクジェット記録用紙用耐
水性向上剤及びインクジェット記録用紙を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、第2級アミンと
2個以上のアミノ基を有するアミン化合物とエピハロヒ
ドリンとの反応により容易に分子量の大きいカチオン性
樹脂を得ることができ、このカチオン性樹脂をコーティ
ングした記録用紙は、インクジェットプリンターにより
記録された印字の耐水性が良好で、かつインク滲みも生
じないことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、(1)第2級ア
ミンと2個以上のアミノ基を有するアミン化合物とエピ
ハロヒドリンとを反応して得られる一般式[1]で表さ
れる構造単位及び一般式[2]で表される構造単位を有
するカチオン性樹脂を含有することを特徴とするインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤、
【化3】 (ただし、式中、R1及びR2は炭素数1〜4のアルキル
基又はベンジル基であり、R1とR2は同一であっても異
なっていてもよく、X-はハロゲンイオンである。)
【化4】 (ただし、式中、R3、R4、R5及びR6は水素、炭素数
1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R3、R4
5、R6は同一であっても異なっていてもよく、R7
炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基又は−[R8
−NR10−R9]q−基であり、R8及びR9は炭素数1〜
4のアルキレン基であり、R8とR9は同一であっても異
なっていてもよく、R10は水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基又はベンジル基であり、X-はハロゲンイオンであ
り、qは1〜4である。)、(2)第2級アミンが、ジ
メチルアミンである第(1)項記載のインクジェット記録
用紙用耐水性向上剤、(3)2個以上のアミノ基を有す
るアミン化合物が、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、プロピレンジアミン、N,N,N',N'−テトラ
メチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチ
ルプロピレンジアミンである第(1)項記載のインクジェ
ット記録用紙用耐水性向上剤、及び、(4)第(1)項、
第(2)項又は第(3)項記載のインクジェット記録用紙用
耐水性向上剤をコーティングしてなることを特徴とする
インクジェット記録用紙、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤は、第2級アミンと2個以上のアミノ基
を有するアミン化合物とエピハロヒドリンとを反応して
得られる一般式[1]で表される構造単位及び一般式
[2]で表される構造単位を有するカチオン性樹脂を含
有するものである。
【化5】 一般式[1]において、R1及びR2は炭素数1〜4のア
ルキル基又はベンジル基であり、R1とR2は同一であっ
ても異なっていてもよく、X-はハロゲンイオンであ
る。
【化6】 一般式[2]において、R3、R4、R5及びR6は水素、
炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、
3、R4、R5、R6は同一であっても異なっていてもよ
い。また、R7は炭素数1〜6のアルキレン基、フェニ
レン基又は−[R8−NR10−R9]q−基であり、R8及び
9は炭素数1〜4のアルキレン基であり、R8とR9
同一であっても異なっていてもよく、R10は水素、炭素
数1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、X-はハ
ロゲンイオンであり、qは1〜4である。
【0006】本発明に用いる第2級アミンとしては、例
えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソ
ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−t−ブチ
ルアミン、ジベンジルアミン、メチルエチルアミン、メ
チルプロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルベン
ジルアミンなどを挙げることができる。これらの第2級
アミンは、1種を単独で用いることができ、あるいは2
種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中
で、ジメチルアミンを特に好適に使用することができ
る。本発明において、2個以上のアミノ基を有するアミ
ン化合物のアミノ基には、−NH2基のほかに、水素が
アルキル基又はアラルキル基により置換されたモノアル
キルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアラルキルア
ミノ基、ジアラルキルアミノ基などが含まれる。本発明
に使用する2個以上のアミノ基を有するアミン化合物と
しては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、
テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、
N,N,N',N'−テトラメチルメチレンジアミン、N,
N,N',N'−テトラエチルメチレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラベンジルメチレンジアミン、N,N−ジ
メチルエチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジ
アミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアミン、
N,N,N',N'−テトラプロピルエチレンジアミン、N,
N,N',N'−テトラブチルエチレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラベンジルエチレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラエチルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラプロピルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラブチルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラベンジルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラメチルブチレンジアミン、N,N,N',
N'−テトラエチルブチレンジアミン、N,N,N',N'−
テトラプロピルブチレンジアミン、N,N,N',N'−テ
トラブチルブチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラ
ベンジルブチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメ
チルフェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラエチ
ルフェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラプロピ
ルフェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラブチル
フェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラベンジル
フェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−
4−アザヘプタン−1,7−ジアミン、N,N,N',N'−
テトラメチル−4−アザ−4−メチルヘプタン−1,7
−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−4−アザ
−4−エチルヘプタン−1,7−ジアミン、N,N,N',
N'−テトラメチル−4−アザ−4−プロピルヘプタン
−1,7−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−4
−アザ−4−ブチルヘプタン−1,7−ジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチル−4−アザ−4−ベンジルペ
ンタン−1,7−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチ
ル−5−アザノナン−1,9−ジアミン、N,N,N',N'
−テトラメチル−5−アザ−5−メチルノナン−1,9
−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−5−アザ
−5−エチルノナン−1,9−ジアミン、N,N,N',N'
−テトラメチル−5−アザ−5−プロピルノナン−1,
9−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−5−ア
ザ−5−ブチルノナン−1,9−ジアミン、N,N,N',
N'−テトラメチル−5−アザ−5−ベンジルノナン−
1,9−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,
6−ジアザオクタン−1,8−ジアミン、N,N,N',N'
−テトラメチル−3,6−ジアザ−3,6−ジメチルオク
タン−1,8−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル
−3,6−ジアザ−3,6−ジエチルオクタン−1,8−
ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6−ジア
ザ−3,6−ジプロピルオクタン−1,8−ジアミン、
N,N,N',N'−テトラメチル−3,6−ジアザ−3,6
−ジブチルオクタン−1,8−ジアミン、N,N,N',N'
−テトラメチル−3,6−ジアザ−3,6−ジベンジルオ
クタン−1,8−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチ
ル−3,6,9−トリアザウンデカン−1,11−ジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,9−トリア
ザ−3,6,9−トリメチルウンデカン−1,11−ジア
ミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,9−トリ
アザ−3,6,9−トリエチルウンデカン−1,11−ジ
アミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,9−ト
リアザ−3,6,9−トリプロピルウンデカン−1,11
−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,9
−トリアザ−3,6,9−トリブチルウンデカン−1,1
1−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,
9−トリアザ−3,6,9−トリベンジルウンデカン−
1,11−ジアミンなどを挙げることができる。これら
の2個以上のアミノ基を有するアミン化合物は、1種を
単独で用いることができ、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。これらの中で、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、
N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチルプロピレンジアミンを好適に
使用することができる。
【0007】本発明に用いるエピハロヒドリンに特に制
限はなく、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒ
ドリン、エピヨードヒドリンなどを挙げることができ
る。これらのエピハロヒドリンは、1種を単独で用いる
ことができ、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
ともできる。これらの中で、エピクロロヒドリンを特に
好適に使用することができる。本発明のインクジェット
記録用紙用耐水性向上剤に用いられるカチオン性樹脂
は、第2級アミンとエピハロヒドリンとの反応により生
成する一般式[1]で表される構造単位及び2個以上の
アミノ基を有するアミン化合物とエピハロヒドリンとの
反応により生成する一般式[2]で表される構造単位を
有するものである。カチオン性樹脂において、一般式
[1]で表される構造単位と一般式[2]で表される構
造単位の配列に特に制限はなく、例えば、一般式[1]
で表される構造単位と一般式[2]で示される構造単位
が完全にランダム状に配列したカチオン性樹脂とするこ
とができ、一般式[1]で表される構造単位と一般式
[2]で表される構造単位がブロック状に配列したカチ
オン性樹脂とすることもでき、あるいは、一般式[1]
で表される構造単位の一部と一般式[2]で表される構
造単位の一部がブロック状に配列し、残余の構造単位が
ランダム状に配列したカチオン性樹脂とすることもでき
る。
【0008】本発明に用いるカチオン性樹脂において、
末端基の構造に特に制限はなく、例えば、アミノ基、イ
ミノ基、第3級アミン構造、グリシジル基、ジヒドロキ
シプロピル基などを末端基とすることができる。樹脂の
両末端基は、同一であってもよく、異なっていてもよ
い。末端基がアミノ基、イミノ基又は第3級アミン構造
である場合は、無機酸又は有機酸で塩を形成し、あるい
は、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、ジア
ルキル硫酸、アルキレンオキサイドなどにより第3級ア
ミン構造を4級化することができる。無機酸としては、
例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などを挙げることが
できる。有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、乳酸、
リンゴ酸、クエン酸などを挙げることができる。ハロゲ
ン化アルキルとしては、例えば、塩化メチル、臭化メチ
ル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エ
チル、塩化プロピル、臭化プロピル、ヨウ化プロピル、
塩化イソプロピル、臭化イソプロピル、ヨウ化イソプロ
ピル、塩化ブチル、臭化ブチル、ヨウ化ブチルなどを挙
げることができる。ハロゲン化アラルキルとしては、例
えば、塩化ベンジル、p−クロロ塩化ベンジルなどを挙
げることができる。ジアルキル硫酸としては、例えば、
ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などを挙げることができ
る。アルキレンオキサイドなどとしては、例えば、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリンなど
を挙げることができる。
【0009】本発明に用いるカチオン性樹脂の製造方法
に特に制限はなく、例えば、第2級アミンと2個以上の
アミノ基を有するアミン化合物を同時に反応器に仕込
み、エピハロヒドリンを滴下することにより反応するこ
とができ、第2級アミンとエピハロヒドリンの一部を反
応したのち、さらに2個以上のアミノ基を有する化合物
と残余のエピハロヒドリンを加えて反応を続けることも
でき、あるいは、第2級アミンと2個以上のアミノ基を
有するアミン化合物の一部とエピハロヒドリンの一部を
反応したのち、さらに残余の2個以上のアミノ基を有す
るアミン化合物とエピハロヒドリンを加えて反応を続け
ることもできる。反応に用いる第2級アミンと2個以上
のアミノ基を有するアミン化合物の合計量と、エピハロ
ヒドリンの量は、ほぼ当量であることが好ましい。第2
級アミンと2個以上のアミノ基を有するアミン化合物と
エピハロヒドリンとの反応は、必要に応じて、水又は有
機溶剤を添加して行い、反応速度や反応系の粘度を制御
することができる。反応系に添加する有機溶剤として
は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コールなどのアルコール、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドンなどの窒素系溶剤、ジメチル
スルホキシドなどを挙げることができる。反応系に添加
した有機溶剤は、反応終了後に蒸留などの手段により除
去することができる。第2級アミンと2個以上のアミノ
基を有するアミン化合物とエピハロヒドリンとを反応す
る条件に特に制限はなく、例えば、30〜90℃、好ま
しくは50〜70℃において、1〜8時間反応すること
ができる。
【0010】本発明に使用するカチオン性樹脂の分子量
に特に制限はないが、20重量%水溶液について、30
℃において、B型粘度計を用いて測定した粘度が、50
〜500mPa・sであることが好ましい。20重量%
水溶液について、30℃において測定した粘度が50m
Pa・s未満であると、耐水性向上効果が十分に発現し
ないおそれがある。20重量%水溶液について、30℃
で測定した粘度が500mPa・sを超えると、粘度が
高くなりすぎて、コーティングなどの作業性が低下する
おそれがある。本発明のインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤の形態に特に制限はなく、例えば、一般式
[1]で表される主鎖構造単位及び一般式[2]で表さ
れる主鎖構造単位を有するカチオン性樹脂、又は、一般
式[1]で表される主鎖構造単位、一般式[2]で表さ
れる主鎖構造単位及び一般式[3]で表される末端基構
造単位を有するカチオン性樹脂を、水系媒体に溶解した
形態とすることができる。使用する水系媒体に特に制限
はなく、例えば、水に極性有機溶剤を添加した媒体など
とすることができる。添加する極性溶剤としては、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコー
ル、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチ
ルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシ
ルアルコールなどのアルコール、フェノール、クレゾー
ルなどのフェノール類、3−メチル−3−メトキシブタ
ノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテ
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコー
ルなどを挙げることができる。水系媒体に極性有機溶剤
を含有せしめることにより、インクジェット記録用紙用
耐水性向上剤の安定性を向上することができる。
【0011】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤には、必要に応じて、公知のバインダー、無機顔
料、有機顔料などを配合することができる。バインダー
としては、例えば、酸化デンプン、ポリビニルアルコー
ルなどを挙げることができる。無機顔料としては、例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン(白土)、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホ
ワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リト
ポンなどを挙げることができる。有機顔料としては、例
えば、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系
プラスチックピグメント、尿素樹脂顔料などを挙げるこ
とができる。本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤の使用方法には特に制限はなく、例えば、紙料の
調成時に混合チェストにおいてリファイニングを終了し
たパルプに対して、填料、薬品、染料などとともにイン
クジェット記録用紙用耐水性向上剤を添加し、抄紙する
ことができる。使用するパルプ繊維は、通常用いられる
木材パルプを主体とするが、他に合成パルプ、合成繊
維、ガラス繊維などの繊維状物質を併用することもでき
る。また、本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤を含有する処理浴を調製し、普通紙や塗工紙を含浸
させたのち、普通紙や塗工紙の表裏部の余分な含浸液を
サイズプレスなどにより取り除き、乾燥することができ
る。さらに、本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を、普通紙や塗工紙にコーティングすることもで
きる。これらの方法の中で、インクジェット記録用紙用
耐水性向上剤をコーティングする方法は、工程管理が容
易であり、多品種少量生産にも対応することができ、カ
チオン性樹脂を紙の表層部分のみに存在させて有効に活
用することができるので、特に好適に実施することがで
きる。本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
をコーティングする場合、その塗工量はカチオン性樹脂
として0.1〜10.0g/m2であることが好ましく、
0.2〜5.0g/m2であることがより好ましい。本発
明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤をコーティ
ングする方法には特に制限はなく、例えば、エアナイフ
コーター、ロールコーター、ブレードコーター、バーコ
ーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、
グラビアコーターなどにより普通紙や塗工紙にコーティ
ングし、乾燥することができる。
【0012】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤の使用に際しては、染色媒染剤、消泡剤、分散
剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤、水溶性樹
脂、接着剤などを併用することができる。染色媒染剤と
しては、例えば、ジシアンジアミド縮合物、ポリアミ
ン、ポリエチレンイミンなどを挙げることができる。ま
た、水溶性樹脂及び接着剤としては、例えば、酸化デン
プン、エーテル化デンプン、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコ
ール及びその誘導体、無水マレイン酸樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン共重合体などの共役ジエン系重合体ラッテクス、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体又は共
重合体などのアクリル系重合体ラッテクス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラッテクス、
メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂の水性接着
剤、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの熱可
塑性樹脂などを挙げることができる。なお、普通紙と
は、一般に使用される酸性紙又は中性紙であり、塗工紙
とは、バインダー、無機顔料、有機顔料などを塗工した
コーティング紙である。本発明のインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤で処理したインクジェット記録用紙に
水性インクで記録すると、水性インク中の染料とインク
ジェット記録用紙中のカチオン性樹脂が結合し、染料の
溶出が防止され、耐水性が向上するものと考えられる。
カチオン性樹脂において、第2級アミン及び2個以上の
アミノ基を有するアミン化合物の疎水性部と、基本骨格
中の親水性部を調整することにより、耐水性を向上する
ことができる。使用する水性インクは、染料としてアニ
オン性直接染料又は酸性染料を含有し、その他に湿潤
剤、染料溶解剤、防腐剤などを含有するものであること
が好ましい。
【0013】水性インクに使用されるアニオン性直接染
料としては、例えば、C.I.Direct Black
2、4、9、11、14、17、19、22、27、3
2、36、38、41、48、49、51、56、6
2、71、74、75、77、78、80、105、1
06、107、108、112、113、117、13
2、146、154、194、C.I.Direct Y
ellow 1、2、4、8、11、12、24、2
5、26、27、28、33、34、39、41、4
2、44、48、50、51、58、72、85、8
6、87、88、98、100、110、C.I.Dir
ect Orange 3、8、10、26、29、3
9、41、49、51、102、C.I.Direct
Red 1、2、4、8、9、11、13、17、1
8、20、23、24、28、31、33、37、3
9、44、46、47、48、51、59、62、6
3、73、75、77、80、81、83、84、8
5、90、94、99、101、108、110、14
5、189、197、220、224、225、22
6、227、230、C.I.Direct Viole
t 1、7、9、12、35、48、51、90、9
4、C.I.Direct Blue 1、2、6、8、1
5、22、25、34、69、70、71、72、7
5、76、78、80、81、82、83、86、9
0、98、106、108、110、120、123、
158、163、165、192、193、194、1
95、196、199、200、201、202、20
3、207、218、236、237、239、24
6、258、C.I.Direct Green 1、6、
8、28、33、37、63、64、C.I.Direc
t Brown 1、2、6、25、27、44、58、
95、100、101、106、112、173、19
4、195、209、210、211などを挙げること
ができる。
【0014】また、酸性染料としては、例えば、C.I.
Acid Black 1、2、7、15、17、24、
26、28、31、41、48、52、60、63、9
4、107、109、112、118、119、12
1、122、131、155、156、C.I.Acid
Yellow 1、3、4、7、11、12、13、1
4、17、18、19、23、25、29、34、3
6、38、40、41、42、44、49、53、5
5、59、61、71、72、76、78、99、11
1、114、116、122、135、161、17
2、C.I.Acid Orange 7、8、10、3
3、56、64、C.I.Acid Red 1、4、6、
8、13、14、15、18、19、21、26、2
7、30、32、34、35、37、40、42、5
1、52、54、57、80、82、83、85、8
7、88、89、92、94、97、106、108、
110、115、119、129、131、133、1
34、135、154、155、172、176、18
0、184、186、187、249、254、25
6、317、318、C.I.Acid Violet
7、11、15、34、35、41、43、49、7
5、C.I.Acid Blue 1、7、9、22、2
3、25、27、29、40、41、43、45、4
9、51、53、55、56、59、62、78、8
0、81、83、90、92、93、102、104、
111、113、117、120、124、126、1
45、167、171、175、183、229、23
4、236、C.I.Acid Green 3、12、1
9、27、41、C.I.Acid Brown 4、14
などを挙げることができる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、インクジェット記録用紙用耐水性向上剤の評価は下
記の方法により行った。 (1)インクジェット記録用紙の作製 インクジェット記録用紙用耐水性向上剤を水で希釈して
不揮発分2.6重量%の水溶液とし、JIS P 310
1に規定される坪量64g/m2の印刷用紙Aに 、バー
コーターを用いて19.2g/m2塗工し乾燥することに
より、カチオン性樹脂0.5g/m2でコーティングされ
たインクジェット記録用紙を作製する。 (2)耐水性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[エプソン(株)、MJ−700V2C]を用いて、黒色
(Black)、シアン(Cyan)、マゼンタ(Ma
genta)及び黄色(Yellow)の各単色をベタ
印刷し、1時間放置したのち流水に5分間浸漬し、印字
部分の変化を目視で観察して、下記の基準により評価す
る。 ○:印字部分が、水で流されたり、滲んだりしない。 △:印字部分が、やや滲む。 ×:印字部分が、明らかに水で流され、滲む。 (3)インク滲み防止性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[エプソン(株)、MJ−700V2C]を用いて、黒色
単色をドット印字し、倍率50倍のルーペを用いてドッ
ト部分を観察し、下記の基準により評価する。 ○:滲みがない。 △:やや滲みがある。 ×:明らかに滲みがある。
【0016】実施例1 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、エチレンジアミン30.0g及び水74.0
gを仕込み、エピクロロヒドリン92.5gを、40℃
で2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃で2時
間、次いで70℃で3時間反応し、水483.5gを加
えて固形分を20重量%に調整し、カチオン性樹脂水溶
液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲
み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び
黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流さ
れたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単色
をドット印字したドット部分には、滲みは認められなか
った。 実施例2 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、ジエチレントリアミン51.5g及び水8
8.0gを仕込み、エピクロロヒドリン92.5gを、4
0℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃で2
時間、次いで70℃で3時間反応し、水555.5gを
加えて固形分を20重量%に調整し、カチオン性樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及
び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流
されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単
色をドット印字したドット部分には、滲みは認められな
かった。 実施例3 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、トリエチレンテトラミン73.0g及び水1
03.0gを仕込み、エピクロロヒドリン92.5gを、
40℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃で
2時間、次いで70℃で3時間反応し、水626.5g
を加えて固形分を20重量%に調整し、カチオン性樹脂
水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とイン
ク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ
及び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で
流されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色
単色をドット印字したドット部分には、滲みは認められ
なかった。
【0017】実施例4 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、テトラエチレンペンタミン94.5g及び水
117.0gを仕込み、エピクロロヒドリン92.5g
を、40℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、40
℃で2時間、次いで70℃で3時間反応し、水698.
5gを加えて固形分を20重量%に調整し、カチオン性
樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上
剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性と
インク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼ
ンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、
水で流されたり、滲んだりすることはなかった。また、
黒色単色をドット印字したドット部分には、滲みは認め
られなかった。 実施例5 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、プロピレンジアミン37.0g及び水79.
0gを仕込み、エピクロロヒドリン92.5gを、40
℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃で2時
間、次いで70℃で3時間反応し、水506.5gを加
えて固形分を20重量%に調整し、カチオン性樹脂水溶
液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲
み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び
黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流さ
れたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単色
をドット印字したドット部分には、滲みは認められなか
った。 実施例6 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジア
ミン58.0g及び水93.0gを仕込み、エピクロロヒ
ドリン92.5gを、40℃で2時間かけて滴下した。
滴下終了後、40℃で2時間、次いで70℃で3時間反
応し、水576.5gを加えて固形分を20重量%に調
整し、カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記録
用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を
作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒
色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色について
も、印字部分が、水で流されたり、滲んだりすることは
なかった。また、黒色単色をドット印字したドット部分
には、滲みは認められなかった。
【0018】実施例7 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、N,N,N',N'−テトラメチルプロピレンジ
アミン65.0g及び水97.5gを仕込み、エピクロロ
ヒドリン92.5gを、40℃で2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、40℃で2時間、次いで70℃で3時
間反応し、水600.0gを加えて固形分を20重量%
に調整し、カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット
記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用
紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行っ
た。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色に
ついても、印字部分が、水で流されたり、滲んだりする
ことはなかった。また、黒色単色をドット印字したドッ
ト部分には、滲みは認められなかった。 実施例8 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g及び水93.0gを仕込み、エピクロロヒドリ
ン45.8gを、40℃で2時間かけて滴下し、滴下終
了後、40℃で1時間、次いで70℃で2時間反応し
た。反応混合物を40℃に冷却して、N,N,N',N'−
テトラメチルエチレンジアミン58.0gを添加し、エ
ピクロロヒドリン45.8gを、40℃で2時間かけて
滴下した。滴下終了後、40℃で1時間、次いで70℃
で2時間反応し、水572.9gを加えて固形分を20
重量%に調整し、カチオン性樹脂水溶液からなるインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジ
ェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット
記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を
行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単
色についても、印字部分が、水で流されたり、滲んだり
することはなかった。また、黒色単色をドット印字した
ドット部分には、滲みは認められなかった。 実施例9 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジア
ミン29.0g及び水93.0gを仕込み、エピクロロヒ
ドリン45.8gを、40℃で2時間かけて滴下し、滴
下終了後、40℃で1時間、次いで70℃で2時間反応
した。反応混合物を40℃に冷却して、N,N,N',N'
−テトラメチルエチレンジアミン29.0gを添加し、
エピクロロヒドリン45.8gを、40℃で2時間かけ
て滴下した。滴下終了後、40℃で1時間、次いで70
℃で2時間反応し、水572.9gを加えて固形分を2
0重量%に調整し、カチオン性樹脂水溶液からなるイン
クジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェッ
ト記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価
を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの
単色についても、印字部分が、水で流されたり、滲んだ
りすることはなかった。また、黒色単色をドット印字し
たドット部分には、滲みは認められなかった。
【0019】実施例10 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、エチレンジアミン15.0g、N,N,N',
N'−テトラメチルエチレンジアミン29.0g及び水8
3.5gを仕込み、エピクロロヒドリン92.5gを、4
0℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃で2
時間、次いで70℃で3時間反応し、水530.0gを
加えて固形分を20重量%に調整し、カチオン性樹脂水
溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
得た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用
いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク
滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及
び黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流
されたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単
色をドット印字したドット部分には、滲みは認められな
かった。 実施例11 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g及び水83.5gを仕込み、エピクロロヒドリ
ン46.3gを、40℃で2時間かけて滴下し、滴下終
了後、40℃で2時間、次いで70℃で3時間反応し
た。反応混合物を40℃に冷却して、エチレンジアミン
15.0g及びN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジ
アミン29.0gを添加し、エピクロロヒドリン46.3
gを、40℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、4
0℃で2時間、次いで70℃で3時間反応し、水53
0.4gを加えて固形分を20重量%に調整し、カチオ
ン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水
性とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、
マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字部分
が、水で流されたり、滲んだりすることはなかった。ま
た、黒色単色をドット印字したドット部分には、滲みは
認められなかった。 実施例12 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジア
ミン60.0g及び水96.0gを仕込み、エピクロロヒ
ドリン92.5gを、40℃で2時間かけて滴下した。
滴下終了後、40℃で2時間、次いで70℃で3時間反
応した。反応終了後、ジメチル硫酸2.5gを添加し
て、70℃で2時間反応し、さらに水591.5gを加
えて固形分を20重量%に調整し、カチオン性樹脂水溶
液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲
み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び
黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流さ
れたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単色
をドット印字したドット部分には、滲みは認められなか
った。
【0020】実施例13 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g、ジエチレントリアミン27.0g、N,N,
N',N'−テトラメチルエチレンジアミン30.0g及び
水93.5gを仕込み、エピクロロヒドリン92.5g
を、40℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、40
℃で2時間、次いで70℃で3時間反応した。反応終了
後、硫酸2.0gを添加して70℃で2時間反応し、さ
らに水580.0gを加えて固形分を20重量%に調整
し、カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録
用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作
製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒
色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色について
も、印字部分が、水で流されたり、滲んだりすることは
なかった。また、黒色単色をドット印字したドット部分
には、滲みは認められなかった。 実施例14 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
45.0g及び水93.5gを仕込み、エピクロロヒドリ
ン46.3gを、40℃で2時間かけて滴下し、滴下終
了後、40℃で2時間、次いで70℃で3時間反応し
た。反応混合物にジエチレントリアミン27.0g及び
N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン30.0
gを添加して、エピクロロヒドリン46.3gを、40
℃で2時間かけて滴下し、滴下終了後、40℃で2時
間、次いで70℃で3時間反応した。反応終了後、ジメ
チル硫酸2.0gを添加して、70℃で2時間反応し、
さらに水580.4gを加えて固形分を20重量%に調
整し、カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記録
用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を
作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒
色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色について
も、印字部分が、水で流されたり、滲んだりすることは
なかった。また、黒色単色をドット印字したドット部分
には、滲みは認められなかった。 実施例15 実施例1の20重量%カチオン性樹脂水溶液と実施例6
の20重量%カチオン性樹脂水溶液を重量比1:1で混
合して、インクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲
み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び
黄色のいずれの単色についても、印字部分が、水で流さ
れたり、滲んだりすることはなかった。また、黒色単色
をドット印字したドット部分には、滲みは認められなか
った。 比較例1 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
125.0gを仕込み、エピクロロヒドリン128.6g
を30℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後、80℃で
5時間反応した。反応終了後、水701.9gを加え
て、20重量%カチオン性樹脂水溶液からなるインクジ
ェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェ
ット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記
録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行
った。黒色及びマゼンタの単色については、印字部分
が、水で流されたり、滲んだりすることはなかったが、
シアン及び黄色の単色については、印字部分がやや滲ん
でいた。また、黒色単色をドット印字したドット部分
に、やや滲みが認められた。 比較例2 一般式[1]で表される構造を有するカチオン性樹脂の
代わりに、ポリエチレンイミン(分子量1,200)を
使用して、インクジェット記録用紙を作製し、耐水性と
インク滲み防止性の評価を行った。黒色及びマゼンタの
単色については、印字部分がやや滲み、シアン及び黄色
の単色については、印字部分が明らかに水で流され、滲
んでいた。また、黒色単色をドット印刷したドット部分
には、明らかに滲みが認められた。実施例1〜15及び
比較例1〜2の原料組成及び耐水性とインク滲み防止性
の評価結果を第1表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】第1表の結果から明らかなように、実施例
1〜15の本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤をコーティングして作製したインクジェット記録用
紙は、いずれのインクに対しても優れた耐水性を有し、
また、インク滲み防止性にも優れている。これに対し
て、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンから合成され
たカチオン性樹脂を用いて作製した比較例1のインクジ
ェット記録用紙は、耐水性及びインク滲み防止性にやや
劣り、また、従来よりインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤として使用されているポリエチレンイミンを用い
て作製した比較例2のインクジェット記録用紙は、耐水
性及びインク滲み防止性にさらに劣っている。
【0026】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤をコーティングすることにより、インクジェッ
トプリンターを用いて記録される画像や文字の耐水性を
向上させ、インク滲みのない優れた画質のイメージの記
録が可能なインクジェット記録用紙を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玄正 俊男 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第2級アミンと2個以上のアミノ基を有す
    るアミン化合物とエピハロヒドリンとを反応して得られ
    る一般式[1]で表される構造単位及び一般式[2]で
    表される構造単位を有するカチオン性樹脂を含有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録用紙用耐水性向上
    剤。 【化1】 (ただし、式中、R1及びR2は炭素数1〜4のアルキル
    基又はベンジル基であり、R1とR2は同一であっても異
    なっていてもよく、X-はハロゲンイオンである。) 【化2】 (ただし、式中、R3、R4、R5及びR6は水素、炭素数
    1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R3、R4
    5、R6は同一であっても異なっていてもよく、R7
    炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基又は−[R8
    −NR10−R9]q−基であり、R8及びR9は炭素数1〜
    4のアルキレン基であり、R8とR9は同一であっても異
    なっていてもよく、R10は水素、炭素数1〜4のアルキ
    ル基又はベンジル基であり、X-はハロゲンイオンであ
    り、qは1〜4である。)
  2. 【請求項2】第2級アミンが、ジメチルアミンである請
    求項1記載のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤。
  3. 【請求項3】2個以上のアミノ基を有するアミン化合物
    が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
    チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピ
    レンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレン
    ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルプロピレンジ
    アミンである請求項1記載のインクジェット記録用紙用
    耐水性向上剤。
  4. 【請求項4】請求項1、請求項2又は請求項3記載のイ
    ンクジェット記録用紙用耐水性向上剤をコーティングし
    てなることを特徴とするインクジェット記録用紙。
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