JPH11277887A - インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙

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JPH11277887A
JPH11277887A JP10087220A JP8722098A JPH11277887A JP H11277887 A JPH11277887 A JP H11277887A JP 10087220 A JP10087220 A JP 10087220A JP 8722098 A JP8722098 A JP 8722098A JP H11277887 A JPH11277887 A JP H11277887A
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JP
Japan
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recording paper
ink jet
jet recording
water resistance
water
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JP10087220A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Kinoshita
裕貴 木下
Toshiaki Takahashi
俊章 高橋
Yoshio Yamada
理生 山田
Toshio Gensho
俊男 玄正
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nicca Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nicca Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録用紙上に記録される画像や文字などの耐水
性を向上し、かつインク滲みを減少することができるイ
ンクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェッ
ト記録用紙を提供する。 【解決手段】2個以上のアミノ基を有するアミン化合物
とエピハロヒドリンとを反応して得られる一般式[1]
で表される構造を有するカチオン性樹脂を含有すること
を特徴とするインクジェット記録用紙用耐水性向上剤、
及び、該耐水性向上剤をコーティングしてなるインクジ
ェット記録用紙。ただし、R1〜R4は水素、炭素数1〜
4のアルキル基又はベンジル基であり、R5は炭素数1
〜6のアルキレン基、フェニレン基又は−[R6−N
(R8)−R7]m−基であり、R6及びR7は炭素数1〜4の
アルキレン基又はフェニレン基であり、R8は水素、炭
素数1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、mは1
〜4であり、X-はハロゲンイオンであり、nは3〜3
00である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙に関
する。さらに詳しくは、本発明は、パルプ繊維に混合し
てスラリーとして抄造し、あるいは、普通紙や塗工紙に
含浸又はコーティングすることにより、記録用紙上に記
録される画像や文字などの耐水性を向上し、かつインク
滲みを減少することができるインクジェット記録用紙用
耐水性向上剤及び該耐水性向上剤をコーティングしてな
るインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式のプリンターは、ノ
ズルからインクをジェット状に噴射して印字するプリン
ターである。インクジェット記録は、印字が静かで、現
像定着などの工程がなく、記録装置が簡単で、普通紙や
塗工紙を使用することができ、しかも、カラー化が容易
で、自由に画像や文字図形の記録ができるという特徴を
有しており、今日急激な成長が見られ、その将来性が注
目されている。しかし、インクジェット記録用紙として
普通紙を用いた場合には、記録後の水の付着により染料
が滲み出るなどの問題が生じるので、一般には耐水性向
上剤が使用される。耐水性向上剤としては、例えば、ジ
シアンジアミド縮合物、ポリアミン、ポリエチレンイミ
ンなどのカチオン性樹脂が提案されているが、耐水性の
不足、色調の変色、白紙部分の黄変、インク滲みなどの
問題が生じており、これらの諸問題を解決するために種
々の試みがなされている。例えば、特開平6−9201
2号公報には、2級アミンとエピハロヒドリンとを反応
させて得られるカチオン性樹脂を少なくとも記録用紙表
面に含有するインクジェット記録用紙が提案されてい
る。しかし、このインクジェット記録用紙用も、なお耐
水性とインク滲み防止性が不足するので、色調の変色や
白紙部の黄変がなく、耐水性が良好でインク滲みのない
インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェ
ット記録用紙が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、普通紙や塗
工紙にコーティングすることにより、記録用紙上に記録
される画像や文字などの耐水性を向上し、かつインク滲
みを減少することができるインクジェット記録用紙用耐
水性向上剤及びインクジェット記録用紙を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、2個以上のアミ
ノ基を有するアミン化合物とエピハロヒドリンの反応に
より容易に分子量の大きいカチオン性樹脂を得ることが
でき、このカチオン性樹脂をコーティングした記録用紙
は、インクジェットプリンターにより記録された印字の
耐水性が良好で、かつインク滲みも生じないことを見い
だし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)2個以上のアミノ基を有す
るアミン化合物とエピハロヒドリンとを反応して得られ
る一般式[1]で表される構造を有するカチオン性樹脂
を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙用
耐水性向上剤、
【化2】 (ただし、式中、R1、R2、R3及びR4は水素、炭素数
1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R1、R2
3、R4は同一であっても異なっていてもよく、R5
炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基又は−[R6
−N(R8)−R7]m−基であり、R6及びR7は炭素数1〜
4のアルキレン基又はフェニレン基であり、R6とR7
同一であっても異なっていてもよく、R8は水素、炭素
数1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、mは1〜
4であり、X-はハロゲンイオンであり、nは3〜30
0である。)、(2)2個以上のアミノ基を有するアミ
ン化合物が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、プロピレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチ
ルエチレンジアミン又はN,N,N',N'−テトラメチル
プロピレンジアミンである第(1)項記載のインクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤、及び、(3)第(1)項又は
第(2)項記載のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
をコーティングしてなることを特徴とするインクジェッ
ト記録用紙、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤は、2個以上のアミノ基を有するアミン
化合物とエピハロヒドリンを反応して得られる一般式
[1]で表される構造を有するカチオン性樹脂を含有す
るものである。
【化3】 一般式[1]において、R1、R2、R3及びR4は水素、
炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、
1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていてもよ
い。R5は炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基
又は−[R6−N(R8)−R7]m−基であり、R6及びR7
炭素数1〜4のアルキレン基又はフェニレン基であり、
6とR7は同一であっても異なっていてもよく、R8
水素、炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基であ
り、mは1〜4であり、X-はハロゲンイオンであり、
nは3〜300である。
【0006】本発明において、2個以上のアミノ基を有
するアミン化合物のアミノ基には、−NH2基のほか
に、水素がアルキル基又はアラルキル基により置換され
たモノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノア
ラルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基などが含まれ
る。本発明に使用する2個以上のアミノ基を有するアミ
ン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、プロピレンジアミン、ジプロピレント
リアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、N,N,N',N'−テトラメチルメチレンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラエチルメチレンジアミン、
N,N,N',N'−テトラベンジルメチレンジアミン、N,
N−ジメチルエチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチ
レンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレン
ジアミン、N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジア
ミン、N,N,N',N'−テトラプロピルエチレンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラブチルエチレンジアミン、
N,N,N',N'−テトラベンジルエチレンジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラエチルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラプロピルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラブチルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラベンジルプロピレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラメチルブチレンジアミン、N,N,N',
N'−テトラエチルブチレンジアミン、N,N,N',N'−
テトラプロピルブチレンジアミン、N,N,N',N'−テ
トラブチルブチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラ
ベンジルブチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメ
チルフェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラエチ
ルフェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラプロピ
ルフェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラブチル
フェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラベンジル
フェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−
4−アザヘプタン−1,7−ジアミン、N,N,N',N'−
テトラメチル−4−アザ−4−メチルヘプタン−1,7
−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−4−アザ
−4−エチルヘプタン−1,7−ジアミン、N,N,N',
N'−テトラメチル−4−アザ−4−プロピルヘプタン
−1,7−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−4
−アザ−4−ブチルヘプタン−1,7−ジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチル−4−アザ−4−ベンジルペ
ンタン−1,7−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチ
ル−5−アザノナン−1,9−ジアミン、N,N,N',N'
−テトラメチル−5−アザ−5−メチルノナン−1,9
−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−5−アザ
−5−エチルノナン−1,9−ジアミン、N,N,N',N'
−テトラメチル−5−アザ−5−プロピルノナン−1,
9−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−5−ア
ザ−5−ブチルノナン−1,9−ジアミン、N,N,N',
N'−テトラメチル−5−アザ−5−ベンジルノナン−
1,9−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,
6−ジアザオクタン−1,8−ジアミン、N,N,N',N'
−テトラメチル−3,6−ジアザ−3,6−ジメチルオク
タン−1,8−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル
−3,6−ジアザ−3,6−ジエチルオクタン−1,8−
ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6−ジア
ザ−3,6−ジプロピルオクタン−1,8−ジアミン、
N,N,N',N'−テトラメチル−3,6−ジアザ−3,6
−ジブチルオクタン−1,8−ジアミン、N,N,N',N'
−テトラメチル−3,6−ジアザ−3,6−ジベンジルオ
クタン−1,8−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチ
ル−3,6,9−トリアザウンデカン−1,11−ジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,9−トリア
ザ−3,6,9−トリメチルウンデカン−1,11−ジア
ミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,9−トリ
アザ−3,6,9−トリエチルウンデカン−1,11−ジ
アミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,9−ト
リアザ−3,6,9−トリプロピルウンデカン−1,11
−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,9
−トリアザ−3,6,9−トリブチルウンデカン−1,1
1−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−3,6,
9−トリアザ−3,6,9−トリベンジルウンデカン−
1,11−ジアミンなどを挙げることができる。これら
の2個以上のアミノ基を有するアミン化合物は、1種を
単独で用いることができ、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。これらの中で、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、
N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチルプロピレンジアミンを好適に
使用することができる。
【0007】本発明に用いるエピハロヒドリンに特に制
限はなく、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒ
ドリン、エピヨードヒドリンなどを挙げることができ
る。これらのエピハロヒドリンは、1種を単独で用いる
ことができ、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
ともできる。これらの中で、エピクロロヒドリンを特に
好適に使用することができる。本発明に用いるカチオン
性樹脂において、一般式[2]
【化4】 で表される構造の繰り返し数nは、3〜300である。
繰り返し数nが2以下であると、耐水性向上効果が十分
に発現しないおそれがある。繰り返し数nが300を超
えると、粘度が高くなり過ぎて、コーティングなどの作
業性が低下するおそれがある。本発明に用いるカチオン
性樹脂において、末端基の構造に特に制限はなく、例え
ば、アミン構造、オキシラン環構造、ヒドロキシメチル
又はハロメチル基を末端基とすることができる。樹脂の
両末端基は、同一であっても異なっていてもよい。ま
た、末端基がアミノ基、イミノ基又は第3級アミン構造
である場合は、無機酸又は有機酸で塩を形成し、あるい
は、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、ジア
ルキル硫酸、アルキレンオキサイドなどにより第3級ア
ミン構造を4級化することができる。無機酸としては、
例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などを挙げることが
できる。有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、乳酸、
リンゴ酸、クエン酸などを挙げることができる。ハロゲ
ン化アルキルとしては、例えば、塩化メチル、臭化メチ
ル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エ
チル、塩化プロピル、臭化プロピル、ヨウ化プロピル、
塩化イソプロピル、臭化イソプロピル、ヨウ化イソプロ
ピル、塩化ブチル、臭化ブチル、ヨウ化ブチルなどを挙
げることができる。ハロゲン化アラルキルとしては、例
えば、塩化ベンジル、p−クロロ塩化ベンジルなどを挙
げることができる。ジアルキル硫酸としては、例えば、
ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などを挙げることができ
る。アルキレンオキサイドなどとしては、例えば、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリンなど
を挙げることができる。
【0008】本発明に用いるカチオン性樹脂の製造方法
に特に制限はなく、例えば、2個以上のアミノ基を有す
るアミン化合物とエピハロヒドリンの全量を反応器に仕
込んで付加重合することができ、あるいは、2個以上の
アミノ基を有するアミン化合物の一部とエピハロヒドリ
ンの一部を反応したのち、残余の2個以上のアミノ基を
有するアミン化合物と残余のエピハロヒドリンを加えて
反応を続けることもできる。反応器に加える2個以上の
アミノ基を有するアミン化合物とエピハロヒドリンの量
は、ほぼ当量であることが好ましい。2個以上のアミノ
基を有するアミン化合物とエピハロヒドリンの反応は、
必要に応じて、水又は有機溶剤を添加して行い、反応速
度や反応系の粘度の制御を行うことができる。反応系に
添加する有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチル
ケトンなどのケトン、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、N,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど
の窒素系溶剤、ジメチルスルホキシドなどを挙げること
ができる。反応系に添加した有機溶剤は、反応終了後に
蒸留などの手段により除去することができる。2個以上
のアミノ基を有するアミン化合物とエピハロヒドリンを
反応する条件に特に制限はなく、例えば、50〜90℃
において、1〜8時間反応することができる。本発明に
使用するカチオン性樹脂の分子量に特に制限はないが、
20重量%水溶液について、30℃において、B型粘度
計を用いて測定した粘度が、50〜500mPa・sで
あることが好ましく、80〜400mPa・sであるこ
とがより好ましい。20重量%水溶液について、30℃
において測定した粘度が50mPa・s未満であると、
耐水性向上効果が十分に発現しないおそれがある。20
重量%水溶液について、30℃で測定した粘度が500
mPa・sを超えると、粘度が高くなりすぎて、コーテ
ィングなどの作業性が低下するおそれがある。
【0009】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤の形態に特に制限はなく、例えば、一般式[1]
で表される構造を有するカチオン性樹脂を、水系媒体に
溶解した形態とすることができる。使用する水系媒体に
特に制限はなく、例えば、水に極性有機溶剤を添加した
媒体などとすることができる。添加する極性溶剤として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルア
ルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、
ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアル
コール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ド
デシルアルコールなどのアルコール、フェノール、クレ
ゾールなどのフェノール類、3−メチル−3−メトキシ
ブタノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテー
ト、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール
エーテル、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの
グリコールなどを挙げることができる。水系媒体に極性
有機溶剤を含有せしめることにより、インクジェット記
録用紙用耐水性向上剤の安定性を向上することができ
る。
【0010】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤には、必要に応じて、公知のバインダー、無機顔
料、有機顔料などを配合することができる。バインダー
としては、例えば、酸化デンプン、ポリビニルアルコー
ルなどを挙げることができる。無機顔料としては、例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン(白土)、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホ
ワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リト
ポンなどを挙げることができる。有機顔料としては、例
えば、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系
プラスチックピグメント、尿素樹脂顔料などを挙げるこ
とができる。本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤の使用方法には特に制限はなく、例えば、紙料の
調成時に混合チェストにおいてリファイニングを終了し
たパルプに対して、填料、薬品、染料などとともにイン
クジェット記録用紙用耐水性向上剤を添加し、抄紙する
ことができる。使用するパルプ繊維は、通常用いられる
木材パルプを主体とするが、他に合成パルプ、合成繊
維、ガラス繊維などの繊維状物質を併用することもでき
る。また、本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤を含有する処理浴を調製し、普通紙や塗工紙を含浸
させたのち、普通紙や塗工紙の表裏部の余分な含浸液を
サイズプレスなどにより取り除き、乾燥することができ
る。さらに、本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を、普通紙や塗工紙にコーティングすることもで
きる。これらの方法の中で、インクジェット記録用紙用
耐水性向上剤をコーティングする方法は、工程管理が容
易であり、多品種少量生産にも対応することができ、カ
チオン性樹脂を紙の表層部分のみに存在させて有効に活
用することができるので、特に好適に実施することがで
きる。本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
をコーティングする場合、その塗工量はカチオン性樹脂
として0.1〜10.0g/m2であることが好ましく、
0.2〜5.0g/m2であることがより好ましい。本発
明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤をコーティ
ングする方法には特に制限はなく、例えば、エアナイフ
コーター、ロールコーター、ブレードコーター、バーコ
ーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、
グラビアコーターなどにより普通紙や塗工紙にコーティ
ングし、乾燥することができる。
【0011】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤の使用に際しては、染色媒染剤、消泡剤、分散
剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤、水溶性樹
脂、接着剤などを併用することができる。染色媒染剤と
しては、例えば、ジシアンジアミド縮合物、ポリアミ
ン、ポリエチレンイミンなどを挙げることができる。ま
た、水溶性樹脂及び接着剤としては、例えば、酸化デン
プン、エーテル化デンプン、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコ
ール及びその誘導体、無水マレイン酸樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン共重合体などの共役ジエン系重合体ラッテクス、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体又は共
重合体などのアクリル系重合体ラッテクス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラッテクス、
メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂の水性接着
剤、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの熱可
塑性樹脂などを挙げることができる。なお、普通紙と
は、一般に使用される酸性紙又は中性紙であり、塗工紙
とは、バインダー、無機顔料、有機顔料などを塗工した
コーティング紙である。本発明のインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤で処理したインクジェット記録用紙に
水性インクで記録すると、水性インク中の染料とインク
ジェット記録用紙中のカチオン性樹脂が結合し、染料の
溶出が防止され、耐水性が向上するものと考えられる。
カチオン性樹脂において、2個以上のアミノ基を有する
アミン化合物の疎水性部と、基本骨格中の親水性部を調
整することにより、耐水性を向上することができる。使
用する水性インクは、染料としてアニオン性直接染料又
は酸性染料を含有し、その他に湿潤剤、染料溶解剤、防
腐剤などを含有するものであることが好ましい。
【0012】水性インクに使用されるアニオン性直接染
料としては、例えば、C.I.Direct Black
2、4、9、11、14、17、19、22、27、3
2、36、38、41、48、49、51、56、6
2、71、74、75、77、78、80、105、1
06、107、108、112、113、117、13
2、146、154、194、C.I.Direct Y
ellow 1、2、4、8、11、12、24、2
5、26、27、28、33、34、39、41、4
2、44、48、50、51、58、72、85、8
6、87、88、98、100、110、C.I.Dir
ect Orange 3、8、10、26、29、3
9、41、49、51、102、C.I.Direct
Red 1、2、4、8、9、11、13、17、1
8、20、23、24、28、31、33、37、3
9、44、46、47、48、51、59、62、6
3、73、75、77、80、81、83、84、8
5、90、94、99、101、108、110、14
5、189、197、220、224、225、22
6、227、230、C.I.Direct Viole
t 1、7、9、12、35、48、51、90、9
4、C.I.Direct Blue 1、2、6、8、1
5、22、25、34、69、70、71、72、7
5、76、78、80、81、82、83、86、9
0、98、106、108、110、120、123、
158、163、165、192、193、194、1
95、196、199、200、201、202、20
3、207、218、236、237、239、24
6、258、C.I.Direct Green 1、6、
8、28、33、37、63、64、C.I.Direc
t Brown 1、2、6、25、27、44、58、
95、100、101、106、112、173、19
4、195、209、210、211などを挙げること
ができる。
【0013】また、酸性染料としては、例えば、C.I.
Acid Black 1、2、7、15、17、24、
26、28、31、41、48、52、60、63、9
4、107、109、112、118、119、12
1、122、131、155、156、C.I.Acid
Yellow 1、3、4、7、11、12、13、1
4、17、18、19、23、25、29、34、3
6、38、40、41、42、44、49、53、5
5、59、61、71、72、76、78、99、11
1、114、116、122、135、161、17
2、C.I.Acid Orange 7、8、10、3
3、56、64、C.I.Acid Red 1、4、6、
8、13、14、15、18、19、21、26、2
7、30、32、34、35、37、40、42、5
1、52、54、57、80、82、83、85、8
7、88、89、92、94、97、106、108、
110、115、119、129、131、133、1
34、135、154、155、172、176、18
0、184、186、187、249、254、25
6、317、318、C.I.Acid Violet
7、11、15、34、35、41、43、49、7
5、C.I.Acid Blue 1、7、9、22、2
3、25、27、29、40、41、43、45、4
9、51、53、55、56、59、62、78、8
0、81、83、90、92、93、102、104、
111、113、117、120、124、126、1
45、167、171、175、183、229、23
4、236、C.I.Acid Green 3、12、1
9、27、41、C.I.Acid Brown 4、14
などを挙げることができる。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、インクジェット記録用紙用耐水性向上剤の評価は下
記の方法により行った。 (1)粘度の測定 B型粘度計を用い、30℃において測定した。 (2)インクジェット記録用紙の作製 インクジェット記録用紙用耐水性向上剤を水で希釈して
不揮発分2.6重量%の水溶液とし、JIS P 310
1に規定される坪量64g/m2の印刷用紙Aに 、バー
コーターを用いて19.2g/m2塗工し乾燥することに
より、カチオン性樹脂0.5g/m2でコーティングされ
たインクジェット記録用紙を作製する。 (3)耐水性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[エプソン(株)、MJ−700V2C]を用いて、黒色
(Black)、シアン(Cyan)、マゼンタ(Ma
genta)及び黄色(Yellow)の各単色をベタ
印刷し、1時間放置したのち流水に5分間浸漬し、印字
部分の変化を目視で観察して、下記の基準により評価す
る。 ○:印字部分が、水で流されたり、滲んだりしない。 △:印字部分が、やや滲む。 ×:印字部分が、明らかに水で流され、滲む。 (4)インク滲み防止性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[エプソン(株)、MJ−700V2C]を用いて、黒色
単色をドット印字し、倍率50倍のルーペを用いてドッ
ト部分を観察し、下記の基準により評価する。 ○:滲みがない。 △:やや滲みがある。 ×:明らかに滲みがある。
【0015】実施例1 4つ口フラスコに、エチレンジアミン30.0gと水7
6.3gを仕込み、エピクロロヒドリン46.3gを、5
0℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3
時間反応し、水228.9gを加えて、20重量%カチ
オン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐
水性向上剤を得た。この20重量%カチオン性樹脂水溶
液の粘度は、172mPa・sであった。このインクジ
ェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット
記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を
行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単
色についても、印字部分が、水で流されたり、滲んだり
することはなかった。また、黒色単色をドット印字した
ドット部分には、滲みは認められなかった。 実施例2 4つ口フラスコに、ジエチレントリアミン51.5gと
水97.8gを仕込み、エピクロロヒドリン46.3gを
50℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で
3時間反応し、水293.4gを加えて、20重量%カ
チオン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用
耐水性向上剤を得た。この20重量%カチオン性樹脂水
溶液の粘度は、260mPa・sであった。このインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェッ
ト記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価
を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの
単色についても、印字部分が、水で流されたり、滲んだ
りすることはなかった。また、黒色単色をドット印字し
たドット部分には、滲みは認められなかった。 実施例3 4つ口フラスコに、トリエチレンテトラミン73.0g
と水119.3gを仕込み、エピクロロヒドリン46.3
gを50℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、70
℃で3時間反応し、水357.9gを加えて、20重量
%カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤を得た。この20重量%カチオン性樹
脂水溶液の粘度は、337mPa・sであった。このイ
ンクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジ
ェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の
評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいず
れの単色についても、印字部分が、水で流されたり、滲
んだりすることはなかった。また、黒色単色をドット印
字したドット部分には、滲みは認められなかった。 実施例4 4つ口フラスコに、テトラエチレンペンタミン94.5
gと水140.8gを仕込み、エピクロロヒドリン46.
3gを50℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、7
0℃で3時間反応し、水422.4gを加えて、20重
量%カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録
用紙用耐水性向上剤を得た。この20重量%カチオン性
樹脂水溶液の粘度は、391mPa・sであった。この
インクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインク
ジェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性
の評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のい
ずれの単色についても、印字部分が、水で流されたり、
滲んだりすることはなかった。また、黒色単色をドット
印字したドット部分には、滲みは認められなかった。
【0016】実施例5 4つ口フラスコに、プロピレンジアミン37.0gと水
83.3gを仕込み、エピクロロヒドリン46.3gを5
0℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3
時間反応し、水249.9gを加えて、20重量%カチ
オン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐
水性向上剤を得た。この20重量%カチオン性樹脂水溶
液の粘度は、228mPa・sであった。このインクジ
ェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット
記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を
行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単
色についても、印字部分が、水で流されたり、滲んだり
することはなかった。また、黒色単色をドット印字した
ドット部分には、滲みは認められなかった。 実施例6 4つ口フラスコに、N,N,N',N'−テトラメチルエチ
レンジアミン58.0gと水104.3gを仕込み、エピ
クロロヒドリン46.3gを50℃で2時間かけて滴下
した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、水312.
9gを加えて、20重量%カチオン性樹脂水溶液からな
るインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。この
20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度は、290mP
a・sであった。このインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水
性とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、
マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字部分
が、水で流されたり、滲んだりすることはなかった。ま
た、黒色単色をドット印字したドット部分には、滲みは
認められなかった。 実施例7 4つ口フラスコに、N,N,N',N'−テトラメチルプロ
ピレンジアミン65.0gと水111.3gを仕込み、エ
ピクロロヒドリン46.3gを50℃で2時間かけて滴
下した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、水33
3.9gを加えて、20重量%カチオン性樹脂水溶液か
らなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。
この20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度は、360
mPa・sであった。このインクジェット記録用紙用耐
水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、
耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、シア
ン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字
部分が、水で流されたり、滲んだりすることはなかっ
た。また、黒色単色をドット印字したドット部分には、
滲みは認められなかった。 実施例8 4つ口フラスコに、エチレンジアミン15.0g、トリ
エチレンテトラミン36.5g及び水97.8gを仕込
み、エピクロロヒドリン46.3gを50℃で2時間か
けて滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、水
293.4gを加えて、20重量%カチオン性樹脂水溶
液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。この20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度は、2
82mPa・sであった。このインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製
し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、
シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、
印字部分が、水で流されたり、滲んだりすることはなか
った。また、黒色単色をドット印字したドット部分に
は、滲みは認められなかった。
【0017】実施例9 4つ口フラスコに、エチレンジアミン15.0g、N,
N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン29.0g
及び水90.3gを仕込み、エピクロロヒドリン46.3
gを50℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、70
℃で3時間反応し、水270.9gを加えて、20重量
%カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤を得た。この20重量%カチオン性樹
脂水溶液の粘度は、241mPa・sであった。このイ
ンクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジ
ェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の
評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいず
れの単色についても、印字部分が、水で流されたり、滲
んだりすることはなかった。また、黒色単色をドット印
字したドット部分には、滲みは認められなかった。 実施例10 4つ口フラスコに、N,N,N',N'−テトラメチルエチ
レンジアミン29.0g、N,N,N',N'−テトラメチル
プロピレンジアミン32.5g及び水107.8gを仕込
み、エピクロロヒドリン46.3gを50℃で2時間か
けて滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、水
323.4gを加えて、20重量%カチオン性樹脂水溶
液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。この20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度は、2
84mPa・sであった。このインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製
し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、
シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、
印字部分が、水で流されたり、滲んだりすることはなか
った。また、黒色単色をドット印字したドット部分に
は、滲みは認められなかった。 実施例11 4つ口フラスコに、エチレンジアミン15.0gと水9
0.3gを仕込み、エピクロロヒドリン23.2gを50
℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で2時
間反応した。次いで、反応混合物を50℃に冷却し、
N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン29.0
gを加え、エピクロロヒドリン23.2gを50℃で2
時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で2時間反応
し、水270.9gを加えて、20重量%カチオン性樹
脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上
剤を得た。この20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度
は、211mPa・sであった。このインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙
を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。
黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色につい
ても、印字部分が、水で流されたり、滲んだりすること
はなかった。また、黒色単色をドット印字したドット部
分には、滲みは認められなかった。
【0018】実施例12 4つ口フラスコに、エチレンジアミン36.0gと水7
3.0gを仕込み、エピクロロヒドリン37.0gを50
℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3時
間反応し、水219.0gを加えて、20重量%カチオ
ン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤を得た。この20重量%カチオン性樹脂水溶液
の粘度は、73mPa・sであった。このインクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録
用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行っ
た。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色に
ついても、印字部分が、水で流されたり、滲んだりする
ことはなかった。また、黒色単色をドット印字したドッ
ト部分には、滲みは認められなかった。 実施例13 4つ口フラスコに、N,N,N',N'−テトラメチルエチ
レンジアミン69.6gと水106.6gを仕込み、エピ
クロロヒドリン37.0gを50℃で2時間かけて滴下
した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、水319.
8gを加えて、20重量%カチオン性樹脂水溶液からな
るインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。この
20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度は、86mPa
・sであった。このインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性
とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マ
ゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字部分
が、水で流されたり、滲んだりすることはなかった。ま
た、黒色単色をドット印字したドット部分には、滲みは
認められなかった。 実施例14 4つ口フラスコに、N,N,N',N'−テトラメチルエチ
レンジアミン46.4gと水101.9gを仕込み、エピ
クロロヒドリン55.5gを50℃で2時間かけて滴下
した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、水305.
7gを加えて、20重量%カチオン性樹脂水溶液からな
るインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。この
20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度は、84mPa
・sであった。このインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、耐水性
とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、シアン、マ
ゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字部分
が、水で流されたり、滲んだりすることはなかった。ま
た、黒色単色をドット印字したドット部分には、滲みは
認められなかった。 実施例15 4つ口フラスコに、N,N,N',N'−テトラメチルエチ
レンジアミン63.8gと水110.1gを仕込み、エピ
クロロヒドリン46.3gを50℃で2時間かけて滴下
した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、水330.
3gを加え、硫酸を用いてpHを5に調整して、20重量
%カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤を得た。この20重量%カチオン性樹
脂水溶液の粘度は、126mPa・sであった。このイ
ンクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジ
ェット記録用紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の
評価を行った。黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいず
れの単色についても、印字部分が、水で流されたり、滲
んだりすることはなかった。また、黒色単色をドット印
字したドット部分には、滲みは認められなかった。
【0019】実施例16 実施例15で用いた硫酸の代わりに、酢酸を用いた以外
は、実施例15と同様にして、20重量%カチオン性樹
脂水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上
剤を得た。この20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度
は、130mPa・sであった。このインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙
を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。
黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色につい
ても、印字部分が、水で流されたり、滲んだりすること
はなかった。また、黒色単色をドット印字したドット部
分には、滲みは認められなかった。 実施例17 4つ口フラスコに、N,N,N',N'−テトラメチルエチ
レンジアミン63.8gと水116.4gを仕込み、エピ
クロロヒドリン46.3gを50℃で2時間かけて滴下
した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、反応終了後
さらに、塩化ベンジル6.3gを70℃で1時間かけて
滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反応し、水34
9.2gを加えて、20重量%カチオン性樹脂水溶液か
らなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。
この20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度は、130
mPa・sであった。このインクジェット記録用紙用耐
水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、
耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、シア
ン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印字
部分が、水で流されたり、滲んだりすることはなかっ
た。また、黒色単色をドット印字したドット部分には、
滲みは認められなかった。 実施例18 実施例1の20重量%カチオン性樹脂水溶液と実施例6
の20重量%カチオン性樹脂水溶液を重量比1:1で混
合して、インクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。この20重量%カチオン性樹脂水溶液の粘度は、2
28mPa・sであった。このインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製
し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行った。黒色、
シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、
印字部分が、水で流されたり、滲んだりすることはなか
った。また、黒色単色をドット印字したドット部分に
は、滲みは認められなかった。
【0020】比較例1 4つ口フラスコに、ジメチルアミンの50重量%水溶液
90.0gと水92.5gを仕込み、エピクロロヒドリン
92.5gを30℃で1時間かけて滴下した。滴下終了
後、80℃で5時間反応し、水412.5gを加えて、
20重量%カチオン性樹脂水溶液からなるインクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット
記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用
紙を作製し、耐水性とインク滲み防止性の評価を行っ
た。黒色及びマゼンタの単色については、印字部分が、
水で流されたり、滲んだりすることはなかったが、シア
ン及び黄色の単色については、印字部分がやや滲んでい
た。また、黒色単色をドット印字したドット部分に、や
や滲みが認められた。 比較例2 一般式[1]で表される構造を有するカチオン性樹脂の
代わりに、ポリエチレンイミン(分子量1,200)を
使用して、インクジェット記録用紙を作製し、耐水性と
インク滲み防止性の評価を行った。黒色及びマゼンタの
単色については、印字部分がやや滲み、シアン及び黄色
の単色については、印字部分が明らかに水で流され、滲
んでいた。また、黒色単色をドット印刷したドット部分
には、明らかに滲みが認められた。実施例1〜18及び
比較例1〜2の原料組成及び耐水性とインク滲み防止性
の評価結果を第1表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】第1表の結果から明らかなように、実施例
1〜18の本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤をコーティングして作製したインクジェット記録用
紙は、いずれのインクに対しても優れた耐水性を有し、
また、インク滲み防止性にも優れている。これに対し
て、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンから合成され
たカチオン性樹脂を用いて作製した比較例1のインクジ
ェット記録用紙は、耐水性及びインク滲み防止性にやや
劣り、従来よりインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
として使用されているポリエチレンイミンを用いて作製
した比較例2のインクジェット記録用紙は、耐水性及び
インク滲み防止性にさらに劣っている。
【0026】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤をコーティングすることにより、インクジェッ
トプリンターを用いて記録される画像や文字の耐水性を
向上させ、インク滲みのない優れた画質のイメージの記
録が可能なインクジェット記録用紙を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玄正 俊男 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2個以上のアミノ基を有するアミン化合物
    とエピハロヒドリンとを反応して得られる一般式[1]
    で表される構造を有するカチオン性樹脂を含有すること
    を特徴とするインクジェット記録用紙用耐水性向上剤。 【化1】 (ただし、式中、R1、R2、R3及びR4は水素、炭素数
    1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R1、R2
    3、R4は同一であっても異なっていてもよく、R5
    炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基又は−[R6
    −N(R8)−R7]m−基であり、R6及びR7は炭素数1〜
    4のアルキレン基又はフェニレン基であり、R6とR7
    同一であっても異なっていてもよく、R8は水素、炭素
    数1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、mは1〜
    4であり、X-はハロゲンイオンであり、nは3〜30
    0である。)
  2. 【請求項2】2個以上のアミノ基を有するアミン化合物
    が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
    チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピ
    レンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレン
    ジアミン又はN,N,N',N'−テトラメチルプロピレン
    ジアミンである請求項1記載のインクジェット記録用紙
    用耐水性向上剤。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載のインクジェッ
    ト記録用紙用耐水性向上剤をコーティングしてなること
    を特徴とするインクジェット記録用紙。
JP10087220A 1998-03-31 1998-03-31 インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙 Pending JPH11277887A (ja)

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JP10087220A JPH11277887A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙

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