JP2000154497A - インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙

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JP2000154497A
JP2000154497A JP10323586A JP32358698A JP2000154497A JP 2000154497 A JP2000154497 A JP 2000154497A JP 10323586 A JP10323586 A JP 10323586A JP 32358698 A JP32358698 A JP 32358698A JP 2000154497 A JP2000154497 A JP 2000154497A
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JP
Japan
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general formula
ink jet
jet recording
recording paper
structural unit
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JP10323586A
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English (en)
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Toshiaki Takahashi
俊章 高橋
Yoshio Yamada
理生 山田
Hirotaka Kinoshita
裕貴 木下
Toshio Gensho
俊男 玄正
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nicca Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nicca Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】普通紙や塗工紙にコーティングすることによ
り、記録用紙上に記録される画像や文字などの耐水性を
向上し、インク滲みを減少して鮮明に画像を記録し、耐
光性に優れて退色や黄変を生じにくいインクジェット記
録用紙用耐水性向上剤及び該耐水性向上剤をコーティン
グしてなるインクジェット記録用紙を提供する。 【解決手段】一般式[1]で表される構造単位及びカチ
オン性構造単位を有する共重合体を含有することを特徴
とするインクジェット記録用紙用耐水性向上剤、並び
に、該耐水性向上剤をコーティングしてなるインクジェ
ット記録用紙。ただし、R1は水素又はメチル基であ
り、kは1〜6である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット記録用紙に関
する。さらに詳しくは、本発明は、パルプ繊維に混合し
てスラリーとして抄造し、あるいは、普通紙や塗工紙に
含浸又はコーティングすることにより、記録用紙上に記
録される画像や文字などの耐水性を向上することがで
き、インク滲みを減少して鮮明に画像を記録し、耐光性
に優れて印刷部の退色や未印刷部の黄変を生じにくいイ
ンクジェット記録用紙用耐水性向上剤及び該耐水性向上
剤をコーティングしてなるインクジェット記録用紙に関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式のプリンターは、ノ
ズルからインクをジェット状に噴射して印刷するプリン
ターである。インクジェット記録は、印刷が静かで、現
像定着などの工程がなく、記録装置が簡単で、普通紙や
塗工紙を使用することができ、しかも、カラー化が容易
で、自由に画像や文字図形の記録ができるという特徴を
有しており、今日急激な成長が見られ、その将来性が注
目されている。しかし、インクジェット記録用紙として
普通紙を用いた場合には、記録後の水の付着により染料
が滲み出るなどの問題が生じるので、一般には耐水性向
上剤が使用される。耐水性向上剤としては、例えば、ジ
シアンジアミド縮合物、ポリアミン、ポリエチレンイミ
ンなどのカチオン性樹脂が提案されているが、耐水性の
不足、色調の変色、白紙部分の黄変、インク滲みなどの
問題が生じており、これらの諸問題を解決するために種
々の試みがなされている。例えば、特開平6−9201
2号公報には、2級アミンとエピハロヒドリンとを反応
させて得られるカチオン性樹脂を少なくとも記録用紙表
面に含有するインクジェット記録用紙が提案されてい
る。しかし、このインクジェット記録用紙も、なお耐水
性とインク滲み防止性が不足し、色調が変化し、白紙部
分の黄変が生じるという欠点がある。さらに、上記のカ
チオン性樹脂は耐光性が低いという欠点も有している。
耐光性を改良するためには、紫外線吸収剤を添加する必
要があるが、多くの紫外線吸収剤は、カチオン性樹脂と
の相溶性が悪く、耐光堅牢度も不十分であるという問題
点を有する。このために、色調の変化や白紙部分の黄変
がなく、耐水性が良好で、さらに耐光性が良好な、イン
クジェット記録用紙用耐水性向上剤及びインクジェット
記録用紙が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、普通紙や塗
工紙にコーティングすることにより、記録用紙上に記録
される画像や文字などの耐水性を向上し、インク滲みを
減少して鮮明に画像を記録し、耐光性に優れて退色や黄
変を生じにくいインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
及び該耐水性向上剤をコーティングしてなるインクジェ
ット記録用紙を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ベンゾトリアゾ
ール基を有するビニル系化合物とカチオン性基を有する
ビニル系化合物との共重合体からなるカチオン性樹脂を
コーティングした記録用紙は、インクジェットプリンタ
ーにより記録された印刷の耐水性が良好で、優れた耐光
堅牢度を有することを見いだし、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)
一般式[1]で表される構造単位及びカチオン性構造単
位を有する共重合体を含有することを特徴とするインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤、
【化8】 (ただし、式中、R1は水素又はメチル基であり、kは
1〜6である。)、(2)カチオン性構造単位が、一般
式[2]で表される構造単位である第(1)項記載のイン
クジェット記録用紙用耐水性向上剤、
【化9】 (ただし、式中、R2は水素又はメチル基であり、R3
4及びR5は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はベン
ジル基であり、R3、R4、R5は同一であっても異なっ
ていてもよく、X-は陰イオンであり、mは1〜6であ
る。)、(3)カチオン性構造単位が、一般式[3]で
表される構造単位である第(1)項記載のインクジェット
記録用紙用耐水性向上剤、
【化10】 (ただし、式中、R6は水素又はメチル基であり、R7
8及びR9は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はベン
ジル基であり、R7、R8、R9は同一であっても異なっ
ていてもよく、X-は陰イオンであり、nは1〜6であ
る。)、(4)カチオン性構造単位が、一般式[4]又
は一般式[5]で表される構造単位である第(1)項記載
のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤、
【化11】 (ただし、式中、R10及びR11は水素、炭素数1〜4の
アルキル基又はベンジル基であり、R10とR11は同一で
あっても異なっていてもよく、X-は陰イオンであ
る。)、(5)カチオン性構造単位が、一般式[6]で
表される構造単位である第(1)項記載のインクジェット
記録用紙用耐水性向上剤、
【化12】 (ただし、式中、R12、R13及びR14は水素、炭素数1
〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R12、R13
14は同一であっても異なっていてもよく、X-は陰イ
オンである。)、(6)カチオン性構造単位が、一般式
[7]で表される構造単位である第(1)項記載のインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤、
【化13】 (ただし、式中、R15、R16及びR17は水素、炭素数1
〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R15、R16
17は同一であっても異なっていてもよく、X-は陰イ
オンである。)、(7)カチオン性構造単位が、一般式
[8]で表される構造単位である第(1)項記載のインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤、
【化14】 (ただし、式中、R18は水素、炭素数1〜4のアルキル
基又はベンジル基であり、X-は陰イオンである。)、
(8)共重合体が、一般式[1]で表される構造単位1
0〜90重量%と、一般式[2]、一般式[3]、一般
式[4]、一般式[5]、一般式[6]、一般式[7]
又は一般式[8]で表される1種又は2種以上の構造単
位10〜90重量%を有する第(1)項記載のインクジェ
ット記録用紙用耐水性向上剤、(9)共重合体が、一般
式[1]で表される構造単位10〜90重量%、一般式
[2]、一般式[3]、一般式[4]、一般式[5]、
一般式[6]、一般式[7]又は一般式[8]で表され
る1種又は2種以上の構造単位5〜85重量%、並び
に、他のビニル系化合物の構造単位5〜85重量%を有
する第(1)項記載のインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤、及び、(10)第(1)項、第(2)項、第(3)項、
第(4)項、第(5)項、第(6)項、第(7)項、第(8)項又
は第(9)項記載のインクジェット記録用紙用耐水性向上
剤をコーティングしてなることを特徴とするインクジェ
ット記録用紙、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤は、一般式[1]で表される構造単位及
びカチオン性構造単位を有する共重合体を含有するもの
である。
【化15】 一般式[1]において、R1は水素又はメチル基であ
り、kは1〜6である。一般式[1]で表される構造単
位を形成する単量体としては、例えば、2−(2'−ヒド
ロキシ−5'−アクリロイルオキシメチルフェニル)−2
H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'
−メタクリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベン
ゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリ
ロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオ
キシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2
−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリロイルオキシプロピ
ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−
ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシプロピルフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロ
キシ−5'−アクリロイルオキシブチルフェニル)−2H
−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−
メタクリロイルオキシブチルフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリロ
イルオキシペンチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオ
キシペンチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリロイルオキシヘキ
シルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'
−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシヘキシルフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを挙げることがで
きる。
【0006】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤において、カチオン性構造単位に特に制限はな
く、例えば、一般式[2]、一般式[3]、一般式
[4]、一般式[5]、一般式[6]、一般式[7]、
一般式[8]などで表される構造単位を挙げることがで
きる。
【化16】
【化17】 一般式[2]において、R2は水素又はメチル基であ
り、R3、R4及びR5は水素、炭素数1〜4のアルキル
基又はベンジル基であり、R3、R4、R5は同一であっ
ても異なっていてもよく、X-は陰イオンであり、mは
1〜6である。一般式[3]において、R6は水素又は
メチル基であり、R7、R8及びR9は水素、炭素数1〜
4のアルキル基又はベンジル基であり、R7、R8、R9
は同一であっても異なっていてもよく、X-は陰イオン
であり、nは1〜6である。一般式[4]及び一般式
[5]において、R10及びR11は水素、炭素数1〜4の
アルキル基又はベンジル基であり、R10とR11は同一で
あっても異なっていてもよく、X-は陰イオンである。
一般式[6]において、R12、R13及びR14は水素、炭
素数1〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R12
13、R14は同一であっても異なっていてもよく、X-
は陰イオンである。一般式[7]において、R15、R1 6
及びR17は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はベンジ
ル基であり、R15、R1 6、R17は同一であっても異なっ
ていてもよく、X-は陰イオンである。一般式[8]に
おいて、R18は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はベ
ンジル基であり、X-は陰イオンである。
【0007】一般式[2]で表される構造単位を形成す
る単量体としては、例えば、ジメチルアミノメチルアク
リレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエ
チルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノメチル
メタクリレート、ジプロピルアミノメチルアクリレー
ト、ジプロピルアミノメチルメタクリレート、ジブチル
アミノメチルアクリレート、ジブチルアミノメチルメタ
クリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチ
ルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジプロピルアミノエチルアクリレート、ジプロピル
アミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエチルア
クリレート、ジブチルアミノエチルメタクリレート、ジ
メチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプ
ロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリ
レート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、ジプ
ロピルアミノプロピルアクリレート、ジプロピルアミノ
プロピルメタクリレート、ジブチルアミノプロピルアク
リレート、ジブチルアミノプロピルメタクリレート、ジ
メチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノブチ
ルメタクリレート、ジエチルアミノブチルアクリレー
ト、ジエチルアミノブチルメタクリレート、ジプロピル
アミノブチルアクリレート、ジプロピルアミノブチルメ
タクリレート、ジブチルアミノブチルアクリレート、ジ
ブチルアミノブチルメタクリレート、ジメチルアミノペ
ンチルアクリレート、ジメチルアミノペンチルメタクリ
レート、ジエチルアミノペンチルアクリレート、ジエチ
ルアミノペンチルメタクリレート、ジプロピルアミノペ
ンチルアクリレート、ジプロピルアミノペンチルメタク
リレート、ジブチルアミノペンチルアクリレート、ジブ
チルアミノペンチルメタクリレート、ジメチルアミノヘ
キシルアクリレート、ジメチルアミノヘキシルメタクリ
レート、ジエチルアミノヘキシルアクリレート、ジエチ
ルアミノヘキシルメタクリレート、ジプロピルアミノヘ
キシルアクリレート、ジプロピルアミノヘキシルメタク
リレート、ジブチルアミノヘキシルアクリレート、ジブ
チルアミノヘキシルメタクリレートなどを挙げることが
できる。
【0008】これらの単量体を共重合した共重合体を4
級化することにより、一般式[2]で表される構造単位
を形成することができ、あるいは、これらの単量体を4
級化したのち共重合することにより、一般式[2]で表
される構造単位を有する共重合体を得ることができる。
4級化する方法に特に制限はなく、例えば、酸、ハロゲ
ン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、ジアルキル硫酸
などと反応することにより4級化することができる。酸
としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無
機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リンゴ酸、ク
エン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸を挙げる
ことができる、ハロゲン化アルキルとしては、例えば、
塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、
臭化エチル、ヨウ化エチルなどを挙げることができる。
ハロゲン化アラルキルとしては、例えば、塩化ベンジ
ル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルなどを挙げることが
できる。ジアルキル硫酸としては、例えば、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸などを挙げることができる。これらの
方法により4級化したとき、X-で表される陰イオン
は、塩素イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸
水素イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イ
オン、乳酸イオン、リンゴ酸イオン、クエン酸イオン、
パラトルエンスルホン酸イオン、臭素イオン、ヨウ素イ
オン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンなどとな
る。
【0009】一般式[3]で表される構造単位を形成す
る単量体としては、例えば、ジメチルアミノメチルアク
リルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、
ジエチルアミノメチルアクリルアミド、ジエチルアミノ
メチルメタクリルアミド、ジプロピルアミノメチルアク
リルアミド、ジプロピルアミノメチルメタクリルアミ
ド、ジブチルアミノメチルアクリルアミド、ジブチルア
ミノメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルア
クリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミ
ド、ジエチルアミノエチルアクリルアミド、ジエチルア
ミノエチルメタクリルアミド、ジプロピルアミノエチル
アクリルアミド、ジプロピルアミノエチルメタクリルア
ミド、ジブチルアミノエチルアクリルアミド、ジブチル
アミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリル
アミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエ
チルアミノプロピルメタクリルアミド、ジプロピルアミ
ノプロピルアクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル
メタクリルアミド、ジブチルアミノプロピルアクリルア
ミド、ジブチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメ
チルアミノブチルアクリルアミド、ジメチルアミノブチ
ルメタクリルアミド、ジエチルアミノブチルアクリルア
ミド、ジエチルアミノブチルメタクリルアミド、ジプロ
ピルアミノブチルアクリルアミド、ジプロピルアミノブ
チルメタクリルアミド、ジブチルアミノブチルアクリル
アミド、ジブチルアミノブチルメタクリルアミド、ジメ
チルアミノペンチルアクリルアミド、ジメチルアミノペ
ンチルメタクリルアミド、ジエチルアミノペンチルアク
リルアミド、ジエチルアミノペンチルメタクリルアミ
ド、ジプロピルアミノペンチルアクリルアミド、ジプロ
ピルアミノペンチルメタクリルアミド、ジブチルアミノ
ペンチルアクリルアミド、ジブチルアミノペンチルメタ
クリルアミド、ジメチルアミノヘキシルアクリルアミ
ド、ジメチルアミノヘキシルメタクリルアミド、ジエチ
ルアミノヘキシルアクリルアミド、ジエチルアミノヘキ
シルメタクリルアミド、ジプロピルアミノヘキシルアク
リルアミド、ジプロピルアミノヘキシルメタクリルアミ
ド、ジブチルアミノヘキシルアクリルアミド、ジブチル
アミノヘキシルメタクリルアミドなどを挙げることがで
きる。
【0010】これらの単量体を共重合した共重合体を4
級化することにより、一般式[3]で表される構造単位
を形成することができ、あるいは、これらの単量体を4
級化したのち共重合することにより、一般式[3]で表
される構造単位を有する共重合体を得ることができる。
4級化する方法に特に制限はなく、例えば、酸、ハロゲ
ン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、ジアルキル硫酸
などと反応することにより4級化することができる。酸
としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無
機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リンゴ酸、ク
エン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸を挙げる
ことができる、ハロゲン化アルキルとしては、例えば、
塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、
臭化エチル、ヨウ化エチルなどを挙げることができる。
ハロゲン化アラルキルとしては、例えば、塩化ベンジ
ル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルなどを挙げることが
できる。ジアルキル硫酸としては、例えば、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸などを挙げることができる。これらの
方法により4級化したとき、X-で表される陰イオン
は、塩素イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸
水素イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イ
オン、乳酸イオン、リンゴ酸イオン、クエン酸イオン、
パラトルエンスルホン酸イオン、臭素イオン、ヨウ素イ
オン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンなどとな
る。
【0011】一般式[4]又は一般式[5]で表される
構造単位を形成する単量体としては、例えば、ジアリル
アミン、メチルジアリルアミン、エチルジアリルアミ
ン、プロピルジアリルアミン、ブチルジアリルアミン、
ベンジルジアリルアミンなどを挙げることができる。こ
れらの単量体を共重合した共重合体を4級化することに
より、一般式[4]又は一般式[5]で表される構造単
位を形成することができ、あるいは、これらの単量体を
4級化したのち共重合することにより、一般式[4]又
は一般式[5]で表される構造単位を有する共重合体を
得ることができる。4級化する方法に特に制限はなく、
例えば、酸、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、ジアルキル硫酸などと反応することにより4級化す
ることができる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、
乳酸、リンゴ酸、クエン酸、パラトルエンスルホン酸な
どの有機酸を挙げることができる、ハロゲン化アルキル
としては、例えば、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メ
チル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチルなどを挙
げることができる。ハロゲン化アラルキルとしては、例
えば、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルな
どを挙げることができる。ジアルキル硫酸としては、例
えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などを挙げることが
できる。これらの方法により4級化したとき、X-で表
される陰イオンは、塩素イオン、硫酸水素イオン、硝酸
イオン、リン酸水素イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、
プロピオン酸イオン、乳酸イオン、リンゴ酸イオン、ク
エン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、臭素イ
オン、ヨウ素イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イ
オンなどとなる。4級化された単量体の中で、ジメチル
ジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルア
ンモニウムクロライド、ジプロピルジアリルアンモニウ
ムクロライド及びジブチルジアリルアンモニウムクロラ
イドを特に好適に用いることができる。
【0012】一般式[6]で表される構造単位を形成す
る単量体としては、例えば、アリルアミン、メチルアリ
ルアミン、エチルアリルアミン、プロピルアリルアミ
ン、ブチルアリルアミン、ジメチルアリルアミン、ジエ
チルアリルアミン、ジプロピルアリルアミン、ジブチル
アリルアミンなどを挙げることができる。これらの単量
体を共重合した共重合体を4級化することにより、一般
式[6]で表される構造単位を形成することができ、あ
るいは、これらの単量体を4級化したのち共重合するこ
とにより、一般式[6]で表される構造単位を有する共
重合体を得ることができる。4級化する方法に特に制限
はなく、例えば、酸、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化
アラルキル、ジアルキル硫酸などと反応することにより
4級化することができる。酸としては、例えば、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、プロピ
オン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、パラトルエンスル
ホン酸などの有機酸を挙げることができる、ハロゲン化
アルキルとしては、例えば、塩化メチル、臭化メチル、
ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル
などを挙げることができる。ハロゲン化アラルキルとし
ては、例えば、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベ
ンジルなどを挙げることができる。ジアルキル硫酸とし
ては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などを挙げ
ることができる。これらの方法により4級化したとき、
-で表される陰イオンは、塩素イオン、硫酸水素イオ
ン、硝酸イオン、リン酸水素イオン、蟻酸イオン、酢酸
イオン、プロピオン酸イオン、乳酸イオン、リンゴ酸イ
オン、クエン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオ
ン、臭素イオン、ヨウ素イオン、メチル硫酸イオン、エ
チル硫酸イオンなどとなる。
【0013】一般式[7]で表される構造単位は、一般
式[9]で表されるN−ビニルアミドを共重合したの
ち、加水分解と4級化を行い、ビニルアンモニウム単位
に変換することにより形成することができる。 R19CONHCH=CH2 …[9] 一般式[9]において、R19は水素又は炭素数1〜3の
アルキル基であることが好ましい。一般式[9]で表さ
れるN−ビニルアミドとしては、例えば、N−ビニルホ
ルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロ
ピオンアミド、N−ビニルブチルアミドなどを挙げるこ
とができる。これらの中で、N−ビニルホルムアミドを
特に好適に用いることができる。共重合体中のN−ビニ
ルアミド単位の加水分解と4級化を行う方法に特に制限
はなく、例えば、酸を用いて加水分解と4級化を行うこ
とができる。使用する酸としては、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、パラトルエンスルホ
ン酸などの有機酸を挙げることができる、これらの酸に
より加水分解と4級化を行ったとき、X-で表される陰
イオンは、塩素イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、
リン酸水素イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオ
ン酸イオン、乳酸イオン、リンゴ酸イオン、クエン酸イ
オン、パラトルエンスルホン酸イオンなどとなる。一般
式[8]で表される構造単位は、4−ビニルピリジンを
共重合した共重合体を4級化することにより形成するこ
とができ、あるいは、4−ビニルピリジンを4級化した
のち共重合することにより一般式[8]で表される構造
単位を有する共重合体を得ることができる。4級化する
方法に特に制限はなく、例えば、酸、ハロゲン化アルキ
ル、ハロゲン化アラルキル、ジアルキル硫酸などと反応
することにより4級化することができる。酸としては、
例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、
パラトルエンスルホン酸などの有機酸を挙げることがで
きる、ハロゲン化アルキルとしては、例えば、塩化メチ
ル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチ
ル、ヨウ化エチルなどを挙げることができる。ハロゲン
化アラルキルとしては、例えば、塩化ベンジル、臭化ベ
ンジル、ヨウ化ベンジルなどを挙げることができる。ジ
アルキル硫酸としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸などを挙げることができる。これらの方法により
4級化したとき、X-で表される陰イオンは、塩素イオ
ン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸水素イオン、
蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、乳酸イ
オン、リンゴ酸イオン、クエン酸イオン、パラトルエン
スルホン酸イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、メチル
硫酸イオン、エチル硫酸イオンなどとなる。
【0014】本発明に用いる共重合体は、一般式[1]
で表される構造単位及び一般式[2]、一般式[3]、
一般式[4]、一般式[5]、一般式[6]、一般式
[7]又は一般式[8]で表される構造単位に加えて、
他のビニル系化合物の構造単位を有することができる。
他のビニル系化合物に特に制限はなく、例えば、スチレ
ン、アクリロニトリル、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメ
タクリレートなどを挙げることができる。本発明に用い
る共重合体は、一般式[1]で表される構造単位を10
〜90重量%有することが好ましく、20〜60重量%
有することがより好ましい。一般式[1]で表される構
造単位が10重量%未満であると、耐光性が低下するお
それがある。一般式[1]で表される構造単位が90重
量%を超えると、耐水性とインク滲み防止性が低下する
おそれがある。本発明に用いる共重合体が、一般式
[1]で表される構造単位及び一般式[2]、一般式
[3]、一般式[4]、一般式[5]、一般式[6]、
一般式[7]又は一般式[8]で表される構造単位のみ
を有するとき、一般式[2]〜[8]で表される構造単
位の量は10〜90重量%であることが好ましく、40
〜80重量%であることがより好ましい。一般式[2]
〜[8]で表される構造単位の量が10重量%未満であ
ると、耐水性とインク滲み防止性が低下するおそれがあ
る。一般式[2]〜[8]で表される構造単位の量が9
0重量%を超えると、耐光性が低下するおそれがある。
本発明に用いる共重合体が、一般式[1]で表される構
造単位、一般式[2]、一般式[3]、一般式[4]、
一般式[5]、一般式[6]、一般式[7]又は一般式
[8]で表される構造単位及び他のビニル系化合物の構
造単位を有するとき、一般式[2]〜[8]で表される
構造単位の量が5〜85重量%であり、他のビニル系化
合物の構造単位の量が5〜85重量%であることが好ま
しい。一般式[2]〜[8]で表される構造単位の量が
5重量%未満であると、耐水性とインク滲み防止性が低
下するおそれがある。一般式[2]〜[8]で表される
構造単位の量が85重量%を超えると、耐光性が低下す
るおそれがある。
【0015】本発明に用いる共重合体の製造方法に特に
制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤を用いて、溶
液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などにより製造
することができる。使用するラジカル重合開始剤として
は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
(2−アミジノプロパン)塩酸塩、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイド
ロパーオキサキドなどを挙げることができる。本発明の
インクジェット記録用紙用耐水性向上剤の形態に特に制
限はなく、例えば、一般式[1]で表される構造単位と
カチオン性構造単位を有する共重合体を、水系媒体に溶
解した形態とすることができる。使用する水系媒体に特
に制限はなく、例えば、水のみからなる媒体とすること
ができ、あるいは、水に極性有機溶剤を添加した媒体な
どとすることもできる。添加する極性溶剤としては、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアル
コール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘ
プチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコ
ール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデ
シルアルコールなどのアルコール、フェノール、クレゾ
ールなどのフェノール類、3−メチル−3−メトキシブ
タノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテー
ト、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール
エーテル、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの
グリコールなどを挙げることができる。水系媒体に極性
有機溶剤を含有せしめることにより、インクジェット記
録用紙用耐水性向上剤の安定性を向上することができ
る。
【0016】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤には、必要に応じて、公知のバインダー、無機顔
料、有機顔料などを配合することができる。バインダー
としては、例えば、酸化デンプン、ポリビニルアルコー
ルなどを挙げることができる。無機顔料としては、例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン(白土)、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホ
ワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナなどを
挙げることができる。有機顔料としては、例えば、スチ
レン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチッ
クピグメント、尿素樹脂顔料などを挙げることができ
る。本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤の
使用方法には特に制限はなく、例えば、紙料の調成時に
混合チェストにおいてリファイニングを終了したパルプ
に対して、填料、薬品、染料などとともにインクジェッ
ト記録用紙用耐水性向上剤を添加し、抄紙することがで
きる。使用するパルプ繊維は、通常用いられる木材パル
プを主体とするが、他に合成パルプ、合成繊維、ガラス
繊維などの繊維状物質を併用することもできる。また、
本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を含有
する処理浴を調製し、普通紙や塗工紙を含浸させたの
ち、普通紙や塗工紙の表裏部の余分な含浸液をサイズプ
レスなどにより取り除き、乾燥することができる。さら
に、本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
を、普通紙や塗工紙にコーティングすることもできる。
これらの方法の中で、インクジェット記録用紙用耐水性
向上剤をコーティングする方法は、工程管理が容易であ
り、多品種少量生産にも対応することができ、一般式
[1]で表される構造単位及びカチオン性構造単位を有
する共重合体を紙の表層部分のみに存在させて有効に活
用することができるので、特に好適に実施することがで
きる。本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤
をコーティングする場合、その塗工量は、一般式[1]
で表される構造単位及びカチオン性構造単位を有する共
重合体として0.1〜10.0g/m2であることが好ま
しく、0.2〜5.0g/m2であることがより好まし
い。本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を
コーティングする方法には特に制限はなく、例えば、エ
アナイフコーター、ロールコーター、ブレードコータ
ー、バーコーター、ブラシコーター、チャンプレックス
コーター、グラビアコーターなどにより普通紙や塗工紙
にコーティングし、乾燥することができる。
【0017】本発明のインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤の使用に際しては、染色媒染剤、消泡剤、分散
剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤、水溶性樹
脂、接着剤などを併用することができる。染色媒染剤と
しては、例えば、ジシアンジアミド縮合物、ポリアミ
ン、ポリエチレンイミンなどを挙げることができる。ま
た、水溶性樹脂及び接着剤としては、例えば、酸化デン
プン、エーテル化デンプン、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコ
ール及びその誘導体、無水マレイン酸樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン共重合体などの共役ジエン系重合体ラッテクス、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体又は共
重合体などのアクリル系重合体ラッテクス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラッテクス、
メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂の水性接着
剤、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの熱可
塑性樹脂などを挙げることができる。なお、普通紙と
は、一般に使用される酸性紙又は中性紙であり、塗工紙
とは、バインダー、無機顔料、有機顔料などを塗工した
コーティング紙である。本発明のインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤で処理したインクジェット記録用紙に
水性インクで記録すると、水性インク中の染料とインク
ジェット記録用紙中の共重合体のカチオン性構造単位が
結合し、染料の溶出が防止され、耐水性とインク滲み防
止性が向上し、さらに一般式[1]で表される構造単位
が有する紫外線吸収効果により、耐光性が向上するもの
と考えられる。使用する水性インクは、染料としてアニ
オン性直接染料又は酸性染料を含有し、その他に湿潤
剤、染料溶解剤、防腐剤などを含有するものであること
が好ましい。
【0018】水性インクに使用されるアニオン性直接染
料としては、例えば、C.I.Direct Black
2、4、9、11、14、17、19、22、27、3
2、36、38、41、48、49、51、56、6
2、71、74、75、77、78、80、105、1
06、107、108、112、113、117、13
2、146、154、194、C.I.Direct Y
ellow 1、2、4、8、11、12、24、2
5、26、27、28、33、34、39、41、4
2、44、48、50、51、58、72、85、8
6、87、88、98、100、110、C.I.Dir
ect Orange 3、8、10、26、29、3
9、41、49、51、102、C.I.Direct
Red 1、2、4、8、9、11、13、17、1
8、20、23、24、28、31、33、37、3
9、44、46、47、48、51、59、62、6
3、73、75、77、80、81、83、84、8
5、90、94、99、101、108、110、14
5、189、197、220、224、225、22
6、227、230、C.I.Direct Viole
t 1、7、9、12、35、48、51、90、9
4、C.I.Direct Blue 1、2、6、8、1
5、22、25、34、69、70、71、72、7
5、76、78、80、81、82、83、86、9
0、98、106、108、110、120、123、
158、163、165、192、193、194、1
95、196、199、200、201、202、20
3、207、218、236、237、239、24
6、258、C.I.Direct Green 1、6、
8、28、33、37、63、64、C.I.Direc
t Brown 1、2、6、25、27、44、58、
95、100、101、106、112、173、19
4、195、209、210、211などを挙げること
ができる。
【0019】また、酸性染料としては、例えば、C.I.
Acid Black 1、2、7、15、17、24、
26、28、31、41、48、52、60、63、9
4、107、109、112、118、119、12
1、122、131、155、156、C.I.Acid
Yellow 1、3、4、7、11、12、13、1
4、17、18、19、23、25、29、34、3
6、38、40、41、42、44、49、53、5
5、59、61、71、72、76、78、99、11
1、114、116、122、135、161、17
2、C.I.Acid Orange 7、8、10、3
3、56、64、C.I.Acid Red 1、4、6、
8、13、14、15、18、19、21、26、2
7、30、32、34、35、37、40、42、5
1、52、54、57、80、82、83、85、8
7、88、89、92、94、97、106、108、
110、115、119、129、131、133、1
34、135、154、155、172、176、18
0、184、186、187、249、254、25
6、317、318、C.I.Acid Violet
7、11、15、34、35、41、43、49、7
5、C.I.Acid Blue 1、7、9、22、2
3、25、27、29、40、41、43、45、4
9、51、53、55、56、59、62、78、8
0、81、83、90、92、93、102、104、
111、113、117、120、124、126、1
45、167、171、175、183、229、23
4、236、C.I.Acid Green 3、12、1
9、27、41、C.I.Acid Brown 4、14
などを挙げることができる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、インクジェット記録用紙用耐水性向上剤の評価は下
記の方法により行った。 (1)インクジェット記録用紙の作製 インクジェット記録用紙用耐水性向上剤を水で希釈して
不揮発分2.6重量%の水溶液とし、JIS P 310
1に規定される坪量64g/m2の印刷用紙Aに、バー
コーターを用いて19.2g/m2塗工し乾燥することに
より、共重合体0.5g/m2でコーティングされたイン
クジェット記録用紙を作製する。 (2)耐水性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[キャノン(株)、BJC−455J]を用いて、黒色
(Black)、シアン(Cyan)、マゼンタ(Ma
genta)及び黄色(Yellow)の各単色を印刷
し、1時間放置したのち流水に5分間浸漬し、印刷部分
の変化を目視で観察して、下記の基準により評価する。 ○:印刷部分が、水で流されたり、滲んだりしない。 △:印刷部分が、やや滲む。 ×:印刷部分が、明らかに水で流され、滲む。 (3)インク滲み防止性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[キャノン(株)、BJC−455J]を用いて、黒色単
色をドット印刷し、倍率50倍のルーペを用いてドット
部分を観察し、下記の基準により評価する。 ○:滲みがない。 △:やや滲みがある。 ×:明らかに滲みがある。 (4)耐光性の評価 インクジェット記録用紙に、インクジェットプリンター
[キャノン(株)、BJC−455J]を用いて、黒色単
色をドット印刷したものを印刷部としたものと、未印刷
のインクジェット記録用紙を、フェードメーター[スガ
試験機(株)、STANDARD UV LONG−LIF
E・FADEMETER FAL−3]にて24時間露
光のち、印刷部の退色の度合いと未印刷部の黄変の度合
いを目視により観察し、下記の基準により評価する。
【0021】実施例1 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール30g、ジメチルアミノエチルメタクリレート
70g、イソプロピルアルコール150gを仕込み、6
0℃に昇温して、アゾビスイソブチロニトリル0.50
gを加え、8時間重合させた。重合終了後、水150g
を添加し、60℃にてジメチル硫酸56gを1時間かけ
て滴下し、さらに60℃で1時間反応させた。反応終了
後、水200gを添加し、脱イソプロピルアルコールを
行い、さらに水を加えて固形分を25重量%に調節し、
共重合体水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、評価
を行った。耐水性の評価において、黒色、シアン、マゼ
ンタ及び黄色のいずれの単色についても、印刷部分が、
水で流されたり、滲んだりすることはなかった。インク
滲み防止性の評価において、滲みは認められなかった。
また、耐光性の評価において、印刷部に退色は認められ
ず、未印刷部に黄変は認められなかった。 実施例2 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール88g、ジメチルアミノエチルアクリルアミド
12g、イソプロピルアルコール200gを仕込み、8
0℃に昇温して、アゾビスイソブチロニトリル0.50
gを加え、8時間重合させた。重合終了後、水150g
を添加し、60℃にてジメチル硫酸10gを1時間かけ
て滴下し、さらに60℃で1時間反応させた。反応終了
後、水200gを添加し、脱イソプロピルアルコールを
行い、さらに水を加えて固形分を25重量%に調節し、
共重合体水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、評価
を行った。耐水性の評価において、黒色、シアン、マゼ
ンタ及び黄色のいずれの単色についても、印刷部分が、
水で流されたり、滲んだりすることはなかった。インク
滲み防止性の評価において、滲みは認められなかった。
また、耐光性の評価において、印刷部に退色は認められ
ず、未印刷部に黄変は認められなかった。
【0022】実施例3 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール50g、ジアリルジメチルアンモニウムクロラ
イド50g、ジオキサン150gを仕込み、80℃に昇
温して、アゾビスイソブチロニトリル0.50gを加
え、15時間重合させた。重合終了後、水300gを添
加し、脱ジオキサンを行い、さらに水を加えて固形分を
25重量%に調節し、共重合体水溶液からなるインクジ
ェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェ
ット記録用紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記
録用紙を作製し、評価を行った。耐水性の評価におい
て、黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色に
ついても、印刷部分が、水で流されたり、滲んだりする
ことはなかった。インク滲み防止性の評価において、滲
みは認められなかった。また、耐光性の評価において、
印刷部に退色は認められず、未印刷部に黄変は認められ
なかった。 実施例4 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール50g、アリルアミン塩酸塩45g、ジオキサ
ン150gを仕込み、80℃に昇温して、アゾビスイソ
ブチロニトリルをモノマー0.48gを加え、15時間
重合させた。重合終了後、水300gを添加し、脱ジオ
キサンを行い、さらに水を加えて固形分を25重量%に
調節し、共重合体水溶液からなるインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製
し、評価を行った。耐水性の評価において、黒色、シア
ン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印刷
部分が、水で流されたり、滲んだりすることはなかっ
た。インク滲み防止性の評価において、滲みは認められ
なかった。また、耐光性の評価において、印刷部に退色
は認められず、未印刷部に黄変は認められなかった。
【0023】実施例5 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール50g、N−ビニルホルムアミド60g、イソ
プロピルアルコール150gを仕込み、60℃に昇温し
て、アゾビスイソブチロニトリル0.55gを加え、8
時間重合させた。重合終了後、水55gを添加し、30
℃以下に冷却して、35重量%塩酸123gを徐々に添
加した。添加終了後、80℃で4時間加水分解した。次
いで、水250gを添加して、脱イソプロピルアルコー
ルを行い、さらに水を加えて固形分を25%に調節して
共重合体水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、評価
を行った。耐水性の評価において、黒色、シアン、マゼ
ンタ及び黄色のいずれの単色についても、印刷部分が、
水で流されたり、滲んだりすることはなかった。インク
滲み防止性の評価において、滲みは認められなかった。
また、耐光性の評価において、印刷部に退色は認められ
ず、未印刷部に黄変は認められなかった。 実施例6 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール50g、4−ビニルピリジン51g、イソプロ
ピルアルコール150gを仕込み、60℃に昇温して、
アゾビスイソブチロニトリル0.51gを加え、8時間
重合させた。重合終了後、水150gを添加し、60℃
にてジメチル硫酸61gを1時間かけて滴下し、さらに
60℃で1時間反応させた。反応終了後、水200gを
添加し、脱イソプロピルアルコールを行い、さらに水を
加えて固形分を25重量%に調節し、共重合体水溶液か
らなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得た。
このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用いてイ
ンクジェット記録用紙を作製し、評価を行った。耐水性
の評価において、黒色、シアン、マゼンタ及び黄色のい
ずれの単色についても、印刷部分が、水で流されたり、
滲んだりすることはなかった。インク滲み防止性の評価
において、滲みは認められなかった。また、耐光性の評
価において、印刷部に退色は認められず、未印刷部に黄
変は認められなかった。
【0024】実施例7 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール30g、ジメチルアミノエチルメタクリレート
70g、イソプロピルアルコール150gを仕込み、6
0℃に昇温して、アゾビスイソブチロニトリル0.50
gを加え、8時間重合させた。重合終了後、水300
g、35重量%塩酸47gを添加し、脱イソプロピルア
ルコールを行い、さらに水を加えて固形分を25重量%
に調節し、共重合体水溶液からなるインクジェット記録
用紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作
製し、評価を行った。耐水性の評価において、黒色、シ
アン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印
刷部分が、水で流されたり、滲んだりすることはなかっ
た。インク滲み防止性の評価において、滲みは認められ
なかった。また、耐光性の評価において、印刷部に退色
は認められず、未印刷部に黄変は認められなかった。 実施例8 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール30g、ジメチルアミノエチルメタクリレート
70g、イソプロピルアルコール150gを仕込み、6
0℃に昇温して、アゾビスイソブチロニトリル0.50
gを加え、8時間重合させた。重合終了後、水150g
を添加し、60℃にてベンジルクロライド57gを1時
間かけて滴下し、さらに60℃で1時間反応させた。反
応終了後、水200gを添加し、脱イソプロピルアルコ
ールを行い、さらに水を加えて固形分を25重量%に調
節し、共重合体水溶液からなるインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙用
耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製
し、評価を行った。耐水性の評価において、黒色、シア
ン、マゼンタ及び黄色のいずれの単色についても、印刷
部分が、水で流されたり、滲んだりすることはなかっ
た。インク滲み防止性の評価において、滲みは認められ
なかった。また、耐光性の評価において、印刷部に退色
は認められず、未印刷部に黄変は認められなかった。
【0025】実施例9 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール30g、ジメチルアミノエチルアクリレート1
3g、イソプロピルアルコール150gを仕込み、60
℃に昇温して、アゾビスイソブチロニトリル0.22g
を加え、8時間重合させた。重合終了後、水150gを
添加し、60℃にてジメチル硫酸12gを1時間かけて
滴下し、さらに60℃で1時間反応させた。反応終了
後、水200gを添加し、脱イソプロピルアルコールを
行い、さらに水を加えて固形分を25重量%に調節し、
共重合体水溶液からなるインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙用耐水性
向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製し、評価
を行った。耐水性の評価において、黒色、シアン、マゼ
ンタ及び黄色のいずれの単色についても、印刷部分が、
水で流されたり、滲んだりすることはなかった。インク
滲み防止性の評価において、滲みは認められなかった。
また、耐光性の評価において、印刷部に退色は認められ
ず、未印刷部に黄変は認められなかった。 実施例10 4つ口フラスコに、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリロイルオキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール30g、ジメチルアミノエチルメタクリレート
70g、メチルメタクリレート38g、イソプロピルア
ルコール150gを仕込み、60℃に昇温して、アゾビ
スイソブチロニトリル0.69gを加え、8時間重合さ
せた。重合終了後、水300g、35重量%塩酸47g
を添加し、脱イソプロピルアルコールを行い、さらに水
を加えて固形分を25重量%に調節し、共重合体水溶液
からなるインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を得
た。このインクジェット記録用紙用耐水性向上剤を用い
てインクジェット記録用紙を作製し、評価を行った。耐
水性の評価において、黒色、シアン、マゼンタ及び黄色
のいずれの単色についても、印刷部分が、水で流された
り、滲んだりすることはなかった。インク滲み防止性の
評価において、滲みは認められなかった。また、耐光性
の評価において、印刷部に退色は認められず、未印刷部
に黄変は認められなかった。
【0026】比較例1 4つ口フラスコに、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト100g、イソプロピルアルコール150gを仕込
み、60℃に昇温して、アゾビスイソブチロニトリル
0.50gを加え、8時間重合させた。重合終了後、水
150gを添加し、60℃にてジメチル硫酸80gを1
時間かけて滴下し、さらに60℃で1時間反応させた。
反応終了後、水200gを添加し、脱イソプロピルアル
コールを行い、さらに水を加えて固形分を25重量%に
調節し、共重合体水溶液からなるインクジェット記録用
紙用耐水性向上剤を得た。このインクジェット記録用紙
用耐水性向上剤を用いてインクジェット記録用紙を作製
し、評価を行った。耐水性の評価において、黒色とシア
ンは、印刷部分が明らかに水で流され、滲み、マゼンタ
と黄色は、印刷部分がやや滲んだ。インク滲み防止性の
評価において、やや滲みが認められた。また、耐光性の
評価において、印刷部は明らかに退色し、未印刷部は明
らかに黄変していた。 比較例2 実施例1で使用したインクジェット記録用紙用耐水性向
上剤の代わりに、ポリエチレンイミン(分子量1,20
0)を使用して、インクジェット記録用紙を作製し、評
価を行った。耐水性の評価において、黒色とマゼンタ
は、印刷部分がやや滲み、シアンと黄色は、印刷部分が
明らかに水で流され、滲んだ。インク滲み防止性の評価
において、明らかに滲みが認められた。また、耐光性の
評価において、印刷部は明らかに退色し、未印刷部は明
らかに黄変していた。実施例1〜10及び比較例1〜2
の原料組成と評価結果を、第1表に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】第1表に見られるように、実施例1〜10
の本発明のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤をコ
ーティングして作製したインクジェット記録用紙は、い
ずれのインクに対しても優れた耐水性を有している。ま
た、インク滲み防止性にも、耐光性にも優れている。こ
れに対して、ジメチルアミノエチルメタクリレートから
合成された共重合体を用いて作製した比較例1のインク
ジェット記録用紙は、耐水性、耐光性ともに劣り、イン
ク滲み防止性もやや劣っている。また、従来よりインク
ジェット記録用紙用耐水性向上剤として使用されている
ポリエチレンイミンを用いて作製した比較例2のインク
ジェット記録用紙は、耐水性、インク滲み防止性、耐光
性のすべてにおいて劣っている。
【0030】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙用耐水
性向上剤をコーティングすることにより、インクジェッ
トプリンターを用いて記録される画像や文字の耐水性を
向上させ、インク滲みのない優れた画質のイメージの記
録が可能となり、さらに耐光性にも優れたインクジェッ
ト記録用紙を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 裕貴 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 (72)発明者 玄正 俊男 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華化 学株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA36 BA37 BA38 4L055 AG57 AG65 AG71 AG73 AH13 AH50 AJ02 BE08 EA29 EA32 FA11 FA15 FA17 FA19 GA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1]で表される構造単位及びカチ
    オン性構造単位を有する共重合体を含有することを特徴
    とするインクジェット記録用紙用耐水性向上剤。 【化1】 (ただし、式中、R1は水素又はメチル基であり、kは
    1〜6である。)
  2. 【請求項2】カチオン性構造単位が、一般式[2]で表
    される構造単位である請求項1記載のインクジェット記
    録用紙用耐水性向上剤。 【化2】 (ただし、式中、R2は水素又はメチル基であり、R3
    4及びR5は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はベン
    ジル基であり、R3、R4、R5は同一であっても異なっ
    ていてもよく、X-は陰イオンであり、mは1〜6であ
    る。)
  3. 【請求項3】カチオン性構造単位が、一般式[3]で表
    される構造単位である請求項1記載のインクジェット記
    録用紙用耐水性向上剤。 【化3】 (ただし、式中、R6は水素又はメチル基であり、R7
    8及びR9は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はベン
    ジル基であり、R7、R8、R9は同一であっても異なっ
    ていてもよく、X-は陰イオンであり、nは1〜6であ
    る。)
  4. 【請求項4】カチオン性構造単位が、一般式[4]又は
    一般式[5]で表される構造単位である請求項1記載の
    インクジェット記録用紙用耐水性向上剤。 【化4】 (ただし、式中、R10及びR11は水素、炭素数1〜4の
    アルキル基又はベンジル基であり、R10とR11は同一で
    あっても異なっていてもよく、X-は陰イオンであ
    る。)
  5. 【請求項5】カチオン性構造単位が、一般式[6]で表
    される構造単位である請求項1記載のインクジェット記
    録用紙用耐水性向上剤。 【化5】 (ただし、式中、R12、R13及びR14は水素、炭素数1
    〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R12、R13
    14は同一であっても異なっていてもよく、X-は陰イ
    オンである。)
  6. 【請求項6】カチオン性構造単位が、一般式[7]で表
    される構造単位である請求項1記載のインクジェット記
    録用紙用耐水性向上剤。 【化6】 (ただし、式中、R15、R16及びR17は水素、炭素数1
    〜4のアルキル基又はベンジル基であり、R15、R16
    17は同一であっても異なっていてもよく、X-は陰イ
    オンである。)
  7. 【請求項7】カチオン性構造単位が、一般式[8]で表
    される構造単位である請求項1記載のインクジェット記
    録用紙用耐水性向上剤。 【化7】 (ただし、式中、R18は水素、炭素数1〜4のアルキル
    基又はベンジル基であり、X-は陰イオンである。)
  8. 【請求項8】共重合体が、一般式[1]で表される構造
    単位10〜90重量%と、一般式[2]、一般式
    [3]、一般式[4]、一般式[5]、一般式[6]、
    一般式[7]又は一般式[8]で表される1種又は2種
    以上の構造単位10〜90重量%を有する請求項1記載
    のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤。
  9. 【請求項9】共重合体が、一般式[1]で表される構造
    単位10〜90重量%、一般式[2]、一般式[3]、
    一般式[4]、一般式[5]、一般式[6]、一般式
    [7]又は一般式[8]で表される1種又は2種以上の
    構造単位5〜85重量%、並びに、他のビニル系化合物
    の構造単位5〜85重量%を有する請求項1記載のイン
    クジェット記録用紙用耐水性向上剤。
  10. 【請求項10】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求
    項9記載のインクジェット記録用紙用耐水性向上剤をコ
    ーティングしてなることを特徴とするインクジェット記
    録用紙。
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