JP2923680B2 - 光安定化したインク組成物 - Google Patents

光安定化したインク組成物

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JP2923680B2 JP2224171A JP22417190A JP2923680B2 JP 2923680 B2 JP2923680 B2 JP 2923680B2 JP 2224171 A JP2224171 A JP 2224171A JP 22417190 A JP22417190 A JP 22417190A JP 2923680 B2 JP2923680 B2 JP 2923680B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン
の水溶性の誘導体を、光安定剤として含有する水性イン
ク組成物に関する。これらのインク組成物はインクジェ
ット印刷のために特に適している。
〔従来の技術と解決すべき課題〕
インクジェット印刷による印刷は、電子信号により制
御される非常に早い印刷方法である。
この方法は印刷材料上にオリフィスを通してインクの
微小滴を噴出することを包含する。これに使用されるイ
ンクは水溶性の染料の水溶液であると好ましい。この染
料は、従来の印刷方法で使用されている染料、顔料より
光堅牢性が低いのが普通である。その結果、得られた印
刷物は光りに曝された時限定された貯蔵寿命しか持って
いない。
従って、インクにスルホン化したヒドロキシベンゾフ
ェノン型の水溶性紫外線吸収剤を添加すること〔参照:
米国特許USP4,256,493号〕が既に提案されている。この
ような化合物の金属塩も、インクジェット印刷インク用
の光安定剤として提案されている〔参照:日本特許公開
公報JP−A−46277/88〕。
このようなベンゾフェノンの誘導体とその塩の欠点
は、それらが特定の染料、特に黒色染料に添加された時
に退色の原因になる点である。更に、ある時にはベンゾ
フェノン誘導体はインク染料、例えばC.I.酸性染料黄色
23の光堅牢性に負の影響を与える。
ベンゾトリアゾール型の紫外線吸収剤のカルボン酸誘
導体も、染料とインクの安定用にリサーチ ジクスロー
ジャー(Research Disclosure)22519号に提案されてい
る。しかし、これらの誘導体は水系に充分に溶解しな
い。
〔課題を解決するための手段〕
2−ヒドロキシフェニル−s−トリアジンの特殊な水
溶性誘導体が、水性インク組成物用の、特にインクジェ
ット印刷用の、並びに該水性インク組成物で印をつけた
または印刷された記録材料用の優れた光安定用添加物に
なることが、今や見出された。
特に、本発明は式I 〔式中、R1は水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキ
ル基、基:−R4−SO3Mまたは−R4−CO2Mを表し; R2は、もしもR1が水素原子または炭素原子数1ないし
4のアルキル基を表すならば、−SO3M基を表し、そし
て、もしもR1が−R4−CO2Mまたは−R4−SO3Mを表すなら
ば、水素原子または−SO3Mを表し; R3は水素原子、塩素原子または炭素原子数1ないし4
のアルキル基を表し; R4は未置換のまたはOH−置換された炭素原子数1ない
し4のアルキレン基を表し; XおよびYは各々が互いに独立して式IIまたはIII (式中、R5は水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキ
ル基、−R4−CO2Mまたは−R4−SO3Mを表し; R6は水素原子、塩素原子、炭素原子数1ないし4のア
ルキル基または−SO3Mを表し; R7は水素原子、塩素原子または炭素原子数1ないし4
のアルキル基を表し; R8、R9およびR10は各々が互いに独立して水素原子、
塩素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、フェニ
ル基または−SO3Mを表す。)により表される基を表し; Mは水素原子、Li、Na、K、1/2Ca、1/2Mg、1/2Zn、1
/2Co(II)、 1/2Cu(II)、1/2Ni(II)、 1/3Cr(III)、1/3Fe(III)、 (式中、R11、R12、R13およびR14は各々互いに独立して
水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、シクロヘキシル基、フェニル基また
はベンジル基を表す。)を表す。〕により表される化合
物の少なくとも一種を光安定剤として含有する水性イン
ク組成物に関する。
式I中、炭素原子数1ないし4のアルキル基として定
義される置換基は、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、se
c−ブチル基またはtert−ブチル基である。
未置換のまたはOH−置換された炭素原子数1ないし4
のアルキレン基としてのR4はメチレン基、1,2−エチレ
ン基、1,3−プロピレン基、2−ヒドロキシ−1,3−プロ
ピレン基または1,4−ブチレン基である。
好ましいインク組成物は、式I 〔式中、a)R1が水素原子、メチル基またはエチル基を
表し;そしてR2が SO3Mを表すか;または b)R1が、−R4−SO3Mまたは −R4−CO2Mを表し; そしてR2は、水素原子を表すかのどちらかであり; R3は水素原子、塩素原子またはメチル基を表し; R4は未置換のまたはOH−置換された炭素原子数1ない
し3のアルキレン基を表し; XおよびYは各々が互いに独立して式IIまたはIII
(式中、、R5は水素原子、メチル基、エチル基、−R4
CO2Mまたは −R4−SO3Mを表し; R6は水素原子または−SO3Mを表し; R7は水素原子、塩素原子またはメチル基を表し; R8は水素原子を表し; R9およびR10は各々が互いに独立して水素原子、塩素
原子、メチル基、エチル基または−SO3Mを表す。)によ
り表される基を表し; Mは水素原子、Li、Na、K、 1/2Ni(II)または を表し;そして R11、R12、R13およびR14は各々が互いに独立して水素
原子、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を
表す。〕により表される化合物の少なくとも一種を含有
するそれらである。
特に好ましいインク組成物は、式I 〔式中、a)R1が水素原子またはメチル基を表し; そしてR2がSO3Mを表すか;または b)R1は−R4−SO3Mまたは −R4−CO2Mを表し; そしてR2は水素原子を表すかのいずれかであり; R3は水素原子を表し; R4は未置換のまたはOH−置換された炭素原子数1ない
し3のアルキレン基を表し; XおよびYは各々が互いに独立して式IIまたはIII(式
中、R5はR1と同じ意味を持ち; R6はR2と同じ意味を持ち; R7は水素原子を表し; R8は水素原子を表し; R9は水素原子またはメチル基を表し; そしてR10は水素原子、メチル基または −SO3Mを表す。)により表される基を表し; Mは水素原子、Li、Na、K、 1/2Ni(II)または を表し; そしてR11、R12、R13およびR14は各々が互いに独立して
水素原子、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル
基を表す。〕により表される化合物の少なくとも一種を
含有する水性インク組成物に関する。
Mは好ましくはリチウムである。
式Iの化合物を説明すると、式: により表される化合物である。
もしも式Iの化合物が塩であるならば、それらは、適
当な塩基、例えば水酸化物、炭酸塩またはオキシドによ
る中和により該当する酸から合成されてもよい。
該当する酸は既知の化合物であるかまたは既知のそれ
らを得るための方法に準じて合成され得る(参照:FR−
A−1,494,413,EP−A 165,608およびWO−A 86/3528)。
遊離酸およびそのアルカリ金属塩は、写真用染料用の
および織物用染料用の光安定剤として提案されている。
式Iの化合物は0.01ないし20重量%、好ましくは0.1
ないし10重量%の量でインク組成物に添加するのが好ま
しい。
これらの濃度で、これら化合物は容易に溶解する。
これらのインク組成物は水性組成物である。それらは
少なくとも30重量%の水を含有する。水に加えて、それ
らの組成物は1または2種以上の水と相溶性の溶媒、例
えばエチレングリコール、ジ−またはトリエチレングリ
コール、プロピレングリコールまたはこのようなグリコ
ール類のエーテル、1,4−ブタンジオール、チオジグリ
コール、グリセリンおよびそれらのエーテル、ポリグリ
セリン、モノ−、ジ−およびトリエタノールアミン、プ
ロパノールアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルアセタミド、N−メチルピロリド
ン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
プロパノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチ
ルエチルケトンまたは炭酸プロピレンを含有していても
よい。
これらのインク組成物は50重量%の水を含有している
のが好ましい。
これらのインク組成物は、天然繊維着色用として知ら
れている水溶性染料またはそれらの混合物を含有する。
これらの染料は、典型的にはモノ−、ジ−またはポリア
ゾ染料、トリフェニルメタン染料、反応性染料またはフ
タロシアニン染料である。このような染料の例は、カラ
ーインデックスに掲載されている酸性染料黄色23、直接
染料黄色86、酸性染料赤色14、酸性染料赤色35、酸性染
料赤色52、酸性染料赤色249、直接染料赤色227、反応性
染料黄色40、酸性染料ブルー9、直接染料ブルー86、直
接染料ブルー199、フード ブラック2、直接黒色染料1
9、直接染料黒色38、直接染料黒色168およびスルファー
ブラック1である。
これらのインクは通常0.5−6重量%の染料を含有す
る。
これらのインク組成物は、結合剤、界面活性剤、殺生
物剤、腐食防止剤、軟化剤(金属イオン封鎖剤)、pH緩
衝剤または導電性添加剤等のようないろいろの改質剤の
少量も含有していてもよい。
それらは、別の水溶性の光安定剤を含有していてよ
い。しかしながら、通常、これらのインク組成物に1種
または2種以上の式Iの安定剤を添加すれば、この発明
を実行するには充分である。
本発明の安定化したインク組成物は、インクジェット
印刷に使用するのが好ましい。
しかし、それらのインク組成物は、インクの他の全て
の慣用的な用途、例えばフェルトペン、インクパッド、
万年筆、ペン プロッター、タイプライター用リボン用
等の用途に、または異なる印刷技術用の印刷インクとし
ても使用できる。
使用される機械により異なる技術がインクジェット印
刷に使用される。かくして、例えば、インク滴下(drop
−on−demand)印刷機、バブルージェット(bublle−je
t)印刷機、連続−ジェット印刷機またはカンパウント
−ジェット(compoud−jet)印刷機等がある。
本発明の安定化されたインク組成物は、これらの全て
の技術に使用され得る。
インク組成物への式Iの化合物の添加の効果は、その
組成物で作られた印刷像の光安定性を増強することにあ
る。
この効果は、本明細書の実施例に示したように、曝光
機中に印刷物の試験片を短時間曝光することにより実験
的に測定できる。これらの実施例中の部とパーセントは
重量による。
インクジェット印刷に使用するのが好ましい本発明の
記録材料は、インクジェットの手段により印刷できる表
面を持つ基材からなる。この基材は普通は紙またはプラ
スチックシートであり、そしてインクを吸収することが
できる材料でその片面が塗膜してある。
この塗膜の層はSiO2とポリビニルアルコールを含有し
ているのが好ましいだろう。
塗装していない紙も使用できる。この場合、紙は基材
およびインク吸収層として同時に機能する。
式Iの化合物を含有する、セルロース繊維または織物
用繊維材料から作られた材料、例えば綿布または綿とポ
リアクリルアミドもしくはポリエステルとの混紡もイン
クジェット印刷に使用できる。
投影用透明シートの場合のように、記録材料は透明で
もあり得る。
一方、式Iの化合物は記録材料に包含させることもで
き、これはインクジェット印刷に特に適している。
第一の方法では、式Iの化合物は、紙生産におけるパ
ルプに直接に添加できる。
第二の適用の方法は、式Iの化合物の溶液を基材に散
布することである。この場合における溶液は、水溶性ま
たは僅かに揮発性の有機溶媒中の溶液である。油溶性の
式Iの化合物を使用する場合には、式Iの化合物の有機
溶媒溶液で材料を散布または浸漬するのが、特に適切で
ある。乳濁液または分散液を使用するのも可能である。
しかし、普通には、染料に対して親和力のある塗料を
基材に適用し、式Iの化合物をこの塗料に添加する。塗
料は、通常、固形充填剤、結合剤および慣用の添加剤か
らなる。
充填剤は塗料のバルクを構成する。適当な充填剤の例
は、SiO2、カオリン、タルク、珪酸のカルシウム塩、マ
グネシウム塩もしくはアルミニウム塩、石膏、ゼオライ
ト、ベントナイト、けいそう土、バーミュキュライト、
デンプンまたは日本特許公開公報JP−A−60−260377号
に記述されている表面が改質されたSiO2である。二酸化
チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、石灰、白墨
または炭酸マグネシウムのような白色顔料の少量を、こ
れらがインクジェット印刷の密度を極端に下げることが
無ければ、塗料中の充填剤と共に使用してもよい。
透明な投影できる記録材料用に適した塗料は、顔料お
よび充填剤のような如何なる光分散性粒子を含まないの
がよい。
結合剤は、充填剤を互いに結合せしめ、そして基材に
結合せしめる。
典型的な常用される結合剤は、水溶性のポリマー、例
えばポリビニルアルコール、部分的に加水分解されたポ
リ酢酸ビニル、セルロースエーテル、ポリビニルピロリ
ドンおよびこれらの共重合体、ポリエチレンオキシド、
ポリアクリル酸の塩、アルギン酸ナトリウム、(被)酸
化糊、ゼラチン、カゼイン、植物性ゴム、デキストリ
ン、アルブミン、ポリアクリレートまたはアクリレート
/メタアクリレート共重合体の分散系、天然または合成
ゴムのラテックス、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ
ビニルエーテル、マレイン酸の共重合体、メラミン樹
脂、尿素樹脂または日本特許公開公報JP−A−61−1342
90または61−134291号に記載されている化学的に改質し
たポリビニルアルコール等である。
塗膜に染料をもっと堅固に固定する追加的染料受容体
または媒染剤を結合剤に添加できる。
酸性染料のための乾燥受容体は、カチオン性または両
性の性質のものである。
カチオン性の受容体の例は、高分子アンモニウム化合
物、例えば塩化ポリビニルベンジルトリメチルアンモニ
ウム、塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム、塩化ポ
リメタアクリルオキシエチルヒドロキシアンモニウム、
塩化ポリビニルベンジルメチルイミダゾリウム、塩化ポ
リビニルベンジルピコリニウムまたは塩化ポリビニルベ
ンゼンジルトリブチルアンモニウムである。
他の例は、塩基性ポリマー、例えばポリ−(ジメチル
アミノエチル)メタアクリレート、ポリアルキレンポリ
アミンおよびこれらのジシアンジアミドとの縮合物、ア
ミン/エピクロルヒドリンのポリ縮合物または日本特許
公開公報JP−A−57−36692、57−64591、57−187289、
57−191084、58−177390、58−208357、59−20696、59
−33176、59−96987、59−198188、60−49990、60−717
96、60−72785、60−161188、60−187582−60−18948
1、60−189482、61−14979,61−43593、61−57379、61
−57380、61−58788、61−61887、61−63477、61−7258
1、61−95977、61−134291号に、または米国特許第4,54
7,405および4,554,181号に、並びに西独特許公開公報DE
−A−3,417,582号に記載されている化合物である。
両性染料受容体と、例えば、ゼラチンである。
染料結合性の塗膜は、他の添加剤の多数、例えば抗酸
化剤、他の光安定剤(本発明に従う紫外線吸収剤に属さ
ない紫外線吸収剤も含む。)、粘度改良剤、蛍光増白
剤、殺生物剤および/または帯電防止剤を含んでいても
よい。
特に適する抗酸化剤の代表例は、立体的障害のフェノ
ール類およびハイドロキノン、例えば英国特許公開公報
GB−A2088777号または日本特許公開公報JP−A60−72785
−60−72786および60−71796号に記載されている抗酸化
剤である。
特に適している光安定剤の代表例は、有機ニッケル化
合物および立体的障害アミン、例えば日本特許公開公報
JP−A−58−152072、61−146591、61−163886、60−72
785および61−146591号に、または英国特許公開公報GB
−A−2088777、日本特許公開公報JP−A59−169883およ
び61−177279号で開示されている光安定剤である。
式Iの化合物と組み合わせて塗料に加えてもよい適当
な紫外線吸収剤は、例えばリサーチジスクロージャー
(Research Disclosure)No.24,239(1984),p.284,英
国特許公開公報GB−A2,088,777号および欧州特許公開公
報EP−A−280,650号に開示されている。
インクジェット印刷のための記録基材に式Iの化合物
と共に一緒に使用する適当な紫外線吸収剤は、特に2−
ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類そして、最も
特に2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾールと2−(2′、ヒド
ロキシ−3′−tert−ブチル−5′−ポリグリコールプ
ロピオネート−フェニル)ベンゾトリアゾールである。
紫外線吸収剤は塗料に乳濁液または分散液として添加
できる。
もしも式Iの化合物が酸であるならば、これは塗料の
中でアルカリを添加して溶解できる。
酸でない式Iの化合物は、塗料中で直接にかまたは乳
濁液もしくは分散液の形状でそれに添加することによる
かの何れかの方法で溶解できる。
塗料は普通の方法で基材、例えば紙に適用され、そし
て加熱により乾燥される。
上述したように、式Iの化合物は水溶液としても、記
録材料に別々の操作で、単独に、または他の上述の成分
と共に適用できる。
適用は散布により、糊付プレスによる糊付けにより、
別々の塗装工程によりまたは浴槽中の浸漬により実施で
きる。
このような後処理で記録材料を処理した後、追加の乾
燥工程は必要である。
記録用基材は、式Iの化合物の少なくとも一種を、1
ないし10000mg/m2、最も好ましくは50ないし2000mg/m2
含有する。
〔実施例〕
実施例1: シリカ/ポリビニルアルコールを基材にした塗料を下
記の成分から製造する: ポリビニルアルコール〔リーデル デ ハーエン ゲ
ーエムベーハー(Riedel de Haen GmbH)製〕の10%液 ・・・16.34g ジ−tert−オクチルフェニルポリエチレンオキシド ・・・0.02g シリカ〔244型、ダブリュー.アール.グレース ア
ンド コ.(W.R.Grace and Co.)製〕 ・・・・2.00g 水 ・・・・9.54g 得られた塗料を超音波で分散し、24μmのメッシュの
大きさをもつポリエステル繊維の篩でろ過する。2Nの水
酸化ナトリウムの溶液を添加することによりpHを7.0迄
調節する。
塗料を針金製施用具(wire applicator)で写真用紙
に36μmの厚さで適用する。温風で乾燥すると、塗膜は
約5.0g/m2の重さになる。
記録材料を式Iの紫外線吸収剤を含有する本発明のイ
ンク組成物および紫外線吸収剤を含まない対照のインク
組成物で印刷する。
このインクは下記のようにして製造される: 紫外線吸収剤6gを、水80gとグリセリン15gの混合物に
溶解する。
染料溶液をC.I.酸性染料黄色23またはC.I.酸性染料赤
色35の4g、水80gおよびグリセリン15gから製造する。両
方の溶液を孔径0.3μmのろ過膜でろ過し、合わせる。
かくして得られた印刷用インク組成物は下記の組成か
らなる: 水 80% グリセリン 15% 染料 2% 紫外線吸収剤 3% ブランクの試験片は、上記と同量の染料溶液を、水86
gとグリセリン15gの混合物と合わせることにより作製さ
れる。
下記の紫外線吸収剤(欧州特許公開公報EP−A−1656
08号明細書に記載の方法に準じて合成される。)が使用
される。
このインクをヒューウレット−パッカード(Hewlett
−Packard)社製「シンク−ジェット」インクジェット
印刷機のインクカートリッジに満たす。192×96ドット
/inch2(75.6×37.8ドット/cm2)の密度を持つ印刷物
の試験片が作製される。
印刷物を完全に乾燥するために一週間貯蔵した後、A
状態(status A)のフィルターを使用するマクベス(Ma
cbeth)TR濃度計で、印刷物の試験片の色強度が測定さ
れる。
次いで、印刷物の試験片を、10kJ/cm2までの光エネル
ギーで、6mmの厚さの窓ガラスの後ろにおいてある81klu
xの密度をもつキセノンランプでアトラス−ウェザロメ
ータ中照射する。
色強度の損失率を確認するために、色濃度をもう一度
測定する。
結果を下表に報告する。より低い数値は堅牢性がより
高いことを表す。
実施例2: 染料C.I.フード黒色2と紫外線吸収剤E−1を使用し
て、実施例1に記載の方法と同様にして印刷物の試験片
を作製する。
その試験片を実施例1と同様にして曝光し(但し、光
エネルギーは5kJ/cm2のみまでである。)、色濃度の損
失度を測定する。
実施例3: C.I.直接染料青色199と紫外線吸収剤E−1を使用し
て、実施例1に記載の方法と同様にして印刷物の試験片
を作製する。
その試験片を実施例1と同様にして、光エネルギー45
kJ/cm2で曝光し、色濃度の損失度を測定する。
実施例4: シリカ/ポリビニルアルコールを基材にした塗料を、
式Iの水溶性の紫外線吸収剤を入れてまたは入れない
で、製造する。
ポリビニルアルコール〔リーデル デ ハーエン ゲ
ーエムベーハー(Riedel de Haen GmbH)製〕の10%水
溶液16.36g、インヴァンジン(Invandin) JFC界面活
性剤(チバ−ガイギー社製)の10%水溶液0.15gおよび
水10.51gを添加し、一緒にして攪拌した。
次に、シリカ2.0g〔シロイド(Syloid)型244,ダブリ
ュー.アール.グレース コ.(W.R.Grace Co.)製〕
2.0gを秤量して添加し、超音波により分散した。
得られた塗料を24μmのメッシュの大きさをもつポリ
エステル繊維の篩でろ過した。そして水酸化リチウムで
pHを7.0迄調節した。
次いで塗料を、針金を巻きつけた塗布棒で写真用紙製
基材上に60μmの厚さで施用した。温風で乾燥すると、
塗膜は約8g/m2の乾燥重になった。
水溶性の式Iの紫外線吸収剤を含む全乾燥塗膜重量8g
/m2の同様の塗膜を上述と同様の方法で作製する。しか
し、ここでは水14.2gと紫外線吸収剤E−1、E−2の
各々の追加の0.52gが使用された。この紫外線吸収剤を
ポリビニルアルコール/表面活性剤の混合物に直接に溶
解せしめた。
比較例として、乳化できる紫外線吸収剤混合物を1g/m
2含有する塗膜重量8g/m2のインクジェット記録用紙を作
製した。この紫外線吸収剤の混合物は、50%のβ−[3
−(2−H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチル−フェニル]−プロピオン
酸ポリエチレングリコール300エステル、38%のビス−
{β−[3−[2−H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル]−
プロピオン酸}−ポリエチレングリコール300エステル
および12%のポリエチレングリコール300からなる。
乳化剤:カテムル(Katemul)IG−70〔シアー ケミ
カル社(Scher Chemical Inc.)製〕を、リサーチ ジ
スクロジャー(Research Disclosure)295115(1988年1
1月刊行)に記載されているように、紫外線吸収剤の混
合物を乳化するのに使用した。
かくして、水性ポリビニルアルコール10%溶液16.36
g、カテムルIG−70の0.23gおよび水15.06gを一緒にして
攪拌し、上述の紫外線吸収剤の混合物を0.54gを秤量
し、攪拌して入れ、次いで超音波により乳化した。次い
で、シリカ2.0gを添加し、2回目の超音波を使って分散
した。次いで得られた塗料を中和し、ろ過し、上述と同
じ方法でインクジェット用紙を作製するのに使用した。
インクジェットインクは、水48.75gとジエチレングリ
コール48.75gに溶解したC.I.酸性染料黄色17の2.5gから
製造した。
次いで、実施例1に記載してある方法に従って、この
インクを上述の特別に作製した紙上に印刷した。
印刷物の堅牢製を同じく同様の方法で評価した。
5kJ/cm2の全照射エネルギーになった後、紫外線吸収
剤を含有しない試験片は、70%の濃度損失を示した。こ
れに対し本発明の紫外線吸収剤E−1とE−2を含有す
る試験片は、各々23と30%の濃度損失を示した。しか
し、乳化できる紫外線吸収剤を含む試験片の濃度損失は
91%であった。この試験の条件下では、本発明の紫外線
吸収剤は堅牢製に対して有益な効果を示したが、比較例
の紫外線吸収剤の効果は有益ではなかったことは明瞭で
ある。
実施例5: 紫外線吸収剤を含有しない、またはE−1とE−2の
紫外線吸収剤の各々を含有する実施例4で使用したイン
クジェット用紙を異なる種類の染料を含有するインクジ
ェットインクで印刷し、堅牢性を評価した。
C.I.酸性染料黄色17の代わりに、C.I.酸性染料赤色1
4、C.I.酸性染料赤色249およびC.I.直接染料赤色227が
実施例4に記載されているインクジェットインクを作製
するのに使用された。10kJ/cm2の曝光をした後の結果を
下表に示す:

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I 〔式中、R1は水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキ
    ル基、基:−R4−SO3Mまたは−R4−CO2Mを表し; R2は、もしもR1が水素原子または炭素原子数1ないし4
    のアルキル基を表すならば、 −SO3M基を表し;そして、もしもR1が −R4−CO2Mまたは−R4−SO3Mを表すならば、水素原子ま
    たは−SO3Mを表し; R3は水素原子、塩素原子または炭素原子数1ないし4の
    アルキル基を表し; R4は未置換のまたはOH−置換された炭素原子数1ないし
    4のアルキレン基を表し; XおよびYは各々が互いに独立して式IIまたはIII (式中、R5は水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキ
    ル基、−R4−CO2Mまたは −R4−SO4Mを表し; R6は水素原子、塩素原子、炭素原子数1ないし4のアル
    キル基または−SO3Mを表し; R7は水素原子、塩素原子または炭素原子数1ないし4の
    アルキル基を表し; R8、R9およびR10は各々が互いに独立して水素原子、塩
    素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、フェニル
    基または−SO3Mを表す。)により表される基を表し; Mは水素原子、Li、Na、K、1/2Ca、1/2Mg、1/2Zn、1/2
    Co(II)、1/2Cu(II)、1/2Ni(II)、 1/3Cr(III)、1/3Fe(III)、 (式中、R11、R12、R13およびR14は各々互いに独立して
    水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、2−ヒ
    ドロキシエチル基、シクロヘキシル基、フェニル基また
    はベンジル基を表す。)を表す。〕により表される化合
    物の少なくとも一種を光安定剤として含有する水性イン
    ク組成物。
  2. 【請求項2】式I〔式中、a〕R1が水素原子、メチル基
    またはエチル基を表し;そしてR2が SO3Mを表すか;または b)R1が−R4−SO3Mまたは −R4−CO2Mを表し; そしてR2は、水素原子を表すかのどちらかであり; R3は水素原子、塩素原子またはメチル基を表し; R4は未置換のまたはOH−置換された炭素原子数1ないし
    3のアルキレン基を表し; XおよびYは各々が互いに独立して式IIまたはIII(式
    中、R5は水素原子、メチル基、エチル基、−R4−CO2Mま
    たは −R4−SO3Mを表し; R6は水素原子または−SO3Mを表し; R7は水素原子、塩素原子またはメチル基を表し; R8は水素原子を表し; R9およびR10は各々が互いに独立して水素原子、塩素原
    子、メチル基、エチル基または−SO3Mを表す。)により
    表される基を表し; Mは水素原子、Li、Na、K、 1/2Ni(II)または を表し;そして R11、R12、R13およびR14は各々が互いに独立して水素原
    子、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を表
    す。〕により表される化合物の少なくとも一種を含有す
    る請求項(1)記載の水性インク組成物。
  3. 【請求項3】式I〔式中、a)R1が水素原子またはメチ
    ル基を表し; そしてR2がSO3Mを表すか;または b)R1は−R4−SO3Mまたは −R4−CO2Mを表し; そしてR2は水素原子を表すかのどちらかであり; R3は水素原子を表し; R4は未置換のまたはOH−置換された炭素原子数1ないし
    3のアルキレン基を表し; XおよびYは各々が互いに独立して式IIまたはIII(式
    中、R5はR1と同じ意味を持ち; R6はR2と同じ意味を持ち; R7は水素原子を表し; R8は水素原子を表し; R9は水素原子またはメチル基を表し; そしてR10は水素原子、メチル基または −SO3Mを表す。)により表される基を表し; Mは水素原子、Li、Na、K、 1/2Ni(II)または を表し;そして R11、R12、R13およびR14は各々が互いに独立して水素原
    子、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を表
    す。〕により表されきる化合物の少なくとも一種を光安
    定剤として含有する水性インク組成物。
  4. 【請求項4】式Iにより表される化合物の少なくとも一
    種を0.01ないし20重量%含有する請求項(1)記載の水
    性インク組成物。
  5. 【請求項5】式Iにより表される化合物の少なくとも一
    種を0.1ないし10重量%含有する請求項(1)記載の水
    性インク組成物。
  6. 【請求項6】水を少なくとも30重量%含有する請求項
    (1)記載の水性インク組成物。
  7. 【請求項7】インクジェット印刷のために請求項(1)
    記載のインク組成物を使用する方法。
  8. 【請求項8】請求項(1)で定義された式Iにより表さ
    れる化合物を水性インク組成物用の光安定剤として使用
    する方法。
  9. 【請求項9】式Iにより表される化合物を少なくとも一
    種含有する記録材料。
  10. 【請求項10】インクジェット印刷工程に適当な請求項
    (9)記載の記録材料。
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