JP2004506799A - プリプレグにおける靭性強化剤としての可撓性重合体要素 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、硬化可能な組成物中に使用するための、該硬化組成物に溶解させ得る可撓性重合体要素、その製造法、少なくとも一つの該可撓性重合体要素を補強用の繊維と共に含む硬化可能組成物のための支持構造物または担体、支持構造物または担体の配置、該少なくとも一つの可撓性重合体要素または支持構造物または担体および硬化可能な樹脂マトリックスから成る硬化可能な組成物、およびこれらの構成成分から成る部材のキット、および該樹脂マトリックスを選択する方法、それを製造し硬化させる方法、およびそれによって得られる硬化した複合体または樹脂本体、およびそれらの公知および新規な使用に関する。
【0002】
特に、本発明は繊維、フィルム等の形をした可撓性重合体要素、その製造法、繊維布等の形をした硬化可能な組成物に対する支持構造物または担体、およびそれに関連して規定された態様に関する。
【0003】
繊維で強化された樹脂マトリックス複合体は航空機の構造材料としての用途等に金属の代わりに使用される高強度、軽量のエンジニアリング材料として広く受け入れられている。これらの複合材料は、典型的には熱可塑性樹脂のマトリックスで含浸された高強度の繊維、例えばガラス、グラファイト(炭素)、硼素等の繊維からつくられたプリプレグを積層化することによって製造することができる。このような複合体の重要な性質は、強度および剛性が高く、軽量であることである。
【0004】
これらの複合体は、極端な温度(熱サイクル耐性)、紫外線および他の種類の輻射線への露出、大気中の酸素への露出(酸化耐性)、水分への露出を含む環境的な条件に露出した場合、およびさらに溶媒等への露出のような危険に曝された場合、複合体を構成する構造物の安全性に対して重要であり且つそれに影響を与える性質に関する極めて厳しい要求に合致し、またすべての考え得る負荷および応力の種類に耐え、積層剥離、亀裂等に抵抗するための通常の要求に適合しなければならない。
【0005】
重合体樹脂および随時含まれる付加的な補強用繊維から成る硬化させ得る組成物は、構成する重合体樹脂および繊維の個別的な物理的および化学的性質によって特徴付けられ、特定の用途に対してこれらの組成物が選択される。従って典型的には高い溶媒耐性、熱サイクル耐性を与える熱硬化性された樹脂成分が提供されている。さらに、高いレベルの靭性等を与える熱可塑性樹脂成分が存在し、また軽量化等のために高いレベルの剛性を与える補強用の繊維が存在している。
【0006】
典型的には、個々の樹脂および繊維は適当な方法で配合または成形して硬化させられ、所望の最終製品の中においては物理的な、或る場合には化学的な相互作用によってその分布と形状が保持されている。しかしながら、多くの場合、樹脂の粘度が高く、また特に補強用の繊維を含浸することが望まれる場合には、均一なまたは選択的な分散を得るための「貯蔵寿命(pot life)」(ゲル化前の時間)が短い等のような因子により、配合または成形操作は複雑になる。
【0007】
最近になって複合体の部材を製造するための別の技術が出現した。この技術は一般に液体成形法(Liquid Moulding(LM))と呼ばれている。この方法は、繊維(乾燥したもの)を成形型/成形器具の中に入れ、繊維の中にマトリックス樹脂を直接射出/注入させる点において従来のプリプレグ方法とは異なっている。
【0008】
液体成形法(LM)という言葉は総称名であり、樹脂トランスファー成形法(Resin Transfer Moulding(RTM))、液体樹脂注入法(Liguid Resin Infusion(LRI))、樹脂注入可撓性工具法(Resin Infusion Flexible Tooling(RIHT))、真空補助樹脂トランスファー成形法(Vacuum Assisted Resin Transfer Moulding(VARTM))、樹脂フィルム注入法(Resin Film Infusion(RFI))等のような処理法を含んでいる。LMが通常のプリプレグ法に比較して得られるべき潜在的な利点は、スクラップが少なく、レイアップ(lay−up)時間が短くなり、粘着性およびドレープ(drape)への依存性がなく、貯蔵寿命特性が増加していることである。実際、複雑な複合構造物(多構造成分)が必要とされる場合、成形型の中で選択的に炭素繊維を分布させることによって局所的に強化された構造物が必要とされる場合、また例えば船舶におけるような非常に大きな構造物が必要とされる場合の用途における特殊な操作においてLM技術は最大の用途が見出されている。
【0009】
樹脂フィルム注入法(RFI)はLM技術を通常のプリプレグ法と組み合わせる。例えばRTMまたはRFIにおいてオートクレーブで硬化を行う場合、個々のプリプレグを前以て決められた方向で積み重ねて積層品にし、積層品を滑らかな金属の板に対して配置し、多孔性のテフロンの通気性の(bleeder)繊維布および集塵袋の重ね合わせた層で被覆する。積層品に凝集用の圧力をかけ、個々の層を凝集させ残っていた揮発物質の泡を圧縮する。オートクレーブを使用する場合、製造可能な成分の大きさが限定されることがある。最近でも例えばボートの船体、ヨットまたは橋はオートクレーブを使用してつくることはできない。何故なら、これには巨大な圧力をかけるオートクレーブおよび莫大な設備投資と運転資金が必要とされるからである。
【0010】
VARTMでは、片側だけの成形型を使用し、予備成形体を圧縮するのに集塵袋の技術を使ってかたい成形型を用いるRTMを簡単化している。しかし、全部充填する前に樹脂を硬化させない場合には、成形型を充填する時間は非常に長くなり過ぎることがある。
【0011】
RIFTでは充填時間は遥かに速くなる。流動抵抗が非常に小さい多孔質の層である「分布媒質」は、比較的容易な流路を用いて樹脂を射出することができる。樹脂は積層品の上部に置かれた分布媒質を通って迅速に流れ、対で予備成形体の厚さを通って下方へと流れる。樹脂の注入に対する通路をつくるために繊維を使用することは公知である(国際特許公開明細書0102146A1号(Plastech)、米国特許5484642号(Brochier)、米国特許5326462号(Seemann))。しかしこれらの通路はは脱ガスおよび硬化過程の間に除去されるか、或いは残っている場合には硬化の後までそのままの状態を保っている。
【0012】
最終使用者により経験される問題の一つは、RIFTまたはVARTMによってオートクレーブから品質の高い構成部品を製造することは最近では非常に困難なっていることである。真空だけを用い或いは圧力をかけないで硬化させると、構成部品の空隙含量が非常に高くなり、機械的性質が悪くなる。
【0013】
驚くべきことに本発明においては、射出が容易であり空隙含有率が0%に近い複合体のパネルを、VARTMおよびRIFTを使用し、大気圧または真空だけを用いて硬化させて製造できる方法が見出された。本発明によれば脱ガス中に繊維を使用する方法が提供されるが、この繊維は最終的な硬化した構成部品中には存在していない。
【0014】
プリプレグおよびLM技術に関する共通の欠点は、靭性が非常に高い複合体材料の分野における欠点である。樹脂を繊維性の補強材、例えば炭素繊維、繊維布の中に含浸または射出する工程では、その工程の特性そのもののために、繊維全体に亙り樹脂を浸透させるることができるようなレオロジー的性質、粘度および弾性が必要とされる。得られる複合体構造物に空隙をなくし、また長い含浸または射出/注入時間並びに高い射出温度を避けなければならない際には、このことは特に重要である。
【0015】
高い衝撃性能を有する樹脂系は通常、樹脂の粘度および熱可塑性を増加させる熱可塑性の靭性増加剤等を含んでいるが、これによって樹脂は含浸または射出することが非常に困難になる。これを可能にするためには含浸および射出の温度または圧力が高いことが必要とされる。
【0016】
靭性を賦与された熱可塑性複合体を効率的に製造する潜在的に可能な方法は、樹脂マトリックスから熱可塑性物質を取り出し、これを適当な方法で直接繊維または繊維布の中または上に被覆する方法である。
【0017】
熱可塑性材料およびマトリックス樹脂を射出する前に、接合剤を粉末、液体またはフィルムとして予備成形体に被覆(fly)し予備成形体の形を固定するLM技術の場合には、或る程度の量の熱可塑性材料およびマトリックスを予備成形体の中に入れることは困難であり、過度に高い温度と圧力とが必要である。さらに、これによって複合体材料の靭性は適度に増加するに過ぎない。何故ならば、物理的に注入し得る熱可塑性材料の量には限界があり、マトリックスと相容性がない場合接合剤の存在の影響を受けるからである。
【0018】
例えばヨーロッパ特許392939号においては、熱可塑性繊維と織り合わせるか絡みあわせ、熔融して含浸することにより補強用の繊維を使用してプリプレグをつくることが知られている。しかしこれらのシステムは他のマトリックスをプリプレグの中に導入しようとするものではなく、典型的には非常に高い分子量の熱可塑性重合体が使用され、熔融させるためには過度に高い温度および圧力を必要とする。
【0019】
例えば英国特許A−2060490号に記載された粒状分散物、或いは米国特許A−5057353号に記載の繊維で補強されたマトリックス樹脂プリプレグの粒子の被膜またはフィルムの層間挿入物(interleave)のような、高分子量の熱可塑性重合体を含む複合マトリックスの熱硬化性樹脂を使用することも提案されている。それにも拘わらず、熔融の速度と程度に影響を及ぼし得る粒子の分布と粒径の均一性を制御するのは困難であり、マトリックス中に存在する連続フィルムの障壁効果のために、典型的に分散は悪い。米国特許5288547号には多孔性をもった熱可塑性重合体の膜状の層間挿入物から成る硬化させ得る組成物に対するプリプレグが記載されている。この膜は製造中にプリプレグの中に組み込まれ、膜を補強用の繊維のシートに接して配置し(レイアップし、lay up against)、高温、高圧で熔融させて繊維を含浸する。別法としてプリプレグを膜と共にその間に配置し、硬化させる前に熔融して含浸し複合体の部材をつくる。また別法として型の中で乾燥した繊維の層の間に配置し、熔融させて含浸させ液体の樹脂を型の中に注入するRTMの用途が提案されている。
【0020】
これによって,必要とされる極端な条件を幾分避ける方法が得られるが、成分の配合を改善でき、もっと融通性をもち分散物の性質と量との制御がもっとうまく行われるさらに融通性のある解決法がなお必要とされている。特定的に述べれば、熱可塑性材料および樹脂マトリックスは予備配合の可能性が阻まれ、硬化の際に効果的に配合または拡散することはない。そのうえ、高度に粘稠な重合体、例えば熱可塑性材料のような靭性強化剤をさらに多量に系の中に導入する必要がある。
【0021】
驚くべきことに本発明においては、固相の状態で可溶性の可撓性重合体要素として提供することにより、上記の問題を克服するような方法で複合体構造物の中に典型的に高い粘度をもった重合体をつくることができることが見出された。比較的低温における溶解性および凝集性(凝集して一体となった要素としての)は相互に相反する性質であると期待されるので、即ちこれらの性質はそれぞれ低分子量および高分子量を必要としその間で効果的な折衷手段はないから、本発明のこの発見は驚くべきことである。
【0022】
さらに本発明においては、可撓性重合体要素から成り、その中では成形型を用いないでも該要素によって繊維が所望の配置で保持されており、硬化過程の前または硬化過程において繊維は硬化可能な組成物の中に溶解して分散する、硬化可能な組成物に対する支持構造物または担体が提供される。
【0023】
織物工業において良好なドレープ(drape)性および繊維の強度をもつ繊維布として使用されているビスコース、ナイロン、燃焼遅延性の重合体等のような合成繊維を製造する方法は久しい以前から知られている。これらの方法の中の幾つかは本発明の樹脂マトリックス中に可溶であることを実際に証明するできるが、この挙動は未だ観測されておらず、また溶解度の利点は今日まで認知されていず、上記に規定されたような支持構造物または担体の形で提供される繊維は、むしろ繊維布または複合体または接着剤工業のような他の産業に使用されている。
【0024】
或る種の補強複合体の技術においては、強いステッチの形でポリエステルのような熱可塑性重合体を導入して複雑な補強用を構造、例えば三次元のクリンプされていない繊維布(NCF)の構造を保持し、熱硬化性樹脂を射出、注入または被覆する際繊維を並べて配向させ適切な位置に保持することも知られている。このステッチは例えば230℃のような非常に高い融点をもち、さらに配向すると完全に結晶性になって熔融または溶解することが不可能になり、硬化後ステッチはそのままの状態で残る。
【0025】
これによって多くの問題が起こり、例えばステッチの水に対する敏感性、熱膨張係数の不一致、収縮、機械的および環境的な性能の喪失、および硬化して熱硬化性した樹脂とステッチとの一般的な非相容性、並びに仕上げられた製品の表面が粗くなったり表面に模様がついたりするために美学的な問題が生じる。
【0026】
現在、硬化した複合体の機械的性質に著しい悪影響を与えずに、射出または侵入および硬化を行うために繊維および繊維布構造物を適切な位置に保持するための改善された重合体のステッチ処理が必要とされている。
【0027】
驚くべきことに本発明においては、ステッチ処理にに有用な、硬化可能な組成物の中に溶解する可撓性重合体要素を繊維等の形で提供できることを見出された。
【0028】
また本発明において驚くべきことには、液体の形および可撓性をもった重合体要素の固相の形の両方で粘稠な重合体を提供することにより、粘稠な成分重合体を高度のレベルで含む組成物を提供できることを見出した。
【0029】
従って本発明の最も広い態様においては、可撓性の重合体要素が固相にあり、硬化可能な組成物のゲル化および/または硬化が実質的に始まる温度より低い温度において、それが溶解する硬化可能な組成物と接触した場合、液相への少なくとも部分的な相変化が起こるようにされた硬化可能な組成物に対する可撓性の重合体要素が提供される。
【0030】
本明細書において可撓性重合体要素と言う場合、これは硬化可能な組成物をつくる樹脂マトリックスの中に物理的および化学的の両方の方法で少なくとも部分的に溶解するようにされ、ここで重合体は溶解することにより少なくとも部分的に共通の相としてのマトリックスの中に分散され、これによって重合体は少なくとも部分的に硬化可能な組成物に対する物理的な要素の形を失っている任意の成形された要素を意味するものとする。
【0031】
少なくとも1種の可撓性重合体要素は少なくとも一方向において細長く、例えば単一または多数の繊維またはフィラメント、リボン、フィルムまたはその混合物、またはその織物のような織物材料を含んでいることが適切である。
【0032】
また、可撓性の重合体要素は、ゲル化および/または硬化の開始温度へ温度を上昇させる間、硬化過程の初期段階において溶解するようになっており、これによって硬化可能な組成物の粘度が上昇するまで可撓性重合体要素によって該組成物が所望の形状に保持され、可撓性の重合体要素により或いは成形型によって支持を行う必要がないようにすることが適切である。
【0033】
可撓性重合体要素は、硬化可能な組成物を製造または加工するのに使用する場合、そこから溶解した重合体が実質的に検出されず、硬化可能な組成物の性質に殆ど影響を与えないようにすることができる。可撓性重合体要素は、硬化した生成物に溶解でき痕跡を残さないようにすることができるが、しかも他の複合体成分を支持し、運搬しまたは組み立てるのに使用するのに十分な強度をもつ可撓性の重合体要素を提供することが特に有利である。別法として可撓性重合体要素は硬化可能な組成物の成分として使用することができ、最終生成物の性質に寄与させるようにすることができる。さらに、最終生成物の重合体相の大部分を構成するように粘稠な重合体を含み得る硬化可能な組成物を提供できることが有利である。別法として可撓性重合体要素は改善された複合体の性質をもった硬化可能な組成物の処理に使用することができ、最終的な硬化生成物の中で痕跡を残さないようにすることができるか、或いはそうでないようにすることができる。
【0034】
本発明の特に有利な態様においては、可撓性重合体要素の流体相は硬化可能な成分の溶媒和効果によって優れた分散が得られる。このことは硬化した生成物の性質に対して特に重要である。本発明において驚くべきことには、硬化した生成物全体を縦軸の所でラマン分光法によって走査すると、各縦軸の所における同一な走査で100%の分散が示されることが見出された。
【0035】
本発明のさらに他の利点においては、可撓性の重合体要素は優れたアウトライフ(outlife)を提供し、周囲温度または最高300または400℃の高温において、溶解した樹脂が存在することなく固相のまま残り、この温度またはそれ以下の温度において組成の変化をせずに数年に亙り放置することができ、しかる後例えば60℃以上、例えば140℃程度の温度において溶解用の樹脂と接触させ上記に定義した条件下において硬化させることによって望み通りに相変化を行うことができる。
【0036】
相変化は硬化可能な組成物は随時熱の助けにより硬化可能な樹脂マトリックス成分の中に溶解させることによって行われる。可溶性の重合体要素によって配合を改善できることが特に有利である。
【0037】
可撓性要素の重合体は硬化可能な組成物を硬化させる際、例えば熱硬化用の樹脂の中の溶液中において共通の相をつくるようにすることができるか、或いは完全にまたは部分的に相分離を起こさせて二相のマトリックス樹脂系にすることができる。例えばヨーロッパ特許311349号に詳細に記載されているように、熱硬化した/熱可塑性の配合物の靭性は特に硬化した配合物の中における組織形態および粒径に関連している。マトリックス樹脂の靭性の所望のレベルは、熱可塑性重合体および熱硬化性用樹脂前駆体の化学的性質、並びに任意所望の組織形態に関する他のパラメータにより、熱硬化材料/熱可塑性材料の配合物の組織形態および相の大きさを制御することによって得ることができる。
【0038】
図B1およびB4は、可撓性重合体要素が繊維の場合、完全な溶解として特徴付けられる溶解および相分離の過程を示す。図B4には、本発明で得ることができる熱可塑性/熱硬化性系の典型的な二つの相の組織形態が示されている。相転移、例えば可撓性要素の溶解は任意の適当な方法、例えばTEM、SEM等で決定または監視することができ、このような方法は適当な可撓性要素の特性および硬化可能な組成物の特性、並びに硬化可能な組成物を工業的に製造する条件を決定するために当業界の専門家によって使用することができる。
【0039】
可撓性の重合体要素をつくる重合体は、少なくとも部分的に樹脂マトリックスの硬化温度Tcよりも低い範囲に含まれる温度Tsにおいて相転移を行うように、即ち樹脂マトリックスの中に少なくとも部分的に溶解するようにされていることが好ましい。重合体要素は、熱伝導度を増加または減少させ、該要素への熱の移動を増加または減少させてその溶解を促進または遅延するようにつくることができる。
【0040】
重合体要素は完全なまたは部分的な相転移を行うことができる。例えば完全に溶解するか或いは部分的に溶解し、後者の場合には完全に溶解するための待ち時間と温度が不十分なようにするか、或いは好ましくは重合体を1種またはそれ以上の不溶性の重合体を含む配合物または共重合体、例えばランダム共重合体またはブロック共重合体、または有機性または無機性の基質との他の配合物または誘導体の形として提供することによって、その一部がマトリックスの中に分散し、一部はその元の要素の形を保持するようにする。この方法により、重合体要素を硬化した組成物の中で1種またはそれ以上の重合体または他の可溶なまたは不溶な有機または無機の基質と組み合わせることができる。
【0041】
可撓性要素は例えば反応性の基をもった液状ゴムのような通常の靭性強化剤、ガラスビーズ、ゴム粒子およびゴム被覆ガラスビーズのような凝集体、Ti、AlまたはFeのような金属粒子、或いはポリテトラフルオロエチレン、シリカ、グラファイト、窒化硼素のような充填剤、雲母、タルク、および蛭石のような粘土、顔料、造核剤、およびフォスフェートのような安定剤;耐溶媒性を増加させる試薬、例えばF−含有剤、燃焼遅延剤、例えば金属酸化物FeO & TiO;配合物として或いはブロックまたはランダム共重合体として混入された結晶性重合体、例えばポリエーテルケトン;通常の接合剤、例えば低分子量の熱硬化性単量体、例えばエポキシ、アクリル、シアネート、エステル、BMI型の重合体等;通常の接着剤、例えばエポキシ重合体等;および通常の被覆剤等を含んでいることができる。
【0042】
好ましくは粒子、ビーズ等は、可撓性重合体要素はその厚さまたは直径に従ってnm範囲またはミクロン範囲の大きさをもち、粘土粒子は0.5〜5nm、例えば0.1nmであり、Ti粒子は1〜6ミクロン、例えば2ミクロンであることが好ましい。
【0043】
このような通常の靭性強化剤、例えば数%のNippolのような高分子量のゴムによって通常の配合物が非常に粘稠になり、本発明の可撓性重合体要素は優れた担体となり、これによって粘度、相容性をもたない重合体の熔融温度等に関する問題が克服されることが本発明の特に有利な点である。
【0044】
可撓性重合体要素からの重合体が均一に分布していることが望ましい場合には、可撓性重合体要素は硬化可能組成物の他の成分と緊密に混合するのに適した形、例えば繊維、フィラメント、リボン等の形であることが好ましく、局所的に分布していることが望ましい場合には、可撓性重合体要素は該他の成分の中で緊密に混合しないようになるのに適した任意の形または他の形、例えば被覆、接着または靭性を賦与して補強するような局所的効果をもつフィルムの形をしていることができる。
【0045】
可撓性要素は好ましくは直径dをもつ繊維またはフィラメントであるか、或いは厚さtをもつフィルムまたはリボンであり、ここでdまたはtは最高100ミクロン(μ)、好ましくは1〜80μ、例えば30〜80μであり、さらに好ましくは30〜65μである。可撓性は要素の厚さまたは直径と重合体のモジュラスとの間の折衷的な値として得られる。
【0046】
繊維は所望のTex値(1mの長さの繊維のg数の単位であり、線密度を示す)をもつものを得ることができ、ここでTex値は5〜150Texの範囲であり、繊維の製造の際に公知の方法によって制御される。
【0047】
重合体要素は、%単位の破断時伸びが1〜75%、好ましくは3〜50%であることがことが好適であり、ステッチ処理の用途に対しては低い範囲、製織の用途に対しては高い範囲にあり、これは重合体の種類および製造の方法、例えばステッチングおよび配向によって与えられ、またDtex、即ち要素に関する線密度、例えば単位長さ当たりの繊維の重量によって測定された靭性によって与えられる。
【0048】
可撓性重合体要素は、上記に定義したような硬化可能な組成物を与えるために、適合性をもち、変形可能であり、ドレープ性があり、或いは適当な方法による取り扱いが可能であることが適切である。理論によって制限するつもりはないが配向、重合鎖の相互作用、個々の重合鎖の特性などによって特に有利な効果に対する融通性を引き出し或いは強化し、エラストマーの性能および伸長特性および強度に寄与し、結節、ステッチング、巻き取り等を可能にする物理的相互作用が、重合体要素の製造中につくり出されると考えられる。
【0049】
可撓性重合体要素は接合または接着特性、例えば周囲温度よりも高い温度で軟化させることによって与えられる特性、或いは上記に定義したような硬化可能な組成物中における物理的結合を助けるような単量体、例えば熱硬化性(エポキシ)単量体または、他の公知接合剤を含んでいることを特徴としてもっていることができる。このようにして本発明の可撓性重合体要素は上記に記載したLM技術に使用するのに特に適している。
【0050】
原理的には、硬化可能な、例えば熱硬化性するマトリックス樹脂中にその硬化温度よりも低い温度で少なくとも部分的に可溶であり、且つ公知のまたは新規方法、例えば押出し、紡糸、注型などの方法で上記の可撓性要素にすることができる任意の重合体を本発明の実施の際に使用することができる。好ましくは可撓性重合体要素はそのガラス転移温度または軟化温度以上の温度においてエラストマー特性を有する重合体から成り、天然または合成のゴムおよびエラストマー、熱可塑性材料およびこれらの混合物、これらの混り合い可能なうまたは混り合わない配合物、他の無定形または結晶性重合体および/または単量体とのランダムまたはブロック共重合体から選ばれることが好ましい。さらに好ましくは可撓性要素はガラス転移温度または軟化温度以下でもエラストマー特性を有する無定形重合体から成り、もっと好ましくは熱可塑性重合体から成っている。有用な熱可塑性重合体にはセルロース誘導体のような重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリスチレン、およびポリ芳香族重合体、例えばポリアリールエーテル、ポリアリールケトン、および特にポリアリールスルフォンが含まれる。また例えばポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアラミド、ポリアリーレート、ポリ(エステル)カーボネート、ポリ(メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル)、ポリエーテルスルフォン−エーテルケトンのような共重合体も使用することができる。重合体の配合物も使用することができる。
【0051】
ポリウレタンは熱可塑性ポリウレタンゴムを含んでいる。ポリアミドはナイロンおよび他のフィラメントまたはフィルムにし得る軸配向した長鎖の他の重合体を含んでいる。ポリエステルはテレフタル酸とエタン−1,2−ジオールとの直鎖の縮合生成物(ポリエステル)を含んでいる。ポリアクリレートは、少なくとも85重量%のアクリロニトリルを含む多数の単量体から合成されたアクリル繊維を含んでいる。セルロース誘導体はセルロースジアセテート、即ちビスコース繊維を含んでおり、ポリエーテルケトンはビスフェノールAをベースにしている。
【0052】
好ましくは熱可塑性重合体はポリ芳香族重合体である。ポリ芳香族重合体は好ましくは式
−X−Ar−A−Ar−X−
の同一または相異なる反復単位から成っている。ここで
AはSO2、直接結合、酸素、硫黄、−COまたは二価の炭化水素基であり、
Xは同一または相異なることができる上記Aで定義された二価の基であるか、或いはビスフェニレンのような二価の芳香族の基であり、
Arは芳香環の置換基Rを1個またはそれ以上含む二価または多価の基であって、各Rは独立に水素、C1 〜 8の分岐したまたは直鎖の脂肪族の飽和または不飽和の基または原子団であって随時O、S、Nハロゲン、例えばClまたはFから選ばれた1個またはそれ以上のへテロ原子を含む基または原子団、活性水素を与える基、特にOH、NH2、NHR−または−SHを与える基、或いは他の交叉結合活性を与える基、特にエポキシ、(メタ)アクリレート、シアネート、イソシアネート、ビニル、アリルまたはマレイミドにおけるようなアセチレンまたはエチレン、無水物、オキサゾリン、および飽和基を含む単量体の基から選ばれ、但し上記Rは炭素数最高8の炭化水素基であり、
さらに、少なくとも1種のポリ芳香族重合体は反応性の側鎖および/または末端基を含み、好ましくは反応性のへテロ原子、上記Rに対して定義したへテロ原子含有基または交叉結合基から選ばれる。
【0053】
特定的には、少なくとも1種のポリ芳香族重合体は、エーテル的に結合した反復単位を含み、さらに随時チオエーテル的に結合した反復単位を含む少なくとも1種のポリ芳香族スルフォンである。ここで反復単位は
−(PhAPh)n−
から成る群から選ばれ、随時
−(Ph)a−
を含んでいる。ここでA=COまたはSO2であり、Phはフェニレン、n=1〜2であるが小数であることもでき、a=1〜4、好ましくはa=1、2または3であって小数であることもでき、aが1を越える場合、該フェニレンは一重の化学結合により、或いは−CO−または−SO2−以外の2価の基を介して直線的に結合しているか、或いは直接に、或いは環式の原子団、例えば酸アルキル基、(ヘテロ)芳香族または環式ケトン、アミド、イミド、イミン等を介して融合して一緒になっている。
【0054】
好ましくはポリ芳香族重合体はポリエーテルスルフォン、さらに好ましくはポリエーテルスルフォンの組み合わせおよびポリエーテルスルフォンで結合された反復単位の組み合わせであり、この場合フェニレン基はメタ位またはパラ位、好ましくはパラ位にあり、フェニレンは単一の化学結合またはスルフォン以外の2価の基を介して直線的に結合しているか、或いは互いに融合している。ここで「小数」と言う言葉はnまたはaの種々の価をもつ単位を含む或る与えられた重合鎖に対する平均値を意味するものとする。
【0055】
好ましくは反復単位−(PhSO2Ph)−は、該少なくとも1種のポリアリールスルフォンの中において平均して少なくとも2個の該−(PhSO2Ph)n単位が各重合鎖の中に連続して存在するような割合で常に存在している。ここで該少なくとも1種のポリアリールスルフォンは反応性の側鎖および/または末端基をもっている。
【0056】
さらに、ポリアリールスルフォン重合体において該反復単位の相対的な割合は、平均して少なくとも2個の(PhSO2Ph)nが各重合鎖の中で相互に直接隣接して存在し、該割合は好ましくは1:99〜99:1、特に10:90〜90:10の範囲である。典型的にはこの割合は(Ph)aが75〜50の範囲であり、残りは(PhSO2Ph)nである。好適なポリアリールスルフォンにおいては、反復単位は
(I) XPhSO2PhXPhSO2Ph(”PES”)、および
(II) X(Ph)aXPhSO2Ph(”PEES”)である。
ここで、XはOまたはSであり、各単位によって異なることができ、該割合はI対II(それぞれ)が好ましくは10:90〜80:20、特に好ましくは10:90〜55:45、さらに特に25:75〜50:50の範囲にあるか、該割合は20:80〜70:30、さらに好ましくは30:70〜70:30、最も好ましくは35:65〜65:35の範囲にある。
【0057】
ポリアリールスルフォンの反復単位の好適な相対的な割合は、(SO2の重量/平均反復単位の重量)×100で定義されるSO2の重量%によって表すことができる。好適なSO2含量は少なくとも22%、好ましくは23〜25%である。a=1の場合、これはPES/PEESの比が少なくとも20:80、好ましくは35:65〜65:35であることに対応する。
【0058】
上記の割合は、ここに挙げられた反復単位に対してだけ適用される。このような単位に付け加えて、ポリアリールスルフォンは最高50、特に最高25モル%の他の反復単位を含んでいることができる。この時好適なSO2含量は(使用されるならば)全重合体に適用される。このような単位は例えば式
Ar−A−Ar−
であることができる。ここでAは直接結合、酸素、硫黄、−CO−または2価の炭化水素基である。ポリアリールスルフォンが求核反応による合成生成物である場合には、その反復単位は例えばヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン(2,6および他の異性体)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび−メタンから成る群から選ばれる1種またはそれ以上のビスフェノールおよび/または対応するビスチオールまたはフェノール−チオールである。
【0059】
ビス−チオールを使用する場合、それはその場所でつくることができる。即ち例えば下記に示すようなジハロゲン化物をアルカリ金属の硫化物またはポリ硫化物或いはチオ硫酸塩と反応させることができる。
【0060】
このような付加的な反復単位の他の例は式
−Ph−Q(Ar−Q’)n−Ph−
のものである。ここでQおよびQ’は同一または相異なることができ、COまたはSO2であり;Arは2価の芳香族の基であり;nは0、1、2または3であるが、QがSO2の場合にはnは0ではない。Arは好ましくは少なくとも1個の2価の芳香族の基であってフェニレン、ビフェニレンまたはターフェニレンから成る群から選ばれることが好ましい。特に好適な単位は式
−Ph−Q−[−Ph−)m−Q’−]n−Ph−
をもっており、ここでmは1、2または3である。重合体が求核反応による合成生成物である場合には、このような単位は1種またはそれ以上のジハロゲン化物、例えば4,4’ジハロベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−クロロフェニルスルフォニル)ビフェニル、1,4−ビス(4−ビス(4−ハロベンゾイル)ベンゼンおよび4,4’−ヒス(4−ハロベンゾイル)ビフェニルから成る群から選ばれる。
【0061】
勿論これらの単位は部分的に、対応するビスフェノールから誘導されることもできる。
【0062】
ポリ芳香族重合体はハロフェノールおよび/またはハロチオフェノールの求核反応による合成生成物であることができる。任意の求核合成反応において、ハロゲンが塩素または臭素の場合、銅触媒を存在させて賦活することができる。
【0063】
電子引抜き性の基によってハロゲンを賦活する場合には、上記のような賦活はしばしば不必要である。いずれの場合にもフッ化物は塩化物に比べて通常活性が大きい。ポリ芳香族重合体の求核合成反応は1種またはそれ以上のアルカリ金属塩、例えばKOH、NaOHまたはK2CO3を化学量論的な量よりも最高10モル%過剰に存在させて行うことが好ましい。
【0064】
この重合体は、分子量の範囲によって特徴付けることができ、これは典型的にはMn、ピーク分子量または他の方法、通常はNMR(核磁気共鳴)およびGPC(ゲル透過クロマトグラフ)によって定義することができる。靭性を賦与するためにはこの重合体は最高70,000、例えば9000〜60,000の範囲で選ばれることが好ましく、この場合ポリ芳香族重合体の数平均分子量Mnは2000〜25000、好ましくは2000〜20000、特に好ましくは5000または7000〜18000、最も好ましくは5000または7000〜15000の範囲にある。
【0065】
ポリ芳香族重合体は比較的低分子量であることが好ましい。この重合体は重合鎖中、側鎖または重合鎖の末端に、自己アセンブリング(self−assembling)を行い非共有結合性の結合を介して重合体中の同様なまたは異なった化学的な基と高分子量の錯体をつくることができる基を含んでいることが好ましい。これらの結合は例えば水素結合、London力、電荷移動錯体、イオン結合または他の物理的な結合であることができる。非共有結合性の結合は水素結合またはLondon力であることが好ましく、この場合錯体は溶液中で解離し、比較的低分子量のポリ芳香族重合体の前駆体を再生する。また好ましくはポリ芳香族重合体は、熱硬化性性樹脂の基と化学的に反応して共有結合をつくる側鎖の基または重合鎖の末端ににある基を含んでいる。このような基は、単量体の反応によって、或いは重合体を分離する前またはその後で生成物の重合体を変化させることによって得ることができる。好適な基は式
−A’−Y
をもつものである。ここでA’は2価の基、好ましくは芳香族の基であり、Yはエポキシド基または硬化剤、或いは他の重合体分子上の同様な基と反応する基である。Yの例には活性水素を生じる基、特にOH、NH2、NHR’またはーSHがあり、ここでR’は炭素数最高8の炭化水素基であり、或いはYは他の交叉結合を生じる基、特にエポキシ、(メタ)アクリレート、シアネート、イソシアネート、ビニル、アリルまたはマレイミドにおけるようなアセチレンまたはエチレン基、酸無水物、オキサザリン、および飽和基を含む単量体ほ基である。好適な末端基にはアミンおよびヒドロキシルが含まれる。
【0066】
可撓性をもった重合体要素の重合体は低分子量をもつことができるが、同時出願の英国特許0020620.1号に記載されているように、硬化させると反応して効果的に靭性を賦与剤するのに要求される高い分子量が得られる等のようにされていることが本発明においては特に有利である。上記英国特許の内容は参考のために添付されている。これによって高粘度の問題を避けることができるので特に有利である。特定的に述べれば、重合体は少なくとも1種の芳香族重合体またはその混合物の重合鎖を少なくとも1種の重合鎖結合剤と共に含んでおり、ここで少なくとも1種の芳香族重合体は数平均分子量(Mn)が2000〜11000、特に3000〜9000の第1の範囲にあり、重合体の流動温度によって特徴付けられ、また少なくとも一つのポリ芳香族重合体および少なくとも一つの重合鎖結合成分は、少なくとも一つの反応性末端基を含み、他の成分は末端基Yと反応する少なくとも二つの結合部位と重合鎖結合部位をもっており、ZはOH、NH2、NHRまたはSHであってここでRは炭素数最高8の炭化水素基であり、或いはまた他の交叉結合を生じる基、特にエポキシ、(メタ)アクリレート、(イソ)シアネート、イソシアネート、ビニルまたはアリルにおけるようなアセチレンまたはエチレン基、マレイミド、酸無水物、酸、オキサゾリン、および不飽和基を含む単量体の基から選ばれる。多数の末端基は重合体の流動温度より高い重合鎖結合温度において結合部位と反応し数平均分子量(Mn)が9000〜60000、特に11000〜25000の第2の範囲にある実質的に熱可塑性の結合した重合鎖を生じることを特徴としている。ここで該第2の範囲は前記第1の範囲より広い。
【0067】
流動温度は、重合体が適切な流動状態になり、重合鎖の移動の程度が自分自身を配向させて反応し得るようになる温度として定義される。好ましくは流動温度はポリ芳香族重合体が溶解する溶液の温度と対応している。
【0068】
重合鎖結合温度は、重合鎖の末端の反応が始まる温度として定義される。好ましくは重合鎖結合温度は、溶媒を除去し、プリプレグの湿潤性を改善して容易に取り扱える特性を備えた品質の良いプリプレグにする処理を行う温度よりも高い。重合鎖結合温度はゲル化または硬化温度に対応していることが好ましい。
【0069】
重合鎖結合温度は好ましくは式
B(Z)n
のものから選ぶことが好ましい。ここでBはオリゴマーまたは重合体の骨格であるか、或いは炭素数1〜10の脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素であり、随時へテロ原子、N、S、O等を含み、また置換基をもっているか、或いはC、O、S、Nまたは遷移金属の原子であるか、或いは単一結合であり、nは2〜10000から選ばれる整数、好ましくは2〜8、5〜500、または500〜10000である。
【0070】
従って例えばメタクリル化された末端基をもつ重合体と重合鎖結合成分との間、またはマレイミドの末端をもつ重合体と重合鎖結合成分との間の自己反応が可能であり、これは本発明の範囲内に入ることは明白であろう。
【0071】
一好適具体化例においては、反応性の末端基はヒドロキシであってエポキシである連結部位の官能基に対応しており、これによってその反応により所望のようにヒドロキシまたはエポキシ末端基をもつ数平均分子量が増加した重合体の中にβ−ヒドロキシエーテル結合が生じる。別法として、反応性の末端基はNH2であり、結合部位の官能基は無水物基であってそれにより反応によってNH2または無水物末端基をもつ数平均分子量が増加した重合体の中にイミド結合が生じる。さらに別法として、反応性の末端基はNH2であって結合部位の官能基はマレイミドである。上記の混合物を使用して多数の反応性末端基−結合部位の組み合わせを含む混合した構造をつくることができる。
【0072】
好適な結合成分には、多官能性のエポキシ樹脂、アミン、特にトリアジン、および無水物が含まれる。適当なエポキシ樹脂およびアミンはマトリックス樹脂として後で定義する樹脂から選ばれ、好ましくはMY0510、Epikote 828[O(CH2CH)CH2OPh]2C(CH3)2およびCymel 0510を含むCymel級のエポキシド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 (BTDA)[O(CO)2Ph]2COおよびマレイン酸無水物から選ばれる。
【0073】
2種またはそれ以上の重合体から成る好適な可撓性要素は無定形重合体、或いは無定形および半結晶性の重合体の配合物または共重合体から成っている。これらのものは、処理温度が低くしかも耐溶媒性のような優れた生成物の特性を保持している多ブロック組成物を製造できるので特に有利である。
【0074】
本発明他の態様においては、公知または新規方法により上記に定義されたような可撓性の重合体要素を製造する方法、例えば重合体樹脂の熔融物に対し飛跡エッチングまたは機械的伸長を行う方法、浸漬、蒸発、溶媒注型のような相沈殿法、加熱法および加湿法、或いは単量体の前駆体から要素をつくり重合させる方法が提供される。
【0075】
好ましくは繊維またはフィルムの形の要素は、樹脂の熔融物を連続的にリールの上に押し出し加熱して機械的に伸長して製造する合成織物業界に公知の方法で、フィルムをつくるか紡糸することによって得られる。さらに好ましくは重合体熔融物をつくり、要素の形で引き出し、要素にエラストマー性を賦与して溶解し易くすることができる加熱または機械的伸長区域に通し、この中で随時重合鎖を配向させ、好ましくは空気中で所望の長さ、例えば50〜500mmの距離だけ引き出すことによって冷却する。重合体熔融物は、例えば最高180Texの重合体の所望の線密度(Tex)を得るための制御されたポンプ速度をもったポンプを用い、所望の数の孔または溝孔をもったダイス型のヘッドを通して引き出すことが好適である。
【0076】
この要素は微粒化したまたは微粒化されていない重合体、他の押出し物のペレット等からつくることができる。好ましくは繊維は同一または異なった最高20本の多フィラメントとしてつくり、これを熔融した重合体から引き出し、冷却し、必要に応じ随時撚りをかけ、次いで加熱して伸長する。多フィラメントは破断に対して抵抗性が強く、フィラメントを選ぶ際には高い強度および低い可撓性と1m当たりの撚りとの間に適当な妥協点を見つける。ステッチ用の繊維を製造するには通常撚りかけて、望ましくない自然の撚りおよび破断に対抗させる。
【0077】
本発明の他の態様においては、上記に随時定義したような少なくとも一つの可撓性重合体、および構造要素、好ましくは補強用の繊維から成る硬化可能な組成物に対する支持構造物または担体であって、該少なくとも一つの可撓性重合体要素は固相で存在し、該硬化可能な成分のゲル化および/または硬化が実質的にに始まる温度より低い温度において、該要素が溶解する硬化可能な組成物の樹脂マトリックス成分と接触した際に、少なくとも部分的に流体相への相転移を起こすようになっている支持構造物または担体が提供される。
【0078】
本明細書においては支持構造物または担体という言葉は、補強用の繊維と物理的に、好ましくは緊密に結合した重合体要素の一つの形態(presentation)を意味し、例えばモノフィラメントまたは多フィラメント繊維、リボンおよび/またはフィルムは、単独の繊維またはリボンとしての形態、または繊維布、ウエッブ、織物、不織布、上巻き材(overwinding)、プリフォーム、スクリム、網、フリース、粗紡糸、プリプレグ、複合体または積層フィルムまたは層間挿入等、或いはそれらの混合物から成る支持構造物または担体の中において補強用の繊維と一緒になった形態、或いはステッチ加工、縫合、糸通し等の加工を行われた形態をしている。重合体要素は該構造物の他の成分を支えているか、または補強用の繊維および/または樹脂マトリックス、および随時含まれる所望の硬化可能な組成物のさらに他の成分を支えている。該支持構造物または担体は相互に支え合い担持し合い、少なくとも一つの可撓性の重合体要素はさらに補強用の繊維で支えられ担持されている。
【0079】
本明細書においては構造繊維または補強用の繊維という言葉は、複合体を堅くする当業界に公知の不溶性の繊維、例えば有機または無機の重合体、炭素、ガラス、無機酸化物、炭化物、セラミックスまたは金属などの繊維を意味する。
【0080】
本発明の支持構造物または担体は任意の数の物理的な形態をもっていることができる。
【0081】
支持構造物または担体は当業界に公知のプリフォームの形をしていることができ、ここで可撓性重合体要素は補強用の繊維の間で直線状に並んでいるか、または並んでいないか、或いはステッチ加工された方法で繊維またはリボンとして存在しているか、或いは組み糸にされ、紡績されまたは上巻きされていることができる可溶性の重合体繊維および補強用繊維の多フィラメントとして存在しているか、或いは補強用の繊維に接して配置されクリンプ或いは他の方法でそれと接着または物理的に結合されたフィルムとして存在している。特に好適な形態には、可撓性重合体繊維でステッチ加工された補強用繊維の繊維布、配向したまたはランダムな補強用繊維および可撓性重合体繊維のプリフォームで、ステッチ加工または穿孔できるか或いは軟化させて接着性を与えることができるもの、或いは可撓性重合体要素が補強用繊維に関して不均一な形態をし、例えばボルトの穴の周り、固定用の孔、高応力パネル等のような可撓性重合体の靭性を強化する特性を局所的に与える他の形態が含まれる。
【0082】
可撓性重合体要素および連続した、短いまたは切断された補強用繊維から成る混じり合わされた構造物または担体の場合には、該少なくとも一つの可撓性要素は単一フィラメントおよび/または1m当たりの撚りが少ない多フィラメント繊維であり、随時同等な長さに切断され簡単に混じり合わされている。織って100%の可撓性重合体要素の繊維布にされた補強用繊維をもつ織ったまたは組み編みした構造物または担体の場合には、該要素は単一フィラメントまたは多フィラメントである。いずれの場合にも構造物または担体は繊維布をベースにした補強材の製造の任意の適当な段階においてつくることができる。また例えば組み立てられた繊維布(プリフォーム)の中に穴をつくるか、或いは樹脂の射出/注入の前に多フィラメント部材を互いに物理的にステッチ加工する場合には、該要素は繊維布の製造の後で被覆することができる。
【0083】
好適な形態においては、上記に定義したような支持構造物または担体は、所望の方法で配置された構造繊維から成り、繊維はステッチングの形の可撓性重合体要素をつくり、上記に定義したような方法で相転移を行い、硬化可能な組成物の中に局所的にまたは均一に分散するようになっている。従って支持構造物または担体は構造繊維または繊維布が不規則にまたは一軸方向または多軸方法に、(同一)直線状に、または(同一)平面内にあるような配置で配置され、可撓性重合体要素の繊維は通常の方法でステッチされた形をしており、所望の方法で繊維または繊維布或いはそのアセンブリーを固定している。好ましくはステッチは繊維、繊維布またはそのアセンブリーを反対側の面から固定する上方および下方の糸を含んでいる。支持構造物または担体は少なくとも部分的に跡を残さないステッチ加工、好ましくは跡を残さないステッチを与える。可撓性重合体要素は、Tex(構造繊維の長さ1000m当たりの可撓性重合体要素のg単位の重量)に関しTexfpe=(%wtsf×%wtfpe)÷Texsfによる制御された量で与えられる。
【0084】
配合および硬化を行った後その場に残る重合体のステッチを用い補強用繊維をステッチ加工する方法は幾つか存在する。特定的に述べれば
(i)方向性をもった強化を行う目的でつくられた繊維の配置(TFP)は、所望の方向に連続した補強用繊維を配置し、次いで多層において重合体のステッチを行い、この際最初のラインは単一の糸または構造繊維のトウのステッチを行い、次に重なり合った糸または構造繊維のトウのラウンド・ステッチを行い、さらに重なった糸またはトウのラウンド・ステッチングを行なう等の操作を含んでいる。この操作を行った場合一般に機械的性質が悪い。得られた繊維布の片面には多くの円形の不溶なステッチが存在している。
【0085】
(ii)ステッチ加工を行なって折曲げ用の継ぎ目をつくり、これによって所望の折曲げ線に沿ってステッチの線がつくられる。
【0086】
(iii)剛性を賦与するステッチ加工。薄い繊維布層の直ぐ近くにあるクロス・ステッチの線によりた剛性が強化され、繊維布の平面性が増加される。
【0087】
(iv)アセンブリーのステッチ加工。この場合例えば第2の繊維布に対して垂直な方向に配置された繊維布を適切な位置においてステッチする。
【0088】
(v)クリンプされていない繊維布(NCF)ステッチ加工。この場合には繊維布の交叉した層をゆるくステッチ加工して滑らかな表面を得る。ステッチの張力が高すぎると、ステッチの表面のループは厚さ方向において繊維布がクリンプされる。さらにステッチは非破壊試験においては欠陥として誤認される可能性があり、試験法の信頼性がなくなる。
【0089】
(vi)Kevlar繊維複合体の層間の区域を通して行なう厚さを通した(TTF)ステッチ加工。この場合には、ステッチの周りに例えばポリエステル繊維が巻付られ、Kevlarのステッチに可撓性が賦与され、該層間区域が強化され、積層剥離の傾向が減少する。
【0090】
本発明においては、上記の公知のすべてのステッチ加工法は可溶性繊維の形の可撓性重合体要素を使用し通常の方法で行なうことができることが特に有利である。しかしステッチは硬化サイクルの開始時において加熱すると溶解し、繊維布全体に亙って分散し、その直後に硬化するようになっている。この分散によって機械的性質の劣化が避けられ、大部分の場合例えば溶解したステッチングから導かれる靭性強化用の重合体の分布が改善されることによって機械的性質が強化される。従って本発明によれば好適具体化例において上記の配置およびステッチを含む支持構造物または担体が提供され、特定的には跡を残さないステッチが提供される。
【0091】
本発明のさらに他の態様においては、少なくとも一つの可撓性重合体要素をつくり、上記に定義した補強用の繊維をつくり、物理的に結合するような方法でこれらを組み合わせる上記に定義された支持構造物または担体の製造法が提供される。組み合わせて物理的に緊密な結合をつくるには織物業界に公知の方法、例えばステッチ加工、編物操作、クリンプ掛け、穿孔、(均一)織物操作、組編み、上巻き操作、(相互)網掛け、混じり合わせ、並べ合わせ、撚り掛け、輪状巻付け、結節、糸通し等によって行なうことができる。
【0092】
支持構造物または担体は例えば繊維布のロールとして連続的につくることができる。このロールは所望の方法でステッチ加工および製織により個別的に設計してつくることができ、例えば交叉ステッチングを行なって取り扱う際の繊維布の歪みを防ぎ、折り曲げるための継ぎ目、方向性をもった強化等を行なうことができる。
【0093】
上記に定義したような構造繊維は典型的には繊維の平均の長さが2cm以下、例えば約6mmの短いまたは切断された繊維であることができる。別法としてこれらの繊維は好ましくは連続繊維であり、例えば一方向に配置された繊維または織られた繊維であることができる。即ち複合体の材料はプリプレグから成っている。短いおよび/または切断された繊維と連続繊維の両方の組み合わせも用いることができる。繊維はサイジングされていることもされていないこともできる。補強用の繊維は典型的には5〜35重量%、好ましくは少なくとも20重量%の濃度で加えることができる。構造繊維としてのな用途に対しては、連続繊維、例えばガラスまたは炭素繊維を特に30〜70容積%、さらに好ましくは50〜70容積%の量で使用することが好ましい。
【0094】
繊維は有機性の繊維、特にかたい重合体の繊維、例えばポリパラフェニレンテレフタルアミド、或いは無機性の繊維であることができる。無機性の繊維の中でガラス繊維、例えば”E”または”S”を使用することができ、或いはアルミナ、ジルコニア、炭化珪素、他の配合セラミックスまたは金属を使用することができる。極めて適切な補強用繊維は炭素、特にグラファイトの繊維である。本発明において特に有用であることが見出されたグラファイト繊維はT650−35、T650−42およびT300の登録商品名でAmoco社から供給されているもの、Toray社からT800−HBの登録商品名で供給されているもの、Hercules社からAS4、AU4、IM8およびIM7の登録商品名で供給されているもの、およびHTAおよびHTS繊維である。
【0095】
有機繊維または炭素繊維は好ましくはサイジングされていないか、或いは本発明の繊維および熱硬化性された/熱可塑性の組成物の両方に対して悪影響を及ぼすことなく液体の前駆体組成物に可溶であるか、或いは本発明の繊維および熱硬化性/熱可塑性組成物の両方に対して接合するという意味で、本発明の組成物と相容性がある材料でサイジングされていることが好ましい。特に炭素繊維またはグラファイト繊維はサイジングされていないか、或いはエポキシ樹脂前駆体でサイジングされている。無機繊維は好ましくは繊維および重合体組成物の両方に対して接合する材料でサイジングされている。その例はガラス繊維に被覆する有機シラン・カップリング剤である。
【0096】
本発明の他の態様においては、可撓性重合体要素から成る硬化可能な組成物、或いは上記に定義した支持構造物または担体および硬化可能な樹脂マトリックスを、随時含まれる他の補強用繊維、および触媒、硬化剤、添加剤、例えば充填剤などと共に含む支持構造物または担体が提供される。
【0097】
マトリックス樹脂は好ましくは熱硬化性(Thermosetting)樹脂であり、エポキシ樹脂、付加重合樹脂、特にビス−マレイミド樹脂、フォルムアルデヒド縮合樹脂、特にフォルムアルデヒド−フェノール樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、フェノール樹脂、およびこれらの2種またはそれ以上の混合物から成る群から選ばれ、好ましくは芳香族ジアミン、芳香族モノ1級アミン、アミノフェノール、多価フェノール、多価アルコール、ポリカルボン酸、シアネートエステル樹脂、ベンズイミダゾール、ポリスチリルスチレン、ポリイミドおよびフェノール樹脂またはこれらの混合物から成る化合物の群から選ばれる1種またはそれ以上のモノまたはポリ−グリシジル誘導体から誘導されるエポキシ樹脂である。付加重合樹脂の例はアクリル樹脂、ビニル樹脂、ビス−マレイミド樹脂、および不飽和ポリエステルである。フォルムアルデヒド縮合樹脂の例は尿素樹脂、メラミン樹脂およびフェノール樹脂である。
【0098】
さらに好ましくは熱硬化性性のマトリックス樹脂は少なくとも1種のエポキシ、シアネートエステルまたはフェノール樹脂の前駆体から成り、これらは例えばヨーロッパ特許−A−0311349号、ヨーロッパ特許−A−0365168号、ヨーロッパ特許−A−91310167.1号、またはPCT/GB95/01303号に記載のように周囲温度において液体である。熱硬化性樹脂はエポキシまたはシアネートエステル樹脂またはこれらの混合物であることが好ましい。
【0099】
エポキシ樹脂は粘度が50℃において10〜20Pa秒のN,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(例えばCiba−Geigy製の”MY 9663”、”MY 720”または”MY 721”)(MY 721はMY 720の低粘度製品であり、高い温度で使用するために設計されたもの);粘度が110℃において18〜22ポイズのN,N,N’,N−テトラグリシジルビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(例えばShell Chemical Co.製のEpon 1071)、粘度が110℃において30〜40ポイズのN,N,N’,N’−テトラグリシジルビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(例えばShell Chemical Co.製のEpon 1072)、p−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル(例えばCiba−Geigy製の”MY 0510”)で25℃における粘度が0.55〜0.85Pa秒、好ましくは25℃における粘度が8〜20Paでこれが使用する樹脂の少なくとも25%を構成しているもの、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルをベースにした材料、例えば2,2−ビス(4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン(例えばDow社製の”DE R 661”またはShell社製の”Epikote 828”)および好ましくは25℃における粘度が8〜20Pa秒のNovolak樹脂;本発明の組成物を製造するのに好適な種々の低粘度級のフェノールNovolak樹脂のグリシジルエーテル(Dow社製のDEN 431”または”DEN 438”);1,2−フタル酸ジグリシジル、例えばGLY CEL A−100;低粘度級のジヒドロキシジフェニルメタン(Bisphenol F)のジグリシジル誘導体(例えばCiba−Geigy社製の”PY 306”)から選ぶことができる。他のエポキシ樹脂前駆体には脂環式化合物、例えば3’,4’−エポキシシクロヘキシル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(例えばCiba−Geigy製の”CY 179”)およびUnion Carbide Corporationの”Bakelite”の範囲の入るものが含まれる。
【0100】
シアネートエステル樹脂は一般式NCOAr(YxArm)qOCNの1種またはそれ以上の化合物、およびオリゴマーおよび/またはポリシアネートエステルおよびこれらの組み合わせから選ばれ、ここでArは単一または融合した芳香族の基または置換芳香族の基およびこれらの組み合わせであり、その間で核はオルト、メタおよび/またはパラ位に結合しており、x=0ないし最高2であり、mおよびqは独立に0〜5である。Yは酸素、カルボニル、硫黄、硫黄酸化物、化学結合、オルト、メタおよび/またはパラ位で結合した芳香族の基、および/またはCR2であり、ここでR1およびR2は水素、ハロゲン化されたアルカン、例えばフッ素化されたアルカンおよび/または置換芳香族の基、および/または炭化水素単位であり、ここで該炭化水素単位は単一または多重に結合しており、各R1および/またはR2に対し最高20個の炭素原子を含み、またYはP(R3R4R’4R5)であり、ここでR3はアルキル、アリール、アルコキシまたはヒドロキシであり、R’4はR4と同じであることができて一重結合した酸素または化学結合であり、R5は二重結合した酸素か化学結合であるか或いはSi(R3R4R’4R6)であり、ここでR3およびR4,R’4はP(R3R4R’4R5)において上記に定義した通りであり、R5は上記においてR3で定義したのと同様である。市販されているシアネートエステルには一例としてDow Chemical Company製のXU71787を含むフェノール/フォルムアルデヒドから誘導されるNovolakのシアネートエステルまたはそのジジクロペンタジエン誘導体、およびL10のような低粘度シアネートエステル(Lonza、Ciba−Geigy製、ビスフェノールl誘導体)がある。
【0101】
フェノール樹脂は、アルデヒド、例えばメタナール、エタナール、ベンズアルデヒド、またはフルフルアルデヒド、およびフェノール類、例えばフェノール、クレゾール、二価フェノール、クロロフェノールおよびC1 〜 9アルキルフェノール、例えばフェノール、3−および4−クレゾール(1−メチル、3−および4−ヒドロキシベンゼン)カテコール(2−ヒドロキシフェノール)、レゾルシン(1,3−ジヒドロキシベンゼン)およびキノール(1,4−ジヒドロキシベンゼン)から誘導される任意のアルデヒド縮合体から選ぶことができる。フェノール樹脂はクレゾールおよびNovolakフェノールから成っていることが好ましい。
【0102】
適当なビスマレイミド樹脂はマレイミド基を反応性の官能基として含む熱硬化可能な樹脂である。本明細書において使用されるビスマレイミドという言葉は、特記しない限り、モノ−、ビス−、トリス−、テトラキス−およびそれよりも多くの官能性をもつビスマレイミド並びにその混合物を含むものとする。平均の官能性が約2のビスマレイミド樹脂が好適である。このように定義されたビスマレイミド樹脂はマレイン酸無水物または置換マレイン酸無水物、例えばメチルマレイン酸無水物を芳香族または脂肪族のジ−またはポリアミンと反応させてつくられる。合成法の例は例えば米国特許3,018,290号、3,018,292号、3,627,780号、3,770,691号、および3,839,358号に記載されている。同様にジ−またはポリアミンからつくられるが、マレイン酸無水物の代りに、マレイン酸無水物または置換マレイン酸無水物とシクロペンタジエンのようなジエンとのディールスアルダー反応生成物を用いてつくられるナディシン酸イミド(nadicimide)樹脂も使用することができる。本明細書および特許請求の範囲においてビスマレイミドという言葉はナディシン酸イミド樹脂も含むものとする。
【0103】
好適なジ−またはポリアミン前駆体には脂肪族または芳香族のジアミンが含まれる。脂肪族のジアミンは直鎖、分岐、または環式のものであることができ、またへテロ原子を含んでいることができる。上記に引用した参照文献にはこのような脂肪族ジアミンの多くの例を見つけることができる。特に好適な脂肪族ジアミンはヘキサンジアミン、オクタンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、およびトリメチルヘキサンジアミンである。
【0104】
芳香族ジアミンは単核または多核のものであることができ、また融合環系を含んでいることができる。好適な芳香族ジアミンはフェニレンジアミン、トルエンジアミン、種々のメチレンジアニリン、特に4,4’−メチレンジアニリン、ナフタレンジアミン、式H2N−Ar[X−Ar]nNH2に対応するまたはその同族列の種々のアミノ末端ポリアリーレン・オリゴマーである。ここで各Arは個別的に単核または多核のアリーレン基、各Xは個別的に−0−、−S−、−C02、−S02−、−0−CO−、C1〜C10低級アルキル、C1〜C10ハロゲン化アルキル、C2〜C10低級アルキレンオキシ、アリーレンオキシ、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアリーレンであり、nは約1〜10の整数である。さらに1級アミノアルキル末端ジ−およびポリシロキサンも含まれる。
【0105】
特に有用なものは数種のマレイミドを含むビスマレイミド「共融」樹脂混合物である。このような混合物は一般に個々のビスマレイミドよりもかなり低い融点をもっている。このような混合物の例は米国特許4,413,107号および4,377,657号に見出すことができる。このような共融混合物の幾つかは市販されている。
【0106】
好ましくは可撓性重合体要素および溶解用マトリックスは、所望の時間および温度において溶解するばかりではなく、マトリックスの射出、分散、組織形態、例えば相分離および必要に応じ跡の残らない分散等を良好に行う「溶液対」として選ばれる。良好な射出および迅速な溶解が行われ、マトリックス樹脂および要素樹脂の相容性が得られるための適切な溶液対は低粘度マトリックス樹脂である。別法としてまたはそれに加えて、機械的性質を強化するために相分離を導入したいと思う場合には、相容性の少ない樹脂を使用することができる。単一の樹脂によっては与えられない上記の種々の性質にそれぞれ寄与する、異なった粘度の樹脂を組み合わせて使用することができる。
【0107】
硬化可能な組成物の中で可撓性重合体要素は、公知の方法でマトリックス樹脂を用いてつくられたプリプレグの形の繊維として、マトリックスフィルムを用いてつくられた層間挿入物の形のフィルムとして、或いはマトリックス樹脂で含浸された多孔性のまたは発泡したフィルムとして存在していることができる。
【0108】
本発明は、可撓性重合体要素が流体相において高度に粘稠な重合体またはその前駆体を含んでいる場合に特に有利である。硬化可能な組成物は少なくとも前記に定義したような少なくとも1種の硬化可能な熱硬化性マトリックス樹脂と、随時少なくとも1種の熱可塑性マトリックス樹脂とを含んでいることが好ましい。
【0109】
このような組成物は最終製品の有利な性質を強化し、これによって複合体にはより高い規格が与えられる。伝統的にこのことは単に添加剤を混入するか、成分の量を増加させることによって達成することができる。しかし別の組成物成分を用いても高品質配合物がもはや得られない限度を超えて高粘度樹脂の量を増やすことには問題があることが分かっており、このような樹脂の多くの性質は他の材料または添加剤によって賦与することはできない。高強度で軽量なエンジニアリング材料を製造する際、粘稠な熱可塑性樹脂を用いる場合は特にそうである。
【0110】
樹脂マトリックスが少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含んでいる場合、硬化可能な組成物は高いレベルで熱可塑性重合体を与え、熱可塑性樹脂は流体相中においてマトリックス成分として第1の量で存在し、さらに固相において少なくとも1種の可撓性重合体要素の形において第2の量で存在している。
【0111】
好ましくは熱可塑性樹脂成分は少なくとも1種の熱可塑性重合体を含み、第1または第2の量の熱可塑性重合体の配合物であるか、或いは第1および第2の量で存在する同じまたは異なった熱可塑性重合体であることができる。
【0112】
熱可塑性樹脂成分は任意の適当な量で存在することができる。熱可塑性樹脂成分は第1の流体相において最高1重量%ないしマトリックス樹脂と配合できるかおよび/または補強用繊維の中に含浸できる量で、好ましくは1〜15重量%の量で、さらに好ましくは5〜12.5重量%の量で存在し、第2の固相においては最高1重量%ないし所望の目的に適した任意所望の量で、好ましくは1〜50重量%の量で、さらに好ましくは5〜30重量%の量で、最も好ましくは5〜20重量%の量で存在していることが好適である。従って本発明の組成物は全量で組成物の2〜65重量%の熱可塑性樹脂成分を含んでいることができる。
【0113】
本発明のこの具体化例の驚くべき性質は、一部を可撓性重合体要素、例えば繊維、フィルム等の樹脂マトリックスに溶解し得る形で与え、それによって均一に且つ制御できる方法で硬化可能組成物の中で一緒にすることができ、上記に定義したような少なくとも部分的な相転移によって均一に分散させて所望の性質をもった重合体配合物にすることにより、熱可塑性樹脂成分または同様物を高レベルで与えることができるという本発明で見出された事実から導かれる。
【0114】
さらに驚くべきことには、熱硬化性樹脂マトリックスの中で相転移を起し得ることが以前に見出されたこのような重合体要素は、熱可塑性重合体含有樹脂マトリックス、特に熱可塑性−熱硬化性樹脂マトリックスの中でも相転移を起こすことができる。またさらに驚くべきことには、この方法で得られる熱可塑性樹脂成分を高レベルで含む複合体は熱可塑性樹脂成分が多くなった結果として強化された性質を示す。
【0115】
硬化剤は任意公知の熱硬化性硬化剤、例えばヨーロッパ特許−A−0 311 349号、ヨーロッパ特許A 91310167.1号、ヨーロッパ特許−A−0 365 168 号またはPCT/GB95/01303号に記載されているようなエポキシ硬化剤、例えば分子量がアミノ基1個当たり最高500のアミノ化合物、例えば芳香族アミンまたはグアニジン誘導体から適切に選ばれる。これらの特許は参考のために添付されている。特定の例には3,3’−および4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(”DDS”として市販されている)、メチレンジアニリン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(Shell Chemical Co.からEPON 1062として市販)、ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(Shell Chemical Co.からEPON 1061として市販)、4−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素、例えばMonuron、3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素、例えばDiuron、およびジシアノジアミド(Pacific Anchor Chemical社から”Amicure CG 1200”として市販)がある。他の標準的なエポキシ硬化剤、例えば脂肪族ジアミン、アミド、カルボン酸無水物、カルボン酸およびフェノールも必要に応じて使用することができる。Novolakフェノール樹脂を主要な熱硬化性成分として使用する場合には、フォルムアルデヒド発生剤、例えばヘキサメチレンテトラミン(HMT)が硬化剤として典型的に使用される。
【0116】
本発明の好適具体化例においては、可撓性重合体要素はポリ芳香族重合体から成り、硬化可能な組成物はさらにポリ芳香族重合体のための触媒を含んでいる。この場合使用される硬化用の触媒は好ましくは同時出願中の英国特許願0002145.1号記載のように、通常の触媒を添加する代りにアミン官能基をもつルイス酸を含んでいる。この特許は参考のために添付されている。触媒は式
LXn.R
をもっていることが好ましい。ここでLXnはルイス酸であり、Rはアミンである。好ましくはLは元素の周期律表のIIb、IIIb、VIII族から選ばれ、Xはハロゲンである。
【0117】
好適な触媒はルイス酸成分としてのBF3、AlF3、FeF3、ZnF3、および1級または2級の脂肪族または芳香族アミン、例えばモノエチルアミン(mea)、ジメチルアミン(dma)、ベンジルアミン(bea)またはピペリジンを含んでいる。
【0118】
本発明のさらに他の態様においては、当業界に公知なものとして上記に定義した硬化可能な組成物を製造する方法において、上記に定義した可撓性重合体要素または支持構造物または担体を例えば層間挿入、含浸、射出または注入、混合などによって樹脂マトリックスと接触させる方法が提供される。
【0119】
次に、該組成物を他の成分部材、例えば補強用の繊維と一緒に配置して硬化可能な組成物にするか、或いは公知方法で硬化させる前に他の成分部材、例えば金属または重合体または他の物体または構造物と一緒に配置(レイアップ)する。
【0120】
次に、上記に定義した本発明の可撓性重合体要素に対して見出されている特定の用途を本発明を限定しない例として説明する。
【0121】
本発明の硬化可能な組成物は、可撓性重合体要素から誘導された重合体と他の樹脂マトリックス重合体、例えば高分子量のポリエステル、ポリアミド、例えばナイロン等との組み合わせから構成することができる、複合体工業に典型的な「スクリム(scrim)」をつくるのに用いられる繊維布の製造に用途が見出されている。これらの「スクリム」は。完全なフィルムではないが開いた織り目構造をもち、接着性樹脂成分のための担体としてそのまま使用することができるものである。この場合「スクリム」と樹脂成分との組み合わせは接着フィルムと呼ばれる。このようなフィルムは複合体構造物を互いに接合したり、複合体を金属構造物に接合するのに使用することができる。可撓性重合体要素、例えば可溶性の繊維は、「スクリム」の一部として接着剤が硬化する時に溶解し、次いで層分離を起こして一定の予め選ばれた形態を生じる。これによって樹脂の基質表面に対する接着性が改善され、同時に樹脂の凝集性が増加する。また可撓性重合体要素を適切に選ぶことにより接着性結合の環境耐性が改善される。
【0122】
これらのいわゆる「スクリム」に対する他の用途は、熱可塑性材料を通常のプリプレグの層間区域に導入するための層間挿入物(interleave)として見出すことができる。またこのスクリムは、開いた織り目構造によってプリフォーム全体に亙って熱硬化性樹脂の射出/注入を行うことができる。このことは、樹脂の流れの障害物として作用して多孔質部分を生じ、機械的性質および環境性能を悪化させる原因となる、連続フィルムを封入する場合とは異なっている。
【0123】
また本発明は成形材料の分野においても用途を見出されており、この場合可撓性重合体要素を切断した繊維の形で成形用配合組成物に加えることができる。この繊維は成形用配合物が射出成型機を通過する際に不溶性のまま残るように、即ち溶解しないまま通過するように設計されている。このことは、成形用配合物の粘度が一般に低く、成形用の樹脂を処理するために低い温度および圧力しか必要としないことを意味している。また成形用配合物の粘度に劣化効果を及ぼし過ぎることなく、他の添加剤、例えば充填剤および燃焼遅延剤を樹脂に加えることができる。
【0124】
本発明の他の用途は、連続樹脂フィルムの分野である。可溶性の繊維は連続または不連続の形をしていることができ、或る範囲の熱硬化性樹脂と混合して繊維を分散させることができる。この場合このようなフィルム製品を使用し主要な構造補強材の表面に或いは層の間に被覆することができる。
【0125】
本発明の他の用途は、つくられた状態で使用でき、或いはさらに変性して特定の用途に適合させることができる純粋な重合体の連続フィルムの製造である。
【0126】
本発明に使用される可溶性の繊維および任意の補強用繊維は工程の任意の適切な段階において樹脂マトリックスと混合される。
【0127】
若干の揮発性溶媒を随時含むマトリックス樹脂から成る硬化可能な組成物は、含浸、射出、注入等を含む種々の技術によって可撓性要素と接触させることができる。溶媒をフラッシングさせることにより可撓性重合体のフィルムを発泡させ、次いで含浸して、例えば接着性の樹脂をもった複合体のフィルムをつくることができるか、或いは公知方法によって多層フィルムをつくることができる。
【0128】
射出は、当業界に公知のように、適当な樹脂粘度を与えるために、周囲温度かまたは溶解温度よりも高い温度、適切には室温ないし100℃、好ましくは室温ないし75℃の温度で行うことができる。射出は公知のプリプレグまたはプリフォームの方法で、袋、マンドレルおよび/または成形型を用い、さらに当業界に公知のように流れを助ける通路等を随時使用して行うことができる。射出時間は2〜300分、好ましくは2〜120分、例えば2〜30分の範囲であることが適切である。
【0129】
好ましくは、実質的に連続した繊維をこのような樹脂組成物と接触させて通すことにより繊維で補強された組成物がつくられる。得られる含浸された補強用繊維は単独でまたは他の材料、例えばさらに多くの量の同一または異なった重合体または樹脂前駆体または混合物と一緒に使用して成形品をつくることができる。この技術はヨーロッパ特許−A−567703号、102158号および102159号にもっと詳細に記載されている。
【0130】
さらに他の方法においては、例えば圧縮成形、押出し、熔融注型またはベルト注型法により、不完全にしか硬化していないマトリックス樹脂組成物をフィルムにし、混合物を流動させ、繊維を含浸し、得られる積層品を硬化させるのに十分な温度および圧力の条件下において、このようなフィルムを例えば比較的短い繊維の不織布のマット、織物または実質的に連続した繊維の形の繊維性の補強材および熱可塑性繊維に対して積層化する。
【0131】
含浸された繊維性補強材の合材、特にヨーロッパ特許−A−56703号、102158号、102159号の一つまたはそれ以上に記載されているようなさらに他の熱可塑性繊維を含むものは、例えばオートクレーブ、真空、または圧縮成形機、或いは加熱したロールを用い、熱硬化性用の樹脂の硬化温度より高い温度において熱および圧力をかけるか、或いは既に硬化している場合には、該混合物のガラス転移温度より高い温度、通常は少なくとも180℃、典型的には最高200℃の温度、および特に1バール以上の、好ましくは1〜10バールの圧力をかけて積層化することができる。
【0132】
得られる多層積層品は異方性をもち、その中で繊維は連続的で一方向性の、実質的に互いに平行に配向した異方性をもっているか、或いは各層の中で繊維が或る角度で配向している疑似等方性をもち、大部分の疑似等方性の場合にはその角度は便宜的には45°であるが、上方および下方の層の繊維に対して例えば30°または60°または90°或いはその中間の値をもっている。異方性と疑似等方性との間の中間的な配向およびこれを組み合わせた配向をもつ積層品を使用することができる。適切な積層品は少なくとも4枚の、好ましくは8枚の層をもっている。層の数はその積層品の用途、例えば強度を必要とするかどうか等に依存し、32枚またはそれ以上、例えば数百枚の層を含む積層品が望ましい場合もある。織物繊維布は疑似等方性、または異方性と疑似等方性との間の中間の配向をもつ例である。
【0133】
別法として或いはそれに加えて、積層品は単一品または合板品であることができ、適切な場所に可溶性の繊維(TFP)がステッチングされている一つまたはそれ以上の上に被せた強化用の繊維により方向性をもって強化された積層品が含まれる。積層品は或る形をもつように組み立てることができる。例えば2枚の繊維布を互いに直角に配向させて突っ張り材等をつくり、適切な場所に可溶性の繊維でステッチングを行うことができる。
【0134】
好ましくは、本発明によって提供される硬化可能な組成物は当業界に公知の液体成形法で得られる液体成形された組成物であり、この場合補強用繊維(乾燥)および少なくとも1種の可撓性重合体要素を含む上記に定義した可撓性重合体要素または支持構造物または担体を、袋、成形型、または成形工具の中に入れてプリフォームをつくり、一緒した繊維と要素の中にマトリックス樹脂を射出/注入する。
【0135】
本発明のさらに他の態様においては、上記に定義した組成物をつくり、他の補強用マトリックス成分、添加剤を含む別の組成物をつくり、可撓性重合体要素の相転移が起こるのに十分な時間の間高温をかけ、硬化可能成分がゲル化および/または硬化を起こすのに適した時間の間さらに他の高温をかけ、それを硬化させて硬化した組成物を得る硬化可能な組成物を硬化させる方法が提供される。
【0136】
該他の繊維性補強材または樹脂マトリックスは硬化させる前に支持構造物に混入することができる。
【0137】
プリフォームは、上記に参照した樹脂トランスファー成形法(RTM)、液体樹脂注入法(LRI)、樹脂注入可撓性工具法(RIHT)、真空補助樹脂トランスファー成形法(VARTM))、樹脂フィルム注入法(RFI)等の処理技術で製造、射出/注入および硬化させることが好ましい。
【0138】
この方法は、他の樹脂マトリックスを減圧において注入する予備段階、および次いで空隙を少なくするために空気を抜き取る脱ガス段階を含んでいることが適切である。伝統的に脱ガスは高圧下において行われる。
【0139】
しかし本発明において脱ガスは、上記に定義したような特定の形状の支持構造物または担体を用いて空隙が生じないように周囲圧力または減圧下で行い、この際2種の異なった直径の繊維が一緒に並ぶように配置してその間に空気の流れを助ける通路をつくるようにすると特に有利であることが見出された。この場合RIFTまたはVARTM法、例えば真空袋詰め法(vacuum bagging)を用い、オートクレーブから袋の表面に外部圧力をかける必要なく、パネルへの注入、脱ガスおよび硬化を行うことができる。
【0140】
この場合、支持構造物または担体は、二つの異なった直径をもつ可溶性繊維および随時さらに他の構造繊維から成り、これらの繊維が直線状に並んでいる。従って支持構造物または担体は多軸繊維布から成り、その中では可溶性繊維または構造繊維であることができる第1の直径の繊維が、該第1の繊維に沿って一緒に並んだそれよりも大きな直径の繊維と同一直線上に配置されるようにレイアップされ、組成物全体を通じて長手方向の通路がつくられている。
【0141】
通常第1の繊維は構造繊維であるが、随時本発明の具体化例においては二つの直径の可溶性繊維をもつ支持構造物または担体が用いられ、これによってその間に通路がつくられ、硬化する際その繊維の一部または全部が溶解して空隙率が0%の複合体または混じり物のない(neat)き樹脂パネルが得られる。
【0142】
驚くべきことに本発明においては、この具体化例の支持構造物または担体では繊維の形の可撓性重合体要素は、脱ガスの初期段階においては周囲圧力または減圧下において繊維の形のまま留まり、パネルから空気を抜きだし、しかる後、繊維は跡を残さずに溶解または分散し外部から圧力をかけないでも、ゲル化および硬化が始まる前において流体相成分を緻密化することができることが見出された。外部圧力ををかけると簡単に性能は強化されるが、この配置はオートクレーブ等を必要とせずに大きなパネルの硬化を初めて可能にした点で特に利点がある。
【0143】
この具体化例において可溶性の繊維は2〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、さらに好ましくは4〜16重量%の量で存在することが適切である。また可溶性繊維はTexが30〜160の多フィラメントとして存在し、直径5〜10μ、例えば6または7μの構造繊維に接してレイアップされていることが適切である。
【0144】
これに加えてこの配置は、樹脂の注入段階において通路によりパネル全体に亙る迅速で均一な注入が助けられるという利点をもっている。
【0145】
さらに他の利点として、この配置によれば樹脂のフローフロント(流れの前面、flow front)を優れた方法で制御できる改善された注入方法が提供される。
【0146】
本発明方法は最高300℃、例えば60〜200℃、さらに好ましくは75〜150℃の範囲の温度を最高45分間、好ましくは0.5〜35分間かけて相転移を起こさせることが適切である。硬化可能成分の効果的な溶媒中に容易に溶解し得る濃度で存在する例えば低分子量の容易に溶解し得る可撓性重合体要素の相転移に対しては100〜150℃の範囲の温度が特に適しており、あまり容易に溶解しない可撓性重合体要素に対しては150〜300℃の範囲の温度が適している。適切な高温は、所望の時間の間に相転移を起こす所望の範囲内で選ばれ、例えば或る与えられた可撓性重合体要素には2〜10分の間135〜170℃の高温をかけ、また5〜30分の間125〜135℃の範囲の高温をかけ、或いは10〜40分の間105〜125℃の高温をかけることができる。
【0147】
相転移は所望の射出、脱ガスおよび効果の条件に対応して周囲圧力または高圧において行うことができる。
【0148】
この方法は、相転移の後にさらに高温をかけてゲル化または硬化を開始させる工程を含んでいる。ゲル化は公知方法で予備硬化に対応した温度範囲で行うことができる。ゲル化の後で高温においてさらに硬化を行うか、或いは後で硬化させるためにゲル化組成物を冷却することが好ましい。例えばゲル化または硬化をオートクレーブまたは成形型の中で行う場合には、組成物をオートクレーブまたは成形型から取り出し、標準的な炉の中で周囲圧力において硬化を続けることができる。
【0149】
ゲル化または硬化は、温度を上昇させて所望の温度に保持する工程を含む適切な期間の間、高温、高圧をかける公知方法で行なうことが適切である。適切なゲル化または硬化のサイクルは、同じ成分の種類および量を含む通常の組成物に対するサイクルに対応している。これに対しては組成物中に存在する可撓性重合体要素の量の計算を例示する説明および実施例を参照されたい。
【0150】
好ましくは硬化は例えば180〜400℃の範囲の温度において1〜4時間行われる。またこの方法はTg等のような性質を強化するのに適した条件下で後硬化を行う工程を含んでいる。
【0151】
ゲル化または硬化は上記に定義したような触媒を用いて行うことができ、この場合温度を上昇させると賦活が行われ、賦活温度以下に冷却すると硬化が停止する。
【0152】
本発明方法は実時間的に監視することができるが、或る与えられた組成物に対し、例えば試料をつくり、ゲル化または硬化が完了した後例えばラマン分光法などを使用して溶液および分散物を分析することにより適切な反応時間および温度を予め決めておくことが好ましい。
【0153】
本発明のさらに他の態様においては、上記に定義したような可撓性重合体要素、可撓性要素を溶解させるのに適した溶液対の樹脂マトリックス、および支持構造物または担体として或いは別の構成成分として随時含まれる補強用繊維、並びにさらに他の補強用繊維、マトリックス、単量体または重合体、硬化剤等を含む部材のキットが提供される。
【0154】
本発明のさらに他の態様においては、硬化したマトリックス樹脂および随時含まれる構造繊維、および上記に定義したような可溶性の可撓性重合体要素から導かれる分散した硬化重合体が共通の相またはマトリックス樹脂とは別の相に含まれる硬化した複合体または樹脂本体が提供される。
【0155】
またさらに他の本発明の態様においては、種類、分子のタイプ等を参照して上記に定義した可撓性重合体要素が溶解するのを助けるのに適した樹脂マトリックスを選択し配合する方法が提供される。重合体の分子量が高いほど、溶液対の樹脂マトリックスから得られる必要とされる相容性または溶液効果が大きくなる。例えば多官能性のエポキシドはモノ−またはジ−官能性のエポキシドに比べて効果が大きく、フェノール類はシアネートエステルまたはBMIに比べて効果が大きい。
【0156】
本発明のさらに他の態様においては、成形型を用いずに製造された複雑な形の構造物が提供される。この構造物は、機械的な性質を与えるため、および/または平面性、折曲げ用の継ぎ目、蝶番えおよびボルトの穴のための補強材、方向性をもった強化材等を与えるために織物および/またはステッチとして上記に定義されたような可撓性重合体要素が使用されている組み立てられた区画を含み、該区画は樹脂を射出する間に構造物を適切な位置に保持するためのステッチとして可撓性重合体要素を使用して組み立てられている。提供される特定の構造物は、航空機、自動車、船舶、風力エネルギー等の用途に使用するための網状の形のプリフォーム並びに組み立てられたパネルを含んでいる。
【0157】
本発明のさらに他の態様においては、
、航空機、自動車、船舶、風力エネルギー等におけるエンジニアリング複合体の製造、スポーツ用品および製紙工業の工業的用途において、接着剤、例えばローラに対する機能的なまたは保護用の被覆、シート材料、電気絶縁材等として、特に例えば自動車の車体の部材をつくる際のステッチを施された繊維布、補強されたフィルム、例えばモノフィルム、パイプ、タンク、ローラを製造する際の補強またはフィラメントを上巻き材として、或いは橋梁等の技術的構造物の補強に使用するための上記に定義された可撓性重合体要素、支持構造物または担体、プリプレグまたはプリフォーム、硬化可能な組成物または硬化した複合体または樹脂本体が提供される。
【0158】
次に添付図面を参照して本発明を例示する。
【0159】
また次に下記のを実施例を参照して本発明を限定しない方法で本発明を説明する。
【0160】
章A − 支持構造物または担体のための可溶性繊維。
【0161】
実施例A1 − 繊維の製造
下記実施例においては、表Iとして掲げた下記の重合体を本発明の可撓性重合体要素のために使用した。
表I
重合体 分子量 末端基
40:60 PES:PEES 9,000 アミン
40:60 PES:PEES 12,000 アミン
40:60 PES:PEES 15,000 アミン
40:60 PES:PEES 12,000 ヒドロキシル
40:60 PES:PEES 7,000 塩素
40:60 PESiPEES 9,000 塩素
40:60 PES:PEES 15,000 塩素
100% PES 24,000 ヒドロキシル
(Sumitomo 5003P)
また表 対照Iとして掲げた下記の重合体を本発明によらない表せい繊維の製造に使用した。
表 対照I
重合体 分子量 末端基
100% PEEK 15,000 フッ素
ポリエステル PES
ポリエステル TRIVERA
これらの重合体は市販されているか、またはヨーロッパ特許311349号、国際特許公開明細書99/43731号、英国特許000 2145.1号、または英国特許0020620.1号に記載のようにして製造することができる。これらの特許は参考のために添付されている。
【0162】
下記実施例においては実験室用および工業用の両方の押出し機で繊維を製造する。
【0163】
実施例 A2 − 実験室用の押出し機を用いる重合体の繊維への紡糸
これはDMS製、No 98013シリーズの15cm3のマイクロ押出し機を用いて行った。或る範囲の温度において重合体樹脂を熔融し、繊維の品質をその延伸能力、美学的品質およびその靭性/可撓性に関して評価した。この性質は最初は切れずに繊維を結ぶことができる能力を簡単に観察することによって決定した。40:60のPES:PEES共重合体の場合には、試験に用いた温度範囲を270℃から最高320℃まで変化させた。
【0164】
表に詳細を示した重合体の全部をこの温度範囲で評価し、最良の品質の繊維が得られるのは、高温熔融押出し機から290℃の熔融温度で押出した場合であることが分かった。しかしこれは40:60のPES:PEES共重合体のシリーズの場合だけであった。100%PESの場合には、320℃の最低熔融温度が必要であった。熔融粘度を減少させて細い繊維を延伸できるようにするためには350℃の高い温度が必要であった。
【0165】
実施例 A3 − 工業的規模の押出し機を用いる本発明による重合体の繊維への紡糸
工業的規模でうまく紡糸を行うためには、重合体の粉末をペレットに変えることが重要であった。これは、35mmの3個のダイス型をもち、長さが1400mmで三つの温度区域を有する二重スクリュー押出し機を用いて達成された。下記のような温度分布を使用した。
区域 温度(℃)
供給原料1 室温〜100℃
押出し1 }
押出し2 }増加
押出し3 }230〜375
押出し4 }
押出しn }
ヘッド1 }定常状態
ヘッド2 }250〜375
ヘッド3 }
ヘッドn }
スクリューの速度は230rpmであり、重合体の熔融温度は294℃であった。押出された重合体を室温において水で冷却し、切断機の中に引き込んだ。ペレットの平均直径は3mmであった。
【0166】
次にこのペレットを、ダイス型の直径が45mmで長さが1.26mの単一スクリュー押出し機に移す。下記の温度分布を使用した。
【0167】
区域 温度(℃)
押出し1 }
押出し2 }増加
押出し3 }230〜375
押出しn }
ヘッド1 }
ヘッド2 }定常状態
ポンプ1 }250〜375
熔融した重合体の温度は295℃であった。ポンプの速度は所望のTex値と所望の破断時強度を与えるように設定した。異なったポンプ速度を用い30〜60Texの範囲内の4種の異なったTex値をもつ本発明の繊維を得た。最低のスクリュー速度は11rpmであり、直径30μのモノフィラメントを得るために機械のパラメータを下記のように選んだ。
紡糸ダイス型ヘッドの直径×孔の数 0.3mm×100
急冷浴の温度 60℃
第1の伸長ユニットの速度 使用せず
第1の配向炉の温度 25℃
第2の伸長ユニットの速度 200m/分
第2の配向炉の温度 25℃
第3の伸長ユニットの速度 200m/分
第3の配向炉の温度 25℃
第4の伸長ユニットの速度 200m/分
所望のモジュラスに応じて空気中で50〜500mmの距離だけ繊維を引っ張った。
【0168】
3.1 種々の重合体に対する延伸温度の最適化
40:60 PES:PEES共重合体の場合には、試験した温度範囲を250℃から375℃の範囲で変化させた。表Iに詳細を示したすべての重合体をこの温度範囲で評価し、高温熔融押出し性およびメルトフローインデックスの両方から最適の品質の繊維が得られるように最適の熔融温度を選んだ。40:60 PES:PEES共重合体シリーズに対する最適熔融温度は100%PESとは異なっており、後者に対しては高い最適熔融温度が必要であり、また熔融強度を減少させ細い繊維を延伸できるようにするには高い温度が必要であった。
【0169】
実施例 A4 − 高温熔融押出し条件下におけるPES:PEES重合体のアウトライフ
平行な板ををもったRDSレオメーターを用いてアミン末端40:60 PES:PEESの試料、9Kの試験を行った。重合体の試料を最高290℃に加熱し、3時間以上の間等温的に保持した。この期間中樹脂のレオロジー的性質は極めて僅かしか変化しなかった。このことは、加熱する前後において重合体をNMRで評価することによって確かめられた。NMRにより分子量および重合体上の末端基の数が変化しないことが示された。
【0170】
従って本発明の可撓性重合体要素または支持構造物または担体は、最高数年に亙る長期間の間溶解することなく周囲温度および高温において貯蔵でき、溶媒に接触させた時にだけ数分ないし最高数日程度で溶解する。
【0171】
実施例 A5 − 繊維の機械的性質
繊維のモジュラス、強度、靭性および%伸びを評価してこのプログラムで研究したすべての繊維を特徴付けた。Instron Universal Testing Machine 5544型に5Nの張力/圧縮ロードセルを取り付けた。各試料に対し100mmのゲージ長を使用し、試験速度は50mm/分であった。温度23℃、相対湿度50%において制御された実験室の環境で測定を行った。
【0172】
一つの材料当たり最低10〜15個の試料を試験した。
【0173】
繊維を機械的に評価することによって多くの性質が導かれるが、それには次のものがある。
【0174】
1.引張りモジュラスによる剛性。
【0175】
2.最大の引張り応力による強度(DTexの計算に使用)
3.破壊エネルギーによる靭性
4.変位または%伸び。
【0176】
これに加えて可撓性も観測される。可撓性は経験的な値であり、直径に反比例し、モジュラスの関数である。
【0177】
実施例1で製造された(実験室用の押出し機で)或る範囲の熱可塑性繊維の機械的性能を下記の表に詳細に示す。
【0178】
【表1】
【0179】
この表から明らかなように、可撓性要素はステッチング、織り目、混じり合の程度または他の所望の支持構造物または担体の機能に対する所望の性質を与えるように、その固有の性質を参照し重合体のタイプによって選択される。
【0180】
上記表のすべての繊維は実験室用の押出し機でつくられており、そのままではこの結果は近似的な結果と見るべきであり、若干の結果は繊維の品質によって影響を受けることに注意すべきである。
【0181】
実施例 A6 − 本発明によらない他の繊維のタイプとの比較
下記の表は40:60 PES:PEES共重合体をベースにした繊維変わりになる繊維の機械的試験の結果を詳細に示す。
【0182】
【表2】
【0183】
PESおよびTRTVERAは両方とも炭素繊維の繊維布にステッチを施すのに使用される市販の多フィラメントポリエステル・ステッチ繊維の典型的な例である。試験した他のすべての繊維は単一のモノフィラメント繊維の例である。
章B 可溶性の繊維および溶解用マトリックス樹脂から成る支持構造物または担体
実施例 B1 − エポキシ中における繊維の溶解度
この試験は高温顕微鏡を用いて行った。1本の繊維を顕微鏡の2枚のスライドの間に挟み、エポキシ樹脂を導入した。スライドを顕微鏡の加熱台の中に挿入し、室温から180℃まで2℃/分の速度で材料を加熱した。
【0184】
繊維の溶解性を追跡し記録した。
【0185】
Araldite PY306(Ciba Geigy製)エポキシ樹脂中に可溶化したアミン末端40:60 PES:PEES、9Kを温度の関数として研究した結果、90〜100℃程度の低い温度においても重合体の溶解が起こることが分かった。さらに温度が上昇し続けると、重合体繊維の可溶化の性質が顕著になる。最終的に180℃において繊維は全く見えなくなり、完全に溶解した。
【0186】
低い射出温度において繊維自身は可溶性をもっていてはいけないので、これらの観察は重要である。もし溶解すれば、射出工程から得られる樹脂のフローフロントが射出ポートの片側から出口ポートへと進む際に、溶解した重合体繊維を運び、それがLM工具から外に出るようなことが可能になるであろう。事実上重合体繊維の溶解度は、樹脂の初期的な射出/注入が完了し成形型の射出/注入ポートおよび出口ポートが閉じられるまでは休止したままであるような溶解度である。この後で、LMの成形型の温度が最終硬化温度まで上昇するにつれて、繊維は徐々に溶解する。
【0187】
この時点において、重合体は溶解して熱硬化物の反応が始まり、最後に相が分離し、LM複合体の部材に靭性を賦与する。
【0188】
MY0510エポキシ樹脂中に可溶化したアミン末端40:60 PES:PEES、9Kを温度の関数として研究した結果、この場合も70〜80℃程度の低い温度においてこの特定のエポキシ樹脂の中で重合体繊維が可溶化しており、MY721の中では110〜120℃の温度において可溶化していることが示された。
【0189】
DOS硬化剤を用いないで同じPES:PEES系を研究した。MYエポキシドを用いた場合との差は全くないか無視できるが、PYエポキシドを用いた場合には溶解温度が上昇した。
【0190】
図B1aおよびB1bには写真画像から得られた溶解過程を図式的に示す。
【0191】
図B1aおよびB1bは異なった組成に対しエポキシ樹脂中に繊維が溶解する場合の時間−温度曲線を示し、また異なった温度における溶解までの時間およびゲル化までの時間を示し、本発明によって溶解およびゲル化の開始について非常に細かい制御を行い、ゲル化が開始する前に繊維を完全に溶解させ得ることを示している。
【0192】
実施例 B2 − マトリックス樹脂中における可溶性繊維の分散および機械的な試験
図B2aは機械的試験およびラマン分光法による拡散を研究するためのパネルの製造を示す。図B2b〜B2dは硬化した複合体のラマンスペクトルを示す。樹脂ブロック上の表面のすぐ下方の数nm離れた異なった点に顕微鏡の焦点を合わせる。
【0193】
800μmのピンホール、633nmのレーザーのラマン分光器を用い、研磨した樹脂パネル上の異なった点(間隔数mm)に顕微鏡の焦点を合わせた。可溶性の繊維から得られるポリスルフォン重合体を同定するために最も適した波長シフトのピークは790cm− 1である。このピークは優れた信号/雑音比を示し、このピークは混じり物のないマトリックス樹脂のピークと重なる可能性は少ない。
【0194】
この解析においては、周辺のピークと同等な790cm− 1のバンドの相対強度を監視した。他の特徴と比較した場合、このバンドは非常に類似した強度の所にある。20の異なった区域においてもスペクトルの形は非常に良く重なっており、このことにより熱硬化性した樹脂マトリックス中における可溶性繊維の重合体の溶解および均一性が確認される。
【0195】
図B2dは20個の異なった点における740〜880cm− 1領域のスペクトルを示し、これらは非常に正確に重なり合い、各点におけるポリスルフォンの濃度が均一であることを示している。
【0196】
実施例 B3 − 可溶性の繊維およびマトリックス樹脂から得られる混じり物のない樹脂に関する機械的試験
可溶性繊維を異なった濃度で含ませてつくった数枚のパネルに関して試験を行った。エネルギーGcによる破壊靭性、および強度KCによる破壊靭性は同じである。機械的試験の結果に対する標準偏差が非常に低い(約5%)ことは、熱可塑性材料が溶解した後に非常に良く拡散していることを示している。測定された他の性質(曲げモジュラス、引っ張り降伏強度およびTg)も同じである。
【0197】
図B3aおよび図B3bはエネルギーおよび強度による破壊靭性を示している。この結果は殆ど同じであり、それぞれの場合<10%および>17%の熱可塑性材料含量において可溶性の繊維を含む系が高いGcおよびKcを示している。これらのパネルに対して圧縮、張力、衝撃後の圧縮(CIA)および平面内剪断強度(DPS)を試験したが、その値は市販のパネルと同等であり、良好な均一性を示し、積層剥離はなかった。貫通孔張力G1cおよびG2cは同様であることが期待される。
【0198】
実施例 B4 − 組織形態の研究
Shell Chemicals製MY0510、Ciba Geigy製PY306、Lonza Chemicals製MDEAおよびアミン末端40:60 PES:PEES、9Kを含む下記のような樹脂組成物を混合し、90℃で脱ガスした後、170℃において3時間硬化させた。硬化したパネルの試料を研磨してエッチングし、走査型電子顕微鏡(SEM)によって検査した。15、22.5および30%の切断した繊維を用いて下記の樹脂組成物をつくった。
【0199】
【表3】
【0200】
典型的な組織形態を図B4に示す。
【0201】
実施例 B5 − 別のマトリックス樹脂中の溶解度
粘度が水ど同等なL10シアネートエステル中にポリスルフォンを溶解した。従って射出には非常に有利であった。L10は粘度が低いためにエポキシに比べて高い溶解力をもっている。またポリスルフォンに対して相容性が大きい。
【0202】
繊維は温度100、110、120、130および140℃において20分から3分の範囲で溶解するが、その時間は次第に短くなることが見出された。
【0203】
次にL10とMY0510との配合物の中に繊維を溶解させ、相分離を起こさせた。樹脂はなお良好に射出され、シアネートエステルは配合物の粘度を減少させ、エポキシは所望の相分離を起こした。
章C 可溶性の繊維および二成分樹脂マトリックス(熱硬化性および熱可塑性重合体)から成る支持構造物または担体
実施例 C1 − 硬化した樹脂の組織形態の研究
40:60 PES:PEES/エポキシ樹脂中に分散させた単一のPES:PEES繊維を溶解した後、高温顕微鏡を用いて顕微鏡写真を撮った。PES:PEES含量は約10〜15%であった。溶解した後塊の試料が見えるように視野を調節した。175℃において30分後、認識し得る粒子相の分離が確認された。
章D − 可溶性繊維および構造繊維から成る支持構造物または担体:配置
実施例 D1 −多軸繊維布の配置
図D1には、構造繊維に沿って混入されていることを示す多軸繊維の種々の使用、およびステッチ用の糸としての使用が示されている。
【0204】
実施例D2 − 非クリンプ繊維中のステッチ用の糸としての可溶性繊維の使用
図D2に示されているように、公知方法で非クリンプ繊維布としての炭素繊維布中に可溶性の糸が縫い込まれている。硬化可能な組成物に使用した場合、このステッチは溶解して滑らかなクリプしていない仕上げを生じる。
【0205】
実施例 D3 − 目的に合わせてつくられた繊維の配置(TIP)
繊維は上方および下方の糸として使用され、この時のステッチ速度は毎分約1200ステッチである。繊維は炭素の構造繊維に沿って配置され、また円形および矩形の切取り部分の周りに配置されている。この形状を図D3に示す。
【0206】
実施例 D4 − 繊維布の組み立ておよびプリフォームの構成
図D4は同時に組み立てた数枚の繊維布をもつプリフォームを示す。
【0207】
実施例 D5 − 可溶性繊維を使用した織物繊維布の剛性化
図D5は、取扱中に剪断を受けた場合安定化を行うためにクロスステッチをかけて軽量の5ハーネス(harness)のサテン繊維布に剛性を賦与したパネルを示す。
【0208】
実施例 D6 − プリフォームに対する折り曲げ用の継ぎ目としての可溶性繊維のステッチの使用
図D6は、プリフォームの成形および組み立ての際に折り曲げるための継ぎ目を作るようにステッチングが施されたパネルを示す。
【0209】
実施例 D7 − 複合繊維布
図D7のa〜cは炭素繊維とPES:PEES糸で織られた複合繊維布を示す。
章E − 可溶性繊維および構造繊維並びにマトリックス樹脂から成る支持構造物または担体
実施例 E1 − 繊維の性能の比較
図E1のa〜cは多軸繊維布の中のポリエステルのステッチと比較した可溶性のPES:PEESのステッチの溶解度を示す。同じスタイル/重量の繊維布を用いてパネルをつくったが、この場合ポリエステルおよびPES:PEESの60Texの繊維を用いてステッチングを施し、各層が交互になるように(ポリエステルのステッチの一つ層とPES:PEESのステッチの一つ層とが交互になるように)した。このパネルに125℃の高温をかけ、溶解が起こるようにこの温度に保持した。これらの図では、PES:PEES繊維は跡を残さずに溶解しているが、ポリエステルのステッチはまだ見ることができる。
【0210】
実施例 E2 − 種々の温度における繊維の溶解性の比較
図E2aおよびE2bは、[0,90]の配置で重ね合わせた10枚の層から成る積層物の断面を通して撮影したSEMによる溶解の状態を示す。各積層物は、炭素のトウの両側において横糸方向に一緒に織り込まれた糸またはポリスルフォンの繊維にエポキシ樹脂を射出し、種々の温度に保持して硬化させた後、さらに後硬化を行ったものである。105℃で保持すると溶解は不完全であるが、135℃では 繊維は完全に溶解して跡は見えなくなった。
章F − 可溶性繊維および構造繊維並びに二成分樹脂マトリックス(熱硬化性および熱可塑性樹脂)から成る支持構造物または担体
実施例 F1 − 支持構造物または担体中の繊維の量の制御
或る量の連続した、切断したおよび織った可溶性繊維を予め秤量し、所望の方法で構造繊維および/または本発明のマトリックスを用いてレイアップし、可溶性繊維から導かれる所望の量の重合体を与えるようにすることができる。
【0211】
本実施例は、上記に定義したような構造繊維を縫い込むか織り込んで可撓性重合体要素から得られる可溶性繊維の所望の全量を得る場合の繊維の混入の計算を例示している。
【0212】
一緒に織り込んだポリスルフォン繊維および構造繊維から成る硬化可能な組成物をつくる。得られた硬化可能な複合体はエポキシ樹脂およびPES:PEES樹脂から成るマトリックス樹脂35%と、炭素の構造繊維65%から成っている必要がある。これらの割合を硬化可能な組成物中に分配し、同じ量のエポキシ樹脂と10%少ないPES:PEESから成るマトリックス樹脂25%、および65:10の割合(百分率で100:16に相当)の炭素の構造繊維およびPES:PEES可溶性繊維75%を含む組成物が得られるようにする。
【0213】
炭素の構造繊維はTexsf(炭素繊維1000m当たりの炭素構造繊維のg単位の重量)=800になるようにレイアップされる。
【0214】
式 Texfpe=(重量%Sf×重量%fpe)÷Texsf から
Texfpe=100×16÷800=2
この計算から織り機のパラメータ(トウ/cm)は計算値として所望のTexfpeを与えるように設定される。
【0215】
実施例 F2 − 硬化可能な成分による支持構造物または担体の含浸
本実施例においては、上記表AIに掲げられた重合体を使用した。エポキシまたはエポキシドを表FIIに示された量で60℃を超えない温度に温め、触媒として炭酸カリウムを用い反応溶媒としてスルフォランを使用して、1モルのDCDPSを2モルのm−アミノフェノールと反応させて1級アミンの末端基をもつ40:60 PES:PEES共重合体、12Kを合成した。次に少量のジクロロメタン中に溶解したポリ芳香族重合体を表FIIに示された量に相当する量で加えた。樹脂が加温されその粘度が低下すると、60℃において溶媒を除去した。樹脂は直ちに使用するか、冷却して後で使用した。
【0216】
上記幾つかの実施例記載の方法で得られた補強用の繊維およびポリスルフォンの繊維の網をそれぞれ表FIIに示した量の樹脂で含浸し、下記含量の全組成物をつくった。
【0217】
表FII
樹脂
部分A エポキシドおよび硬化剤 17.5%
部分B1 予め溶解したポリスルフォン 10.5%
補強材
部分B2 ポリスルフォン繊維 7%
部分C 炭素 65%
例えば図F2に示した織った繊維布または多軸繊維布のような複合織物補強材の配置を使用した。
【0218】
実施例 F3 − 硬化可能な成分を用いる支持構造物または担体への注 入
注入は、上記計算量の樹脂マトリックス成分を使用して公知方法で行い、完全に湿潤させて複合繊維布を含浸した。
【0219】
実施例 F4 − 実施例F2の硬化した複合体
実施例F2で得られた組成物を溶解させるために高温に加熱し、溶解した後さらに高温をかけて硬化させた。
【0220】
図F4aは種々の量(0〜30%)のポリスルフォンを用いた場合の上記系におけるポリスルフォン繊維の溶解を示す。このグラフは、ポリスルフォンの高濃度の場合でも溶解が起こることを示している。ポリスルフォンの濃度が大きい場合溶解時間が僅かに長くなるのは粘度が高いことによるために過ぎない。
【0221】
実施例 F5 − F4の複合体の性質
靭性
熱可塑性材料を50%使用すると、靭性のような性質が明確に改善される。
【0222】
下記表に示されているように、熱可塑性材料が増加すると、GcおよびKcのような靭性が改善される。
【0223】
【表4】
【0224】
章G − RIFTによる積層品への注入および種々の圧力下および真空下に おける硬化
通常のRTMまたはRFIにおいては、個々のプリプレグを予め規定された方向に積み重ねて積層品をつくる。この積層品は滑らかな金属板に接して配置され、多孔性のテフロン、通気性の繊維布および真空袋から成る隣接した層で覆われる。オートクレーブの圧力容器により加圧された雰囲気の中で成形型および積層品を制御しながら加熱する。オートクレーブは成形型アセンブリーの内部に真空をかけ、揮発成分を抜き出し、内部と外部との間に圧力差を保持する。通常、可撓性のシートまたは袋で成形型の上の硬化しない積層品を覆う。積層品に真空をかけ、袋の外側の表面に圧力をかけ、積層品に凝集用の圧力をかけて個々の層を凝集させ、過剰の樹脂を絞り出し、残留している揮発成分の泡を圧縮する。
【0225】
加圧された雰囲気は通常約560〜690kPa(85〜100psi)である。オートクレーブの全操作はコンピュータで制御される。
【0226】
VARTMは片側だけの成形型を用いてかたい成形型のRTMを簡単化し、真空袋の技術を用いてプリフォームを圧縮する。樹脂の射出は成形型のキャビティーと樹脂原料との間に1気圧の圧力差をつくるが、成形型の充填時間は非常に長く、全部充填する前に硬化することさえある。
【0227】
RIFTは「分布媒質」を提供し、これらは流動抵抗性が非常に小さい多孔性の層であり、比較的容易な流路をもった射出された樹脂を与える。積層品の上部に配置された分布媒質を通って樹脂は迅速に流れ、次いでプリフォームの厚さを通って流下する。
【0228】
実施例 G1 − 減圧または周囲圧力を使用する本発明の方法
本発明では、構造繊維(炭素、ガラス、アラミド等)と、図G1aに示されているような30〜80μの直径をもった単一繊維から成る番手が30〜160texのポリスルフォン多フィラメントとを含む複合繊維布を使用する。
【0229】
構造繊維、例えば炭素繊維は通常約6〜7μの直径をもち、従って上記のポリスルフォン繊維よりも細い。この直径の差によって人工的な「通路」が作られ、これによって射出が容易になり、またそれ以後積層品からの空気の除去が容易になる。
【0230】
実施例 G2 − 試料
下記の繊維布を使用して複合積層品をつくった。
【0231】
【表5】
【0232】
この繊維布を6×4インチの種々の矩形の形に切断し、[0,90]8のレイアップに従って配置し、RIFT法を用いて複合積層品をつくった。
【0233】
図G2はこの実施例に使用されたRIFT装置を示す。黄色の繊維布は樹脂を注入するのに用いられる流れの分布媒質である.T字型の連結器はゲートおよび通気口を構成し、その形によって安定なフローフロントがつくられる。
【0234】
両方のパネルは、75〜180℃の範囲の温度で適当な保持時間で射出を行い硬化させる。
【0235】
次の組成をもつ樹脂を射出した。
【0236】
%
PY306 36.86
MY0510 35.42
44’DDS 27.72
次のような値の射出時間が測定された: パネルA − 162秒、 パネルB − 118秒。
【0237】
従って、可溶性繊維を含んだパネルの方が射出時間は短い。このことは、繊維にとり樹脂の射出を容易にする通路がつくられることを示している。
【0238】
図G2aおよびG2bのSEMの写真はパネルA、即ち可溶性のポリスルフォン繊維を含まないパネルから撮影されたものである。
【0239】
大きな空隙が見える。これらの空隙は目で観測しても明白である。
【0240】
図G2cおよびG2dはパネルB、即ち複合炭素/ポリスルフォン繊維を用いて製造されたパネルから撮影されたものである。
【0241】
この場合には、圧力をかけずにパネルを硬化させても、空隙を見ることはできない。
【0242】
また明らかにこの方法は、最終成分中に不溶性の繊維、即ちポリエステル/ナイロン等を残さないという他の利点をももっている。
【図面の簡単な説明】
【図B1】
繊維の溶解と相分離を図式的に示す図。
【図B1a】
異なったマトリックス・エポキシ樹脂成分と異なった触媒成分を含む本発明の組成物に対する種々の温度における繊維の溶解時間を示すグラフ。
【図B1b】
種々の温度における溶解時間およびゲル化時間を示す曲線であって、約140℃におけるよりも約120℃における方が差の時間(ゲル化時間から溶解時間を引いた差の時間)が大きいことを示し、この差の時間の間で、樹脂がゲル化する前にすべての元から存在した張力および残留応力が消失する。
【図B2b〜B2d】
(図2aに示された)本発明の硬化した組成物に対するラマンスペクトル。エポキシ樹脂のマトリックスの中に溶解した繊維が均一に分散していることを示す。
【図B3aおよびB3b】
繊維の機械的性質。
【図B4】
熱可塑性/熱硬化性系の典型的な二つの相の組織形態の模式的な図。
【図D1】
織られた炭素繊維と可溶性繊維の配置。
【図D2〜D6およびD7a〜D7c】
本文中に記載した多軸の配置およびステッチの配置、並びに織り目のタイプを示す図。
【図E1a〜E1c】
ポリエステル繊維と可溶性繊維を交互の層をなすように同じスタイル/重量でステッチをかけた多軸繊維布において、本発明の重合体繊維のステッチの溶解性を不溶性のポリエステルのステッチと比較した図
【図E2a〜E2c】
炭素繊維の縦糸と炭素繊維および可溶性の重合体繊維の横糸とから成る複合織物繊維布、およびマトリックス中における繊維の溶解の開始時およびそれ以後の完全な溶解時における溶解しない繊維を示す、種々の温度における繊維布のSEM写真。
【図F4a】
図2に示した繊維布に対するポリ芳香族重合体/エポキシ組成物中のポリ芳香族重合体繊維の溶解時間に対するポリ芳香族重合体の濃度の影響。
【図G2】
使用した処理装置。
【図G2a〜G2d】
直径が小さい構造繊維と一緒に並べられ、周囲温度で処理された可溶性繊維を用いてつくられたパネル。異なった直径の繊維が並べてつくられた通路を通して空気を引き抜くことにより空隙が生じないことが示されている。、これに対して可溶性繊維を含まないパネルの中では空隙が生成することが示されている。
Claims (38)
- 可撓性重合体要素は固相状態にあり、硬化可能な組成物のゲル化および/または硬化が実質的に開始されるための温度より低い温度において該可撓性重合体要素が可溶な硬化可能な組成物の成分と接触すると、少なくとも部分的に流体相への相転移を起こすのに適合することを特徴とする可撓性重合体要素。
- 少なくとも一つの方向において細長く、単一または多重の繊維またはフィラメント、リボン、フィルムまたはこれらの混合物または織物のような織物材料を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の可撓性重合体要素。
- 該相転移は、随時熱によって助けられて、硬化可能組成物の樹脂マトリックス成分の中への溶解によって起こることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の可撓性重合体要素。
- さらに反応性の基を有する液状ゴム;ガラスのビーズ、ゴム粒子およびゴムで被覆したガラスのビーズのような凝集体;金属粒子、例えばTi、Al又はFe;充填材、例えばポリテトラフルオロエチレン、シリカ、グラファイト、窒化硼素、粘土、例えば雲母、タルクおよび蛭石;顔料;造核剤;および安定剤、例えばフォスフェート;耐溶媒性を増加する試薬、例えばF−含有試薬;燃焼遅延剤、例えば金属酸化物FeO 及び TiO;配合物或いはブロックもしくはランダム共重合体として混入された結晶性重合体、例えばポリエーテルケトン;バインダー、例えば低分子量熱硬化性単量体、例えばエポキシ、アクリル、シアネート、エステル、BMI型の重合体等;接着剤、例えばエポキシ重合体等;および/または被覆剤を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可撓性重合体要素。
- 該要素は直径dの繊維もしくはフィラメントであるか、厚さtのフィルムまたはリボンであり、dまたはtは最高100ミクロン、好ましくは最高1〜80ミクロン、例えば30〜80ミクロン、さらに好ましくは30〜65ミクロンの範囲にあり、破断時の%伸びが1〜75%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可撓性重合体要素。
- ガラス転移温度若しくは軟化温度又はそれ以上の温度においてエラストマー性を有する重合体を含み、天然または合成ゴムおよびエラストマー、熱可塑性材料および混合物、その混じり合えるまたは混じり合えない配合物、又は他の無定形若しくは結晶性重合体および/または単量体とのランダム若しくはブロック共重合体から選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可撓性重合体要素。
- セルロース誘導体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリスチレンおよびポリ芳香族重合体、例えばポリアリールエーテル、ポリアリールケトン及び特にポリアリールスルフォンから選ばれる熱可塑性重合体;ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアラミド、ポリアリーレート、ポリ(エステル)カーボネート、ポリ(メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル)、ポリエーテルスルフォン−エーテルケトンから選ばれる共重合体;および重合体の配合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の可撓性重合体要素。
- エーテルで結合した反復単位、および随時さらにチオエーテルで結合した反復単位を含み、該反復単位は
− (PhAPh)n −
および随時さらに
− (Ph)a −
から成る群から選ばれ、A=COまたはSO2、Phはフェニレンであり、n=1〜2であって少数を表すことができ、a=1〜4、好ましくはa=1、2または3であって少数を表すことができ、aが1を越える場合には該フェニレンは単一化学結合を介してまたは−CO−若しくは−SO2−以外の2価の基を介し直線的に結合しているか、或いは直接融合しているか、または環式部分、例えば酸アルキル基、(ヘテロ)芳香族または環式ケトン、アミド、イミド、イミン等を介して互いに融合している、少なくとも1種のポリ芳香族スルフォンを含んでいることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の可撓性重合体要素。 - フェニレン基はメタまたはパラ位、好ましくはパラ位のフェニレン基であり、フェニレンは単一の化学結合を介して、またはスルフォン以外の2価の基を介して直線的に結合しているか、或いは互いに融合しているポリエーテルスルフォンの組み合わせ、およびポリエーテルエーテルスルフォンで結合した反復単位の組み合わせを含むことを特徴とする請求項8に記載の可撓性重合体要素。
- ポリアリールスルフォンにおいて、反復単位は
(I) XPhSO2PhXPhSO2Ph(”PES”)、および
(II) X(Ph)aXPhSO2Ph(”PEES”)、
但しここで、XはOまたはSであってそれぞれの単位で異なることができ、その比はI:II(それぞれ)が好ましくは10:90〜80:20である、
であることを特徴とする請求項8および9のいずれかに記載の可撓性重合体要素。 - ポリ芳香族重合体の数平均分子量Mnは2000〜25000,好ましくは2000〜20000の範囲であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の可撓性重合体要素。
- ポリ芳香族重合体はOH、NH2、NHR’または−SHから選ばれる側鎖の基または重合鎖の末端にある基、ここでR’は炭素数最高8の炭化水素基、エポキシ、(メタ)アクリレート、シアネート、イソシアネート、ビニルアリルまたはマレイミド中におけるようなアセチレンまたはエチレン、無水物、オキサザリンおよび飽和基を含む単量体である、の基を含んでいることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の可撓性重合体要素。
- 重合体樹脂熔融物に対するトラックエッチングまたは機械的な伸長を行う方法、相沈殿法、例えば浸漬、蒸発、溶媒注型法、加熱及び加湿法、或いは単量体の前駆体から要素をつくりこれを重合させる方法を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の可撓性重合体要素を製造する方法。
- 重合体の熔融物を用意し、これを連続的に押し出し、熔融した要素の形でリールの上に引き出し、加熱および機械的伸長区域に通し、冷却することによって繊維の形の要素がつくられることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の少なくとも1種の可撓性重合体要素を含んで成り、随時構造要素、好ましくは補強用繊維を一緒に含む硬化可能な組成物に対する支持構造物または担体であって、該少なくとも1種の可撓性重合体要素は固相で存在し、該硬化可能な成分のゲル化および/または硬化が実質的に始まる温度よりも低い温度において、該要素が可溶な硬化可能組成物の樹脂マトリックス成分と接触した場合、少なくとも部分的に流体相への相転移を起こすのに適合することを特徴とする支持構造物または担体。
- 例えば単一または多フィラメントの繊維、リボンまたはフィルムは単独の形態、又は繊維布、ウエッブ、織物、不織布、上巻き材、プリフォーム、スクリム、網、フリース、粗紡糸、プリプレグ、複合体または積層フィルムまたは層間挿入物等、或いはこれらの混合物を含んで成る支持構造物または担体であって補強用繊維と一緒になった形態、或いはステッチ加工、縫合、糸通し等の加工を行われた形態をなしていることを特徴とする請求項15に記載の支持構造物または担体。
- 構造繊維または補強用繊維は不溶性の繊維であり、有機または無機性の重合体、炭素、ガラス、無機酸化物、炭化物、セラミックスまたは金属等の繊維から選ばれることを特徴とする請求項15または16に記載の支持構造物または担体。
- 構造繊維は所望の方法で配置され、繊維の形の可撓性重合体要素はステッチの形をし、硬化可能組成物の中に局所的または全体的に分散して少なくとも部分的には跡の残らないステッチを与える方法で上記に既に規定されているような相転移を起すのに適合することを特徴とする請求項15〜17のに記載の支持構造物または担体。
- 構造繊維または繊維布は不規則な、一軸方向または多軸方向の、(同一)線上または(同一)平面上にある配置で配置される繊維布を含み、可撓性重合体要素の繊維は繊維または繊維布或いはそのアセンブリーを所望のように固定するステッチの形をしていることを特徴とする請求項18に記載の支持構造物または担体。
- 可溶性のステッチは、方向性をもった強化を行うための各目的に適合してつくられた繊維の配置(TFP);所望の折り曲げ線に沿ってつくられたステッチ;剛性賦与用のステッチ;アセンブリー・ステッチ;非クリンプ繊維布(NCF)のステッチ;および厚さ全体に亙る(TTF)ステッチ等から選ばれることを特徴とする請求項15〜19のいずれかに記載の支持構造物または担体。
- 少なくとも一つの可撓性重合体要素を用意し、補強用の繊維を用意し、これをステッチ加工、編物操作、クリンプ掛け、穿孔、(均一)織物操作、組編み、上巻き操作、(相互)網掛け、混じり合わせ、並べ合わせ、撚り掛け、輪状巻付け、結節、糸通し等によって組み合わせることを特徴とする請求項15〜20のいずれかに記載の支持構造物または担体の製造法。
- 例えば取り扱う際の繊維布の歪みを防ぎ、折り曲げ用の継ぎ目をつくり、方向性をもった強化などを行うために、例えばクロス・ステッチのような所望の方法でステッチを施したり織ったりすることにより随時目的に応じて加工された繊維布のロールとして、支持構造物または担体を連続的につくることを特徴とする請求項21に記載の方法。
- 請求項1〜22のいずれかにおいて既に規定した可撓性重合体要素または支持構造物または担体、および硬化可能な樹脂マトリックスを含んで成り、随時さらに他の補強用繊維、および触媒、硬化剤、添加剤、例えば充填剤等を含むことを特徴とする硬化可能組成物。
- マトリックス樹脂はエポキシ樹脂、付加重合樹脂、特にビス−マレイミド樹脂、フォルムアルデヒド縮合樹脂、特にフォルムアルデヒド−フェノール樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、フェノール樹脂、およびこれらの二つまたはそれ以上の樹脂から成る群から選ばれることを特徴とする請求項23に記載の硬化可能組成物。
- 可撓性重合体要素および溶解用のマトリックスは、所望の時間および温度で溶解させるばかりでなく、良好なマトリックスの射出、分散、組織形態、例えば相分離および必要に応じ跡を残さない分散を与える「溶液対」として選ばれ、異なった粘度をもつ樹脂の組合せはそれぞれ種々の上記の性質に寄与するように選ぶことができることを特徴とする請求項23および24のいずれかに記載の硬化可能組成物。
- 可撓性重合体要素は流体相において高粘度の重合体またはその前駆体を含んでいることを特徴とする請求項23〜25のいずれかに記載の硬化可能組成物。
- 高濃度の熱可塑性重合体を用意し、熱可塑性樹脂は流体相の中でマトリックス成分として第1の量で存在し、さらに固相において少なくとも一つの可撓性重合体要素の形の第2の量で存在していることを特徴とする請求項23〜26のいずれかに記載の硬化可能組成物。
- 可撓性重合体要素または支持構造物または担体を、例えば層間挿入、含浸、射出、注入または、混合などによって樹脂マトリックスと接触させることを含んでなる請求項23〜27のいずれかにおいて規定した硬化可能組成物の製造法。
- 適切な樹脂粘度を与えるために、射出は溶解温度よりも低い周囲温度またはそれ以上の高温、適切には室温ないし100℃までの温度、好ましくは室温ないし75℃の温度において行われることを特徴とする請求項28に記載の方法。
- 射出は、袋、マンドレルおよび/または金型を用い、また随時流れを助ける通路などを使用して行われ、射出時間は2〜300分、好ましくは2〜120分の範囲であることを特徴とする請求項28または29に記載の方法。
- 請求項23〜27のいずれかにおいて既に規定した硬化可能な組成物を用意することを含んで成る硬化した組成物または複合体を製造し硬化させる方法であって、他の補強用繊維、マトリックス成分、添加剤等を含むさらに別の成分を用意し、可撓性重合体要素の相転移に適した時間の間高温をかけ、さらに硬化可能なマトリックス樹脂のゲル化および/または硬化に適した時間の間高温をかけることを特徴とする方法。
- 請求項1〜20のいずれかに既に規定されたような可撓性重合体要素または支持構造物または担体の配置を用い周囲圧力または減圧において行われる脱ガス工程を含み、二つの異なった直径の繊維を同一直線上に多軸をなして並べて配置してその間に空気の流れを助ける通路をつくることを特徴とする請求項31記載の方法。
- 相転移を起こさせるために最高45分間、好ましくは0.5〜35分間、100〜300℃の範囲の高温をかけることを特徴とする請求項31および32のいずれかに記載の方法。
- ゲル化または予備硬化は100〜175℃の範囲の温度で行われ、硬化および随時行われる後硬化は180〜400℃の範囲の温度で例えば1〜4時間行われることを特徴とする請求項29および30のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜12のいずれかに既に規定した可撓性重合体要素、該可撓性要素を溶解するのに適した溶液対の樹脂マトリックス、および請求項15〜20のいずれかに既に規定した支持構造物または担体或いは別の構成成分として随時含まれる補強用の繊維を、他の付加的な補強用の繊維、マトリックス、単量体または重合体、硬化剤等と共に含むことを特徴とする部材のキット。
- 請求項1〜12のいずれかに既に規定した可撓性重合体要素の溶解を助けるのに適した樹脂マトリックスを、種類、分子のタイプ等を参照して選び或いは配合することを特徴とする方法。
- 金型を使用せずにつくられる複雑な形の構造物であって、機械的性質を賦与するかおよび/または平面性、折り曲げ用の継ぎ目を賦与し、蝶番えとボルトの孔のための補強、方向性をもった強化等を行い組み立てを行うために請求項1〜12のいずれかにおいて既に規定した可撓性重合体要素が織られるかおよび/またはステッチかけされている組み立てられた区画を含み、区画の組み立ては樹脂の射出中に該構造物を適切な位置に保持するためのステッチとして可撓性重合体要素を使用して行われることを特徴とする構造物。
- 航空機、自動車、船舶、風力エネルギーにおけるエンジニアリング複合体の製造、スポーツ用品および製紙工業における工業的用途において、接着剤、例えばローラに対する機能的なまたは保護用の被覆、シート材料、電気絶縁材等として、特に例えば自動車の車体の部材をつくる際のステッチ加工された繊維布、補強されたフィルム、例えばモノフィルム、パイプ、タンク、ローラを製造する際の補強用のまたはフィラメントの上巻き材として、或いは橋梁等の技術的構造物の補強に使用するための請求項1〜12、15〜20、23〜27のいずれかで既に規定された可撓性重合体要素、支持構造物または担体、プリプレグまたはプリフォーム、硬化可能な組成物または硬化した複合体または樹脂本体。
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