JP2004504452A - アルコキシシリル基含有結合剤および結合剤組成物、その製造方法および使用 - Google Patents

アルコキシシリル基含有結合剤および結合剤組成物、その製造方法および使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式(I):
Figure 2004504452

〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
で示される少なくとも2つのアルコキシシリル基を有する少なくとも1種のグラフトポリマーを含有する結合剤に関する。本発明は、少なくとも1種のアルコキシシリル基含有ポリマー、およびアルコキシシリル基含有または無含有の少なくとも1種の他のポリマー、またはそのようなポリマー少なくとも2種の混合物を含有する結合剤組成物にも関する。本発明はさらに、該結合剤および結合剤組成物の製造方法、並びにそれらの使用に関する。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、一般式(I):
−Si(R(OR3−m   (I)
〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
に相当する少なくとも2つのアルコキシシリル基を有するグラフトポリマーを少なくとも含有する結合剤、アルコキシシリル基を有する少なくとも1種のグラフトポリマーと、アルコキシシリル基含有または無含有の少なくとも1種の他のポリマーまたはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物とを含有する結合剤組成物、該結合剤および結合剤組成物の製造方法、並びにそれらの使用に関する。
【0002】
(背景技術)
ポリマーフォームは、フォームによる空洞の充填または接続要素の封止のために頻繁に使用される。ポリウレタンプレポリマーは、そのようなフォームの製造のために通常使用される。その主要な用途は、凝結たまり(Schwitznestern)を避けるために空洞を充填する必要がある建築および工業製品である。
ポリウレタンフォームを製造するためのプレポリマーは、架橋性ポリイソシアネート基を有し、ポリオール成分または水と反応して、実際のポリマーを形成する。フォーム構造は、水との反応の際に形成されるCOにより、またはプレポリマー混合物中に存在する発泡ガスにより、または両方の要素の組合せにより生ずる。
【0003】
ポリウレタンフォームの製造のためのプレポリマー混合物中に存在するイソシアネート基は、高反応性であり、生物に対して極端に刺激性および毒性がある。そのような混合物を、エアゾール缶から推進ガスを用いて適用する場合、不手際の場合に特に、エアゾールが形成される危険性が存在し、そうしてイソシアネート基含有物質が、皮膚上および気道内に移り得る。これは望ましくない。
【0004】
比較的高分子量のプレポリマーに加えて、フォーム生成のために加圧容器内で使用されるポリイソシアネートベースプレポリマー混合物も、低分子量プレポリマーまでしか反応を終えていない未反応のポリイソシアネートを、一般に含有する。プレポリマー混合物のこの成分は、その比較的高い揮発性の故に、実際の危険源を形成するので望ましくない。しかしながら、適切な取扱いにより低リスクの分類に減少させることができる潜在的危険とは別に、多くの使用者の間で、そのような製品は毒性であると示す製造者責任によって、およびその空の容器は特殊廃棄物として分類されることによって増加する受入れの問題が存在する。これは、特に日曜大工店で製品を購入する日曜大工ファンに当てはまる。
【0005】
従来、通常の発泡性ポリイソシアネートベース混合物の毒性を減少させるために、エアゾール缶に対して、とりわけプレポリマー製造用の或るポリイソシアネートの選択を通して、およびプレポリマー混合物中のモノマー成分の含有率の削減による様々な処置が採られている。全体的にこれらの処置は、イソシアネート放出に関して成功しているが、該混合物はなおイソシアネートを含有するので、受入れ問題は充分には解決されていない。
実質的にイソシアネート基を含有しないポリマーフォームの製造方法は、先行技術から知られている。これらのポリマーフォームは、通常の種類、即ち適用技術を変更させずに、エアゾール缶または加圧容器から施すことができる。そのようなポリマーフォームの取扱いは、だいたい、通常のイソシアネートベースポリマーフォームの取扱いに相当する。
【0006】
WO−A 00/04069 は、シラン末端プレポリマーを含有するプレポリマー混合物を記載している。該プレポリマー化合物は、少なくとも2つのアルコキシシリル基を有するシラン末端ポリウレタンポリマーである。このようなプレポリマーは、まずイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーを製造し、次いで少なくとも1つのイソシアネート反応性基を有するアルコキシシランを末端に反応させることにより製造される。該プレポリマー中のシラン末端含有量は、少なくとも5質量%である。しかしながら、このプレポリマーに関する問題は、記載された系におけるアルコキシシリル基含有量の削減は、通常、そのフォームが軟らかすぎ、多くの用途に対して引裂抵抗が充分ではない程度に、フォーム物質の性質の劣化を伴うことである。
対応する問題が、アルコキシシリル基含有化合物を、表面被覆組成物、例えばペイントまたは接着剤中の結合剤として使用する場合に生ずる。
【0007】
JP 63−112605 A(要約)は、良好な柔軟性、耐溶剤性および有機物質に対する接着性を有する樹脂に関する。該樹脂は、表面被覆組成物、接着剤、シーラントまたはプライマーとして使用することができる。対応する樹脂は、オレフィン性不飽和二重結合含有化合物、例えばスチレンまたはメタクリレート、およびラジカル重合することができ、シリル基を有するオリゴマー化合物のラジカル重合により製造される。該オリゴマー化合物は、分子量200〜60,000を有する。形成される化合物は、全体的にC−Cポリマー主鎖を有し、重合中に存在するオリゴマーは、側鎖として挿入される。ラジカルまたはイオングラフト化側鎖を有するグラフトポリマーは、該引用文献中で言及されていない。
【0008】
EP−A 0 392 567 も、良好な柔軟性、耐溶剤性および有機物質に対する接着性を有する樹脂に関する。この樹脂も、表面被覆、接着剤、シーラントまたはプライマーとして使用することができる。該文献はまた、記載ポリマーの多くの可能な製造方法の1つとしてグラフト化を言及している。しかしながら、該文献は、少なくとも0.5質量%のグラフト分枝を有するグラフトポリマーを言及していない。
EP−A 0 427 293 は、シリル基を有するポリマー、分子量3,000未満の有機シリル化合物およびシラノール基を有する化合物を含有する硬化性組成物を記載している。この文献に記載されているシリル基含有ポリマーは、とりわけ、マクロモノマーと低分子量ビニルモノマーとの共重合により得られる化合物を含む。しかしながら該引用文献は、少なくとも0.5質量%のグラフト分枝を有するグラフトポリマーを言及していない。
【0009】
WO 93/05089 は、シリル基含有ポリウレタン化合物を記載している。該文献は、オレフィン性不飽和モノマーとの共重合を言及していない。
JP 04−103606 (CP 92−178115/22) は、Si基を有する反応性イソブチレンポリマーに関する。該ポリマーは、Si含有側鎖を有する構造単位を含有し、該側鎖は、ヒドロシリル化により主鎖ポリマー上にグラフト化される。しかしながら該引用文献は、少なくとも0.5質量%のグラフト分枝を有するグラフトポリマーを言及していない。
【0010】
(発明の開示)
(発明が解決しようとする技術的課題)
従って本発明が取り組む課題は、アルコキシシリル基含有結合剤および結合剤組成物を提供することであった。該結合剤および結合剤組成物は、硬化中のアルコール放出が減少されるにもかかわらず、望ましい性質を有する表面被覆物質、例えば全般的な接着性、即ち広範囲な異なる基材に対する接着性を有する接着剤、または高い極限強度を有する硬質フォームにつながる。特に最後の点は、アルコキシシラン低含有シリル化プレポリマーを使用して実現することができなかった。なぜなら、従来のそのような系は、軟質の弾性製品しか生じなかったからである。
【0011】
(その解決方法)
上記課題は、以下に記載する結合剤および結合剤組成物により解決された。
従って本発明は、グラフトポリマーを少なくとも含有する結合剤に関し、該グラフトポリマーは、一般式(I):
−Si(R(OR3−m   (I)
〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
に相当する少なくとも2つのアルコキシシリル基を有し、そのグラフト分枝は、グラフト主鎖上にラジカル重合またはイオン重合により開始されており、該グラフトポリマーは、グラフト主鎖に対して少なくとも0.5質量%のグラフト分枝を有する。
【0012】
(発明を実施するための形態)
本発明における「結合剤」とは、ポリマー、または2種若しくはそれ以上のポリマーの混合物を意味し、これは、硬化反応後に、そのような結合剤を用いて形成された構造の強度に重要に貢献する。本発明に従い「結合剤」と称されるポリマーは、少なくとも1つの反応性官能基を有し、これは、連鎖延長、架橋若しくは結合剤の基材への「結合」、またはこれらプロセスの2つ若しくはそれ以上を促進する。本発明に従い「結合剤」と称されるポリマーは、少なくとも1,000、例えば少なくとも約1,500または少なくとも約2,000の分子量を有する。
本発明における用語「分子量」とは、数平均分子量(M)の値に該当すると理解され、これは、典型的な条件下で標準としてのポリスチレンに対するGPCにより測定することができる。
【0013】
例えば本発明の「結合剤」は、例えば分子量または反応性官能基数が異なるだけの1種のみのポリマーを含有し得る。しかしながら本発明の「結合剤」は、本発明の目的のために結合剤として適当なポリマー2種またはそれ以上の混合物も含有し得る。これらのような異なるポリマーでは、例えばモノマーが相互に化学結合する様式、またはモノマー組成物の性質が異なり得る。
本発明における「結合剤組成物」とは、結合剤および少なくとも1種の他のポリマーの混合物を意味する。本発明の「結合剤組成物」は、例えば結合剤と、上記定義の意味における反応性基を含有しない1種の他のポリマーを含有し得る。
【0014】
本発明の結合剤は、アルコキシシリル基を有する少なくとも1種のグラフトポリマーを含有する。本発明における「グラフトポリマー」とは、グラフト共重合法により製造されたポリマーを意味する。グラフトポリマーの構造の特徴は、グラフトポリマーは、主鎖上に比較的長い側鎖を有することである。本発明におけるグラフトポリマーは、同一または異なる主鎖および側鎖を有し得る。異なる主鎖および側鎖を有するグラフトポリマーは、しばしばグラフトコポリマーとも称される。平易にするために、そのようなポリマーを、本明細書中では基本的にグラフトポリマーと称する。
【0015】
グラフトポリマーの主鎖は、一般に幹高分子、グラフト基質またはグラフト主鎖として知られており、側鎖は、グラフト分枝として知られている。本発明に従い使用するために適当なグラフトポリマーを、一般にグラフト主鎖の存在下でモノマー(後でグラフト分枝を形成する)を重合することにより製造する。この場合、グラフト主鎖は、グラフト分枝のラジカルまたはイオン重合を開始するマクロ開始剤として作用する。
基本的に、ラジカルまたはイオン機構によりグラフト化が行われ得るあらゆるポリマーが、本発明の目的のためのグラフト主鎖として適当である。本発明により、既に少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーも、グラフト主鎖として使用し得る。しかしながら、グラフト化後またはその間においてのみ、例えばポリマー類似反応で対応官能基Xを供給されるポリマーも、グラフト主鎖として使用することができる。
【0016】
基本的に、ラジカルまたはイオン反応においてグラフト分枝を供給され得るあらゆるポリマーが、グラフト主鎖として適当である。グラフト主鎖として適当なポリマーは、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、ポリアミドウレタン、ポリ尿素、ポリアミン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルエステルまたはポリオレフィンである。ポリマー主鎖において言及したポリマー群の2種またはそれ以上の混合物を含有するポリマーも、適当である。
【0017】
分子量約1,000〜100,000、例えば約3,000〜約50,000を有するポリエステルは、本発明のグラフト主鎖として使用するために適当である。例えば低分子量アルコール、とりわけエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセロールまたはトリメチロールプロパンと、少なくとも二官能性の対応する酸との反応により形成されるポリエステルを、使用することができる。対応するポリエステルを製造するために適当な他の多官能性アルコールは、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコールおよびポリブチレングリコールである。
【0018】
適当なポリエステルポリオールを、例えば重縮合により得ることができる。即ち、二官能性若しくは三官能性アルコールまたはそれら2種若しくはそれ以上の混合物を、ジカルボン酸、トリカルボン酸またはそれら2種若しくはそれ以上の混合物により、あるいはそれらの反応性誘導体により縮合して、ポリエステルポリオールを形成することができる。適当なジカルボン酸は、例えばコハク酸および44個までの炭素原子を有するその高級同族体、不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸またはフマル酸、および芳香族ジカルボン酸、とりわけ異性体のフタル酸類、例えばフタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸である。適当なトリカルボン酸は、例えばクエン酸またはトリメリト酸である。少なくとも1種の記載したジカルボン酸およびグリセロールからの、残存OH基を有するポリエステルポリオールが、本発明の目的のために特に適している。特に適当なアルコールは、ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール若しくはネオペンチルグリコールまたはこれら2種若しくはそれ以上の混合物である。特に適当な酸は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸若しくはアジピン酸またはこれら2種若しくはそれ以上の混合物である。
【0019】
ポリエステルの製造のためのポリオール成分として適当な他のポリオールは、例えばジエチレングリコールまたは分子量(M)約100〜22,000、例えば約200〜約15,000または約300〜約10,000、とりわけ約500〜約2,000を有する高級ポリエチレングリコールである。
【0020】
本発明のグラフト主鎖として適当なポリエステルは、特に、多官能性、好ましくは二官能性アルコールと(場合により少量の三官能性アルコールと共に)、多官能性、好ましくは二官能性カルボン酸との反応生成物を含む。遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物、または好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルコールとの対応するポリカルボン酸エステルも、(それらが存在する場合)、使用し得る。ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式であり得る。それらは、任意に、例えばアルキル基、アルケニル基、エーテル基またはハロゲンにより置換されていても良い。適当なポリカルボン酸は、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、ヘキサクロロフタル酸無水物、テトラブロモフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ダイマー脂肪酸若しくはトリマー脂肪酸、またはこれら2種若しくはそれ以上の混合物である。少量の単官能性脂肪酸が、場合により反応混合物中に存在し得る。
対応するポリエステルは、例えば末端カルボキシル基を有し得る。ラクトン、例えばε−カプロラクトンまたはヒドロキシカルボン酸、例えばω−ヒドロキシカプロン酸から得られるポリエステルも、少なくとも部分的に使用することができる。
【0021】
グラフト主鎖として適当なものは、例えばまた、ポリエーテル、分子量(M)少なくとも約400またはそれ以上、例えば少なくとも約600または少なくとも約1,000を有するポリアルキレングリコールである。ポリエーテルは、水に溶解性または不溶性であり得る。
そのようなポリエーテルを、一般に、エポキシドまたは高級環式エーテル、例えばテトラヒドロフランの触媒補助開環重合により製造する。
【0022】
重合は、通常いわゆる出発分子から始める。適当な出発分子は、基本的に、エポキシド環または高級環式エーテルを、任意に適当な触媒の存在下で開環させることができるあらゆる化合物である。そのような化合物の例は、第1級、第2級若しくは第3級アミン、第1級、第2級若しくは第3級アルコール、チオールまたはカルボン酸である。
重合を、基本的に塩基で触媒する。本発明に従い使用するポリエーテルは、例えばエチレンオキシドの、所望によりC 12アルキレンオキシドとの混合物中における重合により得られるポリアルキレングリコールである。例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシド若しくはブチレンオキシドまたはこれらの混合物との共重合により得られる、C若しくはC単位またはその両方を含有するポリエチレングリコールは、グラフト主鎖として使用するために適している。
Co−Znシアン化物錯体触媒作用により得られるポリエーテルも、適当である。
【0023】
本発明の好ましい実施態様において、第1級、第2級若しくは第3級アルコールまたはこれら2種若しくはそれ以上の混合物を、出発分子として使用して製造されたポリアルキレングリコールを、グラフト主鎖として使用する。
基本的に適当な出発分子は、あらゆる単官能性若しくは多官能性アルコールまたはこれらの混合物であるが、本発明の好ましい実施態様は、二価または三価アアルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールおよびこれらの高級同族体、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グルコース、ソルビトール、マンニトールまたはこれら2種若しくはそれ以上の混合物を出発分子として使用して製造された、ポリアルキレングリコールの使用により特徴づけられる。
【0024】
本発明の方法においてグラフト主鎖として使用するために適当なポリアルキレングリコールは、一般に分子量(M)少なくとも約500または少なくとも約1,000、例えば少なくとも約2,000または少なくとも約5,000を有する。分子量の上限は、例えば約50,000、とりわけ約30,000までである。
ポリアルキレングリコールを、個々に、即ち、アルキレンオキシドと水または他の出発分子との塩基触媒付加で典型的に形成されるような分子量分布を有する重付加生成物として使用し得る。しかしながら異なる分子量分布を有する様々なポリアルキレングリコールの混合物も、使用することができる。1つのみのアルキレンオキシド化合物と出発分子との付加により形成されるポリアルキレングリコールも、使用することができる。しかしながら、様々なアルキレンオキシドの付加により得られるポリアルキレングリコールを、使用することもできる。これらは、ブロックコポリマーおよびランダムコポリマーの両方であり得る。
【0025】
ポリカルボン酸とポリエーテルとの重縮合により得られるポリエーテルポリエステルも、本発明のグラフト主鎖として適当である。基本的に、上記ポリカルボン酸およびポリエーテルが、この目的のために適当である。
ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合、とりわけジカルボン酸とジアミンとの反応により得られるポリアミドも、グラフト主鎖として適当である。適当なジカルボン酸は、例えば、本明細書で既に記載したポリエステルの製造のために適当なジカルボン酸、とりわけダイマー脂肪酸である。
【0026】
さらに、分子量(M)少なくとも約2,000、例えば約5,000またはそれ以上を有するポリウレタンも、本発明の目的のためのグラフト主鎖として使用し得る。イオン性および非イオン性の両方、水溶性または非水溶性ポリウレタンが、グラフト主鎖として適当である。
本発明の目的のためのグラフト主鎖として適当なポリウレタンを、通常、少なくとも1種のポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートと、好ましくは優勢的にジオールからなるポリオール成分との反応により製造する。ポリオール成分は、ただ1つのポリオールを含有し得るが、異なるポリオール2種またはそれ以上の混合物も、ポリオール成分として使用し得る。例えばポリアルキレンオキシド、とりわけポリエチレンオキシドが、ポリオール成分またはポリオール成分の少なくとも一部として特に適当である。
【0027】
用語「イオン性」は、ポリウレタンが、可溶化剤として、イオン性基または酸/塩基反応において少なくともイオン化し得る基、例えばカルボキシレート、スルホネート、ホスフェートまたはアンモニウム基を有することを意味する。
従って用語「非イオン性」は、ポリウレタンが、イオン性基、即ちカルボキシレート、スルホネート、ホスフェートまたはアンモニウム基を有さないことを意味する。非イオン性ポリウレタンにおいて存在する水溶性は、例えばポリオキシエチレン基の親水性非イオン性基 −[CH−CH−O−]− に帰すことができる。この構造単位は、特にポリオール成分として使用されるポリエチレンオキシドから誘導される。しかしながら本発明におけるポリエチレンオキシドは、エチレンオキシドと出発分子としての水またはエチレングリコールとの重付加生成物だけでなく、エチレンオキシドと他の二価アルコール、例えばブタンジオール、ヘキサンジオールまたは4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパンとの重付加生成物も包含する。例えば平均分子量M若しくはMまたはその両方が異なる、様々なポリエチレンオキシド2種またはそれ以上の混合物も、使用することができる。エチレンオキシドと高級アルキレンオキシド、例えばプロピレンオキシドとのコポリマーも、ポリオール成分として使用し得る。
【0028】
ポリオール成分中のポリエチレンオキシドを、疎水性部分を含み、最大2g/100g水の水溶性を有する他のジオールにより、完全または部分的に置き換えることができる。疎水性部分は、特に2〜44個の炭素原子、とりわけ6〜36個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式構造である。該部分は、芳香族構造も有し得る。少なくとも1つの第1級OH基を有するジオール、とりわけ1,2−またはα,ω−ジオールが好ましい。しかしながら近接OH基を有するジオールも、適当である。
ポリオール成分中のポリアルキレンオキシドは、好ましくは約200〜約20,000、とりわけ約1,000〜約15,000、例えば約1,550、3,000、6,000または12,000の分子量(M)を有する。
【0029】
さらにポリエチレングリコールまたはその部分を、疎水性ホモポリマーポリアルキレングリコールにより置き換えることができる。そのアルキレン基は、2個より多い、好ましくは3または4個の炭素原子を有する。その分子量は、特に150〜10,000g/molの範囲である。
純粋CH基およびエーテル基を有する疎水性ジオールの具体例は、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリブチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリブタジエンジオール、ヒドロキシ末端エチレン/ブチレンコポリマー(例えば KRATON LIQUID Polymer L−2203)、水素化ポリブタジエンジオールおよび4〜44個の炭素原子を有するアルカンジオールである。好ましい疎水性ジオールは、分子量150〜10,000、好ましくは200〜4,500、より好ましくは250〜1,000を有するポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、ダイマー脂肪酸ジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、4,4−イソプロピリデンジシクロヘキサノールおよびその異性体混合物、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5,2,1,02.6]デカンおよびその異性体混合物、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール、1,16−ヘキサデカンジオール、ビスフェノールAおよびそのプロポキシル化またはエトキシル化生成物、とりわけ30個までのEO単位を有するもの、および最後にグリセロールと22個までの炭素原子を有する脂肪酸とのモノ脂肪酸エステル、例えばベヘン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸のグリセロールモノエステルである。疎水性ジオール2種またはそれ以上の混合物も、当然使用することができる。
【0030】
さらに0〜5%、とりわけ0.2〜2%のポリエチレングリコールを、比較的高官能性のアルコール、とりわけトリオール、例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミンまたはそれらのエトキシル化若しくはプロポキシル化変種により置き換えることができる。ペンタエリトリトールも使用し得る。アミンまたはアミノアルコールのエトキシル化またはプロポキシル化変種、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、およびそれらの高級同族体、例えばアミノフェノール、N−2−アミノエチルピペラジンから出発されるものも、可能である。
対応するポリウレタンの製造のために適当な他のポリオール成分は、この明細書中で先に記載したポリエステルポリオールである。
【0031】
ポリオール成分のポリオールの他に、ジイソシアネートは、グラフト主鎖として適当なポリウレタンの重要成分である。ジイソシアネートは、一般構造O=C=N−X−N=C=O(式中、Xは、脂肪族、脂環式または芳香族基、好ましくは4〜18個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式基である。)を有する化合物である。
適当なイソシアネートの例は、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート (MDI)、水素化MDI (H12MDI)、キシリレンジイソシアネート (XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート (TMXDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジ−およびテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート (TDI) の異性体、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,5,5−トリメチル シクロヘキサン (IPDI)、塩素化および臭素化ジイソシアネート、リン含有ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトフェニルパーフルオロエタン、テトラメトキシブタン−1,4−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート (HDI)、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、フタル酸−ビスイソシアナトエチルエステル;反応性ハロゲン原子含有ジイソシアネート、例えば1−クロロメチルフェニル−2,4−ジイソシアネート、1−ブロモメチルフェニル−2,6−ジイソシアネートまたは3,3−ビス−クロロメチルエーテル−4,4’−ジフェニルジイソシアネートである。
【0032】
硫黄含有ポリイソシアネートは、例えば、2モルのヘキサメチレンジイソシアネートと、1モルのチオジグリコールまたはジヒドロキシジヘキシルスルフィドとの反応により得られる。他の適当なジイソシアネートは、例えば、トリメチル ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトブタン、1,12−ジイソシアナトドデカンおよびダイマー脂肪酸ジイソシアネートである。特に適当なジイソシアネートは、テトラメチレン、ヘキサメチレン、ウンデカン、ドデカメチレン、2,2,4−トリメチルヘキサン、1,3−シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサン、1,3−および1,4−テトラメチルキシレン、イソホロン、4,4−ジシクロヘキサンメタンおよびリシンエステルのジイソシアネートである。テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、とりわけシアナミドから得られるm−TMXDIおよびTDIが、最も好ましい。
【0033】
さらに分子量を増加させるために、例えば連鎖延長を、既知の方法で、まずプレポリマーを過剰のジイソシアネートにより製造し、次いでプレポリマーを短鎖アミノアルコール、ジオールまたはジアミンを用いて、または水を用いて延長して分子量を増加させることより行うことができる。
この目的のためにプレポリマーを、過剰のジイソシアネートでまず調製し、次いで短鎖ジオールまたはジアミンを用いて、または水を用いて延長させる。
【0034】
連鎖延長剤の具体例は、以下のものを含む:
・飽和および不飽和グリコール、例えばエチレングリコールまたはエチレングリコールの縮合物、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジオキシエトキシヒドロキノン、テレフタル酸−ビスグリコールエステル、コハク酸ジ−2−ヒドロキシエチルアミド、コハク酸ジ−N−メチル−(2−ヒドロキシエチル)−アミド、1,4−ジ−(2−ヒドロキシメチルメルカプト)−2,3,5,6−テトラクロロベンゼン、2−メチレン−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール;3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、2−メチレン−2,4−ペンタンジオール、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール、3−ベンジルオキシ−1,2−プロパンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、3−(4−メトキシフェノキシ)−1,2−プロパンジオールおよびヒドロキシメチルベンジルアルコール
【0035】
・脂肪族、脂環式および芳香族ジアミン、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシレンジアミン、ピペラジン、N−メチルプロピレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルジメチルメタン、2,4−ジアミノ−6−フェニルトリアジン、イソホロンジアミン、ダイマー脂肪酸ジアミン、ジアミノジフェニルメタンまたフェニレンジアミンの異性体;
・ジカルボン酸のカルボヒドラジドまたはヒドラジド;
・アミノアルコール、例えばエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよび高級ジ−またはトリ(アルカノールアミン);
・脂肪族、脂環式、芳香族および複素環式モノ−およびジアミノカルボン酸、例えばグリシン、1−および2−アラニン、6−アミノカプロン酸、4−アミノ酪酸、異性体モノ−およびジアミノ安息香酸および異性体モノ−およびジアミノナフトエ酸。
【0036】
しかしながら、グラフト主鎖として使用するポリウレタンを、好ましくは一段法により製造する。この方法において、例えば、全ての出発物質をまず、有機溶媒の存在下において0.5質量%未満の水分で混合する。該混合物を、温度60〜200℃、好ましくは温度80〜180℃、とりわけ温度100〜150℃で約1〜30時間加熱する。反応時間は、触媒の存在により短縮することができる。
特に適当な触媒は、第3級アミン、例えばトリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(=DABCO)、ジメチルベンジルアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテルおよびビスメチルアミノメチルフェノールである。1−メチルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ピリミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−モルホリノピリジン、4−メチルピリジンおよびジモルホリノジエチルエーテルが、特に適当である。
【0037】
有機スズ化合物も、触媒として使用し得る。有機スズ化合物は、スズおよび有機基の両方を有する化合物であると理解され、とりわけ1つまたはそれ以上のSn−C結合を有する化合物である。より広義の有機スズ化合物は、例えばオクタン酸スズおよびステアリン酸スズのような塩を含む。より狭義のスズ化合物は、とりわけ、一般式:Rn+1SnZ3−n(式中、nは、0〜2の数であり、Rは、アルキル基またはアリール基であり、最後にZは、酸素、硫黄若しくは窒素化合物、またはそれら2種若しくはそれ以上の混合物である。)を有する4価のスズ化合物を含む。Rは、好ましくは少なくとも4個の炭素原子、特に少なくとも8個の炭素原子を有する。その上限は、一般に炭素原子12個である。Zは、好ましくは酸素化合物、即ち有機スズ酸化物、水酸化物、カルボキシレートまたは無機酸のエステルである。しかしながらZは、硫黄化合物、即ち有機スズ硫化物、チオレートまたはチオ酸エステルでもあり得る。Sn−S化合物の中で、チオグリコール酸エステル、例えば以下の残基
−S−CH−CH−CO−O−(CH10−CH または
−S−CH−CH−CO−O−CH−CH(C)−CH−CH−CH−CH
を有する化合物が、とりわけ重要である。
【0038】
別の好ましい化合物群は、ジアルキルスズ(IV)カルボキシレート(Z=O−CO−R)である。カルボン酸は、2個、好ましくは少なくとも10個、より好ましくは14〜32個の炭素原子を有する。ジカルボン酸も使用し得る。適当な酸は、例えばアジピン酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、特にカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸である。例えばジブチルスズジアセテートおよびジラウレート並びにジオクチルスズジアセテートおよびジラウレートが、特に適している。
【0039】
スズオキシドおよびスルフィドおよびチオラートも、本発明に従い使用し得る。具体的な化合物は、ビス−(トリブチルスズ)オキシド、ジブチルスズジドデシルチオラート、ジオクチルスズジオクチルチオラート、ジブチルスズ−ビス(チオグリコール酸−2−エチルへキシルエステル)、オクチルスズ−トリス(チオグリコール酸−2−エチルへキシルエステル)、ジオクチルスズ−ビス(チオエチレングリコール−2−エチルヘキソエート)、ジブチルスズ−ビス(チオエチレングリコールラウレート)、ジブチルスズスルフィド、ジオクチルスズスルフィド、ビス(トリブチルスズ)スルフィド、ジブチルスズ−ビス(チオグリコール酸−2−エチルへキシルエステル)、ジオクチルスズ−ビス(チオエチレングリコール−2−エチルヘキソエート)、トリオクチルスズチオエチレングリコール−2−エチルヘキソエートおよびジオクチルスズ−ビス(チオラート酢酸(thiolatoessigsaeure)−2−エチルへキシルエステル)、ビス(S,S−メトキシカルボニルエチル)スズ−ビス(チオラート酢酸−2−エチルへキシルエステル)、ビス(S,S−アセチルエチル)スズ−ビス(チオラート酢酸−2−エチルへキシルエステル)、スズ(II)オクチルチオラートおよびスズ(II)チオエチレングリコール−2−エチルヘキソエートである。
【0040】
他の例は、ジブチルスズジエチラート、ジヘキシルスズジヘキシラート、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジエチルアセチルアセテート、ビス(ブチルジクロロスズ)オキシド、ビス(ジブチルクロロスズ)スルフィド、スズ(II)フェノラート、スズ(II)アセチルアセトネートおよび他のα−ジカルボニル化合物、例えばアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、エチルアセトアセテート、n−プロピルアセトアセテート、エチルα,α’−ジフェニルアセトアセテートおよびジヒドロ酢酸である。
【0041】
触媒を、好ましくはポリオール成分に添加する。その使用量は、その活性および反応条件により定まり、好ましくはポリオールを基準に0.001〜0.5質量%の範囲である。
しかしながら反応を、好ましくは触媒の不存在下で行う。溶媒も、好ましくは省略する。本発明における「溶媒」とは、標準圧力で200℃未満の沸点を有する不活性有機液体を意味する。
反応を、好ましくは、ポリオール成分中のOH基対ポリイソシアネート中のNCO基の比が、約1.0〜約2.2:1、とりわけ1.5〜2.0:1、例えば約1.6〜1.9:1または約1.65〜1.85:1であるように行う。
【0042】
親水性のイオン形成構造要素を導入する別の方法は、OH末端ポリウレタンオリゴマーとジカルボン酸無水物とを反応させることである。これらは、ビス−アシル基、例えばアルキレン、アルケニレンまたはアリーレン基の間に、全部で2〜44個、好ましくは2〜12個の炭素原子を有し得る。具体例は、無水コハク酸、グルタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物およびその異性体、無水フタル酸、トリメリト酸無水物、7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物およびその異性体、ジグリコール酸無水物、無水マレイン酸、ジメチルマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物、好ましくはアルケニル基が、2個より多い炭素原子、より好ましくは5個より多い、最も好ましくは7個より多い炭素原子を有するものである。その具体例は、n−オクテニルコハク酸無水物、n−ドデセニルコハク酸無水物、テトラプロぺニルコハク酸無水物、n−ヘキサデセニルコハク酸無水物およびn−オクタデセニルコハク酸無水物である。アルケニル鎖は、直鎖または分枝であり得る。さらに、異なる炭素数を有するアルケニル基の混合物も生じ得る。環式無水物が好ましいが、数種の無水物の混合物も可能である。
【0043】
モル過剰のイソシアネートも使用し得る。その場合、NCO末端オリゴマーが形成される。
疎水性構造要素を、NCO末端オリゴマーと、2個以上の炭素原子、とりわけ6個以上、10個以上または16個以上の炭素原子を有するモノオールまたは単官能性アミンとの反応によっても得ることができる。具体例は、1つのOH基を有する、例えばOH当量3,600を有するポリエチレン/ブチレン(Kraton L 1203)、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、10−ウンデカン−1−オール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、9−シス−オクタデセン−1−オール、9−トランス−オクタデセン−1−オール、9−シス−オクタデセン−1,2−ジオール、あらゆるシス−9,12−オクタデカジエン−1−オール、あらゆるシス−9,12,15−オクタデカトリエン−1−オール、1−ノナデカノール、1−エイコサノール、9−シス−エイコセン−1−オール、5,8,11,14−エイコサテトラエン−1−オール、1−ヘンエイコサノール、1−ドコサノール、13−シス−ドコセン−1−オール、13−トランス−ドコセン−1−オールである。対応する脂肪アミンも、疎水性構造要素として使用し得る。
【0044】
最後に、親水性のイオン形成構造を、グラフト主鎖として適当なポリウレタンに導入する別の方法は、NCO末端オリゴマーと、アルキレン、アルケニレンまたはアリーレン基を含有するヒドロキシカルボン酸またはアミノカルボン酸とを、ジカルボン酸無水物の場合のように反応させることである。その例は、グリコール酸、乳酸、カプロン酸およびマンデル酸およびまたアミノカプロン酸、アミドドデカン酸、グリシン、アラニンおよびフェニルアラニンを含む。
例えばポリカーボネートも、グラフト主鎖として使用するために適当である。適当なポリカーボネートを、ジオール、例えばプロピレングリコール、ブタン−1,4−ジオール若しくはヘキサン−1,6−ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール若しくはテトラエチレングリコール、またはこれらジオール2種若しくはそれ以上の混合物と、ジアリールカーボネート、例えばジフェニルカーボネート、またはホスゲンとの反応により得ることができる。
【0045】
ポリアクリレート若しくはポリメタクリレートまたはそれらのコポリマーも、グラフト主鎖として使用し得る。ポリアクリレートおよびポリメタクリレートを、例えばアクリル酸および/またはメタクリル酸および/または、アクリル酸および/またはメタクリル酸の誘導体、例えばそれらと単官能性または多官能性アルコールとのエステルを、既知の方法で、単独またはそれら2種若しくはそれ以上の混合物の形態のいずれかで、重合、例えばラジカルまたはイオン重合に付すことにより製造することができる。本発明により、ポリアクリレート若しくはポリメタクリレートホモポリマー、またはアクリレートの他にスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンおよび/またはブタジエンも含有するコポリマーを、グラフト主鎖として使用し得る。
【0046】
ポリアクリレートの製造に使用するために適当なモノマーは、特にメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、またはアクリル酸若しくはメタクリル酸とC 24脂肪酸とのエステル、例えばラウリルアクリレートからベヘニルアクリレートまでである。アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを、所望により重合プロセス中にさらなるモノマーとして少量添加し得る。
【0047】
1つ若しくはそれ以上の官能基を有する他のアクリレートおよび/またはメタクリレートは、重合中に任意に存在し得る。これらは、例えばマレイン酸、イタコン酸、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、プロピレングリコールメタクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、およびスルホン酸基含有モノマーとして、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を含む。アクリレート/ビニルエステルコポリマー、アクリレート/スチレンコポリマーまたはアクリレート/メタクリレートコポリマーが、特に好ましい。
【0048】
不飽和アルコールと、対応するカルボン酸とのエステルポリマー(ポリビニルエステル)も、グラフト主鎖として使用し得る。適当な不飽和アルコールは、例えば2〜約22個の炭素原子、とりわけ2〜約8個の炭素原子を有する不飽和脂肪族アルコールである。適当なカルボン酸は、2〜約22個の炭素原子、とりわけ2〜約8個の炭素原子を有する直鎖および分枝アルカン酸である。本発明の好ましい実施態様は、ポリビニルアセテートの使用により特徴づけられる。適当なポリビニルアセテートは、例えば Wacker から Vinnapas D50、Clariant から Mowilith D 60 または Vinnamul (NL) から Vinnamul 60 044、Vinnamul 9300、Vinnamul 9960 若しくは Vinnamul 84125 の名前で入手できる。
【0049】
本発明のグラフト主鎖として適当なポリオレフィンは、例えばα−オレフィン、とりわけエチレンまたはプロピレンのラジカルまたは配位重合により得られる。ホモポリマーおよびコポリマーの両方が、本発明の目的のために適当である。コポリマーをグラフト主鎖として使用する場合、本発明に従いそのようなポリマーは、少なくともアタクチックコポリマーの割合を含むことが好ましい。より好ましくは、そのようなポリマーは、主としてアタクチックコポリマーからなる。対応化合物の適当な製造方法は、専門家に知られている。
【0050】
スチレンと、モノ−またはジオレフィン、とりわけブタジエンとの共重合により得られるスチレン/オレフィンコポリマーも、本発明の結合剤中または本発明の結合剤組成物中で使用するためのグラフト主鎖として適当である。スチレンおよびブタジエンまたはスチレンおよびイソブテンの共重合により得られる合成ゴムとして知られているポリマーが、これに関して特に適当である。部分または完全水素化に付されている記載した種類の合成ゴムも、本発明の目的のために適当である。本発明のグラフト主鎖として使用するために適当な合成ゴムは、好ましくは数平均分子量約5,000〜約200,000、例えば約10,000〜約150,000を有する。
【0051】
上記グラフト主鎖は、上記定義に従いグラフト分枝を有する。基本的に適当なグラフト分枝は、グラフト主鎖として記載したポリマーとグラフト化反応において反応することができる、グラフト主鎖として既に記載したあらゆるポリマーである。
しかしながら本発明の好ましい実施態様において、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、スチレン、アクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、アクリロニトリルまたはジブチルマレエートを、上記グラフト主鎖をグラフト化させるために使用する。
【0052】
本発明により、グラフト分枝対グラフト主鎖との質量比を、グラフト化ポリマー、例えばグラフト化ポリオールが、グラフト主鎖に対して、少なくとも約0.5質量%、例えば少なくとも約1質量%または少なくとも約2質量%、好ましくは約3質量%または少なくとも約4質量%、特に10質量%より多くのグラフト分枝を有するようにする。
適当なグラフト化ポリオールおよびその製造は、例えば US−A 3,383,353、US−A 3,304,273、US−A 5,554,662、EP−A 0 861 861、US−A 4,208,314 または US−A 5,854,358 に記載されている。
【0053】
本発明に従い結合剤として使用するグラフトポリマー、例えばグラフト化ポリオールは、一般式(I)に相当する少なくとも2つのアルコキシシリル基を有する。アルコキシシリル基は、例えばグラフトポリマーのポリマー鎖端の末端に位置し得る。しかしながら本発明により、アルコキシシリル基は、ポリマー主鎖内または1つ若しくはそれ以上のグラフト分枝上の他の場所にも位置し得る。これら可能な組合せ、即ち、例えばアルコキシル基が、ポリマー鎖末端に位置し、別のアルコキシル基がグラフト主鎖のポリマー主鎖上またはグラフト分枝内若しくはグラフト分枝末端に位置し得ることも、本発明の範囲内にある。本発明の結合在位が、2つより多いアルコキシシリル基、例えば3つ、4つまたは5つのアルコキシシリル基を有する場合、一般式(I)に相当するアルコキシシリル基は、主として、グラフト主鎖末端、ポリマー主鎖内、グラフト主鎖内またはグラフト分枝上に任意に位置し得る。
【0054】
基本的に本発明の結合剤を、専門家に既知のあらゆる方法により製造することができる。しかしながら本発明の好ましい実施態様では本発明の結合剤の製造を、グラフトポリマーが、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するグラフトポリマーと、一般式(II):
Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、2〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数であり、Yは、官能基Xと反応して共有結合を形成することができる官能基であるか、またはYおよびRは、合わせて水素を表す。〕
に相当するアルコキシシラン化合物との反応により、またはアルコール分解による一般式(II)に相当するアルコキシ化合物に転化可能な誘導体との反応により得られるように行う。
【0055】
本発明において、アルコール分解による一般式(II)に相当するアルコキシ化合物に転化可能な誘導体とは、アルコール分解により一般式(II)に相当する化合物に転化することができるあらゆる化合物を意味し、例えば一般式(I)に相当する基の代わりに、Si(Hal)基(式中、Halは、ハロゲン原子、とりわけ塩素または臭素である。)を有する化合物である。
本発明の好ましい実施態様において、少なくとも2つの官能基Xを有し、少なくとも1つのアルコキシシリル基を有する対応試薬と反応して、共有結合を形成し得るグラフトポリマーを、本発明の結合剤の製造のために使用する。
【0056】
本発明の好ましい実施態様においてグラフトポリマーは、少なくとも2つの官能基X、例えば2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの官能基Xを有する。特別な場合、とりわけポリイミンの場合、官能基Xの数はまた、この値を超えることができ、例えば8、10、15またはそれ以上であり得る。
グラフトポリマー上の官能基Xは、同一または異なり得る。官能基の数が、例えば3またはそれ以上である場合、例えば官能基Xの2つは同一であり、一方で1つまたはそれ以上の他の官能基Xは、最初の官能基Xと異なる。基本的にグラフトポリマー上のそれぞれの官能基Xは、グラフトポリマー上の他の官能基Xと異なり得る。
【0057】
適当な官能基は、例えばOH、SH、NH、NHR、COOH、エポキシ、NCO、無水物またはビニル基(Rは、直鎖または分枝C 24アルキル基、C 24アラルキル基、C 24アリール基またはS−若しくはN−含有ヘテロアリール基である。)である。
対応するグラフトポリマーを、既知の方法で、グラフト主鎖またはグラフト分枝として上で記載した化合物から製造することができる。
好ましい実施態様において、官能基Xの含有率が或る値を超えないグラフトポリマーを、本発明の結合剤を製造するために使用する。
【0058】
例えばOH基含有グラフトポリマーを使用する場合、該グラフトポリマーは、本発明の好ましい実施態様において、最大80mg KOH/gのOH価を有する。本発明の別の好ましい実施態様は、50mg KOH/gまたはそれ以下、例えば約35mg KOH/gまたはそれ以下のOH価を有するグラフトポリマーの使用により特徴づけられる。
グラフトポリマーが、SH基、NH基、エポキシ基、COOH基、無水物基またはNHR基を官能基Xとして有する場合、同じことが、SH、NH、エポキシまたはCOOH価に当てはまる。
【0059】
本発明の別の実施態様において、官能基Xの濃度を、本発明の結合剤または本発明の結合剤組成物のシラン含有量が、最大約1.43mmolシラン/gポリマー、最大約0.89mmolシラン/gポリマーまたは最大約0.63mmolシラン/gポリマーであるように選択する。
本発明の別の好ましい実施態様において、グラフトポリマー中の官能基Xの含有率は、アルコキシシリル基含有グラフトポリマー中のアルコキシシリル基含有率が、約10質量%未満、とりわけ約8質量%未満または約7質量%未満若しくはそれ以下、例えば約5質量%未満であるように選択する。本発明の特に好ましい実施態様において、結合剤中のアルコキシシリル基含有率は、約4質量%またはそれ以下、例えば約3質量%未満または約2質量%未満である。
【0060】
官能基XとしてOH基を有し、本発明に従いアルコキシシル基含有結合剤の製造のために使用し得る市販ポリマーの例は、以下のものである:
Arcol タイプ 1166、HS−100、1266、24−32、31−28、34−45、XL−1500、E−839、E−840、E−850、1630 および R 2457 (Lyondell/Bayer);
Voralux タイプ HN 350、HN 360、HN 370、HN 380、HF 505、HL 106、HL 109、HL 120、HL 108、HL 400 (Dow);
Specflex タイプ NH 104、NH 123、NH 124、NC 603、NC 604、NC 606、NC 650 および NC 700 (Dow);
Lupranol タイプ VP 9285、4190−50 S、4195−50、4195−50 S、4190−65、4195−65、4100、4580−12、4580−24、4580−32、4580−50、4580−60、4580−93、4300、4500 または 4800 (Elastogran);
Caradol タイプ SP 41−01、MD 32−02、SP 37−01、SP 32−02、SP 43−03、SP 42−01、SP 38−04、SP 33−03 (Shell)。
【0061】
本発明の結合剤を、例えば、官能基Xを有する対応グラフトポリマーと、少なくとも1つの官能基Y、またはグラフトポリマーの官能基Xとの供給結合に参加し得るハロゲン原子を有するアルコキシシリル化合物との反応により製造する。 適当な官能基Yは、例えば既に官能基Xとして記載した官能基であり、XおよびYの対応する組合せは、反応が、XおよびYの間で生じて共有結合を形成し得るような程度で存在する必要がある。例えば官能基Xが、OH、SH、NHまたはNHR基を表す場合、官能基Yは、例えばNCO、エポキシ、COOHまたは無水物基を表し得る。しかしながら、官能基Xの説明において既に記載した官能基の他に、Yは、ハロゲン、例えばClまたはBrも表し得る。
【0062】
本発明の別の実施態様において、一般式(II)で示されるアルコキシシリル化合物中のYおよびRは、合わせて水素を表し得る。そのような化合物は、例えば官能基Xとしてビニル基を有するグラフト主鎖と反応し得る。この場合、グラフト主鎖および一般式(II)で示される化合物の間の共有結合の形成は、ビニル基のC原子と、一般式(II)に相当する化合物中の水素原子を有するSi原子との間におけるヒドロシリル化の一般に知られている機構により生ずる。
本発明により、一般式(II)で示され、本発明に従い使用し得るアルコキシシラン化合物は、例えば1つのみの官能基Yを有し得る。しかしながら、一般式(II)に相当するアルコキシシラン化合物が、1つより多い官能基Y、例えば2つまたは3つの官能基Yを有することも、本発明の範囲内にある。
【0063】
一般式(II)に相当する適当なアルコキシシラン化合物は、例えば以下の化合物である:Cl−(CH−Si(O−CH−CH、Cl−CH(CH)−CH−Si(OCH、Cl−(CH−Si(O−CH、Cl−CH−CH−O−CH−CH−Si(OCH)、OCN−C−N(CH)−(CH−Si(O−CH、OCN−(C−O)−C−N(CH)−(CH−Si(O−C、Br−CH−C−CH−CH−Si(O−CH、Br−(CH−Si(O−CH、Cl−CH(C)−CH−Si(OC、Cl−(CH−Si(O−C、Br−(CH−Si(O−C、OCN−(CH−Si(O−C、Cl−CH−CH−O−CH−Si(OC、(OCN−C−N−(CH−Si(O−C または Cl−CH−C−CH−CH−Si(O−C、OH−(CH−Si(O−CH−CH、OH−CH(CH)−CH−Si(OCH、OH−(CH−Si(O−CH、OH−CH−CH−O−CH−CH−Si(OCH)、OH−C−N(CH)−(CH−Si(O−CH、OH−(C−O)−C−N(CH)−(CH−Si(O−C、OH−CH−C−CH−CH−Si(O−CH、OH−(CH−Si(O−CH、OH−CH(C)−CH−Si(OC、OH−(CH−Si(O−C、OH−(CH−Si(O−C、OH−(CH−Si(O−C、OH−CH−CH−O−CH−Si(OC、(OH−C−N−(CH−Si(O−C または OH−CH−C−CH−CH−Si(O−C、HN−(CH−Si(O−CH−CH、HN−CH(CH)−CH−Si(OCH、HN−(CH−Si(O−CH、HN−CH−CH−O−CH−CH−Si(OCH)、HN−C−N(CH)−(CH−Si(O−CH、HN−(C−O)−C−N(CH)−(CH−Si(O−C、HN−CH−C−CH−CH−Si(O−CH、HN−(CH−Si(O−CH、HN−CH(C)−CH−Si(OC、HN−(CH−Si(O−C、HN−(CH−Si(O−C、HN−(CH−Si(O−C、HN−CH−CH−O−CH−Si(OC、(HN−C−N−(CH−Si(O−C または HN−CH−C−CH−CH−Si(O−C、あるいは例えば対応位置にエポキシまたは無水物基を有する化合物、例えば(3−トリエトキシシリルプロピル)スクシン無水物(succinanhydrid)。
【0064】
また適当なものは、一般式(II)に相当し、1つより多い官能基Yを有する対応アルコキシシラン化合物である。例えばOCN−CH−CH(NCO)−(CH−Si(O−CH−CH、OCN−CH−(CHNCO)−CH−Si(OCH、Cl−CH−CH(Cl)−(CH−Si(O−CH−CH、Cl−CH−(CHCl)−CH−Si(OCH、Cl−CH−CH(Cl)−CH−CH−O−CH−CH−Si(OCH)、(Cl−CN−(CH−Si(O−CH、Cl−CH(CCl)−CH−Si(OC、または例えばOH、HN、エポキシ若しくは無水物基を対応する位置に有する化合物である。
【0065】
本発明により例えば、一般式(II)で示される1種のアルコキシシラン化合物だけが、少なくとも2つの官能基Xを有するグラフトポリマーとの反応中に存在し得る。しかしながら反応を、一般式(II)に相当するアルコキシシラン化合物2種またはそれ以上の混合物を用いて行うこともできる。
少なくとも2つの反応性官能基Xを有するグラフトポリマーと、一般式(II)で示される対応するアルコキシシラン、またはその2種若しくはそれ以上の混合物との反応を、相互に反応する官能基XおよびYに応じて、専門家に一般的に知られている条件下で行う。
【0066】
本発明の好ましい実施態様は、OH基を官能基Xとして有するグラフトポリマーの使用により特徴づけられる。本発明の別の好ましい実施態様は、一般式(II)で示され、ハロゲン原子またはNCO基を官能基Yとして有するアルコキシシラン化合物の使用により特徴づけられる。
本発明の結合剤を、上記手順によるだけでなく、基本的に様々な他の方法で製造することができる。本発明の別の好ましい実施態様において本発明の結合剤を、グラフト主鎖と、オレフィン性不飽和モノマー2種またはそれ以上の混合物と、ラジカル条件下で反応させることにより製造する。ここで、そのオレフィン性不飽和モノマーの少なくとも1種は、一般式(I)に相当するアルコキシシリル基を有する。
【0067】
基本的に上で既に記載したグラフト主鎖を、この方法において使用することができるが、該グラフト主鎖は、必ずしも官能基Xを有する必要は無く、その代わりに例えば、官能基Xを有さなくても良い。
対応する本発明の結合剤を製造するために、グラフト主鎖のグラフト化がオレフィン性不飽和モノマー2種またはそれ以上の混合物で生ずるような条件下で、上記のようなグラフト主鎖を、少なくとも2種のオレフィン性不飽和モノマーの混合物と反応させることができる。これに関連して、オレフィン性不飽和モノマーの少なくとも1種は、ラジカル条件が優勢な条件下で少なくとも1つのグラフト分枝に導入される少なくとも1つのオレフィン性飽和二重結合を有する必要がある。このようにして、グラフト分枝にアルコキシシリル基を有する本発明のアルコキシシリル基含有結合剤を製造することができる。
【0068】
本発明の結合剤中のアルコキシシリル基含有量を、アルコキシシリル基含有オレフィン性不飽和化合物の濃度を通じて既知の方法で調節することができる。
適当なアルコキシシリル基含有オレフィン性不飽和化合物は、例えばHC=CH−(CH−Si(O−CH−CH、HC=CH−CH(CH)−CH−Si(OCH、HC=CH−(CH−Si(O−CH、HC=CH−CH−CH−O−CH−CH−Si(OCH)、HC=CH−(C−O)−C−N(CH)−(CH−Si(O−C、HC=CH−CH−C−CH−CH−Si(O−CH、HC=CH−(CH−Si(O−CH、HC=CH−CH(C)−CH−Si(OC、HC=CH−(CH−Si(O−C、HC=CH−(CH−Si(O−C、HC=CH−(CH−Si(O−C、HC=CH−CH−CH−O−CH−Si(OC、HC=CH−CH−C−CH−CH−Si(O−C、HC=CH(CH)(−C=O)−O−(CH−Si(OCH)、HC=CH−Si(OCH) または HC=CH−Si(OCHCH) である。
【0069】
本発明が取り組む課題は、本発明の結合剤だけでなく、本発明の結合剤組成物でも解決される。
従って本発明はまた、
a)
a1)少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーと、一般式(II):
Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、2〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、4〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有する任意に置換されているアラルキル基、2〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基、4〜44個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン基または6〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているアリール基であり、mは、0〜2の整数であり、Yは、官能基Xと反応して共有結合を形成することができる少なくとも1種の官能基であるか、またはYおよびRは、合わせて水素を表す。〕
に相当するアルコキシシラン化合物との反応、または
a2)少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマー少なくとも2種の混合物のラジカル重合またはイオン重合(その中で、少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノマーは、一般式(I):
−Si(R(OR3−m   (I)
〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
に相当する、少なくとも1つのアルコキシシリル基を有する。)
により得られるアルコキシル基含有ポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物、および
b)軟化点30〜250℃(リングおよびボール法により測定)を有するアルコキシシリル基含有または無含有の少なくとも1種の他のポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物
を少なくとも含有する結合剤組成物に関する。
【0070】
本発明の結合剤組成物は、アルコキシシリル基を有する少なくとも1種のポリマーを少なくとも1つの成分として含有する。アルコキシシル基を有する対応ポリマーは、例えば少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーと、一般式(II)に相当するアルコキシシラン化合物との反応により得られる。
本明細書で既に記載した官能基X含有ポリマーは、少なくとも2つの反応性官能基を有するポリマーとして適当である。特に適当な対応ポリマーは、グラフト主鎖として本明細書で既に記載したポリマー、とりわけポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリエーテルおよびポリウレタンである。
【0071】
本明細書で既に記載した条件はまた、官能基Xについて当てはまる。
本明細書で既に記載したグラフトポリマーも、少なくとも2つの官能基Xを有するポリマーとして適当である。本発明の結合剤組成物の成分として使用できる対応するアルコキシシリル基含有ポリマーは、例えば少なくとも2つの反応性官能基Xを有する対応ポリマーと、一般式(II)に相当するアルコキシシラン化合物との反応により得られる。
本明細書で既に記載したアルコキシシラン化合物は、一般式(II)に相当するアルコキシシラン化合物として適当である。
【0072】
本発明の結合剤組成物中のアルコキシシリル基含有ポリマーとして使用するために適当なものはまた、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマー少なくとも2種の混合物のラジカルまたはイオン重合により得られるポリマーであり、その少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノマーは、一般式(I)に相当する少なくとも1つのアルコキシシリル基を有する。
少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有する適当なモノマーは、本明細書、とりわけグラフト反応の説明で既に記載したモノマーである。少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合および一般式(I)に相当する少なくとも1つのアルコキシシリル基を有する適当なモノマーは、本明細書中で既に記載されている。
【0073】
アルコキシシリル基含有ポリマーまたはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物の他に、本発明の結合剤組成物は、アルコキシシリル基含有または無含有の少なくとも1種のポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物を含有する。
適当な他のポリマーは、例えば不飽和モノマー、例えばオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、シクロペンテン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンまたはブチレン、置換オレフィン、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、またはスチレン、アクリレートおよびメタクリレート、例えばブチルアクリレート、メチルメタクリレート、およびビニルエステル、例えばビニルアセテートまたはビニルブチレートをベースとするポリマーである。アクリロニトリルおよびジブチルマレエートが、さらなる例として挙げられる。上記モノマーのコポリマー、ターポリマー、ブロックポリマーおよびグラフトコポリマーも使用し得る。
【0074】
以下のものが、そのようなポリマーの例として挙げられる:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、プロピレン/1−ブテンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/1−ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレンとプロピレンおよびジエン(例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネン)とのターポリマー;ポリスチレン、ポリ−(p−メチルスチレン)、ポリ−(α−メチルスチレン)、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/アクリロニトリルコポリマー、スチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレートおよびメタクリレートターポリマー、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレートターポリマー;スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー (SBS)、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロックコポリマーまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンブロックコポリマー。
【0075】
スチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばスチレンとポリブタジエン、スチレンとポリブタジエン/スチレンまたはポリブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、スチレンおよびアクリロニトリル (またメタクリロニトリル)とポリブタジエン;スチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレートとポリブタジエン;スチレンおよび無水マレイン酸とポリブタジエン;スチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸または無水マレイン酸とポリブタジエン;スチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミドとポリブタジエン;スチレンおよびマレイミドとポリブタジエン、スチレンおよびアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートとポリブタジエン、スチレンおよびアクリロニトリルとエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー、スチレンおよびアクリロニトリルとポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレート、スチレンおよびアクリロニトリルとアクリレート/ブタジエンコポリマーとのグラフトコポリマー。
【0076】
ポリクロロプレン、塩素化ゴム、塩素化またはクロロスルホン化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン;塩化ビニル/塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニル/ビニルアセテートコポリマー、塩化ビニリデン/ビニルアセテートコポリマー、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー、アクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー、約100%までの鹸化度を有するポリビニルアルコール、任意に部分鹸化されているポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン。
【0077】
記載したポリマー2種またはそれ以上の混合物(ポリマーブレンド)も使用し得る。
記載した他のポリマーは、好ましくは2,000g/molから最大約10,000,000g/molの分子量、および30〜250℃、好ましくは50〜200℃、とりわけ70〜150℃の軟化点(リングおよびボール法により測定)を有する。
【0078】
重縮合物も、他のポリマーとして使用し得る。
重縮合物とは、ポリカルボン酸とポリ求核試薬、例えばポリアミンまたはポリオールとの、水またはアルコールの脱離を伴う反応により得ることができるポリマーであると理解される。その例は、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、ポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリ(2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)またはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびアルキド樹脂、とりわけ本明細書で既に記載した重縮合物を含む。
【0079】
本明細書で既に記載したポリウレタンも、他のポリマーとして適当である。
本発明の結合剤組成物は、1種のアルコキシシリル基含有ポリマーおよび1種の他のポリマーのみを含有し得る。しかしながら本発明の結合剤組成物が、アルコキシシリル基含有ポリマー2種若しくはそれ以上の混合物および少なくとも1種の他のポリマー、またはアルコキシシリル基含有2種若しくはそれ以上の混合物および他のポリマー2種若しくはそれ以上の混合物、またはアルコキシシリル基含有ポリマーおよび他のポリマー2種若しくはそれ以上の混合物を含有することも、本発明の範囲内にある。
【0080】
本発明の好ましい実施態様では、本発明の結合剤組成物中のアルコキシシリル基含有率が、アルコキシシリル基含有ポリマーおよび他のポリマーの混合物に対して、最大約10質量%、好ましくはそれ未満、例えば最大約9質量%、8質量%、7質量%、6質量%または最大5質量%であることを確保するそれぞれの比率で、本発明の結合剤組成物は、アルコキシシリル基含有ポリマーまたはアルコキシシリル基含有ポリマーの混合物、および他のポリマーまたは他のポリマー2種若しくはそれ以上の混合物を含有する。別の好ましい実施態様においてアルコキシシリル基含有率は、それ以下、例えば4質量%未満、3質量%未満または2質量%未満である。
【0081】
基本的に本発明の結合剤を、専門家に既知のあらゆる方法により製造することができる。しかしながら本発明の好ましい実施態様において、本発明の結合剤を、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するグラフトポリマーを含んでなる一段法または多段法により製造する。
従って本発明はまた、本発明の結合剤を製造するための一段法または多段法であって、少なくとも1つの段階において、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するグラフトポリマーを、一般式(II):
Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、2〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、4〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有する任意に置換されているアラルキル基、2〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基、4〜44個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン基または6〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているアリール基であり、mは、0〜2の整数であり、Yは、官能基Xと反応して共有結合を形成することができる少なくとも1種の官能基であるか、またはYおよびRは、合わせて水素を表す。〕
に相当するアルコキシシラン化合物
と反応させて、XおよびYの間またはXおよびSiの間に共有結合を形成させることを特徴とする方法に関する。
【0082】
本発明の結合剤を、官能基X含有ポリマーを参加させずに製造することもできる。
従って本発明は、本発明の結合剤を製造するための一段法または多段法であって、少なくとも1つの段階において、グラフト主鎖を、2種またはそれ以上のオレフィン性不飽和モノマーの混合物とラジカル条件下で反応させ、該オレフィン性不飽和モノマーの少なくとも1種は、一般式(I):
−Si(R(OR3−m   (I)
〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
に相当するアルコキシシリル基を有することを特徴とする方法に関する。
【0083】
本発明はまた、本発明の結合剤組成物を製造するための一段法または多段法であって、以下のプロセス段階の少なくとも1つを含んでなることを特徴とする方法に関する:
(i)少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーを、一般式(II):
Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
〔式中、R、R、R、mおよびYは、上記の定義と同じである。〕
に相当するアルコキシシラン化合物と反応させて、XおよびYの間に共有結合を形成させ、次いで該反応生成物を、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはそのようなモノマー2種若しくはそれ以上の混合物のラジカル重合により得られるポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物と混合する段階、
(ii)少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーを、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはそのようなモノマー2種若しくはそれ以上の混合物のラジカル重合により得られるポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物と混合し、次いで一般式(II):
Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
〔式中、R、R、R、mおよびYは、上記の定義と同じである。〕
に相当するアルコキシシラン化合物と混合して、XおよびYの間に共有結合を形成させる段階
【0084】
(iii)ポリマーを形成するために、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはそのようなモノマー2種若しくはそれ以上の混合物のラジカル重合少なくとも1つを、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマー少なくとも1種の存在下で行い、次いでポリマーまたは複数ポリマーの混合物を、一般式(II):
Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
〔式中、R、R、R、mおよびYは、上記の定義と同じである。〕
に相当するアルコキシシラン化合物と反応させて、XおよびYの間またはXおよびSiの間に共有結合を形成させる段階、あるいは
(iv)ポリマーを形成するために、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはそのようなモノマー2種若しくはそれ以上の混合物のラジカル重合少なくとも1つを、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーと、一般式(II):
Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
〔式中、R、R、R、mおよびYは、上記の定義と同じである。〕
に相当するアルコキシシラン化合物とを、XおよびYの間またはXおよびSiの間に共有結合を形成させるために反応させた生成物少なくとも1種の存在下で行う段階。
【0085】
上記成分の他に、本発明の結合剤または本発明の結合剤組成物は、他の添加剤を含有し得る。適当な添加剤は、例えば難燃剤、気泡調整剤、安定剤、光安定剤、可塑剤、粘度または他の重要な性質を調節するためのフィラーおよび触媒である。そのような添加剤は、一般に、本発明の結合剤中に存在する反応性基に対して不活性である。
【0086】
適当な可塑剤は、例えばフタル酸をベースとする可塑剤、とりわけジアルキルフタレートであり、約6〜約12個の炭素原子を有する直鎖アルカノールでエステル化されているフタレートが、好ましい可塑剤である。ジオクチルフタレートが特に好ましい。
他の適当な可塑剤は、ベンゾエート可塑剤、スクロースベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエートおよび/またはジエチレングリコールベンゾエート(その中で、全ヒドロキシル基の約50〜約95%がエステルされている)、ホスフェート可塑剤、例えばt−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、例えばポリ(エチレングリコール)のジフェニルエーテル、液状樹脂誘導体、例えば水素化樹脂のメチルエステル、植物油および動物油、例えば脂肪酸のグリセロールエステルおよびその重合生成物である。
【0087】
本発明に従い添加剤として使用するために適当な安定剤および酸化防止剤は、高分子量(M)の立体障害フェノール、多官能性フェノール並びに硫黄−およびリン含有フェノールを含む。本発明に従い添加剤として使用するために適当なフェノールは、例えば1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン;ペンタエリトリトール−テトラキス−3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;n−オクタデシル−3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;4,4−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4−チオビス−(6−t−ブチル−o−クレゾール);2,6−ジ−t−ブチルフェノール;6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン;ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート;2−(n−オクチルチオ)−エチル−3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;およびソルビトール−ヘキサ[3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]である。
適当な光安定剤は、例えば Tinuvin(商標) の名前で市販されている光安定剤 (製造業者 : Ciba Geigy) である。
【0088】
他の添加剤を、或る性質を変化させるために、本発明の結合剤組成物中に組み込むことができる。これらの他の添加剤は、例えば染料、例えば二酸化チタン、フィラー、例えばタルク、粘土などを含む。本発明の結合剤組成物は、任意に、少量の熱可塑性ポリマーまたはコポリマー、例えばエチレン/ビニルアセテート (EVA)、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリレートおよびエチレン/n−ブチルアクリレートコポリマーを含有することができ、これらは、結合剤組成物に任意にさらなる柔軟性、靱性および強度を付与する。或る親水性ポリマーも添加することができ、これらは、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリエチルオキサゾリンまたはデンプン若しくはセルロースエステル、例えば2.5未満の置換度を有するアセテートを含む。
【0089】
本発明の結合剤組成物は、例えば、本発明の結合剤組成物から製造された接着剤の接着性を変性することができる添加剤を含有し得る。そのような添加剤は、例えばいわゆる粘着樹脂であり、該樹脂は、天然樹脂および合成樹脂に分類することができる。適当な粘着樹脂は、例えばアルキド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、炭化水素樹脂および天然樹脂、例えばロジン、ウッドテレビン油およびトール油である。。適当な合成炭化水素樹脂は、例えばケトン 樹脂、クマロン−インデン樹脂、イソシアネート樹脂およびテルペン/フェノール樹脂である。合成樹脂を、本発明の目的のために好ましくは使用する。
【0090】
適当な難燃剤は、例えば典型的なリン含有化合物、とりわけリン元素、ホスフェートまたはホスホネート、例えばトリエチルホスフェートまたはトリクロロプロピルホスフェートである。これらのような化合物は、可塑性および粘度調節性も有し得る。他の適当な難燃剤は、例えばジフェニルクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジメチルメタンホスホネートなどである。さらに、クロロパラフィンも、難燃剤として使用し得る。ハロゲン化ポリエステルまたはポリエーテルポリオール、例えば市販臭素化ポリエーテルポリオールも適当である。これらハロゲン化ポリエステルおよびポリエーテルポリオールを、例えば、本発明の結合剤または本発明の結合剤組成物中に存在するポリマーに組み込むことができる。
【0091】
典型的に使用される気泡調整剤は、シリコーン系化合物である。本発明の好ましい実施態様において、架橋性液状ポリブタジエン、シリコーン油またはパラフィン油を、特に気泡調整剤として使用する。本発明の好ましい実施態様において、市販シリコーン安定剤を、本発明の安定剤として使用する。
本発明の結合剤または本発明の結合剤組成物の貯蔵安定性を向上させるために、反応性シランの添加が有用であり得る。適当な反応性シランは、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシメチルシランまたはトリメトキシビニルシランであり、これらは水を捕捉することができる。そのような化合物の本発明の結合剤または本発明の結合剤組成物中の含有量は、結合剤または結合剤組成物のポリマー含有量を基準に、3質量%未満である。
【0092】
本発明の結合剤または本発明の結合剤組成物は、架橋を促進させるために、触媒または触媒2種若しくはそれ以上の混合物を場合により含有し得る。適当な触媒は、特にアミン化合物、例えばトリエチレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルイミノ−ビス−イソプロピルアミンおよびビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミンおよびジモルホリノジエチルエーテルである。他の適当な触媒は、有機または無機重金属化合物をベースとする触媒、例えばコバルトナフテネート、ジブチルスズジラウレート、スズメルカプチド、スズジクロリド、ジルコニウムテトラオクテート、アンチモンジオクテート、鉛ジオクテート、金属、とりわけ鉄、アセチルアセトネートである。
【0093】
シラノールの縮合を加速するための既知のあらゆる触媒を、特に有効に使用し得る。そのような触媒の例は、有機スズ、有機チタン、有機ジルコニウムまたは有機アルミニウム化合物である。そのような化合物の例は、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、スズオクテート、イソプロピル−トリイソステアロイルチタネート、イソプロピル−トリス−(ジオクチルピロホスフェート)−チタネート、ビス−(ジオクチルピロホスフェート)−オキシアセテートチタネート、テトラブチルジルコネート、テトラキス−(アセチルアセトナト)−ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス−(アセチルアセトナト)−ジルコニウム、トリス−(エチルアセトアセトナト)−アルミニウムである。特に適当なものは、ジブチルスズアルキルエステル、例えばジブチルスズアルキルマレエートまたはジブチルスズラウレート、とりわけジブチルスズビス−エチルマレエート、ジブチルスズビス−ブチルマレエート、ジブチルスズビス−オクチルマレエート、ジブチルスズビス−オレイルマレエート、ジブチルスズビス−アセチルアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズビス−トリエトキシシリケートおよびこれらの触媒活性誘導体である。
【0094】
記載した触媒を、個々に、または記載した触媒2種若しくはそれ以上の混合物の形態で使用し得る。
他の適当な触媒は、アルコキシシリル基を含有するアミノ化合物、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
ポリウレタンの製造に関して本明細書で既に記載した触媒も、適当な触媒である。
【0095】
本発明の結合剤および結合剤組成物は、フォームの製造のために特に適している。従って本発明は、本発明の結合剤若しくは本発明の結合剤組成物、または本発明の方法により製造された結合剤若しくは本発明の方法により製造された結合剤組成物、および推進剤を少なくとも含有するフォーム生成組成物にも関する。
【0096】
本発明の結合剤または結合剤組成物を、フォームの生成のために使用する場合、該結合剤または結合剤組成物を、好ましくは、使用者に加圧容器(エアゾール缶)内の形態で供給する。本発明の結合剤または結合剤組成物をエアゾール缶から施すために、本発明のフォーム生成組成物は、対応する本発明の結合剤または結合剤組成物に加えて、少なくとも1種の推進剤を有する。適当な推進剤は、例えば低沸点のフルオロカーボン、炭化水素および/またはエーテルである。フルオロカーボン R124、R125、R134a、R142b、R143 および R152a、R227、純粋炭化水素 プロパン、ブタンおよびイソブタン、並びにジメチルエーテルが特に好ましい。さらに、CO、NOまたはNは、推進剤として存在し得る。これらガスの組合せも使用し得る。加圧容器配合物の場合、プレポリマー混合物全体を基準に5〜40質量%、とりわけ5〜20質量%の推進ガス含有量が、好ましい。普及している圧力条件で凝縮することができないガスの含有量は、その体積が、加圧容器(エアゾール缶)の関連する国内標準に応じて、加圧容器の空間に対して約8〜10barの圧力を生ずるようにあわすべきである。COが架橋反応中に放出されないので、充分な推進ガスが、分取および発泡の両方のために存在しなければならない。
【0097】
本発明のフォーム生成組成物は、例えばポリマーフォームの製造のために適している。
従って本発明は、本発明の結合剤若しくは本発明の結合剤組成物、または本発明に方法により製造された結合剤若しくは本発明の方法により製造された結合剤組成物を使用して得られるポリマーフォームにも関する。
本発明のフォームは、例えば一成分または二成分フォームとして存在し得る。
フォーム収量を、所望により、例えばシランを本発明の結合剤に添加することによって増加させることができる。このシランは、水分の影響下で反応して、次いで架橋し、水素を放出する。
【0098】
本発明の結合剤および結合剤組成物は、表面被覆組成物の製造のため、とりわけペイントまたは接着剤の製造のためにも特に適している。従って本発明は、本発明の結合剤若しくは本発明の結合剤組成物、または本発明の方法により製造された結合剤若しくは本発明の方法により製造された結合剤組成物を使用して製造することができる表面被覆組成物、とりわけペイントまたは接着剤にも関する。
本発明は、表面被覆組成物、フォームまたは接着剤中における添加剤としての、本発明の結合剤若しくは本発明の結合剤組成物、または本発明の方法により製造された結合剤若しくは本発明の方法により製造された結合剤組成物の使用にも関する。
【0099】
(実施例)
本発明を、以下の実施例により説明する。
実施例1:アルコキシシリル基含有グラフトポリマーの製造
95:5の比でスチレン/アクリロニトリルによりグラフト化されているプロピレングリコオール(OH価16)151gを、ジブチルスズジラウレート0.11gと共に三ツ口フラスコに秤り取り、連続的に攪拌しながら窒素下で温度80℃に加熱した。次いで2,4−トルエンジイソシアネート(TDI)7.9gを添加した。その結果、温度が100℃に上昇した。次いで混合物を、95℃で約1時間攪拌した。NCO含有量は0.9%であった。次いで3,4,5,6−テトラブロモフタル酸−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル−2−ヒドロキシプロピルエステル(OH価220)22gを、NCOプレポリマー中にかきまぜた。次いで反応混合物を、90℃で2時間攪拌した。最後に3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン11.6gを、反応混合物に添加し、次いでこれを、100℃でもう2時間攪拌した。
高粘度ポリマーが得られた。該ポリマーを、安定剤(OS50, Bayer)2%および Neostann U220(ジブチルスズジアセチルスズアセトネート, Kaneka)0.3%と混合し、発泡させた。硬質弾性フォームが形成した。
【0100】
実施例2:アルコキシシリル基含有グラフトポリマーの製造
メチルスチレン/アクリロニトリル−グラフト化ポリプロピレングリコール(OH 20)1,400gを、ジブチルスズジラウレート0.35gと共に三ツ口フラスコに秤り取り、70℃に加熱した。次いで3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン117gを添加し、その後にもう1時間攪拌した。
白色粘性液体が得られた。
【0101】
実施例3:フィルムの製造
ジブチルスズジアセトネート0.25質量%を、実施例2の生成物の一部に添加した。厚み2mmのフィルムを、得られた混合物からキャストした。硬化を24時間行った。14日間の貯蔵後、得られたフィルムは、引張強度2.07 N/mnおよび破断点伸び200%を有した。
【0102】
実施例4:フォームの製造
さらに、実施例2に従い製造したアルコキシシリル基含有ポリマーを、フォームに加工した。この目的のために、該ポリマー81.6質量%を、PC−Stab EP 19 (Nitriol) 3.0質量%、Neostan U 220 0.3質量%、Baysilonoel M 100 (Bayer) 1.0質量%並びにプロパンおよびブタンの混合物15質量%と混合し、発泡させた。得られたフォームの表皮形成時間は約10分であり、硬化時間は約1時間であった。フォーム密度は約50g/Lであった。硬化フォームは、硬質および弾性であった。
別の発泡試験において、上記成分に加えて、ビニルトリメトキシシラン2質量%を添加した。得られたフォームは、同じ性質を有したが、多孔質基材、石材またはコンクリートへのその接着性は、はっきりと向上した。
【0103】
実施例5:フォームの製造
プロピレングリコール(OH価56)58.8gを、ポリビニルアセテートホモポリマー(Mn>1,000,000)41.2gと混合し、均一ペーストを形成した。次いでジブチルスズジラウレート0.8g、ジブチルスズジアセチルアセトネート1.0g、Baysilonoel M 100 (シリコーン油、Bayer AG の製品) 0.15g、熱分解法シリカ1.0g、Tegostab B1048 (Goldschmidt の製品) 4.0gおよびイソシアナトプロピルトリメトキシシラン14.0gを、その中に充分に攪拌した。得られた混合物を、エアゾール缶内においてプロパンおよびブタンの混合物17.5gと混合し、分取した。分取後に形成した硬質弾性フォームは、表皮形成時間20分および硬化時間約6時間を有した。
規格:
分級曲線(標準ふるい)
>0.4mm 最大5%
>0.2mm 5〜15%
>0.1mm 50〜70%
<0.1mm 最大35%
かさ密度 400〜700g/L(DIN/ISO 697)
灰分 最大1%(1000℃、2時間)。

Claims (16)

  1. 一般式(I):
    −Si(R(OR3−m   (I)
    〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
    に相当する少なくとも2つのアルコキシシリル基を有するグラフトポリマーであって、そのグラフト分枝は、グラフト主鎖上にラジカル重合またはイオン重合により開始されており、該グラフトポリマーは、グラフト主鎖に対して少なくとも0.5質量%のグラフト分枝を有するグラフトポリマー
    を少なくとも含有する結合剤。
  2. グラフトポリマーが、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するグラフトポリマーと、一般式(II):
    Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
    〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、2〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、4〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有する任意に置換されているアラルキル基、2〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基、4〜44個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン基または6〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているアリール基であり、mは、0〜2の整数であり、Yは、官能基Xと反応して共有結合を形成することができる少なくとも1種の官能基であるか、またはYおよびRは、合わせて水素を表す。〕
    に相当するアルコキシシラン化合物との反応により得られることを特徴とする、請求項1に記載の結合剤。
  3. グラフトポリマーが、グラフト主鎖と2種またはそれ以上のオレフィン性不飽和モノマーの混合物とをラジカル条件下で反応させることにより得られ、該オレフィン性不飽和モノマーの少なくとも1種は、一般式(I):
    −Si(R(OR3−m   (I)
    〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
    に相当するアルコキシシリル基を有することを特徴とする、請求項1に記載の結合剤。
  4. グラフトポリマーが、官能基Xとして、OH、SH、NH、NHR、COOH、エポキシ、NCO、無水物またはビニル基(Rは、1〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアラルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基またはS−若しくはN−含有ヘテロアリール基である。)からなる群から選ばれる少なくとも2つの同一または異なる官能基を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の結合剤。
  5. アルコキシシリル基含有グラフトポリマーが、少なくとも2,000g/molの分子量Mを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の結合剤。
  6. a)
    a1)少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーと、一般式(II):
    Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
    〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、2〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、4〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有する任意に置換されているアラルキル基、2〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基、4〜44個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン基または6〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているアリール基であり、mは、0〜2の整数であり、Yは、官能基Xと反応して共有結合を形成することができる少なくとも1種の官能基であるか、またはYおよびRは、合わせて水素を表す。〕
    に相当するアルコキシシラン化合物との反応、または
    a2)少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマー少なくとも2種の混合物のラジカル重合またはイオン重合(その中で、少なくとも1種のオレフィン性不飽和モノマーは、一般式(I):
    −Si(R(OR3−m   (I)
    〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
    に相当する、少なくとも1つのアルコキシシリル基を有する。)
    により得られるアルコキシル基含有ポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物、および
    b)軟化点30〜250℃(リングおよびボール法により測定)を有するアルコキシシリル基含有または無含有の少なくとも1種の他のポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物
    を少なくとも含有する結合剤組成物。
  7. ポリマーが、官能基Xとして、OH、SH、NH、NHR、COOH、エポキシ、NCO、無水物またはビニル基(Rは、1〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアラルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基またはS−若しくはN−含有ヘテロアリール基である。)からなる群から選ばれる少なくとも2つの同一または異なる官能基を有することを特徴とする、請求項6に記載の結合剤組成物。
  8. さらなるポリマーとして、少なくとも30℃の軟化点を有する少なくとも1種のポリマーを含有することを特徴とする、請求項6または7に記載の結合剤組成物。
  9. 少なくとも2つの官能基Xを有するポリマーが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルエステルまたはポリオレフィンからなる群から選ばれるポリマーであることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の結合剤組成物。
  10. 請求項1、2、4または5のいずれかに記載の結合剤を製造するための一段法または多段法であって、少なくとも1つの段階において、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するグラフトポリマーを、一般式(II):
    Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
    〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、2〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、4〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有する任意に置換されているアラルキル基、2〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基、4〜44個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン基または6〜24個の炭素原子を有する任意にアルキル置換されているアリール基であり、mは、0〜2の整数であり、Yは、官能基Xと反応して共有結合を形成することができる少なくとも1種の官能基であるか、またはYおよびRは、合わせて水素を表す。〕
    に相当するアルコキシシラン化合物
    と反応させて、XおよびYの間またはXおよびSiの間に共有結合を形成させることを特徴とする方法。
  11. 請求項3に記載の結合剤を製造するための一段法または多段法であって、少なくとも1つの段階において、グラフト主鎖を、2種またはそれ以上のオレフィン性不飽和モノマーの混合物とラジカル条件下で反応させ、該オレフィン性不飽和モノマーの少なくとも1種は、一般式(I):
    −Si(R(OR3−m   (I)
    〔式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、mは、0〜2の整数である。〕
    に相当するアルコキシシリル基を有する、方法。
  12. 請求項6〜9のいずれかに記載の結合剤組成物を製造するための一段法または多段法であって、以下のプロセス段階:
    (i)少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーを、一般式(II):
    Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
    〔式中、R、R、R、mおよびYは、上記の定義と同じである。〕
    に相当するアルコキシシラン化合物と反応させて、XおよびYの間またはXおよびSiの間に共有結合を形成させ、次いで該反応生成物を、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはそのようなモノマー2種若しくはそれ以上の混合物のラジカル重合により得られるポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物と混合する段階、
    (ii)少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーを、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはそのようなモノマー2種若しくはそれ以上の混合物のラジカル重合により得られるポリマー、またはそのようなポリマー2種若しくはそれ以上の混合物と混合し、次いで一般式(II):
    Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
    〔式中、R、R、R、mおよびYは、上記の定義と同じである。〕
    に相当するアルコキシシラン化合物と混合して、XおよびYの間またはXおよびSiの間に共有結合を形成させる段階、
    (iii)ポリマーを形成するために、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはそのようなモノマー2種若しくはそれ以上の混合物のラジカル重合少なくとも1つを、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマー少なくとも1種の存在下で行い、次いでポリマーまたは複数ポリマーの混合物を、一般式(II):
    Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
    〔式中、R、R、R、mおよびYは、上記の定義と同じである。〕
    に相当するアルコキシシラン化合物と反応させて、XおよびYの間またはXおよびSiの間に共有結合を形成させる段階、あるいは
    (iv)ポリマーを形成するために、少なくとも1つのオレフィン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはそのようなモノマー2種若しくはそれ以上の混合物のラジカル重合少なくとも1つを、少なくとも2つの反応性官能基Xを有するポリマーと、一般式(II):
    Y−R−Si(R(OR3−m   (II)
    〔式中、R、R、R、mおよびYは、上記の定義と同じである。〕
    に相当するアルコキシシラン化合物とを、XおよびYの間またはXおよびSiの間に共有結合を形成させるために反応させた生成物少なくとも1種の存在下で行う段階、
    の少なくとも1つを含んでなることを特徴とする方法。
  13. 請求項1〜5のいずれかに記載の結合剤、請求項6〜9のいずれかに記載の結合剤組成物、請求項10若しくは11に記載の方法により製造された結合剤、または請求項12に記載の方法により製造された結合剤組成物、および推進剤を少なくとも含有するフォーム生成組成物。
  14. 請求項1〜5のいずれかに記載の結合剤、請求項6〜9のいずれかに記載の結合剤組成物、請求項10若しくは11に記載の方法により製造された結合剤、請求項12に記載の方法により製造された結合剤組成物または請求項13に記載のフォーム生成組成物を使用して得られるポリマーフォーム。
  15. 請求項1〜5のいずれかに記載の結合剤、請求項6〜9のいずれかに記載の結合剤組成物、請求項10若しくは11に記載の方法により製造された結合剤、請求項12に記載の方法により製造された結合剤組成物または請求項13に記載のフォーム生成組成物を使用して製造することができる表面被覆組成物、とりわけペイントまたは接着剤。
  16. 表面被覆組成物、フォームまたは接着剤中における添加剤としての、請求項1〜5のいずれかに記載の結合剤、請求項6〜9のいずれかに記載の結合剤組成物、請求項10若しくは11に記載の方法により製造された結合剤、または請求項12に記載の方法により製造された結合剤組成物の使用。
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