JP2004361234A - 液滴吐出評価試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液滴吐出動作試験を長期間連続的に行うと共に、吐出抜け等の吐出不良の確認と、当該吐出不良の復旧と、吐出ヘッドの電圧波形の設定とを自動的に行うことが可能となる液滴吐出評価試験装置を提供する。
【解決手段】ノズルに連通する液体充填部と、駆動信号の電圧波形に応じて液体充填部内の液体を液滴として吐出する吐出手段と、を具備する吐出ヘッドHの液滴吐出動作を評価する試験装置であって、液滴の重量を測定する液滴重量測定手段U2と、液滴の速度を測定する吐出速度測定手段U2と、液滴の着弾精度を測定する吐出精度測定手段U3と、液滴の非吐出を検出する吐出抜け検出手段U1と、を具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ノズルに連通する液体充填部と、駆動信号の電圧波形に応じて液体充填部内の液体を液滴として吐出する吐出手段と、を具備する吐出ヘッドHの液滴吐出動作を評価する試験装置であって、液滴の重量を測定する液滴重量測定手段U2と、液滴の速度を測定する吐出速度測定手段U2と、液滴の着弾精度を測定する吐出精度測定手段U3と、液滴の非吐出を検出する吐出抜け検出手段U1と、を具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出評価試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、配線パターン等のパターン形成方法として、インクジェット方式(液滴吐出方法)が知られている。インクジェット方式とは、いわゆるインクジェットプリンタでよく知られている印刷技術であり、インクジェット装置(液滴吐出装置)の吐出ヘッドに充填された液体材料の液滴を、吐出ヘッドから基板上に吐出し、定着させるものである。このようなインクジェット方式によれば、微細な領域に液体材料の液滴を正確に吐出できるので、フォトリソグラフィを行うことなく、所望の領域に直接液体材料を定着させることができる。従って、材料の無駄も発生せず、製造コストの低減も図れ、非常に合理的な方法となる。
【0003】
このようなインクジェット装置においては、量産に近い段階では、液滴吐出動作の長期安定性を検査する必要がある。そのためには、量産と同様の吐出状態(吐出ヘッドの電圧波形、ビットマップ、吐出回数等)で、連続吐出して確認する必要がある。ここで、吐出ヘッドの電圧波形は、液滴吐出動作が最も安定するように適宜設定される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−309872号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような液滴吐出動作の長期安定性試験においては、その連続吐出期間が1ヶ月を超える場合や、連続吐出回数が1億回を超える場合があり、試験中に実験者がインクジェット装置に張り付くというのは、検査の見落としを招くだけでなく、検査の信頼性が低く、実験者の労力を費やし、大変非効率であるという問題があった。これだけでなく、吐出ヘッドの液滴吐出動作を行うための電圧波形を設定する場合に、液体材料の種類によりその表面張力や粘弾性特性等が異なるため、試しに吐出した液滴の重量や吐出速度等の要因を測定しながら、実験者が試行錯誤的に電圧波形の設定を行うしかなく、好適な電圧波形を決定する作業が困難であるという問題があった。また、更に、例えば気泡が溶けやすい液状体を連続吐出すると、当該気泡が吐出ヘッド内に残留することに起因して、液滴吐出動作が不良になり、吐出抜けが生じてしまう場合がある。この場合、実験者が気泡を吸引除去しない限りは液滴吐出動作を連続して行うことは不可能であるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、液滴吐出動作試験を長期間連続的に行うと共に、吐出抜け等の吐出不良の確認と、当該吐出不良の復旧と、吐出ヘッドの電圧波形の設定とを自動的に行うことが可能となる液滴吐出評価試験装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
即ち、本発明の液滴吐出評価試験装置は、ノズルに連通する液体充填部と、駆動信号の電圧波形に応じて液体充填部内の液体を液滴として吐出する吐出手段と、を具備する吐出ヘッドの液滴吐出動作を評価する試験装置であって、液滴の重量を測定する液滴重量測定手段と、液滴の速度を測定する吐出速度測定手段と、液滴の着弾精度を測定する吐出精度測定手段と、液滴の非吐出を検出する吐出抜け検出手段と、を具備することを特徴とする。
ここで、液滴重量測定手段とは、上記吐出ヘッドの吐出手段が駆動されることによってノズルから吐出した液滴の1滴当りの重量を測定するものである。
また、吐出速度測定手段とは、吐出ヘッドのノズルから、液滴の着弾位置までの空間を飛行する液滴の速度を測定するものである。
また、吐出精度測定手段とは、吐出ヘッドから吐出された液滴の位置の精度を測定するものである。
また、吐出抜け検出手段について説明すると、例えば気泡が溶けやすい液状体を吐出した際に、当該気泡が吐出ヘッド内に残留することに起因して、液滴吐出動作が不良になる場合があり、当該吐出抜け検出手段はこのような不良を検出するものである。この吐出抜けの検出は、吐出ヘッドのノズルから、液滴の着弾位置までの空間を液滴が飛行しているか否かを検出して行われる。
本発明によれば、吐出ヘッドから吐出された液滴の重量、液滴の吐出速度、及び液滴の吐出精度を測定することが可能となると共に、液滴が吐出しているか否かを検出することが可能となる。更に、当該液滴吐出評価試験装置を自動的に作動させるための制御部を付加することで、液滴吐出評価試験を自動化することが可能になり、長期間の液滴吐出動作の安定性を確認することが可能になる。
従って、実験者が張り付いて確認作業をする必要がなくなり、実験者の労力を低減すると共に検査の見落とし等が生じることがないので、液滴吐出評価試験の信頼性が向上し、試験の効率化を図ることができる。
【0008】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出抜け検出手段は、検出光を射出する投光部と、当該投光部から射出された検出光を受光可能な受光部とを具備し、受光部は、検出光の光路上を液滴が通過することによる検出光の当該受光部での受光量の変化に基づいて、ノズルから液滴が吐出されているかどうかを判別することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、液滴に接触することなく光学的に液滴の検出を行うことが可能になる。
【0009】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出抜け検出手段は、当該吐出抜け検出手段の検出結果に応じて、吐出ヘッドを液滴吐出動作が可能な状態に回復させる回復手段を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、吐出ヘッドの液滴吐出動作が不良となった場合でも自動的に液滴吐出動作を回復させることが可能となる。従って、実験者による吐出ヘッドの回復作業が不要にすることができる。更に、不良となった液滴吐出動作を回復した後には、液滴吐出評価試験を自動的に再開することが可能となる。
【0010】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、回復手段は、吐出ヘッドのノズルを介して液体充填部内の液体を吸引する吸引手段と、吐出ヘッドのノズルが形成された部位を洗浄する洗浄手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏する。また、例えば吐出ヘッドの液体充填部内に気泡が混入した際に、吸引手段によって液体と共に気泡を除去することが可能となる。また、ノズルが形成された部位を洗浄するので、当該部位における液体の残留に起因する吐出不良を防止することが可能となる。
【0011】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、液滴重量測定手段は、水晶発振子と、当該水晶発振子の共振周波数の変化に基づいて液滴の重量を測定する測定器と、を具備することを特徴とする。
ここで、水晶発振子は、その共振周波数は非常に安定したものであるが、当該水晶発振子の一部に液滴が付着すると、その液滴の重量や速度によって共振周波数が減少する性質を有している。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、水晶発振子の性質を利用して、液滴の付着に伴う共振周波数の変化を検出することにより液滴の重量を測定することができる。
【0012】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出速度測定手段は、水晶発振子と、当該水晶発振子の共振周波数の変化に基づいて液滴の速度を測定する測定器と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、水晶発振子の性質を利用して、液滴の付着に伴う共振周波数の変化を検出することにより液滴の速度を測定することができる。
【0013】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出精度測定手段は、吐出ヘッドから吐出された液滴を着弾させるための、液滴に対する撥液性の表面を有する検査媒体と、当該検査媒体に液滴の着弾を検出するための検出光を照射する光源と、当該光源の反射光を検出して、液滴の着弾位置を検知する位置検知手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、光学的に液滴の吐出精度を測定することが可能となる。
【0014】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出抜け検出手段を有する第1の試験領域と、液滴重量測定手段と、吐出速度測定手段とを有する第2の試験領域と、吐出精度測定手段を有する第3の試験領域と、第1の試験領域と、第2の試験領域と、第3の試験領域とに対して、吐出ヘッドを相対移動させる移動手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、当該移動手段により吐出ヘッドを自動的に移動させることにより、吐出抜け検出手段による連続吐出試験と、液滴重量測定手段及び吐出速度測定手段による液滴重量・吐出速度測定試験と、吐出精度測定手段による吐出精度測定試験と、を連続的に行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出ヘッドの液滴吐出動作雰囲気の温度を測定する温度測定手段と、吐出ヘッドの液滴吐出動作雰囲気の湿度を測定する湿度測定手段と、試験時間を測定する時間測定手段と、を具備することを特徴とする。
ここで、試験時間とは、吐出ヘッドの液滴吐出動作が行われている時間を意味しており、詳細には連続吐出試験、液滴重量測定試験、吐出速度測定試験、及び吐出精度測定試験の各試験中の時間を意味している。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、液滴吐出評価試験における温度と湿度を測定することが可能となる。また、試験時間を測定することによって試験時間の経過に伴う各試験状態を記録することが可能となる。
【0016】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、液滴重量測定手段の測定結果と、吐出速度測定手段の測定結果と、吐出精度測定手段の測定結果と、吐出抜け検出手段の検出結果と、温度測定手段の測定結果と、湿度測定手段の測定結果と、時間測定手段の測定結果と、からなる第1のデータ群を記憶する第1の記憶手段と、得るべき液滴吐出条件からなる第2のデータ群を記憶する第2の記憶手段と、第1のデータ群が第2のデータ群を満たすか否かを判定する判定手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、単に長期的に液滴吐出試験を行うだけでなく、液滴吐出試験の結果の合否を判定することが可能である。
【0017】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、判定手段の判定結果が肯定的である場合に第1のデータ群における電圧波形を抽出する抽出手段と、判定手段の判定結果が否定的である場合に第1のデータ群における電圧波形を当該第1のデータ群に基づいて調整する調整手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、液滴吐出試験の結果の合否に応じて、自動的に電圧波形の決定、及び電圧波形の調整を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液滴吐出評価試験装置の構成を示す構成図である。
【0019】
図1に示すように、液滴吐出評価試験装置1は、吐出ヘッドHと、吐出ヘッド移動機構(移動手段)HMと、吐出抜け検出ユニット(吐出抜け検出手段)U1と、液滴重量・吐出速度測定ユニット(液滴重量測定手段、吐出速度測定手段)U2と、吐出精度測定ユニット(吐出精度測定手段)U3と、吸引・ワイプユニット(回復手段)U4と、温度・湿度測定ユニット(温度測定手段、湿度測定手段)U5と、演算部PCと、を具備した構成となっている。
次に、各構成要素について説明する。
【0020】
(吐出ヘッド)
吐出ヘッドHは、液滴吐出評価試験装置1によって試験が施される試験対象物である。
吐出ヘッドHは、液滴吐出方式により液体材料(液体)を液滴としてノズルから吐出するものである。液滴吐出方式としては、圧電体素子としてのピエゾ素子を用いてインクを吐出させるピエゾ方式、液体材料を加熱し発生した泡(バブル)により液体材料を吐出させる方式等、公知の種々の技術を適用できる。本実施形態では、ピエゾ方式を用いる。
また、吐出ヘッドHは、吐出ヘッド移動機構HM(後述)に移動可能に取り付けられたものであり、演算部PC(後述)によりその位置が制御されるようになっている。
【0021】
次に、図2を参照して吐出ヘッドHの構成とについて説明する。
図2(a)は吐出ヘッドHの斜視図、図2(b)は吐出ヘッドHの断面図、図2(c)は吐出ヘッドHのノズル形成面側から見た斜視図である。
【0022】
図2(a)に示すように、吐出ヘッドHは、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間(液体充填部)15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部は液体材料で満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15から液体材料を噴射するためのノズル18が縦横に整列させられた状態で複数形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16に液体材料を供給するための孔19が形成されている。
【0023】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(吐出手段)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当する液体材料が、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。従って、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部の液体材料の圧力が上昇し、ノズル18から基板に向けて液体材料の液滴22が吐出される。
【0024】
また、吐出ヘッドHは、その底面形状が略矩形状のものであり、図2(c)に示すようにノズル18を縦横に整列させた状態に配置したものである。なお、図2(c)では、ノズル18の記載を省略して横に一列のみ示している。
なお、ノズル18の配列は、一列に形成されたものに限らず、複数列であってもよい。
【0025】
また、吐出ヘッドHは、演算部PC(後述)と電気的に接続されている。演算部PCには予め設定された電圧波形を吐出ヘッドHに出力するようになっており、吐出ヘッドHは当該電圧波形に応じて液滴吐出動作を行うようになっている。
【0026】
次に、図3を参照して、演算部PCの電圧波形に伴う吐出ヘッドHの液滴吐出動作について説明する。
図3は圧電素子20に供給される電圧波形を説明するための図であって、横軸に経過時間を示し、縦軸に圧電素子20に供給される電位を示している。
【0027】
図3に示すように吐出ヘッドHによる液滴吐出は、時間の経過に伴って圧電素子20に供給する電位を変化させることにより行われる。
具体的な液滴吐出過程は、圧電素子20に電位V2を供給して吐出ヘッドHの空間15を膨張させる期間t1〜t2と、吐出ヘッドHの空間15の膨張を維持する期間t2〜t3と、圧電素子に電位V3を供給して吐出ヘッドHの空間15を収縮させる期間t3〜t4と、吐出ヘッドHの空間の収縮を維持する期間t4〜t5、圧電素子に電位V1を供給して吐出ヘッドHの空間15の収縮を解放する期間t5〜t6と、において行われる。
このような電圧波形の変化に応じて、吐出ヘッドHから液滴を所望に吐出する液滴吐出動作が行われる。
【0028】
(吐出ヘッド移動機構)
次に、図1へ戻り、吐出ヘッド移動機構HMについて説明する。
吐出ヘッド移動機構HMは、液滴吐出評価試験装置1の各試験を行う領域、即ち、吐出抜け検出ユニットU1が設けられている試験領域A1(第1の試験領域)と、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2が設けられている試験領域A2(第2の試験領域)と、吐出精度測定ユニットU3が設けられている試験領域A3(第3の試験領域)とに、吐出ヘッドHを移動させるものである。
このような吐出ヘッド移動機構HMは、リニアモータ(不図示)等の作動によってガイドレール上を走行し、これにより吐出ヘッドHを移動させるよう構成されたものである。また、当該吐出ヘッド移動機構HMは、演算部PC(後述)と電気的に接続されており、演算部PCの駆動信号に応じて吐出ヘッドHを自動的に移動制御するようになっている。
【0029】
(吐出抜け検出ユニット)
次に、図4及び図5を参照して吐出抜け検出ユニットU1の構成について説明する。
図4(a)は吐出抜け検出ユニットU1の概略斜視図、図4(b)は吐出ヘッドHのノズル18から吐出された液滴が検出光の光路を通過する様子を示す模式図、図5(a)は吐出抜け検出ユニットU1の概略斜視図、図5(b)〜(e)は複数のノズルから順次吐出される液滴が検出光の光路を通過する様子を示す模式図である。
【0030】
吐出抜け検出ユニットU1は、吐出ヘッドHが液滴を吐出していない状態、即ち、吐出抜けが生じている状態を検出するものである。
図4(a)に示すように、吐出抜け検出ユニットU1は、検出光を射出する投光部31と、投光部31から射出された検出光を受光可能な受光部32とを備えている。投光部31は所定の径を有するレーザ光を射出するレーザ光照射装置により構成されている。一方、受光部32は例えばフォトダイオードにより構成されている。また、吐出抜け検出ユニットU1は、演算部PC(後述)と電気的に接続されており、当該吐出抜け検出ユニットU1の検出結果及び検出状況に関する情報が記憶されるようになっている。
投光部31と受光部32とは対向するように設けられている。本実施形態において、投光部31は検出光であるレーザ光をY軸方向に沿って射出する。検出光の光束は直径Dに設定されており、投光部31から射出された検出光は受光部32に向かって直進する。吐出ヘッドHは、検出光の光路の上方(+Z側)において、検出光の光路方向(Y軸方向)に対して交差して液滴を吐出するようになっている。吐出ヘッドHのノズル18から吐出された液滴は検出光の光路を通過するように設定されている。
【0031】
次に、図4(b)を参照して吐出ヘッドHのノズル18から吐出された液滴が検出光の光路を通過する様子について説明する。
図4(b)に示すように、吐出ヘッドHはノズル18より液滴を吐出する。吐出された液滴は直径Dの光束である検出光の光路上を通過する。ここで、検出光の直径と受光部32の計測領域の径とは同じ値Dに設定されている。検出光の光路上を液滴が通過し、この検出光の光路上に液滴が配置されることにより、受光部32で受光される検出光の受光量は、検出光の光路上に液滴が配置されていない状態での受光量に対して変化する。すなわち、検出光の光路上に液滴が配置されることにより、受光部32の受光信号は、検出光の光路上に液滴が配置されていない場合に比べて低下する。受光部32の受光結果(受光信号)は演算部PCに出力される。演算部PCは、検出光の光路上を液滴が通過することによる検出光の受光部32での受光量の変化(低下)に基づいて、ノズル18から液滴が吐出されているかどうかを判別することができる。
【0032】
具体的には、検出光の光路上に液滴が配置されると、受光部32における受光量の低下に伴って受光部32の出力信号(出力電圧)が変化する。受光部32は、この出力電圧に基づいて、「HIGH」又は「LOW」の信号を演算部PCに出力する。ここで、受光部32は、検出光の光路上に液滴が配置されている場合に「HIGH」の信号を出力し、検出光の光路上に液滴が配置されていない場合に「LOW」の信号を出力する。即ち、吐出抜けが生じている場合には、演算部PCに「LOW」の信号を出力する。
【0033】
次に、図5を参照して、複数のノズル18を備える吐出ヘッドHから順次吐出される液滴が検出光の光路を通過する様子について説明する。
図5(a)は吐出抜け検出ユニットU1の概略斜視図、図5(b)、(c)、(d)は液滴が検出光の光路を通過する様子を示す、吐出ヘッド側から見た平面図である。なお、液滴が検出される原理については、上記と同様であるので説明を省略する。
【0034】
図5に示すように、吐出ヘッドHは、同一列に配置されたノズル18(18a、18b、18c、18d)を備えている。更に、吐出ヘッドHのノズル18(18a、18b、18c、18d)の列方向と平行に検出光を出射するように、投光部31と受光部32とが対向配置されている。
このような構成において、吐出ヘッドHがノズル18a、18b、18c、18dから液滴35a、35b、35c、35dを順次液滴を吐出すると、図5(b)から図5(e)に示すように、液滴35a、35b、35c、35dが順次検出光の光路上を通過し、各液滴が検出される。
なお、上記においては、吐出ヘッドHが4つのノズル18a、18b、18c、18dを備えた場合について説明したが、その数を限定するものではない。また、このようなノズル列を複数備えた場合でも、ノズル列間隔が検出光の直径Dよりも小さければ、検出光と吐出ヘッドとを相対移動させることなく液滴の検出が可能である。
【0035】
なお、上述の吐出抜け検出ユニットU1においては、検出光と吐出ヘッドHとを固定した状態で液滴を吐出及び検出しているが、これを限定するものではない。例えば、複数のノズルから吐出される液滴に対応させて、複数の検出光を出射する投光部31を設けてもよい。また、鏡等の反射光学系を投光部31と受光部32との間に設けてもよい。また、検出光と吐出ヘッドHとを相対移動させて液滴を検出してもよい。また、ノズルの配列方向に対して、所定の角度の方向から検出光を出射させてもよい。
【0036】
(液滴重量・吐出速度測定ユニット)
次に、図6及び図7を参照して液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の構成について説明する。
図6(a)は液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の構成図、図6(b)は水晶発振子41の断面図、図6(c)は図6(b)のA−A断面を示す断面図、図7は液滴重量・吐出速度測定を行う場合の吐出ヘッドHと水晶発振子41との位置関係を示す構成図である。
【0037】
液滴重量・吐出速度測定ユニットU2は、吐出ヘッドHから吐出された液滴と水晶発振子との接触に伴う水晶発振子の共振周波数の変化に基づいて、当該液滴の重量と、その吐出速度を測定するものである。
図6(a)に示すように、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2は、水晶発振子41と、水晶発振子41を安定的に発振させるための発振回路42と、水晶発振子41の発振周波数を測定する周波数カウンタ(測定器)43と、を備えている。周波数カウンタ43は、演算部PC(後述)に接続されている。
【0038】
図6(b)、(c)に示すように、水晶発振子41は、水晶片45と、その両面に取り付けられた電極46a、46bと、を備えている。また、リード線47a、47bが電極46a、46bとそれぞれ電気的に接続されている。電極46aは、液体材料による腐食を考慮して耐食性の高い金や銀等で構成されている。電極46aの反応部分48は液体材料に曝されるようになっている。なお、電極46aの反応部分48以外の部分、及び他方の電極46bは、液体材料に曝されないように保護部49(モールド樹脂等)によって覆われている。
【0039】
図6(a)に示すように、水晶発振子41は、リード線47a、47bを介して発振回路42に接続され、更に、発振回路42は、周波数カウンタ43に接続されている。発振回路42は、電源に接続されており、水晶発振子41の電極46a、46bに電圧を印加することにより、水晶発振子41に連続的な発振をさせている。また、周波数カウンタ43は、水晶発振子41の共振周波数の変化を測定し、液滴が着弾していない場合の共振周波数と比較して共振周波数が一定の値以上減少した場合に、演算部PCに測定結果を送信するようになっている。
【0040】
このように構成された水晶発振子41は、図7に示すように吐出ヘッドHの下方に配置されている。また、吐出ヘッドHから吐出された液滴が反応部分48に着弾するようになっている。ここで、水晶発振子41の共振周波数は、非常に安定しているが、反応部分48に液滴が着弾すると、その液滴の重量や吐出速度によって共振周波数が減少する。即ち、水晶発振子41の共振周波数の変化を検出することによりが液滴の重量と、液滴の吐出速度を測定することができる。
このような水晶発振子41においては、数ngオーダーの液滴重量を測定することが可能となる。
【0041】
なお、上述の液滴重量・吐出速度測定ユニットU2においては、水晶発振子41を用いた測定方法だけでなく、他の方法を用いて液滴重量と吐出速度を測定してもよい。
例えば、液滴重量を測定する方法として、吐出ヘッドHから吐出された液滴を受ける液受けと、電子天秤等の重量計とを備えて、吐出された液滴の重量を直接的に測定してもよい。ここで、吐出される液滴が複数である場合には1滴当りの液滴重量を算出すればよい。
また、吐出速度を測定する方法として、吐出ヘッドHから吐出された液滴に対して所定時間間隔で照明光を照射するストロボと、当該ストロボに対向配置されたCCD等のカメラとを備えて、吐出された液滴が所定時間内で飛行する距離を測定し、吐出速度を算出してもよい。
【0042】
(吐出精度測定ユニット)
次に、図8から図10を参照して吐出精度測定ユニットU3の構成について説明する。
図8は吐出精度測定ユニットU3の概略構成を示す斜視図、図9は検査媒体50を示す斜視図、図10は液滴の可視化原理を説明するための模式説明図である。
【0043】
吐出精度測定ユニットU3は、吐出ヘッドHから吐出された液滴を画像データとして撮像し、これを画像処理することにより液滴吐出の精度測定を行うものである。
図8に示すように、吐出精度測定ユニットU3は、検査媒体50と、検査媒体搬送部51と、画像検知部52とから構成されている。
検査媒体50は、吐出ヘッドHによって液滴が吐出される吐出対象物である。
検査媒体搬送部51は、従動ローラ51aと駆動ローラ51bとに巻回された搬送ベルト51cから構成されている。また、当該搬送ベルト51c上に検査媒体50が固定され、その位置が演算部PCによって記憶されている。搬送ベルト51cは、駆動ローラ51bに連結されたモータ51dにより駆動され、図示Y軸方向に移動可能とされており、検査媒体50は図示Y軸方向に移送が可能とされている。
画像検知部52は、検査媒体50の駆動ローラ51b側の上方に、一体で配置された光源部(光源)52a及び撮像部(位置検知手段)52bと、当該撮像部52bに接続された画像処理部52cとからなるものである。光源部52aは、検査媒体50を照射するための可視光源である。撮像部52bは、例えば、CCDカメラなど、適宜倍率を有する光学系および撮像デバイスなどを備えて、光源部52aから検査媒体50表面に照射される検査光の反射光を受像して画像信号に変換して記録し、その記録データを画像処理部52cに送るものである。画像処理部52cは、コンピュータなどからなるもので、撮像部52bから送られてきた画像データを解析することにより、吐出ヘッドHの各ノズル18の吐出性能を検査するものである。
【0044】
更に、画像処理部52cは、前記の検査媒体50を送るためのモータ51d、及び後述する演算部PCとも接続されている。そして、これにより画像処理部52cは、演算部PCによる制御によって吐出ヘッドHから検査媒体50上に液滴が吐出された際に、画像処理部52cはその時間を演算部PCから受信するようになっている。また、吐出を受けた検査媒体50がモータ51dにより撮像部52bの視野に到るまでの時間も、予めモータ51dの速度等から演算して記憶しておく。このような構成のもとに画像処理部52cは、吐出ヘッドHから吐出された液滴による検査媒体50上の画像を、確実に撮像部52bで記録させるようになっている。
【0045】
検査媒体50は、図9に示すように検査方法に適する材質の板状部材から構成され、当該板状部材の表面にはマトリクス状に配列された複数の検査領域50aが形成されている。当該検査領域50aは、吐出ヘッドHから吐出された液滴を立体状に凝集させるために、撥液処理が施されたものである。撥液処理としては、例えば、ガラス基板等の表面にフルオロアルキルシラン(以下、FASと略称する)化合物による皮膜層を形成する撥液処理したものを採用することができる。この他にも、液状体や検査媒体50の材質により、金チオール、フッ素樹脂加工など種々の撥液処理が可能である。
このような検査領域50aに液滴が吐出された後に、上記の撮像部52bが立体状の液滴を撮像し、画像処理部52cが当該液滴の位置を検出することで吐出精度測定が行われる。
【0046】
次に、検査媒体50に吐出された液滴の可視化原理について簡単に説明する。なお、ここでは光透過性の液状体が吐出された場合について説明する。
図10は、検査媒体50上に吐出された液滴53に検査媒体50の上方から平行光の検査光を照射した様子を示している。
液滴53は、検査媒体50上に吐出されると、検査媒体50の表面が撥液性を備えているために、表面張力によって図示のように球を上下に押しつぶしたような3次元曲面を有する立体形状に凝集する。液滴53の材質は、光透過性を有するため、空気との屈折率の差によって境界面に屈折力を備えるようになる。
もし、検査媒体50に撥液性がない場合、検査媒体50内に浸透して液滴が検査媒体50内に拡散するか、検査媒体50の表面に濡れ面を形成して不定形の薄層に広がる透明膜層を形成する。即ち、いずれの場合であっても液滴が不透明でない限り検知することはできない。
【0047】
従って、液滴53外に照射された光線R1と、液滴53の対称中心軸(光軸)を通る光線R3は、正反射して同じ光路を戻るが、光線R3以外の液滴53内を通る光線R2は、界面で屈折を繰り返して光線R4として上方に戻る。このため、液滴53の下に可視画像があれば、それがボケたりゆがんで見えたりすることになり、可視画像がない場合でも、液滴53の検査媒体50への投影面積内で光量の偏りが生じるものである。即ち、検査媒体50上を肉眼もしくは適宜の光学系を介して観察すると、液滴53の外形が投影されたエッジを有する濃淡画像が観測され、液滴53が可視化される。
撮像部52bで撮影されるのは、このような濃淡画像である。
なお、上記の説明で、検査光を平行光としたが、これは、原理説明のために単純化した例であり、平行光でなくとも同様に可視化されることは言うまでもない。
【0048】
なお、上述の吐出精度測定ユニットU3においては、撥液化された検査媒体50表面上に液滴を吐出して液滴の外形が投影されたエッジを有する濃淡画像を撮像するものであるが、他の方法を用いて液滴を撮像してもよい。
例えば、液滴に対する被侵食性の表面を有する検査媒体50を採用し、液滴吐出に伴って検査媒体50に形成される表面侵食痕を撮像してもよい。
また、液滴吐出に伴って形成された表面侵食痕を電気導電性の変化として検出する構成としてもよい。この場合、検査媒体50が、その表面に液滴に侵食される被侵食層と、被侵食層の下層に設けられた非侵食性の基体層とを備え、かつ、被侵食層と前記基体層のいずれか一方が電気導電性とされ、その他方が電気絶縁性とされる構成を有することにより、電気導電性の変化として表面侵食痕の検出が可能となる。
【0049】
(吸引・ワイプユニット)
次に、図11を参照して吸引・ワイプユニットU4の構成について説明する。
図11(a)は吸引・ワイプユニットU4と、吐出抜け検出ユニットU1と、演算部PCとの構成を示す構成図、図11(b)及び図11(c)は吸引・ワイプユニットU4の動作を説明するための説明図である。
【0050】
吸引・ワイプユニットU4は、吐出抜け検出ユニットU1による吐出抜けの検出結果に応じて、吐出ヘッドHを液滴吐出動作が可能な状態に回復させるものである。
図11(a)に示すように、吸引・ワイプユニットU4は、吸引部(吸引手段)60aと、ワイピング部(洗浄手段)60bとから構成されている。
吸引部60aは、キャップ61と吸引ポンプ62とを具備しており、キャップ61が吐出ヘッドHを被覆した際に吸引ポンプ62によって吐出ヘッドH内の気泡等を吸引するようになっている。
ワイピング部60bは、ワイパ63と駆動部64とを具備しており、ワイパ63と吐出ヘッドHのノズル形成面(吐出ヘッドのノズルが形成された部位)とを接触させた状態でワイパ63を駆動することにより、当該ノズル形成面を洗浄するようになっている。
更に、吸引・ワイプユニットU4は、演算部PCを介して吐出抜け検出ユニットU1と電気的に接続されており、吐出抜け検出ユニットU1が吐出抜けを検出した場合に、これに応じて自動的に吸引部60aとワイピング部60bとを駆動するようになっている。
【0051】
次に、吸引・ワイプユニットU4の動作について簡単に説明する。
図11(b)は、吸引部60aによって吐出ヘッドHを吸引する動作を説明する図である。
図11(b)に示すように、吐出ヘッドHのノズル形成面とキャップ61とを接続する。次に、吸引ポンプ62が吐出ヘッドHとキャップ61とで形成された空間の空気を吸引する。この空間が吸引されることで吐出ヘッドHの吐出ノズル18に存在する液体材料と、吐出ヘッドH内の気泡等が吸引される。このような吸引が行われることにより、例えば吐出抜けの原因となっていた非動作ノズルが回復する。
なお、吸引ポンプ62によって吸引される吸引量は、予め演算部PCや吸引・ワイプユニットU4に設定された値である。
【0052】
図11(c)は、ワイピング部60bによって吐出ヘッドHのノズル形成面を洗浄する動作を説明する図である。
図11(c)に示すように、ワイパ63と吐出ヘッドHのノズル形成面とを接触させる。次に、ワイパ63と吐出ヘッドHのノズル形成面とを摩擦させるようにワイパ63を駆動することにより、ノズル形成面に付着している液体材料等がワイパ63によって拭き取られる。
【0053】
(温度・湿度測定ユニット)
次に、図1へ戻り、温度・湿度測定ユニットU5の構成について説明する。
温度・湿度測定ユニットU5は、所謂温度センサと湿度センサとから構成されており、これら温度センサと湿度センサは演算部PCに電気的に接続されている。このような温度・湿度測定ユニットU5を設けることによって液滴吐出評価試験装置1内の温度及び湿度を測定することが可能となる。
【0054】
(演算部)
次に、図1及び図12を参照して演算部PCの構成について説明する。
図12は演算部PCの概略構成を示す構成図である。
【0055】
図1に示すように、演算部PCは、上述の液滴吐出評価試験装置1の各構成要素に電気的に接続されており、マイクロプロセッサ等のCPUを備えた所謂コンピュータである。当該演算部PCは、当該各構成要素の動作を制御すると共に、当該各構成要素の測定結果や及び検出結果を取り込むようになっている。
【0056】
次に、図12を参照して演算部PCの構成について説明する。
図12に示すように、演算部PCは、処理部70と、表示部71と、出力部72とから構成されている。
まず、処理部70について詳細を説明する。
処理部70は、第1記憶部(第1の記憶手段)74と、第2記憶部(第2の記憶手段)75と、判断部(判定手段)76と、制御部77と、電圧波形抽出部(抽出手段)78と、電圧波形調整部(調整手段)79と、を具備している。
第1記憶部74は、吐出ヘッドHによる液滴吐出回数の測定データ80aと、吐出抜け検出ユニットU1が検出した吐出抜けの検出データ80bと、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2が測定した液滴重量の測定データ80c及び吐出速度の測定データ80dと、吐出精度測定ユニットU3が測定した吐出精度の測定データ80eと、温度・湿度測定ユニットU5が測定した温度・湿度の測定データ80fと、処理部70(時間測定手段)が測定する液滴吐出評価試験装置1の試験時間を意味する時間データ80gとからなる第1のデータ群を記憶するものである。
第2記憶部75は、得るべき液滴吐出条件からなる第2のデータ群を記憶するものである。ここで言う「得るべき液滴吐出条件」とは、液滴吐出評価試験装置1による試験において、試験結果が良好とされる液滴吐出条件を意味する。
判断部76は、第1記憶部に記憶された第1のデータ群と、第2記憶部に記憶された第2のデータ群とを比較して、第1のデータ群が第2のデータ群の条件を満たすか否か、を判断するものである。換言すれば、判断部76が試験結果が良好であるか否かを判断する。
制御部77は、液滴吐出評価試験装置1の各構成要素の全ての動作を制御するものである。ここで言う「全ての動作」とは、吐出ヘッドHの液滴吐出動作81a、吐出ヘッド移動機構HMの駆動動作81b、吐出抜け検出ユニットU1の検出動作81c、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の測定動作81d、吐出精度測定ユニットU3の測定動作81e、吸引・ワイプユニットU4の吸引動作及びワイピング動作81fを意味する。
電圧波形抽出部78は、判断部76が第1のデータ群が第2のデータ群の条件を満たすと判断した場合に、液滴吐出の電圧波形を決定するものである。
電圧波形調整部79は、判断部76が第1のデータ群が第2のデータ群の条件を満たしていないと判断した場合に、第1のデータ群に基づいて液滴吐出の電圧波形を調整するものである。
【0057】
次に、表示部71及び出力部72について詳細を説明する。
表示部71は、処理結果を実験者に対して表示するための所謂ディスプレイやモニタである。
出力部72は、処理結果を記録媒体に記録するものであり、例えば、紙に印刷するプリンタ、処理結果をフレキシブルディスクや光磁気ディスク等の媒体に電子データとして記録するディスクドライバ、処理結果を保管するためのサーバ、LAN(Local Area Network)を介して接続された外部コンピュータ、等を意味する。
【0058】
(液滴吐出評価試験装置の動作)
次に、上述した構成を有する液滴吐出評価試験装置1の動作について、図13のフローチャート図を参照しながら説明する。
図13(a)は液滴吐出評価試験装置1の動作手順(以下、メインルーチンと称する)を示す図、図13(b)は図13(a)中の連続吐出試験の動作手順(以下、サブルーチンと称する)を示す図である。
【0059】
図13(a)に示すように、まず、評価試験結果が良好であるか否かを判断するための基準となる第2のデータ群を設定する(ステップS1)。
このような試験結果の基準となる第2のデータ群は、試験毎に入力、変更可能なデータ(値)であって、これらは演算部PC内の第2記憶部75に記憶される。
第2のデータ群の具体的な例としては、液滴重量の許容誤差を±5%以内、吐出速度の許容誤差を±5%以内、吐出精度の許容誤差をGAP300μmで±10μm以内に設定することができる。ここでいう「GAP」とは、吐出ヘッドHのノズル形成面と検査媒体50との離間距離を意味するものであり、この離間距離も適宜設定することができる。
なお、このような第2のデータ群は、液滴重量、吐出速度、及び吐出精度の条件を限定するだけでなく、吐出抜け検出回数の条件を設定してもよい。
【0060】
次に、吐出ヘッドHの圧電素子20に供給する電圧波形の仮決定を行う(ステップS2)。
以下に、図14から図16を参照して、電圧波形の仮決定について具体的に説明する。
図14は吐出ヘッドHが有する吐出速度の固有周期Tを示す図、図15は液体材料の粘度別の固有周期T及び期間Pの値の一例を示す図、図16は期間Pを基にして決定された電圧波形を示す図である。
【0061】
まず、図14に示すように吐出ヘッドHが有する吐出速度の固有周期Tを試験前に予め測定する。この固有周期Tは、先述の図3に示した期間t2〜t3(μs)の変化に伴う吐出速度の変化の周期tα〜tβを意味している。次に、固有周期Tの0.8〜1.2の比率を有する期間Pを算出する。なお、この比率0.8〜1.2は、吐出ヘッドHにおいて、液滴吐出動作のヘッド個体差、ノズル間バラツキ、飛行安定性、長期吐出安定性等を考慮し、工業的大量生産の品質安定性を満足させることができる範囲の比率として今回導き出したものである。
図15は、液体材料の粘度別の固有周期T及び期間Pの値の一例を示している。液体番号「001」においては、その粘度が3.5(mPa・s)、吐出速度の固有周期Tが6.9(μs)、安定吐出の条件となる期間Pが5.5(μs)であった。これから比率P/Tを求めると0.8が算出される。同様に、液体番号「002」においては、粘度が11.4(mPa・s)、固有周期Tが7.1(μs)、期間Pが6.4(μs)、比率P/Tは0.9と算出されたことを示している。
【0062】
次に、図16に示すように、期間t1〜t2の中間時点t12から、期間t3〜t4の中間時点t34までの期間Pとして、上述の液体番号「001」で算出された5.5(μs)が設定される。
次に、期間Pに準じて期間t1〜t4が順次設定されることにより、液滴吐出評価試験装置1における電圧波形の仮決定が終了となる。
【0063】
上述した電圧波形仮決定においては、電圧波形を吐出ヘッドHの固有周期Tに従って設定することで、液滴吐出動作の振動を効率的に吐出ヘッドHの空間15に伝えることが可能となり、設定すべき電圧波形の設定又はその近似、絞込みのための作業を容易に行うことができる。
【0064】
次に、図13(a)に戻り、上述で決定された電圧波形による液滴吐出を規定回数繰り返す連続吐出試験を行う(ステップS3)。
ここで、規定回数とは、演算部PCに予め設定された設定値であり、その具体的な回数は10万回〜数億回である。なお、本実施形態においては、規定回数を満たすまで連続吐出試験を行っているが、規定回数を設定することに限らずに規定時間を満たすまで連続吐出試験を行ってもよい。
【0065】
このようなステップS3においては、まず、演算部PCが吐出ヘッド移動機構HMの駆動動作81bを制御することにより、吐出ヘッド移動機構HMが吐出ヘッドHを試験領域A1に移動し、当該吐出ヘッドHが吐出抜け検出ユニットU1上に配置される。
次に、図13(b)に示すサブルーチンに基づいて連続吐出試験を行う。従って、演算部PCが吐出ヘッドHの液滴吐出動作81aを制御することにより、圧電素子20が振動し、空間15が膨張・収縮し、ノズル18から液滴を吐出する。更に、これと同時に、液滴吐出回数のカウントを行う(ステップSA1)。ここで、液滴吐出回数は、測定データ80aとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
【0066】
更に、吐出抜け検出を行う(ステップSA2)。
従って、演算部PCが吐出抜け検出ユニットU1の検出動作81cを制御することにより、投光部31から受光部32に向けて検出光を射出し、当該検出光の光路を液滴が通過するか否かによって、液滴が正常に吐出されているか否かを検出する。
ここで、吐出抜け検出の結果、吐出抜けがない場合(NOの場合)には、演算部PCは、これまでの液滴吐出の繰り返し回数が規定回数を満たしているか否か、を判断する(ステップSA3)。また、吐出抜けがある場合(YESの場合)には、吐出ヘッドHのクリーニングを行う(ステップSA4)。また、吐出抜けが生じた回数は、検出データ80bとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
【0067】
ステップSA3において、液滴吐出回数が規定回数を満たしていない場合(NOの場合)には、ステップSA1に戻り、液滴吐出動作と液滴吐出回数のカウントとを行う。また、液滴吐出の繰り返し回数が規定回数を満たしている場合(YESの場合)には、連続吐出試験(メインルーチンのステップS3)が終了となる。
【0068】
ステップSA4においては、まず、演算部PCが吸引・ワイプユニットU4の回復動作81fを制御することにより、吸引部60aが吐出ヘッドHを吸引し、ワイピング部60bが吐出ヘッドHのノズル形成面を洗浄する。即ち、吐出ヘッドHは液滴吐出動作が可能な状態に回復される。
【0069】
上述した連続吐出試験においては、吐出抜け検出ユニットU1による吐出抜けの検出と、吸引・ワイプユニットU4による吐出ヘッドHの回復とを行うので、吐出抜けが生じた場合であっても規定回数が満たすまで自動的に液滴吐出を行うことが可能となる。
【0070】
次に、図13(a)に戻り、液滴の重量と、吐出速度を測定する(ステップS4)。
このようなステップS4においては、まず、演算部PCが吐出ヘッド移動機構HMの駆動動作81bを制御することにより、吐出ヘッド移動機構HMが吐出ヘッドHを試験領域A2に移動し、当該吐出ヘッドHが液滴重量・吐出速度測定ユニットU2上に配置される。
次に、演算部PCが吐出ヘッドHの液滴吐出動作81aと、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の駆動動作81cを制御することにより、吐出ヘッドHのノズル18から液滴が吐出され、当該液滴は液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の反応部分48に着弾する。ここで、水晶発振子41の共振周波数の変化量が測定され、これを液滴重量及び吐出速度の測定データ80c、80dとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
【0071】
上述した液滴重量・吐出速度測定においては、水晶発振子による測定を行うことができるので、高精度の液滴重量及び吐出速度を測定することが可能となる。
【0072】
次に、吐出精度を測定する(ステップS5)。
このようなステップS5においては、まず、演算部PCが吐出ヘッド移動機構HMの駆動動作81bを制御することにより、吐出ヘッド移動機構HMが吐出ヘッドHを試験領域A3に移動し、当該吐出ヘッドHが吐出精度測定ユニットU3上に配置される。
次に、演算部PCが吐出ヘッドHの液滴吐出動作81aと、吐出精度測定ユニットU3の駆動動作81dを制御することにより、吐出ヘッドHのノズル18から液滴が吐出され、吐出精度測定ユニットU3の検査媒体50、詳しくは検査領域50aに着弾する。なお、検査領域50aに吐出され液滴は、単数でも複数でもよい。この検査媒体50は、検査媒体搬送部51によって画像検知部52に搬送され、次に撮像部52bによって検査媒体50上の液滴が画像データとして撮像され、当該画像データは画像処理部52cによって解析される。このように解析されることにより測定された吐出精度は、測定データ80eとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
【0073】
更に、このような一連の連続吐出試験、液滴重量・吐出速度測定、吐出精度測定が行われている間には、温度・湿度測定ユニットU5によって試験中の温度及び湿度が測定され、当該測定結果は測定データ80fとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
また、第1記憶部74は試験の時間経過を測定することにより得られた時間データ80gも記憶する。
従って、第1記憶部74には、液滴吐出回数の測定データ80a、吐出抜けの検出データ80bと、液滴重量・吐出速度の測定データ80c、80dと、吐出精度の測定データ80eと、温度・湿度の測定データ80fと、時間データ80gとからなる第1のデータ群が記憶されている。
【0074】
次に、上述の連続吐出試験、液滴重量・吐出速度測定、吐出精度測定の繰り返し回数が規定回数を満たしているか否か、を判断する(ステップS6)。
ここで、繰り返し回数が規定回数を満たしていない場合(NOの場合)には、ステップS3に戻り、連続吐出試験、液滴重量・吐出速度測定、吐出精度測定が再度行われる。また、繰り返し回数が規定回数を満たしている場合(YESの場合)には、評価試験結果が良好であるか否か、即ち、試験結果が基準をクリアしているか否か、を判断する(ステップS7)。
【0075】
このようなステップS7においては、第2記憶部に設定された第2のデータ群と、第1記憶部74に記憶された第1のデータ群とが、演算部PC内の判断部76によって比較判断される。
ここで、第1のデータ群が第2のデータ群を満たす場合(YESの場合)には、電圧波形抽出部78によって、液滴吐出の電圧波形が決定され、液滴吐出評価試験装置1の評価が終了となる。
また、第1のデータ群が第2のデータ群を満たさない場合(NOの場合)には、電圧波形調整を行う(ステップS8)。
【0076】
このようなステップS8においては、第1のデータ群を基にして演算部PC内の電圧波形調整部79が電圧波形を調整する。
具体的には、図15に示したP/T比率を適宜0.8〜1.2の間で変化させて再設定することで電圧波形を生成する(電圧波形の仮決定、ステップS2)。
このように電圧波形を決定した後には、上述したフローチャートに基づき、再度液滴吐出評価試験を行う。
【0077】
なお、このような電圧波形の調整は、P/T比率の変更だけでなく、他の調整方法によって行ってもよい。例えば、最初に仮決定した電圧波形(図3参照)を基に、空間15を最大に膨張させる電位V2と、空間15を最大に収縮させる電位V3との間にある基準電位V1を適宜上下に変化させ、電圧波形を変形させて、新たな電圧波形を生成してもよい。
このようにすれば、P/T比率を変えることなく、V1−V2またはV1−V3の電位差を変えた電圧波形を生成することができ、吐出ヘッドHの空間15の膨張及び収縮の強度を変えた電圧波形の設定に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出評価試験装置の構成を示す構成図。
【図2】吐出ヘッドの構造を説明するための斜視図及び断面図。
【図3】圧電素子に供給される電圧波形を説明するための図。
【図4】吐出抜け検出ユニットを示す概略斜視図、及び要部の模式図。
【図5】吐出抜け検出ユニットを示す別の概略斜視図、及び要部の平面図。
【図6】液滴重量・吐出速度測定ユニットの構成図及び要部の断面図。
【図7】液滴重量・吐出速度測定ユニットの別の構成図。
【図8】吐出精度測定ユニットの概略構成を示す斜視図。
【図9】検査媒体を示す斜視図。
【図10】液滴の可視化原理を説明するための模式説明図。
【図11】吸引・ワイプユニットの構成図、及び動作説明図。
【図12】演算部の構成図。
【図13】液滴吐出評価試験装置の動作を示すフローチャート図。
【図14】吐出ヘッドの吐出速度の固有周期Tを説明するための説明図。
【図15】液体材料の粘度別の固有周期T、及び期間Pの値の一例を示す図。
【図16】期間Pを基にして決定された電圧波形を示す図。
【符号の説明】
1…液滴吐出評価試験装置、15…空間(液体充填部)、18…ノズル、20…圧電素子(吐出手段)、31…投光部、32…受光部、41…水晶発振子、43…周波数カウンタ(測定器)、50…検査媒体、52a…光源部(光源)、52b…撮像部(位置検知手段)、60a…吸引部(吸引手段)、60b…ワイピング部(洗浄手段)、70…処理部(時間測定手段)、74…第1記憶部(第1の記憶手段)、75…第2記憶部(第2の記憶手段)、76…判定部(判定手段)、78…電圧波形抽出部(抽出手段)、79…電圧波形調整部(調整手段)、80a、80c、80d、80e、80f…測定データ(測定結果)、80b…検出データ(検出結果)、80g…時間データ(測定結果)、H…吐出ヘッド、HM…吐出ヘッド移動機構(移動手段)、U1…吐出抜け検出ユニット(吐出抜け検出手段)、U2…液滴重量・吐出速度測定ユニット(液滴重量測定手段、吐出速度測定手段)、U3…吐出精度測定ユニット(吐出精度測定手段)、U4…吸引・ワイプユニット(回復手段)、U5…温度・湿度測定ユニット(温度測定手段、湿度測定手段)、A1…試験領域(第1の試験領域)、A2…試験領域(第2の試験領域)、A3…試験領域(第3の試験領域)
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出評価試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、配線パターン等のパターン形成方法として、インクジェット方式(液滴吐出方法)が知られている。インクジェット方式とは、いわゆるインクジェットプリンタでよく知られている印刷技術であり、インクジェット装置(液滴吐出装置)の吐出ヘッドに充填された液体材料の液滴を、吐出ヘッドから基板上に吐出し、定着させるものである。このようなインクジェット方式によれば、微細な領域に液体材料の液滴を正確に吐出できるので、フォトリソグラフィを行うことなく、所望の領域に直接液体材料を定着させることができる。従って、材料の無駄も発生せず、製造コストの低減も図れ、非常に合理的な方法となる。
【0003】
このようなインクジェット装置においては、量産に近い段階では、液滴吐出動作の長期安定性を検査する必要がある。そのためには、量産と同様の吐出状態(吐出ヘッドの電圧波形、ビットマップ、吐出回数等)で、連続吐出して確認する必要がある。ここで、吐出ヘッドの電圧波形は、液滴吐出動作が最も安定するように適宜設定される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−309872号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような液滴吐出動作の長期安定性試験においては、その連続吐出期間が1ヶ月を超える場合や、連続吐出回数が1億回を超える場合があり、試験中に実験者がインクジェット装置に張り付くというのは、検査の見落としを招くだけでなく、検査の信頼性が低く、実験者の労力を費やし、大変非効率であるという問題があった。これだけでなく、吐出ヘッドの液滴吐出動作を行うための電圧波形を設定する場合に、液体材料の種類によりその表面張力や粘弾性特性等が異なるため、試しに吐出した液滴の重量や吐出速度等の要因を測定しながら、実験者が試行錯誤的に電圧波形の設定を行うしかなく、好適な電圧波形を決定する作業が困難であるという問題があった。また、更に、例えば気泡が溶けやすい液状体を連続吐出すると、当該気泡が吐出ヘッド内に残留することに起因して、液滴吐出動作が不良になり、吐出抜けが生じてしまう場合がある。この場合、実験者が気泡を吸引除去しない限りは液滴吐出動作を連続して行うことは不可能であるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、液滴吐出動作試験を長期間連続的に行うと共に、吐出抜け等の吐出不良の確認と、当該吐出不良の復旧と、吐出ヘッドの電圧波形の設定とを自動的に行うことが可能となる液滴吐出評価試験装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
即ち、本発明の液滴吐出評価試験装置は、ノズルに連通する液体充填部と、駆動信号の電圧波形に応じて液体充填部内の液体を液滴として吐出する吐出手段と、を具備する吐出ヘッドの液滴吐出動作を評価する試験装置であって、液滴の重量を測定する液滴重量測定手段と、液滴の速度を測定する吐出速度測定手段と、液滴の着弾精度を測定する吐出精度測定手段と、液滴の非吐出を検出する吐出抜け検出手段と、を具備することを特徴とする。
ここで、液滴重量測定手段とは、上記吐出ヘッドの吐出手段が駆動されることによってノズルから吐出した液滴の1滴当りの重量を測定するものである。
また、吐出速度測定手段とは、吐出ヘッドのノズルから、液滴の着弾位置までの空間を飛行する液滴の速度を測定するものである。
また、吐出精度測定手段とは、吐出ヘッドから吐出された液滴の位置の精度を測定するものである。
また、吐出抜け検出手段について説明すると、例えば気泡が溶けやすい液状体を吐出した際に、当該気泡が吐出ヘッド内に残留することに起因して、液滴吐出動作が不良になる場合があり、当該吐出抜け検出手段はこのような不良を検出するものである。この吐出抜けの検出は、吐出ヘッドのノズルから、液滴の着弾位置までの空間を液滴が飛行しているか否かを検出して行われる。
本発明によれば、吐出ヘッドから吐出された液滴の重量、液滴の吐出速度、及び液滴の吐出精度を測定することが可能となると共に、液滴が吐出しているか否かを検出することが可能となる。更に、当該液滴吐出評価試験装置を自動的に作動させるための制御部を付加することで、液滴吐出評価試験を自動化することが可能になり、長期間の液滴吐出動作の安定性を確認することが可能になる。
従って、実験者が張り付いて確認作業をする必要がなくなり、実験者の労力を低減すると共に検査の見落とし等が生じることがないので、液滴吐出評価試験の信頼性が向上し、試験の効率化を図ることができる。
【0008】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出抜け検出手段は、検出光を射出する投光部と、当該投光部から射出された検出光を受光可能な受光部とを具備し、受光部は、検出光の光路上を液滴が通過することによる検出光の当該受光部での受光量の変化に基づいて、ノズルから液滴が吐出されているかどうかを判別することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、液滴に接触することなく光学的に液滴の検出を行うことが可能になる。
【0009】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出抜け検出手段は、当該吐出抜け検出手段の検出結果に応じて、吐出ヘッドを液滴吐出動作が可能な状態に回復させる回復手段を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、吐出ヘッドの液滴吐出動作が不良となった場合でも自動的に液滴吐出動作を回復させることが可能となる。従って、実験者による吐出ヘッドの回復作業が不要にすることができる。更に、不良となった液滴吐出動作を回復した後には、液滴吐出評価試験を自動的に再開することが可能となる。
【0010】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、回復手段は、吐出ヘッドのノズルを介して液体充填部内の液体を吸引する吸引手段と、吐出ヘッドのノズルが形成された部位を洗浄する洗浄手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏する。また、例えば吐出ヘッドの液体充填部内に気泡が混入した際に、吸引手段によって液体と共に気泡を除去することが可能となる。また、ノズルが形成された部位を洗浄するので、当該部位における液体の残留に起因する吐出不良を防止することが可能となる。
【0011】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、液滴重量測定手段は、水晶発振子と、当該水晶発振子の共振周波数の変化に基づいて液滴の重量を測定する測定器と、を具備することを特徴とする。
ここで、水晶発振子は、その共振周波数は非常に安定したものであるが、当該水晶発振子の一部に液滴が付着すると、その液滴の重量や速度によって共振周波数が減少する性質を有している。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、水晶発振子の性質を利用して、液滴の付着に伴う共振周波数の変化を検出することにより液滴の重量を測定することができる。
【0012】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出速度測定手段は、水晶発振子と、当該水晶発振子の共振周波数の変化に基づいて液滴の速度を測定する測定器と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、水晶発振子の性質を利用して、液滴の付着に伴う共振周波数の変化を検出することにより液滴の速度を測定することができる。
【0013】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出精度測定手段は、吐出ヘッドから吐出された液滴を着弾させるための、液滴に対する撥液性の表面を有する検査媒体と、当該検査媒体に液滴の着弾を検出するための検出光を照射する光源と、当該光源の反射光を検出して、液滴の着弾位置を検知する位置検知手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、光学的に液滴の吐出精度を測定することが可能となる。
【0014】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出抜け検出手段を有する第1の試験領域と、液滴重量測定手段と、吐出速度測定手段とを有する第2の試験領域と、吐出精度測定手段を有する第3の試験領域と、第1の試験領域と、第2の試験領域と、第3の試験領域とに対して、吐出ヘッドを相対移動させる移動手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、当該移動手段により吐出ヘッドを自動的に移動させることにより、吐出抜け検出手段による連続吐出試験と、液滴重量測定手段及び吐出速度測定手段による液滴重量・吐出速度測定試験と、吐出精度測定手段による吐出精度測定試験と、を連続的に行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、吐出ヘッドの液滴吐出動作雰囲気の温度を測定する温度測定手段と、吐出ヘッドの液滴吐出動作雰囲気の湿度を測定する湿度測定手段と、試験時間を測定する時間測定手段と、を具備することを特徴とする。
ここで、試験時間とは、吐出ヘッドの液滴吐出動作が行われている時間を意味しており、詳細には連続吐出試験、液滴重量測定試験、吐出速度測定試験、及び吐出精度測定試験の各試験中の時間を意味している。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、液滴吐出評価試験における温度と湿度を測定することが可能となる。また、試験時間を測定することによって試験時間の経過に伴う各試験状態を記録することが可能となる。
【0016】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、液滴重量測定手段の測定結果と、吐出速度測定手段の測定結果と、吐出精度測定手段の測定結果と、吐出抜け検出手段の検出結果と、温度測定手段の測定結果と、湿度測定手段の測定結果と、時間測定手段の測定結果と、からなる第1のデータ群を記憶する第1の記憶手段と、得るべき液滴吐出条件からなる第2のデータ群を記憶する第2の記憶手段と、第1のデータ群が第2のデータ群を満たすか否かを判定する判定手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、単に長期的に液滴吐出試験を行うだけでなく、液滴吐出試験の結果の合否を判定することが可能である。
【0017】
また、本発明は先に記載の液滴吐出評価試験装置であり、判定手段の判定結果が肯定的である場合に第1のデータ群における電圧波形を抽出する抽出手段と、判定手段の判定結果が否定的である場合に第1のデータ群における電圧波形を当該第1のデータ群に基づいて調整する調整手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した液滴吐出評価試験装置と同様の効果を奏すると共に、液滴吐出試験の結果の合否に応じて、自動的に電圧波形の決定、及び電圧波形の調整を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液滴吐出評価試験装置の構成を示す構成図である。
【0019】
図1に示すように、液滴吐出評価試験装置1は、吐出ヘッドHと、吐出ヘッド移動機構(移動手段)HMと、吐出抜け検出ユニット(吐出抜け検出手段)U1と、液滴重量・吐出速度測定ユニット(液滴重量測定手段、吐出速度測定手段)U2と、吐出精度測定ユニット(吐出精度測定手段)U3と、吸引・ワイプユニット(回復手段)U4と、温度・湿度測定ユニット(温度測定手段、湿度測定手段)U5と、演算部PCと、を具備した構成となっている。
次に、各構成要素について説明する。
【0020】
(吐出ヘッド)
吐出ヘッドHは、液滴吐出評価試験装置1によって試験が施される試験対象物である。
吐出ヘッドHは、液滴吐出方式により液体材料(液体)を液滴としてノズルから吐出するものである。液滴吐出方式としては、圧電体素子としてのピエゾ素子を用いてインクを吐出させるピエゾ方式、液体材料を加熱し発生した泡(バブル)により液体材料を吐出させる方式等、公知の種々の技術を適用できる。本実施形態では、ピエゾ方式を用いる。
また、吐出ヘッドHは、吐出ヘッド移動機構HM(後述)に移動可能に取り付けられたものであり、演算部PC(後述)によりその位置が制御されるようになっている。
【0021】
次に、図2を参照して吐出ヘッドHの構成とについて説明する。
図2(a)は吐出ヘッドHの斜視図、図2(b)は吐出ヘッドHの断面図、図2(c)は吐出ヘッドHのノズル形成面側から見た斜視図である。
【0022】
図2(a)に示すように、吐出ヘッドHは、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間(液体充填部)15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部は液体材料で満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15から液体材料を噴射するためのノズル18が縦横に整列させられた状態で複数形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16に液体材料を供給するための孔19が形成されている。
【0023】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(吐出手段)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当する液体材料が、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。従って、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部の液体材料の圧力が上昇し、ノズル18から基板に向けて液体材料の液滴22が吐出される。
【0024】
また、吐出ヘッドHは、その底面形状が略矩形状のものであり、図2(c)に示すようにノズル18を縦横に整列させた状態に配置したものである。なお、図2(c)では、ノズル18の記載を省略して横に一列のみ示している。
なお、ノズル18の配列は、一列に形成されたものに限らず、複数列であってもよい。
【0025】
また、吐出ヘッドHは、演算部PC(後述)と電気的に接続されている。演算部PCには予め設定された電圧波形を吐出ヘッドHに出力するようになっており、吐出ヘッドHは当該電圧波形に応じて液滴吐出動作を行うようになっている。
【0026】
次に、図3を参照して、演算部PCの電圧波形に伴う吐出ヘッドHの液滴吐出動作について説明する。
図3は圧電素子20に供給される電圧波形を説明するための図であって、横軸に経過時間を示し、縦軸に圧電素子20に供給される電位を示している。
【0027】
図3に示すように吐出ヘッドHによる液滴吐出は、時間の経過に伴って圧電素子20に供給する電位を変化させることにより行われる。
具体的な液滴吐出過程は、圧電素子20に電位V2を供給して吐出ヘッドHの空間15を膨張させる期間t1〜t2と、吐出ヘッドHの空間15の膨張を維持する期間t2〜t3と、圧電素子に電位V3を供給して吐出ヘッドHの空間15を収縮させる期間t3〜t4と、吐出ヘッドHの空間の収縮を維持する期間t4〜t5、圧電素子に電位V1を供給して吐出ヘッドHの空間15の収縮を解放する期間t5〜t6と、において行われる。
このような電圧波形の変化に応じて、吐出ヘッドHから液滴を所望に吐出する液滴吐出動作が行われる。
【0028】
(吐出ヘッド移動機構)
次に、図1へ戻り、吐出ヘッド移動機構HMについて説明する。
吐出ヘッド移動機構HMは、液滴吐出評価試験装置1の各試験を行う領域、即ち、吐出抜け検出ユニットU1が設けられている試験領域A1(第1の試験領域)と、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2が設けられている試験領域A2(第2の試験領域)と、吐出精度測定ユニットU3が設けられている試験領域A3(第3の試験領域)とに、吐出ヘッドHを移動させるものである。
このような吐出ヘッド移動機構HMは、リニアモータ(不図示)等の作動によってガイドレール上を走行し、これにより吐出ヘッドHを移動させるよう構成されたものである。また、当該吐出ヘッド移動機構HMは、演算部PC(後述)と電気的に接続されており、演算部PCの駆動信号に応じて吐出ヘッドHを自動的に移動制御するようになっている。
【0029】
(吐出抜け検出ユニット)
次に、図4及び図5を参照して吐出抜け検出ユニットU1の構成について説明する。
図4(a)は吐出抜け検出ユニットU1の概略斜視図、図4(b)は吐出ヘッドHのノズル18から吐出された液滴が検出光の光路を通過する様子を示す模式図、図5(a)は吐出抜け検出ユニットU1の概略斜視図、図5(b)〜(e)は複数のノズルから順次吐出される液滴が検出光の光路を通過する様子を示す模式図である。
【0030】
吐出抜け検出ユニットU1は、吐出ヘッドHが液滴を吐出していない状態、即ち、吐出抜けが生じている状態を検出するものである。
図4(a)に示すように、吐出抜け検出ユニットU1は、検出光を射出する投光部31と、投光部31から射出された検出光を受光可能な受光部32とを備えている。投光部31は所定の径を有するレーザ光を射出するレーザ光照射装置により構成されている。一方、受光部32は例えばフォトダイオードにより構成されている。また、吐出抜け検出ユニットU1は、演算部PC(後述)と電気的に接続されており、当該吐出抜け検出ユニットU1の検出結果及び検出状況に関する情報が記憶されるようになっている。
投光部31と受光部32とは対向するように設けられている。本実施形態において、投光部31は検出光であるレーザ光をY軸方向に沿って射出する。検出光の光束は直径Dに設定されており、投光部31から射出された検出光は受光部32に向かって直進する。吐出ヘッドHは、検出光の光路の上方(+Z側)において、検出光の光路方向(Y軸方向)に対して交差して液滴を吐出するようになっている。吐出ヘッドHのノズル18から吐出された液滴は検出光の光路を通過するように設定されている。
【0031】
次に、図4(b)を参照して吐出ヘッドHのノズル18から吐出された液滴が検出光の光路を通過する様子について説明する。
図4(b)に示すように、吐出ヘッドHはノズル18より液滴を吐出する。吐出された液滴は直径Dの光束である検出光の光路上を通過する。ここで、検出光の直径と受光部32の計測領域の径とは同じ値Dに設定されている。検出光の光路上を液滴が通過し、この検出光の光路上に液滴が配置されることにより、受光部32で受光される検出光の受光量は、検出光の光路上に液滴が配置されていない状態での受光量に対して変化する。すなわち、検出光の光路上に液滴が配置されることにより、受光部32の受光信号は、検出光の光路上に液滴が配置されていない場合に比べて低下する。受光部32の受光結果(受光信号)は演算部PCに出力される。演算部PCは、検出光の光路上を液滴が通過することによる検出光の受光部32での受光量の変化(低下)に基づいて、ノズル18から液滴が吐出されているかどうかを判別することができる。
【0032】
具体的には、検出光の光路上に液滴が配置されると、受光部32における受光量の低下に伴って受光部32の出力信号(出力電圧)が変化する。受光部32は、この出力電圧に基づいて、「HIGH」又は「LOW」の信号を演算部PCに出力する。ここで、受光部32は、検出光の光路上に液滴が配置されている場合に「HIGH」の信号を出力し、検出光の光路上に液滴が配置されていない場合に「LOW」の信号を出力する。即ち、吐出抜けが生じている場合には、演算部PCに「LOW」の信号を出力する。
【0033】
次に、図5を参照して、複数のノズル18を備える吐出ヘッドHから順次吐出される液滴が検出光の光路を通過する様子について説明する。
図5(a)は吐出抜け検出ユニットU1の概略斜視図、図5(b)、(c)、(d)は液滴が検出光の光路を通過する様子を示す、吐出ヘッド側から見た平面図である。なお、液滴が検出される原理については、上記と同様であるので説明を省略する。
【0034】
図5に示すように、吐出ヘッドHは、同一列に配置されたノズル18(18a、18b、18c、18d)を備えている。更に、吐出ヘッドHのノズル18(18a、18b、18c、18d)の列方向と平行に検出光を出射するように、投光部31と受光部32とが対向配置されている。
このような構成において、吐出ヘッドHがノズル18a、18b、18c、18dから液滴35a、35b、35c、35dを順次液滴を吐出すると、図5(b)から図5(e)に示すように、液滴35a、35b、35c、35dが順次検出光の光路上を通過し、各液滴が検出される。
なお、上記においては、吐出ヘッドHが4つのノズル18a、18b、18c、18dを備えた場合について説明したが、その数を限定するものではない。また、このようなノズル列を複数備えた場合でも、ノズル列間隔が検出光の直径Dよりも小さければ、検出光と吐出ヘッドとを相対移動させることなく液滴の検出が可能である。
【0035】
なお、上述の吐出抜け検出ユニットU1においては、検出光と吐出ヘッドHとを固定した状態で液滴を吐出及び検出しているが、これを限定するものではない。例えば、複数のノズルから吐出される液滴に対応させて、複数の検出光を出射する投光部31を設けてもよい。また、鏡等の反射光学系を投光部31と受光部32との間に設けてもよい。また、検出光と吐出ヘッドHとを相対移動させて液滴を検出してもよい。また、ノズルの配列方向に対して、所定の角度の方向から検出光を出射させてもよい。
【0036】
(液滴重量・吐出速度測定ユニット)
次に、図6及び図7を参照して液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の構成について説明する。
図6(a)は液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の構成図、図6(b)は水晶発振子41の断面図、図6(c)は図6(b)のA−A断面を示す断面図、図7は液滴重量・吐出速度測定を行う場合の吐出ヘッドHと水晶発振子41との位置関係を示す構成図である。
【0037】
液滴重量・吐出速度測定ユニットU2は、吐出ヘッドHから吐出された液滴と水晶発振子との接触に伴う水晶発振子の共振周波数の変化に基づいて、当該液滴の重量と、その吐出速度を測定するものである。
図6(a)に示すように、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2は、水晶発振子41と、水晶発振子41を安定的に発振させるための発振回路42と、水晶発振子41の発振周波数を測定する周波数カウンタ(測定器)43と、を備えている。周波数カウンタ43は、演算部PC(後述)に接続されている。
【0038】
図6(b)、(c)に示すように、水晶発振子41は、水晶片45と、その両面に取り付けられた電極46a、46bと、を備えている。また、リード線47a、47bが電極46a、46bとそれぞれ電気的に接続されている。電極46aは、液体材料による腐食を考慮して耐食性の高い金や銀等で構成されている。電極46aの反応部分48は液体材料に曝されるようになっている。なお、電極46aの反応部分48以外の部分、及び他方の電極46bは、液体材料に曝されないように保護部49(モールド樹脂等)によって覆われている。
【0039】
図6(a)に示すように、水晶発振子41は、リード線47a、47bを介して発振回路42に接続され、更に、発振回路42は、周波数カウンタ43に接続されている。発振回路42は、電源に接続されており、水晶発振子41の電極46a、46bに電圧を印加することにより、水晶発振子41に連続的な発振をさせている。また、周波数カウンタ43は、水晶発振子41の共振周波数の変化を測定し、液滴が着弾していない場合の共振周波数と比較して共振周波数が一定の値以上減少した場合に、演算部PCに測定結果を送信するようになっている。
【0040】
このように構成された水晶発振子41は、図7に示すように吐出ヘッドHの下方に配置されている。また、吐出ヘッドHから吐出された液滴が反応部分48に着弾するようになっている。ここで、水晶発振子41の共振周波数は、非常に安定しているが、反応部分48に液滴が着弾すると、その液滴の重量や吐出速度によって共振周波数が減少する。即ち、水晶発振子41の共振周波数の変化を検出することによりが液滴の重量と、液滴の吐出速度を測定することができる。
このような水晶発振子41においては、数ngオーダーの液滴重量を測定することが可能となる。
【0041】
なお、上述の液滴重量・吐出速度測定ユニットU2においては、水晶発振子41を用いた測定方法だけでなく、他の方法を用いて液滴重量と吐出速度を測定してもよい。
例えば、液滴重量を測定する方法として、吐出ヘッドHから吐出された液滴を受ける液受けと、電子天秤等の重量計とを備えて、吐出された液滴の重量を直接的に測定してもよい。ここで、吐出される液滴が複数である場合には1滴当りの液滴重量を算出すればよい。
また、吐出速度を測定する方法として、吐出ヘッドHから吐出された液滴に対して所定時間間隔で照明光を照射するストロボと、当該ストロボに対向配置されたCCD等のカメラとを備えて、吐出された液滴が所定時間内で飛行する距離を測定し、吐出速度を算出してもよい。
【0042】
(吐出精度測定ユニット)
次に、図8から図10を参照して吐出精度測定ユニットU3の構成について説明する。
図8は吐出精度測定ユニットU3の概略構成を示す斜視図、図9は検査媒体50を示す斜視図、図10は液滴の可視化原理を説明するための模式説明図である。
【0043】
吐出精度測定ユニットU3は、吐出ヘッドHから吐出された液滴を画像データとして撮像し、これを画像処理することにより液滴吐出の精度測定を行うものである。
図8に示すように、吐出精度測定ユニットU3は、検査媒体50と、検査媒体搬送部51と、画像検知部52とから構成されている。
検査媒体50は、吐出ヘッドHによって液滴が吐出される吐出対象物である。
検査媒体搬送部51は、従動ローラ51aと駆動ローラ51bとに巻回された搬送ベルト51cから構成されている。また、当該搬送ベルト51c上に検査媒体50が固定され、その位置が演算部PCによって記憶されている。搬送ベルト51cは、駆動ローラ51bに連結されたモータ51dにより駆動され、図示Y軸方向に移動可能とされており、検査媒体50は図示Y軸方向に移送が可能とされている。
画像検知部52は、検査媒体50の駆動ローラ51b側の上方に、一体で配置された光源部(光源)52a及び撮像部(位置検知手段)52bと、当該撮像部52bに接続された画像処理部52cとからなるものである。光源部52aは、検査媒体50を照射するための可視光源である。撮像部52bは、例えば、CCDカメラなど、適宜倍率を有する光学系および撮像デバイスなどを備えて、光源部52aから検査媒体50表面に照射される検査光の反射光を受像して画像信号に変換して記録し、その記録データを画像処理部52cに送るものである。画像処理部52cは、コンピュータなどからなるもので、撮像部52bから送られてきた画像データを解析することにより、吐出ヘッドHの各ノズル18の吐出性能を検査するものである。
【0044】
更に、画像処理部52cは、前記の検査媒体50を送るためのモータ51d、及び後述する演算部PCとも接続されている。そして、これにより画像処理部52cは、演算部PCによる制御によって吐出ヘッドHから検査媒体50上に液滴が吐出された際に、画像処理部52cはその時間を演算部PCから受信するようになっている。また、吐出を受けた検査媒体50がモータ51dにより撮像部52bの視野に到るまでの時間も、予めモータ51dの速度等から演算して記憶しておく。このような構成のもとに画像処理部52cは、吐出ヘッドHから吐出された液滴による検査媒体50上の画像を、確実に撮像部52bで記録させるようになっている。
【0045】
検査媒体50は、図9に示すように検査方法に適する材質の板状部材から構成され、当該板状部材の表面にはマトリクス状に配列された複数の検査領域50aが形成されている。当該検査領域50aは、吐出ヘッドHから吐出された液滴を立体状に凝集させるために、撥液処理が施されたものである。撥液処理としては、例えば、ガラス基板等の表面にフルオロアルキルシラン(以下、FASと略称する)化合物による皮膜層を形成する撥液処理したものを採用することができる。この他にも、液状体や検査媒体50の材質により、金チオール、フッ素樹脂加工など種々の撥液処理が可能である。
このような検査領域50aに液滴が吐出された後に、上記の撮像部52bが立体状の液滴を撮像し、画像処理部52cが当該液滴の位置を検出することで吐出精度測定が行われる。
【0046】
次に、検査媒体50に吐出された液滴の可視化原理について簡単に説明する。なお、ここでは光透過性の液状体が吐出された場合について説明する。
図10は、検査媒体50上に吐出された液滴53に検査媒体50の上方から平行光の検査光を照射した様子を示している。
液滴53は、検査媒体50上に吐出されると、検査媒体50の表面が撥液性を備えているために、表面張力によって図示のように球を上下に押しつぶしたような3次元曲面を有する立体形状に凝集する。液滴53の材質は、光透過性を有するため、空気との屈折率の差によって境界面に屈折力を備えるようになる。
もし、検査媒体50に撥液性がない場合、検査媒体50内に浸透して液滴が検査媒体50内に拡散するか、検査媒体50の表面に濡れ面を形成して不定形の薄層に広がる透明膜層を形成する。即ち、いずれの場合であっても液滴が不透明でない限り検知することはできない。
【0047】
従って、液滴53外に照射された光線R1と、液滴53の対称中心軸(光軸)を通る光線R3は、正反射して同じ光路を戻るが、光線R3以外の液滴53内を通る光線R2は、界面で屈折を繰り返して光線R4として上方に戻る。このため、液滴53の下に可視画像があれば、それがボケたりゆがんで見えたりすることになり、可視画像がない場合でも、液滴53の検査媒体50への投影面積内で光量の偏りが生じるものである。即ち、検査媒体50上を肉眼もしくは適宜の光学系を介して観察すると、液滴53の外形が投影されたエッジを有する濃淡画像が観測され、液滴53が可視化される。
撮像部52bで撮影されるのは、このような濃淡画像である。
なお、上記の説明で、検査光を平行光としたが、これは、原理説明のために単純化した例であり、平行光でなくとも同様に可視化されることは言うまでもない。
【0048】
なお、上述の吐出精度測定ユニットU3においては、撥液化された検査媒体50表面上に液滴を吐出して液滴の外形が投影されたエッジを有する濃淡画像を撮像するものであるが、他の方法を用いて液滴を撮像してもよい。
例えば、液滴に対する被侵食性の表面を有する検査媒体50を採用し、液滴吐出に伴って検査媒体50に形成される表面侵食痕を撮像してもよい。
また、液滴吐出に伴って形成された表面侵食痕を電気導電性の変化として検出する構成としてもよい。この場合、検査媒体50が、その表面に液滴に侵食される被侵食層と、被侵食層の下層に設けられた非侵食性の基体層とを備え、かつ、被侵食層と前記基体層のいずれか一方が電気導電性とされ、その他方が電気絶縁性とされる構成を有することにより、電気導電性の変化として表面侵食痕の検出が可能となる。
【0049】
(吸引・ワイプユニット)
次に、図11を参照して吸引・ワイプユニットU4の構成について説明する。
図11(a)は吸引・ワイプユニットU4と、吐出抜け検出ユニットU1と、演算部PCとの構成を示す構成図、図11(b)及び図11(c)は吸引・ワイプユニットU4の動作を説明するための説明図である。
【0050】
吸引・ワイプユニットU4は、吐出抜け検出ユニットU1による吐出抜けの検出結果に応じて、吐出ヘッドHを液滴吐出動作が可能な状態に回復させるものである。
図11(a)に示すように、吸引・ワイプユニットU4は、吸引部(吸引手段)60aと、ワイピング部(洗浄手段)60bとから構成されている。
吸引部60aは、キャップ61と吸引ポンプ62とを具備しており、キャップ61が吐出ヘッドHを被覆した際に吸引ポンプ62によって吐出ヘッドH内の気泡等を吸引するようになっている。
ワイピング部60bは、ワイパ63と駆動部64とを具備しており、ワイパ63と吐出ヘッドHのノズル形成面(吐出ヘッドのノズルが形成された部位)とを接触させた状態でワイパ63を駆動することにより、当該ノズル形成面を洗浄するようになっている。
更に、吸引・ワイプユニットU4は、演算部PCを介して吐出抜け検出ユニットU1と電気的に接続されており、吐出抜け検出ユニットU1が吐出抜けを検出した場合に、これに応じて自動的に吸引部60aとワイピング部60bとを駆動するようになっている。
【0051】
次に、吸引・ワイプユニットU4の動作について簡単に説明する。
図11(b)は、吸引部60aによって吐出ヘッドHを吸引する動作を説明する図である。
図11(b)に示すように、吐出ヘッドHのノズル形成面とキャップ61とを接続する。次に、吸引ポンプ62が吐出ヘッドHとキャップ61とで形成された空間の空気を吸引する。この空間が吸引されることで吐出ヘッドHの吐出ノズル18に存在する液体材料と、吐出ヘッドH内の気泡等が吸引される。このような吸引が行われることにより、例えば吐出抜けの原因となっていた非動作ノズルが回復する。
なお、吸引ポンプ62によって吸引される吸引量は、予め演算部PCや吸引・ワイプユニットU4に設定された値である。
【0052】
図11(c)は、ワイピング部60bによって吐出ヘッドHのノズル形成面を洗浄する動作を説明する図である。
図11(c)に示すように、ワイパ63と吐出ヘッドHのノズル形成面とを接触させる。次に、ワイパ63と吐出ヘッドHのノズル形成面とを摩擦させるようにワイパ63を駆動することにより、ノズル形成面に付着している液体材料等がワイパ63によって拭き取られる。
【0053】
(温度・湿度測定ユニット)
次に、図1へ戻り、温度・湿度測定ユニットU5の構成について説明する。
温度・湿度測定ユニットU5は、所謂温度センサと湿度センサとから構成されており、これら温度センサと湿度センサは演算部PCに電気的に接続されている。このような温度・湿度測定ユニットU5を設けることによって液滴吐出評価試験装置1内の温度及び湿度を測定することが可能となる。
【0054】
(演算部)
次に、図1及び図12を参照して演算部PCの構成について説明する。
図12は演算部PCの概略構成を示す構成図である。
【0055】
図1に示すように、演算部PCは、上述の液滴吐出評価試験装置1の各構成要素に電気的に接続されており、マイクロプロセッサ等のCPUを備えた所謂コンピュータである。当該演算部PCは、当該各構成要素の動作を制御すると共に、当該各構成要素の測定結果や及び検出結果を取り込むようになっている。
【0056】
次に、図12を参照して演算部PCの構成について説明する。
図12に示すように、演算部PCは、処理部70と、表示部71と、出力部72とから構成されている。
まず、処理部70について詳細を説明する。
処理部70は、第1記憶部(第1の記憶手段)74と、第2記憶部(第2の記憶手段)75と、判断部(判定手段)76と、制御部77と、電圧波形抽出部(抽出手段)78と、電圧波形調整部(調整手段)79と、を具備している。
第1記憶部74は、吐出ヘッドHによる液滴吐出回数の測定データ80aと、吐出抜け検出ユニットU1が検出した吐出抜けの検出データ80bと、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2が測定した液滴重量の測定データ80c及び吐出速度の測定データ80dと、吐出精度測定ユニットU3が測定した吐出精度の測定データ80eと、温度・湿度測定ユニットU5が測定した温度・湿度の測定データ80fと、処理部70(時間測定手段)が測定する液滴吐出評価試験装置1の試験時間を意味する時間データ80gとからなる第1のデータ群を記憶するものである。
第2記憶部75は、得るべき液滴吐出条件からなる第2のデータ群を記憶するものである。ここで言う「得るべき液滴吐出条件」とは、液滴吐出評価試験装置1による試験において、試験結果が良好とされる液滴吐出条件を意味する。
判断部76は、第1記憶部に記憶された第1のデータ群と、第2記憶部に記憶された第2のデータ群とを比較して、第1のデータ群が第2のデータ群の条件を満たすか否か、を判断するものである。換言すれば、判断部76が試験結果が良好であるか否かを判断する。
制御部77は、液滴吐出評価試験装置1の各構成要素の全ての動作を制御するものである。ここで言う「全ての動作」とは、吐出ヘッドHの液滴吐出動作81a、吐出ヘッド移動機構HMの駆動動作81b、吐出抜け検出ユニットU1の検出動作81c、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の測定動作81d、吐出精度測定ユニットU3の測定動作81e、吸引・ワイプユニットU4の吸引動作及びワイピング動作81fを意味する。
電圧波形抽出部78は、判断部76が第1のデータ群が第2のデータ群の条件を満たすと判断した場合に、液滴吐出の電圧波形を決定するものである。
電圧波形調整部79は、判断部76が第1のデータ群が第2のデータ群の条件を満たしていないと判断した場合に、第1のデータ群に基づいて液滴吐出の電圧波形を調整するものである。
【0057】
次に、表示部71及び出力部72について詳細を説明する。
表示部71は、処理結果を実験者に対して表示するための所謂ディスプレイやモニタである。
出力部72は、処理結果を記録媒体に記録するものであり、例えば、紙に印刷するプリンタ、処理結果をフレキシブルディスクや光磁気ディスク等の媒体に電子データとして記録するディスクドライバ、処理結果を保管するためのサーバ、LAN(Local Area Network)を介して接続された外部コンピュータ、等を意味する。
【0058】
(液滴吐出評価試験装置の動作)
次に、上述した構成を有する液滴吐出評価試験装置1の動作について、図13のフローチャート図を参照しながら説明する。
図13(a)は液滴吐出評価試験装置1の動作手順(以下、メインルーチンと称する)を示す図、図13(b)は図13(a)中の連続吐出試験の動作手順(以下、サブルーチンと称する)を示す図である。
【0059】
図13(a)に示すように、まず、評価試験結果が良好であるか否かを判断するための基準となる第2のデータ群を設定する(ステップS1)。
このような試験結果の基準となる第2のデータ群は、試験毎に入力、変更可能なデータ(値)であって、これらは演算部PC内の第2記憶部75に記憶される。
第2のデータ群の具体的な例としては、液滴重量の許容誤差を±5%以内、吐出速度の許容誤差を±5%以内、吐出精度の許容誤差をGAP300μmで±10μm以内に設定することができる。ここでいう「GAP」とは、吐出ヘッドHのノズル形成面と検査媒体50との離間距離を意味するものであり、この離間距離も適宜設定することができる。
なお、このような第2のデータ群は、液滴重量、吐出速度、及び吐出精度の条件を限定するだけでなく、吐出抜け検出回数の条件を設定してもよい。
【0060】
次に、吐出ヘッドHの圧電素子20に供給する電圧波形の仮決定を行う(ステップS2)。
以下に、図14から図16を参照して、電圧波形の仮決定について具体的に説明する。
図14は吐出ヘッドHが有する吐出速度の固有周期Tを示す図、図15は液体材料の粘度別の固有周期T及び期間Pの値の一例を示す図、図16は期間Pを基にして決定された電圧波形を示す図である。
【0061】
まず、図14に示すように吐出ヘッドHが有する吐出速度の固有周期Tを試験前に予め測定する。この固有周期Tは、先述の図3に示した期間t2〜t3(μs)の変化に伴う吐出速度の変化の周期tα〜tβを意味している。次に、固有周期Tの0.8〜1.2の比率を有する期間Pを算出する。なお、この比率0.8〜1.2は、吐出ヘッドHにおいて、液滴吐出動作のヘッド個体差、ノズル間バラツキ、飛行安定性、長期吐出安定性等を考慮し、工業的大量生産の品質安定性を満足させることができる範囲の比率として今回導き出したものである。
図15は、液体材料の粘度別の固有周期T及び期間Pの値の一例を示している。液体番号「001」においては、その粘度が3.5(mPa・s)、吐出速度の固有周期Tが6.9(μs)、安定吐出の条件となる期間Pが5.5(μs)であった。これから比率P/Tを求めると0.8が算出される。同様に、液体番号「002」においては、粘度が11.4(mPa・s)、固有周期Tが7.1(μs)、期間Pが6.4(μs)、比率P/Tは0.9と算出されたことを示している。
【0062】
次に、図16に示すように、期間t1〜t2の中間時点t12から、期間t3〜t4の中間時点t34までの期間Pとして、上述の液体番号「001」で算出された5.5(μs)が設定される。
次に、期間Pに準じて期間t1〜t4が順次設定されることにより、液滴吐出評価試験装置1における電圧波形の仮決定が終了となる。
【0063】
上述した電圧波形仮決定においては、電圧波形を吐出ヘッドHの固有周期Tに従って設定することで、液滴吐出動作の振動を効率的に吐出ヘッドHの空間15に伝えることが可能となり、設定すべき電圧波形の設定又はその近似、絞込みのための作業を容易に行うことができる。
【0064】
次に、図13(a)に戻り、上述で決定された電圧波形による液滴吐出を規定回数繰り返す連続吐出試験を行う(ステップS3)。
ここで、規定回数とは、演算部PCに予め設定された設定値であり、その具体的な回数は10万回〜数億回である。なお、本実施形態においては、規定回数を満たすまで連続吐出試験を行っているが、規定回数を設定することに限らずに規定時間を満たすまで連続吐出試験を行ってもよい。
【0065】
このようなステップS3においては、まず、演算部PCが吐出ヘッド移動機構HMの駆動動作81bを制御することにより、吐出ヘッド移動機構HMが吐出ヘッドHを試験領域A1に移動し、当該吐出ヘッドHが吐出抜け検出ユニットU1上に配置される。
次に、図13(b)に示すサブルーチンに基づいて連続吐出試験を行う。従って、演算部PCが吐出ヘッドHの液滴吐出動作81aを制御することにより、圧電素子20が振動し、空間15が膨張・収縮し、ノズル18から液滴を吐出する。更に、これと同時に、液滴吐出回数のカウントを行う(ステップSA1)。ここで、液滴吐出回数は、測定データ80aとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
【0066】
更に、吐出抜け検出を行う(ステップSA2)。
従って、演算部PCが吐出抜け検出ユニットU1の検出動作81cを制御することにより、投光部31から受光部32に向けて検出光を射出し、当該検出光の光路を液滴が通過するか否かによって、液滴が正常に吐出されているか否かを検出する。
ここで、吐出抜け検出の結果、吐出抜けがない場合(NOの場合)には、演算部PCは、これまでの液滴吐出の繰り返し回数が規定回数を満たしているか否か、を判断する(ステップSA3)。また、吐出抜けがある場合(YESの場合)には、吐出ヘッドHのクリーニングを行う(ステップSA4)。また、吐出抜けが生じた回数は、検出データ80bとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
【0067】
ステップSA3において、液滴吐出回数が規定回数を満たしていない場合(NOの場合)には、ステップSA1に戻り、液滴吐出動作と液滴吐出回数のカウントとを行う。また、液滴吐出の繰り返し回数が規定回数を満たしている場合(YESの場合)には、連続吐出試験(メインルーチンのステップS3)が終了となる。
【0068】
ステップSA4においては、まず、演算部PCが吸引・ワイプユニットU4の回復動作81fを制御することにより、吸引部60aが吐出ヘッドHを吸引し、ワイピング部60bが吐出ヘッドHのノズル形成面を洗浄する。即ち、吐出ヘッドHは液滴吐出動作が可能な状態に回復される。
【0069】
上述した連続吐出試験においては、吐出抜け検出ユニットU1による吐出抜けの検出と、吸引・ワイプユニットU4による吐出ヘッドHの回復とを行うので、吐出抜けが生じた場合であっても規定回数が満たすまで自動的に液滴吐出を行うことが可能となる。
【0070】
次に、図13(a)に戻り、液滴の重量と、吐出速度を測定する(ステップS4)。
このようなステップS4においては、まず、演算部PCが吐出ヘッド移動機構HMの駆動動作81bを制御することにより、吐出ヘッド移動機構HMが吐出ヘッドHを試験領域A2に移動し、当該吐出ヘッドHが液滴重量・吐出速度測定ユニットU2上に配置される。
次に、演算部PCが吐出ヘッドHの液滴吐出動作81aと、液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の駆動動作81cを制御することにより、吐出ヘッドHのノズル18から液滴が吐出され、当該液滴は液滴重量・吐出速度測定ユニットU2の反応部分48に着弾する。ここで、水晶発振子41の共振周波数の変化量が測定され、これを液滴重量及び吐出速度の測定データ80c、80dとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
【0071】
上述した液滴重量・吐出速度測定においては、水晶発振子による測定を行うことができるので、高精度の液滴重量及び吐出速度を測定することが可能となる。
【0072】
次に、吐出精度を測定する(ステップS5)。
このようなステップS5においては、まず、演算部PCが吐出ヘッド移動機構HMの駆動動作81bを制御することにより、吐出ヘッド移動機構HMが吐出ヘッドHを試験領域A3に移動し、当該吐出ヘッドHが吐出精度測定ユニットU3上に配置される。
次に、演算部PCが吐出ヘッドHの液滴吐出動作81aと、吐出精度測定ユニットU3の駆動動作81dを制御することにより、吐出ヘッドHのノズル18から液滴が吐出され、吐出精度測定ユニットU3の検査媒体50、詳しくは検査領域50aに着弾する。なお、検査領域50aに吐出され液滴は、単数でも複数でもよい。この検査媒体50は、検査媒体搬送部51によって画像検知部52に搬送され、次に撮像部52bによって検査媒体50上の液滴が画像データとして撮像され、当該画像データは画像処理部52cによって解析される。このように解析されることにより測定された吐出精度は、測定データ80eとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
【0073】
更に、このような一連の連続吐出試験、液滴重量・吐出速度測定、吐出精度測定が行われている間には、温度・湿度測定ユニットU5によって試験中の温度及び湿度が測定され、当該測定結果は測定データ80fとして演算部PCの第1記憶部74に記憶される。
また、第1記憶部74は試験の時間経過を測定することにより得られた時間データ80gも記憶する。
従って、第1記憶部74には、液滴吐出回数の測定データ80a、吐出抜けの検出データ80bと、液滴重量・吐出速度の測定データ80c、80dと、吐出精度の測定データ80eと、温度・湿度の測定データ80fと、時間データ80gとからなる第1のデータ群が記憶されている。
【0074】
次に、上述の連続吐出試験、液滴重量・吐出速度測定、吐出精度測定の繰り返し回数が規定回数を満たしているか否か、を判断する(ステップS6)。
ここで、繰り返し回数が規定回数を満たしていない場合(NOの場合)には、ステップS3に戻り、連続吐出試験、液滴重量・吐出速度測定、吐出精度測定が再度行われる。また、繰り返し回数が規定回数を満たしている場合(YESの場合)には、評価試験結果が良好であるか否か、即ち、試験結果が基準をクリアしているか否か、を判断する(ステップS7)。
【0075】
このようなステップS7においては、第2記憶部に設定された第2のデータ群と、第1記憶部74に記憶された第1のデータ群とが、演算部PC内の判断部76によって比較判断される。
ここで、第1のデータ群が第2のデータ群を満たす場合(YESの場合)には、電圧波形抽出部78によって、液滴吐出の電圧波形が決定され、液滴吐出評価試験装置1の評価が終了となる。
また、第1のデータ群が第2のデータ群を満たさない場合(NOの場合)には、電圧波形調整を行う(ステップS8)。
【0076】
このようなステップS8においては、第1のデータ群を基にして演算部PC内の電圧波形調整部79が電圧波形を調整する。
具体的には、図15に示したP/T比率を適宜0.8〜1.2の間で変化させて再設定することで電圧波形を生成する(電圧波形の仮決定、ステップS2)。
このように電圧波形を決定した後には、上述したフローチャートに基づき、再度液滴吐出評価試験を行う。
【0077】
なお、このような電圧波形の調整は、P/T比率の変更だけでなく、他の調整方法によって行ってもよい。例えば、最初に仮決定した電圧波形(図3参照)を基に、空間15を最大に膨張させる電位V2と、空間15を最大に収縮させる電位V3との間にある基準電位V1を適宜上下に変化させ、電圧波形を変形させて、新たな電圧波形を生成してもよい。
このようにすれば、P/T比率を変えることなく、V1−V2またはV1−V3の電位差を変えた電圧波形を生成することができ、吐出ヘッドHの空間15の膨張及び収縮の強度を変えた電圧波形の設定に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出評価試験装置の構成を示す構成図。
【図2】吐出ヘッドの構造を説明するための斜視図及び断面図。
【図3】圧電素子に供給される電圧波形を説明するための図。
【図4】吐出抜け検出ユニットを示す概略斜視図、及び要部の模式図。
【図5】吐出抜け検出ユニットを示す別の概略斜視図、及び要部の平面図。
【図6】液滴重量・吐出速度測定ユニットの構成図及び要部の断面図。
【図7】液滴重量・吐出速度測定ユニットの別の構成図。
【図8】吐出精度測定ユニットの概略構成を示す斜視図。
【図9】検査媒体を示す斜視図。
【図10】液滴の可視化原理を説明するための模式説明図。
【図11】吸引・ワイプユニットの構成図、及び動作説明図。
【図12】演算部の構成図。
【図13】液滴吐出評価試験装置の動作を示すフローチャート図。
【図14】吐出ヘッドの吐出速度の固有周期Tを説明するための説明図。
【図15】液体材料の粘度別の固有周期T、及び期間Pの値の一例を示す図。
【図16】期間Pを基にして決定された電圧波形を示す図。
【符号の説明】
1…液滴吐出評価試験装置、15…空間(液体充填部)、18…ノズル、20…圧電素子(吐出手段)、31…投光部、32…受光部、41…水晶発振子、43…周波数カウンタ(測定器)、50…検査媒体、52a…光源部(光源)、52b…撮像部(位置検知手段)、60a…吸引部(吸引手段)、60b…ワイピング部(洗浄手段)、70…処理部(時間測定手段)、74…第1記憶部(第1の記憶手段)、75…第2記憶部(第2の記憶手段)、76…判定部(判定手段)、78…電圧波形抽出部(抽出手段)、79…電圧波形調整部(調整手段)、80a、80c、80d、80e、80f…測定データ(測定結果)、80b…検出データ(検出結果)、80g…時間データ(測定結果)、H…吐出ヘッド、HM…吐出ヘッド移動機構(移動手段)、U1…吐出抜け検出ユニット(吐出抜け検出手段)、U2…液滴重量・吐出速度測定ユニット(液滴重量測定手段、吐出速度測定手段)、U3…吐出精度測定ユニット(吐出精度測定手段)、U4…吸引・ワイプユニット(回復手段)、U5…温度・湿度測定ユニット(温度測定手段、湿度測定手段)、A1…試験領域(第1の試験領域)、A2…試験領域(第2の試験領域)、A3…試験領域(第3の試験領域)
Claims (11)
- ノズルに連通する液体充填部と、駆動信号の電圧波形に応じて前記液体充填部内の液体を液滴として吐出する吐出手段と、を具備する吐出ヘッドの液滴吐出動作を評価する試験装置であって、
前記液滴の重量を測定する液滴重量測定手段と、
前記液滴の速度を測定する吐出速度測定手段と、
前記液滴の着弾精度を測定する吐出精度測定手段と、
前記液滴の非吐出を検出する吐出抜け検出手段と、
を具備することを特徴とする液滴吐出評価試験装置。 - 前記吐出抜け検出手段は、検出光を射出する投光部と、当該投光部から射出された前記検出光を受光可能な受光部とを具備し、
前記受光部は、前記検出光の光路上を前記液滴が通過することによる前記検出光の当該受光部での受光量の変化に基づいて、前記ノズルから前記液滴が吐出されているかどうかを判別することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出評価試験装置。 - 前記吐出抜け検出手段は、当該吐出抜け検出手段の検出結果に応じて、前記吐出ヘッドを液滴吐出動作が可能な状態に回復させる回復手段を具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出評価試験装置。
- 前記回復手段は、前記吐出ヘッドの前記ノズルを介して前記液体充填部内の液体を吸引する吸引手段と、前記吐出ヘッドの前記ノズルが形成された部位を洗浄する洗浄手段と、を具備することを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出評価試験装置。
- 前記液滴重量測定手段は、水晶発振子と、当該水晶発振子の共振周波数の変化に基づいて液滴の重量を測定する測定器と、を具備することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出評価試験装置。
- 前記吐出速度測定手段は、水晶発振子と、当該水晶発振子の共振周波数の変化に基づいて液滴の速度を測定する測定器とを具備することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出評価試験装置。
- 前記吐出精度測定手段は、吐出ヘッドから吐出された液滴を着弾させるための、前記液滴に対する撥液性の表面を有する検査媒体と、当該検査媒体に前記液滴の着弾を検出するための検出光を照射する光源と、当該光源の反射光を検出して、前記液滴の着弾位置を検知する位置検知手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出評価試験装置。
- 前記吐出抜け検出手段を有する第1の試験領域と、
前記液滴重量測定手段と、前記吐出速度測定手段とを有する第2の試験領域と、
前記吐出精度測定手段を有する第3の試験領域と、
前記第1の試験領域と、前記第2の試験領域と、前記第3の試験領域とに対して、前記吐出ヘッドを相対移動させる移動手段と、
を具備することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の液滴吐出評価試験装置。 - 前記吐出ヘッドの液滴吐出動作雰囲気の温度を測定する温度測定手段と、
前記吐出ヘッドの液滴吐出動作雰囲気の湿度を測定する湿度測定手段と、
試験時間を測定する時間測定手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出評価試験装置。 - 前記液滴重量測定手段の測定結果と、前記吐出速度測定手段の測定結果と、前記吐出精度測定手段の測定結果と、前記吐出抜け検出手段の検出結果と、前記温度測定手段の測定結果と、前記湿度測定手段の測定結果と、前記時間測定手段の測定結果と、からなる第1のデータ群を記憶する第1の記憶手段と、
得るべき液滴吐出条件からなる第2のデータ群を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1のデータ群が前記第2のデータ群を満たすか否かを判定する判定手段と、
を具備することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の液滴吐出評価試験装置。 - 前記判定手段の判定結果が肯定的である場合に前記第1のデータ群における電圧波形を抽出する抽出手段と、
前記判定手段の判定結果が否定的である場合に前記第1のデータ群における電圧波形を当該第1のデータ群に基づいて調整する調整手段と、
を具備することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の液滴吐出評価試験装置。
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