JP2004338421A - 車体構造 - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】キャビン部を車台フレームに対して相対移動可能とすることができて、衝突時の乗員の安全性と車体の強度との両立を効率良く確保することができる車体構造の提供を図る。
【解決手段】車輪およびパワートレーンユニットを搭載する車台フレーム10と、乗員の居住空間であるキャビン部20と、を分離してそれぞれを独立構造とし、キャビン部20を車台フレーム10に対して変位機構30を介して相対移動可能に連結することにより、衝突時にキャビン部は車台フレームに対して変位機構を介して相対移動するため、衝突時の衝撃がキャビン部に伝播されるのを緩和でき、また、キャビン部20および車台フレーム10の強度を高めることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体構造に関し、とりわけ、車体の強度確保と乗員の保護性との両立を図る車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車体構造としては軽合金押出し材を主要骨格部材に用いたものがあり、これによって車体の軽量化と保護性の向上との両立を狙うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−202268号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車体構造にあっては、軽量かつ高強度である軽合金押出し材を主要骨格部材に適用することで、高強度かつ軽量な車体構造を具現化できるが、近年においては、より高い衝撃エネルギーの吸収能力が要求されるコンパティビリティ(両立性)の問題が顕在し、生体工学的に耐性に劣る高齢者の増加に見られるように、車両に対して更なる保護性の向上が望まれている。
【0005】
そこで、本発明はキャビン部を車台フレームに対して相対移動可能とすることができて、衝突時の乗員の保護性と車体の強度との両立を効率良く確保することができる車体構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、車輪およびパワートレーンユニットを搭載する車台フレームと、乗員の居住空間であるキャビン部と、を分離してそれぞれを独立構造とし、キャビン部と車台フレームとを変位機構を介して衝撃荷重に対して相対移動可能に連結したことを特徴としている。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、衝突時に車台フレームに衝突荷重が入力した場合に、キャビン部はこの車台フレームに対して変位機構を介して相対移動するため、衝突時の衝撃が居住空間であるキャビン部に伝播されるのを効果的に緩和できるとともに、このようにキャビン部と車台フレームとの相対移動が可能であるためこれらキャビン部および車台フレームを強度を高めて構成することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0009】
図1〜図11は本発明にかかる車体構造の第1実施形態を示し、図1は車体全体の分解斜視図、図2は車台フレームにおける前後方向入力に対する強度分布図、図3は図1中A−A線に沿った拡大断面図、図4は図1中B部の拡大斜視図、図5は図1中C−C線に沿った拡大断面図、図6は図1中の矢視D方向から見た要部拡大図、図7は前面衝突時における変位機構の挙動説明図、図8は側面衝突時における変位機構の挙動説明図、図9は本実施形態を模擬した仕様と従来の車体構造の前面衝突シミュレーション結果における剛壁反力と時間の関係を示す説明図、図10は本実施形態を模擬した仕様と従来の車体構造の前面衝突シミュレーション結果におけるキャビン減速度と時間の関係を示す説明図、図11は本実施形態を模擬した仕様と従来の車体構造についての側面衝突シミュレーション結果においてキャビン変形量を一定にするために要求される車体強度を比較した説明図である。
【0010】
この実施形態の車体構造は図1に示すように、車輪およびパワートレーンユニットを搭載する車台フレーム10と、乗員の居住空間であるキャビン部20と、を分離してそれぞれを独立構造とし、キャビン部20と車台フレーム10とを変位機構30を介して衝撃荷重に対して相対移動可能に連結してある。
【0011】
変位機構30の1つは、前面衝突時または後面衝突時に、その衝突側でキャビン部20を車台フレーム10に対して上方に移動させるとともに、非衝突側でキャビン部20の浮き上がりを拘束するキャビン部前後移動機構31である。
【0012】
このキャビン部前後移動機構31は、後述の前方・後方キックアップ部12A,12B、ボルト33、係合部材50A,50B等によって構成される。
【0013】
また、変位機構30の1つは、側面衝突時にその入力荷重がキャビン部20に集中して作用した場合に、キャビン部20を車台フレーム10に対して非衝突側に変位させるキャビン部横移動機構32である。
【0014】
このキャビン部横移動機構32は、後述のボルト33、姿勢安定機構40等によって構成される。
【0015】
車台フレーム10は、キャビン部20の下方に位置するフロア部11と、このフロア部11の車両前方および車両後方に傾斜面12を形成する前方・後方キックアップ部12A,12Bと、前方キックアップ部12Aの車両前方に設けたフロントエンド部13Aおよび後方キックアップ部12Bの車両後方に設けたリアエンド部13Bと、を備えている。
【0016】
このとき、車両前方および車両後方からの入力に対する剛性・強度のバランスを、図2に示すようにフロントエンド部13Aとリアエンド部13Bとを略等しくする一方、前方・後方キックアップ部12A,12Bとフロア部11とを略等しくし、かつ、前者のフロントエンド部13Aおよびリアエンド部13Bよりも後者の前方・後方キックアップ部12A,12Bおよびフロア部11を大きく設定してある。
【0017】
つまり、これら骨格部材の剛性・強度のバランスを式で表すと、フロントエンド部13A≒リアエンド部13B<前方・後方キックアップ部12A,12B≒フロア部11となる。
【0018】
また、前記フロア部11は、前方・後方キックアップ部12A,12Bから連続して車幅方向両側端部に前後方向に延在した左・右サイドフレーム14A,14Bと、前方・後方キックアップ部12A,12Bとフロア部11との境界部分に設けられて左・右サイドフレーム14A,14Bを連結した前方・後方クロスフレーム15A,15Bと、前方・後方クロスフレーム15A,15Bと左・右サイドフレーム14A,14Bとの結合部分に連結されて前後方向に延在し、車幅方向中央部の間隔が幅狭となるように配置された左・右センターフレーム16A,16Bと、これら左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭となる前後方向中央部分を車幅方向に連結した中央クロスフレーム15Cと、を備えている。
【0019】
左・右センターフレーム16A,16Bは、平面視で中央クロスフレーム15Cが連結する幅狭部分Nで前後方向に延在する所定区間Kを設けた台形状を成しており、この幅狭の所定区間Kで変位機構30の1つを構成している。
【0020】
また、フロントエンド部13Aの前端にフロントクロスメンバ17Aを結合し、リアエンド部13Bの後端にリアクロスメンバ17Bを結合してある。
【0021】
キャビン部20は、その下部を平坦に形成してその下部骨格を、車幅方向両側端部に前後方向に延在した左・右側端部骨格部材21A,21Bと、前記下部平坦部の前端部・前後方向中央部分・後端部で前記左・右側端部骨格部材21A,21Bを車幅方向にそれぞれ連結した前方・中央部・後方車幅方向骨格部材22A,22B,22Cと、これら車幅方向骨格部材の上面から下面の間に水平方向に設けたフロアパネル23と、を備えている。
【0022】
前記左・右側端部骨格部材21A,21Bの前端部にフロントピラー24Aを、前後中央部にセンターピラー24Bを、後端部にリアピラー24Cをそれぞれ立ち上げてあり、それぞれの上端部はルーフサイドレール25に結合してある。
【0023】
また、左・右のフロントピラー24Aの中間部に跨ってダッシュクロスメンバ26を連結し、このダッシュクロスメンバ26と前方車幅方向骨格部材22Aとの間をダッシュパネル26aで覆ってある。
【0024】
更に、ルーフサイドレール25の前端部間および後端部間をそれぞれルーフクロスメンバ25a,25bで連結するとともに、リアピラー24Cの中間部間をリアクロスメンバ27で連結してあり、このリアクロスメンバ27と後方車幅方向骨格部材22Cとの間をエンドパネル27aで覆ってある。
【0025】
また、図3に示すように、キャビン部20と車台フレーム10とを、所定以上の荷重入力で剪断破断するボルト33を介して締結・結合し、このボルト33を前記変位機構30の1つとして用いるようにしている。
【0026】
前記ボルト33による車台フレーム10の締結部位は、左・右サイドフレーム14A,14Bとなっており、また、ボルト33によるキャビン部20の締結部位は、左・右側端部骨格部材21A,21Bと中央部車幅方向骨格部材22Bとの結合部分の近傍となる中央部車幅方向骨格部材22Bに設定してあり、左・右側端部骨格部材21A,21Bと中央部車幅方向骨格部材22Bとの結合部分から前記センターピラー24Bを立ち上げてある。
【0027】
前記ボルト33は、キャビン部20の前記中央部車幅方向骨格部材22Bおよび車台フレーム10の前記左・右側端部骨格部材21A,21Bにそれぞれ固定されて、互いに同軸方向に近接配置した上・下筒部材34A,34Bに略密接して貫通配置してある。
【0028】
車台フレーム10とキャビン部20との間には、図1に示すように、左・右サイドフレーム14A,14Bの前後端部の四箇所に位置して姿勢安定機構40を介在してある。
【0029】
これら姿勢安定機構40は、車台フレーム10およびキャビン部20を構成する素材よりも弾性率が低い物質、例えば合成樹脂で形成してあり、それぞれを車台フレーム10に接着剤によって接合してある。
【0030】
また、キャビン部20の下部骨格、つまり、この実施形態では前方車幅方向骨格部材22Aおよび後方車幅方向骨格部材22Cの車幅方向中央部には、キャビン部20の前後方向への移動時に左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分N間の下面に摺動自在に係合する前方および後方の係合部材50A,50Bを垂設してあり、これら係合部材50A,50Bによって変位機構30の1つを構成している。
【0031】
係合部材50A,50Bは、例えば係合部材50Bに例をとって図4に示すと、下部骨格である前記前方車幅方向骨格部材22Aおよび後方車幅方向骨格部材22Cに取り付ける保持腕51と、この保持腕51の下端部に結合されて車幅方向に延在し、図5に示すように、その車幅方向長さW1を左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分N間の間隔W2よりも長く形成して、これら左・右センターフレーム16A,16Bの下側に配置した水平部52と、によって略T字状に形成してある。
【0032】
保持腕51は、図4に示すように車台フレーム10の中央クロスフレーム15Cに対向する側を略垂直となる垂直壁51aとして形成するとともに、この垂直壁51aとは反対側を上方に向かってこの垂直壁51aから離れる方向に傾斜する傾斜部51bとして形成してある。
【0033】
また、前記保持腕51の垂直壁51aには、この保持腕51がフロア部11の前方・後方クロスフレーム15A,15Bに干渉した際に、保持腕51の圧潰を促進する脆弱部53を設けてある。
【0034】
脆弱部53は、この実施形態では前記垂直壁51aに車幅方向に延びる上下二段の凹設溝53aによって形成してある。
【0035】
更に、前記左・右センターフレーム16A,16B間には、前記係合部材50A,50Bよりも前後方向中央側に易変形物41を配置してある。
【0036】
易変形物41は、車台フレーム10およびキャビン部20を構成するフレーム部材および骨格部材や係合部材50A,50Bを構成する部材よりも変形強度が低い部材であり、この実施形態では発泡金属によって形成される。
【0037】
また、この実施形態では前記易変形物41の外側面を、変形可能なカバー42によって覆ってある。
【0038】
一方、図7に示すように左・右サイドフレーム14A,14Bの断面高さh1を左・右センターフレーム16A,16Bの断面高さh2よりも大きくするとともに、左・右サイドフレーム14A,14Bと左・右センターフレーム16A,16Bの上面高さ位置を略等しくし、係合部材50A,50Bの下端位置、つまり、水平部52の下端位置を左・右サイドフレーム14A,14Bの下面よりも上方に配置してある。
【0039】
ところで、この第1実施形態では車台フレーム10および/またはキャビン部20を構成するフレーム部材および骨格部材は、矩形状若しくは多角形状の閉断面を成す中空部材で構成してある。
【0040】
以上の構成によりこの第1実施形態の車体構造にあっては、車台フレーム10とキャビン部20とを分離してそれぞれを独立構造とし、キャビン部20を車台フレーム10に対して変位機構30を介して相対移動可能に連結したので、衝突時に車台フレーム10に衝突荷重が入力した場合に、キャビン部20はこの車台フレーム10に対して変位機構30を介して相対移動するため、衝突時の衝撃が居住空間であるキャビン部20に伝播されるのを効果的に緩和することができる。
【0041】
そして、このようにキャビン部20と車台フレーム10との相対移動が可能であるため、これらキャビン部20および車台フレーム10を強度を高めて構成することができ、ひいては、衝突時の乗員の保護性と車体の強度との両立を効率良く確保することができる。
【0042】
ところで、この第1実施形態では前記作用効果に加えて、変位機構30は、前面衝突時または後面衝突時、その衝突側でキャビン部20を車台フレーム10に対して上方に移動させるとともに、非衝突側でキャビン部20の浮き上がりを拘束するキャビン部前後移動機構31であるので、前面および後面からの衝突時、例えば、図7に示すように前面衝突時に、キャビン部20を車台フレーム10に対して破線位置から実線位置へと衝突側に相対移動させて、衝突物に対してキャビン部20の衝突方向部分が上方に逃げる挙動を確実に確保できるため、衝突荷重がキャビン部20に直接入力するのを回避し、ひいては、乗員への影響を低減することができる。
【0043】
また、変位機構30は、側面衝突時にその入力荷重がキャビン部20に集中して作用した場合に、キャビン部20を車台フレーム10に対して非衝突側に変位させるキャビン部横移動機構32であるので、側面衝突時に移動する部分がキャビン部20のみであるため、その慣性質量を減少してキャビン部20における衝突部位の変形による浸入をより合理的に抑制することができる。
【0044】
更に、車台フレーム10を、フロア部11と、前方・後方キックアップ部12A,12Bと、フロントエンド部13Aおよびリアエンド部13Bと、を備えていて、車両前方および車両後方からの入力に対する剛性・強度のバランスを、フロントエンド部13A≒リアエンド部13B<前方・後方キックアップ部12A,12B≒フロア部11としたので、前面衝突時または後面衝突時に、フロントエンド部13Aおよび後方キックアップ部12Bで被衝突物を受け止めることができるため、衝突時の車台フレーム10の変形をこれらフロントエンド部13Aおよび後方キックアップ部12Bに止めることができる。
【0045】
また、フロア部11は、左・右サイドフレーム14A,14Bと、前方・後方クロスフレーム15A,15Bと、左・右センターフレーム16A,16Bと、中央クロスフレーム15Cと、を備えているので、フロントエンド部13Aおよび後方キックアップ部12Bに作用する衝突荷重は、前方・後方キックアップ部12A,12Bから左・右サイドフレーム14A,14Bと、左・右センターフレーム16A,16Bと、前方・後方クロスフレーム15A,15Bと、に伝達して車台フレーム10全体で衝突荷重を支持することができ、車台フレーム10の前方および後方からの入力に対する前記剛性・強度バランスを容易に設定することができる。
【0046】
一方、キャビン部20は、その下部を平坦に形成してその下部骨格を、左・右側端部骨格部材21A,21Bと、前方・中央部・後方車幅方向骨格部材22A,22B,22Cと、フロアパネル23と、を備えているので、通常使用時や衝突時においてキャビン部20の下部に作用する入力に対する同部位の強度を充分に確保することができる。
【0047】
また、変位機構30は、キャビン部20と車台フレーム10とを締結・結合し、所定以上の荷重入力で剪断破断するボルト33を備えているので、前面衝突時や後面衝突時に車台フレーム10に衝突荷重が入力した際に、キャビン部20に作用する慣性力により前記ボルト33を剪断破断して、車台フレーム10に作用した衝撃がキャビン部20に伝播されるのを緩和することができる。
【0048】
更に、前記ボルト33は、キャビン部20および車台フレーム10にそれぞれ固定されて、互いに同軸方向に近接配置した上・下筒部材34A,34Bに略密接して貫通配置したので、前面衝突や後面衝突によって衝突荷重が車台フレーム10に入力した場合、若しくは側面衝突によって衝突荷重がキャビン部20に集中して入力した場合に、上・下筒部材34A,34Bを同軸方向に近接配置してあるため、これら上・下筒部材34A,34B間でボルト33に大きな剪断力を作用させて、ボルト33の破断により衝突エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0049】
更にまた、前記ボルト33によるキャビン部20の締結部位は、左・右側端部骨格部材21A,21Bと中央部車幅方向骨格部材22Bとの結合部分の近傍となる中央部車幅方向骨格部材22Bに設定してあり、左・右側端部骨格部材21A,21Bと中央部車幅方向骨格部材22Bとの結合部分からセンターピラー24Bを立ち上げたので、特に、側面衝突時にキャビン部20に衝突荷重が集中して入力した場合に、キャビン部20の側面への入力をセンターピラー24Bで受け止めるとともに、その荷重を左・右側端部骨格部材21A,21Bおよび中央部車幅方向骨格部材22Bに効率良く伝達することができ、その結果、前記ボルト33により確実に剪断力を作用させることができる。
【0050】
また、変位機構30は、キャビン部20の下部骨格である前方・後方クロスフレーム15A,15Bから垂設されて、前後方向中央部方向への移動時に左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分N間の下面に摺動自在に係合する係合部材50A,50Bを備えているので、図7に示したように、前面衝突時や後面衝突時に車台フレーム10に衝突荷重が入力してキャビン部20と相対移動した際に、非衝突側の係合部材50A,50Bが前記幅狭部分Nに係合して、キャビン部20の非衝突側が浮き上がるのを避けることができる。
【0051】
尚、キャビン部20の衝突側は係合部材50A,50Bが幅狭部分Nに係合しないため、キャビン部20は衝突側の前方・後方キックアップ部12A,12Bに沿って競り上がるように移動することになる。
【0052】
更に、キャビン部20の相対移動量が大きい場合は、非衝突側の係合部材50A,50Bが中央クロスフレーム15Cに係止して、キャビン部20の移動を最終的に抑えることができる。
【0053】
また、側面衝突時には、衝突荷重が車両下部に作用する場合はサイドフレーム14A,14Bで荷重を受け止めた後、前方・後方クロスフレーム15A,15Bおよび左・右センターフレーム16A,16Bに荷重を伝達・分散し、車台フレーム10全体で衝突荷重を受け止めることができる。
【0054】
一方、車両に対して高い位置、つまりキャビン部20に衝突荷重が集中して入力する場合は、前記ボルト33が剪断破断して図8に示すようにキャビン部20が車台フレーム10に対して非衝突側に相対移動する。
【0055】
この移動量は図5に示すように、係合部材50A,50Bと左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分Nとの車幅方向クリアランスCLによって規制され、側面衝突時の移動により係合部材50A,50Bが左・右センターフレーム16A,16Bの一方に干渉した時点で、キャビン部20は車台フレーム10と一体となる。
【0056】
この結果、被衝突物の速度が高い衝突初期において移動部分の慣性質量が低減することにより、図11に示すようにキャビン部20における衝突部位の変形による進入をより合理的に抑制できるとともに、後半においてはキャビン部20と車台フレーム10との分離を回避して保護性を確保することができる。
【0057】
更に、左・右センターフレーム16A,16B間には、前記係合部材50A,50Bよりも前後方向中央側に易変形物41を配置したので、前面衝突時または後面衝突時にキャビン部20が車台フレーム10に対して相対移動することに伴って、非衝突側の係合部材50A,50Bが左・右センターフレーム16A,16B間を移動する際に、この係合部材50A,50Bが易変形物41を圧潰若しくは剪断変形させることにより適度な抵抗力を発生させて、衝突エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0058】
また、前記易変形物41は衝突時のみに効果を発揮するのではなく、通常走行状態では易変形物41が左・右センターフレーム16A,16B間に固定されるために、易変形物41は左・右センターフレーム16A,16Bと一体の構造部材として機能して車台フレーム10の剛性を向上させることができる。
【0059】
従って、この第1実施形態の車体構造では、図9,図10に示すように、被衝突物に対する強度を確保しつつ乗員への衝撃を緩和することにより、より高い保護性を確保することができる。
【0060】
また、車台フレーム10とキャビン部20との間には、左・右サイドフレーム14A,14Bの前後端部の四箇所に位置して姿勢安定機構40を介在したので、通常使用時に車台フレーム10とキャビン部20との間のクリアランスを吸収し、これら車台フレーム10とキャビン部20を所定の姿勢に維持することができる。
【0061】
更に、前記姿勢安定機構40を、車台フレーム10およびキャビン部20を構成する素材よりも弾性率が低い物質、例えば合成樹脂で形成したので、通常走行時に車台フレーム10側からの振動を姿勢安定機構40が吸収して、居住空間であるキャビン部20の静粛性を確保することができる。
【0062】
更に、前記左・右センターフレーム16A,16Bは、平面視で中央クロスフレーム15Cが連結する幅狭部分Nで前後方向に延在する所定区間Kを設けた台形状を成しているので、前面衝突時や後面衝突時に係合部材50A,50Bが前記幅狭部分Nを移動する際の車幅方向の挙動をより安定させることができる。
【0063】
ところで、前記係合部材50A,50Bは、キャビン部20の下部骨格に取り付ける保持腕51と、この保持腕51の下端部に結合されて車幅方向に延在し、その車幅方向長さW1を左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分N間の間隔W2よりも長く形成して、これら左・右センターフレーム16A,16Bの下側に配置した水平部52と、によって略T字状に形成したので、保持腕51が前記幅狭部分Nの通過部分となり、水平部52がキャビン部20の浮き上がりを阻止する係止部となり、係合部材50A,50Bの構造を簡単に、かつ、確実に係止機能を発揮することができる。
【0064】
また、保持腕51は、車台フレーム10の中央クロスフレーム15Cに対向する側を略垂直となる垂直壁51aとして形成するとともに、この垂直壁51aとは反対側を上方に向かってこの垂直壁51aから離れる方向に傾斜する傾斜部51bとして形成したので、保持腕51はキャビン部20の下部骨格に取り付く上端部に向かって強度を高めることができるため、水平部52に前後方向荷重が作用した際に保持腕51の上端部に作用するモーメントをより合理的に支持することができる。
【0065】
また、保持腕51は中央クロスフレーム15Cに対向する側、つまり、前記易変形物41を配置した側が垂直壁51aとなっているので、係合部材50A,50Bの移動力を垂直壁51aによって易変形物41に確実に伝達して、この易変形物41を効率良く圧潰若しくは剪断変形させて、衝突エネルギーを吸収することができる。
【0066】
更に、前記垂直壁51aに、保持腕51の圧潰を促進する脆弱部53を設けたので、前面衝突時または後面衝突時にキャビン部20が車台フレーム10に対して相対移動することに伴って、保持腕51がフロア部11の前方・後方クロスフレーム15A,15Bに干渉した際に、前記脆弱部53を基点として保持腕51が圧潰変形することにより、キャビン部20の相対移動に対して極度の抵抗力の高まりを抑制しつつ、その移動を継続させることができる。
【0067】
ところで、この実施形態では係合部材50A,50Bの移動によって抵抗力を発生する手段として易変形物41を用いたが、これに限ることなく係合部材50A,50Bの保持腕51の車幅方向の幅を、左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分Nの間隔よりも広くし、かつ、この保持腕51の取り付け部分を含めた強度を左・右センターフレーム16A,16Bよりも高くすることができる。
【0068】
この場合は、係合部材50A,50Bが左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分Nを移動する際に、保持腕51が左・右センターフレーム16A,16Bを車幅方向外方に押し広げつつ通過し、このときの左・右センターフレーム16A,16Bの変形により前記易変形物41と同様に抵抗力を発生させて、衝突エネルギーを吸収することができる。
【0069】
また、左・右サイドフレーム14A,14Bの断面高さh1を左・右センターフレーム16A,16Bの断面高さh2よりも大きくするとともに、左・右サイドフレーム14A,14Bと左・右センターフレーム16A,16Bの上面高さ位置を略等しくし、係合部材50A,50Bの下端位置を左・右サイドフレーム14A,14Bの下面よりも上方に配置したので、車両を側面から見た場合に、係合部材50A,50Bの下端位置を左・右サイドフレーム14A,14Bの側方投影面内に納めることができるため、外観を向上させることができる。
【0070】
また、車台フレーム10および/またはキャビン部20を構成するフレーム部材および骨格部材を、矩形状若しくは多角形状の閉断面を成す中空部材で構成したので、部材毎の強度をより合理的に設定・確保することができる。
【0071】
ところで、この第1実施形態では車台フレーム10および/またはキャビン部20を構成するフレーム部材および骨格部材は、前記矩形状若しくは多角形状の閉断面を成す中空部材に限ることなく、スチール若しくはアルミ等のパネル部材をプレス成形して接合したプレス成形部材で形成することができる。
【0072】
この場合は、それぞれのプレス成形部材の形状自由度が高く設定できるとともに、局部的な剛性・強度の向上が容易であるとともに、既存の車両製造設備を流用することが可能であり、車体製造に対する設備投資を最小限に抑えることができる。
【0073】
また、車台フレーム10および/またはキャビン部20を構成するフレーム部材および骨格部材を、閉断面管状部材を液圧成型した成形部材を全部若しくは一部に用いて構成することができる。
【0074】
この場合は、フレーム部材や骨格部材お剛性・強度の確保をより合理的に設定することができる。
【0075】
更に、車台フレーム10および/またはキャビン部20を構成するフレーム部材および骨格部材を、アルミ合金等の軽合金を押出し成型した押出し部材を主構成とし、鋳物部品およびパネル部品を組み合わせたスペースフレーム構造とすることができる。
【0076】
この場合は、高剛性、高強度な車体をより軽量に造ることが可能となり、車両軽量化を図ることができる。
【0077】
更にまた、車台フレーム10および/またはキャビン部20を構成するフレーム部材および骨格部材を、繊維強化樹脂により一体成型することができる。
【0078】
この場合は、高剛性、高強度な車体をより軽量、かつ、少ない工程で造ることができ、これにより車両の軽量化および生産性の向上を図ることができる。
【0079】
また、車台フレーム10からフロントエンド部13Aおよびリアエンド部13Bを分離し、これらフロントエンド部13Aおよびリアエンド部13Bを車台フレーム10の前方キックアップ部12Aおよび後方キックアップ部12Bに、例えばボルト・ナットを用いて着脱可能に結合することができる。
【0080】
この場合は、衝突後の補修性を向上できるとともに、フロントエンド部13Aおよびリアエンド部13Bを予め付属部品を組付けてから前方・後方キックアップ部12A,12Bに取り付けるモジュール構造を達成でき、生産性の向上を図ることができる。
【0081】
図12は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図12は車体全体の分解斜視図である。
【0082】
この第2実施形態の車体構造は、図12に示すように左・右センターフレーム16A,16Bを、平面視で中央クロスフレーム15Cが連結する幅狭部分Nを頂点とする円弧状若しくは曲線として形成してある。
【0083】
また、前方キックアップ部12Aの傾斜面12とキャビン部20との間の空間部分に易変形物43を配置してあり、この易変形物43はキックアップ部12Aの傾斜面12に固定してある。
【0084】
前記易変形物43は、車台フレーム10やキャビン部20の構成部材よりも強度が低い物質、例えば合成樹脂等が用いられる。
【0085】
更に、フロントエンド部13Aに下側フレーム18を設けて、上下二段のフレーム構造としてある。
【0086】
また、車台フレーム10の左・右サイドフレーム14A,14Bは、前方・後方キックアップ部12A,12Bよりも車幅方向外方にオフセット配置して、それら左・右サイドフレーム14A,14Bの前後両端部は車幅方向外方に湾曲して前方・後方キックアップ部12A,12Bに連結している。
【0087】
そして、前記左・右サイドフレーム14A,14Bとキャビン部20の左・右側端部骨格部材21A,21Bとを、センターピラー24Bの連結部を挟んで前後2箇所に形成した取付穴35,35aにボルトを挿通して締結・結合してあり、この場合のボルトは前記第1実施形態に示したボルト33と同様の締結構造が採用される。
【0088】
以上の構成によりこの第2実施形態の車体構造にあっては、左・右センターフレーム16A,16Bを、平面視で中央クロスフレーム15Cが連結する幅狭部分Nを頂点とする円弧状若しくは曲線として形成したので、左・右センターフレーム16A,16Bと左・右サイドフレーム14A,14Bで囲まれる空間をより効率良く形成することができる。
【0089】
また、前方キックアップ部12Aの傾斜面12とキャビン部20との間の空間部分に易変形物43を配置したので、前面衝突時にキャビン部20が車台フレーム10に対して相対移動する際に、前記易変形物43を圧縮・剪断変形させることにより適度な抵抗力を得ることができ、これにより衝突エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0090】
尚、前記易変形物43は後方キックアップ部12Bの傾斜面12とキャビン部20との間に設けて、後面衝突時のエネルギーを吸収させることもできる。
【0091】
フロントエンド部13Aに下側フレーム18を設けて、上下二段のフレーム構造としたので、前面衝突時にフロントエンド部13Aからの荷重伝達経路が下側フレーム18を介して車台フレーム10の下部にも伝達されるため、より確実に前方からの衝突物を受け止めることができるとともに、上下方向に荷重分散されてフロントエンド部13Aの強度確保を容易にすることができる。
【0092】
尚、上下二段のフレーム構造はリアエンド部13Bに採用して、後面衝突に対応させることもできる。
【0093】
図13,図14は本発明の第3実施形態を示し、前記第1,第2実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図13は車体全体の分解斜視図、図14は図13中の矢視V方向から見た要部拡大図である。
【0094】
この第3実施形態の車体構造は、図13に示すように左・右センターフレーム16A,16Bを、平面視で中央クロスフレーム15Cが連結する幅狭部分Nを頂点とする三角形状に形成してある。
【0095】
また、前方・後方クロスフレーム15A,15Bに、係合部材50A,50Bとの干渉を避ける凹設部54A,54Bを設けてある。
【0096】
前記凹設部54A,54Bは、前方・後方クロスフレーム15A,15Bの車幅方向中央部を頂点として斜め下方に突出する湾曲形状として形成され、図14に示すように係合部材50A,50Bの前方・後方キックアップ部12A,12Bに対する面直方向長さhが、前方・後方クロスフレーム15A,15Bの同方向湾曲オフセット量Lよりも小さくなっている。
【0097】
更に、図13に示すように車台フレーム10を構成するフレーム部材を、板厚が異なるスチール若しくはアルミ等のパネル部材を接合したテーラードブランク材を袋状に加工して、これを液圧成型した成形部材を用いて一体で形成してあり、フロア部11と前方・後方キックアップ部12A,12Bとの境界部分近傍(図13中斜線部で示す)が、その他の部分よりも板厚を厚くしてある。
【0098】
以上の構成によりこの第3実施形態の車体構造にあっては、左・右センターフレーム16A,16Bを、平面視で中央クロスフレーム15Cが連結する幅狭部分Nを頂点とする三角形状に形成したので、前面衝突時や後面衝突時および側面衝突時に左・右センターフレーム16A,16Bをトラス部材として機能させることができ、これにより車台フレーム10の強度を高め、ひいては車体の軽量化を達成することができる。
【0099】
また、前方・後方クロスフレーム15A,15Bに、係合部材50A,50Bとの干渉を避ける凹設部54A,54Bを設けたので、前面衝突時や後面衝突時にキャビン部20が車台フレーム10に対して相対移動する際に、衝突側の係合部材50A,50Bが前方・後方クロスフレーム15A,15Bに干渉するのを防止して、キャビン部20の挙動を安定化させることができる。
【0100】
更に、車台フレーム10を構成するフレーム部材を、板厚が異なるスチール若しくはアルミ等のパネル部材を接合したテーラードブランク材を袋状に加工して、これを液圧成型した成形部材を用いて一体で形成したので、部品点数を大幅に削減することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0101】
尚、テーラードブランク材を袋状に加工して液圧成型した成形部材は、車台フレーム10のフレーム部材に限ることなく、キャビン部20の骨格部材にあっても適用することができる。
【0102】
図15は本発明の第4実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図15は係合部材の取付け状態を示す分解斜視図である。
【0103】
この第4実施形態の車体構造は、図15に示すように係合部材50A,50Bの保持腕51は、その上端部をキャビン部20の下部骨格に対して中央クロスフレーム15C(図1参照)方向への回動を可能に連結するとともに、その逆方向の回動を回動抑制機構Rにより阻止するようにしてある。
【0104】
即ち、この実施形態の係合部材50A,50Bは、アルミ押出し材により側面視で前後方向幅が略均一となるように形成して、保持腕51の上端部を取付ブラケット55を介してキャビン部20の前方・後方車幅方向骨格部材22A,22C(図15では前方車幅方向骨格部材22Aを示す)に取り付けるようになっている。
【0105】
このとき、保持腕51は、その上端部に形成した取付穴51cと取付ブラケット55の取付穴55aとをピン結合して、取付ブラケット55に対して振り子状に前後揺動自在に取り付けてある。
【0106】
そして、車両前方の係合部材50Aでは取付ブラケット55の前壁55b、車両後方の係合部材50Bでは取付ブラケット55の後壁55cを前記回動抑制機構Rとして、保持腕51が車両の前後方向中央部から前後方向外方に回動するのを阻止してある。
【0107】
つまり、前記回動抑制機構Rは、前方の係合部材50Aが車両後方に回動するのを許容しつつ車両前方への回動を阻止する一方、後方の係合部材50Bが車両前方に回動するのを許容しつつ車両後方への回動を阻止するようになっている。
【0108】
また、前記前方・後方車幅方向骨格部材22A,22Cには、係合部材50A,50Bの取り付け部分に補強部材56を設けて、係合部材50A,50Bの取付け強度を高めてある。
【0109】
以上の構成によりこの第4実施形態の車体構造にあっては、前面衝突時または後面衝突時にキャビン部20が車台フレーム10に対して相対移動する際に、衝突側の係合部材50A,50Bが前方・後方クロスフレーム15A,15Bに干渉すると非衝突側に回動して逃げるため、前方・後方クロスフレーム15A,15Bとの干渉による抵抗力の発生を避けて、キャビン部20の挙動を安定化させることができる。
【0110】
また、非衝突側の係合部材50A,50Bでは、左・右センターフレーム16A,16B間に配置した易変形物41(図1参照)、または中央クロスフレーム15Cと干渉する際に、回動抑制機構Rにより支持腕51の回動が阻止されるため、易変形物41を圧潰若しくは剪断変形し、または中央クロスフレーム15Cとの干渉により抵抗力を発生させて、衝突エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0111】
図16は本発明の第5実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図16は係合部材の斜視図である。
【0112】
この第5実施形態の車体構造は、図16に示すように係合部材50A,50Bを、パネル材をプレス成形して接合することにより保持腕51および水平部52を形成するとともに、水平部52にその長さ方向に管状部材57を設けてある。
【0113】
以上の構成によりこの第5実施形態にあっては、係合部材50A,50Bをプレス成形したので形状の自由度が増すとともに、管状部材57が補強部材となって水平部52の強度を増大できるため、前面衝突時や後面衝突時にキャビン部20の非衝突側が上方移動するのを抑制する際に作用する曲げに対して大きな抗力を発揮することができる。
【0114】
図17は本発明の第6実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図17は係合部材の斜視図である。
【0115】
この第6実施形態の車体構造は、係合部材50A,50Bを、液圧成型部品58を組み合わせて保持腕51および水平部52を形成するとともに、水平部52をリブ58aで補強してある。
【0116】
また、この実施形態では保持腕51の上端にプレート58bを結合して、このプレート58bを介して係合部材50A,50Bを前方・後方車幅方向骨格部材22A,22Cに取り付けるようにしている。
【0117】
以上の構成によりこの第6実施形態にあっては、液圧成型部品58の組み合わせで係合部材50A,50Bを構成したことによりコストダウンを達成できるとともに、水平部52をリブ58aによって補強したことにより、前面衝突時や後面衝突時にキャビン部20の非衝突側が上方移動するのを抑制する際に作用する曲げに対して大きな抗力を発揮することができる。
【0118】
尚、この第6実施形態では保持腕51の上端に取付用のプレート58bを結合したが、このプレート58bに代えて図18に示すように、液圧成型部品58を矩形状に組み合わせて用いることもできる。
【0119】
図19,図20は本発明の第7実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図19は車台フレームの前半部分の斜視図、図20は図19中F−F線に沿った拡大断面図である。
【0120】
この第7実施形態の車体構造は、図19,図20に示すように左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分Nの対向面に、それぞれの対向側を開口した開断面部材60を取り付けるとともに、係合部材50A,50Bの水平部52の両端部をその開断面部材60の開口部60aに移動自在に挿入してある。
【0121】
また、前記開断面部材60内には、係合部材50A,50Bの水平部52の挿入部分よりも中央クロスフレーム15C側に図外の易変形物を装填してある。
【0122】
易変形物は、車台フレーム10、キャビン部20および係合部材50A,50Bよりも変形強度が小さい物質、例えば、発泡金属、軽合金ハニカム部材、発泡樹脂等が用いられる。
【0123】
以上の構成によりこの第7実施形態にあっては、左・右センターフレーム16A,16Bの幅狭部分Nの対向面に、係合部材50A,50Bの水平部52の両端部を開口部60aに挿入する開断面部材60を取り付けたので、前面衝突時や後面衝突時にキャビン部20が車台フレーム10に対して相対移動した際に、非衝突側の係合部材50A,50Bの水平部52が開断面部材60の開口部60a内をスライドすることにより、キャビン部20の浮き上がりを阻止する拘束力を得ることができ、また、左・右センターフレーム16A,16Bの剛性および強度を損ねるのを防止できる。
【0124】
また、開断面部材60内には、係合部材50A,50Bの水平部52の挿入部分よりも中央クロスフレーム15C側に易変形物を装填したので、水平部52の移動時に易変形物を変形させることにより抵抗力を発生させて、衝突エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0125】
ところで、前記第7実施形態では左・右センターフレーム16A,16Bに開断面部材60を付加して、係合部材50A,50Bの水平部52をガイドするようにしたが、左・右センターフレーム16A,16B自体で水平部52をガイドすることができる。
【0126】
つまり、左・右センターフレームの少なくとも幅狭部分を、それぞれの対向面を開口した開断面構造とするとともに、係合部材の水平部の両端部をその開断面の開口部に移動自在に挿入し、かつ、その水平部の挿入部分よりも中央クロスフレーム側の開断面内に易変形物を装填することができる。
【0127】
図21は本発明の第8実施形態を示し、第1,第2実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図21は車台フレームの斜視図である。
【0128】
この第8実施形態の車体構造は、図21に示すようにフロントエンド部13Aに駆動ユニットPを搭載するとともに、車台フレーム10の左・右センターフレーム16A,16Bと左・右サイドフレーム14A,14Bとで囲まれた領域に、燃料タンクやバッテリー等のエネルギー貯蔵システムEを搭載してある。
【0129】
以上の構成によりこの第8実施形態にあっては、車両に搭載する重量物であるエネルギー貯蔵システムEを車台フレーム10の前後中央部分に集中して搭載することができ、車両重心高さを低くすることが可能となって、走行時の挙動安定性の向上を図ることができる。
【0130】
図22は本発明の第9実施形態を示し、第1,第2実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図22は車台フレームの斜視図である。
【0131】
この第9実施形態の車体構造は、図22に示すように車台フレーム10の左・右センターフレーム16A,16Bと左・右サイドフレーム14A,14Bとで囲まれた領域に、バッテリー、水素ガス貯蔵システム等の燃料電池システムのエネルギー貯蔵手段Gやエネルギー生成システムFを搭載するとともに、制・駆動および操舵等の車両運動に関する操作系統を電子制御化してキャビン部20に設けた操作システムでコントロールし、かつ、駆動モータを車輪アクスル部分に搭載して電気自動車を構成してある。
【0132】
以上の構成によりこの第9実施形態にあっては、キャビン部20において車両運動に関する機械式操作部分を必要としないので、車台フレーム10に対するキャビン部20の交換が容易となり、単一の車台フレーム10に対して外観や機能が異なる複数種類のキャビン部20を設定することが可能となり、選択範囲を広げることがでると共に、重量物を車台フレーム10の前後中央部分に集中して搭載することができる。
【0133】
ところで、本発明の車体構造は前記第1〜第9実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における車体全体の分解斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態における車台フレームにおける前後方向入力に対する強度分布図。
【図3】図1中A−A線に沿った拡大断面図。
【図4】図1中B部の拡大斜視図。
【図5】図1中C−C線に沿った拡大断面図。
【図6】図1中の矢視D方向から見た要部拡大図。
【図7】本発明の第1実施形態における前面衝突時における変位機構の挙動説明図。
【図8】本発明の第1実施形態における側面衝突時における変位機構の挙動説明図。
【図9】本発明の第1実施形態を模擬した仕様と従来の車体構造の前面衝突シミュレーション結果における剛壁反力と時間の関係を示す説明図。
【図10】本発明の第1実施形態を模擬した仕様と従来の車体構造の前面衝突シミュレーション結果におけるキャビン減速度と時間の関係を示す説明図。
【図11】本発明の第1実施形態を模擬した仕様と従来の車体構造についての側面衝突シミュレーション結果においてキャビン変形量を一定にするために要求される車体強度を比較した説明図。
【図12】本発明の第2実施形態における車体全体の分解斜視図。
【図13】本発明の第3実施形態における車体全体の分解斜視図。
【図14】図13中の矢視E方向から見た要部拡大図。
【図15】本発明の第4実施形態における係合部材の取付け状態を示す分解斜視図。
【図16】本発明の第5実施形態における係合部材の斜視図。
【図17】本発明の第6実施形態における係合部材の斜視図。
【図18】本発明の第6実施形態の変形例を示す係合部材の斜視図。
【図19】本発明の第7実施形態における車台フレームの前半部分の斜視図。
【図20】図19中F−F線に沿った拡大断面図。
【図21】本発明の第8実施形態における車台フレームの斜視図。
【図22】本発明の第9実施形態における車台フレームの斜視図。
【符号の説明】
10 車台フレーム
11 フロア部
12 傾斜部
12A 前方キックアップ部
12B 後方キックアップ部
13A フロントエンド部
13B リアエンド部
14A 左サイドフレーム
14B 右サイドフレーム
15A 前方クロスフレーム
15B 後方クロスフレーム
15C 中央クロスフレーム
16A 右センターフレーム
16B 左センターフレーム
17A フロントクロスメンバ
17B リアクロスメンバ
20 キャビン部
21A 左側端部骨格部材
21B 右側端部骨格部材
22A 前方車幅方向骨格部材
22B 中央部車幅方向骨格部材
22C 後方車幅方向骨格部材
24B センターピラー
30 変位機構
33 ボルト
31 キャビン部前後移動機構
32 キャビン部横移動機構
34A 上筒部材
34B 下筒部材
40 姿勢安定機構
41 易変形物
43 易変形物
50A,50B 係合部材
51 保持腕
51a 垂直壁
51b 傾斜部
52 水平部
53 脆弱部
54A,54B 凹設部
57 管状部材
58 液圧成型部品
58a リブ
60 開断面部材
60a 開口部
N 幅狭部分
R 回動抑制機構
E エネルギー貯蔵システム
G エネルギー貯蔵手段
F エネルギー生成システム

Claims (38)

  1. 車輪およびパワートレーンユニットを搭載する車台フレームと、乗員の居住空間であるキャビン部と、を分離してそれぞれを独立構造とし、キャビン部と車台フレームとを変位機構を介して衝撃荷重に対して相対移動可能に連結したことを特徴とする車体構造。
  2. 変位機構は、前面衝突時または後面衝突時に、その衝突側でキャビン部を車台フレームに対して上方に移動させるとともに、非衝突側でキャビン部の浮き上がりを拘束するキャビン部前後移動機構であることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
  3. 変位機構は、側面衝突時にその入力荷重がキャビン部に集中して作用した場合に、キャビン部を車台フレームに対して非衝突側に変位させるキャビン部横移動機構であることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
  4. 車台フレームは、キャビン部の下方に位置するフロア部と、このフロア部の車両前方および車両後方に傾斜面を形成する前方・後方キックアップ部と、
    前方キックアップ部の車両前方に設けたフロントエンド部および後方キックアップ部の車両後方に設けたリアエンド部と、を備え、
    車両前方および車両後方からの入力に対する剛性・強度のバランスを、フロントエンド部とリアエンド部とを略等しくする一方、前方・後方キックアップ部とフロア部とを略等しくし、かつ、前者のフロントエンド部およびリアエンド部よりも後者の前方・後方キックアップ部およびフロア部を大きく設定し、
    前記フロア部は、前方・後方キックアップ部から連続して車幅方向両側端部に前後方向に延在した左・右サイドフレームと、
    前方・後方キックアップ部とフロア部との境界部分に設けられて左・右サイドフレームを連結した前方・後方クロスフレームと、
    前方・後方クロスフレームとサイドフレームとの結合部分に連結されて前後方向に延在し、車幅方向中央部の間隔が幅狭となるように配置された左・右センターフレームと、
    これら左・右センターフレームの幅狭となる前後方向中央部分を車幅方向に連結した中央クロスフレームと、を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車体構造。
  5. キャビン部は、その下部を平坦に形成してその下部骨格を、車幅方向両側端部に前後方向に延在した左・右側端部骨格部材と、
    前記下部平坦部の前端部・前後方向中央部分・後端部で前記左・右側端部骨格部材を車幅方向にそれぞれ連結した前方・中央部・後方車幅方向骨格部材と、
    これら前方・中央部・後方車幅方向骨格部材の上面から下面の間に水平方向に設けたフロアパネルと、を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車体構造。
  6. 変位機構は、キャビン部と車台フレームとを締結・結合し、所定以上の荷重入力で剪断破断するボルトを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の車体構造。
  7. ボルトを、キャビン部および車台フレームにそれぞれ固定されて、互いに同軸方向に近接配置した上・下筒部材に略密接して貫通配置したことを特徴とする請求項6に記載の車体構造。
  8. ボルトによるキャビン部の締結部位を、左・右側端部骨格部材と中央部車幅方向骨格部材との結合部分、または中央部車幅方向骨格部材に設定し、左・右側端部骨格部材と中央部車幅方向骨格部材との結合部分からセンターピラーを立ち上げたことを特徴とする請求項6または7に記載の車体構造。
  9. 変位機構は、キャビン部の下部骨格から垂設されて、前後方向中央部方向への移動時に左・右センターフレームの幅狭部分間の下面に摺動自在に係合する係合部材を備えたことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1つに記載の車体構造。
  10. 左・右センターフレーム間には、前記係合部材よりも前後方向中央側に易変形物を配置したことを特徴とする請求項9に記載の車体構造。
  11. 車台フレームとキャビン部との間に姿勢安定機構を介在したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の車体構造。
  12. 姿勢安定機構は、車台フレームおよびキャビン部を構成する素材よりも弾性率が低い物質で形成したことを特徴とする請求項11に記載の車体構造。
  13. 左・右センターフレームは、平面視で中央クロスフレームが連結する幅狭部分で前後方向に平行に延在する所定区間を設けた台形状を成すことを特徴とする請求項4〜12のいずれか1つに記載の車体構造。
  14. 左・右センターフレームは、平面視で中央クロスフレームが連結する幅狭部分を頂点とする円弧状若しくは曲線を成すことを特徴とする請求項4〜13のいずれか1つに記載の車体構造。
  15. 左・右センターフレームは、平面視で中央クロスフレームが連結する幅狭部分を頂点とする三角形状を成すことを特徴とする請求項4〜13のいずれか1つに記載の車体構造。
  16. 前方・後方キックアップ部の傾斜面とキャビン部との間の空間部分に易変形物を配置したことを特徴とする請求項4〜15のいずれか1つに記載の車体構造。
  17. フロントエンド部および/またはリアエンド部を、上下二段のフレーム構造としたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1つに記載の車体構造。
  18. 係合部材は、キャビン部の下部骨格に取り付ける保持腕と、この保持腕の下端部に結合されて車幅方向に延在し、その車幅方向長さを左・右センターフレームの幅狭部分間の間隔よりも長く形成して、これら左・右センターフレームの下側に配置した水平部と、によって略T字状に形成したことを特徴とする請求項9〜17のいずれか1つに記載の車体構造。
  19. 保持腕は、車台フレームの中央クロスフレームに対向する側を略垂直となる垂直壁として形成するとともに、この垂直壁とは反対側を上方に向かってこの垂直壁から離れる方向に傾斜する傾斜部として形成したことを特徴とする請求項18に記載の車体構造。
  20. 垂直壁に、保持腕の圧潰を促進する脆弱部を設けたことを特徴とする請求項19に記載の車体構造。
  21. 保持腕の車幅方向の幅を左・右センターフレームの幅狭部分の間隔よりも広くし、かつ、係合部材のこの保持腕の取り付け部分を含めた強度を左・右センターフレームよりも高くしたことを特徴とする請求項19に記載の車体構造。
  22. 前方・後方クロスフレームに、係合部材との干渉を避ける凹設部を設けたことを特徴とする請求項4〜20のいずれか1つに記載の車体構造。
  23. 保持腕は、その上端部をキャビン部の下部骨格に対して中央クロスフレーム方向への回動を可能に連結するとともに、その逆方向の回動を回動抑制機構により阻止するようにしたことを特徴とする請求項18に記載の車体構造。
  24. 係合部材は、パネル材をプレス成形して接合することにより保持腕および水平部を形成するとともに、水平部にその長さ方向に管状部材を設けたことを特徴とする請求項18〜23のいずれか1つに記載の車体構造。
  25. 係合部材は、液圧成型部品を組み合わせて保持腕および水平部を形成するとともに、水平部をリブで補強したことを特徴とする請求項18〜23のいずれか1つに記載の車体構造。
  26. 左・右サイドフレームの断面高さを左・右センターフレームの断面高さよりも大きくするとともに、左・右サイドフレームと左・右センターフレームの上面高さ位置を略等しくし、係合部材の下端位置を左・右サイドフレームの下面よりも上方に設定したことを特徴とする請求項1〜25のいずれか1つに記載の車体構造。
  27. 左・右センターフレームの少なくとも幅狭部分の対向面に、それぞれの対向側を開口した開断面部材を取り付けるとともに、係合部材の水平部の両端部をその開断面部材の開口部に移動自在に挿入したことを特徴とする請求項18〜26のいずれか1つに記載の車体構造。
  28. 開断面部材内には、係合部材の水平部の挿入部分よりも中央クロスフレーム側に易変形物を装填したことを特徴とする請求項27に記載の車体構造。
  29. 左・右センターフレームの少なくとも幅狭部分を、それぞれの対向面を開口した開断面構造とするとともに、係合部材の水平部の両端部をその開断面の開口部に移動自在に挿入し、かつ、その水平部の挿入部分よりも中央クロスフレーム側の開断面内に易変形物を装填したことを特徴とする請求項18〜26のいずれか1つに記載の車体構造。
  30. 車台フレームおよび/またはキャビン部を構成するフレーム部材および骨格部材は、矩形状若しくは多角形状の閉断面を成す中空部材であることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載の車体構造。
  31. 車台フレームおよび/またはキャビン部を構成するフレーム部材および骨格部材は、スチール若しくはアルミ等のパネル部材をプレス成形して接合したプレス成形部材であることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載の車体構造。
  32. 車台フレームおよび/またはキャビン部を構成するフレーム部材および骨格部材は、閉断面管状部材を液圧成型した成形部材を全部若しくは一部に用いたことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載の車体構造。
  33. 車台フレームおよび/またはキャビン部を構成するフレーム部材および骨格部材は、板厚が異なるスチール若しくはアルミ等のパネル部材を接合したテーラードブランク材を袋状に加工して、これを液圧成型した成形部材を全部若しくは一部に用いたことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載の車体構造。
  34. 車台フレームおよび/またはキャビン部を構成するフレーム部材および骨格部材は、アルミ合金等の軽合金を押出し成型した押出し部材を主構成とし、鋳物部品およびパネル部品を組み合わせたスペースフレーム構造であることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載の車体構造。
  35. 車台フレームおよび/またはキャビン部を構成するフレーム部材および骨格部材は、繊維強化樹脂により一体成型したことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載の車体構造。
  36. 車台フレームからフロントエンド部およびリアエンド部を分離し、これらフロントエンド部およびリアエンド部を車台フレームの前方キックアップ部および後方キックアップ部に着脱可能に結合したことを特徴とする請求項4〜35のいずれか1つに記載の車体構造。
  37. フロントエンド部またはリアエンド部に駆動ユニットを搭載するとともに、車台フレームのセンターフレームとサイドフレームとで囲まれた領域に、燃料タンクやバッテリー等のエネルギー貯蔵システムを搭載したことを特徴とする請求項4〜36のいずれか1つに記載の車体構造。
  38. 車台フレームのセンターフレームとサイドフレームとで囲まれた領域に、バッテリー、水素ガス貯蔵システム等の燃料電池システムのエネルギー貯蔵手段やエネルギー生成システムを搭載するとともに、制・駆動および操舵等の車両運動に関する操作系統を電子制御化してキャビン部に設けた操作システムでコントロールし、かつ、駆動モータを車輪アクスル部分に搭載して電気自動車を構成したことを特徴とする請求項1〜36のいずれか1つに記載の車体構造。
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