JP2002370672A - 自動車の車体前部構造 - Google Patents

自動車の車体前部構造

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JP2002370672A
JP2002370672A JP2001183910A JP2001183910A JP2002370672A JP 2002370672 A JP2002370672 A JP 2002370672A JP 2001183910 A JP2001183910 A JP 2001183910A JP 2001183910 A JP2001183910 A JP 2001183910A JP 2002370672 A JP2002370672 A JP 2002370672A
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JP2001183910A
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Sanemare Sano
真希 佐野
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前面衝突時におけるダッシュパネルの車室側
への変形抑制効果の向上を図る。 【解決手段】 衝突時にアウタクロスメンバ11の平面
アーチ形状の前側壁14に衝突荷重Fが入力すると、高
剛性領域部11Aでは該アーチ形状による荷重の放射状
分散作用と前側壁14の面剛性とによって形状を維持す
る一方、易圧潰領域部11Bはインナクロスメンバ15
がフロントピラー3に結合されて荷重伝達効率が高めら
れて高い圧潰反力が得られることから後方へスムーズに
潰れ変形してエネルギー吸収を行い、高剛性領域部11
Aがダッシュパネル1に底付きすることによって、イン
ナクロスメンバ15と一体となってその側部15sから
フロンのピラー3への荷重伝達が良好に行われて抗力が
高められ、パワーユニットの後退移動を抑止してダッシ
ュパネル1の車室側への変形が小さく抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体前部構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の中には、例えば特開平8−28
2537号公報に示されているように、ダッシュパネル
を挟んでそのエンジンルーム側と車室側とにそれぞれ閉
断面部を形成するエンジンルーム側ダッシュクロスメン
バと車室側ダッシュクロスメンバとを車幅方向に延在し
て対向的に配設して、これら両ダッシュクロスメンバの
左右端部を左右のサイドメンバに結合したものが知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようにエンジンルーム側および車室側の各ダッシュクロ
スメンバは左右のサイドメンバの後端部間に跨って結合
してあるだけであるため、車両の前面衝突時にサイドメ
ンバが軸圧潰変形するのとほぼ同時にエンジン等の剛体
部品が後退移動してダッシュパネルに当接した場合、該
ダッシュパネルの車室側への変形抑制効果が不十分とな
ってしまうことは否めない。
【0004】そこで、本発明は車両の前面衝突時にエン
ジン等のパワーユニットが後退移動した際におけるダッ
シュパネルの車室側への変形を極力小さく抑制すること
ができる自動車の車体前部構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、フロントコンパートメントのコンパートメントルー
ムと車室とを隔成するダッシュパネルのコンパートメン
トルーム側の側面に、上,下壁と前側壁とを備えたアウ
タクロスメンバを接合して車幅方向に延在する閉断面部
を形成すると共に、該ダッシュパネルの車室側の側面に
前記アウタクロスメンバと対向して、上,下壁と後側壁
とを備えたインナクロスメンバを接合して車幅方向に延
在する閉断面部を形成した自動車の車体前部構造におい
て、前記アウタクロスメンバの車幅方向配設領域を左右
のストラットハウジング上端のストラットプレートの内
端間の幅にほぼ合わせて設定して、該アウタクロスメン
バの左右両端で閉断面を開放すると共に、該アウタクロ
スメンバの前側壁を、車幅方向中央に最大膨らみをもつ
平面アーチ形状に形成して、該アウタクロスメンバに前
記アーチ形状の前側壁と該アーチ形状の弦に相当する部
分とによって囲まれた高剛性領域部と、その後側の易圧
潰領域部とをこの順に設定する一方、インナクロスメン
バをダッシュパネルの左右両側部の後傾したダッシュサ
イド部に沿って左右のフロントピラーに跨って結合配置
したことを特徴としている。
【0006】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載のインナクロスメンバの閉断面部内に、アウタクロス
メンバの左右端位置に相当する部分で該閉断面部を横切
る縦壁を設けたことを特徴としている。
【0007】請求項3の発明にあっては、請求項2に記
載のインナクロスメンバの縦壁配設部からフロントピラ
ーとの結合部に亘る領域で、該インナクロスメンバの後
側壁側を易圧潰構造としたことを特徴としている。
【0008】請求項4の発明にあっては、請求項1〜3
に記載の自動車の車体前部構造であって、ダッシュパネ
ルのコンパートメントルーム側の側面の左右両側部に、
アウタクロスメンバの前後方向圧潰時に高剛性領域部の
左右端部を車幅方向で受ける荷重受け部を設けたことを
特徴としている。
【0009】請求項5の発明にあっては、請求項4に記
載のアウタクロスメンバの高剛性領域部の左右端部に、
荷重受け部に内接可能なガイド部を設けたことを特徴と
している。
【0010】請求項6の発明にあっては、請求項1〜5
に記載の自動車の車体前部構造であって、アウタクロス
メンバの閉断面部内に、該閉断面部を上下に隔成する隔
壁を設けたことを特徴としている。
【0011】請求項7の発明にあっては、請求項1〜6
に記載の自動車の車体前部構造であって、アウタクロス
メンバの閉断面部内に、前側壁のアーチ形状の弦に相当
する位置に、該前側壁の左右両端を連結した縦壁を設け
たことを特徴としている。
【0012】請求項8の発明にあっては、請求項1〜7
に記載の自動車の車体前部構造であって、インナクロス
メンバのフロントピラーに対する結合位置を、フロント
ドアに前後方向に延在配置したインパクトビームの前端
相当位置に設けたドアヒンジの取付位置近傍に設定した
ことを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、車両の
前面衝突時にコンパートメントルーム内に搭載したパワ
ーユニットが後退移動してアウタクロスメンバに当接す
ると、その前側部の高剛性領域部では前側壁が平面アー
チ形状となっていて面剛性が高く、しかも、該アーチ形
状によって前方からの入力荷重の放射状分散作用が得ら
れることから、パワーユニットの後退移動を抑止して、
ダッシュパネルの車室側への変形を極力小さく抑制する
ことができる。
【0014】また、車体前部の潰れ変形の進行によっ
て、ストラットハウジングが内倒れ変形した場合でも、
倒れ荷重を前述と同様に該高剛性領域部から一体となっ
たインナクロスメンバ,フロントピラーへ分散伝達し
て、ストラットハウジングの内倒れ変形を規制し、スト
ラットハウジングが結合されたサイドメンバ,フードリ
ッジメンバ等の主要エネルギー吸収メンバの軸方向の潰
れ変形を安定化させて、エネルギー吸収効果を高めるこ
とができる。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、前述のようにパワーユニットの
後退移動によりアウタクロスメンバの易圧潰領域部が潰
れ変形して高剛性領域部がダッシュパネルに底付きする
と、インナクロスメンバには該高剛性領域部の左右端部
に相当する部分で該インナクロスメンバの閉断面を横切
る縦壁によって、該インナクロスメンバの上,下壁はも
とより後側壁に効率よく入力伝達が行われるため、イン
ナクロスメンバの左右両側部からフロントピラーへの荷
重伝達効率を高めることができる。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1,2の発明の効果に加えて、前述のようにアウタクロ
スメンバの高剛性領域部がダッシュパネルに底付きする
衝突後期では、インナクロスメンバの左右両側部のフロ
ントピラーとの結合部分に発生する後方への曲げモーメ
ントによって、該インナクロスメンバ両側部の易圧潰構
造とした後側壁側が潰れ変形してエネルギー吸収を積極
的に行わせることができる。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜3の発明の効果に加えて、前述のようにアウタクロス
メンバの易圧潰領域部が潰れ変形して高剛性領域部がダ
ッシュパネルに底付きするようになると、該高剛性領域
部の左右両端部がダッシュパネルに設けた荷重受け部に
内接係合して該高剛性領域部を車幅方向で受けるため、
この高剛性領域部に作用する車幅方向外側に向く荷重を
該荷重受け部を介してダッシュパネルに車幅方向外側へ
の引張り荷重として伝達させて、この引張り荷重によっ
てダッシュパネルの面剛性が高められて車室側への変形
抑制効果が高められる。
【0018】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
の発明の効果に加えて、アウタクロスメンバの高剛性領
域部の左右端部に設けたガイド部が荷重受け部に内接係
合するため、高剛性領域部から荷重受け部への荷重伝達
性が向上して、前記ダッシュパネルの車室側への変形抑
制効果を更に高められる。
【0019】また、オフセット衝突時のようにパワーユ
ニットからアウタクロスメンバに斜め前方から衝突荷重
が入力した際に、易圧潰領域部が潰れ変形を開始する
と、ガイド部が直ちに荷重受け部に内接係合して、アウ
タクロスメンバの後方への潰れ変形をより安定して行わ
せることができて、フルラップ衝突時と同様のエネルギ
ー吸収効果とダッシュパネルの車室側への変形抑制効果
を得ることができる。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
〜5の発明の効果に加えて、アウタクロスメンバの閉断
面部内には、該閉断面部を上下に隔成する隔壁を設けて
あるため、上,下壁と該隔壁とによってパワーユニット
からの衝突荷重をアウタクロスメンバ全体に車幅方向お
よび前後方向へそれぞれより平均的に分散させることが
できて、易圧潰領域部の潰れ変形の安定化と、高剛性領
域部の形状保持効果の向上とを図ることができる。
【0021】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
〜6の発明の効果に加えて、アウタクロスメンバのアー
チ形状の前側壁の左右両端は、該アーチ形状の弦に相当
する縦壁で連結されているため、高剛性領域部の剛性を
高められると共に、高剛性領域部と易圧潰領域部とを画
定でき、該易圧潰領域部の潰れ変形を車幅方向で平均的
に行わせてエネルギー吸収効果の向上とダッシュパネル
の車室側への変形抑制効果を更に高めることができる。
【0022】請求項8に記載の発明によれば、請求項1
〜7の発明の効果に加えて、インナクロスメンバの両側
部からフロントピラーに伝達された荷重を、フロントド
アのインパクトビームを介してセンターピラーへ伝達で
きるため、パワーユニットの後退抑止効果を更に高める
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0024】図1,2において、1はフロントコンパー
トメントF・CのコンパートメントルームC・Rと車室
Rとを隔成するダッシュパネルを示し、その上端部には
車幅方向骨格メンバとしてのウエストクロスメンバ2を
設けてあり、車幅方向両側部の後傾したダッシュサイド
部1Aをウエストクロスメンバ2と共に左右のフロント
ピラー3に接合してある。
【0025】フロントピラー3はフロアサイドの前後方
向骨格メンバとしてのサイドシル4に結合してあり、該
サイドシル4の前後方向中央部にセンターピラー5を結
合配置してある。
【0026】フロントコンパートメントF・Cの左右両
側部には、下側の前後方向骨格メンバとしてのサイドメ
ンバ6と、上側の前後方向骨格メンバとしてのフードリ
ッジメンバ7とを配設してある。
【0027】これらサイドメンバ6およびフードリッジ
メンバ7は、何れも車両前面衝突時における主要なエネ
ルギー吸収メンバを成すもので、サイドメンバ6の後端
部はダッシュパネル1の下側のトーボード部を形成する
ダッシュクロスメンバ1Bに結合してある一方、フード
リッジメンバ7の後端部はフロントピラー3に結合して
ある。
【0028】サイドメンバ6とフードリッジメンバ7に
は、それらのダッシュパネル1寄りの後側部間に跨って
ストラットハウジングが結合配置されるが、その上端の
ストラットプレート8はサスペンション入力を直接的に
受けるため剛性プレートで形成され、該ストラットプレ
ート8は前記フードリッジメンバに直接結合してある
(図1では便宜的にストラットハウジングのストラット
プレート8のみを示している)。
【0029】ダッシュパネル1の上下方向中央部分に
は、そのコンパートメントルームC・R側の側面にアウ
タクロスメンバ11を車幅方向に接合配置してあると共
に、車室R側の側面に該アウタクロスメンバ11と対向
的にインナクロスメンバ15を車幅方向に接合配置して
ある。
【0030】アウタクロスメンバ11は、上壁12と下
壁13とそれらを連設する前側壁14を備えて略コ字形
断面に形成してあり、後端の上下縁フランジ11aを介
してダッシュパネル1に接合して車幅方向に延在する閉
断面部を形成している。
【0031】このアウタクロスメンバ11の車幅方向配
設領域は、左右のストラットプレート8,8の内端間幅
にほぼ合わせて設定して、該アウタクロスメンバ11の
左右両端で閉断面を開放すると共に、前側壁14を車幅
方向中央に最大膨らみをもつ平面アーチ形状に形成し
て、該アウタクロスメンバ11の前側部に前記アーチ形
状の前側壁14と該アーチ形状の弦に相当する部分とに
よって囲まれた高剛性領域部11Aと、その後側の易圧
潰領域部11Bとをこの順に設定してある。
【0032】インナクロスメンバ15は上壁16と下壁
17とそれらを連設する後側壁18を備えて略コ字形断
面に形成してあり、前端の上下縁フランジ15aを介し
てダッシュパネル1に接合して車幅方向に延在する閉断
面部を形成している。
【0033】このインナクロスメンバ15の左右両側部
15sはダッシュサイド部1A面に合わせて後傾して曲
折成形してあり、各端末部をフロントピラー3の車室側
の側壁に突き合わせて結合してある。
【0034】また、インナクロスメンバ15の閉断面部
内には、アウタクロスメンバ11の左右端位置に相当す
る部分で該閉断面部を横切る縦壁19を設けてある。
【0035】本実施形態ではこの縦壁19をインナクロ
スメンバ15のアウタクロスメンバ11と平行な主部1
5Aと両側部15sとの曲折部分に斜状に配設してあ
る。
【0036】また、インナクロスメンバ15のフロント
ピラー3に対する結合位置は、図外のフロントドアに前
後方向に延在配置したインパクトビーム21の前端相当
位置に設けたドアヒンジ22の取付位置近傍に設定して
ある。
【0037】なお、該フロントドアの後端部とセンター
ピラー5とに設けられるロック機構とストライカとから
なる図外のドアロック装置は、このインパクトビーム2
1の後端相当位置に設けることが望ましい。
【0038】以上の実施形態の構造によれば、車両の前
面衝突によりコンパートメントルームC・R内に搭載し
た図外のパワーユニットが後退移動してアウタクロスメ
ンバ11に当接し、該アウタクロスメンバ11に図3に
示すように衝突荷重Fが作用すると、その前側部の高剛
性領域部11Aでは前側壁14が平面アーチ形状となっ
ていて面剛性が高く、しかも、該アーチ形状によって前
方からの入力荷重の放射状分散作用が得られることか
ら、該高剛性領域部11Aはほぼその形状を維持する。
【0039】一方、後側部はアウタクロスメンバ11の
左右両端で閉断面が開放されて、平板状の上,下壁1
2,13のみで構成される易圧潰領域部11Bとしてあ
り、しかも、その背面側ではアウタクロスメンバ11と
対向配置したインナクロスメンバ15が左右のフロント
ピラー3に結合されているため高い圧潰反力が発生する
ことから、この圧潰反力によって前記アウタクロスメン
バ11の易圧潰領域部11Bで上,下壁12,13が潰
れ変形して衝突エネルギーを吸収する。
【0040】そして、この易圧潰領域部11Bが潰れ変
形して、図4に示すように高剛性領域部11Aがダッシ
ュパネル1に底付きすると、該高剛性領域部11Aと、
インナクロスメンバ15と、フロントピラー3との各閉
断面部同志が一体となって矢印Faで示すようにインナ
クロスメンバ15の側部15sからフロントピラー3へ
と荷重伝達が行われて抗力が高められるため、パワーユ
ニットの後退移動を抑止して、ダッシュパネル1の車室
側への変形を極力小さく抑制することができる。
【0041】また、このパワーユニットの衝突後期では
インナクロスメンバ15の側部15sとフロントピラー
3との付け根部分には後方への曲げモーメントMが働く
ため、この曲げモーメントMによって前記側部15sの
後側壁18側が潰れ変形することによるエネルギー吸収
効果が期待できる。
【0042】一方、車体前部の潰れ変形の進行によっ
て、ストラットハウジングが内倒れ変形した場合、その
上端のストラットプレート8が図5に示すように、ダッ
シュパネル1に底付きしたアウタクロスメンバ11の高
剛性領域部11Aのアーチ形状の前側壁14に干渉し
て、ダッシュパネル1との干渉およびそれによるダッシ
ュパネル1の変形を抑止すると共に、倒れ荷重を前述と
同様に該高剛性領域部11Aから一体となったインナク
ロスメンバ15の側部15S,フロントピラー3へ分散
伝達して、ストラットハウジングの内倒れ変形を規制
し、ストラットハウジングが結合されたサイドメンバ
6,フードリッジメンバ7等の主要エネルギー吸収メン
バの軸方向の潰れ変形を安定化させて、エネルギー吸収
効果を高めることができる。
【0043】ここで、前述のようにアウタクロスメンバ
11に前方より衝突荷重Fが作用した際に、アーチ形状
の前側壁14によって放射状の荷重分散作用が得られる
ことから、図1の鎖線で示すようにオフセット衝突等に
より斜め前方から衝突荷重Fが作用した場合でも、易圧
潰領域部11Bに車幅方向でほぼ平均的に負荷がかけら
れるようになるため、オフセット衝突時でも前述とほぼ
同様の効果を得ることができる。
【0044】また、本実施形態では前述のように、パワ
ーユニットの後退移動によりアウタクロスメンバ11の
易圧潰領域部11Bが潰れ変形して、図4に示すように
高剛性領域部11Aがダッシュパネル1に底付きする
と、インナクロスメンバ15には該高剛性領域部11A
の左右端部に相当する部分で、該インナクロスメンバ1
5の閉断面を横切る縦壁19によって、矢印Fbに示す
ように該インナクロスメンバ15の上,下壁16,17
はもとより後側壁18に効率よく入力伝達が行われるた
め、インナクロスメンバ15の左右両側部15sからフ
ロントピラー3への荷重伝達効率を高めることができ
る。
【0045】更に、このインナクロスメンバ15の両側
部15sからフロントピラー3に伝達された荷重は、矢
印Fcで示すようにフロントドアのインパクトビーム2
1を介してセンターピラー5へ伝達できるため、パワー
ユニットの後退抑止効果を更に高めることができる。
【0046】図6〜9は前記第1実施形態におけるイン
ナクロスメンバ15の縦壁19を配設した部分からフロ
ントピラー3との結合部に亘る側部15sの配設領域
で、該インナクロスメンバ15の後側壁18側を易圧潰
構造とした他の実施形態を示すものである。
【0047】図6,7に示す第2実施形態にあっては、
前記側部15sに前側壁20を設けて、ダッシュサイド
部1Aに沿った荷重の主伝達側の剛性を高めると共に、
後側壁18の高さ幅の中央に前後方向に圧潰誘発ビード
23を設けて易圧潰構造としてある。
【0048】また、図8に示す第3実施形態では、前記
第2実施形態における側部15sの前側壁20の板厚t
を大きくする一方、後側壁18の板厚tを小さくし
て(t>t)、単純に板厚調整によって易圧潰構造
としてある。
【0049】更に、図9に示す第4実施形態では前記側
部15sのフロントピラー3との結合部分(付け根部
分)で、後側壁18に縦方向に折れビード24を設けて
易圧潰構造としてある。
【0050】従って、これら第2〜第4実施形態によれ
ば、何れも前記第1実施形態と同様の効果が得られる
他、前述のようにアウタクロスメンバ11の高剛性領域
部11Aがダッシュパネル1に底付きする衝突後期で
は、インナクロスメンバ15の左右両側部15sのフロ
ントピラー3との結合部分に発生する前記曲げモーメン
トMによって、該側部15sの後側壁18側が潰れ変形
してエネルギー吸収を積極的に行わせることができる。
【0051】図10,11は本発明の第5実施形態を示
すもので、本実施形態にあっては前記第1実施形態にお
けるアウタクロスメンバ11の閉断面部内に、該閉断面
部を上下に隔成する隔壁25を設けてある。
【0052】この第5実施形態によれば、前記第1実施
形態と同様の効果が得られる他、アウタクロスメンバ1
1の上,下壁12,13と前記隔壁25とによって、パ
ワーユニットからの衝突荷重をアウタクロスメンバ11
の全体に車幅方向および前後方向へそれぞれより平均的
に分散させることができて、易圧潰領域部11Bの潰れ
変形の安定化と、高剛性領域部11Aの形状保持効果の
向上とを図ることができる。
【0053】図12は本発明の第6実施形態を示すもの
で、本実施形態にあっては、前記第1実施形態における
アウタクロスメンバ11の閉断面部内に、前側壁14の
アーチ形状の弦に相当する位置に、該前側壁14の左右
両端を連結した縦壁26を設けてある。
【0054】この第6実施形態によれば、前記第1実施
形態と同様の効果が得られる他、アウタクロスメンバ1
1のアーチ形状の前側壁14の左右両端が、該アーチ形
状の弦に相当する縦壁26で連結されているため、高剛
性領域部11Aの剛性を高められてその形状保持効果を
更に向上できると共に、高剛性領域部11Aと易圧潰領
域部11Bとを画定でき、該易圧潰領域部11Bの潰れ
変形を車幅方向で平均的に行わせて、エネルギー吸収効
果の向上とダッシュパネル1の車室側への変形抑制効果
を更に高めることができる。
【0055】図13は本発明の第7実施形態を示すもの
で、本実施形態にあっては前記第1実施形態におけるダ
ッシュパネル1のコンパートメントルームC・R側の側
面の左右両側部に、アウタクロスメンバ11の前後方向
圧潰時に高剛性領域部11Aの左右端部を車幅方向で受
ける荷重受け部としてのフランジ27を固設してある。
【0056】また、本実施形態ではアウタクロスメンバ
11の高剛性領域部11Aの左右端部、具体的には前側
壁14の左右端に、前記荷重受け部27に内接可能なガ
イド部としてのフランジ28を設けてある。
【0057】従って、この第7実施形態によれば、前記
第1実施形態における図3〜5に対応した図14〜16
に示すように、車両が前面衝突した際のパワーユニット
の後退移動に伴うアウタクロスメンバ11の易圧潰領域
部11Bの潰れ変形作用と、高剛性領域部11Aの形状
保持作用、およびインナクロスメンバ15によるフロン
トピラー3への荷重伝達作用とによって、前記第1実施
形態と同様の効果が得られる他、図15に示すようにア
ウタクロスメンバ11の易圧潰領域部11Bが潰れ変形
して高剛性領域部11Aがダッシュパネル1に底付きす
るようになると、該高剛性領域部11Aの左右両端部、
即ち、前側壁14の左右両端がダッシュパネル1に固設
したフランジ27に内接係合して、該高剛性領域部11
Aをフランジ27により車幅方向で受ける。
【0058】前側壁14は前述のように平面アーチ形状
としてあるため、衝突荷重Fによって該前側壁14には
車幅方向外側への展開荷重Fsが作用するが、この展
開荷重Fs1がフランジ27を介してダッシュパネル1
に車幅方向外側への引張り荷重Fsとして伝達され、
この引張り荷重Fsによってダッシュパネル1の面剛
性が高められて車室側への変形抑制効果が高められる。
【0059】特に、本実施形態では前述のアウタクロス
メンバ11の高剛性領域部11Aがダッシュパネル1に
底付きする過程で、前側壁14の左右両端に設けたフラ
ンジ28がダッシュパネル1側のフランジ27に内接係
合するため、高剛性領域部11Aから荷重受け部として
の該フランジ27への荷重伝達性が向上して、前記ダッ
シュパネル1の車室側への変形抑制効果を更に高められ
る。
【0060】また、オフセット衝突時のようにパワーユ
ニットからアウタクロスメンバ11に図14の鎖線で示
すように斜め前方から衝突荷重Fが入力した際に、易圧
潰領域部11Bが潰れ変形を開始すると、ガイド部であ
るフランジ28が直ちに荷重受け部であるフランジ27
に内接係合して、アウタクロスメンバ11の後方への潰
れ変形をより安定して行わせることができて、フルラッ
プ衝突時と同様のエネルギー吸収効果とダッシュパネル
1の車室側への変形抑制効果を得ることができる。
【0061】図17は本発明の第8実施形態を示すもの
で、本実施形態にあっては、前記第1実施形態における
アウタクロスメンバ11の左右端を斜め内側に傾斜して
形成する一方、ダッシュパネル1に前記第7実施形態と
同様の荷重受け部としてのフランジ27を、この左右端
の傾斜角度に合わせて配設してあり、従って、本実施形
態にあっても前記第7実施形態とほぼ同様の効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態の後方から見た斜視図。
【図3】同実施形態の作用を説明する略示的平面図。
【図4】同実施形態の作用を説明する略示的平面図。
【図5】同実施形態の作用を説明する略示的平面図。
【図6】本発明の第2実施形態を示す図2と同様の斜視
図。
【図7】図6のA−A線における断面図。
【図8】本発明の第3実施形態を示す図7と同様の断面
図。
【図9】本発明の第4実施形態を示す図2と同様の斜視
図。
【図10】本発明の第5実施形態を示す斜視図。
【図11】図10のB−B線における断面図。
【図12】本発明の第6実施形態を示す斜視図。
【図13】本発明の第7実施形態を示す斜視図。
【図14】同実施形態の作用を説明する略示的平面図。
【図15】同実施形態の作用を説明する略示的平面図。
【図16】同実施形態の作用を説明する略示的平面図。
【図17】本発明の第8実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】 F・C フロントコンパートメント C・R コンパートメントルーム R 車室 1 ダッシュパネル 1A ダッシュサイド部 3 フロントピラー 8 ストラットプレート 11 アウタクロスメンバ 11A 高剛性領域部 11B 易圧潰領域部 12 上壁 13 下壁 14 前側壁 15 インナクロスメンバ 15s 側部 16 上壁 17 下壁 18 後側壁 19 縦壁 21 インパクトビーム 22 ドアヒンジ 23 圧潰誘発ビード(易圧潰構造) 24 折れビード(易圧潰構造) 25 隔壁 26 縦壁 27 荷重受け部 28 ガイド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 25/20 B62D 25/20 C D F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントコンパートメントのコンパート
    メントルームと車室とを隔成するダッシュパネルのコン
    パートメントルーム側の側面に、上,下壁と前側壁とを
    備えたアウタクロスメンバを接合して車幅方向に延在す
    る閉断面部を形成すると共に、該ダッシュパネルの車室
    側の側面に前記アウタクロスメンバと対向して、上,下
    壁と後側壁とを備えたインナクロスメンバを接合して車
    幅方向に延在する閉断面部を形成した自動車の車体前部
    構造において、 前記アウタクロスメンバの車幅方向配設領域を左右のス
    トラットハウジング上端のストラットプレートの内端間
    の幅にほぼ合わせて設定して、該アウタクロスメンバの
    左右両端で閉断面を開放すると共に、 該アウタクロスメンバの前側壁を、車幅方向中央に最大
    膨らみをもつ平面アーチ形状に形成して、該アウタクロ
    スメンバに前記アーチ形状の前側壁と該アーチ形状の弦
    に相当する部分とによって囲まれた高剛性領域部と、そ
    の後側の易圧潰領域部とをこの順に設定する一方、 インナクロスメンバをダッシュパネルの左右両側部の後
    傾したダッシュサイド部に沿って左右のフロントピラー
    に跨って結合配置したことを特徴とする自動車の車体前
    部構造。
  2. 【請求項2】 インナクロスメンバの閉断面部内に、ア
    ウタクロスメンバの左右端位置に相当する部分で該閉断
    面部を横切る縦壁を設けたことを特徴とする請求項1に
    記載の自動車の車体前部構造。
  3. 【請求項3】 インナクロスメンバの縦壁配設部からフ
    ロントピラーとの結合部に亘る領域で、該インナクロス
    メンバの後側壁側を易圧潰構造としたことを特徴とする
    請求項2に記載の自動車の車体前部構造。
  4. 【請求項4】 ダッシュパネルのコンパートメントルー
    ム側の側面の左右両側部に、アウタクロスメンバの前後
    方向圧潰時に高剛性領域部の左右端部を車幅方向で受け
    る荷重受け部を設けたことを特徴とする請求項1〜3の
    何れかに記載の自動車の車体前部構造。
  5. 【請求項5】 アウタクロスメンバの高剛性領域部の左
    右端部に、荷重受け部に内接可能なガイド部を設けたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の自動車の車体前部構
    造。
  6. 【請求項6】 アウタクロスメンバの閉断面部内に、該
    閉断面部を上下に隔成する隔壁を設けたことを特徴とす
    る請求項1〜5の何れかに記載の自動車の車体前部構
    造。
  7. 【請求項7】 アウタクロスメンバの閉断面部内に、前
    側壁のアーチ形状の弦に相当する位置に、該前側壁の左
    右両端を連結した縦壁を設けたことを特徴とする請求項
    1〜6の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
  8. 【請求項8】 インナクロスメンバのフロントピラーに
    対する結合位置を、フロントドアに前後方向に延在配置
    したインパクトビームの前端相当位置に設けたドアヒン
    ジの取付位置近傍に設定したことを特徴とする請求項1
    〜7の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
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