JP2004323731A - 印刷インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、プラスチックフィルム等の基材に印刷され、印刷後のインキ皮膜が高い金属光沢と強固な凝集力を有するメタリック調の印刷インキ組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】ポリウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、金属顔料を印刷インキ中に5〜30質量%分散した印刷インキであって、エポキシ基を有する化合物を含有するか、又はエポキシ基を有する化合物及びポリイソシアナート化合物を含有することを特徴とする印刷インキ組成物。
【選択図】 無し
【解決手段】ポリウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、金属顔料を印刷インキ中に5〜30質量%分散した印刷インキであって、エポキシ基を有する化合物を含有するか、又はエポキシ基を有する化合物及びポリイソシアナート化合物を含有することを特徴とする印刷インキ組成物。
【選択図】 無し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷されたインキの皮膜が凝集力、接着力に優れ、金属光沢を有する印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷物に金属光沢を付与する目的で、印刷インキ中にアルミニウムペーストやアルミニウム粉等の金属顔料を添加した、シルバーまたはゴールド等のメタリック調の印刷インキが使用されている。
【0003】
高い金属光沢を得る為には、金属顔料の粒子径の粗いアルミニウムペースト等を使用し、尚且つインキ中のアルミペーストの含有量を多くする処方がとられる。しかしインキ中のアルミニウム含有量が多くなると、インキ皮膜の凝集力が低下して皮膜が弱くなり、印刷後にアルミニウム間での層間剥離、印刷基材からの絵柄剥がれ等の不具合が生じる。
【0004】
アルミニウムペーストやアルミニウム粉等の金属顔料については、該金属顔料の表層に樹脂コーティング等の表面処理を施すことで印刷後のインキ皮膜の凝集力や耐候性を向上させる方法がある。しかしこの方法ではアルミニウムペーストやアルミニウム粉等の表層が樹脂で覆われるので、アルミニウム本来の金属光沢感が非コーティングタイプのアルミニウムペーストやアルミニウム粉等の金属顔料に比べて低下する。
【0005】
またアルミニウムペーストを添加したメタリック調の印刷インキは、アルミニウムペーストの製造段階で使用されるミネラルスピリッツやソルベントナフサ等の高沸点有機溶剤が含まれていて、これらの溶剤は蒸発乾燥時間が長く、印刷後の印刷物に長期間残留して印刷後のインキ皮膜の凝集力を低下させる原因ともなる。
【0006】
印刷後のインキ皮膜の凝集力を向上させる為には、樹脂コーティング等の表面処理を施したアルミニウムペースト、アルミニウム粉等の金属顔料を選択することが必要になり、メタリック調印刷インキに使用できる金属顔料の選択性が狭まってしまう。これはメタリック調を有する印刷インキを設計する上での支障になる。
【0007】
特許文献1にはグラビアインキにアルミニウム粉末を添加したインキ組成物が記載されている。該インキはメタリック感の高い着色印刷物を提供することを目的としており、インキ中にアルミニウム粉末を高濃度に含有するための製造方法に関する。しかし出来上がった印刷インキのインキ皮膜の凝集力向上については記載や示唆はない。
【0008】
自動車及び缶塗料のメタリック調印刷に用いられるインキは200〜250℃での30分程度の焼き付けが必要であり、フィルム用の印刷インキとしては使用できない。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−195359号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、プラチックフィルム等の基材に印刷され、印刷後のインキ皮膜が高い金属光沢と強固な凝集力を有するメタリック調の印刷インキ組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、ウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、アルミニウムペースト及び又はアルミニウム粉等の金属顔料を分散加工したメタリック調印刷インキにおいて、エポキシ基を有する化合物及び又はポリイソシアナート化合物を添加すると該メタリック調印刷インキのインキ皮膜の凝集力が飛躍的に向上し、それに伴い基材とインキ皮膜の密着強度が著しく向上することを見出し、本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明の印刷インキ組成物は、ポリウレタン樹脂をバインダーとしてアルミニウムペースト、アルミニウム粉等の金属顔料を分散したものであり、エポキシ基を有する化合物及び又はポリイソシアナート化合物を含有することを特徴とする。
【0013】
そして使用時にエポキシ樹脂を混合する2液型でなく、予めインキ中にエポキシ基を有する化合物が配合されている1液型インキである。また、ポリイソシアナート化合物を併用することで2液型インキとしても使用可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
(一、二)金属顔料
本発明の印刷インキはメタリック調の光沢を得るために金属顔料が分散されているが、中でもアルミニウムペーストやアルミニウム粉が好ましく用いられる。使用するアルミニウムペーストは、アルミニウム顔料と、ステアリン酸及び又はオレイン酸、ミネラルスピリッツ等の石油系有機溶剤とを混合し、練肉して得られる。一般的にアルミニウムペーストにはリーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプに分けられる。本発明に用いるアルミペーストとしてはノンリーフィングタイプが好ましい。印刷インキ中のアルミペーストの含有量は5.0〜30.0質量%が好ましく、より好ましくは10.0〜25.0質量%である。
【0015】
(三)ポリウレタン樹脂
ポリウレタン樹脂とは、通常ジイソシアナート化合物とポリオール化合物及び低分子量の鎖伸長剤の縮重合反応により得られ、分子内にウレタン結合を多数持った柔軟性、弾性に富んだ樹脂である。本発明で好適に用いられるポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。本発明に用いるポリウレタン樹脂としては、分子量1,000〜500,000のものが好ましく、より好ましくは30、000〜100,000である。
【0016】
(四)エポキシ基を有する化合物
エポキシ基を有するポリエステルポリオール化合物とは、その分子内に一つ以上のエポキシ基をもっているポリエステルポリオール化合物であり、1分子中に二つ以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂も含む。本発明で好適に用いられるエポキシ基を有する化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−tブチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0017】
(五)ポリイソシアナート化合物
ポリイソシアナート化合物とは、その分子内にイソシアナート基を有する化合物である。芳香族と脂肪族が存在する。芳香族としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナート、トリジンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート等が好ましく用いられる。脂肪族としては、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジイソシアナート等を好ましく用いることができる。
【0018】
これらの中でも基材密着性およびポリウレタン樹脂との架橋性が良好なヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート及びキシリレンジイソシアナートが好ましく用いられる。
【0019】
溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル等のエステル類、イソプロピルアルコール(IPA)、変性アルコール等のアルコール系溶剤や、これらの混合溶剤等を用いる。添加剤として、必要に応じて、耐摩耗性向上のためのポリエチレンワックス、ブロッキング防止のための二酸化珪素等を添加しても良い。
【0020】
本発明においては、金属顔料のビヒクルとして、グラビア印刷もしくはフレキソ印刷インキに一般的に用いられる樹脂を併用しても良い。例を挙げれば、非塩素化ポリオレフイン樹脂、ポリアミド樹脂、ケトン樹脂、ポリビニールブチラール樹脂、エポキシ樹脂、エチレン酢酸ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂、塩化ビニールとビニールイソブチールエーテルとの共重合体の樹脂等が挙げられる。
【0021】
本発明で使用される樹脂成分の割合は、ポリウレタン樹脂100質量部に対し、金属顔料0〜30質量部、エポキシ基を有する化合物が0〜20質量部、ポリイソシアナート化合物0〜10質量部である。
【0022】
インキの配合比としては、樹脂が5〜30質量部、金属顔料が0〜60質量部、添加剤が0〜10質量部であり、溶剤の添加量は、不揮発分が10〜55%程度になることが好ましく、15%〜45%が特に好ましい。
【0023】
インキの製造は、通常のグラビアインキと同様に、樹脂、金属顔料、溶剤および助剤を秤量し、良く混合、撹拌し、必要により練肉して仕上げる。アルミペーストを使用する場合は混合、撹拌により製品の印刷インキとして仕上げることができる。
【0024】
意匠性を付与するために本発明の印刷インキが使用されるフイルムは、通常グラビア印刷に使用されるフイルムが用いられる。例を挙げればポリプロピレンフイルム、塩素化ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、ナイロンフイルム等が挙げられる。これらのフイルムは、コロナ処理、フレーム処理や延伸処理が施されていてもよい。
【0025】
ラミネートされる基材としては、熱可塑性のプラスチックが使用される。例を挙げればポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂等がある。
【0026】
インキの印刷・塗布方法は、一般的なグラビアコート、シルクスクリーン、フレキソ等の任意の方式が用いられるが、例えば、グラビアコートが好ましく用いられる。
【0027】
インキ皮膜の乾燥膜厚は、0.3〜5μmが好ましく、より好ましくは0.8〜2μmである。乾燥皮膜が厚すぎるとブロッキング(インキ皮膜面同士がくっつく)のトラブルを起こしやすい。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例によって、本発明を具体的に説明する。配合組成その他の数値は質量部を表す。また各種原料の不揮発分をN.V.とも表記する。不揮発分は質量%で表す。
【0029】
実施例1〔印刷インキ組成物(A)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(東洋アルミ社製:アルミペースト98−1822T(N.V.50.2%)・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・42.2g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
以上の合計100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分26.0%の印刷インキ組成物(A)を調製した。
【0030】
実施例2〔印刷インキ組成物(B)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(東洋アルミ社製:アルミペースト98−1822T(N.V.50.2%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・40.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
ポリイソシアナート化合物(武田薬品工業社製:タケネートD−160N(N.V.70%))・・・1.0g、
以上の100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分26.7%の印刷インキ組成物(B)を調製した。
【0031】
実施例3〔印刷インキ組成物(C)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(旭化成社製:アルミペーストGX−201A(N.V.70%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・41.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学社製:サイリシア350D)・・・0.3g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
以上の100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分30.8%の印刷インキ組成物(C)を調製した。
【0032】
実施例4〔印刷インキ組成物(D)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(旭化成社製:アルミペーストGX−201A(N.V.70%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・40.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
ポリイソシアナート化合物(武田薬品工業社製:タケネートD−160N(N.V.70%))・・・1.0g、
以上の100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分31.5%の印刷インキ組成物(D)を調製した。
【0033】
比較例1〔印刷インキ組成物(E)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(旭化成社製:アルミペーストGX−201A(N.V.70%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・43.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
以上の100gを撹拌機で1時間混合・撹拌し、不揮発分28.8%の印刷インキ組成物(E)を調製した。
【0034】
比較例2〔印刷インキ組成物(F)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(旭化成社製:アルミペーストGX−201A(N.V.70%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・42.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
ポリイソシアナート化合物(武田薬品工業社製:タケネートD−160N(N.V.70%))・・・1.0g、
以上の100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分29.5%の印刷インキ組成物(F)を調製した。
【0035】
[評価試験]
上記で作成した実施例の印刷インキ組成物(A),(B),(C),(D),及び比較例のインキ組成物(E),(F)を、ヒガシタニ社製グラビア印刷機を使用し、印刷速度40m/min、175線、30μmの網グラビア版で、厚さ12μmのポリエステルフィルム(東レ社製:ルミラー)に印刷を行い、その接着性ついて評価した。結果を表1に示す。なお、評価方法は、以下に記した方法による。
【0036】
〔接着性〕
印刷物を室温で1日放置後、印刷面にニチバン社製セロハンテープ24mmをはりつけ、これを急速にはがした時、印刷皮膜が全くはがれなかったものを(◎)、80%以上フイルムに残ったものを(○)、50〜80%残ったものを(△)、20%以下しか残らなかったものを(×)として評価した。
【0037】
[接着性試験について]
一般的に印刷されたインキ皮膜の基材への接着性(密着性)を確認する方法としてセロハンテープを用いた剥離試験が実施される。インキ皮膜が基材へ強固に接着している場合はセロハンテープを該皮膜に貼り付けてはがしてもインキ皮膜が剥離することはない。しかし基材への接着性が弱い場合に於いてはインキ皮膜が基材から剥がれ、はがしたセロハンテープの側にインキ皮膜が付着(転移)する。また、インキ皮膜そのものの凝集力が基材への接着力より弱い場合に於いてはインキ皮膜の凝集破壊(インキ皮膜間での剥離)が発生する。これは基材とセロハンテープの両方に皮膜が残存・付着することから確認できる。
【0038】
【表1】
【0039】
表1より本発明の実施例であるインキ組成物A〜Dは比較例に比べて接着性が優れていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】
本発明のメタリック調の印刷インキ組成物は、印刷されたインキ皮膜に金属光沢を発現させるためにアルミニウム顔料等の金属顔料が配合された印刷インキにおいて、該インキ皮膜の凝集力および接着力を飛躍的に向上させたことにより、印刷後のインキ皮膜(アルミニウム顔料間)での凝集破壊が発生しないという効果を有する。
【0041】
また、印刷インキ中に分散できるアルミニウム顔料を選択する上での制約が少なくなるので、幅広く意匠性のある(例えば高輝度、高隠蔽性、多種多様な色調を有する等)メタリック調の印刷物が形成できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷されたインキの皮膜が凝集力、接着力に優れ、金属光沢を有する印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷物に金属光沢を付与する目的で、印刷インキ中にアルミニウムペーストやアルミニウム粉等の金属顔料を添加した、シルバーまたはゴールド等のメタリック調の印刷インキが使用されている。
【0003】
高い金属光沢を得る為には、金属顔料の粒子径の粗いアルミニウムペースト等を使用し、尚且つインキ中のアルミペーストの含有量を多くする処方がとられる。しかしインキ中のアルミニウム含有量が多くなると、インキ皮膜の凝集力が低下して皮膜が弱くなり、印刷後にアルミニウム間での層間剥離、印刷基材からの絵柄剥がれ等の不具合が生じる。
【0004】
アルミニウムペーストやアルミニウム粉等の金属顔料については、該金属顔料の表層に樹脂コーティング等の表面処理を施すことで印刷後のインキ皮膜の凝集力や耐候性を向上させる方法がある。しかしこの方法ではアルミニウムペーストやアルミニウム粉等の表層が樹脂で覆われるので、アルミニウム本来の金属光沢感が非コーティングタイプのアルミニウムペーストやアルミニウム粉等の金属顔料に比べて低下する。
【0005】
またアルミニウムペーストを添加したメタリック調の印刷インキは、アルミニウムペーストの製造段階で使用されるミネラルスピリッツやソルベントナフサ等の高沸点有機溶剤が含まれていて、これらの溶剤は蒸発乾燥時間が長く、印刷後の印刷物に長期間残留して印刷後のインキ皮膜の凝集力を低下させる原因ともなる。
【0006】
印刷後のインキ皮膜の凝集力を向上させる為には、樹脂コーティング等の表面処理を施したアルミニウムペースト、アルミニウム粉等の金属顔料を選択することが必要になり、メタリック調印刷インキに使用できる金属顔料の選択性が狭まってしまう。これはメタリック調を有する印刷インキを設計する上での支障になる。
【0007】
特許文献1にはグラビアインキにアルミニウム粉末を添加したインキ組成物が記載されている。該インキはメタリック感の高い着色印刷物を提供することを目的としており、インキ中にアルミニウム粉末を高濃度に含有するための製造方法に関する。しかし出来上がった印刷インキのインキ皮膜の凝集力向上については記載や示唆はない。
【0008】
自動車及び缶塗料のメタリック調印刷に用いられるインキは200〜250℃での30分程度の焼き付けが必要であり、フィルム用の印刷インキとしては使用できない。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−195359号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、プラチックフィルム等の基材に印刷され、印刷後のインキ皮膜が高い金属光沢と強固な凝集力を有するメタリック調の印刷インキ組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、ウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、アルミニウムペースト及び又はアルミニウム粉等の金属顔料を分散加工したメタリック調印刷インキにおいて、エポキシ基を有する化合物及び又はポリイソシアナート化合物を添加すると該メタリック調印刷インキのインキ皮膜の凝集力が飛躍的に向上し、それに伴い基材とインキ皮膜の密着強度が著しく向上することを見出し、本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明の印刷インキ組成物は、ポリウレタン樹脂をバインダーとしてアルミニウムペースト、アルミニウム粉等の金属顔料を分散したものであり、エポキシ基を有する化合物及び又はポリイソシアナート化合物を含有することを特徴とする。
【0013】
そして使用時にエポキシ樹脂を混合する2液型でなく、予めインキ中にエポキシ基を有する化合物が配合されている1液型インキである。また、ポリイソシアナート化合物を併用することで2液型インキとしても使用可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
(一、二)金属顔料
本発明の印刷インキはメタリック調の光沢を得るために金属顔料が分散されているが、中でもアルミニウムペーストやアルミニウム粉が好ましく用いられる。使用するアルミニウムペーストは、アルミニウム顔料と、ステアリン酸及び又はオレイン酸、ミネラルスピリッツ等の石油系有機溶剤とを混合し、練肉して得られる。一般的にアルミニウムペーストにはリーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプに分けられる。本発明に用いるアルミペーストとしてはノンリーフィングタイプが好ましい。印刷インキ中のアルミペーストの含有量は5.0〜30.0質量%が好ましく、より好ましくは10.0〜25.0質量%である。
【0015】
(三)ポリウレタン樹脂
ポリウレタン樹脂とは、通常ジイソシアナート化合物とポリオール化合物及び低分子量の鎖伸長剤の縮重合反応により得られ、分子内にウレタン結合を多数持った柔軟性、弾性に富んだ樹脂である。本発明で好適に用いられるポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。本発明に用いるポリウレタン樹脂としては、分子量1,000〜500,000のものが好ましく、より好ましくは30、000〜100,000である。
【0016】
(四)エポキシ基を有する化合物
エポキシ基を有するポリエステルポリオール化合物とは、その分子内に一つ以上のエポキシ基をもっているポリエステルポリオール化合物であり、1分子中に二つ以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂も含む。本発明で好適に用いられるエポキシ基を有する化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−tブチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0017】
(五)ポリイソシアナート化合物
ポリイソシアナート化合物とは、その分子内にイソシアナート基を有する化合物である。芳香族と脂肪族が存在する。芳香族としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナート、トリジンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート等が好ましく用いられる。脂肪族としては、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジイソシアナート等を好ましく用いることができる。
【0018】
これらの中でも基材密着性およびポリウレタン樹脂との架橋性が良好なヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート及びキシリレンジイソシアナートが好ましく用いられる。
【0019】
溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル等のエステル類、イソプロピルアルコール(IPA)、変性アルコール等のアルコール系溶剤や、これらの混合溶剤等を用いる。添加剤として、必要に応じて、耐摩耗性向上のためのポリエチレンワックス、ブロッキング防止のための二酸化珪素等を添加しても良い。
【0020】
本発明においては、金属顔料のビヒクルとして、グラビア印刷もしくはフレキソ印刷インキに一般的に用いられる樹脂を併用しても良い。例を挙げれば、非塩素化ポリオレフイン樹脂、ポリアミド樹脂、ケトン樹脂、ポリビニールブチラール樹脂、エポキシ樹脂、エチレン酢酸ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂、塩化ビニールとビニールイソブチールエーテルとの共重合体の樹脂等が挙げられる。
【0021】
本発明で使用される樹脂成分の割合は、ポリウレタン樹脂100質量部に対し、金属顔料0〜30質量部、エポキシ基を有する化合物が0〜20質量部、ポリイソシアナート化合物0〜10質量部である。
【0022】
インキの配合比としては、樹脂が5〜30質量部、金属顔料が0〜60質量部、添加剤が0〜10質量部であり、溶剤の添加量は、不揮発分が10〜55%程度になることが好ましく、15%〜45%が特に好ましい。
【0023】
インキの製造は、通常のグラビアインキと同様に、樹脂、金属顔料、溶剤および助剤を秤量し、良く混合、撹拌し、必要により練肉して仕上げる。アルミペーストを使用する場合は混合、撹拌により製品の印刷インキとして仕上げることができる。
【0024】
意匠性を付与するために本発明の印刷インキが使用されるフイルムは、通常グラビア印刷に使用されるフイルムが用いられる。例を挙げればポリプロピレンフイルム、塩素化ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、ナイロンフイルム等が挙げられる。これらのフイルムは、コロナ処理、フレーム処理や延伸処理が施されていてもよい。
【0025】
ラミネートされる基材としては、熱可塑性のプラスチックが使用される。例を挙げればポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂等がある。
【0026】
インキの印刷・塗布方法は、一般的なグラビアコート、シルクスクリーン、フレキソ等の任意の方式が用いられるが、例えば、グラビアコートが好ましく用いられる。
【0027】
インキ皮膜の乾燥膜厚は、0.3〜5μmが好ましく、より好ましくは0.8〜2μmである。乾燥皮膜が厚すぎるとブロッキング(インキ皮膜面同士がくっつく)のトラブルを起こしやすい。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例によって、本発明を具体的に説明する。配合組成その他の数値は質量部を表す。また各種原料の不揮発分をN.V.とも表記する。不揮発分は質量%で表す。
【0029】
実施例1〔印刷インキ組成物(A)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(東洋アルミ社製:アルミペースト98−1822T(N.V.50.2%)・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・42.2g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
以上の合計100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分26.0%の印刷インキ組成物(A)を調製した。
【0030】
実施例2〔印刷インキ組成物(B)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(東洋アルミ社製:アルミペースト98−1822T(N.V.50.2%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・40.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
ポリイソシアナート化合物(武田薬品工業社製:タケネートD−160N(N.V.70%))・・・1.0g、
以上の100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分26.7%の印刷インキ組成物(B)を調製した。
【0031】
実施例3〔印刷インキ組成物(C)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(旭化成社製:アルミペーストGX−201A(N.V.70%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・41.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学社製:サイリシア350D)・・・0.3g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
以上の100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分30.8%の印刷インキ組成物(C)を調製した。
【0032】
実施例4〔印刷インキ組成物(D)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(旭化成社製:アルミペーストGX−201A(N.V.70%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・40.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
エポキシ変性ポリエステルポリオール化合物樹脂(テンカポリマー社製:TP−ester polyol(N.V.100%))・・・2.0g、
ポリイソシアナート化合物(武田薬品工業社製:タケネートD−160N(N.V.70%))・・・1.0g、
以上の100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分31.5%の印刷インキ組成物(D)を調製した。
【0033】
比較例1〔印刷インキ組成物(E)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(旭化成社製:アルミペーストGX−201A(N.V.70%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・43.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
以上の100gを撹拌機で1時間混合・撹拌し、不揮発分28.8%の印刷インキ組成物(E)を調製した。
【0034】
比較例2〔印刷インキ組成物(F)の調整〕
ポリウレタン樹脂(三洋化成工業社製:サンプレンIB−12(N.V.30%))・・・19.2g、
ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社製:KL−564(N.V.30%))・・・12.8g、
塩化酢酸ビニル樹脂(ユニオンカーバイト社製:UCAR*SVR VAGH)・・・3.2g、
アルミペースト顔料(旭化成社製:アルミペーストGX−201A(N.V.70%))・・・20.0g、
混合溶剤(トルエン:MEK:IPA=2:2:1)・・・42.9g、
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス220MP)・・・0.6g、
二酸化珪素(富士シリシア化学製:サイリシア350D)・・・0.3g、
ポリイソシアナート化合物(武田薬品工業社製:タケネートD−160N(N.V.70%))・・・1.0g、
以上の100gを撹拌機で1時間撹拌・混合し、不揮発分29.5%の印刷インキ組成物(F)を調製した。
【0035】
[評価試験]
上記で作成した実施例の印刷インキ組成物(A),(B),(C),(D),及び比較例のインキ組成物(E),(F)を、ヒガシタニ社製グラビア印刷機を使用し、印刷速度40m/min、175線、30μmの網グラビア版で、厚さ12μmのポリエステルフィルム(東レ社製:ルミラー)に印刷を行い、その接着性ついて評価した。結果を表1に示す。なお、評価方法は、以下に記した方法による。
【0036】
〔接着性〕
印刷物を室温で1日放置後、印刷面にニチバン社製セロハンテープ24mmをはりつけ、これを急速にはがした時、印刷皮膜が全くはがれなかったものを(◎)、80%以上フイルムに残ったものを(○)、50〜80%残ったものを(△)、20%以下しか残らなかったものを(×)として評価した。
【0037】
[接着性試験について]
一般的に印刷されたインキ皮膜の基材への接着性(密着性)を確認する方法としてセロハンテープを用いた剥離試験が実施される。インキ皮膜が基材へ強固に接着している場合はセロハンテープを該皮膜に貼り付けてはがしてもインキ皮膜が剥離することはない。しかし基材への接着性が弱い場合に於いてはインキ皮膜が基材から剥がれ、はがしたセロハンテープの側にインキ皮膜が付着(転移)する。また、インキ皮膜そのものの凝集力が基材への接着力より弱い場合に於いてはインキ皮膜の凝集破壊(インキ皮膜間での剥離)が発生する。これは基材とセロハンテープの両方に皮膜が残存・付着することから確認できる。
【0038】
【表1】
【0039】
表1より本発明の実施例であるインキ組成物A〜Dは比較例に比べて接着性が優れていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】
本発明のメタリック調の印刷インキ組成物は、印刷されたインキ皮膜に金属光沢を発現させるためにアルミニウム顔料等の金属顔料が配合された印刷インキにおいて、該インキ皮膜の凝集力および接着力を飛躍的に向上させたことにより、印刷後のインキ皮膜(アルミニウム顔料間)での凝集破壊が発生しないという効果を有する。
【0041】
また、印刷インキ中に分散できるアルミニウム顔料を選択する上での制約が少なくなるので、幅広く意匠性のある(例えば高輝度、高隠蔽性、多種多様な色調を有する等)メタリック調の印刷物が形成できる。
Claims (5)
- ポリウレタン樹脂をビヒクルの主成分とし、金属顔料を印刷インキ中に5〜30質量%分散した印刷インキであって、エポキシ基を有する化合物を含有するか、又はエポキシ基を有する化合物及びポリイソシアナート化合物を含有することを特徴とする印刷インキ組成物。
- 前記金属顔料がアルミニウムペースト及び又はアルミニウム粉である請求項1に記載の印刷インキ組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂がポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリマーポリオールから成る群から一つ以上選ばれたものである請求項1に記載の印刷インキ組成物。
- 前記エポキシ基を有する化合物がエポキシ変性ポリエステルポリオール樹脂である請求項1に記載の印刷インキ組成物。
- 前記ポリイソシアナート化合物がヘキサメチレンジイソシアナートである請求項1に記載の印刷インキ組成物。
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