JP2005132871A - ポリカプロラクトンジオールを含有するインク塗料及び装飾用フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 隠蔽性成分を比較的多量に含むインク塗料であっても、得られる塗膜の柔軟性が確保できるインク塗料を提供する。
【解決手段】 ウレタン樹脂、ポリフェノキシ樹脂、及び、顔料及び金属粉からなる群より選ばれる隠蔽性成分を含むインク塗料であって、ポリカプロラクトンジオールを可塑剤として含む、インク塗料。
【選択図】 なし
【解決手段】 ウレタン樹脂、ポリフェノキシ樹脂、及び、顔料及び金属粉からなる群より選ばれる隠蔽性成分を含むインク塗料であって、ポリカプロラクトンジオールを可塑剤として含む、インク塗料。
【選択図】 なし
Description
本発明はインク塗料及びそれを用いた装飾用フィルムに関する。
印刷用インクは、樹脂からなるバインダー、顔料、耐候助剤などの各種の添加剤を含有する。顔料には、有機顔料及び無機顔料があり、その種類や配合量によって得られるインクと膜の外観及び性能は大きく変化する。例えば、塗装対象物が有色であると、その色がインク塗膜の仕上がりの色に影響を及ぼすことがある。このような場合には、まず、隠蔽性のある白色インクを下塗層として形成してから、次に、所望の色の有色塗料で塗装が行なわれる。このような白色インクには、二酸化チタンなどの白色顔料が含まれるが、隠蔽性を高めるために、顔料分が多量に含まれていることがある。あるいは、下塗層として白色インク塗膜が形成されない場合であっても、塗装対象物の色の影響を受けやすいのは白色である。このため、塗装対象物の色を隠蔽するためには、他の色のインクに比べて、白インクの顔料はより多量に含まれていなければならないことが多い。多量の顔料の添加により、印刷後の塗膜では、白インクに基づく部分が硬く、柔軟性に欠くものとなっている。結果として、白インクを広範囲で印刷している部分の柔軟性が劣ったり、さらには、白インク塗膜部分のみに割れが生じることさえあった。従来、柔軟性の向上のためには、インク中のバインダー成分の量を増加したり、インクにトナーを混合して対応していたが、インク中の顔料分が相対的に減少するので、隠蔽性は低下していた。したがって、白インクの隠蔽性を減じることなく、他の色のインク塗膜と同様の柔軟性を発現することが望まれている。
特許文献1は、特殊な重合停止剤を用いることで、柔軟性の高い印刷インク用ポリウレタン・ポリウレア樹脂が得られることを開示している。特許文献2は、ジイソシアネートとジアミンとポリカプロラクトンジオールとの共重合体と、エポキシ樹脂と、少量の搖変剤と、少量の消泡剤と、少量のレベリング剤を配合した印刷用インク組成物を開示している。この印刷用インク組成物は、ポリカプロラクトンジオール成分はジイソシアネート成分と反応してウレタン結合を形成しており、単独の成分として含まれるものでない。また、このインクは、電気特性、耐薬品性、可とう性及び耐熱性などを有する、回路基板の被覆用インクであることも開示されている。これらの特許文献1及び2に開示された発明は、いずれもバインダー自体の改良に基づくものであるから、バインダー自体を変更しなければならず、設備などの面で汎用性が低い。
これまで、塗膜の柔軟性を得るための上記のような従来の技術は存在するが、白色顔料などの隠蔽性成分を比較的多量に含むインク塗料の柔軟性をさらに改良することが求められている。例えば、インク塗料を塗布して形成された塗膜をベースフィルム上に有するフィルム又はシートを曲面基材に適用する装飾用フィルムの用途では、装飾用フィルムを曲面基材の曲面にそって変形させるので、塗膜の高い柔軟性が要求される。例えば、乗物のボディー、特にバイクのタンクのような曲面基材の装飾に応用できるインク塗料が求められている。したがって、本発明の目的は、隠蔽性成分を比較的多量に含むインク塗料であっても、得られる塗膜の柔軟性が確保できるインク塗料を提供することである。また、本発明のさらなる目的は、このようなインク塗料の塗膜を含む装飾用フィルムを提供することである。
本発明は、その1つの態様によると、ウレタン樹脂、ポリフェノキシ樹脂、及び、顔料及び金属粉からなる群より選ばれる隠蔽性成分を含むインク塗料であって、ポリカプロラクトンジオールを可塑剤として含む、インク塗料を提供する。
本発明は、別の態様によると、接着剤層、前記接着剤層の上にある、上記のインク塗料から形成された塗膜を含む、装飾用フィルムを提供する。
本発明は、さらに別の態様によると、接着剤層、前記接着剤層の上にある、上記のインク塗料から形成された下塗層、及び、前記下塗層の上に有色塗料で画像形成された層を含む、装飾用フィルムを提供する。
本発明は、別の態様によると、接着剤層、前記接着剤層の上にある、上記のインク塗料から形成された塗膜を含む、装飾用フィルムを提供する。
本発明は、さらに別の態様によると、接着剤層、前記接着剤層の上にある、上記のインク塗料から形成された下塗層、及び、前記下塗層の上に有色塗料で画像形成された層を含む、装飾用フィルムを提供する。
本発明のウレタン系インク塗料は、ポリカプロラクトンジオールを含むことで、得られる塗膜の柔軟性が非常に高くなる。
また、本発明のインク塗料による塗膜は柔軟性が非常に高いので、変形しても、塗膜の割れなどの欠陥を生じにくい。
また、本発明のインク塗料による塗膜は柔軟性が非常に高いので、変形しても、塗膜の割れなどの欠陥を生じにくい。
以下、本発明のインク塗料及び乗物装飾用フィルムを好適な実施形態にしたがって説明する。ただし、本発明はこれらに限定されないことは当業者ならば容易に想到される。
本発明のインク塗料はバインダー成分としてポリウレタン樹脂及びフェノキシ樹脂を含む。バインダーとして有用なポリウレタン樹脂は、有機ジイソシアネート化合物と有機ジヒドロキシ化合物とを主体とする成分の反応により得られる樹脂である。ポリウレタン樹脂に使用される有機ジイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;シクロブチレン−1,3−ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアナート類;フェニレン−1,3−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアナート類;これらの有機ジイソシアネートの化学量論的過剰量と活性水素を2個有する化合物との反応により得られる両末端イソシアネートプレポリマー類等を挙げることができる。前記有機ジイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のインク塗料はバインダー成分としてポリウレタン樹脂及びフェノキシ樹脂を含む。バインダーとして有用なポリウレタン樹脂は、有機ジイソシアネート化合物と有機ジヒドロキシ化合物とを主体とする成分の反応により得られる樹脂である。ポリウレタン樹脂に使用される有機ジイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;シクロブチレン−1,3−ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアナート類;フェニレン−1,3−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアナート類;これらの有機ジイソシアネートの化学量論的過剰量と活性水素を2個有する化合物との反応により得られる両末端イソシアネートプレポリマー類等を挙げることができる。前記有機ジイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ウレタン樹脂の原料に使用される有機ジヒドロキシ化合物としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸等の1種以上のジカルボン酸とエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物等の1種以上のジオール成分との反応により得られる両末端ヒドロキシポリエステル類;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体等の両末端ヒドロキシポリエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物等のジオール類等を挙げることができる。これらの有機ジヒドロキシ化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ポリウレタン樹脂の分子量は、通常のウレタン系塗料に使用されるものであって、特に限定はない。ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、好ましくは5,000〜200,000の範囲である。この場合、ポリウレタン樹脂の数平均分子量が小さすぎると、インク層からの溶剤離れが損なわれて、ブロッキングを生じやすくなり、また得られるインク層と塗装対象物(例えば、接着剤層又はプラスチックフィルムなど)との密着性が弱くなる傾向があり、一方、高すぎると、インク塗料の粘度調節が困難になる傾向がある。本発明において、ポリウレタン樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
バインダーとして、さらに、フェノキシ樹脂を含む。バインダー成分として、ポリウレタン樹脂に加えて、フェノキシ樹脂を含むと、インクの耐熱性、耐水性、強靭性などの特性が向上するようになる。バインダーに使用されるフェノキシ樹脂は、等モルもしくはほぼ等モルのエピクロロヒドリンとビスフェノール化合物との反応により得られ、分子鎖中にヒドロキシル基を有する熱可塑性樹脂である。
フェノキシ樹脂に使用されるビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〕、ビスフェノールF(3,3’−n−プロピル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)等を挙げることができる。ビスフェノール化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
フェノキシ樹脂は、種々の接着剤との親和性も高い樹脂であり、このような樹脂を本発明でバインダー成分として使用することにより、本発明の装飾用フィルム形成のためにも好適なインク塗料を提供することができる。フェノキシ樹脂の分子量は、通常の塗料に使用される範囲で特に限定されない。フェノキシ樹脂の重量平均分子量は好ましくは10,000〜100,000の範囲である。フェノキシ樹脂の重量平均分子量が低すぎると、インク層からの溶剤離れが損なわれて、ブロッキングを生じやすくなり、また得られるインク層と塗装対象物(例えば、接着剤、プラスチックフィルムなど)との密着性が弱くなって、剥離しやすくなる傾向があり、一方、高すぎる、インク塗料の粘度調整が困難になる傾向がある。本発明において、フェノキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
バインダーにおけるポリウレタン樹脂とフェノキシ樹脂との重量比は、塗膜の製膜性、耐熱性、強度などの考慮しながら適宜決定されるが、通常は、99:1〜30:70の範囲である。フェノキシ樹脂は少量であってよいが、全く添加しないと、耐熱性、強度、強靭性が十分でない。一方、フェノキシ樹脂の比率が高すぎると、製膜性が低くなり、また、塗装対象物(例えば、接着剤、プラスチックフィルムなど)との密着性が低下する傾向がある。
本発明においては、ポリウレタン樹脂及びフェノキシ樹脂以外のバインダーを少量で含んでよい。このようなバインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アセタール系樹脂、ケトン樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、石油樹脂、塩素化ゴム、環化ゴム、セルロース誘導体、澱粉誘導体、ロジン誘導体、シェラック等を挙げることができる。これらの他のバインダーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のインク塗料はポリカプロラクトンジオールを可塑剤として含む。ポリカプロラクトンジオールの少量の添加により、本発明のインク塗料の柔軟性は有意に高められる。ポリカプロラクトンジオールは、カプロラクトンを重合することで得られ、好ましくは、ε−カプロラクトンのオリゴマー重合体である。有用なポリカプロラクトンジオールは、例えば、有機ジオール化合物の2つのヒドロキシル基からε−カプロラクトンの開環重合で延長されたカプロラクトン単位を有し、その両端にヒドロキシル基するオリゴマーである。ポリカプロラクトンジオールは比較的に低い分子量のものが好適に使用され、例えば、数平均分子量が3000以下のポリカプロラクトンジオールは好ましく、数平均分子量が1000以下のポリカプロラクトンジオールはより好ましい。このような分子量であると、可塑剤としての効果が有効に発揮されるからである。分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にてポリスチレン換算分子量として測定される。
また、ポリカプロラクトンポリオールの添加量は、インク塗料の固形分質量を基準として、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは1〜10質量%である。ポリカプロラクトンジオールの添加量が多すぎると、塗膜に十分な強度が得られず、また、塗膜に粘着性を生じることもある。数平均分子量が500のポリカプロラクトンジオールを約5質量%(固形分基準)の量で添加すると、特に良好な塗膜強度と柔軟性が得られる。
本発明のインク塗料は隠蔽性成分を含む。この隠蔽性成分は例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなどの無機顔料、あるいは、アルミニウム、アルミナフレークなどのアルミナ、マイカ、フレーク状のガラスなどの光輝顔料が使用されうる。下地の色を隠蔽するためにはできるかぎり、インク塗料が多量の隠蔽性成分を含有することが望まれる。隠蔽性成分は、好ましくはインク塗料の固形分質量を基準として、30〜80質量%、好ましくは50〜80質量%、70〜80質量%である。隠蔽性成分の量が少なすぎると、下地の色を十分に隠蔽することができなくなり、一方、多すぎると、得られる膜の柔軟性が不十分で、塗膜に割れを生じることがある。
また、本発明のインク塗料には、上記の隠蔽性成分に加えて、有色顔料を用いることもでき、例えば、カーボンブラック、イソインドリノンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等を挙げることができる。これらの顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のインク塗料は、通常、上記のようなバインダー成分を溶解し、そして隠蔽性成分を分散する溶剤を含む。溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、等のケトン系溶剤:ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素系溶剤;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジオキサン、アニソール、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−プロピル等の酢酸エステル系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール等のアルコール類;N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、本発明においては、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、あるいはこれらの混合物が好ましく、特に、メチルエチルケトン、トルエン、あるいはこれらの混合物が好ましい。
さらに、前記以外の配合成分としては、例えば、軟化剤、粘着剤、増膜助剤、ワックス、カップリング剤、分散剤、レベリング剤、耐候助剤等の添加剤を挙げることができる。
本発明のインク塗料は、上記の成分、ウレタン樹脂、ポリフェノキシ樹脂などのバインダー、顔料などの隠蔽性成分、ポリカプロラクトンジオール、及び、必要に応じて添加剤や溶剤と混合することで製造することができる。得られたインク塗料はグラビア印刷、スクリーン印刷などの適切な手段で塗布することで塗膜を形成することができる。
また、本発明は、本発明のインク塗料から形成された塗膜を含む装飾用フィルムである。本発明の装飾用フィルムは、1つの態様において、接着剤層、前記接着剤層の上にあるインク塗料から形成された塗膜を含む。この場合のインク塗料は、例えば、隠蔽性が特に要求される白色部分に対応する白インク塗料である。また、本発明の装飾用フィルムは、別の態様において、接着剤層、前記接着剤層の上にあるインク塗料から形成された下塗層、及び、前記下塗層の上に有色塗料で画像形成された装飾層を含む。この場合は、装飾層の画像が下地層の色に影響されないように、隠蔽用の層を装飾層とは別個に設けられている。これらのいずれの場合においても、接着剤層と、本発明のインク塗料から形成された層とは直接的に接触されるように形成されても、又は、薄いプラスチックフィルムなどの基材が介在してもよい。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリウレタンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルムなどが挙げられる。接着剤層は、被着体への適用に適するように適宜選択され、特に限定されるものではない。接着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、アクリル系ホットメルト接着剤などを用いることができる。インク塗料から形成される塗膜の厚さは、限定しないが、通常、0.1〜30μmであり、接着剤層の厚さは、通常、3〜100μmであり、プラスチックフィルムを基材として有する場合には、その厚さは、通常、3〜100μmである。
本発明の装飾用フィルムは、以下に限定されるわけではないけれども、例えば、アクリル系又はゴム系の粘着剤付きのウレタン、アクリル、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリオレフィン系フィルムなどの基材上に本発明のインク及び必要に応じて他の着色インクを塗布することによって得ることができる。
本発明のインク塗料及び装飾用フィルムは曲面を有する基材の装飾用途に特に有用性がある。例えば、自動四輪車、船舶、自動二輪車などのボディー、特に自動二輪車燃料タンクなどの曲面の曲がりの大きな基材に対して特に有利である。というのは、本発明のインク塗料は、可塑剤として、ポリカプロラクトンジオールを含むので、得られる塗膜及びそれを用いた装飾用フィルムは、十分な柔軟性が確保されるからである。
以下において、実施例により本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。実施例および比較例における「部」又は「%」は質量基準である。
実施例1
バインダー成分としてポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂(エピコート1256(商品名)、ジャパンエポキシレジン社製)を含み、顔料として二酸化チタンを含む白色インク塗料にポリカプロラクトンジオール(PCL L205AL(商品名)、分子量500、ダイセル化学工業製)を添加し、シンナー(3911シンナー(商品名)、住友スリーエム社製)で希釈し、インク塗料を製造した。下記の表1に配合比を示す。
バインダー成分としてポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂(エピコート1256(商品名)、ジャパンエポキシレジン社製)を含み、顔料として二酸化チタンを含む白色インク塗料にポリカプロラクトンジオール(PCL L205AL(商品名)、分子量500、ダイセル化学工業製)を添加し、シンナー(3911シンナー(商品名)、住友スリーエム社製)で希釈し、インク塗料を製造した。下記の表1に配合比を示す。
比較例1
実施例1と同様にしてインク塗料を形成したが、ポリカプロラクトンジオールは添加せず、その分をフェノキシ樹脂で置き換えた。下記の表1に配合比を示す。
実施例1と同様にしてインク塗料を形成したが、ポリカプロラクトンジオールは添加せず、その分をフェノキシ樹脂で置き換えた。下記の表1に配合比を示す。
実施例2
実施例1と同様にしてインク塗料を形成したが、ポリカプロラクトンジオール(PCL L205AL(商品名))の量を増加し、ポリウレタン樹脂の量を減少した。下記の表1に配合比を示す。
実施例1と同様にしてインク塗料を形成したが、ポリカプロラクトンジオール(PCL L205AL(商品名))の量を増加し、ポリウレタン樹脂の量を減少した。下記の表1に配合比を示す。
実施例3〜6
実施例1と同様にしてインク塗料を形成したが、分子量の異なるポリカプロラクトンジオールを添加した。下記の表1に配合比を示す。なお、ポリカプロラクトンジオールとして、実施例3では、(PCL L208AL(商品名)、分子量830、ダイセル化学工業製)、実施例4では、(PCL L212AL(商品名)、分子量1250、ダイセル化学工業製)、実施例5では、(PCL L220AL(商品名)、分子量2000、ダイセル化学工業製)、実施例6では、(PCL L230AL(商品名)、分子量3000、ダイセル化学工業製)を用いた。
実施例1と同様にしてインク塗料を形成したが、分子量の異なるポリカプロラクトンジオールを添加した。下記の表1に配合比を示す。なお、ポリカプロラクトンジオールとして、実施例3では、(PCL L208AL(商品名)、分子量830、ダイセル化学工業製)、実施例4では、(PCL L212AL(商品名)、分子量1250、ダイセル化学工業製)、実施例5では、(PCL L220AL(商品名)、分子量2000、ダイセル化学工業製)、実施例6では、(PCL L230AL(商品名)、分子量3000、ダイセル化学工業製)を用いた。
実施例1〜6及び比較例1のインク塗料を、各々50μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にバーコート印刷法により塗布した後、80℃の熱風オーブン中で30分間乾燥し、12μmの厚さの白色インク塗膜を得た。インク塗膜の塗工性および乾燥性はいずれも良好であった。
これらの塗膜の伸び及び応力を以下の方法で測定した。
テンシロン型引っ張り試験機を使用して、上記のようにして作製した修飾フィルムを、幅25mm×長さ150mmの大きさにカットし、長さ方向の両端をチャックにそれぞれ掴み代25mmではさみ、片方のチャックを固定し、速度300mm/minで片方のチャックを引っ張り塗膜の柔軟性を測定した。
テンシロン型引っ張り試験機を使用して、上記のようにして作製した修飾フィルムを、幅25mm×長さ150mmの大きさにカットし、長さ方向の両端をチャックにそれぞれ掴み代25mmではさみ、片方のチャックを固定し、速度300mm/minで片方のチャックを引っ張り塗膜の柔軟性を測定した。
実施例1及び比較例1の塗膜で得られた応力/歪み曲線のグラフを図1に示す。実施例1及び2の塗膜で得られた応力/歪み曲線のグラフを図2に示す。さらに、実施例1及び実施例3〜6及び比較例1の塗膜で得られた応力/歪み曲線のグラフを図3に示す。
図1の結果から、ポリカプロラクトンジオールを少量で添加することにより、柔軟性の優れた塗膜が得られることが判る。図2の結果から、ポリカプロラクトンジオールと、フェノキシ樹脂の量を調節することで、強度と柔軟性のバランスを制御することができることが判る。図3の結果から、ポリカプロラクトンジオールの分子量が1000以下であると、高い可塑化剤効果が得られ、好ましい。
本発明のインク塗料は、高い配合量の隠蔽性成分を配合しても、柔軟性に優れた塗膜を形成することができる。
Claims (7)
- ウレタン樹脂、ポリフェノキシ樹脂、及び、顔料及び金属粉からなる群より選ばれる隠蔽性成分を含むインク塗料であって、ポリカプロラクトンジオールを可塑剤として含む、インク塗料。
- 隠蔽性成分が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、アルミニウム、アルミナ、マイカ又はフレーク状のガラスである、請求項1記載のインク塗料。
- ポリカプロラクトンジールは数平均分子量が1000以下である、請求項1又は2記載のインク塗料。
- ポリカプロラクトンジオールの添加量は、インク塗料の固形分の質量を基準として20質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項記載のインク塗料。
- ポリカプロラクトンジオールの添加量はインク塗料の固形分の質量を基準として10質量%以下である、請求項4記載のインク塗料。
- 接着剤層、前記接着剤層の上にある請求項1〜5のいずれか1項記載のインク塗料から形成された塗膜を含む、装飾用フィルム。
- 接着剤層、前記接着剤層の上にある請求項1〜5のいずれか1項記載のインク塗料から形成された下塗層、及び、前記下塗層の上に有色塗料で画像形成された層を含む、装飾用フィルム。
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