JP4611683B2 - 塗工液および保護層を有する蒸着フィルム - Google Patents

塗工液および保護層を有する蒸着フィルム Download PDF

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本発明は、アルミナ、酸化ケイ素などの金属酸化物蒸着薄膜層が形成された蒸着フィルムの蒸着薄膜層表面に保護層を形成するための塗工液に関する。
PET(ポリエチレンテレフタレート)やNY(ナイロン)などのフィルムにアルミニウム、酸化ケイ素あるいは酸化アルミニウムの蒸着薄膜層が形成された蒸着フィルムは、ガスバリヤー性、装飾性、光遮断性および可撓性などに優れることから食品包装用などに多用されている。通常、これらの蒸着薄膜層には印刷が施される場合が多い。
蒸着薄膜層にグラビア印刷を行うと、印刷インキ組成物中の着色料(顔料)の影響でガスバリヤー性が低下することが知られており、蒸着薄膜層に保護層を設けることで対処している。保護層の形成には、従来からポリエステル樹脂、ポリウレタン・ウレア樹脂が用いられている。これらの樹脂は、分子量が数万のもので、溶剤に溶解して1液または2液仕様の塗工液として使用されている。
しかし、これらの塗工液を塗布して形成された直後の保護層は、印刷インキに使用される溶剤に対する耐性が低く、それが原因で印刷インキの転移性が悪く、意匠性の高い印刷物が得られないという欠点がある。そのために塗工液を2液仕様とし、エージングを行うことでこの欠点を補っているのが実情である。2液仕様でエージングするには、塗布とエージングの工程が別になり、従って、保護層形成と印刷を連続して行うことができず、生産性の低下やコストアップを伴う。また、他の方法として、耐溶剤性のあるPVA(ポリビニルアルコール)を使用した塗工液の使用もあるが、該塗工液はPVAの水溶液であり、塗布膜を高温で乾燥することが必要で、大型設備の導入または低速加工となる問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、本発明の課題は、印刷インキに使用されている溶剤に対する耐性を有し、印刷インキの転移後のレベリング障害が少なく、優れた印刷物を得ることができ、印刷による蒸着薄膜層のガスバリヤー性の低下が防止される蒸着フィルムの保護層を形成することができる塗工液を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成すべく検討を重ねた結果、ポリ(メタ)アクリル酸などの重合体とある種のポリウレタン・ウレア樹脂との混合物からなる皮膜は、蒸着薄膜層に対して接着性に優れ、印刷インキに使用されている酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなどの溶剤に対する耐性を有し、上記樹脂混合物からなる皮膜は印刷インキの転移後のレベリング障害が少なく、優れた印刷物を得ることができ、印刷による蒸着薄膜層のガスバリヤー性の低下もないことを見いだした。
本発明は以下の構成を有する。
1.有機溶剤と皮膜形成成分とを含んでなる、金属酸化物蒸着薄膜層が形成された蒸着フィルムの該蒸着膜層表面に保護層を形成するための塗工液であって、(メタ)アクリル酸の単独重合体、または、(メタ)アクリル酸を10質量%以上含む(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体(以下両者を「(メタ)アクリル酸系樹脂」と総称する場合がある)、のいずれか一方の重合体と、エーテル結合を持つポリウレタン・ウレア樹脂とを、上記皮膜形成成分として含有することを特徴とする塗工液。
2.架橋剤を含む前記1に記載の塗工液。
3.架橋剤が、2官能以上のエポキシ樹脂、ポリイソシアネートまたはブロックポリイソシアネートである前記2に記載の塗工液。
4.シランカップリング剤を含む前記1または2に記載の塗工液。
5.有機溶剤が、アルコール系溶剤、エステル系溶剤及び/又はケトン系溶剤混合溶剤である前記1〜4のいずれか1項に記載の塗工液。
6.蒸着フィルムの金属酸化物蒸着膜表面に、前記1〜5のいずれか1項に記載の塗工液から形成された保護層を有することを特徴とする蒸着フィルム。
なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」とはアクリル酸およびメタクリル酸の双方を含む意味である。
(メタ)アクリル酸系樹脂とエーテル結合を持つポリウレタン・ウレア樹脂とからなる蒸着フィルムの保護層は、その表面に印刷インキを印刷することによる蒸着薄膜層のガスバリヤー性の低下はなく、しかも蒸着薄膜層への接着性を保持している。保護層は、形成直後でも印刷インキに使用される溶剤に対する耐性があり、印刷に際し、保護層に一色目の印刷をし、以後、通常の印刷を行っても印刷効果を損なわずに優れた印刷物が得られることで生産の合理化が可能になり、保護層の形成と印刷とを別工程で行う方法に比べて低コストになる。本発明の蒸着フィルムの保護層形成用の塗工液は、速乾性溶媒に溶解されているので特別の乾燥設備は必要としない。
本発明の塗工液は、皮膜形成成分として、(1)(メタ)アクリル酸系樹脂と、(2)エーテル結合を持つポリウレタン・ウレア樹脂を使用する。(メタ)アクリル酸系樹脂は、蒸着薄膜層に対して優れた接着性を有し、印刷インキに使用されている酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなどの溶剤に対する耐性を有し、この重合体の皮膜は印刷インキの転移後のレベリング障害が少なく、優れた印刷物を得ることができる。しかし、皮膜は硬く、脆くて蒸着薄膜層の保護層としては好ましくない。一方、ポリウレタン・ウレア樹脂は、可撓性があり保護層としての必要な性能を有しているが、印刷インキに使用されている酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなどへの溶解性があり、この樹脂皮膜面では印刷インキの転移後のレベリング障害がおこり、優れた印刷物を得ることができない。
種々検討した結果、ポリウレタン・ウレア樹脂のなかで分子中にエーテル結合を持つポリウレタン・ウレア樹脂は、(メタ)アクリル酸系樹脂とは広範囲の混合比において混和性(相溶性)があり、これらの混合物からなる皮膜は、可撓性を有し、印刷インキに使用されている酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなどの溶剤に対する耐性があり、印刷インキの転移後のレベリング障害もなく、印刷後の蒸着薄膜層のガスバリヤー性の低下もないことが分かった。
本発明で使用する(メタ)アクリル酸系樹脂としては、(メタ)アクリル酸の単独重合体および(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(以下単に「アクリル共重合体」という)を使用する。使用する(メタ)アクリル酸の単独重合体としては、平均分子量が1万〜6万の範囲のものが好ましい。また、アクリル共重合体における(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合比は、(メタ)アクリル酸エステルの比率が高くなると耐溶剤性が低下し、(メタ)アクリル酸の比率が高いと耐溶剤性が高くなるが、(メタ)アクリル酸が10質量%以上であることが必要である。(メタ)アクリル酸が10質量%未満では本発明の効果が得られない。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、その他のアルキル基が挙げられる。これらのアクリル共重合体は平均分子量が1万〜6万の範囲のものが好ましい。
本発明で使用するポリウレタン・ウレア樹脂は、その構造中のエーテル結合を有することが必要である。エーテル結合は、ポリウレタン・ウレア樹脂の原料としてエーテル結合を持つポリオールを使用することでもたらされるが、全てのポリオールがエーテル結合を有する必要はなく、少量含有しておれば、他の結合はエステル結合やカーボネート結合であっても何ら問題はない。
エーテル結合を有するポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどの従来公知のポリエーテルポリオールがいずれも使用可能であり、特に限定されるものではない。これらのエーテル系ポリオールと他のポリオールの混合比は任意である。(メタ)アクリル酸系樹脂との混和性を重視する場合は、エーテル系ポリオールの比率を高く、耐溶剤性を重視する場合には他のポリオールの比率を高くすることで塗布皮膜(保護層)の性能を自由にコントロールすることができる。
上記エーテル系ポリオールと他のポリオールは、ポリウレタン・ウレア樹脂を合成する際に混合して用いてもよいし、それぞれのポリオールを用いてそれぞれのポリウレタン・ウレア樹脂を合成し、得られたポリウレタン・ウレア樹脂を混合して用いてもよい。いずれの場合も、エーテル結合を有するポリオールは、全ポリオールの20〜100質量%となる量が好ましい。エーテル結合を有するポリオールの量が20質量%未満であると、(メタ)アクリル酸系樹脂との混合性の点で好ましくない。ポリウレタン・ウレア樹脂の分子量は特に限定されないが、通常、平均分子量が1万〜5万の範囲が好ましい。
(メタ)アクリル酸系樹脂(1)とエーテル結合を持つポリウレタン・ウレア樹脂(2)は、自由な比率で混合可能であり、印刷インキの転移性、蒸着膜層保護機能から自由に混合比率を決めることができる。好ましい(1)と(2)の混合質量比率は5:95〜95:5の範囲である。
上記範囲の混合比で保護層を形成することで、該保護層としては十分な機能を持ち合わせているが、インキ溶剤に対する耐性を上げる目的で架橋剤(硬化剤)として2官能性以上のエポキシ樹脂、ポリイソシアネートなどを添加することで高物性な保護層を得ることができる。さらにシランカップリング剤を加えることで耐水性を高めることができる。
本発明で使用する架橋剤(硬化剤)としては、エポキシ基を2個以上持つエポキシ樹脂、イソシアネート基を2個以上持つポリイソシアネートおよびブロックポリイソシアネートが挙げられ、これらは従来公知のものがいずれも使用可能であり、特に限定されない。架橋剤の使用量は特に制限されず、通常、塗工液中の皮膜形成成分(前記の重合体混合物)に対して5〜20質量%程度である。
本発明で使用するシランカップリング剤としては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの加水分解性のアルコキシシリル基をもつものであればいずれも使用できる。シランカップリング剤の使用量は特に制限されず、通常、塗工液中の皮膜形成成分(前記の重合体混合物)に対して5〜20質量%程度である。
本発明の蒸着フィルムに保護層を形成するために使用される塗工液は、皮膜形成成分の(メタ)アクリル酸系樹脂(1)と、エーテル結合を持つポリウレタン・ウレア樹脂(2)を共通の溶剤に一緒に溶解して溶液としたものでも、あるいはそれぞれを別々の溶剤(相互に可溶性の)に溶解して溶液とし、これらの溶液を混合したものでもよく、塗工液の調製方法は特に限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸系樹脂の可溶性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤などが、エーテル結合を持つポリウレタン・ウレア樹脂の可溶性溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピルなどのエステル系溶剤またはメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤の単独またはこれらとアルコール系溶剤との混合溶剤などが挙げられる。塗工液には、必要により、前記の架橋剤、シリカ、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックスなどの添加剤を適宜加えることができる。塗工液は、通常、固形分が5〜15質量%程度に調整される。
蒸着フィルム表面に保護層を形成するには、グラビアコート、ロールコート、グラビアリバースコーターなどの通常の塗布手段を用い、塗布量が、例えば、 0.1〜1g/m2(dry)程度となるように蒸着フィルム表面に塗工液を塗布する。塗布終了後、適宜乾燥させる。本発明では、蒸着フィルムは特に限定されず、金属酸化物蒸着薄膜層を有するものであれば、いずれでもよい。
次に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の例における混合比、部および%はすべて質量基準である。
実施例1〜3、比較例1〜2
ポリメタクリル酸として平均分子量3万のものを用意し、かつポリウレタン・ウレア樹脂として、ポリプロピレングリコール(平均分子量2,000)と、ネオペンチルグリコールとアジピン酸との重合により得られたポリエステルポリオール(平均分子量2,000)の1:9の混合物にイソホロンジイソシアネートをNCO/OHの当量比が3:2となるように反応させて得られた末端イソシアネートのプレポリマーにイソホロンジアミンを当量の1.1倍を加えて伸長して得た末端にアミノ基をもつポリウレタン・ウレア樹脂とを用意した。
上記ポリメタクリル酸をイソプロピルアルコールに溶解し、ポリウレタン・ウレア樹脂を酢酸エチル/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコールの2:2:1の混合溶剤に溶解した(それぞれ固形分30%)。これらの溶液を混合し、上記の重合体を後記表1に示す混合比で含む溶液を作製し、酢酸エチル/イソプロピルアルコールの1:1の混合溶剤で固形分15%の塗工液とした。各塗工液をグラビア印刷機を使用してエコシアールVN200(東洋紡績社製蒸着フィルム:ナイロンフィルムにシリカとアルミナを蒸着)に塗布量が0.5g/m2(dry)となるように塗布して保護層を形成した。後述の方法で印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。得られた結果を後記表1に示す。
実施例4〜6、比較例3〜4
実施例1〜3および比較例1〜2の各塗工液にエポキシ系硬化剤(エポトートYP300、不揮発分100%:東都化学社製)を塗工液の固形分に対して10%を加え、実施例1などと同様にして保護層を形成し、後述の方法で印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。得られた結果を後記表2に示す。
実施例7〜9、比較例5〜6
実施例1〜3および比較例1〜2の各塗工液にポリイソシアネート(タケネートD160N、不揮発分75%:三井武田ケミカル社製)を塗工液の固形分に対した10%を加え、実施例1などと同様にして保護層を形成した。後述の方法で印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。得られた結果を後記表3に示す。
実施例10〜12、比較例7〜8
実施例1〜3および比較例1〜2の各塗工液にブロックポリイソシアネート(タケネートB800、不揮発分50%:三井武田ケミカル社製)を塗工液の固形分に対して10%を加え、実施例1などと同様にして塗布した後、160℃、10分間の強熱乾燥を行い保護層を形成した。後述の方法で印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。得られた結果を後記表4に示す。
実施例13〜15、比較例9〜10
メタクリル酸とメタクリル酸エチルの共重合体として、メタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチル/メタクリル酸が4/3/3(質量比)からなる共重合体(平均分子量3万)を用意し、かつポリウレタン・ウレア樹脂として、ポリプロピレングリコール(平均分子量2,000)とポリカプロラクトンジオール(平均分子量1,000)の1:1の混合物とイソホロンジイソシアネートとをNCO/OH(当量比)が3:2となるように反応させて得られた末端イソシアネートのプレポリマーにイソホロンジアミンを当量の1.1倍を加えて伸長して得られた末端にアミノ基をもつポリウレタン・ウレア樹脂を用意した。
上記共重合体を酢酸エチル/イソプロピルアルコールの1/1混合溶剤に溶解し、ポリウレタン・ウレア樹脂を酢酸エチル/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコールの2:2:1混合溶剤に溶解した(いずれも固形分は30%)。これらの溶液を、上記重合体が表5に示す混合比率となるように混合して塗工液を得た。各塗工液を酢酸エチル/イソプロピルアルコールの1:1混合溶剤で固形分を15%に調整し、グラビア印刷機を使用してエコシアールVN200(東洋紡績社製蒸着フィルム)に塗布量が0.5g/m2(dry)となるように塗布し、保護層を形成した。後述の方法で印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。得られた結果を後記表5に示す。
実施例16〜18、比較例11〜12
実施例13〜15および比較例9〜10の各塗工液にエポキシ系硬化剤(エポトートYP300:東都化学社製)塗工液の固形分に対して10%を加え、実施例13などと同様にして保護層を形成した。後述の方法で印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。得られた結果を後記表6に示す。
実施例19〜21、比較例13〜14
実施例4〜6および比較例3〜4の各塗工液にシランカップリング剤(信越シリコンKBM403、不揮発分100%:信越化学工業(株))を塗工液の固形分に対して10%を加え、実施例1〜3および比較例1〜2と同様にして保護層を形成した。後述の方法で印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。得られた結果を後記表7に示す。
比較例15〜19
メタクリル酸とメタクリル酸エチルの共重合体として、メタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチル/メタクリル酸が50/50/1(質量比)からなる共重合体(平均分子量3万)を用意し、かつポリウレタン・ウレア樹脂として、ポリプロピレングリコール(平均分子量2,000)とポリカプロラクトンジオール(平均分子量1,000)の1:1の混合物とイソホロンジイソシアネートとをNCO/OH(当量比)が3:2となるように反応させて得られた末端イソシアネートのプレポリマーにイソホロンジアミンを当量の1.1倍を加えて伸長して得られた末端にアミノ基をもつポリウレタン・ウレア樹脂を用意した。
上記共重合体を酢酸エチル/イソプロピルアルコールの1/1混合溶剤に溶解し、ポリウレタン・ウレア樹脂を酢酸エチル/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコールの2:2:1の混合溶剤に溶解した(いずれも固形分を30部に調整)。これらの溶液を上記重合体が後記表8に示す混合比となるように混合し、酢酸エチル/イソプロピルアルコールの1:1混合溶剤で固形分15%の塗工液に調整し、グラビア印刷機を使用してエコシアールVN200(東洋紡績社製蒸着フィルム)に塗布量が0.5g/m2(dry)となるように塗布して保護層を形成した。後述の方法で印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。得られた結果を後記表8に示す。
比較例20
保護層が形成されていないフィルム(エコシアールVN200(東洋紡績社製蒸着フィルム))に対して、各実施例と同様に印刷およびドライラミネートの加工を行い、性能評価を行った。
<保護層の性能評価>
作製した保護層(但し比較例20は保護層が形成されていないので蒸着膜表面)に直ちに印刷を行い、一日後ドライラミネートの加工を行い、40℃48時間の硬化後に性能評価を行った。
使用インキはNTハイラミック701R白(大日精化工業社製:ポリエステル骨格のウレタン・ウレア樹脂に酸化チタンを分散させた組成)で、ドライラミネート剤はセイカボンドA154−2/C88F(大日精化工業社製:PPG骨格で末端イソシアネート、末端水酸基の組成)である。貼り合わせフィルムはLLDPE(東洋紡績社製 L4104:40μm厚)である。
<性能判定方法>
接着性:保護層の乾燥状態でのセロハンテープ剥離で判定を行った。
○:剥離なし
△:50%程度剥離
×:80%以上剥離
インキ転移性:グラビア網版10〜100%の塗布物の濃度比較で判定を行った。
○:非塗布面(フィルム面)と同じ
△:フィルム面と比較して10〜20%未満低下
×:フィルム面と比較して20%低下
耐水性:保護層が形成された蒸着フィルムを水に1時間浸漬後、取り出し、湿状態でのセロハンテープ剥離で判定を行った。
○:剥離なし
△:50%程度剥離
×:80%以上剥離
耐ボイル性:ラミネート物を95℃、30分間、温水に浸漬し、保護層の白化より判定を行った。
○:塗布膜の白化なし
△:塗布膜のヘイズが若干低下
×:塗布膜が白化し不透明
バリヤー性:酸素透過度の変化より判定を行った。
剥離強度:ラミネート物をエコシアールVN200(東洋紡績社製)とLLDPE間で剥がし強度の測定を行った。
シール強度:ラミネート物のLLDPE面同士を150℃、0.3MPa、1秒で熱融着し、熱融着部の引っ張り強度の測定を行った。
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以上の結果から、(メタ)アクリル酸系樹脂とポリウレタン・ウレア樹脂を含む塗工液から形成された蒸着フィルムの保護層は、グラビア印刷インキの転移性、ラミネート強度がポリウレタン・ウレア樹脂単独の場合に比べて改善されることが確認された。(メタ)アクリル酸系樹脂は、接着性は優れているが、硬くて脆いことから、印刷によりバリヤー性が低下し、ラミネート強度が低いがポリウレタン・ウレア樹脂を混合することで、多くの使用に耐える高強度のラミネート物を得ることができることが同様に確認された。この2種類の樹脂を組み合わせることで保護層に要求される各種性能を有する保護層の形成が可能であることを以上の結果は示している。
本発明の塗工液は、蒸着フィルムの蒸着薄膜の保護層の形成に使用される。本発明の塗工液を塗布して形成される皮膜は、蒸着薄膜との接着性に優れ、印刷インキの溶剤に対する耐性を有し、インキ転移性に優れ、インキ転移後のレベリング障害も回避され、印刷によるバリヤー性の低下はない。

Claims (6)

  1. 有機溶剤と皮膜形成成分とを含んでなる、金属酸化物蒸着薄膜層が形成された蒸着フィルムの該蒸着膜層表面に保護層を形成するための塗工液であって、(メタ)アクリル酸の単独重合体、または、(メタ)アクリル酸を10質量%以上含む(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、のいずれか一方の重合体と、エーテル結合を持つポリウレタン・ウレア樹脂とを、上記皮膜形成成分として含有することを特徴とする塗工液。
  2. さらに、架橋剤を含む請求項1に記載の塗工液。
  3. 前記架橋剤が、2官能以上のエポキシ樹脂、ポリイソシアネートまたはブロックポリイソシアネートである請求項2に記載の塗工液。
  4. さらに、シランカップリング剤を含む請求項1または2に記載の塗工液。
  5. 前記有機溶剤が、アルコール系溶剤、エステル系溶剤及び/又はケトン系溶剤混合溶剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工液。
  6. 蒸着フィルムの金属酸化物蒸着膜表面に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗工液から形成された保護層を有することを特徴とする蒸着フィルム。
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