JP4674050B2 - コーティング液 - Google Patents

コーティング液 Download PDF

Info

Publication number
JP4674050B2
JP4674050B2 JP2004087350A JP2004087350A JP4674050B2 JP 4674050 B2 JP4674050 B2 JP 4674050B2 JP 2004087350 A JP2004087350 A JP 2004087350A JP 2004087350 A JP2004087350 A JP 2004087350A JP 4674050 B2 JP4674050 B2 JP 4674050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
coating liquid
film
coating
liquid according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004087350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005272611A (ja
Inventor
浩 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DNP Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
DNP Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DNP Fine Chemicals Co Ltd filed Critical DNP Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP2004087350A priority Critical patent/JP4674050B2/ja
Publication of JP2005272611A publication Critical patent/JP2005272611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4674050B2 publication Critical patent/JP4674050B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、蒸着フィルム用のコーティング液に関し、詳しくは、フィルム基材上に蒸着された無機酸化物からなる透明蒸着層面にコーティングすることにより、印刷調子の再現性に優れ、ガスバリア性の劣化が防止されるコーティング液に関する。
従来、高バリヤー性の蒸着フィルムとして、酸化珪素などを蒸着した透明蒸着フィルムが、各種包装材料として使用されている。これらの蒸着フィルムは蒸着層に印刷を施す際に、印刷工程でその蒸着層表面が傷つきやすく、また、とくにベタ印刷に使用されるインキの種類によっては蒸着面にクラッキングが生じ、蒸着層のバリヤー性が破壊される。このために、蒸着面は各種コーティング液を塗布することによって保護されている。上記のコーティング液としては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体などのポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメタアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂などからなるコーティング液が使用されている。しかしながら、従来のこれらのコーティング液が塗布され、塗膜が形成された上記の蒸着フィルムは、ガスバリア性が十分でなく、また、他のプラスチックフィルムとドライラミネート系の接着剤でラミネート加工する際、十分なラミネート強度が得られない。また、上記の塗膜は、印刷時に印刷調子の再現性が十分ではなかったり、印刷インキ中の溶剤によって塗膜面が侵食され、蒸着面の保護効果が不十分である。
上記の様な課題を解決するために、蒸着層用のコーティング液が提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に開示のコーティング液は、ウレタンポリマーを主体としたコーティング液であり、該コーティング液は、乾燥が遅く、該コーティングを塗布及び乾燥したフィルムの巻き取り物は、保管条件によっては蒸着フィルムにブロッキングが発生する。このために、疎水化シリカなどの体質顔料をブロッキング防止のためにコーティング液に添加している。しかしながら、体質顔料を添加することによって蒸着面の塗膜のブロッキング性は防止できるが、塗膜面がマット調になるために印刷時の調子の再現性が著しく低下する。
特開2001−288408公報
従って、本発明の目的は、無機酸化物からなる透明蒸着層面にコーティングすることにより、印刷調子の再現性と、ガスバリア性の劣化が防止され、さらに蒸着フィルムを他のフィルムとラミネートする際に優れたラミネート強度を与える蒸着層用のコーティング液を提供することである。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、ポリウレタン樹脂(a成分)と、ポリエステル樹脂(b成分)と、接着強化剤(c成分)とを有機溶媒中に含有するコーティング液において、上記のa成分が重量平均分子量10,000〜30,000で、ガラス転移温度が50℃以上のポリウレタン樹脂であり、b成分が重量平均分子量4,000〜15,000で、ガラス転移温度が50℃以上のポリエステル樹脂であり、c成分がシランカップリング剤(c1)および/またはイソシアネート化合物(c2)であることを特徴とする蒸着層用のコーティング液を提供する。
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記のa成分と、b成分と、c成分とを有機溶媒中に含有するコーティング液が、各種プラスチックフィルムに蒸着された無機酸化物からなる透明蒸着層面に対して、透明性を有し、密着性や保護性が優れ、印刷時に印刷インキの調子の再現性やガスバリア性の劣化防止、とくに、酸素バリア性の劣化防止に優れ、さらに蒸着フィルムを他のプラスチックフィルムとの貼り合わせをする際、貼り合わせ強度(ラミネート強度)が優れた蒸着フィルムを与えるコーティング液であることを見出した。
本発明によれば、特定の塗膜形成成分を有機溶媒に含有したコーティング液が、無機酸化物からなる透明蒸着層面に対して、透明性があり、密着性や保護性が優れ、印刷時に印刷インキの調子の再現性やガスバリア性の劣化防止に優れ、さらに蒸着フィルムを他のプラスチックフィルムと貼り合わせをする際、貼り合わせ強度(ラミネート強度)が優れた蒸着フィルムを与えるコーティング液が提供される。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明で使用するa成分は、重量平均分子量10,000〜30,000で、ガラス転移温度が50℃以上、好ましくは重量平均分子量が14,000〜16,000、ガラス転移温度が60〜95℃のポリウレタン系樹脂である。上記の重量平均分子量が上記上限を越える場合には、得られるコーティング被膜が硬く、屈曲性が低下する。一方、重量平均分子量が上記下限未満の場合には、得られるコーティング被膜がブロッキングしやすくなる。また、ガラス転移温度が、上記温度未満の場合には得られるコーティング被膜がブロッキングしやすくなる。
また、上記のa成分としては、酸価が3〜30mgKOH/gのものが好ましく使用される。上記の酸価が大き過ぎても、得られるコーティング塗膜の蒸着層への密着性および印刷適性のさらなる向上効果は得られない。一方、酸価が低過ぎると、得られるコーティング塗膜への印刷インキの転移性が低下する。
上記のa成分は、イソシアネート化合物とポリマーポリオールとを溶液重合などの公知の方法によって反応させ、必要に応じて鎖伸長剤または反応停止剤を使用することによって得られるポリウレタン系樹脂である。上記のイソシアネート化合物としては、従来のポリウレタン系樹脂の製造に使用されるものであればよく、イソプロピレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;1,3−または1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネートなど、好ましくは脂肪族または脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
また、上記のイソシアネート化合物と反応させるポリマーポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールなどが挙げられる。上記のポリエステルポリオールとしては、多価カルボン酸と多価アルコールとの反応で得られるポリエステルポリオールやラクトン環の開環重合で得られるポリエステルポリオールが挙げられる。上記の多価カルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの脂肪族、脂環族および芳香族などの多価カルボン酸が挙げられる。
上記の多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、キシリレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの脂肪族、脂環族、芳香族などの多価アルコールが挙げられる。
前記のポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのオキシラン化合物をエチレングリコール、1,2−プロパンジオールなどの多価アルコールを重合開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、上記のポリエーテルポリオールと、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、マレイン酸などの二塩基酸との反応によって得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。
前記のa成分は、分子量やガラス転移温度を必要に応じて調整するために、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオールなどのアルコール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどのアミン類などの鎖伸長剤および公知の低級アルコール系、アミン系などの鎖伸長停止剤などを使用して調製することができる。
また、本発明で使用するb成分は、重量平均分子量4,000〜15,000で、ガラス転移温度が50℃以上、好ましくは重量平均分子量が6,000〜8,000、ガラス転移温度が60〜90℃のポリエステル系樹脂である。上記の重量平均分子量が上記上限を超える場合には、得られるコーティング液のコーティング性が低下する。一方、重量平均分子量が上記下限未満の場合には、ガスバリア性の劣化防止性が低下する。また、ガラス転移温度が上記下限未満の場合には得られるコーティング塗膜がブロッキングしやすくなる。
また、上記のb成分は、酸価が5〜30mgKOH/gのもの、あるいは水酸基価が0〜7mgKOH/gのものが好ましく使用される。酸価が高すぎても得られるコーティング塗膜の蒸着層に対する密着性およびインキ転移性のさらなる向上効果はない。一方、酸価が低過ぎると、得られるコーティング塗膜の蒸着層に対する密着性およびインキの転移性が低下する。また、水酸基価が高すぎても、得られるコーティング塗膜のインキ転移性の向上効果はない。
上記のb成分は、多塩基酸と多価アルコールとを公知の方法で上記物性値を得るように適宜に共重合させたものであり、分子末端に水酸基を持ったヒドロキシルポリエステル系樹脂または分子末端にカルボキシル基を持ったカルボキシルポリエステル系樹脂など、およびそれらの混合物が挙げられる。上記の多塩基酸としては、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,5−または2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2'−または4,4'−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、ピメリン酸、コハク酸などの脂肪族ジカルボン酸など、およびこれらの混合物などのジカルボン酸類、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸などが挙げられる。
上記の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−または1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの脂肪族ジオール;1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環族ジオール;1,4−キシリレングリコール、1,3−キシリレングリコール、1,2−キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびプロピレンオキシド付加物などの芳香環含有ジオールなどのジオールおよびそれらの混合物およびその他、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールなどのポリオール化合物などが挙げられる。
前記のa成分と上記のb成分との配合割合は、a/b=20〜100/100(質量比)、好ましくはa/b=30〜80/100(質量比)である。a成分の割合が多過ぎるとガスバリア性の劣化防止効果が低下する。一方、a成分の割合が少な過ぎると、グラビア版のセル詰まりによりコーティング適性が低下する。
また、本発明のコーティング液は、無機酸化物からなる透明蒸着層面に対する密着性と、他のフィルムとのラミネート強度を向上させるために、a成分およびb成分と分散相溶性のよい接着強化剤であるc成分を、a成分およびb成分に混合して使用する必要がある。c成分は、シランカップリング剤(c1成分)および/またはイソシアネート系化合物(c2成分)である。上記のc1成分としては、ウレイド系シランカップリング剤および/またはエポキシ系シランカップリング剤が好ましく使用される。上記のc1成分およびc2成分は各々単独で、または混合して使用することができる。また、c1成分とc2成分とを併用する場合には、c1成分は、とくに、エポキシ系シランカップリング剤であることが好ましい。
上記のc1成分の配合量は、得られるコーティング液総量(A)に対して、c1/A=1〜3/100(質量比)である。上記のc1成分の配合量が多過ぎても、より優れた効果が得られず、一方、少な過ぎると蒸着層面に対するコーティング被膜の密着性およびコーティング塗膜によるガスバリヤ性の劣化防止に十分な効果が得られない。
また、上記のc2成分の配合量は、得られるコーティング液総量(A)に対して、c2/A=0〜10/100、好ましくはc2/A=4〜7/100(質量比)である。上記のc2成分の配合量が多過ぎると、フィルムがブロッキングをおこす場合がある。
また、前記のc2成分とエポキシ系シランカップリング剤(B)との配合割合は、c2/B=1〜10/1(質量比)である。上記のc2成分の配合量が多過ぎると、得られるコーティング塗膜の屈曲性が低下する。一方、c2成分の配合量が、少な過ぎる場合には、蒸着面のコーティング塗膜を利用して他のプラスチックフィルムとドライラミネートした場合、これらの積層フィルムから製袋された袋を引き裂いて開封する時に引裂性が十分に得られない。
前記のc1成分としては、例えば、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルジメトキシメチルシラン、γ−ウレイドプロピルジエトキシメチルシランなどのウレイド系シランカップリング剤;γ−グリシドキシトリメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;その他、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤など、好ましくはウレイド系シランカップリング剤および/またはエポキシ系シランカップリング剤が挙げられる。
また、前記のc2成分としては、前記のa成分を構成する脂肪族、芳香族、脂環族などのジイソシアネート化合物や、これら以外の多官能イソシアネート化合物、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、トリフェニルメタン−4,4',4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼンなどの脂肪族、芳香族、脂環族などのトリイソシアネート化合物、上記ジイソシアネート化合物の二量体や三量体、その他ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートなどが挙げられる。これらのイソシアネート系化合物は、ザ・インクテック(株)から、ALFA硬化剤の商品名にて入手して本発明で使用することができる。
本発明のコーティング液は、前記のa成分、b成分およびc成分を、メチルアルコール、エチルアルコール、イソまたはノルマルプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、ノルマルプロピルアセテート、モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族類およびそれらの混合物などの有機溶媒に均一に溶解分散した15〜30質量%溶液として得られる。本発明のコーティング液は、必要に応じて本発明の目的を妨げない範囲において、a成分、b成分およびc成分と相溶性のある硝化綿、紫外線防止剤などの添加剤を添加して使用することができる。
本発明における蒸着層としては、各種プラスチックフィルム基材上に形成した酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物などの無機酸化物など、好ましくは酸化珪素および/または酸化アルミニウムからなる無機酸化物からなる単層または多層の透明薄膜蒸着層である。上記の透明薄膜蒸着層は、公知の真空蒸着法、プラズマ気相成長法およびイオンプレーティング法などの方法によってプラスチックフィルム基材上に上記の透明無機酸化物を4〜350μm厚、好ましくは8〜160μm厚に成膜したものである。透明蒸着層の厚みは、特に限定されるものではないが、透明性と、酸素および水蒸気などのガスバリヤー性を有する範囲である。
上記のプラスチックフィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリオキサベンザゾールフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられる。上記のプラスチックフィルムは、延伸または未延伸フィルムで、必要に応じて、帯電防止剤、紫外線防止剤などの添加剤や基材の表面をコロナ処理あるいはプラズマ処理したものなども使用することができる。
本発明のコーティング液から形成された塗膜を有するフィルム原反は、上記のプラスチックフィルム基材上に形成された無機酸化物からなる透明蒸着層に、本発明のコーティング液を、公知のコーティング方法で、好ましくは0.2〜0.3g/m2(乾燥厚み)に塗布し、乾燥して得られる。塗膜の厚みは、とくに、限定されるものではないが、透明性と、酸素などのガスバリヤー性を有し、他のフィルムとのラミネート強度を有する範囲である。コーティング液の塗布方法としては、本発明のコーティング液を前記の有機溶媒を使用して適宜に希釈して、例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、スプレイコーター、エアナイフコーターなどの方法が挙げられ、これらの方法によって前記のプラスチックフィルム基材上に形成された無機酸化物からなる透明蒸着層に塗布し、乾燥して塗膜を形成する。上記のコーティング液の乾燥条件は、上記のプラスチックフィルム基材および透明蒸着層が劣化しない範囲であればとくに限定されないが、好ましくは70〜80℃で乾燥する。
また、上記のコーティング液が塗布されたフィルム原反は、各種の包装材料として使用することができる。その使用例としては、例えば、コーティング液が塗布された塗膜面に包装材料に適したポリウレタン系のラミネート用インキを使用して通常の条件下でグラビア印刷を行い、印刷面にドライラミネート系接着剤を塗布後、他のプラスチックフィルムをドライラミネート加工したり、あるいは、ポリオレフィン系のポリマーを押し出し加工して積層体フィルムとすることができる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」および「%」とあるのは質量基準である。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜2](コーティング液K1〜K2の調製)
下記のa成分、b成分およびc成分を表1に示すように均一に有機溶媒中に混合分散して本発明のコーティング液K1〜K2を調整した。なお、表1におけるa成分、b成分およびc成分は下記の通りである。
a成分:重量平均分子量15,000、ガラス転移温度92℃、酸価27mgKOH/gのポリウレタン系樹脂。
b成分:重量平均分子量7,000、ガラス転移温度79℃、酸価が17mgKOH/g、水酸基価2mgKOH/gであるポリエステル系樹脂。
c成分:
c1−1=γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン
c1−2=γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
c2=イソシアネート系化合物(ザ・インクテック(株)製、ALFA硬化剤)
Figure 0004674050
上記の実施例で得られたコーティング液K1を前記の有機溶媒にて適宜に希釈して、酸化珪素および酸化アルミニウムの混合物を蒸着したナイロンフィルム(東洋紡績(株)製、エコシアール)の透明蒸着面にグラビアコーターにて0.5g/m2(乾燥膜厚)に塗布し、70〜80℃にて乾燥して塗膜を形成し、フィルム原反を調製した。次に、上記フィルム原反の塗膜面に、ラミネート用ポリウレタン系インキにてグラビア印刷を行い、印刷面にポリウレタン系のドライラミネート接着剤(東洋モートン(株)製、TM−590/CAT56)を3.0g/m2(乾燥膜厚)にグラビアコーターにて塗布し、低密度ポリエチレンフィルム(東洋紡績、L6102)を貼り合わせて、積層体フィルムL1を調製した。
また、前記のコーティング液K2を前記の有機溶媒にて適宜に希釈して、酸化アルミニウムを蒸着したポリエステルフィルム(麗光(株)製、ファインバリア)の透明蒸着面にグラビアコーターにて0.5g/m2(乾燥膜厚)に塗布し、70〜80℃にて乾燥して塗膜を形成し、フィルム原反を調製した。次に、上記フィルム原反の塗膜面に、ラミネート用ポリウレタン系インキにてグラビア印刷を行い、印刷面にポリウレタン系のドライラミネート接着剤(ロックペイントRU−401/H−4)を3.0g/m2(乾燥膜厚)にグラビアコーターにて塗布し、末延伸ポリプロピレンフィルム(東レ(株)製、ZK−93 60μm)を貼り合わせて、積層体フィルムL2を調製した。
[比較例1〜2]
(比較例1)
前記の実施例1においてコーティング液K1を塗布しない以外は、実施例1と同様にして積層体フィルムM1(比較例1)を調製した。
(比較例2)
前記の実施例2においてコーティング液K2を塗布しない以外は、実施例2と同様にして積層体フィルムM2(比較例2)を調製した。
上記の実施例および比較例で得られた各々の積層体フィルムを使用して、透明蒸着層上のコーティング液塗膜に対する他のプラスチックフィルムを貼り合わせた場合のラミネート強度と、該コーティング液塗膜に対する印刷時の印刷調子の再現性および酸素バリア性に関して下記の測定方法により評価した。評価結果を表2に示す。
(ラミネート強度)
上記の各々の積層体フィルムを使用して、東洋精器(株)製のストログラフ測定機にて、透明蒸着層上のコーティング液塗膜に対する他のプラスチックフィルムのラミネート強度(N/15mm)を測定した。
(調子の再現性)
上記の各々の積層体フィルムを使用して、透明蒸着層上あるいはコーティング液塗膜上にグラビア印刷されたラミネート用ポリウレタン系インキの印刷調子の再現性に関して下記の評価方法にて評価した。
評価点:
○:インキの転移不良が認められず、ハイライト部も含めて印刷調子の再現性が良好である。
△:わずかに印刷かすれなどインキの転移不良が一部認められ、印刷調子の再現性が十分ではない。
×:インキの転移不良がかなり認められ、ハイライト部も含めて印刷調子の再現性が極めて悪い。
(酸素バリア性)
上記の各々の積層体フィルムの酸素バリア性をモコン社製のガスバリア測定装置を使用して、25℃の条件下にて測定した。
Figure 0004674050
上記の評価結果から、本発明のコーティング液が塗布された無機酸化物からなる透明蒸着層は、印刷インキの調子の再現性が優れており、酸素バリア性の劣化防止効果に優れ、さらに蒸着フィルムを他のプラスチックフィルムと貼り合わせをする際、貼り合わせ強度(ラミネート強度)が優れた蒸着フィルムを与えるコーティング液であることが実証されている。
本発明によれば、本発明のコーティング液は、各種プラスチックフィルムに蒸着された無機酸化物からなる透明蒸着層面にコーティングすることにより、印刷インキの調子の再現性やガスバリア性の劣化防止効果に優れ、さらに蒸着フィルムを他のプラスチックフィルムと貼り合わせをする際、貼り合わせ強度(ラミネート強度)が優れた蒸着フィルムを与えるコーティング液として有効に使用することができる。

Claims (12)

  1. ポリウレタン樹脂(a成分)と、ポリエステル樹脂(b成分)と、接着強化剤(c成分)とを有機溶媒中に含有するコーティング液において、上記のa成分が重量平均分子量10,000〜30,000で、ガラス転移温度が50℃以上のポリウレタン樹脂であり、b成分が重量平均分子量4,000〜15,000で、ガラス転移温度が50℃以上のポリエステル樹脂であり、c成分がシランカップリング剤(c1)および/またはイソシアネート化合物(c2)であることを特徴とする蒸着層用のコーティング液。
  2. 前記a成分の酸価が、3〜30mgKOH/gである請求項1に記載のコーティング液。
  3. 前記b成分の酸価が、5〜30mgKOH/gである請求項1または2に記載のコーティング液。
  4. 前記b成分の水酸基価が、0〜7mgKOH/gである請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング液。
  5. 前記のa成分とb成分の配合割合が、a/b=20〜100/100(質量比)である請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング液。
  6. 前記c1成分のコーティング液総量(A)に対する配合割合が、c1/A=1〜3/100(質量比)である請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング液。
  7. 前記c2成分のコーティング液総量(A)に対する配合割合が、c2/A=0〜10/100(質量比)である請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング液。
  8. 前記のc1成分が、ウレイド系シランカップリング剤および/またはエポキシ系シランカップリング剤である請求項1〜6のいずれか1項に記載のコーティング液。
  9. 前記c成分が、エポキシ系シランカップリング剤とイソシアネート化合物との混合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載のコーティング液。
  10. 前記エポキシ系シランカップリング剤(B)とイソシアネート化合物(C)の配合割合が、C/B=1〜10/1(質量比)である請求項に記載のコーティング液。
  11. 前記蒸着層が、酸化珪素および/または酸化アルミニウムの単層または多層体である請求項1〜10のいずれか1項に記載のコーティング液。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のコーティング液から形成された塗膜を有することを特徴とするフィルム原反。
JP2004087350A 2004-03-24 2004-03-24 コーティング液 Expired - Fee Related JP4674050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004087350A JP4674050B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 コーティング液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004087350A JP4674050B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 コーティング液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005272611A JP2005272611A (ja) 2005-10-06
JP4674050B2 true JP4674050B2 (ja) 2011-04-20

Family

ID=35172625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004087350A Expired - Fee Related JP4674050B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 コーティング液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4674050B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006273982A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 The Inctec Inc コーティング液
JP5859721B2 (ja) * 2010-06-17 2016-02-10 ユニチカ株式会社 コーティング剤およびそれを用いた積層フィルム
JP6060533B2 (ja) * 2011-06-23 2017-01-18 東洋紡株式会社 積層フィルム
JP5901202B2 (ja) * 2011-09-30 2016-04-06 ユニチカ株式会社 コーティング剤、塗膜および積層体
JP7193009B2 (ja) * 2020-03-31 2022-12-20 大日本印刷株式会社 バリアフィルム、波長変換シート、バックライト、及び表示装置
WO2023112687A1 (ja) * 2021-12-16 2023-06-22 Dic株式会社 2液硬化型コーティング剤、積層体、包装材

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0625636A (ja) * 1992-03-25 1994-02-01 Sanyo Chem Ind Ltd 接着剤組成物
JPH07137192A (ja) * 1993-09-20 1995-05-30 Toppan Printing Co Ltd 蒸着フィルム積層体
JP2001288408A (ja) * 2000-04-07 2001-10-16 The Inctec Inc 蒸着コーティング液
JP2002201453A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Toyobo Co Ltd 無機蒸着フィルム用接着剤
JP2002275448A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Toyobo Co Ltd 無機蒸着フィルム用接着剤
JP2003026996A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 The Inctec Inc 蒸着塗布液
JP2004210911A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 The Inctec Inc コーティング剤
JP2005047964A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 酸化珪素薄膜層の保護層用塗工液および酸化珪素薄膜の保護方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0625636A (ja) * 1992-03-25 1994-02-01 Sanyo Chem Ind Ltd 接着剤組成物
JPH07137192A (ja) * 1993-09-20 1995-05-30 Toppan Printing Co Ltd 蒸着フィルム積層体
JP2001288408A (ja) * 2000-04-07 2001-10-16 The Inctec Inc 蒸着コーティング液
JP2002201453A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Toyobo Co Ltd 無機蒸着フィルム用接着剤
JP2002275448A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Toyobo Co Ltd 無機蒸着フィルム用接着剤
JP2003026996A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 The Inctec Inc 蒸着塗布液
JP2004210911A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 The Inctec Inc コーティング剤
JP2005047964A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 酸化珪素薄膜層の保護層用塗工液および酸化珪素薄膜の保護方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005272611A (ja) 2005-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3492258B1 (en) Laminate having oxygen barrier properties and packaging material comprising laminate
KR101904558B1 (ko) 적층 필름
KR101156387B1 (ko) 가스 배리어성 적층체
KR102535755B1 (ko) 이형 필름 및 적층체
CN108368411B (zh) 阻气性粘接剂、薄膜、及阻气性薄膜
JPH1076593A (ja) バリア性複合フィルムおよびその製造方法
JP5654245B2 (ja) バリア性積層体および太陽電池用保護シート
CN114728498B (zh) 层叠薄膜
JP2003129024A (ja) ラミネート用接着剤組成物およびそのラミネート方法
CA3052128C (en) Laminated film
JP4611683B2 (ja) 塗工液および保護層を有する蒸着フィルム
TW200302164A (en) Laminated film and process for producing laminated film
JP2010188600A (ja) 高密着透明ガスバリア性フィルム、及び高密着ガスバリア性積層体
JPH0797557A (ja) 無溶剤型複合ラミネート用接着剤組成物およびそれを用いた貼合方法
JP4674050B2 (ja) コーティング液
JPH0860131A (ja) 2液硬化型ラミネート用接着剤組成物およびラミネート方法
JP5362341B2 (ja) 高耐久性ポリウレタン系接着剤の主剤および高耐久性ポリウレタン系接着剤
JP2007261020A (ja) ポリアミド系フィルム積層体
JPH10722A (ja) ボイル・レトルト用強密着透明積層体
WO2020071134A1 (ja) 接着剤、積層体および積層体の製造方法
JP2001288408A (ja) 蒸着コーティング液
JP4474750B2 (ja) ガスバリア性透明積層体
JP2760203B2 (ja) 積層体
JP2007130865A (ja) 強密着ガスバリア透明フィルムおよびそれを用いた積層体
JP2006273982A (ja) コーティング液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4674050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees