JP2003026996A - 蒸着塗布液 - Google Patents

蒸着塗布液

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JP2003026996A JP2001218183A JP2001218183A JP2003026996A JP 2003026996 A JP2003026996 A JP 2003026996A JP 2001218183 A JP2001218183 A JP 2001218183A JP 2001218183 A JP2001218183 A JP 2001218183A JP 2003026996 A JP2003026996 A JP 2003026996A
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deposition coating
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diisocyanate
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Hiroshi Kikuchi
浩 菊池
Toshio Furutaka
敏男 古高
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷インキの密着性と印刷適性が優れ、蒸着
液が塗布された蒸着フィルムと他のフィルムを接着剤を
介してラミネートした複合材料のラミネート強度および
ガスバリア性の低下を防止する蒸着塗布液の提供。 【解決手段】 多官能イソシアネート化合物とポリエス
テルポリオールからなる末端に水酸基を有し、重量平均
分子量が20,000〜30,000、酸価が0〜14
KOHmg/g、ガラス転移点が55℃以上である化合
物と、多官能イソシアネート化合物とを有機溶剤中に含
有することを特徴とする蒸着塗布液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装材料に使用さ
れている各種透明蒸着フィルムの蒸着面の保護と、印刷
インキに対する接着性と印刷適性とに優れ、蒸着フィル
ムと他の各種プラスチックフィルムとを接着剤を介して
ラミネートする際、複合材に優れたラミネート強度およ
びガスバリア性の低下を防止する蒸着塗布液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蒸着フィルムを、その蒸着面を傷
などから保護する目的で、その蒸着面にポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体などのポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリビ
ニルブチラール系、ポリメタアクリル系、ポリアミド
系、ニトロセルロース系などの熱可塑性樹脂や、エポキ
シ系、メラミン系、尿素系などの熱硬化性樹脂からなる
塗布液を塗布硬化して保護膜を形成している。
【0003】上記の蒸着フィルムとしては、例えば、ポ
リエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリア
ミドフィルムなどのプラスチックフィルム基材に、酸化
珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウムな
どの無機酸化物あるいはこれらの混合物を真空蒸着法
(電子線加熱法)や化学蒸着法などにより金属酸化物の
薄膜を形成したものが挙げられる。
【0004】しかしながら、上記の従来の蒸着フィルム
用の塗布液は、その塗布液が塗布された蒸着フィルムと
他のフィルムをラミネートして複合材料とし、これを包
装材料として使用した場合、レトルト食品などの包装材
料に要求される食品などの内容物保護のためのガスバリ
ア性、ラミネート強度が十分でなく、また、その塗膜面
に対するラミネート用インキとの接着性や印刷適性など
の性能を十分に満足していない。
【0005】そのために、通常、複合包装材料は、前記
の塗布液を塗布した蒸着フィルムあるいは蒸着フィルム
単体と、前もって裏印刷されたプラスチックフィルムと
を、該印刷面と蒸着フィルム面とを、要求される包装材
料の性能に合わせた一液型や二液型ウレタン系の接着剤
を介してドライラミネートして形成している。
【0006】このために、印刷インキは、ラミネートフ
ィルムの種類に合わせて選定しなければならなく、ま
た、接着剤もインクの種類や要求される包装材料の性能
に合わせて選定しなければならないなど、包装材料の設
計が複雑となる。
【0007】その対策として、上記の蒸着フィルム用塗
布液の樹脂としてウレタン系樹脂が検討されているが、
これらのウレタン系樹脂からなる塗膜は、ブロッキング
性があり、また、ブロッキングを解消しても印刷インキ
の接着が悪く、インキの転移性が不良で、画像再現性が
劣るなどの印刷適性に問題がある。また、上記の塗布液
が塗布された蒸着フィルムと他のプラスチックフィルム
をドライラミネート用接着剤などを介してラミネートし
た複合材料を包装材料としてレトルト食品などに使用し
た場合に、ガスバリア性が低下するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、その塗布面
に対する印刷インキの密着性と印刷適性とに優れ、塗布
された蒸着フィルムと他のフィルムを接着剤を介してラ
ミネートして複合材料を得る際に優れたラミネート強度
およびガスバリア性の低下を防止する蒸着塗布液の提供
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。すなわち、本発明は、多官能イ
ソシアネート化合物(以下a成分と称する)とポリエス
テルポリオール(以下b成分と称する)からなる末端に
水酸基を有し、重量平均分子量が20,000〜30,
000、酸価が0〜14KOHmg/g、ガラス転移点
が55℃以上である化合物(以下c成分と称する)と、
多官能イソシアネート化合物(以下d成分と称する)と
を有機溶剤中に含有することを特徴とする蒸着塗布液を
提供する。
【0010】本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意
検討した結果、上記の蒸着塗布液が、従来の蒸着用塗布
液よりも、各種蒸着フィルムの蒸着面の保護とガスバリ
ア性の低下の防止、かつ印刷インキの密着性や印刷適性
に優れた塗布液であることを見いだした。
【0011】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。本発明を主として特徴
づけるc成分は、a成分とb成分とからなる末端に水酸
基を有し、重量平均分子量が20,000〜30,00
0、酸価が0〜14KOHmg/g、ガラス転移点が5
5℃以上、好ましくは酸価が4〜9KOHmg/g、ガ
ラス転移点が60〜80℃であるポリエステルポリウレ
タンポリオールが挙げられる。
【0012】上記c成分の酸価が、上記上限までは得ら
れる蒸着塗布液をコーティングした蒸着フィルムをラミ
ネートした複合包装材料のガスバリア性の低下を防止す
るが、上記上限を越える場合には、ガスバリア性の効果
は変わらず、安定性が悪くなり樹脂が変色するという問
題がある。
【0013】また、ガラス転移点が、上記上限を越える
場合には、得られる塗布膜が硬くなり、蒸着面にクラッ
キングが発現するという問題があり、一方、ガラス転移
点が上記下限未満の場合には、蒸着面の塗布膜を巻き取
りした場合にブロッキングや、印刷適性が低下するとい
う問題がある。
【0014】上記c成分の生成に使用するa成分の多官
能イソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシ
アネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリ
レンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、
イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシア
ネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシ
アネート、ドデカメチレンジイソシアネートなどの脂肪
族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシ
アネート、水添化キシリレンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネー
トメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネー
トなどが挙げられる。好ましくは、食品衛生上から芳香
族成分を含まないイソプロピレンジイソシアネート、
1,6−ヘキサンメチレンジイソシアネートなどの脂肪
族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシ
アネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネートなどの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられ
る。
【0015】また、上記a成分と反応させるb成分は、
多塩基酸と多価アルコールからなるポリエステルポリオ
ールやラクトン環の開環重合で得られるポリエステルポ
リオールなどが挙げられる。上記多塩基酸としては、例
えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、
ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボ
ン酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸など、およびそれらの混合物が
挙げられる。
【0016】また、上記多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロレングリコール、トリエチレングリコールな
どの脂肪族多価アルコール、1,3−シクロヘキサンジ
メタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
の脂環族多価アルコール、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、ポリエチレングリコールなどの3価以上のア
ルコール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付
加物、キシリレングリコールなどの芳香族多価アルコー
ルなど、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0017】c成分は、上記のa成分とb成分とを公知
の方法によって反応させることによって生成するが、そ
のa成分とb成分との配合割合(NCO/OH)は、と
くに限定されるものでないが、c成分の末端に水酸基を
持つ程度が好ましい。また、溶液重合に使用される溶剤
は、環境に対応した芳香族成分を含まないものが好まし
い。
【0018】上記のc成分を溶解する溶剤としては、得
られる塗布液の蒸着面へのコーティング適性、濡れ性、
接着性、印刷インキの良好な印刷適性を得るための塗膜
の平滑性を目的として、酢酸アルキルエステルやプロピ
オン酸アルキルエステルなどのエステル系、プロピレン
グリコールアルキルエーテルアセテート、エチレングリ
コールアルキルエーテルアセテートなどのアセテート系
溶剤が挙げられる。なお、必要に応じて、上記目的を妨
げない範囲において芳香族系以外の他の溶剤、例えば、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、ブタノールなども併用して使用するこ
とができる。
【0019】上記の酢酸アルキルエステルとしては、例
えば、酢酸プロピル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢
酸n−アミルなど、プロピオン酸アルキルエステルとし
ては、例えば、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルなど、
また、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテー
トとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
アセテートなど、エチレングリコールアルキルエーテル
アセテートとしては、例えば、エチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルアセテートなど、およびそれらの混合物が挙げられ
る。
【0020】好ましい溶剤としては、酢酸プロピル、酢
酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテートが挙げられる。特に、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートを溶剤中に含有しているこ
とが好ましく、例えば、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート1に対して、酢酸エチル2〜1
0、および酢酸プロピル2〜8(重量比)の混合溶剤が
好適に使用できる。
【0021】上記溶剤は、c成分50〜70重量部に対
して30〜50重量部、好ましくは40〜45重量部を
使用して均一によく混合撹拌して有機溶剤溶液とする。
【0022】前記のc成分と反応させるd成分のイソシ
アネート化合物としては、前記a成分と同様な低分子量
ジイソシアネート化合物、低分子量ポリイソシアネート
と水または多価アルコールとの反応生成物であるポリウ
レタンポリイソシアネート、ポリイソシアネートの二量
体や三量体などが挙げられる。
【0023】d成分の配合割合は、c成分50〜70重
量%に対してd成分を0.4〜3.0重量%の割合で添
加する。d成分の配合割合が上記上限を越える場合に
は、得られる塗膜が硬くなり、蒸着面にクラックが発現
するという問題があり、一方、配合割合が、上記下限未
満の場合には、得られる塗膜の充分な耐熱性、耐寒性お
よび接着性が得られず、また、ガスバリア性が低下する
という問題がある。なお、d成分は塗布液をコーティン
グする直前に添加して使用する。
【0024】得られる塗布液は、前記のプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテートを2〜5重量%含
有する有機溶剤に、上記のc成分を55〜60重量%、
d成分を0.4〜3.0重量%、好ましくは2.0〜
3.0重量%含有することによって調製される。本発明
の塗布液は、必要に応じて、本発明の目的を妨げない範
囲において、シランカップリング剤、シリカ、可塑剤、
酸化防止剤、界面活性剤などの添加剤を均一に分散配合
して調製し、有機溶剤溶液として提供される。
【0025】本発明の塗布液を塗布するフィルム基材
は、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ
プロピレンなどのプラスチックフィルムに、酸化アルミ
ニウム、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化珪素などの無
機酸化物あるいはこれらの混合物などの金属酸化物を電
子ビーム加熱などの物理蒸着法や、シロキサンなどを気
相で酸素と反応させて膜を形成する化学蒸着法などの蒸
着法により適宜の膜厚(500Å程度)に蒸着された金
属酸化物の薄膜が形成された蒸着面を有するものであ
り、該フィルムの蒸着面に上記の塗布液をグラビアロー
ルコート、リバースロールコートなどの公知の方法で、
0.2g/m2 〜0.3g/m2 の膜厚(乾燥膜厚)に
コーティングし、70℃以上にて溶剤を蒸発乾燥し、塗
膜を硬化することによって塗膜が形成された蒸着フィル
ムが得られる。好ましくは、溶剤を蒸発乾燥後、塗膜を
40℃にて4〜5日養生する。
【0026】上記の蒸着面が被覆されたフィルム基材へ
の印刷は、レトルトや冷凍食品の複合包装材料に適し
た、例えば、ポリウレタン系のラミネート用インキなど
を使用して、通常の印刷条件にてグラビア印刷を行なう
ことができる。上記印刷物を複合包装材料とする場合に
は、公知のポリウレタン系接着剤を使用して、接着層膜
厚3.0g/m2 (乾燥膜厚)に印刷面または他のフィ
ルム(未延伸ポリプロピレンフィルムなど)にグラビア
ロールコート、リバースロールコートなどの公知の方法
で塗布してドライラミネートする。なお、印刷を行わ
ず、ラミネートすることもできる。また、ポリオレフィ
ン系の溶融押し出しポリマーを積層して押出し加工する
こともできる。
【0027】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」
とあるのは重量基準である。また、本発明の塗布液の調
製は下記の実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 下記の成分を分散機でよく混合分散し、本発明の蒸着塗
布液を調製した。 ポリエステルポリウレタンポリオール(重量平均分子量20,000〜30, 000、酸価4〜9KOHmg/g、ガラス転移点60℃) 60.0部 酢酸エチル 15.0部 イソプロピルアルコール 8.0部 ノルマルプロピルアセテート 14.0部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 3.0部 ヘキサメチレンジイソシアネート 2.0部
【0029】実施例2 下記の成分を分散機でよく混合分散し、本発明の蒸着塗
布液を調製した。 ポリエステルポリウレタンポリオール(重量平均分子量20,000〜30, 000、酸価4〜9KOHmg/g、ガラス転移点60℃) 60.0部 酢酸エチル 15.0部 イソプロピルアルコール 8.0部 ノルマルプロピルアセテート 14.0部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 3.0部 イソホロンジイソシアネート 2.0部
【0030】比較例1 下記の成分を分散機でよく混合分散し、比較例の蒸着塗
布液を調製した。 ポリウレタン樹脂(ジイソシアネートと3−メチルペンタンジオールとの反応 生成物(荒川化学工業(株)製、ポリウレタン305)) 20.0部 トルエン 40.0部 イソプロピルアルコール 20.0部 メチルエチルケトン 20.0部
【0031】比較例2 下記の成分を分散機でよく混合分散し、比較例の蒸着塗
布液を調製した。 ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン200) 20.0部 トルエン 40.0部 メチルエチルケトン 40.0部
【0032】上記で得られた各々の蒸着塗布液を使用し
て、アルミ蒸着あるいは酸化珪素を蒸着した12μmの
ポリエステルフィルムの蒸着面にグラビアコーターに
て、塗膜厚0.2g/m2 (乾燥塗膜)に塗布し、70
〜80℃にて塗膜を乾燥硬化した。この蒸着塗布液が塗
布された蒸着フィルムの塗布面に公知のウレタン系ラミ
ネートインキを使用してグラビア印刷を行い、次に、市
販のポリウレタン系のドライラミ接着剤を3.0g/m
2 (乾燥膜厚)グラビアコーターにて塗布し、未延伸ポ
リプロピレンフィルムとラミネートし積層材を形成し
た。この印刷された蒸着フィルムのインキの密着性、印
刷適性、および上記の積層材を使用して内容物として水
を入れ、テスター産業製のヒートシールテスターにて三
方をヒートシールして包装小袋を作り、この包装小袋を
120℃にて30分レトルト殺菌し、この包装小袋を形
成する積層材のレトルト前後のラミネート強度、ガスバ
リア性について、下記の測定方法により評価した。
【0033】(インキの密着性)上記の積層材を形成す
る前の蒸着フィルムの蒸着塗布液塗布面の印刷物に、セ
ロファンフィルムを貼り付け、よく密着した後、手で瞬
時にセロファンテープを剥離して、塗布面からのインキ
の剥離状態を下記の基準で判定した。判定結果を表1に
示す。 評価点 ◎:蒸着塗布液の塗布面からインキの剥離が全く認めら
れない。 ×:蒸着塗布液の塗布面からインキの剥離が認められ
る。
【0034】(印刷適性)上記印刷物の印刷適性を目視
にて下記の基準で判定した。判定結果を表1に示す。 評価点 ◎:ブロッキングの発現がなく、インキの転移性が良好
で画像再現性が良好である。 ×:ブロッキングの発現があり、インキの転移性にムラ
があり、画像再現性不良である。
【0035】(ラミネート強度)上記の積層材のレトル
ト前後のラミネート強度を東洋精機製のストログラフV
1−Cを使用して、90度剥離、引っ張り速度50cm
/minの条件にて両フィルムを接着面より剥離し、剥
離状態を下記の基準にて判定した。判定結果を表1に示
す。 評価点 ◎:フィルムが破け、接着面より剥離が全く認められな
い。 ×:接着面より剥離が認められる。
【0036】(ガスバリア性)上記積層材のレトルト前
後のガスバリア性をモコン法にて、モコン社製のガスバ
リア測定機を使用して、90%RH、23℃(OTR)
と100%RH、50℃(WVTR)の条件下にて各々
2点測定した。測定結果を表1に示す。
【0037】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ラミネートインキの密
着性および印刷適性が優れており、また、複合材料とし
て包装材料に使用した場合、ラミネート強度やガスバリ
ア性の低下を防止する蒸着塗布液を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20 AB10 AK07B AK41B AK46B AK51A AK51G AR00C BA03 BA04 BA05 BA10A BA10B CB03 EH66C GB16 JA05A JA07A JB20A JD02 JK06 JL01 YY00A 4J038 DG111 DG271 JA56 KA06 NA05 NA12 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多官能イソシアネート化合物(a)と、
    ポリエステルポリオール(b)とからなる末端に水酸基
    を有し、重量平均分子量が20,000〜30,00
    0、酸価が0〜14KOHmg/g、ガラス転移点が5
    5℃以上である化合物(c)と、多官能イソシアネート
    化合物(d)とを有機溶剤中に含有することを特徴とす
    る蒸着塗布液。
  2. 【請求項2】 有機溶剤が、プロピレングリコールモノ
    メチルエーテルアセテートを含有する請求項1に記載の
    蒸着塗布液。
  3. 【請求項3】 有機溶剤がプロピレングリコールモノメ
    チルエーテルアセテート1に対して酢酸エチル2〜1
    0、酢酸プロピル2〜8の割合(重量比)で含有してい
    る請求項1または2に記載の蒸着塗布液。
  4. 【請求項4】 蒸着塗布液100重量部に対して化合物
    (c)を55〜60重量%の割合で含有している請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の蒸着塗布液。
  5. 【請求項5】 多官能イソシアネート化合物(a)およ
    び(d)が、脂肪族ジイソシアネートまたは脂環族ジイ
    ソシアネートである請求項1に記載の蒸着塗布液。
  6. 【請求項6】 多官能イソシアネート化合物(d)が、
    ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはイソホ
    ロンジイソシアネートである請求項1に記載の蒸着塗布
    液。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸
    着塗布液を、フィルムの蒸着面に塗布硬化してなること
    を特徴とするフィルム基材。
  8. 【請求項8】 フィルム基材が、ポリエステルフィル
    ム、ポリアミドフィルムおよびポリプロピレンフィルム
    からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項7
    に記載のフィルム基材。
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