JP2004316501A

JP2004316501A - 内燃機関のブローバイガス還流装置

Info

Publication number: JP2004316501A
Application number: JP2003109698A
Authority: JP
Inventors: Hajime Ota; 一太田; Taro Ueno; 太郎上野; Shigekazu Fuji; 茂和藤
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 2003-04-15
Filing date: 2003-04-15
Publication date: 2004-11-11
Anticipated expiration: 2023-04-15
Also published as: KR20040090466A; EP1469171B1; EP1469171A2; DE602004006661D1; JP4059130B2; KR100573329B1; EP1469171A3; CN1538042A; CN1298968C; US6848436B2; US20040206343A1; DE602004006661T2

Abstract

【課題】寒冷地でのブローバイガス配管１５の氷結を防止する。
【解決手段】合成樹脂製の吸気マニホルド１１のブランチ部３２が、シリンダヘッド３上方のコレクタ部から下方へＣ字状に湾曲して吸気ポート７に接続されている。ブローバイガス配管１５は、シリンダヘッドカバー４のブローバイガス出口５に接続されたブローバイガス主管路１６と、このブローバイガス主管路１６から各気筒へ分岐した分岐管１７とからなり、分岐管１７先端のコネクタチューブ２０が燃料噴射弁１２に隣接して配置される。ブローバイガス配管１５は、その全体が、隔壁状に連続したブランチ部３２により囲まれた空間３６内に収容されているので、走行風による冷却作用を受けにくく、かつ燃料噴射弁１２の熱により効果的に保温される。これにより、寒冷地での氷結が防止される。
【選択図】図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関のクランクケース内のブローバイガスを、シリンダヘッド内の動弁室を経由して吸気系に還流するブローバイガス還流装置に関し、特に、外部配管の形で各気筒毎にブローバイガスを導く通路構造の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特許文献１の図４に従来技術として示されているように、内燃機関のブローバイガスを、シリンダヘッドカバーに設けたブローバイガス出口からゴムホース等の外部配管を介して各気筒の吸気通路に還流させるようにした構成が公知である。
【０００３】
【特許文献１】
特開平８−２０００３３号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにブローバイガス通路として外部配管を用いた構成では、ブローバイガスに多量の水蒸気が含まれていることから、寒冷地において、走行中に車両走行風により冷却されてブローバイガス通路内でブローバイガスが氷結し易い、という問題がある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドカバーから導出されたブローバイガスを、各気筒毎に吸気系に還流させるブローバイガス還流装置であり、シリンダヘッドカバーから各気筒の吸気ポートへ至る外部配管からなるブローバイガス配管を用いている。
【０００６】
本発明の内燃機関は、シリンダヘッドの各吸気ポートへ向かって燃料を噴射するように各気筒毎に燃料噴射弁が配置されている。また、シリンダヘッド側面に取り付けられた吸気マニホルドが上方のコレクタ部へ向かって湾曲して構成されており、この吸気マニホルドが、上記燃料噴射弁を覆っている。そして、この吸気マニホルドの内側の空間に、上記シリンダヘッドカバーから各気筒の吸気ポートへ至るブローバイガス配管が収容されている。
【０００７】
上記の燃料噴射弁は、そのコイルの発熱によって運転中は高温となり、一種の熱源として作用する。ブローバイガス配管は、この熱源となる燃料噴射弁とともに、吸気マニホルドに覆われた空間つまり該吸気マニホルドとシリンダヘッドとの間の空間に収容されるため、効果的に保温され、しかも走行風による冷却を受けにくい。従って、ブローバイガスの氷結が生じにくいものとなる。
【０００８】
【発明の効果】
この発明に係る内燃機関のブローバイガス還流装置によれば、ブローバイガス配管に走行風が当たりにくく、かつ燃料噴射弁を熱源としてより効果的に利用できるので、ブローバイガス配管内でのブローバイガスの氷結を抑制することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【００１０】
図１は、この発明に係るブローバイガス還流装置を備えた内燃機関１の全体的な構成を示す斜視図である。これは、一例として前輪駆動車に所謂横置き形式で搭載される直列４気筒ガソリン機関に適用したものであって、シリンダブロック２の上面にシリンダヘッド３が取り付けられ、かつこのシリンダヘッド３の上面開口を覆うようにシリンダヘッドカバー４が取り付けられている。ブローバイガスは、シリンダブロック２内の図示せぬクランクケース側から一旦シリンダヘッド３内部の動弁室内に流入し、かつシリンダヘッドカバー４内側に設けられたオイルセパレータ（図示せず）を経由して、シリンダヘッドカバー４頂部中央のブローバイガス出口５から取り出されるようになっている。
【００１１】
上記シリンダヘッド３は、例えばＤＯＨＣ型動弁装置を備えたペントルーフ型の燃焼室６（図２参照）を有しており、シリンダヘッド３の一方の側面に向かって開口する吸気ポート７が各気筒毎に形成されている。この吸気ポート７は、上流部では、機関前後方向に細長い長円形の断面形状を有し、かつ下流側部分は、一対の吸気弁に対応して二股状に分岐している。なお、この実施例は、シリンダ内にタンブルを生成するために、吸気ポート７が比較的立ち上がった形となっており、４つの吸気ポート７が開口する吸気マニホルド取付フランジ面８が、斜め上方に向かうように傾斜している（図２参照）。上記吸気マニホルド取付フランジ面８には、図２、図３に示すように、後述する吸気マニホルド１１が取り付けられている。図１は、この吸気マニホルド１１を取り除いた状態を示している。
【００１２】
上記吸気ポート７の上方には、各気筒毎に、吸気ポート７内へ向けて燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁１２が取り付けられている。この燃料噴射弁１２は、一対の吸気弁へ向かうように二股状に分岐した噴霧を形成し得るものであって、機関前後方向における吸気ポート７の幅の中央部にそれぞれ位置し、かつ図２に示すように、シリンダヘッド３に斜めに形成された噴射弁取付孔１０に挿入されて取り付けられている。
【００１３】
なお、図２に示すように、この実施例では、シリンダ内のタンブルの強化のために、吸気ポート７内に、上下２つの流路に区画するように隔壁１３が設けられているとともに、その上流側となる吸気マニホルド１１側に、下側の流路を開閉する吸気制御弁１４が設けられており、上記燃料噴射弁１２は、上記隔壁１３の下流端よりも下流側を噴霧が通過するように、その位置や傾斜が設定されている。
【００１４】
シリンダヘッドカバー４のブローバイガス出口５から各気筒の吸気ポート７へブローバイガスを供給するブローバイガス配管１５は、中央部で上記ブローバイガス出口５に連通するとともに機関前後方向に延びた１本のブローバイガス主管路１６と、このブローバイガス主管路１６から分岐して各吸気ポート７へ向かう４本の分岐管１７と、から構成されている。上記ブローバイガス主管路１６は、例えば硬質合成樹脂にて中空管状に成形されたもので、シリンダヘッドカバー４側壁と隣接するように、シリンダヘッド３の上部に沿って配置され、かつ両端部において、シリンダヘッド３側のボス部１８（図２参照）に固定されている。上記分岐管１７は、例えばゴムチューブからなり、ブローバイガス主管路１６の長手方向に対し直交する面に沿ってそれぞれ配置されている（図３参照）ものであって、図２に示すように、ブローバイガス主管路１６の外側の側面から内燃機関１の外側へ向かって延び、かつ下方へＣ字状に湾曲して、先端部が、燃料噴射弁１２と同様に傾斜した斜め上方から吸気ポート７に接続されている。詳しくは、シリンダヘッド３の吸気ポート７上壁面に形成されたコネクタ挿入孔１９に、金属管からなるコネクタチューブ２０が圧入されており、このコネクタチューブ２０に、ゴムチューブからなる分岐管１７の先端部が挿入されている。
【００１５】
上記コネクタチューブ２０の先端は、ブローバイガスの吹き出し口として吸気ポート７内に開口しているが、吸気ポート７内において、この吹き出し口は、燃料噴射弁１２の噴口部よりも上流側に位置している。なお、吸気マニホルド１１側に位置する吸気制御弁１４に対しては、上記吹き出し口の方が相対的に下流側となり、従って、ブローバイガスによる吸気制御弁１４の汚損は生じない。またコネクタチューブ２０は、燃料噴射弁１２と隣接しており、特に、図４に示すように、燃料噴射弁１２が取り付けられる噴射弁取付孔１０を有する円筒状の噴射弁取付ボス部２１と、コネクタ挿入孔１９を有する円筒状のブローバイガス用ボス部２２と、が、部分的に繋がった形となっている。つまり略８の字状に一体に連続したボス部としてシリンダヘッド３側面に形成されている。そして、上記噴射弁取付孔１０と上記コネクタ挿入孔１９とは、互いに平行に形成されている。これにより、シリンダヘッド３に対し、両者を同一の方向から機械加工することができ、作業性が向上する。
【００１６】
ここで、各吸気ポート７において、燃料噴射弁１２が、前述したように吸気ポート７の幅（機関前後方向の幅）の中央に位置しているのに対し、上記コネクタチューブ２０は、吸気ポート７の幅の一方に片寄って位置している。より具体的には、各吸気ポート７の燃料噴射弁１２の位置に対し、機関前後方向について機関中央寄りとなる側に片寄って分岐管１７が接続されている。つまり、前方の♯１気筒および♯２気筒では、後方の♯３気筒寄りとなる側に片寄って分岐管１７が位置し、逆に、♯３気筒および♯４気筒では、前方の♯２気筒寄りとなる側に片寄って分岐管１７が位置している。このように、特に内燃機関１の前後両端に位置する♯１，♯４気筒において、内燃機関１の前後方向の内側に片寄って分岐管１７が設けられていることから、ブローバイガス主管路１６の全長が短いものとなっている。
【００１７】
次に、図２および図３に示すように、シリンダヘッド３側面の吸気マニホルド取付フランジ面８に、合成樹脂製の吸気マニホルド１１が取り付けられている。この吸気マニホルド１１は、シリンダヘッド３の上方に位置する機関前後方向に細長く延びたコレクタ部３１と、このコレクタ部３１の側面から各気筒の吸気ポート７へ至る４本のブランチ部３２と、このブランチ部３２の先端に設けられた全気筒に連続した取付フランジ部３３と、を備えている。４本のブランチ部３２は、図３に示すように、コレクタ部３１からシリンダヘッド３へ向かうに従って、それぞれの間隔が拡がるように、各々僅かに異なる形状を有しているが、図２に示すように、機関前後方向に沿った方向から見た各ブランチ部３２の通路形状は、概ね同一であり、コレクタ部３１からシリンダヘッドカバー４の上方を横切るように側方へ延び、かつシリンダヘッド３側方で下方へＣ字状に湾曲して、吸気ポート７に直線状に連続している。そして、合成樹脂製の吸気マニホルド１１は、このようなブランチ部３２の湾曲形状に沿った分割面（図示せず）でもって２つの部材に分割して成形され、かつ振動溶着等により２部材を互いに一体に接合した構成となっている。従って、２部材の接合のために必要な接合フランジ３４がブランチ部３２の周囲に比較的広く存在しており、これにより、全体として、４本のブランチ部３２が隔壁状に連続した形となっている。なお、図示例では、♯１気筒のブランチ部３２と♯２気筒のブランチ部３２との間、および、♯３気筒のブランチ部３２と♯４気筒のブランチ部３２との間に、それぞれ僅かな間隙３５が生じているが、ブランチ部が金属管からなる吸気マニホルドに比べて、ブランチ部３２間の間隙３５は遙かに小さなものとなる。
【００１８】
上記のような形状の吸気マニホルド１１がシリンダヘッド３に取り付けられた状態では、シリンダヘッド３の側方に、隔壁状の吸気マニホルド１１により囲まれた空間３６が形成される。なお、シリンダヘッド３の上方では、シリンダヘッドカバー４のすぐ上方をブランチ部３２が横切っており、両者間の隙間は小さい。そして、前述したブローバイガス配管１５つまりブローバイガス主管路１６と４本の分岐管１７は、この吸気マニホルド１１内側の空間３６内に収容されている。特に、前述したように、内燃機関１の前後両端に位置する♯１，♯４気筒の分岐管１７が内燃機関１の前後方向の内側に片寄って位置することから、図３に示すように、機関側方から見たときに、ブローバイガス主管路１６および４本の分岐管１７の全体が、吸気マニホルド１１から前後にはみ出ることなく、吸気マニホルド１１の内側の空間３６内に配置される。
【００１９】
従って、上記実施例の構成においては、ブローバイガス配管１５が吸気マニホルド１１に覆われたものとなるため、車両走行時に走行風による冷却作用を受けにくい。特に、上記実施例の内燃機関１は、吸気マニホルド１１を車両前方へ向けた横置き形式で車両に搭載されるため、ブローバイガス配管１５の車両前方側を隔壁状のブランチ部３２が覆った構成となり、走行風による冷却作用が著しく低減する。そして、吸気マニホルド１１に囲まれた空間３６内に、ブローバイガス配管１５とともに、熱源となる燃料噴射弁１２が存在するため、ブローバイガス配管１５が効果的に保温される。特に、分岐管１７およびブローバイガス主管路１６が、できるだけ内燃機関１の前後方向の内側に集まるように配置されているため、空間３６内で燃料噴射弁１２により生じた熱をより有効に利用できる。また、各気筒の分岐管１７は、各々燃料噴射弁１２に隣接しており、燃料噴射弁１２の熱を輻射等により個々に受けるとともに、一体に連続したボス部２１，２２および金属製のコネクタチューブ２０を介して燃料噴射弁１２の熱が効率よく伝わり、通路断面積の小さな分岐管１７を効果的に加熱することができる。そのため、寒冷地におけるブローバイガス配管１５の氷結を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係るブローバイガス還流装置を備えた内燃機関を、吸気マニホルドを取り除いた状態で示す斜視図。
【図２】シリンダヘッドおよび吸気マニホルドの要部の断面図。
【図３】シリンダヘッドおよび吸気マニホルドの側面図。
【図４】シリンダヘッドの要部の側面図。
【符号の説明】
１…内燃機関
３…シリンダヘッド
４…シリンダヘッドカバー
１１…吸気マニホルド
１２…燃料噴射弁
１５…ブローバイガス配管
１６…ブローバイガス主管路
１７…分岐管
３２…ブランチ部

Claims

内燃機関のシリンダヘッドカバーから導出されたブローバイガスを、各気筒毎に吸気系に還流させるブローバイガス還流装置であって、
シリンダヘッドの各吸気ポートへ向かって各気筒毎に燃料噴射弁が配置されているとともに、この燃料噴射弁を覆うように、シリンダヘッド側面に取り付けられた吸気マニホルドが上方のコレクタ部へ向かって湾曲して構成されており、
この吸気マニホルドの内側の空間に、上記シリンダヘッドカバーから各気筒の吸気ポートへ至るブローバイガス配管が収容されていることを特徴とする内燃機関のブローバイガス還流装置。
上記吸気マニホルドは、複数のブランチ部が隔壁状に連続した合成樹脂製マニホルドであり、内燃機関の前後方向について、上記の隔壁状に連続したブランチ部の内側に上記ブローバイガス配管が配置されていることを特徴とする請求項１に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
上記燃料噴射弁が各吸気ポートの上方位置において上記シリンダヘッドに取り付けられているとともに、この燃料噴射弁に隣接して、上記ブローバイガス配管の先端部が吸気ポートに接続されていることを特徴とする請求項１または２に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
内燃機関の前後両端に位置する気筒においては、各吸気ポートの燃料噴射弁の位置に対し、機関前後方向について機関中央寄りとなる側に片寄って、上記ブローバイガス配管の先端部が接続されていることを特徴とする請求項３に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
残りの気筒においても、各吸気ポートの燃料噴射弁の位置に対し、機関前後方向について機関中央寄りとなる側に片寄って、上記ブローバイガス配管の先端部が接続されていることを特徴とする請求項４に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
上記ブローバイガス配管の先端部が接続されるボス部が燃料噴射弁取付ボス部と一体に連続して上記シリンダヘッドに形成されていることを特徴とする請求項３〜５のいずれかに記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
上記ブローバイガス配管の先端部は、各吸気ポートにおいて上記燃料噴射弁の噴口部よりも上流側に位置していることを特徴とする請求項３〜６のいずれかに記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
上記ブローバイガス配管の先端部の挿入孔と燃料噴射弁の取付孔とが、上記シリンダヘッドにおいて互いに平行に形成されていることを特徴とする請求項３〜７のいずれかに記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
上記吸気ポート内に、２つの流路に区画するように隔壁が設けられているとともに、その一方の流路を開閉する吸気制御弁が上記隔壁の上流側に設けられており、上記ブローバイガス配管の先端部は、上記吸気制御弁よりも下流側の位置で上記吸気ポートに接続されていることを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
上記ブローバイガス配管は、シリンダヘッドの上部に沿って配置された機関前後方向に延びたブローバイガス主管路と、このブローバイガス主管路から各吸気ポートへ向かう複数の分岐管と、から構成されていることを特徴とする請求項１〜９のいずれかに記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。