JP2004304021A - 半導体装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び製造装置 Download PDF

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    • C23C18/50Coating with alloys with alloys based on iron, cobalt or nickel

Abstract

【課題】半導体ウエハ等の基板面内、基板間での再現性があり、高い歩留りで半導体装置等を製造できるようにする。
【解決手段】基板上の絶縁膜に形成し表面にバリア層を堆積させた配線用凹部内に配線材料を埋込み、余分な配線材料を除去し平坦化して基板の表面に埋込み配線を形成し、平坦化後の基板をめっき前処理後に直ちに洗浄し、洗浄後の基板の表面に直ちに無電解めっきを施して配線の露出表面に保護膜を選択的に形成し、めっき後の基板を乾燥状態とする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法及び製造装置に係り、特に半導体ウエハ等の基板の表面に設けた配線用の微細な凹部に銅や銀等の導電体(配線材料)を埋込んで構成する埋込み配線を有し、この埋込み配線の露出表面に、配線材料の層間絶縁膜中への熱的拡散を防止する機能や配線と層間絶縁膜の密着性を向上させる機能を有する導電膜や、配線を覆う磁性膜等の保護膜を無電解めっきで形成するようにした半導体装置の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の配線形成プロセスとして、配線溝及びコンタクトホール等の配線用凹部内に金属(配線材料)を埋込むようにしたプロセス(いわゆる、ダマシンプロセス)が使用されつつある。これは、層間絶縁膜に予め形成した配線溝やコンタクトホールに、アルミニウム、近年では銅や銀等の金属を埋込んだ後、余分な金属を化学機械的研磨(CMP)によって除去し平坦化するプロセス技術である。
【0003】
この種の配線、例えば配線材料として銅を使用した銅配線にあっては、平坦化後、銅からなる配線の表面が外部に露出しているが、信頼性向上のため、層間絶縁膜への配線(銅)の熱的拡散を防止し、かつエレクトロマイグレーション耐性を向上させたり、その後絶縁膜(酸化膜)を積層して多層配線構造の半導体装置を作る場合の酸化性雰囲気における配線(銅)の酸化を防止したりするため、コバルト合金やニッケル合金等からなる配線保護膜で埋込み配線の露出表面を選択的に覆って、配線の熱拡散、エレクトロマイグレーション及び酸化を防止することが検討されている。
【0004】
また、不揮発磁気メモリにおいては、微細化に伴う書込み電流の増加を抑制するため、記録用配線の周囲をコバルト合金やニッケル合金等の磁性膜で覆うことが考えられている。このコバルト合金やニッケル合金等は、例えば無電解めっきによって得られる。
【0005】
ここで、例えば、図1に示すように、半導体ウエハ等の基板Wの表面に堆積したSiO等からなる絶縁膜2の内部に微細な配線用凹部4を形成し、表面にTaN等からなるバリア層6を形成した後、例えば、銅めっきを施して、基板Wの表面に銅(配線材料)を成膜して配線用凹部4の内部に埋込み、しかる後、基板Wの表面に、スラリーを使用したCMP(化学機械的研磨)等の研磨を施して平坦化することで、絶縁膜2の内部に銅膜からなる配線8を形成し、この配線(銅膜)8の表面に、例えば無電解めっきによって得られる、Co−W−P合金膜からなる保護膜(蓋材)9を選択的に形成して配線8を保護する場合を考える。なお、この例は、一例であって、本発明は、これに限定されるものではないことは勿論である。
【0006】
一般的な平坦化法と無電解めっきによって、このようなCo−W−P合金膜からなる保護膜(蓋材)9を配線8の表面に選択的に形成する工程を説明する。先ず、基板Wの表面に成膜された銅膜をCMP処理等により研磨し平坦化して配線8の表面を露出させ、表面上に残留する研磨液等を洗浄除去する。次いで基板Wを、例えば常温の希硫酸中に1分程度浸漬させて、絶縁膜2の表面に残った銅等のCMP残さやCMP中に生じた配線上のダメージ層等を除去する。そして、基板Wの表面を純水等の洗浄液で洗浄した後、例えば常温のPdCl/HCl混合溶液中に基板Wを1分間程度浸漬させ、これにより、配線8の表面に触媒としてのPdを付着させて配線8の露出表面を活性化させる。次に、基板Wの表面を純水等で洗浄(リンス)した後、例えば液温が80℃のCo−W−Pめっき液中に基板Wを120秒程度浸漬させて、活性化させた配線8の表面に選択的な無電解めっきを施し、しかる後、基板Wの表面を純水等の洗浄液で洗浄する。これによって、配線8の露出表面に、Co−W−P合金膜からなる保護膜9を選択的に形成して配線8を保護する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、平坦化処理により配線の表面を露出させ、この露出した表面に無電解めっきによってCo−W−P合金膜からなる保護膜を形成する際には、前述のように、スラリーを用いたCMP等の研磨処理、各種薬液による基板のめっき前処理、めっき処理並びにめっき後処理、更にはそれらの間でのリンス(洗浄)処理などの各種処理が施され、これらの各種処理において、基板表面は様々な条件の処理液に触れることになる。また、基板表面自体も、酸化膜やバリア膜、配線材料、更には触媒など様々な材料が共存しており、実に多様な表面状態が想定される。
【0008】
このように、基板側の多様性に加えて、液側にも多様性が存在する中で、基板の表面に形成された配線の露出表面に、保護膜(めっき膜)を選択的に、かつ膜厚の面内均一性を高めた状態で形成し、しかも配線の信頼性向上という所期の要件を満たすことが要求される。この要求に応えるためには、研磨、洗浄、めっき前処理、無電解めっき等の各処理工程で、バリア膜と配線材料が共存した場合の特性を考慮した上でそれぞれの処理を最適化するだけでなく、前後工程との最適化を図り、しかもその条件の維持が確実にできるようにプロセス並びに装置を構築することが望まれる。
【0009】
しかしながら、従来例にあっては、単に信頼性向上のためにめっき膜をつけること、或いはそのためのめっき液の条件などは検討されていたが、工業的に配線の信頼性向上という所期の要件を実現するための一連の操作に関する提案はなされていないのが現状であった。このため、特に研磨により配線表面が露出した状態から無電解めっきにより保護膜を形成するまでの間では、バリア膜と配線材料が基板表面に共存し、これにpHや酸化還元電位などが大きく異なる様々な薬液が接触するので、局部的な電池作用あるいは光電池作用などにより配線材料が腐食を受け、配線抵抗が増加したり、配線に欠陥が生じたりすることがあった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、半導体ウエハ等の基板面内、基板間での再現性があり、高い歩留りで半導体装置等を製造できるようにした半導体装置の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板上の絶縁膜に形成し表面にバリア層を堆積させた配線用凹部内に配線材料を埋込み、余分な配線材料を除去し平坦化して基板の表面に埋込み配線を形成し、前記平坦化後の基板をめっき前処理後に直ちに洗浄し、前記洗浄後の基板の表面に直ちに無電解めっきを施して前記配線の露出表面に保護膜を選択的に形成し、前記めっき後の基板を乾燥状態とすることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0012】
一般に、平坦化処理後の基板上の露出配線に対しては、腐食防止膜を形成する等様々な安定化処置が行われているが、めっき前処理後の露出配線部分については、配線材料が非常に活性な状態になっており、工程間において長時間放置することは許されない。特にめっき前処理後の洗浄処理にあっては、前処理後遅くとも10秒以内、好ましくは5秒以内、さらに好ましくは3秒以内に洗浄処理を開始するのが良い。また、洗浄処理後のめっき処理においても、洗浄処理後遅くとも30秒以内、好ましくは10秒以内にめっき処理を開始することが望ましい。
【0013】
このような短時間で所定の処理を開始するためには、めっき前処理ならびにその後の洗浄装置が、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の装置で、処理液をスプレー方式で基板に噴霧するような方式であることが必要である。さらには基板の被処理面を下方に向けるフェースダウン方式のほうが処理液との接触時間を短く制御できるので、なお好ましい。
これにより、基板の表面に形成された埋込み配線の露出表面に対して無電解めっきによって保護膜を形成する一連の処理を、配線材料に対してダメージを与えることなく連続して行うことができる。しかも乾燥状態まで基板を仕上げるので、そのまま次工程に搬送することが可能となるばかりでなく、次工程にかかるまでの間での保護膜(めっき膜)の劣化を抑えることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記めっき前処理を施す基板が、前記平坦化後に乾燥状態としたものであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法である。
平坦化処理と無電解めっき処理を独立して行うような場合には、平坦化処理後に配線材料とバリア層が基板表面に隣接して存在する状態が生じる。この状態で湿潤状態に置いたりすると、電池効果により配線材料側で腐食が生じる。したがって、平坦化後に必要な洗浄処理を行い、乾燥状態としたものをめっき処理に持ち込むことが望ましい。なお、平坦化後に乾燥処理をする場合であっても、必要な防食処理を行って保管中の配線材料の酸化劣化を防止することが好ましい。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記平坦化後の基板を直ちに洗浄し、該洗浄後の基板を直ちにめっき前処理することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法である。
一般に、平坦化処理後の基板上の露出配線に対しては、腐食防止膜を形成する等様々な安定化処置が行われているが、必ずしも完全なものではなく、その後の保管状況によっては配線材料の酸化が進行し電気抵抗の増加につながるなどのことがある。また、強固な腐食防止膜を形成してしまうと、無電解めっきにより保護膜を形成する際のめっき前処理での腐食防止膜の除去が困難となり、保護膜形成の障害となってしまう。そもそも平坦化後の露出配線に一旦安定化処置を行い、無電解めっきの前処理において再度それを除去するというのは工程の増加を招くだけで、できれば排除したい。
【0016】
そこで、平坦化処理、無電解めっき処理、及び洗浄・乾燥処理を完全に連続して行うことにより、このような工程の合理化と配線材料の劣化防止を実現することができる。その場合、平坦化後の洗浄処理においては、遅くとも平坦化後1分以内、好ましくは30秒以内、さらに好ましくは10秒以内に洗浄処理を開始するのが良い。また、該洗浄後のめっき前処理においては、洗浄後遅くとも30秒以内、好ましくは10秒以内にめっき前処理を開始するのが良い。
このような短時間で所定の処理を開始するためには、上記と同様の理由で、基板を1枚ずつ処理する枚葉式で行うのが良く、さらには基板の被処理面を下方に向けるフェースダウン方式で処理するのがより好ましい。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記平坦化処理を施す基板が、基板上の前記配線用凹部に配線材料を埋込んだ後に乾燥状態としたものであることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法である。
平坦化処理及び無電解めっき処理を連続的に行う場合には、基板上の配線用凹部に配線材料を埋め込んだ状態の基板が投入される。このような基板は、湿潤状態では表面から配線材料が溶出し、周囲に対して汚染を生じやすい状況にある。従って、埋め込み後、乾燥状態とした基板を投入する必要がある。さらにこの基板の外周部分に成膜された配線材料を、エッチングなどの方法により一定の範囲除去しておくことが、搬送過程におけるクロスコンタミネーションを回避する上でなお好ましい。
【0018】
請求項5に記載の発明は、前記配線材料は、銅、銅合金、銀または銀合金であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
配線材料としては様々なものが考えられるが、無電解めっきによる保護膜で配線を保護することが要求される半導体装置は、一般に高集積化されたものに限定される。このよう高集積化された半導体装置の配線材料として、銅、銅合金、銀または銀合金を使用することで、半導体装置の高速化、高密度化を図ることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、前記バリア層は、チタン、タンタル、タングステン、またはそれらの化合物の少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
例えば、銅、銅合金、銀または銀合金を配線材料とする場合には、チタン、タンタル、タングステン、あるいはそれらの化合物の少なくとも1種がバリア層(バリアメタル)の材料として選択される。なお、このバリア層には、例えば絶縁膜との界面にタンタルの窒化物を形成し、この窒化物の窒素含有量を減らしていって、最終的にバリア層の表面をタンタルとするような場合も含まれる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、前記保護膜は、コバルト、コバルト合金、ニッケルまたはニッケル合金であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
配線の表面を選択的に覆って保護する保護膜としての機能を発現する材料としては、コバルト、コバルト合金、ニッケルまたはニッケル合金が挙げられる。特に、(1)コバルトまたはニッケル、(2)モリブデンまたはタングステン、(3)リンまたはボロンの(1)〜(3)のそれぞれを構成要素に含む3元合金であることが好ましく、このような合金は、成膜レートが比較的遅いので薄膜形成に有利であり、まためっき液が比較的安定で膜組成の制御が容易であるばかりでなく、その再現性を容易に確保することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、前記平坦化後及び/または前記めっき前処理後の基板の洗浄を、該基板を浸漬したとき、配線の露出表面とバリア層の露出表面の電位差が200mV以下となるような洗浄液を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
これにより、どのような配線(材料)とバリア層(材)の組み合わせであっても、めっき前処理後の基板洗浄(リンス)の過程で配線が選択的に腐食されることを防止して、配線抵抗が増加したり、配線に欠陥が生じたりすることを防止することができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、前記洗浄液は、溶存酸素を除去した超純水であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法である。
洗浄液としては、バリア層ならびに配線の双方に対して不活性であり、しかも両者を同時に浸漬したときに、両者間に大きな電位差が生じないものを使用することが望ましい。超純水中の溶存酸素を充分に除去した超純水は、この要求を満たすことができる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、前記洗浄液は、水素ガスを溶存せしめた超純水であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法である。
超純水に水素ガスを溶解することにより、バリア層ならびに配線の双方に対する電位を低下させ、かつ両者を同時に浸漬したときに、両者間に生じる電位差を確実に減少させることができる。なお、水素ガスの溶解方法としては、▲1▼ガス溶解膜を介して水素ガスを超純水に溶解する方法と、▲2▼超純水を電気分解することによって発生する水素をそのまま溶解する方法とがあり、そのいずれをも採用することができる。また、超純水の製造過程において、溶存有機物の分解除去に紫外線照射を行うことがあり、その分解反応に付随して溶存水素濃度が増えることがあるが、それについてもここに含まれる。
【0024】
請求項11に記載の発明は、前記余分な配線材料を除去し平坦化する処理を、バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも貴である研磨液を用いた化学機械的研磨法で行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
化学機械的研磨法により基板上の配線材料を研磨して埋込み配線の表面を露出させる際に、バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも貴である研磨液を用いると、配線材料側の酸化が優先されることによりバリア層近傍の酸化が抑制され、バリア層と配線の境界部分にV字状の腐食(窪み)が生じることが防止される。これによって、無電解めっきにより保護膜を選択的に形成する際に、バリア層と配線材料の境界部分に、前述のV字状の腐食によるめっき不良などの欠陥が生じることを防止することができる。
【0025】
請求項12に記載の発明は、前記余分な配線材料を除去し平坦化する処理を、バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも卑である研磨液を用いた化学機械的研磨法で行い、かつ無電解めっきを行う前のめっき前処理において、バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも貴である処理液で基板を処理することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
【0026】
バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも卑である研磨液を用いた化学機械的研磨で基板上の配線材料を研磨し平坦化した場合には、バリア層近傍の酸化が優先されることにより、バリア層と配線材料の境界部分にV字状の腐食(窪み)が生じることがある。このようなV字状の腐食が生じたまま無電解めっきにより保護膜を選択的に形成すると、このV字状の窪みの中に研磨液や洗浄液が残るなどして、めっきが進まず欠陥に繋がることがある。そこで、無電解めっきを行う前に、バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも貴である処理液で基板を処理し、配線側を僅かにエッチングして上記V字状の窪みを消失させて、基板上に研磨液や洗浄液が残留しないようにすることで、前述のV字状の腐食(窪み)の存在によって保護膜に欠陥が生じてしまうことを防止することができる。
【0027】
請求項13に記載の発明は、前記余分な配線材料を除去し平坦化する処理は、研磨液中に基板と導電性を有する研磨工具とを対向させて配置し、基板側をアノード分極、研磨工具側をカソード分極として処理する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
【0028】
請求項14に記載の発明は、前記余分な配線材料を除去し平坦化する処理は、超純水中に基板とカソードとを該基板とカソードとの間にイオン交換体を介在させつつ対向させて配置し、基板側をアノード分極として処理する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
請求項15に記載の発明は、前記各処理ならびにその間の搬送工程の少なくともいずれかを遮光下で行うことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法である。
【0029】
請求項16に記載の発明は、基板表面に設けた配線用凹部の表面にバリア層を堆積し該配線用凹部内に配線材料を埋込んで形成した埋込み配線の露出表面に保護膜を選択的に形成する半導体装置の製造装置であって、前記基板表面の前記配線用凹部以外に成膜された余分な前記配線材料ならびに前記バリア層を除去し平坦化する平坦化ユニットと、前記平坦化後の基板を洗浄する洗浄ユニットと、前記洗浄後の基板表面にめっき前処理を施す前処理ユニットと、前記前処理後の基板の表面に無電解めっきを施して前記埋込み配線の露出表面に前記保護膜を選択的に形成する無電解めっきユニットと、前記無電解めっき処理後の基板を乾燥状態にする乾燥ユニットを有することを特徴とする半導体装置の製造装置である。
【0030】
このように、平坦化ユニットと保護膜形成のための無電解めっきユニットを、洗浄ユニット並びに前処理ユニットを介して連接することにより、被処理基板を連続的に処理することができるので、配線材料にダメージを与えることなく、必要な機能の保護膜を付与することが出来る。さらに、保護膜を付与した後の基板を乾燥状態で取り出すことが出来るので、次工程へそのまま持ち込むことが可能となる。
【0031】
請求項17に記載の発明は、前記無電解めっきユニットと前記乾燥ユニットの間に、基板表面に形成した前記保護膜の選択性を向上させるための後処理を施す後処理ユニットを有することを特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造装置である。
一般にはめっき前処理ユニットで、配線部分にのみ選択的に無電解めっきが行われるよう必要な前処理を行うが、それでも選択性が完全でないことがあり得る。特に配線間の絶縁膜の寸法が小さくなると、この部分でのごくわずかな汚染がリーク電流の原因となる。従って無電解めっきユニットの後に、選択性を向上させるための後処理ユニットを設置し、選択性をより向上させるための後処理を行う。
【0032】
請求項18に記載の発明は、前記前処理ユニットは、基板表面を薬液で処理し、該薬液を基板表面から除去する第1前処理ユニットと、基板表面に触媒を付与し、該触媒付与に使用した薬液を基板表面から除去する第2前処理ユニットとを有することを特徴とする請求項16または17記載の半導体装置の製造装置である。
研磨後の露出配線は、研磨液中の酸化剤によって酸化されていたり、研磨剤によりダメージを受けていたりすることがある。デザインルールが厳しくなってくると、このようなことも問題となってくる。そこで、薬液処理によってこれらの問題を初期化する第1前処理ユニットと、触媒付与により露出配線表面を活性化する第2前処理ユニットを前処理ユニットとして設置する。
【0033】
請求項19に記載の発明は、前記平坦化ユニットが、化学機械的研磨ユニット、電気化学的研磨ユニット、または複合電解研磨ユニットの少なくとも1つ以上から構成されていることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の半導体装置の製造装置である。
平坦化ユニットとしては様々なものがあり得る。化学機械的研磨ユニットが一般的であるが、今後はいわゆるLow−k材料を扱う場合には低圧化が求められるようになる。そのような場合には、電気化学的な作用のみで研磨する電気化学的研磨、またはそれに研磨剤による機械的な作用を併用する複合電解研磨ユニットを適用すると良い。
【0034】
請求項20に記載の発明は、前記平坦化ユニットの前に前記基板表面の前記配線用凹部に配線材料を成膜する成膜ユニットを有することを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の半導体装置の製造装置である。
配線材料を表面に成膜した基板は、基板表面全体にわたって配線材料がついており、周囲に対して汚染を生じやすい。従って、工程間の搬送をなるべく行わずに一連の処理を行うことが望まれる。平坦化ユニットの前に成膜ユニットを設置することにより、このことが可能となる。
【0035】
請求項21に記載の発明は、前記成膜ユニットが少なくともめっきユニットを有することを特徴とする請求項20記載の半導体装置の製造装置である。
配線材料の成膜方法にはいろいろあるが、その後の研磨及び保護膜形成が湿式処理であることから、めっき処理、好ましくは電気めっき処理が適している。そこで、研磨ユニットの前に設置する成膜ユニットとしては、めっきユニットが好適である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図2(a)〜(d)は、半導体装置における銅配線形成例を工程順に示す。図2(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材10上の導電層10aの上に、例えばSiOからなる絶縁膜12を堆積し、この絶縁膜12の内部に、例えばリソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール14や配線用溝16などの配線用凹部18を形成し、その上にTaもしくはTaN等からなるバリア層20、更にその上に電解めっきの給電層としてのシード層22をスパッタリング等により形成した基板Wを用意する。
【0037】
そして、図2(b)に示すように、半導体基板Wの表面に銅めっきを施すことで、半導体基板Wのコンタクトホール14及び配線用溝16内に、配線材料としての銅を充填させるとともに、絶縁膜12上に銅層24を堆積させる。その後、例えばスラリーを使用した化学的機械的研磨(CMP)等により、絶縁膜12上の銅層24及びバリア層20を除去して、コンタクトホール14や配線用溝16等の配線用凹部18内に充填させた銅層24の表面と絶縁膜12の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図2(c)に示すように、絶縁膜12の内部にシード層22と銅層24からなる配線(銅配線)26を形成する。
【0038】
次に、この配線26を形成した基板の表面を洗浄し乾燥させ、例えばPd触媒を付与する触媒処理等のめっき前処理を行った後、基板Wの表面に無電解めっきを施して、図2(d)に示すように、配線26の外部への露出表面に、例えばCo−W−P合金膜からなる保護膜28を選択的に形成して配線26を保護する。
【0039】
図3は、半導体装置の製造装置の一例を示す平面配置図である。この製造装置は、ハウジング29内の全体が略長方形をなす床上のスペースの一端側に、一対の研磨ユニット30が左右に対向して配置され、他端側にそれぞれ半導体ウエハ等の基板Wを収納する基板カセット32を載置する一対のロード・アンロード部が配置されている。そして、研磨ユニット30とロード・アンロード部を結ぶ線上に第1搬送ロボット34と第2搬送ロボット36が配置されている。更に、搬送ラインに沿った一方側には、反転機を備えた膜厚測定ユニット38、銅埋込み用の第1めっきユニット40、基板のめっき前処理を行う第1前処理ユニット42及び第2前処理ユニット44が配置され、他方側には、リンス・乾燥ユニット45、保護膜形成用の第2めっきユニット46及びロールスポンジを備えた洗浄ユニット47が配置されている。研磨ユニット30の搬送ライン側には、基板Wを研磨ユニット30との間で授受する上下動自在なプッシャ48が設けられている。
【0040】
ここで、この例では、研磨ユニット30として、上面に研磨布(研磨パッド)520を貼付して研磨面を構成する研磨テーブル522と、基板Wをその被研磨面を研磨テーブル522に向けて保持するトップリング524とを備えたCMP装置が使用されている。
更に、ハウジング29には遮光処理が施され、これによって、このハウジング29内での以下の各工程を遮光状態で、つまり、配線に照明光等の光が当たることなく行えるようになっている。このように、配線に光を当たることを防止することで、例えば銅からなる配線に光が当たって光電位差が生じ、この光電位差によって配線が腐食してしまうことを防止することができる。
【0041】
次に、この半導体製造装置による一連のめっき処理について、図2及び図3の他に、更に図4を参照して説明する。なお、この例では、図2に示すように、Co−W−P合金膜からなる配線保護膜(蓋材)28を選択的に形成して配線26を保護する場合について説明する。
【0042】
先ず、図2(a)に示すように、表面に配線用凹部18を形成し、表面にシード層22を形成した基板Wを、基板カセット32から第1搬送ロボット34で一枚ずつ取出し、第1めっきユニット40に搬入する。この時、そして、この第1めっきユニット40で、図2(b)に示すように、基板Wの表面に銅層24を堆積させて、銅の埋込みを行う。銅層24は、まず基板Wの表面の親水処理を行い、その後、銅めっきを行って形成する。銅層24の形成後、第1めっきユニット40でリンス若しくは洗浄を行う。時間に余裕があれば、乾燥してもよい。
【0043】
そして、この銅の埋込みを行った基板Wを膜厚測定ユニット38に搬送し、ここで銅層24の膜厚を測定し、必要に応じて、反転機で基板を反転させた後、第1搬送ロボット34及び第2搬送ロボット36より研磨ユニット30のプッシャ48上に移送する。
【0044】
研磨ユニット30では、プッシャ48上の基板Wを、トップリング524で吸着して保持し、さらに研磨テーブル522上に移動させる。そして、トップリング524を下降させ、回転する研磨テーブル522の研磨布520上に基板Wの被研磨面を所定圧力で押圧しつつ、研磨液(スラリー)を供給して研磨を行う。研磨条件としては、基板W上に形成された銅層24を研磨する場合には、銅研磨用スラリー(研磨液)を用いる。表面に凹凸がある場合、押圧力を低めに設定して比較的速い回転速度で研磨を行うと良いことが分かっているが、加工速度自体は遅くなる。従って、例えば、トップリング押圧力を40kPa、トップリング回転速度を70min−1とした条件で所定時間研磨を行い、ある程度加工を行った後に、押圧力を20kPa、トップリング回転速度を50min−1として研磨をする多段階研磨を行っても良い。これにより、全体として効率的な平坦化ができる。
【0045】
そして、例えば、基板の仕上がりを検査するモニタで終点(エンドポイント)を検知した時に、研磨を終了し、この研磨を終了した基板Wをトップリング524により再度プッシャ48上に戻し、一旦純水スプレーで洗浄する。これにより、図2(c)に示すように、絶縁膜12の内部にシード層22と銅層24からなる配線(銅配線)26を形成する。
【0046】
この時、研磨液(スラリー)として、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも貴である研磨液を用いて行うことが好ましい。このように、CMPにより基板W上の銅層24を研磨して埋込み配線26の表面を露出させる際に、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも貴である研磨液を用いることにより、バリア層20と配線26の境界部分にV字状の腐食(窪み)C(図5(a)参照)が生じることを防止し、これによって、下記のように、配線26の表面に無電解めっきにより保護膜28を選択的に形成する際に、バリア層20と配線26の境界部分に、前述のV字状の腐食による欠陥D(図5(b)参照)が生じることを防止することができる。
【0047】
なお、CMPを、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも卑である研磨液を用いて行い、めっき前処理の洗浄処理の際に、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも貴である処理液で処理するようにしてもよい。
【0048】
このように、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも卑である研磨液(スラリー)を用いたCMPで基板W上の配線材料である銅層24を研磨し平坦化した場合には、図5(a)に示すように、バリア層20と配線26の境界部分にV字状の腐食(窪み)Cが生じることがある。このようにV字状の腐食Cが生じたまま、下記のように無電解めっきにより配線26の表面に保護膜28を選択的に形成すると、このV字状の窪みCの中に研磨液や洗浄液が残るなどして、めっきが進まず、図5(b)に示すように、めっき欠陥Dに繋がることがある。そこで、めっき前に、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも貴である処理液で基板をめっき前処理(洗浄)し、図6(a)に示すように、配線26側を僅かにエッチングして上記V字状の窪みCを消失させて、基板上に研磨液や洗浄液が残留しないようにすることで、図6(b)に示すように、前述のV字状の腐食(窪み)Cの存在によって保護膜28に欠陥が生じてしまうことを防止することができる。
【0049】
次に、第2搬送ロボット36により、研磨後の基板Wを洗浄ユニット47に搬送して、例えばロールスポンジ等で基板の表面を洗浄する。
そして、この洗浄後の基板を第2搬送ロボット36で第1前処理ユニット42に搬送する。この第1前処理ユニット42では、基板Wをフェースダウンで保持して、この表面に、めっき前処理としての清浄化処理(薬液洗浄)を行う。つまり、例えば液温が25℃で、希釈HSO等の薬液を基板Wの表面に向けて噴射して、絶縁膜12の表面に残った銅等のCMP残さや、配線26上の酸化物等を除去し、しかる後、基板Wの表面に残った洗浄楽液を洗浄液(リンス液)で洗浄(リンス)する。
【0050】
ここで使われる薬液としては、pH2以下のふっ酸、硫酸、塩酸等の無機酸や、蟻酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸等のpH5以下のキレート能力を有する酸、pH5以下の酸であってハロゲン化物、カルボン酸、ジカルボン酸、オキシカルボン酸ならびにその水溶性塩等のキレート剤が添加されているもの等があげられる。これらの薬液を使用した清浄化処理を施すことによって、絶縁膜12上に残った銅等からなるCMP残さや配線26表面の酸化物を除去し、めっきの選択性や配線26との密着性を向上させることができる。また、CMP工程に一般に使用される防食剤は、通常めっき膜の析出の阻害因子となるが、配線に付着した防食剤を除去する能力を有するアルカリ薬液、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用することで、このような防食剤を有効に除去することができる。なお、前記酸類と同一の効果を、グリシン、システイン、メチオニン等のアミノ酸のアルカリ溶液でも実現することが可能である。
【0051】
また、清浄化後に基板Wの表面を洗浄液(リンス液)で洗浄(リンス)することで、清浄化に使用した薬液が基板Wの表面に残留していて、次の活性化工程の障害となることを防止することができる、この洗浄液としては、一般には超純水を用いるが、シード層22の材料構成によっては、超純水を使ったとしても、前述の図5(a)に示す場合と同様に、配線26が局部電池作用などにより腐食することがある。このため、洗浄液(リンス液)として、基板Wを浸漬したとき、配線26の露出表面とバリア層20の露出表面の電位差が200mV以下となるようなものを使用することが望ましい。これにより、どのような配線(材料)とバリア層(材)の組み合わせであっても、めっき前処置後の基板洗浄の過程で配線が選択的に腐食されることを防止して、配線抵抗が増加したり、配線に欠陥が生じたりすることを防止することができる。
【0052】
このような洗浄液としては、溶存酸素を除去した超純水が挙げられる。つまり、洗浄液としては、バリア層(材)ならびに配線(材料)の双方に対して不活性であり、しかも両者を同時に浸漬したときに、両者間に殆ど電位差が生じないものを使用することが望ましいが、溶存酸素を充分に除去した超純水を使用することで、この要求を満たすことができる。
【0053】
また、このような洗浄液としては、水素ガスを溶存せしめた超純水が挙げられる。超純水に水素ガスを溶解することにより、バリア層(材)ならびに配線(材料)の双方に対する電位を低下させ、かつ両者を同時に浸漬したときに、両者間に生じる電位差を確実に減少させることができる。なお、水素ガスの溶解方法としては、▲1▼ガス溶解膜を介して水素ガスを超純水に溶解する方法と、▲2▼超純水を電気分解することによって発生する水素をそのまま溶解する方法とがあり、そのいずれをも採用することができる。また、超純水の製造過程において、溶存有機物の分解除去に紫外線照射を行うことがあり、その分解反応に付随して溶存水素濃度が増えることがあるが、この可能性もここに含まれる。
【0054】
なお、前述のように、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも卑である研磨液(スラリー)を用いたCMPで基板W上の配線材料である銅層24を研磨し平坦化した場合には、この洗浄液として、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも貴である処理液を使用して基板を洗浄する。
【0055】
次に、この清浄化処理及び洗浄処理後の基板Wを第2搬送ロボット34で第2前処理ユニット42に搬送し、ここで基板Wをフェースダウンで保持して、この表面に触媒付与処理を行う。つまり、例えば、液温が25℃で、PdCl/HCl等の混合溶液を基板Wの表面に向けて噴射し、これにより、配線26の表面に触媒としてのPdを付着させ、つまり配線26の表面に触媒核(シード)としてのPd核を形成して、配線26の露出表面を活性化させ、しかる後、基板Wの表面に残った触媒薬液を純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。
【0056】
この薬液(触媒薬液)としては、Pdを含んだ無機または有機酸溶液を使用するが、触媒液中のPd含有量が薄すぎると、被めっき下地表面の触媒密度が少なくなりめっきできなくなり、濃過ぎると配線26上にピッチングなどの欠陥を引き起こす。
【0057】
基板全体に均一かつ連続な無電解めっき膜を形成するためには、被めっき下地表面への触媒付与量がある程度以上なければならないが、触媒としてパラジウムを使う場合には、少なくとも下地表面1cmあたり0.4μg以上パラジウムが付与されていれば、この要求に応えられることが実験的に確認されている。また、Pdを一定以上付与していくと、下地の浸食が進み、下地を合わせた抵抗値が上昇することが知られている。下地表面1cmあたり8μg以上パラジウムを付与するとこういった傾向が顕著になることも、実験的に確認されている。
【0058】
このように、基板Wの表面に触媒を付与することによって、無電解めっきの選択性を高めることができる。ここで、触媒金属としては、様々な物質があるが、反応速度その他の制御のし易さなどの点からPdを使うことが好ましい。触媒付与の方法としては、基板全体を触媒液に浸漬する場合と、スプレーなどによって触媒液を基板表面に向けて噴射する場合があり、めっき膜の組成や必要膜厚などによって、そのいずれかを選択することができる。一般に薄膜形成に際しては、スプレー法による方が再現性などの点で優れている。
【0059】
また、選択性を向上させるために、シード層22および配線26上の残留Pdを除去する必要があり、一般的には、超純水による洗浄(リンス)が行われる。なお、前述の清浄化処理の場合と同様に、触媒液が基板表面に残留していると、配線材料等の腐食やめっき工程への悪影響の可能性があるので、触媒付与処理とリンス処理の間の時間はなるべく短くすることが望ましい。洗浄液(リンス液)としては、前述の清浄化処理の場合と同様に、基板Wを浸漬したとき、配線26の露出表面とバリア層20の露出表面の電位差が200mV以下となるような、例えば溶存酸素を除去した超純水や、水素ガスを溶存せしめた超純水を使用することが好ましく、これによって、配線26が選択的に腐食されることを防止することができる。
【0060】
そして、この触媒を付与しリンス処理した基板Wを第2搬送ロボット36で、例えば無電解めっき装置からなる第2めっきユニット46に搬送し、ここで基板Wをフェースダウンで保持して、この表面に無電解めっき処理を施す。つまり、例えば、液温が80℃のCo−W−Pめっき液中に基板Wを、例えば120秒程度浸漬させて、活性化させた配線26の表面に選択的な無電解めっき(無電解Co−W−P蓋めっき)を施して、保護膜(蓋材)28を選択的に形成する。このめっき液の組成は、例えば以下の通りである。
・CoSO・7HO:14g/L
・Na・2HO:70g/L
・HBO:40g/L
・NaWO・2HO:12g/L
・NaHPO・HO:21g/L
・pH:9.5
【0061】
ここで、めっき液として、pHが7〜10で、ナトリウム元素を含み、かつアンモニウムイオンを含まないものを使用することが好ましい。一般に、無電解めっきでは反応を制御するためにめっき液を加温するが、加温しためっき液中にアンモニウムイオンが含まれると、アンモニアは揮発し易いため、めっき液組成を安定に維持することが困難となる。このためめっき速度やめっき膜組成などの再現性を長期にわたって維持することが困難となる。めっき液の構成成分として、アンモニウム塩ではなく、例えばアルカリ金属塩を使用し、めっき液中にアンモニウムイオンが含まれなくすることで、このような弊害を防止することができる。
【0062】
ここで、無電解めっきによる保護膜28の成膜速度を毎分10〜200Åとすることが好ましい。めっき速度は生産性に直結するため、あまり遅くすることが出来ないが、一方であまり早過ぎると均一性及び再現性を確保できなくなる。保護膜28は、一般に数10〜数100Å程度の膜厚が要求されることが多いが、その場合には、成膜速度を毎分10〜200Åとすることが望ましい。なお、めっき速度は、pHなどめっき液の組成条件と反応温度などの反応条件の両者で制御することができる。
【0063】
めっき液として、その組成に、少なくとも1.5g/L以上の濃度のWが含まれているものを使用することが好ましい。Ni合金ないしCo合金の中で、保護膜28としての機能を実現するものとしては、合金膜中に一定程度のWを含むことが望まれる。このためには、めっき液中に一定程度以上のWが含まれていなければならないが、その量を少なくとも1.5g/L以上とすることで、合金中のW量を有効に制御することができる。
【0064】
なお、この例のように、保護膜28をCo,W及びPの3元素を含む合金膜で構成することが好ましい。これは、Ni合金ないしCo合金の中で、Co,W及びPの3元素を含む合金膜は、成膜レートが比較的遅いので薄膜形成に有利であるからであり、まためっき液が比較的安定で膜組成の制御が容易であるばかりでなく、その再現性を容易に確保することができる。
【0065】
このように、保護膜28をCo,W及びPの3元素を含む合金膜で構成する場合には、保護膜(合金膜)28の平均組成が、Co:75〜90atm%、W:1〜10atm%、P:5〜25atm%の範囲にあることが好ましい。Co,W及びPの3元素を含む合金膜の組成においては、WとPの含有率にトレードオフ関係があり、またW量が増えるとめっき速度が極端に低下する。従って、保護作用を実現する最低限のW組成として1atm%以上、めっき速度の観点から最大限の組成として10atm%以下となり、これに応じてP組成が5〜25atm%、Co組成が75〜90atm%となる。
【0066】
そして、基板Wをめっき液から引き上げた後、pHが6〜7.5の中性液からなる停止液を基板Wの表面に接触させて、無電解めっき処理を停止させる。これにより、基板Wをめっき液から引き上げた直後にめっき反応を迅速に停止させて、めっき膜にめっきむらが発生することを防止することができる。この処理時間は、例えば1〜5秒であることが好ましい。この停止液としては、純水、水素ガス溶解水、または電解カソード水が挙げられる。表面の材料構成によっては配線材料が局部電池作用などにより腐食することがあり、このような場合に、還元性を持たせた超純水でめっきを停止させることで、このような弊害を回避することができる。
【0067】
しかる後、基板の表面に残っためっき液を純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。これによって、配線26の表面に、Co−W−P合金膜からなる配線保護膜28を選択的に形成して配線26を保護する。
【0068】
次に、この無電解めっき処理後の基板Wを第2搬送ロボット36で洗浄ユニット47に搬送し、ここで、基板Wの表面に形成された保護膜(めっき膜)28の選択性を向上させて歩留りを高めるための基板後処理を施す。つまり、基板Wの表面に、例えばロールスクラブ洗浄やペンシル洗浄による物理的な力を加えつつ、界面活性剤、有機アルカリ及びキレート剤のいずれか一種または二種以上を含む薬液に基板Wの表面に供給し、これにより、絶縁膜12上の金属微粒子等のめっき残留物を完全に除去して、めっきの選択性を向上させる。これらの薬液を用いることで、無電解めっきの選択性を一層効率良く向上させることができる。なお、界面活性剤としては非イオン性のものが、有機アルカリとしては第4級アンモニウムないしアミン類が、またキレート剤としてはエチレンジアミン類が好ましい。
【0069】
そして、このように薬液を使用した場合には、基板Wの表面に残った薬液を純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。このリンス液としては、純水、水素ガス溶解水、または電解カソード水が挙げられる。表面の材料構成によっては配線材料が局部電池作用などにより腐食することがあるが、このような場合に、還元性を持たせた超純水でリンスすることで、このような弊害を回避することができる。
【0070】
なお、前述の、例えばロールスクラブ洗浄やペンシル洗浄による物理的な力による洗浄の他に、錯化剤による洗浄、更にはエッチング液による均一エッチングバック等により、更にはこれらを任意に組み合わせて絶縁膜上の残留物を完全に取り除くようにしてもよい。
そして、この後処理後の基板Wを搬送ロボット34でリンス・乾燥ユニット45に搬送し、ここでリンス処理を行い、しかる後、基板Wを高速で回転させてスピン乾燥させる。
【0071】
これにより、基板Wの表面に形成した埋込み配線26の露出表面に、無電解めっきによって保護膜28を形成する一連の処理を連続して行うことができ、しかも乾燥状態まで基板を仕上げるので、そのまま次工程に搬送することが可能となるばかりでなく、次工程にかかるまでの間での保護膜(めっき膜)28の劣化を抑えることができる。
【0072】
この基板Wを乾燥状態にする乾燥処理(スピン乾燥)を行う際に、乾燥空気または乾燥不活性ガスを用いて基板の周囲の雰囲気の湿度を制御することが好ましい。通常の雰囲気下で乾燥を行うと、基板上の水分が雰囲気中に飛散して湿度が高まり、乾燥処理をしたとはいえ基板表面には多量の水分が吸着しており、このままでは、吸着水分によって配線部分が酸化されるなど新たな問題を引き起こす可能性がある。またスピンドライヤでのミストバックによる、ウォータ・マーク発生などの問題も想定される。このため、乾燥時の雰囲気湿度を乾燥空気または乾燥窒素を用いて制御することで、このような弊害を回避することができる。
【0073】
このスピン乾燥後の基板Wを、例えば光学式、AFM、EDX等の膜厚測定ユニット38に搬送し、この膜厚測定ユニット38で配線26の表面に形成された配線保護膜28の膜厚を測定し、この膜厚測定後の基板Wを搬送ロボット34でロード・アンロードユニットに搭載された基板カセット32に戻す。
【0074】
そして、この配線26の露出表面に形成した保護膜28の膜厚をオフラインで測定した測定結果を無電解めっき処理の前にフィードバックし、これにより、この膜厚の変動に応じて、例えば次の基板に対するめっき処理の処理時間を調整する。このように、配線26の露出表面に形成した保護膜28の膜厚を測定し、この膜厚の変動に応じて、例えば次の基板に対するめっき処理の処理時間を調整することで、配線26の露出表面に形成される保護膜28の膜厚を一定に制御することができる。
【0075】
なお、この例は、配線材料として、銅を使用した例を示しているが、銅の他に、銅合金、銀及び銀合金等を使用しても良い。配線材料としては様々なものが考えられるが、前述のように、無電解めっきによる保護膜28で配線26を保護することが要求される半導体装置は、一般に高集積化されたものに限定される。このよう高集積化された半導体装置の配線材料として、銅、銅合金、銀または銀合金を使用することで、半導体装置の高速化、高密度化を図ることができる。
【0076】
また、例えば、銅、銅合金、銀または銀合金を配線材料とする場合には、チタン、タンタル、タングステン、あるいはそれらの化合物の少なくとも1種がバリア層(バリアメタル)の材料として選択される。なお、このバリア層には、例えば絶縁膜との界面にタンタルの窒化物を形成し、この窒化物の窒素含有量を減らしていって、最終的にバリア層の表面をタンタルとするような場合も含まれる。
【0077】
この例では、保護膜28として、Co−W−P合金を使用しているが、配線の表面を選択的に覆って保護する保護膜としての機能を発現する材料としては、Co、Co合金、NiまたはNi合金が挙げられる。つまり、保護膜28として、Co−W−P合金の他に、Co単体やCo−W−B合金、Co−P合金またはCo−B合金等の他のCo合金を使用してもよく、更に、Ni単体や、Ni−W−P合金、Ni−W−B合金、Ni−P合金またはNi−B合金等のNi−B合金を使用してよい。
【0078】
次に、図3に示す半導体装置の製造装置に備えられている各種ユニットの詳細を以下に説明する。
図7は、研磨ユニット30を構成するCMP装置の一例を示す。この研磨ユニット(CMP装置)30は、上面に研磨布(研磨パッド)520を貼付して研磨面を構成する研磨テーブル522と、基板Wをその被研磨面を研磨テーブル522に向けて保持するトップリング524とを備えている。そして、研磨テーブル522とトップリング524とをそれぞれ自転させ、研磨テーブル522の上方に設置された研磨液供給ノズル526より研磨液(スラリー)を供給しつつ、トップリング524により基板Wを一定の圧力で研磨テーブル522の研磨布520に押圧することで、基板Wの表面を研磨するようになっている。ここで、研磨液供給ノズル526から供給される研磨液として、例えば銅研磨用スラリーを用い、不織布、スポンジまたは発泡ウレタン等の樹脂材料等からなる研磨布(研磨パッド)520を使用してCMP処理を行う。
【0079】
ここで、研磨液(スラリー)として、前述のように、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも貴である研磨液を用いるか、またはバリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも卑である研磨液を用い、後者の場合は、無電解めっきの前処理の洗浄の際し、バリア層20を浸漬したときの表面電位が配線26を浸漬したときの表面電位よりも貴である処理液で基板を処理(洗浄)する。これにより、配線26の表面に無電解めっきにより保護膜28を選択的に形成する際に、バリア層20と配線26の境界部分に、腐食による欠陥D(図6(b)参照)が生じることを防止することができる。
【0080】
このようなCMP装置を用いて研磨作業を継続すると研磨布520の研磨面の研磨力が低下するが、この研磨力を回復させるために、ドレッサー528を設け、このドレッサー528によって、研磨する基板Wの交換時などに研磨布520の目立て(ドレッシング)が行われている。このドレッシング処理においては、ドレッサー528のドレッシング面(ドレッシング部材)を研磨テーブル522の研磨布520に押圧しつつ、これらを自転させることで、研磨面に付着した研磨液や切削屑を除去すると共に、研磨面の平坦化及び目立てが行なわれ、研磨面が再生される。また、研磨テーブル522に基板の表面の状態を監視するモニタを取付け、その場(In−situ)で研磨の終点(エンドポイント)を検出してもよく、またその場(In−situ)で基板の仕上がり状態を検査するモニタを取付けてもよい。
【0081】
なお、図示しないが、研磨ユニットとして、研磨液中に基板と導電性を有する研磨工具とを対向させて配置し、基板側をアノード分極、研磨工具側をカソード分極として処理する工程を含むものを使用したり、超純水中に基板とカソードとを該基板とカソードとの間にイオン交換体を介在させつつ対向させて配置し、基板側をアノード分極として処理する工程を含むものを使用したりしてもよい。
【0082】
図8及び図9は、反転機を備えた膜厚測定ユニット38を示す。同図に示すように、この膜厚測定ユニット38は反転機439を備え、この反転機439は、反転アーム453,453を備えている。この反転アーム453,453は、基板Wの外周をその左右両側から挟み込んで保持し、これを180°回動することで反転させる機能を有する。そしてこの反転アーム453,453(反転ステージ)の直下に円形の取付け台455を設置し、取付け台455上に複数の膜厚センサSを設置する。取付け台455は駆動機構457によって上下動自在に構成されている。
【0083】
そして基板Wの反転時には、取付け台455は、基板Wの下方の実線の位置に待機しており、反転の前又は後に点線で示す位置まで上昇して膜厚センサSを反転アーム453,453に把持した基板Wに接近させ、その膜厚を測定する。
【0084】
この例によれば、搬送ロボットのアームなどの制約がないため、取付け台455上の任意の位置に膜厚センサSを設置できる。また、取付け台455は上下動自在な構成となっているので、測定時に基板Wとセンサ間の距離を調整することも可能である。また、検出目的に応じた複数の種類のセンサを取付けて、各々のセンサの測定毎に基板Wと各センサ間の距離を変更することも可能である。但し取付け台455が上下動するため、測定時間をやや要することになる。
【0085】
ここで、膜厚センサSとして、例えば渦電流センサが使用される。渦電流センサは渦電流を発生させ、基板Wを導通して帰ってきた電流の周波数や損失を検出することにより膜厚を測定するものであり、非接触で用いられる。更に膜厚センサSとしては、光学的センサも好適である。光学的センサは、試料に光を照射し、反射する光の情報から膜厚を直接的に測定することができるものであり、金属膜だけでなく酸化膜などの絶縁膜の膜厚測定も可能である。膜厚センサSの設置位置は図示のものに限定されず、測定したい箇所に任意の個数を取付ける。
【0086】
図10乃至図15は、第1めっきユニット40を構成する電気めっき装置を示す。このめっき装置(電気めっき装置)40には、図10に示すように、めっき処理及びその付帯処理を行う基板処理部2−1が設けられ、この基板処理部2−1に隣接して、めっき液を溜めるめっき液トレー2−2が配置されている。また、回転軸2−3を中心に揺動する揺動アーム2−4の先端に保持され、基板処理部2−1とめっき液トレー2−2との間を揺動する電極部2−5を有する電極アーム部2−6が備えられている。
【0087】
更に、基板処理部2−1の側方に位置して、プレコート・回収アーム2−7と、純水やイオン水等の薬液、更には気体等を基板に向けて噴射する固定ノズル2−8が配置されている。この例では、3個の固定ノズル2−8が配置され、その内の1個を純水供給用に用いている。基板処理部2−1は、図11及び図12に示すように、めっき面を上にして基板Wを保持する基板保持部2−9と、この基板保持部2−9の上方で該基板保持部2−9の周縁部を囲むように配置されたカソード部2−10が備えられている。更に基板保持部2−9の周囲を囲んで処理中に用いる各種薬液の飛散を防止する有底略円筒状のカップ2−11が、エアシリンダ2−12を介して上下動自在に配置されている。
【0088】
ここで、基板保持部2−9は、エアシリンダ2−12によって、下方の基板受け渡し位置Aと、上方のめっき位置Bと、これらの中間の前処理・洗浄位置Cとの間を昇降するようになっている。また基板保持部2−9は、回転モータ2−14及びベルト2−15を介して任意の加速度及び速度で前記カソード部2−10と一体に回転するように構成されている。この基板受け渡し位置Aに対向して、電気めっき装置のフレーム側面の搬送ロボット34(図3参照)側には、基板搬出入口(図示せず)が設けられ、基板保持部2−9がめっき位置Bまで上昇したときに、基板保持部2−9で保持された基板Wの周縁部に、下記のカソード部2−10のシール部材2−16とカソード電極2−17が当接するようになっている。一方、カップ2−11は、その上端が前記基板搬出入口の下方に位置し、図12の仮想線で示すように、上昇したときにカソード部2−10の上方に達するようになっている。
【0089】
基板保持部2−9がめっき位置Bまで上昇した時に、この基板保持部2−9で保持した基板Wの周縁部にカソード電極2−17が押し付けられ基板Wに通電される。これと同時に、シール部材2−16の内周端部が基板Wの周縁上面に圧接し、ここを水密的にシールして、基板Wの上面に供給されるめっき液が基板Wの端部から染み出すのを防止すると共に、めっき液がカソード電極2−17を汚染するのを防止している。
【0090】
電極アーム部2−6の電極部2−5は、図13に示すように、揺動アーム2−4の自由端に、ハウジング2−18と、このハウジング2−18の周囲を囲む中空の支持枠2−19と、ハウジング2−18と支持枠2−19で周縁部を挟持して固定したアノード2−20とを有している。アノード2−20は、ハウジング2−18の開口部を覆っており、ハウジング2−18の内部には、吸引室2−21が形成されている。そして吸引室2−21には、図14及び図15に示すように、めっき液を導入排出するめっき液導入管2−28及びめっき液排出管(図示せず)が接続されている。さらにアノード2−20には、その全面に亘って上下に連通する多数の通孔2−20bが設けられている。
【0091】
この例にあっては、アノード2−20の下面に該アノード2−20の全面を覆う保水性材料からなるめっき液含浸材2−22を取付け、このめっき液含浸材2−22にめっき液を含ませて、アノード2−20の表面を湿潤させることで、ブラックフィルムの基板のめっき面への脱落を防止し、同時に基板の被めっき面とアノード2−20との間にめっき液を注入する際に、空気を外部に抜きやすくしている。このめっき液含浸材2−22は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)、ポリビニルアルコール、ポリウレタン及びこれらの誘導体の少なくとも1つの材料からなる織布、不織布またはスポンジ状の構造体、あるいはポーラスセラミックスからなる。
【0092】
めっき液含浸材2−22のアノード2−20への取付けは、次のように行っている。即ち、下端に頭部を有する多数の固定ピン2−25を、この頭部をめっき液含浸材2−22の内部に上方に脱出不能に収納し軸部をアノード2−20の内部を貫通させて配置し、この固定ピン2−25をU字状の板ばね2−26を介して上方に付勢させることで、アノード2−20の下面にめっき液含浸材2−22を板ばね2−26の弾性力を介して密着させて取付けている。このように構成することにより、めっきの進行に伴って、アノード2−20の肉厚が徐々に薄くなっても、アノード2−20の下面にめっき液含浸材2−22を確実に密着させることができる。したがって、アノード2−20の下面とめっき液含浸材2−22との間に空気が混入してめっき不良の原因となることが防止される。
【0093】
なお、アノードの上面側から、例えば径が2mm程度の円柱状のPVC(ポリ塩化ビニル)またはPET(ポリエチレンテレフタレート)製のピンを、アノードを貫通させて配置し、アノード下面に現れた該ピンの先端面に接着剤を付けてめっき液含浸材と接着固定するようにしても良い。アノードとめっき液含浸材は、接触させて使用することもできるが、アノードとめっき液含浸材との間に隙間を設け、この隙間にめっき液を保持させた状態でめっき処理することもできる。この隙間は20mm以下の範囲から選ばれるが、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは1〜7mmの範囲から選ばれる。特に、溶解性アノードを用いた場合には、下からアノードが溶解していくので、アノードとめっき液含浸材の間隙は時間を経るにつれて大きくなり、0〜20mm程度の隙間ができる。
【0094】
そして、前記電極部2−5は、基板保持部2−9がめっき位置B(図12参照)にある時に、基板保持部2−9で保持された基板Wとめっき液含浸材2−22との隙間が、0.1〜10mm程度、好ましくは0.3〜3mm、より好ましくは0.5〜1mm程度となるまで下降し、この状態で、めっき液供給管からめっき液を供給して、めっき液含浸材2−22にめっき液を含ませながら、基板Wの上面(被めっき面)とアノード2−20との間にめっき液を満たし、基板Wの上面(被めっき面)とアノード2−20との間にめっき電源から電圧を印加することで基板Wの被めっき面にめっきが施される。
【0095】
次に、このめっきユニット(電気めっき装置)40によるめっき処理について説明する。
先ず、基板受け渡し位置Aにある基板保持部2−9にめっき処理前の基板Wを搬送ロボット34(図3参照)で搬入し、基板保持部2−9上に載置する。次にカップ2−11を上昇させ、同時に基板保持部2−9を前処理・洗浄位置Cに上昇させる。この状態で退避位置にあったプレコート・回収アーム2−7を基板Wの対峙位置へ移動させ、その先端に設けたプレコートノズルから、例えば界面活性剤からなるプレコート液を基板Wの被めっき面に間欠的に吐出する。この時、基板保持部2−9は回転しているため、プレコート液は基板Wの全面に行き渡る。次に、プレコート・回収アーム2−7を退避位置に戻し、基板保持部2−9の回転速度を増して、遠心力により基板Wの被めっき面のプレコート液を振り切って乾燥させる。
【0096】
続いて、基板保持部2−9をめっき位置B(図12参照)まで上昇させた後、電極アーム部2−6を水平方向に旋回させ、電極部2−5がめっき液トレー2−2上方からめっきを施す位置の上方に位置させ、この位置で電極部2−5をカソード部2−10に向かって下降させる。電極部2−5の下降が完了した時点で、アノード2−20とカソード部2−10にめっき電圧を印加し、めっき液を電極部2−5の内部に供給して、アノード2−20を貫通しためっき液供給口よりめっき液含浸材2−22にめっき液を供給する。この時、めっき液含浸材2−22は、基板Wの被めっき面に接触せず、0.1〜10mm程度、好ましくは0.3〜3mm、より好ましくは0.5〜1mm程度に接近した状態となっている。
【0097】
めっき液の供給が続くと、めっき液含浸材2−22から染み出した銅イオンを含んだめっき液が、めっき液含浸材2−22と基板Wの被めっき面との間の隙間に満たされ、基板Wの被めっき面に銅めっきが施される。この時、基板保持部2−9を低速で回転させても良い。
【0098】
めっき処理が完了すると、電極アーム部2−6を上昇させた後に旋回させて、電極部2−5をめっき液トレー2−2の上方へ戻し、通常位置へ下降させる。次に、プレコート・回収アーム2−7を退避位置から基板Wに対峙する位置へ移動させて下降させ、めっき液回収ノズル(図示せず)から基板W上のめっき液の残部を回収する。このめっき液の残部の回収が終了した後、プレコート・回収アーム2−7を待避位置に戻し、基板Wの中央部に純水を吐出し、同時に基板保持部2−9のスピードを増して回転させ基板Wの表面のめっき液を純水に置換する。
【0099】
上記リンス終了後、基板保持部2−9をめっき位置Bから前処理・洗浄位置Cへ下降させ、純水用の固定ノズル2−8から純水を供給しつつ基板保持部2−9及びカソード部2−10を回転させて水洗を実施する。この時、カソード部2−10に直接供給した純水、又は基板Wの面から飛散した純水によってシール部材2−16、カソード電極2−17も基板Wと同時に洗浄することができる。
【0100】
水洗完了後に、固定ノズル2−8からの純水の供給を停止し、更に基板保持部2−9及びカソード部2−10の回転スピードを増して、遠心力により基板Wの表面の純水を振り切って乾燥させる。併せて、シール部材2−16及びカソード電極2−17も乾燥される。上記乾燥が終了すると基板保持部2−9及びカソード部2−10の回転を停止させ、基板保持部2−9を基板受渡し位置Aまで下降させる。
【0101】
なお、上記の例では、第1めっきユニット40として、めっき液を保持するめっき液含浸材を備え、基板をフェースアップで保持して、この基板の表面(上面)にめっきを施すようにしたものを使用した例を示しているが、例えば、基板をフェースダウンで保持して、この基板の表面(下面)をめっき液に接触させてめっきを施すようにしたものを使用しても良いことは勿論である。
【0102】
第1前処理ユニット42及び第2前処理ユニット44は、使用される処理液(薬液)が異なるのみで、同じ構成の、異なる液体の混合を防ぐ2液分離方式を採用したもので、フェースダウンで搬送された基板Wの処理面(表面)である下面の周縁部をシールし、裏面側を押圧して基板Wを固定するようにしている。
【0103】
この前処理ユニット42,44は、図16乃至図19に示すように、フレーム50の上部に取付けた固定枠52と、この固定枠52に対して相対的に上下動する移動枠54を備えており、この移動枠54に、下方に開口した有底円筒状のハウジング部56と基板ホルダ58とを有する処理ヘッド60が懸架支持されている。つまり、移動枠54には、ヘッド回転用サーボモータ62が取付けられ、このサーボモータ62の下方に延びる出力軸(中空軸)64の下端に処理ヘッド60のハウジング部56が連結されている。
【0104】
この出力軸64の内部には、図19に示すように、スプライン66を介して該出力軸64と一体に回転する鉛直軸68が挿着され、この鉛直軸68の下端に、ボールジョイント70を介して処理ヘッド60の基板ホルダ58が連結されている。この基板ホルダ58は、ハウジング部56の内部に位置している。また鉛直軸68の上端は、軸受72及びブラケットを介して、移動枠54に固定した固定リング昇降用シリンダ74に連結されている。これにより、この昇降用シリンダ74の作動に伴って、鉛直軸68が出力軸64とは独立に上下動するようになっている。
【0105】
また、固定枠52には、上下方向に延びて移動枠54の昇降の案内となるリニアガイド76が取付けられ、ヘッド昇降用シリンダ(図示せず)の作動に伴って、移動枠54がリニアガイド76を案内として昇降するようになっている。
【0106】
処理ヘッド60のハウジング部56の周壁には、この内部に基板Wを挿入する基板挿入窓56aが設けられている。また、処理ヘッド60のハウジング部56の下部には、図20及び図21に示すように、例えばPEEK製のメインフレーム80と、例えばポリエチレン製のガイドフレーム82との間に周縁部を挟持されてシールリング84aが配置されている。このシールリング84aは、基板Wの下面の周縁部に当接し、ここをシールするためのものである。
【0107】
一方、基板ホルダ58の下面周縁部には、基板固定リング86が固着され、この基板ホルダ58の基板固定リング86の内部に配置したスプリング88の弾性力を介して、円柱状のプッシャ90が基板固定リング86の下面から下方に突出するようになっている。更に、基板ホルダ58の上面とハウジング部56の上壁部との間には、内部を気密的にシールする、例えばテフロン(登録商標)製で屈曲自在な円筒状の蛇腹板92が配置されている。
【0108】
これにより、基板ホルダ58を上昇させた状態で、基板Wを基板挿入窓56aからハウジング部56の内部に挿入する。すると、この基板Wは、ガイドフレーム82の内周面に設けたテーパ面82aに案内され、位置決めされてシールリング84aの上面の所定の位置に載置される。この状態で、基板ホルダ58を下降させ、この基板固定リング86のプッシャ90を基板Wの上面に接触させる。そして、基板ホルダ58を更に下降させることで、基板Wをスプリング88の弾性力で下方に押圧し、これによって基板Wの表面(下面)の周縁部にシールリング84aで圧接させて、ここをシールしつつ、基板Wをハウジング部56と基板ホルダ58との間で挟持して保持するようになっている。
【0109】
なお、このように、基板Wを基板ホルダ58で保持した状態で、ヘッド回転用サーボモータ62を駆動すると、この出力軸64と該出力軸64の内部に挿着した鉛直軸68がスプライン66を介して一体に回転し、これによって、ハウジング部56と基板ホルダ58も一体に回転する。
【0110】
処理ヘッド60の下方に位置して、該処理ヘッド60の外径よりもやや大きい内径を有する上方に開口した、外槽100aと内槽100bを有する処理槽100が備えられている。処理槽100の外周部には、蓋体102に取付けた一対の脚部104が回転自在に支承されている。更に、脚部104には、クランク106が一体に連結され、このクランク106の自由端は、蓋体移動用シリンダ108のロッド110に回転自在に連結されている。これにより、蓋体移動用シリンダ108の作動に伴って、蓋体102は、処理槽100の上端開口部を覆う処理位置と、側方の待避位置との間を移動するように構成されている。この蓋体102の表面(上面)には、下記のように、例えば溶剤酸素を除去した超純水等の洗浄液(リンス液)を外方(上方)に向けて噴射する多数の噴射ノズル112aを有するノズル板112が備えられている。
【0111】
更に、図22に示すように、処理槽100の内槽100bの内部には、薬液タンク120から薬液ポンプ122の駆動に伴って供給された薬液を上方に向けて噴射する複数の噴射ノズル124aを有するノズル板124が、該噴射ノズル124aが内槽100bの横断面の全面に亘ってより均等に分布した状態で配置されている。この内槽100bの底面には、薬液(排液)を外部に排出する排水管126が接続されている。この排水管126の途中には、三方弁128が介装され、この三方弁128の一つの出口ポートに接続された戻り管130を介して、必要に応じて、この薬液(排液)を薬液タンク120に戻して再利用できるようになっている。更に、この例では、蓋体102の表面(上面)に設けられたノズル板112は、例えば溶剤酸素を除去した超純水等の洗浄液(リンス液)を供給する洗浄液供給源132に接続されている。また、外槽100aの底面にも、排水管127が接続されている。
【0112】
これにより、基板を保持した処理ヘッド60を下降させて、処理槽100の上端開口部を処理ヘッド60で塞ぐように覆い、この状態で、処理槽100の内槽100bの内部に配置したノズル板124の噴射ノズル124aから薬液を基板Wに向けて噴射することで、基板Wの下面(処理面)の全面に亘って薬液を均一に噴射し、しかも薬液の外部への飛散を防止しつつ薬液を排水管126から外部に排出できる。更に、処理ヘッド60を上昇させ、処理槽100の上端開口部を蓋体102で閉塞した状態で、処理ヘッド60で保持した基板Wに向けて、蓋体102の上面に配置したノズル板112の噴射ノズル112aから溶剤酸素を除去した超純水等の洗浄液(リンス液)を噴射することで、基板表面に残った薬液のリンス処理(洗浄処理)を行い、しかもこの洗浄液は外槽100aと内槽100bの間を通って、排水管127を介して排出されるので、内槽100bの内部に流入することが防止され、洗浄液が薬液に混ざらないようになっている。
【0113】
この前処理ユニット40,42によれば、図16に示すように、処理ヘッド60を上昇させた状態で、この内部に基板Wを挿入して保持し、しかる後、図17に示すように、処理ヘッド60を下降させて処理槽100の上端開口部を覆う位置に位置させる。そして、処理ヘッド60を回転させて、処理ヘッド60で保持した基板Wを回転させながら、処理槽100の内部に配置したノズル板124の噴射ノズル124aから薬液を基板Wに向けて噴射することで、基板Wの全面に亘って薬液を均一に噴射する。また、処理ヘッド60を上昇させて所定位置で停止させ、図18に示すように、待避位置にあった蓋体102を処理槽100の上端開口部を覆う位置まで移動させる。そして、この状態で、処理ヘッド60で保持して回転させた基板Wに向けて、蓋体102の上面に配置したノズル板112の噴射ノズル112aから溶存酸素を除去した超純水等の洗浄液(リンス液)を噴射する。これにより、基板Wの薬液による処理と、洗浄液による洗浄(リンス)処理とを、2つの液体が混ざらないようにしながら行うことができる。
【0114】
なお、処理ヘッド60の下降位置を調整して、この処理ヘッド60で保持した基板Wとノズル板124との距離を調整することで、ノズル板124の噴射ノズル124aから噴射された薬液が基板Wに当たる領域や噴射圧を任意に調整することができる。
【0115】
第2めっきユニット46を構成する無電解めっき装置を図23乃至図29に示す。この第2めっきユニット(無電解めっき装置)46は、めっき槽200(図29参照)と、このめっき槽200の上方に配置されて基板Wを着脱自在に保持する基板ヘッド204を有している。
【0116】
基板ヘッド204は、図23に詳細に示すように、ハウジング部230とヘッド部232とを有し、このヘッド部232は、吸着ヘッド234と該吸着ヘッド234の周囲を囲繞する基板受け236から主に構成されている。そして、ハウジング部230の内部には、基板回転用モータ238と基板受け駆動用シリンダ240が収納され、この基板回転用モータ238の出力軸(中空軸)242の上端はロータリジョイント244に、下端はヘッド部232の吸着ヘッド234にそれぞれ連結され、基板受け駆動用シリンダ240のロッドは、ヘッド部232の基板受け236に連結されている。更に、ハウジング部230の内部には、基板受け236の上昇を機械的に規制するストッパ246が設けられている。
【0117】
ここで、吸着ヘッド234と基板受け236との間には、同様なスプライン構造が採用され、基板受け駆動用シリンダ240の作動に伴って基板受け236は吸着ヘッド234と相対的に上下動するが、基板回転用モータ238の駆動によって出力軸242が回転すると、この出力軸242の回転に伴って、吸着ヘッド234と基板受け236が一体に回転するように構成されている。
【0118】
吸着ヘッド234の下面周縁部には、図24乃至図26に詳細に示すように、下面をシール面として基板Wを吸着保持する吸着リング250が押えリング251を介して取付けられ、この吸着リング250の下面に円周方向に連続させて設けた凹状部250aと吸着ヘッド234内を延びる真空ライン252とが吸着リング250に設けた連通孔250bを介して互いに連通するようになっている。これにより、凹状部250a内を真空引きすることで、基板Wを吸着保持するのであり、このように、小さな幅(径方向)で円周状に真空引きして基板Wを保持することで、真空による基板Wへの影響(たわみ等)を最小限に抑え、しかも吸着リング250をめっき液(処理液)中に浸すことで、基板Wの表面(下面)のみならず、エッジについても、全てめっき液に浸すことが可能となる。基板Wのリリースは、真空ライン252にNを供給して行う。
【0119】
一方、基板受け236は、下方に開口した有底円筒状に形成され、その周壁には、基板Wを内部に挿入する基板挿入窓236aが設けられ、下端には、内方に突出する円板状の爪部254が設けられている。更に、この爪部254の上部には、基板Wの案内となるテーパ面256aを内周面に有する突起片256が備えられている。
【0120】
これにより、図24に示すように、基板受け236を下降させた状態で、基板Wを基板挿入窓236aから基板受け236の内部に挿入する。すると、この基板Wは、突起片256のテーパ面256aに案内され、位置決めされて爪部254の上面の所定位置に載置保持される。この状態で、基板受け236を上昇させ、図25に示すように、この基板受け236の爪部254上に載置保持した基板Wの上面を吸着ヘッド234の吸着リング250に当接させる。次に、真空ライン252を通して吸着リング250の凹状部250aを真空引きすることで、基板Wの上面の周縁部を該吸着リング250の下面にシールしながら基板Wを吸着保持する。そして、めっき処理を行う際には、図26に示すように、基板受け236を数mm下降させ、基板Wを爪部254から離して、吸着リング250のみで吸着保持した状態となす。これにより、基板Wの表面(下面)の周縁部が、爪部254の存在によってめっきされなくなることを防止することができる。
【0121】
図27は、めっき槽200の詳細を示す。このめっき槽200は、底部において、めっき液供給管308(図29参照)に接続され、周壁部にめっき液回収溝260が設けられている。めっき槽200の内部には、ここを上方に向かって流れるめっき液の流れを安定させる2枚の整流板262,264が配置され、更に底部には、めっき槽200の内部に導入されるめっき液の液温を測定する温度測定器266が設置されている。また、めっき槽200の周壁外周面のめっき槽200で保持しためっき液の液面よりやや上方に位置して、直径方向のやや斜め上方に向けてめっき槽200の内部に、pHが6〜7.5の中性液からなる停止液、例えば純水を噴射する噴射ノズル268が設置されている。これにより、めっき終了後、ヘッド部232で保持した基板Wをめっき液の液面よりやや上方まで引き上げて一旦停止させ、この状態で、基板Wに向けて噴射ノズル268から純水(停止液)を噴射して基板Wを直ちに冷却し、これによって、基板Wに残っためっき液によってめっきが進行してしまうことを防止することができる。
【0122】
更に、めっき槽200の上端開口部には、アイドリング時等のめっき処理の行われていない時に、めっき槽200の上端開口部を閉じて該めっき槽200からのめっき液の無駄な蒸発を防止するめっき槽カバー270が開閉自在に設置されている。
【0123】
このめっき槽200は、図29に示すように、底部において、めっき液貯槽302から延び、途中にめっき液供給ポンプ304と三方弁306とを介装しためっき液供給管308に接続されている。これにより、めっき処理中にあっては、めっき槽200の内部に、この底部からめっき液を供給し、溢れるめっき液をめっき液回収溝260からめっき液貯槽302へ回収することで、めっき液が循環できるようになっている。また、三方弁306の一つの出口ポートには、めっき液貯槽302に戻るめっき液戻り管312が接続されている。これにより、めっき待機時にあっても、めっき液を循環させることができるようになっており、これによって、めっき液循環系が構成されている。このように、めっき液循環系を介して、めっき液貯槽302内のめっき液を常時循環させることにより、単純にめっき液を貯めておく場合に比べてめっき液の濃度の低下率を減少させ、基板Wの処理可能数を増大させることができる。
【0124】
特に、この例では、めっき液供給ポンプ304を制御することで、めっき待機時及びめっき処理時に循環するめっき液の流量を個別に設定できるようになっている。すなわち、めっき待機時のめっき液の循環流量は、例えば2〜20L/minで、めっき処理時のめっき液の循環流量は、例えば0〜10L/minに設定される。これにより、めっき待機時にめっき液の大きな循環流量を確保して、セル内のめっき浴の液温を一定に維持し、めっき処理時には、めっき液の循環流量を小さくして、より均一な膜厚の保護膜(めっき膜)を成膜することができる。
【0125】
めっき槽200の底部付近に設けられた温度測定器266は、めっき槽200の内部に導入されるめっき液の液温を測定して、この測定結果を元に、下記のヒータ316及び流量計318を制御する。
【0126】
つまり、この例では、別置きのヒータ316を使用して昇温させ流量計318を通過させた水を熱媒体に使用し、熱交換器320をめっき液貯槽302内のめっき液中に設置して該めっき液を間接的に加熱する加熱装置322と、めっき液貯槽302内のめっき液を循環させて攪拌する攪拌ポンプ324が備えられている。これは、めっきにあっては、めっき液を高温(約80℃程度)にして使用することがあり、これと対応するためであり、この方法によれば、インライン・ヒーティング方式に比べ、非常にデリケートなめっき液に不要物等が混入するのを防止することができる。
【0127】
図28は、めっき槽200の側方に付設されている洗浄槽202の詳細を示す。この洗浄槽202の底部には、純水等のリンス液を上方に向けて噴射する複数の噴射ノズル280がノズル板282に取付けられて配置され、このノズル板282は、ノズル上下軸284の上端に連結されている。更に、このノズル上下軸284は、ノズル位置調整用ねじ287と該ねじ287と螺合するナット288との螺合位置を変えることで上下動し、これによって、噴射ノズル280と該噴射ノズル280の上方に配置される基板Wとの距離を最適に調整できるようになっている。
【0128】
更に、洗浄槽202の周壁外周面の噴射ノズル280より上方に位置して、直径方向のやや斜め下方に向けて洗浄槽202の内部に純水等の洗浄液を噴射して、基板ヘッド204のヘッド部232の、少なくともめっき液に接液する部分に洗浄液を吹き付けるヘッド洗浄ノズル286が設置されている。
【0129】
この洗浄槽202にあっては、基板ヘッド204のヘッド部232で保持した基板Wを洗浄槽202内の所定の位置に配置し、噴射ノズル280から純水等の洗浄液(リンス液)を噴射して基板Wを洗浄(リンス)するのであり、この時、ヘッド洗浄ノズル286から純水等の洗浄液を同時に噴射して、基板ヘッド204のヘッド部232の、少なくともめっき液に接液する部分を該洗浄液で洗浄することで、めっき液に浸された部分に析出物が蓄積してしまうことを防止することができる。
【0130】
この無電解めっき装置46にあっては、基板ヘッド204を上昇させた位置で、前述のようにして、基板ヘッド204のヘッド部232で基板Wを吸着保持し、めっき槽200のめっき液を循環させておく。
そして、めっき処理を行うときには、めっき槽200のめっき槽カバー270を開き、基板ヘッド204を回転させながら下降させ、ヘッド部232で保持した基板Wをめっき槽200内のめっき液に浸漬させる。
【0131】
そして、基板Wを所定時間めっき液中に浸漬させた後、基板ヘッド204を上昇させて、基板Wをめっき槽200内のめっき液から引き上げ、必要に応じて、前述のように、基板Wに向けて噴射ノズル268から純水(停止液)を噴射して基板Wを直ちに冷却し、更に基板ヘッド204を上昇させて基板Wをめっき槽200の上方位置まで引き上げて、基板ヘッド204の回転を停止させる。
【0132】
次に、基板ヘッド204のヘッド部232で基板Wを吸着保持したまま、基板ヘッド204を洗浄槽202の直上方位置に移動させる。そして、基板ヘッド204を回転させながら洗浄槽202内の所定の位置まで下降させ、噴射ノズル280から純水等の洗浄液(リンス液)を噴射して基板Wを洗浄(リンス)し、同時に、ヘッド洗浄ノズル286から純水等の洗浄液を噴射して、基板ヘッド204のヘッド部232の、少なくともめっき液に接液する部分を該洗浄液で洗浄する。
【0133】
この基板Wの洗浄が終了した後、基板ヘッド204の回転を停止させ、基板ヘッド204を上昇させて基板Wを洗浄槽202の上方位置まで引き上げ、更に基板ヘッド204を搬送ロボット34との受渡し位置まで移動させ、この搬送ロボット34に基板Wを受渡して次工程に搬送する。
【0134】
この電解めっきユニット46には、図29に示すように、無電解めっき装置46が保有するめっき液の液量を計測するとともに、例えば吸光光度法、滴定法、電気化学的測定などでめっき液の組成を分析し、めっき液中の不足する成分を補給するめっき液管理ユニット330が備えられている。そして、これらの分析結果を信号処理してめっき液中の不足する成分を、図示しない補給槽から定量ポンプなどを使ってめっき液貯槽302へ補給してめっき液の液量と組成を管理するようになっており、これによって、薄膜めっきを再現性良く実現できる。
【0135】
このめっき液管理ユニット330は、無電解めっき装置46が保有するめっき液の溶存酸素を、例えば電気化学的方法等により測定する溶存酸素濃度計332を有しており、この溶存酸素濃度計332の指示により、例えば脱気、窒素吹き込みその他の方法でめっき液中の溶存酸素濃度を一定に管理することができるようになっている。このように、めっき液中の溶存酸素濃度を一定に管理することで、めっき反応を再現性良く実現することができる。
【0136】
図30及び図31は、図3におけるリンス・乾燥ユニット45と洗浄ユニット47とを兼用して、基板の洗浄(後処理)とリンス・乾燥処理を連続して行うようにした洗浄・乾燥ユニット400を示す。つまり、この洗浄・乾燥ユニット400は、まず化学洗浄(後処理)及び純水洗浄(リンス)を行い、その後、スピンドル回転により洗浄後の基板Wを完全乾燥させるようにしたユニットであり、基板Wのエッジ部を把持するクランプ機構420を備えた基板ステージ422と、このクランプ機構420の開閉を行う基板着脱用昇降プレート424とを備えている。
【0137】
基板ステージ422は、スピンドル回転用モータ(図示せず)の駆動に伴って高速回転するスピンドル426の上端に連結されている。また、クランプ機構420で把持した基板Wの周囲には、処理液の飛散を防止する洗浄カップ428が配置されており、この洗浄カップ428は図示しないシリンダの作動に伴って上下動するようになっている。
【0138】
また、洗浄・乾燥ユニット400は、クランプ機構420で把持した基板Wの表面に処理液を供給する薬液用ノズル430と、基板Wの裏面に純水を供給する複数の純水用ノズル432と、クランプ機構420で把持した基板Wの上方に配置された回転可能なペンシル型洗浄スポンジ434とを備えている。この洗浄スポンジ434は、水平方向に揺動可能な旋回アーム436の自由端に取付けられている。なお、洗浄・乾燥ユニット400の上部には、ユニット内にクリーンエアを導入するためのクリーンエア導入口438が設けられている。
【0139】
このような構成の洗浄・乾燥ユニット400においては、基板Wをクランプ機構420で把持して回転させ、旋回アーム436を旋回させながら、薬液用ノズル430から処理液を洗浄スポンジ434に向けて供給しつつ、基板Wの表面に洗浄スポンジ434を擦り付けることで、基板Wの表面の後処理を行うようになっている。そして、純水用ノズル432から基板Wの裏面に純水が供給され、この純水用ノズル432から噴射される純水で基板Wの裏面も同時に洗浄(リンス)される。このようにして洗浄された基板Wは、スピンドル426を高速回転させることでスピン乾燥させられる。
【0140】
なお、図示しないが、乾燥ユニットとして、この内部に乾燥空気を供給するドライエアユニットを備え、基板のスピンドライの際に、乾燥ユニット内に乾燥空気を供給するようにしたものを使用することが好ましい。これにより、基板の乾燥を徹底させ、吸着水分による配線部分の酸化やミストバックによるウォータ・マーク発生などの問題を回避することができる。
【0141】
また、リンス液として、水素ガス溶解水や電解カソード水を使用する場合には、前記各ユニットに、超純水に水素ガスを溶解する装置または超純水を電解する装置を付設し、これらの装置から水素ガス溶解水または電解カソード水を基板に供給するようにすることができる。
【0142】
なお、前述の保護膜(めっき膜)28の形成にあたっては、膜厚、膜質、選択性に対する高い精度が要求されるので、各プロセスステップ間の時間を制御することが必要であり、それを実現するために、全てのプロセスステップを同一装置内で行うことが有効であるが、この半導体製造装置によれば、この要請に応えることができる。
【0143】
また、薬液処理やめっき処理後に基板の表面に薬液やめっき液が残ると、保護膜(めっき膜)の面内均一性や配線の電気特性等の成膜状態に悪影響を及ぼす。そのために、薬液処理と純水リンス処理を同じユニット内で行って、基板の表面に残った薬液やめっき液を素早く除去することで、装置のフットプリントを低減させるとともに、高い歩留りで半導体装置等を製造することができる。
【0144】
ここで、噴射方式の薬液処理またはリンス処理を採用することにより、基板表面へ常にフレッシュな液体をより均一に分散させて供給して、処理時間が短縮できる。また、噴射点の位置を調整することで、保護膜の面内処理の均一性を容易に改善することができる。なお、例えば、基板表面にマイルドな処理が必要である場合には、浸漬方式を採用しても良いことは勿論である。
【0145】
噴射ノズルからの液体の噴射角には制限があるので、一つの噴射ノズルからの噴射では、限られる範囲にしかカーパできない。噴射距離が短すぎると、基板全面に向けて薬液等を噴射するために、噴射ノズルの数が多く要求される。一方、噴射距離が長すぎると、過大な加圧装置が必要となり、めっき装置全体の高さが増える。このため、一つの工程に使用する噴射ノズルの数は、例えば1〜25個で、噴射ノズルから基板までの距離は、例えば10〜150mm程度が好ましい。また、一つの噴射ノズルから噴射される薬液等の流量は、0.2〜1.2L/minで、噴射圧力は10〜100kPa程度が好ましい。
【0146】
図32は、半導体装置の製造装置の他の例を示す平面配置図である。この製造装置は、研磨ユニット30と洗浄ユニット47との間にベベル・エッチングユニット150とアニールユニット152とを配置して、第1搬送ロボット34で、ロード・アンロード部に収納した基板カセット32、膜厚測定ユニット38、第1めっきユニット40、リンス・乾燥ユニット45、第2めっきユニット46及び洗浄ユニット47の間での基板の搬送を行い、第2搬送ロボット36で、第1前処理ユニット42、第2前処理ユニット44、研磨ユニット30、ベベル・エッチングユニット150及びアニールユニット152の間での基板の搬送を行うようにしたものである。その他の構成は、図3に示すものと同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0147】
この例によれば、前述のようにして、第1めっきユニット40で基板Wの表面に銅層24を堆積させて銅の埋込みを行った基板をベベル・エッチングユニット150に搬送し、ここで基板のベベル部乃至エッジ部に付着した不要な配線材料をエッチング除去し、更に必要に応じて基板の裏面を薬液洗浄する。そして、この基板をアニールユニット152に搬送し、ここで、基板に、例えば300〜400℃程度で1〜5分間の熱処理(アニール)を施し、しかる後、このアニール後の基板を、前述と同様に第1前処理ユニット40に搬送して、前述と同様の処理を行う。この例によれば、このように、ベベルエッチング処理及びアニール処理を含めた一連の処理を連続して行うことができる。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板の表面に形成した埋込み配線の露出表面に、無電解めっきによって保護膜を形成する一連の処理を連続して行うことができ、しかも乾燥状態まで基板を仕上げるので、そのまま次工程に搬送することが可能となるばかりでなく、次工程にかかるまでの間での保護膜(めっき膜)の劣化を抑えることができる。これによって、半導体ウエハ等の基板面内、基板間での再現性があり、高い歩留りで半導体装置等を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無電解めっきによって保護膜を形成した状態を示す断面図である。
【図2】半導体装置における銅配線形成例を工程順に示すである。
【図3】半導体装置の製造装置の一例を示す平面配置図である。
【図4】本発明の実施の形態の半導体装置の製造工程におけるプロセスフロー図である。
【図5】図5(a)は、バリア層と配線の境界部分にV字状の腐食が生じた状態を、図5(b)は、この状態で保護膜を形成した状態をそれぞれ示す図である。
【図6】図6(a)は、配線側を僅かにエッチングしてバリア層と配線の境界部分に生じたV字状の腐食を消失させた状態を、図6(b)は、この状態で保護膜を形成した状態をそれぞれ示す図である。
【図7】研磨ユニットを構成するCMP装置の一例を示す概要図である。
【図8】膜厚測定ユニットにおける反転機近傍の概略正面図である。
【図9】膜厚測定ユニットにおける反転アーム部の平面図である。
【図10】第1めっきユニットを構成する電気めっき装置を示す平面図である。
【図11】図10のA−A線断面図である。
【図12】図10に示す電気めっき装置の基板保持部及びカソード部の断面図である。
【図13】図10に示す電気めっき装置の電極アーム部の断面図である。
【図14】図10に示す電気めっき装置の電極アーム部のハウジングを除いた平面図である。
【図15】図10に示す電気めっき装置のアノードとめっき液含浸材を示す概要図である。
【図16】前処理ユニットの基板受渡し時における正面図である。
【図17】前処理ユニットの薬液処理時における正面図である。
【図18】前処理ユニットのリンス時における正面図である。
【図19】前処理ユニットの基板受渡し時における処理ヘッドを示す断面図である。
【図20】図19のA部拡大図である。
【図21】前処理ユニットの基板固定時における図20相当図である。
【図22】前処理ユニットの系統図である。
【図23】第2めっきユニットを構成する無電解めっき装置の基板受渡し時における基板ヘッドを示す断面図である。
【図24】図23のB部拡大図である。
【図25】無電解めっき装置の基板固定時における基板ヘッドを示す図24相当図である。
【図26】無電解めっき装置のめっき処理時における基板ヘッドを示す図24相当図である。
【図27】無電解めっき装置のめっき槽カバーを閉じた時のめっき槽を示す一部切断の正面図である。
【図28】無電解めっき装置の洗浄槽を示す断面図である。
【図29】無電解めっき装置の系統図である。
【図30】洗浄・乾燥ユニットを示す縦断正面図である。
【図31】洗浄・乾燥ユニットを示す平面図である。
【図32】半導体装置の製造装置の他の例を示す平面配置図である。
【符号の説明】
10 半導体基材
14 コンタクトホール
16 配線用溝
18 配線用凹部
20 バリア層
22 シード層
24 銅層
26 配線
28 保護膜
29 ハウジング
30 研磨ユニット
32 基板カセット
34,36 搬送ロボット
38 膜厚測定ユニット
40 第1めっきユニット
42,44 前処理ユニット
45 リンス・乾燥ユニット
46 第2めっきユニット
47 洗浄ユニット
48 プッシャ
58 基板ホルダ
60 処理ヘッド
100 めっき処理槽
102 蓋体
112,124,282 ノズル板
112a,124a,268,280 噴射ノズル
132 洗浄液供給源
200 めっき槽
202 洗浄槽
204 基板ヘッド
230 ハウジング部
232 ヘッド部
234 吸着ヘッド
250 吸着リング
252 真空ライン
266 温度測定器
286 ヘッド洗浄ノズル
400 洗浄・乾燥ユニット
422 基板ステージ
428 洗浄カップ
430 薬液用ノズル
432 純水用ノズル
434 洗浄スポンジ
436 旋回アーム
439 反転機
453,453 反転アーム
520 研磨布
522 研磨テーブル
524 トップリング
526 研磨液供給ノズル
528 ドレッサー

Claims (21)

  1. 基板上の絶縁膜に形成し表面にバリア層を堆積させた配線用凹部内に配線材料を埋込み、余分な配線材料を除去し平坦化して基板の表面に埋込み配線を形成し、
    前記平坦化後の基板をめっき前処理後に直ちに洗浄し、
    前記洗浄後の基板の表面に直ちに無電解めっきを施して前記配線の露出表面に保護膜を選択的に形成し、
    前記めっき後の基板を乾燥状態とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記めっき前処理を施す基板が、前記平坦化後に乾燥状態としたものであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記平坦化後の基板を直ちに洗浄し、該洗浄後の基板を直ちにめっき前処理することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記平坦化処理を施す基板が、基板上の前記配線用凹部に配線材料を埋込んだ後に乾燥状態としたものであることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記配線材料は、銅、銅合金、銀または銀合金であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記バリア層は、チタン、タンタル、タングステンまたはそれらの化合物の少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記保護膜は、コバルト、コバルト合金、ニッケルまたはニッケルの合金であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記平坦化後及び/または前記めっき前処理後の基板の洗浄を、該基板を浸漬したとき、配線の露出表面とバリア層の露出表面の電位差が200mV以下となるような洗浄液を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記洗浄液は、溶存酸素を除去した超純水であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記洗浄液は、水素ガスを溶存せしめた超純水であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記余分な配線材料を除去し平坦化する処理を、バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも貴である研磨液を用いた化学機械的研磨法で行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記余分な配線材料を除去し平坦化する処理を、バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも卑である研磨液を用いた化学機械的研磨法で行い、かつ無電解めっきを行う前のめっき前処理において、バリア層を浸漬したときの表面電位が配線材料を浸漬したときの表面電位よりも貴である処理液で基板を処理することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記余分な配線材料を除去し平坦化する処理は、研磨液中に基板と導電性を有する研磨工具とを対向させて配置し、基板側をアノード分極、研磨工具側をカソード分極として処理する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記余分な配線材料を除去し平坦化する処理は、超純水中に基板とカソードとを該基板とカソードとの間にイオン交換体を介在させつつ対向させて配置し、基板側をアノード分極として処理する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記各処理ならびにその間の搬送工程の少なくともいずれかを遮光下で行うことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  16. 基板表面に設けた配線用凹部の表面にバリア層を堆積し該配線用凹部内に配線材料を埋込んで形成した埋込み配線の露出表面に保護膜を選択的に形成する半導体装置の製造装置であって、
    前記基板表面の前記配線用凹部以外に成膜された余分な前記配線材料ならびに前記バリア層を除去し平坦化する平坦化ユニットと、
    前記平坦化後の基板を洗浄する洗浄ユニットと、
    前記洗浄後の基板表面にめっき前処理を施す前処理ユニットと、
    前記前処理後の基板の表面に無電解めっきを施して前記埋込み配線の露出表面に前記保護膜を選択的に形成する無電解めっきユニットと、
    前記無電解めっき処理後の基板を乾燥状態にする乾燥ユニットを有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
  17. 前記無電解めっきユニットと前記乾燥ユニットの間に、基板表面に形成した前記保護膜の選択性を向上させるための後処理を施す後処理ユニットを有することを特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造装置。
  18. 前記前処理ユニットは、基板表面を薬液で処理し、該薬液を基板表面から除去する第1前処理ユニットと、基板表面に触媒を付与し、該触媒付与に使用した薬液を基板表面から除去する第2前処理ユニットとを有することを特徴とする請求項16または17記載の半導体装置の製造装置。
  19. 前記平坦化ユニットが、化学機械的研磨ユニット、電気化学的研磨ユニット、または複合電解研磨ユニットの少なくとも1つ以上から構成されていることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の半導体装置の製造装置。
  20. 前記平坦化ユニットの前に前記基板表面の前記配線用凹部に配線材料を成膜する成膜ユニットを有することを特徴とする請求項16乃至19のいずれかに記載の半導体装置の製造装置。
  21. 前記成膜ユニットが少なくともめっきユニットを有することを特徴とする請求項20記載の半導体装置の製造装置。
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